IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ルカ・ジェラルディの特許一覧

特許7142363モジュール式コンピューティングシステム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】モジュール式コンピューティングシステム
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20220916BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20220916BHJP
【FI】
G06F1/16 312F
H05K5/02 B
H05K5/02 V
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2019541896
(86)(22)【出願日】2017-10-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-21
(86)【国際出願番号】 IB2017056361
(87)【国際公開番号】W WO2018069883
(87)【国際公開日】2018-04-19
【審査請求日】2020-10-13
(31)【優先権主張番号】102016000103458
(32)【優先日】2016-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519134599
【氏名又は名称】ルカ・ジェラルディ
【氏名又は名称原語表記】Luca GERARDI
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(74)【代理人】
【識別番号】100189555
【弁理士】
【氏名又は名称】徳山 英浩
(72)【発明者】
【氏名】ルカ・ジェラルディ
【審査官】松浦 かおり
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-536613(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105739619(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0070834(US,A1)
【文献】特開2016-144195(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2009/0141439(US,A1)
【文献】特開2015-184901(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0188693(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第105843333(CN,A)
【文献】米国特許第06031714(US,A)
【文献】特開2004-317855(JP,A)
【文献】特開2008-033745(JP,A)
【文献】特開2007-272916(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/00
G06F 1/16-1/18
H05K 5/00-5/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略直方体形状を有する筐体(3, 38)に配置された画面(2)を備えるディスプレイ(1,34)であって、
前記画面(2)は、前記ディスプレイ(1,34)の前面に配置され、
前記筐体(3,38)は、前記画面(2)に内容を表示するための電気電子デバイスを備え、
前記ディスプレイ(1,34)の背面には、モバイル通信及び/又はコンピューティングデバイス(5)を収容するための少なくとも1つの第1収容部(4,36)が配置され、
前記モバイル通信及び/又はコンピューティングデバイス(5)は、前記第1収容部(4,36)内に少なくとも部分的に配置され、前記ディスプレイ(1,34)に及び/又はその逆にデータを送信することが可能であり、
前記第1収容部(4,36)は、概ね直方体形状を有する空洞を備え、前記空洞の幅広面は、前記ディスプレイ(1,34)の前面に対して概ね平行に配置され、
前記ディスプレイ(1,34)の背面は、折り畳み可能な支持体(12,24,31)を少なくとも部分的に折り畳んだ状態で収容するように構成された凹状の第2収容部(11,35)を備え、
前記折り畳み可能な支持体(12,24,31)は、
1以上の第1ヒンジ(14,27,52)によって前記ディスプレイ(1,34)に枢動可能に接続される少なくとも1つの第1部分(13,25,32,50)と、
1以上の第2ヒンジ(16,28,56)によって前記第1部分(13,25,32,50)に枢動可能に接続される少なくとも1つの第2部分(15,29,33,54)と、を備え、
前記折り畳み可能な支持体(12,24,31)は、前記第1部分(13,25,32,50)及び/又は前記第2部分(15,29,33,54)を引き出すことによって前記第2収容部(11,35)から取り出されることが可能であり、
前記第1部分(13,25,32,50)及び前記第2部分(15,29,33,54)は、前記第1ヒンジ及び前記第2ヒンジ(14,16,27,28,52,56)によって前記筐体(3,38)の縁部に概ね平行な一対の別個の軸を中心として回転するように構成され、
前記第2部分(15,29,33,54)は、電力貯蔵手段を備える、
ディスプレイ(1,34)。
【請求項2】
前記折り畳み可能な支持体(12,24,31)が複数の選択的な形態を取るように、前記第1部分(13,25,32,50)が前記ディスプレイ(1,34)に対して回転可能に接続されるとともに、少なくとも1つの前記第2部分(15,29,33,54)が前記第1部分(13,25,32,50)に対して回転可能に接続され、
前記複数の選択的な形態は、
-前記第1部分(13,25,32,50)及び少なくとも1つの前記第2部分(15,29,33,54)が少なくとも部分的に前記第2収容部(11,35)内に置かれる、コンパクトな形態、
