(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】回収砂の再生方法
(51)【国際特許分類】
B22C 5/00 20060101AFI20220916BHJP
B22C 1/22 20060101ALI20220916BHJP
B22C 9/02 20060101ALI20220916BHJP
B29C 64/112 20170101ALI20220916BHJP
B29C 64/165 20170101ALI20220916BHJP
B33Y 10/00 20150101ALI20220916BHJP
B29C 64/357 20170101ALI20220916BHJP
【FI】
B22C5/00 A
B22C5/00 C
B22C1/22 C
B22C9/02 101Z
B29C64/112
B29C64/165
B33Y10/00
B29C64/357
(21)【出願番号】P 2018242813
(22)【出願日】2018-12-26
【審査請求日】2021-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】591149344
【氏名又は名称】伊藤忠セラテック株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】514227988
【氏名又は名称】技術研究組合次世代3D積層造形技術総合開発機構
(74)【代理人】
【識別番号】100078190
【氏名又は名称】中島 三千雄
(74)【代理人】
【識別番号】100115174
【氏名又は名称】中島 正博
(72)【発明者】
【氏名】牧野 浩
(72)【発明者】
【氏名】脇田 健二
(72)【発明者】
【氏名】亀田 貴之
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 駿一
(72)【発明者】
【氏名】青山 令久
【審査官】祢屋 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-100162(JP,A)
【文献】特許第5916789(JP,B2)
【文献】特開2018-140422(JP,A)
【文献】特開2004-261825(JP,A)
【文献】特開昭56-148439(JP,A)
【文献】特開平03-238141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C 5/00
B22C 1/22
B22C 9/02
B29C 64/112
B29C 64/165
B33Y 10/00
B29C 64/357
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒としての酸が表面に付着せしめられてなる、人工的に製造された球状の耐火性粒子と、かかる酸によって硬化せしめられるフラン樹脂前駆体を含むバインダとを用いて、インクジェット式の三次元積層造型法に従って鋳型を造型する工程や該鋳型を用いた鋳造工程から回収される、酸性やアルカリ性を呈する前記球状の耐火性粒子からなる回収砂を、再生する方法であって、
前記回収砂を機械研磨して、該回収砂の表面を清浄化する研磨工程と、
該機械研磨によって生じた研磨粉を
含む回収砂から
、かかる研磨粉を除去
せしめて、
研磨粉のない研磨砂
として取り出す研磨粉除去工程と、
かかる研磨粉除去工程を経て得られた研磨砂を焙焼処理して、pHが6~8、電気伝導度が70mS/m以下となる再生砂を得る焙焼工程とを、
有することを特徴とする回収砂の再生方法。
【請求項2】
前記研磨粉除去工程が、前記研磨工程と並行して、又は前記研磨工程の後に、実施されることを特徴とする請求項1に記載の回収砂の再生方法。
【請求項3】
前記研磨粉の除去が、集塵装置による集塵操作及び/又は篩分け若しくは風力による分級操作によって、行なわれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の回収砂の再生方法。
【請求項4】
前記研磨粉除去工程において得られる研磨砂が、かかる研磨砂の10gを水の80gに添加し、均一に混合して得られた試料の濁度にて評価される透視度(%)をレーザ光の透過量から求めたとき、50%以上の透視度を有していることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の回収砂の再生方法。
【請求項5】
前記焙焼処理が、400~1000℃の温度下において実施されることを特徴とする請求項1乃至請求項
4の何れか1項に記載の回収砂の再生方法。
【請求項6】
前記焙焼処理が、流動焙焼炉を用いて実施されることを特徴とする請求項1乃至請求項
5の何れか1項に記載の回収砂の再生方法。
【請求項7】
