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特許7142436液圧装置ユニット及び液圧装置ユニットの動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】液圧装置ユニット及び液圧装置ユニットの動作方法
(51)【国際特許分類】
   F15B 1/033 20060101AFI20220916BHJP
【FI】
F15B1/033
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017566389
(86)(22)【出願日】2016-06-30
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2018-08-16
(86)【国際出願番号】 DE2016100294
(87)【国際公開番号】W WO2017005245
(87)【国際公開日】2017-01-12
【審査請求日】2019-06-03
(31)【優先権主張番号】102015110768.6
(32)【優先日】2015-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】510320690
【氏名又は名称】エスエムエス グループ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ツェンセン,フランク
【審査官】谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-162387(JP,A)
【文献】特開平04-151004(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 1/033
F15B 11/036
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なった作動力で作動させることができる液圧装置ユニット(1)であって、
第1ピストン(32)が配置される第1シリンダ(22)と、
少なくとも1つの第2シリンダ(24)と、
前記第1ピストン(32)と共に作用するように接続されている第2ピストン(34)と、及び、
ポンプ/ピストン式アキュムレータシステム(41)と、を備え、
前記ポンプ/ピストン式アキュムレータシステム(41)は、前記第1シリンダ(22)用の液圧式駆動装置(40)として、ポンプシステム(42)、及び、前記ポンプシステム(42)と接続されているピストン式アキュムレータ(44)を有し、
前記ピストン式アキュムレータ(44)が、比例減圧弁(52)を備える作動ストローク制御弁(50)を経由して前記第1シリンダ(22)と液圧で接続され、
前記作動ストローク制御弁(50)が、前記比例減圧弁(52)と並列に、方向弁として構成されるバイパス弁(54)を備え、
前記ピストン式アキュムレータ(44)は、比例弁(49)を介して前記第1シリンダ(22)と液圧で接続され、前記比例弁(49)が前記ストローク制御弁(50)と一直線上にあり、前記ピストン式アキュムレータ(44)からの圧力及び容積は、前記比例弁(49)および前記作動ストローク制御弁(50)を経由して、前記第1シリンダ(22)に分配されることができ、前記比例弁(49)は、前記ピストン式アキュムレータ(44)の排出を防止するのに役立つことを特徴とする、液圧装置ユニット。
【請求項2】
2つの前記第2シリンダ(24)をさらに備える、請求項1に記載の液圧装置ユニット(1)。
【請求項3】
前記比例減圧弁(52)がロックされることが可能であり、ロック用方向弁(53)を用いてロックされることを特徴とする、請求項1又は2に記載の液圧装置ユニット(1)。
【請求項4】
異なった作動力で作動させることができる液圧装置ユニット(1)の動作方法であって、流体作動媒体が、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステム(41)を経由して、第1シリンダ(22)及び少なくとも1つの第2シリンダ(24)に選択的に分配される方法であり、作動媒体が、少なくとも1つの作動ストロークに対して、前記ポンプ/ピストン式アキュムレータシステム(41)のポンプシステム(42)を経由して、前記ポンプ/ピストン式アキュムレータシステム(41)のピストン式アキュムレータ(44)で利用可能とされ、続いて、前記ピストン式アキュムレータ(44)からの作動圧力が少なくとも前記作動ストロークに対して、少なくとも前記第1シリンダ(22)に適用され、前記ポンプ/ピストン式アキュムレータシステム(41)からの戻りストローク圧力が、少なくとも前記戻りストロークに対して、前記少なくとも一つの第2シリンダ(24)に適用され、
