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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】低電圧レギュレータ
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20220915BHJP
   H01L 21/8234 20060101ALI20220915BHJP
   H01L 27/06 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
G05F1/56 310F
H01L27/06 102A
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2020511480
(86)(22)【出願日】2018-08-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 US2018048145
(87)【国際公開番号】W WO2019046192
(87)【国際公開日】2019-03-07
【審査請求日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】15/693,028
(32)【優先日】2017-08-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591025439
【氏名又は名称】ザイリンクス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】XILINX INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】イッピリ, シャラト バブ
【審査官】東 昌秋
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-30334(JP,A)
【文献】特開2009-3660(JP,A)
【文献】米国特許第9684325(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/56
H03F 1/00 - 3/72
H01L 21/8232-21/8238
H01L 27/00 -27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)参照電圧(106)および出力電圧に基づくフィードバック電圧(141)を受信し、増幅された信号(121)を生成するように構成される、第1の差動オペアンプ(120)と、
(b)第2の回路(110)であって、
供給バスに結合される対応するソース端子と、第1の接続ノード(138)に共通に結合される対応するゲート端子とを有する、第1のP型金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタ(111)および第2のPMOSトランジスタ(112)と、
第1のゲート端子と、第1のソース端子と、第1のドレイン端子(136)とを有する第1のN型金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタ(113)であって、前記第1のゲート端子は、前記フィードバック電圧(141)を受信するように結合され、前記第1のドレイン端子(136)は、前記第1のPMOSトランジスタ(111)のドレインノードに結合され、前記第1のソース端子は、テール電流ノード(134)に結合される、第1のNMOSトランジスタ(113)と、
第2のゲート端子と、第2のソース端子と、第2のドレイン端子とを有する第2のNMOSトランジスタ(114)であって、前記第2のゲート端子は、前記参照電圧(106)を受信するように結合され、前記第2のドレイン端子(137)は、前記第2のPMOSトランジスタ(112)のドレインノードに結合され、前記第2のソース端子は、前記テール電流ノード(134)に結合される、第2のNMOSトランジスタ(114)と、
前記第1の接続ノード(138)と前記第1のドレイン端子(136)との間に結合される第1の抵抗器(116)と、
前記第1の接続ノード(138)と前記第2のドレイン端子(137)との間に結合される第2の抵抗器(117)と、
前記テール電流ノード(134)に結合される第3のドレイン端子と、前記増幅された信号(121)を受信するように構成される第3のゲート端子(149)とを有する電流源トランジスタ(115)と
を備える、第2の回路(110)と、
(c)出力電圧ノード(140)での前記出力電圧(150)を提供するように、および、前記第1の接続ノード(138)からのゲーティング電圧出力(148)を受信するように構成されるドライバトランジスタ(104)と、
(d)前記第1の接続ノード(138)と前記テール電流ノード(134)との間に接続される第1のコンデンサ(135)と
を備える、電圧レギュレーションのための集積回路。
【請求項2】
前記第1の差動オペアンプ(120)の出力ノード(132)と、前記第3のゲート端子(149)との間に結合される第3の抵抗器(125)をさらに備える、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記第1の差動オペアンプ(120)の出力ノード(132)と、前記電流源トランジスタ(115)のゲートノード(149)との間に結合される抵抗器(125)をさらに備える、請求項1に記載の集積回路。
【請求項4】
第2のコンデンサ(145)に直列で接続される第4の抵抗器(124)を有するフィルタをさらに備え、前記フィルタは、前記第1の差動オペアンプ(120)の出力ノード(132)と、接地バス(102)との間に結合される、請求項1に記載の集積回路。
【請求項5】
前記ドライバトランジスタ(104)は、FinFETトランジスタ(104)を備える、請求項3に記載の集積回路。
【請求項6】
前記出力電圧ノード(140)と接地バス(102)との間に接続され、前記フィードバック電圧(141)を前記出力電圧(150)の分割成分として提供するように構成される抵抗器ラダー(107)をさらに備える、請求項3に記載の集積回路。
【請求項7】
前記出力電圧(150)は、前記フィードバック電圧(141)である、請求項3に記載の集積回路。
【請求項8】
前記ドライバトランジスタ(104)または前記電流源トランジスタ(115)は、マルチゲートトランジスタである、請求項3に記載の集積回路。
【請求項9】
バイアス電圧(156)を前記第1の差動オペアンプ(120)に提供するように構成される自己バイアス回路(155)をさらに備える、請求項3に記載の集積回路。
【請求項10】
(a)参照電圧(106)および出力電圧に基づくフィードバック電圧(141)を受信し、第1の増幅された信号(121)を生成するための、第1の差動オペアンプ(120)を設けることと、
(b)前記参照電圧(106)および前記フィードバック電圧(141)を受信するように、第2の回路(110)を構成することであって、
第1のP型金属酸化物半導体(PMOS)トランジスタ(111)および第2のPMOSトランジスタ(112)を設け、前記第1および第2のPMOSトランジスタの対応するソース端子を供給バスに結合し、対応するゲート端子を第1の接続ノード(138)に結合することと、
第1のゲート端子と、第1のソース端子と、第1のドレイン端子(136)とを有する第1のN型金属酸化物半導体(NMOS)トランジスタ(113)を設け、前記第1のゲート端子を、前記フィードバック電圧(141)を受信するように結合し、前記第1のドレイン端子(136)を、前記第1のPMOSトランジスタ(111)のドレインノードに結合し、前記第1のソース端子を、テール電流ノード(134)に結合することと、
第2のゲート端子と、第2のソース端子と、第2のドレイン端子とを有する第2のNMOSトランジスタ(114)を設け、前記第2のゲート端子を、前記参照電圧(106)を受信するように結合し、前記第2のドレイン端子(137)を、前記第2のPMOSトランジスタ(112)のドレインノードに結合し、前記第2のソース端子を、前記テール電流ノード(134)に結合することと、
前記第1の接続ノード(138)と前記第1のドレイン端子(136)との間に第1の抵抗器(116)を結合することと、
前記第1の接続ノード(138)と前記第2のドレイン端子(137)との間に第2の抵抗器(117)を結合することと、
