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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】混合ベースの複合製品加工機械
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/40 20060101AFI20220916BHJP
   A47J 43/046 20060101ALI20220916BHJP
   A47J 43/07 20060101ALI20220916BHJP
【FI】
A47J31/40
A47J43/046
A47J43/07
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020503368
(86)(22)【出願日】2018-03-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-09-10
(86)【国際出願番号】 ES2018070235
(87)【国際公開番号】W WO2018178456
(87)【国際公開日】2018-10-04
【審査請求日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】P201730438
(32)【優先日】2017-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】ES
(73)【特許権者】
【識別番号】519350410
【氏名又は名称】アイティー フード
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】マルティネス ナバロ,ガブリエル
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-503495(JP,A)
【文献】特開2002-183829(JP,A)
【文献】特表2014-526353(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
A47J 42/00-44/02
B65D 23/04
B65D 51/32
B67D 1/00-3/04
G07F 13/00-15/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2つ以上の原料をベースにする複合製品を、少なくとも混合および分配によって加工する混合ベースの複合製品加工機械であって、
原料を注入するための少なくとも1つの上部ディスペンサと、下部基部(8)と、を有し、
前記基部(8)上に配置される、カバー(6)および/または容器(5)を有する混合エレメントを収容するための、前記上部ディスペンサと前記下部基部(8)との間に定められた混合空間を有し、
前記混合ベースの複合製品加工機械は、2つの回転ヘッドであって、それぞれが当該ヘッドと前記混合空間との間に配置された連結エレメント(9、11)を備え、連結エレメント(9、11)は、前記回転ヘッドに固定するための固定構造(10)と、前記混合空間内に配置された前記混合エレメントのための連結構造(92、112)とを有し、第1の回転ヘッドが前記混合空間の下部に配置され、且つ第2の回転ヘッドが前記混合空間の上部に配置されるか、またはその逆である、2つの回転ヘッドと、
原料としての粉末製品を投与するための、前記上部ディスペンサに配置された少なくとも1つの投与エレメントと、
原料としての液体製品を投与するための、前記上部ディスペンサに配置された少なくとも1つの投与エレメントと、
前記混合エレメントのカバー(6)を分配するための分配モジュールと、を有していることを特徴とする、混合ベースの複合製品加工機械。
【請求項2】
前記回転ヘッドは、前記連結エレメントの前記固定構造(10)と相補的な固定構造を有していることを特徴とする、請求項1に記載の機械。
【請求項3】
前記混合エレメント(5、6)のための前記連結構造(92、112)は、前記混合エレメント(5、6)の相補的な凹部(51、61)に挿入されるように意図された少なくとも1つの突起または突出(92、112)を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の機械。
【請求項4】
