(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】核燃料粉末の生産設備
(51)【国際特許分類】
G21C 3/62 20060101AFI20220915BHJP
G21C 21/00 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
G21C3/62 100
G21C3/62 800
G21C21/00
(21)【出願番号】P 2021520141
(86)(22)【出願日】2018-10-09
(86)【国際出願番号】 FR2018052498
(87)【国際公開番号】W WO2020074793
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2021-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】391045831
【氏名又は名称】フラマトム
【氏名又は名称原語表記】FRAMATOME
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】ペラン,セルジュ
(72)【発明者】
【氏名】ルケット,パスカル
【審査官】松平 佳巳
(56)【参考文献】
【文献】特表2001-511109(JP,A)
【文献】米国特許第04112055(US,A)
【文献】特開昭49-103094(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G21C 3/62
G21C 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
核燃料粉末の生産設備において、
- 六フッ化ウラン(UF
6)を二酸化ウラン(UO
2)に変換する変換設備(2)であって、
- 加水分解反応装置(4)内に注入された気体UF
6と乾燥水蒸気の間の反応によりUF
6を酸フッ化ウラン(UO
2F
2)粉末に変換するための加水分解反応装置(4)、および
- 熱加水分解炉(6)内で循環する乾燥水蒸気および水素ガス(H
2)とUO
2F
2粉末との反応により、UO
2F
2粉末をUO
2粉末に変換するための熱加水分解炉(6)
を含む変換設備(2)と、
- UO
2粉末の梱包アセンブリ(20)であって、UO
2粉末を容器(24)に充填する充填ステーション(22)を含み、該充填ステーション(22)には、閉込めチャンバ(26)、前記炉(6)からUO
2粉末の補給を受け閉込めチャンバ(26)内に通じる出口(30)を有する充填用ダクト(28)、および容器(24)内に充填用ダクト(28)の出口(30)から落下するUO
2粉末の流束(P)を中心とする環状空気流束(A)を吸引するために充填用ダクト(28)の出口(30)に配置された吸引リング(34)を含む吸引システム(32)が含まれている、梱包アセンブリ(20)と
を含む生産設備。
【請求項2】
充填ステーション(22)が、閉込めチャンバ(26)を減圧状態にして閉込めチャンバ(26)内に存在する空気を吸引し濾過するための換気システム(48)を含む、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
閉込めチャンバ(26)が、容器(24)をキャビン内に導入するかまたはその外に引出すための扉(54)を含むキャビンである、請求項1または2に記載の設備。
【請求項4】
閉込めチャンバ(26)内の圧力を測定するために閉込めチャンバ(26)内に配置されたセンサ(60)と、閉込めチャンバ(26)の内部が過圧状態の場合に警報信号を発出するための警報器(62)とを含む警報システム(58)を含む、請求項1から3のいずれか一つに記載の設備。
【請求項5】
閉込めチャンバ(26)には、閉込めチャンバ(26)の内部の汚染の検査を実現するために閉込めチャンバ(26)内に配置された放射能汚染検査装置(57)が装備されている、請求項1から4のいずれか一つに記載の設備。
【請求項6】
少なくとも2つのUO
2粉末貯蔵用ポット(66)および、UO
2粉末を貯蔵用ポット(66)に向かって連続的に分配するための分配器(64)を含み、充填用ダクト(28)が貯蔵用ポット(66)から連続的に補給を受けている、請求項1から5のいずれか一つに記載の設備。
【請求項7】
分配器(64)が、平坦な底面(72)を有する槽(68)、および槽(68)の底面(72)のかき取り用
の1つのスクレーパ(74)を有する、請求項6に記載の設備。
【請求項8】
分配器(64)が、槽(68)の底面(72)内に設けられたUO
2粉末用の出口開口部(78)を含み、各出口開口部(78)がそれぞれ貯蔵用ポット(66)に補給を行う、請求項7に記載の設備。
【請求項9】
分配器(64)の内部に中性ガスを注入するように構成された中性ガス注入装置(69)を含む、請求項6から8のいずれか一つに記載の設備。
【請求項10】
UO
2が充填された容器(24)を反転させ空にするための反転ステーション(100)を含む、請求項1から9のいずれか一つに記載の設備。
【請求項11】
