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特許7141772画像検査装置、画像検査方法、および、画像検査プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】画像検査装置、画像検査方法、および、画像検査プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/892 20060101AFI20220915BHJP
【FI】
G01N21/892 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021196048
(22)【出願日】2021-12-02
【審査請求日】2022-02-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】594018832
【氏名又は名称】株式会社岩崎電機製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100087653
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴江 正二
(74)【代理人】
【識別番号】100142376
【弁理士】
【氏名又は名称】吉村 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】川西 哲詩
(72)【発明者】
【氏名】西村 明浩
【審査官】赤木 貴則
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/119772(WO,A1)
【文献】特開2010-085255(JP,A)
【文献】特開2008-249569(JP,A)
【文献】特開2008-039533(JP,A)
【文献】特開2006-048370(JP,A)
【文献】特開平06-102200(JP,A)
【文献】特開平05-231842(JP,A)
【文献】特開平05-172542(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0007241(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84-G01N 21/958
G01B 11/00-G01B 11/30
G06T 1/00
G06T 7/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像情報を受付ける画像情報受付部と、
前記画像情報から損傷に関する情報を作成する損傷情報作成部と、
前記損傷情報作成部が作成した前記損傷に関する情報を出力する検査結果情報出力部とを備え、
前記画像情報が、
それぞれ画素の輝度を値によって示す複数の画素情報と、
前記画素情報がそれぞれ対応付けられ画像における位置を示す複数の位置情報とを含む画像検査装置であって、
前記損傷情報作成部が、複数の画素情報集団それぞれについて、前記輝度の最大値と最小値との差である関数値を算出する関数値算出部を有しており、
前記画素情報集団が、
前記複数の画素情報のいずれかである判断対象画素情報と、
前記複数の画素情報のいずれかである少なくとも2つの共代入画素情報とを含んでおり、
前記少なくとも2つの共代入画素情報がそれぞれ前記輝度を示す画素は、前記判断対象画素情報が前記輝度を示す画素にそれぞれ隣接しており、
前記損傷情報作成部が、関数平均値を算出する関数平均値算出部を前記関数値算出部に加えて有しており、
前記関数平均値が、前記関数値算出部が算出した前記関数値により構成される関数値集団の平均値であり、
前記損傷情報作成部が、
前記関数平均値算出部が前記関数平均値を算出した後、前記関数値集団の標準偏差を算出する標準偏差算出部と、
前記標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値へ前記関数平均値を加えることで得られる値を範囲境界値として算出する平均値加算部と、
前記関数値集団を構成する前記関数値のうち前記範囲境界値を超えるものの算出に用いられた前記画素情報集団に含まれる前記判断対象画素情報を、前記損傷を受けた箇所を示す前記画素の前記画素情報と判断する、境界判断部と、
前記損傷を受けた箇所を示す前記画素の前記画素情報に対応付けられている前記位置情報を、前記損傷を受けた箇所を示す前記画素の前記位置情報として記憶する範囲外画素位置記憶部と、
前記範囲外画素位置記憶部が記憶した前記損傷を受けた箇所を示す前記画素の前記位置情報に基づいて、前記損傷の一端から他端までの長さと前記損傷が占める面積と前記損傷の数とのうち複数種類に関する情報を前記損傷に関する情報として作成する出力対象情報作成部とを有していることを特徴とする画像検査装置。
【請求項2】
前記出力対象情報作成部が、
前記損傷の一端から他端までの長さと前記損傷が占める面積と前記損傷の数とのうちの複数種類と所定の単位空間とに基づいて前記損傷についてのマハラノビス距離を算出するマハラノビス算出部と、
前記マハラノビス算出部が算出した前記マハラノビス距離が閾値を超えるか否かに基づいて異常な前記損傷が生じているか否かを示す情報を前記損傷に関する情報として作成する判断結果情報作成部とを有していることを特徴とする請求項1に記載の画像検査装置。
【請求項3】
画像情報をコンピュータが受付ける画像情報受付工程と、
前記画像情報から損傷に関する情報を前記コンピュータが作成する損傷情報作成工程と、
前記損傷情報作成工程において作成された前記損傷に関する情報を前記コンピュータが出力する検査結果情報出力工程とを備え、
前記画像情報が、
それぞれ画素の輝度を値によって示す複数の画素情報と、
前記画素情報がそれぞれ対応付けられ画像における位置を示す複数の位置情報とを含む画像検査方法であって、
前記損傷情報作成工程が、複数の画素情報集団それぞれについて、前記輝度の最大値と最小値との差である関数値が算出される関数値算出工程を有しており、
前記画素情報集団が、
前記複数の画素情報のいずれかである判断対象画素情報と、
前記複数の画素情報のいずれかである少なくとも2つの共代入画素情報とを含んでおり、
前記少なくとも2つの共代入画素情報がそれぞれ前記輝度を示す画素は、前記判断対象画素情報が前記輝度を示す画素にそれぞれ隣接しており、
前記損傷情報作成工程が、関数平均値が算出される関数平均値算出工程を前記関数値算出工程に加えて有しており、
前記関数平均値が、前記関数値算出工程において算出された前記関数値により構成される関数値集団の平均値であり、
前記損傷情報作成工程が、
前記関数平均値算出工程において前記関数平均値が算出された後、前記関数値集団の標準偏差が算出される標準偏差算出工程と、
前記標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値へ前記関数平均値を加えることで得られる値が範囲境界値として算出される平均値加算工程と、
前記関数値集団を構成する前記関数値のうち前記範囲境界値を超えるものの算出に用いられた前記画素情報集団に含まれる前記判断対象画素情報が、前記損傷を受けた箇所を示す前記画素の前記画素情報と判断される、境界判断工程と、
前記損傷を受けた箇所を示す前記画素の前記画素情報に対応付けられている前記位置情報が、前記損傷を受けた箇所を示す前記画素の前記位置情報として記憶される範囲外画素位置記憶工程と、
前記範囲外画素位置記憶工程において記憶された前記損傷を受けた箇所を示す前記画素の前記位置情報に基づいて、前記損傷の一端から他端までの長さと前記損傷が占める面積と前記損傷の数とのうち複数種類に関する情報が前記損傷に関する情報として作成される出力対象情報作成工程とを有していることを特徴とする画像検査方法。
【請求項4】
画像情報が受付けられる画像情報受付工程と、
前記画像情報から損傷に関する情報が作成される損傷情報作成工程と、
前記損傷情報作成工程において作成された前記損傷に関する情報が出力される検査結果情報出力工程とを備え、
前記画像情報が、
それぞれ画素の輝度を値によって示す複数の画素情報と、