第3のドレイン端子と、第3のゲート端子とを有する電流源トランジスタ(115)を設け、前記第3のドレイン端子を、前記テール電流ノード(134)に結合し、前記第3のゲート端子(149)を、前記増幅された信号(121)を受信するように結合することと
を備える、第2の回路(110)を構成することと、
(c)出力電圧ノード(140)での前記出力電圧(150)を提供し、前記第1の接続ノード(138)からのゲーティング電圧出力(148)を受信するように、ドライバトランジスタ(104)を構成することと、
(d)前記第1の接続ノード(138)と前記テール電流ノード(134)との間に第1のコンデンサ(135)を接続することと
を備える、方法。
【請求項11】
前記第1の差動オペアンプ(120)の出力ノード(132)と、前記第3のゲート端子(149)との間に抵抗器(125)を結合することをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記出力電圧(150)を、前記フィードバック電圧(141)として提供するために、前記出力電圧の分割成分に低減することをさらに備える、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
後に続く説明は、集積回路デバイス(「IC」)に関係する。より詳しくは、後に続く説明は、ICに対する低電圧レギュレーションに関係する。
【背景技術】
【0002】
集積回路は、経時的に、より「高密度」になってきており、すなわち、より多くの論理特徴が、10ナノメートル以下の特徴サイズなどの、ますますより小さいプロセスノードを有することにより、与えられたサイズのICにおいて実装されてきた。中でもMuGFETなどのマルチゲートトランジスタは、十分な電流密度を有し、一方で、パワー消費を低減するために、低電圧で動作する。しかしながら、このことは、供給電圧をマルチゲートトランジスタレベルに至るまでレギュレートしなければならないことを意味した。低電圧をレギュレートすることは、小さい電圧変動にさえ敏感である、そのような小さいトランジスタの、信頼性の高い動作に対する「滑らかな」十分な電圧を提供することに関して問題をはらむ。ゆえに、高められた低電圧レギュレーションを有するICを提供することが望ましい。
【0003】
様々な電圧レギュレーションシステムが、背景技術において知られている。例えば、米国特許第9,684,325号において、Rasmusは、フィードバック回路を使用して、参照電圧とフィードバック電圧との間の差を低減する方向で、第1のパス要素の抵抗を調整することであって、第1のパス要素は、電圧レギュレータの入力と出力との間に結合され、フィードバック電圧は、電圧レギュレータの出力での電圧に等しい、または比例する、第1のパス要素の抵抗を調整することを含む、電圧レギュレーションのための方法を開示している。
【発明の概要】
【0004】
集積回路は、一般的には電圧レギュレーションに関係する。そのような集積回路において、第1の利得を有する第1の差動オペアンプが、参照電圧およびフィードバック電圧を受信するように構成される。第1の利得未満の第2の利得を有する第2の差動オペアンプが、参照電圧およびフィードバック電圧を受信するように構成される。ドライバトランジスタが、出力電圧ノードでの出力電圧を提供するように、および、第2の差動オペアンプからのゲーティング電圧出力を受信するように構成される。第1の差動オペアンプの差動出力が、第2の差動オペアンプの電流源トランジスタをゲーティングするために構成される。コンデンサが、ドライバトランジスタおよび電流源トランジスタに接続される。
【0005】
いくつかの実施形態では、集積回路は、第1の差動オペアンプの出力ノードと、電流源トランジスタのゲートノードとの間に結合される抵抗器をさらに含み得る。
【0006】
いくつかの実施形態では、コンデンサは、ドライバトランジスタのゲートノード、および、電流源トランジスタのドレインノードに接続され得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、集積回路は、第1の差動オペアンプの出力ノードと、電流源トランジスタのゲートノードとの間に結合される抵抗器をさらに含み得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、集積回路は、第1の差動オペアンプの出力ノードと、接地バスとの間に結合されるハイパスフィルタをさらに含み得る。
【0009】
いくつかの実施形態では、第1の差動オペアンプは、差動フォールデッドカスコードオペアンプであり得る。
【0010】
いくつかの実施形態では、第2の差動オペアンプは、単一段差動オペアンプであり得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、集積回路は、出力電圧ノードと接地バスとの間に接続される抵抗器ラダーをさらに含み得るものであり、フィードバック電圧を出力電圧の分割成分(fraction)として提供するように構成され得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、出力電圧は、フィードバック電圧であり得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、ドライバトランジスタは、マルチゲートトランジスタであり得る。
【0014】
いくつかの実施形態では、電流源トランジスタは、マルチゲートトランジスタであり得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、第1の利得は、第2の利得より少なくとも80倍大きいものであり得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、集積回路は、バイアス電圧を第1の差動オペアンプに提供するように構成される自己バイアス回路をさらに含み得る。
【0017】
方法は、一般的には電圧レギュレーションに関係する。そのような方法において、第1の利得を有する第1の差動オペアンプが、参照電圧およびフィードバック電圧を受信する。第2の利得を有する第2の差動オペアンプが、参照電圧およびフィードバック電圧を受信する。第2の利得は、第1の利得未満である。ドライバトランジスタが、出力電圧ノードでの出力電圧を生成する。この生成に対して、ドライバトランジスタは、第2の差動オペアンプからのゲーティング電圧出力を受信し、負荷電流が、出力電圧を提供するために、ドライバトランジスタのチャネルを横切って、出力電圧ノードに接続されるドライバトランジスタのドレインノードに対して供給される。第2の差動オペアンプの電流源トランジスタが、第1の差動オペアンプの差動出力に応答的にゲーティングされる。ドライバトランジスタのゲートノードでのゲーティング電圧が、ドライバトランジスタのゲートノードと、電流源トランジスタのドレインノードとの間に接続されるコンデンサによって抑制をされる(dampened)。
【0018】
いくつかの実施形態では、抑制をすることは、コンデンサを、100キロヘルツより大きい出力電圧での周波数成分に応答的に、低インピーダンス状態で置くことを含み得る。
【0019】
いくつかの実施形態では、出力電圧は、0.8から1.2ボルトのレンジ内であり得るものであり、負荷電流は、3から25ミリアンペアのレンジ内であり得る。
【0020】
いくつかの実施形態では、抑制をすることは、第1の抑制をすることであり、方法は、ドライバトランジスタのゲートノードでのゲーティング電圧について、第1の差動オペアンプの出力ノードと、電流源トランジスタのゲートノードとの間に接続される抵抗器によって第2の抑制をすることをさらに含み得る。
【0021】
いくつかの実施形態では、第2の抑制をすることは、100キロヘルツ未満である出力電圧での周波数成分に応答的であり得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、方法は、出力電圧を、フィードバック電圧として提供するために、その出力電圧の分割成分に低減することをさらに含み得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、方法は、バイアス電圧を自己バイアス回路によって生成し、第1の差動オペアンプをバイアス電圧によってバイアスすることをさらに含み得る。
【0024】
他の特徴は、後に続く詳細な説明および特許請求の範囲の考察から認識されるであろう。
【0025】
付随する図面は、例示的な装置および/または方法を示す。しかしながら、付随する図面は、特許請求の範囲の範囲を制限すると解されるべきではなく、解説および理解のみのためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】例示的な電圧レギュレータを図示する概略線図である。
