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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-15
(45)【発行日】2022-09-27
(54)【発明の名称】無線アクセス技術間ハンドオーバの方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/16 20090101AFI20220916BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20220916BHJP
   H04W 76/20 20180101ALI20220916BHJP
   H04W 80/02 20090101ALI20220916BHJP
【FI】
H04W36/16
H04W48/18 111
H04W76/20
H04W80/02
【請求項の数】 37
(21)【出願番号】P 2020543021
(86)(22)【出願日】2019-02-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-06-03
(86)【国際出願番号】 IB2019051259
(87)【国際公開番号】W WO2019159136
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-10-09
(31)【優先権主張番号】62/631,421
(32)【優先日】2018-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【弁理士】
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【弁理士】
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【弁理士】
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【弁理士】
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】テエブ, ウメール
(72)【発明者】
【氏名】アラウホ, リアン
(72)【発明者】
【氏名】ルーゲランド, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ミルデ, グンナル
【審査官】齋藤 浩兵
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-104020(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0107863(US,A1)
【文献】Ericsson,NR RRC procedure for inter-RAT handover[online],3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2018_01_NR R2-1801016,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2018_01_NR/Docs/R2-1801016.zip>,2018年01月26日
【文献】Ericsson,Lossless intra-system handover with 5G-CN[online],3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2017_06_NR R2-1707231,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2017_06_NR/Docs/R2-1707231.zip>,2017年06月29日
【文献】Ericsson,Inter-system and inter-RAT mobility for LTE Connected to 5GC[online],3GPP TSG RAN WG2 #100 R2-1713271,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_100/Docs/R2-1713271.zip>,2017年12月01日
【文献】3GPP; TSG RAN; Study on New Radio Access Technology; Radio Interface Protocol Aspects (Release 14),3GPP TR 38.804 V14.0.0,2017年03月24日,pp.35-P42,Internet<https://www.3gpp.org/ftp/Specs/archive/38_series/38.804/38804-e00.zip>
【文献】Ericsson,NR RRCConnectionReconfiguration procedure and signalling baseline[online],3GPP TSG RAN WG2 adhoc_2017_06_NR R2-1707201,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_AHs/2017_06_NR/Docs/R2-1707201.zip>,2017年06月29日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器における無線アクセス技術(RAT)間ハンドオーバの方法(1600)であって、
1のネットワークノードに対するRAT間およびシステム内のものである第2のネットワークノードの特性に基づく再設定メッセージと、前記第2のネットワークノードのRATを識別するRATインジケータとを含むコマンドを、前記第1のネットワークノードから受信すること(1610)と、
ユーザ機器において、前記再設定メッセージに基づいて、少なくとも1つの下位レイヤに関する設定を再設定し、かつ少なくとも1つの上位レイヤに関する設定を保持すること(1620)と、を含み、
前記少なくとも1つの上位レイヤに関する前記設定を保持することが、サービスデータ適応プロトコル(SDAP)に関するプロトコル状態および設定を維持することを含む、方法(1600)。
【請求項2】
前記第1のネットワークノードが、5Gコアネットワーク(5GC)に接続されたロングタームエボリューション(LTE)であり、前記第2のネットワークノードが新無線(NR)である、請求項1に記載の方法(1600)。
【請求項3】
前記第1のネットワークノードがNRであり、前記第2のネットワークノードが5GCに接続されたLTEである、請求項1に記載の方法(1600)。
【請求項4】
前記再設定メッセージがNRパラメータを含むRRCReconfigurationを含む、請求項2に記載の方法(1600)。
【請求項5】
前記再設定メッセージがLTEパラメータを含むRRCConnectionReconfigurationを含む、請求項3に記載の方法(1600)。
【請求項6】
前記第1のネットワークノードが5GCに接続されたLTEであり、前記コマンドがMobilityFromEUTRACommandである、請求項1、2および4のいずれか一項に記載の方法(1600)。
【請求項7】
前記第1のネットワークノードがNRであり、前記コマンドがMobilityFromNRCommandである、請求項1、3および5のいずれか一項に記載の方法(1600)。
【請求項8】
前記再設定メッセージが、セキュリティ設定を設定するのに使用されるシステム内セキュリティコンテナを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法(1600)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの下位レイヤが、無線リンク制御(RLC)、媒体アクセス制御(MAC)、および物理レイヤ(PHY)のうち少なくとも1つを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法(1600)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの上位レイヤに関する前記設定を保持することが、設定の一部分を維持し、設定の残りの部分を修正することを含む、請求項1からのいずれか一項に記載の方法(1600)。
【請求項11】
ネットワークノードにおける無線アクセス技術(RAT)間ハンドオーバの方法(1700)であって、
第1のネットワークノードにおいて、第2のネットワークノードに対するRT間およびシステム内のものである前記第1のネットワークノードの特性に基づいて再設定メッセージを作成すること(1720)であって、前記再設定メッセージが、ユーザ機器において少なくとも1つの下位レイヤを再設定するための設定を含む、再設定メッセージを作成することと、
前記再設定メッセージを前記ユーザ機器に転送するために、前記第2のネットワークノードに対して前記再設定メッセージを伝送すること(1730)と、を含
前記再設定メッセージが更に、サービスデータ適応プロトコル(SDAP)を含む少なくとも1つの上位レイヤに関するプロトコル状態および設定を保持することを示す、方法(1700)。
【請求項12】
前記第1のネットワークノードが新無線(NR)であり、前記第2のネットワークノードが5Gコアネットワーク(5GC)に接続されたロングタームエボリューション(LTE)である、請求項11に記載の方法(1700)。
【請求項13】
前記第1のネットワークノードが5GCに接続されたLTEであり、前記第2のネットワークノードがNRである、請求項11に記載の方法(1700)。
【請求項14】
前記再設定メッセージがNRパラメータを含むRRCReconfigurationを含む、請求項12に記載の方法(1700)。
【請求項15】
前記再設定メッセージがLTEパラメータを含むRRCConnectionReconfigurationを含む、請求項13に記載の方法(1700)。
【請求項16】
前記再設定メッセージが、セキュリティ設定を設定するのに使用されるシステム内セキュリティコンテナを含む、請求項11から15のいずれか一項に記載の方法(1700)。
【請求項17】
前記少なくとも1つの下位レイヤが、無線リンク制御(RLC)、媒体アクセス制御(MAC)、および物理レイヤ(PHY)のうち少なくとも1つを含む、請求項11から16のいずれか一項に記載の方法(1700)。
【請求項18】
前記再設定メッセージが、前記少なくとも1つの上位レイヤに関する設定を更に含み、前記少なくとも1つの上位レイヤに関する前記設定が、設定の一部分を維持し、設定の残りの部分を修正するためのものである、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法(1700)。
