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特許7142653粉末含有組成物、水系溶媒用粉末、及び水系溶媒用粉末の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】粉末含有組成物、水系溶媒用粉末、及び水系溶媒用粉末の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08L 33/14 20060101AFI20220916BHJP
   C08K 3/34 20060101ALI20220916BHJP
   C08F 220/34 20060101ALI20220916BHJP
【FI】
C08L33/14
C08K3/34
C08F220/34
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019570227
(86)(22)【出願日】2018-02-08
(86)【国際出願番号】 JP2018004467
(87)【国際公開番号】W WO2019155584
(87)【国際公開日】2019-08-15
【審査請求日】2021-01-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100092901
【弁理士】
【氏名又は名称】岩橋 祐司
(72)【発明者】
【氏名】安藤 有美
【審査官】松元 洋
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2000/037028(WO,A1)
【文献】国際公開第2010/101134(WO,A1)
【文献】特開2014-101279(JP,A)
【文献】特開2006-131887(JP,A)
【文献】特開2010-159387(JP,A)
【文献】特表2006-526063(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00 - 101/16
C08F 220/00 - 220/70
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水系溶媒と、
前記水系溶媒中に存在するカチオン性ポリマーと、
前記水系溶媒中において表面に負電荷を帯び、50m/g未満のBET比表面積を有する粉末と、
を含有し、
前記カチオン性ポリマーはポリアクリレート-1であり、
前記粉末の組成物中の総表面積に対する前記カチオン性ポリマーの組成物中の質量の比が、1μg/m~10,000μg/mである、粉末含有組成物。
【請求項2】
前記カチオン性ポリマーは前記粉末に吸着している、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記粉末は、各粒子における短手方向の第1の長さに対する長手方向の第2の長さの比の平均値が2以上であるアスペクト比を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記粉末は、1m/g~30m/gのBET比表面積を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記粉末はタルク及びマイカのうちの少なくとも一方である、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記粉末の含有率は、前記組成物の質量に対して、0.2質量%~10質量%である、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記カチオン性ポリマーの含有率は、前記組成物の質量に対して、0.00005質量%~0.5質量%である、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
非イオン性界面活性剤の含有率が前記組成物の質量に対して0.1質量%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
油性成分の含有率が前記組成物の質量に対して5質量%以下である、請求項1~のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
水系溶媒中において表面に負電荷を帯び、50m/g未満のBET比表面積を有する粒子と、
前記粒子の表面に付着したカチオン性ポリマーと、を有し、
前記カチオン性ポリマーはポリアクリレート-1であり、
前記粒子の総表面積に対する前記カチオン性ポリマーの質量の比が、1μg/m~10,000μg/mである、水系溶媒用粉末。
【請求項11】
前記粒子は、短手方向の第1の長さに対する長手方向の第2の長さの比の平均値が2以上であるアスペクト比を有する、請求項1に記載の粉末。
【請求項12】
前記粒子は、1m/g~30m/gのBET比表面積を有する、請求項10又はのいずれか一項に記載の粉末。
【請求項13】
前記粒子はタルク及びマイカのうちの少なくとも一方である、請求項1~1のいずれか一項に記載の粉末。
【請求項14】
水系溶媒中において表面に負電荷を帯び、50m/g未満のBET比表面積を有する粉末と、前記粉末の総表面積に対して1μg/m~10,000μg/mのカチオン性ポリマーと、を水系溶媒中において混合する混合工程と、
前記混合工程において作製された混合物を前記水系溶媒から単離する工程と、を含
前記カチオン性ポリマーはポリアクリレート-1である、水系溶媒用粉末の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、粉末を含有する組成物に関する。本開示は、水系溶媒に適用可能な粉末に関する。本開示は、当該粉末の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
水系溶媒中に粉末を添加した製品は、食品、塗料、化粧料、インク、セラミックス等の幅広い分野において使用されている。このような製品においては、粉末の分散性を高める技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載の粉体含有化粧料は、無水ケイ酸と、カチオン性ポリマーと、ノニオン性界面活性剤と、水と、を少なくとも含み、カチオン性ポリマーが、カチオン化セルロース、ジメチルジアリルアンモニウムクロライドの重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体、アクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム共重合体、及びアクリル酸/塩化ジメチルジアリルアンモニウム/アクリルアミド共重合体から選ばれる1種以上であり、カチオン性ポリマーの含有量が、0.01質量%~3質量%であり、ノニオン性界面活性剤の含有量が、0.05質量%~5質量%であり、カチオン性ポリマーと、ノニオン性界面活性剤との質量比(カチオン性ポリマー/ノニオン性界面活性剤)が、0.02以上10以下であり、25℃におけるpHが、pH3以上pH7未満であり、ノンエアゾール型噴射容器に収容して用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5832118号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば、粉末を含有する液体化粧料においては、保管中に粉末は沈降してしまう。この場合に、沈降した粉末が容器の底で凝集ないし固化してしまうと、使用者は、粉末成分を使用することができなくなる。そこで、粉末が沈降したとしても、粉末の凝集が抑制されており、使用者が容器を振る等の簡易な行為によって粉末を容易に再分散させることができることが望まれる。
【0006】
他にも、例えば、粉末を含有する液体化粧料や液体洗浄料を不織布等のシートに含浸させた化粧シートや洗浄シートを作製する場合、粉末を含有する液体成分を予め調製してからシートに含浸させる。シートに液体成分を含浸させる際には、粉末は液体成分中において分散している必要がある。しかしながら、液体成分を調製したタンクにおいて粉末が凝集してしまうと、液体成分をシートに含浸させる前に凝集粉末を解砕する工程が必要になる。したがって、このような場合にも、タンク中において粉末の凝集が抑制されており、タンクの回動等によって粉末を容易に再分散させることができることが望まれている。
