(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】アクセスポートのための隔壁
(51)【国際特許分類】
A61M 37/00 20060101AFI20220915BHJP
A61M 39/02 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
A61M37/00 560
A61M37/00 550
A61M39/02 114
(21)【出願番号】P 2019520926
(86)(22)【出願日】2017-07-06
(86)【国際出願番号】 US2017040862
(87)【国際公開番号】W WO2018009635
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-06-30
(32)【優先日】2016-07-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519005509
【氏名又は名称】プリモ メディカル グループ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】タラリダ,スティーブン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】バッチガー,ジョン エム.
(72)【発明者】
【氏名】ロジャース,リチャード ピー.
【審査官】川島 徹
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-539025(JP,A)
【文献】米国特許第05476460(US,A)
【文献】国際公開第2015/134766(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 37/00
A61M 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
変形可能な外壁層及び変形可能な内壁層によって規定される密閉キャビティを含む植え込み型皮下アクセスポートであって、前記変形可能な外壁及び変形可能な内壁は針によって貫通可能であり、前記密閉キャビティは、流動性媒体を含み、前記流動性媒体は、前記針が前記外壁層を通して且つ前記密閉キャビティ内に刺入されることに応答して移動し、且つ前記針の周りに再配置されるように配置された複数の移動可能な粒子を含
み、前記複数の移動可能な粒子のそれぞれは、少なくとも0.018インチの寸法サイズを有する、植え込み型皮下アクセスポートと、
前記内壁層及び前記植え込み型皮下アクセスポートの外側シェルによって規定される流体チャンバであって、前記針が前記外壁層、前記内壁層及び前記密閉キャビティを通して前記流体チャンバ内に刺入される、流体チャンバと、
を備える、医療機器。
【請求項2】
前記複数の移動可能な粒子のそれぞれは、抗菌化合物を含む、請求項1に記載の医療機器。
【請求項3】
前記抗菌化合物は、消毒剤、抗生物質、抗菌剤、抗ウイルス剤及び駆虫剤の少なくとも1つを含む、請求項2に記載の医療機器。
【請求項4】
前記複数の移動可能な粒子のそれぞれは、気体媒体中に配置されている、請求項1に記載の医療機器。
【請求項5】
前記気体媒体は、窒素ガスを含む、請求項4に記載の医療機器。
【請求項6】
前記複数の移動可能な粒子のそれぞれは、液体媒体中に配置されている、請求項1に記載の医療機器。
【請求項7】
前記複数の移動可能な粒子のそれぞれは、実質的に球形である、請求項1に記載の医療機器。
【請求項8】
前記複数の移動可能な粒子のそれぞれは、外側コーティングを有する、請求項1に記載の医療機器。
【請求項9】
前記複数の移動可能な粒子のそれぞれは、変形可能及び圧縮可能の少なくとも1つである、請求項1に記載の医療機器。
【請求項10】
前記複数の移動可能な粒子のそれぞれは、プラスチックで形成されている、請求項1に記載の医療機器。
【請求項11】
前記複数の移動可能な粒子は、少なくとも2つの異なる形状の粒子を含む、請求項1に記載の医療機器。
【請求項12】
前記複数の移動可能な粒子は、少なくとも2つの異なるサイズの粒子を含む、請求項1に記載の医療機器。
【請求項13】
前記
密閉キャビティは、前記アクセスポート内のチャンバを覆い、及び
前記チャンバは、カテーテルの管腔と流体連通している、請求項1に記載の医療機器。
【請求項14】
前記
