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  • 特許-ICNメッセージの転送方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】ICNメッセージの転送方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 45/74 20220101AFI20220915BHJP
【FI】
H04L45/74
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020560222
(86)(22)【出願日】2018-12-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-05
(86)【国際出願番号】 CN2018121494
(87)【国際公開番号】W WO2019227902
(87)【国際公開日】2019-12-05
【審査請求日】2020-10-26
(31)【優先権主張番号】201810522656.8
(32)【優先日】2018-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510268565
【氏名又は名称】中国科学院声学研究所
【氏名又は名称原語表記】INSTITUTE OF ACOUSTICS, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(73)【特許権者】
【識別番号】516268194
【氏名又は名称】ペキン ヒリ テクノロジー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BEIJING HILI TECHNOLOGY CO. LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100129425
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 護晃
(74)【代理人】
【識別番号】100087505
【氏名又は名称】西山 春之
(74)【代理人】
【識別番号】100168642
【弁理士】
【氏名又は名称】関谷 充司
(74)【代理人】
【識別番号】100217076
【弁理士】
【氏名又は名称】宅間 邦俊
(74)【代理人】
【識別番号】100218604
【弁理士】
【氏名又は名称】池本 理絵
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ヂィンリィン
(72)【発明者】
【氏名】チェン,ヂィン
(72)【発明者】
【氏名】チァン,ガァン
(72)【発明者】
【氏名】イエ,シィアォヂォゥ
(72)【発明者】
【氏名】ダァン,ハァォヂィァン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,リィンファン
(72)【発明者】
【氏名】チィー,ウェイニィン
【審査官】野元 久道
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/136242(WO,A1)
【文献】特表2013-521732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 45/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ICNメッセージの転送方法であって、
ネットワーク転送装置が、ネットワークエンティティID及びネットワークアドレスを同時に含むICNメッセージの伝送中において該ネットワークエンティティIDが変化しないように維持するため、
ネットワークアドレスに関連のないネットワークエンティティを一義的に識別する情報であるネットワークエンティティID及びそれに関連してバインディングしているネットワークアドレスの状態を記録するためのネットワークエンティティID関連付け状態テーブルをメンテナンスし、ネットワークエンティティの位置移動によりそのネットワークアドレスのバインディング関係を変化させた後、ネットワークエンティティの通知情報に基づいて、ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルにおける前記ネットワークエンティティの記録を追加又は更新する、ステップ(1)と、
ICNメッセージを受信した場合、現在のネットワークエンティティID関連付け状態テーブルにおける情報を利用して、ICNメッセージを処理する必要があるか否かを判断し、処理の必要がある場合、処理を行った後にICNメッセージを転送し、処理の必要がない場合、ICNメッセージを直接転送する、ステップ(2)と、
を含むICNメッセージの転送方法。
【請求項2】
前記ステップ(1)は、具体的には、前記ネットワーク転送装置が、
前記ネットワークエンティティの位置移動により前記ネットワークアドレスのバインディング関係を変えた後、前記ネットワークエンティティと前記ネットワークアドレスとのバインディング関係が変化した通知情報を取得し、前記通知情報には、少なくともその現在位置の移動によりそのバインディングしているネットワークアドレスを変化させることを示すためのネットワークエンティティIDが含まれる、ステップ(101)と、
