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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】ホイールローダ
(51)【国際特許分類】
   E02F 9/20 20060101AFI20220915BHJP
   F16H 61/02 20060101ALI20220915BHJP
   F16H 61/68 20060101ALI20220915BHJP
   B60W 10/00 20060101ALI20220915BHJP
   B60W 10/11 20120101ALI20220915BHJP
   B60W 10/30 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
E02F9/20 Q
F16H61/02
F16H61/68
B60W10/00 150
B60W10/11
B60W10/30
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019057205
(22)【出願日】2019-03-25
(65)【公開番号】P2020158991
(43)【公開日】2020-10-01
【審査請求日】2021-07-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000005522
【氏名又は名称】日立建機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 哲二
(72)【発明者】
【氏名】抜井 祐樹
(72)【発明者】
【氏名】内藤 啓介
【審査官】坪内 優佳
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/175026(WO,A1)
【文献】特表2018-532634(JP,A)
【文献】特表2018-508714(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第1624231(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/20
F16H 61/02
F16H 61/68
B60W 10/00
B60W 10/11
B60W 10/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の車輪を有する車体と、前記車体に対して上下方向に回動可能に取り付けられたリフトアームを有する作業機と、前記車体に搭載されたエンジンと、前記エンジンから伝達されるトルクを増幅させるトルクコンバータと、複数の電磁制御弁により複数のギアの組合せを制御することで前記トルクコンバータから出力され増幅されたトルクを変速して前記複数の車輪に伝達するトランスミッションと、前記車体の前後進を切り換える前後進切換装置と、前記トランスミッションの速度段を選択する速度段選択装置と、前記車体の走行状態を検出する走行状態センサと、前記リフトアームの動作状態を検出する動作状態センサと、前記前後進切換装置から出力された切換信号と前記速度段選択装置で選択された速度段とに基づき、前記選択された速度段に対応したギア比となるように前記複数のギアの組合せを選択する制御信号を生成し、前記制御信号を前記複数の電磁制御弁に対して出力して前記トランスミッションを変速制御するコントローラと、を備えたホイールローダにおいて、
前記コントローラは、
前記前後進切換装置から出力された切換信号、前記走行状態センサで検出された前記車体の走行状態、および前記速度段選択装置で選択された速度段に基づいて、前記トランスミッションの最低速度段よりも1速度段大きく設定された速度段に対応した車速で前記車体が前進走行し、かつ前記動作状態センサで検出された前記リフトアームの動作状態が上方向への動作である場合に、前記最低速度段よりも1速度段大きく設定された速度段に対応したギア比と前記最低速度段に対応したギア比との中間のギア比を前記トランスミッションのギア比とし、前記中間のギア比に対応した前記複数のギアの組合せを選択する信号を前記複数の電磁制御弁に対して出力する
ことを特徴とするホイールローダ。
【請求項2】
請求項1に記載のホイールローダにおいて、
前記動作状態センサは、少なくとも前記リフトアームの操作量を検出する操作量センサおよび前記作業機を駆動する油圧アクチュエータに作動油を供給する油圧ポンプの吐出圧を検出する吐出圧センサのうちいずれかである
ことを特徴とするホイールローダ。
【請求項3】
請求項1に記載のホイールローダにおいて、
前記コントローラは、
前記前後進切換装置が前進から後進に切り換えられた場合に、前記中間のギア比から前記最低速度段よりも1速度段大きく設定された速度段に対応したギア比に変更し、そのギア比に対応した前記複数のギアの組合せを選択する信号を前記複数の電磁制御弁に対して出力する
