(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】まぐわを有する耕作装置
(51)【国際特許分類】
A01B 9/00 20060101AFI20220916BHJP
A01B 3/42 20060101ALI20220916BHJP
【FI】
A01B9/00
A01B3/42 A
(21)【出願番号】P 2021043112
(22)【出願日】2021-03-17
【審査請求日】2021-03-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0035526
(32)【優先日】2020-03-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516261944
【氏名又は名称】パク、ギ ヒョク
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】パク、ギ ヒョク
【審査官】吉原 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開昭61-081705(JP,A)
【文献】特開2016-052259(JP,A)
【文献】特開平06-022603(JP,A)
【文献】特開昭61-040702(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0089888(US,A1)
【文献】特開2007-000013(JP,A)
【文献】特開2005-198512(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 3/00 - 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トラクターにより牽引されるように前方にトラクター連結部を有するフレームと、
前記フレームの前方部位において幅方向に複数の耕作器が配備された前方耕作部と、
前記フレームの後方部位において幅方向に複数の耕作器が配備された後方耕作部と、
前記前方耕作部と後方耕作部との間において前記フレームに固定されて回転することにより耕作部により掘り起こされた土を破砕する前方まぐわと、
前記後方耕作部の後方において前記フレームに固定されて回転することにより耕作部により掘り起こされた土を破砕する後方まぐわと、を備え、
前記前方まぐわと後方まぐわの回転軸にはスプロケット又はプーリーがそれぞれ配備され、前記スプロケット同士又はプーリー同士をチェーン又はベルトが連結して回転力を伝達する
ことを特徴とするまぐわを有する耕作装置。
【請求項2】
トラクターにより牽引されるように前方にトラクター連結部を有し、前記トラクターの動力軸と直結される動力結合部が設けられたフレームと、
前記フレームの幅方向に複数の耕作器が配備された耕作部と、
前記耕作部の後方に位置して前記耕作部により掘り起こされた土を破砕するまぐわと、
前記フレームの下部に配備され、前記まぐわの軸と連結されて動力を伝達する歯車箱と、
ユニバーサルジョイントで構成され、前記フレームの動力結合部と前記歯車箱の動力連結軸とを連結して動力を伝達する動力伝達軸で構成され、
前記動力結合部は、前記フレームの前方の真ん中の部位の下側においてブラケット状のハウジングが固定され、そのハウジングの内側に固定軸受けが設けられ、連結軸が前記固定軸受けを前後方向に貫通して設けられることにより、前記ハウジングの前後方向に連結軸の前方部位と後方部位が突出するように取り付けられ、
前記歯車箱は、動力連結軸が前記動力結合部を眺める方向に上側に傾くように設けられ、前記
歯車箱が前記動力伝達軸と直線上に位置するようにし、 前記まぐわは、円筒状の胴体からなり左及び右のまぐわに分離され、前記左及び右のまぐわは横方向に直線上に位置してその外側部位がそれぞれ前記フレームに軸設され、その分離された左及び右のまぐわの間に前記歯車箱が位置し、前記歯車箱の動力軸と前記左及び右のまぐわの回転軸とが連結されるように構成され、前記胴体の長手方向に等間隔に外側の周りに沿って破砕刃が設けられる
ことを特徴とするまぐわを有する耕作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、まぐわ(ハロー)を有する耕作装置に係り、特に、トラクターの牽引力により耕作地を耕作する耕作装置に設けられて耕作された土地を破砕するとともに、均一にかきならすまぐわを有する耕作装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明においては、耕作器のうち代表的に用いられる犁を例にとって従来の技術と本発明の技術について説明するが、本発明は、犁に限定されるものではない。