【請求項19】
無線アクセス技術(RAT)間ハンドオーバのためのユーザ機器(800)であって、
少なくとも1つの処理回路構成(801)と、
プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの記憶装置とを備え、前記命令が、前記処理回路構成によって実行されると、前記ユーザ機器(800)に、
1のネットワークノードに対するRT間およびシステム内のものである第2のネットワークノードの特性に基づ再設定メッセージと、前記第2のネットワークノードのRATを識別するRATインジケータとを含むコマンドを、前記第1のネットワークノードから受信すること(1610)
前記再設定メッセージに基づいて、少なくとも1つの下位レイヤに関する設定を再設定かつ少なくとも1つの上位レイヤに関する設定を保持すること(1620)
を行わせ、
前記少なくとも1つの上位レイヤに関する前記設定を保持することが、サービスデータ適応プロトコル(SDAP)に関するプロトコル状態および設定を維持することを含む、ユーザ機器(800)。
【請求項20】
前記第1のネットワークノードが、5Gコアネットワーク(5GC)に接続されたロングタームエボリューション(LTE)であり、前記第2のネットワークノードが新無線(NR)である、請求項19に記載のユーザ機器(800)。
【請求項21】
前記第1のネットワークノードがNRであり、前記第2のネットワークノードが5GCに接続されたLTEである、請求項19に記載のユーザ機器(800)。
【請求項22】
前記再設定メッセージがNRパラメータを含むRRCReconfigurationを含む、請求項20に記載のユーザ機器(800)。
【請求項23】
前記再設定メッセージがLTEパラメータを含むRRCConnectionReconfigurationを含む、請求項21に記載のユーザ機器(800)。
【請求項24】
前記第1のネットワークノードが5GCに接続されたLTEであり、前記コマンドがMobilityFromEUTRACommandである、請求項19、20および22のいずれか一項に記載のユーザ機器(800)。
【請求項25】
前記第1のネットワークノードがNRであり、前記コマンドがMobilityFromNRCommandである、請求項19、21および23のいずれか一項に記載のユーザ機器(800)。
【請求項26】
前記再設定メッセージが、セキュリティ設定を設定するのに使用されるシステム内セキュリティコンテナを含む、請求項19から25のいずれか一項に記載のユーザ機器(800)。
【請求項27】
前記少なくとも1つの下位レイヤが、無線リンク制御(RLC)、媒体アクセス制御(MAC)、および物理レイヤ(PHY)のうち少なくとも1つを含む、請求項19から26のいずれか一項に記載のユーザ機器(800)。
【請求項28】
前記少なくとも1つの上位レイヤに関する前記設定を保持することが、設定の一部分を維持し、設定の残りの部分を修正することを含む、請求項19から27のいずれか一項に記載のユーザ機器(800)。
【請求項29】
無線アクセス技術(RAT)間ハンドオーバのためのネットワークノード(760)であって、
少なくとも1つの処理回路構成(770)と、
プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの記憶装置とを備え、前記命令が、前記処理回路構成によって実行されると、前記ネットワークノード(760)に、
第2のネットワークノード(760)に対するRT間およびシステム内のものである前記ネットワークノード(760)の特性に基づいて、ユーザ機器(800)において下位レイヤを再設定するための設定を含む、再設定メッセージを作成すること(1720)
前記再設定メッセージを前記ユーザ機器に転送するために、前記第2のネットワークノード(760)に対して前記再設定メッセージを伝送すること(1730)
を行わせ、
前記再設定メッセージが更に、サービスデータ適応プロトコル(SDAP)を含む少なくとも1つの上位レイヤに関するプロトコル状態および設定を保持することを示す、ネットワークノード(760)。
【請求項30】
前記ネットワークノードが新無線(NR)であり、前記第2のネットワークノードが5Gコアネットワーク(5GC)に接続されたロングタームエボリューション(LTE)である、請求項29に記載のネットワークノード(760)。
【請求項31】
前記ネットワークノードが5GCに接続されたLTEであり、前記第2のネットワークノードがNRである、請求項29に記載のネットワークノード(760)。
【請求項32】
前記再設定メッセージがNRパラメータを含むRRCReconfigurationを含む、請求項30に記載のネットワークノード(760)。
【請求項33】
前記再設定メッセージがLTEパラメータを含むRRCConnectionReconfigurationを含む、請求項31に記載のネットワークノード(760)。
【請求項34】
前記再設定メッセージが、セキュリティ設定を設定するのに使用されるシステム内セキュリティコンテナを含む、請求項29から33のいずれか一項に記載のネットワークノード(760)。
【請求項35】
前記少なくとも1つの下位レイヤが、無線リンク制御(RLC)、媒体アクセス制御(MAC)、および物理レイヤ(PHY)のうち少なくとも1つを含む、請求項29から34のいずれか一項に記載のネットワークノード(760)。
【請求項36】
前記再設定メッセージが、前記少なくとも1つの上位レイヤに関する設定を更に含み、前記少なくとも1つの上位レイヤに関する前記設定が、設定の一部分を維持し、設定の残りの部分を修正するためのものである、請求項29から35のいずれか一項に記載のネットワークノード(760)。
【請求項37】
少なくとも2つのネットワークノード(760)と少なくとも1つのユーザ機器(800)とを備える、無線アクセス技術(RAT)間ハンドオーバのための通信システムであって、
第1のネットワークノード(760)が少なくとも1つの処理回路構成(770)を含み、前記少なくとも1つの処理回路構成(770)が、
第2のネットワークノード(760)が、前記第1のネットワークノード(760)に対するRAT間およびシステム内のものであることを識別し、
前記第2のネットワークノード(760)に対して、前記第2のネットワークノード(760)が前記第1のネットワークノード(760)に対するRAT間およびシステム内のものであることを示す識別情報をシグナリングするように設定され、
前記第2のネットワークノード(760)が少なくとも1つの処理回路構成(770)を含み、前記少なくとも1つの処理回路構成(770)が、
前記第1のネットワークノードから、前記第2のネットワークノード(760)が前記第1のネットワークノード(760)に対するRAT間およびシステム内のものであることを示す前記識別情報を受信し(1710)、
前記第1のネットワークノード(760)に対するRAT間およびシステム内のものである前記第2のネットワークノード(760)の特性に基づいて、再設定メッセージを作成し(1720)、
前記第1のネットワークノード(760)に前記再設定メッセージを伝送する(1730)ように設定され、
前記第1のネットワークノード(760)が更に、
前記第2のネットワークノード(760)から前記再設定メッセージを受信し、
ユーザ機器(800)に対して、前記再設定メッセージと、前記第2のネットワークノード(760)のRATを識別するRATインジケータとを含むコマンドを伝送するように設定され、
前記ユーザ機器(800)が少なくとも1つの処理回路構成(801)を含み、前記少なくとも1つの処理回路構成(801)が、
前記第1のネットワークノード(760)から、前記再設定メッセージおよび前記RATインジケータを含む前記コマンドを受信し(1610)、
前記再設定メッセージに基づいて、少なくとも1つの下位レイヤに関する設定を再設定し、かつ少なくとも1つの上位レイヤに関する設定を保持する(1620)ように設定され、
前記少なくとも1つの上位レイヤに関する前記設定を保持することが、サービスデータ適応プロトコル(SDAP)に関するプロトコル状態および設定を維持することを含む、通信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
特定の実施形態は、電気通信におけるハンドオーバの分野に関し、より具体的には、無線アクセス技術(RAT)間システム内ハンドオーバの方法、装置、およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
異なる無線アクセス技術(RAT)を利用するネットワークノード間のハンドオーバでは、エボルブドパケットコアに接続されたLTE(LTE/EPC)からのRAT間ハンドオーバは、基本的に、LTE確立プロトコルサブレイヤおよび以前に使用されたセキュリティキーのいずれも保持されていない、UEの完全設定を意味する。
【0003】
図1は、ソースeNBがMobilityFromEUTRACommandを、ターゲットRATに関連する埋込みメッセージを含むUEに伝送する、トンネリング手順の採用に成功している、E-UTRAからのモビリティを示している。
【0004】
MobilityFromEUTRACommandメッセージは、TS 36.331(v15.0.1[2018-01])で規定されている。TargetRATタイプおよびtargetRAT-MessageContainerは、ターゲットRATのUE設定に関するMobilityFromEUTRACommandメッセージの主な内容である。前者はRATを、例えばUTRA、GERANを規定し、後者は、ターゲットRATからの設定メッセージ自体を含む。nas-SecurityParamFromEUTRAは、UTRANでセキュリティキーを導出するのに使用される。
【0005】
MobilityFromEUTRACommandメッセージの内容は、以下の表1で指定されている。
表1 MobilityFromEUTRACommandメッセージ
【0006】
同様に、図2は、LTE/EPCに対するRAT間ハンドオーバがトンネリングスキームで実施され、RRCConnectionReconfigurationメッセージがソースRATを介してUEに送達されることを示している。この無線リソース制御(RRC)メッセージは、完全設定を示し、ソースRATによって確立されたあらゆるプロトコルサブレイヤおよび以前に導出されたセキュリティキーを保持しない。
【0007】