ことを特徴とするホイールローダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トルクコンバータ式の走行駆動システムが搭載されたホイールローダに関する。
【背景技術】
【0002】
ホイールローダでは、積込み作業時において、リフトアームを上昇させながらダンプトラックに向かって前進走行するため、低速走行しつつも、油圧ポンプの回転数を上昇させてリフトアームに供給される作動油の流量を増加させる必要がある。したがって、オペレータは、アクセルペダルを踏み込む一方で、同時にブレーキペダルを踏むといった特殊な操作を行わなければならない。
【0003】
例えば特許文献1には、エンジンから出力された駆動力が、モジュレーションクラッチ、トルクコンバータ、トランスミッション、およびアクスルを介してタイヤに伝達されるトルクコンバータ式の走行系を備えたホイールローダが開示されている。このホイールローダでは、リフトアームを使用した積込み作業中であることをコントローラが検出すると、モジュレーションクラッチのクラッチ圧を低下させてモジュレーションクラッチを滑らせる。これにより、オペレータがブレーキペダルを踏まなくても車速を抑えることができ、ブレーキによる動力のロスを低減して作業効率を向上させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5204837号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載のホイールローダでは、モジュレーションクラッチを滑らせるため、モジュレーションクラッチが摩耗しやすく、耐久性が懸念される。そこで、トランスミッションの速度段を小さくすることが考えられる。トルクコンバータ駆動式のホイールローダには、一般的に、4速度段または5速度段を有するトランスミッションが備わっており、積込み作業時は2速度段に設定され、掘削作業時や登坂時等のけん引力を必要とする作業時は2速度段よりも小さい1速度段に設定される。よって、積込み作業中に2速度段から1速度段に変速させることで、ブレーキを使用せずとも車速を抑えることは可能である。ところが、1速度段はけん引力を大きくすることを目的とした速度段であるため、車速が遅くなり過ぎてしまう。さらに、2速度段と1速度段との段間差が大きいため、変速時においてオペレータに違和感を与える可能性がある。
【0006】
そこで、本発明の目的は、積込み作業時においてオペレータに違和感を与えることなく自動で車速を減速させることが可能なホイールローダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、複数の車輪を有する車体と、前記車体に対して上下方向に回動可能に取り付けられたリフトアームを有する作業機と、前記車体に搭載されたエンジンと、前記エンジンから伝達されるトルクを増幅させるトルクコンバータと、複数の電磁制御弁により複数のギアの組合せを制御することで前記トルクコンバータから出力され増幅されたトルクを変速して前記複数の車輪に伝達するトランスミッションと、前記車体の前後進を切り換える前後進切換装置と、前記トランスミッションの速度段を選択する速度段選択装置と、前記車体の走行状態を検出する走行状態センサと、前記リフトアームの動作状態を検出する動作状態センサと、前記前後進切換装置から出力された切換信号と前記速度段選択装置で選択された速度段とに基づき、前記選択された速度段に対応したギア比となるように前記複数のギアの組合せを選択する制御信号を生成し、前記制御信号を前記複数の電磁制御弁に対して出力して前記トランスミッションを変速制御するコントローラと、を備えたホイールローダにおいて、前記コントローラは、前記前後進切換装置から出力された切換信号、前記走行状態センサで検出された前記車体の走行状態、および前記速度段選択装置で選択された速度段に基づいて、前記トランスミッションの最低速度段よりも1速度段大きく設定された速度段に対応した車速で前記車体が前進走行し、かつ前記動作状態センサで検出された前記リフトアームの動作状態が上方向への動作である場合に、前記最低速度段よりも1速度段大きく設定された速度段に対応したギア比と前記最低速度段に対応したギア比との中間のギア比を前記トランスミッションのギア比とし、前記中間のギア比に対応した前記複数のギアの組合せを選択する信号を前記複数の電磁制御弁に対して出力することを特徴とするホイールローダを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、積込み作業時においてオペレータに違和感を与えることなく自動で車速を減速させることができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係るホイールローダの外観を示す側面図である。
図2】ホイールローダによるVシェープローディングについて説明する説明図である。
図3】ホイールローダのライズラン操作を説明する説明図である。
図4】ホイールローダの駆動システム構成を示す図である。