図2】別の例示的な電圧レギュレータを図示する概略線図である。
図3-1】「dc」ドメインに対する、図2の電圧レギュレータに対する概略線図である。
図3-2】「ac」ドメインに対する、図2の電圧レギュレータに対する概略線図である。
図4】例示的な自己バイアス回路を図示する概略線図である。
図5図1の電圧レギュレータに対する出力への信号経路を指示するための、図1の概略線図の単純化されたバージョンの図である。
図6】例示的な電圧レギュレーションフローを図示するフロー線図である。
図7】例示的な列状フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)アーキテクチャを図示する、単純化されたブロック線図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
後に続く説明では、数多くの具体的な詳細が、本明細書で説明される具体的な例の、より徹底した説明を提供するために論述される。しかしながら、1つもしくは複数の他の例、および/または、これらの例の変形形態が、下記で与えられるすべての具体的な詳細がなくとも実践され得るということが、当業者には明白であるはずである。他の実例では、よく知られている特徴は、本明細書での例の説明を不明瞭にしないように、詳細には説明されていない。例解をしやすいように、同じ番号標示が、同じ項目を指すために、異なる線図において使用されるが、代替的な例では、項目は異なることがある。
【0028】
例示的な装置および/または方法が、本明細書で説明される。単語「例示的な」は、本明細書では、「例、実例、または例解として役立つ」を意味するように使用されるということが理解されるべきである。「例示的な」と本明細書で説明されるいかなる例または特徴も、必ずしも、他の例または特徴にまさって、好まれる、または有利であると解釈されることにはならない。
【0029】
いろいろな図で例解的に図示される例を説明する前に、全体的な紹介を、さらなる理解のために提供する。
【0030】
10ナノメートル以下の半導体プロセスノードに対して、マルチゲートトランジスタは、例えば1.2ボルト以下でのVddなどの供給電圧レベルによって動作させられる。このことは、そのような低電圧レベルのオンチップまたはオンダイ電圧レギュレーションが、動的負荷の小さい変化にさえ応答しなければならないということを意味し、そのことは、電圧のレギュレーションに影響を及ぼす、供給電圧ノイズ、参照電圧ノイズもしくは変化、または他の状況に対処することに加えてのものであり得る。なおまた、トランジスタスイッチングなどの動的負荷投入状況に対して、電流負荷は動的である。動的電流負荷投入状況に加えて、負荷電流のレンジは、より小さい半導体プロセスノードとともに数において増大する傾向にある、より大きい数の回路構成要素に給電するために広範であり得る。
【0031】
それらの道筋に沿って、2つの制御ループを有する電圧レギュレータが説明される。これらの制御ループのうちの一方は、一般的には「高利得スロー」ループと特色を描写され得るものであり、これらの制御ループのうちの他方は、一般的には「低利得ファスト」ループと特色を描写され得る。「高利得スロー」ループは、「低」周波数レンジまたは「dc」ドメイン内で電圧成分をレギュレートするために使用され、「低利得ファスト」ループは、「高」周波数レンジまたは「ac」ドメイン内で電圧成分をレギュレートするために使用される。
【0032】
「高利得スロー」ループは、「低利得ファスト」ループの差動オペアンプの能動負荷または電流源を駆動するための、抑制抵抗器を伴う、高利得を伴う差動オペアンプを含む。「低利得ファスト」ループの差動オペアンプは、出力電圧を駆動するためのドライバ回路に直接的に接続され、そのことは、そのようなドライバ回路を駆動するために「低利得ファスト」ループの差動オペアンプに電流駆動を提供する「高利得スロー」ループの差動オペアンプと対比されることになる。「低利得ファスト」ループの差動オペアンプは、低利得を有し、そのような低利得差動オペアンプ内への即時フィードバック経路を提供して、例えば供給電圧および/または出力電圧での「ac」ドメイン成分に迅速に応答するように結合されるコンデンサを有する。
【0033】
上記の全体的な理解を念頭に置いて、電圧レギュレーションに対する様々な構成が、下記で全体的に説明される。
【0034】
図1は、例示的な電圧レギュレータ100を図示する概略線図である。この例では、電圧レギュレータ100は、初めと終わりを含めて0.8から1.2ボルトのレンジ内で電圧をレギュレートするためのものである。しかしながら、他の例実装形態では、0.8ボルト未満の値を含む、他の電圧値が使用され得る。明確性の目的で、「低」電圧により、本明細書で使用される際に、一般的には、1.2ボルト(「V」)以下の電圧が意味される。
【0035】
電圧レギュレータは、「低利得」段に結合される「高利得」段を含む。用語「高利得」および「低利得」は、互いに相対的に使用され、用語「高」利得および「低」利得に対する例は、追加的に詳細に下記で説明される。
【0036】
この例実装形態では、差動演算増幅器(「オペアンプ」)110が、「低利得」段に対する「低利得」増幅器として使用される。より詳しくは、差動オペアンプ110は、能動負荷を伴う単一段差動オペアンプであり得る。差動オペアンプ110は、追加的に詳細に下記で説明される理由で「ポストドライバ」回路とみなされ得る。差動オペアンプ110が、この例実装形態で図示されるものの、「低利得」段は、本明細書で説明されるような低電圧のための、ダイオード接続負荷回路、ソースフォロワ回路、または他の「低利得」回路によって実装され得る。例実装形態を参照して説明される値またはレンジは、必ずしも、他の実装形態では使用されない。
【0037】
電圧レギュレータ100は、制限ではなく明確性の目的で、追加的に詳細に下記で別々に説明される、任意選択の自己バイアス回路155を含み得る。それらの道筋に沿えば、バイアシング電流またはバイアシング電圧が、半導体集積回路ダイ外部源を使用するよりむしろ、電圧レギュレータ100を参照して内部的にオンダイで提供され得る。事実上、自己バイアス回路155は、バイアス電圧156を差動オペアンプ120に提供することにより、電圧レギュレータ100をターンオンまたはスタートアップするために使用され得る。
【0038】
この例実装形態では、差動オペアンプ120が、「高利得」段に対する「高利得」増幅器として使用される。より詳しくは、差動オペアンプ120は、差動フォールデッドカスコードオペアンプであり得る。差動オペアンプ120は、追加的に詳細に下記で説明される理由で「プリドライバ」回路とみなされ得る。例では、差動オペアンプ120は、制限ではなく明確性の目的で、図1で示されないが、供給バス101上の供給電圧レベルと、接地バス102上の接地電圧レベルとの間でバイアスされるように結合され得る。しかしながら、この例では、自己バイアス回路155からのバイアス電圧156が、供給電圧レベルを差動オペアンプ120に提供するために使用され、かくして、差動オペアンプ120は、バイアス電圧156の供給電圧レベルと、接地バス102上の接地電圧レベルとの間でバイアスされるように結合され得る。
【0039】
この例実装形態ではFinFETであるマルチゲートトランジスタ104は、供給バス101に接続されるソースノードと、出力電圧ノード140に接続されるドレインノードとを有する。FinFET104は、ゲーティング電圧148を受信して、FinFET104のチャネルを横切る負荷電流105を連続的に駆動するが、負荷電流105のレンジは、FinFET104のチャネルにより制限され、FinFET104のゲートノードに印加されるそのようなゲーティング電圧148によりレギュレートされる。別の例では、異なる型のマルチゲートトランジスタが使用され得るが、非制限的な例としての明確性の目的で、電圧レギュレータ100を参照して説明されるすべてのトランジスタは、別段に指定されない限りFinFETであるということが想定されるものとする。差動オペアンプ120のトランジスタは、制限ではなく明確性の目的で、特に示されないが、差動オペアンプ120のトランジスタは、同じようにFinFETであり得る。
【0040】
FinFET104は、負荷電流105を駆動するために結合される出力ドライバ回路である。負荷電流105は、供給バス101からFinFET104のチャネルを横切って出力電圧ノード140に供給され得る。FinFET104は、負荷電流105および出力電圧150を、負荷103として全体的に指示される他の回路網に提供するために使用され得る。負荷103は、その負荷103が見せかけのものであるということを指示するために点線により全体的に指示されるように、電圧レギュレータ100の一部ではない。