レガシー手順でセキュリティを扱う場合、UEがUTRANまたはGERANからLTE/EPCへのハンドオーバを実施したとき、TS 36.331(v15.0.1[2018-01])で規定されているRRCConnectionReconfigurationメッセージは、[TS 33.401]で規定されているような新しいKeNBキーを導出するのに使用される5オクテットのNONCEMMEから成るパラメータnas-SecurityParamToEUTRAを含む。このパラメータは、RAT間の事例に対して規定されたSecurityConfigHO IEに含まれている。
【0008】
RRCConnectionReconfigurationメッセージの内容は、以下の表2で指定されている。
表2 RRCConnectionReconfigurationメッセージ
【0009】
図3は、5Gコアネットワーク(5GC)およびEPCに接続されたLTE、ならびにコアネットワーク(CN)への接続に関する新無線(NR)の一例のアーキテクチャを示している。上述の新しいセキュリティキーを使用する動機は、RAT間ハンドオーバがCNシステムの変更、即ちシステム間ハンドオーバにも対応するという推論による。しかしながら、LTE/5GCの場合、RAT間ハンドオーバはシステム間ハンドオーバを常に示唆するものではない。
【0010】
例えば、ハンドオーバはLTEとNRとの間で実施される場合があり、RATは両方とも5GCに接続されていることが予期される。可能性がある別のシナリオは、EPCと5GCとの間でCNシステムの変更がある、LTEのRAT内ハンドオーバである。LTEの他に、NRのRAT間ハンドオーバも、システム間ハンドオーバとシステム内ハンドオーバとに分割することができ、LTEとNRとの間のハンドオーバは、5GCまたはEPCに接続されたLTEに対処することが予期される。
【0011】
図4は、E-UTRA NRデュアルコネクティビティ(EN-DC)の制御プレーンアーキテクチャを示している。図5は、EPCとのマルチRATデュアルコネクティビティ(MR-DC)におけるUE視点から見た、マスタセルグループ(MCG)、セカンダリセルグループ(SCG)、およびスプリットベアラの無線プロトコルアーキテクチャを示している。図6は、EPCとのMR-DCにおける、MCG、SCG、およびスプリットベアラに関するネットワーク側のプロトコル終端を示している。
【0012】
LTEリリース15において、LTE eNBがマスタノードとして働き、NR gNBをセカンダリノードとして追加することができる、EN-DCの概念が導入された。制御プレーン(CP)は常にEPCに接続されるが、ユーザプレーン(UP)は、EPCまたは5GCのどちらかに接続することができ、ベアラは、NRもしくはLTEどちらかの下位レイヤを用いて、NRパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)またはLTE PDCPのどちらかを動作させることができる[TR 37.340 v15.0.0(2017-12)]。
【0013】
フルスタック、サービスデータ適応プロトコル(SDAP)/PDCPのみ、または無線リンク制御/媒体アクセス制御/物理レイヤ(RLC/MAC/PHY)のみのいずれかに関するものである、ベアラのNR部分を設定するため、UEは、下記の表3に示すTR 36.311(v15.0.1(2018-1))に記載したようなRRCメッセージを、即ちnr-Config-r15構造で拡張したRRCConnectionReconfigurationメッセージを受信する。
表3 nr-Config-r15構造を有するRRCConnectionReconfigurationメッセージ
【0014】
NRベアラは、構造nrBearerConfig1/2を使用して設定され、TR 38.331(v15.0.0[2017-12])で規定されている設定を含む。RadioBearerConfig情報要素の内容は、以下の表4で指定されている。
表4 RadioBearerConfig情報要素
【0015】
現在、特定の課題が存在している。例えば、レガシーRAT間ハンドオーバでは、UEは、2つの全く異なるシステムの間で切り替わり、ほとんどの設定を保持することができない。これには、十分かつ完全な再設定が必要であり、相当なサービス中断時間が生じる可能性がある。
【0016】
別の例として、LTE/EPCからLTE/EPCへ、ならびにNRからNRへのハンドオーバは、RAT内システム内と見なされ、通常の再設定手順を使用して実施される。しかしながら、LTE/EPCとLTE/5GCとの間はRAT内システム間、LTE/EPCとNRとの間はRAT間システム間、LTE/5GCとNRとの間はRAT間システム内と見なされる。システム内ハンドオーバの場合、例えば、ハンドオーバ中およびハンドオーバ後の無損失で順序通りのデータ送達に対応することが望ましい。
【0017】
現在、LTEの全てのレガシーRAT間ハンドオーバ手順は、システム間ハンドオーバとしても処理される。それに加えて、同じ挙動を上述したRAT間ハンドオーバの事例のいくつか(例えば、LTE/5GCとNRとの間)に適応させることは、不必要な再設定およびサービスの中断が起こることがあるため、非効率的である。
【発明の概要】
【0018】
既存の解決策による上述の問題に対処するため、ソースノードとターゲットノードとの間でRATとシステムの組み合わせに基づいて再設定メッセージを作成することによる、RAT間ハンドオーバのための方法、ユーザ機器、ネットワークノード、およびシステムが開示される。本開示は、ユーザ機器(UE)側のRAT間システム内ハンドオーバに対する再設定メッセージの形で設定を計算し作成して、ターゲットノード側での解決策を実現する。更に、UEは、受信した再設定メッセージに基づいて、下位レイヤ設定を再設定するのみで、上位レイヤ設定は保持してもよい。したがって、UEは、ハンドオーバ中の不要な再設定およびサービス中断を排除することができる。
【0019】
いくつかの実施形態について本開示に記載する。一実施形態によれば、RAT間ハンドオーバの方法は、ソースノードから、再設定メッセージおよびRATインジケータを含むコマンドを受信することを含み、再設定メッセージは、ソースノードに対するRAT間およびシステム内であるターゲットノードの特性に基づいたものであり、RATインジケータはターゲットノードのRATを識別する。方法は更に、ユーザ機器において、再設定メッセージに基づいて、下位レイヤ設定を再設定し、上位レイヤ設定を保持することを含む。
【0020】
一実施形態では、ソースノードは、5Gコアネットワーク(5GC)に接続されたロングタームエボリューション(LTE)であり、ターゲットノードは新無線(NR)であり、再設定メッセージは、NRパラメータを含むRRCReconfigurationを含む。別の実施形態では、ソースノードはNRであり、ターゲットノードは5GCに接続されたLTEであり、再設定メッセージは、LTEパラメータを含むRRCConnectionReconfigurationを含む。
【0021】
一実施形態では、再設定メッセージは、セキュリティ設定を設定するのに使用されるシステム内セキュリティコンテナを含む。
【0022】
一実施形態では、下位レイヤ設定は、無線リンク制御(RLC)、媒体アクセス制御(MAC)、および物理レイヤ(PHY)のうち少なくとも1つに関する設定を含む。
【0023】
一実施形態では、上位レイヤ設定は、サービスデータ適応プロトコル(SDAP)およびパケットデータコンバージェンスプロトコル(PDCP)のうち少なくとも1つに関するプロトコル状態および設定を含む。
【0024】
一実施形態では、第1のネットワークノードは5GCに接続されたLTEであり、コマンドはMobilityFromEUTRACommandである。別の実施形態では、第1のネットワークノードはNRであり、コマンドはMobilityFromNRCommandである。
【0025】
一実施形態では、少なくとも1つの上位レイヤに関する設定を保持することは、設定の一部分を維持し、設定の残りの部分を修正することを含む。
【0026】
別の実施形態によれば、RAT間ハンドオーバの方法は、ターゲットノードにおいて、ソースノードに対するRAT間およびシステム内であるターゲットノードの特性に基づいて、再設定メッセージを作成することを含み、再設定メッセージは、ユーザ機器において下位レイヤを再設定する設定を含む。方法は、ユーザ機器に対する再設定メッセージを転送するための再設定メッセージをソースノードに伝送することを更に含む。
【0027】
一実施形態では、下位レイヤを再設定する設定は、RLC、MAC、およびPHYのうち少なくとも1つに関する設定を含む。
【0028】
一実施形態では、再設定メッセージは、上位レイヤに関するプロトコル状態および設定を保持することを更に示す。上位レイヤは、SDAPおよびPDCPのうち少なくとも1つを含む。
【0029】
一実施形態では、再設定メッセージは、少なくとも1つの上位レイヤに関する設定を更に含み、少なくとも1つの上位レイヤに関する設定は、設定の一部分を維持し、設定の残りの部分を修正することである。
【0030】
更に別の実施形態によれば、RAT間ハンドオーバのためのUEは、少なくとも1つの処理回路構成と、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの記憶装置とを備える。処理回路構成によって実行されると、UEに、ソースノードから、ターゲットノードがソースノードに対するRAT間およびシステム内のものであることに基づいてターゲットノードによって作成される再設定メッセージと、ターゲットノードのRATを識別するRATインジケータとを含むコマンドを受信させ、再設定メッセージに基づいて、下位レイヤ設定を再設定させるとともに上位レイヤ設定を保持させる。
【0031】
更に別の実施形態によれば、RAT間ハンドオーバのためのネットワークノードは、少なくとも1つの処理回路構成と、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの記憶装置とを備える。処理回路構成によって実行されると、ネットワークノードに、ネットワークノードがソースノードに対するRAT間およびシステム内のものであることに基づいた、ユーザ機器において下位レイヤを再設定するための設定を含む再設定メッセージを作成させ、ソースノードに対して、再設定メッセージを伝送させて、再設定メッセージをユーザ機器に転送させる。
【0032】
