(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】ロボット用二関節モジュール及びそれを適用した歩行ロボットと協働ロボットアーム
(51)【国際特許分類】
B25J 17/00 20060101AFI20220916BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20220916BHJP
【FI】
B25J17/00 E
B25J5/00 C
(21)【出願番号】P 2021546416
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(86)【国際出願番号】 CN2019106110
(87)【国際公開番号】W WO2020078158
(87)【国際公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-04-19
(31)【優先権主張番号】201811222243.4
(32)【優先日】2018-10-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521161428
【氏名又は名称】杭州宇▲樹▼科技有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】王▲興▼▲興▼
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼知雨
【審査官】松浦 陽
(56)【参考文献】
【文献】特開平01-274976(JP,A)
【文献】特開昭60-052289(JP,A)
【文献】特開昭61-056889(JP,A)
【文献】特開2017-184430(JP,A)
【文献】特開2010-178451(JP,A)
【文献】特開2012-223081(JP,A)
【文献】特開平08-322188(JP,A)
【文献】特開平10-322973(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102011084092(DE,A1)
【文献】欧州特許出願公開第03270000(EP,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00 - 21/02
H02K 16/00
H02K 7/00 - 7/20
H02K 11/20 - 11/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一モータ・減速機アセンブリ(1)からなる第一関節と、第二モータアセンブリ(2)と第二減速機(6)とからなる第二関節とを含む高統合度のロボット用二関節モジュールであって、前記第二モータアセンブリ(2)の固定端は第一モータ・減速機アセンブリ(1)の固定端に固定接続され、前記第二モータアセンブリ(2)の出力端は第一モータ・減速機アセンブリ(1)を通って第二減速機(6)を駆動
し、
前記第一モータ・減速機アセンブリ(1)は第一モータフレーム(14)と、第一モータ固定子と、第一モータ回転子(7)と、第一減速機(5)と、第一モータフロントエンドカバー(16)とを含み、前記第二モータアセンブリ(2)は第二モータフレーム(15)と、第二モータリアエンドカバー(13)と、第二モータ固定子と、第二モータ回転子(8)と、ドライブロッド(9)とを含み、前記第一モータ固定子は第一モータフレーム(14)に固定接続され、前記第一モータ回転子(7)は第一モータフレーム(14)に回転接続され、前記第一減速機(5)は第一モータフレーム(14)と第一モータフロントエンドカバー(16)との固定接続によるキャビティ内に置かれ、前記第二モータ固定子は第二モータフレーム(15)に固定接続され、前記第二モータ回転子(8)は第二モータフレーム(15)に回転接続され、前記第二モータリアエンドカバー(13)は第二モータフレーム(15)に固定接続され、前記ドライブロッド(9)は前記第二モータアセンブリ(2)の出力軸として前記第二モータ回転子(8)に固定接続されながら、前記第二減速機(6)の入力ギアに接続され、前記第二モータフレーム(15)は前記第一モータ・減速機アセンブリ(1)に固定接続されており、
