(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-14
(45)【発行日】2022-09-26
(54)【発明の名称】遮光複合フィルム、その製造方法及び使用
(51)【国際特許分類】
B32B 27/12 20060101AFI20220915BHJP
B32B 27/00 20060101ALI20220915BHJP
B32B 27/18 20060101ALI20220915BHJP
B32B 7/023 20190101ALI20220915BHJP
A47H 23/08 20060101ALI20220915BHJP
【FI】
B32B27/12
B32B27/00 N
B32B27/18 Z
B32B7/023
A47H23/08
(21)【出願番号】P 2021531157
(86)(22)【出願日】2019-02-28
(86)【国際出願番号】 CN2019076518
(87)【国際公開番号】W WO2020172860
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-02-05
(73)【特許権者】
【識別番号】521055574
【氏名又は名称】江蘇君霖紡織科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Jiangsu Junlin Textile Technology Ltd.
【住所又は居所原語表記】No.199, Nanxiang Road, Dafeng District, Yancheng, Jiangsu 224100, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】中華人民共和国214445江蘇省江陰市▲こう▼土鎮鎮澄路3886号
(72)【発明者】
【氏名】中華人民共和国224100江蘇省鹽城市大豐区南翔路199号
【審査官】磯貝 香苗
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-108174(JP,U)
【文献】特開2004-243006(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106739334(CN,A)
【文献】特開2002-052670(JP,A)
【文献】特開2013-177625(JP,A)
【文献】特開2016-132694(JP,A)
【文献】実公昭48-011369(JP,Y1)
【文献】特開平09-239890(JP,A)
【文献】特開2002-127336(JP,A)
【文献】中国実用新案第206536930(CN,U)
【文献】中国実用新案第207044855(CN,U)
【文献】中国実用新案第209700035(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B 27/00-27/42
A47H 23/00-23/14
A01G 9/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中間の不織布と、前記不織布の両側にそれぞれ位置する少なくとも一つの光反射層と少なくとも一つの光吸収層を含み、前記光反射層と前記光吸収層が交互に配置されている遮光複合フィルムであって、前記光反射層が光反射粒子を含む樹脂で形成され、前記光吸収層が光吸収粒子を含む樹脂で形成され、
前記光反射粒子が、光反射材65~75重量部、分散剤0.5~1.5重量部、樹脂24~34重量部を混合して調製され、前記光吸収粒子が、光吸収材10~15重量部、分散剤0.5~2重量部、樹脂84~89重量部を混合して調製され、前記分散剤が安息香酸エチルヘキシル(EHBA)であり、
前記光反射材が、二酸化チタン粉末、硫酸バリウムからなる群から選ばれる1種又はその組み合わせであり、前記光吸収材が、カーボンブラック、アイアンブラック、グラファイトからなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、前記光反射粒子と前記光吸収粒子の粒子径が0.1~1ミクロンであり、