-前記第1部分(13,25,32,50)が少なくとも部分的に前記第2収容部(11,35)内に置かれるとともに、少なくとも1つの前記第2部分(15,29,33,54)が1以上の前記第2ヒンジ(16,28,56)を中心として回転することによって前記第1部分(13,25,32,50)に対する開き角を示し、少なくとも1つの前記第2部分(15,29,33,54)の縁部が載置面に配置される、第1の部分開放形態、
-前記第1部分(13,25,32,50)及び少なくとも1つの前記第2部分(15,29,33,54)が、互いに同一平面又は平行であり、且つ、1以上の前記第1ヒンジ(14,27,52)を中心として回転することによって前記ディスプレイ(1,34)に対して開き角を示し、少なくとも1つの前記第2部分(15,29,33,54)が前記ディスプレイ(1,34)の載置面上に置かれて、前記ディスプレイ(1,34)が前記載置面上に配置される、第2の部分開放形態、
-前記第1部分(13,25,32,50)が1以上の前記第1ヒンジ(14,27,52)を中心として回転することによって前記ディスプレイ(1,34)に対して開き角を示し、少なくとも1つの前記第2部分(15,29,33,54)が1以上の前記第2ヒンジ(16,28,56)を中心として回転することによって前記第1部分(13,25,32,50)に対して開き角を示し、少なくとも1つの前記第2部分(15,29,33,54)が前記ディスプレイ(1,34)の載置面上に置かれて、前記ディスプレイ(1,34)が前記載置面に対して上昇した位置にある、拡張形態、
を含む、請求項1に記載のディスプレイ(1,34)。
【請求項3】
前記第1収容部(4,36)は、前記筐体(3,38)の長辺部に対して概ね平行な長辺部を有する、請求項1又は2に記載のディスプレイ(1,34)。
【請求項4】
前記第1ヒンジ(14,27,52)及び/又は前記第2ヒンジ(16,28,56)は、ユーザーが望むように前記折り畳み可能な支持体(12,24,31)の前記第1部分(13,25,32,50)及び/又は前記第2部分(15,29,33,54)を移動させることを可能にする機械的及び/又は電気的及び/又は磁気的なブロック機構及び/又はブロック解除機構を備える、請求項1~3のいずれか1つに記載のディスプレイ(1,34)。
【請求項5】
前記第2収容部(11,35)は、前記ディスプレイ(1,34)の背面に凹状に設けられ、前記折り畳み可能な支持体(12,24,31)の厚さは、前記第2収容部(11,35)の深さに概ね対応する、請求項1~4のいずれか1つに記載のディスプレイ(1,34)。
【請求項6】
前記折り畳み可能な支持体(12,24,31)の前記第1部分(13,25,32,50)及び前記第2部分(15,29,33,54)は、概ね同じ長方形を有する概ね直方体の扁平な形状を有する、請求項1~5のいずれか1つに記載のディスプレイ(1,34)。
【請求項7】
前記第1収容部(4,36)及び前記第2収容部(11,35)の長辺部は、概ね平行である、請求項1~6のいずれか1つに記載のディスプレイ(1,34)。
【請求項8】
前記第1収容部(4,36)は、前記モバイル通信及び/又はコンピューティングデバイス(5)の一面に配置された相補的なコネクタに挿入されるように構成された少なくとも1つのコネクタ(6)を備える、請求項1~7のいずれか1つに記載のディスプレイ(1,34)。
【請求項9】
前記第1収容部(4,36)は、前記ディスプレイ(1,34)の1つの角部に配置されている、請求項1~8のいずれか1つに記載のディスプレイ(1,34)。
【請求項10】
前記第1収容部(4,36)の互いに直交する2つ又は3つの面は、少なくとも部分的に開口し、前記モバイル通信及び/又はコンピューティングデバイス(5)の互いに直交する2つ又は3つの面は、前記モバイル通信及び/又はコンピューティングデバイス(5)が前記第1収容部(4,36)に配置されているときに、前記ディスプレイ(1,34)の外側からアクセス可能である、請求項1~9のいずれか1つに記載のディスプレイ(1,34)。
【請求項11】
前記第1収容部(4,36)と前記モバイル通信及び/又はコンピューティングデバイス(5)との間に機械的接続を形成し、前記モバイル通信及び/又はコンピューティングデバイス(5)を前記第1収容部(4,36)内に保持するために、前記第1収容部(4,36)の少なくとも1つの面には、少なくとも1つの凸部(7)又は凹部を備える、請求項1~10のいずれか1つに記載のディスプレイ(1,34)。
【請求項12】
前記折り畳み可能な支持体(12,24,31)の第2部分(15,29,33,54)は、電力貯蔵手段を備え、当該電力貯蔵手段は、前記モバイル通信及び/又はコンピューティングデバイス(5)が前記第1収容部(4,36)内に配置されるか、或いは、別の方法で前記ディスプレイ(1,34)に有線によって接続されるときに、前記ディスプレイ(1,34)及び/又は前記モバイル通信及び/又はコンピューティングデバイス(5)に電気を提供するように構成されるとともに、前記第2の部分開放形態及び前記拡張形態において、水平な載置面上で前記ディスプレイ(1,34)を安定化させるように予め決められた質量を有する、請求項2に記載のディスプレイ(1,34)。
【請求項13】
前記折り畳み可能な支持体(24)の第1部分(25)は、前記第1部分(25)の少なくとも1つの側辺部に沿って延在し、前記折り畳み可能な支持体(24)の第2部分(29)に向けて突出する、少なくとも1つのケーシング(26)を備え、
前記ケーシング(26)は、データ及び/又は電気を、前記第2部分(29)から前記ディスプレイ(1)に、又はその逆に伝送するための導体を備える、
請求項1~12のいずれか1つに記載のディスプレイ(1)。
【請求項14】
前記折り畳み可能な支持体(31)の前記第1部分(32)及び/又は前記第2部分(33)は、前記ディスプレイ(34)の幅と概ね同じ幅を有する、請求項1~13のいずれか1つに記載のディスプレイ(34)。
【請求項15】
更に、少なくとも1つのカメラ(8’)を備えるモジュールを有し、
前記カメラは、前記筐体(3,38)にヒンジ接続された枢動可能な支持体に取り付けられ、前記筐体(3,38)の外形内に少なくとも部分的に収容される載置位置から、前記ディスプレイ(1,34)の一面から突出するように回転されるように構成されている、請求項1~14のいずれか1つに記載のディスプレイ(1,34)。
【請求項16】
