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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 1/02 20060101AFI20220915BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20220915BHJP
   H05K 7/14 20060101ALI20220915BHJP
   H05K 9/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
H05K1/02 B
H05K1/14 C
H05K1/02 L
H05K7/14 G
H05K9/00 R
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018135298
(22)【出願日】2018-07-18
(65)【公開番号】P2020013904
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-03-18
(73)【特許権者】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長澤 和也
(72)【発明者】
【氏名】石井 憲弘
(72)【発明者】
【氏名】河原 清治
【審査官】柴垣 宙央
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-023149(JP,A)
【文献】特開平11-186686(JP,A)
【文献】特開2005-294639(JP,A)
【文献】特開2006-179529(JP,A)
【文献】特開平11-289141(JP,A)
【文献】特開2007-123744(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/02
H05K 1/14
H05K 7/14
H05K 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体と、
前記筐体に収容され、コントローラが実装された第1リジッド基板と、
前記筐体に収容されて前記第1リジッド基板と少なくとも部分的に向かい合い、前記コントローラによって制御される第1半導体メモリ部品が実装された第2リジッド基板と、
前記第1リジッド基板の表面に固定された第1端部と、前記第2リジッド基板の表面に固定された第2端部とを有し、少なくとも一部が可撓性を有して曲げられた姿勢で前記筐体内に配置された第1接続基板と、
前記筐体に収容され、前記第2リジッド基板に対して前記第1リジッド基板とは反対側に位置し、前記コントローラによって制御される第2半導体メモリ部品が実装された第3リジッド基板と、
前記第1リジッド基板の表面に固定された第1端部と、前記第3リジッド基板の表面に固定された第2端部とを有し、少なくとも一部に可撓性を有して曲げられた姿勢で前記筐体内に配置された第2接続基板と、
を備えた半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1接続基板の第1端部は、複数の第1半田部によって前記第1リジッド基板に固定され、
前記第1接続基板の第2端部は、複数の第2半田部によって前記第2リジッド基板に固定されている、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第1リジッド基板は、前記第2リジッド基板に面した第1面を有し、
前記第1接続基板の第1端部は、前記第1リジッド基板の第1面に固定されている、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第2リジッド基板は、前記第1リジッド基板に面した第2面を有し、
前記第1接続基板の第2端部は、前記第2リジッド基板の第2面に固定されている、
請求項に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
筐体と、
前記筐体に収容され、コントローラが実装された第1リジッド基板と、
前記筐体に収容されて前記第1リジッド基板と少なくとも部分的に向かい合い、前記コントローラによって制御される第1半導体メモリ部品が実装された第2リジッド基板と、
前記第1リジッド基板の表面に固定された第1端部と、前記第2リジッド基板の表面に固定された第2端部とを有し、少なくとも一部が可撓性を有して曲げられた姿勢で前記筐体内に配置された第1接続基板と、
支持体とを備え、
前記第1リジッド基板は、前記第2リジッド基板に面した第1面を有し、
前記第1接続基板の第1端部は、前記第1リジッド基板の第1面に固定されており、
前記支持体は、前記第1リジッド基板と前記第2リジッド基板との間に配置され、前記第1リジッド基板とは反対側から前記第1接続基板の第1端部に接した、
導体記憶装置。
【請求項6】
前記第1接続基板は、複数の信号線と、前記第1接続基板が曲げられた姿勢で前記複数の信号線よりも前記第1接続基板の外周側に位置し、前記複数の信号線のそれぞれ少なくとも一部を覆う面状のグラウンド層とを有した、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記第1接続基板の第1端部は、複数の半田ボールによって前記第1リジッド基板に固定されている、
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第1リジッド基板は、前記複数の半田ボールが接続される複数のパッドを有し、
前記複数のパッドは、第1列に配置された複数の第1パッドと、前記第1リジッド基板の縁に対して前記第1列よりも離れた第2列に配置された複数の第2パッドとを含み、
前記第1接続基板の第1端部は、前記複数の半田ボールを介して前記複数の第1パッドおよび前記複数の第2パッドに接続されている、
請求項に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
前記複数のパッドは、前記第1リジッド基板の縁に対して前記第2列よりも離れた第3列に配置された複数の第3パッドをさらに含み、
前記第1接続基板の第1端部は、前記複数の半田ボールを介して前記複数の第1パッド、前記複数の第2パッド、および前記複数の第3パッドに接続されている、
請求項に記載の半導体記憶装置。
【請求項10】
前記複数の第1パッドに含まれる1つ以上の第1パッドは、前記複数の第2パッドの各々に比べて大きい、
請求項に記載の半導体記憶装置。
【請求項11】
前記複数の第1パッドの各々は、前記複数の第2パッドの各々に比べて大きい、
請求項に記載の半導体記憶装置。
【請求項12】
前記複数の第2パッドは、前記複数の第1パッドが並ぶ方向において、前記複数の第1パッドに対してずれた位置に配置されている、
請求項に記載の半導体記憶装置。
【請求項13】
前記複数の第2パッドは、前記複数の第1パッドが並ぶ方向において、前記複数の第1パッドと交互になる位置に配置されている、
請求項に記載の半導体記憶装置。
【請求項14】
筐体と、
前記筐体に収容され、コントローラが実装された第1リジッド基板と、
前記筐体に収容されて前記第1リジッド基板と少なくとも部分的に向かい合い、前記コントローラによって制御される第1半導体メモリ部品が実装された第2リジッド基板と、
前記第1リジッド基板の表面に固定された第1端部と、前記第2リジッド基板の表面に固定された第2端部とを有し、少なくとも一部が可撓性を有して曲げられた姿勢で前記筐体内に配置された第1接続基板とを備え、
前記第1接続基板の第1端部は、複数の半田ボールによって前記第1リジッド基板に固定されており、
前記第1リジッド基板は、前記複数の半田ボールが接続される複数のパッドを有し、
前記複数のパッドは、第1列に配置された複数の第1パッドと、前記第1リジッド基板の縁に対して前記第1列よりも離れた第2列に配置された複数の第2パッドとを含み、
前記第1接続基板の第1端部は、前記複数の半田ボールを介して前記複数の第1パッドおよび前記複数の第2パッドに接続されており、
前記第1接続基板は、前記第1リジッド基板のパッドに面する複数のパッドと、この複数のパッドを覆う透光性の絶縁部材とを有し、
前記第1接続基板の複数のパッドの各々は、前記第1リジッド基板の複数のパッドの各々よりも小さい、
導体記憶装置。
【請求項15】
前記第1接続基板は、複数の信号線と、前記第1接続基板が曲げられた姿勢で前記複数の信号線よりも前記第1接続基板の外周側に位置し、前記複数の信号線のそれぞれ少なくとも一部を覆う面状のグラウンド層とを有し、