前記樹脂が、ポリエチレンPE、ポリエチレンテレフタレートPET、ポリトリメチレンテレフタレートPTT、エチレン-酢酸ビニルコポリマーEVA、熱可塑性エラストマーTPE、熱可塑性ポリウレタンエラストマーTPU、ポリオレフィンエラストマーPOEからなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、前記不織布の素材がポリプロピレンPP、ポリエチレンテレフタレートPET、ポリトリメチレンテレフタレートPTT、ポリアミドPAからなる群から選ばれる1種又は2種以上であり、
前記不織布の面密度が20g/m
2未満であり、厚さが0.05~0.15 mmであ
り、
前記遮光複合フィルムの厚さが0.5~1.0 mmである、前記遮光複合フィルム。
【請求項2】
前記遮光複合フィルムの厚さが0.5 mm、0.7 mm、
又は0.9 mmであり、面密度が50~100g/m
2である、請求項1に記載の遮光複合フィルム。
【請求項3】
前記遮光複合フィルムの面密度が60g/m
2
、70g/m
2
、80g/m
2
、又は90g/m
2
である、請求項1に記載の遮光複合フィルム。
【請求項4】
前記遮光複合フィルムにおいて各層の厚さは同じである、請求項1に記載の遮光複合フィルム。
【請求項5】
前記光反射層において前記光反射粒子の含有率が、30.0~40.0 wt%であり、前記光反射層において前記樹脂の含有率が、59.0~69.0 wt%であり、分散剤の含有率が、0.5~1.5 wt%であ
る、請求項1に記載の遮光複合フィルム。
【請求項6】
前記光吸収層において前記光吸収粒子の含有率が25~35 wt%であり、前記光吸収層において前記樹脂の含有率が64.0~74.0 wt%であり、分散剤の含有率が0.5~1.5 wt%である、請求項1に記載の遮光複合フィルム。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか1項に記載の遮光複合フィルムの製造方法であって、
S1、光反射粒子と光吸収粒子を製造する工程、
S2、前記光反射粒子と前記光吸収粒子を樹脂にそれぞれ加え、均一に混合して共押出成形して、フィルムを得る工程、
及び
S3、前記の2つのフィルムと不織布が加熱圧着処理を経って前記遮光複合フィルムを作成する工程
を含む、前記製造方法。
【請求項8】
前記S2の工程において、前記光反射粒子と樹脂との質量比が(34~40):(59~69)であり、前記光吸収粒子と樹脂との質量比が(10~15):(84~89)である、請求項7に記載の製造方法。
【請求項9】
請求項1~
6のいずれか1項に記載の遮光複合フィルムと、前記遮光複合フィルムの片面または両面に貼り付けられた生地とを含む遮光生地であって、前記生地の素材が前記遮光複合フィルムにおける不織布の素材は同じである、前記遮光生地。
【請求項10】
前記生地が織物、編物又は不織布である、請求項9に記載の遮光生地。
【請求項11】
前記遮光生地が、前記遮光複合フィルムと前記生地とをホットメルト接着剤で積層したものである、請求項9に記載の遮光生地。
【請求項12】
請求項9
~11のいずれか1項に記載の遮光生地を含ドレープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遮光材料の技術分野に属し、具体的には、遮光複合フィルム、その製造方法及び使用に関する。
【背景技術】
【0002】
日常生活において、住宅環境、各ホテル、オフィス、会議室などの公共建筑物では、日光による生活や仕事のトラブルを軽減するために、部屋の明るさを制御する必要があることがよくあります。
【0003】
その中、寝室、映画館、劇場、マルチメディア室、暗室などの光線に対する要求が厳しい場所には、通常、完全遮光のブラインド生地は必要である。
【0004】
遮光カーテン織物に対して、美観上の要求だけでなく、日光に対して良好な遮光性を持つ、同時に良好な各種の牢度性能を有することは重要な検討事項である。
【0005】
従来の市販の完全遮光生地は、コーティング処理したことが多い。だが、コーティングを経った生地は、ドレープ性と透気性は悪くなり、そして、コート層が酸化されて泡が発生し、脱落しやすいから、遮光効果を妨げる。