更に別の実施形態によれば、RAT内ハンドオーバのためのネットワークノードは、少なくとも1つの処理回路構成と、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの記憶装置とを備える。処理回路構成によって実行されると、ネットワークノードに、第2のネットワークノードから、ネットワークノードに対するRAT内およびシステム間のものである第2のネットワークノードの特性に基づいた、ユーザ機器において下位レイヤを再設定するための設定を含む再設定メッセージを受信させ、ユーザ機器に対して、再設定メッセージとターゲットRATに対するインジケータとを含み、第2のネットワークノードがネットワークノードに対するRAT内およびシステム間のものであることを示す、コマンドを転送させる。
【0033】
更に別の実施形態によれば、RAT間ハンドオーバのための通信システムは、少なくとも2つのネットワークノードと少なくとも1つのUEとを備える。通信システムのソースノードは、ターゲットノードがソースノードに対するRAT間およびシステム内のものであることを識別し、ターゲットノードに対して、ターゲットノードがソースノードに対するRAT間およびシステム内のものであることを示す識別情報をシグナリングするように設定された、少なくとも1つの処理回路構成を含む。通信システムのターゲットノードは、ソースノードから、ターゲットノードがソースノードに対するRAT間およびシステム内のものであることを示す識別情報を受信し、ソースノードに対するRAT間およびシステム内のものであるターゲットノードの特性に基づいて、再設定メッセージを作成し、ソースノードに再設定メッセージを伝送するように設定された、少なくとも1つの処理回路構成を含む。ソースノードは、ターゲットノードから再設定メッセージを受信し、ユーザ機器に対して、再設定メッセージとターゲットノードのRATを識別するRATインジケータとを含むコマンドを伝送するように更に設定される。通信システムのユーザ機器は、ソースノードから、再設定メッセージおよびRATインジケータを含むコマンドを受信し、再設定メッセージに基づいて、下位レイヤ設定を再設定し、上位レイヤ設定を保持するように設定された、少なくとも1つの処理回路構成を含む。
【0034】
特定の実施形態は、以下の技術的利点の1つまたは複数を提供してもよい。本開示に開示する方法は、特にRAT間システム内ハンドオーバに関して、UEにおいて、不要な再設定なしで有効なハンドオーバを提供することができる。別の利点は、方法が、ハンドオーバがシステム内のものであることを再設定メッセージが示している場合、同じセキュリティパラメータを利用してセキュリティレイヤを設定することによって、ネットワークのセキュリティを改良できることである。
【0035】
以下の詳細な説明および図面に照らして、他の様々な特徴および利点が当業者には明白となるであろう。特定の実施形態は、上記に列挙した利点を1つも有さないか、そのいくつか、または全てを有してもよい。
【0036】
本明細書に組み込まれその一部を形成する添付図面は、本開示の複数の態様を例示し、明細書と合わせて本開示の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】MobilityFromEUTRACommandメッセージがソースノードによって伝送される、トンネリングスキームの一例を示す図である。
図2】RRCConnectionReconfigurationメッセージがUEに送達される、トンネリングスキームの一例を示す図である。
図3】5GCおよびEPCに接続されたLTE、ならびにNRのアーキテクチャの一例を示す図である。
図4】EN-DCの制御プレーンアーキテクチャの一例を示す図である。
図5】EPCを用いたMR-DCにおける、MCG、SCG、およびスプリットベアラに関する無線プロトコルアーキテクチャの一例を示す図である。
図6】EPCを用いたMR-DCにおける、MCG、SCG、およびスプリットベアラに関するネットワーク側プロトコル終端の選択肢の一例を示す図である。
図7】特定の実施形態による無線ネットワークの一例を示す図である。
図8】特定の実施形態によるユーザ機器の一例を示す図である。
図9】特定の実施形態による、仮想化環境の一例を示す図である。
図10】特定の実施形態による、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続される電気通信ネットワークの一例を示す図である。
図11】特定の実施形態による、部分無線接続を通じて基地局を介してユーザ機器と通信しているホストコンピュータの一例を示す図である。
図12】特定の実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実現される方法の一例を示す図である。
図13】特定の実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実現される方法の別の例を示す図である。
図14】特定の実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実現される、別の更なる例示の方法を示す図である。
図15】特定の実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実現される、更に別の例示の方法を示す図である。
図16】特定の実施形態による、ユーザ機器における方法の一例を示すフロー図である。
図17】特定の実施形態による、ネットワークノードにおける方法の一例を示すフロー図である。
図18】特定の実施形態によるユーザ機器の一例を示す概略ブロック図である。
図19】特定の実施形態によるネットワークノードの一例を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
本開示の特定の実施形態は、ユーザ機器における不要なリセットまたは再設定を回避するため、ハンドオーバのタイプに基づいてターゲットノードによって再設定メッセージを作成する方法を提案する。つまり、ハンドオーバがシステム内RAT間のものである場合、再設定メッセージはRAT間メッセージとしてUEに送達されるが、再設定メッセージの内容および手順はRAT内ハンドオーバと同様のものとなる。特定の実施形態によって、ベアラ設定およびプロトコル状態を保持するのを可能にすることができ、ハンドオーバ中およびハンドオーバ後の無損失で順序通りのユーザデータ送達ができる。更に、ソースノードは、再設定メッセージの内容を理解することなく、再設定メッセージをモビリティフォームコマンド(mobility form command)に入れて転送してもよい。このように、本開示の特定の実施形態は、起こり得る遅延または更なる動作を低減してもよい。
【0039】
本開示の特定の実施形態はまた、様々なハンドオーバシナリオに適用してもよい。ハンドオーバがシステム間RAT内のものである場合、本開示のターゲットノードによって作成される再設定メッセージは、RAT間のものとして送達され、内容および手順はRAT間ハンドオーバと同様となる。この場合、ベアラ設定は保持されない。システム間RAT内ハンドオーバの場合、特定の実施形態は、ターゲットノードが場合によってはソースノード再設定メッセージを理解しない、レガシーRAT内手順を使用する代わりに、RAT間手順を再使用してもよい。同様に、ハンドオーバがシステム間RAT間のものである場合、再設定メッセージはRAT間として送達され、内容および手順はRAT間ハンドオーバと同様となる。この場合、ベアラ設定は保持されない。
【0040】
本開示の特定の実施形態の利点は、システム内RAT間ハンドオーバが、コアネットワーク接続ならびにベアラおよびPDCPの設定がリセットされずに単に再設定されるので、既存のRAT間ハンドオーバと比較して、中断時間を低減し、無損失で順序通りのパケット送達で実施されてもよいことである。
【0041】
以下、本明細書において想到される実施形態のいくつかについて、添付図面を参照してさらに十分に記載する。しかしながら、他の実施形態が本明細書に開示する主題の範囲内に含まれ、開示する主題は、本明細書で説明する実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではなく、それよりもむしろ、これらの実施形態は、主題の範囲を当業者に伝えるために例として提供されるものである。
【0042】
一般に、本明細書で使用する全ての用語は、異なる意味が明確に与えられない限り、ならびに/あるいは異なる意味がその用語を使用している文脈から示唆されない限り、関連技術分野におけるそれらの本来の意味にしたがって解釈されるべきものである。要素、装置、構成要素、手段、ステップなどに対する全ての参照は、別の形で明示的に定義されない限り、要素、装置、構成要素、手段、ステップなどの少なくとも一例を指すものと広く解釈されるべきである。本明細書に開示するいずれかの方法のステップは、あるステップが別のステップの後または前に行われると明示的に記載されない限り、ならびに/あるいはあるステップが別のステップの後または前に行われなければならないと示唆されない限り、開示する順序で正確に実施されなければならないものではない。本明細書に開示する実施形態のいずれかにおけるあらゆる特徴は、適切であれば、他のいずれかの実施形態に適用されてもよい。同様に、実施形態のいずれかにおけるあらゆる利点は、他のいずれかの実施形態に当てはまることがあり、その逆もまた真である。含まれる実施形態の他の目的、特徴、および利点は、以下の説明から明白になるであろう。
【0043】
図7は、特定の実施形態による、無線ネットワークの一例である。本明細書に記載する主題は、任意の適切な構成要素を使用する任意の適切なタイプのシステムで実現されてもよいが、本明細書に開示する実施形態は、図7に示される例示の無線ネットワークなどの無線ネットワークに関連して記載する。単純にするため、図7の無線ネットワークは、ネットワーク706、ネットワークノード760および760b、ならびにWD 710、710b、および710cのみを示している。実際上、無線ネットワークは、無線デバイス間の通信、あるいは無線デバイスと地上電話、サービスプロバイダ、または他の任意のネットワークノードもしくはエンドデバイスなど、別の通信デバイスとの間の通信に対応するのに適した、任意の追加の要素を更に含んでもよい。図示される構成要素のうち、ネットワークノード760およびWD 710が更に詳細に図示されている。いくつかの実施形態では、ネットワークノード760は図10および11に更に図示される基地局である。いくつかの実施形態では、ネットワークノード760は、図19に更に示されるネットワークノードであってもよい。無線ネットワークは、通信および他のタイプのサービスを1つまたは複数の無線デバイスに提供して、無線ネットワークによってもしくは無線ネットワークを介して提供されるサービスに関する、無線デバイスのアクセスおよび/または使用を容易にしてもよい。
【0044】
