(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】旋回軸の周りのモーメント力によって保持される割出し可能な切削インサートを有する切削工具
(51)【国際特許分類】
B23B 27/16 20060101AFI20220915BHJP
B23B 27/14 20060101ALI20220915BHJP
B23B 29/08 20060101ALI20220915BHJP
B23B 27/08 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
B23B27/16 Z
B23B27/16 B
B23B27/14 C
B23B29/08
B23B27/08 Z
(21)【出願番号】P 2019512759
(86)(22)【出願日】2017-08-06
(86)【国際出願番号】 IL2017050865
(87)【国際公開番号】W WO2018051327
(87)【国際公開日】2018-03-22
【審査請求日】2020-06-11
(32)【優先日】2016-09-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514105826
【氏名又は名称】イスカル リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘヒト ジル
(72)【発明者】
【氏名】アヴラハミ シャイ
【審査官】荻野 豪治
(56)【参考文献】
【文献】実開昭52-004566(JP,U)
【文献】特開2001-162431(JP,A)
【文献】特表2013-540058(JP,A)
【文献】特表2016-523188(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0183029(US,A1)
【文献】西独国特許出願公開第02130814(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0000434(US,A1)
【文献】米国特許第03188717(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0255926(US,A1)
【文献】米国特許第04230427(US,A)
【文献】特表2011-520630(JP,A)
【文献】米国特許第04169690(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 27/04
B23B 27/14 - 27/16
B23B 29/04
B23B 29/08 - 29/10
B23B 51/00 - 51/14
B23C 5/04 - 5/06
B23C 5/10
B23C 5/22 - 5/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インサートホルダ(22)と、前記インサートホルダ(22)内に取り外し可能に固定された割出し可能な切削インサート(24)と、を備える切削工具(20)であって、
前記インサートホルダ(22)は、ホルダヘッド(26)と、前記ホルダヘッド(26)からホルダ軸(A1)に沿って後方に延びるホルダシャンク(28)と、を備え、
前記ホルダヘッド(26)は、前記ホルダ軸(A1)を含む第1の面(P1)の両側に配置された、離間された下側クランプ部分(30)および上側クランプ部分(32)を有し、
前記下側クランプ部分(30)は、旋回軸(A2)に沿って延び、前記第1の面(P1)に対し垂直な第2の面(P2)の両側に配置された、離間された第1の下側クランプ面(34)および第2の下側クランプ面(36)を有し、
前記上側クランプ部分(32)は、前記下側クランプ部分(30)に対し変位可能であり、前記第2の面(P2)と交差する単一の上側クランプ面(38)を有し、
前記切削インサート(24)は、対向する第1の端面(40)および第2の端面(42)であって、周面(44)がそれらの間に延び、インサート軸(A3)がそれらを通って延びる、第1の端面(40)および第2の端面(42)を備え、
前記周面(44)は、前記インサート軸(A3)の周りで周方向に離間された複数の切削部分(48)を有し、
前記複数の切削部分(48)
のうちの一つは、第1のすくい面(52’)および第1の逃げ面(54’)の交差部に形成された第1の作動切削縁(50’)を有する第1の作動切削部分(48’)
とされており、
前記第1のすくい面(52’)は、前記インサート軸(A3)の周りの第1の方向(d1)に向き、
前記上側クランプ面(38)は、前記周面(44)の第1の当接部分(56’)と接触し、
前記周面(44)の第2の当接部分(56’’)は、前記第1の下側クランプ面(34)および前記第2の下側クランプ面(36)と接触し、
前記第2の面(P2)は、前記複数の切削部分(48)と交差し、
前記第2の面(P2)に垂直な横方向(dL)において、前記上側クランプ面(38)は、前記第1の下側クランプ面(34)と前記第2の下側クランプ面(36)との間に完全に配置される、切削工具(20)。
【請求項2】
前記第1の下側クランプ面(34)および前記第2の下側クランプ面(36)は、前記第2の面(P2)に平行な第3の面(P3)の両側に完全に配置され、
前記第3の面(P3)は前記上側クランプ面(38)と交差しない、請求項1に記載の切削工具(20)。
