(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】防護管、防護管の製造方法および防護管の部品
(51)【国際特許分類】
H02G 9/04 20060101AFI20220916BHJP
B21D 5/01 20060101ALI20220916BHJP
B21D 51/16 20060101ALI20220916BHJP
【FI】
H02G9/04
B21D5/01 E
B21D51/16 Z
(21)【出願番号】P 2018138924
(22)【出願日】2018-07-24
【審査請求日】2021-06-08
(73)【特許権者】
【識別番号】518191094
【氏名又は名称】株式会社オカゾエ製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】岡添 啓
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】実開昭58-193719(JP,U)
【文献】実公昭58-045468(JP,Y2)
【文献】特開2017-221956(JP,A)
【文献】登録実用新案第3041822(JP,U)
【文献】実開昭59-050887(JP,U)
【文献】特開平06-262267(JP,A)
【文献】特開2010-246253(JP,A)
【文献】特開平04-037413(JP,A)
【文献】特開2001-177944(JP,A)
【文献】特開2014-239589(JP,A)
【文献】特開2002-044826(JP,A)
【文献】特開2014-230354(JP,A)
【文献】特開平01-205823(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 9/04
B21D 5/01
B21D 51/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空の筒状に形成され、中空部に挿通された他部材を防護する防護管であって、
所定の曲率半径で湾曲した湾曲部を有し、
前記湾曲部が、
前記曲率半径方向の外周側をなす外周側湾曲面と、
前記曲率半径方向の内周側をなす内周側湾曲面と、
前記外周側湾曲面及び前記内周側湾曲面の中間部をなし、対向するように配置された一対の側方湾曲面とを有し、
前記一対の側方湾曲面は、それぞれ前記曲率半径方向の一端側において前記外周側湾曲面あるいは前記内周側湾曲面に対して境界部を介して屈曲しつつ連続するように形成され、他端側が開放端とされると共に、前記開放端側から前記境界部が終点となるように切り込まれた切込を有し、
前記切込が、前記一対の側方湾曲面の間で対向する位置に設けられ、
前記外周側湾曲面あるいは前記内周側湾曲面のうち、前記終点に続くように設けられた面が、前記側方湾曲面の間で対向する前記切込の前記終点を相互に結ぶ仮想線を軸として前記所定の曲率半径で湾曲するように屈曲されており、
前記外周側湾曲面及び前記内周側湾曲面のいずれか一方と、一対の側方湾曲面とにより、断面がコ字形状となるように形成されたコ字状部材と、
前記外周側湾曲面及び前記内周側湾曲面の他方を備え、前記コ字状部材において前記一対の側方湾曲面の開放端側を閉塞する蓋部材とを備えている
、防護管。
【請求項2】
中空の筒状に形成され、中空部に挿通された他部材を防護する防護管であって、
所定の曲率半径で湾曲した湾曲部を有し、
前記湾曲部が、
前記曲率半径方向の外周側をなす外周側湾曲面と、
前記曲率半径方向の内周側をなす内周側湾曲面と、
前記外周側湾曲面及び前記内周側湾曲面の中間部をなし、対向するように配置された一対の側方湾曲面とを有し、
前記一対の側方湾曲面は、それぞれ前記曲率半径方向の一端側において前記外周側湾曲面あるいは前記内周側湾曲面に対して境界部を介して屈曲しつつ連続するように形成され、他端側が開放端とされると共に、前記開放端側から前記境界部が終点となるように切り込まれた切込を有し、
前記切込が、前記一対の側方湾曲面の間で対向する位置に設けられ、
前記外周側湾曲面あるいは前記内周側湾曲面のうち、前記終点に続くように設けられた面が、前記側方湾曲面の間で対向する前記切込の前記終点を相互に結ぶ仮想線を軸として前記所定の曲率半径で湾曲するように屈曲されており、
各側方湾曲面は少なくとも2つの前記切込を有し、
各側方湾曲面の開放端は、前記切込の間において、前記湾曲部の曲率に対応した弧状に形成されている
、防護管。
【請求項3】
前記切込は、V字形状のV字切込として設けられ、
前記V字切込は、各側方湾曲面において、前記外周側湾曲面との境界が前記V字形状の頂点となるように
前記内周側湾曲面側から切り込まれ、
前記V字形状の両辺が近接するように、前記両側方湾曲面の間で対向する前記V字切込の前記頂点を相互に結ぶ仮想線を軸として前記外周側湾曲面が湾曲されて、近接した前記V字切込の両側辺を溶接することにより前記湾曲部が形成されている、請求項1