前記焙焼処理が、大気中の酸素濃度よりも低い酸素濃度の雰囲気中において、実施されることを特徴とする請求項1乃至請求項
6の何れか1項に記載の回収砂の再生方法。
【請求項8】
前記球状の耐火性粒子が、焼結法、溶融法、又は火炎溶融法によって得られる、耐火性を有する人工砂であることを特徴とする請求項1乃至請求項
7の何れか1項に記載の回収砂の再生方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回収砂の再生方法に係り、特に、インクジェット式の三次元積層造型法に従ってフラン鋳型を造型する工程や、そこで得られるフラン鋳型を用いた鋳造工程から、回収される回収砂を、有利に再生し得る技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、木型や樹脂型の如き模型を用いることなく、直接に、鋳型を製造することが可能であり、また複雑な形状の鋳型も容易に製造することが出来る、三次元積層造型法による鋳型の製造技術が、注目を受けている。ここで、三次元積層造型法とは、よく知られているように、CADシステム上で入力された三次元形状を、直接に、立体モデル(三次元モデル)として鋳型を製造する方法である。そして、そのような三次元積層造型法の一つとして、大きな造型物(鋳型)を有利に造型することの出来る、インクジェット式の三次元積層造型法が知られており、一般に、耐火性の粒状材料と硬化剤とを混合してなる鋳物砂を用いて、薄い砂層を形成し、その上に、CADデータに基づいて、バインダをインクジェット方式にて印刷する操作を繰り返して積層し、そしてバインダが硬化した後、非印刷部分の鋳物砂を取り除いて、目的とする鋳型を得るようにしたものである。
【0003】
例えば、特許文献1(特許第5249447号公報)には、二液混合方式の自硬性タイプのバインダを用いた三次元積層造型法として、耐火性粒子と硬化剤とを混練して、その混練砂を一層分敷き詰め、その上からバインダを所定パターンにインクジェットする方式が、明らかにされており、また特許文献2(特許第6027263号公報)においては、耐火性粒子の表面に、予め溶媒を揮発させた酸のコーティング層を形成してなるドライサンドを用い、このドライサンドを一層分敷き詰めた後、その上からフラン系バインダをインクジェットする方式が提案されており、更に、特許文献3(特開2017-100162号公報)には、砂を被覆する樹脂硬化物を含有する表面改質層に、所定の硬化剤を付着せしめてなる鋳物砂を用い、それを一層分敷き詰めた後、その上からフラン系等のバインダをインクジェットする方式が、明らかにされている。
【0004】
ところで、かくの如き三次元積層造型法にあっては、得られる鋳型の強度を向上せしめたり、鋳造時における鋳造欠陥の発生を回避すべく、従来の模型を用いた造型手法におけるような砂の突き固め作業を行なうことが出来ないところから、用いられる鋳物砂(混練砂)の性状は、厳密に管理される必要があるとされている。そして、この鋳物砂の性状を決定する因子としては、砂の粒度分布や流動性等が挙げられ、粒度分布が広い場合には、砂を敷き詰める際に、大きな粒子と小さな粒子が偏析してしまう恐れがあり、また流動性が良くない場合には、砂が均一に敷き詰められない恐れがあることが指摘されている。何れの場合も、鋳物砂の充填不足を招く恐れがあり、それによって、鋳型強度の低下の恐れや鋳造欠陥発生の恐れを内在することとなる。このため、鋳物砂の厳格な管理のためには、それを構成する耐火性骨材としては、人工的に製造された球状の耐火性粒子を用いることが望ましいとされているのである。この人工的に製造された耐火性粒子は、その粒度分布が狭く安定しており、また球状であるために、流動性に優れたものとなっている。しかし、そのような優れた特性を有する球状の耐火性粒子(砂)は、人工的に製造されるものであるところから、必然的に、珪砂等の天然に産出する砂よりも高価なものとなるのであり、そのために、造型工程においてインクジェットにて印刷されなかった部分、つまり未硬化の部分として回収された砂や、鋳造工程に供された使用済みの鋳型から回収された砂は、それを再生して、再度、鋳型の造型に利用することが望まれている。
【0005】
そこで、特許文献4(特許第5916789号公報)においては、三次元積層造型法における積層印刷工程において、バインダとしての樹脂が印刷されなかった鋳物砂(耐火性骨材+硬化剤)のみを回収して、それを、1000℃の温度で焙焼することにより、再生砂とする手法が、提案されている。また、そこでは、三次元積層造型法において回収された砂の再生には、従来の造型法に用いられるシェル砂の再生技術をそのまま適用しても、インクジェット式の積層造型法における耐火性粒子として使用することは困難であることが、指摘されている。それは、鋳造工程において、焙焼再生によっては取り除くことの出来ない不純物が混入したり、砂自体の特性が変化したりする等のためであり、シェルモールド鋳造法では問題とならない不純物の存在や特性等の変化が、積層造型法においては、積層失敗の原因となると考えられている。