【請求項3】
前記第2の面(P2)に
平行であり、それぞれ前記第1の下側クランプ面(34)および前記第2の下側クランプ面(36)に交差する第5の面(P5)および第6の面(P6)において取得された断面において、前記第1の下側クランプ面(34)および前記第2の下側クランプ面(36)は凸型である、請求項1または2に記載の切削工具(20)。
【請求項4】
前記第1の当接部分(56’)および前記第2の当接部分(56’’)は、少なくとも2つの非作動切削部分(48)によって前記インサート軸(A3)の周りで周方向に離間されている、請求項1~3のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
【請求項5】
2つの周方向に隣接した非作動切削部分(48)が、前記第2の当接部分(56’’)によって離間される、請求項1~4のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
【請求項6】
前記周面(44)は、前記インサート軸(A3)の周りで、前記複数の切削部分(48)と周方向に交互になった複数の当接部分(56)を有し、
前記複数の当接部分(56)は、前記第1の当接部分(56’)および前記第2の当接部分(56’’)を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
【請求項7】
前記第1の下側クランプ面(34)は、前記第1の面(P1)に向かって収束する前部の第1の下側クランプゾーン(58a)および後部の第1の下側クランプゾーン(58b)を有し、
前記第2の下側クランプ面(36)は、前記第1の面(P1)に向かって収束する前部の第2の下側クランプゾーン(60a)および後部の第2の下側クランプゾーン(60b)を有し、
前記前部の第1の下側クランプゾーン(58a)および前記後部の第1の下側クランプゾーン(58b)ならびに前記前部の第2の下側クランプゾーン(60a)および前記後部の第2の下側クランプゾーン(60b)は、前記第2の当接部分(56’’)と同時に接触する、請求項1~6のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
【請求項8】
前記前部の第1の下側クランプゾーン(58a)および前記前部の第2の下側クランプゾーン(60a)は、第1の仮想直線(L1)の2つの線分を含み、
前記後部の第1の下側クランプゾーン(58b)および前記後部の第2の下側クランプゾーン(60b)は、第2の仮想直線(L2)の2つの線分を含み、
前記第1の仮想直線(L1)および前記第2の仮想直線(L2)は、前記旋回軸(A2)に対し平行である、請求項7に記載の切削工具(20)。
【請求項9】
前記第2の当接部分(56’’)は、前記インサート軸(A3)から分岐する第2の立ち上がり当接面(62a)および第2の立ち下がり当接面(62b)を有し、
前記第2の立ち下がり当接面(62b)は、前記前部の第1の下側クランプゾーン(58a)および前記前部の第2の下側クランプゾーン(60a)に接触し、
前記第2の立ち上がり当接面(62a)は、前記後部の第1の下側クランプゾーン(58b)および前記後部の第2の下側クランプゾーン(60b)に接触する、請求項7または8に記載の切削工具(20)。
【請求項10】
前記第2の立ち上がり当接面(62a)および前記第2の立ち下がり当接面(62b)は、湾曲した第2の接合面(62c)によって離間され、
前記第2の接合面(62c)は、前記下側クランプ部分(30)と接触しない、請求項9に記載の切削工具(20)。
【請求項11】
前記第2の接合面(62c)は、前記第2の当接部分(56’’)の径方向に最も内側の点を含む、請求項10に記載の切削工具(20)。
【請求項12】
前記ホルダヘッド(26)は、ストッパ面(66)を有するストッパ部分(64)を含み、
前記第1の当接部分(56’)は、前記ストッパ面(66)と接触する、請求項1~11のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
【請求項13】
前記第2の面(P2)に対し垂直な横方向(dL)において、前記ストッパ面(66)は、前記第1の下側クランプ面(34)と前記第2の下側クランプ面(36)との間に完全に配置される、請求項12に記載の切削工具(20)。
【請求項14】
前記第1の当接部分(56’)は、前記インサート軸(A3)から離れるように分岐する第1の立ち上がり当接面(68a)および第1の立ち下がり当接面(68b)を有し、
前記上側クランプ面(38)は、前記第1の立ち上がり当接面(68a)と接触し、
前記第1の立ち下がり当接面(68b)は、前記ストッパ面(66)と接触する、請求項12または13に記載の切削工具(20)。
【請求項15】
前記第1の立ち上がり当接面(68a)および前記第1の立ち下がり当接面(68b)は、湾曲した第
1の接合面(68c)によって離間され、
前記第1の接合面(68c)は、前記ストッパ部分(64)とも前記上側クランプ部分(32)とも接触しない、請求項14に記載の切削工具(20)。
【請求項16】
前記第1の接合面(68c)は、前記第1の当接部分(56’)の径方向に最も内側の点を含む、請求項15に記載の切削工具(20)。
【請求項17】
前記上側クランプ面(38)は、前記旋回軸(A2)の周りの第3の方向(d3)に向き、