前記第1接続基板の複数のパッドは、前記複数の第2パッドに面するとともに前記複数の信号線が電気的に接続された複数の信号パッドと、前記複数の第1パッドに面するとともに前記グラウンド層が電気的に接続された複数のグラウンドパッドとを有し、
前記複数の信号線に含まれる少なくとも1つの信号線は、前記第1接続基板の厚さ方向で前記複数のグラウンドパッドに含まれる1つのグラウンドパッドと重なる位置を通って延びている、
請求項14に記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の基板がコネクタによって接続された半導体記憶装置が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第6080936号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、大容量化を図りつつ、リペア性の向上を図ることができる半導体記憶装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の半導体記憶装置は、筐体と、第1リジッド基板と、第2リジッド基板と、第1接続基板と、第3リジッド基板と、第2接続基板とを備えている。前記第1リジッド基板は、前記筐体に収容され、コントローラが実装されている。前記第2リジッド基板は、前記筐体に収容されて前記第1リジッド基板と少なくとも部分的に向かい合い、前記コントローラによって制御される半導体メモリ部品が実装されている。前記第1接続基板は、前記第1リジッド基板の表面に固定された第1端部と、前記第2リジッド基板の表面に固定された第2端部とを有し、少なくとも一部が可撓性を有して曲げられた姿勢で前記筐体内に配置されている。前記第3リジッド基板は、前記筐体に収容され、前記第2リジッド基板に対して前記第1リジッド基板とは反対側に位置し、前記コントローラによって制御される第2半導体メモリ部品が実装されている。前記第2接続基板は、前記第1リジッド基板の表面に固定された第1端部と、前記第3リジッド基板の表面に固定された第2端部とを有し、少なくとも一部に可撓性を有して曲げられた姿勢で前記筐体内に配置されている。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態の半導体記憶装置を示す斜視図。
図2図1に示された半導体記憶装置のF2-F2線に沿う断面図。
図3】第1の実施形態の半導体記憶装置の一部構成を示す断面図。
図4】第1の実施形態の第1リジッド基板、第2リジッド基板、および第1フレキシブル基板を示す平面図。
図5】第1の実施形態の第1リジッド基板および第2リジッド基板の接続部を拡大して示す平面図。
図6図5に示された第1リジッド基板のF6-F6線に沿う断面図。
図7】第1の実施形態の第1リジッド基板、第2リジッド基板、および第1フレキシブル基板を示す断面図。
図8】第1実施形態の第1フレキシブル基板の第2層を示す断面図。
図9】第1実施形態の第1フレキシブル基板の第1層を示す断面図。
図10】第1実施形態の第1フレキシブル基板の第1層および第2層を重ねて示す断面図。
図11図4に示された第1リジッド基板、第2リジッド基板、第1フレキシブル基板のF11-F11線に沿う断面図。
図12図2に示された半導体記憶装置の一部構成のF12-F12線に沿う断面図。
図13】第2の実施形態の第1リジッド基板および第2リジッド基板の接続部を拡大して示す平面図。
図14】第3の実施形態の第1リジッド基板および第2リジッド基板の接続部を拡大して示す平面図。
図15】第4の実施形態の半導体記憶装置の一部構成を示す断面図。
図16】第5の実施形態の半導体記憶装置の一部構成を示す断面図。
図17】第6の実施形態の第1リジッド基板、第2リジッド基板、および複数のフレキシブル基板を示す断面図。
図18】第7の実施形態の半導体記憶装置の一部構成を示す斜視図。
図19】第8の実施形態の半導体記憶装置の一部構成を示す斜視図。
図20】第9の実施形態の半導体記憶装置の一部構成を示す平面図。
図21】第10の実施形態の半導体記憶装置を示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の半導体記憶装置を、図面を参照して説明する。なお以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。本明細書において「面する」とは、2つの対象物の間に介在物が存在しない場合に加えて、2つの対象物の間に介在物(例えば半田)が存在し、2つの対象物が前記介在物を間に挟んで向かい合う場合も含む。本明細書において「接続」とは、電気的な接続を意味する場合も含む。本明細書において「可撓性」とは、外力が作用した場合に曲がる性質を有することを広く意味し、弾性を有する場合と、弾性を有しない場合の両方を含む。本明細書において「表面」とは、オモテメン(front face)を意味するものではなく、ヒョウメン(surface)を意味する。また、いくつかの図では、基板上に実装された部品(コントローラやNANDなど)の図示が省略されている。
【0008】
また先に、図1および図2を参照し、+X方向、-X方向、+Y方向、-Y方向、+Z方向、および-Z方向について定義する。+X方向、-X方向、+Y方向、および-Y方向は、後述する第1リジッド基板11の第1主面S1に沿う方向である。+X方向は、例えば、第1リジッド基板11のなかで第1フレキシブル基板21が取り付けられる端部から、第2フレキシブル基板22が取り付けられる端部に向かう方向である。-X方向は、+X方向とは反対方向である。+X方向と-X方向とを区別しない場合は、単に「X方向」と称する。+Y方向および-Y方向は、X方向とは交差する(例えば略直交する)方向である。+Y方向は、例えば、コントローラ14から半導体記憶装置1の外部接続コネクタ(不図示)に向かう方向である。-Y方向は、+Y方向とは反対方向である。+Y方向と-Y方向とを区別しない場合は、単に「Y方向」と称する。以下に説明する実施形態では、半導体記憶装置1は、直方体状に形成されている。この場合、Y方向は、例えば半導体記憶装置1の長手方向である。+Z方向および-Z方向は、X方向およびY方向とは交差する(例えば略直交する)方向である。+Z方向は、第2リジッド基板12から第1リジッド基板11に向かう方向である。-Z方向は、+Z方向とは反対方向である。+Z方向と-Z方向とを区別しない場合は、単に「Z方向」と称する。Z方向は、第1から第3のリジッド基板11,12,13の厚さ方向である。
【0009】
(第1の実施形態)
<1.全体構成>
図1から図12を参照し、第1の実施形態の半導体記憶装置1について説明する。半導体記憶装置1は、例えばSSD(Solid State Drive)のような記憶装置である。半導体記憶装置1は、例えば、サーバ装置やパーソナルコンピュータなどの情報処理装置(ホスト装置)に取り付けられ、情報処理装置の記憶領域として利用される。
【0010】
図1は、半導体記憶装置1を示す斜視図である。図2は、図1に示された半導体記憶装置1のF2-F2線に沿う断面図である。半導体記憶装置1は、例えば、筐体10と、第1から第3のリジッド基板11,12,13と、コントローラ14と、DRAM(Dynamic Random Access Memory)15と、複数のNAND型フラッシュメモリ16(以下「NAND16」と称する)と、第1および第2のスペーサ17,18と、第1および第2のフレキシブル基板21,22とを有する。
【0011】
筐体10は、箱状に形成されている。筐体10は、第1から第3のリジッド基板11,12,13と、コントローラ14と、DRAM15と、複数のNAND16と、第1および第2のスペーサ17,18と、第1および第2のフレキシブル基板21,22とを収容している。筐体10は、+Y方向側に位置した第1端部10aと、-Y方向側に位置した第2端部10bを有する(図1参照)。第1端部10aおよび第2端部10bには、Y方向に開口した通気孔hが設けられている。これにより、筐体10内には、Y方向に沿う風の流路が形成されている。
【0012】
第1から第3のリジッド基板11,12,13の各々は、硬質の絶縁体と、この絶縁体に設けられた導体パターンとを有する。第1から第3のリジッド基板11,12,13は、互いに略平行に配置されている。第2リジッド基板12は、Z方向で第1リジッド基板11と向かい合う。第3リジッド基板13は、第2リジッド基板12に対して第1リジッド基板11とは反対側に位置し、Z方向で第2リジッド基板12に向かい合う。
【0013】