無線ネットワークは、任意のタイプの通信、電気通信、データ、移動体、および/または無線ネットワーク、あるいは他の同様のタイプのシステムを備えてもよく、ならびに/あるいはそれらとインターフェース接続してもよい。いくつかの実施形態では、無線ネットワークは、特定の規格、または他のタイプの規定の規則もしくは手順にしたがって動作するように構成されてもよい。したがって、無線ネットワークの特定の実施形態は、グローバル移動体通信システム(GSM)、Universal Moble Telecommunication System(UMTS)、Long-Term Evolution(LTE)、および/または他の適切な2G、3G、4G、もしくは5G規格、IEEE 802.11規格などの無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)規格、ならびに/あるいは、ワールドワイド・インターオペラビリティ・フォー・マイクロウェーブ・アクセス(WiMax)、ブルートゥース、Z波、および/またはジグビー規格などの他の任意の適切な無線通信規格などの、通信規格を実現してもよい。
【0045】
ネットワーク706は、1つもしくは複数のバックホールネットワーク、コアネットワーク、IPネットワーク、公衆交換電話網(PSTN)、パケットデータネットワーク、光ネットワーク、広域ネットワーク(WAN)、ローカルエリアネットワーク(LAN)、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、有線ネットワーク、無線ネットワーク、メトロポリタンエリアネットワーク、およびデバイス間で通信できるようにする他のネットワークを含んでもよい。
【0046】
ネットワークノード760およびWD 710は、更に詳細に後述する様々な構成要素を備える。これらの構成要素は、無線ネットワークにおける無線接続を提供するなど、ネットワークノードおよび/または無線デバイスの機能性を提供するために共に働く。異なる実施形態では、無線ネットワークは、任意の数の有線もしくは無線ネットワーク、ネットワークノード、基地局、コントローラ、無線デバイス、中継局、ならびに/あるいは、有線または無線接続のどちらかを介するデータおよび/または信号の通信を容易にするかまたはそれに関与することができる、他の任意の構成要素またはシステムを含んでもよい。
【0047】
本明細書で使用するとき、ネットワークノードは、無線デバイスへの無線アクセスを可能にする、および/または無線アクセスを提供する、ならびに/あるいは無線ネットワークにおける他の機能(例えば、管理)を実施するために、無線通信ネットワーク内のネットワークノードまたもしくは他の機器と、直接または間接的に通信することができる、通信するように構成された、通信するように配置された、ならびに/または通信するように動作可能である、機器を指す。ネットワークノードの例としては、アクセスポイント(AP)(例えば、無線アクセスポイント)、基地局(BS)(例えば、無線基地局、ノードB、進化型ノードB(eNB)、およびNRノードB(gNB))が挙げられるが、それらに限定されない。基地局は、それらが提供するカバレッジの量(または換言すれば、それらの送信電力レベル)に基づいて分類されてもよく、そのため、フェムト基地局、ピコ基地局、マイクロ基地局、またはマクロ基地局とも呼ばれることがある。基地局は、中継を制御する中継ノードまたは中継ドナーノードであってもよい。ネットワークノードはまた、中央デジタル部、および/またはリモート無線ヘッド(RRH)と呼ばれることがあるリモート無線ユニット(RRU)など、分散無線基地局の1つもしくは複数(または全て)の部分を含んでもよい。かかるリモート無線ユニットは、アンテナ統合無線として、アンテナと統合されてもされなくてもよい。分散無線基地局の部分はまた、分散アンテナシステム(DAS)のノードと呼ばれることもある。ネットワークノードの更なる他の例としては、MSR BSなどのマルチスタンダード無線(MSR)機器、無線ネットワークコントローラ(RNC)または基地局コントローラ(BSC)などのネットワークコントローラ、ベーストランシーバ基地局(BTS)、送信ポイント、送信ノード、マルチセル/マルチキャスト調整エンティティ(MCE)、コアネットワークノード(例えば、MSC、MME)、O&Mノード、OSSノード、SONノード、ポジショニングノード(例えば、E-SMLC)、ならびに/あるいはMDTが挙げられる。別の例として、ネットワークノードは、更に詳細に後述するような仮想ネットワークノードであってもよい。しかしながら、より一般的には、ネットワークノードは、無線デバイスが無線ネットワークにアクセスできるようにすること、もしくは無線デバイスに無線ネットワークへのアクセスを提供すること、および/または無線ネットワークにアクセスしている無線デバイスに何らかのサービスを提供することが、可能である、そのように構成されている、そのように配置されている、ならびに/またはそれを可能にするように動作可能である、任意の適切なデバイス(またはデバイス群)を表してもよい。
【0048】
図7では、ネットワークノード760は、処理回路構成770と、デバイス可読媒体780と、インターフェース790と、補助機器784と、電源786と、電力回路構成787と、アンテナ762とを含む。図7の例示の無線ネットワークに示されるネットワークノード760は、ハードウェア構成要素の図示される組み合わせを含むデバイスを表すことがあるが、他の実施形態は、構成要素の異なる組み合わせを含むネットワークノードを備えてもよい。ネットワークノードは、本明細書に開示するタスク、特徴、機能、および方法を実施するのに必要な、ハードウェアおよび/またはソフトウェアの任意の適切な組み合わせを含むことが理解されるべきである。更に、ネットワークノード760の構成要素は、より大きいボックス内に位置するかまたは複数のボックス内に入れ子状になった、単独のボックスとして示されているが、実際上、ネットワークノードは、単一の図示される構成要素を構成する複数の異なる物理的構成要素を含んでもよい(例えば、デバイス可読媒体780は、複数の別個のハードドライブならびに複数のRAMモジュールを備えてもよい)。
【0049】
同様に、ネットワークノード760は、各々がそれぞれ自身の構成要素を有してもよい、複数の物理的に別個の構成要素(例えば、ノードBコンポーネントおよびRNCコンポーネント、またはBTSコンポーネントおよびBSCコンポーネントなど)から成ってもよい。ネットワークノード760が複数の別個の構成要素(例えば、BTSおよびBSCコンポーネント)を備える特定のシナリオでは、別個の構成要素の1つまたは複数が、いくつかのネットワークノードの間で共有されてもよい。例えば、単一のRNCが複数のノードBを制御してもよい。かかるシナリオでは、ノードBおよびRNCの固有の各対が、場合によっては、単一の別個のネットワークノードと見なされてもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークノード760は、複数の無線アクセス技術(RAT)に対応するように構成されてもよい。かかる実施形態では、いくつかの構成要素が重複してもよく(例えば、異なるRATに対して別個のデバイス可読媒体780)、いくつかの構成要素は再使用されてもよい〈例えば、同じアンテナ762がRATによって共有されてもよい)。ネットワークノード760はまた、例えば、GSM、WCDMA、LTE、NR、WiFi、またはブルートゥース無線技術など、ネットワークノード760に統合された異なる無線技術に関する複数組の様々な図示される構成要素を含んでもよい。これらの無線技術は、同じまたは異なるチップもしくはチップセット、およびネットワークノード760内の他の構成要素に統合されてもよい。
【0050】
処理回路構成770は、ネットワークノードによって提供されるものとして本明細書に記載される、任意の決定、計算、または類似の動作(例えば、特定の取得動作)を実施するように構成される。処理回路構成770によって実施されるこれらの動作は、例えば、取得された情報を他の情報に変換すること、取得された情報または変換された情報をネットワークノードに格納された情報と比較すること、ならびに/あるいは取得された情報または変換された情報に基づいて1つもしくは複数の動作を実施することによって、処理回路構成770によって取得される情報を処理すること、ならびに前記処理の結果として決定を行うことを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークノード760は、図17に関して記載する方法を実施してもよい。
【0051】
処理回路構成770は、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央処理装置、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または他の任意の適切なコンピューティングデバイス、リソース、あるいは単独で、または他のネットワークノード760の構成要素(デバイス可読媒体780、ネットワークノード760の機能性など)と併せて提供するように動作可能な、ハードウェア、ソフトウェア、および/または符号化論理の組み合わせのうち、1つもしくは複数のものの組み合わせを備えてもよい。例えば、処理回路構成770は、デバイス可読媒体780に、または処理回路構成770内のメモリに格納された命令を実行してもよい。かかる機能性は、本明細書で考察する様々な無線の特徴、機能、または利益のいずれかを提供することを含んでもよい。いくつかの実施形態では、処理回路構成770はシステムオンチップ(SOC)を含んでもよい。
【0052】
いくつかの実施形態では、処理回路構成770は、無線周波数(RF)送受信機回路構成772およびベースバンド処理回路構成774の1つまたは複数を含んでもよい。いくつかの実施形態では、無線周波数(RF)送受信機回路構成772およびベースバンド処理回路構成774は、別個のチップ(もしくはチップセット)、ボード、または無線ユニットおよびデジタルユニットなどのユニット上にあってもよい。代替実施形態では、RF送受信機回路構成772およびベースバンド処理回路構成774の一部または全ては、同じチップもしくはチップセット、ボード、またはユニットの上にあってもよい。
【0053】