比例減圧弁(52)が、前記作動圧力の低下のために、前記ピストン式アキュムレータ(44)と前記第1シリンダ(22)との間に配置され、前記比例減圧弁(52)が、バイパス弁(54)と並列に接続されることを特徴とする、液圧装置ユニット(1)の動作方法。
【請求項5】
2つの第2シリンダ(24)をさらに備える、請求項4に記載の作動方法。
【請求項6】
前記作動媒体は、前記作動力が最大のとき、バイパス(74)を経由して前記第1シリンダ(22)又は前記少なくとも1つの第2シリンダ(24)に分配され、前記バイパス(74)は、減圧に使用される低減ライン(73)をバイパスしていることを特徴とする、請求項4又は5に記載の作動方法。
【請求項7】
前記比例減圧弁(52)が閉調整回路で制御されることを特徴とする、請求項1~3のうちいずれか一項に記載の液圧装置ユニット(1)、又は請求項4に記載の作動方法。
【請求項8】
前記比例減圧弁(52)が制御されることを特徴とする、請求項1~3及び7のうちいずれか一項に記載の液圧装置ユニット(1)、又は請求項4又は7に記載の作動方法。
【請求項9】
前記比例減圧弁(52)が、制御弁(56)によって及び/又は制御ライン(78)を経由して制御されることを特徴とする、請求項8に記載の液圧装置ユニット(1)又は作動方法。
【請求項10】
前記液圧装置ユニット(1)がピストン/シリンダシステムユニットであることを特徴とする、請求項1~9のうちいずれか一項に記載の液圧装置ユニット(1)又は作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なった作動力で作動させることができる液圧装置ユニットであって、メインピストンが配置されているメインシリンダと、少なくとも1つの駆動シリンダと、メインピストンと共に作用するように接続されている駆動ピストンと、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステムと、を備え、メインシリンダ及び少なくとも1つの駆動シリンダ用の液圧式駆動装置として、ポンプシステム及びポンプシステムと接続したピストン式アキュムレータを有する、液圧装置ユニットに関する。同様に、本発明は、異なった作動力で作動させることができる液圧装置ユニットの動作方法であって、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステムを経由して、作動媒体がメインシリンダ及び少なくとも1つの駆動シリンダに選択的に分配される方法であり、作動媒体が、少なくとも1つの作動ストロークに対して、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステムのポンプシステムを経由して、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステムのピストン式アキュムレータで利用可能とされ、続いて、ピストン式アキュムレータからの作動圧力が、少なくとも作動ストロークに対して、少なくともメインシリンダに適用され、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステムからの戻りストローク圧力が、少なくとも戻りストロークに対して、少なくとも1つの駆動シリンダに適用される、方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、このような液圧装置ユニットとしての液圧押出機の動作のために、(諸)駆動シリンダは、戻りストローク方向の作動ストロークの場合でさえ、メインピストンに作用する作動圧力で、押圧力と呼ばれる異なる作動力をピストンリングに負荷される。このように、作動力は、駆動シリンダのリング表面とメインピストンピストン表面との間の表面積の比率に従って低下することができる。最大の作動力に対して、駆動シリンダ、又は諸駆動シリンダのピストン表面もまた、追加的に、作動圧力を負荷されることができる。更に、作動力水準は、更なる駆動シリンダによって達成されることができ、特に、左右対称を理由に、そして、更なる駆動シリンダ対によって生じる傾斜モーメント防止するために、各実例において、水準が追加的に提供され、従って、選択的に作動させることができる。例えば、アプセット加工プレスメイン駆動装置は、欧州特許第0629455号明細書により公知であるが、この駆動装置は、メインピストン及びメインシリンダに加えて戻りストロークのピストン及びシリンダのみを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】欧州特許第0629455号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、構造的に単純な方法で、様々な作動力を有する定められた型の装置ユニット及び定められた型の作動方法を構成することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の課題は、独立請求項の特徴を有する、液圧装置ユニットによって、及びこのような装置ユニットの動作方法によって成し遂げられる。更に有利な実施形態は、おそらく、これらからもまた独立しており、従属請求項及び以下の説明にて見出される。