第1リジッド基板(マザー基板)11は、第1主面S1と、第2主面S2とを有する。第1主面S1は、筐体10の内面に面する。例えば、第1主面S1には、コントローラ14およびDRAM15が実装されている。第2主面S2は、第1主面S1とは反対側に位置し、第2リジッド基板12に面する。第2主面S2は、「第1面」の一例である。第2主面S2は、第1フレキシブル基板21が接続される接続部11aと、第2フレキシブル基板22が接続される接続部11bとを有する。接続部11aは、例えば、第1リジッド基板11の-X方向側の端部に設けられている。接続部11bは、例えば、第1リジッド基板11の+X方向側の端部に設けられている。
【0014】
第2リジッド基板(第1子基板)12は、第3主面S3と、第4主面S4とを有する。第3主面S3は、第1リジッド基板11の第2主面S2に面する。第3主面S3は、「第2面」の一例である。第3主面S3は、第1フレキシブル基板21が接続される接続部12aを有する。接続部12aは、例えば、第2リジッド基板12の-X方向側の端部に設けられている。第4主面S4は、第3主面S3とは反対側に位置する。例えば、第4主面S4には、1つ以上のNAND16が実装されている。
【0015】
第3リジッド基板(第2子基板)13は、第5主面S5と、第6主面S6とを有する。第5主面S5は、第2リジッド基板12の第4主面S4に面する。第5主面S5は、第2フレキシブル基板22が接続される接続部13aを有する。接続部13aは、例えば、第3リジッド基板13の+X方向側の端部に設けられている。第6主面S6は、第5主面S5とは反対側に位置し、筐体10の内面に面する。例えば、第5主面S5および第6主面S6の各々には、1つ以上のNAND16が実装されている。
【0016】
コントローラ14は、半導体記憶装置1の全体を統括的に制御する。例えば、コントローラ14は、ホスト装置に対するホストインターフェース回路、DRAM15を制御する制御回路、および複数のNAND16を制御する制御回路などが1つの半導体チップに集積されたSoC(System on a Chip)として構成されている。
【0017】
DRAM15は、揮発性の半導体メモリチップの一例である。DRAM15は、ホスト装置から受信した書き込み対象データ、およびNAND16から読み出された読み出し対象データが一時的に格納されるデータバッファである。ただし、半導体記憶装置1は、DRAM15が設けられていなくてもよい。
【0018】
NAND16は、不揮発性の半導体メモリチップの一例であり、「半導体メモリ部品」の一例である。なお、「半導体メモリ部品」は、上記例に限定されず、磁気抵抗メモリ(Magnetoresistive Random Access Memory:MRAM)や、抵抗変化型メモリ(Resistive Random Access Memory:ReRAM)などでもよい。
【0019】
第1スペーサ17は、第1リジッド基板11と第2リジッド基板12との間に配置され、第1リジッド基板11と第2リジッド基板12との間の距離を規定している。第2スペーサ18は、第2リジッド基板12と第3リジッド基板13との間に配置され、第2リジッド基板12と第3リジッド基板13との間の距離を規定している。第1スペーサ17は、「第1支持体」の一例である。第2スペーサ18は、「第2支持体」の一例である。第1および第2のスペーサ17,18については後述する。
【0020】
本実施形態では、筐体10は、例えば、複数の受け部10rを有する。各受け部10rは、ねじのような固定部材25が係合可能な係合穴10raを有する。第1から第3のリジッド基板11,12,13の各々および第1および第2のスペーサ17,18の各々は、固定部材25が通される挿通穴ihが設けられている。第1から第3のリジッド基板11,12,13および第1および第2のスペーサ17,18は、これら部材11,12,13,17,18の挿通穴ihを通された固定部材25によって筐体10に一括して固定されている。なお、受け部10rの位置は、図2中に示す位置に限らず、筐体10の隅部などに設けられてもよい。また、第1から第3のリジッド基板11,12,13および第1および第2のスペーサ17,18の固定構造は、上記例に限定されず、これら部材11,12,13,17,18を連結する構造と、これら部材11,12,13,17,18を筐体10に固定する構造とが別々に設けられてもよい。なお、以下で説明するいくつかの図面では、挿通穴ihの図示を省略している場合がある。
【0021】
図3は、半導体記憶装置1の一部構成を示す断面図である。第1および第2のフレキシブル基板21,22の各々は、いわゆるFPC(Flexible Printed Circuit)であり、例えば、可撓性の絶縁フィルムと、この絶縁フィルムに覆われた導体パターンとを有する。
【0022】
第1フレキシブル基板21は、第1端部21aと、第2端部21bとを有する。第1端部21aは、第1リジッド基板11の第2主面S2(第1リジッド基板11の表面)の接続部11aに固定されている。第2端部21bは、第2リジッド基板12の第3主面S3(第2リジッド基板12の表面)の接続部12aに固定されている。第1フレキシブル基板21は、可撓性を有して曲げられた姿勢で筐体10内に配置されている。第1リジッド基板11と第2リジッド基板12とは、第1フレキシブル基板21を介して互いに電気的に接続されている。第1フレキシブル基板21は、「第1接続基板」の一例である。なお、第1および第2のリジッド基板11,12に対する第1フレキシブル基板21の固定構造については後述する。
【0023】
第2フレキシブル基板22は、第1端部22aと、第2端部22bとを有する。第1端部22aは、第1リジッド基板11の第2主面S2(第1リジッド基板11の表面)の接続部11bに固定されている。第2端部22bは、第3リジッド基板13の第5主面S5(第3リジッド基板13の表面)の接続部13aに固定されている。第2フレキシブル基板22は、可撓性を有して曲げられた姿勢で筐体10内に配置されている。第1リジッド基板11と第3リジッド基板13とは、第2フレキシブル基板22を介して互いに電気的に接続されている。第2フレキシブル基板22は、「第2接続基板」の一例である。なお、第1および第3のリジッド基板11,13に対する第2フレキシブル基板22の固定構造は、第1および第2のリジッド基板11,12に対する第1フレキシブル基板21の固定構造と同様である。
【0024】
本実施形態では、第1および第2のフレキシブル基板21,22は、Y方向と略平行に配置されている(図2図4参照)。このため、第1および第2のフレキシブル基板21,22は、筐体10内をY方向に流れる風の流れを阻害しにくい。これにより、筐体10内の熱流動性が高められ、半導体記憶装置1の放熱性能の向上が図られている。
【0025】
<2.第1フレキシブル基板の固定構造>
<2.1 リジッド基板の構成>
図4は、第1リジッド基板11、第2リジッド基板12、および第1フレキシブル基板21を示す平面図である。図4は、第1フレキシブル基板21が平らに伸ばされた状態を示す。第1リジッド基板11は、第1フレキシブル基板21が平らに伸ばされた状態で、第2リジッド基板12と隣り合う基板縁11eを有する。同様に、第2リジッド基板12は、第1フレキシブル基板21が平らに伸ばされた状態で、第1リジッド基板11と隣り合う基板縁12eを有する。基板縁11e,12eは、Y方向と略平行である。
【0026】
ここで、+X1方向、-X1方向、+X2方向、および-X2方向を定義する。+X1方向、-X1方向、+X2方向、および-X2方向は、X方向と略平行な方向である。+X1方向は、第1リジッド基板11の基板縁11eから第1リジッド基板11の内側に向かう方向である。-X1方向は、+X1方向とは反対方向である。+X2方向は、第2リジッド基板12の基板縁12eから第2リジッド基板12の内側に向かう方向である。-X2方向は、+X2方向とは反対方向である。
【0027】
図5は、第1リジッド基板11および第2リジッド基板12の接続部11a,12aを拡大して示す平面図である。第1リジッド基板11の接続部11aは、第1リジッド基板11の表面に設けられた複数のパッド30を有する。本実施形態では、複数のパッド30は、第1から第6の列R1a,R2a,R3a,R4a,R5a,R6aに分かれて配置されている。第1から第6の列R1a,R2a,R3a,R4a,R5a,R6aは、この順に+X1方向に並び、それぞれ基板縁11eと略平行である。例えば、第1列R1aは、第1から第6の列R1a,R2a,R3a,R4a,R5a,R6aのなかで、基板縁11eに対して最も近くに位置する。第2列R2aは、基板縁11eに対して第1列R1aよりも離れている。同様に、第3列R3a、第4列R4a、第5列R5a、第6列R6aは、基板縁11eに対して、第2列R2a、第3列R3a、第4列R4a、第5列R5aよりもそれぞれ離れている。
【0028】