【0006】
このため、特許文献4においては、積層印刷工程において、樹脂が印刷されなかった混練砂のみが再生の対象とされているのであり、造型工程において樹脂が印刷された砂や、その硬化が行なわれた砂、更には、鋳造工程において使用済みの鋳型から回収される砂等は、全くその対象とされておらず、そのために、混練砂全体の再生効率としては充分なものではなかったのである。
【0007】
特に、触媒としての酸が表面に付着せしめられてなる、人工的に製造された球状の耐火性粒子と、そのような酸によって硬化せしめられるフラン樹脂前駆体を含むバインダとを用いたインクジェット式の三次元積層造型法において、鋳型の造型工程から回収される、バインダが印刷されず、その付着がない耐火性粒子(回収砂)は、表面に付着する酸によって酸性を呈するものとなるのである。一方、使用済み鋳型から回収される回収砂にあっては、吸湿防止剤として用いられた硫酸マグネシウムが混入していたり、鋳型に塗布された塗型成分が混入することにより、また、人工砂中に僅かに含まれる不純物が、長期間の酸によるコーティングにより、アルカリ成分等の不純物成分が人工砂表面に濃縮したりすることにより、更には、組み合わされる他の鋳型を構成している鋳物砂が混入したりすること等によって、アルカリ性を呈するものとなっている。
【0008】
そして、それら回収砂のうち、酸性を呈するものにあっては、耐火性粒子の表面に付着する硬化剤としての酸が一部蒸発したりして、砂特性が変化し、流動性にムラが生じてしまう問題があるために、そのまま、造型に再度使用することが出来ないものとなるのであり、また、アルカリ性を呈する回収砂にあっては、付着せしめられる触媒としての酸が、そのアルカリ成分によって中和され、それによって、砂特性が変化して、有効な積層造型が困難となる等の問題を惹起することとなる。更に、それら酸性の回収砂とアルカリ性の回収砂とが混じり合ってなる形態の場合にあっては、それぞれの砂に基づくところの問題が惹起されることに加えて、それらの混入割合に応じて砂特性が種々変化して、三次元積層造型法には到底適用され得ず、上記した特許文献4に提案の再生手法を適用しても、充分に解決され得るものではなかったのである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】特許第5249447号公報
【文献】特許第6027263号公報
【文献】特開2017-100162号公報
【文献】特許第5916789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ここにおいて、本発明は、かかる事情を背景にして為されたものであって、その解決すべき課題とするところは、触媒としての酸が表面に付着せしめられてなる、人工的に製造された球状の耐火性粒子と、かかる酸によって硬化せしめられるフラン樹脂前駆体を含むバインダとを用いて、インクジェット式の三次元積層造型法に従って鋳型を造型する工程やかかる鋳型を用いた鋳造工程から回収される、酸性やアルカリ性を呈する球状の耐火性粒子からなる回収砂を、有利に再生し得る方法を提供することにあり、また、かかる三次元積層造型法において回収される回収砂を、その回収工程の如何に関わらず、性状のバラツキの少ない再生砂として提供し、更には、そのような再生砂から造型される鋳型の強度をより一層向上せしめ得る技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そして、本発明者等が、上記の課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、上述の如きインクジェット式の三次元積層造型法において回収される全ての回収砂から、性状にバラツキがなく、特性に優れた再生砂を得るためには、機械研磨工程の後に、焙焼工程を実施すると共に、その焙焼工程に先立って、研磨された回収砂から、研磨粉を所定割合以上に除去せしめ、更に焙焼によって得られる再生砂が、所定のpH範囲と電気伝導度を有している必要があることを、見出したのである。
【0012】
本発明は、かくの如き知見に基づいて完成されたものであって、上記した課題を解決するために、触媒としての酸が表面に付着せしめられてなる、人工的に製造された球状の耐火性粒子と、かかる酸によって硬化せしめられるフラン樹脂前駆体を含むバインダとを用いて、インクジェット式の三次元積層造型法に従って鋳型を造型する工程や該鋳型を用いた鋳造工程から回収される、酸性やアルカリ性を呈する前記球状の耐火性粒子からなる回収砂を、再生する方法であって、(a)前記回収砂を機械研磨して、該回収砂の表面を清浄化する研磨工程と、(b)該機械研磨によって生じた研磨粉を該回収砂から除去することにより、水との混合液の濁度にて評価される透視度が50%以上となる研磨砂を得る研磨粉除去工程と、(c)かかる研磨粉除去工程を経て得られた研磨砂を焙焼処理して、pHが6~8、電気伝導度が70mS/m以下となる再生砂を得る焙焼工程とを、有することを特徴とする回収砂の再生方法を、その要旨とするものである。
