(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
E02F 3/43 20060101AFI20220915BHJP
E02F 9/20 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
E02F3/43 B
E02F9/20 N
(21)【出願番号】P 2018166397
(22)【出願日】2018-09-05
【審査請求日】2021-09-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001829
【氏名又は名称】弁理士法人開知
(72)【発明者】
【氏名】田中 宏明
(72)【発明者】
【氏名】中野 寿身
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 悠介
(72)【発明者】
【氏名】坂本 博史
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-169572(JP,A)
【文献】特開2018-135681(JP,A)
【文献】特開平07-158105(JP,A)
【文献】特開昭63-194032(JP,A)
【文献】特開2001-123478(JP,A)
【文献】特開2011-252338(JP,A)
【文献】特開2017-180712(JP,A)
【文献】特開2016-160718(JP,A)
【文献】国際公開第2017/047695(WO,A1)
【文献】特許第3704092(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2012/0130599(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20-9/22
E02F 3/42-3/43
E02F 3/84-3/85
F15B 11/00-11/22
F15B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブームとアームとバケットとを有する作業機と、
前記作業機の動作を指示する操作装置と、
前記操作装置から出力される操作信号に応じて前記作業機の動作を制御する
動作指令を出力するコントローラと、
設計面を
入力する施工目標決定装置と、
前記バケットの爪先位置を測定するバケット位置測定装置とを備え、
前記コントローラは、
前記バケットによる掘り過ぎを防止するために、前記施工目標決定装置に入力された前記設計面と前記バケット位置測定装置から測定された前記バケットの爪先位置との偏差が小さくなるほど前記バケットの動作速度が制限されるように前記バケットの爪先目標位置を演算すると共に、前記作業機に対する動作指令を補正する作業機械において、
前記作業機の駆動負荷を計測する負荷計測装置を備え、
前記コントローラには、前記バケットによる前回掘削時に前記バケット位置測定装置により測定された前記バケットの爪先位置と前記負荷計測装置により計測された前記駆動負荷とを基に生成されたバケットの爪先位置と地表高さとの関係を示す高さマップおよび、バケットの爪先位置と単位掘削深さあたりの負荷である単位負荷との関係を示す負荷マップを有する土質マップが記憶されており、
前記コントローラは、
前記バケットの爪先目標位置と前記土質マップの前記高さマップと前記土質マップの前記負荷マップとを基に演算される掘削負荷の推定値である推定負荷が大きくなるに従って、前記作業機の掘削力が増大するように前記動作指令を補正すると共に、前記バケット位置測定装置により測定された前記バケットの爪先位置と前記負荷計測装置により計測された前記駆動負荷とに基づいて前記土質マップの前記高さマップと前記土質マップの前記負荷マップを更新する
ことを特徴とする作業機械。
【請求項2】
請求項1に記載の作業機械において
、
前記コントローラは、
前記土質マップ
の前記高さマップと前記バケット爪先位置に含まれるバケット爪先前後左右位置とを基に、前記バケット爪先前後左右位置における地表高さを演算し、
前記地表高さから前記バケット爪先位置に含まれるバケット爪先高さを差し引くことにより掘削深さを演算し、
前記動作指令と前記駆動負荷とを基に前記掘削負荷を演算し、
前記掘削負荷を前記掘削深さで除算することにより前記単位負荷を演算する
ことを特徴とする作業機械。
【請求項3】
請求項1に記載の作業機械において、
前記コントローラは、
前記土質マップ
の前記高さマップと前記バケット爪先位置に含まれるバケット爪先前後左右位置とを基に、前記バケット爪先前後左右位置における地表高さを演算し、
前記バケット爪先位置に含まれるバケット爪先高さが前記地表高さを下回った場合に、前記土質マップ
を更新する
ことを特徴とする作業機械。
【請求項4】
請求項1に記載の作業機械において、
前記コントローラは、
前記土質マップ
の前記高さマップに含まれ
る地表高さの初期値を前記作業機の最大到達高さよりも大きい値に設定し、
前記土質マップ
の前記負荷マップに含まれ
る単位負荷の初期値をゼロ以下の値に設定する
ことを特徴とする作業機械。
【請求項5】
請求項1に記載の作業機械において、
前記コントローラは、
前記土質マップ
の前記負荷マップと前記バケット爪先目標位置に含まれるバケット爪先目標前後左右位置とを基に、前記バケット爪先目標前後左右位置における単位掘削深さ当たりの掘削負荷である単位負荷を演算し、
前記土質マップ