機械的接続を提供するように、インターフェースアクセサリデバイスによってデータを交換するように、及び/又は、電力供給アクセサリデバイスによって電気を交換するように構成された、前記筐体(3,38)の一対の対向する側面の縁部又は端部に接続手段(20’’)を有する、請求項1~15のいずれか1つに記載のディスプレイ(1,34)。
【請求項17】
機械的接続を提供するように、インターフェースアクセサリデバイスによってデータを交換するように、及び/又は電力供給アクセサリデバイスによって電気を交換するように構成された、少なくとも1つの前記折り畳み可能な支持体(12,24,31)の前記第2部分(15,29,33,54)の縁部に接続手段(20’)を有する、請求項1~16のいずれか1つに記載のディスプレイ(1,34)。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか1つに記載のディスプレイ(1,34)を備える、コンピューティングシステム。
【請求項19】
更に、前記ディスプレイ(1,34)に表示される内容をローカルに生成するように構成されるか、或いは、外部のデバイスから前記ディスプレイ(1,34)に内容を送信するように構成された、モバイル通信及び/又はコンピューティングデバイス(5)を備える、請求項18に記載のコンピューティングシステム。
【請求項20】
更に、回転可能なジョイントを有するか、或いは、別個の回転可能なジョイント(19)に連結されるように構成された、少なくとも1つのキーボード(18)を備え、
前記回転可能なジョイント(19)は、前記ディスプレイ(1,34)の前記折り畳み可能な支持体(12,24,31)の前記第2部分(15,29,33,54)の自由端に、相補的な接続手段(20’)と協働するように構成された接続手段(20)を備えるか、或いは、前記ディスプレイ(1,34)の前記筐体(3,38)の一対の対向する側面の縁部又は端部に相補的な接続手段(20’’)を備える、請求項18又は請求項19に記載のコンピューティングシステム。
【請求項21】
前記回転可能なジョイント(19)は、前記折り畳み可能な支持体(12,24,31)の前記第2部分(15,29,33,54)の自由端、及び/又は、前記ディスプレイ(1,34)の前記筐体(3,38)の下端部を少なくとも部分的に収容するように構成された少なくとも1つの溝を備える、請求項20に記載のコンピューティングシステム。
【請求項22】
前記ディスプレイ(1,34)の前記折り畳み可能な支持体(12,24,31)の前記第2部分(15,29,33,54)の自由端は、少なくとも1つの凹部(43)を備え、前記ディスプレイ(1,34)に前記回転可能なジョイント(19)が取り付けられたとき、前記凹部(43)の中に前記回転可能なジョイント(19)の一部が配置される、請求項20又は請求項21に記載のコンピューティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピューティングシステムの分野に関し、特に、異なるモード及び形態の使用を可能とするために変形させることが可能なモジュール式コンピューティングシステムに関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、請求項1の前文に係るディスプレイ及び前記ディスプレイを備えるコンピューティングシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
既知のモジュール式コンピューティングシステムは、請求項1の前文に係るディスプレイと、このディスプレイの収容部に配置されるように構成されたモバイル通信及び/又はコンピューティングデバイスとを備え、後者は、モバイルデバイスによって制御される内容を、例えば大型画面を備えるデバイスに表示することが可能である。
【0004】
キーボードは、ディスプレイに取り付けられてもよいが、結果として生じるシステムは、一般的なラップトップよりも快適又は機能的ではない。
【0005】
米国特許第6807050号明細書は、ディスプレイの背面に、コンピューティング手段を受け入れるための一体型ドッキングステーションを有する構成が可能なディスプレイを開示している。当該ディスプレイ用の支持体は、ディスプレイの背面に収容されており、前記支持体は、ディスプレイと平行な平面内でスライド可能であり、片手で当該ディスプレイを運搬するためのハンドルとして機能するように構成された第1管状フレームと、予め決められた視野角で支持面又は壁の近くにディスプレイを配置するように構成され、ディスプレイの前述の平面に対して回転可能な第2管状フレームとを有する。結果として生じるシステムは、前記平面に対して傾斜する立て掛け(resting)とは異なる形態に係る、水平な作業面上にディスプレイが配置されることを可能にしない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本開示の目的は、従来技術の欠点がないシステムを提供することにある。前記目的は、ディスプレイ及びコンピューティングシステムによって達成され、それらの主な特徴は、本明細書の一体部分である添付の特許請求の範囲に開示されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
特定の折り畳み支持体のため、及び取り外し可能な手段でモバイル通信及び/又はコンピューティングデバイスを連結する可能性のため、本開示に係るディスプレイは、タブレットとしての自由な持ち運びのための扁平な形態、画面の角度を変更できるように平面上に載置される形態(「スタンド」モードとしても知られる)、前記支持体によって占有される空間の量を減少させるように平面上に載置される更なる形態(「テント」モードとしても知られる)、平面に対する上昇位置での静止の形態(「デスクトップ」モードとしても知られる)のいくつかの動作状態を取ってもよい。また、本開示に係るディスプレイは、平面に置かれる最新世代のノートブック又はラップトップに共通の形態を取るだけでなく、ディスプレイが分離され且つディスプレイがキーボードが載置される面に対して上昇する形態も取るように構成された完全なコンピューティングシステムを構築するために、(無線又は有線の)キーボードに連結されて使用されてもよい。これにより、人間工学を改善するとともに、結果として生じるシステムのユーザビリティを拡張する。当該システムは、ユーザーの要望によってスマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、又はデスクトップコンピュータのように使用されることが可能である。