【0007】
特に、特許文献1に記載の粉体含有化粧料よりも再分散性がより高められた組成物が求められている。
【0008】
また、上記のような再分散性を実現可能な粉末があれば、利便性を高めることができると共に、利用態様を拡張することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の第1視点によれば、水系溶媒と、水系溶媒中に存在するカチオン性ポリマーと、水系溶媒中において表面に負電荷を帯び、50m/g未満のBET比表面積を有する粉末と、を含有する粉末含有組成物が提供される。カチオン性ポリマーはポリアクリレート-1である。粉末の組成物中の総表面積に対するカチオン性ポリマーの組成物中の質量の比が、1μg/m~10,000μg/mである。
【0010】
本開示の第2視点によれば、水系溶媒中において表面に負電荷を帯び、50m/g未満のBET比表面積を有する粒子と、粒子の表面に付着したカチオン性ポリマーと、を有する水系溶媒用粉末が提供される。カチオン性ポリマーはポリアクリレート-1である。粒子の総表面積に対するカチオン性ポリマーの質量の比が、1μg/m~10,000μg/mである。
【0011】
本開示の第3視点によれば、水系溶媒中において表面に負電荷を帯び、50m/g未満のBET比表面積を有する粉末と、粉末の総表面積に対して1μg/m~10,000μg/mのカチオン性ポリマーと、を水系溶媒中において混合する混合工程と、混合工程において作製された混合物を水系溶媒から単離する工程と、を含む、水系溶媒用粉末の製造方法が提供される。カチオン性ポリマーはポリアクリレート-1である。

【発明の効果】
【0012】
本開示の粉末含有組成物においては、粉末が沈降しても粉末の凝集及び固化が抑制されている。本開示の粉末含有組成物においては、粉末が沈降しても溶媒を流動させることによって粉末を容易に再分散させることができる。
【0013】
本開示の水系溶媒用粉末は、水系溶媒中において沈降しても凝集及び固化が抑制されている。本開示の水系溶媒用粉末は、水系溶媒中において沈降しても溶媒を流動させることによって粉末を容易に再分散させることができる。本開示の水系溶媒用粉末によれば、本開示の粉末含有組成物を容易に製造することができる。
【0014】
本開示の水系溶媒用粉末の製造方法によれば、本開示の水系溶媒用粉末を容易に製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
上記各視点の好ましい形態を以下に記載する。
【0016】
第1視点の好ましい形態によれば、カチオン性ポリマーは、前記カチオン性ポリマーの分子量に対して、下記化1に示す構造を有する第1の成分 15%~85%と、下記化2又は化3に示す構造を有する第2の成分 15%~85%と、を含有する。
【0017】
第1視点の好ましい形態によれば、カチオン性ポリマーは粉末に吸着している。
【0018】
第1視点の好ましい形態によれば、粉末は、各粒子における短手方向の第1の長さに対する長手方向の第2の長さの比の平均値が2以上であるアスペクト比を有する。
【0019】
第1視点の好ましい形態によれば、粉末は、1m/g~30m/gのBET比表面積を有する。
【0020】
第1視点の好ましい形態によれば、粉末はタルク及びマイカのうちの少なくとも一方である。
【0021】
第1視点の好ましい形態によれば、粉末の含有率は、組成物の質量に対して、0.2質量%~10質量%である。
【0022】
第1視点の好ましい形態によれば、カチオン性ポリマーの含有率は、組成物の質量に対して、0.00005質量%~0.5質量%である。
【0023】
第1視点の好ましい形態によれば、カチオン性ポリマーは、カチオン性ポリマーの分子量に対して、下記化4に示す構造を有する第3の成分0.1%~10%をさらに含有する。
【0024】
第1視点の好ましい形態によれば、カチオン性ポリマーは、カチオン性ポリマーの分子量に対して、下記化6に示す構造を有する第4の成分0.1%~15%をさらに含有する。
【0025】
第1視点の好ましい形態によれば、カチオン性ポリマーは、ビニルピロリドン・メタクリル酸N,N’-ジメチルアミノエチル・アクリル酸ステアリル・ジアクリル酸トリプロピレングリコール共重合体である。
【0026】
第1視点の好ましい形態によれば、非イオン性界面活性剤の含有率が組成物の質量に対して0.1質量%以下である。
【0027】
第1視点の好ましい形態によれば、油性成分の含有率が組成物の質量に対して5質量%以下である。
【0028】
第2視点の好ましい形態によれば、カチオン性ポリマーは、カチオン性ポリマーの分子量に対して、下記化1に示す構造を有する第1の成分15%~85%と、化2又は化3に示す構造を有する第2の成分15%~85%と、を含有する。
【0029】
第2視点の好ましい形態によれば、粒子は、短手方向の第1の長さに対する長手方向の第2の長さの比の平均値が2以上であるアスペクト比を有する。
【0030】
第2視点の好ましい形態によれば、粒子は、1m/g~30m/gのBET比表面積を有する。
【0031】
第2視点の好ましい形態によれば、粒子はタルク及びマイカのうちの少なくとも一方である。
【0032】
第2視点の好ましい形態によれば、カチオン性ポリマーは、カチオン性ポリマーの分子量に対して、下記化4に示す構造を有する第3の成分0.1%~10%をさらに含有する。
【0033】
第2視点の好ましい形態によれば、カチオン性ポリマーは、カチオン性ポリマーの分子量に対して、化6に示す構造を有する第4の成分0.1%~15%をさらに含有する。
【0034】
第2視点の好ましい形態によれば、カチオン性ポリマーは、ビニルピロリドン・メタクリル酸N,N’-ジメチルアミノエチル・アクリル酸ステアリル・ジアクリル酸トリプロピレングリコール共重合体である。
【0035】
以下の説明において、POEはポリオキシエチレン、POPはポリオキシプロピレンの略記である。POE又はPOPの後ろのカッコ内の数字は当該化合物中におけるPOE基又はPOP基の平均付加モル数を表す。
【0036】
第1実施形態に係る本開示の粉末含有組成物及びその製造方法について説明する。
【0037】
本開示の粉末含有組成物は、粉末と、カチオン性ポリマーと、水系溶媒と、を含有する。
【0038】
[粉末]
粉末は、後述の水系溶媒中において、粒子表面に負電荷(マイナス電荷)を帯びるものである。負電荷は、イオン性であってもよい。負電荷は帯電処理剤や被覆剤によって荷電させた電荷であってもよい。負電荷を帯びていることの分析・評価は、等電点の測定、pHの測定等で行うことができる。
【0039】
水系溶媒中において表面に負電荷を帯びる粉末としては、例えば、シリカ、タルク、マイカ等を挙げることができる。
【0040】
水系溶媒中においてカチオン性ポリマーが吸着可能な粉末であればいずれの粉末であってもよい。例えば、他に利用可能な粉末としては、例えば、無機粉末(例えば、カオリン、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、焼成雲母、焼成タルク、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、ガラス、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、フッ素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウム)、窒化ホウ素等);有機粉末(例えば、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四フッ化エチレン粉末、セルロース粉末、シリコーン樹脂粉末、シルクパウダー、ウールパウダー、ウレタンパウダー等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(γ-酸化鉄等)、無機黄色系顔料(黄酸化鉄、黄土等)、無機黒色系顔料(黒酸化鉄、カーボンブラック、低次酸化チタン等)、無機紫色系顔料(例えば、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、酸化チタンコーテッドマイカ、酸化チタンコーテッドオキシ塩化ビスマス、酸化チタンコーテッドタルク、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β-カロチン等)等を使用することができる。