前記回転ヘッドは、独立した回転方向および独立した回転速度を有する独立したヘッドであることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の機械。
【請求項5】
前記混合エレメントの容器(5)を分配するための分配モジュールを備えていることを特徴とする、請求項1~のいずれか1項に記載の機械。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔発明の目的〕
本発明は、「混合ベースの複合製品加工機械、混合エレメント、および混合アセンブリ」と題され、容器を有する混合エレメントに製品を分配する製品分配機械に関する。当該製品は、同じまたは異なる温度の、粉末と液体原料の混合物または2つ以上の液体原料の混合物からなり、当該機械は、混合エレメントに製品を分配し、混合エレメントは、少なくとも混合容器を含み、好ましくは漏れ止めカバーを含み、前記混合エレメントの内部では、その特定の構成の結果として、前記容器が連結されている機械の少なくとも1つの回転ヘッド上で、液体部分および粉状部分を協調的に回転させることによってそれらを混合させる。いずれにせよ、当該機械は、混合容器自身の中で、粉末食品または液体を、水または他の液体、あるいは種々の液体の混合物と混合することによって、食用製品を加工するために好適に使用される。機械の内部、特に液体の導管を洗浄する必要がなくなるため、他の液体製品よりも水を使用することが好ましい。
【0002】
本発明の適用分野は、好ましくは、消費時に再構成または混合される食品を分配するための機械の製造に特化する産業分野に属し、同時に、上述のタイプの機械用の容器の製造に特化する産業分野もカバーする。あるいは、当該機械は、例えば、化粧品分野、装飾(塗料)分野、または歯科分野などの食品分野以外の分野に使用することができ、本発明の機械対象物は、例えば、これらの分野において、他の化合物を混合するために使用することができる。
【0003】
〔背景技術〕
飲料、例えば、コーヒーを分配するための市販の機械が知られている。この機械は、消費者用の容器として使い捨てカップを分配し、その中に、粉末の混合物、水、ミルクまたは別の液体を、異なる温度で注入する。この混合物は、一般に、カップ内に注入される前に機械の内部で合成される。したがって、機械は、当該混合物を作製するのに必要な機構を有していなければならない。
【0004】
本発明の目的は、混合段階が、機械内で行われるのではなく、飲料が注入されて分配される実際のカップ内で行われるように、機械の構成を単純化し、それによって、コストを低減し、分配機械の製造を単純化することである。
【0005】
また、混合容器内で製品の構成原料を混合する工程を改善するための手段を含み、原料を混合容器内に注入または分配し、その後、容器が除去され、ユーザによって製品が消費されることに限定されている機械は、従来技術では知られていない。
【0006】
従って、本発明の目的は、混合容器および/または混合容器のカバーの動きによって混合容器自体の中での原料の混合を容易にする手段を有する、機械に関する。上述の両方の構成部分、すなわち容器およびカバーは、本明細書の目的のための混合エレメントを形成する。上述したように、本発明は、好適に食品分野に使用されるが、これに限定されず、製品の混合が必要とされる他の分野に拡張されてもよい。
【0007】
前述のことを達成するために、混合エレメントは、従来技術では知られていない特定の特徴を有していなければならない。
【0008】
〔発明の概要〕
従って、前記課題を解決するための本発明の第1の目的は、請求項1に記載の混合ベースの複合製品加工機械に関する。
【0009】
具体的には、機械は、少なくとも一方が液体であり、他方が粉末である2つ以上の原料をベースにする複合製品を、少なくとも混合および分配によって加工する。この機械は、原料を注入するための少なくとも1つの上部ディスペンサと、混合エレメントを支持するための下部基部とを有する。ディスペンサおよび基部の間に、基部上に配置される混合エレメントを収容するための混合空間が定められている。混合エレメントは、少なくとも1つの回転ヘッドと、回転ヘッドと混合空間との間に配置されている連結エレメントとを備え、連結エレメントは、回転ヘッドに固定するための固定構造と、混合空間内に配置される混合エレメントを連結するための連結構造とを有する。
