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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】袋処理システム
(51)【国際特許分類】
   B65B 43/28 20060101AFI20220916BHJP
   B65B 43/18 20060101ALI20220916BHJP
【FI】
B65B43/28 A
B65B43/18
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2018062779
(22)【出願日】2018-03-28
(65)【公開番号】P2019172315
(43)【公開日】2019-10-10
【審査請求日】2020-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】中 本 格 衛
【審査官】長谷川 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-051782(JP,A)
【文献】特開2016-030645(JP,A)
【文献】特開2016-003038(JP,A)
【文献】特開平08-217236(JP,A)
【文献】特開平05-229524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 43/28
B65B 43/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の処理機構と、ストッカーと、を備える袋処理システムであって、
前記複数の処理機構の各々は、
供給ステーション、処理ステーション及び放出ステーションを含む複数のステーションに袋を順次搬送する処理装置と、
供給方向に前記袋を搬送し、当該袋を前記供給ステーションに供給する供給装置と、
前記放出ステーションから前記袋を受け取って、当該袋を放出方向に搬送する放出装置と、を含み、
前記複数の処理機構のうちの2以上の処理機構の各々において、前記供給方向及び前記放出方向は互いに実質的に同じ方向であり、
前記2以上の処理機構間において、前記供給方向は実質的に同じ方向であり且つ前記放出方向は実質的に同じ方向であり、
前記複数の処理機構は、
前記処理装置が前記袋を第1の回転方向に搬送する第1タイプの処理機構と、
前記処理装置が前記袋を前記第1の回転方向とは異なる第2の回転方向に搬送する第2タイプの処理機構であって、前記第1タイプの処理機構に対して隣り合う位置に設けられる第2タイプの処理機構と、を含み、
前記供給方向及び前記放出方向と垂直を成す並置方向に並べられる前記第1タイプの処理機構と前記第2タイプの処理機構との間には、動線としての領域である動線スペースであって、前記並置方向と垂直を成す方向に延びる動線スペースが設けられており、
前記第1タイプの処理機構及び前記第2タイプの処理機構の前記供給装置に前記袋が供給される補給位置は、前記動線スペースよりも前記並置方向と垂直を成す方向にずれており、
前記供給装置に供給される前記袋を複数保持する前記ストッカーは、
移動可能に設けられた本体部と、
前記本体部により支持される収容部と、
2以上の前記袋を含む袋束を前記収容部において支持する支持部材と、を有する袋処理システム。
【請求項2】
前記複数のステーションの配列位置に関して、前記供給ステーション及び前記放出ステーションは互いに隣り合った位置に設けられる請求項1に記載の袋処理システム。
【請求項3】
前記処理装置は、回転軸を中心に回転する回転テーブルと、前記回転テーブルに取り付けられ前記袋を保持するための複数の保持部と、を含み、
前記供給装置は、前記袋を供給搬送路において前記供給方向に搬送する供給搬送部を含み、
前記放出装置は、前記袋を放出搬送路において前記放出方向に搬送する放出搬送部を含み、
前記供給方向と平行に延び且つ前記供給搬送部の全体における前記供給搬送路の中心を通る供給搬送中心線は、前記回転軸と交わらず、
前記放出方向と平行に延び且つ前記放出搬送部の全体における前記放出搬送路の中心を通る放出搬送中心線は、前記回転軸と交わらない請求項1又は2に記載の袋処理システム。
【請求項4】
前記供給装置は、
前記袋を前記供給方向に搬送する供給搬送部と、
前記供給搬送部からの前記袋の配置を調整する配置調整部と、
前記配置調整部によって配置が調整された前記袋を前記供給ステーションに移送する受渡装置と、を含む請求項1又は2に記載の袋処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
袋に内容物を収容する包装機や袋にスパウトを取り付けるスパウト取り付け機などの袋処理システムとして、いわゆる間欠回転式のロータリ型袋処理機が知られている。典型的な間欠回転ロータリ型袋処理機では、間欠回転するロータリテーブルの周囲に複数組のグリッパーペアが等間隔に配置され、グリッパーペアによって袋の両側縁部を把持しつつ当該袋がグリッパーペアとともに間欠的に搬送される。このようにして搬送される袋は、それぞれの間欠停止位置において、様々な処理(例えば、袋の開口、被包装物の充填、及び口部のシール等の処理)を受ける。
【0003】
この間欠回転ロータリ型袋処理機は、以下の利点を有する。
【0004】
間欠停止位置で停止している袋に対して各種の処理が行われるため、各種の処理を確実且つ安定的に行うことができる。また袋の停止中に各種処理を行うことができるため、各種処理を行う装置を袋に追従させる機構を設ける必要がなく、装置構造の簡略化、コンパクト化及びコスト低減を行うことができる。また間欠回転ロータリ型袋処理機は、通常は、円弧軌道に沿って、袋をその幅方向に搬送する。そのため、特許文献1が開示する間欠搬送多列型袋処理機のように袋をその厚み方向に搬送する構成に比べ、間欠回転ロータリ型袋処理機は、搬送に伴う袋の揺れを抑えることができ、袋の揺れに起因する懸念(例えば、袋内の液が袋外に飛び出る、そのような液が袋の口部内面のシール予定部に付着する、及び脱気後に袋内へ空気が流入する等)を防ぐことができる。
【0005】