前記通知情報に含まれるネットワークエンティティIDに基づいて新しい記録を生成し、前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルにおいて前記ネットワークエンティティの記録がない場合、新しい記録を該ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルに追加し、前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルにおいて該ネットワークエンティティIDに関連する記録がある場合、今回の新しい記録値で既存の記録を更新し、前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルにおける各記録の内容は、前記ネットワークエンティティIDを含むが、それらに限らない、ステップ(102)と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のICNメッセージの転送方法。
【請求項3】
前記ステップ(2)は、具体的には、
転送対象のICNメッセージから宛先ネットワークエンティティIDを取得する、ステップ(201)と、
前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルから前記宛先ネットワークエンティティIDにマッチングするエントリー記録を検索し、存在しない場合、ステップ(204)に入り、存在する場合、ステップ(203)を実行する、ステップ(202)と、
前記ICNメッセージの転送前の前処理を完了する、ステップ(203)と、
前記ネットワーク転送装置が、前記ICNメッセージにおける宛先ネットワークアドレスに基づいて、ルーティング転送メカニズムにより該ICNメッセージの転送を完了する、ステップ(204)と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載のICNメッセージの転送方法。
【請求項4】
前記ステップ(203)における転送前の前処理は、メッセージを修正することが含まれるが、それに限られず、前記ICNメッセージにおける宛先ネットワークアドレスを、外部システムから取得された宛先ネットワークエンティティIDに対応する、移動後に新たにバインディングしたネットワークアドレスに修正するとを特徴とする請求項3に記載のICNメッセージの転送方法。
【請求項5】
前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルをメンテナンスするステップを更に含み、具体的には、
前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルに対して記録の追加又は記録の更新を行う際に、記録の内容が更に現在時刻に関連する時間パラメータ値を設定することを含む、ステップ(S1)と、
ステップ(S202)において、前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルにおけるマッチングするエントリー記録に対して現在時刻に関連する時間パラメータ値を設定する、ステップ(S2)と、
前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルにおける各記録に対応する時間パラメータ値をモニタリングすることにより、時間パラメータ値と現在時刻との偏差が設定された時間閾値より大きい記録をタイムアウト無効記録として判定して、該記録を前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルから削除する、ステップ(S3)と、
を含むことを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載のICNメッセージの転送方法。
【請求項6】
前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルをメンテナンスするステップは、外部インターフェースメッセージを受信するメカニズムにより、指定されたネットワークエンティティID情報を取得して、前記ネットワークエンティティIDに対応する記録を前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルから削除する、ことを更に含む、
ことを特徴とする請求項5に記載のICNメッセージの転送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク技術及び通信技術分野に関し、特にICNメッセージの転送方法に関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本願は、名称が「ICNメッセージの転送方法」であり、2018年5月28日に出願された中国特許出願第201810522656.8号に基づく優先権を主張し、この中国特許出願のすべての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