前記画素情報がそれぞれ対応付けられ画像における位置を示す複数の位置情報とを含む画像検査方法をコンピュータが実施するための画像検査プログラムであって、
前記損傷情報作成工程が、複数の画素情報集団それぞれについて、前記輝度の最大値と最小値との差である関数値が算出される関数値算出工程を有しており、
前記画素情報集団が、
前記複数の画素情報のいずれかである判断対象画素情報と、
前記複数の画素情報のいずれかである少なくとも2つの共代入画素情報とを含んでおり、
前記少なくとも2つの共代入画素情報がそれぞれ前記輝度を示す画素は、前記判断対象画素情報が前記輝度を示す画素にそれぞれ隣接しており、
前記損傷情報作成工程が、関数平均値が算出される関数平均値算出工程を前記関数値算出工程に加えて有しており、
前記関数平均値が、前記関数値算出工程において算出された前記関数値により構成される関数値集団の平均値であり、
前記損傷情報作成工程が、
前記関数平均値算出工程において前記関数平均値が算出された後、前記関数値集団の標準偏差が算出される標準偏差算出工程と、
前記標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値へ前記関数平均値を加えることで得られる値が範囲境界値として算出される平均値加算工程と、
前記関数値集団を構成する前記関数値のうち前記範囲境界値を超えるものの算出に用いられた前記画素情報集団に含まれる前記判断対象画素情報が、前記損傷を受けた箇所を示す前記画素の前記画素情報と判断される、境界判断工程と、
前記損傷を受けた箇所を示す前記画素の前記画素情報に対応付けられている前記位置情報が、前記損傷を受けた箇所を示す前記画素の前記位置情報として記憶される範囲外画素位置記憶工程と、
前記範囲外画素位置記憶工程において記憶された前記損傷を受けた箇所を示す前記画素の前記位置情報に基づいて、前記損傷の一端から他端までの長さと前記損傷が占める面積と前記損傷の数とのうち複数種類に関する情報が前記損傷に関する情報として作成される出力対象情報作成工程とを有していることを特徴とする画像検査プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像検査装置、画像検査方法、および、画像検査プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は印刷パターン検査装置を開示する。この印刷パターン検査装置は、次に述べられる9種類の手段によって構成される。それらの手段のうち1つ目は、完全品の濃淡画像を取込む手段である。それらの手段のうち2つ目は、完全品から取込んだ濃淡画像を2値化処理する手段である。それらの手段のうち3つ目は、被検査品の濃淡画像を取込む手段である。それらの手段のうち4つ目は、被検査品から取込んだ濃淡画像を2値化処理する手段である。それらの手段のうち5つ目は、完全品の2値化処理画像と被検査品の2値化処理画像とに基づいてズレ画素数を算出する手段である。それらの手段のうち6つ目は、被検査品から取込んだ濃淡画像を上述されたズレ画素数-1から上述されたズレ画素数+1の範囲でシフトする手段である。それらの手段のうち7つ目は、完全品から取込んだ濃淡画像と被検査品から取込んでシフトした濃淡画像との差の絶対値を画素毎に演算して差画像を作成する手段である。それらの手段のうち8つ目は、上述された差画像を2値化処理して欠陥抽出画像を作成する手段である。それらの手段のうち9つ目は、上述された欠陥抽出画像に基づいて欠陥の程度を判定する手段である。
【0003】
特許文献1に開示されている印刷パターン検査装置によれば、製品に印刷されたパターンの欠陥を画像認識によって精度よく判定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平5-172542号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示された印刷パターン検査装置には、被検査品における損傷の程度の判定が困難という問題点がある。
【0006】
本発明はこのような問題を解消するものである。その目的は、損傷の程度を判定できる画像検査装置、画像検査方法、および、画像検査プログラムの提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
図面に基づいて本発明の画像検査装置、画像検査方法、および、画像検査プログラムが説明される。なお、この欄で図中の符号を使用したのは、発明の内容の理解を助けるためであって、内容を図示した範囲に限定する意図ではない。
【0008】
上述された課題を解決するために本発明のある局面に従うと、画像検査装置10は、画像情報受付部62と、損傷情報作成部66と、検査結果情報出力部72とを備える。画像情報受付部62は画像情報を受付ける。損傷情報作成部66は画像情報から損傷に関する情報を作成する。検査結果情報出力部72は損傷情報作成部66が検出した損傷に関する情報を出力する。画像情報が複数の画素情報と複数の位置情報とを含む。複数の画素情報はそれぞれ画素の輝度を値によって示す。複数の位置情報には画素情報がそれぞれ対応付けられている。位置情報は画像における位置を示す。損傷情報作成部66が、関数値算出部100を有している。関数値算出部100は、複数の画素情報集団それぞれについて、関数値を算出する。関数値は、輝度の最大値と最小値との差である。画素情報集団が、判断対象画素情報と、少なくとも2つの共代入画素情報とを含んでいる。判断対象画素情報は、複数の画素情報のいずれかである。共代入画素情報は、複数の画素情報のいずれかである。少なくとも2つの共代入画素情報がそれぞれ輝度を示す画素は、判断対象画素情報が輝度を示す画素にそれぞれ隣接している。損傷情報作成部66が、関数平均値算出部120を関数値算出部100に加えて有している。関数平均値算出部120は、関数平均値を算出する。関数平均値は、関数値算出部100が算出した関数値により構成される関数値集団の平均値である。損傷情報作成部66が、標準偏差算出部122と、平均値加算部124と、境界判断部106と、範囲外画素位置記憶部82と、出力対象情報作成部84とを有している。標準偏差算出部122は、関数平均値算出部120が関数平均値を算出した後、関数値集団の標準偏差を算出する。平均値加算部124は、標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値へ関数平均値を加えることで得られる値を範囲境界値として算出する。境界判断部106は、次に述べられる判断対象画素情報を、損傷を受けた箇所を示す画素の画素情報と判断する。その判断対象画素情報は、関数値集団を構成する関数値のうち範囲境界値を超えるものの算出に用いられた画素情報集団に含まれるものである。範囲外画素位置記憶部82は、損傷を受けた箇所を示す画素の画素情報に対応付けられている位置情報を、損傷を受けた箇所を示す画素の位置情報として記憶する。出力対象情報作成部84は、損傷の一端から他端までの長さと損傷が占める面積と損傷の数とのうち複数種類に関する情報を損傷に関する情報として作成する。その損傷に関する情報は、範囲外画素位置記憶部82が記憶した損傷を受けた箇所を示す画素の位置情報に基づいて作成される。
【0009】
画像を構成する画素のうち損傷を受けた箇所を示すものはそうでない箇所を示すものと大きく異なる。これにより、損傷を受けた箇所またはその付近をそれぞれ示し相互の距離が所定の範囲内である複数の画素の間においては、損傷を受けた箇所を示す画素の輝度とそうでない箇所を示す画素の輝度とが大きく異なることとなる。これらの輝度が大きく異なるので、これらの輝度を示す値の関係は損傷を受けていない箇所を示す画素同士の間でのその関係と大きく異なる。その関係が大きく異なるので、その関係が他の画素同士のその関係と大きく異なる画素のいずれかが、損傷を受けた箇所を示すこととなる。これにより、損傷を受けた箇所を示す画素を特定することが可能になると、損傷の長さと損傷が占める面積と損傷の数とを特定することが可能となる。損傷の長さと損傷が占める面積と損傷の数とのうち複数種類を特定することで、複数種類の観点に基づいて損傷の程度を示す情報を作成できる。複数種類の観点に基づいて損傷の程度が示されると、損傷の程度を的確に判定できることとなる。その結果、損傷の程度を判定できる画像検査装置10が提供される。