【0010】
固定構造および連結構造は、いずれも異なる構成およびエレメントを有することができる。ヘッドに固定するための固定構造の場合には、使用される手段は、当該構造がヘッドから緩んだり取り外されたりしないようにする。混合エレメントに連結するための連結構造の場合には、当該連結構造または手段は、回転ヘッドが回転する間に、混合エレメントが混合エレメントから緩んだり切り離されたりしないことを保証する。
【0011】
前記回転ヘッドは、混合空間の下部および/または混合空間の上部に配置することができる。2つの回転ヘッドを有する場合(混合空間の下部に第1の回転ヘッドを、混合空間の上部に第2の回転ヘッドを有する場合、またはその逆の場合)、回転ヘッドのそれぞれは、ヘッドと混合空間との間に配置された連結エレメントを備え、したがって、各連結エレメントは、回転ヘッドのための固定構造、および、混合エレメントのための連結構造を有することになる。
【0012】
回転ヘッドと連結エレメントとの間の固定を可能にするために、それらは共に相補的な固定構造を有し、それにより、お互いの位置決めや両方のエレメントの接合動作を保証する。
【0013】
同様に、混合エレメントのための連結構造は、混合エレメント内に配置された相補的な凹部内に挿入される少なくとも1つの突起または突出を備え、その結果、回転ヘッドが回転するときに、混合エレメントが連結構造から外れるおそれがなく、両者の連結が保証される。
【0014】
上述の回転ヘッドは独立した回転ヘッドであり、そのため、これらの回転ヘッドを動かす機構、好ましくは電気モータは、回転ヘッドを独立に作動させることができる。それゆえ、回転ヘッドを異なる速度で異なる方向に回転させたり、または同じ速度で異なる方向に回転させたり、または同じ速度で同じ方向に回転させたりするように、回転ヘッドを独立に作動させることができる。
【0015】
混合エレメントは混合容器およびカバーによって形成され、容器はその下部基部を介して基部または下部回転ヘッドに連結され、カバーはその上部基部を介して上部回転ヘッドに連結される。上述したように、回転ヘッドが機械の一方の端部に存在しない場合、または、回転ヘッドが存在するが、当該回転ヘッドはモータを有していない場合、すなわち、回転ヘッドが反対側の回転ヘッドによって自由に動かされて回転する場合がある。回転ヘッドの1つが、回転モータを有しているにもかかわらず、モータを作動させることなく、自由に回転する場合すらあり得る。
【0016】
機械は、混合エレメントの構成部分、すなわち、カバーおよび容器を、独立したディスペンサから混合空間に分配するモジュールをさらに有する。その順序は以下の通りである。
・容器は、容器を分配するための分配モジュールから混合領域に分配される。
・機械が1つの基部または下部回転ヘッドを有する場合、容器が、当該基部または下部回転ヘッドに連結される。
・原料、すなわち、少なくとも1つの粉末製品および液体製品が、機械の投与エレメントから容器に分配される。
・カバーが、カバーを分配するための分配モジュールから混合領域に分配される。カバーは、容器上に漏れが生じないように直接に連結され、容器を閉じることができる。上部回転ヘッドがある場合、その後、当該上部回転ヘッドはカバーに連結されるか、または、カバーは上部回転ヘッドに直接取り付けられ、当該上部回転ヘッドが下方に移動して、漏れが生じないようにカバーを容器に連結する。
・少なくとも1つの上部回転ヘッドおよび/または下部回転ヘッドが回転し始め、混合エレメント内部の原料の混合を確実にする。
【0017】
本発明の第2の目的は、構成部分として容器およびカバーを有する、機械のための混合エレメントであって、2つの構成部分のうちの少なくとも1つが、少なくとも1つの中空の延長部を有する少なくとも1つの基部を有し、当該少なくとも1つの中空の延長部が、前記混合エレメントの前記少なくとも1つの基部に対して垂直である、混合エレメントに関する。
【0018】