【0008】
更に、このモジュール式構造のため、システムのコンピューティングのリソースは、ディスプレイに連結され得るモバイルデバイスに集中させることが可能になる。一方、バッテリー及び周辺機器用のインターフェースのようなシステムを強化するように構成されたデバイスは、ディスプレイ、その折り畳み支持体、及び/又はキーボードのようなシステムの他の構成要素の間で分配させること、或いは、モバイルデバイスがディスプレイから取り外されて無線又は有線でそれらが接続されるときに、モバイルデバイスの代わりにディスプレイに連結されることが可能である。
【0009】
また、結果として生じるシステムは、その構成要素の特定の配置及び分布のため、輸送が容易で且つ比較的安価である。
【0010】
更に、システムのモジュール式の設計のため、CPU、ディスプレイ、メモリなどの高価な構成要素の重複を避け、コストを大きく減少することが可能である。通常、前記重複は、ユーザーが、スマートフォン、タブレット、ラップトップコンピュータ、又はデスクトップコンピュータのような、分離されて単一のコンピューティングシステムを形成しない、いくつかの非モジュール式のデバイスを所有するときに存在する。
【0011】
上述のシステムで用いられるモバイルデバイスは、ディスプレイに接続するための専用コネクタや、例えば回転可能なカメラ及び/又はシステムの機能を改善するための拡張スロットのようなアクセサリを有する、市場で入手可能なサードパーティのデバイスであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
更に、本開示に係るコンピューティングシステムの利点及び特徴は、添付の図面を参照しながら、以下の詳細及び非限定的ないくつかの実施形態の説明から当業者にとって明らかになるであろう。
図1図1は、コンピューティングシステムの第1実施形態の分解図を示す。
図2図2は、キーボードを除く図1のコンピューティングシステム、即ち本明細書に係るディスプレイの背面分解斜視図を示す。
図3図3は、図1のコンピューティングシステムの閉鎖的な形態の背面斜視図を示す。
図4a図4aは、図1のコンピューティングシステムのディスプレイの折り畳み可能な支持体の第2実施形態の第1変形例の正面斜視図を示す。
図4b図4bは、図1のコンピューティングシステムのディスプレイの折り畳み可能な支持体の第2実施形態の第2変形例の正面斜視図を示す。
図4c図4cは、前記折り畳み可能な支持体の第2変形例を備えるコンピューティングシステムのディスプレイの全体斜視図を示す。
図5図5は、本明細書に係るコンピューティングシステムのディスプレイの折り畳み可能な支持体の第3実施形態の背面斜視図を示す。
図6図6は、図1のコンピューティングシステムのディスプレイの第1の使用形態における正面斜視図を示す。
図7図7は、図1のコンピューティングシステムのディスプレイの第2の使用形態における正面斜視図を示す。
図8図8は、図1のコンピューティングシステムの第3の使用形態における正面斜視図を示す。
図9a図9aは、タブレット状の形態から第3の使用形態へと変化する、図1のコンピューティングシステムの背面斜視図を示す。
図9b図9bは、タブレット状の形態から第3の使用形態へと変化する、図1のコンピューティングシステムの背面斜視図を示す。
図10図10は、第3の使用形態における図1のコンピューティングシステムの背面斜視図を示す。
図11図11は、第4の使用形態における図1の前記システムの正面斜視図を示す。
図12図12は、第5の使用形態における図1の前記システムの正面斜視図を示す。
図13a図13aは、本明細書に係る前記コンピューティングシステムのディスプレイの折り畳み可能な支持体の第4実施形態を示す。
図13b図13bは、本明細書に係る前記コンピューティングシステムのディスプレイの折り畳み可能な支持体の第4実施形態を示す。
図13c図13cは、本明細書に係る前記コンピューティングシステムのディスプレイの折り畳み可能な支持体の第4実施形態を示す。
図13d図13dは、本明細書に係る前記コンピューティングシステムのディスプレイの折り畳み可能な支持体の第4実施形態を示す。
図13e図13eは、本明細書に係る前記コンピューティングシステムのディスプレイの折り畳み可能な支持体の第4実施形態を示す。
図13f図13fは、本明細書に係る前記コンピューティングシステムのディスプレイの折り畳み可能な支持体の第4実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1及び図2を参照すると、本開示に係るシステムは、例えばフラット画面(例えばLED又はLCDタッチ画面)である画面2を備える少なくとも1つのディスプレイ1を有する。画面2は、概ね直方体形状を有する筐体3に配置される。ディスプレイ1の前面及び背面は、上面及び底面よりも幅広であり、同様に側面よりも幅広である。正面から見たときに、ディスプレイ1が概ね長方形の形状を有するのは、最近の好ましい志向により、ディスプレイの底辺が高さよりも大きいためである。ディスプレイ1の1つ又は複数の角部又は端部は、丸みを帯びてもよい。画面2は、ディスプレイ1の前面に配置されている。ディスプレイ1の筐体3は、既知のタイプの電気電子デバイスを備え、これらの装置によって受信した制御信号に従って画面2に内容を表示する。これらの装置は、バッテリー又はインターフェースを備えてもよい。
【0014】
ディスプレイ1の背面には、例えば概ね直方体の扁平な形状を有するモバイル通信及び/又はコンピューティングデバイス5、具体的には、スマートフォン、ミニPC、タブレット、ドッキングステーションなどを収容する第1収容部4が配置されている。モバイルデバイス5は、第1収容部4内に少なくとも部分的に配置され、ディスプレイ1に着脱自在に連結されることが可能である。第1収容部4は、モバイルデバイス5の一面、例えば底面に配置された相補的なコネクタ(図示せず)に挿入されることが可能なコネクタ6などの接続手段を備える。第1収容部4は、概ね直方体形状を有する空洞のような形状であり、ディスプレイ1の前面と概ね平行に配置された幅広面を有する。本発明を限定することを意図しない好適な実施形態では、第1収容部4の空洞の長辺部とディスプレイ1の長辺部とは概ね平行である。モバイルデバイス5は、例えば、図2に示すように、モバイルデバイス5の前面側を、第1収容部4内に横方向に配置されることが可能である。モバイルデバイス5は、スマートフォンの場合、例えばディスプレイ1に向けた画面を備える。コネクタ6は、第1収容部4の空洞内に突出している。当該空洞部は、ディスプレイ1の1つの上側の角部に配置されることが好ましい。