また間欠回転ロータリ型袋処理機では、各種処理を行う装置をロータリテーブルの周囲に配置することができるため、袋等の変更に伴う部品交換や調整等を容易に行うことができ、汎用性が高く、保守やメンテナンス等も容易に行うことができる。一方、間欠搬送多列型袋処理機では、処理機の中央部付近にも各種処理を行う装置を配置する必要があり、袋等の変更に伴う部品交換、調整、保守、及びメンテナンス等を簡単には行うことができない。さらに間欠回転ロータリ型袋処理機では、袋の搬送軌道が円に近い円弧であるため、間欠搬送多列型袋処理機等に見られるリターン部(特許文献1のチェーンコンベアのリターン部参照)のような無駄な軌道がほとんど存在せず、限られたスペースにおいて効率的に処理を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特公平03-29650号公報
【文献】特開2009-29446号公報
【文献】実用新案登録第3123709
【文献】特開2012-12041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
多数の袋に対して袋処理を行うために或いは複数種類の袋処理を行うために、1つのスペース(例えば工場内の作業室)に複数の間欠回転ロータリ型袋処理機を並べて配置することがある。しかしながら複数の間欠回転ロータリ型袋処理機を並べて配置する際には、次のような懸念がある。
【0008】
間欠回転ロータリ型袋処理機では、袋を処理機側に供給するためのステーションと、処理された袋を処理機外へ放出するためのステーションとが隣り合う位置に設けられることが一般的である。袋処理機において処理工程数が多くなると、回転テーブルの径が大きくなって、装置自体が大きくなる。そのため実際には、必要な処理工程数に応じて袋処理機の構成が適応的に決められ、例えば、回転テーブルの径、ステーション数及びグリッパー数は、必要な処理工程数に応じて決められる。このように無駄な工程が発生しないように装置を設計すると、通常は、袋供給工程が行われるステーションと袋放出工程が行われるステーションとは隣り合う位置に設けられる。
【0009】
ロータリ型袋処理機において袋供給工程が行われるステーションと袋放出工程が行われるステーションとを隣り合った位置に設けると、袋供給工程における袋の供給方向と袋放出工程における袋の放出方向とは互いに異なる向きになる。すなわち通常は、供給方向及び放出方向は、回転テーブルの回転中心を基準とした径方向と平行に設定される。そのため、3以上のステーションが設けられるロータリ型袋処理機では、袋の供給方向及び放出方向は互いに非平行となる。例えば、8つのステーションが設けられる場合、隣り合うステーション間の角度は回転テーブルの回転中心を基準に45°となるため、袋の供給方向及び放出方向も45°程度ずれるのが一般的である。
【0010】
袋供給方向及び袋放出方向が互いに異なる方向に向けられているロータリ型袋処理機を複数並べて設置する場合、設置スペース及び作業者の動線に不具合が生じうる。
【0011】
通常は、必要な処理がスムーズに順番通り行われるように、また袋の運搬距離及び処理時間を短縮することができるように、装置の設置が決められる。1台のロータリ型袋処理機のみが設置される場合には、袋供給方向及び袋放出方向が設置スペースや動線に与える影響は比較的小さい。しかしながら、2台以上のロータリ型袋処理機が設けられる場合には、処理機相互間において袋供給方向及び袋放出方向が設置スペースや動線に与える影響は比較的大きく、限られたスペースに必要な処理機を設置しつつ、十分な大きさの動線を確保することが難しい場合がある。例えば、十分な大きさの動線を確保するために隣り合うロータリ型袋処理機間の間隔を大きくすることも考えられるが、その場合、大きな設置スペースが必要になり、装置の設置自体が困難になることも想定される。また動線スペースの不足を補うために、ロータリ型袋処理機毎に特定の作業者を割り当てることも考えられるが、その場合、人件費が増大し、結果的にコストが増大する。
【0012】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、複数の処理機構をスペース効率良く設置することを可能にする袋処理システムを提供することを目的とする。また本発明の他の目的は、限られた数の作業者で効率的に袋の処理を行うことができる袋処理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一態様は、複数の処理機構を備える袋処理システムであって、複数の処理機構の各々は、供給ステーション、処理ステーション及び放出ステーションを含む複数のステーションに袋を順次搬送する処理装置と、供給方向に袋を搬送し、当該袋を供給ステーションに供給する供給装置と、放出ステーションから袋を受け取って、当該袋を放出方向に搬送する放出装置と、を含み、複数の処理機構のうちの2以上の処理機構の各々において、供給方向及び放出方向は互いに実質的に同じ方向であり、2以上の処理機構間において、供給方向は実質的に同じ方向であり且つ放出方向は実質的に同じ方向である袋処理システムに関する。
【0014】
複数のステーションの配列位置に関して、供給ステーション及び放出ステーションは互いに隣り合った位置に設けられてもよい。
【0015】
複数の処理機構は、処理装置が袋を第1の回転方向に搬送する第1タイプの処理機構と、処理装置が袋を第1の回転方向とは異なる第2の回転方向に搬送する第2タイプの処理機構であって、第1タイプの処理機構に対して隣り合う位置に設けられる第2タイプの処理機構と、を含んでもよい。
【0016】
処理装置は、回転軸を中心に回転する回転テーブルと、回転テーブルに取り付けられ袋を保持するための複数の保持部と、を含み、供給装置は、袋を供給搬送路において供給方向に搬送する供給搬送部を含み、放出装置は、袋を放出搬送路において放出方向に搬送する放出搬送部を含み、供給方向と平行に延び且つ供給搬送部の全体における供給搬送路の中心を通る供給搬送中心線は、回転軸と交わらず、放出方向と平行に延び且つ放出搬送部の全体における放出搬送路の中心を通る放出搬送中心線は、回転軸と交わらなくてもよい。
【0017】
供給装置は、袋を供給方向に搬送する供給搬送部と、供給搬送部からの袋の配置を調整する配置調整部と、配置調整部によって配置が調整された袋を供給ステーションに移送する受渡装置と、を含んでもよい。