前記ストッパ面(66)は、前記旋回軸(A2)の周りの反対の第4の方向(d4)に向く、請求項14~16のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
【請求項18】
前記上側クランプ面(38)によって前記第1の立ち上がり当接面(68a)に加えられるクランプ力(F1)は、前記旋回軸(A2)の周りの前記第3の方向(d3)に向けられる、請求項17に記載の切削工具(20)。
【請求項19】
前記上側クランプ部分(32)は、ねじ切りされた固定部材(70)によって前記下側クランプ部分(30)に対し変位可能である、請求項1~18のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
【請求項20】
前記上側クランプ部分(32)は、クランプヘッド(72)と、シャフト軸(A5)に沿って前記クランプヘッド(72)から延びるクランプシャフト(74)と、を含み、
前記上側クランプ面(38)は前記クランプヘッド(72)上に配され、
前記固定部材(70)は、前記クランプシャフト(74)においてシャフト凹部(76)に係合する、請求項19に記載の切削工具(20)。
【請求項21】
前記上側クランプ部分(32)は、前記ホルダヘッド(26)に摺動可能に保持される、請求項1~20のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
【請求項22】
前記切削工具(20
)は、前記第2の面(P2)を横切る方向において前記切削インサート(24)
にクランプ力
を加えない、請求項1~21のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
【請求項23】
各切削部分(48)は切削縁(50)を有し、
前記第2の面(P2)と一致するかまたは前記第2の面(P2)に平行な第4の面(P4)において取得された断面において、前記複数の切削縁(50)は、前記周面(44)に外接する第1の仮想円(C1)を画定する、請求項1~22のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
【請求項24】
前記切削インサート(24)は、前記インサート軸(A3)に平行な方向において最大幅(W
MAX)を有し、
前記最大幅(W
MAX)は、前記第1の仮想円(C1)の第1の半径(R1)よりも大きい、請求項23に記載の切削工具(20)。
【請求項25】
前記切削インサート(24)は、前記インサート軸(A3)を中心に回転対称を呈する、請求項1~24のいずれか一項に記載の切削工具(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して金属切削プロセスにおける使用のための、特に旋削およびプロファイル加工作業のための割出し可能な切削インサートを有する切削工具に関する。
【背景技術】
【0002】
旋削およびプロファイル加工作業において使用される切削工具の分野では、割出し可能な切削インサートを有する切削工具の多くの例があり、いくつかの切削インサートは、その周面の周りに周方向に間隔を空けられた複数の切削部分を有する。
【0003】
特許文献1は、インサートホルダと、レバーおよび締め付けねじによってインサートホルダ内に取り外し可能に固定された割出し可能な切削インサートとを有する切削工具を開示している。切削インサートは、周面が間に延びる離間された側面と、周面の周りに周方向に間隔を空けられた複数の切削領域とを有し、各切削領域は、前面および後面を有する。ホルダは、作動切削領域の後面と、周方向に隣接する非作動切削領域の前面および後面とを係合させるための支持領域を有する。レバーの一端は、周面上の切り欠きに係合し、レバーの他端はインサートホルダ内の凹部に係合し、締め付けねじは、レバーの中間部分を通って延び、インサートホルダに螺合する。
【0004】
特許文献2は、インサートホルダと、固定具によってインサートホルダ内に取り外し可能に固定された割出し可能な切削インサートとを有する切削工具を開示している。インサートホルダは、前方固定部分および後方本体部分を有し、前方固定部分は、基部および固定面と、基部に対し開いた穴とを有する。固定面は、第1の支持体、第2の支持体および第3の支持体を含み、これらは全て基部に対し横方向に延びる。切削インサートは、対向する端面と、端面間を延びる周側面と、端面間をインサート軸に沿って延びるボアとを有する。周面は、第1の壁、第2の壁、第3の壁、および少なくとも1つの作動切削部を含む。第1の支持体の少なくとも一部分は、第1の当接領域に沿った第1の壁の少なくとも一部分に当接し、第2の支持体の少なくとも一部分は、第2の当接領域に沿った第2の壁の少なくとも一部分に当接し、第3の支持体の少なくとも一部分は、第3の当接領域に沿った第3の壁の少なくとも一部分に当接する。第1の当接領域および第2の当接領域は下方に分岐し、第2の当接領域および第3の当接領域は後方に分岐し、ボアおよび穴内に固定具が配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】米国特許第4,169,690号
