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特許7142531基地局装置、プログラム、制御装置及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】基地局装置、プログラム、制御装置及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 48/06 20090101AFI20220916BHJP
   H04W 84/06 20090101ALI20220916BHJP
   H04W 4/08 20090101ALI20220916BHJP
【FI】
H04W48/06
H04W84/06
H04W4/08
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018196673
(22)【出願日】2018-10-18
(65)【公開番号】P2020065197
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-07-20
(73)【特許権者】
【識別番号】318002806
【氏名又は名称】HAPSモバイル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蔡 叔達
【審査官】野村 潔
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-232811(JP,A)
【文献】特開2016-195448(JP,A)
【文献】特開2017-98797(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行体に搭載され、地上に通信エリアを形成して前記通信エリア内のユーザ端末と通信接続を確立して前記ユーザ端末に無線通信サービスを提供する基地局装置であって、
前記基地局装置が通信接続を確立しているユーザ端末の数である接続端末数を取得する接続端末数取得部と、
前記接続端末数が第1の閾値より多い場合、前記通信エリア内の前記ユーザ端末から受信する接続要求に対するアドミッション制御を行い、前記接続端末数が前記第1の閾値より少なく、かつ、前記第1の閾値より少ない第2の閾値より多い場合、前記ユーザ端末の複数のグループから接続を許容する接続許容グループを周期的に選択して、前記接続許容グループに含まれるユーザ端末からの接続要求に対して接続確立処理を実行し、前記接続許容グループに含まれないユーザ端末からの接続要求を拒否する要求拒否処理を実行する接続制御部と
を備える基地局装置。
【請求項2】
前記接続制御部は、前記接続端末数が前記第1の閾値より多い場合、前記接続端末数が前記第2の閾値より少ない場合の単位時間当たりの接続許容数よりも少ない接続許容数で、前記ユーザ端末からの接続要求に対する接続確立処理を実行する、請求項1に記載の基地局装置。
【請求項3】
前記接続制御部は、前記接続端末数が前記第1の閾値より多い場合、前記通信エリア内のユーザ端末から受信する接続要求を拒否する要求拒否処理を実行する、請求項2に記載の基地局装置。
【請求項4】
前記複数のグループは、前記ユーザ端末に割り当てられる識別子に基づいて決定される、請求項1から3のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項5】
前記接続制御部は、前記複数のグループの数を、前記基地局装置における前記無線通信サービスの混雑度に応じて変更する、請求項1から4のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項6】
前記接続制御部は、前記通信エリア内の複数のユーザ端末のうち、優先度の高いユーザ端末を前記複数のグループのすべてに含める、請求項1から5のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項7】
前記複数のグループは、端末タイプが互いに異なる第1の端末グループ及び第2の端末グループを含み、
前記接続制御部は、前記第1の端末グループを前記接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、前記第2の端末グループを前記接続許容グループとして選択する、請求項1から6のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項8】
前記複数のグループは、前記無線通信サービスにおいてデータ通信を行うデータ通信グループと、前記無線通信サービスにおいて音声通話を行う音声通話グループとを含み、
前記接続制御部は、前記データ通信グループを前記接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、前記音声通話グループを前記接続許容グループとして選択する、請求項1から7のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項9】
前記複数のグループは、被災地に位置するユーザ端末のグループである第1グループと、被災地以外の場所に位置するユーザ端末のグループである第2グループとを含み、
前記接続制御部は、前記第2グループを前記接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、前記第1グループを前記接続許容グループとして選択する、請求項1から8のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項10】
前記複数のグループは、地上に設置された無線基地局の通信エリア外に位置するユーザ端末のグループである第1グループと、地上に設置された無線基地局の通信エリア内に位置するユーザ端末のグループである第2グループとを含み、
前記接続制御部は、前記第2グループを前記接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、前記第1グループを前記接続許容グループとして選択する、請求項1から9のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項11】
前記複数のグループは、第1の種類のアプリを実行中のユーザ端末のグループである第1グループと、第2の種類のアプリを実行中のユーザ端末のグループである第2グループとを含み、
