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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/76 20200101AFI20220916BHJP
【FI】
D06F33/76
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2018133607
(22)【出願日】2018-07-13
(65)【公開番号】P2020010773
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-06-10
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QINGDAO HAIER WASHING MACHINE CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137486
【弁理士】
【氏名又は名称】大西 雅直
(72)【発明者】
【氏名】川口 智也
【審査官】大内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-202311(JP,A)
【文献】特開2006-061356(JP,A)
【文献】特開平11-244570(JP,A)
【文献】特開2012-143513(JP,A)
【文献】国際公開第01/079603(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0125095(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第106978701(CN,A)
【文献】特開平09-290089(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/00~33/76
D06F 58/30~58/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線周りに回転可能に構成された有底筒状のドラムと、
前記ドラムの底部から突出した駆動軸を介して前記ドラムを回転駆動するモータと、
前記ドラムの加速度を検出する加速度センサと、
脱水工程において前記ドラムの回転数が所定回転数以上になった後において、前記加速度センサの出力から前記モータの出力を差し引いた第1出力差が第1閾値より小さい場合、または、前記モータの出力から前記加速度センサの出力を差し引いた第2出力差が第1閾値以上である場合に、前記ドラムの回転数を上昇不可と判定する判定手段と、
前記判定手段での判定に基づいて前記モータを制御する制御手段とを備え
前記モータの出力は、現時点の前記モータの電流値と前記ドラムの回転数が前記所定回転数であるときのモータの電流値との差を、AD変換して数値化したものであり、
前記加速度センサの出力は、前記ドラムの1回転期間内の加速度変化量を、AD変換して数値化したものである ことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記判定手段は、前記ドラムの回転数を上昇不可と判定した後において、前記第1出力差が第2閾値以上になったとき、または、前記第2出力差が第2閾値より小さくなったときに、前記ドラムの回転数を上昇可能と判定することを特徴とする請求項1に記載の洗濯機。
【請求項3】
前記第1出力差について前記第2閾値は前記第1閾値より大きい、または、前記第2出力差について前記第2閾値は前記第1閾値より小さいことを特徴とする請求項2に記載の洗濯機。
【請求項4】
軸線周りに回転可能に構成された有底筒状のドラムと、
前記ドラムの底部から突出した駆動軸を介して前記ドラムを回転駆動するモータと、
前記ドラムの加速度を検出する加速度センサと、
脱水工程において前記ドラムの回転数が所定回転数以上になった後において、前記加速度センサの出力を前記モータの出力で除算した第1出力比が第1閾値より小さい場合、または、前記モータの出力を前記加速度センサの出力で除算した第2出力比が第1閾値以上である場合に、前記ドラムの回転数を上昇不可と判定する判定手段と、
前記判定手段での判定に基づいて前記モータを制御する制御手段とを備え
前記モータの出力は、現時点の前記モータの電流値と前記ドラムの回転数が前記所定回転数であるときのモータの電流値との差を、AD変換して数値化したものであり、
前記加速度センサの出力は、前記ドラムの1回転期間内の加速度変化量を、AD変換して数値化したものである ことを特徴とする洗濯機。
【請求項5】
前記判定手段は、前記ドラムの回転数を上昇不可と判定した後において、前記第1出力比が第2閾値以上になったとき、または、前記第2出力比が第2閾値より小さくなったときに、前記ドラムの回転数を上昇可能と判定することを特徴とする請求項4に記載の洗濯機。
【請求項6】
前記第1出力比について前記第2閾値は前記第1閾値より大きい、または、前記第2出力比について前記第2閾値は前記第1閾値より小さいことを特徴とする請求項5に記載の洗濯機。
【請求項7】
軸線周りに回転可能に構成された有底筒状のドラムと、
前記ドラムの底部から突出した駆動軸を介して前記ドラムを回転駆動するモータと、
前記ドラムの加速度を検出する加速度センサと、
脱水工程において前記ドラムの回転数が所定回転数以上になった後において、前記モータの出力がモータ閾値以上で且つ前記加速度センサの出力が加速度閾値より小さい場合に、前記ドラムの回転数を上昇不可と判定する判定手段と、
前記判定手段での判定に基づいて前記モータを制御する制御手段とを備え
前記モータの出力は、現時点の前記モータの電流値と前記ドラムの回転数が前記所定回転数であるときのモータの電流値との差を、AD変換して数値化したものであり、
前記加速度センサの出力は、前記ドラムの1回転期間内の加速度変化量を、AD変換して数値化したものである ことを特徴とする洗濯機。
【請求項8】
前記判定手段は、前記ドラムの回転数を上昇不可と判定した後、前記加速度センサの出力が加速度閾値より小さい状態で、前記モータの出力がモータ閾値より小さくなったときに、前記ドラムの回転数を上昇可能と判定することを特徴とする請求項7に記載の洗濯機。
【請求項9】
前記判定手段は、前記加速度センサの出力が加速度閾値以上の場合、前記ドラムの回転数を上昇不可または前記ドラムの回転を停止すると判定することを特徴とする請求項7または8に記載の洗濯機。
【請求項10】
前記制御手段は、前記判定手段により前記ドラムの回転数を上昇不可と判定された場合、前記ドラムの回転数が所定時間維持されるように、前記モータを制御することを特徴とする請求項1~9の何れかに記載の洗濯機。
【請求項11】
前記判定手段は、前記ドラムの回転数が上昇する際に前記加速度センサの出力が変化しない場合、前記ドラムの回転数を上昇不可と判定することを特徴とする請求項1~10の何れかに記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、洗い工程、すすぎ工程及び脱水工程を行う洗濯機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の洗濯機として、特許文献1には、外槽の内部に、洗濯物を収容するためのドラムが配置された洗濯機が記載されている。この洗濯機では、ドラムの周壁には通水孔が形成されており、ドラム内で洗濯物から脱水された水は通水孔を通して外槽へ排出され、外槽内の水は排水口を通して排出される。外槽の下側には、ドラムを回転駆動するためのモータが設置される。
【0003】
洗濯機の脱水工程において、ドラムの内側壁への洗濯物の張り付き方などによって、ドラムにアンバランスがあると、洗濯物の偏りが大きければ、回転時のドラムの偏心が大きくなり、回転に大きなトルクが必要となるので脱水運転を開始することができない課題がある。
