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特許7142550スイッチ装置およびスイッチ装置の組み付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】スイッチ装置およびスイッチ装置の組み付け方法
(51)【国際特許分類】
   H01H 25/06 20060101AFI20220916BHJP
   H01H 11/00 20060101ALI20220916BHJP
【FI】
H01H25/06 G
H01H11/00 P
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018220894
(22)【出願日】2018-11-27
(65)【公開番号】P2020087718
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-02
(73)【特許権者】
【識別番号】500309126
【氏名又は名称】株式会社ヴァレオジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100148301
【弁理士】
【氏名又は名称】竹原 尚彦
(74)【代理人】
【識別番号】100176991
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 由布子
(72)【発明者】
【氏名】白井 武仁
【審査官】内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-327169(JP,A)
【文献】特開2009-140785(JP,A)
【文献】特開2012-230884(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 11/00 - 11/06
H01H 19/00 - 21/88
H01H 25/00 - 25/06
H01H 89/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1軸回りに回転可能、かつ前記第1軸に平行な第2軸周りに揺動可能に設けられた回転ノブと、
前記第2軸と同軸に配置されて、前記回転ノブの回転に連動して回転する磁石と、
固定側部材に設けられて、前記磁石の外周に対向配置された磁気センサと、
前記回転ノブの回転を前記磁石に伝達する歯車列と、を有することを特徴とするスイッチ装置。
【請求項2】
前記歯車列は、
前記回転ノブと一体に回転する第1歯車と、
前記磁石と一体に回転する第2歯車と、
前記第1歯車と前記第2歯車との回転伝達経路上に設けられた少なくとも1つの伝達歯車と、を有していることを特徴とする請求項1に記載のスイッチ装置。
【請求項3】
前記磁石は、前記回転ノブよりも小さい外径で形成されており、
前記歯車列は、前記回転ノブの回転を減速して前記磁石に伝達する減速歯車列であることを特徴とする請求項2に記載のスイッチ装置。
【請求項4】
前記回転ノブと、前記磁石と、前記歯車列とを支持するホルダを有しており、
前記ホルダが、前記第2軸回りに揺動可能に設けられていることを特徴とする請求項3に記載のスイッチ装置。
【請求項5】
前記ホルダは、前記磁気センサが設けられた基板を保護する保護部材で、前記第2軸回りに揺動可能に支持されており、
前記ホルダは、前記磁石の外周を囲む壁部を有すると共に、前記壁部における前記磁気センサに対向する領域が、他の領域よりも薄肉で形成されており、
前記磁石は、前記第2軸の径方向で、前記薄肉の領域を間に挟んで、前記磁気センサに対向していることを特徴とする請求項4に記載のスイッチ装置。
【請求項6】
前記保護部材では、前記ホルダとは反対側に、前記磁気センサが設けられた基板である前記固定側部材が配置されており、
前記保護部材では、前記磁気センサに対向する領域が、他の領域よりも薄肉で形成されており、
前記磁石と前記磁気センサは、前記第2軸の径方向で、前記ホルダ側の薄肉の領域と、前記保護部材側の薄肉の領域とを間に挟んで、対向していることを特徴とする請求項5に記載のスイッチ装置。
【請求項7】
前記ホルダは、前記保護部材との対向部に前記基板側に延出する押圧棒を有しており、
前記押圧棒は、前記第2軸から見て、前記第1軸よりも外径側に設けられていると共に、前記保護部材に設けた貫通孔を貫通して、前記基板に設置されたプッシュスイッチに接触しており、
前記ホルダの揺動に連動して、前記プッシュスイッチが前記押圧棒によりオン/オフされることを特徴とする請求項6に記載のスイッチ装置。
【請求項8】
前記保護部材には、前記第2軸方向に間隔をあけて一対の支持壁が設けられており、
前記ホルダにおいて前記磁石は、前記第2軸方向における前記一対の支持壁による支持点の間で、前記第2軸回りに回転可能に支持されていることを特徴とする請求項7に記載のスイッチ装置。
【請求項9】
第1軸回りに回転可能、かつ前記第1軸に平行な第2軸周りに揺動可能に設けられた回転ノブと、
前記第2軸と同軸に配置されて、前記回転ノブの回転に連動して回転する磁石と、
固定側部材に設けられて、前記磁石の外周に対向配置された磁気センサと、
前記回転ノブの回転を前記磁石に伝達する歯車列と、
前記回転ノブと、前記磁石と、前記歯車列とを支持するホルダと、を有するスイッチ装置の組み付け方法であって、
前記歯車列は、
前記回転ノブと一体に回転する第1歯車と、
前記磁石と一体に回転する第2歯車と、
前記第1歯車と前記第2歯車との回転伝達経路上に設けられた伝達歯車と、を有しており、
前記伝達歯車を、前記第2歯車に噛合させた状態で、前記磁石と共に前記ホルダで回転可能に支持させるステップと、
位置決め用の磁石で、前記磁石の前記第2軸回りの角度位置を位置決めするステップと、