密閉キャビティは、プラスチックで形成されている、請求項1に記載の医療機器。
【請求項15】
前記
密閉キャビティは、エラストマーで形成されている、請求項1に記載の医療機器。
【請求項16】
前記
密閉キャビティは、シリコーンで形成されている、請求項1に記載の医療機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、参照により本明細書に組み入れられる、2016年7月7日に出願された米国仮特許出願第62/359,442号の利益を主張する。
【0002】
分野
本開示は、医療機器に関し、特にそのアクセスポート及び隔壁に関する。
【背景技術】
【0003】
背景
植え込み型皮下アクセスポートが配置されると、このポートのシリコーン隔壁は、典型的には、そのポートの外部から針で刺入される。一般に、ヒューバー針又は偏向したノンコアリング先端を有する針を使用して、隔壁を介してポートのチャンバにアクセスする。この隔壁は、針によって複数回貫通されることから、「自己密封式」又は「再シール可能」と呼ばれることがある。
【0004】
過度の隔壁の損傷及び関連する漏れを阻止するために、針のサイズは、通常、比較的小さく、20~21ゲージの範囲である。それでも、針による進入ごとに隔壁の完全性が低下することが理解され得る。さらに、より大きい針のサイズ、例えば14~17ゲージが流体のより高い流量を容易にするために望ましい。しかしながら、大きいゲージの皮下注射針は、植え込み型ポートの隔壁をさらに損傷させ得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
概要
本開示は、繰り返しの針の刺入による損傷を受けにくい可能性がある隔壁、特にアクセスポートを提供する。
【0006】
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、針によって貫通可能な隔壁を有するアクセスポートを含む医療機器であって、この隔壁は、外壁と内壁との間に位置するキャビティを有し、このキャビティは、流動性媒体を含み、この流動性媒体は、針が外壁を通して且つキャビティ内に刺入されることに応答して移動し、且つ針の周りに再配置されるように配置された複数の移動可能な粒子を含む、医療機器を提供する。
【0007】
少なくとも1つの実施形態では、複数の移動可能な粒子のそれぞれは、抗菌化合物を含む。
【0008】
少なくとも1つの実施形態では、抗菌化合物は、消毒剤、抗生物質、抗菌剤、抗ウイルス剤及び駆虫剤の少なくとも1つを含む。
【0009】
少なくとも1つの実施形態では、複数の移動可能な粒子のそれぞれは、気体媒体中に配置されている。少なくとも1つの実施形態では、気体媒体は、窒素ガスを含む。
【0010】
少なくとも1つの実施形態では、複数の移動可能な粒子のそれぞれは、液体媒体中に配置されている。
【0011】
少なくとも1つの実施形態では、液体媒体は、抗菌化合物及び針による刺入に応答してキャビティをシールするためのシール化合物の少なくとも1つを含む。
【0012】
少なくとも1つの実施形態では、複数の移動可能な粒子のそれぞれは、実質的に球形である。
【0013】
少なくとも1つの実施形態では、複数の移動可能な粒子のそれぞれは、少なくとも0.018インチの寸法サイズを有する。
【0014】
少なくとも1つの実施形態では、複数の移動可能な粒子のそれぞれは、外側コーティングを有する。
【0015】
少なくとも1つの実施形態では、外側コーティングは、抗菌化合物及び針のキャビティ内への刺入に応答して針の周りをシールするためのシール化合物の少なくとも1つを含む。
【0016】
少なくとも1つの実施形態では、複数の移動可能な粒子のそれぞれは、変形可能及び圧縮可能の少なくとも1つである。
【0017】
少なくとも1つの実施形態では、複数の移動可能な粒子のそれぞれは、プラスチックで形成されている。
【0018】
少なくとも1つの実施形態では、複数の移動可能な粒子は、少なくとも2つの異なる形状の粒子を含む。
【0019】
少なくとも1つの実施形態では、複数の移動可能な粒子は、少なくとも2つの異なるサイズの粒子を含む。
【0020】
少なくとも1つの実施形態では、隔壁は、アクセスポート内のチャンバを覆い、及びこのチャンバは、カテーテルの管腔と流体連通している。
【0021】
少なくとも1つの実施形態では、隔壁は、プラスチック、特にシリコーンなどのエラストマーで形成されている。
【0022】