又は2に記載の防護管。
【請求項4】
前記両側方湾曲面の間で対向する前記V字切込は同一形状となるように設けられている、
請求項3に記載の防護管。
【請求項5】
前記内周側湾曲面が板状に形成されることにより、ロ字形状の断面を有する、請求項1~
4のいずれかに記載の防護管
【請求項6】
金属材料で形成され、鉄道軌道の側方に内周側湾曲面を向けて配置される、請求項1~
5のいずれかに記載の防護管。
【請求項7】
中空の筒状に形成され、中空部に挿通された他部材を防護する防護管の製造方法であって、
前記防護管が、所定の曲率半径で湾曲した湾曲部を有し、前記湾曲部が、前記曲率半径方向の外周側をなす外周側湾曲面と、前記曲率半径方向の内周側をなす内周側湾曲面と、前記外周側湾曲面及び前記内周側湾曲面の中間部をなし、対向するように配置された一対の側方湾曲面とを有するものであり、
前記外周側湾曲面及び前記内周側湾曲面のいずれか一方と、一対の側方湾曲面とにより、断面がコ字形状となるように形成されたコ字状部材を準備するコ字状部材準備工程と、
前記外周側湾曲面及び前記内周側湾曲面の他方を備えた蓋部材を、前記コ字状部材において前記一対の側方湾曲面の開放端側を閉塞するように結合させる結合工程とを含み、
前記コ字状部材準備工程は、
概略板状の板状部材の両側から略同一形状で対向する切込を設ける切断ステップと、
断面がコ字形状となるように、前記板状部材の両側を前記切込
の終点で折り曲げる折曲ステップと、
前記両側方湾曲面の間で対向する前記切込の前記終点を相互に結ぶ仮想線を軸として前記外周側湾曲面を湾曲させる湾曲ステップとを含む
、防護管の製造方法。
【請求項8】
前記切断ステップは、前記コ字状部材の各側方湾曲面に、前記切込として
V字形状のV字切込を少なくとも2
つ設けることと、
各側方湾曲面の前記開放端を、前記V字切込の間において、前記湾曲部の曲率に対応した弧状に切断することとを含む、
請求項7に記載の防護管の製造方法。
【請求項9】
中空の筒状に形成され、中空部に挿通された他部材を防護するものであって、
所定の曲率半径で湾曲した湾曲部を有し、前記湾曲部が、前記曲率半径方向の外周側をなす外周側湾曲面と、前記曲率半径方向の内周側をなす内周側湾曲面と、前記外周側湾曲面及び前記内周側湾曲面の中間部をなし、対向するように配置された一対の側方湾曲面とを有する防護管の部品であって、
前記外周側湾曲面及び前記内周側湾曲面のいずれか一方と、一対の側方湾曲面とにより、断面がコ字形状となるように形成されたコ字状部材と、
前記外周側湾曲面及び前記内周側湾曲面の他方を備え、前記コ字状部材において前記一対の側方湾曲面の開放端側を閉塞する蓋部材とを備えており、
各側方湾曲面は、少なくとも1つの切込が前記両側方湾曲面の間で対向する位置に設けられ、
前記切込は、各側方湾曲面において、前記外周側湾曲面と前記両側方湾曲面の境界が終点となるように、前記コ字状部材の開放端から切り込まれ、
対向する前記切込の頂点を結ぶ仮想線を軸として前記外周側湾曲面が湾曲されることにより前記湾曲部が形成されており、
前記切込は、V字形状のV字切込が前記両側方湾曲面の間で対向するように設けられ、
前記V字切込は、各側方湾曲面において、前記外周側湾曲面との境界が前記V字形状の頂点となるように前記開放端から切り込まれ、
前記V字形状の両辺が近接するように前記外周側湾曲面が湾曲されて、近接した前記V字切込の両側辺を溶接することにより前記湾曲部が形成されている
、防護管の部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧ケーブルのような電線を防護する防護管、その製造方法および防護管の部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電線を防護するための防護管がある。このような防護管は、電線が挿通されて、通された電線を降雨等による風化や、外部からの物質の飛散等による損傷から保護する。そのような、防護管として、特許文献1に記載のような金属線ぴがある。特許文献1には、断面がロ字形状、すなわち矩形の金属筒を防護管として、その筒の中に電線を挿通して保護している。特許文献1の防護管は、他の配管等との干渉を避けるために、防護管が、湾曲した湾曲部を有する。
【0003】
また、他の防護管として、鉄道軌道の付近に配設され、電車に電力を供給するための高圧ケーブルのような電線を挿通する防護管がある。このような防護管は、電車が軌道を通過する際などに、軌道周辺の敷石が飛散して高圧ケーブルが損傷しないように、ロ字形状の断面を有する金属製の筒から構成されるものがある。この防護管は、高圧ケーブルの立ち上げに対応して、地上から上方に立ち上がるように湾曲する湾曲部を有する。
【0004】