【0041】
粉末は、複数の種類の粒子を含有してもよい。粉末は、溶媒に不溶であると好ましい。
【0042】
粉末は、多孔質であってもよいし、非多孔質であってもよい。粉末中の粒子は種々の形状を採ることができる。例えば、粒子形状は、球状、平板状、針状、塊状、定形状等とすることができる。本開示の粉末含有組成物においては、非球状(例えば、板状、塊状)かつ非多孔質粉末であると好ましい。非球状かつ非多孔質粉末としては、例えば、タルク、マイカ等を挙げることができる。
【0043】
粉末は、例えば、0.5m/g以上、1m/g以上、1.5m/g以上、又は2m/g以上のBET比表面積を有することができる。粉末は、例えば、50m/g未満、30m/g以下、20m/g以下、10m/g以下、又は5m/g以下のBET比表面積を有することができる。BET比表面積は、例えば、JISZ8830に準拠して測定することができる。
【0044】
粉末は、例えば、0.1μm以上、0.5μm以上、1μm以上、又は5μm以上の平均粒径を有することができる。粉末は、例えば、100μm以下、70μm以下、50μm、又は30μm以下の平均粒径を有することができる。粉末の平均粒径は、動的光散乱法に準拠して測定することができる。
【0045】
粉末のアスペクト比の平均値は、各粒子における短手方向の第1の長さに対する長手方向の第2の長さの比(第2の長さ/第1の長さ)の平均値は、2以上、2.5以上、3以上、5以上、10以上、20以上、又は50以上とすることができる。粉末のアスペクト比は、例えば、粉末における任意の100個の粒子の第1の長さ及び第2の長さを顕微鏡観察によって測定して算出することができる。
【0046】
粉末の含有率は、粉末含有組成物の質量に対して、0.1質量%以上、0.5質量%以上、1質量%以上、又は5質量%以上とすることができる。また、粉末の含有率は、粉末含有組成物の質量に対して、20質量%以下、15質量%以下、10質量%以下、又は5質量%以下とすることができる。
【0047】
[カチオン性ポリマー]
カチオン性ポリマーは、水、アルコール等の水系溶媒に対して溶解可能であると好ましい。カチオン性ポリマーは、酸の存在下でイオン化するものであってもよい。カチオン性ポリマーにいうカチオン性とは、溶媒に溶解したときに電離してカチオンとなるものであってもよいし、酸性条件下においてカチオン性になるものであってもよい。後者の場合であっても、カチオン性ポリマーは粉末含有組成物中においてカチオン化していなくてもよい。以下の説明において、説明の便宜上、各成分はモノマーで表記してある。
【0048】
カチオン性ポリマーは、下記化1に示される構造を有する第1の成分を有する。化1において、Rは水素原子又はメチル基を示す。R及びRは、それぞれ独立して、水素原子、メチル基、エチル基又はt-ブチル基を示す。Aは酸素原子又はNH基を示す。Bは直鎖状又は側鎖を有する炭素数1~4のアルキレン基を示す。
【0049】
【化1】
【0050】
第1の成分は、カチオン性ポリマーを適当な酸で処理したときに、該ポリマーにカチオンイオンの性質を与える役割を有する成分である。第1の成分は、例えば、アミンを含有する(メタ)アクリル酸誘導体とすることができる。第1の成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸2-(ジメチルアミノ)エチル成分、(メタ)アクリル酸3-(ジメチルアミノ)プロピル成分、N-[2-(ジメチルアミノ)エチル](メタ)アクリルアミド成分、N-[3-(ジメチルアミノ)プロピル](メタ)アクリルアミド成分等[N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート成分、N,N-ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート成分、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド成分]等を挙げることができる。第1の成分は、1種類であってもよいし、複数の種類を組み合わせてもよい。
【0051】
カチオン性ポリマーにおける第1の成分の質量割合は、カチオン性ポリマーの分子量(第1~第4の成分の総量)に対して、15%以上であると好ましく、25%以上であるとより好ましく、30%以上であるとさらに好ましい。第1の成分が15%未満であると、粉末表面にカチオン性ポリマーが付着しにくくなってしまう。カチオン性ポリマーにおける第1の成分の質量割合は、カチオン性ポリマーの分子量(第1~第4の成分の総量)に対して、85%以下であると好ましく、75%以下であるとより好ましく、65%以下であるとより好ましく、60%以下であるとより好ましく、55%以下であるとさらに好ましい。第1の成分が85%を超えると、カチオン性ポリマーと粉末から形成された複合体同士が凝集しやすくなってしまう。
【0052】
カチオン性ポリマーは、下記化2又は化3に示される構造を有する第2の成分を有する。化2及び化3において、Rは水素原子又はメチル基を示す。化2において、pは3又は4を示す。
【0053】
【化2】
【0054】
【化3】
【0055】
第2の成分における複素環としては、例えば、ラクタム(環状アミド)を挙げることができる。ラクタムは、例えば、三員環、四員環、五員環(ピロリドン)、六員環(ピペリドン)とすることができる。複素環は側鎖の末端にあると好ましい。第2の成分としては、例えば、N-ビニルピロリドン成分、N-ビニルピペリドン成分、アクリルアミド成分、メタクリルアミド成分等を挙げることができる。第2の成分は、1種類であってもよいし、複数の種類を組み合わせてもよい。
【0056】
カチオン性ポリマーにおける第2の成分の質量割合は、カチオン性ポリマーの分子量(第1~第4の成分の総量)に対して、5%以上であると好ましく、10%以上であるとより好ましく、15%以上であるとより好ましく、25%以上であるとより好ましく、30%以上であるとさらに好ましい。第2の成分が5%未満であると、カチオン性ポリマーと粉末から形成された複合体が凝集しやすくなってしまう。カチオン性ポリマーにおける第2の成分の質量割合は、カチオン性ポリマーの分子量(第1~第4の成分の総量)に対して、85%以下であると好ましく、75%以下であるとより好ましく、65%以下であるとより好ましく、60%以下であるとより好ましく、55%以下であるとさらに好ましい。第2の成分が85%を超えると、粉末表面にカチオン性ポリマーが付着しにくくなってしまう。
【0057】
第1の成分及び第2の成分を含むカチオン性ポリマーとしては、例えば、N-ビニルピロリドン・N,N-ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体を挙げることができる。
【0058】
カチオン性ポリマーは、下記化4に示される構造を有する第3の成分をさらに有する共重合体であると好ましい。化4において、Rは水素原子又はメチル基を示す。Dは酸素原子又はNH基を示す。Rは直鎖状もしくは側鎖を有する炭素数1~17のアルキレン基又は化5で表される基を示す。Rは水素原子又はメチル基を示す。化5において、nは1~4の整数を示す。qは1~25の整数を示す。
【0059】
【化4】
【0060】
【化5】
【0061】