【文献】米国特許7,597,508号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、「幅広型(wide-type)」の割出し可能な切削インサートをインサートホルダに取り外し可能に固定するための安定した信頼性のある手段を有する改善された切削工具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、インサートホルダと、インサートホルダ内に取り外し可能に固定された割出し可能な切削インサートとを備える切削工具であって、
インサートホルダは、
ホルダヘッドと、ホルダヘッドからホルダ軸に沿って後方に延びるホルダシャンクとを備え、
ホルダヘッドは、ホルダ軸を含む第1の面の両側に配置された、離間された下側クランプ部分および上側クランプ部分を有し、
下側クランプ部分は、旋回軸に沿って延び、第1の面に対し垂直な第2の面の両側に配置された、離間された第1の下側クランプ面および第2の下側クランプ面を有し、
上側クランプ部分は、下側クランプ部分に対し変位可能であり、第2の面と交差する上側クランプ面を有し、
切削インサートは、
対向する第1の端面および第2の端面であって、周面がそれらの間に延び、インサート軸がそれらを通って延びる、第1の端面および第2の端面を備え、
周面は、インサート軸の周りで周方向に離間された複数の切削部分を有し、複数の切削部分は、第1のすくい面および第1の逃げ面の交差部に形成された第1の作動切削縁を有する第1の作動切削部分を含み、第1のすくい面は、インサート軸の周りの第1の方向に向き、
上側クランプ面は、周面の第1の当接部分と接触し、
周面の第2の当接部分は、第1の下側クランプ面および第2の下側クランプ面と接触し、
第2の面は複数の切削部分と交差する、切削工具が提供される。
【0008】
より良好な理解のために、本発明は、鎖線が部材の部分図のための区分の境界を表す添付図面を参照して、例としてのみ、ここで記載される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のいくつかの実施形態による切削工具の斜視図である。
【
図4】切削インサートが取り外された、
図1に示す切削工具の前面図である。
【
図5】線V-Vに沿って取得された、
図3に示される切削工具の断面図である。
【
図6】線VI-VIに沿って取得された、
図3に示される切削工具の断面図である。
【
図7】線VII-VIIに沿って取得された、
図3に示される切削工具の断面図である。
【
図8】線VIII-VIIIに沿って取得された、
図3に示される切削工具の断面図である。
【
図8a】
図8に示す切削工具の第1の詳細図である。
【
図8b】
図8に示す切削工具の第2の詳細図である。
【
図9】線IX-IXに沿って取得された、
図5に示される上側クランプ部分の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、
図1~
図3に示すように、インサートホルダ22と、インサートホルダ22内に取り外し可能に固定された割出し可能な切削インサート24とを有する切削工具20に関する。
【0011】
本発明のいくつかの実施形態において、インサートホルダ22は、好ましくは工具鋼から製造される。
【0012】
また、本発明のいくつかの実施形態において、切削インサート24は、好ましくは炭化タングステン等の超硬合金の成形プレスおよび焼結によって製造することができ、コーティングされていてもいなくてもよい。
【0013】
図1および
図2に示すように、インサートホルダ22は、ホルダヘッド26と、前部-後部方向D
F、D
Rを確立するホルダ軸A1に沿って、ホルダヘッド26から後方に延びるホルダシャンク28とを有する。
【0014】
ホルダヘッド26の上面26aに固定部材穴70aが形成される。ホルダヘッド26の前方を向いた面26bにクランプ部分穴32aが形成される。固定部材穴70aはこのクランプ部分穴32aと交差する。
【0015】
本発明のいくつかの実施形態において、ホルダヘッド26およびホルダシャンク28は、剛体の単一の一体構造を有することができる。
【0016】
図4に示されるように、ホルダヘッド26は、ホルダ軸A1を含む水平の第1の面P1の両側に配置された、離間された下側クランプ部分30および上側クランプ部分32を有する。
【0017】
本発明によれば、
図4に示すように、下側クランプ部分30は旋回軸A2に沿って延び、第1の面P1に対し垂直の第2の鉛直面P2の両側に配置された、離間された第1の下側クランプ面34および第2の下側クランプ面36を有する。
【0018】
本発明のいくつかの実施形態において、
図4に示すように、第1の下側クランプ面34および第2の下側クランプ面36は、下側クランプ部分30の遷移面35によって離間することができる。遷移面35は、第1の下側クランプ面34および第2の下側クランプ面36に対し窪ませることができる。
【0019】
本発明によれば、上側クランプ部分32は、下側クランプ部分30に対し変位可能であり、第2の面P2が交差する上側クランプ面38を有する。
【0020】
本発明のいくつかの実施形態において、
図4に示すように、第1の下側クランプ面34および第2の下側クランプ面36は、第2の面P2に平行な第3の鉛直面P3の両側に完全に配置することができ、第3の面P3は上側クランプ面38と交差しないことが可能である。
【0021】
また、本発明のいくつかの実施形態において、第1の下側クランプ面34および第2の下側クランプ面36は、第2の面P2を中心に鏡面対称を呈することができる。
【0022】
