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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】有機物処理装置
(51)【国際特許分類】
   F23G 5/16 20060101AFI20220916BHJP
   B09B 3/40 20220101ALI20220916BHJP
【FI】
F23G5/16 D
B09B3/40
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021515782
(86)(22)【出願日】2019-12-23
(86)【国際出願番号】 JP2019050431
(87)【国際公開番号】W WO2020217587
(87)【国際公開日】2020-10-29
【審査請求日】2021-10-14
(31)【優先権主張番号】P 2019083616
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】597073807
【氏名又は名称】株式会社日省エンジニアリング
(74)【代理人】
【識別番号】100129056
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 信雄
(72)【発明者】
【氏名】平久井 健三
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-224795(JP,A)
【文献】特開昭62-66016(JP,A)
【文献】国際公開第2005/047207(WO,A1)
【文献】特開2008-163256(JP,A)
【文献】特開昭48-100501(JP,A)
【文献】特開2009-52845(JP,A)
【文献】特開2010-5581(JP,A)
【文献】特開昭59-161612(JP,A)
【文献】特開2010-51860(JP,A)
【文献】特許第5997482(JP,B2)
【文献】登録実用新案第3207497(JP,U)
【文献】特開2005-81234(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23G 5/16
F23G 5/02
F23G 5/027
F23G 5/08
F23G 5/14
F23G 5/16
F23G 5/46
F23G 5/50
F23C 99/00
F23J 15/06
B09B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投入された有機物を加熱するとともに磁化空気を抑制的に供給して熱分解する処理槽Aに接続され有機物から分解され発生したガスを燃焼処理する燃焼処理機構Bと、前記処理槽と燃焼処理機構との間においてガスに含まれている水分を分離除去する熱交換器Cと備えた有機物処理装置において、
前記燃焼処理機構Bは、バーナーで加熱する高温処理炉Xと水を貯えた冷却処理槽Yとを有し、
前記高温処理炉Xは、ガスを前記処理槽から炉内下部に受け入れるガス受入部と、ガスを炉内上部から冷却処理槽へ送り出すガス送出部と、炉内の下部から中間部にかけて高温に発熱可能な遠赤外線を放射するセラミック製の発熱体を間隙を設けて多数装着した発熱部と、炉内の下部から前記発熱体を熱する加熱部と、発熱体の上方において800℃以上の高温を維持可能な高温処理空間を有する高温処理部と、温度センサにより炉内温度を制御する高温保持部と、を備え、
前記冷却処理槽Yは、下部に設けたブロワに向けて延設される屈曲状の連通筒を通して前記高温処理炉の高温ガスを温度勾配に従って冷却する冷却部と、該冷却部の上に位置して槽外へ水蒸気を放出する水蒸気放出部と、槽内へ水を供給する給水部及び槽外へ水を排出する排水部と、水位センサにより水位を感知して前記給水部と排水部の開閉を制御して水位を一定範囲に保持する水位保持部と、を備えたことを特徴とする有機物処理装置。
【請求項2】
高温処理炉Xの発熱体が管状を成し、多数の発熱体を高温処理炉内の上下に分配し、下段は縦置きに装着し、上段は横置きに装着したことを特徴とする請求項1に記載の有機物処理装置。
【請求項3】
冷却処置槽Yの連通筒は、複数の直立した大径円筒部と小径円筒部とを上下逆方向に片寄せさせて上下交互に接続し、前記大径円筒部内には下側の小径円筒部を接続するために片寄せさせた連通口を囲うように壁面を湾曲させると共に該壁面の両端辺と円筒部の周壁面との間にガスが流通可能な間隔の隙間を形成したガス誘導壁を、筒部の中央寄りに立設して成ることを特徴とする請求項1又は2に記載の有機物処理装置。
【請求項4】
冷却処理槽Yの連通筒の外周に、複数のフィンを設けたことを特徴とする請求項1から3のうちいずれかに記載の有機物処理装置。