湾曲部を有するこれらの防護管は、従来、真っ直ぐに形成された筒に冶具等を用いつつ、大きな力を加えて強制的に湾曲させる等の方法により形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、真っ直ぐに形成された筒に冶具等を用いつつ、大きな力を加えて強制的に湾曲させるような方法で保護管を作成することとした場合、冶具により湾曲部の曲率の大きさが規定されてしまう。そのため、湾曲部における曲率の異なる保護管を作成しようとすると、曲率のバリエーション分の冶具を用意する必要がある。また、冶具により強制的に管を曲げ加工して保護管を作成する場合には、湾曲部における曲率等の精度に限界がある。そのため、従来の製造方法では、曲率等の寸法精度の高い保護管を作成できないという問題があった。
【0007】
また、上述した直管を曲げ加工する方法以外に考えられる保護管の製造方法として、プレス加工による方法が考えられる。しかしながら、プレス加工による場合には、防護管の形状に応じて金型を用意する必要がある。そのため、プレス加工を採用して種々の形状の防護管を製造するためには、対応する数の金型が必要となり、金型の製作費用が膨大になるといった課題があった。また、金型の設計においては、例えば、湾曲部の曲率を一定以下にできないといったように、防護管の形状に制限があった。特に、高圧ケーブルのように太い電線を防護する場合には、防護管も大型となり、防護管を湾曲させることがより困難な場合が多かった。
【0008】
本発明は、上記のような課題に鑑み、製造コストが安価で、かつ形状の自由度が高い防護管を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本発明に係る防護管は、中空の筒状に形成され、中空部に挿通された他部材を防護するものであって、所定の曲率半径で湾曲した湾曲部を有し、前記湾曲部が、前記曲率半径方向の外周側をなす外周側湾曲面と、前記曲率半径方向の内周側をなす内周側湾曲面と、前記外周側湾曲部及び内周側湾曲部の中間部をなし、対向するように配置された一対の側方湾曲面とを有し、前記一対の側方湾曲面は、それぞれ前記曲率半径方向の一端側において前記外周側湾曲部あるいは前記内周側湾曲部に対して境界部を介して屈曲しつつ連続するように形成され、他端側が開放端とされると共に、前記開放端側から前記境界部が終点となるように切り込まれた切込を有し、前記切込が、前記一対の側方湾曲面の間で対向する位置に設けられ、前記外周側湾曲面あるいは前記内周側湾曲面のうち、前記終点に続くように設けられた面が、前記側方湾曲面の間で対向する前記切込の前記終点を相互に結ぶ仮想線を軸として前記所定の曲率半径で湾曲するように屈曲されていることを特徴とするものである。
【0010】
この防護管では、一対の側方湾曲面がそれぞれ一端側において外周側湾曲部あるいは内周側湾曲部に対して境界部を介して屈曲しつつ連続するように形成された、樋状の部材が用いられる。この樋状の部材において、側方湾曲面に設けられた切込は、外周側湾曲面あるいは内周側湾曲面付近まで及ぶように設けられている。また、前述の樋状の部材は、切込の終点を軸に外周側湾曲面あるいは内周側湾曲面を湾曲させることにより、一対の側方湾曲面、及びこれらに続くように形成された外周側湾曲面あるいは内周側湾曲面を一体的に湾曲させたたものである。本発明の防護管は、このような樋状の部材に対し、外周側湾曲面あるいは内周側湾曲面の他方側をなす部材を組み合わせることにより形成されている。そのため、本発明の保護管は、従来技術のように直管を曲げ加工により強制的に曲げたり、プレス加工等することなく製造できる。また、本発明の保護管は、切込を設ける位置や数等を調整することにより、湾曲部の曲率や大きさ等を自由かつ寸法精度良く調整できる。従って、本発明によれば、製造コストが安価でかつ形状の自由度が高い防護管を提供することができる。
【0011】
(2)前記した防護感は、前記外周側湾曲面及び前記内周側湾曲面のいずれか一方と、一対の側方湾曲面とにより、断面がコ字形状となるように形成されたコ字状部材と、前記外周側湾曲面及び前記内周側湾曲面の他方を備え、前記コ字状部材において前記一対の側方湾曲面の開放端側を閉塞する蓋部材とを備えているものであることが好ましい。
【0012】
(3)前記した防護管において、各側方湾曲面は少なくとも2つの前記切込を有し、各側方湾曲面の開放端は、前記切込の間において、前記湾曲部の曲率に対応した弧状に形成されているよい。そのようにすれば、内周側湾曲面と接触するコ字状部材の開放端が、連続して湾曲部の曲率に対応した滑らかなコ字状となる。これにより、内側が滑らかに湾曲する防護管を容易に形成することができる。
【0013】