【0006】
例えば、異なる作動力で作動させることができる液圧装置ユニットであって、メインピストンが配置されているメインシリンダと、少なくとも1つの駆動シリンダと、メインピストンと共に作用するように接続されている駆動ピストンと、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステムとを備え、メインシリンダ及び少なくとも1つの駆動シリンダ用の液圧式駆動装置として、ポンプシステム及びポンプシステムと接続したピストン式アキュムレータを有し、装置ユニットは、ピストン式アキュムレータが、比例減圧弁を備える作動ストローク制御弁を経由してメインシリンダと液圧で接続されていることを特徴とする場合、比較的単純な構造を有する、液圧装置ユニットである。
【0007】
同様に、このユニットが、異なる作動力で作動させることができる液圧装置ユニットの動作方法によって作動させる場合、構造的に単純な方法で対応する装置ユニットを構成することが可能であり、作動媒体が、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステムを経由して、メインシリンダ及び少なくとも1つの駆動シリンダに選択的に分配される方法であり、作動媒体が、少なくとも1つの作動ストロークに対して、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステムのポンプシステムを経由して、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステムのピストン式アキュムレータで利用可能とされ、続いて、ピストン式アキュムレータからの作動圧力が、少なくとも作動ストロークに対して、少なくともメインシリンダに適用され、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステムからの戻りストローク圧力が、少なくとも戻りストロークに対して、少なくとも1つの駆動シリンダに適用され、その方法は、低下した作動力で、作動圧力が、ピストン式アキュムレータ内に行き渡っているピストン式アキュムレータ圧力と比較して低下することを特徴とする。
【0008】
この点において、この圧力が、作動圧力としてメインシリンダに、そして、もし適用可能な場合、(諸)駆動シリンダに伝わる前のピストン式アキュムレータ圧力の減圧は、結果として、(諸)駆動シリンダを経由して複雑な逆圧を除去することが可能となり、異なる作動力で液圧装置ユニットを作動するために、更なる駆動シリンダ又は更なる駆動シリンダ対を提供する必要がない。
【0009】
いずれの場合においても、少なくとも1つの駆動シリンダが戻りストロークに提供されるので、駆動シリンダが適用可能な場合、それにもかかわらず、能動的な方法で、それに応じて制御され、その結果、4つ以上の異なる作動力水準が、追加的な設計手段又は構造手段なしに実現されることができると理解されている。第1の作動力水準では、ピストン式アキュムレータ圧力は、メインシリンダ、更に、ピストン側の(諸)駆動シリンダの両方に伝えられ;第2の水準では、これは(諸)駆動シリンダの側に除去され;第3及び第4の水準では、逆圧が駆動シリンダ又は諸駆動シリンダのリング表面を経由して生じ、駆動シリンダ又は諸駆動シリンダのピストン表面の負荷の有無にかかわらず起こる可能性もあるものである。続いて、更に作動力の変化は、低い作動圧力にピストン式アキュムレータ圧力の対応する減圧を経由して実施することができ、低下したピストン式アキュムレータ圧力もまた、必要に応じて、追加の構造的手段なしに、単に更なる液圧ライン及び弁だけを加えることによって、(諸)駆動シリンダに、適用可能な場合には、ピストン側面又はリング表面側に分配されることができる。従って、このようにして、ほとんどのいかなる作動力も実現されることができる。故に、最大の作動力の約40%~90%の作動力は、特に、また、駆動シリンダ又は諸駆動シリンダの異なる制御を考慮に入れることもなく、単に減圧だけによって、追加的な手段なしで実現させることができ、この間隔の上限は、減圧弁を上回る圧損失よって決定される。この範囲は、すでに上で説明され、更に下で説明されるように、更なる回路によって拡大させることもできる。比例減圧弁を備える作動ストローク制御弁の利点は、全ての制御装置が適切に設計されている場合、比例減圧弁の作用範囲で無数の作動力の変化を保証するために、(諸)駆動シリンダを経由して実現させることができる作動力水準によることなく一様に利用されることができるものと理解されている。