複数のパッド30は、第1列R1aに配置された複数の第1パッド31、第2列R2aに配置された複数の第2パッド32、第3列R3aに配置された複数の第3パッド33、第4列R4aに配置された複数の第4パッド34、第5列R5aに配置された複数の第5パッド35、および第6列R6aに配置された複数の第6パッド36を含む。複数の第1パッド31、複数の第2パッド32、複数の第3パッド33、複数の第4パッド34、複数の第5パッド35、および複数の第6パッド36は、それぞれ各列において、互いに間隔を空けてY方向に並べられている。
【0029】
本実施形態では、複数のパッド30は、千鳥状に配置されている。すなわち、複数の第2パッド32は、複数の第1パッド31に対して、Y方向にずれた位置(例えばY方向で交互となる位置)に配置されている。複数の第3パッド33は、複数の第2パッド32に対して、Y方向にずれた位置(例えばY方向で交互となる位置)に配置されている。同様に、複数の第4パッド34、複数の第5パッド35、複数の第6パッド36は、-X1方向で隣り合う列の複数のパッド30に対して、Y方向にずれた位置(例えばY方向で交互となる位置)にそれぞれ配置されている。
【0030】
第2リジッド基板12の接続部12aは、第2リジッド基板12の表面に設けられた複数のパッド30を有する。第2リジッド基板12の複数のパッド30のレイアウトは、第1リジッド基板11の複数のパッド30のレイアウトと同様である。このため、第2リジッド基板12のパッド30に関する説明は、第1リジッド基板11のパッド30に関する説明において「第1リジッド基板11」を「第2リジッド基板12」、「基板縁11e」を「基板縁12e」、「+X1方向」を「+X2方向」、「-X1方向」を「-X2方向」とそれぞれ読み替えればよい。
【0031】
図6は、図5に示された第1リジッド基板11のF6-F6線に沿う断面図である。複数のパッド30の各々は、いわゆるパッドオンビアである。すなわち、第1リジッド基板11は、Z方向でパッド30に接続されたビア41を有する。パッド30は、ビア41と一体に形成され、ビア41を介して第1リジッド基板11の内層パターン42に接続されている。ビア41は、凹部を有したビアでもよく、導体材が充填されたビアでもよい。本実施形態では、第1リジッド基板11の表面には、パッド30に接続される配線パターンは設けられていない。第2リジッド基板12のパッド30も、第1リジッド基板11のパッド30と同様に形成されている。
【0032】
<2.2 フレキシブル基板の構成>
図7は、第1リジッド基板11、第2リジッド基板12、および第1フレキシブル基板21を示す断面図である。図7では、第1および第2のリジッド基板11,12に対する第1フレキシブル基板21の固定構造の図示は省略している。
【0033】
第1フレキシブル基板21は、多層構造を有する。第1フレキシブル基板21は、例えば、第1層(第1導電層)51と、第2層(第2導電層)52と、中間絶縁層53、第1外装絶縁層54、および第2外装絶縁層55を有する。
【0034】
中間絶縁層53は、第1層51と第2層52との間に設けられ、第1層51と第2層52との間を絶縁している。第1外装絶縁層54は、第1層51に対して中間絶縁層53とは反対側に位置し、第1層51を覆っている。第2外装絶縁層55は、第2層52に対して中間絶縁層53とは反対側に位置し、第2層52を覆っている。中間絶縁層53、第1外装絶縁層54、および第2外装絶縁層55は、例えば、透光性を有した絶縁部材(絶縁フィルムなど)で形成されている。本実施形態では、中間絶縁層53、第1外装絶縁層54、および第2外装絶縁層55は、透明部材または色付きの透明部材で形成され、向こう側が透けて見える程度に透明度が高い。
【0035】
第1層51は、後述する複数の信号線61および電源パターン62(図9参照)を含む。第2層52は、後述するグラウンド層63(図8参照)を含む。第2層52(グラウンド層63)は、第1リジッド基板11と第2リジッド基板12とが互いに向かい合うように第1フレキシブル基板21が曲げられた姿勢で、第1層51(複数の信号線61および電源パターン62)よりも第1フレキシブル基板21の外周側に位置する。グラウンド層63は、面状に形成されており、複数の信号線61のそれぞれ少なくとも一部および電源パターン62の少なくとも一部を、第1フレキシブル基板21の外周側から覆う。
【0036】
図8は、第1フレキシブル基板21の第2層52を示す断面図である。図8では、説明の便宜上、第1フレキシブル基板21に設けられたビアの図示、および絶縁部分に対するハッチングは省略している。ここで、+X3方向および-X3方向を定義する。+X3方向および-X3方向は、X方向と略平行な方向であり、平らに伸ばされた第1フレキシブル基板21の表面に沿う方向である。+X3方向は、第1フレキシブル基板21の第2端部21bから第1端部21aに向かう方向である。-X3方向は、+X3方向とは反対方向である。+X3方向と-X3方向とを区別しない場合は、単に「X3方向」と称する。
【0037】
第1フレキシブル基板21は、第1パッド群G1と、第2パッド群G2とを有する。第1パッド群G1は、第1フレキシブル基板21の第1端部21aに設けられている。第1パッド群G1は、複数のパッド70を含む。第1パッド群G1の複数のパッド70は、第1リジッド基板11の接続部11aの複数のパッド30に対応して配置され、第1リジッド基板11の複数のパッド30に面する。第1パッド群G1のパッド70のレイアウトは、第1リジッド基板11の接続部11aのパッド30のレイアウトと同様である。
【0038】
詳しく述べると、複数のパッド70は、第1から第6の列R1b,R2b,R3b,R4b,R5b,R6bに分かれて配置されている。第1から第6の列R1b,R2b,R3b,R4b,R5b,R6bは、この順に+X3方向に並んでいる。例えば、第1列R1bは、第1から第6の列R1b,R2b,R3b,R4b,R5b,R6bのなかで、第1フレキシブル基板21の第2端部21bに対して最も近くに位置する。第2列R2bは、第1フレキシブル基板21の第2端部21bに対して第1列R1bよりも離れている。同様に、第3列R3b、第4列R4b、第5列R5b、第6列R6bは、第1フレキシブル基板21の第2端部21bに対して、第2列R2b、第3列R3b、第4列R4b、第5列R5bよりもそれぞれ離れている。
【0039】
複数のパッド70は、第1列R1bに配置された複数の第1パッド71、第2列R2bに配置された複数の第2パッド72、第3列R3bに配置された複数の第3パッド73、第4列R4bに配置された複数の第4パッド74、第5列R5bに配置された複数の第5パッド75、および第6列R6bに配置された複数の第6パッド76を含む。複数の第1パッド71、複数の第2パッド72、複数の第3パッド73、複数の第4パッド74、複数の第5パッド75、および複数の第6パッド76は、それぞれ各列において、互いに間隔を空けてY方向に並べられている。第1から第6のパッド71,72,73,74,75,76は、第1リジッド基板11の第1から第6のパッド31,32,33,34,35,36にそれぞれ面する。
【0040】
本実施形態では、第1パッド群G1の複数のパッド70の各々は、第1リジッド基板11の複数のパッド30の各々よりも小さい。第1パッド群G1の複数のパッド70は、第1リジッド基板11に面する側とは反対側において透光性を有した絶縁部材(第1外装絶縁層54など)によって覆われている。ただし、パッド70の大きさは、上記例に限定されず、パッド30と同じでもよく、パッド30よりも大きくてもよい。また、第1フレキシブル基板21の絶縁部材は、透光性を有しなくてもよい。
【0041】
一方で、第2パッド群G2は、第1フレキシブル基板21の第2端部21bに設けられている。第2パッド群G2は、複数のパッド70を含む。第2パッド群G2の複数のパッド70は、第2リジッド基板12の接続部12aの複数のパッド30に対応して配置され、第2リジッド基板12の複数のパッド30に面する。第2パッド群G2のパッド70のレイアウトは、第2リジッド基板12の接続部12aのパッド30のレイアウトと同様である。第2パッド群G2のパッド70に関する説明は、第1パッド群G1のパッド70に関する説明において、「第1パッド群G1」を「第2パッド群G2」、「第2端部21b」を「第1端部21a」、「第1リジッド基板11」を「第2リジッド基板12」、「+X3方向」を「-X3方向」、「-X3方向」を「+X3方向」と読み替えればよい。
【0042】
本実施形態では、第2パッド群G2の複数のパッド70の各々は、第2リジッド基板12の複数のパッド30の各々よりも小さい。第2パッド群G2の複数のパッド70は、第2リジッド基板12に面する側とは反対側において透光性を有した絶縁部材(第1外装絶縁層54など)によって覆われている。ただし、パッド70の大きさは、上記例に限定されず、パッド30と同じでもよく、パッド30よりも大きくてもよい。また上述したように、第1フレキシブル基板21の絶縁部材は、透光性を有しなくてもよい。