(4)前記した防護管において、前記切込は、V字形状のV字切込として設けられ、前記V字切込は、各側方湾曲面において、前記外周側湾曲面との境界が前記V字形状の頂点となるように前記頂面部側から切り込まれ、前記V字形状の両辺が近接するように、前記両側方湾曲面の間で対向する前記V字切込の前記頂点を相互に結ぶ仮想線を軸として前記外周側湾曲面が湾曲されて、近接した前記V字切込の両側辺を溶接することにより前記湾曲部が形成されていてもよい。
【0014】
そのような防護管によれば、V字切込を側方湾曲面に設け、当該V字切込のV字形状の両辺が近接するように、外周側湾曲面を湾曲させる場合に、側方湾曲面が重なりあうことなく、変形することができ、切込を溶接する箇所は、近接した両辺の1カ所だけでよくなる。これにより、溶接が容易になり、防護管の製造が容易になる。
【0015】
(5)前記した防護管において、前記両側方湾曲面の間で対向する前記V字切込は同一形状となるように設けられていてもよい。そのようにすれば、コ字状部材が延在方向に対して対称な形状となり、コ字状部材の設計が容易になる。
【0016】
(6)前記した防護管において、前記内周側湾曲面が板状に形成されることにより、ロ字形状の断面を有していてもよい。そのようにすれば、コ字状部材の開放側を蓋するように配置される内周側湾曲面は、一形状の断面、すなわち板状となり、内周側湾曲面の製造が容易になる。
【0017】
(7)前記した防護管は、金属材料で形成され、鉄道軌道の側方に内周側湾曲面を向けて配置されていてもよい。そのようにすれば、鉄号軌道の周囲に敷かれた敷石が飛散しても、金属製の防護管が内部に挿通された電線等の内部物質を確実に保護する
【0018】
(8)本発明に係る防護管の製造方法は、中空の筒状に形成され、中空部に挿通された他部材を防護する防護管の製造方法であって、前記防護管が、所定の曲率半径で湾曲した湾曲部を有し、前記湾曲部が、前記曲率半径方向の外周側をなす外周側湾曲面と、前記曲率半径方向の内周側をなす内周側湾曲面と、前記外周側湾曲部及び内周側湾曲部の中間部をなし、対向するように配置された一対の側方湾曲面とを有するものであり、前記外周側湾曲面及び前記内周側湾曲面のいずれか一方と、一対の側方湾曲面とにより、断面がコ字形状となるように形成されたコ字状部材を準備するコ字状部材準備工程と、前記外周側湾曲面及び前記内周側湾曲面の他方を備えた蓋部材を、前記コ字状部材において前記一対の側方湾曲面の開放端側を閉塞するように結合させる結合工程とを含むことを特徴とする。
【0019】
この防護管の製造方法によれば、切込を側方湾曲面に設け、外周側湾曲面付近まで及ぶ、その切込の終点を軸に外周側湾曲面を湾曲させることにより、外周側湾曲面と両側方湾曲面とからなるコ字状部材が湾曲し、コ字状部材の曲率に対応して頂面部を湾曲させてコ字状部に結合することにより、容易に湾曲部を有する防護管を製造することができる。そのようにすれば、湾曲部を有する防護管を安価でかつ寸法精度良く製造することができる。
【0020】
(9)前記コ字状部材準備工程は、概略板状の板状部材の両側から略同一形状で対向する切込を設ける切断ステップと、断面がコ字形状となるように、前記板状部材の両側を前記切込の前記終点で折り曲げる折曲ステップと、前記両側方湾曲面の間で対向する前記切込の前記終点を相互に結ぶ仮想線を軸として前記外周側湾曲面を湾曲させる湾曲ステップとを含んでいてもよい。
【0021】
この防護管の製造方法によれば、コ字状部材を、切断ステップと、折曲ステップと、湾曲ステップの3つのステップに分解して形成する。これらの切断ステップ、折曲ステップおよび湾曲ステップは、プレス加工で所望の金属部品を形成するステップに比較して簡易な製造ステップであり、コ字形状部材に容易に湾曲部を形成することができる。
【0022】
(10)前記切断ステップは、前記コ字状部材の各側方湾曲面に、前記切込として少なくとも2つの前記V字切込を設けることと、各側方湾曲面の前記開放端を。前記V字切込の間において、前記湾曲部の曲率に対応した弧状に切断することとを含んでいてもよい。
【0023】
そのような防護管の製造方法によれば、V字切込を側方湾曲面に設け、当該V字切込のV字形状の両辺が近接するように、外周側湾曲面を湾曲させる場合に、側方湾曲面が重なりあうことなく、変形することができ、切込を溶接する箇所は、近接した両辺の1カ所だけでよくなる。これにより、溶接が容易になり、防護管の製造が容易になる。
【0024】
(11)本発明に係る防護管の部品は、中空の筒状に形成され、中空部に挿通された他部材を防護するものであって、所定の曲率半径で湾曲した湾曲部を有し、前記湾曲部が、前記曲率半径方向の外周側をなす外周側湾曲面と、前記曲率半径方向の内周側をなす内周側湾曲面と、前記外周側湾曲部及び内周側湾曲部の中間部をなし、対向するように配置された一対の側方湾曲面とを有するものであって、各側方湾曲面は、少なくとも1つの切込が前記両側方湾曲面の間で対向する位置に設けられ、前記切込は、各側方湾曲面において、前記外周側湾曲面と前記両側方湾曲面の境界が終点となるように、前記コ字状部材の開放端から切り込まれ、対向する前記切込の頂点を結ぶ仮想線を軸として前記外周側湾曲面が湾曲されることにより前記湾曲部が形成されていることを特徴とする。