反転ステーション(100)が、反転ステーション(100)によって反転された容器(24)の入口開口部(35)の近くに位置するように配置された吸引リング(142)を含む吸引システムを含む、請求項10に記載の設備。
【請求項12】
反転ステーション(100)が、シャーシ(102)、容器(24)を把持するための容器ホルダ(104)、シャーシ(102)に回転する形で組付けられ容器ホルダ(104)を担持する少なくとも1つの持上げアーム(106)、および持上げアーム(106)との関係における容器ホルダ(104)の回転を制御するための反転メカニズム(108)を含み、反転メカニズム(108)は、シャーシ(102)との関係における持上げアーム(106)の回転が持上げアーム(106)との関係における容器ホルダ(104)の回転を誘発するように構成されている、請求項10または11に記載の設備。
【請求項13】
反転メカニズム(108)が、シャーシ(102)に回転するように固定されながら持上げアーム(106)に回転する形で組付けられた第1のピニオン(132)と、容器ホルダ(104)に回転するように固定されながら持上げアーム(106)に回転する形で組付けられた第2のピニオン(134)と、第1のピニオン(132)を第2のピニオン(134)に連結する駆動メカニズム(135)とを含む、請求項12に記載の設備。
【請求項14】
反転ステーション(100)が、容器(24)を反転位置に抑止するためにシャーシ(102)上に配置された抑止装置(124)を含む、請求項12または13に記載の設備。
【請求項15】
反転ステーション(100)が、反転位置にある容器(24)の存在を検出するための存在センサ(144)を含み、容器(24)が、容器(24)を開閉するための開放システム(146)を含み、反転ステーション(100)は、反転位置にある容器(24)の存在が存在センサ(144)によって検出される場合にのみ開放システム(146)を開放するように構成されている、請求項10から14のいずれか一つに記載の設備。
【請求項16】
前記炉(6)の入口(10)に配置されたシール(11)、前記炉(6)の出口(12)に配置されたシール(11)、および/またはUO
2F
2粉末を前記反応装置(4)から前記炉(6)に向かって移送するように構成された移送装置(18)と前記反応装置(4)との間に配置されたシール(11)を含み、中性ガスを用いてシールまたは各々のシール(11)に圧力を加えるように構成された、請求項1から15のいずれか一つに記載の設備。
【請求項17】
中性ガス雰囲気下でのUF
6からUO
2F
2粉末への変換を実現するために前記反応装置(4)内に中性ガスを注入するように構成された、請求項1から16のいずれか一つに記載の設備。
【請求項18】
中性ガスが窒素(N
2)である、請求項16または17に記載の設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に核燃料棒用のUO2ペレット製造を目的とする二酸化ウラン(UO2)粉末の生産の分野に関する。
【背景技術】
【0002】
ウランを六フッ化ウラン(UF6)の形で濃縮することが可能である。しかしながら、UO2ペレットを製造するためにはその後UF6をUO2に変換することが必要である。
【0003】
このためには、気体UF6および乾燥水蒸気を反応装置の中に注入してUO2F2粉末を得ることによって、反応装置内での加水分解により気体UF6を酸フッ化ウラン(UO2F2)に変換し、その後、炉内でUO2F2粉末を循環させ乾燥水蒸気および水素ガス(H2)を炉内に注入することによって、炉内の熱加水分解により、UO2F2粉末をUO2粉末に変換することが可能である。
【0004】
米国特許第6136285号明細書は、このような変換方法を実施するための加水分解反応装置および熱加水分解炉を含むUF6からUO2への変換設備を開示している。
【0005】
得られたUO2粉末は、核燃料ペレット製造のために輸送され使用され得るように、梱包されなければならない。しかしながら、UO2粉末は揮発性であり、大気中に容易に分散し、UF6からUO2への変換設備を汚染し得る。
【0006】
放射線学上の非汚染性および変換設備に介入するオペレータのセキュリティのため、核分裂性物質の分散の危険性を制限することが適切である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的の1つは、ウランによる汚染の危険性を制限できるようにする核燃料粉末の生産設備を提案することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このために、本発明は、核燃料粉末の生産設備において、
- 六フッ化ウラン(UF6)を二酸化ウラン(UO2)に変換する設備であって、
- 加水分解反応装置内に注入された気体UF6と乾燥水蒸気の間の反応によりUF6を酸フッ化ウラン(UO2F2)粉末に変換するための加水分解反応装置、および
- 熱加水炉内で循環する乾燥水蒸気および水素ガス(H2)とUO2F2粉末との反応により、UO2F2粉末をUO2粉末に変換するための熱加水分解炉、
を含む変換設備と、