【0010】
【0011】
範囲外画素位置記憶部82が記憶する位置情報に対応付けられる画素情報が範囲境界値を超えると判断された関数値の算出に用いられた判断対象画素情報であると、次に述べられる画素が検出されることとなる。その画素は、画像のうち画素のいずれもが受けるものではない特別な影響を受けた箇所に配置される画素である。そのような画素が検出されると、画素のいずれもが受けるに過ぎない影響のみを受けた画素も検出される場合に比べて、損傷がより的確に検出される可能性が高くなる。その結果、損傷の程度を的確に判定できる画像検査装置10が提供される。
【0012】
【0013】
関数値集団の標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値へ関数平均値を加えることにより範囲境界値が算出されると、画像のうち画素のいずれもが受けるものではない特別な影響を受けた箇所に配置される画素は、画像情報受付部62が受付けた画像情報に含まれる画素に基づいて検出されることとなる。そのようにして画素が検出されると、画像情報受付部62が受付けた画像情報に基づかず得られた範囲境界値が用いられる場合に比べて、損傷がより的確に検出される可能性が高くなる。その結果、損傷の程度を的確に判定できる画像検査装置10が提供される。
【0014】
【0015】
関数値集団の標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値へ関数平均値を加えることで得られる値が範囲境界値として用いられると、ある判断対象画素情報に対応する位置情報が次に述べられる場合に範囲外画素位置記憶部82によって記憶される。その場合とは、その判断対象画素情報が輝度を示す画素と共代入画素情報が輝度を示す画素との間の差異が特異である確率が高い場合である。これにより、画像情報に含まれる画素の中で特異なものが検出され易くなる。そのような画素が検出されると、画素のいずれもが受けるに過ぎない影響のみを受けた画素も頻繁に検出される場合に比べて、損傷がより的確に検出される可能性が高くなる。その結果、損傷の程度を的確に判定できる画像検査装置10が提供される。
【0016】
【0017】
上述された画素情報集団における輝度の最大値と最小値との差が関数値として算出されると、画像情報に含まれる画素の中で特異なものが検出され易くなる。そのような画素が検出されると、損傷がより的確に検出される可能性が高くなる。その結果、損傷の程度を的確に判定できる画像検査装置10が提供される。
【0018】
もしくは、上述された出力対象情報作成部84が、マハラノビス算出部140と、判断結果情報作成部142とを有していることが望ましい。マハラノビス算出部140は、損傷の一端から他端までの長さと損傷が占める面積と損傷の数とのうちの複数種類と所定の単位空間とに基づいて損傷についてのマハラノビス距離を算出する。判断結果情報作成部142は、マハラノビス算出部140が算出したマハラノビス距離が閾値を超えるか否かに基づいて異常な損傷が生じているか否かを示す情報を損傷に関する情報として作成する。
【0019】
損傷の一端から他端までの長さと損傷が占める面積と損傷の数とのうちの複数種類と所定の単位空間とに基づいて損傷についてのマハラノビス距離が算出される。マハラノビス距離が閾値を超えるか否かに基づいて異常な損傷が生じているか否かが判断される。これにより、損傷の態様を踏まえてその損傷の程度を判定できる画像検査装置が提供される。
【0020】
本発明の他の局面に従うと、画像検査方法は、画像情報受付工程S152と、損傷情報作成工程S156と、検査結果情報出力工程S162とを備える。画像情報受付工程S152において、画像情報をコンピュータ20が受付ける。損傷情報作成工程S156において、画像情報から損傷に関する情報をコンピュータ20が作成する。検査結果情報出力工程S162において、損傷情報作成工程S156において検出された損傷に関する情報をコンピュータ20が出力する。画像情報が、複数の画素情報と、複数の位置情報とを含む。複数の画素情報は、それぞれ画素の輝度を値によって示す。複数の位置情報には、画素情報がそれぞれ対応付けられている。位置情報は、画像における位置を示す。損傷情報作成工程S156が、関数値算出工程S190を有している。関数値算出工程S190において、複数の画素情報集団それぞれについて、関数値が算出される。関数値は、輝度の最大値と最小値との差である。画素情報集団が、判断対象画素情報と、少なくとも2つの共代入画素情報とを含んでいる。判断対象画素情報は、複数の画素情報のいずれかである。共代入画素情報は、複数の画素情報のいずれかである。少なくとも2つの共代入画素情報がそれぞれ輝度を示す画素は、判断対象画素情報が輝度を示す画素にそれぞれ隣接している。損傷情報作成工程S156が、関数平均値算出工程S220を関数値算出工程S190に加えて有している。関数平均値算出工程S220において、関数平均値が算出される。関数平均値は、関数値算出工程S190において算出された関数値により構成される関数値集団の平均値である。損傷情報作成工程S156が、標準偏差算出工程S222と、平均値加算工程S224と、境界判断工程S198と、範囲外画素位置記憶工程S172と、出力対象情報作成工程S174とを有している。標準偏差算出工程S222において、関数平均値算出工程S220にて関数平均値が算出された後、関数値集団の標準偏差が算出される。平均値加算工程S224において、標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値へ関数平均値を加えることで得られる値が範囲境界値として算出される。境界判断工程S198において、次に述べられる判断対象画素情報が、損傷を受けた箇所を示す画素の画素情報と判断される。その判断対象画素情報は、関数値集団を構成する関数値のうち範囲境界値を超えるものの算出に用いられた画素情報集団に含まれるものである。範囲外画素位置記憶工程S172において、損傷を受けた箇所を示す画素の画素情報に対応付けられている位置情報が、損傷を受けた箇所を示す画素の位置情報として記憶される。出力対象情報作成工程S174において、損傷の一端から他端までの長さと損傷が占める面積と損傷の数とのうち複数種類に関する情報が損傷に関する情報として作成される。その損傷に関する情報は、範囲外画素位置記憶工程S172において記憶された損傷を受けた箇所を示す画素の位置情報に基づいて作成される。
【0021】
本発明にかかる画像検査方法によれば、損傷の程度を判定できる。
【0022】
本発明の他の局面に従うと、画像検査プログラムは、画像検査方法をコンピュータ20が実施するためのプログラムである。画像検査方法は、画像情報受付工程S152と、損傷情報作成工程S156と、検査結果情報出力工程S162とを備える。画像情報受付工程S152において、画像情報が受付けられる。損傷情報作成工程S156において、画像情報から損傷に関する情報が作成される。検査結果情報出力工程S162において、損傷情報作成工程S156において作成された損傷に関する情報が出力される。画像情報が、複数の画素情報と、複数の位置情報とを含む。複数の画素情報は、それぞれ画素の輝度を値によって示す。複数の位置情報には、画素情報がそれぞれ対応付けられている。位置情報は、画像における位置を示す。損傷情報作成工程S156が、関数値算出工程S190を有している。関数値算出工程S190において、複数の画素情報集団それぞれについて、関数値が算出される。関数値は、輝度の最大値と最小値との差である。画素情報集団が、判断対象画素情報と、少なくとも2つの共代入画素情報とを含んでいる。判断対象画素情報は、複数の画素情報のいずれかである。共代入画素情報は、複数の画素情報のいずれかである。少なくとも2つの共代入画素情報がそれぞれ輝度を示す画素は、判断対象画素情報が輝度を示す画素にそれぞれ隣接している。損傷情報作成工程S156が、関数平均値算出工程S220を関数値算出工程S190に加えて有している。関数平均値算出工程S220において、関数平均値が算出される。