【0025】
この防護管の部品では、切込を側方湾曲面に設け、外周側湾曲面付近まで及ぶ、その切込の終点を軸に外周側湾曲面を湾曲させることにより、中空の筒状の防護管において、外周側湾曲面と両側方湾曲面とからなるコ字状部材を容易に湾曲させ、湾曲部を有するコ字状部材を製造することができる。そのようにすれば、プレス加工用の金型等を利用することなく、湾曲部を有するコ字状部材を、安価な製造コストでかつ高い形状の自由度を確保して提供することができる。
【0026】
(12)前記した防護管の部品において、前記切込は、V字形状のV字切込が前記両側方湾曲面の間で対向するように設けられ、前記V字切込は、各側方湾曲面において、前記外周側湾曲面との境界が前記V字形状の頂点となるように前記開放端から切り込まれ、前記V字形状の両辺が近接するように前記外周側湾曲面が湾曲されて、近接した前記V字切込の両側辺を溶接することにより前記湾曲部が形成されている。
【0027】
そのようなコ字状部材によれば、V字切込を側方湾曲面に設け、当該V字切込のV字形状の両辺が近接するように、外周側湾曲面を湾曲させる場合に、側方湾曲面が重なりあうことなく、変形することができ、切込を溶接する箇所は、近接した両辺の1カ所だけでよくなる。これにより、溶接が容易になり、コ字状部材の製造が容易になる。
【発明の効果】
【0028】
本発明は、製造容易かつ形状の自由度が高い防護管を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る防護管を鉄道軌道の付近に配設した状態を示す概念図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態に係る防護管を示す概略斜視図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態に係る防護管のコ字状部を形成する板状部材を示す平面図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態に係る防護管を示す図であり、(A)は、コ字状部材を湾曲させる前の概略側面図であり、(B)は、コ字状部材を湾曲させた後の側面概略図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態に係る防護管の製造方法を示す概念工程図である。
【
図6】本発明の変形例に係る防護管を示す拡大側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
[防護管の実施形態]
【0031】
本発明の実施形態に係る防護管1に
図1~4を参照して説明する。
【0032】
防護管1は、
図1に示すように、鉄道軌道Lの周囲に設けられ、電車向けの高圧ケーブルのような電線の保護に用いられる。防護管1は、中空の筒状に形成され、中空部に挿通されたケーブルを防護する。防護管1は、例えば、鉄道軌道Lの付近に敷き詰められた敷石Kが電車の通過により飛散する場合等に高圧ケーブルを防護する。
【0033】
防護管1は、
図2に示すように、ロ字形状の断面で中空の筒状なるように形成され、直線管10と、湾曲管20とを備える。直線管10と、湾曲管20とは、連結部材30を介して結合されている。連結部材30は、従来よく知られる補強金物やボルトにより構成されている。
【0034】
直線管10は、頂面11、底面(図示なし)および両側面13から断面がロ字形状となるように形成され、ロ字形状を維持したまま直線状に延在している。直線管10は、断面矩形の金属管から構成され、頂面11が線路の軌道側に向くように配設される。
【0035】
湾曲管20は、直線管10と同様に、頂面21、底面22および両側面23から断面がロ字形状となるように形成され、ロ字形状を維持したまま湾曲しながら延在する。これにより、湾曲管20は、防護管1の湾曲部を形成する。また、湾曲管20は、底面22、両側面23を形成する断面がコ字形状のコ字状部材24(
図5(C)を参照)と、頂面21を形成する内周側湾曲面25(
図5(E)を参照)とから構成されている。
【0036】
コ字状部材24は、コ字形状を維持したまま底面22と交差する方向に湾曲しながら延在する。内周側湾曲面25は、板状に形成されており、湾曲するコ字状部材24と略同一の曲率で湾曲している。湾曲管20は、コ字状部材24の開放側である両側面23の開放端23u(
図3を参照)に内周側湾曲面25を載置し、結合部材26により結合している。結合部26は、コ字状部材24と内周側湾曲面25とのそれぞれに溶接して結合された結合金物26aをボルト26bで固定して形成される。
【0037】
コ字状部材24は、