【請求項5】
熱交換器Cの本体部の底部に、導入管を垂設すると共にその先にトラップ管を配設した導入路を配設し、
該トラップ管の下に、滴下した液化ガスを気化させる加熱皿と気化したガスを燃焼処理機構Bに連結するダクトに送り出す送気口及び送気管を配した気化室を形成し、
該気化室の周囲を囲って、一方に暖気の取入口を他方に排気口を配した加熱空間を形成し、
該加熱空間の取入口側に冷却処理槽Yの排気口と連結して暖気を導く連結管を配設した液化ガス処理機構Dを付設したことを特徴とする請求項1~4のうちいずれかに記載の有機物処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は合成樹脂材等の有機物を熱分解して灰化物とガスとして処分できるように処理する有機物処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
外気を遮断した処理槽に投入した有機物を加熱すると共に処理槽に磁化された空気(磁化空気)を抑制的に供給することで、有機物をダイオキシン等の有害物質を発生させることなく比較的低温で熱分解させる処理技術が知られている。
磁化空気は磁力によって酸素が活性化されて大量のマイナスイオンを発生させるものであることから、有機物の炭素分子と激しく熱分解反応を起こさせるという特性がある。この結果、有機物は水、灰化物(無機物、カーボン等)、ガス(二酸化炭素、炭化水素等)に酸化分解されることになる。
【0003】
このように磁化空気を抑制的に供給して有機物を処理する装置として、例えば、特許文献1には、外気が遮断され投入された有機物を加熱する処理槽の下部に磁化空気を供給する磁化空気供給機構が取付けられ、この磁化空気供給機構の磁化空気の供給量の調整を、処理槽の内部が一定の温度を超えたことを温度センサによって検出された際に磁化空気供給機構における磁化空気の供給量を減少させるようにコントローラで電磁バルブを動作させて行うことが記載されている。
そして、処理槽の内部の温度が有機物を熱分解するに好適な環境になったときに、電磁バルブ、温度センサ、コントローラの連係によって自動的に磁化空気の供給を減少させ、有機物が高温の燃焼状態になるのを防止できる。
しかし、この装置でも、処理槽の内部の温度が均一になるとは限らないことから、複数の温度センサを設置したとしても処理槽の内部の温度を正確に把握することが困難であるため、電磁バルブを動作させるタイミングが不正確になってしまい、有機物を熱分解するに好適な環境を確実に実現することができないという問題点がある。
【0004】
これに対し、本発明者は先に特許文献2に記載の有機物処理装置を発明し、磁化空気を供給して有機物を熱分解するに好適な環境を確実に実現することができた。
しかし、この装置でも、有機物は磁化空気で効果的に熱分解されるものの、熱分解で発生する有機物の無害化までには到らず、炭化水素等が処理されずに大気中に放出されるおそれがあった。
【0005】
又、この処理槽にあって、その上部にはドラム形の本体部を有する熱交換器が付設されるが、その本体部では熱分解された炭化水素等を含むガスが冷却されて液状となり、その液状となったものが徐々にドーム型の底部に溜まると、処理が面倒なものとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2010-51860号公報
【文献】特許第5997482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は有機物を磁化空気で熱分解し、その熱分解で発生した炭化水素等を無害化して大気中に放出できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的のため、本発明の有機物処理装置は、特許請求の範囲の各請求項に記載の手段を採用する。
即ち、請求項1の発明は、投入された有機物を加熱するとともに磁化空気を抑制的に供給して熱分解する処理槽Aに接続され有機物から分解され発生したガスを燃焼処理する燃焼処理機構Bと、前記処理槽と燃焼処理機構との間においてガスに含まれている水分を分離除去する熱交換器Cと備えた有機物処理装置において、前記燃焼処理機構Bは、バーナーで加熱する高温処理炉Xと水を貯えた冷却処理槽Yとを有する。前記高温処理炉Xは、ガスを前記処理槽から炉内下部に受け入れるガス受入部と、ガスを炉内上部から冷却処理槽へ送り出すガス送出部と、炉内の下部から中間部にかけて高温に発熱可能な遠赤外線を放射するセラミック製の発熱体を間隙を設けて多数装着した発熱部と、炉内の下部から前記発熱体を熱する加熱部と、発熱体の上方において800℃以上の高温を維持可能な高温処理空間を有する高温処理部と、温度センサにより炉内温度を制御する高温保持部と、を備える。