【0043】
ここで、第1パッド群G1および第2パッド群G2の各々は、複数の信号パッド70S(図9参照)、複数の電源パッド70P(図9参照)、および複数のグラウンドパッド70Gを含む。信号パッド70Sは、信号線61が接続されるパッドである。本実施形態では、信号パッド70Sは、第1パッド群G1および第2パッド群G2の各々において、第1から第6列R1b,R2b,R3b,R4b,R5b,R6bにそれぞれ配置されている。電源パッド70Pは、電源パターン62が接続されるパッドである。本実施形態では、電源パッド70Pは、第1パッド群G1および第2パッド群G2の各々において、第2から第6列R2b,R3b,R4b,R5b,R6bにそれぞれ配置されている。グラウンドパッド70Gは、グラウンド層63が接続されるパッドである。本実施形態では、グラウンドパッド70Gは、第1パッド群G1および第2パッド群G2の各々において、第1列R1bに配置されている。例えば、第1列R1bでは、グラウンドパッド70Gと信号パッド70SとがY方向で交互に配置されている。
【0044】
グラウンド層63は、第1パッド群G1と、第2パッド群G2との間に設けられ、X3方向およびY方向に沿う面状に広がっている。グラウンド層63は、第2層52に含まれる複数のグラウンド接続線78によって、第1パッド群G1の複数のグラウンドパッド70Gおよび第2パッド群G2の複数のグラウンドパッド70Gに接続されている。グラウンド接続線78は、信号線61に比べてY方向の幅が太い。
【0045】
図9は、第1フレキシブル基板21の第1層51を示す断面図である。図9では、説明の便宜上、第1フレキシブル基板21に設けられたビアの図示、および絶縁部分に対するハッチングは省略している。
【0046】
複数の信号線61は、第1パッド群G1と第2パッド群G2との間に延びている。複数の信号線61は、第1パッド群G1に含まれる複数の信号パッド70Sと、第2パッド群G2に含まれる複数の信号パッド70Sとを、例えば1対1の関係で接続している。
【0047】
電源パターン62は、第1パッド群G1と第2パッド群G2との間に延びている。電源パターン62は、第1パッド群G1に含まれる複数の電源パッド70Pと、第2パッド群G2に含まれる複数の電源パッド70Pとを接続している。
【0048】
図10は、第1フレキシブル基板21の第1層51および第2層52を重ねて示す断面図である。複数の信号線61は、第1パッド群G1または第2パッド群G2において、第2から第6列R2b,R3b,R4b,R5b,R6bのいずれかに配置された信号パッド70Sに接続された複数の信号線61Aを含む。この複数の信号線61Aに含まれる1つ以上(例えば複数)の信号線61Aは、第1フレキシブル基板21の厚さ方向でグラウンドパッド70Gと重なる位置を通ってX3方向に延びている。本実施形態では、1つ以上(例えば複数)の信号線61Aは、第1フレキシブル基板21の厚さ方向でグラウンド接続線78と重なる領域を通ってX3方向に延びている。
【0049】
<2.3 半田接合部の構成>
図11は、図4に示された第1リジッド基板11、第2リジッド基板12、第1フレキシブル基板21のF11-F11線に沿う断面図である。第1フレキシブル基板21の第1端部21aは、複数の第1半田部81によって第1リジッド基板11の接続部11aに固定されている。すなわち、第1半田部81は、第1フレキシブル基板21の第1端部21aのパッド70と、第1リジッド基板11の接続部11aのパッド30との間に設けられ、第1フレキシブル基板21のパッド70と第1リジッド基板11のパッド30とを接合している。第1半田部81は、例えば、半田ボールまたは半田ペーストである。
【0050】
同様に、第1フレキシブル基板21の第2端部21bは、複数の第2半田部82によって第2リジッド基板12に固定されている。すなわち、第2半田部82は、第1フレキシブル基板21の第2端部21bのパッド70と、第2リジッド基板12の接続部12aのパッド30との間に設けられ、第1フレキシブル基板21のパッド70と第2リジッド基板12のパッド30とを接合している。第2半田部82は、例えば、半田ボールまたは半田ペーストである。
【0051】
本実施形態では、第1半田部81および第2半田部82は、それぞれ半田ボールである。ここで、第1リジッド基板11、第2リジッド基板12、および第1フレキシブル基板21のうち1つ以上は、例えばリフロー時の熱膨張やその他の理由で反る場合がある。
【0052】
第1半田部81は、第1リジッド基板11および第1フレキシブル基板21に予想される最大の反り量を吸収可能な高さを有する。複数の第1半田部81は、各位置における第1リジッド基板11と第1フレキシブル基板21との間の隙間の大きさに追従して変形(伸びたり潰れたり)することで、第1リジッド基板11および第1フレキシブル基板21の反りを吸収する。
【0053】
同様に、第2半田部82は、第2リジッド基板12および第1フレキシブル基板21に予想される最大の反り量を吸収可能な高さを有する。複数の第2半田部82は、各位置における第2リジッド基板12と第1フレキシブル基板21との間の隙間の大きさに追従して変形(伸びたり潰れたり)することで、第2リジッド基板12および第1フレキシブル基板21の反りを吸収する。
【0054】
<3.スペーサの構成>
図2に戻り、第1および第2のスペーサ17,18について説明する。
第1および第2のスペーサ17,18は、それぞれ例えば枠状に形成されている。第1スペーサ17は、第1リジッド基板11と、第2リジッド基板12との間に配置され、第1フレキシブル基板21の第1端部21aと、第1フレキシブル基板21の第2端部21bとの間に挟まれている。また、第1スペーサ17は、第2フレキシブル基板22の第1端部22aと、第2リジッド基板12との間にも挟まれている。
【0055】
第1スペーサ17は、第1リジッド基板11とは反対側から第1フレキシブル基板21の第1端部21aに接し、第1フレキシブル基板21の第1端部21aを支持する。第1スペーサ17は、第2リジッド基板12とは反対側から第1フレキシブル基板21の第2端部21bに接し、第1フレキシブル基板21の第2端部21bを支持する。さらに、第1スペーサ17は、第1リジッド基板11とは反対側から第2フレキシブル基板22の第1端部22aに接し、第2フレキシブル基板22の第1端部22aを支持する。
【0056】
一方で、第2スペーサ18は、第2リジッド基板12と、第3リジッド基板13との間に配置され、第2リジッド基板と、第1フレキシブル基板21の第2端部21bとの間に挟まれている。第2スペーサ18は、第3リジッド基板13とは反対側から第1フレキシブル基板21の第2端部21bに接し、第1フレキシブル基板21の第2端部21bを支持する。
【0057】
図12は、図2に示された半導体記憶装置1の一部構成のF12-F12線に沿う断面図である。図11では、第1および第のフレキシブル基板21,22は、平らに伸ばされた姿勢で示している。
【0058】
本実施形態では、第1スペーサ17は、Z方向で第1リジッド基板11の接続部11aの第1から第6列R1a,R2a,R3a,R4a,R5a,R6aのパッド30に面する。すなわち、第1スペーサ17は、第1フレキシブル基板21の第1端部21aを接合する複数の第1半田部81を、第1リジッド基板11とは反対側から覆う。第1スペーサ17は、第1フレキシブル基板21の第1端部21aが複数の第1半田部81から離れないように(第1リジッド基板11の接続部11aから離れてないように)、第1フレキシブル基板21の第1端部21aを支持する。
【0059】
同様に、第1スペーサ17は、Z方向で第1リジッド基板11の接続部11bの第1から第6の列R1a,R2a,R3a,R4a,R5a,R6aのパッド30に面する。すなわち、第1スペーサ17は、第2フレキシブル基板22の第1端部22aを接合する複数の第1半田部81を、第1リジッド基板11とは反対側から覆う。第1スペーサ17は、第2フレキシブル基板22の第1端部22aが第1半田部81から離れないように(第1リジッド基板11の接続部11bから離れてないように)、第2フレキシブル基板22の第1端部22aを支持する。
【0060】
また図示しないが、第1スペーサ17は、Z方向で第2リジッド基板12の接続部12aの第1から第6の列R1a,R2a,R3a,R4a,R5a,R6aのパッド30に面する。すなわち、第1スペーサ17は、第1フレキシブル基板21の第2端部21bを接合する複数の第2半田部82を、第2リジッド基板12とは反対側から覆う。第1スペーサ17は、第1フレキシブル基板21の第2端部21bが第2半田部82から離れないように(第2リジッド基板12の接続部12aから離れてないように)、第1フレキシブル基板21の第2端部21bを支持する。