【0041】
電圧レギュレータ100は、「オンダイ」電圧レギュレータであり得る。よって、負荷103は、レギュレートされる供給電圧または他のレギュレートされる電圧が、電圧レギュレータ100により供給される際に使用される、他の回路網とともに、同じ集積回路ダイ内にあり得る。負荷103は、かくして、電圧レギュレータ100が配置される同じ集積回路ダイ内の他の回路網を全体的に表す。
【0042】
FinFET104は出力ドライバ回路であるので、FinFET104のチャネル区域は、例えば、差動オペアンプ110のいずれのFinFETのチャネル区域よりも実質的に大きい。この例では、FinFET104は、0.8Vから1.2Vのレンジ内の出力電圧(「Vout」)150に対して、初めと終わりを含めて3から25ミリアンペアのレンジ内で負荷電流105を駆動するためのものである。FinFET104は、差動オペアンプ110のFinFETより14から18倍大きくあり得る。加うるに、この実装形態に対して、供給バス101上のVdd電圧レベルは、初めと終わりを含めて1.35Vから1.65Vのレンジ内であり得る。
【0043】
この例では、FinFET104は、PMOSドライバ回路である。それらの道筋に沿えば、ネガティブフィードバック経路が、PMOS FinFETを使用する電圧プルアップによって、NMOS FinFETに入力を提供するために使用される。
【0044】
上記の説明を念頭に置いて、電圧レギュレータ100が、さらに説明される。差動オペアンプ110は、PMOSトランジスタ111および112と、抵抗器116および117と、NMOSトランジスタ113ないし115とを含む。あらためて、差動オペアンプ110のトランジスタ111ないし115は、すべて、FinFETまたは他のマルチゲートトランジスタであり得る。なおまた、トランジスタ111ないし115は、すべて、10ナノメートル以下の半導体プロセスノードを使用して形成され得る。
【0045】
PMOS FinFET111および112は、供給バス101に結合される、それらのPMOS FinFETのソースノードを有する。PMOS FinFET111および112のゲートノードは、ゲーティング電圧148を提供するために、ゲートバイアスノード138で互いに共通に接続される。さらにまた、PMOS FinFET104のゲートノードが、ゲートバイアスノード138に接続される。PMOS FinFET111のドレインノードが、フィードバック側ノード136に接続され、PMOS FinFET112のドレインノードが、参照側ノード137に接続される。
【0046】
抵抗R2を有する抵抗器116が、ノード136と138との間に接続され、抵抗R2を有する抵抗器117が、ノード137と138との間に接続される。抵抗器116および117は、厳密に等しい抵抗ではないにしても少なくともほぼ等しい抵抗の線形抵抗器であり得る。抵抗器116および117の組み合わされた実効抵抗は、抵抗R3であり得る。抵抗器116および117の値は、異なる量の負荷電流に対して、目標出力電圧150に対してレギュレートするゲーティング電圧148に対して「dc」セットポイント電圧レベルを提供するために選択され得る。換言すれば、抵抗器116および117は、ゲーティング電圧148に対して「dc」電圧レベルをセットし、それらの抵抗器は、プルアップトランジスタ111および112と組み合わさって、FinFET104が、飽和の程度に応じて変動し得る飽和状態に連続的にあるということを確実にする。
【0047】
NMOS FinFET113のドレインノードが、フィードバック側ノード136に接続される。NMOS FinFET114のドレインノードが、参照側ノード137に接続される。NMOS FinFET113のゲートノードが、フィードバック電圧(「Vfb」)141を受信するように結合される。この例では、フィードバック電圧141は、出力電圧150の分割成分であるが、別の実装形態では、出力電圧150は、フィードバック電圧141として直接的にフィードバックされ得る。
【0048】
NMOS FinFET114のゲートノードが、参照電圧(「Vref」)106を受信するように結合される。例実装形態では、参照電圧106は、温度のレンジにわたる安定性の目的で、バンドギャップ参照電圧回路(示されない)により供給され得る。この例実装形態では、バンドギャップ回路(明確性の目的で示されない)からのバンドギャップ参照電圧106は、出力電圧150に等しくセットされる。例えば、出力電圧150が1Vであるように設計されるならば、参照電圧106は1Vにセットされる。よって、この例に対して、参照電圧106は、初めと終わりを含めて0.8Vから1.2Vのレンジ内の電圧であり得る。
【0049】
NMOS FinFET113および114のソースノード、ならびに、NMOS FinFET115のドレインノードは、コンデンサノードまたは電流源トランジスタドレインノード134に共通に接続される。NMOS FinFET115のソースノードは、接地バス102に接続される。この例では、接地バス102は0ボルトにある。しかしながら、別の例では、正または負の別の値が、接地またはVss電圧レベルに対して使用され得る。NMOS FinFET115のゲートノード149に提供されるゲーティング電圧126は、NMOS FinFET113および/または114を通る経路をバイアスするために、電流源、すなわち、電流源トランジスタとしてのNバイアスとして、NMOS FinFET115を動作させるために使用され得る。
【0050】
この例実装形態では、出力電圧150の分割成分が、フィードバック電圧141としてフィードバックされる。それらの道筋に沿えば、この例での抵抗器ラダーまたは抵抗器ラダー回路107は、出力電圧ノード140と接地バス102との間に直列で結合される抵抗器108および109から形成される。R4オームの抵抗を有する抵抗器108は、出力電圧ノード140とフィードバック電圧ノード131との間に接続される。R5オームの抵抗を有する抵抗器109は、フィードバック電圧ノード131と接地バス102との間に接続される。よって、電圧分割器が、フィードバック電圧141、すなわちVout(R5/(R4+R5))を提供するために使用される。
【0051】
NMOS FinFET113のゲートノードに入力として提供されることに加えて、フィードバック電圧141は、差動オペアンプ120のマイナス入力ポートに提供され得る。差動オペアンプ120のプラス入力ポートは、参照電圧106を受信するように結合され得る。差動オペアンプ120に入力される参照電圧106とフィードバック電圧141との間の差が、差動出力電圧121を提供するために、そのようなオペアンプの高利得により増幅される(すなわち、除算される)。
【0052】
差動出力電圧121は、差動オペアンプ120の差動出力ノード132、すなわち、ハイパスフィルタ回路123に接続されるハイパスノード132に提供され得る。ハイパスフィルタ回路123は、直列で接続される、抵抗R1を有する抵抗器124、および、静電容量C1を有するコンデンサ145から形成され得る。この例実装形態では、抵抗器124は、ハイパスノード132と内部フィルタノード133との間に接続され、コンデンサ145は、内部フィルタノード133と接地バス102との間に接続される。よって、差動出力電圧121は、ハイパスフィルタ回路123によりハイパスフィルタリングされ得る。
【0053】
抵抗器125は、ハイパスノード132と、NMOS FinFET115のゲートノードとの間に接続される直列抵抗であり得る。抵抗器125は、抑制抵抗を提供するために、差動オペアンプ120の出力と、電流源トランジスタ115のゲートノードとの間に結合される。
【0054】
フィルタリングされた差動出力電圧121は、NMOS FinFET115へのゲーティング電圧126としての入力に対して、抵抗R0を有する抵抗器125を横切る電圧降下により降圧され得る。抵抗器125は、要するに、差動オペアンプ120により供給されるゲーティング電圧148について抑制をして、「dc」ドメイン内で出力電圧150として提供される低電圧をより滑らかにレギュレートし得る。しかしながら、別の実装形態では、抵抗器125は省略され得るものであり、差動オペアンプ120の電流源トランジスタ115は、差動オペアンプ120から出力されるゲーティング電圧121によって直接的にゲーティングされ得る。
【0055】