第3の成分は、(メタ)アクリロイル基を有することができる。第3の成分は、例えば、(メタ)アクリル酸アルキル、アルキル(メタ)アクリルアミド等とすることができる。アルキル基の炭素数は、例えば、1以上、5以上、8以上又は10以上とすることができる。アルキル基の炭素数は、例えば、50以下、40以下、30以下、又は20以下とすることができる。第3成分としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル成分、(メタ)アクリル酸エチル成分、(メタ)アクリル酸n-プロピル成分、(メタ)アクリル酸イソプロピル成分、(メタ)アクリル酸n-ブチル成分、(メタ)アクリル酸イソブチル成分、(メタ)アクリル酸t-ブチル成分、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル成分、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル成分、(メタ)アクリル酸オクチル成分、(メタ)アクリル酸ラウリル成分、(メタ)アクリル酸トリデシル成分、(メタ)アクリル酸ステアリル成分、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル成分、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド成分、N-t-オクチル(メタ)アクリルアミド成分、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル成分、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル成分、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル成分等を挙げることができる。第3の成分は、1種類であってもよいし、複数の種類を組み合わせてもよい。
【0062】
カチオン性ポリマーにおける第3の成分の質量割合は、カチオン性ポリマーの分子量(第1~第4の成分の総量)に対して、0%とすることができ、0.5%以上であると好ましく、1%以上であるとより好ましく、1.2%以上であるとさらに好ましい。カチオン性ポリマーにおける第3の成分の質量割合は、カチオン性ポリマーの分子量(第1~第4の成分の総量)に対して、60%以下であると好ましく、30%以下であると好ましく、10%以下であるとより好ましく、5%以下であるとさらに好ましい。第3の成分が60%を超えると、粉末表面にカチオン性ポリマーが付着しにくくなってしまう。
【0063】
カチオン性ポリマーは、下記化6に示される構造を有する第4の成分をさらに有する共重合体であると好ましい。化6において、Rは水素原子又はメチル基を示す。Eは酸素原子又はNH基を示す。Rは直鎖状もしくは側鎖を有する炭素数1~17のアルキレン基又は化7で表される基を示す。R10は水素原子又はメチル基を示す。化7において、nは1~4の整数を示す。rは1~25の整数を示す。
【0064】
【化6】
【0065】
【化7】
【0066】
第4の成分は架橋性成分とすることができる。第4の成分としては、例えば、1分子中に2以上の炭素-炭素不飽和二重結合を有する化合物を使用することができる。例えば、第4の成分は、両端にビニル基を有するモノマーとすることができる。
【0067】
第4の成分は親水部を有することができる。親水部は、重合に寄与する2つの二重結合の間にあると好ましい。親水部は、例えば、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレ鎖等のポリオキシアルキレン鎖とすることができる。ポリオキシエチレン基及び/又はポリオキシプロピレン基の平均付加モル数は、例えば、1以上、好ましくは2以上とすることができる。また、平均付加モル数は、例えば、10以下、好ましくは5以下とすることができる。
【0068】
第4の成分としては、例えば、ジ(メタ)アクリル酸(ポリ)エチレングリコール成分、ジ(メタ)アクリル酸(ポリ)プロピレングリコール成分、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールプロパン成分、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール成分、メチレンビス(メタ)アクリルアミド成分、1,2-ビス(メタ)アクリルアミドエタン成分、1,5-ビス(メタ)アクリルアミドペンタン成分、ジビニルベンゼン成分等を挙げることができる。第4の成分は、1種類であってもよいし、複数の種類を組み合わせてもよい。
【0069】
カチオン性ポリマーにおける第4の成分の質量割合は、カチオン性ポリマーの分子量(第1~第4の成分の総量)に対して、0%とすることができ、0.1%以上であると好ましく、1%以上であるとより好ましく、3%以上であるとより好ましく、4%以上であるとさらに好ましい。カチオン性ポリマーにおける第4の成分の質量割合は、カチオン性ポリマーの分子量(第1~第4の成分の総量)に対して、20%以下であると好ましく、15%以下であるとより好ましく、10%以下であるとより好ましく、8%以下であるとさらに好ましい。第4の成分が20%を超えると、粉末表面にカチオン性ポリマーが付着しにくくなってしまう。
【0070】
カチオン性ポリマーは、第1~第4の成分以外の成分を含んでもよい。
【0071】
第1~第4の成分を含むカチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリアクリレート-1を挙げることができる。ポリアクリレート-1としては、例えば、ビニルピロリドン・メタクリル酸N,N’-ジメチルアミノエチル・アクリル酸ステアリル・ジアクリル酸トリプロピレングリコール共重合体(コスカットGA468;大阪有機化学工業製)を使用することができる。
【0072】
カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、10万以上であると好ましく、50万以上であるとより好ましく、100万以上であるとさらに好ましい。重量平均分子量が10万未満であると、粉末の凝集を抑制しにくくなってしまう。カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、500万以下であると好ましく、300万以下であるとより好ましく、200万以下であるとさらに好ましい。重量平均分子量が500万を超えると目詰まり及びべたつきが生じることがある。カチオン性ポリマーの重量平均分子量は、光散乱法によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC-MALS)を用いて測定することができる。
【0073】
カチオン性ポリマーの添加量は、粉末の総表面積1mに対して、1μg以上であると好ましく、3μg以上であるとより好ましく、5μg以上であるとより好ましく、10μg以上であるとより好ましく、15μg以上であるとさらに好ましい。カチオン性ポリマーの添加量が1μg未満であると、粉末の分散性を高めることができない。カチオン性ポリマーの添加量は、粉末の総表面積1mに対して、10,000μg以下であると好ましく、7,000μg以下であるとより好ましく、6,000μg以下であるとさらに好ましい。カチオン性ポリマーの添加量が10,000μgを超えると、粉末の凝集物が生成しやすくなり、分散性が低下してしまう。カチオン性ポリマーの添加量は、粉末の総表面積1mに対して、5,000μg以下、3,000μg以下、1,000μg以下、700μg以下、又は500μg以下とすることができる。
【0074】
カチオン性ポリマーについては、特開平6-219921号公報に記載の事項を援用することができる。
【0075】
カチオン性ポリマーは、水系溶媒中において粒子表面に付着していると考えられる。二次粒子が形成されている場合には、カチオン性ポリマーは二次粒子表面に付着していると考えられる。本開示において、用語「粒子」は、分散可能な最小単位を意味し、一次粒子及び二次粒子が含まれ得る。粒子表面に吸着したカチオン性ポリマーにより、粒子同士の直接接触が妨げられ、粉末の凝集及び固化が抑制されていると考えられる。また、粒子同士はカチオン性ポリマーを介して隣接するので、カチオン性ポリマー同士の反発作用により、粉末の再分散性が高められていると考えられる。
【0076】
[水系溶媒]
水系溶媒は、水及び/又は水と親和性の高い溶媒であると好ましい。水系溶媒としては、例えば、水、水溶性アルコール、又はこれらの混合物を挙げることができる。
【0077】
水としては、化粧料、医薬部外品等に使用される水を使用することができ、例えば、精製水、イオン交換水、水道水等を使用することができる。
【0078】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t-ブチルアルコール等が挙げられる。