前記磁石の位置決め後に、前記第1歯車を前記伝達歯車に噛合させて、前記回転ノブを前記ホルダで回転可能に支持させるステップを有することを特徴とするスイッチ装置の組み付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ装置よびスイッチ装置の組み付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、回転ノブを有するスイッチ装置であって、回転ノブの回転操作と、回転ノブの揺動操作に、異なる機能が割り当てられたスイッチ装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-073568号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のスイッチ装置では、回転ノブの回転軸回りの角度位置毎に、異なる機能が割り当てられている。特許文献1のスイッチ装置では、基板上に設けた磁気センサと、回転ノブに設けた磁石により、回転ノブの回転軸回りの角度位置を検知する。
【0005】
また、特許文献1のスイッチ装置では、回転ノブの揺動操作に応じて、基板上に設けたプッシュスイッチがオン/オフすることにより、回転ノブの揺動操作を検知する。
【0006】
ここで、回転ノブが揺動すると、磁気センサと回転ノブに設けた磁石との位置関係が変化する。そのため、回転ノブを揺動させた状態で、回転ノブの角度位置を検知するためには、感度の高い磁気センサを採用する必要がある。
磁気センサは、感度が高くなるほど単価が高くなる。そのため、回転ノブに割り当てられた機能が多くなるほど、より高い検出精度が求められるので、用いられる磁気センサは、より感度が高いものとなり、スイッチ装置の作製コストが上昇する。
【0007】
そこで、回転ノブの回転操作と、回転ノブの揺動操作に、異なる機能が割り当てられたスイッチ装置を、より安価に提供できるようにすることが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、
第1軸回りに回転可能、かつ前記第1軸に平行な第2軸周りに揺動可能に設けられた回転ノブと、
前記第2軸と同軸に配置されて、前記回転ノブの回転に連動して回転する磁石と、
固定側部材に設けられて、前記磁石の外周に対向配置された磁気センサと、
前記回転ノブの回転を前記磁石に伝達する歯車列と、を有する構成のスイッチ装置とした。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、回転ノブの回転操作と、回転ノブの揺動操作に、異なる機能が割り当てられたスイッチ装置を、より安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】スイッチ装置を説明する図である。
図2】スイッチ装置の断面図である。
図3】スイッチ装置の分解斜視図である。
図4】スイッチ装置の分解斜視図である。
図5】スイッチ装置の中間部材を説明する図である。
図6】スイッチ装置のロータリスイッチ周りを説明する分解斜視図である。
図7】スイッチ装置のロータリスイッチを説明する図である。
図8】スイッチ装置のムービングブロックを説明する図である。
図9】スイッチ装置のムービングブロックを説明する図である。
図10】スイッチ装置のムービングブロックを説明する図である。
図11】ロータリスイッチの操作時のムービングブロックの変位を説明する図である。
図12】ロータリスイッチの磁石と減速ギア列の組み付け過程を説明する図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明する。
図1は、ステアリングホイールWにおけるスイッチ装置1の配置を説明する図である。
図2は、スイッチ装置1を、図1における面Aに沿って切断した断面図である。
図3は、スイッチ装置1の主要部を分解して示した分解斜視図である。
図4は、スイッチ装置1の中間部材5とムービングブロック6の構成要素を分解して示した分解斜視図である。
【0012】
図5は、中間部材5を説明する図である。図5の(A)は、中間部材5をカバー側の上方から見た平面図である。図5の(B)は、図5の(A)におけるA-A断面を、中間部材5に組み付けられたムービングブロック6と共に示した図である。図5の(C)は、図5の(A)におけるB-B断面を、中間部材5に組み付けられたムービングブロック6と共に示した図である。
なお、図5の(A)では、説明の便宜上、ムービングブロック6が組み付けられる領域のみを示している。図5の(B)では、磁石25周りを仮想線で示しており、図5の(C)では、回転ノブ20周りを仮想線で示している。
【0013】
以下の説明においては、説明の便宜上、スイッチ装置1の各構成要素の位置関係を、図3における上下方向を基準として説明する。
【0014】
図1に示すように、スイッチ装置1は、ステアリングホイールWのスポーク部に設けられており、ユーザにより操作される回転ノブ20を有している。
図2に示すように、スイッチ装置1では、回転ノブ20が回転軸X1(第1軸)周りに回転可能に設けられている。
スイッチ装置1では、回転ノブ20を回転可能に支持するムービングブロック6が、回転軸X1に平行な回転軸X2(第2軸)周りの周方向に揺動可能に設けられている。
スイッチ装置1では、回転ノブ20の回転操作と、回転ノブ20の揺動操作(押圧操作)に、異なる機能が割り当てられている。
【0015】
図2に示すように、スイッチ装置1は、プリント基板Pを支持する極盤3と、極盤3に外嵌して組み付けられるカバー4との間に、ムービングブロック6を支持する中間部材5が収容されている。
中間部材5は、磁気センサが設けられたプリント基板Pの上面(カバー4側の上面)を覆って、水や埃などのプリント基板Pへの到達を阻止する機能、すなわち、プリント基板Pを保護する保護部材としての機能も有している。
【0016】
図4および図5に示すように、中間部材5は、ムービングブロック6を支持するための一対の支持壁51、52を有している。支持壁51、52は、中間部材5の板状の基50からカバー4側の上方に延出する板状の部材である。支持壁51、52は、回転ノブ20の回転軸X1に平行な回転軸X2に交差する位置で、それぞれ、回転軸X2に直交する向きで設けられている。
【0017】
支持壁51、52では、円柱状の支持軸510、520が、回転軸X2に沿って互いに近づく方向に突出している。