前記第一モータ・減速機アセンブリ(1)の出力軸に第一出力リンク(3)が固定され、前記第一出力リンク(3)は第一筐体(31)と第二筐体(32)とを含み、前記第一モータ・減速機アセンブリの出力軸は前記第一筐体(31)の一側に固定接続され、前記第一筐体(31)と前記第二筐体(32)は固定接続されて収納室が出来、前記第二減速機(6)は前記収納室内に設けられ、前記ドライブロッド(9)は前記第一モータ・減速機アセンブリ(1)の回転中心を通って前記収納室まで延びることで、前記第二減速機(6)の入力軸となり、
前記第二減速機(6)の出力端に第二関節出力ロッカアーム(10)が設けられ、前記収納室内に接続ロッド(11)が設けられ、前記接続ロッド(11)は一端が前記第二関節出力ロッカアーム(10)に回転接続され、他端が第二出力リンク(4)に回転接続され、前記第二関節出力ロッカアーム(10),前記接続ロッド(11),前記第一出力リンク(3)及び前記第二出力リンク(4)によりリンク式動力伝達が構成されており、
前記ロボット用二関節モジュールは、前記第一モータフレーム(14)の側部に設けられた第一モータドライバ(19)と、前記第二モータフレーム(15)の側部に設けられた第二モータドライバ(20)とをさらに含み、前記第一モータフレーム(14)と第二モータフレーム(15)に放熱ファンが設けられていることを特徴とする高統合度のロボット用二関節モジュール。
【請求項2】
前記第一モータ・減速機アセンブリ(1)は第二モータアセンブリ(2)の固定端に螺合や溶接や鋲接やほぞ接ぎやピン接合されていることを特徴とする、請求項1に記載の高統合度のロボット用二関節モジュール。
【請求項3】
前記第一モータ・減速機アセンブリ(1)の出力軸に第一出力リンク(3)が固定され、前記第二減速機(6)は前記第一出力リンク(3)内に設けられ、前記第二モータアセンブリ(2)はドライブロッド(9)を介して前記第二減速機(6)を駆動することを特徴とする、請求項1に記載の高統合度のロボット用二関節モジュール。
【請求項4】
前記第一モータ回転子(7)と第一モータフレーム(14)との間に第一エンコーダが取り付けられ、前記第二モータ回転子(8)と前記第二モータフレーム(15)との間に第二エンコーダが取り付けられていることを特徴とする、請求項
1に記載の高統合度のロボット用二関節モジュール。
【請求項5】
請求項1~請求項
4のいずれか
1項に記載のロボット用二関節モジュールとボディ(100)とを備え、前記第一モータ・減速機アセンブリ(1)は前記ボディ(100)に回転接続されていることを特徴とする歩行ロボット。
【請求項6】
請求項1~請求項
4のいずれか
1項に記載のロボット用二関節モジュールとベース(200)とを備え、前記第一モータ・減速機アセンブリ(1)は前記ベース(200)に回転接続されていることを特徴とする協働ロボットアーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はロボット関節の技術分野に関し、特に高統合度のロボット用二関節モジュール構造に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、工業向けロボットアームや高性能歩行ロボットはいずれも、関節動力モジュールに対する要求が高いものである。統合度が高くて動力が十分で、構造がコンパクトになりながら出力回転慣性が小さくなる関節モジュールは両者の要望となっている。従来のロボット関節は、単一のモータと減速機を統合した関節動力モジュールを用いることが一般的であり、そして、歩行ロボットやロボットアームへ実際に適用される場合、複数の関節動力モジュールを直列連結させた組合せ構造が採用されることになる。
【0003】
しかし、従来による二つの動力モジュールを直列連結させた関節動力モジュール構造は以下のような短所があった。
1.第一の動力モジュールは、その自体の出力軸に固定された第二の動力モジュールを動かして運動させなければ、外へモーメントを出力できず、第二の動力モジュールは第一の動力モジュールに対する負荷となるから、従来の関節動力モジュール構造によれば、第一の動力モジュールの作動に際して追加の回転慣性や負荷及び消費電力が生じ、極めてロボットの運動性能へ制限をもたらしてしまった。