- UO2粉末の梱包アセンブリであって、UO2粉末を容器に充填するステーションを含み、充填ステーションには、閉込めチャンバ、炉からUO2粉末の補給を受け閉込めチャンバ内に通じる出口を有する充填用ダクト、および容器内に充填用ダクトの出口から落下するUO2粉末の流束を中心とする環状空気流束を吸引するために充填用ダクトの出口に配置された吸引リングを含む吸引システムが含まれている、梱包アセンブリと
を含む生産設備を提案する。
【0010】
特定の実施形態によると、変換設備は、個別に、または技術的に可能なすべての組合せにしたがって考慮した、以下の任意の特徴のうちの単数または複数を含むことができる。
- 充填ステーションは、閉込めチャンバを減圧状態にして閉込めチャンバ内に存在する空気を吸引し濾過するための換気システムを含む、
- 閉込めチャンバは、容器をキャビン内に導入するかまたはその外に引出すための扉を含むキャビンである、
- 該設備は、閉込めチャンバ内の圧力を測定するために閉込めチャンバ内に配置されたセンサと、閉込めチャンバの内部が過圧状態の場合に警報信号を発出するための警報器とを含む警報システムを含む、
- 閉込めチャンバには、閉込めチャンバ内部の汚染の検査を実現するために閉込めチャンバ内に配置された放射能汚染検査装置が装備されている、
- 該設備は、少なくとも2つのUO2粉末貯蔵用ポットおよび、UO2粉末を貯蔵用ポットに向かって連続的に分配するための分配器を含み、充填用ダクトは貯蔵用ポットから連続的に補給を受けている、
- 分配器は、平坦な底面を有する槽、および槽の底面のかき取り用の少なくとも1つのスクレーパを有する、
- 分配器は、槽の底面内に設けられたUO2粉末用の出口開口部を含み、各出口開口部はそれぞれ貯蔵用ポットに補給を行う、
- 該設備は、分配器の内部に中性ガスを注入するように構成された中性ガス注入装置を含む、
- 該設備は、UO2が充填された容器を反転させ空にするための反転ステーションを含む、
- 反転ステーションは、反転ステーションによって反転された容器の入口開口部の近くに位置するように配置された吸引リングを含む吸引システムを含む、
- 反転ステーションは、シャーシ、容器を把持するための容器ホルダ、シャーシに回転する形で組付けられ容器ホルダを担持する少なくとも1つの持上げアーム、および持上げアームとの関係における容器ホルダの回転を制御するための反転メカニズムを含み、反転メカニズムは、シャーシとの関係における持上げアームの回転が持上げアームとの関係における容器ホルダの回転を誘発するように構成されている、
- 反転メカニズムは、シャーシに回転するように固定されながら持上げアームに回転する形で組付けられた第1のピニオンと、容器ホルダに回転するように固定されながら持上げアームに回転する形で組付けられた第2のピニオンと、第1のピニオンを第2のピニオンに連結する駆動メカニズムとを含む、
- 反転ステーションは、容器を反転位置に抑止するためにシャーシに配置された抑止装置を含む、
- 反転ステーションは、反転位置にある容器の存在を検出するための存在センサを含み、容器は、容器を開閉するための開放システムを含み、反転ステーションは、反転位置にある容器の存在が存在センサによって検出される場合にのみ開放システムを開放するように構成されている、
- 該設備は、炉の入口に配置されたシール、炉の出口に配置されたシール、および/またはUO2F2粉末を反応装置から炉に向かって移送するように構成された移送装置と反応装置との間に配置されたシールを含み、中性ガスを用いてシールまたは各々のシールに圧力を加えるように構成されている、
- 該設備は、中性ガス雰囲気下でのUF6からUO2F2粉末への変換を実現するために反応装置内に中性ガスを注入するように構成されている、
- 中性ガスは、窒素(N2)である。
【0011】
本発明およびその利点は、単なる一例として提供され添付図面を参照してなされた以下の説明を読むことによってより良く理解されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図2】容器にUO
2粉末を充填する際に浮遊状態にある粒子を吸引するシステムを示す、
図1の核燃料粉末生産設備の充填ステーションの細部の概略図である。
【
図3】
図1の核燃料粉末生産設備の分配器の詳細図である。
【
図4】UO
2粉末を格納する容器の反転ステーションの概略斜視図である。
【
図5】明確に異なる構成にある、
図4の反転ステーションの概略的側面図である。
【
図6】明確に異なる構成にある、
図4の反転ステーションの概略的側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1に例示されているような核燃料粉末生産設備1は、UF
6をUO
2に変換するように構成された変換設備2を含む。
【0014】
変換設備2は、反応装置4内に注入された気体UF6と乾燥水蒸気(H2O)の間の反応によって、UF6をUO2F2粉末に変換するための加水分解反応装置4を含む。
【0015】
変換設備2は、炉6内に注入された熱加水分解用乾燥水蒸気(H2O)および気体H2とUO2F2粉末との反応によって、UO2F2粉末をUO2粉末に変換するための熱加水分解炉6を含む。