【0061】
同様に、第2スペーサ18は、Z方向で第3リジッド基板13の接続部13aの第1から第6の列R1a,R2a,R3a,R4a,R5a,R6aのパッド30に面する。すなわち、第2スペーサ18は、第2フレキシブル基板22の第2端部22bを接合する複数の第2半田部82を、第3リジッド基板13とは反対側から覆う。第2スペーサ18は、第2フレキシブル基板22の第2端部22bが第2半田部82から離れないように(第3リジッド基板13の接続部13aから離れてないように)、第2フレキシブル基板22の第2端部22bを支持する。
【0062】
このような構成によれば、大容量化を図りつつ、例えば異方性導電フィルム(Anisotropic Conductive Film:ACF)が用いられる場合と比べてリペア性の向上を図ることができる半導体記憶装置を提供することができる。すなわち半導体記憶装置1は、第1リジッド基板11と第2リジッド基板12とを接続する第1フレキシブル基板21を有する。第1フレキシブル基板21は、第1リジッド基板11の表面に固定された第1端部21aと、第2リジッド基板12の表面に固定された第2端部21bとを有し、少なくとも一部が可撓性を有して曲げられた姿勢で筐体10内に配置されている。このような構成によれば、例えば、いわゆるボードtoボード(B to B)コネクタを用いる場合に比べて、複数のリジッド基板を高密度に配置することができ、筐体10に収容される基板枚数を増やすことができる。筐体10に収容可能な基板枚数を増やすことができると、より多くの半導体メモリ部品を実装することができ、記憶容量の大容量化を図ることができる。
【0063】
一方で、第1フレキシブル基板21が第1および第2のリジッド基板11,12の表面に固定されていると、第1および第2のリジッド基板11,12のうち少なくとも一方から第1フレキシブル基板21を取り外すことで、第1および第2のリジッド基板11,12を分解することができる。このため、例えば第1および第2のリジッド基板11,12のうちいずれか一方に不具合が生じた場合に、その基板を取り外して交換または修理を行うことができる。このため、例えばACFが用いられる場合と比べて半導体記憶装置1のリペア性を向上させることができる。なお本明細書でいう「リペア性」とは、部品交換や修理のやり易さを広く意味する。
【0064】
本実施形態では、第1フレキシブル基板21の第1端部21aは、複数の第1半田部81によって第1リジッド基板11に固定されている。このような構成によれば、第1半田部81を溶融させることで、第1リジッド基板11から第1フレキシブル基板21を容易に取り外すことができる。これにより、半導体記憶装置1のリペア性をより向上させることができる。
【0065】
本実施形態では、半導体記憶装置1は、第3リジッド基板13と、第2フレキシブル基板22とをさらに有する。第2フレキシブル基板22は、第1リジッド基板11の表面に固定された第1端部22aと、第3リジッド基板13の表面に固定された第2端部22bとを有し、少なくとも一部に可撓性を有して曲げられた姿勢で筐体10内に配置されている。このような構成によれば、マザー基板である第1リジッド基板11と、第2子基板である第3リジッド基板13とを第2フレキシブル基板22で直接に接続することができるので、例えば第2リジッド基板12を経由して第1リジッド基板11と第3リジッド基板13とが接続される場合に比べて、信号の配線長を短くすることができる。これにより、半導体記憶装置1の性能(例えば信号品質)をさらに向上させることができる。
【0066】
本実施形態では、第1リジッド基板11は、第2リジッド基板12に面した第1主面S1を有する。第1フレキシブル基板21の第1端部21aは、第1リジッド基板11の第2主面S2に固定されている。このような構成によれば、第1フレキシブル基板21が弾性を持つ場合であっても、その弾性によって第1フレキシブル基板21の第1端部21aが第1リジッド基板11から外れてしまうことを抑制することができる。
【0067】
本実施形態では、半導体記憶装置1は、第1リジッド基板11と第2リジッド基板12との間に配置され、第1リジッド基板11とは反対側から第1フレキシブル基板21の第1端部21aに接する第1スペーサ17を有する。このような構成によれば、第1スペーサ17によって第1フレキシブル基板21の第1端部21aを支持することができるので、第1フレキシブル基板21の第1端部21aが第1リジッド基板11から外れてしまうことをより確実に抑制することができる。
【0068】
本実施形態では、第1フレキシブル基板21は、複数の信号線61と、第1フレキシブル基板21が曲げられた姿勢で複数の信号線61よりも第1フレキシブル基板21の外周側に位置し、複数の信号線61のそれぞれ少なくとも一部を覆う面状のグラウンド層63とを有する。このような構成によれば、信号線61に対する外部からの電磁妨害(Electromagnetic Interference:EMI)の影響を小さくすることができる。また、複数の信号線61の裏側にグラウンド層63が設けられていると、高周波の信号を扱う場合に、信号線61のインピーダンスの計算が容易になる。
【0069】
本実施形態では、第1フレキシブル基板21の第1端部21aは、それぞれ半田ボールである複数の第1半田部81によって第1リジッド基板11に固定されている。このような構成によれば、第1半田部81によって第1リジッド基板11および第1フレキシブル基板21の反りを吸収しやすく、第1リジッド基板11と第1フレキシブル基板21との間にオープン不良が生じることを抑制することができる。
【0070】
本実施形態では、複数のパッド30は、第1列R1aに配置された複数の第1パッド31と、基板縁11eに対して第1列R1aよりも離れた第2列R2aに配置された複数の第2パッド32とを含む。このような構成によれば、基板のサイズ(基板端の長さ)が予め決まっている場合においても、第1リジッド基板11と第2リジッド基板12とを接続する配線数を増やすことができる。
【0071】
本実施形態では、複数の第2パッド32は、複数の第1パッド31が並ぶ方向において、複数の第1パッド31に対してずれた位置に配置されている。このような構成によれば、複数のパッド30の間の間隔を大きく確保することができる。これにより、複数のパッド30の間に半田ブリッジが生じることを抑制することができる。
【0072】
本実施形態では、第1フレキシブル基板21は、第1リジッド基板11のパッド30に面する複数のパッド70と、この複数のパッド70を覆う透光性の絶縁部材とを有する。第1フレキシブル基板21の複数のパッド70の各々は、第1リジッド基板11の複数のパッド30の各々よりも小さい。このような構成によれば、第1フレキシブル基板21の第1端部21aを第1リジッド基板11に接合した後、第1フレキシブル基板21の上から接合不良の有無を目視で確認することができる。これにより、半導体記憶装置1の製造性を高めることができる。
【0073】
本実施形態では、複数の信号線61に含まれる少なくとも1つの信号線61Aは、第1フレキシブル基板21の厚さ方向でグラウンドパッド70Gと重なる位置を通って延びている。ここで、グラウンド層63は、複数のグラウンド接続線78を介して複数のグラウンドパッド70Gに接続されている。このため、仮に1つのグラウンドパッド70Gで接合不良があっても、全体における影響は限定的である。一方で、信号パッド70Sで接合不良が生じた場合、影響が相対的に大きい。そこで本実施形態では、いくつかの信号線61をグラウンドパッド70Gと重なる位置に配置している。このような構成によれば、信号線61のレイアウトに自由度が増加する。その結果、第1フレキシブル基板21の上から信号パッド70Sの接合不良の有無を目視でより確認しやすくなる。
【0074】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、第1列R1aに配置された第1パッド31の大きさが第2列R2aに配置された第2パッド32よりも大きく形成された点で、第1の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
【0075】
図13は、第2の実施形態の第1リジッド基板11および第2リジッド基板12の接続部11a,12aを拡大して示す平面図である。本実施形態では、第1パッド31は、第2パッド32に比べて大きい。また、第1パッド31に接合される半田部81,82(例えば半田ボール)は、第2パッド32に接合される半田部81,82(例えば半田ボール)よりも大きい。また、第1フレキシブル基板21において、第1パッド71は、第2パッド72と比べて大きくてもよい。