図5】速度段ごとの車速とけん引力との関係を示すグラフである。
図6】アクセルペダル踏込量と目標エンジン回転数との関係を示すグラフである。
図7】リフトアームの上げ操作量とスプールの開口面積との関係を示すグラフである。
図8】コントローラが有する機能を示す機能ブロック図である。
図9】コントローラで実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態に係るホイールローダの全体構成およびその動作について、図1~3を参照して説明する。
【0011】
<ホイールローダ1の全体構成>
まず、ホイールローダ1の全体構成について、図1を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係るホイールローダ1の外観を示す側面図である。
【0013】
ホイールローダ1は、複数の車輪11を備え、車体が中心付近で中折れすることにより操舵されるアーティキュレート式の作業車両である。具体的には、車体の前部となる前フレーム1Aと車体の後部となる後フレーム1Bとが、センタジョイント10によって左右方向に回動自在に連結されており、前フレーム1Aが後フレーム1Bに対して左右方向に屈曲する。
【0014】
本実施形態では、ホイールローダ1は、車体全体で4つの車輪11を備えており、前フレーム1Aには左右一対の前輪11Aが、後フレーム1Bには左右一対の後輪11Bが、それぞれ設けられている。なお、図1では、4つの車輪11のうち、左側の前輪11Aおよび左側の後輪11Bのみを示している。また、以下の説明において、左右一対の前輪11Aおよび左右一対の後輪11Bをまとめて「複数の車輪11」とする場合がある。
【0015】
ホイールローダ1は、例えば露天掘り鉱山等において、前フレーム1Aに取り付けられた作業機2を用いて土砂や鉱物等を掘削してダンプトラック等へ積み込む荷役作業を行う作業車両である。
【0016】
作業機2は、前フレーム1Aに取り付けられたリフトアーム21と、伸縮することによりリフトアーム21を前フレーム1Aに対して上下方向に回動させる2つのリフトアームシリンダ22と、リフトアーム21の先端部に取り付けられたバケット23と、伸縮することによりバケット23をリフトアーム21に対して上下方向に回動させるバケットシリンダ24と、リフトアーム21に回動可能に連結されてバケット23とバケットシリンダ24とのリンク機構を構成するベルクランク25と、2つのリフトアームシリンダ22やバケットシリンダ24へ圧油を導く複数の配管(不図示)と、を有している。
【0017】
2つのリフトアームシリンダ22およびバケットシリンダ24はそれぞれ、作業機2を駆動する油圧アクチュエータの一態様である。なお、図1では、車体の左右方向に並ぶ2つのリフトアームシリンダ22のうち、左側に配置されたリフトアームシリンダ22のみを破線で示している。
【0018】
リフトアーム21は、2つのリフトアームシリンダ22それぞれのボトム室に作動油が供給されてロッド220が伸びることにより上方向に回動し、2つのリフトアームシリンダ22それぞれのロッド室に作動油が供給されてロッド220が縮むことにより下方向に回動する。
【0019】
同様にして、バケット23は、バケットシリンダ24のボトム室に作動油が供給されてロッド240が伸びることによりチルト(リフトアーム21に対して上方向に回動)し、バケットシリンダ24のロッド室に作動油が供給されてロッド240が縮むことによりダンプ(リフトアーム21に対して下方向に回動)する。なお、バケット23は、例えばブレード等の各種アタッチメントに交換することが可能であり、バケット23を用いた掘削作業の他に、押土作業や除雪作業等の各種作業を行うこともできる。
【0020】
また、後フレーム1Bには、オペレータが搭乗する運転室12と、後述するエンジンやコントローラ、油圧ポンプ等の各機器を内部に収容する機械室13と、車体が傾倒しないように作業機2とのバランスを保つためのカウンタウェイト14と、が設けられている。後フレーム1Bにおいて、運転室12は前部に、カウンタウェイト14は後部に、機械室13は運転室12とカウンタウェイト14との間に、それぞれ配置されている。
【0021】
<荷役作業時におけるホイールローダ1の動作>
次に、荷役作業時のホイールローダ1の動作について、図2および図3を参照して説明する。ホイールローダ1では、「Vシェープローディング」という方法で掘削作業および積込み作業を行う。
【0022】
図2は、ホイールローダ1によるVシェープローディングについて説明する説明図である。図3は、ホイールローダ1のライズラン操作を説明する説明図である。
【0023】
まず、ホイールローダ1は、掘削対象である地山101に向かって前進し、バケット23を地山101に突入させて掘削作業を行う(図2に示す矢印X1)。掘削作業が終わると、ホイールローダ1は、元の場所に一旦後退する(図2に示す矢印X2)。
【0024】