【0016】
変換設備2は、反応装置4内および炉6内に反応性ガス(気体UF6、乾燥水蒸気および気体H2)を注入するように構成された補給装置8を含む。
【0017】
補給装置8はさらに、UF6からUO2への変換が中性ガス雰囲気下で行われるように反応装置4内に中性ガスを注入するように構成されている。中性ガスは好ましくは窒素(N2)である。
【0018】
反応装置4内に注入されるUF6および乾燥水蒸気は、反応装置4の底面に落下するUO2F2粉末を形成する。
【0019】
炉6は、UO2F2粉末を収容するために反応装置4に連結される入口10、およびUO2粉末を送出するための出口12を含む。
【0020】
変換設備2は、炉6の入口10および炉6の出口12において気密性を実現するため、それぞれ炉6の入口10および炉6の出口12のところにシール11を含む。
【0021】
炉6は、UO2F2粉末が、炉6内に注入された乾燥水蒸気(H2O)および気体H2に曝露されながら、入口10から出口12に向かって炉6内を前進するように構成された連続炉である。
【0022】
変換設備2はここでは、UO2F2粉末に対し逆流で、すなわち出口12から入口10に向かって炉6内に注入された乾燥水蒸気(H2O)および気体H2を循環させるように構成されている。補給装置8は、炉6の出口12を通って炉6内に乾燥水蒸気(H2O)および気体H2を注入するように構成されている。
【0023】
炉6は、中心軸Cに沿って延在しそれぞれ入口10および出口12を形成する相対する第1の端部と第2の端部とを有する回転ドラム14を含む。ドラム14は、入口10が出口12よりも高くなるように傾斜している。作動中、ドラム14の傾斜および回転のため、UO2F2粉末は入口10から出口12に向かって前進する。
【0024】
炉6は、ドラム14を加熱するための加熱要素16を含む。示された実施例において、加熱要素16はドラム14を取り囲む。
【0025】
変換設備2は、余剰の反応性ガス、不活性ガス、および変換の結果得られる気体副産物、すなわちフッ化水素HFを回収するための回収装置17を含む。
【0026】
回収装置17は、ここでは反応装置4内に存在する気体、および炉6内における気体の逆流循環のため炉6から反応装置4内を逆にたどる気体を回収するために、反応装置4内に配置されている。
【0027】
変換設備2は、UO2F2粉末を反応装置4の底面から炉6の入口10に向かって移送するための移送装置18を含む。移送装置18は、ここでは動力式ウォームスクリューである。
【0028】
変換設備2は、移送装置18と反応装置4の間、より厳密には移送装置18と、この移送装置18が反応装置4内に挿入されるときに通る反応装置4の開口部との間に気密性を実現するように配設されたシール11を含む。
【0029】
変換設備2は、中性ガス、好ましくは窒素(N2)を、好ましくは変換設備2内に存在する圧力よりも高い圧力で連続的に注入することにより、各シール11に加圧するように構成されている。
【0030】
炉の入口10、出口12、および/または反応装置4と移送装置18との間に配置されたシール11のところで、変換設備2内に存在する圧力よりも高い圧力で中性ガスを注入することによって、反応性生成物および反応生成物が変換設備2の外に漏出するのを妨ぐことができ、変換設備2内の前記生成物の閉込めが保証される。
【0031】
変換設備2は、炉6から出るUO2粉末を梱包するための梱包アセンブリ20を含む。
【0032】
反応装置4および炉6は、連続的に作動し、UO2粉末を連続的に生産するように備えられている。梱包アセンブリ20は、反応装置4および炉6により連続的に供給されるUO2粉末を容器に充填するように構成されている。
【0033】
梱包アセンブリ20は、UO2粉末を容器24に充填する充填ステーション22を含む。
【0034】
充填ステーション22は、閉込めチャンバ26、炉6からのUO2粉末の補給を受け閉込めチャンバ26内に通じる出口30を有する充填用ダクト28、および吸引システム32を含む。
【0035】
図2を見れば分かるように、吸引システム32は、充填用ダクト28の出口30から容器24の入口開口部35内に落下するUO
2粉末の流束Pを中心とする環状空気流束Aを吸引するために充填用ダクト28の出口30に配置された吸引リング34を含む。
【0036】
吸引リング34は、充填用ダクト28の出口30から出た粉末流束Pが吸引リング34を横断して通過するような形で配置されている。吸引リング34は、充填用ダクト28の出口30を延長する仮想円筒を中心にして配置されている。
【0037】
吸引リング34は、中心軸Bを中心として延在する環状管36を含む。管36はトーラス形状を有する。管36には、中心軸Bを中心として管36上に分布した吸引用オリフィス38が備わっている。吸引用オリフィス38は、吸引リング34の内部に向けられた管36の壁の一部分に配置されている。
【0038】
吸引リング34は、管36に連結された出口ダクト40を含む。
【0039】
管36の内部で吸引力が発生した場合、吸引リング34は、環状空気流束Aを吸引する。
【0040】