更に、本発明のいくつかの実施形態において、上側クランプ部分32は、ホルダヘッド26に摺動可能に保持することができる。
【0023】
また更に、本発明のいくつかの実施形態において、第2の面P2に垂直な横方向dLにおいて、上側クランプ面38は、第1の下側クランプ面34と第2の下側クランプ面36との間に完全に配置することができる。
【0024】
なお更に、本発明のいくつかの実施形態において、
図4に示すように、第2の面P2は、ホルダ軸A1を含むことができる。
【0025】
図1~
図3に示すように、切削インサート24は、間に周面44が延びる対向する第1の端面40および第2の端面42と、それらを通って延びるインサート軸A3とを有する。
【0026】
本発明のいくつかの実施形態において、旋回軸A2およびインサート軸A3は平行にすることができる。
【0027】
また、本発明のいくつかの実施形態において、インサート軸A3と同軸のボア46は、第1の端面40および第2の端面42と交差することができる。
【0028】
切削インサート24がボア46を含む本発明の実施形態では、切削インサート24は、より少ない超硬合金を用いてより効率的に製造することができ、作製中のより容易な取り扱いを可能にする。
【0029】
本発明によれば、
図1~
図3に示すように、周面44は、インサート軸A3の周りで周方向に離間された複数の切削部分48を有し、第2の面P2は複数の切削部分48と交差する。
【0030】
本発明のいくつかの実施形態において、複数の切削部分48は、第1のすくい面52’および第1の逃げ面54’の交差部に形成された、第1の作動切削縁50’を有する第1の作動切削部分48’を含むことができる。
【0031】
図5に示すように、第1のすくい面52’は、インサート軸A3の周りの第1の方向d1に向くことができる。
【0032】
本発明のいくつかの実施形態において、第1の作動切削部分48’は、第1の面P1の、上側クランプ部分32と同じ側に配置することができる。
【0033】
また、本発明のいくつかの実施形態において、各切削部分48は切削縁50を有することができ、第2の面P2と一致するかまたは第2の面P2に平行な第4の面P4において取得された断面において、複数の切削縁50は、周面44に外接する第1の仮想円C1を画定することができる。
【0034】
図5は、第2の面P2と一致する第4の面において取得された断面における第1の仮想円C1を示す。
【0035】
複数の切削縁50は、概してインサート軸A3の方向に沿って延びることができ、各切削縁50は特定のプロファイル加工動作に対応する輪郭を有することが理解されるべきである。
【0036】
本発明のいくつかの実施形態において、
図3に示すように、切削インサート24は、インサート軸A3に平行な方向において最大幅W
MAXを有することができ、最大幅W
MAXは、第1の仮想円C1の第1の半径R1よりも大きくすることができる。
【0037】
また、本発明のいくつかの実施形態において、複数の切削部分48は互いに同一であってもよい。
【0038】
本発明によれば、
図5に示すように、上側クランプ面38は、周面44の第1の当接部分56’と接触する。
【0039】
また、本発明によれば、
図6および
図7に示すように、周面44の第2の当接部分56’’は、第1の下側クランプ面34および第2の下側クランプ面36と接触する。
【0040】
本発明のいくつかの実施形態において、第2の面P2において取得された断面において、
図5aに示すように、第2の当接部分56’’と下側クランプ部分30との間に間隙が存在することができ、これらが接触しないことが可能である。
【0041】
また、本発明のいくつかの実施形態において、第3の面P3において取得された断面において、
図8、
図8aおよび
図8bに示すように、第2の当接部分56’’と下側クランプ部分30との間に間隙が存在することができ、これらが接触しないことが可能であり、また、上側クランプ部分32と第1の当接部分56’との間に間隙が存在することができ、これらが接触しないことが可能である。
【0042】
離間された第1の下側クランプ面34および第2の下側クランプ面36を有することによって、下側クランプ部分30は、大きな値の最大幅WMAXを有する「幅広型」切削インサート24を支持するための安定した手段を提供することが理解されるべきである。
【0043】
また、離間された第1の下側クランプ面34および第2の下側クランプ面36間で横方向に配置されることにより、単一の上側クランプ面38が、第1の下側クランプ面34および第2の下側クランプ面36間で均一に分散されたクランプ力F1を第1の当接部分56’に加えることが理解されるべきである。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態において、周面44は、インサート軸A3の周りで、複数の切削部分48と周方向に交互になった複数の当接部分56を有することができ、複数の当接部分56は、第1の当接部分56’および第2の当接部分56’’を含むことができる。
【0045】
また、本発明のいくつかの実施形態において、
図6~
図8に示すように、2つの周方向に隣接する非作動切削部分48は、第2の当接部分56’’によって離間することができる。
【0046】
更に、本発明のいくつかの実施形態において、
図6~
図8に示すように、第1の当接部分56’および第2の当接部分56’’は、少なくとも2つの非作動切削部分48によって周方向に離間することができる。