【0018】
袋処理システムは、供給装置に供給される袋を複数保持するストッカーを更に備え、ストッカーは、移動可能に設けられた本体部と、本体部により支持される収容部と、2以上の袋を含む袋束を収容部において支持する支持部材と、を有してもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、複数の処理機構をスペース効率良く設置することを可能にする。また本発明によれば、限られた数の作業者で効率的に袋の処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、本発明の一実施形態に係る処理機構を示す平面図である。
図2図2は、図1に示す処理機構を複数(具体的には3つ)備える袋処理システムの平面図である。
図3図3は、従来の袋処理システムの平面図である。
図4図4は、第2実施形態に係る袋処理システム及び処理機構(第1タイプの処理機構a及び第2タイプの処理機構b)を示す平面図であり、2つの処理機構が設けられる袋処理システムが示されている。
図5図5は、第2実施形態に係る袋処理システム及び処理機構(第1タイプの処理機構a及び第2タイプの処理機構b)を示す平面図であり、3つの処理機構が設けられる袋処理システムが示されている。
図6図6は、第3実施形態に係る袋処理システム及び処理機構を示す平面図である。
図7図7は、第4実施形態に係る袋処理システム及び処理機構を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図面を参照して本発明のいくつかの実施形態について説明する。
【0022】
[第1実施形態]
図1は、本発明の一実施形態に係る処理機構11を示す平面図である。図2は、図1に示す処理機構11を複数(具体的には3つ)備える袋処理システム10の平面図である。
【0023】
各処理機構11は、図1に示すように、処理装置12、供給装置14及び放出装置15を含む。処理装置12は、複数のステーションS1~S8に袋Bを順次搬送しつつ、袋Bに対して各種の処理を行う。供給装置14は、供給方向Dsに袋Bを搬送し、当該袋Bを供給ステーション(図1の第1ステーションS1)に供給する。放出装置15は、放出ステーション(図1の第8ステーションS8)から袋Bを受け取って、当該袋Bを放出方向Ddに搬送する。供給ステーション(第1ステーションS1)及び放出ステーション(第8ステーションS8)は、複数のステーションS1~S8の配列位置に関し、互いに隣り合った位置に設けられている。なお、図1に示すように供給方向Ds及び放出方向Ddの各々と直交し且つ回転軸Aと交わる基準面Prを想定した場合、基準面Prの一方側に、供給装置14から第1ステーションS1に袋Bを供給する位置(袋供給位置)が存在し、基準面Prの他方側に、第8ステーションS8から放出装置15に袋Bを放出する位置(袋放出位置)が存在する。
【0024】
複数のステーションS1~S8は、上述の供給ステーション(第1ステーションS1)及び放出ステーション(第8ステーションS8)に加え、袋Bに処理を加える1又は複数の処理ステーションを含む。図1に示す処理装置12では、第3ステーションS3において袋Bの口部を開く処理が開口装置33によって行われ、第4ステーションS4において袋Bの内側に固形物を投入する処理が固形物投入装置34によって行われ、第5ステーションS5において袋Bの内側に液体を注入する処理が液体注入装置35によって行われ、第6ステーションS6において袋Bの内側を脱気する処理が脱気装置36によって行われ、第7ステーションS7において袋Bの口部をシールする処理がシール装置37によって行われる。このように図示の処理装置12では、第3ステーションS3~第7ステーションS7が実質的な処理ステーションとして機能する。なお図示の第2ステーションS2は、特に処理が行われない空きステーションであるが、袋Bに対する処理等が第2ステーションS2で行われてもよい。
【0025】
図1に示す処理機構11には8つのステーションが設けられているが、ステーションの数は限定されず、例えば10のステーション(第1ステーションS1~第10ステーション)が各処理機構11に設けられていてもよい。その場合、例えば第1ステーションS1を供給ステーションとして使用し、第10ステーションS10を放出ステーションとして使用することが可能である。
【0026】
供給装置14は、供給搬送部26及び受渡装置30を含む。供給搬送部26は、袋Bを供給搬送路25上において供給方向Dsに搬送する。受渡装置30は、供給搬送部26から袋Bを受け取って、当該袋Bを第1ステーションS1(供給ステーション)に移送する。
【0027】
供給搬送部26は供給方向Dsに延在するマガジンを有し、このマガジンに多数の袋Bが貯留され、マガジンに貯留された袋Bが供給方向Dsへ受渡装置30に向かって徐々に移動するようにマガジンは構成される。図示の供給搬送部26は、供給方向Dsと垂直を成す並置方向Daに並んで配置された複数(具体的には2つ)のマガジンを有し、各マガジンが供給方向Dsに延在する供給搬送路25を構成する。このように、マガジンに貯留される多数の袋Bは、供給方向Dsと平行な方向へ互いに積層される。そのため、より多くの袋Bをマガジンに貯留する必要がある場合には、マガジンを供給方向Dsと平行な方向に拡張すればよい。この場合、マガジンの占有エリアは、供給方向Dsと平行な方向に関しては増大するが、供給方向Dsと垂直を成す並置方向Daに関しては増大しない。したがって、並置方向Daに隣り合って配置される他の処理機構11に対して実質的に影響を及ぼすことなく、マガジンに貯留可能な袋Bの数を増大できる。なお、マガジン(すなわち供給搬送部26の供給搬送路25)に対する袋Bの補給方法は限定されず、作業者Wによってマガジンに袋Bが補給されてもよいし、図示しない装置によってマガジンに袋Bが補給されてもよい。
【0028】