充填用ダクト28から容器24に向かうUO2粉末の流動の際には、粉末粒子が不可避的に周囲の空気中に浮遊した状態となる。
【0041】
吸引リング34内で発生する適切な吸引力により、充填用ダクト28の出口30の周りの空気中に浮遊した状態の粉末粒子を吸引しながら、充填用ダクト28から容器24内への粉末の流動を混乱させないことが可能である。したがって周囲の空気の汚染は、効果的に制限される。
【0042】
有利には、充填ステーション22は、UO2粉末の充填の前または最中に容器24を不活性化するための中性ガスの注入パイプ39を含む。この構成によって、UO2粉末が空気と接触するのを回避し、こうしてUO2粉末の酸化および粉塵爆発の危険性を制限することが可能になる。注入される中性ガスは、例えば窒素(N2)である。
【0043】
図1に戻ると、吸引システム32は、吸引力を生成するための吸引機42を含む。吸引機42は、吸引リング34を介して空気を吸引するため、吸引リング34の出口ダクト40に連結される。
【0044】
吸引システム32は、吸引リング34によって吸引された空気から粉末粒子を分離するための粒子分離器44を含む。粒子分離器44はここではサイクロン分離器である。
【0045】
吸引システム32は、吸引した空気中に存在する粉末粒子を濾過するための濾過装置46を含む。
【0046】
示された実施例において、濾過装置46は、粒子分離器44の下流側に配置され、吸引機42は濾過装置46の下流側に配置されている。これにより、吸引機42の汚染を制限しながら、空気から粒子を分離し、次に場合によって空気中に残留する粒子を濾過することが可能になる。
【0047】
充填ステーション22は、閉込めチャンバ26内に存在する空気を吸引することによって閉込めチャンバ26の内部の空気を入れ替えるための換気システム48を含む。
【0048】
換気システム48は、充填ステーション22の内部を減圧状態に維持し、こうして充填ステーション22の外部に向かうあらゆる粉末の拡散を回避することを可能にする。
【0049】
換気システム48は、閉込めチャンバ26内に存在する空気の吸引力を生成するための吸引機50、および吸引した空気中に存在する粉末粒子を濾過するための濾過装置52を含む。
【0050】
換気システム48が吸引により作動することから、閉込めチャンバ26の周囲空気中に場合によって存在する粉末は、外部に吐出されず、換気システム48によって吸引され濾過される。
【0051】
図1に示されているように、閉込めチャンバ26は、閉鎖体積を境界画定する閉鎖されたキャビンである。変形形態では、閉込めチャンバ26はフードである。
【0052】
閉込めチャンバ26は、アクセス扉54を含み、この扉の開放により、閉込めチャンバ26内に容器24を導入するか、または閉込めチャンバの外に容器24を引出すことが可能になる。
【0053】
充填ステーション22は、扉54の開閉を自動的に制御するための扉制御システム56を含む。
【0054】
閉込めチャンバ26には好ましくは、閉込めチャンバ26内部での検査を実現し特に考えられる核分裂性物質による汚染を検出するために、閉込めチャンバ26の下部部分に配置された放射能汚染検査装置57が備わっている。放射能汚染検査装置57は例えば、アルファ放射線検出器、および/または閉込めチャンバ26内に存在する大気の試料を採取しその放射能を測定することを可能にする装置を含む。
【0055】
閉込めチャンバ26にはさらには、閉込めチャンバ26内部に配置され内部の圧力を測定するためのセンサ60を含む警報システム58を備えていてよい。警報システム58は、閉込めチャンバ26の内部が過圧状態の場合に、好ましくはキャビンの外でオペレータが知覚できる警報信号を発出するための警報器62を含む。
【0056】
任意には、充填ステーション22の警報システム58は、換気システム48の吸引ダクト内に配置されたセンサ63、および濾過装置52の汚染付着の兆候である吸引された空気の圧力低下の場合に警報信号を発出するように構成された警報器65を含む。
【0057】
センサ63に結び付けられた警報器65は、閉込めチャンバ26の内部に配置されたセンサ60に結び付けられた警報器とは別個のものである。
【0058】
充填ステーション22と炉6の出口12との間で、梱包アセンブリ20は、炉6によるUO2粉末の補給を受ける分配器64、および一度に1つの貯蔵用ポット66に選択的に補給を行う形で分配器64に対し並列に連結された少なくとも2つの貯蔵用ポット66を含み、ここで各貯蔵用ポット66は、一度に貯蔵用ポット66のうちの1つから選択的に充填ステーション22に補給を行うために充填ステーション22に連結されている。
【0059】
分配器64は、UO2粉末の収容用槽68を有する。
【0060】
補給ステーション20は、分配器64内、より厳密には分配器64の槽68内に中性ガス、好ましくは窒素(N
2)を注入して、出口12のところで注入された水素ガス(H
2)が槽68内に侵入するのを妨げるように構成された中性ガス注入装置69を有する。実際、分配器64内に潜在的に存在する酸素と水素ガスを接触させると、水素爆発ひいては核分裂性物質(ウラン)および有害生成物の環境内への拡散の危険性が生み出される。
