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  • 特許-プロセスコンポーネント 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】プロセスコンポーネント
(51)【国際特許分類】
   F16K 31/08 20060101AFI20220916BHJP
【FI】
F16K31/08
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020558964
(86)(22)【出願日】2019-05-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 EP2019061250
(87)【国際公開番号】W WO2019215007
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-04-01
(31)【優先権主張番号】102018003658.9
(32)【優先日】2018-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】513050121
【氏名又は名称】ゲーエーアー トゥーヘンハーゲン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(74)【代理人】
【識別番号】100142572
【弁理士】
【氏名又は名称】水内 龍介
(72)【発明者】
【氏名】アーノルド ヴォルフガング
(72)【発明者】
【氏名】プレテレブナ ジュリアス
(72)【発明者】
【氏名】マグナス ハンス ピーター
【審査官】山崎 孔徳
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-031940(JP,U)
【文献】特開昭60-078180(JP,A)
【文献】特開2001-006928(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102013113112(DE,A1)
【文献】独国特許出願公開第102009002215(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16K 31/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング(2)と、第1終端位置と第2終端位置とに移動可能な調整体(6)と、前記調整体を軸方向(L)に沿って前記第1終端位置から前記第2終端位置へ、かつその逆に移動可能である調節アセンブリとを備えるプロセスコンポーネントであって、
前記調節アセンブリは、第1電気コイル(9)と第2電気コイル(10)とを備え、
かつ、当該調節アセンブリは、前記調整体(6)に配置された第1永久磁石アセンブリ(11)と協働し、前記第1終端位置において前記調整体(6)第1機械的ストッパに当接させ
前記ハウジング(2)に、前記第1永久磁石アセンブリ(11)と協働する第2永久磁石アセンブリ(12)が設けられ、
前記調節アセンブリは、前記プロセスコンポーネントの第1接続部(3)と第2接続部(4)との間に配置され、
前記プロセスコンポーネントは、第1接続部(3)と第2接続部(4)との間の前記調整体(6)の少なくとも1つの位置において一貫した流体接続を有する、
プロセスコンポーネントにおいて、
前記第1電気コイル(9)は、通電した場合に、第1終端位置において第1永久磁石アセンブリ(11)と第2永久磁石アセンブリ(12)との間に生じる磁界を補償するように設定されており、前記第2電気コイル(10)は、前記第1電気コイル(9)に通電した場合に前記調整体(6)の運動を軸方向に生ぜしめるように設定され、
前記調整体(6)は支持体(20)を備え、
前記第1永久磁石アセンブリ(11)は、前記支持体(20)に取り付けられたゴンドラ(22)に配置されており、
第2終端位置において調整体(6)が当接して当該調整体(6)のポジションを定義する第2機械的ストッパは、切欠き(26)を有するリング(25)を備え、前記ゴンドラ(22)が前記切欠きを通過できることを特徴とする、プロセスコンポーネント。
【請求項2】
前記ハウジング(2)は弁座(17)を備え、
前記第1終端位置において前記弁座(17)と封止して協働する閉鎖要素が前記調整体(6)に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載のプロセスコンポーネント。
【請求項3】
前記第1機械的ストッパは、前記弁座(17)を備えることを特徴とする、請求項2に記載のプロセスコンポーネント。
【請求項4】
前記調整体(6)は前記閉鎖要素が皿(18)として形成され、かつ前記支持体(20)に取り付けられること、を特徴とする、請求項2又は請求項3に記載のプロセスコンポーネント。