特定の実施形態では、ネットワークノード、基地局、eNB、または他のかかるネットワークデバイスによって提供されるものとして本明細書に記載する機能性の一部または全ては、デバイス可読媒体780または処理回路構成770内のメモリに格納された命令を実行する、処理回路構成770によって実施されてもよい。代替実施形態では、機能性の一部または全ては、ハードワイヤード方式などで、別個のまたは離散的なデバイス可読媒体に格納された命令を実行することなく、処理回路構成770によって提供されてもよい。それらの実施形態のいずれかにおいて、デバイス可読記憶媒体に格納された命令を実行するか否かにかかわらず、処理回路構成770は、記載される機能性を実施するように構成することができる。かかる機能性によって提供される利益は、処理回路構成770のみに、またはネットワークノード760の他の構成要素に限定されず、ネットワークノード760全体ならびに/あるいはエンドユーザおよび無線ネットワーク全般によって享受される。
【0054】
デバイス可読媒体780は、非限定的に、永続記憶装置、固体メモリ、リモート実装メモリ、磁気媒体、光学媒体、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、大容量記憶媒体(例えば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(例えば、フラッシュドライブ、コンパクトディスク(CD)、もしくはデジタルビデオディスク(DVD))、ならびに/または他の任意の揮発性もしくは不揮発性非一時的デバイス可読および/もしくはコンピュータ実行可能メモリデバイスを含む、処理回路構成770によって使用されてもよい情報、データ、および/もしくは命令を格納する、任意の形態の揮発性または不揮発性コンピュータ可読メモリを含んでもよい。デバイス可読媒体780は、論理、規則、コード、テーブルなどの1つもしくは複数を含むコンピュータプログラム、ソフトウェア、アプリケーションを含む、任意の適切な命令、データ、または情報、あるいは処理回路構成770によって実行され、ネットワークノード760によって利用され得る他の命令を格納してもよい。デバイス可読媒体780は、処理回路構成770によって行われる任意の計算、および/またはインターフェース790を介して受信される任意のデータを格納するのに使用されてもよい。いくつかの実施形態では、処理回路構成770およびデバイス可読記憶媒体780は、統合されたものと見なされてもよい。
【0055】
インターフェース790は、ネットワークノード760、ネットワーク706、および/またはWD 710の間における、シグナリングおよび/またはデータの有線または無線通信で使用される。図示されるように、インターフェース790は、例えば、有線接続を通じてネットワーク706との間でデータを送受信する、ポート/端子794を備える。インターフェース790はまた、アンテナ762に、または特定の実施形態ではその一部に連結されてもよい、無線フロントエンド回路構成792を含む。無線フロントエンド回路構成792はフィルタ798および増幅器796を備える。無線フロントエンド回路構成792はアンテナ762および処理回路構成770に接続されてもよい。無線フロントエンド回路構成は、アンテナ762と処理回路構成770との間で通信される信号を調整するように構成されてもよい。無線フロントエンド回路構成792は、無線接続を介して他のネットワークノードまたはWDに対して送出されるべきである、デジタルデータを受信してもよい。無線フロントエンド回路構成792は、フィルタ798および/または増幅器796の組み合わせを使用して、デジタルデータを、適切なチャネルおよび帯域幅パラメータを有する無線信号へと変換してもよい。無線信号は次に、アンテナ762を介して送信されてもよい。同様に、データを受信するとき、アンテナ762は無線信号を収集してもよく、それらは次に、無線フロントエンド回路構成792によってデジタルデータへと変換される。デジタルデータは処理回路構成770に渡されてもよい。他の実施形態では、インターフェースは、異なる構成要素および/または構成要素の異なる組み合わせを備えてもよい。
【0056】
特定の代替実施形態では、ネットワークノード760は別個の無線フロントエンド回路構成792を含まなくてもよく、代わりに、処理回路構成770は、無線フロントエンド回路構成を備えてもよく、別個の無線フロントエンド回路構成792なしでアンテナ762に接続されてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、RF送受信機回路構成772の全てまたは一部はインターフェース790の一部と見なされてもよい。更に他の実施形態では、インターフェース790は、無線ユニット(図示なし)の一部として、1つもしくは複数のポートまたは端子794、無線フロントエンド回路構成792、およびRF送受信機回路構成772を含んでもよく、インターフェース790は、デジタルユニット(図示なし)の一部である、ベースバンド処理回路構成774と通信してもよい。
【0057】
アンテナ762は、無線信号を送信および/または受信するように構成された、1つもしくは複数のアンテナまたはアンテナアレイを含んでもよい。アンテナ762は、無線フロントエンド回路構成790に連結されてもよく、データおよび/または信号を無線で送受信することができる、任意のタイプのアンテナであってもよい。いくつかの実施形態では、アンテナ762は、例えば、2GHz~66GHzの無線信号を送受信するように動作可能な、1つもしくは複数の全方向性、セクター、またはパネルアンテナを含んでもよい。全方向性アンテナは、任意の方向で無線信号を送受信するのに使用されてもよく、セクターアンテナは、特定のエリア内でデバイスから無線信号を送受信するのに使用されてもよく、パネルアンテナは、比較的直線で無線信号を送受信するのに使用される見通し線アンテナであってもよい。いくつかの例では、1つを超えるアンテナの使用はMIMOと呼ばれることがある。特定の実施形態では、アンテナ762は、ネットワークノード760とは別個であってもよく、インターフェースまたはポートを通してネットワークノード760に接続可能であってもよい。
【0058】
アンテナ762、インターフェース790、および/または処理回路構成770は、ネットワークノードによって実施されるものとして、本明細書に記載するあらゆる受信動作および/または特定の取得動作を実施するように構成されてもよい。あらゆる情報、データ、および/または信号は、無線デバイス、別のネットワークノード、および/または他の任意のネットワーク機器から受信されてもよい。同様に、アンテナ762、インターフェース790、および/または処理回路構成770は、ネットワークノードによって実施されるものとして、本明細書に記載するあらゆる送信動作を実施するように構成されてもよい。あらゆる情報、データ、および/または信号は、無線デバイス、別のネットワークノード、および/または他の任意のネットワーク機器に送信されてもよい。
【0059】
電力回路構成787は、電力管理回路構成を含むかまたはそれに連結されてもよく、ネットワークノード760の構成要素に、本明細書に記載する機能性を実施する電力を供給するように構成される。電力回路構成787は電源786から電力を受信してもよい。電源786および/または電力回路構成787は、それぞれの構成要素に適した形態で(例えば、それぞれの構成要素に必要な電圧および電流レベルで)、ネットワークノード760の様々な構成要素に電力を提供するように構成されてもよい。電源786は、回路構成787および/またはネットワークノード760に含まれるか、あるいはその外部にあってもよい。例えば、ネットワークノード760は、入力回路構成、または電気ケーブルなどのインターフェースを介して、外部電源(例えば、電気コンセント)に接続可能であってもよく、外部電源は電力を電力回路構成787に供給する。更なる例として、電源786は、電力回路構成787に接続されるかまたは統合される、電池もしくは電池パックの形態の電源を含んでもよい。電池は、外部電源が故障した場合のバックアップ電力を提供してもよい。光起電デバイスなど、他のタイプの電源も使用されてもよい。
【0060】
ネットワークノード760の代替実施形態は、本明細書に記載する機能性のいずれか、および/または本明細書に記載する主題に対応するのに必要な任意の機能性を含む、ネットワークノードの機能性の特定の態様を提供することに関与してもよい、図7に示されるものを超える追加の構成要素を含んでもよい。例えば、ネットワークノード760は、情報をネットワークノード760に入力するのを可能にし、情報をネットワークノード760から出力するのを可能にする、ユーザインターフェース機器を含んでもよい。これは、ネットワークノード760に対する診断、保守、修理、および他の管理機能をユーザが実施するのを可能にしてもよい。
【0061】
本明細書で使用するとき、無線デバイス(WD)は、ネットワークノードおよび/または他の無線デバイスと無線で通信することができる、そのように構成されている、そのように配置されている、および/またはそのように動作可能であるデバイスを指す。別段の記述がない限り、WDという用語は、本明細書ではユーザ機器(UE)と交換可能に使用されてもよい。無線通信には、電磁波、電波、赤外線波、および/または無線で情報を伝達するのに適した他のタイプの信号を使用して、無線信号を送信および/または受信することが関与してもよい。いくつかの実施形態では、WDは、直接的な人間の相互作用なしに情報を送信および/または受信するように構成されてもよい。例えば、WDは、内部もしくは外部イベントによって起動されると、またはネットワークからの要求に応答して、所定のスケジュールでネットワークに情報を送信するように設計されてもよい。WDの例としては、スマートフォン、移動電話、携帯電話、VoIP(voice over IP)電話、無線ローカルループ電話、デスクトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、無線カメラ、ゲームコンソールもしくはデバイス、音楽記憶デバイス、再生器具、ウェアラブル端末デバイス、無線エンドポイント、移動局、タブレット、ラップトップ、ラップトップ内蔵機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、スマートデバイス、無線カスタマー構内設備(CPE)、車載型無線端末デバイスなどが挙げられるが、それらに限定されない。WDは、例えば、サイドリンク通信の3GPP規格を実現することによるD2D(device-to-device)通信、V2V(vehicle-to-vehicle)、V2I路車間(vehicle-to-infrastructure)、V2X(vehicle-to-everything)に対応してもよく、この場合、D2D通信デバイスと呼ばれることがある。更に別の特定の例として、IoT(Internet of Things小)のシナリオでは、WDは、監視および/または測定を実施し、かかる監視および/または測定の結果を別のWDおよび/またはネットワークノードに送信する、機械または他のデバイスを表してもよい。WDは、この場合、3GPPの文脈ではMTCデバイスと呼ばれることがある、M2M(machine-to-machine)デバイスであってもよい。1つの特定の例として、WDは、3GPP狭帯域IoT(NB-IoT)規格を実現するUEであってもよい。かかるマシンまたはデバイスの特定の例は、センサ、電力計などの計量デバイス、工業用機械類、家庭用または個人用電気器具(例えば、冷蔵庫、テレビなど)、個人用ウェアラブル(例えば、時計、フィットネストラッカーなど)である。他のシナリオでは、WDは、その動作状態またはその動作と関連付けられた他の機能に関して監視および/または報告することができる、車両用または他の機器を表してもよい。上述したようなWDは、無線接続のエンドポイントを表してもよく、その場合、デバイスは無線端末と呼ばれることがある。更に、上述したようなWDは移動体であってもよく、その場合、移動デバイスまたは移動端末と呼ばれることもある。