【0004】
したがって、特許文献1には、モータ電流の変動が負荷トルクの変動により生じ、モータ電流のピークはドラムの1回転期間内において負荷トルクが最大になるタイミングで発生することに着目し、モータ制御回路を構成するインバータのトルク電流を通じてトルクの変動を検知し、当該トルクの変動から洗濯物の偏りであるアンバランス量を検知する洗濯機が記載されている。この洗濯機では、アンバランス量が所定値より大きい場合に、バランス調整運転が実行されて、洗濯物の偏りが解消される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平9-290089号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
洗濯機の脱水工程においては、洗濯物に含まれていた水が洗濯機の排水経路を介して外部へ排水されるが、例えば、水分を多量に含んでいる洗濯物を脱水した場合や、排水経路の構成が悪い場合には、ドラムと外槽との間に水が残って、その水が抵抗となりドラムの回転を妨げる場合がある。また、ドラムと外槽との間に水が残った状態でドラムを回転させた場合、異常音が発生する場合があり、その異常音はドラムの回転数が上昇するにつれて大きくなる。
【0007】
そこで、洗濯機において、ドラムと外槽との間に水が排水されないで残っている場合、適正な対策を取る必要がある。
【0008】
しかしながら、ドラムと外槽との間に水が残った状態でドラムが回転駆動された場合、ドラムと外槽との間に残った水が抵抗となり、ドラムを回転駆動するためのモータの負荷が大きくなる。したがって、特許文献1のように、モータの電流値に基づいて洗濯物の偏りを検出する洗濯機では、アンバランス量が大きいと誤検知され、バランス調整運転が何度も繰り返されることになる。
【0009】
また、従来の洗濯機には、ドラムの加速度を検出する加速度センサを有し、加速度センサにより検出された加速度に基づいて、洗濯物の偏りであるアンバランス量を検知する洗濯機がある。
【0010】
しかしながら、加速度センサは、ドラムの振動(加速度)を検出するものであるのに対し、ドラムと外槽との間に水が残った状態でドラムが回転駆動されたとしても、ドラムの振動量は小さい。したがって、加速度センサで検出されたドラムの加速度に基づいて、ドラムと外槽との間に水が残った状態を検出することはできない。
【0011】
そこで、本発明の発明者は、ドラムと外槽との間に水が残った状態を検出する方法について研究し、ドラムを回転駆動するモータの負荷と、加速度センサで検出されるドラムの加速度との両方を使用することにより、ドラムと外槽との間に水が残った状態を検出できることを見出した。
【0012】
本発明は、ドラムと外槽との間に水が残った状態であることを検出することにより、適正な対策を取ることを可能とした洗濯機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
すなわち、本発明の洗濯機は、軸線周りに回転可能に構成された有底筒状のドラムと、前記ドラムの底部から突出した駆動軸を介して前記ドラムを回転駆動するモータと、前記ドラムの加速度を検出する加速度センサと、脱水工程において前記ドラムの回転数が所定回転数以上になった後において、前記加速度センサの出力から前記モータの出力を差し引いた第1出力差が第1閾値より小さい場合、または、前記モータの出力から前記加速度センサの出力を差し引いた第2出力差が第1閾値以上である場合に、前記ドラムの回転数を上昇不可と判定する判定手段と、前記判定手段での判定に基づいて前記モータを制御する制御手段とを備え、前記モータの出力は、現時点の前記モータの電流値と前記ドラムの回転数が前記所定回転数であるときのモータの電流値との差を、AD変換して数値化したものであり、前記加速度センサの出力は、前記ドラムの1回転期間内の加速度変化量を、AD変換して数値化したものであることを特徴とする。
【0014】
本発明の洗濯機において、前記判定手段は、前記ドラムの回転数を上昇不可と判定した後において、前記第1出力差が第2閾値以上になったとき、または、前記第2出力差が第2閾値より小さくなったときに、前記ドラムの回転数を上昇可能と判定することを特徴とする。
【0015】
本発明の洗濯機において、前記第1出力差について前記第2閾値は前記第1閾値より大きい、または、前記第2出力差について前記第2閾値は前記第1閾値より小さいことを特徴とする。
【0016】
本発明の洗濯機において、軸線周りに回転可能に構成された有底筒状のドラムと、前記ドラムの底部から突出した駆動軸を介して前記ドラムを回転駆動するモータと、前記ドラムの加速度を検出する加速度センサと、脱水工程において前記ドラムの回転数が所定回転
数以上になった後において、前記加速度センサの出力を前記モータの出力で除算した第1出力比が第1閾値より小さい場合、または、前記モータの出力を前記加速度センサの出力で除算した第2出力比が第1閾値以上である場合に、前記ドラムの回転数を上昇不可と判定する判定手段と、前記判定手段での判定に基づいて前記モータを制御する制御手段とを備え、前記モータの出力は、現時点の前記モータの電流値と前記ドラムの回転数が前記所定回転数であるときのモータの電流値との差を、AD変換して数値化したものであり、前記加速度センサの出力は、前記ドラムの1回転期間内の加速度変化量を、AD変換して数値化したものであることを特徴とする。
【0017】
本発明の洗濯機において、前記判定手段は、前記ドラムの回転数を上昇不可と判定した後において、前記第1出力比が第2閾値以上になったとき、または、前記第2出力比が第2閾値より小さくなったときに、前記ドラムの回転数を上昇可能と判定することを特徴とする。
【0018】
本発明の洗濯機において、前記第1出力比について前記第2閾値は前記第1閾値より大きい、または、前記第2出力比について前記第2閾値は前記第1閾値より小さいことを特徴とする。
【0019】
本発明の洗濯機は、軸線周りに回転可能に構成された有底筒状のドラムと、前記ドラムの底部から突出した駆動軸を介して前記ドラムを回転駆動するモータと、前記ドラムの加速度を検出する加速度センサと、脱水工程において前記ドラムの回転数が所定回転数以上になった後において、前記モータの出力がモータ閾値以上で且つ前記加速度センサの出力が加速度閾値より小さい場合に、前記ドラムの回転数を上昇不可と判定する判定手段と、前記判定手段での判定に基づいて前記モータを制御する制御手段とを備え、前記モータの出力は、現時点の前記モータの電流値と前記ドラムの回転数が前記所定回転数であるときのモータの電流値との差を、AD変換して数値化したものであり、前記加速度センサの出力は、前記ドラムの1回転期間内の加速度変化量を、AD変換して数値化したものであることを特徴とする。
【0020】
本発明の洗濯機において、前記判定手段は、前記ドラムの回転数を上昇不可と判定した後、前記加速度センサの出力が加速度閾値より小さい状態で、前記モータの出力がモータ閾値より小さくなったときに、前記ドラムの回転数を上昇可能と判定することを特徴とする。
【0021】
本発明の洗濯機において、前記判定手段は、前記加速度センサの出力が加速度閾値以上の場合、前記ドラムの回転数を上昇不可または前記ドラムの回転を停止すると判定することを特徴とする。
【0022】
本発明の洗濯機において、前記制御手段は、前記判定手段により前記ドラムの回転数を上昇不可と判定された場合、前記ドラムの回転数が所定時間維持されるように、前記モータを制御することを特徴とする。
【0023】