【請求項5】
前記第2機械的ストッパは、前記第2終端位置において前記第1永久磁石アセンブリ(11)と協働する永久磁石(32)を備えることを特徴とする、請求項1~請求項4のいずれか1項に記載のプロセスコンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1請求項の前提部に記載のプロセスコンポーネント(Prozesskomponente)に関する。
【背景技術】
【0002】
食品産業、生物工学、及び薬剤学において、生産設備及び生産設備のプロセスコンポーネントの清潔性、清掃性、及び閉鎖性に極めて高い要求が課せられる。
【0003】
一種のプロセスコンポーネントでは、その内部において調整体が2つの終端位置間で動かされ、例えばバルブでは、閉鎖要素が開位置と閉位置との間で動かされる。そのため衛生状況及び無菌状況を確立するために、プロセスコンポーネントの内部を外部空間に対して封止保持すること、及び同時に内部の調整体の動きを外部空間から生ぜしめることが課題となる。
【0004】
これについて弁工学では、駆動装置と閉鎖要素とを互いに接続する切替棒の弁ハウジングへの通り抜け(Durchtritt)をベローズ(特許文献1)(ASG)又はダイヤフラム(特許文献2)(206er)によって封止することが知られている。しかしこれらのシール要素は機械的負荷に弱い。
【0005】
閉鎖要素の運動を接触することなしに、かつ切替棒を用いずに行うことがより有利であろう。このことは、例えば瓶及び缶を充填するためのいわゆる充填弁の領域において知られている。
【0006】
特許文献3は、磁気コイルに配置され、磁気コイルによって動かされる磁芯として閉鎖要素を形成することを提案する。開位置において、閉鎖要素の外面全体の周りを媒体が流れる。
【0007】
特許文献4は、針状の閉鎖要素を有するバルブを提案する。閉鎖要素はそれぞれ1つの永久磁石アセンブリの力によって開位置及び閉位置に保持される。各永久磁石アセンブリは、これらの位置の1つに割り当てられている。これに加えて、各位置に電気コイルが設けられ、この電気コイルによって、それぞれ他方の位置の永久磁石アセンブリの保持力に抗して閉鎖要素を動かすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】欧州特許第945658号明細書
【文献】国際公開第2013/170931号
【文献】独国特許出願公開1600717号明細書
【文献】独国特許出願公表第60021062T2号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記解決策は、部分的に数十年前から知られており、比較的少ない流体流のために使用される。しかしこれらの解決策は、これまで例えば50mm~200mmの直径範囲の比較的大きい配管断面用にはまだ一度も使用されていない。
【課題を解決するための手段】
【0010】

したがって、本発明の課題は、大きい配管断面用にスケーラブル(skalierbar)な、磁石アセンブリを有するプロセスコンポーネントを提供することである。
【0011】
上記課題は、第1請求項の特徴を有するプロセスコンポーネントによって解決される。従属請求項2~従属請求項9は、これらのプロセスコンポーネントの有利な展開形態を示す。
【0012】
プロセスコンポーネントは、ハウジングと、第1終端位置と第2終端位置とに移動可能な調整体と、調整体を軸方向に沿って第1終端位置から第2終端位置へ、かつその逆に移動可能である調節アセンブリとを備える。この調節アセンブリは、第1電気コイルと第2電気コイルとを具備し、かつ調整体に配置された第1永久磁石アセンブリと協働する。第1終端位置において調整体が第1機械的ストッパに当接する。ハウジングには、第1永久磁石アセンブリと協働する第2永久磁石アセンブリが設けられている。調節アセンブリは、プロセスコンポーネントの第1接続部と第2接続部との間に配置され、プロセスコンポーネントは、第1接続部と第2接続部との間の調整体の少なくとも1つの位置において一貫した流体接続を有する。スケーラビリティ(Skalierbarkeit)は、第1電気コイルが、通電時に、第1位置において第1永久磁石アセンブリと第2永久磁石アセンブリとの間に生じる磁界を補償するように設定されており、第2電気コイルが、第1コイルの通電時に調整体の運動を軸方向に生ぜしめるように設定されていることにより達成される。この第1電気コイルは、例えばその巻線の数などの設計及び通電が、第1永久磁石アセンブリと第2永久磁石アセンブリとの間の磁界を第1電気コイルが補償するようにされていさえすればよい。このことは、コイルの製造時の材料投入量及び運転のためのエネルギー消費量を低減する。それにより、配管直径が大きい場合でもプロセスコンポーネントを安価に製造すること、及び運転することが可能にされる。この利点は、第1終端位置における位置決めを機械的に支援することを提供する第1機械的ストッパによって支援される。