前記冷却処理槽Yは、下部に設けたブロワに向けて延設される屈曲状の連通筒を通して前記高温処理炉の高温ガスを温度勾配に従って冷却する冷却部と、該冷却部の上に位置して槽外へ水蒸気を放出する水蒸気放出部と、槽内へ水を供給する給水部及び槽外へ水を排出する排水部と、水位センサにより水位を感知して前記給水部と排水部の開閉を制御して水位を一定範囲に保持する水位保持部と、を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、上記発明において、前記発熱体が管状を成し、多数の発熱体を高温処理炉内の上下に分配し、下段は縦置きに装着し、上段は横置きに装着したことを特徴とする。
【0010】
請求項3の発明は、上記発明において、前記冷却処置槽内の連通筒は、複数の直立した大径円筒部と小径円筒部とを上下逆方向に片寄せさせて上下交互に接続し、前記大径円筒部内には下側の小径円筒部を接続するために片寄せさせた連通口を囲うように壁面を湾曲させると共に該壁面の両端辺と円筒部の周壁面との間にガスが流通可能な間隔の隙間を形成したガス誘導壁を、筒部の中央寄りに立設して成ることを特徴とする。
【0011】
請求項4の発明は、上記発明において、前記連通筒の外周に複数のフィンを設けたことを特徴とする。
【0012】
請求項5の発明は、上記発明において、熱交換器Cの本体部の底部に臨ませて、導入管を垂設すると共にその先にトラップ管を配設した導入路を配設し、該トラップ管の下に、滴下した液化ガスを気化させる加熱皿と気化したガスを燃焼処理機構Bに連結するダクトに送り出す送気口及び送気管を配した気化室を形成し、該気化室の周囲を囲って、一方に暖気の取入口を他方に排気口を配した加熱空間を形成し、該加熱空間の取入口側に冷却処理槽Yの排気口と連結して暖気を導く連結管を配設した液化ガス処理機構Dを付設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
上記構成の本発明は、磁化空気が供給されて有機物が好適な環境で熱分解され、処理槽の底に堆積した灰化物はそのまま排出されて処分されるが、それは処理槽から熱交換器を介して高温処理炉内に送られる。
前記処理槽では、有機物の熱分解で炭化水素等のガスが発生し、そのガスには大気汚染防止法における炭化水素等の規制対象が含まれている。
高温処理炉内では、加熱部で加熱されて遠赤外線を放射する多数の発熱体の継続的な発熱と、熱せられて高温となった耐熱材表面の高温環境の中で該発熱体の上方の高温処理空間の温度が800℃以上の高温に安定的に保持される。
そして、前記熱交換器から高温処理炉内へ供給された乾質化された炭化水素等は、加熱部により高温処理炉の下部から加熱された遠赤外線を放射する発熱体群の中を上昇する際に、発熱体の発熱を受けて温度が上昇して行き、高温処理空間内に到って炭化水素等が800℃以上の高温下で無害なガスに処理される。例えば、その炭化水素等は高温処理されて二酸化炭素と水(水蒸気)の無害な物質となる。
高温処理炉内の温度は、温度センサで炉内温度を感知しつつ設定した高温状態にバーナーで加熱されて800℃以上の高温に高温保持部により制御されるが、高温処理空間内の炭化水素等が無害なガスになる際のそれ自体の燃焼による発熱によって、高温処理空間内は更に高い温度に維持することが可能となる。そしてその高い一定高温が維持されている間は加熱部の加熱を停止できるため燃料の節約が可能となる。
一方、前記冷却処置槽では、水中を下方向に向けて延設される屈曲状の連通筒を備えた冷却部を通して、高温ガスを槽の水中を下部へ向かって移動し、その途中で水と熱交換されるガスが温度勾配に従って徐々に冷却することで、高温のガスを確実且つ安全に冷却させることが可能となる。そして低い温度に冷却された無害なガスはガス送出部により大気中に放出される。
又、冷却部の高温のガスにより高温となった連通筒に水が接触して発生する水蒸気は、槽の上部の水蒸気放出部から外部に排出させることで槽内の高圧化を防止することができる。そしてその水蒸気は大気で冷却され害はない。
又、水位保持部により、蒸発して減水した槽内の水位を、水を供給して一定範囲に保持させることができる。
【0014】
請求項2の発明は、前記多数の発熱体を高温処理炉内の上段と下段に分配し、下段は縦置きに、上段は横置きに夫々装着したことで、下段の発熱体群は加熱部の下から上に向かう熱風で全体を直接的に加熱して発熱させ、上段の発熱体群は加熱部で加熱された下段の発熱体からの熱を受けて800℃以上の温度に発熱させる。そして、その上方の高温処理空間を安定的に800℃以上の高温状態を保持できるようになる。
そして、その安定した高い温度の中で炭化水素等を無害なガスに確実に変化させることが可能となる。
【0015】
