(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】監視装置
(51)【国際特許分類】
H04N 7/18 20060101AFI20220915BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220915BHJP
G08B 13/181 20060101ALI20220915BHJP
G08B 13/196 20060101ALI20220915BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
H04N7/18 G
H04N7/18 D
H04N5/232 990
G08B13/181
G08B13/196
G08B25/00 510M
(21)【出願番号】P 2018068414
(22)【出願日】2018-03-30
【審査請求日】2021-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000108085
【氏名又は名称】セコム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長澤 一樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 俊輔
(72)【発明者】
【氏名】那須 裕平
(72)【発明者】
【氏名】山下 大吾
【審査官】益戸 宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-176868(JP,A)
【文献】特開平7-93558(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
H04N 5/232
G08B 13/00
G08B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視領域の移動物体を追尾撮影する監視装置において、
前記監視領域内で前記移動物体を検知し、当該移動物体の位置を含む検知結果を出力する物体検知部と、
撮影方向を変更可能な撮像部と、
前記検知結果に基づいて前記撮像部を制御する制御部と、
前記検知結果に基づいて前記移動物体の種別を判定する種別判定手段と、
前記物体検知部により前記移動物体が1つだけ検知された場合には当該移動物体をその前記種別によらず追尾撮影対象に設定し、一方、前記移動物体が複数検知された場合には前記種別ごとに予め設定された撮影優先度が高い前記移動物体を優先して追尾撮影対象に設定する撮影対象設定手段と、
前記検知された移動物体ごとに、予め定めた特徴量に基づいて所定の発報条件を満たす侵入物体であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記撮影対象設定手段は、前記判定手段により前記侵入物体と判定された移動物体を前記撮影優先度によらず前記追尾撮影対象に設定し、前記侵入物体と判定されていない移動物体のみ存在する場合には、前記撮影優先度に応じて追尾撮影対象を設定すること、
を特徴とする監視装置。
【請求項2】
監視領域の移動物体を追尾撮影する監視装置において、
前記監視領域内で前記移動物体を検知し、当該移動物体の位置を含む検知結果を出力する物体検知部と、
撮影方向を変更可能な撮像部と、
前記検知結果に基づいて前記撮像部を制御する制御部と、
前記検知結果に基づいて前記移動物体の種別を判定する種別判定手段と、
前記物体検知部により前記移動物体が1つだけ検知された場合には当該移動物体をその前記種別によらず追尾撮影対象に設定し、一方、前記移動物体が複数検知された場合には前記種別ごとに予め設定された撮影優先度が高い前記移動物体を優先して追尾撮影対象に設定する撮影対象設定手段を備え、
前記種別判定手段は、前記種別として人物と車両とを少なくとも判定し、
前記撮影対象設定手段は、前記車両の撮影優先度が前記人物の撮影優先度よりも高く設定されている場合であっても、前記追尾撮影対象に設定されている車両から所定範囲内で新規に人物を検知した場合には、当該人物に追尾撮影対象を切り替えること、
を特徴とする監視装置。
【請求項3】
前記撮影対象設定手段は、前記監視領域内にて新規に移動物体が検知されるごとに、複数検知された前記移動物体における追尾撮影対象を設定し直すこと、を特徴とする請求項1
又は2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記撮影対象設定手段は、複数の前記移動物体について前記撮影優先度が同等である場合には、当該移動物体のうち現在移動している物体を前記追尾撮影対象に設定すること、を特徴とする請求項1
から請求項
3のいずれか1つに記載の監視装置。
【請求項5】
前記検知された移動物体ごとに、予め定めた特徴量を評価して追尾撮影の対象らしさを示す撮影対象可能性を求める評価手段を備え、