支持軸510、520は、共通の回転軸X2上で対向して設けられており、回転ノブ20を回転可能に支持するムービングブロック6が、一対の支持軸510、520で揺動可能に支持される。
【0018】
図5に示すように、支持壁51に隣接する位置には、基部50を厚み方向に貫通する開口501が設けられている。平面視において開口501は、互いに平行な一対の長辺部501a、501bと、長辺部501a、501bの端部同士を接続する短辺部501c、501dと、から略矩形形状に形成されている。
回転軸X1に平行な一対の長辺部501a、501bでは、一方の長辺部501aの近傍であって、一方の短辺部501c寄りの位置に、支持壁51が設けられている。
【0019】
開口501から見て、支持壁51とは反対側には、ストッパ棒55が設けられている。
図4に示すように、ストッパ棒55は、基部50からカバー4側の上方に延出しており、ストッパ棒55の上端には、開口501側に突出する係止爪550が設けられている。
係止爪550は、ムービングブロック6を中間部材5に組み付けた際に、ムービングブロック6側の係止部602に係止されるようになっている。
【0020】
図5の(A)に示すように、開口501の短辺部501dよりも支持壁52側(図中、右側)であって、長辺部501bよりも回転軸X1から離れた位置には、一対のガイド柱53、53が、設けられている。
ガイド柱53、53は、基部50からカバー4側の上方に延出しており、回転軸X1方向に間隔をあけて設けられている。
【0021】
ガイド柱53、53の間には、ムービングブロック6を中間部材5に取り付けた際に、ムービングブロック6側のガイド板76(図4参照)が挿入される。ガイド板76は、ムービングブロック6の揺動に連動して、ガイド柱53、53の間を上下方向に変位する。
【0022】
本実施形態では、ムービングブロック6が、一対の支持壁51、52で片持ち支持されている。そのため、ムービングブロック6は、ガイド板76が設けられた回転軸X1側が、回転ノブ20を押圧する際の付勢力で、回転軸X1方向に位置ズレする可能性がある。
ガイド柱53、53は、ムービングブロック6の回転軸X1方向の位置ズレを規制するために設けられている。
【0023】
一対のガイド柱53、53よりも支持壁52側(図中、右側)には、中間部材5の基部50を厚み方向に貫通する貫通孔541と、貫通孔541を囲む筒状部54が設けられている。
貫通孔541には、ムービングブロック6を中間部材5に取り付けた際に、ムービングブロック6側の押圧棒77(図4参照)が挿入される。
【0024】
図6は、ロータリスイッチ2周りを説明する分解斜視図である。図6の(A)は、回転ノブ20と、減速歯車列Gおよび磁石25を、ムービングブロック6から離間させて示した斜視図である。図6の(B)は、ムービングブロック6を斜め下方から見た斜視図である。
【0025】
図6の(A)に示すように、ムービングブロック6は、ロータリスイッチ2の構成要素(回転ノブ20、磁石25、減速歯車列G)を支持するための箱状部材(ホルダ)であり、回転ノブ20の収容部S1と、磁石25の収容部S2と、を有している。
【0026】
ロータリスイッチ2は、リング状の回転ノブ20と、回転ノブ20と一体に回転軸X1回りに回転する軸部21と、回転ノブ20の回転を減速して磁石25に伝達する減速歯車列Gと、を有している。
減速歯車列Gは、軸部21と一体に回転する第1歯車22と、磁石25と一体に回転する第2歯車24と、第1歯車22と第2歯車24とに噛合した伝達歯車23と、を有している。
【0027】
図9の(C)に示すように、第1歯車22の回転軸X1と、伝達歯車23の回転軸X3と、第2歯車24の回転軸X2は、互いに平行である。
ロータリスイッチ2では、ユーザの操作により、回転ノブ20が回転軸X1回りに回転すると、磁石25が、減速歯車列G(第1歯車22、伝達歯車23、第2歯車24)を介して伝達される回転で回転軸X2回りに回転する。
【0028】
図7は、ロータリスイッチ2を説明する図である。図7の(A)は、回転ノブ20が外周に組み付けられる軸部21を径方向から見た平面図である。図7の(B)は、図7の(A)におけるA-A矢視方向から軸部21を見た図である。
図7の(C)は、減速歯車列G(第1歯車22、伝達歯車23、第2歯車24)と磁石25の配置を説明する図である。
なお、図7の(A)、(B)では、説明の便宜上、回転ノブ20を仮想線で示している。図7の(C)では、第1歯車22と、伝達歯車23と、第2歯車24と、を離間させて示している。
【0029】
図7の(C)に示すように、本実施形態では、円筒状の外周部に、N極とS極とが、回転軸X2回りの周方向で交互に着磁した磁石25を採用している。
なお、図7の(C)では、説明の便宜上、磁石25を簡略的に標記すると共に、N極が着磁した領域と、S極が着磁した領域を視覚的に区別できるようにするために、N極が着磁した領域にハッチングを付して示している。図4でも同様である。
【0030】
図7の(A)に示すように、軸部21は、回転ノブ20を回転軸X1方向に貫通している。軸部21では、回転ノブ20が外周に固定される領域に、一対の連結部210、211が設けられている。連結部210、211は、断面視において多角形形状を成しており、連結部210、211の外周に、回転ノブ20の長手方向の一端側の領域と他端側の領域が、それぞれ回り止めされた状態で固定されている。
回転ノブ20は、断面視において円形の外形を有しており、回転ノブ20の外周面が、ユーザの手指により操作される操作面となっている。
【0031】
軸部21では、連結部211から見て一端21a側に、連結部211よりも大径のフランジ部213が、連結部211に隣接して設けられている。そして、フランジ部213から一端21a側に離れた位置には、節度板214が設けられている。
節度板214は、フランジ部213よりも僅かに大きい外径で形成されている。節度板214の外周には、回転軸X1周りの周方向の全周に亘って、節度溝214aが設けられている(図7の(B)参照)。
【0032】
軸部21では、連結部210から見て他端21b側に、連結部210よりも小径の外挿部212が、連結部210に隣接して設けられている。