受渡装置30は、供給搬送部26から受け取った袋Bの位置及び向きを調整し、その後、当該袋Bを第1ステーションS1に配置された保持部22に渡す。図示の受渡装置30は、供給搬送部26(マガジン)から1度に2つの袋Bを受け取って、これらの袋Bの位置及び向きを同時に調整する。受渡装置30は、第1ステーションS1に配置された保持部22が袋Bを適切に保持可能なように袋Bの位置及び向きを変更することができる任意の機構を有することができる。そのような袋Bの位置及び向きを調整する機構として、例えば特開2009-29446号公報や実用新案登録第3123709に開示されている機構を応用した機構を用いることが可能である。
【0029】
処理装置12は、架台18上に設置され回転軸Aを中心に回転方向Drへ回転する回転テーブル21と、回転テーブル21に取り付けられ袋Bを保持するための複数の保持部22と、を含む。回転テーブル21は円形の平面形状を有し、複数の保持部22は回転テーブル21の外周部に対して固定的に設けられている。複数の保持部22は複数のグループに分類され、このグループの数はステーションの数と同じであり、図示の例では8グループの保持部22が回転テーブル21の円周方向に等間隔に設けられている。図示の処理装置12では、各保持部22がグリッパーペアを含み、各グループが2つの保持部22(すなわち2つのグリッパーペア)を含む。各グリッパーペアは、2つのグリッパーを含み、対応の袋Bの両側縁部を把持可能に構成されている。回転テーブル21が回転することによって、グリッパーペアとともに袋Bが第1ステーションS1~第8ステーションS8を順次巡る。各グリッパーは、第1ステーションS1において開状態から閉状態に移行し、受渡装置30から供給される袋Bを把持する。また各グリッパーは、第2ステーションS2~第7ステーションS7では、閉状態を維持し、袋Bを把持し続ける。そして各グリッパーは、第8ステーションS8において閉状態から開状態に移行し、袋Bをリリースして取出装置31に渡す。なお各グリッパーの開閉動作は、図示しないコントローラの制御下で行われてもよいし、機械的な仕組みに基づいて行われてもよい。
【0030】
回転テーブル21は、図示しないコントローラの制御下で、モータ駆動により間欠的に回転する。具体的には、回転テーブル21に取り付けられた保持部22が第1ステーションS1~第8ステーションS8のそれぞれにおいて間欠的に停止するように、回転テーブル21は間欠的に回転する。各ステーションに設けられた装置は、回転テーブル21が間欠的に停止している間に、対応のステーションに配置された袋Bに対して処理を行う。図示の処理装置12では、第3ステーションS3において袋Bの口部が開かれ、第4ステーションS4において袋Bの内側に固形物が投入され、第5ステーションS5において袋Bの内側に液体が注入され、第6ステーションS6において袋Bの内側の脱気が行われ、第7ステーションS7において袋口がシールされて袋Bは密封される。
【0031】
なお回転テーブル21は、間欠的に停止することなく、連続的に回転してもよい。この場合、保持部22により保持された状態で連続的に移動する袋Bに対し、処理装置12は所定の処理を行う。連続的に移動する袋Bが処理を適切に受けることができるように、各ステーションに設けられる装置は、必要に応じて、袋Bに追従してもよい。
【0032】
なお処理ステーションにおいて各種処理を行う装置は限定されず、任意の構成を有することができる。例えば脱気装置36は、第6ステーションS6に配置された袋Bの内側にスチームを吹き付けるノズルを有し、袋B内に供給されたスチームが常温になって液体(例えば水)に変わる際の体積変化を利用して袋B内の脱気を行ってもよい。またシール装置37は、例えば超音波溶着(超音波シール)によって袋Bの口部をシールすることができるが、他の方法(例えば熱溶着(加熱シール))によって袋Bの口部をシールすることも可能である。なお、シール装置37が加熱シールを採用する場合には、後段において袋Bのシール箇所の冷却を要する場合があるが、シール装置37が超音波シールを採用する場合にはそのような冷却工程は不要である。
【0033】
また上述の図1に示す処理ステーションにおける処理は一例に過ぎず、処理ステーションで実施可能な処理は限定されない。例えば、固形物投入処理及び/又は液体注入処理が行われなくてもよいし、固形物の投入及び液体の注入が1つのステーションで行われてもよいし、その他の物体(例えばゲル状体や気体)を袋Bの内側に供給する処理が行われてもよい。また開口処理、脱気処理及び/又はシール処理が行われなくてもよいし、他の処理が処理ステーションにおいて行われてもよい。
【0034】
図示の処理機構11及び処理装置12は袋B内に内容物を投入する処理を行うが、それに加えて又はその代わりに、例えば袋Bにスパウト等の器具を取り付ける処理を行ってもよい。その場合、例えば、互いに近接する位置に袋B及び器具を配置し、各袋Bに対して対応の器具を取り付ける処理を行うための1又は複数のステーションが処理ステーションに含まれてもよく、そのような処理に必要とされる装置が対応のステーションに設置される。一例として、例えば第3ステーションS3において開口装置33により袋Bを開口し、第4ステーションS4において取り付け装置41により袋Bの袋口に器具(スパウト等)を取り付けてもよい。
【0035】
放出装置15は、取出装置31及び放出搬送部28を含む。取出装置31は処理装置12(第8ステーションS8に配置された保持部22)から袋Bを受け取って、当該袋Bを放出搬送部28に移送する。放出搬送部28は、取出装置31から受け取って放出搬送路27上に載せられた袋Bを放出方向Ddに搬送し、後段に向けて当該袋Bを送り出す。
【0036】
取出装置31は、第8ステーションS8に配置された保持部22から受け取った袋Bの位置及び向きを調整し、その後、放出装置15の放出搬送部28によって構成される放出搬送路27の上方で当該Bをリリースする。これにより、放出搬送路27上に袋Bが載せられる。図示の取出装置31は、第8ステーションS8に配置された保持部22から1度に2つの袋Bを受け取って、これらの袋Bの位置及び向きを同時に調整する。取出装置31は、袋Bを放出搬送路27上に適切に載せることが可能な位置及び向きに袋Bの姿勢を変更することができる任意の機構を有することができる。例えば、袋Bの両側縁部を把持する保持部22と干渉しない保持機構(例えば袋Bの口部を把持する移動可能なチャック部材)を取出装置31は有することができる。取出装置31が具備する袋Bの位置及び向きを調整する機構として、例えば特開2012-12041号公報に開示されている機構を応用した機構を用いることが可能である。