2.歩行ロボットへの適用では、例えば2017年03月10日に開示された出願番号201720232286.5の中国特許には電気駆動型四足ロボットの脚部動力システム構造が開示されており、もも関節と膝関節を構築する場合、ももとすねのそれぞれに対応する二つの動力関節モジュールを直列連結させて関節動力モジュール構造とし、ももの動力モジュールとすねの動力モジュールは一般にもも構造の両側に設けられていることで、ロボットが運動する場合、脚部構造の一部はボディから外側へ突出するようになるので、この突出部分は外部環境と干渉しやすい一方、ロボットが転倒した場合、この突出部分は地面へ衝突して破損しやすいようになってしまった。
3.歩行ロボットへの適用では、例えば2017年03月10日に開示された出願番号201720232286.5の中国特許には電気駆動型四足ロボットの脚部動力システム構造が開示されており、もも関節と膝関節を構築する場合、ももとすねのそれぞれに対応する二つの動力関節モジュールを直列連結させて関節動力モジュール構造としていることで、第一関節が回転すると、第二関節の第二モータはいつも第一関節とともに運動するようになるから、第二モータへの配線は非常に困難になって信頼性がなくなった。従来技術では、導電性スリップリングを使用することで上記問題を解決できるが、導電性スリップリングの原因でロボットの構造が複雑になり、また、ケーブルで直接接続すれば、線材の疲労強度に対する要求が非常に厳しくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の問題点を解決するために、本発明は高統合度のロボット用二関節モジュールを提供することをその目的の一つとし、第二モータアセンブリの固定端は第一モータ・減速機アセンブリの固定端に固定されており、一般的なロボット関節の直列連結構造のように第二モータの固定端を第一モータ・減速機アセンブリの出力端に固定するものではなく、さらに、このロボット用二関節構造の二つの出力軸はいずれも出力慣性が小さくなり、第二関節の第二モータアセンブリへの動力ケーブルも不要になる。
【0005】
本発明は、上記した高統合度のロボット用二関節モジュールを備える歩行ロボットを提供することをもう一つの目的とし、第二モータはももの外側ではなくももの内側に置かれて第一モータ・減速機アセンブリに固定されていることで、この歩行ロボットは耐衝撃性に優れ関節が破損しにくくなるとともに、配線しやすくてケーブル品質への要求が低下し、また、ロボットの脚部構造が一層コンパクトかつ合理的なものとなる。
【0006】
本発明は、上記した高統合度のロボット用二関節モジュールを備える協働ロボットアームを提供することをそのさらなる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的の一つは以下のような手段で実現される。
第一モータ・減速機アセンブリからなる第一関節と、第二モータアセンブリと第二減速機とからなる第二関節とを含む高統合度のロボット用二関節モジュールであって、前記第二モータアセンブリの固定端は第一モータ・減速機アセンブリの固定端に固定接続され、前記第二モータアセンブリの出力端は第一モータ・減速機アセンブリを通って第二減速機を駆動する高統合度のロボット用二関節モジュール。
【0008】
さらには、前記第一モータ・減速機アセンブリは第二モータアセンブリの固定端に螺合や溶接や鋲接やほぞ接ぎやピン接合されており、螺合は着脱とメンテナンス及び部品の交換がしやすいために好ましい。
【0009】
さらには、前記第一モータ・減速機アセンブリの回転中心にはドライブロッドを貫通させるための貫通孔が開口され、第一モータ・減速機アセンブリの出力軸に第一出力リンクが固定され、前記第二減速機は前記第一出力リンク内に設けられ、前記第二モータアセンブリはドライブロッドを介して前記第二減速機を駆動する。
【0010】