請求項3の発明は、前記冷却処置槽内に配設した連通筒が水中を左右に蛇行しつつ高温のガスを水槽の上から下へ向かって移動させる際に、大径円筒部内に設けたガス誘導壁により、円筒内のガスを周壁面との隙間を通るように誘導することで高温ガスを積極的に低い温度の水に近づけることで、熱交換効率を高めることが可能となる。
この結果、高温のガスを効率良く冷却させることが可能となる。
【0016】
請求項4の発明は、前記連通筒の外周壁面に設けた複数のフィンにより、水との接触面積を増大させ、低温の水と高温のガスとの熱交換効率を高め、高温のガスをより効率良く冷却させることが可能となる。
【0017】
請求項5の発明は、液化ガス処理機構Dを付加することで、熱交換器等の本発明有機物処理装置の操作の過程で生まれる処理に困る液化ガスを処理することができ、その際、処理層Aと高温処理炉X及び冷却処理槽Yの連携を活用した機構とし、且つ、その熱源に冷却処理槽Yを経由した140~160℃程度の余熱を含む暖気を活用する等の合理的なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本発明の有機物処理装置の縦断側面図である。
図2図2は、高温処理炉の縦断斜視図である。
図3図3は、連通筒の斜視図である。
図4図4は、処理槽の縦断側面図である。
図5図5は、液化ガス処理機構の縦断側面図である。
図6図6は、液化ガス処理機構の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る有機物処理装置を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
本発明の有機物処理装置は、図1に示すように、投入された有機物を加熱するとともに磁化空気を抑制的に供給して熱分解する処理槽Aに、該処理槽Aで有機物が熱分解されて発生したガスGを燃焼処理する燃焼処理機構Bを備える。
前記処理槽Aと燃焼処理機構Bとの間には、有機物から発生した炭化水素等を含むガスGに含まれている水分を分離除去する熱交換器Cを設ける。
前記燃焼処理機構Bには、処理槽Aで発生した炭化水素等のガスGを高温下で無害化する高温処理炉Xと、高温処理炉Xで高温となったガスGを冷却して排出する冷却処理槽Yとを有する。前記熱交換器Cは前記処理槽Aに添設し、前記高温処理炉Xと冷却処理槽Yは前記処理槽A外側の近傍に設ける。
前記熱交換器Cと燃焼処理機構Bとの間には、図5及び図6に示す如く、液化ガス処理機構Dを付設することができる。
【0020】
該処理槽Aは、図4に示すように、円筒形の槽の上部に有機物Pを投入するための投入口111を設け、側面下部には、有機物Pが熱分解されて生成される灰化物を排出するための投出口112を設ける。
又、空気を磁化して磁化空気Mとするマグネット152を備えて投入された有機物の下から処理槽Aの内部に磁化空気Mを供給する磁化空気供給機構105を設ける。
【0021】
又、該磁化空気供給機構105から処理槽Aの内部へ供給される磁化空気Mの量を調整する電磁バルブ106と、前記処理槽Aの内部の温度を検出する温度センサ171、172と、接続された前記電磁バルブ106と温度センサ171、172とを連係制御するコントローラ108を設ける。
前記磁化空気供給機構105から供給された磁化空気Mはノズル151から処理槽Aの軸中心に向かうようにする。
【0022】
この結果、処理槽AにおいてガスGの対流が形成され、処理槽Aの内部の温度の均等化が図られ、温度センサ171、172による処理槽Aの内部の温度の把握が正確になって、電磁バルブ106を動作させるタイミングが正確になる。即ち、有機物Pを熱分解するに好適な環境が確実に実現される。
【0023】
又、上記処理槽Aの上部にはドラム形の本体部141を有する熱交換器Cを付設する。該本体部141の内部空間は処理槽Aの上部の空間に連結させる。
有機物Pの熱分解で生成され処理槽Aの内部を上昇した高温のガスGは、熱交換器Cに入り、その内部で冷却されてガスGに含まれている水分及び炭化水素等が液化される。
該熱交換器Cで乾質化されたガスは、一部が燃焼処理機構Bに移動し、処理槽A内を流動させる。
【0024】
なお、本体部141の内部空間は、次の燃焼処理機構Bにダクト11を介して接続されるが、安全のため、該ダクトの側面には停電等でガスの移動がストップしてガスが異常に高圧になったときに自動的に開くエアシリダー式のシャッター134を設けることができる。
【0025】
上記の如き構成の処理槽Aにより、熱分解した有機物Pは、磁化空気供給機構105のノズル151からの磁化空気Mの供給の下で水、灰化物(無機物、カーボン等)及びガスG(二酸化炭素、炭化水素等)に分離され、このガスGは熱交換器Cを介して燃焼処理機構Bに送られる。
【0026】