【0003】
一般に、犁は、作物を栽培する目的で牛馬などの家畜や機械などを用いて土を掘り起こし、ひっくり返して畝を作るのに用いるものである。
【0004】
通常のトラクター用犁装置は、その例として、この出願人が登録した大韓民国実用新案第20-0200074号(トラクター用改良犁)に開示するように、前方フレームと後方フレームとから構成された支持体の前方フレームに複数の前犁部が配備され、後方フレームには複数の後方フレームが配備された構造が挙げられる。
【0005】
このような構造の犁装置により耕作地の土地が掘り起こされ、掘り起こす最中に生じた土のかたまりを細かく破砕するためにまぐわを用いる。
【0006】
大韓民国登録特許第10-1053758号公報(犁さき付きまぐわ培土機)においては、本体の下側部において一定の間隔をあけて回転自在に垂直に形成された複数の耕耘刃がトラクターの駆動部と歯車係合されて動力を印加されることにより水平方向に回転して土を細かく破砕する。
【0007】
ところが、従来のまぐわは、複数の耕耘刃に動力を伝えるための歯車係合構造となっているため、その構造が非常に複雑であり、かつ、その複雑性により製造コストも高騰してしまうという不都合がある。
【0008】
また、このようなまぐわは、土のかたまりを細かく破砕することができるものの、破砕された土をかきならすことができず、しかも、土を掘り起こすときに掘り返される藁、植物の根などの副産物などは地面の上に露出されることにより、これを別途に除去することを余儀なくされるため、作業性が非常に悪くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】大韓民国実用新案第20-0200074号(トラクター用改良犁)
【文献】大韓民国登録特許第10-1053758号公報(犁さき付きまぐわ培土機)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、このような従来の不都合を解決するために、耕作器により掘り起こされた土のかたまりを破砕し、破砕された土をかきならすとともに、掘り返された副産物を地面に押さえ付ける作業を同時に行えるようにしたまぐわを有する耕作装置を提供するところにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記のような目的を達成するための本発明の第1の実施形態に係るまぐわを有する耕作装置は、トラクターにより牽引されるように前方にトラクター連結部を有するフレームと、前記フレームの前方部位において幅方向に複数の耕作器が配備された前方耕作部と、前記フレームの後方部位において幅方向に複数の耕作器が配備された後方耕作部と、前記前方耕作部と後方耕作部との間において前記フレームに固定されて回転することにより耕作部により掘り起こされた土を破砕する前方まぐわと、を備える。
【0012】
また、前記まぐわを有する耕作装置は、前記フレームの両側において一方の側が回転可能なように軸設され、他方の側は前記前方まぐわの外側において回転軸により軸設された一対の前方支持アームと、前記フレームに固定され、前記前方支持アームの上下方向の回転角度を固定して耕作器の耕深を調節する耕深調節部と、を備える。
【0013】
さらに、前記前方まぐわは、前記一対の前方支持アームの他方の側においてそれぞれ回転するように軸設される一対の回転板と、棒状を呈して複数配備され、その両端がそれぞれ前記一対の回転板の周りに沿って一定の間隔を保ったままで固定されて前記一対の回転板同士を連結する連結バーと、リング状又は円板状を呈して前記複数本の連結バーの内側又は外側に嵌入され、外側又は内側の周りには前記連結バーが固定されて連結バーが撓まないように支持し、一定の間隔をあけて複数配備された前方支持部と、を備える。
【0014】
さらにまた、前記耕深調節部は、前記フレームの側方向において配備され、上下方向に多数のピン孔が形成された支持片と、前記支持片のピン孔に嵌入されて前記支持アームの上側移動と下側移動を固定する固定ピンと、を備える。
【0015】
さらにまた、前記まぐわを有する耕作装置は、前記支持部の周りに沿って一定の間隔おきに設けられ、前記支持部の外側の方向に突出するように配備された破砕刃をさらに備え、前記破砕刃は、前記支持部に着脱可能であり、前記支持部には固定孔が形成され、前記破砕刃がボルトにより前記固定孔に締結されるように構成される。
【0016】