【0047】
また更に、本発明のいくつかの実施形態において、切削インサート24は、インサート軸A3を中心に回転対称を呈することができる。
【0048】
なお更に、本発明のいくつかの実施形態において、切削インサート24は、インサート軸A3を中心にN回対称を呈することができ、周面44は、厳密にN個の切削部分48を有することができる。
【0049】
N=5である本発明の実施形態では、
図6~
図8に示すように、2つの周方向に隣接する非作動切削部分48は、第1の当接部分56’によって離間することができ、2つの他の周方向に隣接する非作動切削部分48は、第2の当接部分56’’によって離間することができる。
【0050】
図6および
図7に示すように、第2の面P2に平行であり、それぞれ第1の下側クランプ面34および第2の下側クランプ面36に交差する第5の面P5および第6の面P6において取得された断面において、第1の下側クランプ面34および第2の下側クランプ面36は凸型とすることができる。
【0051】
図6aに示すように、第1の下側クランプ面34は、第1の面P1に向かって収束する前部の第1の下側クランプゾーン58aおよび後部の第1の下側クランプゾーン58bを有することができる。
【0052】
図7aに示すように、第2の下側クランプ面36は、第1の面P1に向かって収束する前部の第2の下側クランプゾーン60aおよび後部の第2の下側クランプゾーン60bを有することができる。
【0053】
本発明のいくつかの実施形態において、
図6aおよび
図7aに示すように、前部の第1の下側クランプゾーン58aおよび後部の第1の下側クランプゾーン58bならびに前部の第2の下側クランプゾーン60aおよび後部の第2の下側クランプゾーン60bは、第2の当接部分56’’と同時に接触することができる。
【0054】
また、本発明のいくつかの実施形態において、
図6aに示すように、前部の第1の下側クランプゾーン58aおよび後部の第1の下側クランプゾーン58bは、湾曲した第1の中間面58cによって離間することができる。
【0055】
更に、本発明のいくつかの実施形態において、
図7aに示すように、前部の第2の下側クランプゾーン60aおよび後部の第2の下側クランプゾーン60bは、湾曲した第2の中間面60cによって離間することができる。
【0056】
また更に、本発明のいくつかの実施形態において、第1の中間面58cおよび第2の中間面60cは、第2の当接部分56’’と接触しないことが可能である。
【0057】
なお更に、本発明のいくつかの実施形態において、第5の面P5および第6の面P6において取得された断面において、複数の当接部分56が、周面44に内接する第2の仮想円C2を画定することができる。
【0058】
図6は、第5の面P5において取得された断面における第2の仮想円C2を示す。
【0059】
本発明のいくつかの実施形態において、
図3に示すように、切削インサート24は、第5の面P5および第6の面P6間の当接幅W
Aを有することができ、当接幅W
Aは、第2の仮想円C2の第2の半径R2よりも大きくすることができる。
【0060】
図6aおよび
図7aに示すように、前部の第1の下側クランプゾーン58aおよび前部の第2の下側クランプゾーン60aは、第1の仮想直線L1の2つの線分を含むことができ、後部の第1の下側クランプゾーン58bおよび後部の第2の下側クランプゾーン60bは、第2の仮想直線L2の2つの線分を含むことができる。
【0061】
本発明のいくつかの実施形態において、第1の仮想直線L1および第2の仮想直線L2は、旋回軸A2に対し平行にすることができる。
【0062】
また、本発明のいくつかの実施形態において、第2の仮想直線L2は、第1の仮想直線L1の後方に配置することができる。
【0063】
図5~
図8に示すように、旋回軸A2およびインサート軸A3は、第7の面P7内に含めることができる。
【0064】
本発明のいくつかの実施形態において、
図5に示すように、第1の作動切削部分48’は、第7の面P7の第1の側S1に配置することができ、上側クランプ部分32は、第7の面P7の反対の第2の側S2に配置することができる。
【0065】
また、本発明のいくつかの実施形態において、ホルダシャンク28は、第7の面P7の第2の側S2に配置することができる。
【0066】
更に、本発明のいくつかの実施形態において、ホルダヘッド26は、第1の面P1の上方に、後方に向いた後部ヘッド面61を含むことができる。
【0067】
また更に、本発明のいくつかの実施形態において、後部ヘッド面61は、ホルダ軸A1に対し垂直にすることができる。
【0068】
図5に示すように、第2の面P2において取得された断面において、インサート軸A3は、ホルダ軸A1に沿って、後部ヘッド面61の前方の第1の距離D1に配置することができ、第1の距離D1は、第1の仮想円C1の第1の半径R1の2倍未満、すなわち、D1<2R1とすることができる。
【0069】
D1<2R1である本発明の実施形態では、上側クランプ部分32は、有利には、ホルダヘッド26内にコンパクトに保持される。
【0070】
本発明のいくつかの実施形態において、
図6aおよび
図7aに示すように、前部の第1の下側クランプゾーン58aおよび前部の第2の下側クランプゾーン60aは、第7の面P7の第1の側S1に配置することができ、後部の第1の下側クランプゾーン58bおよび後部の第2の下側クランプゾーン60bは、第7の面P7の第2の側S2に配置することができる。