【0013】
一展開形態では、第2終端位置も第2機械的ストッパによって固定され、それにより上記の利点が強められる。
【0014】
上記の利点は、特に、プロセスコンポーネントが弁として形成されており、ハウジングが弁座を備え、かつ調整体に、第1終端位置において弁座と封止して協働する閉鎖要素が配置されているならば効果を発揮する。弁における流体流、特に液体流は、閉鎖要素に作用する大きい力をもたらす。本発明による実施形態は、食品工学の構造サイズに弁をスケーリング(Skalierung)する場合も、この力を安価に操作することを可能にする。
【0015】
コスト低減を伴うさらに別の構造上の簡素化は、第1機械的ストッパが弁座を備えることにより達成される。
【0016】
実施例をもとにして本発明を説明し、利点について説明する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】プロセスコンポーネントの縦断面図である。
図2】第1展開形態によるプロセスコンポーネントの縦断面図である。
図3】線A-Aに沿う第1展開形態によるプロセスコンポーネントの横断面図である。
図4】第2展開形態によるプロセスコンポーネントの縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1において、ハウジング2を有するプロセスコンポーネント1の長手軸線Lに沿う断面が示されている。ハウジングは第1接続部3及び第2接続部4を具備し、第1接続部及び第2接続部によってプロセスコンポーネント1をプロセス設備に組み込むことが可能である。第1接続部3及び第2接続部4は、ハウジング2内の内部空間5への流体接続を形成する。
【0019】
内部空間5内には、調整体6が可動に、特に長手軸線Lに沿って第1終端位置から第2終端位置へ移動可能に配置されている。第1機械的ストッパ7がハウジング2の内部空間5内に設けられており、第1終端位置において、調整体6が第1機械的ストッパに当接することになる。第2終端位置は、第1終端位置から長手軸線Lに沿って距離をおいたところにある。第2終端位置において調整体6が当接する第2機械的ストッパ8が設けられていてもよい。
【0020】
プロセスコンポーネント1のハウジング2には、内部空間5の外側に、第1電気コイル9と第2電気コイル10とを備える調節アセンブリが設けられている。
【0021】
第1永久磁石アセンブリ11が調整体に配置され、第1永久磁石アセンブリは、流体に対してカプセル封止して(gekapselt)形成されていることが有利である。ハウジング2に第2永久磁石アセンブリ12が設けられている。有利には、第2永久磁石アセンブリが第1機械的ストッパ8に空間的に(raumlich)に割り当てられており、それにより第1永久磁石アセンブリ及び第2永久磁石アセンブリ11、12は、調整体6が第1終端位置にある場合に互いにわずかな距離を有する。永久磁石アセンブリ11及び12は、調整体が永久磁石11及び12の引力によって第1終端位置に固定されるように設計されている。
【0022】
調節アセンブリの第1電気コイル9は、通電が設計及び配置に相応に適合された場合に磁界を生成し、この磁界が永久磁石アセンブリ11及び12間の磁界を補償し、それにより第1終端位置における調整体6の固定が解消されるように設計及び配置されている。
【0023】
調節アセンブリの第2電気コイル10は、長手軸線Lに沿って軸方向に距離をおいて配置されている。第2電気コイルは、設計及び配置に相応である場合に通電時に調整体6に作用する磁界を生成するように設計及び配置されている。この磁界は、第1電気コイル9に通電され、永久磁石アセンブリ11及び12の保持力が補償される場合に、第1終端位置から長手軸線Lに沿って調整体6の運動を生ぜしめるように量定されている。
【0024】
調整体6は中空チャネル13を有し、中空チャネルは、第1終端位置及び第2終端位置のうちの少なくとも1つにおいてプロセスコンポーネント1の第1接続部3と第2接続部4との間に流体接続を提供し、それによりこれらの位置のうちの少なくとも1つにおいて流体、特に液体がプロセスコンポーネント1を貫流することが可能である。中空チャネル13は、長手軸線Lに沿って調整体の中心に形成されていてもよい。
【0025】
プロセスコンポーネント1の第1展開形態が図2及び図3に示されている。その際、図2には長手軸線Lに沿う断面が示されているのに対して、図3は、長手軸線Lに対して横向きの切断線A-Aに沿う断面を示す。
【0026】
この展開形態では、プロセスコンポーネント1がバルブとして形成されている。
【0027】