また、本発明の第2の実施形態に係るまぐわを有する耕作装置は、トラクターにより牽引されるように前方にトラクター連結部を有するフレームと、前記フレームの前方部位において幅方向に複数の耕作器が配備された耕作部と、前記耕作部の後方において前記フレームに固定されて回転することにより耕作部により掘り起こされた土を破砕する後方まぐわと、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、前記後方まぐわは、前記フレームの幅方向に長く位置する支持フレームと、前記フレームと前記支持フレームとを連結する後方支持アームと、前記支持フレームの両端において前記フレームの牽引方向にそれぞれ回転するように軸設される一対の回転板と、棒状を呈して複数配備され、その両端がそれぞれ前記一対の回転板の周りに沿って一定の間隔を保ったままで固定されて前記一対の回転板同士を連結する連結バーと、リング状又は円板状を呈して前記複数本の連結バーの内側又は外側に嵌入され、外側又は内側の周りには前記連結バーが固定されて連結バーが撓まないように支持し、一定の間隔をあけて複数配備された支持部と、を備える。
【0018】
さらに、本発明の第3の実施形態に係るまぐわを有する耕作装置は、トラクターにより牽引されるように前方にトラクター連結部を有するフレームと、前記フレームの前方部位において幅方向に複数の耕作器が配備された前方耕作部と、前記フレームの後方部位において幅方向に複数の耕作器が配備された後方耕作部と、前記前方耕作部と後方耕作部との間において前記フレームに固定されて回転することにより耕作部により掘り起こされた土を破砕する前方まぐわと、前記後方耕作部の後方において前記フレームに固定されて回転することにより耕作部により掘り起こされた土を破砕する後方まぐわと、を備えることを特徴とする。
【0019】
また、前記前方まぐわと後方まぐわの回転軸にはスプロケット又はプーリーがそれぞれ配備され、前記スプロケット同士又はプーリー同士をチェーン又はベルトが連結して回転力を伝達するように構成される。
【0020】
さらに、前記前方まぐわと後方まぐわの回転軸には油圧モーターが設けられて回転力を印加するように構成される。
【発明の効果】
【0021】
このような構成を有する本発明によれば、フレームに設けられた前方耕作部と後方耕作部との間に前方まぐわが設けられることにより、前方耕作部から掘り起こされた土を1次的に細かく打ち砕くことから、前方耕作部から掘り起こされた土が後方耕作部の間において滞積するという問題が解消されるというメリットがある。
【0022】
また、前方まぐわの高低を調節することにより、前方耕作部の耕深を調節することができることから、耕作作業の効率性を高めることができるというメリットがある。
【0023】
さらに、一対の回転板に両端が固定された複数の回転する連結バーと破砕刃により掘り起こされた土地の土のかたまりを細かく破砕するとともに、連結バーの回転により地面がかきならされ、ちなみに、藁又は植物の根などの副産物もまた地面に埋もれることにより、別途のかきならしのための作業機が配備されなくても済む。
【0024】
これにより、耕作及び破砕、並びにかきならしの作業が同時に行われることにより、作業性が非常に良好であるだけではなく、構造が非常に単純であり、しかも、別途の作業機をさらに必要としないことから、コストの節減効果もまた奏することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明によるまぐわを有する耕作装置の構造を示す図である。
【
図2】本発明において適用されたまぐわの構造を示す図である。
【
図3】支持部に破砕刃が取り付けられる構造を示す図である。
【
図4】耕深調節部により前方耕作部の耕深を調節する動作を説明するための図である。
【
図5】前方まぐわにより耕作地の耕作部位を縁取る動作を説明するための図である。
【
図6】前方まぐわと後方まぐわがチェーン又はベルトにより連結されて回転力を伝達する構造を示す図である。
【
図7】前方まぐわと後方まぐわに油圧モーターを設けて回転力を印加する構造を示す図である。
【
図8】まぐわに回転力を印加する他の形態の構造を示す図である。
【
図9】まぐわに回転力を印加する他の形態の構造を示す図である。
【
図10】まぐわに動力を印加する本発明の写真である。
【
図11】まぐわに動力を印加する本発明の写真である。
【
図12】まぐわに動力を印加する本発明の写真である。
【
図13】まぐわに動力を印加する本発明の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
前述した目的、特徴及びメリットは、添付図面に基づいて詳しく後述され、これにより、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明の技術的思想を容易に実施することができる筈である。
【0027】
本発明について説明するにあたって、本発明と関連する公知の技術についての具体的な説明が本発明の要旨を余計に曖昧にする虞があると認められる場合にはその詳細な説明を省略する。
【0028】