関数平均値は、関数値算出工程S190において算出された関数値により構成される関数値集団の平均値である。損傷情報作成工程S156が、標準偏差算出工程S222と、平均値加算工程S224と、境界判断工程S198と、範囲外画素位置記憶工程S172と、出力対象情報作成工程S174とを有している。標準偏差算出工程S222において、関数平均値算出工程S220にて関数平均値が算出された後、関数値集団の標準偏差が算出される。平均値加算工程S224において、標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値へ関数平均値を加えることで得られる値が範囲境界値として算出される。境界判断工程S198において、次に述べられる判断対象画素情報が、損傷を受けた箇所を示す画素の画素情報と判断される。その判断対象画素情報は、関数値集団を構成する関数値のうち範囲境界値を超えるものの算出に用いられた画素情報集団に含まれるものである。範囲外画素位置記憶工程S172において、損傷を受けた箇所を示す画素の画素情報に対応付けられている位置情報が、損傷を受けた箇所を示す画素の位置情報として記憶される。出力対象情報作成工程S174において、損傷の一端から他端までの長さと損傷が占める面積と損傷の数とのうち複数種類に関する情報が損傷に関する情報として作成される。その損傷に関する情報は、範囲外画素位置記憶工程S172において記憶された損傷を受けた箇所を示す画素の位置情報に基づいて作成される。
【0023】
本発明にかかる画像検査プログラムによれば、損傷の程度を判定できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明にかかる画像検査装置、画像検査方法、および、画像検査プログラムによれば、損傷の程度を判定できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態にかかる画像検査装置の構成が示される概念図である。
図2】本発明の一実施形態にかかる画像検査装置を実現するコンピュータのハードウェア構成が示される概念図である。
図3】本発明の一実施形態にかかる画像検査装置の機能ブロック図である。
図4】本発明の一実施形態にかかる要件外画素検出部の機能ブロック図である。
図5】本発明の一実施形態にかかる境界値算出部の機能ブロック図である。
図6】本発明の一実施形態にかかる出力対象情報作成部の機能ブロック図である。
図7】本発明の一実施形態にかかる画像検査方法の制御の手順が示されるフローチャートである。
図8】本発明の一実施形態にかかる要件外画素検出工程における制御の手順を示すフローチャートである。
図9】本発明の一実施形態にかかる境界値算出工程における制御の手順を示すフローチャートである。
図10】本発明の一実施形態にかかる出力対象情報作成工程における制御の手順を示すフローチャートである。
図11】本発明の一実施形態において作成された画像情報の概念図である。
図12】本発明の一実施形態において検査対象である領域を構成する画素のうち輝度を示す値が関数値算出関数へ最初に代入されるものに対応する画素を示す概念図である。
図13】本発明の一実施形態において検査対象である領域を構成する画素のうち輝度を示す値が関数値算出関数へ2番目に代入されるものに対応する画素を示す概念図である。
図14】本発明の一実施形態において検査対象270である領域を構成する画素のうち輝度を示す値が関数値算出関数へ代入されるもの右端を示す概念図ある。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施形態が説明される。その説明において図面が参照される。以下の説明では、同一の部品には同一の符号が付される。それらの名称および機能は同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
【0027】
[画像検査装置の構成の説明]
図1は、本実施形態にかかる画像検査装置10の構成が示される概念図である。図1に基づいて、本実施形態にかかる画像検査装置10の構成が説明される。
【0028】
本実施形態にかかる画像検査装置10は、周知のコンピュータ20と周知のマウス22と周知のプリンタ24と周知のカメラ26と周知の照明器28とを備える。
【0029】
コンピュータ20は、情報を処理する。マウス22は、オペレータの入力に応じて信号を生成する。マウス22は、その信号をコンピュータ20に出力する。これにより、コンピュータ20に情報が入力される。プリンタ24は、コンピュータ20から受付けた情報を出力する。カメラ26は、画像を撮影する。本実施形態の場合、このカメラ26は周知の撮像素子と像を結ぶための周知の光学系とを有している。撮影によってその光学系は像を結ぶ。その像はその撮像素子によって画像を示す情報すなわち画像情報となる。照明器28は発光ダイオードを有している。その発光ダイオードが被検査品260へ光を照射する。本実施形態の場合、照明器28はコンピュータ20から電力の供給を受けている。一方、本実施形態の場合、照明器28はコンピュータ20による制御を受けない。この照明器28は人の操作に応じて点灯したり消灯したりする。
【0030】
図2は、上述されたコンピュータ20のハードウェア構成が示される概念図である。図2に基づいて、そのコンピュータ20のハードウェア構成が説明される。
【0031】
上述されたコンピュータ20は、制御部30と、メモリ32と、固定ディスク34と、キーボード36と、表示装置38と、コネクタ40と、第1I/O(Input/Output)42と、第2I/O44と、第3I/O46とを有する。
【0032】
制御部30は、CPU(Central Processing Unit)などによって実現される。制御部30は、これがメモリ32から読出したプログラムを実行することにより、そのプログラムにおいて定められた手順にしたがってコンピュータ20を構成する各装置を制御する。メモリ32は、ROM(Read only memory)およびRAM(Random access memory)などによって実現される。メモリ32は、プログラムとデータその他の情報とを記憶する。固定ディスク34は、プログラムを記録する。キーボード36は、オペレータの入力に応じて信号を生成する。これにより、コンピュータ20に情報が入力される。表示装置38は、画像を表示することにより情報を出力する。コネクタ40にはUSB(Universal Serial Bus)メモリ300が接続される。USBメモリ300に記録されたプログラムおよび情報はコネクタ40を介して制御部30に読み込まれる。第1I/O42は、マウス22に接続される。第1I/O42は、マウス22と通信する。第2I/O44は、プリンタ24に接続される。第2I/O44は、プリンタ24と通信する。第3I/O46は、カメラ26に接続される。第3I/O46は、カメラ26と通信する。
【0033】
[画像検査装置の機能の説明]
図3は、本実施形態にかかる画像検査装置10の機能ブロック図である。図3に基づいて、本実施形態にかかる画像検査装置10の構成とその機能とが説明される。
【0034】
本実施形態にかかる画像検査装置10は、被検査品260の画像情報を受付け、その画像情報からその被検査品260が有する損傷の程度に関する情報を出力する装置である。
【0035】
本実施形態にかかる画像検査装置10は、撮影部60と、画像情報受付部62と、画像情報記憶部64と、損傷情報作成部66と、識別情報認識部68と、検査結果情報作成部70と、検査結果情報出力部72とを備える。
【0036】
撮影部60は、制御部30、メモリ32、固定ディスク34、キーボード36、表示装置38、第2I/O44、第3I/O46、マウス22、カメラ26、および、照明器28によって実現される。撮影部60は撮影する。上述されたように、本実施形態にかかるカメラ26は周知の撮像素子を備える。撮影された画像はこの撮像素子によって画像を示す情報すなわち画像情報となる。撮像素子によって画像情報となった画像は画素の集合体である。本実施形態にかかる画像情報は、多数の画素情報を含んでいる。それら多数の画素情報は、それぞれ、個々の画素の輝度を示す値を含んでいる。また、画像情報は、それら多数の画素情報に加え、多数の位置情報も含んでいる。それら多数の位置情報のいずれかに、上述された多数の画素情報が1対1で対応付けられている。