少なくとも1つの実施形態では、本開示は、医療機器を操作する方法であって、針を植え込み型皮下アクセスポートの隔壁に刺入することであって、それにより、この針は、針が隔壁に刺入されると、隔壁内の微粒子状媒体の複数の粒子を移動させる、刺入することと、この針を、隔壁を通して且つ隔壁の下側のアクセスポートのチャンバ内に刺入することと、この針を通してアクセスポートのチャンバから流体を送達すること及び取り除くことの少なくとも1つとを含む方法を提供する。
【0023】
図
本開示の上記及び他の特徴並びにこれらを達成する方法は、添付の図面と併せて、本明細書に記載の実施形態の以下の説明を参照することによってより明らかになり、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本開示によるアクセスポート隔壁を含むアクセスポートの断面図である。
【
図2】針が刺入されている、
図1のアクセスポート隔壁を含むアクセスポートの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な説明
本開示は、その適用において、以下の説明に記載されるか又は図面に例示される構成要素の構造及び配置の詳細に限定されないことが理解され得る。本明細書における本発明は、他の実施形態が可能であり、様々な方法で実施又は実行することができる。また、本明細書で使用される表現及び用語は、説明が目的であり、当業者によって理解され得るように限定として見なすべきではないことが理解され得る。
【0026】
ここで、
図1及び
図2を参照すると、医療機器、特にアクセスポート本体110及びこのアクセスポート本体110内の隔壁120を含む埋め込み型(皮下)アクセスポート100が示されており、この隔壁は、針200(例えば、ノンコアリング針(例えば、ヒューバー)によって刺入可能であり、変形可能な外側シェル140内に含められた内部コア142を有する。外側シェル140は、外壁層150と、コア142を含む密閉キャビティ154を画定する内壁層152とを含み得る。外側シェル140、より具体的には外壁層150及び内壁層152は、複数回の貫通に適した可撓性の自己密閉性(再シール可能)弾性エラストマー(例えば、シリコーン、ゴム、PTFE/シリコーン混合物、PTFE/ゴム混合物)組成物で形成され得る。外壁層150の外面158は、消毒剤、抗生物質、抗菌剤、抗ウイルス剤及び駆虫剤の少なくとも1つを含み得る、微生物を死滅させるための抗菌化合物でコーティングすることができる。
【0027】
隔壁120が可撓性/変形可能な組成物で形成されていることを考慮すると、キャビティ154は、特に針200の刺入から生じる外側可撓性シェル140の変形と共に変形可能であり得ることが理解され得る。外側シェル140によって形成されたキャビティ154は、コア142を提供するために流動性媒体160で少なくとも部分的に充填(例えば、少なくとも50容量%充填)することができ、特に流動性媒体160で実質的に充填(例えば、少なくとも75容量%充填、特に少なくとも85容量%充填)することができる。
【0028】
媒体160は、針200が外壁層150を介してキャビティ154内に刺入されることに応答して移動するように配置された移動可能な粒子162の微粒子状物質を含み得る。この点に関して、移動可能な粒子162は、自由流動性、すなわちいずれにも付着せず、互いに自由に動くことができ、互いに粘着結合して凝集体を実質的に形成しない粒子であることが理解され得る。本実施形態では、粒子162間の間隙156などのキャビティ154の残りの部分は、大気圧下で窒素ガスなどの気体媒体で充填することができる。粒子162は、コア142の媒体領域において規則正しいパターンを有するように示され得るが、この粒子162は、ランダム又は規則的な任意のパターンを示し得る。
【0029】
ここで、