さらには、前記第一モータ・減速機アセンブリは第一モータフレームと、第一モータ固定子と、第一モータ回転子と、第一減速機と、第一モータフロントエンドカバーとを含み、前記第二モータアセンブリは第二モータフレームと、第二モータリアエンドカバーと、第二モータ固定子と、第二モータ回転子と、ドライブロッドとを含み、前記第一モータ固定子は第一モータフレームに固定接続され、前記第一モータ回転子は第一モータフレームに回転接続され、前記第一減速機は第一モータフレームと第一モータフロントエンドカバーとの固定接続によるキャビティ内に置かれ、前記第二モータ固定子は第二モータフレームに固定接続され、前記第二モータ回転子は第二モータフレームに回転接続され、前記第二モータリアエンドカバーは第二モータフレームに固定接続され、前記ドライブロッドは前記第二モータアセンブリの出力軸として前記第二モータ回転子に固定接続され、前記ドライブロッドは前記第二減速機の入力ギアに接続され、ドライブロッドの第二減速機に近い一端は軸受を介して第一出力リンク又は第二減速機に回転接続されていることで、ドライブロッドが長すぎることによるドライブロッドの不安定化が防止される。前記第二モータフレームは前記第一モータ・減速機アセンブリに固定接続されている。本発明は解決手段が詳しく、構造がコンパクトで、生産・製造しやすいものとなる。
【0011】
さらには、前記第一モータ回転子と第一モータフレームとの間に第一エンコーダが取り付けられ、前記第二モータ回転子と前記第二モータフレームとの間に第二エンコーダが取り付けられていることで、第一モータ回転子と第二モータ回転子に対する個別制御が実現され、さらに、二関節モジュールの二方向出力が実現されている。
【0012】
さらには、前記第一モータ・減速機アセンブリの出力軸に第一出力リンクが固定され、前記第一出力リンクは第一筐体と第二筐体とを含み、前記第一モータ・減速機アセンブリの出力軸は前記第一筐体(31)の一側に固定接続され、前記第一筐体と前記第二筐体は固定接続されて収納室が出来、前記第二減速機は前記収納室内に設けられ、前記ドライブロッドは前記第一モータ・減速機アセンブリの回転中心を通って前記収納室まで延びることで、前記第二減速機の入力軸となり、そのため、本発明は構造がコンパクトで、解決手段が合理的で、生産・製造しやすいものとなる。
【0013】
さらには、前記第二減速機の出力端に第二関節出力ロッカアームが設けられ、前記収納室内に接続ロッドが設けられ、前記接続ロッドは一端が前記第二関節出力ロッカアームに回転接続され、他端が前記第二出力リンクに回転接続され、前記第二関節出力ロッカアーム,前記接続ロッド,前記第一出力リンク及び前記第二出力リンクによりリンク式動力伝達が構成され、第一出力リンクと第二出力リンクの互いの個別移動が実現されて二関節構造が形成され、構造がコンパクトになり、解決手段が合理的なものとなる。
【0014】
さらには、前記ロボット用二関節モジュールは、前記第一モータフレームの側部に設けられた第一モータドライバと、前記第二モータフレームの側部に設けられた第二モータドライバとをさらに含み、前記第一モータフレームと第二モータフレームに放熱ファンが設けられている。本発明では、第一モータ・減速機アセンブリと第二モータアセンブリは集中されているため、一つの放熱ファンだけで熱源を一括して放熱させることが可能になり、多すぎる放熱ファンを設ける必要がなく、さらに脚部構造の重量の低下を図っている。
【0015】
本発明のもう一つの目的は以下のような手段で実現される。
上記のロボット用二関節モジュールとボディとを備え、前記第一モータ・減速機アセンブリは前記ボディに回転接続されている歩行ロボット。
【0016】
本発明のさらなる目的は以下のような手段で実現される。
上記のロボット用二関節モジュールとベースとを備え、前記第一モータ・減速機アセンブリは前記ベースに回転接続されている協働ロボットアーム。
【発明の効果】
【0017】
従来技術に比べ、本発明は以下の有益な効果がある。