【0037】
画像情報受付部62は、制御部30、コネクタ40、および、第3I/O46によって実現される。画像情報受付部62は、撮影部60から画像情報を受付ける。
【0038】
画像情報記憶部64は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。画像情報記憶部64は、画像情報受付部62が受付けた画像情報を記憶する。
【0039】
損傷情報作成部66は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。損傷情報作成部66は画像情報から損傷に関する情報を作成する。
【0040】
識別情報認識部68は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。識別情報認識部68は、画像情報によって示される識別情報272を認識する。その識別情報272の例には文字とバーコードとがある。そのような識別情報272を認識するための具体的手段は周知である。したがってここではその詳細な説明は繰り返されない。
【0041】
検査結果情報作成部70は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。検査結果情報作成部70は、識別情報認識部68によって認識された識別情報272、および、損傷情報作成部66によって作成された損傷に関する情報を結合することにより、検査結果情報を作成する。
【0042】
検査結果情報出力部72は、制御部30、メモリ32、固定ディスク34、キーボード36、表示装置38、第1I/O42、第2I/O44、マウス22、および、プリンタ24によって実現される。検査結果情報出力部72は、検査結果情報を出力する。これにより、損傷情報作成部66が検出した損傷に関する情報が出力されることとなる。
【0043】
本実施形態の場合、損傷情報作成部66は、要件外画素検出部80と、範囲外画素位置記憶部82と、出力対象情報作成部84とを有している。
【0044】
要件外画素検出部80は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。要件外画素検出部80は次に述べられる画素情報を検出する。その画素情報は画像における位置が所定の範囲内の距離にある画素との間で輝度を示す値の差が所定の要件を満たすものである。本実施形態の場合の「所定の範囲内の距離」とは画素1個分以内の距離である。これにより、画像における位置が隣接する画素との間で輝度を示す値の差が所定の要件を満たす画素情報が検出される。
【0045】
範囲外画素位置記憶部82は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。範囲外画素位置記憶部82は、要件外画素検出部80が検出した画素情報に対応付けられている位置情報を記憶する。
【0046】
出力対象情報作成部84は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。出力対象情報作成部84は損傷の長さと損傷が占める面積と損傷の数とのうち複数種類に関する情報を損傷に関する情報として作成する。その損傷に関する情報は範囲外画素位置記憶部82が記憶した位置情報に基づき作成される。
【0047】
図4は本実施形態にかかる要件外画素検出部80の機能ブロック図である。図4に基づき本実施形態にかかる要件外画素検出部80の構成とその機能とが説明される。
【0048】
本実施形態の場合、要件外画素検出部80が、関数値算出部100と、関数値記憶部102と、境界値算出部104と、境界判断部106とを有している。
【0049】
関数値算出部100は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。本実施形態の場合、関数値算出部100は、複数の関数値を算出する。関数値は、輝度を示す値の関係を示す。その関係は、判断対象画素情報である輝度を示す値と共代入画素情報である輝度を示す値との関係である。本実施形態における具体的な判断対象画素情報および共代入画素情報は後述される。本実施形態の場合、関数値は、判断対象画素情報と共代入画素情報とを関数値算出関数に代入することにより算出される。関数値算出関数の具体的内容は後述される。
【0050】
関数値記憶部102は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。関数値記憶部102は、関数値算出部100が算出した複数の関数値それぞれを記憶する。
【0051】
境界値算出部104は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。境界値算出部104は、範囲境界値を算出する。範囲境界値は、関数値算出部100が算出した複数の関数値それぞれを関数値算出関数とは異なる関数に代入することにより算出される。範囲境界値が算出されるための具体的手順は後述される。
【0052】
境界判断部106は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。境界判断部106は関数値が範囲境界値を超えるか否かを判断する。
【0053】
図5は、本実施形態にかかる境界値算出部104の機能ブロック図である。図5に基づいて本実施形態にかかる境界値算出部104の構成とその機能とが説明される。
【0054】
本実施形態の場合、境界値算出部104が、関数平均値算出部120と、標準偏差算出部122と、平均値加算部124とを有している。
【0055】
関数平均値算出部120は、複数の判断対象画素情報それぞれについて関数値算出部100が関数値を算出した後、関数平均値を算出する。関数平均値は、複数の判断対象画素情報それぞれについて関数値算出部100により算出された関数値の平均値である。
【0056】
標準偏差算出部122は、次に述べられる標準偏差を算出する。その標準偏差は、複数の判断対象画素情報それぞれについて関数値算出部100により算出された関数値の標準偏差である。
【0057】
平均値加算部124は、標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値へ関数平均値を加えることで得られる値を範囲境界値として算出する。本実施形態の場合、その係数は「4」であることとする。
【0058】
図6は、本実施形態にかかる出力対象情報作成部84の機能ブロック図である。図6に基づいて、本実施形態にかかる要件外画素検出部80の構成とその機能とが説明される。
【0059】
本実施形態の場合、出力対象情報作成部84が、マハラノビス算出部140と、判断結果情報作成部142とを有している。
【0060】
マハラノビス算出部140は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。本実施形態の場合、マハラノビス算出部140は、範囲外画素位置記憶部82が記憶する位置情報に基づき、損傷の一端から他端までの長さを示す情報と損傷が占める面積を示す情報と損傷の数を示す情報とを作成する。これらの情報を作成するための具体的手順は形状およびその大きさに関する画像認識の手順として周知なので、ここではその詳細な説明は繰り返されない。次いで、マハラノビス算出部140は、損傷の一端から他端までの長さと損傷が占める面積と損傷の数と所定の単位空間とに基づいて損傷についてのマハラノビス距離を算出する。マハラノビス距離を算出するための具体的手順も周知なので、ここではその詳細な説明も繰り返されない。
【0061】
判断結果情報作成部142は、制御部30、メモリ32、および、固定ディスク34によって実現される。判断結果情報作成部142は、異常な損傷が生じているか否かを示す情報を損傷に関する情報として作成する。異常な損傷が生じているか否かを示す情報は、マハラノビス算出部140が算出したマハラノビス距離が閾値を超えるか否かに基づいて作成される。
【0062】
[プログラムの説明]
