(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】複数の光ビームを用いた光学分析のための光学分光計モジュール、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
G01N 21/27 20060101AFI20220915BHJP
G01N 21/03 20060101ALI20220915BHJP
G01N 21/59 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
G01N21/27 Z
G01N21/03 Z
G01N21/59 Z
(21)【出願番号】P 2019538611
(86)(22)【出願日】2018-01-16
(86)【国際出願番号】 IB2018050245
(87)【国際公開番号】W WO2018134723
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2021-01-08
(32)【優先日】2017-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】399117121
【氏名又は名称】アジレント・テクノロジーズ・インク
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】スティーヴンソン,ヒュー
(72)【発明者】
【氏名】デス,デイヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ランデ,エラン
【審査官】村田 顕一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-233345(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第19952652(DE,A1)
【文献】特開2007-155620(JP,A)
【文献】特開昭54-113382(JP,A)
【文献】特開昭60-039533(JP,A)
【文献】国際公開第2016/121946(WO,A1)
【文献】特開平04-160344(JP,A)
【文献】特開平10-221242(JP,A)
【文献】Wang et al.,Optical fiber sensor for berberine based on fluorescence quenching of 2-(4-diphenylyl)-6-phenylbenzoxazole,Fresenius' Journal of Analytical Chemistry,ドイツ,1998年03月,Vol.360, No6,Page.702-706
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-21/01
G01N 21/17-21/61
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源を設けるステップと、
前記光源からの光を少なくとも3つの光ビームに分配するステップと、
前記少なくとも3つの光ビームのうちの1つに複数のサンプルのそれぞれを曝露するように構成される固定配置において、前記複数のサンプルを配置するステップと、
複数の検出器を介して前記複数のサンプルのそれぞれを透過した前記光の1つ以上の特性を検出するステップであって、前記複数の検出器のそれぞれは、それぞれ前記複数のサンプルの対応するサンプルに隣接して位置するものである検出するステップと、
同時分析のために前記複数のサンプルを前記光ビームに同時に曝露するステップと
を含み、
前記光源からの光を少なくとも3つの光ビームに分配する前記ステップは、少なくとも3つの光ファイバーと、第1のレンズとを備える光ファイバー束を備える光分配コンポーネントにおいて、前記光源から光を受信するステップを含み、前記少なくとも3つの光ファイバーは前記第1のレンズを介して光学的に互いに結合され、各光ファイバーは、第1の端であって、該第1の端において前記光源からの前記光が前記第1のレンズと光混合ファイバーとを介して受信されることを可能にするように、前記少なくとも3つの光ファイバーが互いに当接し、前記少なくとも3つの光ファイバーの該第1の端に隣接して位置する第1のレンズを介して前記光が前記少なくとも3つの光ファイバーの該第1の端で受信されるものである第1の端と、第2の端であって、該第2の端において前記少なくとも3つの光ファイバーが、互いから分離されるとともに、前記受信された光が各サンプルホルダに分配されるように、前記複数のサンプルのうちの少なくとも1つのサンプルを受取るように構成される対応するサンプルホルダによって受取られる第2の端と
を備え、
少なくとも3つのサンプルセルが、前記サンプルホルダ内で、前記光分配コンポーネントに対して固定のロケーションで受取られて位置決めされ、
少なくとも1つのリファレンスサンプル及び2つ以上の試験サンプルが、前記少なくとも3つのサンプルセルのそれぞれ別個のサンプルセル内に収容され、
前記少なくとも1つのリファレンスサンプルはキャリア液体を収容するように構成される、分光分析方法。
【請求項2】
前記光は、第2のレンズを介して前記光ファイバーの前記第2の端から受信される、請求項1に記載の分光分析方法。
【請求項3】
各サンプルホルダは、側壁によって画定される開口を通して光ビームを受信し、
前記サンプルホルダを透過した光は、前記開口に対向する側壁によって画定される出口を通して前記サンプルホルダを去って、前記透過した光が対応する検出器によって測定されることを可能にする、請求項1に記載の分光分析方法。
【請求項4】
前記光ファイバーの前記第2の端は、前記サンプルホルダの前記開口において受取られる、請求項3に記載の分光分析方法。
【請求項5】
前記受信された光を3つ以上の光ビームに分配する前記ステップは、該受信された光を8つもの光ビームに分配することを伴い、1つのリファレンスサンプルと最大7つの試験サンプルとのそれぞれが前記8つの光ビームに同時に曝露される、請求項1~4のいずれか1項に記載の分光分析方法。
【請求項6】
液体サンプルを分析する光学分光計モジュールであって、該光学分光計モジュールは、
光源から光を受信し、3つ以上の光ビームを同時に提供するために、前記受信された光を分配するように適合される光分配コンポーネントと、
3つ以上のレセプタクルを画定するサンプルホルダであって、該3つ以上のレセプタクルは、前記光分配コンポーネントに対する固定ロケーションにおいて3つ以上のサンプルセルを受取り、再現性よく位置決めし、前記3つ以上の光ビームを同時に受信して、少なくとも1つのリファレンスサンプル及び2つ以上の試験サンプルが、前記受信された光に同時に曝露されることを可能にするように適合されているサンプルホルダと、
3つ以上の検出器と
を備え、前記3つ以上の検出器の各検出器は、それぞれ、前記1つのサンプルホルダの前記3つ以上のレセプタクルのうちの対応するレセプタクルに隣接して位置して、前記サンプルを透過した光を測定し、前記リファレンスサンプル及び前記試験サンプルからの同時測定を可能にして、前記サンプルによる光吸収レベルが判定されることを可能にし、
前記光分配コンポーネントは、少なくとも3つの光ファイバーと、第1のレンズとを備える光ファイバー束を備え、前記少なくとも3つの光ファイバーは前記第1のレンズを介して光学的に互いに結合され、各光ファイバーは、第1の端であって、該第1の端において、前記光源からの前記光が前記第1のレンズと光混合ファイバーとを介して受信されることを可能にするように、前記少なくとも3つの光ファイバーが互いに当接し、前記少なくとも3つの光ファイバーの該第1の端に隣接して位置する第1のレンズを介して前記光が該第1の端で受信されるものである第1の端と、第2の端であって、該第2の端において、前記少なくとも3つの光ファイバーが、互いから分離されるとともに、前記受信された光が各サンプルホルダに分配されるように、少なくとも1つのサンプルを受信するように構成される対応するサンプルホルダによって受取られる第2の端と