の前記高さマップに含まれる地表高さ情報と前記バケット爪先目標前後左右位置とを基に、前記バケット爪先目標前後左右位置における地表高さを演算し、
前記地表高さから前記バケット爪先目標位置に含まれるバケット爪先目標高さを差し引くことにより掘削深さを演算し、
前記単位負荷と前記掘削深さとを掛け合わせることにより前記推定負荷を演算する
ことを特徴とする作業機械。
【請求項6】
請求項1に記載の作業機械において、
前記コントローラは、前記推定負荷が大きくなるに従って前記動作指令に含まれるブーム動作指令をブーム下げ側に補正する
ことを特徴とする作業機械。
【請求項7】
請求項1に記載の作業機械において、
表示装置を更に備え、
前記コントローラは、
前記土質マップ
の前記高さマップと前記バケット爪先位置とを基に高さマップ表示情報を生成し、
前記土質マップ
の前記負荷マップと前記バケット爪先位置に含まれるバケット爪先前後左右位置とを基に負荷マップ表示情報を生成し、
前記高さマップ表示情報と前記負荷マップ表示情報とを前記表示装置に出力する
ことを特徴とする作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧ショベル等の作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の油圧ショベル等の作業機械に搭載された油圧システムとしては、エンジン等の原動機と、原動機により駆動される油圧ポンプと、油圧ポンプから吐出された圧油により駆動されるアクチュエータと、油圧ポンプからアクチュエータに供給される圧油の方向および流量を制御する方向制御弁とで構成されたものが知られている。アクチュエータの動作方向と動作速度は、操縦者が作業機械に備えられた操作レバー等の操作装置を操作することで決定される。
【0003】
設計面通りに地面を掘削する作業で操縦者の操作を補助できる半自動制御を搭載したショベル(半自動ショベル)を開示するものとして、例えば特許文献1,2がある。
【0004】
特許文献1には、施工対象を施工するために作業機械が有する作業機を制御する装置において、前記作業機が有する作業具が予め定められた目標の形状に侵入しないように前記作業機を制御する制御部と、前記施工対象の仕上がりの目標となる形状である目標施工地形に対する前記作業具の姿勢に基づいて、前記目標の形状を、前記目標施工地形から予め定められた距離だけ離れたオフセット地形又は前記目標施工地形とする切替部と、を含む、作業機械の制御装置が記載されている。
【0005】
特許文献2には、下部走行体と、前記下部走行体に搭載される上部旋回体と、前記上部旋回体に取り付けられるアタッチメント(作業機)と、前記アタッチメントの姿勢を検出する姿勢検出装置と、制御装置と、を備えるショベルであって、前記制御装置は、前記姿勢検出装置が検出した前記アタッチメントの姿勢の推移に基づいて作業対象の地面の現在の形状に関する情報を取得し、前記姿勢検出装置が検出する前記アタッチメントの姿勢と、前記取得した作業対象の地面の現在の形状に関する情報とに基づいて前記アタッチメントが作業対象の地面に接触しているかを判定し、前記アタッチメントが作業対象の地面に接触していると判定した場合、前記アタッチメントによる駆動力を増大させるショベルが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、半自動ショベルではないショベルを用いて地面を掘削を行う場合、操縦者は掘削深さや地中の土質(主に地盤の硬さ)を考慮し、意図通りにショベルが動作するように操作を行っている。例えば、地面を掘り下げていくような施工であれば、前回の掘削時の操作感から土質を推定し、それに応じて操作量を加減している。
【0009】
しかしながら、特許文献1,2に記載の半自動ショベルでは、作業機(アタッチメント)を制御する際に土質を考慮していないため、同じように作業機を制御した場合でも土質に応じて作業機の動作が変動する。その結果、土質が一定でない地面に対して設計面通りに掘削することが困難となる。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、掘削深さや土質の違いに関わらず半自動制御の施工精度を維持することができる作業機械を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、本発明は、ブームとアームとバケットとを有する作業機と、前記作業機の動作を指示する操作装置と、前記操作装置から出力される操作信号に応じて前記作業機の動作を制御する動作指令を出力するコントローラと、設計面を入力する施工目標決定装置と、前記バケットの爪先位置を測定するバケット位置測定装置とを備え、前記コントローラは、前記バケットによる掘り過ぎを防止するために、前記施工目標決定装置に入力された前記設計面と前記バケット位置測定装置から測定された前記バケットの爪先位置との偏差が小さくなるほど前記バケットの動作速度が制限されるように前記バケットの爪先目標位置を演算すると共に、前記作業機に対する動作指令を補正する作業機械において、前記作業機の駆動負荷を計測する負荷計測装置を備え、前記コントローラには、前記バケットによる前回掘削時に前記バケット位置測定装置により測定された前記バケットの爪先位置と前記負荷計測装置により計測された前記駆動負荷とを基に生成されたバケットの爪先位置と地表高さとの関係を示す高さマップおよび、バケットの爪先位置と単位掘削深さあたりの負荷である単位負荷との関係を示す負荷マップを有する土質マップが記憶されており、前記コントローラは、前記バケットの爪先目標位置と前記土質マップの前記高さマップと前記土質マップの前記負荷マップとを基に演算される掘削負荷の推定値である推定負荷が大きくなるに従って、前記作業機の掘削力が増大するように前記動作指令を補正すると共に、前記バケット位置測定装置により測定された前記バケットの爪先位置と前記負荷計測装置により計測された前記駆動負荷とに基づいて前記土質マップの前記高さマップと前記土質マップの前記負荷マップを更新するものとする。