プロセスコンポーネント1の内部空間5は、第1部分チャンバ14と第2部分チャンバ15とに分割されている。部分チャンバ14及び15は、通路16を使用して流体接続されている。通路16に弁座17が形成されていてもよい。第1部分チャンバ14は第1接続部3に割り当てられ、第2部分チャンバ15は第2接続部4に割り当てられている。それによって、第1接続部3から第1部分チャンバ14と、この第1部分チャンバに続いて通路16と、これに続いて第2部分チャンバ15とを介して第2接続部4への流体路が形成されている。
【0028】
調整体6は、第1部分チャンバ14に配置されている閉鎖要素として機能する皿18を有する。調節アセンブリによって皿を弁座17と接触させることができる。皿18には、殊にシール19が設けられていてもよく、シールは、皿18が弁座17上に着座した場合に通路16の液密の閉鎖を保証するべく弁座17と協働する。
【0029】
調整体は、皿18が取り付けられた支持体20を有する。殊に、支持体は、円筒形体として形成され、かつ第2部分チャンバ15に配置されていて、そこで支持体を長手軸線Lが通る。支持体20から、直線的又は曲線的に少なくとも1つのホルダ21が径方向に延在し、ホルダの径方向外側の端にゴンドラ(Gondel)22が取り付けられており、ゴンドラの内部には第1永久磁石アセンブリ11が配置されている。この例では、第1永久磁石アセンブリ11は、長手軸線Lによって定義された軸方向に積み重ねられていて、それによって磁界強化がもたらされる複数の永久磁石を具備する。ゴンドラ22は、永久磁石アセンブリ11を液密に包囲して形成されている。ゴンドラ22は、その長手方向延在が円筒形に形成されていてもよい。このことは、ゴンドラ22とハウジング2との間の線状の隙間、又はハウジング2によるゴンドラ22への線状の接触をもたらす。
【0030】
第2部分チャンバ15を取り囲むハウジング2の部分の外側には調節アセンブリが配置されている。調節アセンブリは、調整体6の第1終端位置に空間的に割り当てられている第1電気コイル9を備える。このことは、第1電気コイル9の巻線がハウジング2の周りに巻回され、軸方向で第2永久磁石アセンブリ12の高さに位置することにより達成されてもよい。この第2永久磁石アセンブリ12は、液密のケーシング(Einhausung)23に入っている。第1電気コイル9は、調整体6が第1終端位置にある場合に第1永久磁石アセンブリ11とのオーバーラップ(Uberlapp)をなす軸方向延在を具備することが有利である。この第1終端位置において、殊にゴンドラ22とケーシング23との間に隙間Sが生じ、その一方で、同時に第1機械的ストッパが弁座によって提供され、第1終端位置において、皿18がこの弁座と直接接触するか、又はシール19によって間接的に接触する。第1終端位置にあるゴンドラ22が図2に破線で示されている。
【0031】
第1電気コイル9は、第1終端位置において第1永久磁石アセンブリ11と第2永久磁石アセンブリ12との間に形成される磁界を補償する磁界を生成するように設計されている。
【0032】
軸方向で第1電気コイル9の、弁座17に向いた側には第2電気コイル10が設けられている。第2電気コイルの巻線は、殊にハウジング2を取り囲んで形成されており、かつ第1永久磁石アセンブリ及び第2永久磁石アセンブリ11、12間の磁界が通電された第1電気コイル9によって補償される場合に、第2電気コイル10に通電することによって長手軸線Lに沿う調整体6の動きがもたらされるように設計されている。
【0033】
調節アセンブリは第3電気コイル24を有する。第3電気コイルは、長手軸線Lに沿って、調整体6が第2終端位置にある高さに配置されている。リング25が設けられており、リングにはゴンドラ22が第2終端位置において当接することになり、したがってリングが第2の機械的ストッパをなす。ゴンドラ22内の第1永久磁石アセンブリ11と協働するとともに、調整体6を第2終端位置に保持する永久磁石がリング25に設けられていてもよい。これに代えて、リング25は磁化可能な材料から作られてもよく、第1永久磁石アセンブリ11がこの材料と相互作用し、第2終端位置での固定をもたらす。リング25は、周方向に配分された複数のセグメントから構成されていてもよい。調整体6は、磁力によって第2終端位置に保持され、その場合、電気コイル9、10、24のうちの1つに通電する必要がない。第3電気コイル24は、通電時に、第1永久磁石アセンブリ11の作用が補償されるように寸法設定されている。
【0034】
これらの複数のコイルの追加の利点は、第2電気コイル10に通電することによって調整体を第1終端位置と第2終端位置との間のポジションに保持することが可能なことである。この位置はバルブを清掃することを可能にする。
【0035】