を備え、
前記少なくとも1つのリファレンスサンプルはキャリア液体を収容するように構成される、光学分光計モジュール。
【請求項7】
各サンプルホルダは、少なくとも1つの側壁を備え、該側壁は、
前記光ビームのうちの1つを受信するように適合される開口と、
サンプルホルダを透過した前記光が前記検出器によって測定されることを可能にするために前記開口に対向して位置決めされた出口と
を画定する、請求項6に記載の光学分光計モジュール。
【請求項8】
前記光ファイバーの前記第2の端に光学的に結合された第2のレンズを更に備える、請求項6に記載の光学分光計モジュール。
【請求項9】
各光ファイバーの前記第2の端は、対応するサンプルホルダによって、前記開口において受取られる、請求項
7に記載の光学分光計モジュール。
【請求項10】
前記光分配コンポーネントは、前記3つ以上の光ビームが実質的に同様の特徴を有するように前記受信された光を分配する、請求項6~9のいずれか1項に記載の光学分光計モジュール。
【請求項11】
前記サンプルホルダは、所定の位置に固定される、請求項6~10のいずれか1項に記載の光学分光計モジュール。
【請求項12】
前記光分配コンポーネントは、前記光を分配して8つもの光ビームを同時に提供し、前記サンプルホルダは、1つのリファレンスサンプル及び最大7つの試験サンプルを含む最大8つのサンプルを受け取るとともに再現性よく位置決めするように適合される8つのレセプタクルを画定する、請求項6~11のいずれか1項に記載の光学分光計モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、包括的には、光学分光機器及びシステム及び光学分光方法に関する。より詳細には、本開示は、複数の光ビームを用いる光学分光のための機器、システム、及び方法に関する。
【0002】
以下、実施形態について、以下に簡単に記載する添付図面を参照して、例として更に詳細に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0003】
【
図1】幾つかの実施形態による光学分光計モジュールの上面図である。
【
図2】幾つかの実施形態による光分配コンポーネントの概略図である。
【
図3】幾つかの実施形態による光学分光計モジュールのためのサンプルホルダのセットの斜視図である。
【
図4】幾つかの実施形態による光学分析方法についてのフローチャートである。
【
図5】幾つかの実施形態による光学分光計モジュールの上面図である。
【
図6】幾つかの実施形態による光学分光計モジュールの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0004】
分光計は、関心の材料又は物質(例えば、分子、元素、又は化合物)、すなわち、分析物の存在を特定する、又は、分析物の濃度を判定するために、サンプルの分析のために使用される器具である。分光光度計としても知られる光学分光計は、サンプルと相互作用するように方向付けられる、紫外(UV)、可視又は赤外(IR)範囲内の光の形態の電磁エネルギーを利用することができる。各サンプルによって吸収される又は放出される光の量を分析することによって、サンプル構成要素及び量についての判定を行うことができる。例えば、UV-可視分光は、UV-可視範囲内の波長を有する光にサンプルを曝露することができる。サンプルとの相互作用に続く、結果として得られる光の特徴(例えば、光強度及び/又はサンプルによって透過、吸収、又は放出される光の波長)を測定して、分析物のタイプ又は分析物の量を評価することができる。例えば、サンプルに関連する光吸収量は、分光計の較正によって、種々の分析物濃度(複数の場合もある)に関連付けられ得る。
【0005】
リファレンス測定を、サンプルが存在せず、検出のために分光計を光が透過する場合に、行うこともできる。これは、サンプルによる光吸収レベルを計算するため、サンプルを透過した光と比較するためのベースライン光強度を確立するために使用することができる。例えば、使用される光の不安定性を反映するために、分光計は、光の一部が、器具の光学部品及び光源の変動を反映するためのリファレンスとして測定される別個のリファレンスビームになるよう方向転換される構成を使用することができる。これらは、デュアルビーム又はダブルビーム分光光度計として知られる。
【0006】
光学分光による分析のためのサンプルは、流体又は半流体特性を持つことができる、又は、入力される光エネルギーがサンプルと相互作用することを可能にし、結果として得られる光特性が評価されることを可能にする、溶媒又は他の媒体等のキャリア内に懸濁される、液体、固体、気体、又は粒子状物質とすることができる。分析される液体又は流体懸濁サンプルは、キュベットとして知られるサンプルセル内に通常収容される。キュベット(しばしば、石英から作られる)及びキャリア媒体は、光学相互作用に寄与する場合があり、サンプル内に存在する場合がある分析物の存在及び/又は量を正確に判定するために、これらの材料の特性を考慮することも重要である場合がある。キュベットから検出される、結果として得られる光に対するキュベット材料及びキャリア媒体のいずれの寄与も、キャリア媒体(使用される場合)を収容するリファレンスキュベットを通した光特性又は透過特徴の測定によって考慮することができる。
【0007】
代替的に、特定の分析物についての較正データは、特定の溶媒又はキャリア媒体を使用して得られている場合がある。この場合、キュベット又はキャリア媒体を用いるリファレンス測定を行うことは必要ない。また、キュベット及び/又はキャリア液体による吸収は、データ分析中に数値的に又は計算的に反映することができる。
【0008】
光学分光計は、通常、おそらくはリファレンスサンプルを含む1つ以上のサンプルを、光の選択された波長及び強度に曝露するように構成される、単一光源及びサンプルホルダを備える。所与の関心分析物又はリファレンスサンプルを収容するサンプルホルダは、光源からの単色光に曝露され、サンプルとの相互作用に続いて、光特性を測定することができる。こうした器具の場合、分析のために単一サンプルを逐次的に導入する必要なしで、複数のサンプル又はリファレンスに関連する光特性を同時に測定する能力を提供することが望ましい場合がある。さらに、従来の器具と比較して、少数の可動部品を有する又は可動部品が全くない光学分光計を提供することが望ましい。
【0009】
本明細書に含まれている、文書、行為、材料、デバイス、物品等のいずれの議論も、これらの事物のうちの任意の又は全ての事物が、従来技術の基礎の一部を形成する、本出願の各請求項の優先日以前に存在したために本開示に関連する分野において共通の一般的知識(common general knowledge)であった、又は、理解されている、関連すると見なされている、又は、当業者によって組合されていることを合理的に予想されている可能性がある、という承認として考えられない。
【0010】
本開示の幾つかの実施形態は、
光源からの光を光学分光計モジュールで受信することと、
光学分光計モジュールの光分配コンポーネントによって、受信された光を2つ以上の光ビームに分配することと、
リファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルのそれぞれを、2つ以上の光ビームのうちの1つの光ビームに同時に曝露することと、
対応する検出器によって、リファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルのそれぞれに関連する光の特性を同時に測定することと、
を含む、光学分析方法に関する。
【0011】