【0012】
以上のように構成した本発明によれば、作業機に対する動作指令とバケット位置測定装置から出力されるバケット爪先位置と負荷計測装置から出力される駆動負荷とを基に土質情報が取得され、バケット爪先位置と土質情報とを基に土質マップが生成され、土質マップとバケット爪先目標位置とを基に掘削負荷の推定値である推定負荷が演算され、推定負荷に応じて前記動作指令が補正される。これにより、半自動制御による動作指令が掘削深さや土質の違いに応じて補正されるため、掘削深さや土質の違いに関わらず半自動制御の施工精度を維持することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、半自動制御を搭載した作業機械において、掘削深さや土質の違いに関わらず半自動制御の施工精度を維持することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の第1の実施例に係る油圧ショベルの側面図である。
【
図2】
図1に示す油圧ショベルに搭載される油圧制御システムの概略構成図である。
【
図3】
図2に示すコントローラの機能ブロック図である。
【
図4】
図1に示すバケット位置測定システムから出力されるバケット爪先位置を3次元空間上で表すための座標系を示す図である。
【
図5】
図3に示す土質取得部の演算ロジックを示す図である。
【
図6】バケット爪先位置と地表高さと掘削深さとの関係を示す図である。
【
図7】
図3に示す土質マップ更新判断部の演算ロジックを示す図である。
【
図8】
図3に示す土質マップ生成部の演算ロジックを示す図である。
【
図9】
図3に示す土質マップ生成部の演算ロジックの初期状態を示す図である。
【
図10】
図3に示す負荷推定部の演算ロジックを示す図である。
【
図11】
図3に示す指令補正部の演算ロジックを示す図である。
【
図12】本発明の第2の実施例におけるコントローラの機能ブロック図である。
【
図13】
図12に示す土質マップ表示指令部の演算ロジックを示す図である。
【
図14】表示装置の表示画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態に係る作業機械として油圧ショベルを例に挙げ、図面を参照して説明する。なお、各図中、同等の部材には同一の符号を付し、重複した説明は適宜省略する。
【実施例1】
【0016】
図1は、本発明の第1の実施例に係る油圧ショベルの側面図である。
【0017】
図1に示すように、油圧ショベル200は、走行体1と、この走行体1上に旋回装置8を介して旋回可能に搭載された旋回体2と、この旋回体2の前側に上下方向に回動可能に連結されたフロント作業機210とを備えている。
【0018】
旋回体2は、基礎下部構造をなす旋回フレーム2aを有する。旋回フレーム2aの前側には、フロント作業機210が上下方向に回動可能に連結されている。旋回フレーム2aの後側には、フロント作業機210との重量バランスを取るためのカウンタウェイト3が取り付けられている。旋回フレーム2aの左側前部には、運転室4が設けられている。運転室4内には、フロント作業機210および旋回体2を操作するための操作装置としての左右の操作レバー装置15L,15R(
図2に示す)等が配置されている。旋回フレーム2a上には、原動機としてのエンジン(図示せず)、エンジンによって駆動される1つまたは複数の油圧ポンプからなるポンプ装置9、旋回装置8を駆動する旋回モータ8a、ポンプ装置9から旋回モータ8aおよび後述するブームシリンダ5a、アームシリンダ6a、バケットシリンダ7aを含む複数の油圧アクチュエータに供給される圧油の流れを制御する複数の方向制御弁からなるコントロールバルブユニット10等が搭載されている。
【0019】
フロント作業機210は、基端部が旋回フレーム2aの右側前部に上下方向に回動可能に連結されたブーム5と、このブーム5の先端部に上下、前後方向に回動可能に連結され、ブーム5によって昇降されるアーム6と、このアーム6の先端部に上下、前後方向に回動可能に連結され、ブーム5またはアーム6によって昇降される作業具としてのバケット7と、ブーム5を駆動するブームシリンダ5aと、アーム6を駆動するアームシリンダ6aと、バケット7を駆動するバケットシリンダ7aとを備えている。バケット7には、バケット位置測定装置11が取り付けられている。なお、
図1では、バケット位置測定装置11を直接バケット爪先位置を測るようなものとして図示しているが、旋回体2、ブーム5、アーム6およびバケット7のそれぞれの位置関係からバケット爪先位置を演算するようなものでもよい。
【0020】
図2は、油圧ショベル200に搭載される油圧制御システムの概略構成図である。
【0021】