【0076】
このような構成によれば、半導体記憶装置1における不具合の発生をより確実に抑制することができる。すなわち、第1から第6列R1a,R2a,R3a,R4a,R5a,R6aのパッド30のなかで、第1列R1aに位置する第1パッド31と、第1パッド31に設けられる半田部81には、外力による大きな負荷が作用しやすい。そこで本実施形態では、第1パッド31は、第2パッド32に比べて大きく形成されている。これにより、第1パッド31と第1パッド31に設けられる半田部81,82との間の接合強度を他の列に配置されたパッド32,33,34,35,36に比べて高めている。これにより、第1パッド31でオープン不良が生じることをより確実に抑制することができる。
【0077】
なお、本実施形態では、第1列R1aに配置された複数の第1パッド31の全てが、第2パッド32に比べて大きい例について説明した。これに代えて、複数の第1パッド31のうち、+Y方向および-Y方向の両端部に位置する2つのパッド31A,31Bのみが、第2パッド32に比べて大きくてもよい。
【0078】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、第2から第6のパッド32,33,34,35,36に含まれるいくつかのパッド30が他のパッド30に比べて大きく形成された点で、第2の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第2の実施形態の構成と同様である。
【0079】
図14は、第3の実施形態の第1リジッド基板11および第2リジッド基板12の接続部11a,12aを拡大して示す平面図である。本実施形態では、第2から第6のパッド32,33,34,35,36は、これら第2から第6のパッド32,33,34,35,36のなかで、最も+Y方向側に位置した複数のパッド32A,34A,36Aと、最も-Y方向側に位置した複数のパッド33B,35Bとを含む。32A,34A,36Aは、同じ列に含まれる隣のパッド32,34,36から離れる方向(+Y方向)に延びた長方形状または楕円状に形成され、同じ列に含まれる隣のパッド32,34,36と比べて面積が大きい。同様に、パッド33B,35Bは、同じ列に含まれる隣のパッド33,35から離れる方向(-Y方向)に延びた長方形状または楕円状に形成され、同じ列に含まれる隣のパッド33,35と比べて面積が大きい。
【0080】
このような構成によれば、外力による負荷が作用しやすいパッド32A,34A,36A,33B,35Bを大きく形成することで、パッド32A,34A,36A,33B,35Bとこれらパッド32A,34A,36A,33B,35Bに設けられる半田部81,82との間の接合強度を他の列に配置されたパッド32,33,34,35,36に比べて高めている。これにより、パッド32A,34A,36A,33B,35Bでオープン不良が生じることをより確実に抑制している。
【0081】
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、第1スペーサ17の形状が第1の実施形態の第1スペーサ17の形状とは異なる点で、第1の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
【0082】
図15は、第4の実施形態の半導体記憶装置1の一部構成を示す断面図である。本実施形態では、第1スペーサ17は、Z方向で、第1フレキシブル基板21の第1端部21aおよび第2フレキシブル基板22の第1端部22aにそれぞれ面する押さえ部91を有する。押さえ部91は、固定部材25が通される穴91aを有する。固定部材25は、例えば穴91aに挿通されて筐体10、またはリジッド基板(例えば第1リジッド基板11または第2リジッド基板)に固定される。その結果、押さえ部91は、第1フレキシブル基板21の第1端部21aおよび第2フレキシブル基板22の第1端部22aを第1リジッド基板11に向けて押圧する。
【0083】
このような構成によれば、第1フレキシブル基板21の第1端部21aおよび第2フレキシブル基板22の第1端部22aが第1リジッド基板11から外れてしまうことをより確実に抑制することができる。
【0084】
(第5の実施形態)
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、第1スペーサ17の形状が第1の実施形態の第1スペーサ17の形状とは異なる点で、第1の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
【0085】
図16は、第5の実施形態の半導体記憶装置1の一部構成を示す断面図である。本実施形態では、第1スペーサ17は、第1フレキシブル基板21の第1端部21aを避ける第1凹部95と、第2フレキシブル基板22の第1端部22aを避ける第2凹部96とを有する。第1スペーサ17は、Z方向で、第1フレキシブル基板21の第1端部21aおよび第2フレキシブル基板22の第1端部22aと重ならない。第1スペーサ17は、第1リジッド基板11と第2リジッド基板12との間に挟まれている。
【0086】
また図示しないが、第2スペーサ18は、第2フレキシブル基板22の第2端部22bを避ける凹部を有し、Z方向で第2フレキシブル基板22の第2端部22bと重ならない。第2スペーサ18は、第2リジッド基板12と第3リジッド基板13との間に挟まれている。
【0087】
このような構成によれば、フレキシブル基板21,22とリジッド基板11,12,13との接合部の外力に対する耐性が大きくない場合に、フレキシブル基板21,22とリジッド基板11,12,13との接合部に大きな外力が作用することを避けることができる。
【0088】
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、一対のリジッド基板11,12の間に複数のフレキシブル基板101,102が設けられた点で、第1の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
【0089】
図17は、第6の実施形態の第1リジッド基板11、第2リジッド基板12、および複数のフレキシブル基板101,102を示す断面図である。本実施形態では、半導体記憶装置1は、第1リジッド基板11と第2リジッド基板12とをそれぞれ接続する複数のフレキシブル基板101,102(第1および第2のフレキシブル基板101,102)を有する。複数のフレキシブル基板101,102の各々は、第1の実施形態のフレキシブル基板21と略同じ構成を有する。
【0090】
例えば、第1フレキシブル基板101の第1端部21aは、第1リジッド基板11の第2主面S2に固定されている。第1フレキシブル基板102の第2端部21bは、第2リジッド基板12の第3主面S3に固定されている。
【0091】
一方で、第2フレキシブル基板102の第1端部21aは、第1フレキシブル基板101の第1端部21aよりも-X方向側の位置で、第1リジッド基板11の第2主面S2に固定されている。第2フレキシブル基板102の第2端部21bは、第1フレキシブル基板101の第2端部21bよりも-X方向側の位置で、第2リジッド基板12の第3主面S3に固定されている。
【0092】
このような構成によれば、複数のフレキシブル基板101,102によって、第1リジッド基板11と第2リジッド基板12との間の配線数をさらに増加させることができる。
【0093】
(第7の実施形態)
次に、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態は、厚さが異なる複数のリジッド基板111,112がフレキシブル基板113によって接続された点で、第1の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
【0094】
図18は、第7の実施形態の半導体記憶装置1の一部構成を示す斜視図である。本実施形態では、第1の実施形態の第1リジッド基板11に代えて、インターフェース基板(第1基板)111と、コントローラ実装基板(第2基板)112とが設けられている。
【0095】
インターフェース基板111は、このインターフェース基板111の表面に設けられた複数の金属端子111aによってホスト装置接続用のコネクタが形成されている。インターフェース基板111は、例えば、PCI Express(登録商標)のHHHL(Half Height and Half Length)の規格に準拠している。インターフェース基板111は、例えば、1.57mmといった比較的大きな厚さを有する。