容器は、基部と、少なくとも1つの側壁と、上部開口とによって内部空間を定めるタイプであって、基部は、凹部、突出部または中空の延長部を少なくとも1つ有する。凹部、突出部または中空の延長部は、容器の内部空間に入り込み、容器の体積を減少させる。当該中空の延長部は、容器を積み重ねることができるように、円錐形、角錐形、円錐台形、または角錐台形を有する。1つ以上の、好ましくは2つの、延長部の機能は、原料が回転して混合されるときに、容器の内側で、混合される粉末および液体混合物の回転に干渉するかまたは回転を変更し、その慣性に干渉することである。中空の延長部は、異なる形状および長さを有していてもよいが、別の容器を積み重ねられるように、延長部の反対側の端部よりも大きい面積を有する下部基部を常に有している。
【0019】
さらに、少なくとも1つの側壁は少なくとも1つの側部の凹部を備え、この側部の凹部は垂直延長部と同様に、容器の内部空間に入り込み、容器の体積を減少させ、さらに、容器の形状の結果として容器の積み重ねを可能にする。
【0020】
カバーは、少なくとも1つの側壁によって取り囲まれた実質的に平坦な基部を有する本体を有し、当該基部は、中空の垂直延長部を有する。カバーは、容器との漏れ止め連結のための漏れ止め手段を有する少なくとも1つの側壁をさらに有する。カバーは、1つ以上の、好ましくは2つの、中空の延長部をさらに含んでいてもよい。容器の中空の延長部の場合と同様に、延長部の機能は、原料が回転して混合されるときに、容器の内側で、混合される粉末および液体混合物の回転に干渉するかまたは回転を変更し、その慣性に干渉することである。中空の延長部は、異なる形状および長さを有していてもよいが、別の容器を積み重ねられるように、延長部の反対側の端部よりも大きい面積を有する下部基部を常に有している。
【0021】
好ましくは、中空の延長部は、容器の高さの少なくとも4分の1の長さを有する。これが、製品を混合するための回転に干渉し、製品の混合に寄与するための最小の好ましい長さだからである。中空の延長部の最大高さは、好ましくは容器の高さの4分の3である。
【0022】
さらに、混合エレメントのカバーおよび容器の両方が中空の延長部を含む場合、容器の少なくとも1つの突出の長さとカバーの少なくとも1つの突出の長さとの合計は、容器の高さ未満である。
【0023】
中空の延長部の別の機能は、混合エレメントと回転ヘッドとの間に配置された連結エレメントが連結構造を延長部内に挿入することを可能にし、それにより、両者が連結し、両者が一緒に回転するようにすることである。
【0024】
本発明の第3の目的は、食用混合ベースの複合製品加工機械のための混合アセンブリであって、少なくとも1つの中空の延長部を有する少なくとも1つの基部を有する混合エレメントであって、当該少なくとも1つの中空の延長部は、前記混合エレメントの前記少なくとも1つの基部に対して垂直である混合エレメントと、前記エレメントの前記少なくとも1つの延長部と相補的な連結構造と、製品加工機械の回転ヘッドに固定するための固定構造と、を有する連結エレメントと、を有する、食用混合ベースの複合製品加工機械のための混合アセンブリに関する。
【0025】
機械は、混合されるべき原料に応じて、異なる混合プログラムを記憶し、実行することを可能にし、それにより、機械の異なるエレメント、主に回転ヘッドのモータ、カバーおよび容器を分配するためのディスペンサ、原料を分配するためのディスペンサ、ならびに、原料が混合されたあとで消費される製品に応じて必要とされるクーラーおよびヒーターなどの他のエレメントに命令を送信する、プロセッサまたはCPU(Central Processing Unit)を備えてもよい。
【0026】
好ましい動作モードでは、本発明の加工機械は、食用製品を得るために、スタートボタンを押した後に、以下のステップを実行する:
1)機械は、カップ混合エレメントの容器を、基部上に配置し、基部の突起またはヘッドの突起を混合容器の凹部に挿入させる。当該基部は、好ましくは下部回転ヘッドを構成する。
2)混合容器は、所定の体積の少なくとも1つの液体、次いで別の所定の体積の少なくとも1つの粉末原料を受け取る。任意で、液体および粉末は同時に容器内に分配されてもよく、または、液体が最初に分配され、次に粉末、次に液体が分配されて、粉末が混合カップの中心にくるようにしてもよい。
3)機械は、上部回転ヘッドの突起がカバーの凹部に連結された状態で、カバーを混合容器上に配置し、カップに圧力を加え、カバーと混合容器との間を漏れが生じないように連結する。
4)カップが覆われると、上部回転ヘッドおよび下部回転ヘッドは、好ましくは以下の方法で回転し始め、最大乱流状態を達成する:
a)同じ速度で、両方のヘッドを同じ方向にして、全体として方向を交互に変える方法、または、