本実施形態にかかる画像検査装置10は、上述されたコンピュータ20の制御部30がメモリ32から読出したプログラムを実行することにより実現される。一般的にこうしたプログラムは、USBメモリ300などのコンピュータ20が読取可能な記録媒体に記録された状態で流通する。こうしたプログラムは図示されないインターネットを介して流通することもある。こうしたプログラムは、固定ディスク34にいったん記録される。制御部30が実行するプログラムは、その固定ディスク34に記録されたプログラムをメモリ32が記憶したものである。したがって、本実施形態にかかる画像検査装置10の最も本質的な部分は、USBメモリ300などのコンピュータ読取可能な記録媒体に記録されたプログラムである。
【0063】
[画像検査方法にかかるフローチャートの説明]
図7は、本実施形態にかかる画像検査方法の制御の手順が示されるフローチャートである。この画像検査方法は、次に述べられる複数の工程を画像検査装置10に実行させるものである。それら複数の工程は、撮影工程S150、画像情報受付工程S152、画像情報記憶工程S154、損傷情報作成工程S156、識別情報認識工程S158、検査結果情報作成工程S160、および、検査結果情報出力工程S162である。以下、これらの各工程の具体的な内容が説明される。
【0064】
撮影工程S150にて、撮影部60として動作するマウス22およびキーボード36は、作業者の指示を受付ける。その指示が受付けられると、撮影部60として動作する制御部30および第3I/O46は、カメラ26を制御する。撮影部60として動作するカメラ26は撮影を実施する。撮影部60として動作するカメラ26はその撮影の直後に画像情報を作成する。作成された画像情報は画像情報受付部62として動作する第3I/O46へ出力される。
【0065】
画像情報受付工程S152において、画像情報受付部62として動作する第3I/O46は、撮影部60として動作するカメラ26が出力した画像情報を受付ける。これにより、画像情報受付部62は、画像情報を受付けることとなる。
【0066】
画像情報記憶工程S154において、画像情報記憶部64として動作する制御部30は、画像情報受付部62として動作する第3I/O46が受付けた画像情報を画像情報記憶部64として動作するメモリ32に記憶させる。これにより、画像情報記憶部64は、画像情報を記憶することとなる。
【0067】
損傷情報作成工程S156において、損傷情報作成部66は、画像情報記憶部64に記憶された画像情報から損傷に関する情報を作成する。この工程の具体的手順は後述される。
【0068】
識別情報認識工程S158において、識別情報認識部68は、画像情報によって示される識別情報272を認識する。その画像情報は、画像情報受付工程S152において受付けられたものである。この認識のための具体的手順は周知のものと同様である。したがってここではその詳細な説明は繰り返されない。
【0069】
検査結果情報作成工程S160において、検査結果情報作成部70は、検査結果情報を作成する。検査結果情報は、識別情報認識工程S158において認識された識別情報272、および、損傷情報作成工程S156において作成された損傷に関する情報を結合することにより作成される。
【0070】
検査結果情報出力工程S162において、検査結果情報出力部72は検査結果情報作成工程S160において作成された検査結果情報を出力する。これにより、損傷情報作成工程S156において作成された損傷に関する情報も出力されることとなる。
【0071】
本実施形態の場合、損傷情報作成工程S156が、要件外画素検出工程S170と、範囲外画素位置記憶工程S172と、出力対象情報作成工程S174とを有している。
【0072】
要件外画素検出工程S170において、要件外画素検出部80は、次に述べられる画素情報を検出する。その画素情報は、画像における位置が所定の範囲内の距離にある画素との間で輝度を示す値の差が所定の要件を満たすものである。上述されたように、本実施形態の場合、その「所定の範囲内の距離」とは、画素1個分以内の距離である。すなわち、本実施形態の場合、画像における位置が隣接する画素との間で輝度を示す値の差が所定の要件を満たす画素情報が検出される。この工程の具体的手順は後述される。
【0073】
範囲外画素位置記憶工程S172において、範囲外画素位置記憶部82は、要件外画素検出工程S170において要件外画素検出部80が検出した画素情報に対応付けられている位置情報を記憶する。
【0074】
出力対象情報作成工程S174において、出力対象情報作成部84は、損傷の長さと損傷が占める面積と損傷の数とのうち複数種類に関する情報を損傷に関する情報として作成する。その損傷に関する情報は、要件外画素検出工程S170において検出された画素情報それぞれが対応付けられている位置情報に基づいて作成される。この工程の具体的手順は後述される。
【0075】
図8は、本実施形態にかかる要件外画素検出工程S170における制御の手順を示すフローチャートである。この工程は、次に述べられる複数の工程を画像検査装置10として動作するコンピュータ20に実行させるものである。それら複数の工程は、関数値算出工程S190、関数値記憶工程S192、算出終了判断工程S194、境界値算出工程S196、境界判断工程S198、範囲外画素位置出力工程S200、および、検出終了判断工程S202である。以下、これらの各工程の具体的な内容が説明される。
【0076】
関数値算出工程S190において、関数値算出部100は、関数値を算出する。本実施形態の場合、その関数値の算出にあたり、複数の判断対象画素情報が所定の順序にしたがって関数値算出関数に代入される。その具体的手順は後述される。関数値算出部100は、自らが算出した関数値を関数値記憶部102に順次出力する。この関数値は、次に述べられる情報と共に出力される。それらの情報は、その関数値の算出に用いられた判断対象画素情報、および、その判断対象画素情報に対応付けられている位置情報である。
【0077】
関数値記憶工程S192において、関数値記憶部102は、関数値算出部100が出力した関数値、その関数値の算出に用いられた判断対象画素情報、および、その判断対象画素情報に対応付けられている位置情報を記憶する。
【0078】
算出終了判断工程S194において、関数値算出部100は、判断対象画素情報である輝度を示す値のうちまだ関数値算出関数に代入されていないものが残っているか否かを判断する。その値が残っていると判断された場合(S194にてYES)、処理はS190へと移される。そうでない場合(S194にてNO)、処理はS196へと移される。
【0079】
境界値算出工程S196において、境界値算出部104は関数値算出部100が出力した関数値に基づき範囲境界値を算出する。そのための具体的手順は後述される。
【0080】
境界判断工程S198において、境界判断部106は、次に述べられる位置情報を出力するか否かを順次判断する。その位置情報は、範囲境界値を超えた関数値の算出に用いられた判断対象画素情報に対応づけられている位置情報である。位置情報を出力するか否かは、関数値算出部100が出力した関数値が範囲境界値を超えるか否かに基づき判断される。位置情報を出力すると判断された場合(S198にてYES)、処理はS200へと移される。そうでない場合(S198にてNO)、処理はS202へと移される。
【0081】
範囲外画素位置出力工程S200において、境界判断部106は、範囲境界値を超えた関数値の算出に用いられた判断対象画素情報に対応づけられている位置情報を範囲外画素位置記憶部82へ出力する。
【0082】
検出終了判断工程S202において、境界判断部106は、位置情報を出力するか否かの判断に用いられる関数値が残っているか否かを判断する。その関数値が残っていると判断された場合(S202にてYES)、処理はS198へと移される。そうでない場合(S202にてNO)、処理は終了する。
【0083】
図9は、本実施形態にかかる境界値算出工程S196における制御の手順を示すフローチャートである。この工程は、次に述べられる複数の工程を画像検査装置10として動作するコンピュータ20に実行させるものである。それら複数の工程は、関数平均値算出工程S220、標準偏差算出工程S222、および、平均値加算工程S224である。以下、これらの各工程の具体的な内容が説明される。