【0037】
図示の放出装置15はベルトコンベアによって構成されており、放出方向Ddへ走行可能に設けられるベルトによって放出搬送路27が構成され、当該放出搬送路27上に載せられた袋Bがベルトの走行とともに放出方向Ddに搬送される。なお、処理装置12から放出装置15に放出される袋Bは、基本的に、処理装置12において処理を受けた後の袋であり、図示の例では、固形物及び液体が封入された製品袋が処理装置12から放出装置15に送られてくる。
【0038】
上述の構成を有する各処理機構11において、供給方向Ds及び放出方向Ddは互いに実質的に同じ方向である。また2以上の処理機構11間において、供給方向Dsは実質的に同じ方向であり且つ放出方向Ddは実質的に同じである。特に、供給方向Ds及び放出方向Ddは互いに実質的に平行であり、また供給方向Ds及び放出方向Ddは並置方向Daと垂直を成す。これにより、供給装置14及び放出装置15が並置方向Daに長大化することを防ぎ、並置方向Daに関する各処理機構11のサイズの増大を抑えることができる。特に、供給方向Ds及び放出方向Ddを並置方向Daと垂直を成す方向とすることで、並置方向Daに関する処理機構11間の領域を動線スペースSaとして活用することができる。したがって、袋処理システム10を設置可能な作業室Swの大きさが限られていても、処理機構11間に必要十分な大きさの動線スペースSaを確保することが可能になり、当該動線スペースSaを処理機構11の保守や点検を行うための作業スペースとして活用することができる。
【0039】
図2に示す袋処理システム10では、すべての処理機構11の各々に関し、水平面内において供給方向Ds及び放出方向Ddが互いに実質的に平行となるよう(特に供給方向Ds及び放出方向Ddが互いに一致するように)、供給装置14及び放出装置15は配置されている。また図2に示す例では、袋処理システム10が備える3つ処理機構11のすべてにおいて、供給方向Ds及び放出方向Ddが実質的に同じ向きに設定されており、並置方向Daと垂直を成す方向(図2の右向き)に設定されている。
【0040】
なお供給方向Ds同士が実質的に同じ方向、放出方向Dd同士が実質的に同じ方向、及び供給方向Ds及び放出方向Ddが実質的に同じ方向とは、必ずしも厳密に同じ方向であることを要求するものではなく、比較対象の2つの方向が互いに概ね同じ方向であればよい。また供給方向Ds及び放出方向Ddが互いに実質的に平行であるとは、必ずしも厳密な平行性を要求するものではなく、供給方向Ds及び放出方向Ddが互いに概ね平行であればよい。なお、供給方向Ds及び放出方向Ddが実質的に同じ方向である場合や供給方向Ds及び放出方向Ddが実質的に平行である場合、供給方向Dsに搬送される袋Bと放出方向Ddに搬送される袋Bとは同一直線上を移動してもよいし、互いに一致しない2つの直線上をそれぞれが移動してもよい。したがって各処理機構11において、供給方向Ds及び放出方向Ddが互いに並置方向Daにずれていてもよい。
【0041】
また各処理機構11において、供給装置14のうち供給方向Dsに袋Bを搬送する部分(すなわち供給搬送部26の供給搬送路25)と、放出装置15のうち放出方向Ddに袋Bを搬送する部分(すなわち放出搬送部28の放出搬送路27)とは、供給方向Ds及び放出方向Ddに関し、少なくとも一部において対向する。すなわち、供給搬送路25を供給方向Ds及び放出方向Ddに投影した場合に得られる像と、放出搬送路27を供給方向Ds及び放出方向Ddに投影した場合に得られる像とは、部分的に又は全体的に互いに重なる。これにより、並置方向Daに関する各処理機構11のサイズの増大をより一層効果的に抑えることができる。
【0042】
特に、図1に示す処理機構11において、供給方向Dsと平行に延び且つ供給搬送部26の全体における供給搬送路25の中心を通る供給搬送中心線Lsは、放出方向Ddと平行に延び且つ放出搬送部28の全体における放出搬送路27の中心を通る放出搬送中心線Ldと一致する(すなわち重なる)。これにより、供給装置14(特に供給搬送路25)と放出装置15(特に放出搬送路27)との間における並置方向Daに関する位置のずれを抑えて、並置方向Daに関する各処理機構11のサイズの増大を抑えることができる。
【0043】
なお、処理装置12の処理性能が向上し、単位時間当たりに処理可能な袋Bの数が増えた場合には、供給搬送部26に貯留する袋Bの数を増大したり、放出搬送部28によって搬送する袋Bの数を増大したりすることが求められることがある。そのような場合、本実施形態の処理機構11及び袋処理システム10によれば、並置方向Daと垂直を成す供給方向Dsへ供給搬送部26(供給搬送路25)を拡張したり、また並置方向Daと垂直を成す放出方向Ddへ放出搬送部28(放出搬送路27)を拡張したりすることによって、そのような要求に対応することが可能である。すなわち、並置方向Daへの供給搬送路25及び放出搬送路27の拡張は必ずしも必要とされない。このようにして、各処理機構11の並置方向Daへの大型化を防ぎつつ、供給搬送部26に貯留する袋Bの数の増大や、放出搬送部28によって搬送する袋Bの数の増大にも対応することが可能である。
【0044】
また図2に示すように複数の処理機構11のそれぞれの供給装置14を、対応の処理装置12を基準にして同じ側(図2では左側)に配置することによって、それぞれの供給装置14に対する作業(例えば袋Bの補給作業)を容易にすることができる。特に、各供給装置14のうち袋Bが補給される箇所(図2では各供給搬送部26の左側端部)や他の作業が行われる箇所が、供給方向Ds及び放出方向Ddと平行な方向に関して架台18から突出した位置にあることが好ましい。この場合、作業者Wは、処理機構11間の動線スペースSaに進入することなく、作業を行うことができる。
【0045】
また図1及び図2に示す各処理機構11では、供給装置14(特に供給搬送部26)及び放出装置15(特に放出搬送部28)は、架台18から並置方向Daに関して突出しないように設けられている。これにより処理機構11間のスペースを動線スペースSaとして効率的に利用することができ、並置方向Daに関する処理機構11間の距離を短くしつつ、動線として必要十分な大きさの領域を動線スペースSaとして確保することができる。