本発明の洗濯機において、前記判定手段は、前記ドラムの回転数が上昇する際に前記加速度センサの出力が変化しない場合、前記ドラムの回転数を上昇不可と判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明の洗濯機では、加速度センサの出力からモータの出力を差し引いた第1出力差が第1閾値より小さいこと、または、モータの出力から加速度センサの出力を差し引いた第2出力差以上であることに基づいて、ドラムと外槽との間に水が残った状態であることを検知し、ドラムの回転数を上昇させないようにしている。したがって、脱水工程において、ドラムと外槽との間に水が残った状態でドラムの回転数を上昇させることにより異常音が発生するのを防止できる。
【0025】
本発明の洗濯機では、加速度センサの出力からモータの出力を差し引いた第1出力差が第2閾値以上になったこと、または、モータの出力から加速度センサの出力を差し引いた第2出力差より小さくなったことに基づいて、ドラムと外槽との間に水が残った状態が解消されたことを検知し、ドラムの回転数を上昇させるようにしている。したがって、脱水工程において、ドラムと外槽との間に水が残った状態が解消されたときに、ドラムの回転数を上昇させて、脱水を加速できる。
【0026】
本発明の洗濯機では、ドラムと外槽との間に水が残った状態が解消したことを検知するための第2閾値が、ドラムと外槽との間に水が残った状態であることを検知するための第1閾値と異なることから、脱水工程において、ドラムと外槽との間に水が残った状態が確実に解消したときに、ドラムの回転数を上昇させて、脱水を加速できる。
【0027】
本発明の洗濯機では、加速度センサの出力をモータの出力で除算した第1出力比が第1閾値より小さいこと、または、モータの出力を加速度センサの出力で除算した第2出力比が第1閾値以上であることに基づいて、ドラムと外槽との間に水が残った状態であることを検知し、ドラムの回転数を上昇させないようにしている。したがって、脱水工程において、ドラムと外槽との間に水が残った状態でドラムの回転数を上昇させることにより異常音が発生するのを防止できる。
【0028】
本発明の洗濯機では、加速度センサの出力をモータの出力で除算した第1出力比が第2閾値以上になったこと、または、モータの出力を加速度センサの出力で除算した第2出力比が第2閾値より小さくなったことに基づいて、ドラムと外槽との間に水が残った状態が解消されたことを検知し、ドラムの回転数を上昇させるようにしている。したがって、脱水工程において、ドラムと外槽との間に水が残った状態が解消されたときに、ドラムの回転数を上昇させて、脱水を加速できる。
【0029】
本発明の洗濯機では、ドラムと外槽との間に水が残った状態が解消したことを検知するための第2閾値が、ドラムと外槽との間に水が残った状態であることを検知するための第1閾値と異なることから、脱水工程において、ドラムと外槽との間に水が残った状態が確実に解消したときに、ドラムの回転数を上昇させて、脱水を加速できる。
【0030】
本発明の洗濯機では、モータの出力がモータ閾値以上で且つ加速度センサの出力が加速度閾値より小さいことに基づいて、ドラムと外槽との間に水が残った状態であることを検知し、ドラムの回転数を上昇させないようにしている。したがって、脱水工程において、ドラムと外槽との間に水が残った状態でドラムを回転させることにより異常音が発生するのを防止できる。
【0031】
本発明の洗濯機では、加速度センサの出力が加速度閾値より小さい状態で、モータの出力がモータ閾値より小さくなったことに基づいて、ドラムと外槽との間に水が残った状態が解消されたことを検知し、ドラムの回転数を上昇させるようにしている。したがって、脱水工程において、ドラムと外槽との間に水が残った状態が解消されたときに、ドラムの回転数を上昇させて、脱水を加速できる。
【0032】
本発明の洗濯機では、加速度センサの出力が加速度閾値以上であることに基づいて、洗濯物の偏りが大きいことを検知し、ドラムの回転数を上昇させないようにしている。したがって、脱水工程において、洗濯物の偏りが大きい状態でドラムの回転数を上昇させることにより振動や騒音が発生するのを防止できる。
【0033】
本発明の洗濯機では、判定手段によりドラムの回転数を上昇不可と判定された場合、ドラムの回転数が所定時間維持されることから、ドラムの回転を都度停止する場合と比べて、洗濯機の運転効率が向上する。
【0034】
本発明の洗濯機では、ドラムの回転数が上昇する際に加速度センサの出力が変化しないことから、加速度センサが故障している可能性が高い。したがって、そのときの加速度センサの出力に基づいて、ドラムと外槽との間に水が残った状態でドラムの回転数を上昇させてしまうのを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明の第1実施形態に係る洗濯機1の模式的な断面図である。
図2図1の洗濯機1の制御ブロック図である。
図3】モータ出力の計算方法を示す図である。
図4】加速度出力の計算方法を示す図である。
図5】加速度センサ12からの加速度信号の波形を示したグラフである。
図6図1の洗濯機1において、加速度センサが故障しているかを判定するときの動作を示すフローチャートである。
図7図1の洗濯機1の脱水工程の動作を示すフローチャートである。
図8】本発明の第2実施形態に係る洗濯機の制御ブロック図である。
図9図8の洗濯機の脱水工程の動作を示すフローチャートである。
図10】本発明の第3実施形態に係る洗濯機の制御ブロック図である。
図11図10の洗濯機の脱水工程の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態を図に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る洗濯機1の模式的な断面図である。本実施形態の洗濯機1は、例えばコインランドリーや家庭にて好適に使用され得るものであり、洗濯機本体1aと、略水平に延出してなる軸線S1を有したドラム2及び外槽3からなる洗濯槽1bと、駆動装置20と、制御部50とを備えた、いわゆるドラム式洗濯機と称されるものである。
【0037】
図1に示す洗濯機本体1aは、略直方体形状である。洗濯機本体1aの前面10aには、ドラム2に対して洗濯物を出し入れするための開口11が形成されるとともに、この開口11を開閉可能な図示しない開閉蓋が取り付けられる。本実施形態に係る洗濯機1は、洗濯槽1bが略水平方向に取り付けられたドラム式全自動洗濯機と称されるものである。
【0038】
外槽3は、洗濯機本体1aの内部に配置された有底筒状の部材であり、内部に洗濯水を貯留可能である。図1に示すように、外槽3の外周面3aには、例えば左右方向、上下方向及び前後方向の三方向の加速度を検知可能な加速度センサ12が取り付けられる。なお本実施形態では、加速度センサ12が、左右方向、上下方向及び前後方向の加速度を検知し得る三軸のセンサとなっている。加速度センサ12は、ドラム2または外槽3の加速度を検出可能であれば、その配置は限られない。また、外槽3には外部へ洗濯水を排出可能な排出路3bが接続されている。この排出路3bには、開閉可能に設けられた排出バルブ3cが設けられている。
【0039】
ドラム2は、外槽3内において外槽3と同軸に配置されるとともに、回転自在に支持される有底筒状の部材である。ドラム2は、内部に洗濯物を収容可能で、その壁面に多数の通水孔を有する。駆動装置20は、図1に示すように、モータ10によりプーリー15及びベルト15aを回転させるとともに、ドラム2の底部2cに向けて延出する駆動軸17を回転させて、ドラム2に駆動力を与え、ドラム2を回転させる。
【0040】
図2は、本実施形態の洗濯機1の制御ブロック図である。洗濯機1の制御部50は、図2に示すように、例えば、マイクロコンピュータなどで構成されており、CPUと、洗濯機1の動作を制御するプログラムが格納されたROMと、上記プログラムを実行する際に用いられるデータ等が一時的に記憶されるRAMとを備えている。洗濯機1の運転動作は、この制御部50によって制御される。制御部50には、モータ10と、加速度センサ12とが接続されている。