前記撮影対象設定手段は、複数の前記移動物体について前記撮影優先度が同等である場合には、当該移動物体のうち、前記撮影対象可能性が高い移動物体を優先して追尾撮影対象に設定すること、
を特徴とする請求項1から請求項
4のいずれか1つに記載の監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視領域内を移動する物体の位置に応じて撮影方向を変え、物体を追尾撮影する監視装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザセンサなどのエリアセンサ装置を用いて監視領域を走査することで移動物体を検知し、検知した物体の位置に応じてカメラの撮影方向を変え、物体を追尾撮影するシステムが知られている。
【0003】
当該システムにおいてレーザセンサが複数の物体を検知したときの追尾撮影対象の決定方法として、最も新しく検知した物体を追尾撮影対象とする方法(下記特許文献1)や、重要物の最も近くに存在する物体を追尾撮影対象とする方法(下記特許文献2)が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2014-175844号公報
【文献】特開2014-175843号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のシステムでは、検知した物体は追尾撮影対象とする物体であることを前提としている。しかし、レーザセンサは人物や車両など複数の種別の物体を検知し得る一方、監視目的等に応じて優先的に追尾撮影すべき物体の種別は異なり得る。例えば、人の通行状況を監視したい場合には種別が人物である物体を優先して撮影すべきである。したがって、検知物体の種別を考慮せずに追尾撮影対象を決定すると、優先して撮影すべき物体を撮影できなくなってしまうおそれがある。
【0006】
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、検知物体において追尾撮影対象を好適に設定すること、特に、物体が複数検知された状況にて好適に追尾撮影対象を設定する監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)本発明に係る監視装置は、監視領域の移動物体を追尾撮影する装置であって、前記監視領域内で前記移動物体を検知し、当該移動物体の位置を含む検知結果を出力する物体検知部と、撮影方向を変更可能な撮像部と、前記検知結果に基づいて前記撮像部を制御する制御部と、前記検知結果に基づいて前記移動物体の種別を判定する種別判定手段と、前記物体検知部により前記移動物体が1つだけ検知された場合には当該移動物体をその前記種別によらず追尾撮影対象に設定し、一方、前記移動物体が複数検知された場合には前記種別ごとに予め設定された撮影優先度が高い前記移動物体を優先して追尾撮影対象に設定する撮影対象設定手段と、を備える。
【0008】
(2)上記(1)に記載の監視装置において、前記撮影対象設定手段は、前記監視領域内にて新規に移動物体が検知されるごとに、複数検知された前記移動物体における追尾撮影対象を設定し直す構成とすることができる。
【0009】
(3)上記(1)及び(2)に記載の監視装置において、前記撮影対象設定手段は、複数の前記移動物体について前記撮影優先度が同等である場合には、当該移動物体のうち現在移動している物体を前記追尾撮影対象に設定する構成とすることができる。
【0010】
(4)上記(1)から(3)に記載の監視装置はさらに、前記検知された移動物体ごとに、予め定めた特徴量を評価して追尾撮影の対象らしさを示す撮影対象可能性を求める評価手段を備え、前記撮影対象設定手段は、複数の前記移動物体について前記撮影優先度が同等である場合には、当該移動物体のうち、前記撮影対象可能性が高い移動物体を優先して追尾撮影対象に設定する構成とすることができる。
【0011】
(5)上記(1)から(4)に記載の監視装置はさらに、前記検知された移動物体ごとに、予め定めた特徴量に基づいて所定の発報条件を満たす侵入物体であるか否かを判定する判定手段を備え、前記撮影対象設定手段は、前記判定手段により前記侵入物体と判定された移動物体を前記撮影優先度によらず前記追尾撮影対象に設定し、前記侵入物体と判定されていない移動物体のみ存在する場合には、前記撮影優先度に応じて追尾撮影対象を設定する構成とすることができる。
【0012】
(6)上記(1)から(5)に記載の監視装置において、前記種別判定手段は、前記種別として人物と車両とを少なくとも判定し、前記撮影対象設定手段は、前記車両の撮影優先度が前記人物の撮影優先度よりも高く設定されている場合であっても、前記追尾撮影対象に設定されている車両から所定範囲内で新規に人物を検知した場合には、当該人物に追尾撮影対象を切り替える構成とすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、検知物体において追尾撮影対象を好適に設定すること、特に、物体が複数検知された状況にて好適に追尾撮影対象を設定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る監視システムの概略の構成を示す模式図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る監視装置の概略の構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る監視装置の追尾撮影に関する制御の概略のフロー図である。