【0084】
関数平均値算出工程S220において、関数平均値算出部120は、複数の判断対象画素情報それぞれについて関数値算出部100が関数値を算出した後、関数平均値を算出する。
【0085】
標準偏差算出工程S222において、標準偏差算出部122は、標準偏差を算出する。その標準偏差は、複数の判断対象画素情報それぞれについて関数値算出部100により算出された関数値の標準偏差である。その算出手順は周知なので、ここではその詳細な説明は繰り返されない。
【0086】
平均値加算工程S224において平均値加算部124は次に述べられる値へ関数平均値を加えることで得られる値を範囲境界値として算出する。その値は標準偏差算出工程S222において算出された標準偏差へ所定の係数を乗じて得られた値である。
【0087】
図10は本実施形態にかかる出力対象情報作成工程S174における制御の手順を示すフローチャートである。この工程は次に述べられる複数の工程を画像検査装置10として動作するコンピュータ20に実行させるものである。それら複数の工程は、損傷度情報作成工程S240、マハラノビス算出工程S242、および、判断結果情報作成工程S244である。以下、これらの各工程の具体的な内容が説明される。
【0088】
損傷度情報作成工程S240において、マハラノビス算出部140は、範囲外画素位置記憶部82が記憶した位置情報に基づき、損傷の数を示す情報と損傷が占める面積を示す情報と損傷の長さを示す情報とを作成する。これらの情報を作成するための具体的手順は形状およびその大きさに関する画像認識の手順として周知なので、ここではその詳細な説明は繰り返されない。
【0089】
マハラノビス算出工程S242において、マハラノビス算出部140は、損傷の一端から他端までの長さと損傷が占める面積と損傷の数と所定の単位空間とに基づいて損傷についてのマハラノビス距離を算出する。本実施形態の場合、損傷度情報作成工程S240において作成された、損傷の数を示す情報と損傷が占める面積の最大値を示す情報と損傷の長さの最大値を示す情報とが用いられる。単位空間は予めマハラノビス算出部140に記憶されている。マハラノビス距離を算出するための手順は周知なので、ここではその詳細な説明は繰り返されない。
【0090】
判断結果情報作成工程S244において、判断結果情報作成部142は、異常な損傷が生じているか否かを示す情報を損傷に関する情報として作成する。異常な損傷が生じているか否かを示す情報は、マハラノビス算出工程S242にて算出されたマハラノビス距離が閾値を超えるか否かに基づいて作成される。本実施形態の場合、異常な損傷が生じている場合には異常な損傷が生じている旨の情報が作成され、異常な損傷が生じていない場合には異常な損傷が生じていない旨の情報が作成される。
【0091】
[動作の説明]
以下、本実施形態にかかる画像検査装置10の動作が説明される。まず、作業者は、撮影部60として動作する照明器28を点灯させる。照明器28が点灯すると、作業者は、撮影部60を操作することによりこれに指示を与える。撮影部60は、その指示を受付ける。その指示が受付けられると、画像情報受付部62として動作する制御部30および第3I/O46は、カメラ26を制御する。撮影部60は、被検査品260の表面を撮影する。撮影部60はその表面にかかる画像情報を作成する。図11は、この画像情報が示された概念図である。この画像情報には、異常な損傷が生じているか否かの検査対象270である領域とこの被検査品260の識別情報272を示す領域とが含まれている。検査対象270である領域は、図11に示された画像のうち識別情報272よりも上の部分である。検査対象270である領域には、引掻傷280が表れている。この場合、作成された画像情報は画像情報受付部62へ出力される(S150)。
【0092】
画像情報が出力されると画像情報受付部62は撮影部60が出力した画像情報を受付ける(S152)。画像情報記憶部64はその画像情報を記憶する(S154)。
【0093】
画像情報が記憶されると、関数値算出部100は次に述べられるように関数値を算出する(S190)。この場合、検査対象270である領域を構成する画素に関して関数値が算出される。図12は、検査対象270である領域を構成する画素のうち輝度を示す値が関数値算出関数へ最初に代入されるものに対応する画素を示す概念図である。図12に示されているのは検査対象270である領域のうち図11において左上の端にあたる部分である。図12において破線によって形成された1つ1つのマス目が1つ1つの画素を示している。本実施形態の場合、輝度を示す値が判断対象画素情報として関数値算出関数へ最初に代入されるのは損傷探索領域のうち左から2列目で上から2行目の画素の輝度を示すものである。図12において右上がりの線からなるハッチングが付されたマス目がその画素を示している。本実施形態の場合、その輝度を示す値はその画素から見て次に述べられる画素の輝度を示す値すなわち共代入画素情報と共に関数値算出関数へ代入される。それらの画素は、輝度を示す値が判断対象画素情報として関数値算出関数へ最初に代入される画素から見て、上・下・左・右・右上・左上・右下・左下にある画素である。つまり、1つの判断対象画素情報と、8つの共代入画素情報とが関数値算出関数に代入される。図12において、右下がりの線からなるハッチングが付されたマス目がその画素を示している。本実施形態の場合、関数値算出関数は、これら画素の集団における輝度の最大値と最小値との差を関数値として算出するための関数である。すなわち、この場合の関数値は、これら画素の集団における輝度の最大値と最小値との差である。
【0094】
その関数値が算出されると、関数値記憶部102は、関数値算出部100が出力した関数値、その関数値の算出に用いられた判断対象画素情報、および、その判断対象画素情報に対応付けられている位置情報を記憶する(S192)。
【0095】
その関数値が記憶されると、関数値算出部100は、判断対象画素情報である輝度を示す値のうちまだ関数値算出関数に代入されていないものが残っているか否かを判断する(S194)。この場合、輝度を示す値が初めて関数値算出関数へ代入されたに過ぎないので(S194にてYES)、再度、関数値算出部100は、関数値を算出する(S190)。図13は、検査対象270である領域を構成する画素のうち輝度を示す値が関数値算出関数へ2番目に代入されるものに対応する画素を示す概念図である。この場合、検査対象270である領域を構成する画素のうちこれに対応する輝度を示す値が判断対象画素情報として関数値算出関数へ2番目に代入されるのは、損傷探索領域のうち左から5列目で上から2行目の画素である。図13において、右上がりの線からなるハッチングが付されたマス目がその画素を示している。最初に関数値算出関数へ代入された際と同様に、その輝度を示す値は、その画素から見て次に述べられる画素の輝度を示す値と共に関数値算出関数へ代入される。それらの画素は、輝度を示す値が判断対象画素情報として関数値算出関数へ2番目に代入される画素から見て、上・下・左・右・右上・左上・右下・左下にある画素である。図13において、右下がりの線からなるハッチングが付されたマス目がその画素を示している。関数値が算出されると、S190乃至S194との処理が繰り返される。これにより、輝度を示す値が関数値算出関数へ代入される画素は、次第に検査対象270である領域の右方の画素となっていく。
【0096】
本実施形態の場合、輝度を示す値が判断対象画素情報として関数値算出関数へ代入される画素から見て、上・下・左・右・右上・左上・右下・左下にある画素のいずれかが存在しないとき、それらの画素であって存在するものについても輝度を示す値は関数値算出関数へ代入されない。図14は、検査対象270である領域を構成する画素のうち輝度を示す値が関数値算出関数へ代入されるもの右端を示す概念図である。図14において太い枠線に囲まれた領域内の画素の輝度の値が関数値算出関数へ代入され関数値が算出されると、次に輝度の値が関数値算出関数へ代入される画素は図12においてハッチングが示された画素の真下の9つの画素である。図12において太い枠線に囲まれた領域内の画素がそれらの画素である。