【0079】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3-ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2-ブテン-1,4-ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6-ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2-メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、ヘキシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトール、デンプン分解糖還元アルコール等);グリコリド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE-テトラハイドロフルフリルアルコール;POP-ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテル;POP-グリセリンエーテルリン酸;POP・POE-ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0080】
水系溶媒の含有率は、粉末含有組成物の質量に対して、例えば、30質量%以上、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上とすることができる。水系溶媒のうち、水の含有率は、水系溶媒の質量に対して、40質量%以上、50質量%以上、60質量%以上、70質量%以上、80質量%以上、又は90質量%以上とすることができる。
【0081】
[非イオン性界面活性剤]
本開示の粉末含有組成物は、非イオン性界面活性剤を含有することができる。しかしながら、本開示の粉末含有組成物は、本開示の効果を得るための非イオン性界面活性剤を含有する必要はない。
【0082】
非イオン性界面活性剤の含有率は、粉末含有組成物の質量に対して、0.1質量%未満、0.05質量%未満、又は実質的に0質量%とすることができる。
【0083】
粉末含有組成物におけるカチオン性ポリマーの質量に対する非イオン性界面活性剤の質量の比([非イオン性界面活性剤の質量]/[カチオン性ポリマーの質量])は、1未満、0.8未満、0.5未満、又は実質的に0とすることができる。
【0084】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'-オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0085】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE-ソルビタン脂肪酸エステル(例えば、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンモノステアレート、POE-ソルビタンモノオレエート、POE-ソルビタンテトラオレエート等);POE-ソルビット脂肪酸エステル(例えば、POE-ソルビットモノラウレート、POE-ソルビットモノオレエート、POE-ソルビットペンタオレエート、POE-ソルビットモノステアレート等);POE-グリセリン脂肪酸エステル(例えば、POE-グリセリンモノステアレート、POE-グリセリンモノイソステアレート、POE-グリセリントリイソステアレート等のPOE-モノオレエート等);POE-脂肪酸エステル(例えば、POE-ジステアレート、POE-モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE-アルキルエーテル(例えば、POE-ラウリルエーテル、POE-オレイルエーテル、POE-ステアリルエーテル、POE-ベヘニルエーテル、POE-2-オクチルドデシルエーテル、POE-コレスタノールエーテル等);プルロニック型(例えば、プルロニック等);POE・POP-アルキルエーテル(例えば、POE・POP-セチルエーテル、POE・POP-2-デシルテトラデシルエーテル、POE・POP-モノブチルエーテル、POE・POP-水添ラノリン、POE・POP-グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP-エチレンジアミン縮合物(例えば、テトロニック等);POE-ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE-ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油、POE-硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE-硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE-硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE-ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE-ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE-プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE-アルキルアミン;POE-脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
【0086】
[油性成分]
本開示の粉末含有組成物において、油性成分は、粉末含有組成物の質量に対して、5質量%以下、3質量%以下、1質量%以下、又は実質的に0質量%とすることができる。油性成分の含有率を低下させることによって、組成物を肌に適用した際のべたつきを抑制することができる。
【0087】
油性成分としては、例えば、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、シリコーン油等を使用することができる。
【0088】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
【0089】
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0090】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
【0091】
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
【0092】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0093】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2-デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等を使用することができる。
【0094】
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12-ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N-アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ-2-エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2-エチルヘキサノエート、2-エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2-ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N-ラウロイル-L-グルタミン酸-2-オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ-2-ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ-2-エチルヘキシル、ミリスチン酸2-ヘキシルデシル、パルミチン酸2-ヘキシルデシル、アジピン酸2-ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2-エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0095】
シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ステアロキシメチルポリシロキサン、ポリエーテル変性オルガノポリシロキサン、フルオロアルキル・ポリオキシアルキレン共変性オルガノポリシロキサン、アルキル変性オルガノポリシロキサン、未末端変性オルガノポリシロキサン、フッ素変性オルガノポリシロキサン、アミノ変性オルガノポリシロキサン、シリコーンゲル、アクリルシリコーン、トリメチルシロキシケイ酸、シリコーンRTVゴム等のシリコーン化合物等が挙げられる。
【0096】
[その他の成分]
本開示の組成物は、本開示の効果を阻害しない範囲において、他の成分、例えば、単糖、オリゴ糖、多糖及びこれらの誘導体;エステル、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、香料、水等を必要に応じて適宜含有することができる。
【0097】
以下に、配合可能な他の成分の例を列挙する。下記成分は、少なくとも1つを本開示の組成物に添加することができる。
【0098】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D-グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等)、四炭糖(例えば、D-エリトロ-ス、D-エリトルロ-ス、Dートレオ-ス、エリスリトール等)、五炭糖(例えば、L-アラビノ-ス、D-キシロ-ス、L-リキソ-ス、D-アラビノ-ス、D-リボ-ス、D-リブロ-ス、D-キシルロ-ス、L-キシルロ-ス等)、六炭糖(例えば、D-グルコ-ス、D-タロ-ス、D-プシコ-ス、D-ガラクト-ス、D-フルクト-ス、L-ガラクト-ス、L-マンノ-ス、D-タガト-ス等)、七炭糖(例えば、アルドヘプト-ス、ヘプト-ス等)、八炭糖(例えば、オクツロ-ス等)、デオキシ糖(例えば、2-デオキシ-D-リボ-ス、6-デオキシ-L-ガラクト-ス、6-デオキシ-L-マンノ-ス等)、アミノ糖(例えば、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等)、ウロン酸(例えば、D-グルクロン酸、D-マンヌロン酸、L-グルロン酸、D-ガラクツロン酸、L-イズロン酸等)等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0099】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0100】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0101】
その他のポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンメチルグルコシド(グルカムE-10)、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(グルカムP-10)等から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
【0102】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE-ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE-ラウリル硫酸ナトリウム等);N-アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N-ミリストイル-N-メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE-オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE-ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ-2-エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N-アシルグルタミン酸塩(例えば、N-ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N-ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N-ミリストイル-L-グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE-アルキルエーテルカルボン酸;POE-アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α-オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N-パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0103】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’-ジメチル-3,5-メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE-アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0104】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2-ウンデシル-N,N,N-(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)-2-イミダゾリンナトリウム、2-ココイル-2-イミダゾリニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2-ヘプタデシル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0105】
保湿剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル-12-ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl-ピロリドンカルボン酸塩、アルキレンオキシド誘導体、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等が挙げられる。
【0106】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等)等が挙げられる。
【0107】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。
【0108】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー等);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,0000のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等);ポリエチレンイミン;カチオンポリマー等が挙げられる。
【0109】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0110】
皮膜剤としては、例えば、アニオン性皮膜剤(例えば、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸エステル共重合体、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸高重合体等)、カチオン性皮膜剤(例えば、カチオン化セルロース、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合体、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド/アクリルアミド共重合体等)、ノニオン性皮膜剤(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリルアミド、高分子シリコーン、シリコーンレジン、トリメチルシロキシケイ酸等)が挙げられる。