【0015】
第1収容部4の互いに直交する2つ又は3つの面は、少なくとも部分的に開口されることが好ましい。これにより、モバイルデバイス5の互いに直交する2つ又は3つの面は、当該デバイスが第1収容部4に配置されるときに、ディスプレイ1及びその筐体3の外側からアクセス可能になる。少なくとも第1収容部4の一面は、少なくとも1つの凸部又は凹部、例えば、第1収容部4の長側面から突出して当該長側面の長手方向の軸に平行なリブ7を備えて、第1収容部4とデバイス5との間の機械的接続を生成するとともに第1収容部4内にモバイルデバイス5を保持してもよい。凸部又は凹部7は、第1収容部4とモバイルデバイス5との間の機械的接続を改善するために、それぞれモバイルデバイス5の一面に形成された、対応する凹部又は凸部と相補的であってもよい。更に、前記機械的接続は、第1収容部4の周囲又はモバイルデバイス5内に配置された磁石(図示せず)によって改善されることが可能である。
【0016】
モバイルデバイス5は、第1収容部4に配置されたモバイルデバイス5から引き出され、モバイルデバイス5の一面及び/又はディスプレイ1の一面(具体的には上面)から突出するように、回転可能な支持体に取り付けられたカメラ8を備えることが好ましい。
【0017】
ディスプレイ1は、筐体3にヒンジ接続された枢動可能な支持体を備えることが好ましい。枢動可能な支持体は、少なくとも1つのカメラ8’及び/又は他の光学デバイス(例えば、フラッシュユニット)を備えるモジュールとの接続を提供する。枢動可能な支持体によって、当該支持体に接続されたモジュールは、少なくとも筐体3の外形に包含される部分にある待機位置から、ディスプレイ1の一面(具体的にはディスプレイ1の上面)から突出するように回転されてもよい。カメラがディスプレイの前部に配置され、別のカメラがディスプレイの背面に配置される一般的な従来技術と比較して、採用された解決策は、ディスプレイ1の筐体3と同じ寸法で、より大きな寸法を有する画面2を筐体3内に備えることを可能にする。それにより、タブレット、テント、及びスタンドの形態に必要な携帯性を維持するとともに、画面自体が見る人から大きく離れて配置されるデスクトップの形態におけるサイズの要求をより満足する画面を提供する。
【0018】
また、コネクタ6は、コネクタ6及び/又はモバイルデバイス5に配置された1以上の磁石によって機械的接続を提供するように、及び/又は、モバイルデバイス5からディスプレイ1(具体的には画面2を制御する筐体3内のデバイス)に電気又はデータ(具体的はビデオデータ及び/又はオーディオデータ)を伝送するように構成されている。前記データは、画面2に表示される内容、及び/又は、筐体3に配置された1以上のスピーカ(図示せず)から出る音に変換されてもよい。更に、異なる種類のデータが、コネクタ6を通じて、モバイルデバイス5からディスプレイ1に、及び/又はその逆に伝送されてもよい。コネクタ6は、図2のような突起部を有してもよいし、或いは、電源/データピンなどを備える異なる形状を有してもよい。前記機械的接続は、互いに対応するモバイルデバイス5の面と第1収容部4の面との間に熱接触を生じさせ得るが、モバイルデバイス5から生成された熱がディスプレイ1にも拡散することで、前記機械的接続は、モバイルデバイス5に対して受動冷却システムを形成する。代替的に又は付加的に、例えば、Bluetooth(登録商標)又はWi-Fi(登録商標)インターフェースを通じて、モバイルデバイス5とディスプレイ1との間を無線でデータが交換されてもよい。モバイルデバイス5は、ディスプレイ1の制御及び/又はディスプレイ1に接続されたデバイスの制御を可能にするデータを含む1以上のメモリ支持体10用のスロット9を備えてもよい。
【0019】
また、ディスプレイ1の背面は、折り畳み可能な支持体12が少なくとも部分的に配置されることが可能な凹状の第2収容部11を備える。ディスプレイ1の背面の第1収容部4が水平に向けられている実施形態において、第1収容部4の長辺部は、筐体3の長辺部と平行であり、その結果、ディスプレイ1の背後の利用可能な空間の使用が最適化される。折り畳み可能な支持体12は、1以上の第1ヒンジ14(例えば、摩擦ヒンジ)によってディスプレイ1の筐体3に枢動可能に接続される少なくとも1つの第1部分13を備える。また、折り畳み可能な支持体12は、1以上の第2ヒンジ16(例えば、摩擦ヒンジ)によって第1部分13に枢動可能に接続される少なくとも1つの第2部分15を備える。折り畳み可能な支持体12の第1部分13及び第2部分15は、概ね同じ長方形を有する概ね直方体の扁平な形状を有し、第2収容部11内に折り畳まれることが可能であることが好ましい。また、折り畳み可能な支持体12の厚さは、例えば好適な実施形態では、概ね第2収容部11の深さに対応する。折り畳み可能な支持体12は、第1ヒンジ14及び/又は第2ヒンジ16によって、横方向に回転、即ちディスプレイ1の縁部(例えば、長縁部の1つ)に対して概ね平行な一対の別個の軸を中心として回転する第1部分13及び/又は第2部分15を引き出すことによって、第2収容部11から取り出されることが可能である。折り畳み可能な支持体12の第2部分15は、電力供給手段、具体的には、第2部分15に固定又は着脱可能な1以上のバッテリーを備える。電力供給手段は、モバイルデバイス5が第1収容部4内に配置されたとき、或いは、モバイルデバイス5が有線でディスプレイ1に接続されたときに、ディスプレイ1及び/又はモバイルデバイス5に電気を提供するため、筐体3及び/又はコネクタ6と電気的に接続される。折り畳み可能な支持体12の第1部分13は、データ及び/又は電気を、第2部分15から筐体3に、及び/又はその逆に伝送するために導電体を備えることが好ましい。比較的重い電力供給手段は、折り畳み可能な支持体12が第2収容部11から伸展するときにディスプレイ1を安定化させる。それにより、ディスプレイ1の画面2は、表面に載置される折り畳み可能な支持体12の第2部分15から予め決められた距離で垂直に配置されることが可能になる。また、ディスプレイ1の画面2は、第1ヒンジ14及び/又は第2ヒンジ16によって前方又は後方に傾斜させることが可能になる。また、折り畳み可能な支持体12の第2部分15は、少なくとも1つのソケット17を備え、当該ソケットに接続されたケーブルを通じてデータ及び/又は電気を送信及び/又は受信してもよい。