前記接続制御部は、前記第2グループを前記接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、前記第1グループを前記接続許容グループとして選択する、請求項1から10のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項12】
前記複数のグループは、第1の種類のアプリを実行中のユーザ端末のグループである第1グループと、第2の種類のアプリを実行中のユーザ端末のグループである第2グループとを含み、
前記接続制御部は、前記第2グループを前記接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、前記第1グループを前記接続許容グループとして選択する、請求項1から11のいずれか一項に記載の基地局装置。
【請求項13】
コンピュータを、請求項1から12のいずれか一項に記載の基地局装置として機能させるためのプログラム。
【請求項14】
飛行体に搭載され、地上に通信エリアを形成して前記通信エリア内のユーザ端末と通信接続を確立して前記ユーザ端末に無線通信サービスを提供する基地局装置を制御する制御装置であって、
前記基地局装置が通信接続を確立しているユーザ端末の数である接続端末数を取得する接続端末数取得部と、
前記接続端末数が第1の閾値より多い場合、前記基地局装置に、前記通信エリア内のユーザ端末から受信する接続要求に対するアドミッション制御を行わせ、前記接続端末数が前記第1の閾値より少なく、かつ、前記第1の閾値より少ない第2の閾値より多い場合、前記ユーザ端末の複数のグループから接続を許容する接続許容グループを周期的に選択して、前記基地局装置に、前記接続許容グループに含まれるユーザ端末からの接続要求に対して接続確立処理を実行させ、前記接続許容グループ以外のグループに含まれるユーザ端末からの接続要求を拒否する要求拒否処理を実行させる接続制御部と
を備える制御装置。
【請求項15】
コンピュータを、請求項14に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
飛行体に搭載され、地上に通信エリアを形成して前記通信エリア内のユーザ端末と通信接続を確立して前記ユーザ端末に無線通信サービスを提供する基地局装置が通信接続を確立しているユーザ端末の数である接続端末数を取得する接続端末数取得段階と、
前記接続端末数が第1の閾値より多い場合、前記通信エリア内のユーザ端末から受信する接続要求に対するアドミッション制御を行い、前記接続端末数が前記第1の閾値より少なく、かつ、前記第1の閾値より少ない第2の閾値より多い場合、前記ユーザ端末の複数のグループから接続を許容する接続許容グループを周期的に選択して、前記接続許容グループに含まれるユーザ端末からの接続要求に対して接続確立処理を実行し、前記接続許容グループ以外のグループに含まれるユーザ端末からの接続要求を拒否する要求拒否処理を実行する接続制御段階と
を備える制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置、プログラム、制御装置及び制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
成層圏プラットフォームを提供すべく、アンテナを有し、成層圏を飛行する飛行体が知られていた(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2002-211496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
成層圏プラットフォームのように、多数の通信端末に対して無線通信サービスを提供する場合に、輻輳制御を適切に実行可能にする技術を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、飛行体に搭載され、地上に通信エリアを形成して通信エリア内のユーザ端末と通信接続を確立してユーザ端末に無線通信サービスを提供する基地局装置が提供される。基地局装置は、基地局装置が通信接続を確立しているユーザ端末の数である接続端末数を取得する接続端末数取得部を備えてよい。基地局装置は、接続端末数が第1の閾値より多い場合、通信エリア内のユーザ端末から受信する接続要求に対するアドミッション制御を行い、接続端末数が第1の閾値より少なく、かつ、第1の閾値より少ない第2の閾値より多い場合、ユーザ端末の複数のグループから接続を許容する接続許容グループを周期的に選択して、接続許容グループに含まれるユーザ端末からの接続要求に対して接続確立処理を実行し、接続許容グループに含まれないユーザ端末からの接続要求を拒否する要求拒否処理を実行する接続制御部を備えてよい。
【0005】
上記接続制御部は、上記接続端末数が上記第1の閾値より多い場合、上記接続端末数が上記第2の閾値より少ない場合の単位時間当たりの接続許容数よりも少ない接続許容数で、上記ユーザ端末からの接続要求に対する接続確立処理を実行してよい。上記接続制御部は、上記接続端末数が上記第1の閾値より多い場合、上記通信エリア内のユーザ端末から受信する接続要求を拒否する要求拒否処理を実行してよい。上記複数のグループは、上記ユーザ端末に割り当てられる識別子に基づいて決定されてよい。上記接続制御部は、上記複数のグループの数を、上記基地局装置における上記無線通信サービスの混雑度に応じて変更してよい。上記接続制御部は、上記通信エリア内の複数のユーザ端末のうち、優先度の高いユーザ端末を上記複数のグループのすべてに含めてよい。上記複数のグループは、端末タイプが互いに異なる第1の端末グループ及び第2の端末グループを含んでよく、上記接続制御部は、上記第1の端末グループを上記接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、上記第2の端末グループを上記接続許容グループとして選択してよい。上記複数のグループは、上記無線通信サービスにおいてデータ通信を行うデータ通信グループと、上記無線通信サービスにおいて音声通話を行う音声通話グループとを含んでよく、上記接続制御部は、上記データ通信グループを上記接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、上記音声通話グループを上記接続許容グループとして選択してよい。