幾つかの実施形態において、本方法は、リファレンスに関連する光の測定された特性を1つ以上の試験サンプルに関連する光の測定された特性と比較することによって、1つ以上の試験サンプル内に存在する1つ以上の分析物を決定することを更に含む。測定される光の特性は光の強度とすることができる。種々の実施形態において、測定することは、所定の温度で行うことができる。
【0012】
光学分析方法は、異なる波長で曝露すること及び測定することを繰返して、リファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルのそれぞれについて特徴スペクトルを同時に取得することを更に含むことができる。
【0013】
幾つかの実施形態において、分離させることは、光分配コンポーネントの光ファイバー束において光を受信することを含み、光ファイバー束は2つ以上の光ファイバーを備え、各光ファイバーは、
第1の端であって、受信された光がこの第1の端のそれぞれにおいて受信されることを可能にするように、光ファイバーが互いに近接する、第1の端と、
光ファイバーが互いから分離される第2の端と、
を備え、
光は、第1の端で受信され、第2の端に方向付けられ、第2の端のそれぞれは、対応するレセプタクルによって受信されるため、受信された光は各レセプタクルに分配される。
【0014】
幾つかの実施形態において、光は第1のレンズを介して光ファイバーの第1の端において受信される。光は光学混合ファイバーを介して第1の端において受信することもできる。
【0015】
2つ以上のサンプルセルは、2つ以上のレセプタクルを画定するサンプルホルダによって、光分配コンポーネントに対して固定ロケーションで受取られ位置決めすることができ、リファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルは別個のサンプルセル内に収容される。
【0016】
幾つかの実施形態において、各レセプタクルは、側壁によって画定される開口を通して光ビームを受信し、レセプタクルを透過した光は、開口に対向する側壁によって画定される出口を通してレセプタクルを去って、透過した光が対応する検出器によって測定されることを可能にする。光ファイバーの第2の端は開口において受取ることができる。
【0017】
幾つかの実施形態において、リファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルのそれぞれは、第2のレンズを介して2つ以上の光ビームに曝露される。
【0018】
幾つかの実施形態において、分離させることは、2つ以上の光ビームを提供するように受信された光を分割することによって、受信された光が光分配コンポーネントのビームスプリッタのネットワークによって分配されることを含む。
【0019】
受信された光は単色とすることができる。他の様々な実施形態において、光学分析方法は、光学分光計モジュール内の1つ以上のモノクロメータによって、受信された光の帯域幅を制限して、リファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルが曝露される単色光を生成することを更に含む。
【0020】
リファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルは、1mm~3mmの範囲内のビームスポット径を有する光ビームに曝露することができる。
【0021】
様々な実施形態において、各サンプルセルは、レセプタクルの上方端のセル開口で受取ることができ、セル開口は、光ビームを受信する開口及び出口に対して異なるロケーションに位置する。
【0022】
本開示の幾つかの実施形態は、液体サンプルを分析する光学分光計モジュールであって、
光源から光を受信し、2つ以上の光ビームを同時に提供するために、受信された光を分配するように適合される光分配コンポーネントと、
2つ以上のレセプタクルを画定するサンプルホルダであって、
光分配コンポーネントに対する固定ロケーションにおいて2つ以上のサンプルセルを受取り、再現性よく位置決めし、
2つ以上の光ビームを同時に受信し、それにより、2つ以上のサンプルセル内に収容されるリファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルが、受信される光に同時に曝露されることを可能にし、
サンプルセル内に収容されるリファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルを透過した光がレセプタクルを出ることを可能にする、
ように適合される、サンプルホルダと、
2つ以上の検出器と、
を備え、それぞれの検出器は、1つのレセプタクルに隣接して位置して、サンプルを透過した光を測定し、リファレンスサンプル及び1つ以上のサンプルからの同時測定を可能にして、1つ以上のサンプルによる光吸収レベルが判定されることを可能にする、光学分光計モジュールに関する。
【0023】
幾つかの実施形態において、それぞれのレセプタクルは少なくとも1つの側壁を備え、側壁は、
2つ以上の光ビームのうちの1つの光ビームを受信するように適合される開口と、
サンプルを透過した光が2つ以上の検出器によって測定されることを可能にするために開口に対向して位置決めされた出口と、
を画定する。
【0024】
各レセプタクルは、サンプルセルを受取るためにレセプタクルの上方端にセル開口を画定することもできる。
【0025】
光分配コンポーネントは、2つ以上の光ファイバーを備える光ファイバー束を備えることができ、各光ファイバーは、
第1の端であって、受信された光がこの第1の端のそれぞれにおいて受信されることを可能にするように、光ファイバーの側壁が互いに近接する、第1の端と、
光ファイバーが互いから分離される第2の端と、
を備え、
第1の端のそれぞれは光を受信して、光ファイバーの第2の端のそれぞれにわたって光を分配し、第2の端のそれぞれは、レセプタクルのうちの1つのレセプタクルによって受信され、それにより、各レセプタクルが2つ以上の光ビームのうちの1つの光ビームを受信することを可能にする。
【0026】
幾つかの実施形態において、光学分光計モジュールは、光を第1の端上に集束させるために第1の端に光学的に結合された第1のレンズを更に備える。各光ファイバーの第1の端は、開口の対応するレセプタクルによって受取ることができる。
【0027】
様々な実施形態において、第2の端のそれぞれは、第2のレンズに光学的に結合される。
【0028】
他の実施形態において、光分配コンポーネントは、光源からの光を受信し、2つ以上の光ビームを提供するために、受信された光を分割するように適合されるビームスプリッタのネットワークを備える。
【0029】
光分配コンポーネントは、2つ以上の光ビームが実質的に等しい強度を有するように受信された光を均等に分割することができる。光学分光計モジュールは、レセプタクルで受信される光ビームに、1mm~3mmの範囲内のビームスポット径を提供するように構成することができる。
【0030】
幾つかの実施形態において、光分配コンポーネントは、2つ以上の光ビームのそれぞれについて、単色光を生成するために2つ以上のモノクロメータを備える。
【0031】
サンプルホルダ及びレセプタクルは、所定の位置に固定することができる。サンプルホルダは電熱コンポーネントに結合することもできる。
【0032】
本開示の幾つかの実施形態は、
幾つかの実施形態による光学分光計モジュールと、
電気アークランプを備える光源モジュールと、
を備え、
光学分光計モジュール及び光源モジュールは、互いに取外し可能に接続されるように適合され、それにより、光源からの光が、光学分光計モジュールによって受信されることを可能にする、分光システムに関する。
【0033】
光源は、単色光を光学分光モジュールに提供するためにモノクロメータコンポーネントを更に備えることができる。
【0034】
幾つかの実施形態において、分光システムは、リファレンスサンプルからの検出された光の測定された強度を1つ以上のサンプルのそれぞれと比較し、それにより、1つ以上のサンプルのそれぞれにおいて分析物の濃度を判定するように適合される計算ユニットを更に備える。