次に、ホイールローダ1は、積込み先であるダンプトラック102に向かって前進し、ダンプトラック102の手前で停止する(図2に示す矢印Y1)。なお、図2では、ダンプトラック102の手前で停止している状態のホイールローダ1を破線で示している。
【0025】
具体的には、図3に示すように、オペレータはアクセルペダルをいっぱいまで踏み込む(フルアクセル)と共に、リフトアーム21の上げ操作を行う(図3に示す右側の状態)。次に、オペレータは、フルアクセルの状態のままにしてリフトアーム21をさらに上昇させながら、同時にブレーキペダルを少し踏み込んでダンプトラック102に衝突しないよう車速を調整する(図3に示す中央の状態)。そして、オペレータはブレーキペダルをいっぱいまで踏み込んでダンプトラック102の手前で停止し、バケット23をダンプさせてバケット23内の積荷(土砂や鉱物等)をダンプトラック102へ積み込む(図3に示す左側の状態)。このように、積込み作業時においてホイールローダ1で行われる図3に示す一連の操作を「ライズラン操作」という。
【0026】
図2に示すように、積込み作業が終わると、ホイールローダ1は、元の場所に後退する(図2に示す矢印Y2)。このように、ホイールローダ1は、地山101とダンプトラック102との間でV字状に往復走行し、掘削作業および積込み作業を行う。
【0027】
<ホイールローダ1の駆動システム>
次に、ホイールローダ1の駆動システムについて、図4~7を参照して説明する。
【0028】
図4は、ホイールローダ1の駆動システム構成を示す図である。図5は、速度段ごとの車速Sとけん引力Fとの関係を示すグラフである。図6は、アクセルペダル踏込量Vと目標エンジン回転数Nとの関係を示すグラフである。図7は、リフトアーム21の上げ操作量とスプールの開口面積との関係を示すグラフである。
【0029】
ホイールローダ1は、トルクコンバータ式の走行駆動システムによって車体の走行が制御されており、図4に示すように、エンジン30と、エンジン30の出力軸に連結されたトルクコンバータ31(以下、「トルコン31」とする)と、トルコン31の出力軸に連結されたトランスミッション32と、を備えている。そして、これらエンジン30、トルコン31、およびトランスミッション32はそれぞれ、コントローラ5からの指令信号に基づいて制御されている。ホイールローダ1は、エンジン30の駆動力をトルコン31およびトランスミッション32を介して複数の車輪11に伝達して走行する。
【0030】
トルコン31は、インペラ、タービン、およびステータで構成された流体クラッチであり、入力トルク(エンジン30から伝達されるトルク)に対して出力トルクを増幅させる機能、すなわちトルク比(=出力トルク/入力トルク)を1以上とする機能を有する。このトルク比は、トルコン31の入力軸の回転速度と出力軸の回転速度の比であるトルコン速度比(=出力軸回転速度/入力軸回転速度)が大きくなるにつれて小さくなる。これにより、エンジン30の回転速度を変速した上でトランスミッション32に伝達する。
【0031】
トランスミッション32は、複数のギアで構成されており、前進走行または後進走行において図5に示す1~4速度段のいずれかに対応したギア比となるように、複数のギアの組合せが第1~第5電磁制御弁32A~32Eによって制御されることで、トルコン31の出力軸のトルクや回転速度、回転方向を変えて複数の車輪11へ伝達する。
【0032】
ホイールローダ1の進行方向、すなわち前進または後進の切り換えは前後進切換装置としての前後進切換スイッチ41により、トランスミッション32の速度段(図5に示す1~4速度段)の選択は速度段選択装置としてのシフトスイッチ42により、それぞれ行われる。前後進切換スイッチ41およびシフトスイッチ42はそれぞれ、運転室12(図1参照)に設けられている。
【0033】
図5に示すように、トランスミッション32の速度段は、1速度段で最高車速がS1に、2速度段で最高車速がS1よりも大きいS2に、3速度段で最高車速がS2よりも大きいS3に、4速度段で最高車速がS3よりも大きいS4に、それぞれ設定されている(S1<S2<S3<S4)。
【0034】
そして、1~4速度段それぞれにおける車体のけん引力Fは、1速度段ではF1、2速度段ではF1よりも小さいF2、3速度段ではF2よりも小さいF3、4速度段ではF3よりも小さいF4となっている(F1>F2>F3>F4)。したがって、速度段が小さくなると最高車速は小さくなるが、他方で車体のけん引力Fは大きくなる。なお、図5では、1速度段を実線で、2速度段を破線で、3速度段を一点鎖線で、4速度段を二点鎖線で、それぞれ示している。
【0035】
1速度段は、トランスミッション32の最低速度段であり、例えば、掘削作業や登坂作業等のけん引力を必要とする作業時に選択される。図5に示すように、1速度段における最高車速は1~4速度段の中で最も低速であり、他方でけん引力Fは1~4速度段の中で最も大きい。2速度段は、トランスミッション32の最低速度段よりも1速度段大きく設定された速度段であり、例えば、前述した積込み作業時(ライズラン操作時)に選択される。図5に示すように、2速度段における最高車速は1速度段のときよりも速く(例えば9~15km/h)、けん引力Fは1速度段のときよりも大幅に小さい。