図2に示すように、油圧制御システム300は、コントローラ20と、施工目標を決定するための施工目標決定装置21と、コントローラ20から出力される情報を表示する表示装置22と、油圧ショベル200の動作をコントローラ20に指示するための左右の操作レバー装置15L,15Rと、バケット位置測定装置11と、圧力センサ24と、油圧装置23とを備えている。
【0022】
左右の操作レバー装置15L,15Rは、操縦者によるレバー操作に応じた操作信号を出力する。圧力センサ24は、アクチュエータ5a,6a,7aの負荷圧を圧力信号(圧力情報)に変換して出力する。
【0023】
コントローラ20は、左右の操作レバー装置15L,15Rからの操作信号と、施工目標決定装置21からの施工目標情報と、バケット位置測定装置11からのバケット爪先位置と、圧力センサ24からの圧力情報とに応じて、油圧装置23に動作指令を出力する。
【0024】
油圧装置23は、コントローラ20からの動作指令に応じて、ブームシリンダ5a、アームシリンダ6a、バケットシリンダ7a等に圧油を供給し、ブーム5、アーム6、バケット7等を駆動する。
【0025】
【0026】
図3に示すように、コントローラ20は、動作指令部30と、半自動制御部31と、土質取得部32と、土質マップ更新判断部33と、土質マップ生成部34と、負荷推定部35と、指令補正部36とを有する。
【0027】
動作指令部30は、左右の操作レバー装置15L,15Rから入力される操作信号(左右のレバー操作量)を基に、アクチュエータ5a,6a,7aの目標動作速度を決定し、目標動作速度に応じた動作指令を半自動制御部31に出力する。
【0028】
半自動制御部31には、動作指令部30から動作指令が入力され、バケット位置測定装置11からバケット爪先位置が入力され、施工目標決定装置21から施工目標情報が入力される。半自動制御部31は、バケット7による掘り過ぎを防止するため、施工目標情報に含まれる設計面とバケット爪先位置との偏差が小さくなるほどアクチュエータの目標動作速度が制限されるように、動作指令部30から入力される動作指令を補正し、土質取得部32と指令補正部36とに出力する。また、半自動制御部31は、施工目標情報に含まれる設計面とバケット爪先位置とを基にバケット爪先目標位置を演算し、負荷推定部35に出力する。
【0029】
土質取得部32には、バケット位置測定装置11からバケット爪先位置が入力され、圧力センサ24から圧力情報が入力され、半自動制御部31から動作指令が入力され、後述する土質マップ生成部34から土質マップが入力される。土質取得部32は、これらの入力を基にバケット爪先位置における土質情報を取得し、土質マップ生成部34に出力する。また、土質取得部32は、バケット位置測定装置11からバケット爪先位置を土質マップ更新判断部33および土質マップ生成部34に出力する。
【0030】
土質マップ更新判断部33には、土質取得部32からバケット爪先位置が入力され、土質マップ生成部34から土質マップが入力される。土質マップ更新判断部33は、これらの入力を基に土質マップの更新要否を判断し、更新要否を示す更新フラグを土質マップ生成部34に出力する。
【0031】
土質マップ生成部34には、土質取得部32からバケット爪先位置および土質情報が入力され、土質マップ更新判断部33から更新フラグが入力される。土質マップ生成部34は、更新フラグがOFFの場合は土質マップを保持し(更新せず)、更新フラグが1の場合はバケット爪先位置における土質情報で土質マップを更新する。土質マップ生成部34は、土質マップを土質取得部32と土質マップ更新判断部33と負荷推定部35とに出力する。
【0032】
負荷推定部35は、半自動制御部31から入力されるバケット爪先目標位置情報と土質マップ生成部34から入力される土質マップとを基に掘削負荷の推定値(推定負荷)を演算し、指令補正部36に出力する。
【0033】
指令補正部36は、半自動制御部31から入力される動作指令を負荷推定部35から入力される推定負荷に応じて補正し、油圧装置23に出力する。
【0034】
図4は、バケット位置測定装置11から出力されるバケット爪先位置を3次元空間上で表すための座標系を示す図である。
【0035】
図4において、X方向が車体の前後方向に対応し、Y方向が車体の左右方向に対応し、Z方向が車体の高さ方向に対応する。本実施例では、車体前後左右方向におけるバケット爪先位置をバケット爪先XY位置と称し、車体高さ方向におけるバケット爪先位置をバケット爪先Z位置と称する。
【0036】
図5は、土質取得部32の演算ロジックを示す図である。
【0037】
図5において、土質取得部32は、入力処理部40と、地表高さ演算部41と、掘削深さ演算部42と、掘削深さ補正部43と、掘削負荷演算部44と、負荷補正部45と、単位負荷演算部46と、出力処理部47とを有する。
【0038】
入力処理部40は、土質マップ生成部34から入力される土質マップから地表高さ情報を抽出し、地表高さ演算部41に出力する。ここで、地表高さ情報とは、施工対象である地表面の各水平位置に地表高さを対応づけたものである。
【0039】
地表高さ演算部41は、入力処理部40から入力される地表高さ情報とバケット爪先情報に含まれるバケット爪先XY位置とを基にバケット爪先XY位置における地表高さを演算し、掘削深さ演算部42に出力する。
【0040】
掘削深さ演算部42は、地表高さ演算部41から入力される地表高さからバケット位置測定装置11から入力されるバケット爪先情報に含まれるバケット爪先Z位置を差し引くことにより掘削深さを演算し、掘削深さ補正部43に出力する。バケット爪先位置と地表高さと掘削深さとの関係を
図6に示す。
【0041】