【0006】
従来の市販のブラインド生地は、生地の素材とフィルムの素材が違うものであるので、異なる温度条件下において、さまざまな方向のカッピングを生じるから、ブラインドの外観と遮光度に影響を与える。
【0007】
従来の市販の各種形態の遮光ブラインドは、遮光性が不良であって、高い遮光効果を得るために、ブラインドを多層にし、材質を増厚する方法を採用することが多い。これらの遮光ブラインドの生産方法は、装飾繊維制品の簡潔、軽便の人気の進展傾向を満たすことができない。そのため、遮光性の高い、軽便、簡潔の遮光ブラインドの開発は、マーケットからの要求になっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、本発明は、既存の遮光材の携帯性、耐久性、及び/又は遮光性を向上させるために、遮光複合フィルム、その製造方法及び使用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の目的を達成するために、本発明は、一つの態様で、下記の遮光複合フィルムを提供する。中間の不織布と、前記不織布の両側にそれぞれ位置する少なくとも一つの光反射層と少なくとも一つの光吸収層を含み、前記光反射層と前記光吸収層が交互に配置されている遮光複合フィルムであって、前記光反射層が光反射粒子を含む樹脂で形成され、前記光吸収層が光吸収粒子を含む樹脂で形成され、好ましくは、前記不織布の面密度が20g/m2未満であり、厚さが0.05~0.15 mmである、前記遮光複合フィルム。
【0010】
一部の実施形態では、前記遮光複合フィルムの厚さは0.05~1.0 mm(例えば、0.1 mm、0.3 mm、0.5 mm、0.7 mm、0.9 mm)であり、面密度は50~100g/m2(例えば、60g/m2、70g/m2、80g/m2、90g/m2)である。
【0011】
一部の実施形態では、前記遮光複合フィルムにおいて各層の厚さは同じである。
【0012】
一部の実施形態では、前記光反射粒子は、光反射材65~75重量部、分散剤0.5~1.5重量部、樹脂24~34重量部を混合して調製される。前記光吸収粒子は、光吸収材10~15重量部、分散剤0.5~2重量部、樹脂84~89重量部を混合して調製される。
【0013】
一部の実施形態では、前記光反射層において前記光反射粒子の含有率は30.0~40.0 wt%(例えば、31.0 wt%、32.0 wt%、33.0 wt%、34.0 wt%、35.0 wt%、36.0 wt%、37.0 wt%、38.0 wt%、39.0 wt%)であり、前記光反射層において前記樹脂の含有率は59.0~69.0 wt%(例えば、60.0 wt%、61.0 wt%、62.0 wt%、63.0 wt%、64.0 wt%、65.0 wt%、66.0 wt%、67.0 wt%、68.0 wt%)であり、分散剤の含有率は0.5~1.5 wt%(例えば、0.6 wt%、0.7 wt%、0.8 wt%、0.9 wt%、1.0 wt%、1.1 wt%、1.2 wt%、1.3 wt%、1.4 wt%)である。
【0014】
一部の実施形態では、前記光吸収層において前記光吸収粒子の含有率は25~35 wt%(例えば、26.0 wt%、27.0 wt%、28.0 wt%、29.0 wt%、30.0 wt%、31.0 wt%、32.0 wt%、33.0 wt%、34.0 wt%)であり、前記光吸収層において前記樹脂の含有率は64.0~74.0 wt%(例えば、65.0 wt%、66.0 wt%、67.0 wt%、68.0 wt%、69.0 wt%、70.0 wt%、71.0 wt%、72.0 wt%、73.0 wt%)であり、分散剤の含有率は0.5~1.5 wt%(例えば、0.6 wt%、0.7 wt%、0.8 wt%、0.9 wt%、1.0 wt%、1.1 wt%、1.2 wt%、1.3 wt%、1.4 wt%)である。
【0015】
一部の実施形態では、前記光反射材は、二酸化チタン粉末、硫酸バリウムからなる群から選ばれる1種又はその組み合わせである。
【0016】
一部の実施形態では、前記光吸収材は、カーボンブラック、アイアンブラック、グラファイトからなる群から選ばれる1種又は2種以上である。