本発明において用いられる用語としては、本発明における機能を考慮しつつ、できる限り現在汎広く用いられている一般的な用語を選択したが、これは、当分野に携わっている技術者の意図又は判例、新たな技術の出現などによって異なる。
【0029】
なお、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、この場合に、当該する発明の説明の部分の欄において詳しくその意味を記載する。
【0030】
よって、本発明において用いられる用語は、単なる用語の名称ではなく、その用語が有する意味と本発明の全般に亘っての内容を踏まえて定義されるべきである。
【0031】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0032】
しかしながら、次に例示する本発明の実施形態は、色々な他の形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下に詳述する実施形態に限定されることはない。
【0033】
本発明の実施形態は、当業界において通常の知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0034】
本発明の第1の実施形態に係るまぐわを有する耕作装置は、大きく、フレーム100と、前方耕作部130と、後方耕作部140と、後方まぐわ200と、から構成される。
【0035】
ここで、前方耕作部130及び後方耕作部140としては、耕作器の一種である犁を例にとって示しており、なお、フレーム100に後方耕作部140のみが配備された形態を有してもよい。
【0036】
フレーム100は、トラクターの後方に連結されて牽引されるものであって、その前方の上下方向に3点式のトラクター連結部110、120が配備されており、前記フレーム100の前方部位には、複数の耕作器が間隔をあけて前記フレーム100の幅方向に固定される前方耕作部130が設けられ、フレーム100の後方部位にも同様に、複数の耕作器が間隔をあけて前記フレーム100の幅方向に固定される後方耕作部140が設けられている。
【0037】
これらの前方耕作部130と後方耕作部140は、どちらか一方の耕作部130又は140のみがフレーム100の上に設けられてもよく、あるいは、二つの耕作部130、140が両方ともフレーム100の前後方にそれぞれ設けられてもよい。
【0038】
前記後方耕作部140の後方には後方まぐわ200が配備されるが、このような後方まぐわ200は、フレーム100に一方の側がヒンジ171により回転可能なように軸設され、他方の側は支持フレーム210にヒンジ部220により回転可能なように軸設されたシリンダー170により上下方向に回転して地面から持ち上げられたり、地面に下ろされたりするように構成される。
【0039】
また、後方まぐわ200がフレーム100に安定的に支持されながら前記シリンダー170により上下方向に回転可能なようにシリンダー170の両側には一対の後方支持アーム150、160が位置し、それらの後方支持アーム150、160の一方の側は前記フレーム100に上下方向に回転可能なように軸設され、他方の側は後方まぐわ200に固定される。
【0040】
前記後方まぐわ200は、
図2に示すように、一対の後方支持アーム150、160によりトラクターの牽引方向に回転して転がるまるで筒状に形成されるが、フレーム100の幅方向に長く位置する支持フレーム210が配備されて前記シリンダー170の他方の側が中央に軸設され、かつ、その両側にはそれぞれ後方支持アーム150、160の他方の側が固定される。
【0041】
前記支持フレーム210の両端は下側に延び、その延びた部位にはそれぞれ円板状の回転板230、240がそれぞれトラクターの牽引方向に回転するように回転軸231、241により軸設され、それらの一対の回転板230、240の間には複数本の連結バー250が位置してそれらの回転板230、240を互いに連結する。
【0042】
すなわち、棒状を呈する複数本の連結バー250の両端が回転板230、240の周りに沿って一定の間隔おきに固定されることにより、支持フレーム210の両端において互いに離間した回転板230、240を互いに連結し、トラクターの牽引により転がり運動が可能になる。
【0043】
このとき、前記複数本の連結バー250は、その両端が回転板230、240の同じ位置に水平に固定されず、一方の方向から他方の方向に向かって進むにつれて僅かに下向きに傾くように連結されることが好ましい。
【0044】
これは、前方及び後方耕作部130、140により耕作された土のかたまりを効率よく破砕し、かつ、藁、植物の根などの副産物を地面の中に効果的に埋没させるためである。
【0045】