【0035】
本明細書を通して、「備える、含む(comprise)」という用語又は「備える、含む(comprises)」若しくは「備えている、含んでいる(comprising)」等の変形は、述べられている要素、完全体若しくはステップ、又は要素、完全体若しくはステップの群の包含を意味するが、他のいかなる要素、完全体若しくはステップ、又は要素、完全体若しくはステップの群の排除も意味しないことが理解されよう。
【0036】
図1を参照すると、幾つかの実施形態による光学分光モジュール100が示される。光学分光モジュール100は、モジュール式システムの一部として提供することができる。光学分光モジュール100は、サンプルホルダ110及び光分配コンポーネント130を備える。各サンプルホルダ110は、光分配コンポーネント130に対する固定ロケーションにおいてリファレンスサンプルセル(図示せず)及び1つ以上のサンプルセル(図示せず)を受取り、再現性よく位置決めするように適合される2つ以上のレセプタクル111、112を備える。
【0037】
幾つかの構成において、リファレンスレセプタクル111はリファレンスセルを受取るように適合され、1つ以上の試験サンプルレセプタクル112はサンプルセルを受取るように適合される。リファレンスセル及びサンプルセルはキュベットとすることができる。リファレンスキュベットはキャリア液体を収容するように構成され、サンプルキュベットは液体試験サンプルを収容するように構成される。
【0038】
レセプタクル111は、しかし、空のままにされ、リファレンスキュベットなしで又はリファレンス材料なしで使用されて、透過した光をリファレンスビームとして測定することによって、器具の変動を補正するためのリファレンス信号を取得することができる。
【0039】
光分配コンポーネント130は、光源(図示せず)から光150を受信し、レセプタクル111、112に2つ以上の光ビーム161、162を同時に提供するために、受信された光150を分配するように適合される。
【0040】
提供される光ビームは、リファレンスビーム161及び1つ以上の試験ビーム162を含むことができる。幾つかの実施形態において、光分配コンポーネント130は、2つ以上のリファレンスビーム161及び2つ以上の試験ビーム162を提供する。
【0041】
図2を参照すると、幾つかの実施形態において、光分配コンポーネント130は光ファイバー束230を備える。光ファイバー束230は少なくとも2つの光ファイバーを備える。光ファイバー束230は、例えば、2、3、4、5、6、7、8、又は8より多く数の光ファイバーを備えることができる。光ファイバーは、互いに近接するように第1の端231で束ねられて、受信された光150が光ファイバーの第1の終端部分231aで受信されることを可能にすることができる。隣接する光ファイバーの側壁は、例えば、互いに当接するように光学的に結合することができる又は物理的に接続することができる。
【0042】
終端部分231aを、例えば、終端部分231aに隣接した、レンズ232を含む光学集束又は光方向付け要素を介して、受信された光150に光学的に結合することができる。レンズ232は、光ファイバー束230内の光ファイバーの第1の終端部分231aを通して、受信された光150を集束させる又は方向付けることができる。光ファイバーは、その後、第2の端233において位置付けられて又は互いから分離されて、光ビーム161、162をレセプタクル111、112に方向付けることができる。種々の実施形態において、方向付けられたそれぞれの光ビーム161、162は、波長及び/又は強度等の実質的に同じ特性を有するため、1つ以上のサンプル及び/又はリファレンスは、同様の特徴を有する光に曝露される。こうした曝露は、望ましくは、サンプル分析及びデータ採取の改善を可能にするために、実質的に同時に起こる場合がある。
【0043】
幾つかの実施形態において、レンズ232は、受信された光150を光学混合ファイバー(図示せず)上に集束させる。光学混合ファイバーは、その後、終端部分231aに当接して、各光ファイバーに光学的に結合する。光学混合ファイバーは、各光ファイバーの第2の端233に近い第2の終端部分233aにおける光の強度に対する第1の終端部分231aにおける光の強度のいずれの空間的変動の影響も有利に低減する。
【0044】
受信された光150を、入力光ファイバー(図示せず)によって光学分光モジュール100内に方向付け、レンズ232に光学的に結合することができる。例えば、レンズ232は、第1の終端部分231aに当接することができる。
【0045】
光ファイバーは、約0.6mm~約1mmの範囲内の(クラッディングを覆う)外径を有することができる。幾つかの実施形態において、光ファイバーは、約0.8mmの直径を有するが、0.2mm程度に小さいものとすることができる。
【0046】
それぞれの第2の終端部分233aは、対応するレセプタクル111、112に対して位置決めされ、それにより、それぞれの第2の終端部分233aは、第2のレンズ234等のそれぞれの又は対応する光学要素に光学的に結合することができる。第2のレンズ234は、光ビーム161、162を、レセプタクル111、112を通して検出器(図示せず)に方向付ける又は集束させる。幾つかの実施形態において、第2のレンズ234は、光ビーム161、162を、レセプタクル111、112の近い側で1mm~3mmの範囲内の直径を有するビームスポットに集束させるようにサイズ決定される及び/又は位置決めされる。第2のレンズ234は、検出器に達する光の強度又は束を最大にするように光ビーム161、162を有利に集束させる。検出器において測定される光の束を最大にすることは、光学分析の正確さを改善するのを支援することができる。
【0047】
幾つかの実施形態において、レンズ232、234はボールレンズ又は平凸レンズである。
【0048】
受信された光150を分配するために光ファイバー束を使用することは、サンプルホルダ110又はレセプタクル111、112を移動させる必要性なしで、複数の光ビーム161、162をレセプタクル111、112内に結合させるための好都合でかつ効率的な手段を有利に提供する。
【0049】
レセプタクル111、112は、2つ以上の光ビーム161、162を同時に受信し、それにより、1つ以上のリファレンス及び1つ以上の試験サンプルが、受信された光ビーム161、162に同時に曝露されることを可能にするように適合される。幾つかの構成において、リファレンスは、リファレンスキュベット又はリファレンスサンプルを収容しない空のレセプタクル111を備える。
【0050】
サンプルホルダ110及びレセプタクル111、112を、所定の位置に固定することができる。サンプルホルダ110の各レセプタクル111、112が光を同時に受信するように複数の光ビームが提供されるため、光が各レセプタクル111、112によって受信されるためにサンプルホルダ110を移動させる必要性は全く存在しない。これは、光学分光計モジュールの構造を有利に簡略化し、可動部品が少数であるため、修理についての必要性を低減する場合がある。
【0051】
各サンプルホルダ110は、1つ以上の試験サンプル(キュベット内に収容することができる)及び任意のリファレンスを透過した光がレセプタクル111、112を出ることを可能にするように更に適合される。
【0052】