【
図4】追尾撮影対象設定手段による処理例を説明する模式図である。
【
図5】追尾撮影対象設定手段による処理例を説明する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)として、本発明に係る監視装置を含んで構成される監視システム1について、図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は実施形態に係る監視システム1の概略の構成を示す模式図である。監視システム1は監視装置2と監視センタ3とを含んで構成される。監視装置2と監視センタ3とは通信可能に接続される。
【0017】
監視装置2は、監視対象である監視領域4が設定される場所、建物等に設置され、監視領域4の移動物体(人物、車両など)を追尾撮影する。監視装置2は物体検知部5、撮像部6及び制御部7を含んで構成され、これらのうち少なくとも物体検知部5及び撮像部6は監視領域4を臨む位置に設置される。例えば、監視領域4は屋外に設定され、物体検知部5及び撮像部6は建物の外壁面や、監視領域4に隣接して立設されたポール等に設置される。一方、制御部7は監視領域4内の所定箇所や監視領域4の近傍などに設置され、例えば、LANなどを介して物体検知部5及び撮像部6と接続される。制御部7は物体検知部5及び撮像部6に近接した場所に設置することもできるし、物体検知部5及び撮像部6は屋外に設置して制御部7は屋内に設置するというように、物体検知部5及び撮像部6から分離した位置に置くこともできる。また、制御部7の各機能は、物体検知部5や撮像部6に備えるようにしてもよい。
【0018】
監視領域4は、例えば監視装置2を中心とした半径数十メートル〔m〕(例えば20mなど)の半円状に設定される。このように設定された監視領域4においては、汎用のカメラではカメラから離れた位置で検知した物体の解像度がそれほど高くなく物体の情報を十分に得られないため、適切にズーム制御をする必要が生じてくる。なお、監視領域はこの例に限定されるものではなく警備のプランニングにより適宜定められる。
【0019】
物体検知部5は監視領域4内で移動物体を検知し、当該移動物体の位置を含む検知結果を出力する。また、物体検知部5は、監視領域4内で発生した異常事象(例えば監視領域4への不審な人物や車両などの侵入)を検知すると、制御部7に後述のトラッキング情報を送信する。
【0020】
撮像部6は制御部7からのカメラ制御コマンドに従ってカメラ制御を行い、監視領域4に侵入した物体の動きを追いながら撮影する。
【0021】
制御部7は当該物体のトラッキング情報に基づき、撮像部6への制御指示としてカメラ制御コマンドを生成する。
【0022】
監視センタ3は警備会社などが運営する施設であり、通常、1又は複数のコンピュータで構成されるセンタ装置が設置されている。また、監視センタ3は、1又は複数の監視装置2とネットワークを介して接続される。監視センタ3では、センタ装置により例えば、各種機器を制御し、監視装置2から受信した異常信号を記録するとともに、異常の情報や撮像部6で撮像された撮影画像をディスプレイに表示し、監視員が監視領域を監視している。
【0023】
図2は監視装置2の概略の構成を示すブロック図である。以下、
図2に示す監視装置2の構成を説明する。
【0024】
物体検知部5はエリアセンサ装置を含み、例えば、ビーム状の探査信号を用い所定の周期で監視領域4に対する空間走査を行い、光路上にある物体(人物、車両など)にて反射した反射光を受光することで、監視領域4内に存在する物体の位置を検出する。また、物体検知部5は複数時刻における位置の検知結果を用いて、物体の移動速度や移動方向を算出することができる。
【0025】
物体検知部5は通信手段51、記憶手段52、検知手段53、追跡手段54、制御手段55を備える。
【0026】
通信手段51は制御部7と接続され、制御部7から出力される警備開始信号及び警備解除信号を受信して制御手段55に当該信号を入力する。また、通信手段51は、検知手段53にて監視領域4における移動物体の存在が判定されると、自己のアドレス情報を含む検出信号を制御部7に送信する。例えば、検出信号として、トラッキング情報が制御部7に送信される。
【0027】
記憶手段52はHDD(Hard Disk Drive)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などで構成される記憶装置であり、各種設定情報や、物体検知部5を動作させるためのプログラムなどを記憶する。例えば、記憶手段52には物体検知部5自身を特定するためのアドレス情報が記憶される。また、記憶手段52には、物体検知部5にて監視すべき範囲として設定された監視領域4を示す監視領域情報と、検知手段53にて生成された基準データと、検知手段53にて取得された過去所定周期分の測定データ及び移動物体(侵入物体)のトラッキング情報とが記憶される。