すなわち、一本の連結バー250が一方の側から他方の側へと地面に時間差をおいて連続して触れることにより、土のかたまり又は副産物の抵抗を最小化させながら破砕作業を行えるようにする。
【0046】
また、前記連結バー250は、長尺の棒状を呈するため、土のかたまり又は植物の根などの抵抗により撓んでしまう虞があるため、それらの連結バー250同士の間隔を安定的に保ちながら、しかも、撓みを防ぐために、複数の支持部260が一定の間隔おきに配備されている。
【0047】
このような支持部260は、円形のリング状を呈するものであって、前記複数本の連結バー250の内側に嵌入されてその外側に連結バー250が固定されてもよく、あるいは、支持部260の内側に前記連結バー250を嵌入してその内側に連結バー250を固定してもよい。
【0048】
図面においては、リング状の支持部260が複数本の連結バー250の内側に嵌入されてその外側に複数本の連結バー250が固定されるような構造を示しているが、これは、円板の形状を呈してもよく、連結バー250の外側に嵌め込まれる場合にはリングの形状を呈する。
【0049】
前記支持部260は、
図3に示すように、円形のリング状を呈し、外側には前記連結バー250が触れて固定される部位に連結バー250を嵌め込んで固定するための連結バー嵌合溝261が一定の間隔おきに形成されていて、連結バー250を連結バー嵌合溝261に嵌入した後に溶接などにより固定する。
【0050】
いうまでもなく、このような支持部260は、以上において言及したように、円板の形状を呈しても良い。
【0051】
また、前記支持部260には、一定の間隔おきに破砕刃270が固定されているが、前記破砕刃270は、連結バー嵌合溝261の間において着脱可能なように固設され、支持部260の外側の方向に突出するように設けられる。
【0052】
これは、連結バー250と干渉されない位置、すなわち、連結バー250同士の間隔を介して外側に突出するように固定されて耕作部130、140により掘り起こされた土のかたまりを細かく破砕する。
【0053】
すなわち、連結バー250の回転によっても土のかたまりが破砕可能であるが、破砕刃270により土のかたまりをさらに細かく破砕することによりかきならし作業がさらに効率よく行えるようにする。
【0054】
前記破砕刃270の着脱のために、連結バー嵌合溝261の間ごとに固定孔262が形成され、前記破砕刃270の下部にはボルト孔271が形成されていて、ボルト孔271と固定孔262を貫通してボルト272が嵌入され、ナット273により締結されるような構造を有しても良い。
【0055】
いうまでもなく、このような破砕刃270の着脱構造は種々に実現可能であり、ちなみに、破砕刃270の構造もまた土のかたまりを破砕するために様々な形状を呈してもよい。
【0056】
本発明の第1の実施形態に係る動作状態について説明する。
【0057】
移動中にはシリンダー170が縮むことにより、後方まぐわ200が持ち上げられた状態で移動可能であり、耕作作業のための現場ではシリンダー170を伸ばして後方まぐわ200が地面に触れるように下ろす。
【0058】
このとき、後方まぐわ200が地面に触れた状態でシリンダー170がさらに伸びると、前記後方まぐわ200が地面に支持されながらフレーム100の後方が持ち上げられるため、前方耕作部130と後方耕作部140もまた持ち上げられて耕作深さ、すなわち、耕深が浅くなる。
【0059】
逆に、後方まぐわ200が地面に近づいた状態となるようにシリンダー170が伸びると、後方まぐわ200が地面に支持されていない状態でフレーム100と前方耕作部130、及び後方耕作部140の自重により土地に深く食い込んで耕深が深くなる。
【0060】
いうまでもなく、前方耕作部130と後方耕作部140が土地に食い込んでフレーム100が下降すると、再び後方まぐわ200はシリンダー170の伸びなしにも自然に地面に触れて支持されるため、その支持力によりその位置において耕深が固定される。
【0061】
要するに、シリンダー170が伸びる長さに応じて後方まぐわ200の高低を調節することにより、前方耕作部130と後方耕作部140の耕深を調節することができる。
【0062】
次いで、トラクターが前進してフレーム100を牽引すると、前方耕作部130と後方耕作部140が設定された耕深に基づいて地面に食い込みながら土地を掘り起こし、後方まぐわ200は、その牽引力により牽引方向に転がり運動をしながら前記耕作部130、140により掘り起こされた土のかたまりを連結バー250と破砕刃270が細かく破砕しながらかきならし作業を行う。
【0063】
また、連結バー250の回転により藁、植物の根などの副産物を地面に埋没させる。
【0064】
したがって、連結バー250の回転により整地作業が非常に手軽に行われる。
【0065】