端末が移動すると、従来のインターネットシステムにおけるIPアドレスの変化を引き起こすことがある。情報センターネットワーク(ICN)の基本理念は、名前とアドレスとを分離することである。ICNの名前付けメカニズムを用いて、ネットワークにおける各エンティティはいずれも位置に関連のないエンティティの唯一の識別子を名前として取得し、エンティティの名前とエンティティの現在のネットワークアドレスとの動的なバインディングによって、通信中にIPアドレスが変化するという問題を解決することができる。
【0004】
現在のホップバイホップ転送及びネットワークアドレスの動的なバインディング特性をサポートするルーティングスキームは、受信されたメッセージデータをキャッシュしてから転送することができ、且つエンティティの名前に基づいてネットワークアドレスを改めてバインディングすることをサポートし、端末とネットワークとの連絡状態を最適化することに注力し、サービスの継続性をより良く確保する。しかしながら、既存のスキームはネットワークエンティティの位置の移動変化を直ちに感知できず、遅延制御及びサービスの継続性への要件に対して、より高いアプリケーション要件を効果的に満たすことができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の解決しようとする技術的問題は、通信中のネットワークエンティティの移動によって現在のネットワークアドレスを変えた後、メッセージのルーティング転送を担当するネットワーク装置により、移動後の現在の新しいアドレスを検索・取得するように如何に迅速にトリガーして、メッセージアドレスを新しいアドレスに修正してから転送するかである。転送メッセージの宛先アドレスを直ちに調整することにより、メッセージの配信の成功率を向上させ、移動サービスセッションの継続性を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、ICNメッセージの転送方法を提供する。この方法は、
ネットワーク転送装置が、ネットワークエンティティID及びそれに関連してバインディングしているネットワークアドレスの状態を記録するためのネットワークエンティティID関連付け状態テーブルを維持し、ネットワークエンティティの位置移動によりそのネットワークアドレスのバインディング関係を変化させた後、前記ネットワーク転送装置が、ネットワークエンティティの通知情報に基づいて、ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルにおける前記ネットワークエンティティの記録を追加又は更新する、ステップ(1)と、
前記ネットワーク転送装置が、ICNメッセージを受信した場合、現在のネットワークエンティティID関連付け状態テーブルにおける情報を利用して、ICNメッセージを処理する必要があるか否かを判断し、処理の必要がある場合、処理を行った後にICNメッセージを転送し、処理の必要がない場合、ICNメッセージを直接転送する、ステップ(2)と、を含む。
【0007】
上記方法の改良として、前記ステップ(1)は、具体的には、前記ネットワーク転送装置が、
ネットワークエンティティの位置移動によりそのネットワークアドレスのバインディング関係を変えた後、前記ネットワークエンティティとそのネットワークアドレスとのバインディング関係が変化した通知情報を取得し、前記通知情報には、少なくとも現在位置の移動によりそのバインディングしているネットワークアドレスを変化させることを示すためのネットワークエンティティIDが含まれる、ステップ(101)と、
前記ネットワーク転送装置が、前記通知情報に含まれるネットワークエンティティIDに基づいて新しい記録を生成し、前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルにおいて前記ネットワークエンティティの記録がない場合、新しい記録を該ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルに追加し、前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルにおいて該ネットワークエンティティIDに関連する記録がある場合、今回の新しい記録値で既存の記録を更新し、前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルにおける各記録の内容は、前記ネットワークエンティティIDを含むが、それらに限らない、ステップ(102)と、を含む。
【0008】
上記方法の改良として、前記ステップ(2)は、具体的には、
転送対象のICNメッセージから宛先ネットワークエンティティIDを取得する、ステップ(201)と、
ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルから前記宛先ネットワークエンティティIDにマッチングするエントリー記録を検索し、存在しない場合、ステップ(204)に入り、存在する場合、ステップ(203)を実行する、ステップ(202)と、
前記ICNメッセージの転送前の前処理を完了する、ステップ(203)と、
ネットワーク転送装置が、前記ICNメッセージにおける宛先ネットワークアドレスNAに基づいて、ルーティング転送メカニズムにより前記ICNメッセージの転送を完了する、ステップ(204)と、を含む。
【0009】
上記方法の改良として、前記ステップ(203)における転送前の前処理は、メッセージを修正することが含まれるが、それに限らない。前記ICNメッセージにおける宛先ネットワークアドレスを、外部システムから取得された前記宛先ネットワークエンティティIDに対応する、移動後に新たにバインディングしたネットワークアドレス値又は他のネットワークアドレス値に修正する