【0041】
制御部50は、モータ出力計算部51と、加速度出力計算部52と、出力差計算部53と、脱水加速判定部54と、故障判定部55と、モータ制御部56とを有している。
【0042】
モータ出力計算部51は、脱水が起動された後、中速領域において、モータ出力として現時点のモータ10の電流値とドラム2の回転数が400rpmであるときのモータ10の電流値との差を計算する。本実施形態において、モータ10からの出力データは、マイコン処理されるが、マイコンのアナログ入力ポートが10bitのAD変換機能とすると、モータ10の電流値0~8Aが1024個に分解され、モータ出力はマイコン値として数値化される。モータ出力として現時点のモータ10の電流値とドラム2の回転数が400rpmであるときのモータ10の電流値との差を計算する方法について、図3に基づいて説明する。
【0043】
<ステップS1>
ステップS1において、制御部50は、ドラム2の回転数が400rpmであるときのモータ10の電流値を計測し、その電流値を記憶する。したがって、脱水工程において、ドラム2の回転数が400rpmになったときに、モータ10の電流値が計測される。
【0044】
<ステップS2>
ステップS2において、制御部50は、モータ10の電流値を取得し、現時点のモータ10の電流値とドラム2の回転数が400rpmであるときのモータ10の電流値との差を計算する。上記電流値の差は、モータの負荷の大きさに対応している。
【0045】
加速度出力計算部52は、脱水が起動された後、中速領域において、加速度出力としてドラム2の1回転期間内の加速度変化量を計算する。本実施形態において、加速度センサ12からの出力データは、マイコン処理されるが、マイコンのアナログ入力ポートが10bitのAD変換機能とすると、加速度センサ12の出力0~5Vが1024個に分解され、加速度出力はマイコン値として数値化される。加速度出力としてドラム2の1回転期間内の加速度変化量を計算する方法について、図4及び図5に基づいて説明する。
【0046】
<ステップS101、S102>
ステップS101において、制御部50は、加速度センサ12からの加速度信号を取得し、ステップS102において、ローパスフィルタによりノイズ処理を行う。図5は、加速度センサ12の出力を示したグラフである。
【0047】
<ステップS103>
図5において、加速度センサ12からの加速度信号の波形は、極大値(max)と極小値(min)を有し、周期的に変化する波形である。したがって、ステップS103において、制御部50は、極大値(max)と極小値(min)との差に基づいて、ドラム2の1回転期間内の加速度変化量を計算する。加速度センサ12からの加速度信号は、3軸方向の振動を含むことから、加速度センサ12の出力は、左右方向、上下方向及び前後方向の振動を反映した出力である。
【0048】
出力差計算部53は、加速度出力計算部52で計算された加速度出力からモータ出力計算部51で計算されたモータ出力を差し引いた出力差を計算する。本実施形態において、上述したように、モータ出力及び加速度出力はマイコン値として数値化されることから、出力差はマイコン値の差として計算される。
【0049】
脱水加速判定部54は、脱水工程においてドラム2の回転数が所定回転数以上になった後において、加速度出力からモータ出力を差し引いた出力差が第1閾値以上である場合、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態でないとして、ドラム2の回転数を上昇可能と判定する。また、脱水加速判定部54は、加速度出力からモータ出力を差し引いた出力差が第1閾値より小さい場合、ドラムと外槽との間に水が残った状態であるとして、ドラム2の回転数を上昇不可と判定する。なお、第1閾値は、ドラム2の回転数の1次関数の連続として表現できるが回転数の変化に伴い傾きや切片が変化する、あるいは、テーブルとしてRAM内に記憶される。
【0050】
また、脱水加速判定部54は、加速度出力からモータ出力を差し引いた出力差が第1閾値より小さいことから、ドラム2の回転数を上昇不可と判定した後、加速度出力からモータ出力を差し引いた出力差が第2閾値以上になったときに、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消したとして、ドラム2の回転数を上昇可能と判定する。本実施形態において、第2閾値は、第1閾値より大きい値である。
【0051】
故障判定部55は、加速度センサ12からの加速度信号に基づいた加速度出力に基づいて、加速度センサ12が故障しているか否かを判定する。本実施形態では、故障検知部55は、ドラム2の回転数が上昇する際に、加速度センサ12の加速度出力が変化しない場合、加速度センサ12が故障していると判定する。加速度センサ12の加速度出力が変化しない場合は、加速度センサ12の加速度出力が0である場合や、加速度センサ12の加速度出力の変化量が所定量以下の場合を含む。
【0052】
モータ制御部56は、脱水加速判定部54での判定に基づいて、モータ電流を変化させることによりドラム2の回転数を制御する。本実施形態のモータ制御部56は、脱水工程において、現時点のドラム2の回転数に応じた所定上昇速度でドラム2の回転数を上昇させるようにモータ電流を変化させる。具体的には、モータ制御部56は、ドラム2の回転数が400rpmに至るまでは回転数を毎秒20rpmずつ上昇させるようにモータ電流を変化させ、ドラム2の回転数が600rpmに至るまでは回転数を毎秒5rpmずつ上昇させるようにモータ電流を変化させ、ドラム2の回転数が800rpmに至るまでは回転数を毎秒20rpmずつ上昇させるようにモータ電流を変化させる。また、モータ制御部56は、脱水工程において、ドラム2の回転数が目標回転数(例えば800rpm)まで到達すると、そのまま脱水工程を継続し、予め定められた所定脱水時間が経過した後に、脱水工程を終了する。
【0053】
具体的には、モータ制御部56は、脱水工程においてドラム2の回転数が所定回転数以上になった後、脱水加速判定部54によりドラム2の回転数を上昇可能と判定された場合、ドラム2の回転数が上昇するように、モータ10の電流を増加させる。
【0054】
また、モータ制御部56は、脱水工程においてドラム2の回転数が所定回転数以上になった後、脱水加速判定部54により、ドラム2の回転数を上昇不可と判定された場合、ドラム2の回転数が所定時間維持されるように、モータ10の電流を変化させない。
【0055】
また、モータ制御部56は、脱水工程において、加速度出力からモータ出力を差し引いた出力差が第1閾値より小さくなった後、加速度出力からモータ出力を差し引いた出力差が第2閾値以上になり、脱水加速判定部54によりドラム2の回転数を上昇可能と判定された場合、ドラム2の回転数が上昇するように、モータ10の電流を増加させる。
【0056】
即ち、本実施形態の洗濯機1は、軸線周りに回転可能に構成された有底筒状のドラム2と、ドラム2の底部から突出した駆動軸17を介してドラム2を回転駆動するモータ10と、ドラム2の加速度を検出する加速度センサ12と、脱水工程においてドラム2の回転数が所定回転数以上になった後において、加速度センサ12の出力からモータ10の出力を差し引いた第1出力差である出力差が第1閾値より小さい場合、ドラム2の回転数を上昇不可と判定する判定手段である脱水加速判定部54と、脱水加速判定部54での判定に基づいてモータ10を制御する制御手段であるモータ制御部56とを備える。
【0057】