【0010】
それによって、例えば減圧弁といった、対応する液圧対策による作動圧力と比較したピストン式アキュムレータ圧力の低下は、複雑な更なる構造的機械的手段なしに液圧装置ユニットの分配される作動力に対して可変性の増大を可能にする。この基本的な着想から生じている最も変動する液圧回路は、駆動シリンダの数に対して最小限に構成される、様々な若しくは異なる作動力水準、又は液圧装置ユニットによる作動力を実現するために、異なる組み合わせで提供されることができると理解されている。
【0011】
このような液圧装置ユニットが作動させることができる異なる作動力に対するより大きな自由度は、顧客による所望の作動力水準が、単に異なる液圧回線パスの組み合わせとして適切に制御されなければならないだけであるので、いかなる設計の変更もなく異なる顧客の要望を、同じ構造を有する装置ユニットに適応させることを可能にする。作動力は、減圧弁の可変性の範囲内で無数に選択されることができる。
【0012】
好ましくは、-本発明の具体的な導入によって-戻りストロークは、ここでは大容量の流れが予想されることはないという理由から、単にポンプ/ピストン式アキュムレータシステムのポンプシステムだけを経由して制御される。同様に、作動ストロークの方向の変位が、ゆっくりと生じる場合、この点に対して発生する流量が十分に少なく、ポンプシステムによって管理されることができる限り、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステムのポンプシステムにより制御することができる。ピストン式アキュムレータは、通常、ここでは大容量の流れが必要であるので、高速のメインピストンを許容するために基本的に役立つ。これは、例えば、ポンプの数を減らすことを可能にし、例えば、24台必要であるポンプを8台のポンプまで数を減らすことを可能にする。
【0013】
ピストン式アキュムレータは、最大の充填圧力から最小の充填圧力まで放出されることができ、ピストン式アキュムレータの充填圧力が必要な圧力より大きいことが管理方法にて保証される。
【0014】
これらの利点は、駆動ピストン動作方向の反転の場合でさえ存在する、換言すれば、駆動ピストンのピストン表面が戻りストロークのために設計され、駆動ピストンのリング表面が作動ストロークのために設計されている場合に存在するものと理解されている。
【0015】
作動圧力の低下のためのピストン式アキュムレータとメインシリンダとの間の比例減圧弁の使用、又は作動力の適応のためのピストン式アキュムレータとメインシリンダとの間のこのような比例減圧弁の配置は、特に有利である。減圧の程度は、特定の限界値内で、このような比例減圧弁を経由して、無数に、又はほぼ無数に低下することができ、このことにより、液圧装置ユニットの設計に対する自由度は、更に増加させることができ、従って、標準的な装置ユニットは、作動力の多様性に対して多様な顧客要求に応ずることができる。
【0016】
特に、比例減圧弁は、予め制御されることができる。予備制御及びピストン式アキュムレータとの接続によって、特に簡易な方法及び短期間で大容量の流れを利用可能にすることが可能である。
【0017】
好ましくは、予備制御は、制御弁によって又は制御ラインを経由して行われ、容易に実現することができ、設定する力を比較的簡単な方法で利用可能に適用させることができるものである。
【0018】
好ましくは、比例減圧弁はロックされることができ、その結果、それが能動的にオン/オフされることができる。これは、特に、比例減圧弁が何らかの理由で使用されていると想定されていない場合、例えば、更に以下で説明される理由のために、可能性のある干渉を防止することを可能にする。
【0019】
これは、特に、ロック可能な比例減圧弁を構成するために、ロック用方向弁と組み合わせることができ、従って、構造的に簡単に実現が可能となる。
【0020】
好ましい実施態様では、比例減圧弁は、流動フリーの状態でオフにされるか若しくは閉鎖されるか/又は、ロックされるか若しくは閉じられる;これは、特に、操作上の安全性に役立つ。
【0021】
好ましくは、作動ストローク制御弁は、比例減圧弁に平行に、全作動圧力が要求されたときにピストン式アキュムレータ圧力を利用可能とすることができる方向弁を経由して、メインシリンダ又は駆動シリンダの方向にいかなる追加的な減圧なしに、方向弁として構成されたバイパス弁を備える。