図5に戻り、掘削深さ補正部43は、掘削深さ演算部42から入力される掘削深さが0以下の値とならないように補正し、単位負荷演算部46に出力する。具体的には、掘削深さ演算部42から入力される掘削深さが0より僅かに大きく設定された閾値aを下回った場合に、掘削深さとしてaを出力する。このように掘削深さ補正部43で補正を行うのは、後述する単位負荷演算部46の演算結果が発散するのを防ぐためである。
【0042】
掘削負荷演算部44には、半自動制御部31から動作指令が入力され、圧力センサ24から圧力情報が入力される。掘削負荷演算部44は、動作指令に含まれるブーム動作指令値Spbmと圧力情報に含まれるブーム圧力Pbmとを基に掘削負荷を演算し、負荷補正部45に出力する。例えば、ブーム上げ方向(Spbm>0)ならば-Pbm+Pbmset1を掘削負荷として演算し、ブーム上げ方向でないならばPbm-Pbmset2を掘削負荷として演算する。ここで、Pbmset1とPbmset2は固定値であり、例えば、Pbmset1はブーム5を空中で保持している時のブーム圧力と同程度の値に設定され、Pbmset2はバケット7を地面に接触させた状態でブーム下げ操作を開始した直後のブーム圧力と同程度の値に設定される(すなわち、Pbmset2は微小な値であり、Pbmset1よりもずっと小さい)。
ブーム上げ方向か否かで掘削負荷の演算式を変えているのは、ブーム動作方向によってポンプ装置9から吐出される油がブームシリンダ5aのボトム側に入流するかロッド側に流入するかが変わり、ブーム5に加わる油の力の方向と大きさが変わるためである。
【0043】
負荷補正部45は、掘削負荷演算部44から入力される掘削負荷が0以上の値となるように補正し、単位負荷演算部46に出力する。このように負荷補正部45で補正を行うのは、掘削負荷が負の値になるのを防ぐためである。
【0044】
単位負荷演算部46は、負荷補正部45から入力される掘削負荷を掘削深さ補正部43から入力される掘削深さで割ることにより単位掘削深さ当たりの負荷(単位負荷)を演算し、出力処理部47に出力する。
【0045】
出力処理部47は、バケット位置測定装置11から入力されるバケット爪先位置を土質マップ更新判断部33および土質マップ生成部34に出力し、単位負荷演算部46から入力される単位負荷を土質マップ生成部34に出力する。
【0046】
このように土質取得部32を構成することで、掘削深さとブーム5に加わる負荷を基に、単位掘削深さ当たりの掘削負荷(単位負荷)を求めることができる。
【0047】
図7は、土質マップ更新判断部33の演算ロジックを示す図である。
【0048】
図7において、土質マップ更新判断部33は、入力処理部50,51と、地表高さ演算部53と、掘削深さ演算部55と、更新フラグ出力部57とを有する。
【0049】
入力処理部50は、土質取得部32から入力されるバケット爪先位置からバケット爪先XY位置およびバケット爪先Z位置を抽出し、地表高さ演算部53および掘削深さ演算部55にそれぞれ出力する。
【0050】
入力処理部51は、土質マップ生成部34から入力される土質マップから地表高さ情報を抽出し、地表高さ演算部53に出力する。
【0051】
地表高さ演算部53は、入力処理部50から入力されるバケット爪先XY位置と入力処理部51から入力される地表高さ情報とを基にバケット爪先XY位置における地表高さを演算し、掘削深さ演算部55に出力する。
【0052】
掘削深さ演算部55は、地表高さ演算部53から入力される地表高さから入力処理部50から入力されるバケット爪先Z位置を差し引くことにより掘削深さを演算し、更新フラグ出力部57に出力する。
【0053】
更新フラグ出力部57は、掘削深さ演算部55から入力される掘削深さが0よりも大きい(すなわち、バケット爪先位置が地表高さよりも低い)場合に更新フラグの値を1に設定し、そうでない場合に更新フラグの値を0に設定する。更新フラグ出力部57は、更新フラグを土質マップ生成部34に出力する。
【0054】
このように土質マップ更新判断部33を構成することで、バケット爪先Z位置で示されるバケット爪先の高さが土質マップにおける地表高さ(前回掘削時のバケット爪先の高さ)を下回った場合に限り、土質マップの更新を行うという判断がなされる。
【0055】
図8は、土質マップ生成部34の演算ロジックを示す図である。
【0056】
土質マップ生成部34は、入力処理部70と、出力切替部72と、地表高さ情報格納部73と、単位負荷情報格納部74と、高さマップ生成部75と、負荷マップ生成部76と、出力処理部77,78と、地表高さ演算部79と、単位負荷演算部80とを有する。
【0057】
入力処理部70は、土質取得部32から入力されるバケット爪先位置(バケット爪先XY位置、バケット爪先Z位置)および単位負荷を出力切替部72に出力し、バケット爪先XY位置を出力処理部78、地表高さ演算部79、および単位負荷演算部80に出力する。
【0058】
以下、土質マップ更新判断部33から入力される更新フラグの値に応じた動作を説明する。
・更新フラグが1の場合
出力切替部72は、入力処理部70から入力されるバケット爪先位置(バケット爪先XY位置、バケット爪先Z位置)および単位負荷を選択し、地表高さ情報格納部73および単位負荷情報格納部74に出力する。
【0059】
地表高さ情報格納部73は、出力切替部72から入力されるバケット爪先Z位置を、出力切替部72から入力されるバケット爪先XY位置における地表高さとして記憶する。
【0060】