これにより、本実施形態の洗濯機1では、加速度センサ12の出力からモータ10の出力を差し引いた出力差が第1閾値より小さいことに基づいて、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態であることを検知し、ドラム2の回転数を上昇させないようにしている。したがって、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態でドラム2を回転させることにより異常音が発生するのを防止できる。
【0058】
次に、洗濯機1において、加速度センサ12が故障しているか否かを判定するときの動作について、図6に基づいて説明する。
【0059】
<ステップS201>
ステップS201において、洗濯機1の運転が開始されると、制御部50は、加速度センサ12からの加速度信号に基づいた加速度出力が0であるか否かを繰り返し判断する。加速度センサ12の出力が0でない場合、ステップS202に進む。
【0060】
<ステップS202>
ステップS202において、制御部50は、ドラム2の回転数が上昇する際に、加速度センサ12からの加速度信号に基づいた加速度出力の変化量が、所定量以下であるか否かを判定する。所定量は、ドラム2の回転数の上昇にともなって、加速度センサ12からの加速度信号に基づいた加速度出力が適正に増加しているか否かを判定するものである。加速度出力の変化量が所定量以下でない場合、ステップS203に進む。
【0061】
<ステップS203>
ステップS203において、制御部50は、加速度センサ12は故障してないと判定し、モータ出力及び加速度出力の両方を併用して、洗濯機1の運転を継続する。
【0062】
<ステップS204>
ステップS201において加速度センサ12の加速度出力が0である場合、及び、ステップS202において加速度出力の変化量が所定量以下である場合、ステップS204に進んで、制御部50は、加速度センサ12は故障していると判定し、加速度出力は使用しないで、モータ出力のみを使用して、洗濯機1の運転を継続する。
【0063】
このように、本実施形態の洗濯機1では、加速度センサ12が故障している場合、モータ出力のみを使用して、洗濯機1の運転が継続される。したがって、この場合、本実施形態の洗濯機1において、モータ出力及び加速度出力の両方に基づいて、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態を検出することはできない。
【0064】
即ち、本実施形態の洗濯機1において、脱水加速判定部54は、ドラム2の回転数が上昇する際に加速度センサ12の加速度出力が変化しない場合、ドラム2の回転数を上昇不可と判定する。
【0065】
これにより、本実施形態の洗濯機1では、ドラム2の回転数が上昇する際に、加速度センサ12の出力が変化しないことから、加速度センサ12が故障している可能性が高い。したがって、そのときの加速度センサ12の出力に基づいて、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態でドラム2の回転数を上昇させてしまうのを防止できる。
【0066】
次に、洗濯機1の脱水工程の動作について、図7に基づいて説明する。
【0067】
<ステップS301、S302>
ステップS301において、脱水工程が開始されると、制御部50は、モータ10を制御して、ドラム2を回転駆動する。ステップS302において、制御部50は、ドラム2の回転数が所定回転数(例えば、400rpm)に達したか(ドラム2の回転数が中速領域であるか)否かを繰り返し判断する。ドラム2の回転数が所定回転数に達した場合、ステップS303に進む。
【0068】
<ステップS303>
ステップS303において、制御部50は、加速度センサ12からの加速度信号に基づいて、加速度センサ12の加速度出力として、ドラム2の1回転期間内の加速度変化量を計算する。
【0069】
<ステップS304>
ステップS304において、制御部50は、現時点のモータ10の電流値を検出し、モータ出力として、現時点のモータ10の電流値とドラム2の回転数が400rpmであるときのモータ10の電流値との差を計算する。
【0070】
<ステップS305>
ステップS305において、制御部50は、ステップS303、S304で計算された加速度出力及びモータ出力に基づいて、加速度出力からモータ出力を差し引いた出力差が、第1閾値以上より小さいか否かを判定する。
【0071】
<ステップS306>
ステップS305において、加速度出力からモータ出力を差し引いた出力差が第1閾値以上の場合(S305:NO)、ステップS306に進んで、制御部50は、ドラム2の回転数を上昇させて、脱水を加速する。ステップS306において、制御部50は、ドラム2の回転数を、現時点のドラム2の回転数に応じた所定上昇速度で上昇させるが、所定上昇時間が経過すると、ステップS307に進む。
【0072】
<ステップS307、S308>
ステップS307において、ドラム2の回転数が目標回転数に到達したか否かが判定される。ドラム2の回転数が目標回転数に到達した場合(S307:YES)、ステップS308において、制御部50は、そのまま脱水工程を継続し、予め定められた所定脱水時間が経過した後に、脱水工程を終了する。ステップS307において、ドラム2の回転数が目標回転数に到達してない場合(S307:NO)、ステップS303に移行する。
【0073】
<ステップS309>
ステップS305において、加速度出力からモータ出力を差し引いた出力差が第1閾値より小さい場合(S305:YES)、ステップS309に進む。ステップS309において、制御部50は、加速度出力からモータ出力を差し引いた出力差が第1閾値より小さいことから、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態であるとして、脱水の加速を停止し、ドラム2の回転数を所定時間維持する。ドラム2の回転数を所定時間維持した状態で運転を継続することにより、ドラム2と外槽3との間に水が排水され、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消する場合がある。その後、ステップS310に進む。
【0074】
即ち、本実施形態の洗濯機1において、モータ制御部56は、脱水加速判定部54によりドラム2の回転数を上昇不可と判定された場合、ドラム2の回転数が所定時間維持されるように、モータ10を制御する。
【0075】
これにより、本実施形態の洗濯機1では、脱水加速判定部54によりドラム2の回転数を上昇不可と判定された場合、ドラム2の回転数が所定時間維持されることから、ドラム2の回転を都度停止する場合と比べて、洗濯機1の運転効率が向上する。
【0076】
<ステップS310>
ステップS310において、制御部50は、ステップS309でドラム2の回転数を所定時間維持された後の加速度センサ12からの加速度信号に基づいて、加速度センサ12の加速度出力を計算する。加速度出力の計算方法は、ステップS303と同様である。
【0077】
<ステップS311>
ステップS311において、制御部50は、ステップS309でドラム2の回転数を所定時間維持された後のモータ10の電流値を検出し、モータ出力を計算する。モータ出力の計算方法は、ステップS304と同様である。
【0078】
<ステップS312>
ステップS312において、制御部50は、ステップS310、S311で計算された加速度出力及びモータ出力に基づいて、加速度出力からモータ出力を差し引いた出力差が第2閾値以上であるか否かを判定する。出力差が第2閾値以上である場合(S312:YES)、制御部50は、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消したとして、ステップS306に進んで、ドラム2の回転数を上昇させて、脱水を加速する。出力差が第2閾値より小さい場合(S312:NO)、制御部50は、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消してないとして、ステップS309に移行して、ドラム2の回転数を所定時間維持した状態を継続する。