【0013】
なお、このような本発明に従う回収砂の再生方法の望ましい態様の一つによれば、前記研磨粉除去工程は、前記研磨工程と並行して、又は前記研磨工程の後に、実施されることとなる。
【0014】
また、本発明の望ましい態様の他の一つによれば、前記研磨粉の除去が、集塵装置による集塵操作及び/又は篩分け若しくは風力による分級操作によって、行なわれることとなる。
【0015】
さらに、本発明に従う回収砂の再生方法にあっては、前記焙焼処理が、400~1000℃の温度下において実施されることが望ましい。
【0016】
そして、本発明にあっては、好ましくは、前記焙焼処理は、流動焙焼炉を用いて実施され、また、大気中の酸素濃度よりも低い酸素濃度の雰囲気中において、有利に実施されることとなる。
【0017】
また、本発明に従う回収砂の再生方法の望ましい他の態様によれば、前記球状の耐火性粒子としては、焼結法、溶融法、又は火炎溶融法によって得られる、耐火性を有する人工骨材が好適に用いられることとなるが、中でも、焼結法によって得られる耐火性の人工砂がより一層有利に用いられることとなる。
【発明の効果】
【0018】
このように、本発明に従う回収砂の再生方法にあっては、触媒としての酸が表面に付着せしめられてなる、人工的に製造された球状の耐火性粒子と、かかる酸によって硬化せしめられるフラン樹脂前駆体を含むバインダとを用いた、インクジェット式の三次元積層造型法において、その造型工程や鋳造工程から回収された回収砂が、酸性を呈するものであっても、またアルカリ性を呈するものであっても、更には樹脂硬化物や炭化物が付着したものであっても、機械研磨に続いて、焙焼処理が施されるようにすると共に、かかる焙焼処理に先立って、機械研磨によって生じた研磨粉を、回収砂から除去することによって、水との混合液の濁度にて評価される透視度が50%以上となる研磨砂を形成せしめ、更に、焙焼工程においては、焙焼して得られた再生砂が、pH:6~8、電気伝導度:70mS/m以下となる特性を有するように調整されることによって、新砂と同等以上の鋳型強度を実現し得る、極めて良好な表面性状を有する再生砂を、有利に得ることが出来ることとなったのである。
【0019】
従って、本発明に係る回収砂の再生方法によれば、三次元積層造型法において回収される全ての回収砂が対象とされ、限定された回収砂のみが対象とされるものではないところから、回収砂を再生して得られる再生砂の回収効率が一段と高められ得、以て、インクジェット式の三次元積層造型法による鋳型の造型コストを有利に低減せしめ得ることとなることに加えて、かかる三次元積層造型法における高価な球状の耐火性粒子の使用の推進にも、大きく寄与し得ることとなる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ところで、本発明に従う回収砂の再生方法が適用される球状の耐火性粒子は、人工的に製造された骨材(粒子)であって、球状のものであれば、公知の如何なる人工骨材をも、人工砂として、その対象とすることが出来る。具体的には、スプレードライヤによって造粒された後に、ロータリーキルンで焼成して得られる焼結砂や、転動造粒法により造粒された後、ロータリーキルンで焼成して得られる焼結砂、高温で溶融させた溶融物をエアーで吹き飛ばして得られる溶融砂、火炎溶融法と呼ばれる方法で得られる溶融砂等があり、また焼結ムライト、電融ムライトや焼結アルミナ、電融アルミナ等の材質のものを用いることが可能であるが、それら焼結法、溶融法又は火炎溶融法によって得られる耐火性の人工骨材(人工砂)の中でも、焼結法によって得られる球状の耐火性粒子は、粒子表面に適度な凹凸が存在しており、それが、後述する触媒(酸)の付着乃至はコーティングに優位に働くこととなるところから、好適に用いられることとなる。
【0021】
また、そのような本発明において用いられる球状の人工砂は、ムライト質、ムライト・コランダム質、又はコランダム質の粒子であることが望ましく、そのためには、少なくともムライトの結晶構造を生ぜしめ得る量のAl2 O3 を含んでいる必要がある。従って、そのような結晶構造を与える化学組成において、Al2 O3 の含有量は、一般に60重量%以上、好ましくは68重量%以上であり、残余が、主としてSiO2 となる。そして、Al2 O3 の含有量が77重量%超えるようになると、コランダムの結晶構造が生成するようになり、更に、Al2 O3 の含有量が90重量%或はそれ以上となると、コランダムの結晶構造が支配的となるのである。なお、ここで、ムライト・コランダム質とは、粒質中にムライトの結晶構造とコランダムの結晶構造とが共存乃至は分散した状態のことを意味している。