図3に例示されているように、槽68は側壁70および好ましくは平坦な底面72を有し、分配器64は、槽68の底面72を掻取るためのスクレーパ74を含む。スクレーパ74は、底面72との関係において回転する形で組付けられ、スクレーパ74の駆動用モータ76(
図1)に結合されている。
【0061】
槽68の底面72には、出口開口部78が備わり、各出口開口部78がそれぞれの貯蔵用ポット66に補給を行う。
【0062】
分配器64は、それぞれの出口開口部78を開閉するために各出口開口部78に結び付けられたそれぞれの閉鎖システム80(
図1)を含む。
【0063】
スクレーパ74は、スクレーパ74の回転によって、槽68の底面72上に停滞するUO2粉末を出口開口部78に向かって押し動かすように備えられている。
【0064】
図3に例示されているように、側壁70は、中心軸Rを中心とする円柱状であり、底面72は、底面72上に分布した複数(ここでは3つ)の出口開口部78を含む。出口開口部78はここでは好ましくは、中心軸Rを中心とする仮想円上に均等に分布している。
【0065】
スクレーパ74は、中心軸Rを中心にして回転する形で組付けられている。スクレーパ74は、半径方向に延在し凹状のかき取り面82Aを有する少なくとも1つのかき取り用アーム82を含む。
【0066】
かき取り面82Aの凹性は、かき取り面82Aが、中心軸Rおよび中心軸Rから最も遠いかき取り面82Aの端部を通る基準半径から漸進的に遠ざかり、次に前記基準半径に漸進的に接近する形で、中心軸Rから外に向かって半径方向に延在するようなものである。
【0067】
各々の凹状かき取り面82Aの前記基準半径から最も遠い部分は、好ましくは、半径方向に出口開口部78に対面して位置する。換言すると、各々の凹状かき取り面82Aの前記基準半径から最も遠い部分は、出口開口部78が位置する仮想円をたどる。
【0068】
この形状は、スクレーパ74の回転によって粉末を出口開口部78に向かって戻すことを可能にする。槽68の中心に位置する粉末は周辺部に向かって押しやられ、槽68の周辺部に向かって位置する粉末は槽68の中心に向かって戻される。
【0069】
これにより、生産またはUO2粉末の補給を停止する必要なく、槽68を完全に空にすることが可能になる。
【0070】
スクレーパ74はここでは、直径方向で相対する側にある2つのかき取り用アーム82を有する。スクレーパ74は、中心軸Rに沿って見た場合にS字形形状を有する。変形形態において、スクレーパ74は、唯一のかき取り用アーム82または3つ以上のかき取り用アーム82を有する。
【0071】
提示された構成において、槽68は円形であり、出口開口部78は円に沿って位置付けされ、スクレーパ74の運動は円である。
【0072】
より一般的には、槽68、出口開口部78およびスクレーパ74は、UO2粉末の補給または生産を停止する必要なく槽68を完全に空にすることを可能にするように適応された幾何形状、位置および運動を有する。
【0073】
各貯蔵用ポット66の補給は、この貯蔵用ポット66に補給を行う出口開口部78の開放を制御する閉鎖システム80によって制御される。
【0074】
各貯蔵用ポット66は、貯蔵用ポット66が満杯になり、貯蔵された粉末が十分に冷却され、空の容器24が充填される位置にある場合に、UO2粉末を充填ステーション22に向かって移送する前に一時的に貯蔵するように備えられている。
【0075】
各貯蔵用ポット66は、貯蔵用ポット66内に収容されたUO2粉末を冷却するように構成されている。
【0076】
各貯蔵用ポット66は、貯蔵用ポット66を横断して気体の循環を生成するように備えられた気体による冷却装置83を有する。気体は、好ましくは中性ガス、例えば窒素(N2)である。これにより、中性ガス雰囲気下でUO2粉末を保存し、その冷却を確保することが可能になる。
【0077】
気体による冷却装置83の各々は、ここでは、貯蔵用ポット66の下部部分で中性ガスを注入するための注入装置84、ならびに貯蔵用ポット66の上部部分で中性ガスを回収し濾過するための捕捉および濾過装置86を含む。
【0078】
有利には、注入装置84は、貯蔵用ポット66内に収容されたUO2粉末内に均一に中性ガスを注入するように構成されている。これによって、特に、粉末の中に捕えられ得る残留水分を抽出し、冷却中の粉末の圧密を回避し、かつ粉末を流動化し容器24内へのその装填を容易にすることが可能になる。このために、注入装置84は例えば、焼結金属で製造された多孔質ディフューザを含む。
【0079】
各貯蔵用ポット66は、貯蔵用ポット66の出口におけるUO2粉末の流動を制御する出口弁85により制御される出口を有する。各貯蔵用ポット66の出口は、この貯蔵用ポット66専用の出口ウォームスクリュー87に連結され、出口ウォームスクリュー87は、充填ステーション22の充填用ダクト28に補給を行うように備えられた装填ウォームスクリュー88にUO2粉末の補給を行う。
【0080】
充填用ダクト28の入口は、入口弁90によって制御される。
【0081】