【0046】
なお図2に示す例では、同一の装置構成を持つ複数の処理機構11が並べられているが、袋処理システム10は、装置構成が互いに異なる2以上の処理機構11を含んでいてもよい。例えば、第2ステーションS2~第7ステーションS7で行われる処理の種類や設置される装置が、処理機構11間で異なっていてもよい。ただし、そのような場合であっても、供給方向Ds及び放出方向Ddは処理機構11間で共通することが好ましく、各処理機構11における供給方向Ds及び放出方向Ddは、並置方向Daと垂直を成すことが好ましい。
【0047】
図3は、従来の袋処理システム10の平面図である。図3に示す袋処理システム10の各処理機構11では、供給方向Ds及び放出方向Ddは互いに異なる方向である。また、供給装置14のうち並置方向Daと垂直を成す供給方向Dsに袋Bを搬送する部分と、放出装置15のうち並置方向Daと垂直を成す放出方向Ddに袋Bを搬送する部分とは、供給方向Ds及び放出方向Ddに関して互いに対向していない。そのため、供給装置14及び放出装置15は、並置方向Daに関してお互いに比較的離れた位置に設けられ、各処理機構11の並置方向Daに関するサイズが大型化する。したがって袋処理システム10を設置するための作業室Swの大きさが限られている場合には、処理機構11間に十分な大きさの動線スペースSaを確保できないことがある。また、処理機構11間に十分な大きさの動線スペースSaを確保するためには、袋処理システム10が設置される作業室Swを大きくする必要があり、袋処理システム10を設置可能な場所が限定される。
【0048】
また図3に示すように、隣り合って配置される2つの処理機構11のそれぞれの供給装置14間に放出装置15が配置される場合、放出装置15によって供給装置14間の動線が遮断される。そのため作業者Wは、供給装置14間を最短距離では行き来することができない。例えば、2つの処理機構11のそれぞれの供給装置14に対する袋Bの補給を1人の作業者Wによって行う場合、図3に示す袋処理システム10では、作業者Wは放出装置15を迂回して供給装置14間を移動する必要がある。また、多数の袋BをケースCにストックしておき、作業者Wが袋BをケースCから取り出して供給装置14に補給する場合、ケースCの移動距離が長大化したり、放出装置15を跨いでケースCを移送する機構が必要になったりする。
【0049】
なお図3に示す供給装置14は、直線的に延在する供給搬送路25を有する。したがって、供給装置14に貯留する袋Bの数を増大させる場合、供給搬送路25を供給方向Dsと平行に拡張すればよく、並置方向Daに供給搬送路25を拡張する必要がない。一方、図3に示す放出装置15は、放出方向Ddにのみ延びる放出搬送路27bだけではなく、並置方向Daに対して傾斜する方向に延びる放出搬送路27aも含む。したがって、放出装置15により搬送する袋Bの数を増大するために、放出搬送路27aを拡張する必要がある場合には、各処理機構11の並置方向Daに関するサイズが大型化する。なお、図3に示す放出装置15の位置に供給装置14を配置し、図3に示す供給装置14の位置に放出装置15を配置してもよい。ただしこの場合、供給装置14に貯留する袋Bの数を増大するために並置方向Daへ供給装置14を拡張する必要があると、各処理機構11の並置方向Daに関するサイズが大型化する。各処理機構11の並置方向Daに関するサイズが大型化すると、袋処理システム10全体の設置スペースが大型化したり、処理機構11間の間隔が更に小さくなったりする。
【0050】
以上説明したように図1及び図2に示す本実施形態の袋処理システム10及び処理機構11によれば、処理機構11のサイズが並置方向Daに関して増大することを抑えることができる。また複数の処理機構11を並置方向Daに並べて配置する場合、並置方向Daに関して比較的近い位置に複数の処理機構11のそれぞれの供給搬送路25を配置することができる。これにより、袋処理システム10をコンパクトに構成することができ、また複数の処理機構11を少人数の作業者Wで稼働させることが可能になる。また供給搬送部26の供給搬送路25にストックする袋Bの数が増えて供給搬送路25(マガジン)を拡張する必要があっても、処理機構11間の距離を変更する必要がない。
【0051】
また供給搬送部26の供給搬送路25と放出搬送部28の放出搬送路27とが基準面Prを介して互いに対向する位置に配置され、その他の工程(例えば袋Bを開口する工程、固形物を投入する工程、液体を充填する工程、及び袋Bを脱気する工程等)が行われるステーションは、供給搬送路25及び放出搬送路27を基準に一方側に配置される。その他の工程が行われるステーションには、処理対象の袋が変更された場合には調整が必要な装置が設置されることがある。作業者Wは、供給搬送路25及び放出搬送路27によって邪魔されずに、他のステーションに配置されたそのような装置の調整を比較的簡単に行うことが可能である。なお一般的に、供給搬送部26及び放出搬送部28の調整の頻度は高くない。
【0052】
[第2実施形態]
本実施形態において、上述の第1実施形態と同一又は類似の要素には第1実施形態の対応の要素と同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお本実施形態に係る袋処理システム10及び処理機構11は、他の実施形態に対しても応用することができる。
【0053】
図4及び図5は、第2実施形態に係る袋処理システム10及び処理機構11(第1タイプの処理機構11a及び第2タイプの処理機構11b)を示す平面図であり、図4には2つの処理機構11が設けられる袋処理システム10が示されており、図5には3つの処理機構11が設けられる袋処理システム10が示されている。
【0054】
本実施形態に係る袋処理システム10が備える複数の処理機構11は、処理装置12が袋Bを第1の回転方向Dr1に搬送する第1タイプの処理機構11aと、処理装置12が袋Bを第1の回転方向Dr1とは異なる第2の回転方向Dr2に搬送する第2タイプの処理機構11bと、を含む。第2タイプの処理機構11bは、第1タイプの処理機構11aに対して並置方向Daに隣り合う位置に設けられている。