【0036】
図4に示すように、トルクコンバータ式の走行駆動システムでは、まず、運転室12に設けられたアクセルペダル43をオペレータが踏み込むとエンジン30が回転し、エンジン30の回転に伴ってトルコン31の入力軸が回転する。そして、設定されたトルコン速度比にしたがってトルコン31の出力軸が回転し、トルコン31からの出力トルクがトランスミッション32、プロペラシャフト15、およびアクスル16を介して複数の車輪11にそれぞれ伝達されることにより、ホイールローダ1が走行する。
【0037】
より具体的には、まず、アクセルペダル43に取り付けられた踏込量センサ61によりアクセルペダル43の踏込量V(以下、単に「アクセルペダル踏込量V」とする)が検出され、検出されたアクセルペダル踏込量Vがコントローラ5に入力される。次に、入力されたアクセルペダル踏込量Vに応じた目標エンジン回転数Nに係る指令信号が、コントローラ5からエンジン30に対して出力される。そして、エンジン30は、この目標エンジン回転数Nにしたがった回転数に制御される。
【0038】
図6に示すように、アクセルペダル43の踏込量と目標エンジン回転数Nとは比例関係にあり、アクセルペダル踏込量Vが大きくなると目標エンジン回転数Nは増加する。アクセルペダル踏込量がV2に達すると目標エンジン回転数Nが最高回転数Nmaxとなる。また、アクセルペダル踏込量Vが0~V1の範囲(例えば0%~20あるいは30%の範囲)は、アクセルペダル踏込量Vにかかわらず、目標エンジン回転数Nが所定の最低回転数Nminで一定となる不感帯として設定されている。
【0039】
そして、目標エンジン回転数Nにしたがって制御されたエンジン回転数、すなわちエンジン回転速度は、トルコン31およびトランスミッション32により変速された上で、ホイールローダ1の車速Sとしてプロペラシャフト15に伝達される。トルコン31の入力軸には、エンジン30の回転数を回転速度として検出する第1回転速度センサ31Aが、トルコン31の出力軸には、トルコン31における変速後の回転速度を検出する第2回転速度センサ31Bが、それぞれ設けられている。車速Sは、プロペラシャフト15の回転速度として第3回転速度センサ31Cで検出される。また、踏込量センサ61は、車体の走行状態を検出する走行状態センサの一態様である。
【0040】
例えば、ライズラン操作を行う際には、オペレータは、前後進切換スイッチ41を前進の位置に切り換え、シフトスイッチ42で2速度段を選択する。前後進切換スイッチ41から出力された前進に係る切換信号、およびシフトスイッチ42から出力された2速度段に係る速度段信号はそれぞれ、コントローラ5に入力される。コントローラ5は、トランスミッション32の前進クラッチと2速度段クラッチとが係合状態となるギア比となるように複数のギアの組合せを選択する制御信号を生成し、当該制御信号を第1~第5電磁制御弁32A~32Eのそれぞれに対して出力する。したがって、アクセルペダル踏込量Vに応じたエンジン回転速度は、トランスミッション32を介して2速度段に対応した回転速度に変速される。これにより、ホイールローダ1は、2速度段に対応した車速Sで前進走行する。
【0041】
また、ホイールローダ1は、図4に示すように、作業機2を駆動させるための荷役用油圧回路HCを備えている。荷役用油圧回路HCには、油圧ポンプ33と、リフトアームシリンダ22と、バケットシリンダ24と、油圧ポンプ33から吐出されてリフトアームシリンダ22およびバケットシリンダ24のそれぞれに流入する作動油の流れ(方向および流量)を制御するコントロールバルブ34と、が設けられている。なお、図4では、構成を簡略化するため、2つのリフトアームシリンダ22のうち一方のリフトアームシリンダ22のみを示している。
【0042】
油圧ポンプ33は、作動油タンク35から吸入した作動油をリフトアームシリンダ22およびバケットシリンダ24のそれぞれに供給する。本実施形態では、油圧ポンプ33は、傾転角に応じて押し退け容積が制御される斜板式あるいは斜軸式の可変容量型油圧ポンプである。傾転角は、コントローラ5から出力された指令信号にしたがって、レギュレータ330により調整される。なお、油圧ポンプ33は必ずしも可変容量型の油圧ポンプでなくてもよく、固定容量型の油圧ポンプを用いても良い。
【0043】
油圧ポンプ33の吐出圧Paは、油圧ポンプ33の吐出側に接続された管路上に設けられた吐出圧センサ62により検出される。油圧ポンプ33の吐出圧Paは、リフトアーム21およびバケット23(作業機2)の動作状態により変動する。したがって、吐出圧センサ62は、リフトアーム21の動作状態を検出する動作状態センサの一態様である。
【0044】
リフトアームシリンダ22およびバケットシリンダ24はそれぞれ、運転室12(図1参照)内に設けられたリフトアーム操作レバー121およびバケット操作レバー122の操作にしたがって駆動する。