【0097】
その後、判断対象画素情報である輝度を示す値がすべて関数値算出関数に代入されたとする。この場合、判断対象画素情報である輝度を示す値のうちまだ関数値算出関数に代入されていないものが残っていないと判断されるので(S194にてNO)、関数平均値算出部120は、関数値記憶部102が記憶した関数値に基づき、関数平均値を算出する(S220)。関数平均値が算出されると、標準偏差算出部122は、標準偏差を算出する(S222)。標準偏差が算出されると、平均値加算部124は、標準偏差へ所定の係数(本実施形態の場合は「3」)を乗じて得られた値へ関数平均値を加えることで得られる値を範囲境界値として算出する(S224)。
【0098】
範囲境界値が算出されると、境界判断部106は次に述べられる位置情報を出力するか否かを順次判断する(S198)。その位置情報は、範囲境界値を超えた関数値の算出に用いられた判断対象画素情報に対応づけられている位置情報である。この位置情報は、範囲外画素位置記憶部82に記憶されている。最初に判断の対象となる位置情報は、輝度を示す値が関数値算出関数へ最初に代入された判断対象画素情報に対応づけられている位置情報である。すなわち、図12において右上がりの線からなるハッチングが付されたマス目が示す画素の判断対象画素情報に対応づけられている位置情報である。
【0099】
この場合、図11から明らかなように、画素ごとの輝度の差はほぼないので、それらの輝度を示す値に基づく関数値はゼロに近い値である。一方、範囲境界値はゼロより十分大きな値であることとする。これにより、関数値算出部100が算出した関数値は範囲境界値を超えないこととなる。その結果、その関数値の算出に用いられた判断対象画素情報に対応付けられている位置情報は出力されないと判断されるので(S198にてNO)、境界判断部106は、位置情報を出力するか否かの判断に用いられる関数値が残っているか否かを判断する(S202)。この場合、その関数値が残っていると判断されるので(S202にてYES)、境界判断部106は、位置情報を出力するか否かを順次判断する(S198)。以後同様にしてS198ないしS202の処理が繰り返される。
【0100】
その後、境界判断部106は、次に述べられる位置情報を出力するか否かを順次判断する(S198)。その位置情報は、次に述べられる判断対象画素情報に対応づけられている位置情報である。その判断対象画素情報は、図11に示された引掻傷280を構成する画素の輝度の値、又は、この画素に隣接する画素の輝度の値を示すものである。その場合、その判断対象画素情報に基づいて算出された関数値は範囲境界値を超えることとなる。これにより、その判断対象画素情報に対応付けられた位置情報を出力すると判断されるので(S198にてYES)、境界判断部106は、範囲境界値を超えた関数値の算出に用いられた判断対象画素情報に対応づけられている位置情報を範囲外画素位置記憶部82へ出力する(S200)。その位置情報が出力されると、以後同様にしてS198ないしS202の処理が繰り返される。
【0101】
その後、位置情報を出力するか否かの判断に用いられる関数値が残っていないと判断されると(S202にてNO)、範囲外画素位置記憶部82は境界判断部106が出力した位置情報を記憶する。本実施形態においてその位置情報は要件外画素検出部80が検出した画素情報に対応付けられている位置情報とみなされる(S172)。
【0102】
それら位置情報が記憶されると、マハラノビス算出部140は範囲外画素位置記憶部82が記憶した位置情報に基づき損傷の数を示す情報と損傷が占める面積を示す情報と損傷の長さを示す情報とを作成する(S240)。それらの情報が作成されると、マハラノビス算出部140は、損傷の一端から他端までの長さと損傷が占める面積と損傷の数と所定の単位空間とに基づいて損傷についてのマハラノビス距離を算出する(S242)。
【0103】
マハラノビス距離が算出されると、判断結果情報作成部142は、異常な損傷が生じているか否かを示す情報を損傷に関する情報として作成する。異常な損傷が生じているか否かを示す情報は、マハラノビス算出工程S242にて算出されたマハラノビス距離が閾値を超えるか否かに基づいて作成される(S244)。この場合、検査対象270である領域には引掻傷280が表れている。そのため、異常な損傷が生じている旨の情報が作成されることとなる。
【0104】
異常な損傷が生じている旨の情報が作成されると、識別情報認識部68は、画像情報によって示される識別情報272を認識する(S158)。これにより、被検査品260の識別情報272が認識されることとなる。識別情報272が認識されると、検査結果情報作成部70は、検査結果情報を作成する(S160)。この検査結果情報は、被検査品260の識別情報272と、異常な損傷が生じている旨の情報とを含む。それらが含まれた検査結果情報が作成されると、検査結果情報出力部72は、その検査結果情報を出力する(S162)。
【0105】
[効果の説明]
本実施形態にかかる画像検査装置10によれば、損傷の態様を踏まえてその損傷の程度を判定できる。しかも、本実施形態にかかる画像検査装置10によれば、損傷の態様を踏まえたその判定が可能である。
【0106】
[変形例の説明]
今回開示された実施形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は上述した実施形態に基づいて制限されるものではない。もちろん、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。
【0107】
例えば、画像情報記憶部64を備えることに代えて、画像情報受付部62自身が画像情報を記憶する機能を有していてもよい。これは画像情報受付部62がメモリ32をその要素とすることで可能となる。
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
また、本発明にかかる画像検査装置はカメラ26を備えていなくてもよい。カメラ26を備えることに代えて、コネクタ40を通じてUSBメモリ300に記録された画像情報を受付けてもよい。
【0112】
【符号の説明】
【0113】
10…画像検査装置
20…コンピュータ
22…マウス
24…プリンタ
26…カメラ
28…照明器
30…制御部
32…メモリ
34…固定ディスク
36…キーボード
38…表示装置
40…コネクタ
42…第1I/O
44…第2I/O
46…第3I/O
60…撮影部
62…画像情報受付部
64…画像情報記憶部
66…損傷情報作成部
68…識別情報認識部
70…検査結果情報作成部
72…検査結果情報出力部
80…要件外画素検出部
82…範囲外画素位置記憶部
84…出力対象情報作成部
100…関数値算出部
102…関数値記憶部
104…境界値算出部
106…境界判断部
120…関数平均値算出部
122…標準偏差算出部
124…平均値加算部
140…マハラノビス算出部
142…判断結果情報作成部
260…被検査品
270…検査対象
272…識別情報
280…引掻傷
300…USBメモリ
【要約】
【課題】損傷の程度を判定する。
【解決手段】画像検査装置10は、画像情報受付部62と、損傷情報作成部66と、検査結果情報出力部72とを備える。画像情報受付部62は、画像情報を受付ける。損傷情報作成部66は、画像情報から損傷に関する情報を作成する。検査結果情報出力部72は、損傷情報作成部66が検出した損傷に関する情報を出力する。損傷情報作成部66が、要件外画素検出部80と、範囲外画素位置記憶部82と、出力対象情報作成部84とを有している。要件外画素検出部80は、複数の画素情報のうち次に述べられる画素情報を検出する。その画素情報は、所定の範囲内の距離にある画素との間で輝度を示す値の関係が所定の要件を満たすものである。範囲外画素位置記憶部82は、要件外画素検出部80が検出した画素情報に対応付けられている位置情報を記憶する。出力対象情報作成部84は、損傷に関する情報を作成する。
【選択図】図3
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14