図3に示すように、概略矩形の板状部材24oから形成される。板状部材24oは、両側端から幅方向に同一の寸法で折り曲げ可能に構成されている。なお、
図3において、板状部材24oを折り曲げる折り曲げ線を二点鎖線で示し、この二点鎖線が底面22部と両側面23部との境界iとなる。また、板状部材24oの両側単は、コ字状部材24の開放端23uとなる。
【0038】
コ字状部材24は、複数の切込27が設けられており、板状部材24oの両端から中央に向けて切り込まれた切込27の終点は、底面22部と両側面23部との境界i上に位置する。本実施形態において、切込27は、V字形状のV字切込27vとして形成されている。V字切込27vは、コ字状部材24の底面22部と両側面23部の境界(
図3における二点鎖線)を頂点27oとして、コ字状部材24の開放端23uとなる板状部材24oの幅方向の両端から切り込まれる。
【0039】
V字切込27vは、コ字状部材24の両側面23の間で対向する位置に形成されており、対向するV字切込27vは、同一形状となるように切り込まれている。各側面23は、7つのV字切込27vが形成されている。なお、
図3において、長手方向の両端のV字切込27vは、V字形状の角度が7.5°に、それ以外のV字切込27vは、V字形状の角度が15°に切り込まれている。
【0040】
次に、コ字状部材24を外周側湾曲面22で湾曲させる工程について説明する。
図4は、コ字状部材24の外周側湾曲面22を湾曲させる前後の状態を示し、(A)は、板状部材24oを境界iで折り曲げてコ字形状にした状態で湾曲させる前の側面概略図であり、(B)は、外周側湾曲面を湾曲させた後の側面概略図である。
【0041】
コ字状部材24は、板状部材24oの両側を境界iで折り曲げた後、両側方湾曲面23の間で対向するV字切込27vの頂点27oを相互に結ぶ仮想線jを軸として(
図3を参照)、外周側湾曲面22を湾曲させることができる(
図4(A)を参照)。
【0042】
外周側湾曲面22を湾曲させた後、V字切込27vのV字形状の近接した両辺27iを溶接して溶接部27cとすることによりコ字状部材24は湾曲した状態で固定される。(
図4(B)を参照)。すなわち、コ字状部材24は、V字切込27vのV字形状の両辺27iが近接するように底面22部を湾曲して形成される。
【0043】
防護管1によれば、V字切込27vを側方湾曲面23に設け、V字切込27vのV字形状の両辺27iが近接するように、外周側湾曲面22を湾曲させる場合に、側方湾曲面22が重なりあうことなく、外周側湾曲面22を湾曲させることができ、溶接部27cは、近接した両辺の1カ所だけでよくなる。これにより、溶接が容易になり、防護管1の製造が容易になる。
【0044】
板状部材24oは、V字切込27vの間において、コ字状部材24の開放端23uとなる幅方向の両端が、湾曲部の曲率に適合して弧状に形成されている。これにより、板状部材24oからコ字状部材24を形成した際に、コ字状部材24の開放端23uは、湾曲部の曲率と略同一の曲率で連続して滑らかなコ字状に形成される(
図4(B)を参照)。
【0045】
湾曲管20は、対面部と略同一幅で形成された板状の内周側湾曲面25を湾曲させて、コ字状部材24の開放側に蓋をするように、湾曲したコ字状部材24の開放端23uに載置して、コ字状部材24の開放端23uと内周側湾曲面25との接触する部分を結合部材26により結合している。
【0046】
[防護管の製造方法]
【0047】
次に、本実施形態に係る防護管1の湾曲管20の製造方法について
図5を参照して説明する。
図5は、湾曲管20を製作する順序を示すための概念工程図である。
【0048】
防護管1の製造方法は、湾曲管20の部品であるコ字状部材24を形成するコ字状部材準備工程(S1~S4)と、コ字状部材24と内周側湾曲面25とを結合する内周側湾曲面結合工程(T1~T3)とを含む。
図5(A)~
図5(D)は、コ字状部材準備工程を示し、
図5(E)~
図5(G)は内周側湾曲面結合工程を示す。
【0049】
コ字状部材準備工程は、概略矩形の板状部材24oを準備する板状部材準備ステップ(S-1)と、板状部材24oの両側から略同一形状で対向する切込27を設ける切断ステップ(S-2)と、断面がコ字形状となるように、前記板状部材24oの両側を折り曲げる折曲ステップ(S-3)と、底面22部を湾曲させる湾曲ステップ(S-4)とを含む。
【0050】
板状部材準備ステップ(
図5(A)を参照)では、概略矩形の板状部材24oが準備される(S-1)。板状部材24oは、鉄を主な材料として表裏の両面に亜鉛メッキを施されている。板状部材24oの長さ寸法、幅寸法、厚さ寸法は、防護管1の用途や配設箇所に応じて適宜選択される。
【0051】
切断ステップ(