単位負荷情報格納部74は、出力切替部72から入力される単位負荷を、出力切替部72から入力されるバケット爪先XY位置における単位負荷として記憶する。なお、
図8において、地表高さ情報格納部73と単位負荷情報格納部74は4点記憶するように記載しているが、記憶する点数は適宜変更して構わない。
【0061】
高さマップ生成部75は、地表高さ情報格納部73が記憶している情報を基に、バケット爪先XY位置と地表高さとの関係を示す高さマップを生成し、出力処理部77に出力する。
【0062】
負荷マップ生成部76は、単位負荷情報格納部74が記憶している情報を基に、バケット爪先XY位置と単位負荷との関係を示す負荷マップを生成し、出力処理部77に出力する。
【0063】
高さマップ生成部75および負荷マップ生成部76におけるマップ生成にあたっては、適当な処理が行われる。例えば、記憶した点と点の間は線形補間がなされ、線形補完ができない区間(施工対象の地表面の外縁の最も近くに位置する点から当該外縁までの区間)は、その外縁の最も近くに位置する点の地表高さと単位負荷が保持される。
【0064】
出力処理部77は、高さマップ生成部75で生成された高さマップと負荷マップ生成部76で生成された負荷マップとを合わせて負荷推定部35に出力する。
・更新フラグが0の場合
地表高さ演算部79は、入力処理部70から入力されるバケット爪先XY位置と地表高さ情報格納部73から入力される地表高さ情報とを基に、バケット爪先XY位置におけるバケット爪先Z位置を演算し、出力処理部78に出力する。
【0065】
単位負荷演算部80は、入力処理部70から入力されるバケット爪先XY位置と単位負荷情報格納部74から入力される単位負荷情報とを基に、バケット爪先XY位置における単位負荷情報を演算し、出力処理部78に出力する。
【0066】
出力処理部78は、地表高さ演算部79から入力される地表高さと単位負荷演算部80から入力される単位負荷情報とを合わせて出力切替部72に出力する。
【0067】
出力切替部72は、出力処理部78の出力を選択し、地表高さ情報格納部73および単位負荷情報格納部74に出力する。地表高さ情報格納部73および単位負荷情報格納部74においては、出力切替部72から自身が保持している値と同一の値が入力されるので、値の更新は行われない。高さマップ生成部75と負荷マップ生成部76においても、地表高さ情報格納部73と単位負荷情報格納部74の値が更新されないため、マップの更新は行われない。
【0068】
このように土質マップ生成部34を構成することで、更新フラグが1(バケット爪先が前回掘削時のバケット爪先より下に位置)の場合は地表高さ情報と単位負荷情報が更新され、更新フラグが0(バケット爪先が前回掘削時のバケット爪先と同じかそれより上に位置)の場合は地表高さ情報と単位負荷情報が更新されずに前回値が保持される。つまり、バケット7で地面を掘り進めている時のみ土質マップが更新され、バケット7の空中移動時などは土質マップは更新されない。
【0069】
図9は、土質マップ生成部34の演算ロジックの初期状態を示す図である。地表高さ情報格納部73には、油圧ショベル200の作業範囲より計算できるバケット最大高さより大きい地表高さが(例えば9999)が入力されている。単位負荷情報格納部74には、単位負荷として0が入力されている。
【0070】
このように構成することで、高さマップ生成部75と負荷マップ生成部76が不定となることを防止することができる。また、地表高さ情報格納部73には、油圧ショベル200の作業範囲より計算できるバケット最大高さより大きい地表高さが入力されているので、油圧ショベル200が動作すれば土質マップ更新判断部33の掘削深さ演算部55で演算される掘削深さが0より大きくなり、更新フラグ出力部57から出力される更新フラグが1となる。そして土質マップ生成部34において、土質取得部32から入力される土質情報を基にして地表高さ情報格納部73と単位負荷情報格納部74の値が更新される。つまり、油圧ショベル200の動作に応じて土質マップを確実に生成することができる。
【0071】
図10は、負荷推定部35の演算ロジックを示す図である。
【0072】
図10において、負荷推定部35は、入力処理部90と、単位負荷演算部91と、地表高さ演算部92と、掘削深さ演算部93と、掘削深さ補正部94と、負荷演算部95とを有する。
【0073】
入力処理部90は、土質マップ生成部34から入力される土質マップから単位負荷情報および地表高さ情報を抽出し、単位負荷演算部91および地表高さ演算部92にそれぞれ出力する。ここで、単位負荷情報とは、施工対象である地表面の各水平位置に単位負荷を対応付けたものである。
【0074】
単位負荷演算部91は、入力処理部90から入力される単位負荷情報とバケット爪先目標位置に含まれるバケット爪先目標XY位置とを基にバケット爪先目標XY位置における単位負荷を演算し、負荷演算部95に出力する。
【0075】
地表高さ演算部92は、入力処理部90から入力される地表高さ情報と半自動制御部31から入力されるバケット爪先目標位置に含まれるバケット爪先目標XY位置とを基にバケット爪先目標XY位置における地表高さを演算し、掘削深さ演算部93に出力する。
【0076】
掘削深さ演算部93は、地表高さ演算部92から入力される地表高さからバケット爪先目標位置に含まれるバケット爪先目標Z位置を差し引くことにより掘削深さを演算し、掘削深さ補正部94に出力する。
【0077】