【0028】
ここで、基準データは、移動物体を追跡するトラッキング処理において、監視領域4に新規に出現した移動物体を抽出するために現在の測定データと比較されるデータである。具体的には、基準データは、検知手段53による走査開始後から現在までの何れかの過去時点で取得された測定データから生成される。例えば、監視領域4に移動物体が存在しない状態における走査で取得された植栽や外壁などの既設物が基準データとして用いられる。基準データは例えば、角度(方向)に距離を対応付けたテーブルの形式で記憶することができる。
【0029】
トラッキング情報は、監視領域4に新規に出現した移動物体を複数周期に渡り追跡するトラッキング処理に用いられる情報であり、移動物体の検知位置や大きさ、形状などからなる。また、トラッキング情報は評価手段74が撮影対象可能性を求める際にも用いられる。トラッキング情報は、移動物体同士を区別する識別子(物体ID)と、移動物体(物体ID)ごとに当該物体が監視領域に初めて出現した位置、大きさ及び形状と、現在までの各周期における位置、大きさ及び形状とが時系列に対応づけられている。また、トラッキング情報には移動物体の種別情報(車両、人物等)や移動物体を最初に検知してからの経過時間(追跡時間)を対応付けてもよい。
【0030】
検知手段53は基本的に監視領域4を周期的に走査して、監視領域4に存在する物体を検知するとともに及び当該物体の位置を算出する手段である。本実施形態では検知手段53はレーザセンサを用いて構成され、探査信号としてレーザ光を出射する。例えば、レーザセンサは、監視領域4における検知対象にレーザ光が照射されるように、レーザ光の出射方向が水平または一定の俯角を有するように設置される。
【0031】
具体的には検知手段53は、レーザセンサを中心として監視領域4を臨む水平方向の角度範囲に対して所定周期(例えば60ミリ秒)で走査を繰り返す。検知手段53による測距は、走査角度範囲内にて所定の角度ステップ(例えば0.25゜)ごとに飛行時間法(TOF法:Time of Flight)を用いて行われる。すなわち、レーザパルスの出射から受光までに要する時間を計測し、当該時間と光速度とからレーザを反射した物体までの距離が算定される。
【0032】
検知手段53による測定データは走査角(方位)と距離とで表され、レーザセンサを視点とした物体上のレーザ光反射点の位置が当該測定データで与えられる。具体的には、測定データは、レーザ光の送受信の角度(方向)と反射点までの距離とを対応付けた複数の測定点データの集まりからなる情報である。なお、所定時間内に反射光が返って来ない場合には、レーザ光の照射可能な距離内に物体がないと考えることができ、検知手段53は距離として所定の擬似データ(例えば、監視領域4の外周までの距離値、レーザ光による有効測定距離以上の適当な値等)を設定する。
【0033】
また、検知手段53は、現在の測定データと基準データとを比較して監視領域4に出現した移動物体を検出する。具体的には、現在の測定データから得られる走査角度ごとの距離値と基準データに記憶された角度ごとの距離値との差分を、対応する角度ごとに算出して、距離値が変化した角度における現在の測定データの測定点を検出点とする。そして、検出点群のうち、同一の被測定物により距離値が変化したと考えられる近接する検出点を測距データとしてグループ化し、移動物体として検出する。また、移動物体の大きさとして、グループ化された検出点のうち両端点の角度と距離とから両端点間の実空間上での長さ、すなわち、現在における移動物体の幅を算出する。また、移動物体の形状として、グループ化された検出点における距離のばらつきにより、現在における移動物体の直線性を算出する。具体的には、距離のばらつきが大きくなるのは、物体表面に凹凸がある場合などであることから、距離のばらつきが大きい場合には直線性が低い形状とする。なお、移動物体の大きさや形状は、後述の評価手段74において同様の方法を用いて算出してもよい。
【0034】
なお、検知手段53はレーザセンサに限定されず、超音波センサなど、物体の位置を検知可能な種々のセンサを用いて構成することができる。
【0035】
追跡手段54は、前回周期及び現周期で検出された移動物体間の対応付けを行ってトラッキング情報を生成・更新し、これを用いて移動物体を追跡する。当該対応付けは、距離と大きさなどにより行う。すなわち、両周期で検出された物体間の距離が閾値以内で、かつ大きさの変動が閾値以内である場合に、両周期における移動物体が同一の物体として対応付けられる。
【0036】
制御手段55はCPU(Central Processing Unit)、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータ及びその周辺回路で構成され、マイクロコンピュータが記憶手段52からプログラムを読み出して実行することで物体検知部5を制御する。