本発明の第2の実施形態に係るまぐわを有する耕作装置は、前方耕作部130と後方耕作部140との間に前方まぐわ300を備えたものであり、前方まぐわ300の構造は、本発明の第1の実施形態の後方まぐわ200の構造と同様である。
【0066】
但し、前方まぐわ300がフレーム100に耕深調節部310、310’を介して支持される構造に相違点があるが、前記耕深調節部310、310’により前方まぐわ300の高さが調節されることにより、前方耕作部130と後方耕作部140の耕深が調節可能になる。
【0067】
すなわち、トラクターと連結される3点式のトラクター連結部110、120を軸としてフレーム100の後方が上下方向に回転することにより、前方耕作部130と後方耕作部140の耕深を調節するが、後方耕作部140の耕深を調節する場合には、前方耕作部130の耕深が後方耕作部140の耕深よりも浅く設定されるため、前方耕作部130を所望の耕深に調節することができない。
【0068】
したがって、前方まぐわ300の高低を調節することにより、フレーム100の前方の高さを調節して前方耕作部130の耕深を調節するようにする。
【0069】
このために、前方まぐわ300は、耕深調節部310、310’を介してフレーム100の前方部位に固定されるが、フレーム100の前方部位の両側部位から外側に向かってさらに延びた延長フレーム101、101’が配備されるが、これらの延長フレーム101、101’は、前方耕作部130よりもさらに外側に突出して形成される。
【0070】
前記延長フレーム101、101’にはそれぞれ耕深調節部310、310’が設けられるが、前記耕深調節部310、310’は、両側が同じ形状を呈するため、一方の耕深調節部310を中心としてその構造について説明する。
【0071】
前記耕深調節部310は、延長フレーム101の上において後方に並ぶように一対の支持片311、312が互いに間隔をあけて固定され、前記支持片311、312には同じ位置において複数のピン孔313、314が形成されている。
【0072】
これらのピン孔313、314は、上下方向に形成されており、好ましくは、前方支持アーム320の回転経路に沿うように形成される。
【0073】
前記前方支持アーム320は、その後方が前方まぐわ300を向くように下向きに傾くように折り曲げられ、その前方は前記一対の支持片311、312の間において軸設部315により上下方向に回転するように軸設されている。
【0074】
また、前記前方支持アーム320の上側と下側の方向の回転を固定するように固定ピン316、317がピン孔313、314に嵌入されるが、二つの固定ピン316、317が前方支持アーム320の上側と下側からそれぞれピン孔313、314に嵌入されることにより、前方支持アーム320が固定ピン316、317に引っ掛かって回転しないように固定される。
【0075】
すなわち、上記の固定ピン316、317は、前方支持アーム320の回転を防ぐストッパーの役割を果たす。
【0076】
これらのピン孔313、314は、前方支持アーム320の最大の回転角度の範囲において複数形成され、最も上側に形成されたピン孔313、314の下端部位は、前方支持アーム320が上側に最大限に回転したときに前方支持アーム320の上端部位と同じ高さとなり、最も下側に形成されたピン孔313、314の上端部位もまた同様に、前方支持アーム320が下側に最大限に回転したときに前方支持アーム320の下端部位と同じ高さにならなければならない。
【0077】
さらに、各ピン孔313、314間の間隔は、前方支持アーム320の厚さに見合う分を有する。
【0078】
前記前方支持アーム320には、前方まぐわ300の両側が回転軸321により軸設されて回転するように結合される。
【0079】
したがって、
図4でのように、前方支持アーム320をピン孔313、314と固定ピン316、317により傾斜角度を調節して固定すると、地面Gに前方まぐわ300が接地されて突っ張ることにより、その接地される力によりフレーム100の持ち上げられる度合いが調節されて、その結果、前方耕作器130が土地に食い込む深さ、すなわち、耕深が調節される。
【0080】
すなわち、耕深を薄くしたければ、前方支持アーム320の傾斜角度を大きくして前方まぐわ300がフレーム100を押して持ち上げることにより、フレーム100と地面Gとの離間距離を大きくして前方耕作器130の耕深を薄く調節し、逆に、耕深を深くしたければ、前方支持アーム320の角度を穏やかにしてフレーム100と地面Gとの離間距離を小さくすることにより前方耕作器130が土地に深く食い込むように調節する。
【0081】
このような耕深調節部310の他の形態として、前方支持アーム320を貫通してピン孔が形成されて一つの固定ピンがピン孔313、314と前方支持アーム320に形成されたピン孔を貫通して係合されることにより前方支持アーム320の回転を固定するような構造を有してもよい。