【0055】
本実施形態によれば、第1タイプの処理機構11aの供給装置14(特に供給搬送部26)と第2タイプの処理機構11bの供給装置14(特に供給搬送部26)とを、動線スペースSaを挟んで隣り合う位置に設置することができる。同様に、第1タイプの処理機構11aの放出装置15(特に放出搬送部28)と第2タイプの処理機構11bの放出装置15(特に放出搬送部28)とを、動線スペースSaを挟んで隣り合う位置に設置することができる。図4及び図5において、第1タイプの処理機構11aの供給搬送部26及び放出搬送部28は、紙面において第1タイプの処理機構11aのうちの下側に配置されるが、第2タイプの処理機構11bの供給搬送部26及び放出搬送部28は、紙面において第2タイプの処理機構11bのうちの上側に配置される。
【0056】
このように、第1タイプの処理機構11aの供給搬送部26と第2タイプの処理機構11bの供給搬送部26との間の距離を短くすることによって、供給搬送部26に対する袋の補給等の作業が容易になり、作業者Wの負担を軽減することができる。同様に、第1タイプの処理機構11aの放出搬送部28と第2タイプの処理機構11bの放出搬送部28との間の距離を短くすることによって、放出搬送部28に対する作業が容易になり、作業者Wの負担を軽減することができる。
【0057】
また、第1タイプの処理機構11aと第2タイプの処理機構11bとの間に設けられる動線スペースSaを、第1タイプの処理機構11aと第2タイプの処理機構11bとの間で共用することができる。したがって、隣り合って配置される第1タイプの処理機構11a及び第2タイプの処理機構11bのそれぞれに対して別個の動線スペースSaを確保する必要がなく、並置方向Daに関する袋処理システム10全体のサイズを小型化できる。
【0058】
なお本実施形態に係る袋処理システム10では、図4に示すように、供給方向Dsと平行に延び且つ供給搬送部26の全体における供給搬送路25の中心を通る供給搬送中心線Lsは、回転軸Aと交わらない。また、放出方向Ddと平行に延び且つ放出搬送部28の全体における放出搬送路27の中心を通る放出搬送中心線Ldは、回転軸Aと交わらない。この場合、並置方向Daに関し、回転テーブル21の中心(すなわち回転軸A)からずれた位置に、供給搬送路25及び放出搬送路27が配置される。これにより、第1タイプの処理機構11aの供給搬送路25と第2タイプの処理機構11bの供給搬送路25との間の距離を短くできるという利益が得られ、また第1タイプの処理機構11aの放出搬送路27と第2タイプの処理機構11bの放出搬送路27との間の距離を短くできるという利益が得られる。このように供給搬送路25間の距離を短くする観点からは、並置方向Daに関して供給搬送路25を回転テーブル21の中心(すなわち回転軸A)からより離れた位置に配置することが好ましい。同様に、放出搬送路27間の距離を短くする観点からは、並置方向Daに関して放出搬送路27を回転テーブル21の中心(すなわち回転軸A)からより離れた位置に配置することが好ましい。
【0059】
[第3実施形態]
本実施形態において、上述の第2実施形態と同一又は類似の要素には第2実施形態の対応の要素と同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお本実施形態に係る袋処理システム10及び処理機構11は、他の実施形態(例えば上述の第1実施形態及び後述の第4実施形態)に対しても応用することができる。
【0060】
図6は、第3実施形態に係る袋処理システム10及び処理機構11を示す平面図である。
【0061】
本実施形態の供給装置14は、袋Bを供給方向Dsに搬送する供給搬送部26と、供給搬送部26からの袋Bの配置を調整する配置調整部29と、配置調整部29によって配置が調整された袋Bを供給ステーション(第1ステーションS1)に移送する受渡装置30と、を含む。このように供給搬送部26と受渡装置30との間に配置調整部29を設けることによって、供給搬送部26において搬送される袋Bの位置及び向きが一定していなくても、配置調整部29により袋Bの位置及び向きが調整され、第1ステーションS1の保持部22に対して適切な姿勢を有する袋Bを供給することができる。
【0062】
なお配置調整部29の具体的な装置構成は限定されない。図示の配置調整部29は、載置台と、供給搬送部26から当該載置台に袋Bを移送する中継移送装置(図示省略)と、を有する。載置台の上面には規制板が設けられており、この規制板は、袋Bの外形(特に両側縁部及び先端側端部)に応じた位置に配置され、載置台の上面に載せられた袋Bを三方から取り囲み、袋Bの両側縁部及び先端側端部と対向する。中継移送装置によって載置台の上面に載せられた袋Bは、先端側端部に対向する位置に設けられた規制板(以下「先端側規制板」とも称する)に接触するまで、摩擦ベルト等の移動手段により移動させられる。この移動中に袋Bは、両側縁部に対向する位置に設けられた規制板によって、幅方向(図6の紙面の上下方向)の配置が調整される。このようにして配置が調整された袋Bは、受渡装置30によって配置調整部29から取り出されて、第1ステーションS1に配置された保持部22に渡される。
【0063】
なお、配置調整部29を構成する要素には様々な工夫が加えられていてもよい。例えば、載置台の上面からの規制板の突出量が可変であってもよく、載置台に袋Bを載せる際や載置台から袋Bを取り出す際に、規制板の突出量を小さくしてもよい(例えば突出量=0であってもよい)。また載置台の上面を傾斜させて、重力を利用し、載置台上で袋Bを移動させてもよい。なお図示の配置調整部29は一例に過ぎず、袋Bの配置を調整することができる他の装置を配置調整部29は採用することが可能である。
【0064】
[第4実施形態]
図7は、第4実施形態に係る袋処理システム10及び処理機構11を示す平面図である。
【0065】
本実施形態において、上述の第2実施形態と同一又は類似の要素には第2実施形態の対応の要素と同じ符号を付し、その詳細な説明を省略する。なお本実施形態に係る袋処理システム10及び処理機構11は、他の実施形態(例えば上述の第1実施形態及び第3実施形態)に対しても応用することができる。
【0066】