レセプタクル111、112は、直角プリズム又は立方体等の選択された形状の本体を有するキュベットを受取るように構成されるキュベット開口117を備えることができる。キュベット開口117は、10mm~20mmの範囲内の寸法を持って(例えば、正方形として)形作ることができる。レセプタクル111、112は、30mm~50mmの範囲の深さを有することができる。キュベット開口117は、収容されるように設計されるキュベットの寸法よりわずかに大きいサイズに決定されて、クリアランスを提供する。例えば、レセプタクル111、112は、14mm×14mm正方形開口及び40mmの深さを備えて、12.5mm×12.5mm正方形ベース及び45mmの高さを有する本体を備えるキュベットを収容することができる。クリアランスは、対角線上に取付けることができるばね又は他の弾性変位式コンポーネントによって占められて、キュベットをその4つの側面のうちの2つの側面に関してレセプタクル111、112の角に位置付けることができる。レセプタクル111、112は、キュベットの高さより小さい深さを有することができるため、取外すためにキュベットが指で把持されることを可能にするのに十分な量のキュベットが露出される。
【0053】
サンプルホルダ110は、レセプタクル111、112において、リファレンスビーム161及び1つ以上の試験又は分析物検出ビーム162を受信するように更に適合することができる。例えば、リファレンスレセプタクル111は、リファレンスビーム161が、リファレンスレセプタクル111のそれぞれにおいて受取られたリファレンスキュベットに方向付けられることを可能にするために、開口115aを画定する第1の壁113aを備えることができる。サンプルレセプタクル112は、試験ビーム162のそれぞれが、サンプルレセプタクル112のそれぞれにおいて受取られたサンプルキュベットに方向付けられることを可能にするために、それぞれが更なる開口116aを画定する第1のサンプル壁114aを備えることもできる。
【0054】
幾つかの実施形態において、開口115a及び更なる開口116aは、約2mm~5mmの範囲内の寸法を有することができる。例えば、開口115a及び更なる開口116aは、約2mmの幅及び約2.5mmの高さを有することができる。
【0055】
開口115a、116aは、例えば、光ビーム161、162を、レセプタクル111、112を通して方向付ける又は集束させるのを支援するレンズ234を含む更なる光学要素を備えることができる。
【0056】
また、サンプルホルダ110は、リファレンスレセプタクル111及びサンプルレセプタクル112を透過した光がレセプタクル111、112を出ることを可能にするように更に適合される。これは、リファレンスサンプル及び1つ以上のサンプルを透過した光の強度の同時測定を可能にするために各レセプタクル111、112に隣接して設置される1つの検出器140が、2つ以上のサンプルによる複数の光吸収レベルを同時に判定することを可能にする。例えば、リファレンスレセプタクル111は、第1の壁113aに対向して第2の壁113bを備えることができる。出口115bを画定する第2の壁113bは、リファレンスレセプタクル111を横切り、リファレンスセルを通って送信されたリファレンスビーム161が、検出器140のうちの1つの検出器内に方向付けられることを可能にする。また、サンプルレセプタクル112は、第1のサンプル壁114aに対向する、更なる出口116bを画定する第2のサンプル壁114bを備えて、サンプルレセプタクル112を横切り、キュベットを通って送信された試験ビーム162のそれぞれが、検出器140のうちの別の1つの検出器内に方向付けられることを可能にすることができる。
【0057】
また、光学分光モジュール100は電熱コンポーネント120を更に備えることができる。電熱コンポーネント120は、レセプタクル111、112に熱的に結合されて、レセプタクル111、112によって受取られた1つ以上の試験サンプル及び任意のリファレンスサンプルの温度を制御し調整する。例えば、所定の温度を、測定中に維持することができる。これは、サンプルによる光吸収がサンプルの温度によって影響を受ける可能性があるため、有用である場合がある。
【0058】
電熱コンポーネント120は、光ビーム161、162がレセプタクル111、112によって受信されることを可能にし、検出器140がレセプタクル111、112を透過した光を測定することを可能にするように位置付けられる。幾つかの実施形態において、電熱コンポーネント120はレセプタクル111、112の下に位置する。
【0059】
レセプタクル111、112は、レセプタクル111、112、サンプルキュベット、リファレンスキュベット、サンプル、キャリア液体、及びリファレンス物質のうちの1つ以上の均一な加熱を支援するために高熱伝導率材料から形成することができる。例えば、レセプタクル111、112は、アルミニウム合金、銅、又はグラファイト等の高熱伝導率材料から形成することができる。
【0060】
高熱伝導率材料の熱伝導率は約50W/mKより大きいものとすることができる。高熱伝導率材料の熱伝導率は約100W/mKより大きいものとすることができる。
【0061】
幾つかの実施形態において、電熱コンポーネント120は、サンプルホルダ110の温度を制御可能に調整するために、ペルチエデバイス等の熱電デバイスを含む。ペルチエデバイスを、光学分光モジュール100のサンプルホルダ110とベース102との間でサンプルホルダ110に結合することができる。
【0062】
幾つかの実施形態において、電熱コンポーネント120は熱交換コンポーネント(図示せず)を備える。熱交換コンポーネントは、熱を、ペルチエデバイスの一方の側面から対向する側面に伝達して、試験サンプル及び任意のリファレンスサンプルの温度が制御されることを可能にするのを有利に支援することができる。ベース102は、例えば、サンプルホルダ110に対するヒートシンクとして働くことができる。
【0063】
幾つかの実施形態において、ベース102は、内部チャネルを通して液体が流れることを可能にする、当該内部チャネルを含むことで、電熱コンポーネント120を介して液体とサンプルホルダ110との間で熱を伝達することができる。例えば、ベース102は、水がベース102を通して流れることを可能にするように適合することができる。
【0064】
他の実施形態において、電熱コンポーネント120は、サンプルホルダ110及び熱交換コンポーネントを加熱する抵抗加熱デバイス(図示せず)を備えることができる。熱交換コンポーネントは、抵抗加熱デバイスと協働してサンプルホルダ110から熱を直接除去して、リファレンスサンプル及び試験サンプルの温度が制御されることを可能にすることができる。
【0065】
幾つかの実施形態によれば、サンプルホルダ110は支持体118を更に備える。支持体118は、光学分光計モジュール100のレセプタクル111、112とベース102との間でレセプタクル111、112に取付けられる。それにより、支持体118は、ベース102からレセプタクル111、112を分離する。
【0066】
幾つかの実施形態において、支持体118は、熱交換コンポーネントの一部として働いて、電熱コンポーネント120と支持体118を囲む環境との間の熱伝達を支援する。したがって、支持体118は、高熱伝導率材料から形成することができる。光学分光計モジュール100は2つ以上の検出器140を更に備えることができ、各検出器140は、対応するレセプタクル111、112に隣接して位置付けられ又は位置決めされて、リファレンスサンプル及び試験サンプルを透過した光を採取又は測定し、リファレンスサンプル及び1つ以上のサンプルからの同時測定を可能にし、それにより、1つ以上の試験サンプルによる光吸収レベルが同時に判定されることを可能にする。測定を同時に実施することができるため、これは、試験サンプルの光学分析を実施するために必要とされる総時間量を有利に低減することができる。
【0067】
幾つかの実施形態において、各検出器140は、その対応するレセプタクル111、112に取付けられ、リファレンスサンプルを透過した光を直接測定する。これは、検出器140とレセプタクル111、112との間に更なる光学コンポーネントが全く存在しないため、透過光の強度のいずれの損失も、有利に最小にする。サンプルホルダ110が移動せず、所定の位置に固定されるため、レセプタクル111、112に検出器140を直接取付けることは或る程度実用的である。光学分光計モジュール100において移動機構は必要ない場合があるので、光学分光計モジュール100内に検出器140を直接含む更なる空間がある。