【0079】
即ち、本実施形態の洗濯機1において、判定手段である脱水加速判定部54は、ドラムの回転数を上昇不可と判定した後、加速度センサ12の出力からモータ10の出力を差し引いた第1出力差である出力差が第2閾値以上になったときに、ドラム2の回転数を上昇可能と判定する。
【0080】
これにより、本実施形態の洗濯機1では、加速度センサ12の出力からモータ10の出力を差し引いた出力差が第2閾値以上であることに基づいて、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消されたことを検知し、ドラム2の回転数を上昇させるようにしている。したがって、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消されたときに、ドラム2の回転数を上昇させて、脱水を加速できる。
【0081】
本実施形態の洗濯機1において、第2閾値は、第1閾値より大きい。これにより、本実施形態の洗濯機1では、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消したことを検知するための第2閾値が、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態であることを検知するための第1閾値より大きいことから、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が確実に解消したときに、ドラム2の回転数を上昇させて、脱水を加速できる。
【0082】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態を図8及び図9に基づいて詳細に説明する。
【0083】
本実施形態の洗濯機が、第1実施形態の洗濯機1と主に異なる点は、第1実施形態では、加速度出力からモータ出力を差し引いた出力差に基づいて脱水を加速するか否かを判定したのに対し、本実施形態では、加速度出力をモータ出力で除算した出力比に基づいて脱水を加速するか否かを判定する点である。本実施形態の洗濯機の構成において、第1実施形態の洗濯機1と同様の構成については説明を省略する。
【0084】
本実施形態の洗濯機の制御部150は、図8に示すように、モータ出力計算部51と、加速度出力計算部52と、出力比計算部153と、脱水加速判定部154と、故障判定部55と、モータ制御部56とを有している。
【0085】
出力比計算部153は、加速度出力計算部52で計算された加速度出力をモータ出力計算部51で計算されたモータ出力で除算した出力比(加速度出力/モータ出力)を計算する。本実施形態において、第1実施形態と同様に、モータ出力及び加速度出力はマイコン値として数値化されることから、出力比はマイコン値の比として計算される。
【0086】
脱水加速判定部154は、脱水工程においてドラム2の回転数が所定回転数以上になった後において、加速度出力をモータ出力で除算した出力比が第1閾値以上である場合、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態でないとして、ドラム2の回転数を上昇可能と判定する。また、脱水加速判定部154は、加速度出力をモータ出力で除算した出力比が第1閾値より小さい場合、ドラムと外槽との間に水が残った状態であるとして、ドラム2の回転数を上昇不可と判定する。なお、第1閾値は、ドラム2の回転数の1次関数の連続として表現できるが回転数の変化に伴い傾きや切片が変化する、あるいは、テーブルとしてRAM内に記憶される。
【0087】
また、脱水加速判定部154は、加速度出力をモータ出力で除算した出力比が第1閾値より小さいことから、ドラム2の回転数を上昇不可と判定した後、加速度出力をモータ出力で除算した出力比が第2閾値以上になったときに、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消したとして、ドラム2の回転数を上昇可能と判定する。本実施形態において、第2閾値は、第1閾値より大きい値である。
【0088】
即ち、本実施形態の洗濯機は、軸線周りに回転可能に構成された有底筒状のドラム2と、ドラム2の底部から突出した駆動軸17を介してドラム2を回転駆動するモータ10と、ドラム2の加速度を検出する加速度センサ12と、脱水工程においてドラム2の回転数が所定回転数以上になった後において、加速度センサ12の出力をモータ10の出力で除算した第1出力比である出力比が第1閾値より小さい場合、ドラム2の回転数を上昇不可と判定する判定手段である脱水加速判定部154と、脱水加速判定部154での判定に基づいてモータ10を制御する制御手段であるモータ制御部56とを備える。
【0089】
これにより、本実施形態の洗濯機では、加速度センサ12の出力をモータ10の出力で除算した出力比が第1閾値より小さいことに基づいて、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態であることを検知し、ドラム2の回転数を上昇させないようにしている。したがって、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態でドラム2を回転させることにより異常音が発生するのを防止できる。
【0090】
次に、本実施形態の洗濯機の脱水工程の動作について、図9に基づいて説明する。図9のステップS401~S404の説明は、図7のステップS301~S304の説明と同様であり、その説明は省略する。
【0091】
<ステップS405>
ステップS405において、制御部150は、加速度出力をモータ出力で除算した出力比が、第1閾値以上より小さいか否かを判定する。
【0092】
<ステップS406>
ステップS405において、加速度出力をモータ出力で除算した出力比が第1閾値以上の場合(S405:NO)、ステップS406に進んで、制御部150は、ドラム2の回転数を上昇させて、脱水を加速する。ステップS406において、制御部150は、ドラム2の回転数を、現時点のドラム2の回転数に応じた所定上昇速度で上昇させるが、所定上昇時間が経過すると、ステップS407に進む。
【0093】
<ステップS407、S408>
ステップS407において、ドラム2の回転数が目標回転数に到達したか否かが判定される。ドラム2の回転数が目標回転数に到達した場合(S407:YES)、ステップS408において、制御部150は、そのまま脱水工程を継続し、予め定められた所定脱水時間が経過した後に、脱水工程を終了する。ステップS407において、ドラム2の回転数が目標回転数に到達してない場合(S407:NO)、ステップS403に移行する。
【0094】
<ステップS409>
ステップS405において、加速度出力をモータ出力で除算した出力比が第1閾値より小さい場合(S405:YES)、ステップS409に進む。ステップS409において、制御部150は、加速度出力をモータ出力で除算した出力比が第1閾値より小さいことから、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態であるとして、脱水の加速を停止し、ドラム2の回転数を所定時間維持する。ドラム2の回転数を所定時間維持した状態で運転を継続することにより、ドラム2と外槽3との間に水が排水され、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消する場合がある。その後、ステップS410に進む。
【0095】