【0017】
一部の実施形態では、前記光反射材と前記光吸収材の粒子径は0.1~1ミクロンである。
【0018】
分散安定性のために、前記光反射材と前記光吸収材は、樹脂との相溶性を増えるために表面変性処理を経ってもよい。
【0019】
一部の実施形態では、前記樹脂は、ポリエチレンPE、ポリエチレンテレフタレートPET、ポリトリメチレンテレフタレートPTT、エチレン-酢酸ビニルコポリマーEVA、熱可塑性エラストマーTPE、熱可塑性ポリウレタンエラストマーTPU、ポリオレフィンエラストマーPOEからなる群から選ばれる1種又は2種以上である。
【0020】
一部の実施形態では、前記不織布の素材は、ポリプロピレンPP、ポリエチレンテレフタレートPET、ポリトリメチレンテレフタレートPTT、ポリアミドPAからなる群から選ばれる1種又は2種以上である。
【0021】
一部の実施形態では、前記分散剤は安息香酸エチルヘキシル(EHBA)である。安息香酸エチルヘキシル(EHBA)は、光反射材と光吸収材が樹脂の系の中の分散安定性を向上させ、粒子の間の凝集作用を低減できる。
【0022】
一つの態様で、本発明は、また、下記方法を提供する。遮光複合フィルムの製造方法であって、
S1、光反射粒子と光吸収粒子を製造する工程、
S2、前記光反射粒子と前記光吸収粒子を樹脂にそれぞれ加え、均一に混合して共押出成形して、フィルムを得る工程であって、好ましくは、前記光反射粒子と樹脂との質量比が(34~40):(59~69)であり、前記光吸収粒子と樹脂との質量比が(10~15):(84~89)である前記工程、
S3、前記の2つのフィルムと不織布が加熱圧着処理を経って前記遮光複合フィルムを作成する工程
を含む、前記製造方法。
【0023】
もう一つの態様では、本発明はまた遮光複合フィルムの使用に関する。
【0024】
本発明は、下記遮光生地を提供する。遮光複合フィルムと、前記遮光複合フィルムの片面または両面に貼り付けられた生地とを含む遮光生地であって、前記生地の素材が前記遮光複合フィルムにおける不織布の素材は同じある、前記遮光生地。
【0025】
一部の実施形態では、前記生地は織物、編物又は不織布である。
【0026】
一部の実施形態では、前記遮光生地は、前記遮光複合フィルムと、前記生地とを、ホットメルト接着剤で積層したものである。
【0027】
また、本発明は前記遮光生地を含むドレープを提供する。
【発明の効果】
【0028】
従来技術と比べて、本発明は以下の有益効果を有する。
(1)本発明の製造方法は容易、低コスト、生産効率が高く、工業生産にしやすい。
(2)本発明の樹脂原料は、供給源の範囲が広く、色々な形に加工しやすく、取り扱いも簡単である。
(3)本発明の遮光複合フィルムは、遮光性が強く、カッピングしにくく、耐久性を有し、軽量構造であり、色がきれいなどの利点があり、今の高級カーテンの素材に対する要求を満たすことができる。
(4)本発明の完全遮光ブラインドは、良い遮光効果を有し、住宅、病棟、自動車の内装、航空機の内装などの室内装飾分野に適用でき、広い応用可能性と市販のよい見込みを持つ。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明の実施例の遮光複合フィルムを示す。
【
図2】
図2は、本発明のもう一つの実施例の遮光複合フィルムを示す。
【
図3】
図3は、本発明の実施例のT型モールド成型のプロセスを示す。
【
図4】
図4は、本発明の実施例の一型モールド成型のプロセスを示す。
【
図6】
図6は、本発明の又一つの実施例の遮光生地を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の目的、技術構成、利点をさらにはっきりするため、具体的実施例を挙げて、図面を参照しながら、本発明に対してさらに詳しく説明する。
【0031】
遮光複合フィルムの製造