【0045】
例えば、オペレータがリフトアーム操作レバー121を操作すると、その操作量に比例したパイロット圧Piが操作信号として生成される。生成されたパイロット圧Piは、コントロールバルブ34の左右の受圧室に作用し、コントロールバルブ34内のスプールが当該パイロット圧Piに応じてストロークする。これにより、油圧ポンプ33から吐出された作動油は、リフトアーム操作レバー121の操作に応じた方向および流量にしたがってリフトアームシリンダ22に流入する。
【0046】
リフトアーム操作レバー121の操作によって生成されたパイロット圧Piは、リフトアーム操作レバー121とコントロールバルブ34とを接続するパイロット管路上に設けられたパイロット圧センサ63により検出される。パイロット圧センサ63は、リフトアーム21の操作量を検出する操作量センサに相当し、吐出圧センサ62と同様に、リフトアーム21の動作状態を検出する動作状態センサの一態様である。
【0047】
図7に示すように、リフトアーム21の上げ操作量とコントロールバルブ34のスプールの開口面積とは比例関係にあり、リフトアーム21の上げ操作量が増えるとスプールの開口面積も大きくなる。したがって、リフトアーム21を上げる方向にリフトアーム操作レバー210を大きく操作すると、リフトアームシリンダ22へ流入する作動油量が多くなり、ロッド220が速く伸長する。
【0048】
なお、図7において、リフトアーム21の上げ操作量0~20%の範囲では、リフトアーム21の上げ操作量にかかわらずスプールの開口面積は0%(スプールは開口しない)で一定となる不感帯として設定されている。また、リフトアーム21の上げ操作量85~100%の範囲では、スプールの開口面積は100%で一定となっており、フルレバー操作状態が維持されている。
【0049】
バケット23の操作についても、リフトアーム21の操作と同様に、バケット操作レバー122の操作量に応じて生成されたパイロット圧Piがコントロールバルブ34に作用することによってコントロールバルブ34のスプールが制御され、バケットシリンダ24へ流出入する作動油の方向および流量が調整される。
【0050】
ここで、積込み作業時のライズラン操作では、2速度段に対応した車速でダンプトラック102(図3参照)に向かって前進走行しながらリフトアーム21を上昇させるため、車速は抑える一方で、エンジン回転数を増加させて油圧ポンプ33の吐出流量を増やし、リフトアーム21に供給される作動油の流量を増加させる必要がある。そこで、ホイールローダ1では、コントローラ5によりトランスミッション32を変速制御することでブレーキを作動させずに車速を制限している。
【0051】
<コントローラ5の構成>
次に、コントローラ5の構成について、図8を参照して説明する。
【0052】
図8は、コントローラ5が有する機能を示す機能ブロック図である。
【0053】
コントローラ5は、CPU、RAM、ROM、HDD、入力I/F、および出力I/Fがバスを介して互いに接続されて構成される。そして、前後進切換スイッチ41やシフトスイッチ42といった各種の操作装置、ならびに踏込量センサ61、吐出圧センサ62、およびパイロット圧センサ63といった各種のセンサ等が入力I/Fに接続され、第1~第5電磁制御弁32A~32E等が出力I/Fに接続されている。
【0054】
このようなハードウェア構成において、ROMやHDD若しくは光学ディスク等の記録媒体に格納された制御プログラム(ソフトウェア)をCPUが読み出してRAM上に展開し、展開された制御プログラムを実行することにより、制御プログラムとハードウェアとが協働して、コントローラ5の機能を実現する。
【0055】
なお、本実施形態では、コントローラ5をソフトウェアとハードウェアとの組み合わせによって構成されるコンピュータとして説明しているが、これに限らず、例えば他のコンピュータの構成の一例として、ホイールローダ1の側で実行される制御プログラムの機能を実現する集積回路を用いてもよい。
【0056】
図5に示すように、コントローラ5は、データ取得部51と、判定部52と、ギア比設定部53と、記憶部54と、指令信号出力部55と、を含む。
【0057】
データ取得部51は、前後進切換スイッチ41から出力された切換信号、シフトスイッチ42から出力された速度段信号、踏込量センサ61で検出されたアクセルペダル踏込量V、吐出圧センサ62で検出された吐出圧Pa、およびパイロット圧センサ63で検出されたパイロット圧Piに関するデータをそれぞれ取得する。
【0058】
判定部52は、進行判定部52Aと、速度段判定部52Bと、動作判定部52Cと、を含む。
【0059】
進行判定部52Aは、データ取得部51で取得された切換信号に基づいて車体の進行方向、すなわち前後進切換スイッチ41において前進および後進のどちらの方向に切り換えられているかを判定すると共に、データ取得部51で取得されたアクセルペダル踏込量Vに基づいて車体が走行中であるか否かを判定する。
【0060】