【0082】
併せて、前方まぐわ300は、前方耕作部130と後方耕作部140との間に位置することにより、前方耕作部130により掘り起こされた土を破砕して後方に引き渡すが、前方まぐわ300が配備されずに前方耕作部130と後方耕作部140のみが配備された耕作器の場合には、前方耕作部130から掘り起こされた土のかたまりが後方耕作部140に引っ掛かって後方に円滑に排出できないことにより、土のかたまりが滞積してしまう現象が生じる。
【0083】
特に、泥土のような耕作地においては、このような土のかたまりにより前方耕作部130と後方耕作部140との間に頻繁な滞積現象が生じて作業を手軽に行うことができなくなる。
【0084】
したがって、本発明の前方まぐわ300は、前方耕作部130から掘り起こされた土のかたまりを細かく打ち砕くことにより、後方耕作部140の間を介して容易に後方に排出できるので、土のかたまりの滞積現象が解消される。
【0085】
一方、泥土形態の耕作地を耕作する場合には、後方耕作部140が土地を掘り起こすときに耕作しようとする部位の側面部位の外側の土までかたまりの形状に掘り起こされるため、耕作地の周縁の面が非常に乱雑に掘り起こされてしまう。
【0086】
そのため、前方まぐわ300が牽引されるときに回転板322が耕作地に食い込みながら土地を直線に切り開くことにより、後続する後方耕作部140がその切り開かれた範囲内においてのみ土地を掘り起こすようにして耕作地の周縁をきれいにすることができる。
【0087】
このために、
図5に示すように、前方まぐわ300の回転板322の外周面と連結バー350との間隔を耕作地の切開深さに対応する間隔Dにすることにより、回転板322が回転しながら耕作地を切り開く。
【0088】
本発明の第3の実施形態として、前方耕作部130と後方耕作部140との間に前方まぐわ300を備え、後方耕作部140の後方に後方まぐわ200を備えたような構造を有してもよい。
【0089】
このような前方まぐわ300と後方まぐわ200の構造は、上記において説明した構造と同様である。
【0090】
したがって、前方まぐわ300が前方耕作部130により掘り起こされた土のかたまりを1次的に破砕して滞積現象を解消し、後方まぐわ200が2次的に土を細かく破砕しながらかきならしの作業まで行う。
【0091】
一方、
図6に示すように、前方まぐわ300と後方まぐわ200とをチェーン400又はベルトにより連結して互いに回転力を伝達するような構造を有してもよいが、前記前方まぐわ300の回転軸321と後方まぐわ200の回転軸231にはそれぞれスプロケット370又はプーリーが結合され、スプロケット370同士又はプーリー同士をチェーン400又はベルトが連結することにより回転力、すなわち、駆動力を互いに伝達する。
【0092】
すなわち、障害物によりどちらか一方のまぐわの回転力が低下すれば、残りの他方のまぐわが回転力を伝達して補うことにより、円滑な破砕作業及び牽引が行えるようにする。
【0093】
また、スプロケット370、280又はプーリーのギア比を異ならせてもよいが、前方まぐわ300の場合に速い回転で土を細かく破砕し、後方まぐわ200の場合には破砕及びかきならしの作業のために前方まぐわ300よりも遅く回転することが好ましいため、スプロケット370、280又はプーリーの径を異ならせてギア比を設定することが可能になる。
【0094】
図7は、前記前方まぐわ300の前方支持アーム320に第1の油圧モーター371が固定されて回転軸321と軸結合され、かつ、後方まぐわ200の支持フレーム210に第2の油圧モーター371が固定されて回転軸231と軸結合されることにより、トラクターから印加される油圧により回転力を前方まぐわ300と後方まぐわ200に印加するような構造である。
【0095】
このとき、第1の油圧モーター371は、トラクターから供給される油圧を第1の油圧ライン410を介して印加されて回転軸321を回転させ、排出される油圧は再び第2の油圧ライン420を介して第2の油圧モーター281に印加されて回転軸231を回転させ、排出される油圧は第3の油圧ライン430を介してトラクターに取り戻されるような構造を有する。
【0096】
図8及び
図9は、まぐわ300にトラクターから発生される回転動力を印加する構造を示す図であって、フレーム100の前方部位には動力結合部500が設けられるが、このような動力結合部500は、トラクターの動力軸、すなわち、ロータリージョイントと直結される位置に設けられる。
【0097】
すなわち、トラクターから発生される回転力を外部に伝達するための動力軸は、通常、トラクターの後方の中央部位に位置するため、前記動力結合部500もまた、これと対応する位置であるフレーム100の前方の真ん中の部位に位置することが好ましい。