【0022】
さらに、かかる球状の人工砂は、実質的に球状と認識され得る球体形状を呈するものであるが、一般に、その真円度としては、好ましくは0.70以上、より好ましくは0.75以上、更に好ましくは0.80以上の真円度を有する人工砂が、有利に用いられることとなる。なお、この真円度の測定方法は、よく知られており、例えば、特許第6410973号公報等に明らかにされている測定法を用いて、求めることが出来る。また、そのような球状の人工砂は、その見掛気孔率が5%以下の、緻密質であることが望ましく、これによって、本発明に従う回収砂の再生処理が有利に行なわれ得て、鋳型強度の向上に寄与せしめることが出来る。
【0023】
なお、かくの如き本発明において用いられる球状の人工砂は、また、インクジェット式の三次元積層造型法において用いられている耐火性粒子と同様な粒子径を有するものであって、一般に、その平均粒子径が、0.01~0.50mm程度、好ましくは0.05~0.30mm程度、より好ましくは0.07~0.15mm程度となる大きさを有するものである。この人工砂の粒子径が小さくなり過ぎると、その取り扱いが困難となり、回収砂の再生に困難を来たすようになる等の問題があり、また粒子径が大きくなり過ぎると、鋳型の積層方向の表面粗さが悪化する等の問題を惹起して、品質の良好な積層鋳型を得ることが困難となる。
【0024】
そして、上述の如き球状の人工砂には、その表面に、従来と同様にして、触媒としての酸が付着せしめられて、インクジェット式の三次元積層造型法に用いられることとなるのである。具体的には、例えば特許文献1の如く、人工砂と触媒としての酸を混合せしめることにより、また特許文献2の如く、人工砂の表面に、溶媒を揮発させた形態において、触媒としての酸のコーティング層を形成したり、更には特許文献3の如く、人工砂の表面に、それを被覆するように、樹脂硬化物を含有する表面改質層を形成し、更にその表面改質層に、触媒としての酸を付着せしめたりすることにより、触媒としての酸が表面に付着せしめられてなる人工砂が、形成されることとなるのである。
【0025】
なお、触媒としての酸としては、何れも、公知のもの、換言すれば常温においてフラン樹脂前駆体を含むバインダを硬化させ得るものであれば、その何れもが、適宜に選択されて用いられ得るところであり、例えば、硫酸やリン酸等の無機酸、そのような無機酸と他の酸との混合物、スルホン酸やカルボン酸等の有機酸、そのような有機酸と他の酸との混合物等を挙げることが出来る。
【0026】
また、そのような酸によって硬化せしめられるフラン樹脂前駆体にあっても、公知の各種のものの中から、適宜に選択され、例えば、フルフリルアルコールの単独使用の他、ビス(ヒドロキシメチル)フラン、フェノール類及びビスフェノール類から選ばれた1種以上とフルフリルアルコールとの混合物、フェノール類及びビスフェノール類とアルデヒド類との縮合物若しくは共縮合物、又は、尿素とアルデヒド類との縮合物とフルフリルアルコール又はフルフリルアルコール及びビス(ヒドロキシメチル)フランとの混合物等が、用いられることとなる。
【0027】
そして、上述の如き触媒としての酸を付着せしめた人工砂と、フラン樹脂前駆体を含むバインダとを用いて、従来と同様にして、インクジェット方式の三次元積層造型法に従って、目的とする鋳型を造型したときに、その造型工程からは、かかるバインダが印刷されていない、換言すればインクジェット方式にて、バインダが所定パターンで噴霧された領域以外の部位に位置する積層人工砂層が、回収されることとなるのであり、また造型された鋳型であっても、鋳造に供されなかったものからも、硬化砂として回収され、更には、造型して得られた鋳型を鋳造に用いて、その使用済みの鋳型から回収される鋳造工程からの回収砂も存在しており、それらは、酸性を呈していたり、また砂表面に硬化したフラン樹脂層が存在していたり、更にアルカリ性を呈していたり、砂表面に炭化物が存在していたりして、その表面性状が種々異なるものとなっているのである。
【0028】
本発明は、かくの如き鋳型造型工程や鋳造工程から回収される、酸性やアルカリ性を呈する等、性状の異なる人工砂(球状耐火性粒子)からなる回収砂を再生して、再び、新砂と同様に、インクジェット方式の三次元積層造型法に有利に用い得るようにするものであって、そこでは、先ず、それぞれの工程から回収された回収砂が、単独で或いは混合されて、機械研磨が施され、これによって、回収砂の表面に付着する酸やフラン樹脂の硬化物、更には、その硬化物が鋳造工程で加熱されて炭化したもの等が、研磨・除去され、かかる回収砂の表面が清浄化せしめられることとなる。なお、この研磨作業には、従来と同様な乾式研磨方式や湿式研磨方式が採用され、例えば、乾式研磨方式では、衝撃式、摩擦式及び研磨式等の手法に従い、サンドリクレマー、ロータリーリクレマー、アジテータミル等を用いる機械研磨方法が、採用されることとなる。本発明は、そのような乾式法による研磨手法が有利に採用されるところであるが、また、トラフ磨鉱機を用いた湿式研磨手法を採用することも、可能である。