上記複数のグループは、被災地に位置するユーザ端末のグループである第1グループと、被災地以外の場所に位置するユーザ端末のグループである第2グループとを含んでよく、上記接続制御部は、上記第2グループを上記接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、上記第1グループを上記接続許容グループとして選択してよい。上記複数のグループは、地上に設置された無線基地局の通信エリア外に位置するユーザ端末のグループである第1グループと、地上に設置された無線基地局の通信エリア内に位置するユーザ端末のグループである第2グループとを含んでよく、上記接続制御部は、上記第2グループを上記接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、上記第1グループを上記接続許容グループとして選択してよい。上記複数のグループは、第1の種類のアプリを実行中のユーザ端末のグループである第1グループと、第2の種類のアプリを実行中のユーザ端末のグループである第2グループとを含んでよく、上記接続制御部は、上記第2グループを上記接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、上記第1グループを上記接続許容グループとして選択してよい。上記複数のグループは、第1の種類のアプリを実行中のユーザ端末のグループである第1グループと、第2の種類のアプリを実行中のユーザ端末のグループである第2グループとを含んでよく、上記接続制御部は、上記第2グループを上記接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、上記第1グループを上記接続許容グループとして選択してよい。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、コンピュータを、上記基地局装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0007】
本発明の第3の態様によれば、飛行体に搭載され、地上に通信エリアを形成して通信エリア内のユーザ端末と通信接続を確立してユーザ端末に無線通信サービスを提供する基地局装置を制御する制御装置が提供される。制御装置は、基地局装置が通信接続を確立しているユーザ端末の数である接続端末数を取得する接続端末数取得部を備えてよい。制御装置は、接続端末数が第1の閾値より多い場合、基地局装置に、通信エリア内のユーザ端末から受信する接続要求に対するアドミッション制御を行わせ、接続端末数が第1の閾値より少なく、かつ、第1の閾値より少ない第2の閾値より多い場合、ユーザ端末の複数のグループから接続を許容する接続許容グループを周期的に選択して、基地局装置に、接続許容グループに含まれるユーザ端末からの接続要求に対して接続確立処理を実行させ、接続許容グループ以外のグループに含まれるユーザ端末からの接続要求を拒否する要求拒否処理を実行させる接続制御部を備えてよい。
【0008】
本発明の第4の態様によれば、コンピュータを、上記制御装置として機能させるためのプログラム。
【0009】
本発明の第5の態様によれば、制御方法が提供される。制御方法は、飛行体に搭載され、地上に通信エリアを形成して通信エリア内のユーザ端末と通信接続を確立してユーザ端末に無線通信サービスを提供する基地局装置が通信接続を確立しているユーザ端末の数である接続端末数を取得する接続端末数取得段階を備えてよい。制御方法は、接続端末数が第1の閾値より多い場合、通信エリア内のユーザ端末から受信する接続要求に対するアドミッション制御を行い、接続端末数が第1の閾値より少なく、かつ、第1の閾値より少ない第2の閾値より多い場合、ユーザ端末の複数のグループから接続を許容する接続許容グループを周期的に選択して、接続許容グループに含まれるユーザ端末からの接続要求に対して接続確立処理を実行し、接続許容グループ以外のグループに含まれるユーザ端末からの接続要求を拒否する要求拒否処理を実行する接続制御段階を備えてよい。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】飛行体100の一例を概略的に示す。
図2】基地局装置200の機能構成の一例を概略的に示す。
図3】基地局装置200による処理の流れの一例を概略的に示す。
図4】基地局装置200による処理の流れの一例を概略的に示す。
図5】CU数の変動例を概略的に示す。
図6】制御装置300の機能構成の一例を概略的に示す。
図7】基地局装置200又は制御装置300として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、飛行体100の一例を概略的に示す。飛行体100は、本体部102、主翼部104、プロペラ106、スキッド108、車輪110、及び太陽電池パネル112を備える。
【0014】
本体部102は、不図示のバッテリ、飛行制御装置、及び基地局装置を有する。バッテリは、太陽電池パネル112によって発電された電力を蓄電する。飛行制御装置は、飛行体100の飛行を制御する。飛行制御装置は、例えば、バッテリに蓄電された電力を用いてプロペラ106を回転させることによって、飛行体100を飛行させる。基地局装置は、地上に通信エリア202を形成して通信エリア202内のユーザ端末30に無線通信サービスを提供するためのアンテナを備える。当該アンテナは、例えば、マルチビームアンテナであってよい。通信エリア202は、複数のサブセル204によって構成されてよい。また、通信エリア202は、単一のセルによって構成されてもよい。飛行制御装置及び基地局装置は、一体であってもよい。
【0015】
飛行体100は、例えば、成層圏を巡回して地上のユーザ端末30に無線通信サービスを提供する。飛行体100は、成層圏プラットフォームとして機能してよい。
【0016】
ユーザ端末30は、飛行体100と通信可能な通信端末であればどのような端末であってもよい。例えば、ユーザ端末30は、スマートフォン等の携帯電話である。ユーザ端末30は、タブレット端末及びPC(Personal Computer)等であってもよい。ユーザ端末30は、いわゆるIoT(Internet of Thing)デバイスであってもよい。IoTデバイスとしては、各種センサ及び各種アクチュエータ等が例示できる。ユーザ端末30は、車両、船舶及びドローン等に搭載された通信モジュールであってもよい。ユーザ端末30は、いわゆるIoE(Internet of Everything)に該当するあらゆるものを含み得る。
【0017】