外挿部212の外周には、減速歯車列Gの第1歯車22が外挿されており、第1歯車22は、軸部21(外挿部212)に対して回り止めされた状態で固定されている。
【0033】
図5の(C)に示すように、節度板214には、軸部21をムービングブロック6に組み付けた際に、スプリングSpで付勢されたボールBが、回転軸X1の径方向から弾発的に係合する。
【0034】
図8から図10は、ムービングブロック6を説明する図である。
図8の(A)は、ムービングブロック6をカバー4側の上方から見た平面図である。図8の(B)は、図8の(A)におけるA-A断面図である。図8の(C)は、図8の(A)におけるB-B断面図である。
図9の(A)は、図8の(A)におけるC-C断面図である。図9の(B)は、図8の(A)におけるD-D断面図である。図9の(C)は、図8の(A)におけるE-E断面図である。図10の(A)は、図8の(A)におけるF-F断面図である。図10の(B)は、図8の(A)におけるG-G断面図である。
【0035】
図8に示すように、回転ノブ20の収容部S1は、回転軸X1方向に間隔をあけて配置された一対の仕切壁62、63の間に形成されている。磁石25の収容部S2は、仕切壁63から見て仕切壁62とは反対側(図中、右側)で、仕切壁63と支持壁73との間に形成されている。
仕切壁63から見て仕切壁62とは反対側(図中、右側)であって、仕切壁63の近傍には、減速歯車列Gの第1歯車22を支持するための支持壁71と、伝達歯車23を支持するための支持壁72とが、回転軸X1に直交する方向に並んで設けられている。
【0036】
仕切壁63と、支持壁71、72、73は、仕切壁63から側方に延びる底壁部70(図8の(B)、(C)参照)で互いに接続されており、底壁部70により、位置関係が固定されている。
【0037】
回転ノブ20の収容部S1を構成する仕切壁62、63は、回転軸X1に直交する向きで設けられている。回転軸X1を挟んだ両側(図8の(A)における上下方向の両側)には、仕切壁62、63同士を接続する側壁64、65設けられている。
【0038】
図9の(B)に示すように、回転軸X1に直交する断面視において側壁64は、回転ノブ20の外周を所定間隔で囲む弧状部641と、弧状部641の下端から、下方に延びる直線部642と、弧状部641の上端から、回転ノブ20の側方を上方に向けて延びる屈曲部643とを有している。
【0039】
側壁65は、回転ノブ20の外周を所定間隔で囲む弧状部651と、弧状部651の下端から、下方に延びる直線部652と、を有している。
側壁65の上端65aは、側壁64の上端64aよりも、上下方向における上側に位置している。
側壁64側の直線部642と、側壁65側の直線部652は、互いに平行に設けられている。図2に示すように、これら直線部642、652の下端642a、652aは、中間部材5に設けた開口501を貫通して極盤3側の下方に位置している。
【0040】
図8の(A)および図9の(A)、(B)に示すように、仕切壁62、63には、回転軸X1と交差する位置に、回転ノブ20側の軸部21を支持するための支持孔621、631が設けられている。支持孔621、631は、それぞれカバー4側の上方に開口しており、支持孔621、631には、カバー4側の上方から、回転ノブ20が固定された軸部21が組み付けられるようになっている。
【0041】
仕切壁62の支持孔621には、軸部21におけるフランジ部213と節度板214との間の大径部215(図7の(A)参照)が支持されると共に、仕切壁63の支持孔631には、軸部21に外挿された第1歯車22の円筒状の軸部221(図7の(C)参照)が支持される。
【0042】
図8の(C)に示すように、軸部21が一対の仕切壁62、63の支持孔621、631で支持されると、回転ノブ20の軸部21は、回転軸X1に沿う向きで、回転軸X1回りに回転可能に配置される。
【0043】
この状態において、軸部21の一端21aは、側壁61の支持孔611に挿入された状態で回転可能に支持されており、軸部21の一端21a側に取り付けられた節度板214は、仕切壁62と側壁61との間に配置される。
また、軸部21の他端21bは、支持壁71の支持孔711に挿入された状態で回転可能に支持されており、軸部21の他端21b側に取り付けられた第1歯車22は、仕切壁63と支持壁71との間に配置される。
【0044】
図8の(C)および図9の(A)に示すように、仕切壁62と側壁61との間の下部には、有底円筒状のスプリング収容部60が設けられている。
図9の(A)に示すように、スプリング収容部60では、上方に開口する収容穴601にスプリングSpが収容されており、スプリングSpで付勢されたボールBが、仕切壁62と側壁61の間で、節度板214の節度溝214aに弾発的に係合している。
【0045】
節度板214は、回転ノブ20が外周に固定された軸部21に連結されており、回転ノブ20の回転軸X1回りの回転に連動して、回転軸X1回りに回転する。
節度板214が回転軸X1回りに回転すると、スプリングSpで付勢されたボールBが、節度板214の回転方向で隣接する他の節度溝214aに弾発的に係合する。
【0046】
本実施形態では、節度板214と、スプリングSpで付勢されたボールBで、節度機構を構成しており、回転ノブ20は、回転軸X1回りの角度位置に応じて異なる機能が割り当てられている。
節度機構は、回転ノブ20の回転軸X1回りの角度位置を、機能に対応する所定位置に位置決めすると共に、回転ノブ20の回転軸X1回りの回転操作に節度感を付与するために設けられている。
【0047】
図8の(B)および図9の(A)に示すように、仕切壁62では、磁石25の回動軸(回転軸X2)と交差する位置に、支持孔622が設けられている。
図8の(B)に示すように、支持孔622には、ムービングブロック6を中間部材5に組み付けた際に、支持壁51の支持軸510が、回転軸X2方向に貫通して、仕切壁62が、中間部材5側の支持壁51で揺動可能に支持される。
仕切壁62では、この支持孔622の周囲が、ムービングブロック6を中間部材5に支持させるための連結部となっている。
【0048】