【0029】
次いで、かかる研磨工程において機械研磨された回収砂には、それによって生じた研磨粉が混在し、また回収砂の表面に付着しているところから、本発明にあっては、そのような研磨粉が可及的に除去せしめられて、研磨粉のない研磨砂として取り出されることとなる。なお、そのような研磨粉の除去には、従来と同様な風力や重力を用いる方式、分級操作等による方式が採用され、それによって、水との混合液の濁度にて評価される透視度が50%以上となる研磨砂が、取り出されることとなる。ここで、かかる研磨砂を用いて得られる透視度が50%以上となるように、研磨粉の除去を行なうことが重要であり、そのような透視度が50%よりも低くなる研磨砂にあっては、次工程における焙焼処理を実施しても、フラン樹脂前駆体を含むバインダを用いたインクジェット方式の三次元積層造型法に有利に用いられる、表面性状に優れた再生砂を得ることが、困難となるのである。
【0030】
ここで、本発明における透視度は、10gの研磨砂を、80gの水に添加して、よく撹拌し、均一に分散せしめてなる状態において、その水の濁りの度合い(濁度)にて評価され、この透視度が高い程、研磨粉の除去が良好である一方、かかる透視度が低くなると、研磨粉の除去が充分でないことを意味している。具体的には、測定装置として、株式会社キーエンス製のLASER SENCER(IB1000)を用い、その測定用セルへ水道水を入れて、レーザ光の透過度合いを測定した際の値を100%とする一方、測定試料の濁りにより、レーザ光が透過しないものを透視度0%として、測定試料におけるレーザ光の透過量によって、当該測定試料の透視度(%)が、求められる。
【0031】
また、上記の研磨粉除去工程は、前記した研磨工程と並行して(同時に)、又はかかる研磨工程の後に、実施されるものであり、更に研磨された回収砂からの研磨粉の除去は、有利には、集塵装置による集塵操作、又は篩分け若しくは風力による分級操作によって、或いはそれら集塵装置による集塵操作と篩分け若しくは風力による分級操作によって行なうことが可能であり、これにより、目的とする透視度を与える研磨砂が、有利に形成されることとなる。
【0032】
その後、かかる研磨粉除去工程を経て得られた研磨粉は、焙焼工程に移行されて、所定の焙焼処理が施され、これによって、pHが6~8であり、電気伝導度が70mS/m以下となる特性を有すると共に、表面性状が効果的に改善されてなる再生砂が、有利に形成され得るのである。即ち、かかる焙焼処理によって、研磨砂の表面層が改質されて、フラン樹脂前駆体を含むバインダに対する親和性の高められた表面改質層を有する再生砂が、形成され得るのであり、これによって、インクジェット式の三次元積層造型法に、再度、有利に用いられ得ることとなるのである。このように、焙焼処理して得られる再生砂が、所定のpH値と電気伝導度を有するように構成することによって、新砂と同等以上の強度を発揮し得る鋳型が、本発明において採用される三次元積層造型法に従って、有利に製造され得ることとなるのである。ここで、再生砂のpHや電気伝導度は、供試砂の20gと蒸留水の50gとを撹拌子とスターラを用いて30分間混合撹拌した後、デカンテーションすることにより、その上澄み液を採取し、その得られた上澄み液のpH及び電気伝導度を測定することによって、容易に求めることが出来る。
【0033】
ところで、かくの如き研磨砂に対する焙焼処理には、研磨砂の材質によって、適宜の処理条件が選定されるところであるが、一般に400~1200℃程度、好ましくは500~1000℃程度の範囲内の焙焼温度が採用され、また焙焼時間にあっても、その対象とする研磨砂の状態に応じて適宜に選定されるところであって、一般に0.1~5時間程度、好ましくは0.5~3時間程度の範囲内において、適宜に選定されることとなる。しかも、そのような焙焼処理に際して、雰囲気としては、大気中であっても、何等差支えないが、好ましくは大気中の酸素濃度よりも低い酸素濃度の雰囲気中において焙焼処理を実施することが望ましく、中でも15%以下、好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、特に好ましくは3%以下の酸素濃度の雰囲気中において、焙焼処理が実施され、これによって、研磨砂の表面に存在する研磨痕の修復を効果的に行ないつつ、有効な表面改質を進行せしめて、フラン樹脂前駆体を含むバインダを用いたインクジェット式の三次元積層造型法に、有利に適用し得る再生砂を得ることが出来ることとなるのである。