【0037】
制御手段55は、通信手段51を介して制御部7から警備開始信号が入力されると検知手段53に駆動信号を出力し、検知手段53の駆動を開始させる。これにより、検知手段53におけるレーザ光の出射や、レーザ光の走査角を変化させる走査鏡の駆動などが開始される。一方、制御手段55は、制御部7から警備解除信号が入力されると検知手段53に駆動停止信号を出力し、その時点での走査が終了すると検知手段53の駆動を停止させる。これにより、レーザ光の出射や走査鏡の駆動などが停止される。
【0038】
撮像部6は、移動物体を追尾撮影するために撮影方向を変更可能である。また撮像部6は、監視装置2から距離が遠い物体などについて十分な解像度の物体像を得るために、ズーム制御が可能である。つまり、本実施形態の撮像部6はパン、チルト及びズーム(PTZ)の制御が可能なカメラ(PTZカメラ)を用いて構成され、物体検知部5で検知した移動物体のトラッキング情報に基づく制御部7の指示により、移動物体が画角内に収まるように、特に、画角中央にくるように、PTZ制御を行い移動物体を撮像する。なお、撮像部6のカメラは、上述のように物体検知部5のレーザセンサと共に監視領域4を臨む位置に設置される。ここで、撮像部6は物体検知部5と同じ位置に設置することもできるし、また、物体検知部5に対し上下方向にずれた位置や、その他、物体検知部5近傍の別の場所に設置されてもよい。
【0039】
撮像部6はカメラ駆動手段61、撮像手段62、通信手段63、記憶手段64を備える。
【0040】
カメラ駆動手段61は、カメラの撮影方向(パン、チルト)を変化させる駆動機構、及びカメラのズームレンズを駆動し画角を変化させる駆動機構を含み、制御部7からの制御指示に基づいてそれら駆動機構を動作させ、パン、チルトの制御やズーム制御を行う。
【0041】
撮像手段62は例えば撮像素子を用いたカメラで構成され、監視領域や移動物体を撮影する。
【0042】
通信手段63は制御部7からのカメラ制御信号を受信する。また、通信手段63は撮像手段62による撮影画像を、制御部7を介して監視センタ3に送信する。
【0043】
記憶手段64はHDD、ROM、RAMなどで構成される記憶装置であり、撮影画像を記憶する。また、記憶手段64はカメラのホームポジション(移動物体を検知していないときの画角)を記憶する。
【0044】
制御部7は物体検知部5及び撮像部6と通信可能に接続され、それらに制御信号を出力し、またそれらから検知信号や撮影画像が入力される。また、制御部7は遠隔の監視センタ3と通信可能に接続され、監視センタ3から監視装置2に対する制御信号を受信して動作したり、監視領域4に関し検知された異常信号や撮影画像を監視センタ3へ送信したりする。例えば、制御部7と監視センタ3との間の通信は、インターネット等の広域ネットワーク(WAN)上に構築された仮想専用ネットワーク(VPN)を介して行うことができる。
【0045】
また、例えば、監視装置2に備えた操作部にて利用者が監視領域4の監視を開始又は解除するための操作を行ったり、監視センタ3から監視の開始又は解除の指示を受信したりすることにより、制御部7は監視領域4の監視状態を開始又は解除に設定し、警備開始信号又は警備解除信号を物体検知部5に送信する。
【0046】
制御部7は通信手段71、記憶手段72、カメラ制御手段73、評価手段74、種別判定手段75及び追尾撮影対象設定手段76を含んで構成される。制御部7はCPU、ROM、RAM等からなるマイクロコンピュータ及びその周辺回路で構成され、マイクロコンピュータが記憶手段72からプログラムを読み出して実行することで記憶手段72、カメラ制御手段73、評価手段74、種別判定手段75、追尾撮影対象設定手段76などとして機能する。
【0047】
通信手段71は、監視装置2内における物体検知部5及び撮像部6と制御部7との間の通信、並びに監視センタ3との通信を行う。例えば、通信手段71は、物体検知部5へ警備開始信号又は警備解除信号を送信する。また、監視センタ3に対しては、監視領域4に関し異常が検知された際に生成される異常信号や、撮影画像を送信する。
【0048】
記憶手段72はHDD、ROM、RAMなどで構成される記憶装置であり、各種設定情報や、制御部7を動作させるためのプログラムなどを記憶する。例えば、記憶手段72は物体のトラッキング情報を蓄積する。また、物体検知部5と撮像部6との相対位置も記憶手段72に予め記憶される。
【0049】
カメラ制御手段73は物体のトラッキング情報から得られる検知位置や移動速度に基づいて、撮像部6に制御指示(PTZの制御量やその速度)を与える信号を生成する。撮影方向(パン、チルト)の制御では、物体が画角の中央に写るようにし、ズーム制御では所定の大きさで物体が写るようにすることが好ましい。ズーム制御は検知物体の位置(物体までの距離)に基づいて行い、基本的に、撮像部6から物体までの距離が遠いほどズーム倍率を上げてズームインするように制御し、一方、当該距離が近いほどズーム倍率を下げてズームアウトするように制御する。さらに、ズーム制御においては物体の移動速度も考慮することが好ましい。具体的には、高速の物体ほどズームアウトして撮影する。