【0111】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N-ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N-ジエトキシPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル、N,N-ジメチルPABAブチルエステル、N,N-ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p-イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル-4-イソプロピルシンナメート、メチル-2,5-ジイソプロピルシンナメート、エチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、メチル-2,4-ジイソプロピルシンナメート、プロピル-p-メトキシシンナメート、イソプロピル-p-メトキシシンナメート、イソアミル-p-メトキシシンナメート、オクチル-p-メトキシシンナメート(2-エチルヘキシル-p-メトキシシンナメート)、2-エトキシエチル-p-メトキシシンナメート、シクロヘキシル-p-メトキシシンナメート、エチル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、2-エチルヘキシル-α-シアノ-β-フェニルシンナメート、グリセリルモノ-2-エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2,2’-ジヒドロキシ-4,4’-ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシ-4’-メチルベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルホン酸塩、4-フェニルベンゾフェノン、2-エチルヘキシル-4’-フェニル-ベンゾフェノン-2-カルボキシレート、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン、4-ヒドロキシ-3-カルボキシベンゾフェノン等);3-(4’-メチルベンジリデン)-d,l-カンファー、3-ベンジリデン-d,l-カンファー;2-フェニル-5-メチルベンゾキサゾール;2,2’-ヒドロキシ-5-メチルフェニルベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-t-オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4-メトキシ-4’-t-ブチルジベンゾイルメタン;5-(3,3-ジメチル-2-ノルボルニリデン)-3-ペンタン-2-オン、ジモルホリノピリダジノ;2-エチルヘキシル-2-シアノ-3,3-ジフェニルアクリレート;2,4-ビス-{[4-(2-エチルヘキシルオキシ)-2-ヒドロキシ]-フェニル}-6-(4-メトキシフェニル)-(1,3,5)-トリアジン等が挙げられる。
【0112】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸、1-ヒドロキシエタン-1,1-ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸3ナトリウム等が挙げられる。
【0113】
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ-アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
【0114】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1-プロパノール等が挙げられる。
【0115】
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0116】
pH調整剤としては、例えば、乳酸-乳酸ナトリウム、クエン酸-クエン酸ナトリウム、コハク酸-コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
【0117】
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、E及びその誘導体、パントテン酸及びその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
【0118】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
【0119】
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0120】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン、クロルフェネシン、フェノキシエタノール等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β-ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α-ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ-オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0121】
さらに、本開示の組成物は、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸及びその誘導体、甘草、カリン、イチヤクソウ等の各種生薬抽出物、酢酸トコフェロール、グリチルレジン酸、グリチルリチン酸及びその誘導体又はその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、アルギニン、リジン等のアミノ酸及びその誘導体、も適宜含有することができる。
【0122】
[pH]
本開示の粉末含有組成物のpHは特に限定されない。
【0123】
本開示の粉末含有組成物においては、粉末が沈降したとしても、沈降した粉末の凝集及び固化が抑制されている。これにより、溶媒を流動させることによって容易に粉末を再分散させることができる。
【0124】
第1実施形態に係る粉末含有組成物は、各成分を混合することによって製造することができる。例えば、カチオン性ポリマーを水系溶媒に溶解させたカチオン性ポリマー溶液に粉末を添加して混合することによって粉末含有組成物を製造することができる。カチオン性ポリマー及び粉末の添加順序は逆であってもよいし、同時添加であってもよい。
【0125】
第2実施形態に係る本開示の水系溶媒用粉末及びその製造方法について説明する。
【0126】
水系溶媒用粉末は、粉末と、カチオン性ポリマーと、を含有する。カチオン性ポリマーは、粉末(粒子)表面に吸着していると考えられる。カチオン性ポリマーは、粒子(二次粒子含む)間に存在していると考えられる。
【0127】
粉末は、上述の第1実施形態における粉末と同様とすることができる。
【0128】
カチオン性ポリマーは、上述の第1実施形態におけるカチオン性ポリマーと同様とすることができる。第1実施形態に示したカチオン性ポリマー以外のカチオン性ポリマーとしては、例えば、ポリクオタニウム-7、ポリクオタニウム-10等を挙げることができる。
【0129】
粉末とカチオン性ポリマーとの配合比は、上述の第1実施形態における粉末と同様とすることができる。
【0130】
第2実施形態に係る水系溶媒用粉末によれば、水系溶媒に添加する粉末として使用することができる。適用可能な水系溶媒は、上述の第1実施形態における水系溶媒と同様とすることができる。
【0131】
水系溶媒用粉末は、水系溶媒に添加することによって、第1実施形態に係る粉末含有組成物と同様の効果を得ることができる。粉末形態とすることによって、利用態様の範囲を広げ、利便性を高めることができる。また、第1実施形態と比べ、溶媒がない状態で輸送することができ、輸送コストを低下させることができる。
【0132】