静電容量C0を有するコンデンサ135が、ゲートノード138とコンデンサノード134との間に接続される。コンデンサ135は、ドライバFinFET104のゲート、および、電流源トランジスタ115のドレインまたはドレインノードに接続される。コンデンサ135は、「低利得ファスト」ループ170を提供するために、差動オペアンプ110に結合される。対照的に、差動オペアンプ120のNMOS FinFET115のゲートをバイアスするように結合される差動オペアンプ120は、「高利得スロー」ループ160の一部である。
【0056】
図2は、別の例示的な電圧レギュレータ200を図示する概略線図である。電圧レギュレータ200は、後に続く違いを除いて、図1の電圧レギュレータ100と同じである。抵抗器ラダー回路107が、電圧レギュレータ200において省略される。それらの道筋に沿えば、出力電圧150は、フィードバック電圧141として直接的にフィードバックされ、そのため、出力電圧ノード140は、フィードバック電圧ノード131と同じノードである。
【0057】
図1の電圧レギュレータ100においてのように、出力電圧150の分割成分が、フィードバック電圧141としてフィードバックされるよりむしろ、基本的には、出力電圧150のすべてが、フィードバック電圧141としてフィードバックされる。他の点では、図2の電圧レギュレータ200は、図1の電圧レギュレータ100と同じであり、そのため、共通の説明は、制限ではなく明確性の目的で繰り返されない。
【0058】
後に続く説明は、全体的には、図1の低電圧レギュレータ100に対するものであるが、そのような説明は、低電圧レギュレータ200に等しく適用される。1.2V以下などの低供給電圧レベルでは、PMOS FinFET104などの出力ドライバトランジスタは、全体的には、差動オペアンプ120などの高利得オペアンプにより駆動され得る。そのような高利得差動オペアンプは、供給バス101上の供給電圧レベルを、参照電圧106の参照電圧レベルにダウン変換し得る。高利得オペアンプは、カスコード出力段に起因する、そのオペアンプの出力での、制限されるダイナミックレンジを有し得るので、そのような制限されるダイナミックレンジは、そのような高利得差動オペアンプ120への入力インターフェイスで、参照電圧106とフィードバック電圧141との間のオフセットまたは差の悪化につながり得る。
【0059】
しかしながら、本明細書で説明されるようなデュアルループ構成された電圧レギュレータを有することにより、「高利得スロー」オペアンプループ160は、「低利得ファスト」オペアンプループ170により追従され、それらのループのうちの後者は、PMOS FinFET104などの負荷ドライバ回路を駆動し、そのことが、オフセット電圧を改善することができる。なおまた、カスコード高利得オペアンプ120、またはより詳しくは、例えばフォールデッドカスコード高利得オペアンプを使用する能を有することにより、「高利得スロー」ループ160は、低周波数でのパワー供給リジェクション比(power supply rejection ratio)(「PSRR」)を改善し得る。例実装形態に対して、低周波数動作または「dc」ドメインリップル電圧は、一般的には、例えば10ヘルツから100キロヘルツなど、100キロヘルツ未満である。そのような高利得差動オペアンプ120を使用する能は、低供給電圧に対するパワー供給リジェクションを改善するために「低利得ファスト」(すなわち、低利得および高帯域幅)ループ170を有することにより、もたらされ得る。
【0060】
低供給電圧でのパワー供給リジェクションは、「ac」ドメインインピーダンスにより引き起こされる周波数が、高周波数でPMOS FinFETトランジスタ104ドライバ回路を駆動するので改善され得る。本明細書で説明される例実装形態に対して、高周波数動作または「ac」ドメインリップル電圧は、一般的には、100キロヘルツから500メガヘルツである。
【0061】
供給バス101上の供給電圧は、ノイズを有し得る。全体的には「ac」ドメインレンジ内の周波数を有する、供給電圧ノイズ、および/または、全体的には動的負荷103に起因するリップル電圧に対して、そのような高周波数成分は、全体的には、差動オペアンプ110により対処される。全体的には「dc」ドメインレンジ内の周波数を有する、供給電圧ノイズ、および/または、動的負荷103に起因するリップル電圧に対して、そのような低周波数成分は、全体的には、差動オペアンプ120により対処される。
【0062】
なおまた、ノイズは、参照電圧106に存在し得る。参照電圧106でのノイズに対して、差動オペアンプ110および120、ならびに、対応するフィードバックループ170および160は、そのようなノイズの影響を低減するために使用され得る。
【0063】
低利得オペアンプ110は、パワー消費および/または出力負荷依存性を低減し得る。それらの道筋に沿えば、静電容量C1は、低電圧レギュレータ100の支配極であり得る、「高利得スロー」制御ループ170伝達関数の極であり得る。静電容量C0は、電流源トランジスタ115を駆動するために使用される差動オペアンプ120に入力されるネガティブフィードバック経路フィードバック電圧141の入力よりファストに、差動オペアンプ110に入力されるフィードバック電圧141に反応するフィードフォワード経路上にある。抵抗R0およびR1は、本明細書での説明による補償のために、そのような伝達関数にゼロを挿入するために使用され得るものであり、抵抗R3は、差動オペアンプ110に対する「dc」ドメイン利得を達成するために使用され得る。
【0064】
本明細書で使用される用語をより詳しく説明するために、いくつかの数値的な例が、非制限的な例としての明確性の目的で提供される。1.1Vの参照電圧106、1.0Vの出力電圧150、および、0.9Vのフィードバック電圧141が、低電圧レギュレータ100に対して使用されるということを仮定する。これらの電圧に対して、差動オペアンプ120に対する高利得Av1は、例えば1000(例えば、60dB)であり得るものであり、差動オペアンプ110に対する低利得Av2は、例えば10であり得る。参照電圧106マイナスフィードバック電圧141が高利得により除算されたものが、ゲーティング電圧121として差動オペアンプ120により生み出される。同じように、参照電圧106マイナスフィードバック電圧141が低利得により除算されたものが、ゲーティングノード電圧148として差動オペアンプ130により生み出される。一般的には、高利得Av1は、低利得Av2より少なくとも80倍大きいことになる。
【0065】
差動オペアンプ120出力またはゲーティング電圧121は、「ac」電圧成分(「Vac」)および「dc」電圧成分(「Vdc」)の、いずれかまたは両方を有し得る。ゲーティング電圧121のそのようなVac成分は、以前に説明されたように、参照電圧マイナスフィードバック電圧が高利得により除算されたものにより提供される。
【0066】
事実上、高利得Av1は、ネガティブフィードバックループ、すなわち、「高利得スロー」ループ160に対してNバイアスFinFET115のゲートのバイアスを下げるように駆動して、フィードバック電圧141を参照電圧106と同じ値へと駆動する、すなわち、電圧106と141との間のいかなる差も最小化するように、十分に高いものであることになる。電流源トランジスタ115へのゲーティング電圧126として、抵抗器125による電圧降下の後に提供される、ゲーティング電圧121のVac成分は、差動オペアンプ110を通ってプルダウンされる電流をレギュレートするために使用され得る。NバイアスFinFET115は、差動オペアンプ110に対する電流源を提供するために、飽和領域で、ただし、ゲーティング電圧126に応答的な飽和の異なった程度を伴って動作させられる。
【0067】
負荷103は、例えば負荷103の異なる構成要素のスイッチオンまたはオフなどで、異なる量の電流を時間ごとに引き込み得る。この例では、3から25ミリアンペアのレンジが、負荷103の電流引き込みレンジである。そのため例えば、時間の1つの時点で、負荷103は、10ミリアンペアを引き込み得るものであり、次いで、時間の次の時点で、負荷は、22ミリアンペアを引き込み得る。負荷103により引き込まれる電流の変化、とりわけ、かなりの突然の変化が、ゲーティングノード電圧148での電圧のステップまたはステップ状変化を生み出すことがある。低電圧印加に対して、ステップまたはステップ状電圧は、著しい影響力を有することがあり、そのため、そのようなステップまたはステップ状電圧について抑制をすること、および、迅速に抑制をすることが、そのようなステップまたはステップ状電圧変化からのいかなる負の影響力も、回避する、または、少なくとも最小化するために、低電圧レギュレータ100により提供され得る。