【0098】
したがって、前記動力結合部500に配備された連結軸530は、トラクターの動力軸と直結される。
【0099】
前記動力結合部500は、前記フレーム100の前方の真ん中の部位の下側においてブラケット状のハウジング510が固定され、そのハウジング510の内側に固定軸受け520が設けられ、前記連結軸530が前記固定軸受け520を前後方向に貫通して設けられることにより、ハウジング510の前後方向に連結軸530の前方部位と後方部位が突出する。
【0100】
このため、ハウジング510の後方に突出した連結軸530は後方部位に向かって設けられた動力伝達軸600の前方部位とユニバーサルジョイントにより連結され、前記動力伝達軸600の後方部位においても歯車箱700の動力連結軸720がユニバーサルジョイントにより連結される。
【0101】
まぐわ300は、左まぐわ301と右まぐわ302とに分離され、それぞれその外側部位がフレーム100に軸設されるが、前記フレーム100と連結された支持アーム320により回転軸321、321’により軸設され、かつ、内側部位は前記歯車箱700の両側に配備された動力軸730、731にそれぞれ結合される。
【0102】
前記歯車箱700は、前方部位に動力連結軸720が配備されて前記動力伝達軸600とユニバーサルジョイントにより連結され、前記動力連結軸720を介して伝達された動力を側方向に切り換えて動力軸730、731に回転力を供給する。
【0103】
したがって、これらの動力軸730、731に左まぐわ301及び右まぐわ302が軸設されることにより回転する。
【0104】
前記歯車箱700は、支持アーム状の固定部710によりフレーム100又はフレーム100と連結される固定構造物に固定されてもよく、動力伝達軸600との動力伝達効率を増進するために動力伝達軸600と直線上に位置するように前方に向かって上側に傾くように設けられることが好ましい。
【0105】
すなわち、トラクターの動力軸よりも歯車箱700が低い個所に位置するため、歯車箱700の動力連結軸720が動力結合部500の連結軸530を眺めるように設けられることにより、トラクターの動力軸から歯車箱700の動力連結軸720まで一回の角度の変換により動力伝達効率が大幅に高くなる。
【0106】
一回の角度の変換のために、歯車箱700は、まぐわ300の中央部位に位置し、その中央部位から左右側の方向に左まぐわ301と右まぐわ302とが分離されて軸設される。
【0107】
いうまでもなく、歯車箱700の位置がトラクターの動力軸と同じ高さの位置であれば、その動力軸と歯車箱700の動力連結軸720とが直ちに直結されることにより、トラクターからの動力を歯車箱700に伝達することができる。
【0108】
また、動力結合部500を取り外し、トラクターの動力軸と歯車箱700の動力連結軸720との間に動力伝達軸600を直ちに連結して動力を伝達するような構造を有してもよい。
【0109】
一方、左まぐわ301及び右まぐわ302は、
図10から
図13までの写真に示すように、横方向に置かれた円筒状の胴体が支持アーム320と歯車箱700との間において軸設され、その長手方向に等間隔に外側の周りに沿って破砕刃270が設けられたような構造を有してもよい。
【0110】
以上、本発明の内容の特定の部分について詳しく記述したが、当業界における通常の知識を有する者にとって、このような具体的な記述は単に好適な実施形態に過ぎず、これにより本発明の範囲が制限されることはないということは明らかに理解できる筈である。
【0111】
よって、本発明の実質的な範囲は、特許請求の範囲とこれらの等価物により定義されるといえるであろう。
【符号の説明】
【0112】
100 フレーム
110、120 トラクター連結部
130 前方耕作部
140 後方耕作部
150、160 後方支持アーム
170 シリンダー
200 後方まぐわ
210 支持フレーム
220 ヒンジ部
230、240 回転板
231、241 回転軸
250 連結バー
260 支持部
261 連結バー嵌合溝
262 固定孔
270 破砕刃
271 ボルト孔
272 ボルト
273 ナット
280 スプロケット
281 油圧モーター
300 前方まぐわ
310 耕深調節部
311、312 支持片
313、314 ピン孔
315 軸設部
316、317 固定ピン
320 前方支持アーム
321 回転軸
350 連結バー
370 スプロケット
371 油圧モーター
400 チェーン
500 動力結合部
510 ハウジング
520 固定軸受け
530 連結軸
600 動力伝達軸
700 歯車箱
710 固定部
720 動力連結軸
730、731 動力軸