1.本発明では、第一関節は貫通して第二関節に接続され、第二モータアセンブリの固定端は第一関節のハウジングに固定されており、一般的なロボット関節の直列連結構造のように第二モータアセンブリの固定端を第一モータ・減速機アセンブリの出力端に固定するものではなく、従来の解決手段に比べると、本発明によれば、このロボット用二関節構造の二つの出力軸はいずれも出力慣性が小さくなり、第一モータの仕事が軽減されてエネルギ消費が低減し、構造がよりコンパクトになるとともに、第二関節の第二モータアセンブリへの動力ケーブルも不要になり、第二モータアセンブリの配線難易度及びケーブル品質への要求が低下し、構造が簡略化されている。本発明では、第一関節と第二関節を互いに嵌着させることは巧みな考えになって従来の技術的偏見を克服しており、構造が簡単かつ実用的なものとなり、解決手段が実際に実行可能なものである。
【0018】
2.本発明による高統合度のロボット用二関節モジュールは、第一モータ・減速機アセンブリと第二モータアセンブリはいずれも第一出力リンクの内側に設けられ、このような第一モータ・減速機アセンブリと第二モータアセンブリの配置によれば、第一出力リンクの外側はボディに対して顕著に突出する部分がなく、ロボットの稼働中に外部環境と干渉することがなく、そしてロボットが転倒した場合、この部分が地面へ衝突して破損することもない。
【0019】
3.本発明による高統合度のロボット用二関節モジュールは、第一モータ・減速機アセンブリと第二モータアセンブリを集中しており、モータについて放熱構造を設計する場合、熱源を一括して放熱させることが可能になり、多すぎる放熱ファンを設ける必要がなく、さらに脚部構造の重量の低下を図っている。
【0020】
4.本発明による高統合度のロボット用二関節モジュールは、第一出力リンクの重量を低下させており、第一出力リンクが回転する場合、動力性能がより高くなる。
【0021】
5.本発明による高統合度のロボット用二関節モジュールは、モータの配線は大部分がボディ内において行われ、ボディ外に現れるのが少なくなり、より良好に線材を保護可能である。
【0022】
6.本発明による歩行ロボットは、その脚部における第一モータ・減速機アセンブリと第二モータアセンブリはいずれも第一出力リンクの内側に設けられているため、第一出力リンクの外側はボディに対して顕著に突出する部分がなく、ロボットの稼働中に外部環境と干渉することがなく、そしてロボットが転倒した場合、この部分が地面へ衝突して破損することもない。また、第二関節の第二モータアセンブリへの動力ケーブルも不要になり、第二モータアセンブリの配線難易度及びケーブル品質への要求が低下し、構造が簡略化されている。本発明では、第一関節と第二関節を互いに嵌着させることは巧みな考えになって従来の技術的偏見を克服しており、構造がコンパクトかつ実用的なものとなり、解決手段が実際に実行可能なものである。
【0023】
7.本発明による協働ロボットアームは、その第一モータ・減速機アセンブリと第二モータアセンブリはいずれも第一出力リンクの内側に設けられているため、第一出力リンクの外側はベースに対して顕著に突出する部分がなく、ロボットの稼働中に外部環境と干渉することがない。
【0024】
以下、図面と実施の形態に合わせて本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図4】本発明を四足ロボットに適用した場合の模式図である。
【
図5】本発明を協働ロボットアームに適用した場合の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面及び実施の形態に合わせて本発明をさらに説明するが、衝突しない限り、以下に述べる各実施例や各技術的特徴は任意に組み合わせて新しい実施例とすることができるのは了解されたい。
【0027】
図1と
図2に示されるように、高統合度のロボット用二関節モジュールは、第一モータ・減速機アセンブリ1からなる第一関節と、第二モータアセンブリ2と第二減速機6とからなる第二関節とを含み、第一モータ・減速機アセンブリ1の出力軸に第一出力リンク3が固定され、第二減速機6は第一出力リンク3内に設けられ、第二モータアセンブリ2はドライブロッド9を介して第二減速機6を駆動する。
【0028】