【0068】
抑制をして、または、全体的に平滑化して、ゲーティングノードでの電圧148で、ステップ状またはステップ応答よりむしろ、抑制をされた曲線状の応答の多くのものを提供するために、抑制抵抗器125および/またはコンデンサ135が使用され得る。定常状態で、例えば一定の10ミリアンペア引き込みなどで動作する負荷103に対して、電圧レギュレータ100は「dc」状態にあり、すなわち、負荷103での状況を変化させることに起因する、出力電圧150での高周波数成分は存しないということが理解されるべきである。「dc」ドメイン状態では、差動オペアンプ120の出力は、Nバイアストランジスタ115へのゲーティング電圧126に対して、抵抗器125を横切る電圧降下により、いっそう小さくされる、小さい電圧であり得る。飽和状態では、ゲーティング電圧126に応答的なNバイアストランジスタ115は、定常量の電流が、ゲーティング電圧148の、あるとしてもわずかなステップまたはステップ状変化を伴って、差動オペアンプ110に供給されることを引き起こし得る。
【0069】
そのような定常状態では、コンデンサ145のインピーダンスのみならず、コンデンサ135のインピーダンスは高い。一般的には、「dc」ドメイン状態に対して、コンデンサ145および135は、動作への影響をほとんどかまったく有さないように、十分に高いインピーダンスを有し得る。それらの道筋に沿えば、「高利得スロー」ループ160の差動オペアンプ120が、電圧レギュレータ100の動作を支配する。事実上、ネガティブフィードバックループである、そのような「高利得スロー」ループ160は、電圧レギュレータ100に対する「dc」ドメイン内の定常状態動作点をセットする。
【0070】
しかしながら、時間ごとに電流引き込みを変化させる負荷103スイッチングによって、リップル電圧が、150での出力電圧で誘導され得る。出力電圧150でのこのリップル電圧は、「ac」ドメイン内の1つまたは複数の周波数を有し得る。
【0071】
それらの道筋に沿えば、低電圧レギュレータ100の動作の「ac」ドメイン内の周波数成分に対して、コンデンサ135および145のインピーダンスが、出力電圧150でのリップル電圧の周波数に相対的に、高インピーダンス状態から低インピーダンス状態に低減される。コンデンサ135により提供される低インピーダンスのために、ゲーティング電圧148のステップまたはステップ状曲線が抑制をされる。この抑制は、コンデンサ135がドライバFinFET104のゲートに直接的に結合されるので、ほぼ即時であり得る。
【0072】
なおまた、単一のドライバFinFET104だけが存し、そのことは、電圧「ヘッドルーム」を増大するものであり、なぜならば、供給バス101と出力電圧ノード140との間に1つのトランジスタしきい値電圧のみが存するからである。例えば、1.35Vの供給電圧、および、1.20Vの出力電圧に対して、差(すなわち、0.15V)は、供給バス101と出力電圧ノード140との間に結合されるFinFET104の動作に対して、多量の電圧「ヘッドルーム」を提供しない。そのため、単一のドライバトランジスタだけを有することは、最低限の量の電圧「ヘッドルーム」によって動作する能力がある電圧レギュレータ100を実装することを手助けする。
【0073】
低インピーダンス状態でのコンデンサ145のインピーダンスに対して、組み合わさったコンデンサ145および抵抗器124は、出力電圧150でのリップル電圧に起因するフィードバック電圧141での高周波数成分に起因するゲーティング電圧121での低周波数成分を除去するためのハイパスフィルタとして動作する。
【0074】
事実上、出力電圧150でのリップル電圧に対して、「低利得ファスト」ループ170を伴う差動オペアンプ110が、電圧レギュレータ100の動作を支配する。しかしながら、「高利得スロー」ループ160および「低利得ファスト」ループ170の両方が、「dc」および「ac」の両方のドメイン電圧成分を有し得るということが理解されるべきである。しかしながら、「dc」ドメイン電圧成分は、「高利得スロー」ループ160の動作を支配し、「ac」ドメイン電圧成分は、「低利得ファスト」ループ170の動作を支配する。
【0075】
一般的には、多少の量のリップル電圧が、出力電圧150に連続的に存在する。あらためて、抵抗器116および117は、ゲーティング電圧148に対して「dc」電圧レベルをセットし、それらの抵抗器は、プルアップトランジスタ111および112と組み合わさって、FinFET104が、飽和の程度に応じて変動し得る飽和状態に連続的にあるということを確実にする。ゲーティング電圧148を差動オペアンプ120の出力から直接的に駆動することは、FinFET104のVgs(すなわち、ゲート-ソース電圧)のしきい値電圧により課される制限に起因する低出力電圧のため、不可能ではないにしても困難であることになる。本明細書で説明されるように、差動オペアンプ110にFinFET104を駆動させることにより、別の構成では決まった負荷ダイオードとして構成され得るプルアップトランジスタ111および112は、出力電圧150とは独立的なゲーティング電圧148に対する連続的な電圧供給を提供する。
【0076】
よって、抑制コンデンサ135および/または抑制抵抗器125の追加により、電圧レギュレータ100に対するQ値が増大される。かくして、出力電圧150での摂動は、事実上、「ac」および「dc」の両方のドメインに対してすっかり平滑化される。換言すれば、トランジスタ104および115それぞれのゲートへの入力について抑制をすることにより、出力電圧150は、同じように抑制をされ得る。出力電圧150について抑制をすることは、特に、「薄い」ゲート誘電体を伴う、10ナノメートル以下の半導体プロセスノードを伴って形成されるトランジスタおよび他のデバイスに対して有用であり得るものであり、なぜならば、そのようなデバイスは、低電圧で大きい影響を有する、レギュレートされた供給電圧での小さい摂動にさえも起因して、不適当な動作および/または損傷に、より陥りやすいことがあるからである。「薄い」ゲートデバイスは、一般的には、10ナノメートル以下のチャネル長さを有する。
【0077】
明確性の目的で、コンデンサ145および135は、「ac」ドメイン内でゼロインピーダンスを有し、「dc」ドメイン内で無限インピーダンスを有するということを想定すると、測定可能な低および高それぞれのインピーダンスが、そのようなドメイン内に実在することになるものの、電圧レギュレータ100または200の動作が、より明らかに理解され得る。それらの道筋に沿って、図3-1および3-2は、それぞれ「dc」および「ac」ドメインに対する、図2の電圧レギュレータ200に対する概略線図である。加うるに、明確性の目的で、負荷は、図3-1および3-2では例解的に図示されない。
【0078】
図3-1を参照すると、「dc」ドメインに対して、開回路が、ノード134と138との間に実在し、差動オペアンプ110の出力に結合されるハイパスフィルタ123は存しない。図3-2を参照すると、「ac」ドメインに対して、短絡回路が、ノード134と138との間に実在し、差動オペアンプ110の出力に結合されるハイパスフィルタ123が存する。よって、電圧レギュレータ200または電圧レギュレータ100は、供給バス101および/または出力電圧150での周波数成分に応答的に、高周波数モードおよび低周波数モードの両方で動的に動作するように構成される。
【0079】
図4は、例示的な自己バイアス回路400を図示する概略線図である。自己バイアス回路155であり得る自己バイアス回路400は、それぞれ図1および2の電圧レギュレータ100または200などの電圧レギュレータに結合され得る。
【0080】
この例では、カスコードオペアンプに対するものであり得る自己バイアス回路400が、電圧レギュレータ100および200と同じく、供給バス101と接地バス102との間に結合される。しかしながら、別の例では、同じおよび/または異なる、供給および接地バスが、自己バイアス回路400と、例えば電圧レギュレータ100または200などの電圧レギュレータとの間でのように使用され得る。
【0081】
この例では、PMOSFET(「PMOSトランジスタ」)401のソースノードが、供給バス101に直接的に接続される。PMOSトランジスタ401のドレインノードは、ノード411でPMOSトランジスタ402のソースノードに直接的に接続される。
【0082】