図8の(A)、(B)に示すように、仕切壁62に間隔を開けて配置された仕切壁63では、回転軸X2と交差する位置に、支持孔632が設けられている。
仕切壁63から見て、仕切壁62とは反対側(図中、右側)には、支持孔632と対になる支持孔732を有する支持壁73が設けられている。
カバー4側の上方から見て、仕切壁63側の支持孔632と、支持壁73側の支持孔732は、磁石25の回転軸X2上に位置している。
【0049】
図8の(B)に示すように、支持孔632、732は、それぞれカバー4側の上方に開口しており、支持孔632、732には、カバー4側の上方から、外周に磁石25が固定された軸部251が組み付けられるようになっている。
【0050】
図8の(A)、(B)に示すように、仕切壁63の支持孔632では、軸部251の一端251aが回転可能に支持される共に、支持壁73の支持孔732では、軸部251の他端251bが回転可能に支持される。
この状態において、磁石25の軸部251は、回転軸X2に沿う向きで、回転軸X2回りに回転可能に配置される。
【0051】
図8の(B)に示すように、軸部251の一端251a側には、第2歯車24が外挿されて固定されている。第2歯車24は、フランジ部241付きの歯車であり、フランジ部241は、軸部251に設けた大径部252に回転軸X2方向から当接させた位置で位置決めされている。
【0052】
仕切壁63の下部と支持壁73の下部とに跨がる底壁部70には、第2歯車24のフランジ部241との干渉を避けるための凹部702と、磁石25の外周を囲む薄肉部701が設けられている。
底壁部70では、この薄肉部701の部分が、他の部分よりも薄肉で形成されている。
【0053】
支持壁73から見て、仕切壁63とは反対側(図中、右側)には、支持孔742を有する連結部74が設けられている。
連結部74は、底壁部70から上方に延出して設けられており、回転軸X2と交差する位置に、前記した支持孔742が設けられている。
【0054】
この支持孔742には、図5の(B)に示すように、ムービングブロック6を中間部材5に組み付けた際に、支持壁52の支持軸520が、回転軸X2方向に貫通して、連結部74が、中間部材5側の支持壁52で揺動可能に支持される。
この状態において、磁石25は、回転軸X2方向における一対の支持壁51、52でのムービングブロック6の支持点の間で、仕切壁63と支持壁73で、回転軸X2回りに回転可能に支持されている。
【0055】
図8の(A)に示すように、仕切壁63では、支持孔632と支持孔631との間の領域に、伝達歯車23の軸部231を回転可能に支持する支持孔633が設けられている。
仕切壁63から見て、仕切壁62とは反対側(図中、右側)には、支持孔633と対になる支持孔723を有する支持壁72が設けられている。
カバー4側の上方から見て、仕切壁63側の支持孔633と、支持壁72側の支持孔723は、回転ノブ20の回転軸X1と磁石25の回転軸X2に平行な回転軸X3上に位置している。
【0056】
図8の(A)に示すように、支持孔633、723は、それぞれカバー4側の上方に開口しており、支持孔633、723には、カバー4側の上方から、伝達歯車23が組み付けられるようになっている。
【0057】
図8の(A)に示すように、仕切壁63の支持孔633では、伝達歯車23の軸部231の一端が回転可能に支持される共に、支持壁73の支持孔723では、軸部251の他端が回転可能に支持される。
この状態において、伝達歯車23の軸部231は、回転軸X3に沿う向きで、回転軸X3回りに回転可能に配置される。
【0058】
図9の(C)に示すように、伝達歯車23は、回転ノブ20側の第1歯車22と、磁石25側の第2歯車24とに噛合して設けられている。
カバー4側の上方から見て、第1歯車22と、伝達歯車23と、第2歯車24とは、回転軸X1に直交する軸線Y(図8参照)上で並んでいる。
本実施形態では、第1歯車22と、伝達歯車23と、第2歯車24とで、減速歯車列Gを構成している。
なお、減速歯車列Gは、伝達歯車23を複数備えたものであっても良い。
【0059】
ムービングブロック6では、仕切壁63の側壁65側(図8の(A)における下側)の領域と、支持壁73の近傍領域とを接続する接続梁75が設けられている。
カバー4側の上方から見て接続梁75は、略L字形状を成しており、接続梁75における側壁65側の側面には、板状のガイド板76が設けられている。
【0060】
ガイド板76は、回転軸X1、X2から離れる方向(図8の(A)における下方)に延出している。ガイド板76の突出長L1は、ムービングブロック6を中間部材5に組み付けた際に、中間部材5に設けた一対のガイド柱53、53の間に挿入される長さに設定されている。
【0061】
さらに、接続梁75では、中間部材5との対向面に押圧棒77が設けられている(図10の(A)参照)。
押圧棒77は、プリント基板P側の下方に延出している。押圧棒77の延出長L2は、ムービングブロック6を中間部材5に組み付けた際に、押圧棒77が中間部材5に設けた貫通孔541をプリント基板P側の下方に横断して、プリント基板Pに設けたプッシュスイッチ92の上面に当接する長さに設定されている(図10の(A)、(B)参照)。
【0062】
ここで、押圧棒77には、当該押圧棒77をカバー4側の上方に変位させる方向の付勢力Fが、プッシュスイッチ92から作用している。
前記したようにムービングブロック6は、回転軸X2回りに揺動可能である。そのため、ムービングブロック6には、プッシュスイッチ92側から作用する付勢力Fにより、ムービングブロック6を回転軸X2回りに回転させる方向の回転力Rが作用している。
【0063】
前記したように、中間部材5には、係止爪550を有するストッパ棒55(図4参照)が設けられている。そして、図9の(A)に示すように、係止爪550は、ムービングブロック6側の係止部602に係止されており、ムービングブロック6の回転力Rが作用する方向(図中、矢印参照)への変位が規制されている。
【0064】