掘削深さ補正部94は、掘削深さ演算部93から入力される掘削深さが0以下の値とならないように補正し、負荷演算部95に出力する。このように掘削深さ補正部94で補正を行うのは、後述する負荷演算部95の演算結果が負の値とならないようにするためである。
【0078】
負荷演算部95は、単位負荷演算部91から入力される単位負荷と掘削深さ補正部94から入力される掘削深さとを掛け合わせることにより推定負荷を演算し、指令補正部36に出力する。
【0079】
このように負荷推定部35を構成することで、バケット爪先目標位置における掘削負荷を推定することができる。
【0080】
図11は、指令補正部36の演算ロジックを示すである。
【0081】
図11において、指令補正部36は、ブーム動作指令補正部100を有する。
【0082】
ブーム動作指令補正部100は、半自動制御部31から入力されるブーム動作指令を負荷推定部35から入力される推定負荷に応じて補正し、油圧装置23に出力する。ブーム動作指令補正部100は、推定負荷が大きいほどブーム動作指令をブーム下げ側に補正する。
【0083】
このように指令補正部36を構成することで、推定負荷に応じてフロント作業機210の掘削力が大きくなるように油圧装置23に対する動作指令を補正することができる。なお、図示は省略するが、アーム動作指令補正部およびバケット指令補正部を更に設け、推定負荷に応じてアーム動作指令およびバケット動作指令をクラウド側に補正しても良い。
【0084】
本実施例では、ブーム5とアーム6とバケット7とを有する作業機210と、作業機210の動作を指示する操作装置15L,15Rと、操作装置15L,15Rから出力される操作信号に応じて作業機210の動作を制御するコントローラ20と、施工目標を決定する施工目標決定装置21と、バケット7の爪先位置を測定するバケット位置測定装置11とを備え、コントローラ20は、操作装置15L,15Rから出力される操作信号を作業機210に対する動作指令に変換し、前記動作指令を施工目標決定装置21から出力される施工目標に応じて補正する作業機械200において、作業機210の駆動負荷を計測する負荷計測装置24を備え、コントローラ20は、施工目標決定装置21から出力される施工目標とバケット位置測定装置11から出力されるバケット爪先位置とを基にバケット爪先目標位置を演算し、前記動作指令とバケット位置測定装置11から出力されるバケット爪先位置と負荷計測装置24から出力される駆動負荷とを基に土質情報を取得し、前記バケット爪先位置と前記土質情報とを基に土質マップを生成し、前記土質マップと前記バケット爪先目標位置とを基に掘削負荷の推定値である推定負荷を演算し、前記推定負荷に応じて前記動作指令を補正する。
【0085】
以上のように構成した本実施例によれば、作業機210に対する動作指令とバケット位置測定装置11から出力されるバケット爪先位置と負荷計測装置24から出力される駆動負荷とを基に土質情報が取得され、バケット爪先位置と土質情報とを基に土質マップが生成され、土質マップとバケット爪先目標位置とを基に掘削負荷の推定値である推定負荷が演算され、推定負荷に応じて前記動作指令が補正される。これにより、半自動制御による動作指令が掘削深さや土質の違いに応じて補正されるため、掘削深さや土質の違いに関わらず半自動制御の施工精度を維持することが可能となる。
【0086】
また、本実施例における土質情報には、単位掘削深さ当たりの掘削負荷である単位負荷が含まれ、コントローラ20は、土質マップに含まれる地表高さ情報とバケット爪先位置に含まれるバケット爪先前後左右位置とを基に、バケット爪先前後左右位置における地表高さを演算し、前記地表高さからバケット爪先位置に含まれるバケット爪先高さを差し引くことにより掘削深さを演算し、作業機210に対する動作指令と作業機210の駆動負荷とを基に掘削負荷を演算し、前記掘削負荷を前記掘削深さで除算することにより単位負荷を演算する。これにより、掘削動作中に土質情報(単位負荷)を取得することが可能となる。
【0087】
また、コントローラ20は、土質マップに含まれる地表高さ情報とバケット爪先位置に含まれるバケット爪先前後左右位置とを基に、バケット爪先前後左右位置における地表高さを演算し、バケット爪先位置に含まれるバケット爪先高さが前記地表高さを下回った場合に、前記土質マップを土質情報で更新する。これにより、掘削を行っていない場合に土質マップが更新されてしまうことを防ぐことができる。
【0088】
また、コントローラ20は、土質マップに含まれる地表高さ情報を構成する地表高さの初期値を作業機210の最大到達高さよりも大きい値に設定し、土質マップに含まれる単位高さ情報を構成する単位負荷の初期値をゼロ以下の値に設定する。これにより、掘削作業中に取得した土質情報を地表高さ情報および単位負荷情報に確実に反映させることが可能となる。
【0089】
また、コントローラ20は、土質マップに含まれる単位負荷情報とバケット爪先目標位置に含まれるバケット爪先目標前後左右位置とを基に、バケット爪先目標前後左右位置における単位掘削深さ当たりの掘削負荷である単位負荷を演算し、土質マップに含まれる地表高さ情報とバケット爪先目標前後左右位置とを基に、バケット爪先目標前後左右位置における地表高さを演算し、地表高さからバケット爪先目標位置に含まれるバケット爪先目標高さ(Z位置)を差し引くことにより掘削深さを演算し、単位負荷と掘削深さとを掛け合わせることにより推定負荷を演算する。これにより、掘削深さと土質の違いに応じて掘削負荷を推定することが可能となる。
【0090】