第一モータ・減速機アセンブリ1は第一モータフレーム14と、第一モータ固定子と、第一モータ回転子7と、第一減速機5と、第一モータフロントエンドカバー16とを含み、第二モータアセンブリ2は第二モータフレーム15と、第二モータリアエンドカバー13と、第二モータ固定子と、第二モータ回転子8と、ドライブロッド9とを含み、第一モータ固定子は第一モータフレーム14に固定接続され、第一モータ回転子7は第一モータフレーム14に回転接続され、第一減速機5は第一モータフレーム14と第一モータフロントエンドカバー16との固定接続によるキャビティ内に置かれ、第二モータ固定子は第二モータフレーム15に固定接続され、第二モータ回転子8は第二モータフレーム15に回転接続され、第二モータリアエンドカバー13は第二モータフレーム14に固定接続され、ドライブロッド9は第二モータアセンブリ2の出力軸として第二モータ回転子8に固定接続されながら、第二減速機6の入力ギアに接続され、第二モータフレーム15は第一モータ・減速機アセンブリ1に固定接続されている。
【0029】
第一モータ回転子7と第一モータフレーム14との間に第一エンコーダが取り付けられ、第二モータ回転子8と第二モータフレーム15との間第二エンコーダが取り付けられている。第一出力リンク3は第一筐体31と第二筐体32とを含み、第一モータ・減速機アセンブリの出力軸は第一筐体(31)の一側に固定接続され、第一筐体31と第二筐体32は固定接続されて収納室が出来、第二減速機6は収納室内に設けられ、ドライブロッド9は第一モータ・減速機アセンブリ1の回転中心を通って収納室まで延びることで、第二減速機6の入力軸となる。
【0030】
第二減速機6の出力端に第二関節出力ロッカアーム10が設けられ、収納室内に接続ロッド11が設けられ、接続ロッド11は一端が第二関節出力ロッカアーム10に回転接続され、他端が第二出力リンク4に回転接続され、第二関節出力ロッカアーム10,接続ロッド11,第一出力リンク3及び第二出力リンク4によりリンク式動力伝達が構成されている。ロボット用二関節モジュールは、第一モータフレーム14の側部に設けられた第一モータドライバと、第二モータフレーム15の側部に設けられた第二モータドライバとをさらに含み、第一モータフレーム14と第二モータフレーム15に放熱ファンが設けられている。
【0031】
本発明による高統合度のロボット用二関節モジュールにおける各部品の接続関係は
図3に示す通りである。そのうち、第一モータ回転子7,第二モータ回転子8,ドライブロッド9及び第二関節出力ロッカアーム10の回転中心はいずれも同一の軸線にある。
【0032】
図4に示されるように、本発明による歩行ロボットはボディ100と、ボディ100に回転接続される第一出力リンク3と、第一出力リンク3に回転接続される第二出力リンク4とを備え、第一出力リンク3は側部から内へ第一モータ・減速機アセンブリ1と第二モータアセンブリ2が軸方向に順に設けられ、第一モータ・減速機アセンブリ1は、ボディ100に対して第一モータ・減速機アセンブリ1の軸線まわりに回転させるように第一出力リンク3を駆動するためのものであり、第二モータアセンブリ2は、第一出力リンク3に対して回転させるように第二出力リンク4を駆動するためのものであり、第一モータ・減速機アセンブリ1と第二モータアセンブリ2は第一出力リンク3のボディ100内部を向く側に設けられている。
【0033】
第一モータ・減速機アセンブリ1は軸方向に設けられた第一モータと第一減速機5とを含み、第一モータは、ボディ100に対して第一モータ・減速機アセンブリ1の軸線まわりに回転させるように第一減速機5を介して第一出力リンク3を駆動するものであり、第二モータアセンブリ2は軸方向に設けられた第二モータと第二減速機6とを含み、第二モータは、第一出力リンク3に対して回転させるように第二減速機6を介して第二出力リンク4を駆動するものである。
【0034】
第一減速機5には遊星歯車減速機が採用可能であり、第一減速機5の出力端は第一筐体31に固定接続され、第一減速機5の入力端は第一モータフレーム14と第一モータフロントエンドカバー16とによるキャビティ内に置かれている。第一筐体31と第二筐体32とにより収納室が出来、第二減速機6は収納室内に設けられ、即ち、第二減速機6は第一出力リンク3内部に設けられ、第二モータは第二モータ回転子8を含み、第二モータ回転子8の回転中心にドライブロッド9が固設され、ドライブロッド9は第一モータ・減速機アセンブリ1の回転中心を通って収納室まで延びながら第二減速機6の入力端に接続され、第二モータはドライブロッド9を介して第二減速機6へ動力を伝え、ドライブロッド9は直接第二モータに駆動され、その回転が第一モータ・減速機アセンブリ1からの影響を受けていない。