上記方法の改良として、該方法は、前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルをメンテナンスするステップを更に含み、具体的には、
前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルに対して記録の追加又は記録の更新を行う際に、記録の内容が更に現在時刻に関連する時間パラメータ値を設定することを含む、ステップ(S1)と、
ステップ(S202)において、前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルにおけるマッチングするエントリー記録に対して現在時刻に関連する時間パラメータ値を設定する、ステップ(S2)と、
前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルにおける各記録に対応する時間パラメータ値をモニタリングすることにより、時間パラメータ値と現在時刻との偏差が設定された時間閾値より大きい記録をタイムアウト無効記録として判定して、該記録を前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルから削除する、ステップ(S3)と、を含む。
【0010】
上記方法の改良として、前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルをメンテナンスするステップは、外部インターフェースメッセージを受信するメカニズムにより、指定されたネットワークエンティティID情報を取得して、前記ネットワークエンティティIDに対応する記録を前記ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルから削除することを更に含む。
【発明の効果】
【0011】
本発明の利点は、以下のとおりである。
【0012】
本発明は、移動シーンにおける通信サービスセッションの継続性ニーズに対して、ネットワーク転送装置によるICNメッセージの転送前の前処理をトリガーするよう、エンティティの位置移動を示すアドレスのバインディング関係変更情報及びICNメッセージ情報に基づき、ネットワークエンティティID関連付け状態テーブルを生成して更新することのできるICNメッセージの転送前の前処理をトリガーする方法を開示し、これにより、メッセージの配信の成功率を向上させ、データサービス特性を向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明によるICNメッセージの転送方法のフローチャートである。
図2】本発明によるメッセージの転送前の前処理をトリガーする必要があるか否かを判断するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明を更に説明する。
【0015】
図1に示すように、本発明の方法は、まず受信されたメッセージを分類する。ネットワークエンティティとネットワークアドレスとのバインディング関係が変化された通知情報が含まれるメッセージである場合、情報を抽出してローカルに記憶されるID関連付け状態テーブルをメンテナンスする。ICNメッセージである場合、上記ID関連付け状態テーブルの情報と組み合わせて、更に処理してから転送する必要があるか否かを判断するとともに、この判断結果に基づいて該メッセージの後処理のプロセスをトリガーする。それ以外の他のメッセージである場合、元のルーティング転送メカニズムに基づいて該メッセージの転送を完了する。
【0016】
ICNメッセージの特徴は、メッセージには宛先ネットワークエンティティID及び宛先ネットワークアドレスNAを同時に含み、且つ該メッセージ伝送中において該宛先ネットワークエンティティID値が変化しないように維持することである。ネットワークエンティティIDとは、ネットワークアドレスに関連のないネットワークエンティティを一義的に識別する情報を指し、従来のシステムにおける既存の識別情報、その一方向の変換計算値又は上記情報の組み合わせ等を含むが、それらに限らない。ネットワークアドレスとは、エンティティの位置を示すネットワークルーティング可能なアドレス情報を指し、IPアドレス、接続点アドレス等の情報を含むが、それらに限らない。上記の時間パラメータとは、現在の記録を生成する時間、又は最後に上記ネットワークエンティティIDと移動前にバインディングしているネットワークアドレス値とを含むメッセージを受信した時間を指す。ネットワークエンティティとネットワークアドレスとのバインディングの関係が変えた通知情報のメッセージのカプセル化形式は、ICNメッセージのカプセル化であってもよいし、IP等の従来のネットワークプロトコルメッセージのカプセル化であってもよく、実際の実行ニーズに応じてユーザー設定されてもよい。
【0017】
ローカルなID関連付け状態テーブルのメンテナンスは、主に以下の過程を含む。
(1)ID関連付け状態テーブルにおける記録の追加