飛行体100は、例えば、カバー対象の地上エリアの上空を巡回しながら、通信エリア202によって当該地上エリアをカバーする。飛行体100が地上エリアの上空を旋回することを定点飛行と記載する場合がある。また、飛行体100は、例えば、カバー対象の地上エリアの一部を通信エリア202によってカバーしながら、地上エリアの上空を移動することによって、地上エリアの全体をカバーする。
【0018】
飛行体100は、例えば、ユーザ端末30と地上のネットワーク20との通信を中継することによって、ユーザ端末30に無線通信サービスを提供する。ネットワーク20は、任意のネットワークであってよく、例えば、インターネットと、いわゆる3G(3rd Generation)、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)及び5G(5th Generation)等の携帯電話網と、公衆無線LAN(Local Area Network)と、専用網との少なくともいずれかを含んでよい。
【0019】
飛行体100は、例えば、地上の各地に配置されたゲートウェイ22のうち、通信エリア202内のゲートウェイ22を介して地上のネットワーク20と通信する。また、飛行体100は、例えば、通信衛星50を介して地上のネットワーク20と通信する。この場合、飛行体100は、通信衛星50と通信するためのアンテナを有する。
【0020】
また、飛行体100は、他の飛行体と通信する。飛行体100は、例えば、ネットワーク20を介して、他の飛行体と通信する。また、飛行体100は、例えば、通信衛星50を介して他の飛行体と通信する。飛行体100は、他の飛行体と無線通信してもよい。飛行体100は、無線通信によって他の飛行体と直接通信してよい。この場合、飛行体100は、他の飛行体と無線通信するためのアンテナを有する。飛行体100は、例えば、当該アンテナを用いて他の飛行体との間でC2リンクを形成し、C2リンクを介して通信してよい。
【0021】
飛行体100は、地上の管理装置400によって制御されてよい。飛行体100は、例えば、管理装置400によってネットワーク20及びゲートウェイ22を介して送信された指示に従って飛行したり通信エリア202を形成したりする。管理装置400は、通信衛星50を介して飛行体100に指示を送信してもよい。
【0022】
管理装置400は、指示を送信することによって飛行体100を制御する。管理装置400は、通信エリア202によって地上の対象エリアをカバーさせるべく、飛行体100に、対象エリアの上空を飛行させてよい。管理装置400は、複数の対象エリアのそれぞれに対して、飛行体100を飛行させることにより、複数の対象エリアのそれぞれをカバーさせてよい。
【0023】
管理装置400は、飛行体100が通信エリア202によってカバーする地上エリアに関連する地上エリア関連情報を管理してよい。地上エリア関連情報は、例えば、地上エリアにおける災害の発生状況を含んでよい。地上エリア関連情報は、被災地の位置情報を含んでよい。地上エリア関連情報は、地上エリアにおける地上のモバイルネットワークの配置状況を含んでよい。管理装置400は、地上エリア関連情報を飛行体100に送信してよい。
【0024】
また、管理装置400は、ユーザ端末30に関連するユーザ端末関連情報を管理してよい。管理装置400は、複数のユーザ端末30のユーザ端末関連情報を管理してよい。ユーザ端末関連情報は、ユーザ端末30のユーザと、当該ユーザに無線通信サービスを提供する通信キャリアとの間の契約情報を含んでよい。管理装置400は、通信キャリアのコアネットワークから契約情報を受信してよい。また、ユーザ端末関連情報は、ユーザ端末30において実行されているアプリケーションの情報を含んでよい。管理装置400は、通信キャリアのコアネットワークから、ユーザ端末30において実行されているアプリケーションの情報を取得してよい。また、ユーザ端末関連情報は、ユーザ端末30が優先度の高いユーザ端末30であるか否かを含んでよい。優先度の高いユーザ端末30は、インフラ用のユーザ端末30等、保守端末として予め定められたユーザ端末30であってよい。管理装置400は、ユーザ端末関連情報を飛行体100に送信してよい。
【0025】
本実施形態に係る飛行体100のように上空から通信エリア202を形成する場合、地上のモバイルネットワークと比較して、エリアカバレッジが極めて広域となるので、収容するユーザ端末30の数が多く、基地局装置において接続端末数の輻輳が発生しやすい。接続端末数を、CU(Connected User)数と記載する場合がある。従来の基地局装置によれば、CU数が予め定められた閾値を超えると輻輳と判断され、Admission Controlが起動されてユーザアクセスが制限されることになるが、Admission Controlが起動する輻輳直前の混雑状態では、接続できるユーザ端末に偏りが出てしまい、一部ユーザ端末の接続品質が悪くなってしまうおそれがあった。
【0026】
それに対して、本実施形態に係る飛行体100は、輻輳直前の状態では、ユーザ端末を識別してグループ化し、グループ順にラウンドロビンでそのグループに属するユーザ端末30に接続権を与えるよう制御する。これにより、接続率を平準化させることができる。
【0027】
図2は、基地局装置200の機能構成の一例を概略的に示す。基地局装置200は、通信処理部252、CU数取得部254、接続制御部256、情報取得部258、及び格納部260を備える。なお、基地局装置200がこれらのすべての構成を備えることは必須とは限らない。
【0028】
通信処理部252は、各種通信処理を実行する。通信処理部252は、アンテナ240を用いて地上に通信エリア202を形成する。通信処理部252は、通信エリア202内のゲートウェイ22を介してネットワーク20と通信してよい。通信処理部252は、例えば、ゲートウェイ22及びネットワーク20を介して管理装置400と通信する。また、通信処理部252は、通信エリア202内のユーザ端末30と通信接続を確立して、ユーザ端末30と通信する。通信処理部252は、通信接続を確立したユーザ端末30の通信を中継してよい。飛行体100が通信衛星50と通信するためのアンテナを備える場合、通信処理部252は、当該アンテナを用いて通信衛星50と通信してよい。
【0029】
CU数取得部254は、飛行体100が通信接続を確立しているユーザ端末30の数であるCU数を取得する。CU数取得部254は、通信処理部252から当該CU数を取得してよい。
【0030】