又、上記熱交換器Cと後述の燃焼処理機構Bとの間には、液化ガス処理機構Dを付加することができる。
即ち、上記処理槽Aの上部にはドラム形の本体部141を有する熱交換器Cを付設しているが、該熱交換器Cの本体部141内の下部に、以下に示す液化ガス処理機構Dを付設することができる。ここで液化ガスとは、本発明装置の処理の過程で生じるガス体が何らかの原因で冷やされて液化したものをいい、そのままでは処理に困る対象物である。
該液化ガス処理機構Dは、図5及び図6に示す如くで、先ず上記本体部141内の下部に本体導入路143を形成するが、具体的には、本体部141に臨ませて導入管143aを配設し、その先に炭化水素等が液体化した液化ガスLを貯めるトラップ管143bを連結し、その先端部を気化室145に臨ませる。該気化室145は、液化ガスLを加熱して気化させるもので、トラップ管143bの先端部の直下となる位置に加熱皿145aを配設し、該加熱皿145aを含む気化室145の周囲を加熱空間146で囲う。
該加熱皿145aは、液化ガスLの気化を担うもので、水分を含む液体からの錆を避ける目的で陶製を素材とするのが望ましい。
【0027】
該加熱空間146には、その一方に排出口25に継がる連結路147を配設する。即ち、上記冷却処理槽Yには、冷却部7が備えられ、該冷却部7のガス送出部24には、ガスを強制的に移動させるためのブロワ10が連結され、その先には燃焼処理機構Bで無害化処理されたガスGを大気中に放出するための排出口25が冷却処理槽Yの端に配設されているが、上記液化ガス処理機構Dにあっては、この排出口25の先に連結管147aを付加し、これを上記加熱空間145の取入口146aに連結させる。一方、該加熱空間146の他方側には、冷却処理槽Yに継がるブロワ10を配し、該ブロワ10の先に最終的に排気ガスを系外に放出する排気管147bを配設する。
【0028】
又、導入路のもう一つの態様として、図6に示す如く、本体導入路143の他にダクト11の下端部に、該ダクト11に生じた液化ガスLを処理する為のダクト導入路144を付設させることができる。
即ち、前記処理槽Aの上部の熱交換器Cと高温処理炉Xとの間にはガスGを移動させるためのダクト11が設けられるが、その順路の過程でガスGが冷えて液化ガスLを生じる虞があるので、この処理部として、該ダクト11の屈曲部となる下端部の一部にダクト導入管144aを継ぎ、その先を上記気化室145内に臨ませ、その末端が上記トラップ管143bと同様加熱皿145aの真上に位置するように配設することができる。導入された液化ガスLは上記本体導入路143と同様の扱いとなる。
【0029】
上記熱交換器Cに接続した燃焼処理機構Bは、図1に示すように、前記処理槽Aで有機物Pが熱分解されて生成された炭化水素等を含むガスGを高温で無害化、無臭化するための高温処理炉Xと、高温処理炉Xで高温となったガスGを水Wで冷却させるための冷却処理槽Yとを備える。
前記高温処理炉Xは前記処理槽Aの近傍に設置し、前記冷却処理槽Yは高温処理炉Xの近傍に設置する。
そして、前記処理槽Aの上部の熱交換器Cと高温処理炉Xとの間にはガスGを移動させるためのダクト11を高温処理炉Xの下部に接続して設け、高温処理炉Xと冷却処理槽Yとの間にはガスGを移動させるためのダクト12を、高温処理炉Xの上部と冷却処理槽Yの上部とを接続して設ける。
【0030】
高温処理炉Xは、内部に多数の発熱体41を備えた発熱部4を収容することができる容積をもった大きさに形成し、図2に示すように、炉内の周囲を1300℃以上の高温に耐える耐熱材31を用いて炉内を密閉状態に囲う。
図2は、1300℃以上の高温に対応させて、厚手の板状に形成した耐熱材31を3層重ねて貼り合わせ、耐熱性能を高めた態様を示す。
【0031】
前記発熱部4は、高温処置炉Xの内部の下部から中間部にかけて、遠赤外線放射機能を備えた蓄熱性を有するセラミック製の発熱体41を、相互間にガスが通過可能な間隙を形成して多数装着した構造とする。
該発熱体41には、遠赤外線を発するセラミック製で、蓄熱性に優れ、高温に加熱されるとその熱を貯えて、自ら発熱する材料を使用する。
例えば、炭化ケイ素を主成分とし、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素等を含むセラミックを管体に形成してこれを焼結したものが使用できる。
該発熱体41は、図2では管状の発熱体41を使用した形態を示すが、この他に棒状、板状、ブロック状等にセラミックを形成した発熱体も使用可能である。
【0032】
前記管状の発熱体41は、高温処理炉X内に分配されて耐熱31の炉壁に固定されるが、例えば、下段域には相互に間隙を取って縦置きに底壁に差し込んで装着し、中段域には相互に間隙を取って横置きに側壁に差し込んで装着し、上段域には相互に間隙を取って横置きに側壁に差し込んで装着した形態が可能である。