【0068】
幾つかの実施形態において、光学分光計モジュール100は、電熱コンポーネント120に結合された温度コントローラ(図示せず)を更に備える。温度コントローラは、電熱コンポーネント120、レセプタクル111、112、及び/又はリファレンスサンプル及び試験サンプルの温度を制御及び/又は維持するように構成される。
【0069】
光学分光計モジュール100は、電熱コンポーネント120及びレセプタクル111、112の1つ以上の温度を測定する複数の温度センサを備えることもできる。熱温度コントローラが温度センサに結合されて、温度センサによって測定される温度をフィードバックシステム内で使用することができる。
【0070】
図3を参照すると、幾つかの実施形態による光学分光計モジュール100内に含まれるように適合されるサンプルホルダ310のセットが示される。各サンプルホルダ310は、リファレンスレセプタクル311及び少なくとも1つのサンプルレセプタクル312を含む。サンプルホルダ310は、共通ヒートシンク322を共有するが、その他の点ではサンプルホルダ110と同じである。4つのそのようなサンプルホルダ310が、示す実施形態において設けられ、サンプルホルダ310のうちの1つは、下にある電熱コンポーネント320を見ることを可能にするために示されない。
【0071】
リファレンスビーム及び試験ビーム(図示せず)を、提供し、それにより、それぞれ光ファイバーケーブル363及び364を介してリファレンスレセプタクル311及びサンプルレセプタクル312によって受信することができる。レセプタクル311、312は、開口315a、316aを画定して、リファレンス及び試験ビームが、レセプタクル311、312のそれぞれにおいて受取られたリファレンスキュベット及び試験サンプルキュベットに方向付けられることを可能にする。
【0072】
また、レセプタクル311、312は、光ファイバーケーブル363及び364の端365、366に結合し、端を所定の位置に固定するのを支援する凹所313b、314bを画定することができる。これは、リファレンスキュベット及びサンプルキュベットが、受信される光ビームに対して正しい整列状態で確実にかつ一貫して設置されることを有利に可能にする。これは、サンプルホルダ310が光ビームに対して移動しないため、光学分光モジュールの構造及び設計を簡略化する。
【0073】
幾つかの実施形態において、レセプタクル311、312は約45mmの高さを有する。開口315a、316a及び凹所313b、314bは、円形であり、レセプタクル311、312のベースの上の15mmに心出しすることができる。
【0074】
幾つかの実施形態において、サンプルホルダ110及びサンプルホルダ310のセットは、測定中に所定の位置に固定されるが、その他のときは取外し可能とすることができる。サンプルホルダ110、310を、例えば、ねじ、クリップ等の締結具によって、又は、所定の場所に入れる(slotting)ことによって固定することができる。サンプルホルダ110、310は、例えば、保守、修理、又は置換のために取外すことができる。
【0075】
電熱コンポーネント320は、上述した熱電デバイスである。電熱コンポーネント320の上側321は、リファレンスレセプタクル311及びサンプルレセプタクル312のベースに熱的に結合される。ヒートシンク322は、電熱コンポーネント320の下側(図示せず)に熱的に結合される。ヒートシンク322は、熱消散を支援するために電熱コンポーネントから外方に延在する複数のベーン324を備える。幾つかの実施形態において、単一電熱コンポーネント320は、全てのレセプタクル311、312の温度を制御するために使用される。
【0076】
光学分光モジュール100は、ブロワ又はファン(図示せず)を備えることもできる。ブロワは、複数のベーン324にわたって空気を方向付け、それにより、ヒートシンク322への又はヒートシンク322からの熱伝達を更に支援するように配置される。
【0077】
電熱コンポーネント120、320は、-10℃~110℃の範囲にわたってサンプルホルダ110、310の温度を調整するように適合することができる。
【0078】
また、光源モジュール(図示せず)に取外し可能に結合された光学分光計モジュール100を備える分光システムが開示される。光源モジュールはランプを含む。例えば、ランプは、最大300Hzのレートで最大0.5J/パルス(/フラッシュ)のエネルギーを有するパルス状光出力を生成することが可能である電気アークランプ等の高出力フラッシュランプとすることができる。有利には、出力光強度を、最大8つの光ビームであって、それぞれが光学分光を実施するのに十分な強度を有する、最大8つの光ビームに分割することができる。また、高出力ランプは、190nm~2500nmの波長範囲にわたる光を生成する。幾つかの実施形態において、ランプは、加圧されたキセノンガス内に収容された電極を備えるショートアークフラッシュランプとすることができる。例えば、光源モジュールは、Exelitas Technologies社によって生産された1100シリーズFX-1160ショートアークフラッシュランプを含むことができる。
【0079】
分光システムをモジュール式システムとして設けることは、異なる用途のためのモジュール間の相互交換及び相互運用を有利に可能にする。例えば、光源モジュールは、本明細書で開示される光学分光モジュール100と別の光学分光モジュールとの間で相互交換することができる。これは、共通モジュールを使用して、コストを節約する、又は、必要である場合、故障したモジュールをすぐに相互交換する柔軟性をエンドユーザに提供する。
【0080】
また、光源モジュールは、狭い波長範囲の(単色の)光ビーム150を有する出力光ビーム150を生成するモノクロメータコンポーネントを備えることができる。出力光は、例えば、0.1nm~5nmの範囲内の帯域幅を有することができる。
【0081】
幾つかの実施形態において、光源モジュールは、スリット又はアパーチャ、及び、生成される光を光ファイバー内に集束させるレンズを更に備える。光ファイバーを、その後、光学分光計モジュール100の光分配コンポーネント130内に給送することができる。
【0082】
幾つかの実施形態において、光分配コンポーネント130は、狭い波長範囲を有する(単色)光ビーム161,162を生成する1つ以上のモノクロメータコンポーネントを備える。
【0083】
分光システムは、光学分光モジュール100から光強度データを受信するように適合される計算ユニットを更に備えることができる。計算ユニットは、プロセッサを備え、プロセッサは、リファレンスサンプルからの検出された光の測定された強度を1つ以上の試験サンプルのそれぞれと比較し、それにより、1つ以上のサンプルによる光吸収レベルを判定し光吸収データを生成するように適合される。
【0084】
図4を参照すると、幾つかの実施形態による光学分析方法400を示すフローチャートが示される。方法400は、410にて、光学分光計モジュール100で光150を受信することを含む。方法400は、420にて、光学分光計モジュール100の光分配コンポーネント130によって、受信された光150を2つ以上の光ビーム161、162に分配することを更に含む。サンプルホルダ110、310内のレセプタクル111、311、112、312によって受取られるリファレンス及び1つ以上の試験サンプルは、430にて、光ビーム161、162に同時に曝露される。方法400は、440にて、対応する検出器140によって、リファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルのそれぞれに関連する光の特性を同時に測定することを更に含む。例えば、光の強度を同時に測定することができる。
【0085】
リファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルに関連する光は、例えば、リファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルを透過しているものとすることができる。
【0086】
方法400は、450にて、リファレンスに関連する光の測定された特性を、1つ以上の試験サンプルに関連する光の測定された特性と比較することによって、1つ以上の分析物が1つ以上の試験サンプル内に存在することを判定することを含むこともできる。これは、例えば、リファレンスに関連する光の測定された強度を、1つ以上の試験サンプルに関連する光の測定された強度で割ることによって実施することができる。
【0087】
幾つかの実施形態において、方法400は、リファレンス材料、サンプル、又はキュベットが全く存在しない状態で各レセプタクル111、311、112、312において2つ以上の光ビーム161、162を受信することを含む。各レセプタクル111、311、112、312を通過する光の強度は、その後、対応する検出器140によって測定される。サンプル測定についてのベースラインは、サンプルが設置されることになるレセプタクルについて取得される測定値を、リファレンスとして使用されるレセプタクルからの測定値で割ることによって判定することができる。
【0088】
リファレンス及び1つ以上の試験サンプルに関連する光の測定される特性の比較は、測定される特性がコンピューティングデバイスによって受信された後にコンピューティングユニットによってデジタル的に実施することができる。代替的に、比較は、適切な電子回路及びデバイスを通してアナログ方式で実施することができる。
【0089】
幾つかの実施形態において、方法400は、異なる波長で曝露すること(430)及び測定すること(450)を繰返して、リファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルのそれぞれについて特徴スペクトルを同時に取得することを含む。例えば、特徴スペクトルは強度スペクトルとすることができる。
【0090】
サンプルホルダ110、310を、サンプル測定120、320中に所定の温度の動作マージン以内に維持することができる。温度を、電熱コンポーネント120、320によってサンプルホルダ110、310を制御可能に加熱することによって維持することができる。
【0091】
動作マージンは、0.05°~5°の範囲内とすることができる。例えば、測定温度は所定の温度の0.05°以内とすることができる、又は、所定の温度の2°以内とすることができる。動作マージンは、光学分光計モジュール100の用途に依存する、例えば、動作マージンは、実験の温度敏感性又は温度に対するサンプルによる吸収の敏感性に依存する場合がある。
【0092】
光ビーム161、162は、狭い帯域幅の(単色の)波長を有する光を含む。受信される光150は単色とすることができる。しかし、幾つかの実施形態において、方法400は、広帯域光として光150を受信すること及び光分配コンポーネント130によって単色光ビーム161、162を生成することを含む。
【0093】
また、方法400は、或る範囲の異なる所定の温度にわたって繰返されて、その範囲の温度にわたって1つ以上の試験サンプルについて、同時に、測定される強度を取得し光吸収データを判定することができる。例えば、リファレンスサンプル及び試験サンプルの温度を、連続的に又は周期的に変更することができ、測定は、温度が所定の温度の動作マージン以内であるときに行われ得る。
【0094】
図5を参照すると、幾つかの実施形態による光学分光モジュール500が示される。光学分光モジュール500は、単一サンプルホルダ510及び支持体518を備えることができる。サンプルホルダ510は、レセプタクル511、512を画定する。支持体518は、サンプルホルダ510に取付けられ、サンプルホルダ510を、光学分光計モジュール500内の光分配コンポーネント530に対する固定位置に位置付けることができる。
【0095】
支持体518は、電熱コンポーネント520に結合された上述した熱交換コンポーネント(図示せず)として働くこともできる。
【0096】
幾つかの実施形態において、サンプルホルダ510と支持体518との間の熱伝達を制限するために、支持体518は、低熱伝導率材料から形成することができる。これらの実施形態において、電熱コンポーネント520を、上述した別個の熱交換コンポーネントに結合することができる。
【0097】
図6を参照すると、幾つかの実施形態による光学分光計モジュール600が示される。光学分光計モジュール600は、2つ以上のレセプタクル611、612を備え、光分配コンポーネント630は、光ビーム661、662を提供するように構成されるビーム分割ミラー631のネットワークを備える。各ビーム分割ミラー631は、入射光ビーム650を受信し、入射ビームの強度を2つの出射ビーム663、664に同等に分割することができる。ビーム分割ミラー631のネットワークは、n+1の光ビーム661、662を生成する。ここで、nはビーム分割ミラー631の数である。ビーム分割ミラーは、レンズの使用と比較して、最小の色収差を有する光ビーム661、662を有利に提供する。
【0098】
ビームスプリッタの注意深い整列が、上述したレセプタクル111、112、511、512と同一であるレセプタクル611、612に光ビーム661、662を方向付けるために必要とされる。サンプルホルダ110、310、510(図示せず)は、上述したレセプタクル611、612を画定することができる又は備えることができる。
【0099】
当業者には、本開示の広い全体的な範囲から逸脱することなく、上述した実施形態に対して多数の変形及び/又は変更を行うことができることが理解されよう。したがって、本実施形態は、全ての点において、限定的ではなく例示的なものとしてみなされるべきである。
なお、出願当初の特許請求の範囲の記載は以下の通りである。
請求項1:
光源からの光を光学分光計モジュールで受信することと、
前記光学分光計モジュールの光分配コンポーネントによって、前記受信された光を2つ以上の光ビームに分配することと、
リファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルのそれぞれを、前記2つ以上の光ビームのうちの1つの光ビームに同時に曝露することと、
対応する検出器によって、前記リファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルのそれぞれに関連する光の特性を同時に測定することと、
を含む、光学分析方法。
請求項2:
前記リファレンスに関連する光の前記測定された特性を前記1つ以上の試験サンプルに関連する光の前記測定された特性と比較することによって、前記1つ以上の試験サンプル内に存在する1つ以上の分析物を判定することを更に含む、請求項1に記載の光学分析方法。
請求項3:
異なる波長で曝露すること及び測定することを繰返して、前記リファレンスサンプル及び前記1つ以上の試験サンプルのそれぞれについて特徴スペクトルを同時に取得することを更に含む、請求項1又は2に記載の光学分析方法。
請求項4:
前記分離させることは、前記光分配コンポーネントの光ファイバー束において光を受信することを含み、前記光ファイバー束は2つ以上の光ファイバーを備え、各光ファイバーは、
第1の端であって、前記受信された光が該第1の端のそれぞれにおいて受信されることを可能にするように、前記光ファイバーが互いに近接する、第1の端と、
前記光ファイバーが互いから分離される第2の端と、
を備え、
前記光は、前記第1の端で受信され、前記第2の端に方向付けられ、前記第2の端のそれぞれは、対応するレセプタクルによって受信されるため、前記受信された光は各レセプタクルに分配される、請求項1~3のいずれか1項に記載の光学分析方法。