作動中、反応装置4および炉6は連続的に反応性ガスの補給を受け、連続的にUO2粉末を生産する。炉6から出たUO2粉末は分配器64によって収集され、この分配器はUO2粉末を貯蔵用ポット66内に連続的かつ循環的に分配する。分配器64は、貯蔵用ポット66を充填し、その後、全ての貯蔵用ポット66を充填し終るまで後続する貯蔵用ポット66へと移行し、その後循環式に再度開始する。貯蔵用ポット66は充填されるにつれて空にされ、こうしてそれらが全て同時に満杯なることはない。
【0082】
UO2粉末は、各貯蔵用ポット66内で冷却される。
【0083】
1つの貯蔵用ポット66内に格納されたUO2粉末が冷却され、容器24がいつでも充填できる状態にある場合、この貯蔵用ポット66の出口弁85は、この貯蔵用ポット66の出口ウォームスクリュー87に補給を行うために開放され、今度はこのウォームスクリューが、充填用ダクト28に補給を行う装填ウォームスクリュー88に補給を行う。
【0084】
貯蔵用ポット66の補給のためには、スクレーパ74が回転駆動され、この貯蔵用ポット66に補給を行う出口開口部78に結び付けられた閉鎖システム80が開放される。スクレーパ74の回転によって、粉末は、開放した出口開口部78に向かって押し動かされ、貯蔵用ポット66に向かって流動する。
【0085】
スクレーパ74に結び付けられた底面72の平坦な構成のため、内部でUO2粉末が堆積を形成し得ると思われる分配器64内のデッドゾーンは存在しない。このような堆積は、オペレータによるメンテナンス介入の際の大気汚染または臨界の危険性へ導く可能性があると思われる。
【0086】
容器24は、UO2粉末を、例えばペレット化ステーションに向かって移送して、UO2粉末から例えば焼結によってUO2ペレットを形成することを可能にする。例示された構成においては、容器24を空にしてUO2粉末をペレット化ステーション内に装填するために、容器24を反転させる必要がある。
【0087】
有利には、分配器64は、4つの貯蔵用ポット66を並行して収容するように構成されている。4つの貯蔵用ポット66のうちの1つが充填中である間、4つの貯蔵用ポット66のうちの第2の貯蔵用ポットは冷却中であり、4つの貯蔵用ポット66のうちの第3の貯蔵用ポットは排出中であり、4つの貯蔵用ポット66のうちの第4の貯蔵用ポットは空である。こうして、4つの貯蔵用ポット66のうち第4の貯蔵用ポットは、核燃料粉末生産設備1の計画外の停止の場合に、変換設備2内に存在する核分裂性物質全ての排出を可能にし、変換設備2を安全な停止条件に置くために利用可能であり続ける。
【0088】
図4に例示されているように核燃料粉末生産設備1は、容器24を反転させ空にすることを可能にする反転ステーション100を含む。
【0089】
反転ステーション100は、シャーシ102、容器24を把持するための容器ホルダ104、第1の回転軸R1を中心としてシャーシ102上で枢動するように組付けられ、第1の回転軸R1と別個の第1の回転軸R1に平行な第2の回転軸R2を中心にして容器ホルダ104が上に回転可動な形で組付けられている少なくとも1つの持上げアーム106、およびシャーシ102との関係における持上げアーム106の回転によってのみ持上げアーム106との関係における容器ホルダ104の回転を誘発するための反転メカニズム108を含む。
【0090】
容器ホルダ104は、容器24上に固定されたフレーム112のくり抜き部111の中に挿入されるように備えられた2つのリフティングアーム110を含む。
【0091】
容器ホルダ104は、リフティングアーム110に沿った容器24の摺動を抑止する目的でフレーム112のくり抜き部(表示せず)内に挿入されるように可動であるロック機構116を含むロック装置114を含む。
【0092】
反転ステーション100は、ここではシャフト118によって回転結合された2つの持上げアーム106を含む。シャフト118は、第1の回転軸R1を中心としてシャーシ102上に回転的に可動な形で組付けられ、持上げアーム106はシャフト118の両端に固定され、各持上げアーム106はシャフト118のそれぞれの端部に固定されている。
【0093】
反転ステーション100は、第1の回転軸R1を中心として持上げアーム106を枢動させるための持上げシステム119を含む。持上げシステム119は、持上げアーム106を第1の回転軸R1を中心にして枢動させるためにこれらの持上げアームに連結されたアクチュエータ120を含む。
【0094】
アクチュエータ120はここでは、シャーシ102に連結された第1の端部と、持上げアーム106に回転結合された連接棒122に連結された第1の端部とは反対側の第2の端部とを有する油圧ジャッキである。連接棒122は、ここではシャフト118上に固定されている。変形形態では、アクチュエータ120は、空気圧ジャッキまたは電動ジャッキであってよい。
【0095】
シャーシ102は、容器24が反転位置にある場合にシャーシ102との関係において容器24を不動化するためフレーム112の抑止用くり抜き部128内に挿入されるように可動である抑止機構126を含む抑止装置124を含む。
【0096】
各々の抑止機構126は、それぞれの抑止用アクチュエータ130によって制御される。