b)一方のヘッドを他方のヘッドと反対の方向にして、方向を交互に変える方法、または、
c)下部ヘッドのみを回転させ、混合容器を回転させ、一方で上部ヘッドおよびカバーを静止させたままにし、方向を交互に変える方法。
5)プロセッサに記憶された所定の時間が経過すると、機械は、既に混合された製品を取り出すようにユーザに通知する。
【0027】
上述のように、本発明は、食品分野、化粧品分野、装飾分野、または歯科分野のような異なる分野で、異なる成分または原料を加工し混合するために使用することができる。
【0028】
〔図面の簡単な説明〕
本発明の説明を完全にするために、また本発明の理解を容易にするために、例示的で非限定的な図面のセットが、本明細書の不可欠な部分として含まれる。
【0029】
図1は、本発明の対象であるインスタント飲料分配機械の一例の概略の断面図であり、当該インスタント飲料分配機械が有する主要部品およびエレメントを示す。
【0030】
図2は、本発明の機械で使用される、容器およびカバーを有する混合エレメントの断面図であり、容器を閉じるためにカバーを組み込んでいる様子を示し、かつ、混合エレメントの内部構成を示す。
【0031】
図3は、本発明の機械で使用される、容器およびカバーを有する混合エレメントの断面図であり、容器を閉じるためにカバーを組み込んでいる様子を示し、かつ、混合エレメントの内部構成を示す。
【0032】
図4は、図2および図3に示された容器の斜視図であり、カバーが組み込まれており、また、破線によってその内部エレメントが示されている。
【0033】
図5図6および図7は、容器およびカバーと、機械が固定および回転のために有する複数の結合エレメントと、を当該複数のエレメントを混合エレメントの容器およびカバーに結合することを連続的な段階において示す断面図である。
【0034】
〔発明を実施するための形態〕
前述の図面は、混合ベースの複合製品加工機械またはインスタント飲料分配機械の実施形態、ならびに、混合が行われる機械内の混合エレメントを示し、混合エレメントは、容器およびカバーによって形成されることができる。
【0035】
図1は、本発明にかかる機械1の図を示す。機械1は、飲料を調製するために使用される水または液体を冷却または加熱し、飲料の温度を調整する冷却/加熱モジュール2と、飲料を調製するために液体に添加される粉末をカプセルまたはバルクで保持するためのハウジングを有する少なくとも1つの製品保持および投与モジュール3と、粉末を投与するための少なくとも1つの投与デバイスと、体積を調整するための調整器と、液体、好ましくは水を投与するための投与エレメントと、混合エレメントの中に製品を正確に計量するために必要とされる他の追加デバイスとを備えてもよい。さらに、機械は、分配モジュールへ移動される混合エレメントへの液体の流出を調節するソレノイド弁を含む分配モジュール4を含む。好ましくは、機械は、容器5を分配するためのディスペンサと、カバー6を分配するためのディスペンサとをさらに含む。両方のエレメント、すなわち容器5およびカバー6は、混合エレメントを形成する。混合エレメントは、カバー6無しで、混合容器5だけで構成しうる場合もある。前記1つまたは複数のディスペンサは、容器5および/または当該容器のカバー6を移動させるための異なる機構を有する混合空間7内に、混合容器5およびカバー6を配置する。好ましい実施形態では、分配モジュール4は、容器5を分配するための分配モジュールと、カバー6を分配するための分配モジュールとを有する。
【0036】
この目的のために、容器5は、機械の容器5を分配するための分配モジュールから混合空間7内に配置され、混合される製品を容器内に注入、投与した後、カバー6が、容器5上に配置され、漏れないように容器に封をする。
【0037】
容器5またはカバー6、あるいはその両方は、ヘッドと容器5および/またはカバー6との間に配置された連結エレメント9、11を介して回転ヘッド上に配置され、当該連結エレメント9、11は回転ヘッドに固定するための固定構造10と、容器5またはカバー6に適切に連結するための連結構造92、112とを有する。機械は、ヘッドを含んでもよい。すなわち、当該ヘッドは、混合空間7の上部に配置されている場合には、混合エレメントのカバー6を回転させるための上部ヘッドであってよく、混合空間7の下部に配置されている場合には、混合エレメントの容器5を回転させるための下部ヘッドであってよい。また、一方は上部にあり、他方は下部にある、2つの回転ヘッドがあってもよい。