図1に示すように、本発明の実施例は、光反射層1-光吸収層2-光反射層1-不織布3-光反射層1-光吸収層2-光反射層1のような多層構造(外側の光反射層1には、希望の色調に呈するために色素を含んでもよい)を有する遮光複合フィルムを提供する。本発明は、押出し成形で膜を作る加工方法を採用し、両回の熱圧により、光反射層-光吸収層-光反射層-不織布-光反射層-光吸収層-光反射層のような、7層一体の遮光性高分子フィルムの一回成型技術を達成した。該7層高分子フィルムの構造特徴は、光反射層-光吸収層-光反射層の3層のフィルム構造と比較する場合、遮光効果がより高い同時、遮光複合フィルムの正面、裏面がいずれも白色又は多彩色である視覚的効果を保証する。熱圧処理により、当該6層の複合遮光性高分子フィルムと、1層の不織布とを、熱圧して遮光複合フィルムを作成する。前記遮光複合フィルムの厚さは0.05~1.0 mmとの間に制御している。好ましくは、各層の厚さは同じである。
【0032】
図2に示すように、本発明のもう一つの態様は、光反射層1-光吸収層2-不織布3-光吸収層2-光反射層1という多層構造を有する遮光複合フィルムを提供する。
【0033】
遮光複合フィルムの色調は黒色であってもよい場合、光吸収層2は遮光複合フィルムの最外層に位置してもよい。
【0034】
本発明の遮光複合フィルムの製造方法には、以下の工程を含む。
(1)一定粒子径(例えば、0.1~1ミクロン)の二酸化チタン粉末、又は高漆黒度のカーボンブラックパウダーを、それぞれ、環境に優しい有機エステル分散剤であるEHBAに加え、均一に混合して、樹脂(例えば、ポリエチレンPE、ポリエチレンテレフタレートPET、ポリトリメチレンテレフタレートPTT、エチレン-酢酸ビニルコポリマーEVA、熱可塑性エラストマーTPE、熱可塑性ポリウレタンエラストマーTPU、ポリオレフィンエラストマーPOE樹脂)を加えて撹拌混合し、二軸ペレタイザーに加えて造粒して、白い光反射粒子、又は黒い光吸収粒子を得る。その中、白い光反射粒子に含まれる樹脂は、光反射層に含まれる樹脂と同じであり、黒い光吸収粒子に含まれる樹脂は、光吸収層に含まれる樹脂と同じである。
【0035】
(2)前記光反射粒子又は光吸収粒子を、それぞれ、ポリエチレンPE、ポリエチレンテレフタレートPET、ポリトリメチレンテレフタレートPTT、エチレン-酢酸ビニルコポリマーEVA、熱可塑性エラストマーTPE、熱可塑性ポリウレタンエラストマーTPU、ポリオレフィンエラストマーPOEなどの原料樹脂に加えて、好ましくは、さらに分散剤であるEHBAを加える。均一に混合した後、異なる3軸押出機(又は2軸押出機)にそれぞれ入れて、3層共押出T型モールド(又は二層共押出一型モールド)にて押出熱圧して、一つのフィルムを得る。フィルムの厚さは後処理することで、0.3~0.4 mmに制御させる。該フィルムと、同方向から巻出している不織布とを、一定温度、一定圧力の条件で熱圧し、一つの面がフィルムであって他の面は不織布である遮光フィルムを作成し、巻取する。
【0036】
さらに、同様の方法でフィルムを作って熱圧し、両面にはフィルムであって中間は不織布である一体に構造された遮光フィルム構造を形成し、巻取する。
【0037】
その中、不織布の素材は、ポリプロピレンPP、ポリエチレンテレフタレートPET、ポリトリメチレンテレフタレートPTT、ポリアミドPAからなる群から選ばれる1種又は2種以上である。
【0038】
一部の実施形態では、光反射粒子と光吸収粒子は以下の工程によって製造する:
粒子径0.7ミクロンの二酸化チタン粉末70.0部に、環境に優しい有機エステル分散剤であるEHBA 1.0部を加えて、攪拌して均一に混合し、乾燥したPE樹脂29.0重量部を加えて、攪拌混合し、二軸ペレタイザーで造粒し、光反射白い粒子を得る。
【0039】
粒子径0.5ミクロンの漆黒度高のカーボンブラックパウダー12.0重量部に、環境に優しい有機エステル分散剤であるEHBA 1.0部を加えて、攪拌して均一に混合し、乾燥したPE樹脂87.0部を加えて、攪拌混合し、二軸ペレタイザーで造粒し、光吸収黒い粒子を得る。
【0040】
実施例1
乾燥したPE樹脂原料を、それぞれ、光反射粒子、光吸収粒子に混合した。PE樹脂と光反射粒子との混合重量比は64:35であり、PE樹脂と光吸収粒子との混合重量比は69:30である。そして、分散剤であるEHBA1.0部を加え、よく混合した上、混合原料を3軸押出機に別々に入れて、
図3に示すように、光反射粒子混合樹脂、光吸収粒子混合樹脂、光反射粒子混合樹脂が、それぞれ、押出ダイス口の上層、中層、下層にガイドされるように設置した。