水系溶媒用粉末の製造方法は、カチオン性ポリマーと粉末とを溶媒中で混合して混合物を作製する混合工程と、混合物を溶媒から単離する単離工程と、を含むことができる。混合工程においては、カチオン性ポリマーは溶媒に溶解させた状態で粉末と混合することができる。混合工程におけるカチオン性ポリマーと粉末との配合比は、第1実施形態に係る粉末含有組成物におけるカチオン性ポリマーと粉末の配合比と同様とすることができる。混合工程において、カチオン性ポリマー及び粉末を添加する順序はいずれであってもよい。混合工程においては、負電荷を帯びた粒子表面に、カチオン性ポリマーが吸着すると考えられる。単離工程において、混合物は、デカンテーション、ろ過、溶媒の蒸発除去等によって溶媒から単離することができる。混合物において、カチオン性ポリマーは、粒子表面に吸着していると考えられる。
【0133】
カチオン性ポリマーを粉末の粒子表面に吸着させることができるのであれば、カチオン性ポリマーと粉末の混合は液相のみならず、固相で行ってもよい。固相で混合を行った場合には、単離工程は不要となる。
【実施例
【0134】
本開示の粉末含有組成物、水系溶媒用粉末、及びこれらの製造方法について、以下に例を挙げて説明する。しかしながら、本開示の組成物は以下の例に限定されるものではない。各表に示す成分の含有率は、特に明記がない限り質量%である。
【0135】
[試験例1~12]
水中において、粉末及びカチオン性ポリマーの混合物を作製し、混合物の分散性について評価した。表1~表3に、各組成物の組成及び結果を示す。粉末としては、平均粒径12.1μm、BET比表面積4.27m/g、板状ないし塊状形状、アスペクト比の平均値5を有する非多孔質タルク粉末及び平均粒径4.9μm、BET比表面積3m/g、板状形状、アスペクト比の平均値60を有する非多孔質マイカ粉末を用いた。カチオン性ポリマーとしては、ポリアクリレート-1(ビニルピロリドン・メタクリル酸N,N’-ジメチルアミノエチル・アクリル酸ステアリル・ジアクリル酸トリプロピレングリコール共重合体)を用いた。表1~3に示す「(B)質量/(A)表面積」とは、カチオン性ポリマーの添加質量を粉末の総表面積(比表面積×添加質量)で除した値である。
【0136】
サンプル管にいれた各組成物を3日間室温において静置したところ、粉末は沈降した。そこで、TAKASHOW製振動機 MINI SHAKER MODEL M-6のテーブル上に、サンプル管を取り付けて、SPEED8でサンプル管を振盪させて、沈降した粉末の再分散性を下記基準で評価した。
A:沈降物が振盪10秒で完全に分散した。
B:沈降物が振盪20秒で完全に分散した。
C:沈降物が振盪30秒で完全に分散した。
D:沈降物が振盪40秒で完全に分散した。
E:沈降物が振盪40秒以下で完全に分散しなかった。
【0137】
粉末の総表面積に対してカチオン性ポリマーの添加量を多くしていくと分散性の改善が認められた。これより、粉末の総表面積に対するカチオン性ポリマーの添加量は、1μg/m以上であると好ましく、3μg/m以上であるとより好ましく、5μg/m以上であるとより好ましく、10μg/m以上であるとより好ましく、15μg/m以上であるとさらに好ましいと考えられる。一方、粉末の総表面積に対してカチオン性ポリマーの添加量をさらに多くしていくと、粉末の凝集物の生成による再分散性の低下が認められた。これより、粉末の総表面積に対するカチオン性ポリマーの添加量は、10,000μg/m以下であると好ましく、7,000μg/m以下であるとより好ましく、6,000μg/m以下であると考えられる。
【0138】
タルク及びマイカにおいて同様の分散傾向が観察されたので、上述の粉末表面積に対するカチオン性ポリマーの質量比は、タルク及び/又はマイカと同様ないし類似のBET比表面積及び/又は粒子形状を有する粉末に適用可能と考えられる。
【0139】
試験例2~4、7~10及び12によれば、少なくとも、10質量%以下の粉末であれば再分散性を高めることができると考えられる。また、試験例2~4、7~10及び12においては、非イオン性界面活性剤を添加しなくとも再分散性を高めることができた。
【0140】
【表1】
【0141】
【表2】
【0142】
【表3】
【0143】
[試験例13~14]
カチオン性ポリマーの種類を代えて試験例1~12に係る組成物とは同様の試験を行った。表4に、各組成物の組成及び結果を示す。比較対照として試験例4に係る組成物も表4に示す。
【0144】
ポリクオタニウム-7及びポリクオタニウム-10を用いた試験例13及び14は、同量のカチオン性ポリマーを添加した試験例4よりも再分散性が低かった。これより、カチオン性ポリマーとしては、ポリアクリレート-1の成分を有するポリマーが好ましいと考えられる。
【0145】
【表4】
【0146】
[試験例15及び16]
試験例4において作製した組成物において沈降した固形分(粉末状)と液体とを分離した。分離した液体を乾燥させて液体中に残存したカチオン性ポリマー量を測定したところ、カチオン性ポリマーの残存は0gであり、カチオン性ポリマーはすべて固形分に含まれていることが明らかになった。これより、カチオン性ポリマーは、単離した粉末固形分(本開示にいう水系溶媒用粉末)に含まれているものと考えられる。
【0147】
そこで、単離した粉末固形分に水を添加して粉末含有組成物を再度作製し、粉末固形分が再分散可能か確認した。表5に、作製した粉末含有組成物の組成を示す(単位はグラム)。試験例15においては試験例4よりも水量を少なくした。試験例16においては試験例4よりも水量を多くした。試験例4と同様にして、組成物を3日間室温において静置して、固形分を沈降させた後に振盪させて再分散性を確認した。試験方法及び評価基準は上記試験例と同じである。
【0148】
試験例15及び16のいずれにおいても試験例4と同様の再分散性が確認できた。これより、粉末含有組成物においては、カチオン性ポリマーは粉末の各粒子の表面に吸着しているものと考えられる。また、本開示にいう水系溶媒用粉末は、水系溶媒中において凝集及び固化が抑制され、再分散が容易な粉末であることが確認された。
【0149】
また、溶媒量が異なる試験例4、試験例15及び試験例16では再分散性に差異は認められなかった。これより、本開示の粉末含有組成物においては粉末の分散性は、水系溶媒の量に依存しておらず、カチオン性ポリマーと粉末の配合比に依存しているものと考えられる。
【0150】
【表5】
【0151】
本開示の粉末含有組成物の処方例を以下に挙げる。本開示の粉末含有組成物の適用例は、以下の処方例によって限定されるものではない。
【0152】
処方例1 粉末含有化粧水(表6)
【0153】
【表6】
【0154】
処方例2 ボディシート用皮膚外用剤(表7)
【0155】
【表7】
【0156】
処方例3 アフターメイクアップローション(表8)
【0157】
【表8】
【0158】
処方例4 粉末含有ヘア製品(表9)
【0159】
【表9】
【産業上の利用可能性】
【0160】
本開示の粉末含有組成物、水系溶媒用粉末、及びこれらの製造方法は、上記実施形態及び実施例に基づいて説明されているが、上記実施形態及び実施例に限定されることなく、本発明の範囲内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、各開示要素(請求の範囲、明細書及び図面に記載の要素を含む)に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができる。また、本発明の請求の範囲の範囲内において、各開示要素の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。
【0161】
本発明のさらなる課題、目的及び形態(変更形態含む)は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。
【0162】
本書に記載した数値範囲については、別段の記載のない場合であっても、当該範囲内に含まれる任意の数値ないし範囲が本書に具体的に記載されているものと解釈されるべきである。
【0163】
本開示の粉末含有組成物、水系溶媒用粉末、及びこれらの製造方法は、粉末を水系溶媒中に使用する製品全般に適用することができる。例えば、本開示の粉末含有組成物、水系溶媒用粉末、及びこれらの製造方法は、化粧品、洗浄剤、塗料、インク、食品等に適用することができる。