即ち、本実施形態の洗濯機において、モータ制御部56は、脱水加速判定部154によりドラム2の回転数を上昇不可と判定された場合、ドラム2の回転数が維持されるように、モータ10を制御する。
【0096】
これにより、本実施形態の洗濯機では、脱水加速判定部154によりドラム2の回転数を上昇不可と判定された場合、ドラム2の回転数が所定時間維持されることから、ドラム2の回転を都度停止する場合と比べて、洗濯機1の運転効率が向上する。
【0097】
<ステップS410>
ステップ410において、制御部150は、ステップS409でドラム2の回転数を所定時間維持された後の加速度センサ12からの加速度信号に基づいて、加速度センサ12の加速度出力を計算する。加速度出力の計算方法は、ステップS403と同様である。
【0098】
<ステップS411>
ステップS411において、制御部150は、ステップS409でドラム2の回転数を所定時間維持された後のモータ10の電流値を検出し、モータ出力を計算する。モータ出力の計算方法は、ステップS404と同様である。
【0099】
<ステップS412>
ステップS412において、制御部150は、ステップS410、S411で計算された加速度出力及びモータ出力に基づいて、加速度出力をモータ出力で除算した出力比が第2閾値以上であるか否かを判定する。ステップS412において、加速度出力をモータ出力で除算した出力比が第2閾値以上である場合(S412:YES)、制御部150は、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消したとして、ステップS406に進んで、ドラム2の回転数を上昇させて、脱水を加速する。ステップS412において、加速度出力をモータ出力で除算した出力比が第2閾値より小さい場合(S412:NO)、制御部150は、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消してないとして、ステップS409に移行して、ドラム2の回転数を所定時間維持した状態を継続する。
【0100】
即ち、本実施形態の洗濯機において、判定手段である脱水加速判定部154は、加速度出力をモータ出力で除算した出力比が第2閾値以上になったときに、ドラム2の回転数を上昇可能と判定する。
【0101】
これにより、本実施形態の洗濯機では、加速度センサ12の出力をモータ10の出力で除算した出力比が第2閾値以上であることに基づいて、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消されたことを検知し、ドラム2の回転数を上昇させるようにしている。したがって、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消されたときに、ドラム2の回転数を上昇させて、脱水を加速できる。
【0102】
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態を図10及び図11に基づいて詳細に説明する。
【0103】
本実施形態の洗濯機が、第1実施形態の洗濯機と主に異なる点は、第1実施形態では、加速度出力からモータ出力を差し引いた出力差に基づいて脱水を加速するか否かを判定したのに対し、本実施形態では、モータ出力についての判定と加速度出力についての判定とをそれぞれ行うことにより脱水を加速するか否かを判定する点である。本実施形態の洗濯機の構成において、第1実施形態の洗濯機1と同様の構成については説明を省略する。
【0104】
本実施形態の洗濯機の制御部250は、図10に示すように、モータ出力計算部51と、加速度出力計算部52と、脱水加速判定部254と、故障判定部55と、モータ制御部56とを有している。
【0105】
脱水加速判定部254は、脱水工程においてドラム2の回転数が所定回転数以上になった後において、モータ出力がモータ閾値より小さい状態で且つ加速度出力が加速度閾値より小さい場合、ドラム2の振動が小さいと共に、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態でないとして、ドラム2の回転数を上昇可能と判定する。また、脱水加速判定部254は、モータ出力がモータ閾値以上であり且つ加速度出力が加速度閾値より小さい場合、ドラム2の振動は小さいにもかかわらず、ドラムと外槽との間に水が残った状態であるとして、ドラム2の回転数を上昇不可と判定する。
【0106】
また、脱水加速判定部254は、モータ出力がモータ閾値以上であり且つ加速度出力が加速度閾値より小さいことから、ドラム2の回転数を上昇不可と判定した後、加速度出力が加速度閾値より小さい状態で、モータ出力がモータ閾値より小さくなったときに、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消したとして、ドラム2の回転数を上昇可能と判定する。
【0107】
また、脱水加速判定部254は、加速度出力が加速度閾値以上の場合、ドラム2の振動が大きいことから、ドラム2の回転数を上昇不可と判定する。
【0108】
即ち、本実施形態の洗濯機は、軸線周りに回転可能に構成された有底筒状のドラム2と、ドラム2の底部から突出した駆動軸17を介してドラム2を回転駆動するモータ10と、ドラム2の加速度を検出する加速度センサ12と、脱水工程においてドラム2の回転数が所定回転数以上になった後において、モータ10の出力がモータ閾値以上で且つ加速度センサ12の出力が加速度閾値より小さい場合に、ドラム2の回転数を上昇不可と判定する判定手段である脱水加速判定部254と、脱水加速判定部254での判定に基づいてモータ10を制御する制御手段であるモータ制御部56とを備える。
【0109】
これにより、本実施形態の洗濯機では、モータ10の出力がモータ閾値以上で且つ加速度センサ12の出力が加速度閾値より小さいことに基づいて、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態であることを検知し、ドラム2の回転数を上昇させないようにしている。したがって、脱水工程において、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態でドラム2を回転させることにより異常音が発生するのを防止できる。
【0110】
次に、本実施形態の洗濯機の脱水工程の動作について、図11に基づいて説明する。図11のステップS501~S504の説明は、図7のステップS301~S304の説明と同様であり、その説明は省略する。
【0111】
<ステップS505、S506、S507>
ステップS505において、制御部250は、モータ出力がモータ閾値より小さいか否かを判定する。モータ出力がモータ閾値より小さい場合(S505:YES)、ステップS506に進んで、加速度出力を加速度閾値より小さいか否かを判定する。ステップS506において、加速度出力を加速度閾値より小さい場合(S506:YES)、ステップS507に進んで、ドラム2の回転数を上昇させて、脱水を加速する。ステップS507において、制御部250は、ドラム2の回転数を、現時点のドラム2の回転数に応じた所定上昇速度で上昇させるが、所定上昇時間が経過すると、ステップS508に進む。
【0112】
<ステップS508、S509>
ステップS508において、ドラム2の回転数が目標回転数に到達したか否かが判定される。ドラム2の回転数が目標回転数に到達した場合(S508:YES)、ステップS509において、制御部250は、そのまま脱水工程を継続し、予め定められた所定脱水時間が経過した後に、脱水工程を終了する。ステップS508において、ドラム2の回転数が目標回転数に到達してない場合(S508:NO)、ステップS503に移行する。
【0113】
<ステップS510>