図5(B)を参照)では、板状部材24oを切断することによりV字切込27vが形成される(S-2)。また、切断ステップでは、V字切込27vの他にも、コ字状の開放端23uとなる板状部材24oの両側が、V字切込27vの間において弧状になるように、板状部材24oが切断される(
図3を参照)。このように、切断ステップでは、板状部材24oを切断し、所望の形状とすることができる。
【0052】
折曲ステップ(
図5(C)を参照)では、板状部材24oの両側が、V字切込27vの頂点27oを境界iにて折り曲げることで、底面22部と両側面23部とからなるコ字状部材24が形成される(S-2)。切断ステップおよび折り曲げステップは従来よく知られる板金加工により行われる。
【0053】
湾曲ステップ(
図5(D)を参照)では、V字切込27vのV字形状の両辺が近接するように底面22部を湾曲させる(S-4)。このとき、底面22部は、両側面23部において対向するV字切込27vのV字形状の頂点27o、すなわち切込27の終点を幅方向に結ぶ仮想線j(
図3を参照)を軸に湾曲される。
【0054】
底面22部が湾曲される角度は、各側面23部のV字切込27vの角度となる。湾曲されたコ字状部材24は、近接するV字形状の両辺27i(
図4(B)を参照)を溶接して溶接部27cを形成し、固定される。また、コ字状部材の開放端23uは、弧状に形成されており、コ字状部材24が湾曲された状態で、連続して円弧状に形成されている。
【0055】
以上のステップにより、コ字状部材準備工程では、底面22部とその底面22部の両片に接続する両側面23部とから断面がコ字形状となるようにコ字状部材24が形成され、コ字状部材24は、コ字形状を維持しながら延在し、延在する途中に前記底面22部に交差する方向に湾曲する湾曲部を有するように形成される。
【0056】
本実施形態に係る湾曲部20の製造方法において、コ字状部材24の各側面23部は、少なくとも1つの切込27が両側面23部の間で対向する位置に設けられている。切込27は、各側面23部において、底面22部と側面23部との境界iが切込27の終点となるように、コ字状部材24の開放端23uから切り込まれている。また、底面22部は、対向する切込27の頂点27oを結ぶ仮想線jを軸として湾曲されており、切込27の各辺を溶接することにより湾曲部とされている。
【0057】
本実施形態において、コ字状部材24は、金属材料から形成され、幅方向に同一の寸法で折り曲げ可能な一方の側面23および他方の側面23を備える概略矩形の板状部材24oを準備する。板状部材24oは、一方および他方の側面23の長手方向に所定の間隔で外側から内側にV字状に切り込まれた複数のV字切込27vを有し、一方および他方の側面23における前記V字切込27vは、相互に頂点27oを向けて同一形状で対向している(
図3を参照)。
【0058】
ここで、V字切込27vを側方湾曲面23に設け、V字切込27vのV字形状の両辺27iが近接するように、外周側湾曲面22を湾曲させる場合に、側方湾曲面22が重なりあうことなく、外周側湾曲面22を湾曲させることができ、溶接部27cは、近接した両辺の1カ所だけでよくなる。これにより、溶接が容易になり、コ字状部材の製造が容易になる。
【0059】
内周側湾曲面結合工程は、コ字状部材24の開放側に蓋をするための内周側湾曲面25を準備する内周側湾曲面準備ステップ(T-1)と、内周側湾曲面25を湾曲させる内周側湾曲面湾曲ステップ(T-2)と、湾曲した内周側湾曲面25をコ字状部材24に配置して結合する結合ステップ(T-3)とを含む。
を含む。
【0060】
内周側湾曲面準備ステップ(
図5(E)を参照)では、板状の内周側湾曲面25が準備される(T-1)。内周側湾曲面25は、コ字状部材24と同様に、表裏の両面を亜鉛メッキにより処理されている。内周側湾曲面25の長さ寸法、幅寸法、厚さ寸法は、コ字状部材24の蓋をして、敷石の飛散等から電線を保護できるようにコ字状部材24に対応して選択される。
【0061】
内周側湾曲面湾曲ステップ(
図5(F)を参照)では、板状の内周側湾曲面25が、湾曲したコ字状材に対応した曲率に湾曲される(T-2)。内周側湾曲面25も従来よく知られる板金加工により湾曲される。
【0062】
結合ステップ(
図5(G)を参照)では、湾曲された内周側湾曲面25を、コ字状部材24の上に載置し、結合部材26により結合する(T-3)。具体的には、湾曲した内周側湾曲面25が、湾曲したコ字状部材24に載置されて、コ字状部材24の開放端23uと接触した状態で結合されることにより湾曲管20が製造される。湾曲管20は、コ字状部材24と板状の内周側湾曲面25により、断面ロ字状に形成されている。なお、
図5(G)では、結合部材26(
図2を参照)については省略する。
【0063】
[変形例]
【0064】
本発明の変形例に係る防護管1について
図5を参照して説明する。。