【0022】
同様に、それに応じて、作動媒体が、最大の作動力でバイパスを経由して、メインシリンダに又は(諸)駆動シリンダに分配されることは有利である。
【0023】
この点に関しては、バイパス弁又はバイパスが、減圧弁がその対応する制御装置を経由してロックされているか又は閉じられているとき、その液圧、空気圧、又は電気制御装置を経由して開いている場合、特に有利であり、その結果、この点に関して、機能不全が、調整器または制御装置を経由して防止されることができる。もし必要であれば、対応するシャットル弁は、機械的に連結させるか、又は単一方向の弁に組み合わせることもできる。
【0024】
好ましくは、比例減圧弁は、フィードバックによって構成されるか、又は閉調整回路に制御される。これは、最終的に作用する作動圧力、及びその結果として生じるそれぞれの作動力の正確な監視を可能にする。
【0025】
この点に関して、フィードバックはプランジャ側で行われるのが好ましく、それによって、ポンプシステムからの最小限の振動効果又は干渉もまた制限することを可能にする。例えば、圧力は、フィードバックのためにプランジャ側に記録されることができ、続いて、特に、この圧力は、ピストン式アキュムレータ側にフィードバックされることができる。可能性がある振動効果又は干渉が、ここでは関与しないことが示されている。特に、制御弁としての方向ロジック弁を経由して更に適用できる場合、方向弁を経由してフィードバックを構成することが考えられ、その結果、比例減圧弁は、それが用いられず、オフにされるか、若しくはスイッチを切られるか、又はブロックされるとき、応力から解放される。
【0026】
比例減圧弁は、好ましくはその低減動作の間、減圧が所定の基準値と一致するまで、特にフローティング位置の状態になる弁を備えることができ、その結果、極めて大容量の流れが実現されることができる。これは、ピストン式アキュムレータが、メインシリンダ用の充分な圧力で、最短時間内にこのような大容量の流れを利用可能とするために特に提供される状況に相当する。減圧圧力又はプランジャ側圧力が所定の基準値と一致する場合、フローティング位置で、好ましくは閉じられ、対応する減圧圧力は、作動圧力としてシリンダに分配され、その結果、作動圧力の対応する初期設定値は、フィードバックを経由して、又は閉調整回路を経由して維持されることができる。
【0027】
すでに上記で説明されたように、この場合、比例減圧弁が、従来の低減動作に反して、その基本的な位置で閉じられるように構成されることが好ましい。これは、特に、操作上の安全性を増すためにも役立つ。
【0028】
上述の理由のより、バイパス弁がその基本的な位置で閉じられる場合、それ故に有利である。
【0029】
例えば、戻りストロークでの力の増加といった特定の状況がそれを必要とする場合、1つ又は2つ以上の駆動シリンダが提供されることもでき、その場合、構造効果の著しい低減の利点が、それに応じて失われると理解されている。それにもかかわらず、作動力水準又は作動力の選択における大きな柔軟性が残っている。しかしながら、構造の点で、ちょうど2つの駆動シリンダが提供される場合、それらが、更にどんな構造的手段もなしに、減圧圧力を経由して作動力において、対応する低減をすでに可能にするといった理由から、特に有利である。同様に、構造の点で、極めて簡単な実現方法は、ちょうど1つの駆動シリンダだけを提供することによって可能であると理解されている。
【0030】
比例減圧弁を経由して、特に、最大の作動力の約40%~90%、換言すれば、最大の作動圧力又はピストン式アキュムレータ圧力は、シリンダに可変的に分配されることができる。しかしながら、後者は、より大きな帯域幅で一様に適用可能な場合、無秩序な又はより単純な減圧弁によっても実現されることもできる。
【0031】
液圧に好適ないかなる作動媒体も、作動媒体として油が好ましく使用されることができる。あるいは、水若しくはエマルジョン類又は水/油混合物も、特に、使用されることができる。
【0032】
上記の液体は、液圧式駆動装置としてポンプ/ピストン式アキュムレータシステムを備える液圧装置ユニットとして特に適切である。従って、上記の液体は、液圧式又は液圧駆動のピストン式アキュムレータシステム装置として特に適切である。特に、対応する装置ユニット又はピストン式アキュムレータシステム装置のように上記の液体を実現する成形機は、具体的には、押圧力又は類似の作動力といった、非常に大きな成形力が必要である場合には、そのために、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステムが、特に大きく速いストロークをそれに応じて実現することが可能であるためにも、駆動装置として使用される。対応する液体は、特に大きな流量及び圧力がこれらの押圧に使用されなければならないので、メインシリンダとしての非常に大きいプランジャ式シリンダおよびメインピストンとしてのプランジャからみて、押出機又は鍛造プレスとして構成される成形機の場合に特に使用可能である。このように、この種の押圧は、250hpa(バール)以上、ピストン式アキュムレータの場合には、特に300hpa以上、又は320hpa以上の最大の負荷圧力で作用する。解放の後、又は押圧処置の後、最大の負荷圧力の50%超が、通常、対応するピストン式アキュムレータに依然として見出される。