接続制御部256は、CU数取得部254が取得したCU数に基づいて、通信処理部252によるユーザ端末30との接続処理を制御する。接続制御部256は、CU数が予め定められた第1の閾値より多い場合、通信エリア202内のユーザ端末30から受信する接続要求に対するアドミッション制御を行う。また、接続制御部256は、CU数が第1の閾値より少なく、かつ、第1の閾値より少ない第2の閾値より多い場合、ユーザ端末30の複数のグループから、接続を許容する接続許容グループを周期的に選択して、接続許容グループに含まれるユーザ端末30からの接続要求に対して接続確立処理を実行し、接続許容グループ以外のグループに含まれるユーザ端末30からの接続要求を拒否する要求拒否処理を実行する。
【0031】
当該アドミッション制御は、例えば、3GPPにおけるAdmission Controlであってよい。当該アドミッション制御は、例えば、CU数が第2の閾値より少ない場合の単位時間当たりの接続許容数よりも少ない接続許容数で、ユーザ端末30からの接続要求に対する接続確立処理を実行する制御である。具体例として、接続制御部256は、CU数が第1の閾値より多い場合、接続許容数を1アクセス/秒等に設定する。また、当該アドミッション制御は、通信エリア202内のユーザ端末30から受信する接続要求を拒否する制御であってもよい。
【0032】
ユーザ端末30の複数のグループは、例えば、ユーザ端末30に割り当てられる識別子に基づいて決定される。当該識別子の具体例として、Random Accessシーケンス内でユーザ端末30から送信されるMSG3(RRC Connection Request)に含まれているS-TMISIが挙げられる。接続許容グループは、S-TMISIで算出(Mod m)し、周期的に接続許容グループが変更される。なお、用いる識別子は、これに限らず、IMSI(International Mobile Equipment Identifier)及びIMEI(International Mobile Subscriber Identity)等、ユーザ端末30を識別可能であればどのようなものであってもよい。
【0033】
接続制御部256は、グループの数を、通信処理部252における無線通信サービスの混雑度に応じて変更してもよい。例えば、接続制御部256は、混雑度が低いほど、グループの数を少なくする。これにより、混雑度が高い場合と比較して、混雑度が低い場合に、複数のユーザ端末30のそれぞれに、接続の機会をより多く与えることができる。
【0034】
情報取得部258は、各種情報を取得する。情報取得部258は、管理装置400から地上エリア関連情報を取得してよい。また、情報取得部258は、管理装置400からユーザ端末関連情報を取得してよい。情報取得部258は、取得した情報を格納部260に格納してよい。
【0035】
接続制御部256は、通信エリア202内の複数のユーザ端末30のうち、優先度の高いユーザ端末30を、複数のグループに含めてもよい。例えば、接続制御部256は、グループの数が5つである場合に、優先度の高いユーザ端末30を3つのグループに含める。これにより、接続の機会が1/5であったのを3/5に増加させることができる。接続制御部256は、通信エリア202内の複数のユーザ端末30のうち、優先度の高いユーザ端末30を、複数のグループのすべてに含めてもよい。
【0036】
優先度の高いユーザ端末30は、例えば、緊急呼を発しているユーザ端末30である。接続制御部256は、通信処理部252がユーザ端末30から受信する呼接続要求を参照することによって、ユーザ端末30が緊急呼を発しているか否かを判定してよい。また、優先度の高いユーザ端末30は、インフラ用のユーザ端末30等、保守端末として予め定められたユーザ端末30であってよい。接続制御部256は、格納部260に格納されているユーザ端末関連情報を参照することによって、ユーザ端末30が保守端末であるか否かを判定してよい。
【0037】
ユーザ端末30の複数のグループは、端末タイプが互いに異なるグループであってよい。例えば、複数のグループは、端末タイプが互いに異なる第1のグループ及び第2のグループを含む。第1のグループ及び第2のグループの例としては、一般ユーザのグループと、IoTデバイスのグループとが挙げられる。接続制御部256は、例えば、第1のグループを接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、第2のグループを接続許容グループとして選択する。接続制御部256は、例えば、NB(Narrow Band)-IoTとLTEとのRAT(Radio Access Technology)の違いによって、ユーザ端末30が一般ユーザであるかIoTデバイスであるかを識別してよい。また、IoTデバイスがeMTC(enhanced Machine Type Communication)を利用する場合、接続制御部256は、UEカテゴリの違いによって、ユーザ端末30が一般ユーザであるかIoTデバイスであるかを識別してよい。
【0038】
ユーザ端末30の複数のグループは、通信エリア202による無線通信サービスにおいてデータ通信を行うデータ通信グループと、当該無線通信サービスにおいて音声通話を行う音声通話グループとを含んでよい。当該無線通信サービスがLTEに準拠している場合、当該音声通話はいわゆるVoLTE(Voice over LTE)である。接続制御部256は、データ通信グループを接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、音声通話グループを接続許容グループとして選択してよい。これにより、音声通話を実行するユーザ端末30に対して優先的に接続の機会を与えることができる。
【0039】
ユーザ端末30の複数のグループは、被災地に位置するユーザ端末のグループである第1グループと、被災地以外の場所に位置するユーザ端末のグループである第2グループとを含んでよい。接続制御部256は、格納部260に格納されている地上エリア関連情報を参照することによって、ユーザ端末30が第1グループに含まれるか、第2グループに含まれるかを判定してよい。接続制御部256は、第2グループを接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、第1グループを接続許容グループとして選択してよい。これにより、被災地に位置するユーザ端末に対して優先的に接続の機会を与えることができる。
【0040】