速度段判定部52Bは、進行判定部52Aで車体が前進走行中であると判定された場合に、データ取得部51で取得された速度段信号に基づいてシフトスイッチ42においてトランスミッション32の速度段として2速度段が選択されているか否かを判定する。
【0061】
動作判定部52Cは、データ取得部51で取得された吐出圧Paおよびパイロット圧Piに基づいてリフトアーム21が上方向へ動作しているか否かを判定する。本実施形態では、吐出圧Paおよびパイロット圧Piの両方に基づいてリフトアーム21の上げ動作を精度良く判定しているが、少なくとも吐出圧Paおよびパイロット圧Piのいずれかの検出値に基づいて判定すればよい。すなわち、動作状態センサとしては、少なくとも吐出圧センサ62およびパイロット圧センサ63のいずれかであればよい。なお、吐出圧Paまたはパイロット圧Piに基づいてリフトアーム21の上げ動作を判定することにより、例えばリフトアームシリンダ22のボトム圧に基づく場合と比べてリフトアーム21の上げ動作の誤判定を低減することができる。
【0062】
ギア比設定部53は、判定部52で車体が2速度段で前進走行し、かつリフトアーム21の上げ動作が行われていると判定された場合に、1速度段に対応したギア比と2速度段に対応したギア比との中間のギア比をトランスミッション32のギア比として設定する。また、ギア比設定部53は、車速の制限処理が実行された後に、進行判定部52Aで前後進切換スイッチ41が前進から後進に切り換えられたと判定された場合において、2速度段に対応したギア比をトランスミッション32のギア比として設定する。
【0063】
記憶部54はメモリであって、このメモリにはリフトアーム21の上げ動作の判定に係る吐出圧閾値Pathおよびパイロット圧閾値Pithがそれぞれ記憶されている。吐出圧閾値Pathおよびパイロット圧閾値Pithはそれぞれ、リフトアーム21の上げ動作の開始を特定するための閾値である。また、記憶部(メモリ)54には、1~4速度段毎に設定されたギア比で変速されるように調整されたクラッチ圧に相当する指令値に加えて、1速度段に対応したギア比と2速度段に対応したギア比との中間のギア比で変速されるように調整されたクラッチ圧に相当する指令値が記憶されている。この中間のギア比は、ホイールローダ1の積込み作業に対応づけられた所定の出力トルクとその出力トルクに対応した車速とが得られるように設定されたギア比である。
【0064】
指令信号出力部55は、ギア比設定部53で設定されたギア比に対応した複数のギアの組合せを選択する指令信号を第1~第5電磁制御弁32A~32Eのそれぞれに対して出力する。これにより、ホイールローダ1は、コントローラ5により制御された速度段に対応した車速となる。
【0065】
<コントローラ5内での処理>
次に、コントローラ5内で実行される具体的な処理の流れについて、図9を参照して説明する。
【0066】
図9は、コントローラ5で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
まず、データ取得部51は、前後進切換スイッチ41から出力された切換信号、踏込量センサ61で検出されたアクセルペダル踏込量V、およびシフトスイッチ42から出力された速度段信号をそれぞれ取得する(ステップS501)。
【0068】
次に、進行判定部52Aは、ステップS501で取得された切換信号、アクセルペダル踏込量Vに基づいて車体が前進走行しているか否かを判定し、また、速度段判定部52Bは、ステップS501で取得された速度段信号に基づいてシフトスイッチ42において2速度段が選択されているか否かを判定する(ステップS502)。すなわち、ステップS502では、車体が2速度段で前進走行中であるか否かを判定する。
【0069】
ステップS502において車体が2速度段で前進走行中であると判定された場合(ステップS502/YES)、データ取得部51は吐出圧センサ62で検出された吐出圧Pa及びパイロット圧センサ63で検出されたパイロット圧Piをそれぞれ取得する(ステップS503)。なお、ステップS502において車体が2速度段で前進走行中でないと判定された場合(ステップS502/NO)、コントローラ5は処理を終了する。
【0070】
次に、動作判定部52Cは、ステップS503で取得された吐出圧Paが吐出圧閾値Path以上であり、かつステップS503で取得されたパイロット圧Piがパイロット圧閾値Pith以上であるか否かを判定する(ステップS504)。すなわち、ステップS504では、リフトアーム21が上げ動作を行っているか否かを判定する。
【0071】
ステップS504において吐出圧Paが吐出圧閾値Path以上であり(Pa≧Path)、かつパイロット圧Piがパイロット圧閾値Pith以上である(Pi≧Pith)と判定された場合、すなわちリフトアーム21が上げ動作を行っていると判定された場合(ステップS504/YES)、ギア比設定部53は、1速度段に対応したギア比と2速度段に対応したギア比との中間のギア比をトランスミッション32のギア比として設定する(ステップS505)。
【0072】