【0033】
上記及び請求項中の液体の特徴は、必要ならば、それに応じて、累積的に利点を実現することが可能であるために、組み合わせることもできると理解されている。
【0034】
更に、本発明の利点、目的、及び特性は、以下の説明の例示的実施形態を用いて説明され、特に、添付の図面にもまた示される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】異なる作動力で作動させることができる液圧装置ユニットの概略図である。
図2】最大の作動力での図1による装置ユニットである。
図3】低下した作動力での図1及び2による装置ユニットである。
図4】戻りストロークの間の図1~3による装置ユニットである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図に示される装置ユニット1は、押出成形機であり、また、プランジャ型シリンダとも呼ばれるメインシリンダ22を備え、プランジャとも呼ばれるメインピストン32が、作動方向及び戻りストローク方向における軸方向に移動可能に配置され、駆動ピストン34は、クロスビーム36を経由してメインピストン32上に設けられ、従って、ピストンが駆動シリンダ24で変位させられる。逸脱する実施形態では、中央に配置されることもできるたった1つの駆動シリンダが、必要に応じて、提供されることもできると理解されている。それらの横方向の配置のため、駆動シリンダ24及び駆動ピストン34は、よくサイドシリンダ及びサイドピストンとも呼ばれる。
【0037】
メインピストン32及び駆動ピストン34を駆動するために、液圧式駆動装置40が提供され、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステム41を備える。次に、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステム41は、ポンプシステム42を備え、一方では、多連ポンプ43がポンプライン77を経由して平行に切り替えられ、ポンプ43の数は、必要な圧力及び扱われる作動媒体の量による。さらに、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステム41は、ピストン式アキュムレータ44を備え、他方では、圧力下の作動媒体が十分な容量で利用されることができる。
【0038】
同様に、液圧式駆動装置40はタンク45を備え、そこに流出する作動媒体が集められ、そこからポンプ43が作動媒体を汲み上げることができる。
【0039】
ポンプシステム42は、戻りストローク制御弁46を経由して、戻りストロークライン76によって駆動ピストン34のリング表面に適用されることができ、その一方で、それが、作動圧力によって供給されることができるメインシリンダ22を経由し、作動圧力制御弁47を経由して、メインピストンライン71に適用されることができる。戻りストローク制御弁46及び作動圧力制御弁47は、各実施例において、圧力がこれらのラインのうち他方に適用され、これが通常の液圧条件に起因して実用的なのが明らかなとき、この例示的実施形態での方向弁として構築され、タンク45へのメインピストンライン71又は戻りストロークライン76の排出を可能にする。
【0040】
メインピストンライン71は、比例弁49及び作動ストローク制御弁50を経由してピストン式アキュムレータライン72と接続され;次に、このラインはピストン式アキュムレータ44と接続される。このように、ピストン式アキュムレータ44からの圧力又は容積は、比例弁49及び作動ストローク制御弁50を経由して、シリンダ22、24に分配されることができ、又は、あるいは、ピストン式アキュムレータ44は、ポンプシステム42によって充填されることができ、比例弁49は、特に、ピストン式アキュムレータ44のあまりに急速な排出を防止するのに役立ち、作動ストローク制御弁50は、後述するように、本例示的実施形態の特別な方法で構成される。メインピストン32が作動するとき、揚水量60は、それに応じてピストン式アキュムレータ44から引き出される。
【0041】