本実施形態に係る袋処理システム10は、供給装置14に供給される袋Bを複数保持するストッカー70を更に備える。ストッカー70は、移動可能に設けられた本体部71と、本体部71により支持される収容部72と、2以上の袋Bを含む袋束Bbを収容部72において支持する支持部材73と、を有する。
【0067】
図示の本体部71は車輪を具備し、当該車輪によって作業室Sw内を移動することができる。なお、本体部71の移動方式はこれに限定されず、車輪を具備していなくてもよい。また図示の本体部71は作業者Wによって移動させられるが、これには限定されず、本体部71は他の装置によって移動させられてもよいし、自走機構を具備していてもよい。
【0068】
図示のストッカー70では、重力方向と平行な方向に複数の収容部72が相互に重なるようにして段状に本体部71により支持されている。各段の収容部72には支持部材73が複数設けられており、複数の袋束Bbが支持部材73によって支持されている。図示の支持部材73は、袋束Bbに含まれる各袋Bが起立姿勢をとるように(特に袋Bのうち長辺を形成する端部(本例では両側縁部)の一方が収容部72の底面に接触するように)、各袋束Bbを支持する。ただし、これらの収容部72及び支持部材73も限定されない。例えば、収容部72を、本体部71から水平方向に突出していない状態と本体部71から水平方向に突出している状態との間で、移動可能に設けてもよい。また支持部材73は、各袋束Bbの先端側端部及び後端側端部(すなわち両側縁部以外の端部)のうちの一方を相対的に高い位置に配置しつつ他方を相対的に低い位置に配置した状態(すなわち傾斜状態)で、各袋束Bbを支持してもよい。
【0069】
図示の袋処理システム10では、作業者Wがストッカー70を移動させて、各処理機構11に対して割り当てられた設置位置Psにストッカー70を配置する。設置位置Psは、供給搬送部26の近傍の位置であり、供給搬送路25に対して袋Bを補給する作業を行うのに適した位置である。本実施形態の供給搬送部26の供給搬送路25は並置方向Daと垂直を成す方向に延在しているので、供給搬送路25の近くであって並置方向Daと垂直を成す方向に関して供給搬送路25から離れた位置に設置位置Psが設定されている。これにより、袋処理システム10を並置方向Daに大型化することなく、ストッカー70を利用することができる。
【0070】
特に、図示の供給搬送路25における袋Bの補給位置(すなわち供給搬送路25の左端位置)は、処理機構11間の動線スペースSaよりも、並置方向Daと垂直を成す方向(図7の左側方向)にずれている。そのためストッカー70を動線スペースSaに進入させることなく、ストッカー70から供給搬送路25に袋Bを補給することができる。したがって、ストッカー70のサイズとは無関係に動線スペースSaのサイズを決めることができ、並置方向Daに関する処理機構11間の間隔はストッカー70のサイズよりも小さくてもよい。すなわち、動線スペースSaのサイズとは無関係にストッカー70のサイズを決めることができ、ストッカー70は、並置方向Daに関する処理機構11間の間隔よりも大きくてもよい。
【0071】
そして、ロボットアーム等のデバイスによって構成されるピックアップ装置50が、図示しないコントローラの制御下で、袋B(袋束Bb)を、設置位置Psに配置されたストッカー70から対応の供給装置14の供給搬送部26に移動させる。図示のピックアップ装置50は、袋束Bbを把持してストッカー70から取り出して、その袋束Bbを供給搬送部26の供給搬送路25上に載せる。供給搬送路25上に載せられた袋束Bbは、図示しない搬送デバイスによって供給方向Dsに送られる。
【0072】
袋搬送ライン(供給搬送路25及び/又は放出搬送路27)が並置方向Daに関して架台18から突出している他の袋処理システムにおいて、ストッカー70を処理機構11間の領域に配置する場合、袋搬送ラインがストッカー70の移動を阻害しうる。そのため、袋搬送ラインを跨いでストッカー70を移動させる機構を設置したり、処理機構11間の間隔をストッカー70よりも大きくしたりする必要がある。そのような場合、装置レイアウトが複雑になったり、袋処理システム10を設置する作業室Swとして大きなスペースを確保する必要があったりする。一方、本実施形態の袋処理システム10及び処理機構11によれば、ストッカー70を処理機構11間の動線スペースSaに配置する必要がなく、袋処理システム10の装置レイアウトの自由度が高い。
【0073】
本発明は、上述の実施形態及び変形例には限定されない。例えば、上述の実施形態及び変形例の各要素に各種の変形が加えられてもよい。また、本発明によって奏される効果も上述の効果に限定されず、各実施形態の具体的な構成に応じた特有の効果も発揮されうる。このように、本発明の技術的思想及び趣旨を逸脱しない範囲で、特許請求の範囲、明細書、要約書及び図面に記載される各要素に対して種々の追加、変更及び部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0074】
10 袋処理システム
11 処理機構
11a 第1タイプの処理機構
11b 第2タイプの処理機構
12 処理装置
14 供給装置
15 放出装置
18 架台
21 回転テーブル
22 保持部
25 供給搬送路
26 供給搬送部
27 放出搬送路
28 放出搬送部
29 配置調整部
30 受渡装置
31 取出装置
33 開口装置
34 固形物投入装置
35 液体注入装置
36 脱気装置
37 シール装置
41 取り付け装置
50 ピックアップ装置
70 ストッカー
71 本体部
72 収容部
73 支持部材
A 回転軸
B 袋
Bb 袋束
C ケース
Da 並置方向
Ds 供給方向
Dd 放出方向
Dr 回転方向
Dr1 第1の回転方向
Dr2 第2の回転方向
Ld 放出搬送中心線
Ls 供給搬送中心線
Pr 基準面
Ps 設置位置
S1 第1ステーション
S2 第2ステーション
S3 第3ステーション
S4 第4ステーション
S5 第5ステーション
S6 第6ステーション
S7 第7ステーション
S8 第8ステーション
Sa 動線スペース
Sw 作業室
W 作業者
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7