【0071】
図6aおよび
図7aに示すように、第5の面P5および第6の面P6において取得される断面において、第2の当接部分56’’は凹状にすることができる。
【0072】
本発明のいくつかの実施形態において、第2の当接部分56’’は、インサート軸A3から分岐する第2の立ち上がり当接面62aおよび第2の立ち下がり当接面62bを有することができる。
【0073】
図6aおよび
図7aに示すように、第2の立ち下がり当接面62bは、前部の第1の下側クランプゾーン58aおよび前部の第2の下側クランプゾーン60aに接触することができ、第2の立ち上がり当接面62aは、後部の第1の下側クランプゾーン58bおよび後部の第2の下側クランプゾーン60bに接触することができる。
【0074】
本発明のいくつかの実施形態において、第2の立ち上がり当接面62aおよび第2の立ち下がり当接面62bは、湾曲した第2の接合面62cによって離間することができ、第2の接合面62cは、下側クランプ部分30と接触しないことが可能である。
【0075】
また、本発明のいくつかの実施形態において、第2の接合面62cは、第2の当接部分56’’の径方向に最も内側の点を含むことができる。
【0076】
図6aおよび
図7aに示すように、第2の立ち上がり当接面62aは、インサート軸A3の周りの第1の方向d1に向くことができ、第2の立ち下がり当接面62bは、インサート軸A3の周りの反対の第2の方向d2に向くことができる。
【0077】
本発明のいくつかの実施形態において、
図4および
図5に示すように、ホルダヘッド26は、ストッパ面66を有するストッパ部分64を含むことができ、第1の当接部分56’は、ストッパ面66と接触することができる。
【0078】
また、本発明のいくつかの実施形態において、ストッパ面66は、第2の面P2と交差することができる。
【0079】
更に、本発明のいくつかの実施形態において、横方向dLにおいて、ストッパ面66は、第1の下側クランプ面34と第2の下側クランプ面36との間に完全に配置することができる。
【0080】
また更に、本発明のいくつかの実施形態において、ストッパ面66は、第2の面P2を中心に鏡面対称を呈することができる。
【0081】
なお更に、本発明のいくつかの実施形態において、第5の面P5、第6の面P6および第3の面P3において取得された断面において、それぞれ
図6b、
図7bおよび
図8bに示すように、第1の当接部分56’とストッパ部分64との間に間隙が存在することができ、これらが接触しないことが可能である。
【0082】
単一のストッパ面66が、離間された第1の下側クランプ面34と第2の下側クランプ面36との間に横方向に配置される本発明の実施形態では、ストッパ面66は、第1の当接部分56’による接触のための信頼性のある手段を提供する。この手段は、同じインサートホルダ22内に取り外し可能に固定されている、いくつかの異なる割出し可能な切削インサート24に関連付けられた許容差を考慮に入れている。
【0083】
本発明のいくつかの実施形態において、下側クランプ部分30およびストッパ部分64は、剛体の単一の一体構造を有することができる。
【0084】
また、本発明のいくつかの実施形態において、ストッパ部分64は、第1の面P1の、上側クランプ部分32と同じ側に配置することができる。
【0085】
更に、本発明のいくつかの実施形態において、ストッパ面66は、旋回軸A2に平行な第3の仮想直線L3を含むことができる。
【0086】
図5に示すように、上側クランプ面38は、旋回軸A2の周りの第3の方向d3に向くことができ、ストッパ面66は、旋回軸A2の周りの反対の第4の方向d4に向くことができる。
【0087】
図5および
図5bに示すように、第2の面P2において取得された断面において、上側クランプ面38は凸型とすることができる。
【0088】
本発明のいくつかの実施形態において、上側クランプ面38は、第2の面P2を中心に鏡面対称を呈することができる。
【0089】
図5および
図5bに示すように、第2の面P2において取得された断面において、第1の当接部分56’は凹型とすることができる。
【0090】
本発明のいくつかの実施形態において、
図5bに示すように、第1の当接部分56’は、インサート軸A3から離れるように分岐する第1の立ち上がり当接面68aおよび第1の立ち下がり当接面68bを有することができる。
【0091】
図5bに示すように、上側クランプ面38は、第1の立ち上がり当接面68aと接触することができ、第1の立ち下がり当接面68bは、ストッパ面66と接触することができる。
【0092】
上側クランプ面38が凸型である本発明の実施形態では、上側クランプ面38と第1の立ち上がり当接面68aとの間の接触は、線形接触の形態で信頼性を有して行うことができる。
【0093】
本発明のいくつかの実施形態において、第1の立ち上がり当接面68aおよび第1の立ち下がり当接面68bは、湾曲した第1の接合面68cによって離間することができ、第1の接合面68cは、ストッパ部分64とも上側クランプ部分32とも接触しないことが可能である。
【0094】
また、本発明のいくつかの実施形態において、第1の接合面68cは、第1の当接部分56’の径方向に最も内側の点を含むことができる。
【0095】