請求項5:
前記光は第1のレンズを介して前記光ファイバーの前記第1の端において受信される、請求項4に記載の光学分析方法。
請求項6:
前記光は光学混合ファイバーを介して前記第1の端において受信される、請求項4又は5に記載の光学分析方法。
請求項7:
2つ以上のサンプルセルは、2つ以上のレセプタクルを画定するサンプルホルダによって、前記光分配コンポーネントに対して固定ロケーションで受取られ位置決めされ、前記リファレンスサンプル及び前記1つ以上の試験サンプルは別個のサンプルセル内に収容される、請求項1~6のいずれか1項に記載の光学分析方法。
請求項8:
各レセプタクルは、側壁によって画定される開口を通して光ビームを受信し、
前記レセプタクルを透過した光は、前記開口に対向する側壁によって画定される出口を通して前記レセプタクルを去って、前記透過した光が前記対応する検出器によって測定されることを可能にする、請求項7に記載の光学分析方法。
請求項9:
前記光ファイバーの前記第2の端は前記開口において受取られる、請求項8に従属する場合の請求項4又は5に記載の光学分析方法。
請求項10:
前記リファレンスサンプル及び前記1つ以上の試験サンプルのそれぞれは、第2のレンズを介して前記2つ以上の光ビームに曝露される、請求項4~9のいずれか1項に記載の光学分析方法。
請求項11:
前記分離させることは、前記2つ以上の光ビームを提供するように前記受信された光を分割することによって、前記受信された光が前記光分配コンポーネントのビームスプリッタのネットワークによって分配されることを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の光学分析方法。
請求項12:
前記受信された光は単色である、請求項1~11のいずれか1項に記載の光学分析方法。
請求項13:
前記光学分光計モジュール内の1つ以上のモノクロメータによって、前記受信された光の帯域幅を制限して、前記リファレンスサンプル及び前記1つ以上の試験サンプルが曝露される単色光を生成することを更に含む、請求項1~11のいずれか1項に記載の光学分析方法。
請求項14:
前記リファレンスサンプル及び前記1つ以上の試験サンプルは、1mm~3mmの範囲内のビームスポット径を有する光ビームに曝露される、請求項1~13のいずれか1項に記載の光学分析方法。
請求項15:
前記測定される光の特性は光の強度である、請求項1~14のいずれか1項に記載の光学分析方法。
請求項16:
前記測定することは、所定の温度で行われる、請求項1~15のいずれか1項に記載の光学分析方法。
請求項17:
各サンプルセルは、前記レセプタクルの上方端のセル開口で受取られ、前記セル開口は、前記光ビームを受信する前記開口及び前記出口に対して異なるロケーションに位置する、請求項8に記載の光学分析方法。
請求項18:
液体サンプルを分析する光学分光計モジュールであって、
光源から光を受信し、2つ以上の光ビームを同時に提供するために、前記受信された光を分配するように適合される光分配コンポーネントと、
2つ以上のレセプタクルを画定するサンプルホルダであって、
前記光分配コンポーネントに対する固定ロケーションにおいて2つ以上のサンプルセルを受取り、再現性よく位置決めし、
前記2つ以上の光ビームを同時に受信し、それにより、前記2つ以上のサンプルセル内に収容されるリファレンスサンプル及び1つ以上の試験サンプルが、前記受信される光に同時に曝露されることを可能にし、
前記サンプルセル内に収容される前記リファレンスサンプル及び前記1つ以上の試験サンプルを透過した光が前記レセプタクルを出ることを可能にする、
ように適合される、サンプルホルダと、
2つ以上の検出器と、
を備え、それぞれの検出器は、1つのレセプタクルに隣接して位置して、サンプルを透過した光を測定し、前記リファレンスサンプル及び前記1つ以上のサンプルからの同時測定を可能にして、前記1つ以上のサンプルによる光吸収レベルが判定されることを可能にする、光学分光計モジュール。
請求項19:
各レセプタクルは少なくとも1つの側壁を備え、該側壁は、
前記2つ以上の光ビームのうちの1つの光ビームを受信するように適合される開口と、
サンプルを透過した光が前記2つ以上の検出器によって測定されることを可能にするために前記開口に対向して位置決めされた出口と、
を画定する、請求項18に記載の光学分光計モジュール。
請求項20:
前記光分配コンポーネントは、2つ以上の光ファイバーを備える光ファイバー束を備え、各光ファイバーは、
第1の端であって、前記受信された光が前記第1の端のそれぞれにおいて受信されることを可能にするように、前記光ファイバーの側壁が互いに近接する、第1の端と、
前記光ファイバーが互いから分離される第2の端と、
を備え、
前記第1の端のそれぞれは前記光を受信して、前記光ファイバーの前記第2の端のそれぞれにわたって前記光を分配し、前記第2の端のそれぞれは、前記レセプタクルのうちの1つのレセプタクルによって受信され、それにより、各レセプタクルが前記2つ以上の光ビームのうちの1つの光ビームを受信することを可能にする、請求項18又は19に記載の光学分光計モジュール。
請求項21:
光を前記第1の端上に集束させるために前記第1の端に光学的に結合された第1のレンズを更に備える、請求項20に記載の光学分光計モジュール。
請求項22:
各光ファイバーの前記第1の端は、前記開口の対応するレセプタクルによって受取られる、請求項19に従属する場合の請求項20又は21に記載の光学分光計モジュール。
請求項23:
前記第2の端のそれぞれは、第2のレンズに光学的に結合される、請求項20~22のいずれか1項に記載の光学分光計モジュール。
請求項24:
前記光分配コンポーネントは、前記光源からの光を受信し、2つ以上の光ビームを提供するために、前記受信された光を分割するように適合されるビームスプリッタのネットワークを備える、請求項18~23のいずれか1項に記載の光学分光計モジュール。
請求項25:
前記光分配コンポーネントは、前記2つ以上の光ビームが実質的に等しい強度を有するように前記受信された光を均等に分割する、請求項18~24のいずれか1項に記載の光学分光計モジュール。
請求項26:
前記サンプルホルダ及び前記レセプタクルは、所定の位置に固定される、請求項18~25のいずれか1項に記載の光学分光計モジュール。
請求項27:
各レセプタクルは、前記サンプルセルを受取るために前記レセプタクルの上方端にセル開口を画定する、請求項18~26のいずれか1項に記載の光学分光計モジュール。
請求項28:
前記レセプタクルで受信される光ビームに、1mm~3mmの範囲内のビームスポット径を提供するように構成される、請求項18~27のいずれか1項に記載の光学分光計モジュール。
請求項29:
前記光分配コンポーネントは、前記2つ以上の光ビームのそれぞれについて、単色光を生成するために2つ以上のモノクロメータを備える、請求項18~28のいずれか1項に記載の光学分光計モジュール。
請求項30:
前記サンプルホルダは電熱コンポーネントに結合される、請求項18~29のいずれか1項に記載の光学分光計モジュール。
請求項31:
請求項18~30のいずれか1項に記載の光学分光計モジュールと、
電気アークランプを備える光源モジュールと、
を備え、
前記光学分光計モジュール及び前記光源モジュールは、互いに取外し可能に接続されるように適合され、それにより、前記光源からの光が、前記光学分光モジュールによって受信されることを可能にする、分光システム。
請求項32:
前記光源は、単色光を前記光学分光モジュールに提供するためにモノクロメータコンポーネントを更に備える、請求項31に記載の分光システム。
請求項33:
前記リファレンスサンプルからの検出された光の測定された強度を前記1つ以上のサンプルのそれぞれと比較し、それにより、前記1つ以上のサンプルのそれぞれにおいて分析物の濃度を判定するように適合される計算ユニットを更に備える、請求項31又は32に記載の分光システム。