【0096】
一方で、コントローラ実装基板112は、コントローラ14およびDRAM15が実装されている。コントローラ実装基板112は、インターフェース基板111よりも薄く形成されている。コントローラ実装基板112は、フレキシブル基板113を介してインターフェース基板111と接続されている。また、コントローラ実装基板112は、第1および第2のフレキシブル基板21,22を介して、第2および第3のリジッド基板12,13に接続されている。例えば、第2および第3のリジッド基板12,13は、コントローラ実装基板112に対してZ方向で重ねられている。
【0097】
このような構成によれば、例えば、第1の実施形態の第1リジッド基板11の全体が比較的大きな厚さ(例えばPCI ExpressのHHHL規格に準拠する厚さ)を有する場合に比べて、半導体記憶装置1の薄型化を図ることができる。別の観点でみると、PCI ExpressのHHHL規格に準拠したコネクタを有するとともに、大容量化を図ることができる半導体記憶装置1を提供することができる。
【0098】
(第8の実施形態)
次に、第8の実施形態について説明する。第8の実施形態は、第3リジッド基板13に代えて複数のリジッド基板121,122が設けられた点で、第1の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
【0099】
図19は、第8の実施形態の半導体記憶装置1の一部構成を示す斜視図である。本実施形態では、半導体記憶装置1は、第1の実施形態の第3リジッド基板13に代えて、第3リジッド基板121と、第4リジッド基板122とを有する。第3リジッド基板121と第4リジッド基板122とは、Z方向で略同じ位置に配置されている。第3リジッド基板121および第4リジッド基板122の各々には、複数のNAND16が実装されている。また、半導体記憶装置1は、第1リジッド基板11と第3リジッド基板121とを接続する第2フレキシブル基板22に加えて、第1リジッド基板11と第4リジッド基板122とを接続する第3フレキシブル基板125を備える。
【0100】
本実施形態では、第3リジッド基板121のY方向の長さL1yは、第4リジッド基板122のY方向の長さL2yよりも大きい。また、第3リジッド基板121のY方向の長さL1yは、第3リジッド基板121のX方向の長さL1xよりも大きい。第3リジッド基板121は、第2フレキシブル基板22が接続される接続部121aを有する。接続部121aは、第1の実施形態の第1リジッド基板11の接続部11aと同様に、複数のパッド30を有する。接続部121aは、第3リジッド基板121のY方向に沿う端部に設けられている。これにより、接続部121aが第3リジッド基板121のX方向に沿う端部に設けられる場合と比べて、第2フレキシブル基板22および接続部121aの幅を大きく確保することができる。
【0101】
一方で、第4リジッド基板122のX方向の長さL2xは、第4リジッド基板122のY方向の長さL2yよりも大きい。第4リジッド基板122は、第3フレキシブル基板125が接続される接続部122aを有する。接続部122aは、第1の実施形態の第1リジッド基板11の接続部11aと同様に、複数のパッド30を有する。接続部122aは、第4リジッド基板122のX方向に沿う端部に設けられている。これにより、接続部122aが第4リジッド基板122のY方向に沿う端部に設けられる場合と比べて、第3フレキシブル基板125および接続部122aの幅を大きく確保することができる。
【0102】
このような構成によれば、第1の実施形態のように第3リジッド基板13の一辺に沿って接続部13aが設けられる場合と比べて、第1リジッド基板11と、第3および第4のリジッド基板121,122との間の配線数を増やすことができる。これにより、第3および第4のリジッド基板121,122に実装されるNAND16の数を増やすことができ、半導体記憶装置1のさらなる大容量化を図ることができる。
【0103】
(第9の実施形態)
次に、第9の実施形態について説明する。第9の実施形態は、第1フレキシブル基板21に通気孔131が設けられた点で、第1の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
【0104】
図20は、第9の実施形態の半導体記憶装置1を示す平面図である。図20は、第1および第2のフレキシブル基板21,22が平らに伸ばされた状態を示す。本実施形態では、第1フレキシブル基板21は、第1リジッド基板11のY方向の一端部と、第2リジッド基板12のY方向の一端部とを接続している。第1フレキシブル基板21は、曲げられて筐体10内に配置された状態で、Y方向で筐体10の通気孔hに面する。
【0105】
そこで本実施形態では、第1フレキシブル基板21には、複数の通気孔131が設けられている。複数の通気孔131は、第1フレキシブル基板21が筐体10内で曲げられた状態で、Y方向に開口する。複数の通気孔131は、筐体10の通気孔hに連通する。
【0106】
このような構成によれば、第1フレキシブル基板21が筐体10の通気孔hに面する場合であっても、筐体10内の熱流動性の低下を抑制することができる。
【0107】
(第10の実施形態)
次に、第10の実施形態について説明する。第10の実施形態は、第1および第2のフレキシブル基板21,22に代えて、第1および第2のリジッドフレキシブル基板141,142が設けられた点で、第1の実施形態とは異なる。なお以下に説明する以外の構成は、第1の実施形態の構成と同様である。
【0108】
図21は、第10の実施形態の半導体記憶装置1を示す断面図である。第1および第2のリジッドフレキシブル基板141,142の各々は、第1および第2のリジッド部151,152と、第1および第2のリジッド部151,152の間を接続したフレキシブル部153とを有する。第1および第2のリジッド部151,152の各々は、硬質の絶縁体と、この絶縁体に設けられた導体パターンとを有する。フレキシブル部153は、可撓性の絶縁フィルムと、この絶縁フィルムに覆われた導体パターンとを有する。
【0109】
第1リジッドフレキシブル基板141は、第1リジッド部151により形成された第1端部21aと、第2リジッド部152により形成された第2端部21bとを有する。第1端部21aは、第1リジッド基板11の第2主面S2に固定されている。第2端部21bは、第2リジッド基板12の第3主面S3に固定されている。第1リジッドフレキシブル基板141は、「第1接続基板」の別の一例である。
【0110】
同様に、第2リジッドフレキシブル基板142は、第1リジッド部151により形成された第1端部22aと、第2リジッド部152により形成された第2端部22bとを有する。第1端部22aは、第1リジッド基板11の第2主面S2に固定されている。第2端部22bは、第3リジッド基板13の第3主面S3に固定されている。第2リジッドフレキシブル基板142は、「第2接続基板」の別の一例である。
【0111】
このような構成によっても、第1の実施形態と同様に、大容量化を図りつつ、リペア性の向上を図ることができる半導体記憶装置1を提供することができる。
【0112】
以上、いくつかの実施形態について説明したが、実施形態は、上記例に限定されない。例えば、フレキシブル基板21,22は、半田部に代えて、ACFなどを用いて、リジッド基板11,12,13に固定されてもよい。
【0113】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、半導体記憶装置は、第1リジッド基板の表面に固定された第1端部と、第2リジッド基板の表面に固定された第2端部とを有し、少なくとも一部が可撓性を有して曲げられた姿勢で筐体内に配置された接続基板を備える。このような構成によれば、大容量化を図りつつ、リペア性の向上を図ることができる半導体記憶装置を提供することができる。
【0114】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0115】
1…半導体記憶装置、10…筐体、11…第1リジッド基板、12…第2リジッド基板、13…第3リジッド基板、14…コントローラ、16…NAND(半導体メモリチップ)、17…第1スペーサ(第1支持体)、18…第2スペーサ(第2支持体)、21…第1フレキシブル基板、22…第2フレキシブル基板、30…パッド、31…第1パッド、32…第2パッド、33…第3パッド、61…信号線、62…電源パターン、63…グラウンド層、70…パッド、70S…信号パッド、70P…電源パッド、70G…グラウンドパッド、81…第1半田部、82…第2半田部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21