図5bに示すように、第1の立ち上がり当接面68aは、インサート軸A3の周りの第1の方向d1に向くことができ、第1の立ち下がり当接面68bは、インサート軸A3の周りの第2の方向d2に向くことができる。
【0096】
図5および
図5bに示すように、上側クランプ面38によって第1の立ち上がり当接面68aに加えられるクランプ力F1は、旋回軸A2の周りの第3の方向d3に向けることができる。
【0097】
第2の面P2において取得された断面において、
図5に示すように、プロファイル加工動作に関連付けられた切削力F2は、旋回軸A2の周りの第3の方向d3に向けることもできることが理解されるべきである。
【0098】
クランプ力F1および切削力F2を、旋回軸A2の周りの第3の方向d3に向けることにより、第2の当接部分56’’と第1の下側クランプ面34および第2の下側クランプ面36との間、ならびに更には第1の当接部分56’とストッパ面66との間の堅く安定した接触が確実になる。
【0099】
このため、いくつかの実施形態において、切削インサート24は、旋回軸A2の周りに加えられる指向性の力のみによってインサートホルダ22内に保持される。
【0100】
本発明のいくつかの実施形態において、切削工具20には、ボア46を通って延びる締め付けねじがなくてもよい。
【0101】
また、本発明のいくつかの実施形態において、切削工具20には、第2の面P2を横切る方向において切削インサート24に加えられるクランプ力がなくてもよい。
【0102】
図1~
図5に示すように、上側クランプ部分32は、ねじ切りされた固定部材70によって下側クランプ部分30に対し変位可能とすることができる。
【0103】
図2、
図5および
図9に示すように、上側クランプ部分32は、クランプ部分穴32a内に受けられ、このクランプ部分穴32aを占有する。その間、ねじ切りされた固定部材70は、固定部材穴70a内に受けられ、この固定部材穴70aを占有し、この固定部材穴70aにおいて上側クランプ部分32に係合する。ねじ切りされた固定部材70を第1の方向に回転させることにより、上側クランプ面38は、立ち上がり当接面68aに対し上述したクランプ力F1を加え、それによってモーメント力を加える。このモーメント力により、切削インサート24が旋回軸A2の周りを旋回し、インサートの立ち下がり当接面68bが、ストッパ面66に当接し、ストッパ面66を押す。このため、いくつかの実施形態において、切削インサート24は、インサート内に形成されたクランプ貫通穴を貫通するかまたは通過する締め付けねじまたは他の固定部材を使用することなく、旋回軸A2の周りに加えられるモーメント力のみによって保持することができる。したがって、このインサートホルダ22は、そのようなクランプ貫通穴を有する切削インサートを、そのクランプ貫通穴を実際に用いることなく保持するように構成される。
【0104】
本発明のいくつかの実施形態において、固定部材70は、ねじの軸A4の周りを回転可能とすることができ、ねじの軸A4は、第2の面P2に含めることができる。
【0105】
図5および
図9に示すように、上側クランプ部分32は、クランプヘッド72と、シャフト軸A5に沿ってクランプヘッド72から延びるクランプシャフト74とを含むことができ、上側クランプ面38はクランプヘッド72上に配することができ、固定部材70は、クランプシャフト74においてシャフト凹部76に係合することができる。
【0106】
本発明のいくつかの実施形態において、シャフト軸A5は、第2の面P2に含めることができる。
【0107】
また、本発明のいくつかの実施形態において、シャフト凹部76は円錐台形状とすることができる。
【0108】
更に、本発明のいくつかの実施形態において、クランプヘッド72は、上側クランプ面38によって離間された2つの翼面78a、78bを含むことができる。
【0109】
図9に示すように、シャフト軸A5を含み、第2の面P2に対し垂直な第8の面P8において取得された断面において、各翼面78a、78bは、シャフト軸A5に対し、鋭内角の翼角α1を形成することができる。
【0110】
各翼面78a、78bがシャフト軸A5に対し傾いた本発明の実施形態では、切削インサート24を、インサートホルダ22から取り外し、クランプヘッド72と引っかかることなく容易に交換することができる。
【0111】
本発明のいくつかの実施形態において、
図1~
図3に示すように、第1の面40および第2の面42は、それぞれの第1の隆起した支持面80および第2の隆起した支持面82を有することができ、第1の隆起した支持面80および第2の隆起した支持面82は、それぞれの第1の端面E1および第2の端面E2を画定することができる。
【0112】
また、本発明のいくつかの実施形態において、第1の端面E1および第2の端面E2のいずれも複数の切削部分48に交差しないことが可能である。
【0113】
更に、本発明のいくつかの実施形態において、
図1~
図4に示すように、ホルダヘッド26は、第2の面P2に平行な側壁84を含むことができ、第1の隆起した支持面80および第2の隆起した支持面82のうちの一方が側壁84と接触することができる。
【0114】
本発明の主題をある程度の具体性をもって説明してきたが、種々の変更および改良が、以下で特許請求される本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく行われてもよいことが理解されるべきである。