更に、ピストン式アキュムレータ44は、それぞれの充填水準を記録するセンサ48を備え、この例示的実施形態では、最大の充填水準及び最小の充填水準は、電気信号機としてそれを制御装置に出力する。
【0042】
更に、メインピストンライン71は、駆動シリンダライン75とも接続され、次に、駆動シリンダ24と接続され、その結果、作動圧力は駆動シリンダ24にも分配される。
【0043】
-この例示的実施形態の具体的実施形態に応じて-駆動シリンダライン75、更には戻りストロークライン76は、更なる弁を有することができ、メインピストンライン71からそれらを外すか、又はメインピストンライン71へそれらを連結することができ、これが制御技術を理由に有用であることが明らかな場合、液圧式駆動装置40及び電気的又は電子的構成の、相応してより大きな構造効果に対して検討されると理解されている。
【0044】
現況技術と区別して、本例示的実施形態の作動ストローク制御弁50は、ロック用方向弁53、バイパス弁54、及び制御弁56と組み合わされた比例減圧弁52を備え、比例減圧弁52は、バイパス74に配置されている制御ライン78並びに制御弁56及びバイパス弁54を経由して、低減ライン73に配置され、フィードバックに、ピストン式アキュムレータライン72に接続され、低減ライン73と並列に切り替えられる。従って、作動ストローク制御弁50は、比例減圧弁52及びバイパス弁54を備え、お互いに並列に切り替えられ、制御弁56は、方向ロジック弁の形態でピストン式アキュムレータライン72に比例減圧弁52のフィードバックを許容するか、又は中断することができる。
【0045】
本例示的実施形態では、バイパス74は、可能な限り最小の圧力損失で、言い換えると、可能な限り直線で構成され-最大の作動圧力は、バイパス74及びバイパス弁54を経由して利用可能となるであると推測されるという理由から、方向弁としても構成され、このために、ピストン式アキュムレータ44とメインピストンライン71又は駆動シリンダライン75との間の可能性がある圧力損失は、最小値に制限されると推測される。
【0046】
戻りストロークライン76への経路は、オン又はオフされることができ、例えば、比例減圧弁52によって選択されることもできると理解されている。同様に、追加的な弁が提供され、それによって、比例減圧弁52によって低下した圧力が、更に、このように作動力に対して可変性を増加させるために、このわずかに増加した構造効果から鑑みて調整されることが明らかな場合、別々に駆動シリンダライン75に分配されることができることが考えられる。同様に、これらの目的のために、また別々の制御弁56と共に必要であるならば、更に、比例減圧弁52を提供することが考えられる。
【0047】
戻りストローク制御弁46及び作動圧力制御弁47は、ピストン式アキュムレータ44とシリンダ22、24との間の減圧の利点を失うことなしに、わずかに異なって又は、あるいは、他の位置と接続されることもできると更に理解されている。
【0048】
本例示的実施形態では、比例減圧弁52及び制御弁56は、基本的な位置における、弁の設定方向を経由して、それらが各々閉じられるように切り替えられる。バイパス弁54は、基本的な位置でもまた閉じられ、同時に、対応する制御は、バルブ52、54が同時に開口することを防止する。バイパス弁54が開かれているとき、最大の作動圧力は作動ストローク制御弁50を経由して利用可能となることができる。代替的実施形態では、減圧弁52及びバイパス弁54を単一方向の弁に組み込むことも考えられる。比例弁49は、その基本的な位置でもまた閉じられる。
【0049】
低下した作動力が利用可能とさせる場合、それから生じている最大の作動圧力及び作動力と比較して、バイパス弁54は閉じられ、比例減圧弁52並びに制御弁56は開かれ、その結果、ピストン式アキュムレータライン72に対する比例減圧弁52のフィードバックが制御ライン78を経由して行われることができ、対応する減圧圧力は、比例減圧弁52を経由して作動圧力として利用可能となることができる。プランジャ測定81はプランジャ側で実施され、比例減圧弁52を制御することを可能にする。
【0050】
比例減圧弁52は、減圧圧力が所定の基準値と一致するまで、低減動作の間、フローティング位置になり、その結果、作動圧力の対応する初期設定値は、フィードバックを経由して、又は閉調整回路を経由して維持されることができる。
【0051】
まさに明らかなように、減圧圧力は、作動媒体に対して流出する側で、言い換えれば、メインピストン側で測定され、比例減圧弁52にフィードバックされる。
【0052】