すなわち、回転ノブ20に押圧力が作用していない時には、ムービングブロック6は、プッシュスイッチ92側から作用する付勢力Fにより、ムービングブロック6と一体に形成された係止部602を、ストッパ棒55の係止爪550に圧接させた位置に保持される。これにより、回転ノブ20および回転ノブ20を支持するムービングブロック6のガタツキが抑制されている。
【0065】
ムービングブロック6が、中間部材5に組み付けられて、一対の支持壁51、52で揺動可能に支持されると、図5の(B)に示すように、スイッチ装置1では、磁石25の径方向外側に、底壁部70の薄肉部701が配置される。
さらに、薄肉部701の径方向外側に、プリント基板Pのカバー4側の上面を覆う保護部材(中間部材5)の薄肉部56が配置される。
【0066】
薄肉部56は、中間部材5の他の領域よりも薄肉で形成されている。スイッチ装置1では、この薄肉部56により形成された隙間に、プリント基板P(固定側部材)上に設置された磁気センサ91が収容されている。磁気センサ91は、磁石25の回転軸X2の径方向外側から、磁石25の外周に対向している。
【0067】
スイッチ装置1では、磁石25の回転軸X2の径方向外側で、磁石25の外周と、磁気センサ91とが、ムービングブロック6側の薄肉部701と、中間部材5側の薄肉部56を間に挟んで対向している。この状態において、磁石25の外周と、磁気センサ91とが、磁石25の回転軸X2の径方向外側で、離間距離hを持って対向している。
【0068】
本実施形態では、薄肉部56の下方に、磁気センサ91が配置されており、この磁気センサ91の出力信号により、磁石25の回転軸X2回りの角度位置と、回転ノブ20の回転軸X1回りの角度位置を特定する仕様となっている。
【0069】
図11は、スイッチ装置1の動作を説明する模式図である。図11では、回転ノブ20の押圧操作により、ムービングブロック6が回転軸X2周りに変位する過程を説明している。図11の(A)は、ムービングブロック6が回転軸X2周りに変位する前の状態を示した図である。図11の(B)は、回転ノブ20の押圧操作により、ムービングブロック6が回転軸X2周りに変位した後の状態を示した図である。
【0070】
スイッチ装置1では、磁石25の回転軸を、ムービングブロック6の揺動軸である回転軸X2に一致させて設けられている。そのため、ユーザの手指により回転ノブ20が押圧されて、ムービングブロック6が回転軸X2周りに変位しても、磁石25は変位しない。
そのため、回転ノブ20の押圧操作の前後で、磁石25と磁気センサ91との離間距離hは変化しないようになっている。
【0071】
また、ユーザの手指により回転ノブ20が回転軸X1回りに回転すると、回転ノブ20の回転は、減速歯車列Gを介して磁石25に伝達されて、磁石25が回転軸X2回りに回転する。
これにより、磁気センサ91に対向する磁石25の磁極面が、磁石25の回転軸X2回りの回転に連動して変化する。これにより、磁気センサ91の出力信号を処理する図示しない制御装置において、回転ノブ20の回転軸X1回りの角度位置を特定できるようになっている。
【0072】
図12は、減速歯車列Gの組み付け過程を説明する図である。
図12の(A)は、磁石25の位置決めを説明する図であって、減速歯車列Gの伝達歯車23と、磁石25側の第2歯車24とが噛合した状態での位置決めを説明する図である。
図12の(B)は、位置決め完了後の回転ノブ20側の第1歯車22の組み付けを説明する図である。図12の(C)は、減速歯車列Gの組み付けを完了した時点を示した図である。
【0073】
前記したようにロータリスイッチ2では、回転ノブ20の回転が、減速歯車列Gを介して磁石25に伝達される。そのため、磁石25は、回転ノブ20の回転軸X1周りの回転に連動して、回転軸X2回りに回転する。
【0074】
減速歯車列Gの組み付けにあたり、ムービングブロック6の仕切壁63と支持壁72との間で、減速歯車列Gの伝達歯車23を支持させると共に、磁石25の収容部S2に、磁石25を配置する(図6の(A)参照)。
【0075】
この状態では、伝達歯車23は、ムービングブロック6の一対の仕切壁63と支持壁72の間で回転可能に支持されている。磁石25は、ムービングブロック6の仕切壁63と支持壁73の間で回転可能に支持されている。
伝達歯車23は、磁石25側の第2歯車24に回転伝達可能に噛合している。伝達歯車23は、第2歯車24に噛合した状態で、磁石25と共にムービングブロック6で回転可能に支持される。
【0076】
この状態で、位置決め用の磁石MGを、底壁部70(薄肉部701)を挟んで磁石25に対向する位置に配置する。そうすると、図12の(A)の場合には、位置決め用の磁石MGのN極に対向する位置にS極を配置した角度位置で、磁石25が位置決めされる。
すなわち、位置決め用の磁石MGで、磁石25の回転軸X2回りの角度位置が位置決めされる。
【0077】
ここで、図12では、磁石の軸極の位置を視覚的に認識できるようにするために、N極にハッチングを付して示しているが、実際のスイッチ装置1では、磁石25の表面に磁極の位置を示す文字やマークなどが付されていない。
位置決め用の磁石MGを用いて、磁石25を位置決めすることで、磁石25を常に同じ位置で位置決めできる。
【0078】
この状態で、回転ノブ20側の第1歯車22を、上方から伝達歯車23に近づけて(図12の(B)参照)、伝達歯車23に噛合させて、回転ノブ20をムービングブロック6で回転可能に支持させる。
そうすると、第1歯車22と伝達歯車23との噛合の進行に伴って、伝達歯車23と第2歯車24が、それぞれ回転軸X3、X2回りに回転する(図12の(C)参照)。
【0079】
そして、回転ノブ20の組み付けが完了した時点で、磁石25は、初期の配置(図12の(A)における配置)に応じて決まる所定位置に位置決めされる(図12の(C)参照)。
これにより、磁石25の磁極面の向きを、常に同じ向きに揃えて、減速歯車列Gの組み付けを行うことができる。
【0080】
そして、減速歯車列Gの組み付けを完了した後のムービングブロック6を、中間部材5に組み付けて揺動可能に支持させると、プリント基板P上の磁気センサ91に、常に同じ磁極面を向けて磁石25を配置することができる。
【0081】