エンティティの位置の移動によるネットワークエンティティとネットワークアドレスとのバインディング関係を変えた通知情報は、エッジのネットワーク転送装置によりネットワーク内においてメッセージの形式で転送されてもよい。該通知情報には、少なくとも現在の位置の移動によりそのバインディングしているネットワークアドレスを変えたネットワークエンティティを示すネットワークエンティティIDを含む。更に、該通知情報には、該ネットワークエンティティに対応する、移動前にバインディングしているネットワークアドレスNAが含まれてもよいし、該ネットワークエンティティに対応する、移動前にバインディングしているネットワークアドレスNAが含まれなくてもよい。本明細書では、該通知情報の具体的なメッセージ形式、転送方式、転送範囲等のメカニズムを制限しない。
【0018】
各ネットワーク転送装置は、転送によりネットワークエンティティとネットワークアドレスとのバインディング関係を変えた通知情報を取得して、それに含まれるネットワークエンティティID値に基づいて、新しい記録を構築してID関連付け状態テーブルに追加してもよい。
【0019】
ここで構築された新しい記録は、その時間パラメータが現在の時刻に関連するある量に設定されてもよい。受信された通知情報に、該IDに対応する、移動前にバインディングしているネットワークアドレスNA値も含まれる場合、該通知情報をこの新しい記録における移動前にバインディングしているネットワークアドレスとする。そうでない場合、特定値をこの新しい記録における移動前にバインディングしているネットワークアドレスとする。
【0020】
ID関連付け状態テーブルにおいて、IDに関連する記録が既に存在する場合、上記新しい記録における各値の生成方法に応じて、ID記録における移動前にバインディングしているネットワークアドレス、時間パラメータ等の値をすべて更新して入れ替える。
【0021】
(2)ID関連付け状態テーブルの使用及び更新
ID関連付け状態テーブルの使用及び更新は、メッセージの転送前の前処理をトリガーする必要があるか否かを判断するプロセスと組み合わせられており、図2に示すように、ネットワーク転送装置は、まず現在の転送対象のICNメッセージから宛先ネットワークエンティティの名前を示すID、宛先ネットワークアドレスNAを取得し、その後、ローカルに記憶されたID関連付け状態テーブルから上記宛先ネットワークエンティティIDに対応する記録を検索する。存在しない場合、上記IDにバインディングしているネットワークアドレスNAが変化していないことが示され、前処理をトリガーせずに上記ICNメッセージを直接転送してもよい。存在する場合、ID関連付け状態テーブルから上記ID記録における移動前にバインディングしているネットワークアドレス値を取得し、
(a)該移動する前にバインディングしているネットワークアドレス値は、現在の転送対象のICNメッセージから取得された宛先ネットワークアドレスNAと同じである場合、該ICNメッセージが転送前の前処理操作をトリガーする必要があることが示され、同時に、上記ID記録における対応する時間パラメータを現在の時刻に関連するある量に更新すべきである。
(b)移動する前にバインディングしているネットワークアドレス値は、特定値である場合、今回の移動前にバインディングしているネットワークアドレスにマッチングする必要がなく、上記IDのICNメッセージに対して転送前の前処理操作を無条件にトリガーすべきであることが示され、同時に、その移動前にバインディングしているネットワークアドレス値を特定値から現在の転送対象のICNメッセージから取得された宛先ネットワークアドレスNAに修正するとともに、上記ID記録における対応する時間パラメータを現在の時刻に関連するある量に更新すべきである。
(c)移動する前にバインディングしているネットワークアドレス値は特定値ではなく、且つ現在の転送対象のICNメッセージから取得された宛先ネットワークアドレスNAと同じではない場合、該ICNメッセージが本装置により転送前の前処理を行う必要がなく、直接転送されてもよいことが示される、という原則に従って更に判断する。
【0022】
(3)ID関連付け状態テーブルにおける記録の削除
タイムアウトメカニズムによってテーブルにおける記録を削除してもよい。つまり、ネットワーク転送装置は、ID関連付け状態テーブルにおける各記録に対応する時間パラメータ値をモニタリングし、時間パラメータ値と現在の時刻との偏差がある設定された時間閾値より大きい記録をタイムアウト無効記録として判定して、上記記録をID関連付け状態テーブルから削除する。
【0023】
上記方法の改良として、該IDに対応する記録をID関連付け状態テーブルから削除するために、更に外部インターフェースメッセージを受信するというメカニズムによって、指定されたネットワークエンティティID情報を取得してもよい。
【0024】
(4)ID関連付け状態テーブルのパラメータ拡張
実際の応用シーンに基づき、ID関連付け状態テーブルにおけるパラメータを拡張定義して使用し、上記メッセージの転送前の前処理をトリガーする際に、該拡張パラメータを転送してもよい。
【0025】
最後に説明すべきことは、以上の実施例が本発明の技術案を説明するためのものであって、制限するものではない。実施例を参照しながら本発明を詳しく説明したが、当業者であれば理解されるべきであるように、本発明の技術案に対して行われる修正や等価置換は、本発明の技術案の趣旨及び範囲から逸脱することなく、いずれも本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
図1
図2