なお、ステップS504において吐出圧Paが吐出圧閾値Pathよりも小さく(Pa<Path)、かつパイロット圧Piがパイロット圧閾値Pithよりも小さい(Pi<Pith)と判定された場合、すなわちリフトアーム21が上げ動作を行っていないと判定された場合(ステップS504/NO)、リフトアーム21の上げ動作が開始されるまでステップS503に戻って処理を繰り返す。
【0073】
次に、指令信号出力部55は、ステップS505で設定されたギア比に対応した複数のギアの組合せを選択する指令信号を第1~第5電磁制御弁32A~32Eのそれぞれに出力する(ステップS506)。これにより、ホイールローダ1は、2速度段に対応した車速から1速度段と2速度段との中間の速度段に対応した車速に制限される。
【0074】
このように、ホイールローダ1は、積込み作業時のライズラン操作において、2速度段に対応した車速よりは遅いが、1速度段に対応した車速よりは速い車速に減速されるため、車速が遅くなり過ぎるといった事態を回避することができると共に、2速度段から1速度段に落とす場合と比べて段間差が少ないため、変速時にオペレータへ違和感を与えることがない。
【0075】
また、コントローラ5による車速の制限時において、シフトスイッチ42は2速度段が選択されたままであるため、オペレータに対して、2速度段に対応した車速で前進走行しているはずであるが、ホイールローダ1にて自動的に車速が制限されているとの心証を与えることができる。なお、この場合において、例えば運転室12内のモニターに、自動で車速が制限されている旨を表示してもよい。
【0076】
次に、データ取得部51は、前後進切換スイッチ41から出力された切換信号を再度取得する(ステップS507)。続いて、進行判定部52Aは、ステップS507で取得された切換信号に基づき前後進切換スイッチ41が前進から後進に切り換えられたか否かを判定する(ステップS508)。
【0077】
ステップS508において前後進切換スイッチ41が前進から後進に切り換えられたと判定された場合(ステップS508/YES)、ギア比設定部53は、2速度段に対応したギア比をトランスミッション32のギア比として設定する(ステップS509)。
【0078】
なお、ステップS508において前後進切換スイッチ41が前進から後進に切り換えられたと判定されなかった場合(ステップS508/NO)、前後進切換スイッチ41が前進から後進に切り換わるまでステップS507に戻って処理を繰り返す。
【0079】
次に、指令信号出力部55は、ステップS509で設定されたギア比に対応した複数のギアの組合せを選択する指令信号を第1~第5電磁制御弁32A~32Eのそれぞれに出力して(ステップS510)、コントローラ5における処理を終了する。このように、コントローラ5は、前後進切換スイッチ41が前進から後進に切り換えられた場合に、1速度段に対応したギア比と2速度段に対応したギア比との中間のギア比から2速度段に対応したギア比に変更することにより、コントローラ5による車速の制限が解除されて、ホイールローダ1は、1速度段と2速度段との中間の速度段に対応した車速から2速度段に対応した車速に戻る。
【0080】
このように、ダンプトラック102への積込みが終了した後に後進する際には、車速が制限前の2速度段に対応した車速に自動的に戻るため、オペレータに対して違和感を与えることなくコントローラ5による車速の制限を解除することができる。
【0081】
以上、本発明の実施形態について説明した。なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、本実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、本実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。またさらに、本実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0082】
例えば、上記実施形態では、踏込量センサ61で検出されたアクセルペダル踏込量Vに基づいて車体の走行状態を判定していたが、これに限らず、例えば車速センサを用いて車体の走行状態を判定してもよい。
【符号の説明】
【0083】
1:ホイールローダ
2:作業機
5:コントローラ
11,11A:前輪(車輪)
11,11B:後輪(車輪)
21:リフトアーム
22:リフトアームシリンダ(油圧アクチュエータ)
24:バケットシリンダ(油圧アクチュエータ)
30:エンジン
31:トルクコンバータ
32:トランスミッション
32A~32E:第1~第5電磁制御弁
33:油圧ポンプ
41:前後進切換スイッチ(前後進切換装置)
42:シフトスイッチ(速度段選択装置)
61:踏込量センサ(走行状態センサ)
62:吐出圧センサ(動作状態センサ)
63:パイロット圧センサ(操作量センサ、動作状態センサ)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9