ステップS506において、加速度出力を加速度閾値以上の場合(S506:NO)、洗濯物の偏りが大きいことから、ステップS510に進んで、脱水を停止する。
【0114】
即ち、本実施形態の洗濯機において、判定手段254は、加速度出力が加速度閾値以上である場合、ドラム2の回転数を停止すると判定する。
【0115】
これにより、本実施形態の洗濯機では、加速度センサ12の出力が加速度閾値以上であることに基づいて、洗濯物の偏りが大きいことを検知し、ドラム2の回転数を上昇させないようにしている。したがって、脱水工程において、洗濯物の偏りが大きい状態でドラム2の回転数を上昇させることにより振動や騒音が発生するのを防止できる。
【0116】
<ステップS511、S512>
ステップS505において、モータ出力がモータ閾値以上の場合(S505:NO)、ステップS511に進んで、加速度出力を加速度閾値より小さいか否かを判定する。加速度出力を加速度閾値より小さい場合(S511:YES)、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態であるとして、ステップS512に進んで、脱水の加速を停止し、ドラム2の回転数を所定時間維持する。ドラム2の回転数を所定時間維持した状態で運転を継続することにより、ドラム2と外槽3との間に水が排水され、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消する場合がある。ステップS511において、加速度出力を加速度閾値以上の場合(S511:NO)、洗濯物の偏りが大きいことから、ステップS510に進んで、脱水を停止する。
【0117】
即ち、本実施形態の洗濯機において、モータ制御部56は、脱水加速判定部254によりドラム2の回転数を上昇不可と判定された場合、ドラム2の回転数が所定時間維持されるように、モータ10を制御する。
【0118】
これにより、本実施形態の洗濯機では、脱水加速判定部254によりドラム2の回転数を上昇不可と判定された場合、ドラム2の回転数が所定時間維持されることから、ドラム2の回転を都度停止する場合と比べて、洗濯機の運転効率が向上する。
【0119】
<ステップS513>
ステップS513において、制御部250は、ステップS512でドラム2の回転数を所定時間維持された後の加速度センサ12からの加速度信号に基づいて、加速度センサ12の加速度出力を計算する。加速度出力の計算方法は、ステップS503と同様である。
【0120】
<ステップS514、S515>
ステップS514において、制御部250は、ステップS513で計算された加速度出力を加速度閾値より小さいか否かを判定する。加速度出力を加速度閾値より小さい場合(S514:YES)、ステップS515において、制御部250は、ステップS512でドラム2の回転数を所定時間維持された後のモータ10の電流値を検出し、モータ出力を計算する。モータ出力の計算方法は、ステップS504と同様である。ステップS514において、加速度出力を加速度閾値以上の場合(S514:NO)、洗濯物の偏りが大きいことから、ステップS510に進んで、脱水を停止する。
【0121】
<ステップS516>
ステップS516において、制御部250は、ステップS515で計算されたモータ出力がモータ閾値より小さいか否かを判定する。モータ出力がモータ閾値より小さい場合(S516:YES)、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消したとして、ステップS507に進んで、ドラム2の回転数を上昇させて、脱水を加速する。ステップS516において、モータ出力がモータ閾値以上の場合(S516:NO)、制御部250は、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消してないとして、ステップS512に移行して、ドラム2の回転数を所定時間維持した状態を継続する。
【0122】
即ち、本実施形態の洗濯機において、判定手段である脱水加速判定部254は、ドラムの回転数を上昇不可と判定した後、加速度センサ12の出力が加速度閾値より小さい状態で、モータ10の出力がモータ閾値より小さくなったときに、ドラム2の回転数を上昇可能と判定する。
【0123】
これにより、本実施形態の洗濯機では、加速度センサ12の出力が加速度閾値より小さい状態で、モータ10の出力がモータ閾値より小さくなったことに基づいて、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消されたことを検知し、ドラム2の回転数を上昇させるようにしている。したがって、ドラム2と外槽3との間に水が残った状態が解消されたときに、ドラム2の回転数を上昇させて、脱水を加速できる。
【0124】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0125】
例えば、上記実施形態では、脱水加速判定部によりドラム2の回転数を上昇不可と判定された場合、ドラム2の回転数が維持されるようにモータ10が制御されるが、ドラム2の回転数が減少するようにモータ10が制御されてよい。上記実施形態では、第1閾値と第2閾値とは異なる値であるが、第1閾値と第2閾値とは同一であってよい。上記第3実施形態では、脱水加速判定手段254により、加速度センサの出力が加速度閾値以上である場合、洗濯物の偏りが大きいとして脱水を停止しているが、ドラム2の回転数を維持してもよいし、ドラム2の回転数を減少させてもよい。
【0126】
上記実施形態では、モータ出力計算部51が現時点のモータ10の電流値とドラム2の回転数が400rpmであるときのモータ10の電流値との差を計算するが、モータ出力計算部51がモータ出力を計算する方法は、これに限られない。例えば、モータ出力計算部51が現時点のモータ10の電流値とドラム2の回転数が400rpm以外の回転数であるときのモータ10の電流値との差を計算してよい。
【0127】
上記実施形態では、ドラム2が水平方向に延びる軸線周りに回転可能に構成されているが、ドラム2が傾斜方向(鉛直方向に対して傾斜する方向)に延びる軸線周りに回転可能に構成されてよい。また、ドラム2が鉛直方向に延びる軸線周りに回転可能に構成されてよい。
【0128】
上記第1実施形態では、判定手段54は、加速度センサ12の出力からモータ10の出力を差し引いた第1出力差に基づいてドラム2の回転数を上昇させるかを判定しているが、判定手段54は、モータ10の出力から加速度センサ12の出力を差し引いた第2出力差に基づいてドラム2の回転数を上昇させるか否かを判定するものであってよい。なお、第1出力差に基づいて判定する場合と第2出力差に基づいて判定する場合では、第1閾値及び第2閾値は、それぞれ異なる値に設定される。上記第2実施形態では、判定手段154は、加速度センサ12の出力をモータ10の出力で除算した第1出力比に基づいてドラム2の回転数を上昇させるかを判定しているが、判定手段154は、モータ10の出力を加速度センサ12の出力で除算した第2出力比に基づいてドラム2の回転数を上昇させるか否かを判定するものであってよい。なお、第1出力比に基づいて判定する場合と第2出力比に基づいて判定する場合では、第1閾値及び第2閾値は、それぞれ異なる値に設定される。
【0129】
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0130】
1 洗濯機
2 ドラム
10 モータ
12 加速度センサ
17 駆動軸
54、154、254 脱水加速判定部(判定手段)
56 モータ制御部(制御手段)
図1
図2
図3
図4
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図9
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図11