また、コントローラ20は、推定負荷が大きくなるに従って動作指令に含まれるブーム動作指令をブーム下げ側に補正する。これにより、推定負荷が大きくなるに従って作業機210の掘削力が増大させることが可能となる。
【実施例2】
【0091】
本発明の第2の実施例について、第1の実施例との相違点を中心に説明する。
【0092】
図12は、本実施例におけるコントローラ20の機能ブロック図である。
【0093】
図12において、コントローラ20は、土質マップ表示指令部37を更に有する。土質マップ表示指令部37は、土質マップ生成部34から入力される土質マップとバケット位置測定装置11から入力されるバケット爪先位置とを基に表示情報を生成し、表示装置22に出力する。
【0094】
図13は、土質マップ表示指令部37の演算ロジックを示す図である。
【0095】
図13において、土質マップ表示指令部37は、入力処理部110と、高さマップ表示指令部111と、負荷マップ表示指令部112と、出力処理部113とを有する。
【0096】
入力処理部110は、土質マップ生成部34から入力される土質マップから地表高さ情報および単位負荷情報を抽出し、高さマップ表示指令部111および負荷マップ表示指令部112にそれぞれ出力する。
【0097】
高さマップ表示指令部111は、バケット位置測定装置11から入力されるバケット爪先位置を入力処理部110から入力される地表高さ情報に重ね合わせて高さマップ表示情報を生成し、出力処理部113に出力する。
【0098】
負荷マップ表示指令部112は、バケット位置測定装置11から入力されるバケット爪先位置に含まれるバケット爪先XY位置を入力処理部110から入力される単位負荷情報に重ね合わせて負荷マップ表示情報を生成し、出力処理部113に出力する。
【0099】
出力処理部113は、高さマップ表示指令部111から入力される地表高さ表示情報と負荷マップ表示指令部112から入力される単位負荷表示情報とを合わせた表示情報を表示装置22に出力する。
【0100】
図14は、表示装置22の表示画面の一例を示す図である。
【0101】
図14において、表示装置22の表示画面120には、土質マップ表示指令部37から入力される高さマップ表示情報121と負荷マップ表示指令部112から入力される負荷マップ表示情報122とが表示される。なお、
図14に示す例では、高さマップ表示情報121と負荷マップ表示情報122を分けて表示しているが、高さマップ表示情報121と負荷マップ表示情報122に色分けを施すなどして、まとめて表示しても良い。
【0102】
本実施例におけるコントローラ20は、土質マップに含まれる地表高さ情報とバケット爪先位置とを基に高さマップ表示情報121を生成し、前記土質マップに含まれる単位負荷情報と前記バケット爪先位置に含まれるバケット爪先前後左右位置とを基に負荷マップ表示情報122を生成し、高さマップ表示情報121と負荷マップ表示情報122とを表示装置22に出力する。これにより、油圧ショベル200の操縦者は、表示装置22の表示画面120でバケット爪先位置と地表面との位置関係および土質情報(単位負荷)を確認しながら掘削作業を行うことができる。
【0103】
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明は、上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は、本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成に他の実施例の構成の一部を加えることも可能であり、ある実施例の構成の一部を削除し、あるいは、他の実施例の一部と置き換えることも可能である。
【符号の説明】
【0104】
1…走行体、2…旋回体、2a…旋回フレーム、3…カウンタウェイト、4…運転室、5…ブーム、5a…ブームシリンダ、6…アーム、6a…アームシリンダ、7…バケット、7a…バケットシリンダ、8…旋回装置、8a…旋回モータ、9…ポンプ装置、10…コントロールバルブユニット、11…バケット位置測定装置、15L…左操作レバー装置、15R…右操作レバー装置、20…コントローラ、21…施工目標決定装置、22…表示装置、23…油圧装置、24…圧力センサ(負荷計測装置)、30…動作指令部、31…半自動制御部、32…土質取得部、33…土質マップ更新判断部、34…土質マップ生成部、35…負荷推定部、36…指令補正部、37…土質マップ表示指令部、40…入力処理部、41…地表高さ演算部、42…掘削深さ演算部、43…掘削深さ補正部、44…掘削負荷演算部、45…負荷補正部、46…単位負荷演算部、47…出力処理部、50…入力処理部、51…入力処理部、53…地表高さ演算部、55…掘削深さ演算部、57…更新フラグ出力部、70…入力処理部、72…出力切替部、73…地表高さ情報格納部、74…単位負荷情報格納部、75…高さマップ生成部、76…負荷マップ生成部、77…出力処理部、78…出力処理部、79…地表高さ演算部、80…単位負荷演算部、90…入力処理部、91…単位負荷演算部、92…地表高さ演算部、93…掘削深さ演算部、94…掘削深さ補正部、95…負荷演算部、100…ブーム動作指令補正部、110…入力処理部、111…高さマップ表示指令部、112…負荷マップ表示指令部、113…出力処理部、120…表示画面、121…高さマップ表示情報、122…負荷マップ表示情報、200…油圧ショベル(作業機械)、210…フロント作業機、300…油圧制御システム。