ユーザ端末30の複数のグループは、地上に設置された無線基地局の通信エリア外に位置するユーザ端末のグループである第1グループと、地上に設置された無線基地局の通信エリア内に位置するユーザ端末のグループである第2グループとを含んでよい。接続制御部256は、格納部260に格納されている地上エリア関連情報を参照することによって、ユーザ端末30が第1グループに含まれるか、第2グループに含まれるかを判定してよい。接続制御部256は、第2グループを接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、第1グループを接続許容グループとして選択してよい。これにより、地上に設置された無線基地局の通信エリア外に位置するユーザ端末30に対して優先的に接続の機会を与えることができる。これにより、より多くのユーザ端末30が無線通信サービスを利用できるようにすることができる。
【0041】
ユーザ端末30の複数のグループは、第1の種類のアプリを実行中のユーザ端末のグループである第1グループと、第2の種類のアプリを実行中のユーザ端末のグループである第2グループとを含んでよい。接続制御部256は、格納部260に格納されているユーザ端末関連情報を参照することによって、ユーザ端末30が第1グループに含まれるか、第2グループに含まれるかを判定してよい。また、接続制御部256は、通信処理部252が中継するユーザ端末30のデータを参照することによって、ユーザ端末30が第1グループに含まれるか、第2グループに含まれるかを判定してもよい。接続制御部256は、第2グループを接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、第1グループを接続許容グループとして選択してよい。第1の種類のアプリとして、防災アプリ及び音声通話アプリ等が挙げられる。これにより、特定のアプリを実行するユーザ端末30に対して優先的に接続の機会を与えることができる。
【0042】
ユーザ端末30の複数のグループは、互いに契約内容が異なるグループであってもよい。例えば、飛行体100による無線通信サービスを優先的に利用可能な契約を可能とする場合、複数のグループは、当該契約を結んでいるユーザ端末30の第1グループと、当該契約を結んでいない第2グループとを含んでよい。接続制御部256は、格納部260に格納されているユーザ端末関連情報を参照することによって、ユーザ端末30が第1グループに含まれるか、第2グループに含まれるかを判定してよい。接続制御部256は、第2グループを接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、第1グループを接続許容グループとして選択してよい。
【0043】
図3は、基地局装置200による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、CU数が第1の閾値より少なく、輻輳制御を行っていない状態を開始状態として説明する。
【0044】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、接続制御部256が、CU数取得部254によって取得されたCU数が第1閾値より多いか否かを判定する。CU数取得部254は、継続的にCU数を取得する。CU数取得部254は、例えば、予め定められた周期に従って、CU数を取得する。多いと判定した場合、S104に進む。
【0045】
S104では、接続制御部256が、ユーザ端末30の複数のグループから接続許容グループを周期的に選択する。接続制御部256は、接続許容グループに含まれるユーザ端末30からの接続要求に対して接続確立処理を実行し、接続許容グループに含まれないユーザ端末30からの接続要求を拒否する要求拒否処理を実行する。
【0046】
S106では、接続制御部256が、CU数取得部254によって新たに取得されたCU数が第2閾値より多いか否かを判定する。多いと判定した場合、S108に進み、多くないと判定した場合、S110に進む。
【0047】
S108では、接続制御部256が、アドミッション制御を行う。S110では、接続制御部256が、CU数取得部254によって新たに取得されたCU数が第2閾値より少ないか否かを判定する。少なくないと判定した場合、S108に戻り、少ないと判定した場合、S112に進む。
【0048】
S112では、接続制御部256が、CU数取得部254によって新たに取得されたCU数が第1閾値より少ないか否かを判定する。少なくないと判定した場合、S104に戻り、少ないと判定した場合、S114に進む。S114では、接続制御部256が、輻輳制御を停止する。
【0049】
S116では、接続制御部256が、終了指示を受領したか否かを判定する。受領していないと判定した場合、S102に戻り、終了したと判定した場合、処理を終了する。
【0050】
図4は、基地局装置200による処理の流れの一例を概略的に示す。ここでは、基地局装置200内のControlプレン210及びUserプレン220による処理の流れを説明する。なお、CU数が第1の閾値より少なく、輻輳制御を行っていない状態を開始状態として説明する。
【0051】
S202では、Controlプレン210が、CU数が第1閾値より多く、第2閾値より少ないことを検出する。S204では、Controlプレン210が、ユーザ端末30の複数のグループから、接続許容グループを周期的に選択し、選択した接続許容グループに関する制御内容をUserプレン220に送信する。Userプレン220には、周期的に、接続許容グループが通知される。
【0052】
S206では、Userプレン220が、UEからのアクセスを受け付ける。S208では、Userプレン220が、Controlプレン210から受信していた接続許容グループの情報を参照して、ユーザ端末30が接続許容グループに含まれるか否かを判定し、含まれないと判定した場合、アクセスを拒否し、含まれると判定した場合、アクセスを許容する。
【0053】
S210では、Controlプレン210が、CU数が第2閾値より多いことを検出する。S212では、Controlプレン210が、Userプレン220にアドミッション制御を指示する。
【0054】
図5は、CU数の変動例を概略的に示す。本実施形態に係る基地局装置200によれば、CU数が第1閾値より多い場合に、接続許容グループが周期的に選択され、接続可能なユーザ端末30が接続許容グループに含まれるユーザ端末30に限定されることになる。これにより、図5に示すように、CU数の増加を抑えることができ、CU数が第2閾値を超えてしまう事態の発生を抑制することができる。