上記例示した配置では、下段域と中段域の発熱体群との間は夫々間隔を設けて分配した態様を示す。
なお、発熱体41は炉の処理能力や大きさ等によって、最適なサイズ、本数、取り付け間隔、配置等を決めるので、各段の分配を上記態様に限定するものではない。
【0033】
そして、炉内の上段域に設けた発熱体41の上方は空洞とし高温処理空間30を備えた高温処理部3を設ける。
又、該高温処置炉Xの下部には、前記熱交換器Cから移動したガスGを、ダクト11を介して炉内へ供給するためのガス受入部21を備える。
該ガス受入部21は、図2に示すように、側面下部に開口するか、又は図示はしていないが底面に開口することもできる。
【0034】
又、高温処置炉Xの外部の下部には加熱部4を設ける。
該加熱部4は、ノズル52を槽内の下部へ向けて差し込んだバーナー51を有し、該バーナー51は、下段域の発熱体41群を加熱させるもので、燃料はガスやオイルが使用できる。
該バーナー51のノズル52は、図2に示すように、下段域の発熱体41群の下からガスGが入るように底面に設けるか、又は図示はしていないが下段域の発熱体41群の横からガスが入るように側面下部に設けることもできる。
【0035】
又、該高温処置炉Xには高温処理空部3の温度を制御して高温に保持するための高温保持部6を設ける。
炉内の温度の制御は、高温処理空間30の温度を、例えば最低でも800℃の高温に保持するために、炉内に高温処理空間30に向けて温度センサ61を設け、高温処理炉Xの内部が900℃を超えたことを温度センサ61が検出したら、温度センサ61に接続した温度コントローラ60によってバーナー51の稼働を停止させることで行う。
又、炉内が800℃以下に低くなったことを温度センサ61が検出したら、前記温度コントローラ60によってバーナー51を稼働させて温度を上げる。
即ち、バーナー51の稼働は、常時稼働するものではなく、稼働開始時の低温状態にあるときや、一時的に炉内温度が800℃よりも低下したときに稼働させて温度を800℃以上に上げるためのものである。
【0036】
前記高温処理空間30内の高温状態でガスGは自らが燃焼して熱エネルギを発生する。
従って、一旦通常の稼働状態に入ると、高温処理空間30内は、加熱されて高い温度となっている周囲の耐熱材31の高い温度に、発熱体41の蓄熱した熱エネルギによる発熱と、ガスGが酸素と化合して発生する発熱とが加わりって800℃~1300℃の高温状態が保持される。
このため、800℃以上の高温に保持されている間はバーナー51の稼働は一時的に停止しておくことができる。このため燃料の節約が可能となる。
高温の気体は上昇する性質があり、前記高温処理炉Xのガス受入部21から入ったガスGは、発熱体41間を上昇し、その発熱体41の隙間を通過するときに、発熱体41によって加熱され温度勾配に従って温度を上げつつ上昇し、高温処理空間30に至って800℃から1300℃となる。
【0037】
そして、一旦通常の稼働状態に入ると、処理槽Aで有機物Pが磁化空気Mにより熱分解され発生したガスGは、熱交換器Cで200℃前後の温度で乾質化されて、高温処理炉X下部のガス受入部21から高温処置炉X内に入る。
該高温処置炉Xでは、ガスGは加熱されて発熱状態となっている発熱体41間を通って温度を上げつつ炉内を上昇し、800℃以上の高温となっている高温処理空間30に到達する。
高温処理空間30内では800℃以上の高温環境下で、ガスGと酸素とが反応し、無害な二酸化炭素ガスと水とに変化する。
なお、その反応では、磁化空気供給機構105から処理槽Aの内部へ供給される磁化空気M中の酸素が処理槽A内で一部が消費されるが、残された酸素が処理槽Aで発生するガスG中に含まれて該高温処置炉Xに入って高温環境下で消費されることとなる。
【0038】
そして、該高温処置炉Xで有機物の熱分解で発生したガスGが無害化されることで発生した水蒸気と二酸化炭素を含むガスGはダクト12を介して次の冷却処理槽Yの上部へ移動させる。
【0039】
前記冷却処理槽Yは、図1及び図3に示すように、内部に水Wを充填して全周を密閉した槽の外周をグラスウール等の断熱材79で覆い、水中で蛇行した連通筒71内にガスを上から下へ流通させて、ガスと水との熱交換によりガスを冷却させる冷却部7を備える。
該冷却部7は、前記高温処置炉Xに連通するよう槽の上部に設けたガス受入部23と槽の底部に設けたガス送出部24との間に前記連通筒71の上端と下端を連結する。
又、前記ガス送出部24には、前記連通筒71内のガスを槽の上部から下部へ強制的に移動させるためのブロワ10を連結する。
該ブロワ10はダクト13の先に装着し、連通筒71内から排出したガスGはダクト13末端の排出口25から大気中に放出する。