これにより、磁石25の初期位置と、回転ノブ20の回転軸X1回りの角度位置を予め対応付けて決めておくことで、スイッチ装置1の組み付け後に、回転ノブ20の回転軸X1回りの角度位置と、磁石25との位置関係の相関を取る作業が不要になる。
【0082】
例えば、回転ノブ20の回転軸X1回りの角度位置と、磁石25との位置関係の相関を取る場合には、磁石25を回転軸X2周りに少なくとも1回転させて、磁気センサ91の出力信号と、回転ノブ20の回転軸X1回りの角度位置とを関係づける必要がある。
本実施形態のスイッチ装置1は、かかる関係づけの作業が必要ないので、スイッチ装置1の組み付けにかかる作業コストの低減が可能になる。
【0083】
以上の通り、本実施形態にかかるスイッチ装置1は、以下の構成を有している。
(1)スイッチ装置1は、
回転軸X1(第1軸)回りに回転可能、かつ回転軸X1に平行な回転軸X2(第2軸)周りに揺動可能に設けられた回転ノブ20と、
回転軸X2と同軸に配置されて、回転ノブ20の回転に連動して回転する磁石25と、
プリント基板P(固定側部材)に設けられて、磁石25の外周に対向配置された磁気センサ91と、
回転ノブ20の回転を磁石25に伝達する減速歯車列G(歯車列)と、を有する。
【0084】
このように構成すると、磁石25が、回転ノブ20の揺動軸である回転軸X2と同軸に設けられているので、回転ノブ20を押圧して、回転ノブ20を回転軸X2回りの周方向に揺動させる際(揺動操作時)に、磁気センサ91と磁石25との位置関係が変化しない。
すなわち、回転ノブ20の揺動操作の前後で、磁石25と磁気センサ91との離間距離hが変化しない。
磁気センサ91と磁石25との位置関係が、回転ノブ20の揺動操作時に変化する場合には、感度の高い磁気センサを採用する必要があるが、磁気センサと磁石との位置関係が変化しないので、感度が低いより安価な磁気センサを用いることができる。
これにより、回転ノブ20の回転軸X1回りの回転操作と、回転ノブ20の回転軸X2回りの揺動操作に、異なる機能が割り当てられたスイッチ装置1を、より安価に提供できる。
【0085】
本実施形態にかかるスイッチ装置1は、以下の構成を有している。
(2)減速歯車列Gは、
回転ノブ20と同軸に設けられて、回転ノブ20と一体に回転する第1歯車22と、
磁石25と同軸に設けられて、磁石25と一体に回転する第2歯車24と、
第1歯車22と第2歯車24との回転伝達経路上に設けられた少なくとも1つの伝達歯車23と、を有している。
【0086】
このように構成すると、回転ノブ20の回転軸X1回りの角度位置と、磁石25の回転軸X2回りの角度位置をそれぞれ調整したのちに、伝達歯車23を組み付けて減速歯車列Gを完成できる。
これにより、スイッチ装置1の組み付け時の回転ノブ20の位置決めと、磁石25の位置決めを容易に行うことができる。
【0087】
本実施形態にかかるスイッチ装置1は、以下の構成を有している。
(3)磁石25は、回転ノブ20よりも小さい外径で形成されている。
減速歯車列Gは、回転ノブ20の回転軸X1回りの回転を減速して磁石25に伝達する減速歯車列である。
【0088】
回転ノブ20と、回転ノブ20よりも外径の小さい磁石25とが、同軸上で連結されて一体回転する場合には、回転ノブにおいて、回転軸回りの角度位置に応じて設定可能な機能の総数は、磁石の外径が小さくなるほど少なくなる。
上記のように、回転ノブ20の回転が、減速歯車列Gにより減速されて磁石25に伝達されるようにすることで、回転ノブ20において、回転軸X1回りの角度位置に応じて設定可能な機能の総数を増やすことができる。
これにより、回転ノブ20に割り当てる機能の多機能化や、機能の細かな制御が可能になる。
【0089】
本実施形態にかかるスイッチ装置1は、以下の構成を有している。
(4)回転ノブ20と、磁石25と、減速歯車列Gとを支持するムービングブロック6(ホルダ)を有している。
ムービングブロック6が、回転軸X2回りに揺動可能に設けられている。
【0090】
このように構成すると、回転ノブ20と磁石25と減速歯車列Gとをムービングブロック6に予め組み付けた状態で用意できる。すなわち、サブアッセンブリ化したパーツとして提供できるので、スイッチ装置1の組み付け時間の短縮が期待でき、時間が短縮された分だけ、組み付けコストの低減が期待できる。
【0091】
本実施形態にかかるスイッチ装置1は、以下の構成を有している。
(5)ムービングブロック6は、磁気センサ91が設けられたプリント基板Pを保護する中間部材5(保護部材)で、回転軸X2回りに揺動可能に支持されている。
ムービングブロック6は、磁石25の外周を囲む底壁部70(壁部)を有すると共に、底壁部70における磁気センサ91に対向する領域が、他の領域よりも薄肉で形成された薄肉部701となっている。
磁石25は、回転軸X2の径方向で、薄肉部701(薄肉の領域)を間に挟んで、前記磁気センサ91に対向している。
【0092】
このように構成すると、回転軸X2の径方向における磁石25と磁気センサ91との離間距離hをより小さくできる。これにより、磁気センサ91をより感度の低い安価なものに置き換えることができる。
【0093】
本実施形態にかかるスイッチ装置1は、以下の構成を有している。
(6)中間部材5(保護部材)では、ムービングブロック6(ホルダ)とは反対側に、磁気センサ91が設けられたプリント基板P(固定側部材)が配置されている。
中間部材5(保護部材)では、磁気センサ91に対向する領域が、他の領域よりも薄肉で形成された薄肉部56となっている。
磁石25と磁気センサ91は、回転軸X2の径方向で、ムービングブロック6側の薄肉部701(薄肉の領域)と、中間部材5(保護部材)側の薄肉部56(薄肉の領域)とを間に挟んで、対向している。
【0094】
このように構成すると、回転軸X2の径方向における磁石25と磁気センサ91との離間距離hをより小さくできる。これにより、磁気センサをより感度の低い安価なものに置き換えることができる。
【0095】
本実施形態にかかるスイッチ装置1は、以下の構成を有している。
(7)ムービングブロック6(ホルダ)は、中間部材5(保護部材)との対向部にプリント基板P側に延出する押圧棒77を有している。