【0020】
折り畳み可能な支持体12の第1部分13及び第2部分15は、折り畳み可能な支持体12が複数の選択的な形態を取るように移動可能であり、当該複数の選択的な形態は、
-第1部分13及び第2部分15が少なくとも部分的に第2収容部11内に置かれる、コンパクトな形態;
-第1部分13が少なくとも部分的に第2収容部11内に置かれるとともに、第2部分15が第2ヒンジ16を中心に回転することによって第1部分13に対する開き角を示し、折り畳み可能な支持体12の第2部分15の縁部が載置面に配置される、第1の部分開放形態;
-第1部分13及び第2部分15が、互いに同一平面又は平行であり、第1ヒンジ14を中心に回転することによってディスプレイ1に対する開き角を示し、折り畳み可能な支持体12の第2部分15がディスプレイ1の載置面上に置かれて、ディスプレイ1が載置面に上に配置される、第2の部分開放形態;
-第1部分13が第1ヒンジ14を中心に回転することによってディスプレイ1に対して開き角を示すとともに、第2部分15が第2ヒンジ14を中心として回転することによって第1部分13に対する開き角を示し、折り畳み可能な支持体12の第2部分15がディスプレイ1の載置面上に置かれて、ディスプレイ1が載置面に対して上昇した位置にある、拡張形態、を含む。
【0021】
第1ヒンジ14及び/又は第2ヒンジ16は、ユーザーが望むように折り畳み可能な支持体12の第1部分13及び/又は第2部分15を移動させることを可能にする機械的及び/又は電気的及び/又は磁気的なブロック機構及び/又はブロック解除機構を備えてもよい。これらの機構は、折り畳み可能な支持体12が取り得る様々な形態の変形を非常に単純化する。例えば、ディスプレイ1が画面2を上向きにして折り畳み可能な支持体12が載置面にあるコンパクトな形態の場合、第1ヒンジ14及び第2ヒンジ16のブロック解除機構は、ディスプレイ1の側面を適切な手段で把持したときに、ディスプレイ1の筐体3を単純に持ち上げることによって開放する構造にすることが可能である。一旦、ディスプレイ1の筐体3が所望の高さまで移動されると、折り畳み可能な支持体12を所望の位置に留まらせるには、第1ヒンジ14及び第2ヒンジ16をブロックすることで十分である。
【0022】
また、本開示のシステムは、ディスプレイ1の長方形と概ね同一のキーボード18を備えてもよく、それらは上下に配置され、完全に又は略完全に重ねることが可能である。キーボード18は、枢動可能なジョイントを備えるか、或いは、少なくとも1つの独立したジョイント19と連結するように構成され、ジョイント19は、折り畳み可能な支持体12の第2部分15の自由端と連結するように構成されている。当該自由端は、折り畳み可能な支持体12の第1部分13に枢動可能に接続される縁部とは反対側である。機械的接続を改善するために、枢動可能なジョイント19は、折り畳み可能な支持体12の第2部分15の自由端を少なくとも部分的に受け入れるとともに、筐体3の下端部を少なくとも部分的に受け入れるように構成された、少なくとも1つの溝を有することが好ましい。枢動可能なジョイント19は、ディスプレイ1とキーボード18とが互いに接続されているときに、ディスプレイ1に対するキーボード18の回転を可能にする。枢動可能なジョイント19は、1以上の第1コネクタ20及び1以上の第2コネクタ(図示せず)などの接続手段を備えることが好ましい。当該接続手段は、折り畳み可能な支持体12の第2部分15の自由端又は一対の対向する側辺部と協働するように構成され、機械的接続を提供するための相補的なコネクタ20’を備える。また、接続手段は、コネクタ内に配置された1以上の磁石及び/又は電気的接続によって、それぞれデータ及び/又は電気を、キーボード18から折り畳み可能な支持体12の第2部分15に、及び/又はその逆に伝送し、折り畳み可能な支持体12からディスプレイ1の筐体3及び/又はコネクタ6に、及び/又はその逆に連続的に転送する。また、キーボード18は、少なくとも1つの更なるソケット21を備え、ソケット21に接続されたケーブルによってディスプレイ1及び/又はモバイルデバイス5及び/又は外部デバイスに電気及び/又はデータを伝送してもよい。また、データは、無線接続を通じてキーボード18によって伝送又は受信されてもよい。また、モバイルデバイス5は、ディスプレイ1のコネクタ6に接続可能な面とは反対側に配置されたソケット22を有してもよい。また、ディスプレイ1は、少なくとも1つの更なるソケット23を備え、ソケット23に接続されたケーブルによってモバイルデバイス5及び/又はキーボード18及び/又は外部デバイスに電気又はデータを伝送してもよい。
【0023】
また、第1コネクタ20は、筐体3の一対の対向する側面の縁部又は端部にあるコネクタ20”(図9bに示される)によって、ディスプレイ1の筐体3との直接的な機械的接続を形成するように設計される。コネクタ20”は、インターフェースアクセサリデバイス又は電力供給アクセサリデバイスでデータ及び/又は電気を交換するための機械的接続及び/又は電気的接続を提供するために、相補的な接続収容部を示す。
【0024】
図3は、回転可能なジョイント19(図示せず)によって折り畳み可能な支持体12の第2部分15に連結されたキーボード18を示す。当該折り畳み可能な支持体12は、コンパクトな形態を取り、第2収容部11内に配置されている。ディスプレイ1は、キーボード18と折り畳み可能な支持体12との間に配置され、筐体3と折り畳み可能な支持体12の第1部分13と折り畳み可能な支持体12の第2部分15とキーボード18とは、互いに概ね平行となる態様で配置される。モバイルデバイス5は、ディスプレイ1の第1収容部4内に配置されてもよく、筐体3とモバイルデバイス5と折り畳み可能な支持体12とキーボード18との組み合わせは、概ね直方体形状を有する。
【0025】