【0050】
評価手段74は、物体検知部5で検知された移動物体ごとに、その予め定めた特徴量を評価して追尾撮影の対象らしさを示す撮影対象可能性を求める。撮影対象可能性は、「0~100%」のように数値で定義してもよいし、「高・中・低」のようなレベル、段階で定義してもよい。この評価は、新規に移動物体を検知したときや所定時間ごとに行うことができる。
【0051】
本実施形態では、人物や車両が追尾撮影の対象であり、評価する特徴量として移動物体の大きさや形状等の指標を用いて、移動物体が人物あるいは車両である確からしさ(人らしさ、車らしさ)を示す撮影対象可能性を求める。
【0052】
評価手段74は、記憶手段72に記憶されたトラッキング情報を参照し、評価対象の移動物体についてその大きさや形状を取得し、人物や車両が一般的に有する特徴と比較する。例えば、人物を示す測距データには、物体の幅が所定範囲内(例えば20cm~100cm)、物体表面に凹凸があり直線性が低い(距離のばらつきが所定以上ある)、といった特徴があり、評価手段74は、移動物体の幅や形状が人物の特徴に合致するほど撮影対象可能性(人らしさ)を高く評価する。また、車両を示す測距データには、物体の幅が所定範囲内(例えば1m~5m)、物体表面に直線性が高く、2つの直線が直交している、といった特徴があり、評価手段74は、移動物体の幅や形状が車両の特徴に合致するほど撮影対象可能性(車らしさ)を高く評価する。
【0053】
なお、評価する特徴量として移動速度を用いてもよい。この場合、評価手段74は、トラッキング情報に含まれる移動履歴から移動物体の移動速度を算出し、移動速度が人物や車両の特徴に合致するほど撮影対象可能性を高く評価する。例えば、人物を追尾撮影対象とする場合は、移動速度が時速10km以下に近いほど撮影対象可能性が高くなるように評価し、車両を追尾撮影対象とする場合には、移動速度が時速30~60kmに近いほど撮影対象可能性が高くなるように評価する。
【0054】
種別判定手段75は、物体検知部5の検知結果に基づいて移動物体の種別を判定する。本実施形態では種別判定手段75は、検知物体の種別として、車両と人物とを少なくとも判定する。種別判定手段75は検知物体の大きさ、形状、移動速度等を上述した人物や車両が一般的に有する特徴と比較して種別を判定する。例えば、検知物体が所定(例えば1m)以上の大きさ、及び直角を含む形状を有し、かつ移動速度が所定(例えば時速30km)以上であれば、当該検知物体の種別を車と判定することができる。また、検知物体が所定範囲内(例えば20cm~100cm)の大きさで、直線性が低い形状であれば、当該検知物体の種別を人と判定することができる。また、上述の人らしさや車らしさの撮影対象可能性が所定値(例えば「50%」、「中」)以上であることをもって、移動物体の種別を判定してもよい。
【0055】
種別判定手段75が判定する種別に関しては、移動物体を追尾撮影対象として設定する際の優先度(撮影優先度)が予め定められる。つまり、撮影優先度は種別ごとに設定され、基本的に、種別間に優劣を設定する。例えば、人物の撮影優先度「高」、車両の撮影優先度「中」、その他物体の撮影優先度「低」のように設定できる。監視領域における人物の通行状況を監視したい場合には、このように人物の撮影優先度を高く設定することで、人物以外の物体(車両など)を検知した場合であっても、人物を追尾撮影することが可能になる。なお、各種別に対応付けられる撮影優先度は例えば、記憶手段72に予め記憶される。なお、撮影優先度は、時間帯や移動物体の検知状況等に応じて切り替えてもよい。例えば、昼の時間帯は車の撮影優先度「高」、人物の撮影優先度「中」とし、夜の時間帯は人物の撮影優先度「高」、車の撮影優先度「中」に設定する。
【0056】
追尾撮影対象設定手段76は本発明の撮影対象設定手段であり、検知物体の種別に関する撮影優先度に基づいて追尾撮影対象にする物体を設定する。追尾撮影対象設定手段76は、物体検知部5により移動物体が1つだけ検知された場合には当該移動物体をその種別によらず追尾撮影対象に設定し、一方、移動物体が複数検知された場合には種別ごとに予め設定された撮影優先度が高い移動物体を優先して追尾撮影対象に設定する。例えば、複数の移動物体のうち種別に関する撮影優先度が最も高いものを追尾撮影対象に設定することができる。
【0057】
また、追尾撮影対象設定手段76は、種別に関する撮影優先度と他の判断基準とを組み合わせて追尾撮影対象を設定することもできる。例えば、種別に関する撮影優先度が最も高い移動物体が複数存在する場合には、他の判断基準によりそれら複数の移動物体のうちから追尾撮影対象を選択することができる。
【0058】