【0055】
上記実施形態では、CU数に基づく輻輳制御を基地局装置200が主体的に行う場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。飛行体100に搭載された、飛行制御装置等の基地局装置200以外の制御装置によって、基地局装置200の輻輳制御が管理されてもよい。
【0056】
図6は、基地局装置200の輻輳制御を行う制御装置300の機能構成の一例を概略的に示す。図6に示す構成は、飛行制御装置の一部であってよい。また、図6に示す制御装置300は、飛行制御装置とは別に飛行体100に搭載されてもよい。
【0057】
制御装置300は、CU数取得部302、接続制御部304、情報取得部306、及び格納部308を備える。ここでは、CU数取得部254、接続制御部256、情報取得部258、及び格納部260と異なる点を主に説明する。
【0058】
CU数取得部302は、基地局装置が通信接続を確立しているユーザ端末30の数であるCU数を取得する。CU数取得部302は、基地局装置から当該CU数を取得してよい。
【0059】
接続制御部304は、CU数取得部302が取得したCU数に基づいて、基地局装置によるユーザ端末30との接続処理を制御する。接続制御部304は、CU数が予め定められた第1の閾値より多い場合、基地局装置200に、通信エリア202内のユーザ端末30から受信する接続要求に対するアドミッション制御を行わせる。また、接続制御部304は、CU数が第1の閾値より少なく、かつ、第1の閾値より少ない第2の閾値より多い場合、ユーザ端末30の複数のグループから、接続を許容する接続許容グループを周期的に選択して、基地局装置200に、接続許容グループに含まれるユーザ端末30からの接続要求に対して接続確立処理を実行させ、接続許容グループ以外のグループに含まれるユーザ端末30からの接続要求を拒否する要求拒否処理を実行させる。
【0060】
接続制御部304は、グループの数を、基地局装置における無線通信サービスの混雑度に応じて変更してもよい。例えば、接続制御部304は、混雑度が低いほど、グループの数を少なくする。
【0061】
情報取得部306は、各種情報を取得する。情報取得部306は、管理装置400から地上エリア関連情報を取得してよい。また、情報取得部306は、管理装置400からユーザ端末関連情報を取得してよい。情報取得部306は、取得した情報を格納部308に格納してよい。
【0062】
接続制御部304は、通信エリア202内の複数のユーザ端末30のうち、優先度の高いユーザ端末30を、複数のグループに含めてもよい。接続制御部304は、通信エリア202内の複数のユーザ端末30のうち、優先度の高いユーザ端末30を、複数のグループのすべてに含めてもよい。
【0063】
ユーザ端末30の複数のグループは、端末タイプが互いに異なるグループであってよい。例えば、複数のグループは、端末タイプが互いに異なる第1のグループ及び第2のグループを含む。接続制御部304は、例えば、第1のグループを接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、第2のグループを接続許容グループとして選択する。
【0064】
ユーザ端末30の複数のグループは、通信エリア202による無線通信サービスにおいてデータ通信を行うデータ通信グループと、当該無線通信サービスにおいて音声通話を行う音声通話グループとを含んでよい。接続制御部304は、データ通信グループを接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、音声通話グループを接続許容グループとして選択してよい。
【0065】
ユーザ端末30の複数のグループは、被災地に位置するユーザ端末のグループである第1グループと、被災地以外の場所に位置するユーザ端末のグループである第2グループとを含んでよい。接続制御部304は、格納部308に格納されている地上エリア関連情報を参照することによって、ユーザ端末30が第1グループに含まれるか、第2グループに含まれるかを判定してよい。接続制御部256は、第2グループを接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、第1グループを接続許容グループとして選択してよい。
【0066】
ユーザ端末30の複数のグループは、地上に設置された無線基地局の通信エリア外に位置するユーザ端末のグループである第1グループと、地上に設置された無線基地局の通信エリア内に位置するユーザ端末のグループである第2グループとを含んでよい。接続制御部304は、格納部308に格納されている地上エリア関連情報を参照することによって、ユーザ端末30が第1グループに含まれるか、第2グループに含まれるかを判定してよい。接続制御部304は、第2グループを接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、第1グループを接続許容グループとして選択してよい。
【0067】
ユーザ端末30の複数のグループは、第1の種類のアプリを実行中のユーザ端末のグループである第1グループと、第2の種類のアプリを実行中のユーザ端末のグループである第2グループとを含んでよい。接続制御部304は、格納部308に格納されているユーザ端末関連情報を参照することによって、ユーザ端末30が第1グループに含まれるか、第2グループに含まれるかを判定してよい。また、接続制御部304は、基地局装置200が中継するユーザ端末30のデータを参照することによって、ユーザ端末30が第1グループに含まれるか、第2グループに含まれるかを判定してもよい。接続制御部304は、第2グループを接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、第1グループを接続許容グループとして選択してよい。
【0068】
ユーザ端末30の複数のグループは、互いに契約内容が異なるグループであってもよい。例えば、飛行体100による無線通信サービスを優先的に利用可能な契約を可能とする場合、複数のグループは、当該契約を結んでいるユーザ端末30の第1グループと、当該契約を結んでいない第2グループとを含んでよい。接続制御部304は、格納部308に格納されているユーザ端末関連情報を参照することによって、ユーザ端末30が第1グループに含まれるか、第2グループに含まれるかを判定してよい。接続制御部304は、第2グループを接続許容グループとして選択する割合よりも多い割合で、第1グループを接続許容グループとして選択してよい。