【0041】
3軸押出機の温度コントロールについて:フィード加熱ゾーンの温度が樹脂の融点より30℃高く、3層共押出T型モールドの温度が融点より25℃高くに制御した。
【0042】
3層共押出T型モールドから押出されたフィルムは、厚さが0.3 mmになるように延伸し、巻取した。
【0043】
一定温度、一定圧力の熱圧ローラの条件でフィルムと、同方向から巻出しているPET不織布とを熱圧し、一つの面がフィルムであって他の面は不織布である遮光フィルムを作成し、厚さは0.4mmであり、巻取した。
【0044】
さらに、同様の方法でフィルムを作って熱圧した。両表面にはフィルムであって中間は不織布である一体に構造された遮光フィルム構造を形成し、厚さは0.7mmであり、巻取した。
【0045】
実施例2
乾燥したPE樹脂原料は、光反射粒子、光吸収粒子とそれぞれ混合した。PE樹脂と光反射粒子との混合重量比は70:29であり、PE樹脂と光吸収粒子との混合重量比は64:35である。そして、分散剤であるEHBA1.0部を加え、よく混合した上、混合原料を2軸押出機に別々に入れて、
図4に示すように、光反射粒子混合樹脂、光吸収粒子樹脂が、それぞれ押し出フィルム口の上層、下層にガイドされるように設置した。
【0046】
2軸押出機の温度コントロールについて:フィード加熱ゾーンの温度が樹脂の融点より30℃高く、二層共押出一型モールドの温度が融点より25℃高くに制御した。
【0047】
二層共押出一型モールドから押出されたフィルムを、厚さが0.3 mmになるように延伸した。
【0048】
一定温度、一定圧力の熱圧ローラの条件では、フィルムと、同方向から巻出しているPET不織布とを熱圧し、一つの面がフィルムであって他の面は不織布である遮光フィルムを作成し、厚さは0.4mmであり、巻取した。
【0049】
さらに、同様の方法でフィルムを作って熱圧した。両表面にはフィルムであって中間は不織布である一体に構造された遮光フィルム構造を形成し、厚さは0.7mmであり、巻取した。
【0050】
比較例1
乾燥したPE樹脂原料は、光反射粒子、光吸収粒子とそれぞれ混合した。PE樹脂と光反射粒子との混合重量比は64:35であり、PE樹脂と光吸収粒子との混合重量比は69:30である。そして、分散剤であるEHBA1.0部を加え、よく混合した上、混合原料を3軸押出機に別々に入れて、光反射粒子混合樹脂が押出ダイス口の上、下のエリアにガイドされ、光吸収粒子混合樹脂が押出ダイス口の中間のエリアにガイドされるように設置した。
【0051】
3軸押出機の温度コントロールについて:フィード加熱ゾーンの温度が樹脂の融点より30℃高く、T口ダイスの温度が融点より25℃高くに制御した。
【0052】
3層共押出T型モールドから押出されたフィルムを、厚さが0.7 mmになるように延伸し、巻取した。
【0053】
JISL1055基準を採用して遮光性能を調べた際、遮光率の要求は100%である。
【0054】
遮光生地の製造
フィルム材料と紡織生地の複合に用いる接着加工は、繊維制品の機能化を可能にする最先端技術であり、採用している湿気硬化反応系ポリウレタンホットメルト接着剤は、ラミネート複合業界で最も普及する価値がある粘着剤であり、環境に無公害の特性を持つ。本発明の記載の遮光機能を有する複合繊維制品生地を製造するために、ホットメルト複合技術を採用し、環境に優しい未来の傾向と一致する。
【0055】
ホットメルト複合による遮光機能を有する複合繊維制品生地の製造:ホットメルト接着剤と熱間圧延複合技術を採用し、遮光複合フィルムの一方側或いは両方側に熱複合技術を施し、遮光複合フィルムの両方側に繊維制品を熱接着することで、一定の平坦性、牢度を有し、同時に完全遮光特性を有する繊維制品生地にする。ここで使用した繊維制品は、その繊維素材が遮光複合フィルムにおける不織布又は薄型織布の素材は同じである。繊維制品の組織構造によって、織物、編物、不織布などを採用することができる。
【0056】
複合材料として不織布又は薄型織布と同じ素材の繊維制品を選択することにより、繊維制品と遮光複合フィルムの、一定温度条件での熱変形温度が一致であることを担保し、複合を経った後、カッピングしないようにすることができる。