【0062】
図示されるように、無線デバイス710は、アンテナ711、インターフェース714、処理回路構成720、デバイス可読媒体730、ユーザインターフェース機器732、補助機器734、電源736、および電力回路構成737を含む。WD 710は、例えば、例を挙げると、GSM、WCDMA、LTE、NR、WiFi、WiMAX、またはブルートゥース無線技術など、WD 710が対応する異なる無線技術に対して、図示される構成要素のうち1つまたは複数のものの複数組を含んでもよい。これらの無線技術は、WD 710内の他の構成要素と同じもしくは異なるチップまたはチップセットに統合されてもよい。いくつかの実施形態では、無線デバイス710は、図10および11に更に示されるユーザ機器であってもよい。いくつかの実施形態では、無線デバイス710は、図18に更に示されるユーザ機器であってもよい。
【0063】
アンテナ711は、無線信号を送信および/または受信するように構成された、1つもしくは複数のアンテナまたはアンテナアレイを含んでもよく、インターフェース714に接続される。特定の代替実施形態では、アンテナ711は、WD 710とは別個であってもよく、インターフェースまたはポートを通してWD 710に接続可能であってもよい。アンテナ711、インターフェース714、および/または処理回路構成720は、WDによって実施されるものとして本明細書に記載される、あらゆる受信または送信動作を実施するように構成されてもよい。あらゆる情報、データ、および/または信号は、ネットワークノードおよび/または別のWDから受信されてもよい。いくつかの実施形態では、無線フロントエンド回路構成および/またはアンテナ711は、インターフェースと見なされてもよい。
【0064】
図示されるように、インターフェース714は無線フロントエンド回路構成712およびアンテナ711を備える。無線フロントエンド回路構成712は、1つまたは複数のフィルタ718および増幅器716を備える。無線フロントエンド回路構成714は、アンテナ711および処理回路構成720に接続され、アンテナ711と処理回路構成720との間で通信される信号を調整するように構成される。無線フロントエンド回路構成712は、アンテナ711に連結されるか、またはその一部であってもよい。いくつかの実施形態では、WD 710は、別個の無線フロントエンド回路構成712を含まなくてもよく、それよりもむしろ、処理回路構成720は、無線フロントエンド回路構成を備えてもよく、アンテナ711に接続されてもよい。同様に、いくつかの実施形態では、RF送受信機回路構成722の全てまたは一部はインターフェース714の一部と見なされてもよい。無線フロントエンド回路構成712は、無線接続を介して他のネットワークノードまたはWDに対して送出されるべきである、デジタルデータを受信してもよい。無線フロントエンド回路構成712は、フィルタ718および/または増幅器716の組み合わせを使用して、デジタルデータを、適切なチャネルおよび帯域幅パラメータを有する無線信号へと変換してもよい。無線信号は次に、アンテナ711を介して送信されてもよい。同様に、データを受信するとき、アンテナ711は無線信号を収集してもよく、それらは次に、無線フロントエンド回路構成712によってデジタルデータへと変換される。デジタルデータは処理回路構成720に渡されてもよい。他の実施形態では、インターフェースは、異なる構成要素および/または構成要素の異なる組み合わせを備えてもよい。
【0065】
処理回路構成720は、マイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、中央処理装置、デジタル信号プロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または他の任意の適切なコンピューティングデバイス、リソース、あるいは単独で、または他のWD 710の構成要素(デバイス可読媒体730、WD 710の機能性など)と併せて提供するように動作可能な、ハードウェア、ソフトウェア、および/または符号化論理の組み合わせのうち、1つもしくは複数のものの組み合わせを備えてもよい。かかる機能性は、本明細書で考察する様々な無線の特徴または利益のいずれかを提供することを含んでもよい。例えば、処理回路構成720は、デバイス可読媒体730に、または処理回路構成720内のメモリに格納された命令を実行して、本明細書に開示する機能性を提供してもよい。
【0066】
図示されるように、処理回路構成720は、RF送受信機回路構成722、ベースバンド処理回路構成724、およびアプリケーション処理回路構成726の1つまたは複数を含む。他の実施形態では、処理回路構成は、異なる構成要素および/または構成要素の異なる組み合わせを備えてもよい。特定の実施形態では、WD 710の処理回路構成720はSOCを備えてもよい。いくつかの実施形態では、RF送受信機回路構成722、ベースバンド処理回路構成724、およびアプリケーション処理回路構成726は、別個のチップまたはチップセット上にあってもよい。代替実施形態では、ベースバンド処理回路構成724およびアプリケーション処理回路構成726の一部または全ては、1つのチップまたはチップセットに組み入れられてもよく、RF送受信機回路構成722は別個のチップまたはチップセット上にあってもよい。更なる代替実施形態では、RF送受信機回路構成722およびベースバンド処理回路構成724の一部または全てが、同じチップまたはチップセット上にあってもよく、アプリケーション処理回路構成726が別個のチップまたはチップセット上にあってもよい。更なる他の代替実施形態では、RF送受信機回路構成722、ベースバンド処理回路構成724、およびアプリケーション処理回路構成726の一部または全てが、同じチップまたはチップセットに組み入れられてもよい。いくつかの実施形態では、RF送受信機回路構成722はインターフェース714の一部であってもよい。RF送受信機回路構成722は、処理回路構成720に対するRF信号を調整してもよい。
【0067】
特定の実施形態では、WDによって実施されるものとして本明細書に記載される機能性の一部または全ては、特定の実施形態ではコンピュータ可読記憶媒体であってもよい、デバイス可読媒体730に格納された命令を処理回路構成720が実行することによって提供されてもよい。代替実施形態では、機能性の一部または全ては、ハードワイヤード方式などで、別個のまたは離散的なデバイス可読記憶媒体に格納された命令を実行することなく、処理回路構成720によって提供されてもよい。これら特定の実施形態のいずれかにおいて、デバイス可読記憶媒体に格納された命令を実行するか否かにかかわらず、処理回路構成720は、記載される機能性を実施するように構成することができる。かかる機能性によって提供される利益は、処理回路構成720のみに、またはWD 710の他の構成要素に限定されず、WD 710全体ならびに/あるいはエンドユーザおよび無線ネットワーク全般によって享受される。
【0068】
処理回路構成720は、WDによって実施されるものとして本明細書に記載される、任意の決定、計算、または類似の動作(例えば、特定の取得動作)を実施するように構成されてもよい。処理回路構成720によって実施されるようなこれらの動作は、例えば、取得された情報を他の情報に変換すること、取得された情報または変換された情報をWD 710によって格納された情報と比較すること、ならびに/あるいは取得された情報または変換された情報に基づいて1つもしくは複数の動作を実施することによって、処理回路構成720によって取得される情報を処理すること、ならびに前記処理の結果として決定を行うことを含んでもよい。いくつかの実施形態では、WD 710は、図16に関して記載される方法を実施してもよい。
【0069】
デバイス可読記憶媒体730は、1つもしくは複数の論理、規則、符号、テーブルなどを含む、コンピュータプログラム、ソフトウェア、アプリケーション、ならびに/あるいは処理回路構成720によって実行することができる他の命令を格納するように動作可能であってもよい。デバイス可読記憶媒体730の例としては、コンピュータメモリ(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)または読出し専用メモリ(ROM))、大容量記憶媒体(例えば、ハードディスク)、リムーバブル記憶媒体(例えば、コンパクトディスク(CD)またはデジタルビデオディスク(DVD))、ならびに/あるいは、処理回路構成720によって使用されてもよい情報、データ、および/または命令を格納する、他の任意の揮発性もしくは不揮発性非一時的デバイス可読および/またはコンピュータ実行可能メモリデバイスを挙げることができる。いくつかの実施形態では、処理回路構成720およびデバイス可読記憶媒体730は、統合されたものと見なされてもよい。
【0070】