【0038】
容器5および/またはカバー6が1つ以上のヘッドに配置されると、それらは回転し、混合エレメント内の製品の混合を容易にする。機械が2つのヘッドを有する場合、モータによって制御されるそれぞれのヘッドは、以下のように回転することができる:
・2つのヘッドが一緒に同時に回転、または、1つのヘッドのみが独立して回転。
・同じまたは異なる方向に回転し、その結果、両方のヘッドが同じ方向または反対方向に回転し、容器5およびカバー6が同じまたは異なる方向に回転。
・同じまたは異なる速度で回転。
【0039】
これにより、混合条件を、混合される原料の異なる特性に適合させることができ、それにより原料の理想的な混合を達成することができる。機械は、少なくとも、カップ5を、またはカバー6を、またはカップ5およびカバー6を一緒に回転させ、その結果、その中に保持された粉末製品および液体が混合され、また、任意で、カップ5およびカバー6を反対方向または同じ方向に独立して回転させ、および/または、反対方向または同じ方向への独立した回転を交互に行う。
【0040】
この目的のために、混合空間7の下部に位置するとともに混合容器5が配置される機械の基部8も構成することができる下部回転ヘッドは、下部連結エレメント9を有する。下部連結エレメント9は、容器5の下部の相補的な構造上の構成51と密接に合致することで構造上の構成51に収まるとともに構造上の構成51を支持する、構造上の構成92を有する。下部連結エレメント9はさらに、下部回転ヘッドへ連結するための固定構造10を有する。この下部回転ヘッドが容器5を動かす。
【0041】
その代わりにまたはそれと相補的に、混合空間7の上部に位置し、混合エレメントのカバー6が連結される上部回転ヘッドは、上部連結エレメント11を有する。上部連結エレメント11は、カバー6の上部の相補的な構造上の構成61と密接に合致することで構造上の構成61に収まるとともに構造上の構成61を支持する構造上の構成112を有する。上部連結エレメント11はさらに、上部回転ヘッドへ連結するための固定構造10を有する。この上部回転ヘッドがカバー6を動かす。
【0042】
任意で、上部連結エレメント9および下部連結エレメント11の両方は分配モジュール4の支持機構の一部であり、固定構造10を使用して、容器5およびカバー6を持ち上げ、移動させて、混合空間7内の上部回転ヘッドおよび/または下部回転ヘッド内に容器5およびカバー6をそれぞれ配置する。混合空間7では、一方または両方のエレメントの回転に進む前に、カバー6を閉じさせる装置12が混合容器5上にカバー6を配置すると製品の注入が実行される。
【0043】
混合容器5への原料の注入および投与、並びにカバー6で容器5を閉じることは、機械の所定の空間内で行うことができ、次いで、ヘッドまたは回転ヘッドが作用する混合空間7へ移すことができることを強調しなければならない。同様に、投与および注入空間と混合空間7とは同じ空間とすることができる。
【0044】
次に、図2図4に示すように、混合容器5は、その中に保持された製品の混合を達成するために、混合容器5の基部から現れて混合容器5の中に延長されている、1つ以上の中空の垂直延長部または突出部51を備えてもよく、それにより、混合容器5が回転するときに、混合容器5の内部の粉末および液体混合物の回転に干渉するおよび/または回転を変える。中空の延長部51は、異なる形状および長さを有してもよいが、別の容器5を積み重ねられるように、延長部の反対側の端部よりも大きい面積を有する下部基部を常に有する。前記延長部は異なる形状を有してもよいが、好ましくは円錐形または円錐台形、角錐形または角錐台形を有し、角錐の基部は任意の幾何学的形状(三角形、正方形、長方形など)を有してもよい。
【0045】
また、容器5は、好ましくは、容器内に入り込み、容器の積み重ねを可能にする1つ以上の側部の凹部52を有する。説明したように、上述の垂直延長部51と共に、これらの側部の凹部は、混合段階中に液体の運動の慣性を壊し、容器5内で原料を混合する過程で協働する。
【0046】
中空の延長部51は、好ましくは、容器5の高さの少なくとも4分の1の長さを有する。それが、製品を混合するための回転に干渉し、その結果、混合に寄与するための最小の好ましい長さだからである。中空の延長部51の最大の高さは、好ましくは、容器5の高さの4分の3である。