図4は、変形例に係るコ字状部材24Aの外周側湾曲面22Aを湾曲させる前後の状態を示し、(A)は、板状部材24oを境界iで折り曲げてコ字形状にしたコ字状部材24Aを湾曲させる前の概略側面図であり、(B)は、コ字状部材24Aの外周側湾曲面22Aを湾曲させた後の概略側面である。
【0065】
コ字状部材24Aは、切込27の形状においてコ字状部材24と相違し、その他の部分においてはコ字状部材24と同様の構成である。すなわち、コ字状部材24Aは、切込がV字形状ではなく、直線状の切込27lとされている。
【0066】
コ字状部材24Aは、板状部材24oの両側を境界iで折り曲げた後、両側方湾曲面23の間で対向する切込27lの終点27oを相互に結ぶ仮想線jを軸として(
図3を参照)、外周側湾曲面22を湾曲させることができる(
図6(A)を参照)。
【0067】
外周側湾曲面22を湾曲させると、直線状の切込27lの一方の辺27iは側面23の表側に、他方の辺27iは側面23の裏側にずれて側面23が概略三角形の重複部を形成する。重複した側面23の辺27i付近を溶接して、側面の表裏の両方に溶接部27cが形成される(
図6(B)を参照)。これにより、コ字状部材24Aは、湾曲した状態で固定される。
【0068】
コ字状部24Aによれば、直線状の切込27lを側方湾曲面23に設け、切込27lの両辺27iが側面23の表側に、他方の辺27iは側面23の裏側にずれた位置、すなわち2箇所に溶接部27cを設けている。しかし、一方だけを溶接してもよい。
【0069】
板状部材24oは、直線状の切込27lの間において、コ字状部材24Aの開放端23uとなる幅方向の両端が、湾曲部の曲率に適合して弧状に形成されている。これにより、板状部材24oからコ字状部材24Aを形成した際に、コ字状部材24の開放端23uは、湾曲部の曲率と略同一の曲率で連続して滑らかなコ字状に形成される(
図6(B)を参照)。
【0070】
本実施形態において、防護管は、鉄道軌道の周囲に配設される形態について説明してきた。この場合は、鉄道軌道の周囲に敷き詰められた敷石が電車の通過により飛散した場合であっても、防護管が金属材料で形成されていることにより、内部の電線を確実に保護することができる。しかし、防護管は、鉄道軌道の周囲に限らず、他の場所に配設されてもよい。さらに、防護管は、石の飛散を受けやすい頂面部を一枚の内周側湾曲面で形成し、溶接部を側方湾曲面に設けている。これにより、防護管は、より確実に電線を保護することができる。
【0071】
本実施形態において、防護管は概略ロ字形状の断面を有するように形成されている形態について説明した。しかし、防護管は、湾曲して延在し、内部に電線を挿通できれば他の形状であってもよい。例えば、内周側湾曲面を断面弧状の形成し、防護管の断面がドーム型になるようにしてもよい。
【0072】
本実施形態において、防護管の部品としてコ字用部材を用いることで、不安定な施工箇所でも、施工時に安定して防護管を配置することができる。しかし、防護管の部品として、コ字状部材以外の他の断面形状の部品を使用してもよい。
【0073】
本実施形態において、防護管の湾曲部において内側となる内周側湾曲面を、外側となるコ字状部材に結合部材を利用して結合している。これにより、内周側湾曲面が取り外し可能となり、コ字状部材の内部に複数の電線を整然と並べて配置できるため、施工や点検が容易になる。
【0074】
本実施形態において、コ字状部材24は、切込27の間において、コ字状部材24の開放端23uが、湾曲部の曲率に適合して弧状に形成されている形態について説明した。しかし、開放端23uは、弧状に形成されることなく、直線状であってもよい。その場合は、コ字状部材24の開放端23uが角を形成することになるため、その角に適応して内周側湾曲面25を湾曲させればよい。
【0075】
本実施形態において、側方湾曲面23が複数の切込を有する形態について説明した。しかし、切込は、両側面の間で対向していれば、各側面に1つであってもよい。切込の数は、コ字状部材の形により、適宜変更することができる。また、切込がV字切込の場合、湾曲率に応じて、V字切込27vのV字形状の角度と、V字切込27vの数は、適宜変更することができる。
【0076】
本実施形態において、防護管1は、直線管10と湾曲管20とに分けられ、湾曲管20が湾曲部形成する形態について説明した。しかし、防護管1は、湾曲部を有すればよく、直線領域と湾曲部の両方を有する1つの管によって形成されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明に係る防護管は、電線等の保護に利用できる。
【符号の説明】
【0078】
1 防護管
10 直線管
20 湾曲管(湾曲部)
21 頂面
22 底面
23 側面
23c 開放端
24 コ字状部材
24o 板状部材
25 内周側湾曲面
26 結合部材
27 切込
27l 直線状の切込
27v V字切込
30 連結部材
L 鉄道軌道
K 敷石