この例では、PMOSトランジスタ402のドレインノードは、ノード411でNMOSFET(「NMOSトランジスタ」)403のドレインノードに直接的に接続される。NMOSトランジスタ403および404の各々のソースノードは、接地バス102に直接的に接続される。
【0083】
この例では、トランジスタ401ないし404の各々のゲートノードは、ノード411で互いに直接的に接続される。かくして、トランジスタ401ないし403の各々のドレインノードは、共通ゲートノード411に接続され、PMOSトランジスタ402のソースノードは、そのような共通ゲートノード411に接続される。
【0084】
NMOSトランジスタ404のドレインノードは、バイアス電圧156を付与するために使用され得る。バイアス電圧156は、例えば差動オペアンプ120などのカスコードオペアンプに提供され得る。
【0085】
図5は、図1の電圧レギュレータ100の出力電圧150の出力への信号経路501および502を指示するための、図1の概略線図の単純化されたバージョンである。別の例では、信号経路501および502の電圧信号それぞれは、図2の電圧レギュレータ200に対するものであり得る。
【0086】
この例に対して、供給バス101上の供給電圧が1.5ボルトであり、出力電圧150が1.2ボルトであり、参照電圧106が0.95ボルトであるということが想定される。しかしながら、これらおよび/または他の値が、別の例で使用され得る。
【0087】
信号経路501は、出力電圧ノード140からの出力電圧150を付与するための、高帯域幅、低利得信号経路である。基本的には、差動オペアンプ120の出力は、ドライバFinFET104をゲーティングするために、差動オペアンプ110の参照電圧側を通る信号経路501上の高帯域幅、低利得信号電圧信号を駆動する。
【0088】
信号経路502は、出力電圧ノード140からの出力電圧150を付与するための、低帯域幅、高利得信号経路である。基本的には、差動オペアンプ120の出力は、ドライバFinFET104をゲーティングするために、差動オペアンプ120のフィードバック電圧側からの信号経路502上の低帯域幅、高利得電圧信号を駆動する。
【0089】
図6は、例示的な電圧レギュレーションフロー600を図示するフロー線図である。電圧レギュレーションフロー600は、例えば、図1および2の電圧レギュレータ100または200それぞれに対するものであり得る。
【0090】
動作601で、第1の利得を有する第1の差動オペアンプが、参照電圧およびフィードバック電圧を、そのオペアンプへの入力としてそれぞれ受信し得る。以前に説明されたように、差動オペアンプ120は、参照電圧106およびフィードバック電圧141を受信し得る。動作601と同じ時間に、動作602で、第2の利得を有する第2の差動オペアンプが、そのような参照電圧およびそのようなフィードバック電圧を受信し得る。以前に説明されたように、差動オペアンプ110は、参照電圧106およびフィードバック電圧141を受信し得る。あらためて、第1の利得Av1は、第2の利得Av2より少なくとも80倍大きい。
【0091】
動作603で、ドライバトランジスタが、出力電圧ノードでの出力電圧を生成し得る。上記の例では、ドライバFinFET104が、出力電圧ノード140での出力電圧150を生成し得る。
【0092】
動作603は、動作611および612を含み得る。611で、ドライバトランジスタは、第2の差動オペアンプからのゲーティング電圧出力を受信する。例えば、ドライバFinFET104は、差動オペアンプ110からのゲーティング電圧148出力を受信し得る。612で、負荷電流が、出力電圧を提供するために、ドライバトランジスタのチャネルを横切って、出力電圧ノードに接続されるそのようなドライバトランジスタのドレインノードに対して供給され得る。上記の例では、負荷電流105が、出力電圧150を提供するために、ドライバFinFET104のチャネルを横切って、出力電圧ノード140に接続されるそのドライバFinFET104のドレインノードに対して供給され得る。
【0093】
任意選択で、動作604で、出力電圧は、フィードバック電圧として提供するために、その出力電圧の分割成分に低減され得る。分割成分により、一般的には、ソース電圧より小さい、すなわち、ソース電圧未満の量が意味される。上記の例では、抵抗器ラダー回路107が、電圧レギュレータ100においてのように、出力電圧150を、フィードバック電圧141を提供するために、その出力電圧150の分割成分に低減するために使用される。しかしながら、このことは任意選択であり、なぜならば、フィードバック電圧141は、電圧レギュレータ200においてのように、出力電圧ノード140に直接的に結合され得るからである。
【0094】
動作605で、第2の差動オペアンプの電流源トランジスタが、第1の差動オペアンプの出力に応答的にゲーティングされ得る。上記の例では、差動オペアンプ110の電流源トランジスタ115が、差動オペアンプ120から直接的に出力されるゲーティング電圧121によって、または、ゲーティング電圧126、すなわち、ゲーティング電圧121の降圧されたバージョンによってゲーティングされ得る。換言すれば、いずれの例実装形態でも、電流源トランジスタ115は、ゲーティング電圧121に応答的にゲーティングされる。
【0095】
動作606で、ドライバトランジスタのゲートノードでのゲーティング電圧が、そのようなドライバトランジスタのそのようなゲートノードと、電流源トランジスタのドレインノードとの間に接続されるコンデンサによって抑制をされ得る。この抑制をすることは、100キロヘルツより大きい出力電圧での周波数成分に応答的であり得る。それらの道筋に沿えば、上記の例では、ドライバFinFET104のゲートノードが、100キロヘルツより大きい出力電圧150での周波数成分に応答的に、ドライバFinFETのゲートノードと、電流源トランジスタ115のドレインノードとの間に接続されるコンデンサ135によって抑制をされる。換言すれば、コンデンサ135は、100キロヘルツより大きい出力電圧での周波数成分に応答的に、低インピーダンス状態で置かれる。
【0096】
動作607で、ドライバトランジスタのゲートノードでのゲーティング電圧が、100キロヘルツ未満である出力電圧での周波数成分に応答的に、第1の差動オペアンプの出力と、電流源トランジスタのゲートノードとの間に接続される抵抗器によって抑制をされる。上記の例実装形態では、ドライバFinFET104のゲートノードでのゲーティング電圧148が、100キロヘルツ未満である出力電圧150での周波数成分に応答的に、差動オペアンプ120の出力と、電流源トランジスタ115のゲートノードとの間に接続される抵抗器125によって抑制をされる。
【0097】
任意選択で、動作613で、バイアス電圧が、以前に説明されたように、例えば自己バイアス回路155によって生成されるバイアス電圧156のように、自己バイアス生成器によって生成され得る。任意選択で、動作614で、そのようなバイアス電圧は、以前に説明されたような、第1の差動オペアンプをバイアスするために使用され得るものであり、差動オペアンプ120は、バイアス電圧156を受信し得る。
【0098】
電圧レギュレータ100または200は、集積回路チップまたはダイ上に配置され得る。複数個のコアを有するマイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(「DSP」)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)、システムオンチップ(「SoC」)、複合特定用途向け集積回路(「ASIC」)、特定用途向け標準製品(「ASSP」)などの大きい複合集積回路、または、他の大きい複合ICが、図1および2それぞれの、電圧レギュレータ100および200の、いずれかまたは両方などの、複数個のオンチップ電圧レギュレータを有し得る。制限ではなく、例としての明確性の目的で、電圧レギュレータ100はFPGAにおいて実装されるということが想定されるものとする。本明細書で説明される例のうちの1つまたは複数は、FPGAにおいて実装され得るので、そのようなICの詳細な説明が提供される。しかしながら、他の型のICが、本明細書で説明される技術から利益を得ることができるということが理解されるべきである。
【0099】
プログラマブルロジックデバイス(「PLD」)は、指定された論理機能を実行するようにプログラムされ得る、よく知られている型の集積回路である。1つの型のPLD、フィールドプログラマブルゲートアレイ(「FPGA」)は、典型的には、プログラマブルタイルのアレイを含む。これらのプログラマブルタイルは、例えば、入出力ブロック(「IOB」)、コンフィギュラブルロジックブロック(「CLB」)、専用ランダムアクセスメモリブロック(「BRAM」)、乗算器、デジタル信号処理ブロック(「DSP」)、プロセッサ、クロックマネージャ、遅延ロックループ(「DLL」)、その他を含み得る。本明細書で使用される際に、「含む」および「含んでいる」は、制限なしに含むことを意味する。