図4aは、第1実施形態の折り畳み可能な支持体12と類似する第2実施形態の折り畳み可能な支持体24を示す。折り畳み可能な支持体24の第1部分25が、第1部分25の少なくとも1つの側辺部に沿って延在し、折り畳み可能な支持体24の第2部分29に向けて突出するケーシング26を備える。折り畳み可能な支持体24の第2部分29は、第1部分25のケーシング26を収納するように構成された、少なくとも1つの凹部30を備える。第1部分25の複数の縁部に第1ヒンジ27及び第2ヒンジ28が配置される場合、ケーシング26は、それぞれの第1ヒンジ27からそれぞれの第2ヒンジ28まで延在する。
【0026】
ケーシング26は、データ及び/又は電気を、第2部分29から筐体3に、及び/又はその逆に伝送するための導体を備える。折り畳み可能な支持体24が第1部分25の2つの側辺部のそれぞれにケーシング26を備える場合、2つのケーシング26の間にある第1部分25の部分は、部分的に又は完全に空であってもよい。すなわち、図4bに示すように、第1部分25は、2つのケーシング26によってのみ形成されてもよい。
【0027】
図4cは、ディスプレイの斜視図を示す。当該ディスプレイは、図4bの実施形態に係る折り畳み可能な支持体24が拡張された形態を取り、載置面に対して上昇した位置にある。
【0028】
図5は、第1実施形態の折り畳み可能な支持体12又は第2実施形態の折り畳み可能な支持体24と類似する第3実施形態の折り畳み可能な支持体31を示す。折り畳み可能な支持体31の第1部分32及び/又は折り畳み可能な支持体31の第2部分33は、概ね同じ幅のディスプレイ34を有する。折り畳み可能な支持体31の第2収容部35の一方又は両方の側面は、開放されていてもよい。第1実施形態のディスプレイ1のように、第1収容部36及び第2収容部35は、ディスプレイ34の筐体38に形成された壁37によって分割されている。図面では、筐体の外形内に包含される待機位置にあるカメラ8’が視認可能である。
【0029】
図6は、画面2に対して約30度の角度を形成するように、ディスプレイ1の筐体3から外側に回転した折り畳み可能な支持体12の第2部分15を示す。当該形態において折り畳み可能な支持体12は、第1の部分開放形態を取る。ディスプレイ1は、画面2が最小の占有スペースで載置面に対して約105度の角度を成すように当該載置面上に配置されることが可能である。折り畳み可能な支持体12の第2部分15の自由端は、ディスプレイ1を支持する載置面に接触するように、下方且つ後方に向けられている。モバイルデバイス5は第1収容部4に配置され、折り畳み可能な支持体12の第1部分13は第2収容部11内にある。キーボード18と回転可能なジョイント19とはディスプレイ1から取り外されているが、キーボード18は、ディスプレイ1及び/又はモバイルデバイス5とケーブル接続又は無線接続によって通信することが可能なままである。第2部分15のソケット17と、モバイルデバイス5のソケット22と、ディスプレイ1のソケット23とは、それぞれ、ディスプレイ1の一側面、例えば右側面からアクセス可能である。
【0030】
折り畳み可能な支持体12の第1部分13及び第2部分15の両方がディスプレイ1の第2収容部11に配置される場合、ディスプレイ1は、タブレットとして使用されることが可能である。ユーザーの指が画面2の端部に表示される内容を覆うことを防ぐために、ディスプレイ1は狭いベゼル(即ち画面2の拡張部をほとんど覆う)を有し、内容を表示するために使用される画面2の範囲は、拡大縮小されてもよい。この拡大縮小は、以下の条件が同時に確認されたときにディスプレイ1内の制御装置によってトリガー(triggered)される。
-モバイルデバイス5がディスプレイ1の第1収容部4に配置される;
-キーボード18がディスプレイ1に接続されていない;
-折り畳み可能な支持体12の第1部分13及び第2部分15の両方が第2収容部11に配置される。
【0031】
図7は、図6の形態と類似の形態を示す。折り畳み可能な支持体12の第1部分13及び第2部分15の両方は、ディスプレイ1の筐体3に対して約75度の角度を成すように、ディスプレイ1の筐体3から外側に向かって回転する。この形態では、折り畳み可能な支持体12が第2の部分開放形態を取り、ディスプレイ1は、画面2が載置面に対して約105度の角度を成したままで、図6の形態と比較して安定性を増した状態で当該載置面に配置されることが可能である。折り畳み可能な支持体12の第2部分15がディスプレイ1を支持する載置上に置かれるので、支持範囲が増してディスプレイ1の重心が下げられる。
【0032】
図8は、回転可能なジョイント19によってキーボード18がディスプレイ1に接続され、キーボード18が載置面上に載置され、ディスプレイ1を回転させることが可能であり、画面2が当該載置面に対して約105度の角度を成す形態を示す。モバイルデバイス5は第1収容部4に配置され、折り畳み可能な支持体12の第1部分13及び第2部分15の両方は第2収容部11内に配置される。キーボード18は、キーセット39及びタッチパッド40を有してもよい。システムの全体的な自立性を拡大する目的で、キーボード18の内側には1以上のバッテリーが配置されてもよい。この場合、キーボード18内のバッテリーは、折り畳み可能な支持体12の第2部分15の内側のバッテリーと比較して異なる種類であることが好ましい。例えば、キーボード18及び第2部分15は、それぞれ短期又は長期のピーク電力の供給により適している1以上のバッテリーを備えてもよい。それぞれのタスクについて、モバイルデバイス5のソフトウェアは、特定のタスクにより適したバッテリーから電力を排出させることを選択する。この手法は、コンピューティングシステムの利用可能な電力リソースの利用効率を大きく向上させることが可能である。
【0033】
モバイルデバイス5のオン/オフスイッチ41及び音量制御部42は、モバイルデバイス5がディスプレイ1にドッキングされているときにもユーザーがアクセス可能であるように、ディスプレイ1の上面に及んで(好ましくはディスプレイ1の上面に配列されて)もよい。
【0034】