図2を参照すると、針200がシェル140の外壁層150に刺入されて貫通し、キャビティ154内のコア142の粒子162を通るとき、この粒子162を含む媒体160の流動性により、針200の遠位先端部202に隣接した粒子162が移動して、外壁層150を通るキャビティ154内への針200の刺入経路を提供し、且つ針200のシャフト204の周りに流れる(再配置される)。これにより、隔壁120の外壁層150によって提供されるシールが強化され得る。刺入し続けると、次に、針200は、外側シェル140の内壁層152を通して且つアクセスポート100の流体チャンバ112内に進入することができ、そこで、針200は、チャンバ112及び取り付けられたカテーテル220の管腔222と流体連通することになる。次いで、針200を使用して流体(液体)を流体チャンバ112内に、取り付けられたカテーテル220の管腔222内に、且つさらに宿主(例えば、患者)内に送達することができ、又は代替的に、次いで針200を使用して流体(液体)を流体チャンバ112から、取り付けられたカテーテル220の管腔222から、且つさらに宿主(例えば、患者)から除去することができる。本明細書で企図される針200は、12ゲージから21ゲージの範囲のゲージサイズ(例えば、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21又は22ゲージ)及びこれらの中の任意の範囲を有し得る。
【0030】
図3Aを参照すると、微生物が隔壁120に侵入することを防止するために、粒子162は、それぞれ抗菌化合物を含むことができ、この抗菌化合物は、粒子162の外面164上にコーティングとして提供され得る。この抗菌化合物は、消毒剤、抗生物質、抗菌剤、抗ウイルス剤及び駆虫剤の少なくとも1つを含み得る。コーティングは、針200のキャビティ154内への刺入に応答して針200の周りをシールするためのシール化合物も含み得る。
【0031】
他の実施形態では、キャビティ154内の媒体160は、粒子162間の間隙156を満たす液体媒体170も含み得る。液体媒体は、抗菌化合物及び針200による刺入に応答してキャビティ154をシールするためのシール化合物の少なくとも1つを含み得る。この点に関して、コア142は、連続相(すなわち液体170)中に分散した不連続相(すなわち粒子162)を含む複合材料と見なすことができる。
【0032】
再び
図3Aを参照すると、媒体粒子162は、球体に近い楕円体として理解され得る、回転楕円体の球形などの少なくとも実質的に球形であり得る。本明細書で使用されるように、粒子162は、その長軸とその短軸との間の長さの差が20%未満、特に10%未満である場合、実質的に球形と見なすこともできる。粒子162は、完全に球形でもあり得る(すなわち、長軸の長さ及び短軸の長さが同じである)。
【0033】
少なくとも実質的に球形である以外に、粒子162は、
図3Bに示されるように長円形/長楕円形、
図3Cに示されるように卵形、又は
図3Dに示されるように円筒形などの他の形状を有し得る。微粒子状物質を構成する粒子162は、全て同じ形状を有し得、又は粒子162は、球形と円筒形との組み合わせ(すなわち混合形状の粒子)などの2つ以上の異なる形状を有し得る。微粒子状物質を構成する粒子162は、全て同じサイズを有し得、又は粒子162は、小さい粒子、中程度(中間)の粒子及び大きい粒子の組み合わせ、又は微細粒子と巨視的粒子との組み合わせ(すなわち混合されたサイズの粒子)などの2つ以上の異なるサイズを有し得る。微粒子状物質を構成する粒子162は、少なくとも2つの異なる形状及び少なくとも2つの異なるサイズも有し得る。
【0034】
粒子162は、この粒子162が針200に進入して、この針の管腔又は遠位端部の開口を閉塞することができないように、針の内径より大きい寸法サイズ、すなわち針200の管腔206の直径及び遠位端部の開口より大きい寸法サイズを有するべきである。
【0035】
粒子162は、使用される針200の管腔206の直径より少なくとも5%大きい、特に使用される針の直径より少なくとも10%大きい、特に使用される針の直径より少なくとも15%大きい寸法サイズ(例えば、直径)を有することができる。
【0036】
例として、22以下のゲージを有する針サイズを使用するために、粒子162は、少なくとも0.018インチ(換言すれば、0.018インチ以上)、特に少なくとも0.028インチの寸法サイズ(例えば、直径などの断面長)を有することができる。21以下のゲージを有する針サイズの場合、粒子162は、少なくとも0.022インチ、特に少なくとも0.032インチの寸法サイズ(例えば、直径)を有することができる。20以下のゲージを有する針サイズの場合、粒子162は、少なくとも0.026インチ、特に少なくとも0.036インチの寸法サイズ(例えば、直径)を有することができる。19以下のゲージを有する針サイズの場合、粒子162は、少なくとも0.030インチ、特に少なくとも0.040インチの寸法サイズ(例えば、直径)を有することができる。