押圧棒77は、回転軸X2から見て、回転軸X1よりも外径側に設けられていると共に、中間部材5に設けた貫通孔541を貫通して、プリント基板Pに設置されたプッシュスイッチ92に接触している。
ムービングブロック6の回転軸X2周りの揺動に連動して、プッシュスイッチ92が押圧棒77によりオン/オフされる。
【0096】
このように構成すると、プッシュスイッチ92のオン/オフ操作に必要なムービングブロック6の揺動角度を抑えることができる。
これにより、回転ノブ20を押圧してムービングブロック6を回転軸X2周りに揺動させる際に、磁石25の回転軸X2周りに回転する角度範囲(磁石25の回転角度)を抑制できる。
回転ノブ20を押圧してムービングブロック6を回転軸X2周りに揺動させる際に、磁石25が回転軸X2回りに大きく回転すると、磁気センサ91が磁石25の異なる磁極を検出して、磁石25の回転軸X2回りの角度位置を誤検出する可能性がある。
磁石25の回転軸X2周り回転する角度範囲(磁石25の回転角度)を抑制できるので、磁石25の回転軸X2回りの角度位置を誤検出の可能性を低減できる。
【0097】
本実施形態にかかるスイッチ装置1は、以下の構成を有している。
(8)中間部材5(保護部材)には、回転軸X2方向に間隔をあけて一対の支持壁51、52が設けられている。
ムービングブロック6において磁石25は、回転軸X2方向における一対の支持壁51、52による支持点の間で、回転軸X2回りに回転可能に支持されている。
【0098】
このように構成すると、ムービングブロック6の揺動軸と、磁石25の回転軸をより高い精度で一致させることができる。これにより、回転ノブ20の回転に連動して回転する磁石25の角度位置を、より高い精度で検出できる。
【0099】
なお、本実施形態にかかるスイッチ装置1は、スイッチ装置の組み付け方法としても特定できる。
(9)スイッチ装置1の組み付け方法で組み付けられるスイッチ装置1は、
回転軸X1(第1軸)回りに回転可能、かつ回転軸X1に平行な回転軸X2(第2軸)周りに揺動可能に設けられた回転ノブ20と、
回転軸X2と同軸に配置されて、回転ノブ20の回転に連動して回転する磁石25と、
プリント基板P(固定側部材)に設けられて、磁石25の外周に対向配置された磁気センサ91と、
回転ノブ20の回転を磁石25に伝達する減速歯車列G(歯車列)と、
回転ノブ20と、磁石25と、減速歯車列Gとを支持するムービングブロック6(ホルダ)と、を有する。
減速歯車列Gは、
回転ノブ20と同軸に設けられて、回転ノブ20と一体に回転する第1歯車22と、
磁石25と同軸に設けられて、磁石25と一体に回転する第2歯車24と、
第1歯車22と第2歯車24との回転伝達経路上に設けられた伝達歯車23と、を有している。
組み付け方法は、以下のステップ有する。
(a)伝達歯車23を、第2歯車24に噛合させた状態で、磁石25と共にムービングブロック6(ホルダ)で回転可能に支持させるステップ。
(b)位置決め用の磁石MGで、磁石25の回転軸X2回りの角度位置を位置決めする(角度位置を固定する)ステップ。
(c)磁石25の回転軸X2回りの角度位置を位置決めした後に、第1歯車22を伝達歯車23に噛合させて、回転ノブ20を、ムービングブロック6(ホルダ)で回転可能に支持させるステップ。
【0100】
位置決め用の磁石MGを用いて、磁石25を位置決めすることで、磁石25を常に同じ位置で位置決めできる。
この状態で、第1歯車22を上方から、伝達歯車23に近づけて噛合させると、第1歯車22を持つ回転ノブ20の組み付けが完了した時点で、回転ノブ20と磁石25とが、磁石25の初期の配置に応じて決まる所定位置に位置決めされる。
これにより、磁石25の磁極面の向きを、常に同じ向きに揃えて、減速歯車列Gの組み付けを行うことができる。
【0101】
そして、減速歯車列Gの組み付けを完了した後のムービングブロック6を、中間部材5に組み付けて揺動可能に支持させると、プリント基板P上の磁気センサ91に、常に同じ磁極面を向けて磁石を配置することができる。
【0102】
これにより、磁石25の初期位置と、回転ノブ20の回転軸X1回りの角度位置を予め対応付けて決めておくことで、スイッチ装置1の組み付け後に、回転ノブ20の回転軸X1回りの角度位置と、磁石25との位置関係の相関を取る作業が不要になる。
【0103】
以上、本願発明の実施形態および変形例を説明したが、本願発明は、これらのものに限定されるものではなく、発明の技術的な思想の範囲内で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0104】
1 スイッチ装置
2 ロータリスイッチ
20 回転ノブ
21 軸部
21a 一端
21b 他端
210、211 連結部
212 外挿部
213 フランジ部
214 節度板
214a 節度溝
215 大径部
22 第1歯車
23 伝達歯車
24 第2歯車
221、231 軸部
241 フランジ部
25 磁石
251 軸部
251a 一端
251b 他端
252 大径部
3 極盤
4 カバー
5 中間部材
50 基部
501 開口
51 支持壁
510 支持軸
52 支持壁
520 支持軸
53 ガイド柱
54 筒部
541 貫通孔
55 ストッパ棒
550 係止爪
56 薄肉部
6 ムービングブロック
60 スプリング収容部
601 収容穴
602 係止部
61 側壁
611 支持孔
62、63 仕切壁
621、622、631、632、633 支持孔
64、65 側壁
641、651 弧状部
642、652 直線部
643 屈曲部
70 底壁部
701 薄肉部
702 凹部
71、72、73 支持壁
711 、723、732 支持孔
74 連結部
742 支持孔
75 接続梁
76 ガイド板
77 押圧棒
91 磁気センサ
92 プッシュスイッチ
B ボール
G 減速歯車列
L1 突出長
L2 延出長
MG 位置決め用の磁石
P プリント基板
S1、S2 収容部
Sp スプリング
W ステアリングホイール
X1 回転軸
X2 回転軸
X3 回転軸
Y 軸線
h 離間距離
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12