【0069】
図7は、基地局装置200又は制御装置300として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、本発明の実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本発明の実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、及び/又はコンピュータ1200に、本発明の実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャート及びブロック図のブロックのうちのいくつか又はすべてに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0070】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、及びグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ1226、及びICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブ1226は、DVD-ROMドライブ及びDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230及びキーボードのようなレガシの入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0071】
CPU1212は、ROM1230及びRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0072】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラム及びデータを格納する。DVDドライブ1226は、プログラム又はデータをDVD-ROM1227等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラム及びデータをICカードから読み取り、及び/又はプログラム及びデータをICカードに書き込む。
【0073】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、及び/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0074】
プログラムは、DVD-ROM1227又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0075】
例えば、通信がコンピュータ1200及び外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM1227、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0076】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ1226(DVD-ROM1227)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0077】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、及びデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0078】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0079】
本実施形態におけるフローチャート及びブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表わしてよい。特定の段階及び「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、及び/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタル及び/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)及び/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、及びプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、及び他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0080】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0081】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、及び「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0082】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0083】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0084】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0085】
20 ネットワーク、22 ゲートウェイ、30 ユーザ端末、50 通信衛星、100 飛行体、102 本体部、104 主翼部、106 プロペラ、108 スキッド、110 車輪、112 太陽電池パネル、200 基地局装置、202 通信エリア、204 サブセル、210 Controlプレン、220 Userプレン、252 通信処理部、254 CU数取得部、256 接続制御部、258 情報取得部、260 格納部、300 制御装置、302 CU数取得部、304 接続制御部、306 情報取得部、308 格納部、400 管理装置、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1226 DVDドライブ、1227 DVD-ROM、1230 ROM、1240 入出力チップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7