18以下のゲージを有する針サイズの場合、粒子162は、少なくとも0.036インチ、特に少なくとも0.046インチの寸法サイズ(例えば、直径)を有することができる。17以下のゲージを有する針サイズの場合、粒子162は、少なくとも0.045インチ、特に少なくとも0.055インチの寸法サイズ(例えば、直径)を有することができる。16以下のゲージを有する針サイズの場合、粒子162は、少なくとも0.050インチ、特に少なくとも0.060インチの寸法サイズ(例えば、直径)を有することができる。15以下のゲージを有する針サイズの場合、粒子162は、少なくとも0.057インチ、特に少なくとも0.067インチの寸法サイズ(例えば、直径)を有することができる。14以下のゲージを有する針サイズの場合、粒子162は、少なくとも0.067インチ、特に少なくとも0.077インチの寸法サイズ(例えば、直径)を有することができる。
【0037】
特定の実施形態では、粒子162は、プラスチック、セラミック及び金属を含むか、本質的にこれらからなるか、又はこれらからなることができる。特定の実施形態では、粒子162は、中実(
図3A)又は例えば
図3Eに示されているような発泡体に形成された多孔質の壁構造を有することができる。特定の実施形態では、粒子162は、
図3Fに示されているように外側シェル166内に中空内部キャビティ168を有することができる。特定の実施形態では、複数の移動可能な粒子は、
図3Gに示されているように内部コア169を封入する外側シェル166を有することができる。内部コア169は、粒子162が刺入された場合、抗菌化合物及び針がキャビティ154内に刺入することに応答してキャビティをシールするためのシール化合物の少なくとも1つを含み得る。
【0038】
プラスチック、特にエラストマーで形成された粒子162は、針の周り及び針に対して変形してシールを提供するように、針200の刺入によって生じる力/圧力下で弾性的に変形可能及び/又は圧縮可能であり得る。
【0039】
プラスチック、特に発泡体(
図3E)で形成され且つ/又は中空(
図3F)である粒子162は、針の周り及び針に対して変形してシールを提供するように、針200の刺入によって生じる力/圧力下で弾性的に変形可能及び/又は圧縮可能であり得る。
【0040】
内部コア169は、粒子162が針の周り及び針に対して変形してシールを提供するように、粒子162が針200の刺入によって生じる力/圧力下でより弾性的に変形可能及び/又は圧縮可能であるように液体で形成され得る。
【0041】
針の繰り返しの刺入及びそれに伴うシリコーンの切断によって隔壁が最終的に断片化することが予期され得る従来の自己密閉シリコーン隔壁と異なり、粒子162の流動能力により、粒子162が針200によって損傷を受けないように針200の刺入中に粒子162が移動することができる。加えて、粒子162の流動性により、針200が隔壁120から取り外されたときに粒子162が針200の経路を満たすことができる。さらに、粒子162は、あらゆる流体又は有機物質の過度の侵入を防止する曲がりくねった流路を形成する。それぞれの針の刺入による粒子162の再配置は、全ての隣接する生物学的コロニーを中断することにより、生物学的増殖を阻害することもできる。
【0042】
本発明の好ましい実施形態を説明してきたが、本発明の趣旨及び添付の特許請求の範囲から逸脱することなく、様々な変更形態、適応形態及び修正形態がなされ得ることを理解されたい。従って、本発明の範囲は、上記の説明を参照して決定されるべきではなく、代わりに添付の特許請求の範囲をその均等物の全範囲と一緒に参照して決定されるべきである。さらに、添付の特許請求の範囲は、本出願人が請求する権利を有する本発明の最も広い範囲を必ずしも含むものでも、本発明を請求することができる方法のみを必ずしも含むものでもないこと、又は記載される全ての特徴が必要であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0043】
参照符号のリスト
100 アクセスポート
110 アクセスポート本体
112 チャンバ
120 アクセスポート隔壁
140 外側シェル
142 内部コア
150 外壁層
152 内壁層
154 キャビティ
156 間隙
158 外面
160 媒体
162 粒子
164 外面
166 外側シェル
168 内部キャビティ
169 内部コア
170 流体(液体)
200 膜を刺入する管/針
202 先端部
204 シャフト
206 管腔
220 カテーテル
222 管腔