【0034】
そして、上述の如き焙焼処理を行なうための装置としては、その構成が特に限定されるものではなく、公知の各種の焙焼装置が、適宜に採用されることとなる。また、焙焼装置における焙焼対象たる研磨砂は、流動させられていても、流動させられていなくても、何等差支えないが、均一に焙焼せしめて、目的とする性状の再生砂を得るには、流動せしめられていることが望ましく、そのために、焙焼装置としては、バッチ式よりも連続式のものが好適に採用され、また流動焙焼炉の中でも連続式のものを用いて、目的とする焙焼処理が有利に実施されることとなる。
【0035】
なお、焙焼処理を実施しても、得られる再生砂が、本発明にて規定される上記したpH値や電気伝導度を満たさない場合にあっては、再度、本発明に従う工程(機械研磨、研磨粉除去、焙焼)の一部又は全部が繰り返し実施されるようにすることによって、目的とする再生砂を得ることが可能である。
【0036】
かくして、上述の如き研磨工程と研磨粉除去工程と焙焼工程とを順次経て、回収砂から再生される再生砂にあっては、触媒としての酸が表面に付着せしめられてなる、人工的に製造された球状の耐火性粒子(人工砂)と、かかる酸によって硬化せしめられるフラン樹脂前駆体を含むバインダとを用いた、インクジェット式の三次元積層造型法に従って、鋳型を造型する工程やかかる鋳型を用いた鋳造工程から回収される、何れの回収砂、例えば、酸性やアルカリ性を呈する回収砂や硬化したフラン樹脂の付着する回収砂、更には、鋳造によって樹脂が炭化された炭化物の付着する回収砂等の何れにおいても、その表面性状が効果的に改善され、以て、かかるインクジェット式の三次元積層造型法に従う鋳型の造型工程に、再び提供され得るものとなるのであり、またそれによって、得られる鋳型の強度を新砂と同等以上に更に効果的に高め得るのであって、これにより、充分な鋳型強度を確保しつつ、バインダ(フラン樹脂前駆体)を用いたインクジェット式の三次元積層造型法を実施し得ることとなるのである。
【実施例】
【0037】
以下に、本発明に従う実施例を比較例と共に示し、本発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるものでないことは、言うまでもないところである。また、本発明は、以下の実施例の他にも、更には上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々なる変更、修正、改良等が加えられ得るものであることが、理解されるべきである。
【0038】
先ず、人工的に製造された球状の耐火性粒子として、焼結法で得られた球形の人工砂(焼結砂)である、伊藤忠セラテック株式会社製セラビーズX(#1450,平均粒子径:106μm)を準備し、この人工砂の表面に、パラトルエンスルホン酸と乳酸からなる混合物のコーティング層を形成して、コーティングサンドを作製した。一方、フラン樹脂前駆体として、フルフリルアルコールとビスフェノールAを用い、これに、N-β(アミノエチル)-γ-アミノプロピルメチルジメトキシシランを配合してなるバインダを調製した。そして、かかる酸が表面に付着せしめられてなる人工砂と、バインダとを用いて、インクジェット式の三次元積層造型法に従って、所定の鋳型を造型し、その際に、積層鋳型から取り除かれる未硬化の回収砂、即ちバインダが印刷(噴霧/付着)されていない人工砂を、回収砂として用い、以下の各種の再生処理A~Fを、それぞれ実施した。
再生処理A:焙焼処理のみ実施
再生処理B:機械研磨のみ実施
再生処理C:機械研磨の後、研磨粉を除去
再生処理D:機械研磨の後、焙焼処理
再生処理E:機械研磨、研磨粉の除去の後、焙焼処理
再生処理F:焙焼処理の後、機械研磨、研磨粉の除去
【0039】
なお、上記の再生処理において、焙焼処理は、流動焙焼炉を用いて、酸素濃度が約3%の雰囲気中において、800℃の温度で1時間処理することにより、実施した。また、機械研磨は、株式会社清田鋳機製サンドフレッシャーを用い、砥石(砥石径305mm)を周速40m/secで回転させつつ、30分間処理することにより実施し、更に、機械研磨によって生じた研磨粉の除去は、かかる機械研磨と同時に、集塵機を作動せしめて、生じた研磨粉を除去する手法によって、実施した。即ち、サンドフレッシャー(BR-305)にて回収砂の研磨を行なう一方、かかるサンドフレッシャーに連結した、アマノ株式会社製の集塵機(パルスジェット集塵機:PiF-75U)により、風量:46m3 /minにて集塵することにより、研磨粉の除去を行なった。
【0040】
次いで、それら各種の再生処理によって得られた再生砂について、それぞれ、以下の評価方法に従って、pH、電気伝導度及び透視度を測定した。但し、透視度は、再生処理A~D及びFの場合は、最終的に得られた再生砂について測定し、再生処理Eの場合においてのみ、研磨粉の除去後、焙焼処理が施される前の研磨砂について、測定した。また、参考までに、未使用の新砂(伊藤忠セラテック株式会社製セラビーズX #1450,平均粒子径:106μm)についても、pH、電気伝導度及び透視度の評価を、それぞれ行なった。そして、それら得られたpH、電気伝導度及び透視度の結果を、下記表1に示す。