前記ガス受入部23は、前記高温処理炉Xの高温処理空部3とダクト12を介して連通可能に接続する。
又、前記ガス送出部24は、前記連通筒71内のガスを槽の上部から下部へ強制的に移動させるためのブロワ10とダクト13を介して接続する。そして、ブロワ10の稼働で連通筒71内から吸引されたガスGは排出口25から大気中に放出させる。
このように、前記冷却処理槽Yでは、高温処理炉XではガスGを炉内に上昇させるのに対して、逆に、連通筒71内の高温のガスGを自然の上昇力に抗して強制的にブロワで下方へ引き下げるものである。
【0040】
前記冷却部7に800℃の高温のガスが入ると、前記連通筒71の壁面に接触した水は高温で水蒸気となり嵩が急激に膨張するが、槽内の上部は密閉されているので、そのままでは槽内は高温高圧状態となってしまう。
そのため、槽上部の冷却部7の上方に水蒸気放出部8を設ける。
該水蒸気放出部8は、水蒸気を外部に放出させて槽内を減圧させる安全弁81付きの水蒸気放出管を槽璧に貫設した構造とすることができる。
この水蒸気放出部8では、該安全弁81が設定した高圧状態に達したら自動的に開かれることで水蒸気が外部に放出されて槽内が高圧状態となるのを防ぐことが可能となる。
なお、槽上部には、水蒸気を熱源として利用するための配管を別に設けても良い。
【0041】
又、槽の底部には、槽内へ水を供給する給水部92と、過剰な水を槽外へ排出する 水部93とを設ける。
そして、槽内の水位が設定した範囲に保持されるよう水位保持部9を設ける。
該水位保持部9は、槽の上部に設けた水位センサ91で水位を常に検知し、槽の底部の設けた前記給水部92の給水管92a及び排水部93の排水管93aの電磁バルブ92b、93bの開閉を水位コントローラ90で制御して槽内の水位を設定した水位の範囲に維持できるようにする。
前記給水管92aに水道の給水管を接続した場合には、電磁バルブ92bを開ければ水道の送水圧でポンプアップせずに水Wが槽内に供給できる。
また、該給水管92aには強制的に水を供給して槽内の水位を確実に維持できるように高圧ポンプを設けて水位を制御することもできる。
【0042】
水で冷却する場合、例えば、800℃以上の高温のガスGにより冷却部7が加熱され800℃以上の高温となると、そこに接触した水は瞬時に水蒸気となり、容積が急激に膨張する。
その際、仮に、槽の下部から高温のガスGを入れて、熱交換を行おうとすると、槽の下で膨張した水蒸気の多量の気泡を水で上から抑えた状態となり、槽全体が急激に高圧となって槽が破壊されてしまう。又、槽内を減圧しようと上部を開放すると水が吹き上がって槽内の水が一気に無くなってしまい冷却機能が果たせなくなる。従って、このように槽の下部から高温のガスGを入れるのは好ましくない。
【0043】
これに対して、本発明では、槽の上部のガス受入部23から高温のガスGを入れるので槽上部では冷却部7の周囲で多量の水蒸気が発生するが、槽上部に設けた水蒸気放出部8から発生した水蒸気を槽外に逃がしつつ、下へ行く程低温となる温度勾配に従って時間をかけて徐々に140℃から160℃程度以下まで冷却することが可能となる。
【0044】
前記高温処理炉X及び前記冷却処理槽Y内の処理するガスGの移動は、各ダクト11、12、13は通路が全て連通しているので、冷却処理槽Yの連通筒71の下端に繋がるダクト13に設けたブロワ10の稼働で行い、投入する有機物の量やガスGの処理状況に応じて移動速度の調節を行うことができる。
【0045】
そして、前記高温処理炉Xの高温処理空間30内の高温のガスGが、前記ブロワ10の稼働で連通筒71内に吸引され、連通筒71の上端から水W中を左右に屈曲しつつ水Wで水の温度勾配に従って徐々に冷却されつつ下方向に向けて進行し、連通筒71の下端からダクト13を通りブロワ10で排出口25から強制的に外部へ排出されることとなる。
【0046】
又、冷却処置槽Y内の水W中を上下に連通する交換換部7の連通筒71については、ガスGを通過させて水との熱交換が効率良くできる機能が必要であり、これには各種形態が可能である。
例えば、図3に示す形態では、該連通筒71は、直立した径の大きな大径円筒部72と、該大径円筒部72と高さはほぼ等しいが径は小さい小径円筒部75とを上下方向交互に複数接続したものである。
この形態では、大径円筒部72は、筒上面を覆う上面板72aと筒下面を覆う下面板72bとを備え、上面板72aには片寄せ偏心させた上側連通口73を設け、下面板72bには上側連通口73の反対側に片寄せ偏心させた下側連通口74を設ける。
そして、該上側連通口73には上側の小径円筒部75を接続し、下側連通口74には下側の小径円筒部75を接続し、この構造を上下に繰り返し連続させて1本の連通した連通筒71を形成する。
【0047】
又、前記大径円筒部72内に、ガスを周壁面側に寄せて流通可能とするガス誘導壁76を設ける。