図4に例示されているように、抑止機構126は、容器24の反転を可能にするために離隔され、抑止用くり抜き部128内に挿入されるためおよび反転した容器24を抑止するために接近させられる。
【0097】
図5および
図6は、それぞれ容器24を把持することを可能にする把持位置(
図5)、および容器24が反転させられている反転位置(
図6)にある反転ステーション100を例示している。
図6では、容器24は、抑止装置124によって抑止されている。
【0098】
図5および
図6を見れば分かるように、反転メカニズム108は、シャーシ102に回転するように固定されながら持上げアーム106に回転する形で組付けられた第1のピニオン132と、容器ホルダ104に回転するように固定されながら持上げアーム106に回転する形で組付けられた第2のピニオン134と、第1のピニオン132を第2のピニオン134に連結する駆動メカニズム135とを含む。
【0099】
第1のピニオン132はここでは、第1のピニオン132に回転結合された一方の端部とシャーシ102上に固定されたもう一方の端部を有する抑止アーム136を介してシャーシ102に回転結合され、こうして抑止アーム136ひいては第1のピニオン132はシャーシ102との関係において回転不動状態になっている。
【0100】
駆動メカニズム135は、例えば第1のピニオン132および第2のピニオン134上を通る駆動チェーン138を含む。
【0101】
持上げアーム106の回転の際に、第1のピニオン132は持上げアーム106との関係において枢動し、こうして、第2のピニオン134も同様に持上げアーム106との関係において枢動することになる。第2のピニオン134は、その軸を中心として枢動しながら、第1のピニオン132を中心にした円弧を描く。
【0102】
反転ステーション100のこの組付け構成では、持上げアーム106が単に回転するだけで、容器ホルダ104および容器24の外サイクロイド運動が生み出される。容器ホルダ104は、回転軸R2を中心にして枢動すると同時に、回転軸R1を中心にして円弧を描く。これにより、唯一の同じ運動において容器24の持上げと反転を得ることが可能になる。容器ホルダ104の回転の制御は、実施が容易でかつ単純な形で得られる。
【0103】
反転ステーション100は、反転した容器24から出る粉末を収容するための収容装置140を含む。
【0104】
反転ステーション100は、充填ステーション22の吸引システム32と類似する吸引システムを備えている。反転ステーション100の吸引システムは、反転した容器24の入口開口部35から収容装置140の入口まで粉末が流出するときに通る吸引リング142を特に含んでいる。吸引リング142は、充填ステーション22のものと類似するものである。
【0105】
図1に例示されているように、反転ステーション100は、反転位置にある容器24の存在を検出するための存在センサ144を含む。存在センサ144は、例えば誘導センサである。存在センサ144はここでは、抑止装置124の近くに配置されている。
【0106】
抑止装置124は、存在センサ144によって提供される信号に応じて容器24を抑止するように構成されている。
【0107】
容器24は、容器24の開閉を制御する開放システム146を備えている。
【0108】
反転ステーション100は、存在センサ144によって提供される信号に応じて容器24の開放システム146を制御し、詳細には、反転位置にある容器24の存在が存在センサ144によって検出される場合にのみ容器24の開放を制御するように構成されている。
【0109】
反転ステーション100は、存在センサ144によって提供される信号に応じて、吸引リング142を介して吸引を活動化するように構成されている。吸引リング142を介した吸引は、反転した容器24の存在が検出される場合にのみ活動化される。
【0110】
任意には、反転ステーション100は、収容装置140と容器24とのドッキングのための膨張式シールを含む。これにより、位置付け許容誤差を考慮に入れながら気密なドッキングを保証することが可能になる。
【0111】
反転ステーション100は、人間の介入を最小限に抑えながら、全く安全に容器24を取扱うことができるようにする。さらに、反転ステーション100は単純で、頑丈で清掃が容易である。容器24をリフトすると同時に反転させるための油圧式または空気圧式アクチュエータ120を使用する反転メカニズム108は、スムーズな容器24の反転を可能にし、容器24内に粉末を残すことなくかつ容器24から収容装置140内への粉末の移し換えの際に粉末を散乱させることなく、UO2粉末の完全な排出を保証する。
【0112】
核燃料粉末生産設備1は全体として、変換設備2内での堆積の形成を制限しかつ容器24の排出および充填中の大気中へのUO2粉末の拡散を制限しながら、生産中およびメンテナンス作業中の、特にUO2ペレット生産ステーションにおけるUO2粉末の供給および生産を可能にする。
【符号の説明】
【0113】
2 変換設備
4 加水分解反応装置
6 熱加水分解炉
20 梱包アセンブリ
22 充填ステーション
24 容器
26 閉込めチャンバ
28 充填用ダクト
30 出口
32 吸引システム
34 吸引リング