上記液圧は、ピストン式アキュムレータ44が、特に、減圧圧力を有して又は比例減圧弁52を経由してメインピストン32に作用することができる限り、ただの実施例であり、詳細には異なって構成されることもできると理解されている。特に、追加的なライン及びバルブもまた、更に他の作動状況を示すことが可能であるため提供される。同様に、安全弁及びスイッチ並びに他の追加の手段もまた実現されることができると理解されている。同様に、液圧に好適ないかなる作動媒体も、作動媒体として使用されることができ、油は、本例示的実施形態にて使用されると理解されている。あるいは、水又はエマルション若しくは油/水混合物は、特に、使用されることもできる。
【0053】
メインピストン32が最大の作動力を有する作動ストローク方向65において移動させることがある場合、そして、この目的のために、図2に示すように、作動圧力制御弁47は開かれ、戻りストローク制御弁46は閉じられ、その結果、タンク45に対する戻りストロークライン76は開かれる。同様に、弁52及び56は閉じられ、バイパス弁54が開かれる。続いて、ポンプシステム42はシリンダ22、24に直接作用し、その一方で、メインピストン32の速度が比例弁49を経由して抑制されることができ、最終的には調節可能なシャッタとして作用する。低下した作動力水準は達成されることができ、必要であれば、戻りストローク制御弁46も開かれるので、このことにより、ポンプシステム42は、駆動ピストン34のリング表面に作用することもできると理解されている。同様に、必要であれば、バルブもまた駆動シリンダライン75に提供されることができ、必要であれば、段階的な方法で作動力を同様に低下させるために、それは閉じられる。
【0054】
しかしながら、実際に、本例示的実施形態では、図3に示すように、作動力は比例減圧弁52を経由して減少する。この目的のために、バイパス弁54は閉じられ、そして制御弁56が開かれ、その結果、ピストン式アキュムレータ44からの圧力が、比例弁49を経由してメインピストン32にもまた作用し、圧力が望ましい方法で低下し、比例減圧弁52で利用可能にさせることができる。続いて、作動圧力制御弁47、戻りストローク制御弁46、及び比例弁49のバルブ制御に対して、最大の作動力の場合のように、与えられた減少した作動力でメインピストン32の所望の移動を保証するために、最終的に続行することができる。
【0055】
必要に応じて、駆動シリンダ24の液圧制御装置だけは、メインピストンが最終的に、必要な容量を液圧制御装置がポンプ/ピストン式アキュムレータシステム41、又はピストン式アキュムレータ44から利用可能にさせる場合、必要に応じて減圧圧力で、そして、必要に応じてわずかな吸引を伴っても、作動ストローク方向65の速いストロークを行うことができる。この目的のために、更なる弁及びラインは、必要に応じて、提供されることもできる。
【0056】
図4に示すように、戻りストローク方向66の戻りストロークのために、戻りストローク制御弁46は開かれ、作動圧力制御弁47並びに比例弁49は閉じられ、その結果、メインピストンライン71及び駆動シリンダライン75がタンク45へ応力を解放され、その一方で、ピストン式アキュムレータ44はどんな更なる圧力も失わない。続いて、ポンプ/ピストン式アキュムレータシステム41のポンプシステム42は、駆動ピストン24のリング表面に作用して、戻りストローク方向のメインピストン32を押し出す。適用可能であれば、この間に、ピストン式アキュムレータ44は、別々にオンにされることができるラインを経由して再び充填され、それ以外の場合は、当然、可能性があるデットタイム又は補助的なプロセスタイムの間、ピストン式アキュムレータライン72を経由して、比例弁49及びバイパス弁54によって、起こり得るものであると考えられる。
【0057】
上記の装置ユニットの代わりに、押出成形機としての構成される、対応する液圧式駆動装置は、特に、他のピストン式アキュムレータシステムユニット又は成形機の場合、例えば鍛造プレスでは、他のタイプの装置ユニットに使用されることもできると理解されている。
【符合の説明】
【0058】
1 装置ユニット
22 メインシリンダ
24 駆動シリンダ
32 メインピストン
34 駆動ピストン
36 クロスビーム
40 油圧式駆動装置
41 ポンプ/ピストン式アキュムレータシステム
42 ポンプシステム
43 ポンプ
44 ピストン式アキュムレータ
45 タンク
46 戻りストローク制御弁
47 作動圧力制御弁
48 センサ
49 比例弁
50 作動ストローク制御弁
52 比例減圧弁
53 ロック用方向弁
54 バイパス弁
56 制御弁
60 揚水量
65 作動ストローク方向
66 戻りストローク方向
71 メインピストンライン
72 ピストン式アキュムレータライン
73 低減ライン
74 バイパス
75 駆動シリンダライン
76 戻りストロークライン
77 ポンプライン
78 制御ライン
81 圧力計測
図1
図2
図3
図4