【0057】
具体的に、遮光生地の製造過程は、以下の工程を含む:
第一、遮光複合フィルムに対して前期コロナ表面処理を行って、フィルムの表面化学構造を改変し、遮光フィルムの表面張力を上げて、粘着する点を増加して、牢度を向上させる。
第二、湿気硬化反応型ポリウレタンホットメルト接着剤を採用し、90~110℃でホットメルト接着剤を溶融させて、ホットメルトラミネート機に注入し、遮光複合フィルムの一つの面を生地4に複合した。24時間硬化熟成した後、遮光複合フィルムの他の面を、生地4に同様の熱複合を行って、遮光複合フィルムは、生地4の2つの層の間に熱的に結合されて、
図5に示される構造の遮光生地を形成した。
【0058】
一部の実施形態では、
図6に示すように、織物を、完全遮光複合フィルムの一つの面だけに、同様の熱複合を行ってもよい。
【0059】
実施例3
本実施例では、実施例1の遮光複合フィルムから、両面にPET生地を複合した両面複合遮光生地を製造した。製造方法は以下の工程を含む:
第一、実施例1の遮光複合フィルムに対して前期コロナ表面処理を行った。
第二、湿気硬化反応型ポリウレタンホットメルト接着剤を採用し、95℃でホットメルト接着剤を溶融させて、ホットメルトラミネート機に注入し、遮光複合フィルムの一つの面をPET材の生地に複合させて、24時間硬化熟成した。
第三、遮光複合フィルムの他の面を、湿気硬化反応型ポリウレタンホットメルト接着剤を介してPET生地と複合させて、24時間硬化熟成して、両面複合遮光生地を得た。
【0060】
実施例4
本実施例では、実施例1の遮光複合フィルムから、片面でPET生地と複合した遮光生地を製造した。製造方法は以下の工程を含む:
第一、実施例1の遮光複合フィルムに対して前期コロナ表面処理を行った。
第二、湿気硬化反応型ポリウレタンホットメルト接着剤を採用し、95℃でホットメルト接着剤を溶融させて、ホットメルトラミネート機に注入し、遮光複合フィルムの一つの面とPET材の生地とを一回複合させて、24時間硬化熟成して、遮光生地を得た。
【0061】
実施例5
本実施例では、実施例2の遮光複合フィルムから、片面でPET生地と複合した遮光生地を製造した。製造方法は以下の工程を含む:
第一、実施例2の遮光複合フィルムに対して前期コロナ表面処理を行った。
第二、湿気硬化反応型ポリウレタンホットメルト接着剤を採用し、95℃でホットメルト接着剤を溶融させて、ホットメルトラミネート機に注入し、遮光複合フィルムの一つの面とPET材の生地とを複合させて、24時間硬化熟成した。
第三、遮光複合フィルムの他の面を、湿気硬化反応型ポリウレタンホットメルト接着剤を介してPET生地と複合させて、24時間硬化熟成して、両面複合遮光生地を得た。
【0062】
比較例2
実施例3の生地をポリアミドPAに置き換えた以外、実施例3と同様にした。
【0063】
比較例3
実施例3の遮光複合フィルムを比較例1の遮光複合フィルムに置き換えた以外、実施例3と同様にした。
【表1】
【0064】
表1から分かるように、遮光複合フィルムは中間の不織布を含まない場合(比較例3)、温度の変動過程において遮光生地が顕著にカッピングして見えるのに対し、本発明の遮光複合フィルムを採用した場合には、遮光生地のカッピングを顕著に低減することができる。また、遮光複合フィルムと生地の素材が異なる場合(比較例2)、遮光生地は明らかなカッピングを示す。これは、遮光複合フィルムと生地の熱変形温度が異なるためである。
【0065】
遮光ブラインドの製造
上記の完全遮光機能複合繊維制品生地に基づいて、従来の裁断、縫製する方法により、さまざまの構造、形式を有するブラインドが生産される。
【0066】
本発明の上記の技術構成により得られた完全遮光カールブラインドは、遮光複合フィルムと生地とを複合することで、完全遮光ブラインドの高い遮光性と平坦度を達成した。
【0067】
上記の具体的な実施例は、本発明の目的、技術構成、有益効果をさらに詳細に説明する。理解されるように、上記の内容は本発明の特定の実施形態に過ぎず、本発明を限定することを意図したものではない。本発明の精神および原理の範囲内で行われる変更、同等の置換、および改良は、本発明の保護範囲に含まれるべきである。