例えば、追尾撮影対象設定手段76は、複数の移動物体が同一種別である場合には、当該移動物体のうち現在移動している物体を追尾撮影対象に設定する構成(「移動優先」と呼ぶことにする。)とすることができる。ちなみに、トラッキング情報により、物体が現在移動しているか静止しているかを判断することができる。
【0059】
また、撮影優先度だけではなく評価手段74が求める撮影対象可能性を考慮に入れて追尾撮影対象を選択することができる。例えば、複数の移動物体について撮影優先度が同等である場合に、撮影対象可能性が高い物体を追尾撮影対象に設定することができる。なお、撮影対象可能性も同等である場合には、移動優先により追尾撮影対象に設定してもよい。また、撮影優先度が高い物体であっても、撮影対象可能性が所定値以下(例えば、「30%以下」、「低」等)の場合には、追尾撮影対象に設定しない構成とすることもできる。
【0060】
また、それら複数の移動物体のうち最も新しく、又は古く検知した物体を優先して追尾撮影対象に設定することもできる。なお、最も新しく検知した移動物体を優先することを「後優先」、最も古く検知した移動物体を優先することを「先優先」と呼ぶことにする。
【0061】
また、移動物体の検知状況に応じて、撮影優先度を切り替えて、追尾撮影対象を設定するようにしてもよい。例えば、車両の撮影優先度が人物の撮影優先度よりも高く設定されている場合において、追尾撮影対象設定手段76は、トラッキング情報に基づいて追尾撮影対象に設定されている車両が静止したと判定され、当該車両の検知位置から所定範囲(例えば1m)内で新規に人物が検知された状況では、所定期間は人物優先モードとして、人物の撮影優先度を車両の撮影優先度よりも高くしてもよい。また、所定期間は撮影優先度にかかわらず当該人物に追尾撮影対象を切り替える構成とすることもできる。ここで、所定期間とは、一定時間(例えば、30秒)や、静止車両が移動するまでの期間、新規に車両が検知されるまでの期間、当該人物が検知されなくなるまでの期間等のいずれかにより定められる。これにより、車両から人物が降車した状況において、静止車両を継続して撮影することなく、車両から降車した人物を優先して追尾撮影することが可能となる。また、人物に追尾撮影対象を切り替える場合には、人物が移動していることを条件とすることが好ましい。
【0062】
なお、追尾撮影対象設定手段76は、種別判定手段75が種別を判別するタイミングに同期して追尾撮影対象の設定処理を行うことができ、例えば、監視領域内にて新規に移動物体が検知されるごとに、複数検知された移動物体における追尾撮影対象を設定し直す。
【0063】
図3は監視装置2の追尾撮影に関する制御の概略のフロー図である。物体検知部5において移動物体が検知されると、監視装置2は追尾撮影に関する制御を開始し(ステップS1)、種別判定手段75が当該移動物体のトラッキング情報(大きさ、形状、移動速度など)に基づいて当該移動物体の種別を判定する(ステップS2)。追尾撮影対象設定手段76は、物体検知部5で検知している物体が複数存在する場合には(ステップS3にて「Yes」の場合)、当該複数の物体の撮影優先度に基づいて追尾撮影対象を設定する(ステップS4)。具体的には、最も撮影優先度が高い物体を追尾撮影対象に設定する。一方、物体検知部5で検知している物体が1つである場合には(ステップS3にて「No」の場合)、当該物体を追尾撮影対象に設定する(ステップS5)。このようにして、物体検知部5で検知している物体のうち追尾撮影対象とするものが設定されると、カメラ制御手段73は、追尾撮影対象に設定された物体の検知位置等に基づき、撮像部6に対してPTZ制御を含む制御指示を行い、撮像部6がカメラをPTZ制御して物体を追尾撮影する(ステップS6)。
【0064】
図4及び
図5は追尾撮影対象設定手段76による処理例を説明する模式図である。ここでは人物と車両を追尾撮影の対象とし、種別判定手段75は検知物体において種別として人と車を判定する。ここでは、撮影優先度は「人」より「車」が高く設定されているとする。
【0065】
図4は検知物体の物体IDと種別とを対応付けて表形式で示している。
図4(a)は検知されている移動物体が1つだけである場合である。検知物体「ID1」の種別は「人」であり、「車」よりも撮影優先度が低いが、追尾撮影対象設定手段76は物体「ID1」を追尾撮影対象に設定する。
【0066】
図4(b),(c)は移動物体が3つ検知されている場合である。このように複数の移動物体が検知されている場合は、基本的には、追尾撮影対象設定手段76は撮影優先度が最も高い物体を追尾撮影対象に設定する。よって、
図4(b)の例では、種別が「人」である物体「ID1」,「ID3」よりも撮影優先度が高い種別「車」である物体「ID2」を追尾撮影対象に設定する。
【0067】
一方、
図4(c)の例では、物体「ID2」及び「ID4」が「車」である。このように撮影優先度の最高値を有する物体が複数存在する場合は、他の判断基準を併用して追尾撮影対象を決める構成とすることができる。例えば、追尾撮影対象設定手段76は、上述した、撮影対象可能性、先優先、後優先、移動優先等により追尾撮影対象を設定する。