【0100】
各々のプログラマブルタイルは、典型的には、プログラマブルインターコネクトおよびプログラマブルロジックの両方を含む。プログラマブルインターコネクトは、典型的には、プログラマブルインターコネクトポイント(「PIP」)により相互接続される、変動する長さの、大きい数のインターコネクトラインを含む。プログラマブルロジックは、例えば、ファンクションジェネレータ、レジスタ、算術ロジック、その他を含み得るプログラマブル要素を使用して、ユーザ設計の論理を実装する。
【0101】
プログラマブルインターコネクトおよびプログラマブルロジックは、典型的には、コンフィギュレーションデータのストリームを、どのようにプログラマブル要素が構成されるかを規定する内部コンフィギュレーションメモリセル内にロードすることによりプログラムされる。コンフィギュレーションデータは、メモリから(例えば、外部PROMから)読み出され、または、外部デバイスによりFPGA内に書き込まれ得る。個々のメモリセルの集合的状態が、次いで、FPGAの機能を決定する。
【0102】
別の型のPLDは、複合プログラマブルロジックデバイス、すなわちCPLDである。CPLDは、インターコネクトスイッチマトリックスにより、合わさって、および、入出力(「I/O」)リソースに接続される、2つ以上の「ファンクションブロック」を含む。CPLDの各々のファンクションブロックは、プログラマブルロジックアレイ(「PLA」)およびプログラマブルアレイロジック(「PAL」)デバイスにおいて使用されるものに類する、2レベルAND/OR構造を含む。CPLDでは、コンフィギュレーションデータは、典型的には、不揮発性メモリ内にオンチップで記憶される。いくつかのCPLDでは、コンフィギュレーションデータは、不揮発性メモリ内にオンチップで記憶され、次いで、揮発性メモリに、初期コンフィギュレーション(プログラミング)シーケンスの一部としてダウンロードされる。
【0103】
これらのプログラマブルロジックデバイス(「PLD」)のすべてに対して、デバイスの機能性は、その目的でデバイスに提供されるデータビットにより制御される。データビットは、揮発性メモリ(例えば、FPGA、および、いくつかのCPLDにおいてのように、スタティックメモリセル)内に、不揮発性メモリ(例えば、いくつかのCPLDにおいてのように、フラッシュメモリ)内に、または、任意の他の型のメモリセル内に記憶され得る。
【0104】
他のPLDは、デバイス上の様々な要素をプログラマブルに相互接続する、金属層などの処理層をあてがうことによりプログラムされる。これらのPLDは、マスクプログラマブルデバイスとして知られている。PLDは、さらには、他の手立てで、例えば、ヒューズまたはアンチヒューズ技術を使用して実装され得る。用語「PLD」および「プログラマブルロジックデバイス」は、これらの例示的なデバイスを含むが、それらの例示的なデバイスに制限されず、無論のこと、部分的にプログラマブルであるのみであるデバイスを包含する。例えば、1つの型のPLDは、ハードコードされたトランジスタロジック、および、ハードコードされたトランジスタロジックをプログラマブルに相互接続するプログラマブルスイッチファブリックの組み合わせを含む。
【0105】
上記で触れられたように、先進のFPGAは、いろいろな異なる型のプログラマブルロジックブロックをアレイ内に含むことができる。例えば、図7は、FPGAアーキテクチャ700を例解するものであり、そのFPGAアーキテクチャ700は、マルチギガビットトランシーバ(「MGT」)701、コンフィギュラブルロジックブロック(「CLB」)702、ランダムアクセスメモリブロック(「BRAM」)703、入出力ブロック(「IOB」)704、コンフィギュレーションおよびクロッキングロジック(「CONFIG/CLOCKS」)705、デジタル信号処理ブロック(「DSP」)706、特殊入出力ブロック(「I/O」)707(例えば、コンフィギュレーションポートおよびクロックポート)、ならびに、デジタルクロックマネージャ、アナログ-デジタル変換器、システム監視ロジック、その他などの、他のプログラマブルロジック708を含む、大きい数の異なるプログラマブルタイルを含む。いくつかのFPGAは、さらには、専用プロセッサブロック(「PROC」)710を含む。FPGA700の、上記で説明された回路ブロックは、図1の電圧レギュレータ100を有し得る。
【0106】
いくつかのFPGAでは、各々のプログラマブルタイルは、各々の隣接するタイル内の対応するインターコネクト要素への、および、そのインターコネクト要素からの標準化された接続を有するプログラマブルインターコネクト要素(「INT」)711を含む。それゆえに、合わせて選び取られるプログラマブルインターコネクト要素が、例解されるFPGAに対するプログラマブルインターコネクト構造を実装する。プログラマブルインターコネクト要素711は、さらには、図7の上部に含まれる例により示されるように、同じタイルの中のプログラマブルロジック要素への、および、そのプログラマブルロジック要素からの接続を含む。FPGA700の、上記で説明された回路ブロックは、図1の電圧レギュレータ100を有し得る。
【0107】
例えば、CLB702は、単一のプログラマブルインターコネクト要素(「INT」)711にプラスして、ユーザ論理を実装するようにプログラムされ得るコンフィギュラブルロジック要素(「CLE」)712を含み得る。BRAM703は、1つまたは複数のプログラマブルインターコネクト要素に加えて、BRAMロジック要素(「BRL」)713を含み得る。典型的には、タイル内に含まれるインターコネクト要素の数は、タイルの高さに依存する。絵で表される例では、BRAMタイルは、5つのCLBと同じ高さを有するが、他の数(例えば、4)が、さらには使用され得る。DSPタイル706は、適切な数のプログラマブルインターコネクト要素に加えて、DSPロジック要素(「DSPL」)714を含み得る。IOB704は、例えば、プログラマブルインターコネクト要素711の1つのインスタンスに加えて、入出力ロジック要素(「IOL」)715の2つのインスタンスを含み得る。当業者には明らかであろうが、例えばI/Oロジック要素715に接続される、実際のI/Oパッドは、典型的には、入出力ロジック要素715の区域に閉じ込められない。FPGA700の、上記で説明された回路ブロックは、図1の電圧レギュレータ100を有し得る。
【0108】
絵で表される例では、(図7で示される)ダイの中心の付近の水平区域は、コンフィギュレーション、クロック、および、他の制御論理に対して使用される。この水平区域または列から延在する垂直列709が、FPGAの広さの全域にクロックおよびコンフィギュレーション信号を分配するために使用される。
【0109】
図7で例解されるアーキテクチャを利用するいくつかのFPGAは、FPGAの大きい一部を成り立たせる規則的な列状構造を崩す、追加的なロジックブロックを含む。追加的なロジックブロックは、プログラマブルブロックおよび/または専用ロジックであり得る。例えば、プロセッサブロック710が、CLBおよびBRAMの数個の列に広がる。
【0110】
図7は、例示的なFPGAアーキテクチャを単に例解することを意図されるということに留意されたい。例えば、行内のロジックブロックの数、行の相対的な幅、行の数および順序、行内に含まれるロジックブロックの型、ロジックブロックの相対的なサイズ、ならびに、図7の上部に含まれるインターコネクト/ロジック実装形態は、純粋に例示的なものである。例えば、実際のFPGAでは、CLBの、1つより多い隣接する行が、典型的には、ユーザ論理の効率的な実装形態を手助けするために、CLBが現れるところならばどこにも含まれるが、隣接するCLB行の数は、FPGAの総体的なサイズによって変動する。
【0111】
前述のことは、例示的な装置および/または方法を説明しているが、本明細書で説明される1つまたは複数の態様による、他の、およびさらなる例が、後に続く特許請求の範囲、および、その特許請求の範囲の均等物により決定される、本明細書の範囲から逸脱することなく考案され得る。ステップを列挙する請求項は、ステップのいかなる順序も示唆しない。商標は、それらの商標のそれぞれの所有者の所有物である。
図1
図2
図3-1】
図3-2】
図4
図5
図6
図7