【0041】
-pH及び電気伝導度の評価-
供試砂(再生砂)の20gを蒸留水の50gに投入し、撹拌子とスターラを用いて、30分間撹拌、混合した後、デカンテーションにより、その上澄み液を採取する。そして、pH/ORP/イオン/電気伝導率/溶存酸素測定用の東亜ディーケーケー株式会社製マルチ水質計MM-43Xを用いて、その採取された上澄み液のpH及び電気伝導度を、それぞれ、測定する。
【0042】
-透視度の評価-
測定装置として、株式会社キーエンス製LASRE SENCER(IB1000)を用い、その測定用セルに、供試砂の10gを80gの水中に添加して、充分に撹拌して得られる均一な供試液(砂分散液)を収容して、レーザ光の透過量を測定する。一方、測定用セルに水道水を収容して、レーザ光の透過量を測定し、その得られた値を100%とし、一方、測定試料の濁りによりレーザ光が透過しないものを0%として、前記測定して得られた供試液のレーザ光透過量に基づいて、その透視度(%)を算出する。
【0043】
また、上記の各種の再生処理A~Fにおいて得られた再生砂や新砂について、それらから得られるフラン鋳型の鋳型強度を、以下のようにして測定し、その結果も、下記表1に合わせ示した。
【0044】
先ず、鋳型強度の測定のためのサンプルを得るべく、各種の再生砂や新砂を用い、それに、所定の硬化剤を加えて、ミキサーにて30秒間混合することにより、それぞれ、自硬性の鋳物砂組成物(混練物)を得た。なお、フラン樹脂としては、花王クエーカー株式会社製EF5301を用い、硬化剤(酸)としては、花王クエーカー株式会社製C-17を用いた。また、フラン樹脂は、再生砂又は新砂の100重量部に対して、1.5重量部の割合において用いられ(フラン樹脂の添加量:1.5%)、硬化剤は、フラン樹脂の100重量部に対して、50重量部の割合において用いた。その後、それら得られた各種の鋳物砂組成物を、直径:50mm×高さ:50mmの木枠内に、それぞれ充填せしめることにより、それぞれ、鋳型サンプルを造型した後、温度:30℃、湿度:80%なる条件下の恒温恒湿槽内において、24時間保持して、硬化反応を進行せしめた。かくして得られた硬化後の鋳型サンプルを用い、その鋳型強度(圧縮強度)を、JACT試験法HM-1「圧縮強さ試験法」に準じて、測定する。
【0045】
【0046】
かかる表1の結果から明らかなように、再生処理Aの如く、回収砂を単に焙焼処理しただけの場合にあっては、再生砂がアルカリ性を呈するものとなり、それによって、充分な鋳型強度を発揮することが出来ないものであることが、認められる。また、機械研磨のみ実施する再生処理Bの場合にあっては、得られた再生砂が酸性を呈するものであって、電気伝導度が高く、且つ透視度が低くなるものあって、充分な鋳型強度を有する鋳型の造型が困難であることが認められ、同様に、機械研磨後に研磨粉を除去する再生処理Cの場合にあっては、再生砂は酸性を呈するものではあるが、電気伝導度は低くなり、また透視度は向上するものの、鋳型強度の向上は充分に図り得ないことが認められる。
【0047】
これに対して、本発明に従って、機械研磨を行ない、また研磨粉の除去の後、焙焼処理を行なった再生処理Eにあっては、再生砂は、中性領域のpH値を示すものとなり、電気伝導度も低く、また透視度が向上され得て、鋳型サンプルの強度も高く、そのために、そのような再生砂から、新砂使用の場合以上に強度に優れたフラン鋳型を形成することが可能であることが、認められる。
【0048】
しかるに、機械研磨の後、研磨粉を除去することなく、焙焼処理した再生処理Dの場合にあっては、その得られた再生砂は、アルカリ性を呈するものとなり、また電気伝導度が高く、且つ透視度も低いものであって、そのために、充分な鋳型強度を発揮し得ないことが認められ、更に、再生処理Eとは異なり、機械研磨と焙焼処理を逆にした再生処理Fの場合にあっては、得られた再生砂は、中性領域のpHや50%以上の透視度を示すものの、電気伝導度が高いものとなっており、そのために、造型して得られる鋳型の強度が充分でない、という問題を内在していることが、認められる。
【0049】
かくの如き再生処理A~Fの結果の対比から明らかな如く、フラン鋳型を得るべく、酸とフラン樹脂前駆体とを組み合わせてなるインクジェット式の三次元積層造型法において、回収される回収砂の再生方法としては、先ず、機械研磨を行ない、そして、そこで生じた研磨粉を除去した後、焙焼処理することからなる再生方法が、新砂と同等以上の鋳型強度を発揮させることが出来る点において、極めて優れていると言うことが出来る。