図3は、リング25の有利な形態を線A-Aに沿う横断面で示す。調整体6及びリング25は、調整体6を図示された例では45°である角度Wの分だけ回動させることによって、調整体を長手軸線Lに沿ってリング25に挿通可能であるポジションに移動させるように形成されている。この例では、リング25が切欠き26を具備し、この切欠きの形状がリング25をゴンドラ22が通り抜けることを可能にすることによりこの成形が解決される。これに加えて、リング25は、中心開口27を具備し、この中心開口に支持体20及びホルダ21を挿通可能である。
【0036】
図4は、プロセスコンポーネント1の別の実施例を示す。このプロセスコンポーネントは、バルブとして形成されている。調整体6は閉鎖体28を有し、閉鎖体を弁座17と直接、又はシール19が存在する場合には間接的に封止接触(dichtenden Kontakt)させることが可能であり、閉鎖体はシールで第1ストッパ3を閉鎖する。
【0037】
閉鎖体28の周囲には、少なくとも1つのウイング29が設けられており、このウイングは、閉鎖体28が弁座17から持ち上げられた場合に、閉鎖体28が、プロセスコンポーネント1の壁に対して周囲の流れが可能な距離をおいて設けられるようにするために、プロセスコンポーネント1のハウジング2内の閉鎖体28のガイド及びセンタリングをもたらす。その場合、バルブの貫流が可能である。
【0038】
第1永久磁石アセンブリ11は閉鎖体28内に配置されており、閉鎖体によって液密に包囲されている。第1永久磁石アセンブリ11の作用を支援する第3永久磁石アセンブリ30がウイング29に設けられていてもよい。
【0039】
調整体6は、第1終端位置と第2終端位置との間で長手軸線Lに沿って移動可能である。このために、ハウジング2に調節アセンブリが設けられている。調節アセンブリは、第1電気コイル9を備え、第1電気コイル9の巻線がハウジング2を取り囲む。コイル9は、閉鎖体が弁座上に着座した場合に、第1永久磁石アセンブリ11と第2永久磁石アセンブリ12との間に形成される磁界を補償する磁界を生成するように設定されている。調整体6のこのポジションは、運動の第1終端位置である。弁座17は、調整体の運動のための機械的ストッパをなす。
【0040】
内部空間5の、軸方向Lで弁座の向かい側に位置する側では、ハウジング2に相手座(Gegensitz)31が形成されており、第2終端位置においてウイング29がこの相手座に当接することになる。相手座31には第4永久磁石アセンブリ32が設けられていてもよく、この第4永久磁石アセンブリは、第1永久磁石アセンブリ11と協働することによって調整体6をバルブの開位置を意味する第2終端位置に固定する。
【0041】
第2電気コイル10は、ハウジング2の周りに案内される巻線を有する。第2電気コイルは長手軸線Lに沿って、これが第2終端位置に割り当てられるように配置されている。
【0042】
調整体6が第1終端位置にあり、かつ閉鎖体28が第1接続部3を閉鎖する場合、第1永久磁石アセンブリ及び第2永久磁石アセンブリ11、12が磁気的に閉鎖力を生成するので、バルブは無電流で閉じられている。開くために、第1電気コイル9に通電され、閉鎖力を生成する磁界が補償される。その場合、第2電気コイル10の付加的通電が、第2終端位置まで行われていてもよい長手軸線Lに沿う調整体6の移動をもたらす。第2終端位置において、調整体は、第1永久磁石アセンブリ11の作用によって保持され、その場合、バルブが無電流で開かれている。この位置において、磁界及び磁力は、第3永久磁石アセンブリ及び第4永久磁石アセンブリ30、32によって支援可能である。バルブを閉じるために、まず、第2電気コイル10に通電され、それにより保持する磁界が補償される。第1電気コイル9の付加的通電は、調整体6をバルブの閉位置の第1終端位置の方向に動かす。
【0043】
第1電気コイル及び第2電気コイル9、10に適切に同時に通電することによって、調整体は、図4に示されるような中間ポジションで保持され得る。このことは、所望による第3永久磁石アセンブリ30によって高い磁界強度を容易に達成できることから簡単になるだろう。
【符号の説明】
【0044】
1 プロセスコンポーネント
2 ハウジング
3 第1接続部
4 第2接続部
5 内部空間
6 調整体
7 第1機械的ストッパ
8 第2機械的ストッパ
9 第1電気コイル
10 第2電気コイル
11 第1永久磁石アセンブリ
12 第2永久磁石アセンブリ
13 中空チャネル
14 第1部分チャンバ
15 第2部分チャンバ
16 通路
17 弁座
18 皿
19 シール
20 支持体
21 ホルダ
22 ゴンドラ
23 ケーシング
24 第3電気コイル
25 リング
26 切欠き
27 中心開口
28 閉鎖体
29 ウイング
30 第3永久磁石アセンブリ
31 相手座
32 第4永久磁石アセンブリ
L 長手軸線
S 隙間
W 角度
図1
図2
図3
図4