【0035】
第二減速機6の出力端に第二関節出力ロッカアーム10が接続され、収納室内に接続ロッド11が設けられ、接続ロッド11は一端が第二関節出力ロッカアーム10に回転接続され、他端が第二出力リンク4に回転接続され、即ち、第二モータアセンブリ2は第一出力リンク3に対して回転させるように接続ロッド11を介して第二出力リンク4を駆動するものであり、第一回転中心41は第二出力リンク4が第一出力リンク3のまわりに回転する回転中心であり、第二回転中心42は接続ロッド11が第二出力リンク4に対して回転する回転中心であり、第二関節出力ロッカアーム10,接続ロッド11,第一出力リンク3及び第二出力リンク4の四つにより反平行四辺形の四棒リンク型駆動機構が構成されている。
【0036】
第二モータは第二モータフレーム15と第二モータリアエンドカバー13とを含み、第二モータフレーム15の内側には第二モータ回転子と嵌合する第二モータ固定子が設けられ、第一モータは第一モータ回転子7と第一モータフレーム14とを含み、第二モータリアエンドカバー13と第二モータフレーム15とにより第一配置室が出来、第二モータ回転子8は第一配置室内に設けられ、第二モータフレーム15と第一モータフレーム14とにより第二配置室が出来、第一モータ回転子7は第二配置室内に設けられ、第一モータ回転子7は軸受を介して第一モータフレーム14に回転接続され、第一モータフレーム14と第一筐体31とにより第三配置室が出来、第一減速機5は軸受を介して第三配置室内に置かれている。第一モータフレーム14の外側に回転スタンド12が設けられ、第一モータフレーム14は回転スタンド12を介してボディ100に回転接続されている。第一モータ回転子7と第一モータフレーム14との間にエンコーダが取り付けられ、第二モータ回転子8と第二モータフレーム15との間にもエンコーダが取り付けられている。第一モータフレーム14と第二モータフレーム15のいずれにも放熱ファンが固定され、第一モータと第二モータについて放熱を行う。第一モータ回転子7と第一モータフレーム14との間に第一エンコーダが取り付けられ、前記第二モータ回転子8と前記第二モータフレーム15との間に第二エンコーダが取り付けられている。ロボット用二関節モジュールは、第一モータフレーム14の側部に設けられた第一モータドライバと、第二モータフレーム15の側部に設けられた第二モータドライバとをさらに含む。
【0037】
このロボット用二関節モジュールは回転スタンド12を介してボディ100に回転接続され、その脚部における第一モータ・減速機アセンブリ1と第二モータアセンブリ2はいずれも第一出力リンク3のボディを向く内側に設けられているため、第一出力リンク3の外側はボディ100に対して顕著に突出する部分がなく、ロボットの稼働中に外部環境と干渉することがなく、そしてロボットが転倒した場合、この部分が地面へ衝突して破損することもない。
【0038】
図5に示されるように、本発明による協働ロボットアームは上記した高統合度のロボット用二関節モジュールを備え、このロボット用二関節モジュールは回転スタンド12を介してベース200の回転出力軸に固定接続されている。
【0039】
上記したものは本発明の好ましい実施の形態に過ぎず、それにより本発明の保護範囲を限定するわけではなく、本発明に基づく当業者によるあらゆる非実質的な変更や置換は本発明が保護しようとする範囲に含まれている。
【符号の説明】
【0040】
100…ボディ、200…ベース、1…第一モータ・減速機アセンブリ、2…第二モータアセンブリ、3…第一出力リンク、31…第一筐体、32…第二筐体、4…第二出力リンク、41…第一回転中心、42…第二回転中心、5…第一減速機、6…第二減速機、7…第一モータ回転子、8…第二モータ回転子、9…ドライブロッド、10…第二関節出力ロッカアーム、11…接続ロッド、12…回転スタンド、13…第二モータリアエンドカバー、14…第一モータフレーム、15…第二モータフレーム、16…第一モータフロントエンドカバー。