該ガス誘導壁76は、下側の小径円筒部75を接続するために片寄せさせた下側連通口74を囲うように壁面を湾曲させると共に該壁面の両端辺と大径円筒部72の周壁面72cとの間隔を離してガスが流通可能な隙間77を形成する。そして、壁面上部を上面板72aに固着し、壁面下部を下面板72bに固着する。
この形態では、該ガス誘導壁76の両端辺と筒の周壁面72cとの間にガスGが流れる流路が形成される隙間77を開設したことで、ガスが低温の水に近い周壁面側を通過し、高温のガスを効率良く冷却させることが可能となる。
その際、連通筒71の小径円筒部75にはフィン78を設ければ熱の交換効率が高まりより効率良く熱交換される。
【0048】
上述した有機物Pの熱分解で生成され処理槽Aの内部を上昇した高温のガスGは、熱交換器Cに入り、その内部で冷却されてガスGに含まれている水分と共に炭化水素を含む有機物が液体化されて液化ガスLとなり、該液化ガスLはドレン型の熱交換器Cの本体部141内の底部に貯留され、ドレンに臨んだ導入管143aから導かれる。
該炭化水素等が液体化した液化ガスLは一旦トラップ管143bに貯められ、やがて先端部から滴となって気化室145に入り、直下にある気化室145底部の加熱皿145aに落下する。
該気化室145の外側周囲には加熱空間146が形成され、該加熱空間146の一方に配した暖気の取入口146aが連結路147の連結管147aを介して冷却処理槽Yの冷却部7に配設された排出口25と連結しているので、排出口25を出たガスGが加熱空間146へと導入される。
すると、排出口25に至ったガスGは冷却処理槽Yを経由して温度の低下したものであるが、なお140~160℃程度の余熱を保持している状態にある。従って、その余熱を保持した暖気が加熱空間146に導入されると、外側を囲った気化室145の加熱皿145a及びその周囲を暖め、滴下された液化ガスLの温度を上昇させ、やがて気化させるよう作用する。
この加熱空間146を巡った気体は、加熱空間146の他方に配されたダクト10に継る排気口146bから、そのまま無害化された形態で系外へと放出される。
【0049】
一方、上記気化室145で気化したガス体は、同室内を上昇して送気口145bに至り、送気管145cを介して、処理槽Aの上部の熱交換器Cと高温処理炉Xとの間のダクト11へと編入される。
すると、該ダクト11はガスGを高温処置炉Xの下部のガス受入部21に導くものであるから、そこに編入された気体は、そのまま高温処置炉X及び冷却処理槽Yによる無害化処理を受けるものとなる。つまり、高温処置炉Xによる無害化作用及び冷却処理槽Yによる冷却作用を受けて、上記有機物処理装置と同様液化ガスLが無害なものとして処理されることになる。
【0050】
又、導入路のもう一つの態様として設けたダクト導入路144にあっては、ダクト11の一部に継げて導入管144aを配し、その末端を加熱皿145aの真上に位置するように配設したので、上記本体導入路143と同様にそれが加熱により気化されたものとなり、気化後にはダクト11へと編入される。
【0051】
本発明は以上の如くであり、前記処理槽Aに投入された有機物Pを熱分解させ、発生した燃焼灰は排出させて埋立地などに廃棄処分することができる。
一方、有機物Pの燃焼で発生したガスGは高温処理炉Xで無害化され、更に冷却処理槽Yで冷却されて大気中に放出されることとなる。
なお、規模によっては、高温処理炉X及び冷却処理槽Yを複数基設けることも可能であり、又、排気されたガスGは常温より高いので、その熱を乾燥機等に有効利用することができ、又、発生する水蒸気は給湯器の加熱や発電機のボイラーの稼動等に供することができる。この場合には冷却処理槽Y内へポンプで積極的に水を供給すれば冷却処理槽Yの上部から得られる多量の水蒸気を外部に導き出して利用することもできる。
なお、前記高温処理炉Xと冷却処理槽Yは、高温の気体の上昇する性質に合わせて処理槽Aに上に設置することはせず、高温のガスGをブロワで強制的に移動させることで処理槽Aと同じ高さの設置面に並べて設置することができ、高く嵩張ることなく全体をコンパクトにすることが可能となる。
又、液化ガス処理機構Dを付加すれば、処理に困る本発明有機物処理装置の操作の過程で生まれる液化ガスLを処理することができ、その機構は、処理層Aと高温処理炉X及び冷却処理槽Yの連携を活用し、且つ、その熱源に冷却処理槽Yを経由した140~160℃程度の余熱を含む暖気が活用できる等の合理的なものとなる。
【産業上の利用可能性】
【0052】
本発明は、廃棄物処理施設や各種有機物が排出される工場等の廃棄物を処理するための設備の中で等で広く利用することが可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6