【0068】
図5は、種別に関する撮影優先度を基本の判断基準としつつ、撮影対象可能性を補助的な判断基準として併用する場合の例であり、検知物体の物体IDと種別及び撮影対象可能性とを対応付けて表形式で示している。ここでは、撮影対象可能性は0~100〔%〕の範囲で定義され、評価手段74は検知物体ごとに、人らしさを表す撮影対象可能性と車らしさを表す撮影対象可能性を求める。
図5において「人らしさ」、「車らしさ」の欄に示す数値がそれぞれ人らしさの撮影対象可能性、車らしさの撮影対象可能性である。
【0069】
図5(c)では
図4(c)で述べたように、撮影優先度だけでは追尾撮影対象を物体「ID2」と「ID4」のいずれかに決めることができない。この点、
図4(c)で述べたように撮影対象可能性を用いて、物体「ID2」と物体「ID4」とに優先順を設けることができ、具体的には、
図5(c)の例において、追尾撮影対象設定手段76は撮影対象可能性のうち「車らしさ」を物体「ID2」と物体「ID4」とで比較して、その値がより高い物体「ID2」を追尾撮影対象に設定する。
【0070】
なお、
図5(a)に示す検知物体が1つの場合は、
図4(a)の場合と同様、選別の必要がないので、撮影優先度及び撮影対象可能性にかかわらず、物体「ID1」が追尾撮影対象に設定される。
【0071】
また、
図5(b)の場合は、撮影優先度だけで1つの物体、つまり
図4(b)と同様、物体「ID2」を追尾撮影対象に設定できる。つまり、この場合、追尾撮影対象設定手段76は撮影対象可能性は考慮せずに追尾撮影対象を設定する。なお、
図5(b)において、物体「ID2」は車両として検知されているが、「車らしさ」が所定値(例えば「30」)以下なので、車両である可能性が低いとして撮影優先度に基づく追尾撮影対象の設定は行わず、撮影対象可能性に基づく追尾撮影対象の設定を行うことで物体「ID3」を追尾撮影するようにしてもよい。
【0072】
上述した本発明を用いた監視装置2は、物体検知部5による検知物体について種別(人物や車両など)を判定し、検知物体が複数存在する場合には、種別ごとの撮影優先度に基づいて追尾撮影対象とする検知物体を定める。具体的には、その基本的な構成として、複数の検知物体について撮影優先度を比較して、最も撮影優先度の高い物体を追尾撮影対象に設定する。これにより、複数の物体を検知した場合に、例えば、それらの中から、より侵入者らしい物体を優先して追尾撮影することが可能になる。具体的には、上述したように、人の通行状況を監視したい場合に、人物の撮影優先度を高く設定することで、車両と人物を検知しても人物を優先して追尾撮影できる。
【0073】
なお、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更され得る。
【0074】
例えば、評価手段74は、移動物体に対する特徴量の評価に基づき移動物体が監視領域に侵入した侵入物体であるか否かを異常判定する機能を担う構成としてもよい。この場合、評価手段74は、移動物体の大きさや形状等の指標が人物や車両を示す発報基準を満たすとき、侵入異常と判定して異常発生を監視センタ3へ通報するとともに、その移動物体を侵入物体としてトラッキング処理を行う。侵入物体の判定には、物体の大きさや形状といった追尾撮影の対象らしさを示す特徴量のほか、移動物体を最初に検知してからの経過時間、移動距離、移動軌跡(移動方向や移動ルート等)など各種の指標を用いてもよい。また、異常判定の機能は、評価手段74とは別に設けられた異常判定手段が担う構成としてもよい。
【0075】
そして、追尾撮影対象設定手段76は、複数の移動物体のうち撮影優先度が高い移動物体を優先して追尾撮影対象に設定することを基本として、撮影優先度が高い移動物体が複数存在する場合に、それらの移動物体のうち侵入物体として異常判定された移動物体を追尾撮影対象に設定するようにしてもよい。
【0076】
また、追尾撮影対象設定手段76は、複数の移動物体のうち侵入物体と判定された移動物体を優先して追尾撮影対象に設定することを基本として、複数の移動物体のうち、侵入物体として異常判定された移動物体が複数存在する場合、または、侵入物体として異常判定されていない移動物体のみ存在する場合には、撮影優先度が高い移動物体を追尾撮影対象に設定するようにしてもよい。また、複数の移動物体のうち、侵入物体として異常判定された移動物体(ID1)と侵入物体として異常判定されていない移動物体(ID2)とが存在する場合には、撮影優先度によらず、すなわち、ID1の撮影優先度がID2の撮影優先度よりも低い場合であっても、ID1を追尾撮影対象に設定する。
【符号の説明】
【0077】
1 監視システム、2 監視装置、3 監視センタ、4 監視領域、5 物体検知部、6 撮像部、7 制御部、51,63,71 通信手段、52,64,72 記憶手段、53 検知手段、54 追跡手段、55 制御手段、61 カメラ駆動手段、62 撮像手段、73 カメラ制御手段、74 評価手段、75 種別判定手段、76 追尾撮影対象設定手段。