【0047】
さらに、垂直延長部51もしくは側部の凹部52、またはこの両方の構造は、機械の下部回転ヘッドに固定するための下部連結エレメント9と組み合わさるための手段を構成している。下部連結エレメント9の構成は、垂直延長部51または側部の凹部52と密接に合致するように相補的である。具体的には、図5図7に示すように、下部連結エレメント9は、部分91と、部分91から現れる相補的な延長部92とを有し、相補的な延長部92は、容器5の垂直延長部51および側部の凹部52にぴったりと嵌合するような構成および配置を有する。
【0048】
次に、混合エレメントのカバー6は、好ましくは中空の垂直延長部または突出部61を1つ以上有することもでき、垂直延長部または突出部61は、カバーの下面から現れて、容器5の内部空間に入り込み、さらに混合過程を助け、当該延長部または突出部は、また、積み重ね可能な構成を有し、且つ機械の上部連結エレメント11と組み合わさるための手段を構成している。上部連結エレメント11の構成は、垂直延長部または突出部61と密接に合致するように相補的である。図5図7は、上部連結エレメント11が表面111をどのように形成するかを示す。表面111から、カバー6の垂直突出部61に適合する構成および配置を有する相補的な突出部112が出ている。
【0049】
容器5の場合と同様に、カバー6の延長部61は容器5の延長部51と同じ機能を有する。すなわち、容器5内で行われる混合の回転運動の慣性を壊すことである。カバー6の延長部61の長さは、容器5の高さまたは長さの少なくとも約4分の1であり、その最大長さは、容器5の最大高さまたは長さの約4分の3である。
【0050】
いずれにしても、容器5の垂直延長部または突出部51と、カバー6の垂直延長部または突出部61との合計が容器の内部の高さまたは長さを超えないこと、すなわち、容器5およびカバー6が独立して回転するときに、突出部51と突出部61とが互いにぶつからないことが重要である。
【0051】
本発明は、記載された種々の選択肢を組み合わせることが可能である。すなわち、機械は、混合エレメントの部分と相互作用することができる単一の上部回転ヘッドもしくは単一の下部回転ヘッド、または両方の回転ヘッドを有してもよく、混合エレメントは、延長部51を有する容器5および延長部61を有さないカバー6、または、延長部51を有する容器5および延長部61を有するカバー6、または、延長部51を有さない容器5および延長部61を有するカバー6、を含むことができる。さらに、混合エレメントがカバー6を有さず、機械が、延長部51を有する容器5のみを使用することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】本発明の対象であるインスタント飲料分配機械の一例の概略の断面図であり、当該インスタント飲料分配機械が有する主要部品およびエレメントを示す。
図2】本発明の機械で使用される、容器およびカバーを有する混合エレメントの断面図であり、容器を閉じるためにカバーを組み込んでいる様子を示し、かつ、混合エレメントの内部構成を示す。
図3】本発明の機械で使用される、容器およびカバーを有する混合エレメントの断面図であり、容器を閉じるためにカバーを組み込んでいる様子を示し、かつ、混合エレメントの内部構成を示す。
図4図2および図3に示された容器の斜視図であり、カバーが組み込まれており、また、破線によってその内部エレメントが示されている。
図5】容器およびカバーと、機械が固定および回転のために有する複数の結合エレメントと、を当該複数のエレメントを混合エレメントの容器およびカバーに結合することを連続的な段階において示す断面図である。
図6】容器およびカバーと、機械が固定および回転のために有する複数の結合エレメントと、を当該複数のエレメントを混合エレメントの容器およびカバーに結合することを連続的な段階において示す断面図である。
図7】容器およびカバーと、機械が固定および回転のために有する複数の結合エレメントと、を当該複数のエレメントを混合エレメントの容器およびカバーに結合することを連続的な段階において示す断面図である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7