図9aは、タブレット状の形態を示す。モバイルデバイス5は、ディスプレイ1の第1収容部4に配置され、折り畳み可能な支持体12の第1部分13及び第2部分15は、両方ともディスプレイ1の第2収容部11内に配置される。図8のラップトップ状の形態を取るために、第2部分15の自由端及び筐体3の下端部は、キーボード18にヒンジ接続された回転可能なジョイント19の溝に挿入されることが可能であり、コネクタ20が第2部分15の自由端の相補的なコネクタ20’’に向けて突出する。結果として得られるシステムの安定性を向上させるために、折り畳み可能な支持体12の第2部分15の自由端は、少なくとも1つの凹部43を備え、図10に示すようにディスプレイ1に取り付けられたときに、回転可能なジョイント19の一部が凹部43に配置される。この機械的接続は、回転可能なジョイント19及び/又は第2部分15の自由端及び/又は筐体3の下端部に配置された磁石(図示せず)によって更に改善されることが可能である。
【0035】
図9bは、別の実施形態を示す。キーボード18に連結された枢動可能なジョイント19は、ディスプレイ1の筐体3の相補的なコネクタ20’’と直接的に協働する第1コネクタ20を筐体3の下端部に有する。
【0036】
図11は、キーボード18が、ディスプレイ1に接続されず、第1収容部4に収容されているモバイルデバイス5と無線で通信する形態を示す。モバイルデバイス5のカメラ8又はディスプレイ1のカメラ8’(両方ともオプションであるため、破線で描かれている)は、システムのユーザー側に向けるため、モバイルデバイス5及び/又はディスプレイ1の上面から突出するように外側に回転させられてもよい。折り畳み可能な支持体12は、その第1部分13がディスプレイ1に対して約150度の角度で回転し、その第2部分15が第1部分13と約60度の角度を成すように伸展する。この構成により、ディスプレイ1の画面2は、第2部分15に対して概ね垂直で且つ上昇した位置に配置されることが可能であり、第2部分15は、水平な載置面でディスプレイ1を支持するためのベースとして使用されることが可能である。
【0037】
図12は、コンピューティングモバイルデバイス5又は外部コンピューティングモバイルデバイスがディスプレイ1から取り外されているが、例えば第1収容部4に収容され得るドッキングステーション、又はディスプレイ1に一体化された通信手段を通じてディスプレイ1及びキーボード18と無線で通信する、前述のものに類似する形態を示す。別の実施形態として、ディスプレイ1、モバイルデバイス5、及び/又はキーボード18は、1以上のケーブルによって互いに接続されてもよい。また、システムは、マウス(図示せず)、及び/又は、ディスプレイ1、モバイルデバイス5、及び/又はキーボード18に無線又はケーブルによって接続される他の周辺機器を備えてもよい。この形態では、第1収容部4は、ドッキングステーションに係合されていないとき、他の電気的デバイス又は電子的デバイス、例えば補助的な電力貯蔵/供給デバイスと、補助的な接続デバイスとに係合されてもよい。また、第1収容部4は、複数の接続モジュール又は異なる種類のモジュール、データを記憶するためのデバイス又は例えば抜き差し可能なマウスのようなインターフェースデバイスをユーザーが利用可能になるように構成されてもよい。
【0038】
上述の例において、市場で入手可能な一般的なスマートフォンがディスプレイ1と無線で接続され、ドッキングステーションがモバイルデバイス5の役割を担う。ドッキングステーションは、例えば、無線接続によって要求される帯域幅を減らすために、現在の技術(例えば、MIRACAST(登録商標)及びAirPlay(登録商標))に係る通信プロトコル(例えば、Wi-Fi)及び符号化/複合化(例えば、H.264)を実行するように取り決められたハードウェアを装備する。スマートフォン又はミニPCのような非類似のモバイルデバイスは、ローカルに(当該デバイス内部に)ディスプレイ1に表示する内容を生成したり、外部のデバイスから(例えば、Wi-Fi通信可能範囲を提供するアクセスポイントから)前記システムに(無線で又は有線で)得られた内容を(無線で又は有線で)ディスプレイに伝送したりする。前記ドッキングステーションは、ディスプレイ1の第1収容部4にドッキングすることが不可能な他の外部のデバイス、例えば、市場で入手可能なスマートフォンからディスプレイ1に表示するための内容を収集する。また、モバイルデバイス5がドッキングステーションである場合、外部のデバイスとの無線接続を確立する技術が、システムの他の構成要素を変更することなく簡単にドッキングステーションを置き換えることによって更新されてもよい。
【0039】
図13aから図13fは、本開示に係るコンピューティングシステムのディスプレイ1の折り畳み可能な支持体12の第4実施形態を示す。この実施形態では、スペーサー4’によって分割された一対の第1収容部4がディスプレイの背面に備えられ、第1のモバイル通信デバイス及び/又はコンピューティングデバイス5(例えばスマートフォン)と、第2のモバイル通信デバイス及び/又はコンピューティングデバイス5(例えばミニPC)、或いは、ドッキングステーション、補助的な電力貯蔵/供給デバイス、補助的な接続デバイス、データを記憶するためのデバイス、又は抜き差し可能なマウスのようなインターフェースデバイスなどの異なる電気的デバイス又は電子的デバイスを同時に収容する。
【0040】
前記折り畳み可能な支持体は、上述の図面の向きと比較して概ね反転したディスプレイ1の向きで図13a~図13fに示すように、拡張された形態を取るように展開されてもよい。第1部分50は、例えば摩擦ヒンジのような少なくとも1つの第1ヒンジ52を中心として回転することによって略完全に裏返され、ディスプレイ1に対して成す開き角が約120度を示し、当該開き角は、垂直方向に対する画面2の傾斜を調節するようにユーザーの選択で調整が可能である。第2部分54は、例えば摩擦ヒンジのような少なくとも1つの第2ヒンジ56を中心として回転することによって第1部分50に対して成す開き角が約60度を示す。第2部分54は、ディスプレイ1の載置面に置かれ、ディスプレイ1は当該載置面に対して上昇した位置にある。
【0041】
添付の特許請求の範囲内で、ここで説明され、図示された実施形態に対して、当業者によって更なる変形又は追加がされてもよい。特に、本開示の更なる実施形態は、本文に記載され又は図面に示された単独で又は任意の相互の組み合わせで用いられる1以上の技術的特徴の追加を伴う、添付の請求項のうちの1つの技術的特徴を有してもよい。
図1
図2
図3
図4a
図4b
図4c
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13a
図13b
図13c
図13d
図13e
図13f