ユーザインターフェース機器732は、人間のユーザがWD 710と相互作用することを可能にする構成要素を提供してもよい。かかる相互作用は、視覚、聴覚、触覚など、多くの形態のものであってもよい。ユーザインターフェース機器732は、ユーザに対する出力を生成し、ユーザがWD 710への入力を提供するように動作可能であってもよい。相互作用のタイプは、WD 710にインストールされるユーザインターフェース機器732のタイプに応じて変わってもよい。例えば、WD 710がスマートフォンの場合、相互作用はタッチスクリーンを介してもよく、WD 710がスマートメータの場合、相互作用は、使用(例えば、使用したガロン数)を提供する画面、または(例えば、煙が検出された場合に)可聴警告音を提供するスピーカーを通すものであってもよい。ユーザインターフェース機器732は、入力インターフェース、デバイス、および回路、ならびに出力インターフェース、デバイス、および回路を含んでもよい。ユーザインターフェース機器732は、WD 710への情報の入力を可能にするように構成され、処理回路構成720に接続されて、処理回路構成720が入力情報を処理するのを可能にする。ユーザインターフェース機器732は、例えば、マイクロフォン、近接センサもしくは他のセンサ、キー/ボタン、タッチディスプレイ、1つもしくは複数のカメラ、USBポート、または他の入力回路構成を含んでもよい。ユーザインターフェース機器732はまた、WD 710からの情報の出力を可能にし、処理回路構成720が情報をWD 710から出力するのを可能にするように構成される。ユーザインターフェース機器732は、例えば、スピーカー、ディスプレイ、振動回路構成、USBポート、ヘッドフォンインターフェース、または他の出力回路構成を含んでもよい。ユーザインターフェース機器732の1つまたは複数の入力および出力インターフェース、デバイス、および回路を使用して、WD 710は、エンドユーザおよび/または無線ネットワークと通信し、それらが本明細書に記載する機能性から利益を得ることを可能にしてもよい。
【0071】
補助機器734は、一般にはWDによって実施されないことがある、より具体的な機能性を提供するように動作可能である。これは、様々な目的の測定を行う専用センサ、有線通信などの追加のタイプの通信のためのインターフェースなどを含んでもよい。補助機器734を含むこと、またその構成要素のタイプは、実施形態および/またはシナリオに応じて異なってもよい。
【0072】
電源736は、いくつかの実施形態では、電池または電池パックの形態のものであってもよい。外部電源(例えば、電気コンセント)、光起電デバイス、またはパワーセルなど、他のタイプの電源も使用されてもよい。WD 710は、本明細書に記載または指示される任意の機能性を実施するのに電源736からの電力を必要とするWD 710の様々な部分に、電源736から電力を送達する、電力回路構成737を更に備えてもよい。電力回路構成737は、特定の実施形態では、電力管理回路構成を含んでもよい。電力回路構成737は、それに加えてまたはその代わりに、外部電源から電力を受信するように動作可能であってもよく、その場合、WD 710は、入力回路構成、または電力ケーブルなどのインターフェースを介して、外部電源(電気コンセントなど)に接続可能であってもよい。電力回路構成737はまた、特定の実施形態では、外部電源から電源736に電力を送達するように動作可能であってもよい。これは、例えば、電源736を充電するものであってもよい。電力回路構成737は、電源736からの電力に対して任意のフォーマット化、変換、または他の修正を実施して、電力が供給されるWD 710のそれぞれの構成要素に適した電力にしてもよい。
【0073】
NRに向けて5GCに接続されたLTEに関するセキュリティパラメータのアライメントに関して、EN-DCでは、NR PDCPが使用される場合、LTE RRCに埋め込まれたNR RRC情報要素(IE)によって設定されてもよいことが合意されている。NR PDCPを使用するベアラのセキュリティアルゴリズムは、NR RRC IEを使用して設定される。また、NRアルゴリズム名が使用される。
【0074】
類似の方策は、5GCに接続されたLTEの事例に適合されてもよい。5GCに接続されたLTEに関して、全ての無線ベアラにNR PDCPを使用することが合意されている。これは、ベアラの上位レイヤが、3GPP TS 38.331で指定されるNR RRCを用いて設定されてもよいことを意味する。これはまた、例えば、セキュリティアルゴリズム、ネクストホップ連鎖カウンタ(NCC)、およびNASセキュリティパラメータを含む、これらのベアラのセキュリティ設定を含んでもよい。したがって、5GCに接続されたLTEに対するNR PDCP利用は、LTE RRCに埋め込まれたNR RRC IEを使用して設定されるEN-DCに類似していてもよい。EN-DCと同様に、セキュリティアルゴリズムはまた、NRネーム空間を使用して設定されてもよい。
【0075】
NR RRCを使用するシグナリングアルゴリズムの結果、UEがLTEに接続すると、LTE RRCセキュリティモードコマンド(SMC)手順が実施される。SMC手順は、どのアルゴリズムをシグナリング無線ベアラ1(SRB1)に使用できるかをシグナリングするのに使用される。この時点でSRB1がNR PDCPを使用するので、SMC手順は、NRアルゴリズムを含むように拡張されてもよい。残念ながら、現行のLTE RRCでは、LTE SMCメッセージにおいてアルゴリズムは必須である。したがって、メッセージを大幅に拡張する必要があるか、またはUEがLTEアルゴリズムを無視するかのどちらかであり、あるいは新しいメッセージが規定されてもよい。結論として、5GCに接続されたLTEに対するセキュリティモードコマンドメッセージは、NRセキュリティアルゴリズムを設定することができ、アルゴリズムは、大幅な拡張をLTE RRC SMCに適用するか、この事例に対して新しいRRC SMCを構成するか、または大幅ではない拡張を追加し、5GCに対するLTE UEコネクティビティがLTEアルゴリズムを無視してもよいことを指定するかのいずれかによって、埋め込まれたNR RRC IEとして伝送される。
【0076】
異なるタイプのハンドオーバに対する特定の実施形態では、UEは、ソースRATを適用したソースノードAによってサーブされ、測定値はUEがターゲットノードBにハンドオーバすべきであることを示す。ソースノードAは、UEの能力、およびどのCNを使用しているかに関して、以前の情報を有していることがある点に留意されたい。ソースノードAは、ターゲットノードB、ならびにターゲットノードBがどのRATおよびCNに属しているかを識別する。ソースノードAとターゲットノードBとの間のインターフェースがXnの場合、両方のノードは5GCに対応している。ソースノードAとターゲットノードBとの間のインターフェースがX2のみの場合、ノードのうち少なくとも一方がEPCに対応している。この事例において、ソースRATがNRである場合、ターゲットRATはLTE/EPCであり、あるいはソースRATがLTE/EPCである場合、ターゲットRATはNRである。X2またはXnのどちらにも対応していない場合、CNを介したNGまたはS1のシグナリングが使用される。CNを介したシグナリングは、ターゲットノードBがどのCNに接続されているかを判定するのに使用されてもよい。XnおよびX2両方のインターフェースが同時に存在してもよいことに留意されたい。
【0077】
第1の実施形態では、ターゲットノードBがRAT間システム間、例えばNRとEPCに接続されたLTEとの間である場合、ターゲットノードBは、LTEにおけるRRCConnectionReconfigurationまたはNRにおけるRRCReconfigurationであってもよく、fullconfigフラグが設定された、完全設定のRRC再設定メッセージを作成してもよい。次に、ターゲットノードBは、RRC再設定メッセージをソースノードAに伝送してもよい。
【0078】
ソースノードAは、RRC再設定メッセージを含むMobilityFrom(XX)Command(XXはE-UTRA/NRであってもよい)を伝送してもよい。MobilityFrom(XX)Commandは、ターゲットRATを識別するtargetRATインジケータを含んでもよい。MobilityFrom(XX)Commandは、全ての内容を理解していない場合であっても、ソースノードAにRRC再設定メッセージを伝送させてもよい。
【0079】
UEは、targetRATインジケータを含むMobilityFrom(XX)Commandを受信する。一実施形態では、ターゲットRATがLTEの場合、UEは完全に再設定され、SecurityConfigHOに含まれるレガシー「RAT間」セキュリティ設定を含む、LTE RRC設定であるRRCConnectionReconfigurationが使用される。別の実施形態では、ターゲットRATがNRの場合、UEは、UEが受信しているNRのRRCReconfigurationを介して提供される完全再設定を使用する。
【0080】
第2の実施形態では、ターゲットノードBがRAT間システム内、例えばNRと5GCに接続されたLTEとの間である場合、ターゲットノードBは、LTEにおけるRRCConnectionReconfigurationまたはNRにおけるRRCReconfigurationであってもよい、RRC再設定メッセージを作成してもよい。次に、ターゲットノードBは、RRC再設定メッセージをソースノードAに伝送してもよい。RRC再設定メッセージは、ターゲットRATを考慮して、UEの下位レイヤ(RLC/MAC/PHY)設定を完全に再設定する。しかしながら、UEは、無損失ハンドオーバを可能にするために、上位レイヤ(PDCP/SDAP)設定を保持する。例えば、UEは、上位レイヤに関するプロトコル状態および設定を維持してもよい。この場合、UEで実施される再設定は、完全設定とデルタ設定との間の設定と見なされてもよい。
【0081】
ソースノードAは、targetRATインジケータを含むRRC再設定メッセージを含む、MobilityFrom(XX)Command(XX=E-UTRA/NR)を伝送してもよい。MobilityFrom(XX)Commandは、全ての内容を理解していない場合であっても、ソースノードAにRRCReconfigurationメッセージを伝送させてもよいことに留意されたい。UEは、targetRATインジケータを含むMobilityFrom(XX)Commandを受信する。UEが、MobilityFrom(XX)Command内部でトンネリングされたRRC再設定メッセージを受信すると、これはシステム内ハンドオーバなので、下位プロトコルレイヤ(RLC/MAC/PHY)のみをリセットし、ターゲットRATのPDCPパケットの無損失で順序通りの送達に対応できるように、上位レイヤ(SDAP/PDCP)のプロトコル状態および設定は保持する。UEは、SecurityConfigHOのRAT間セキュリティパラメータは考慮しないが、その代わりに、NR設定に含まれるセキュリティパラメータを使用することに留意されたい。
【0082】
第3の実施形態では、ターゲットノードBがRAT内システム間のものである場合、例えば、EPCに接続されたLTEと5GCに接続されたLTEとの間である。ターゲットノードBは、EPCに接続されたLTEにおけるRRCConnectionReconfiguration、または5GCに接続されたLTEにおけるRRCReconfigurationであってもよい、完全RRC再設定メッセージを作成してもよい。次に、ターゲットノードBは、RRC再設定メッセージをソースノードAに伝送してもよい。
【0083】
ソースノードAは、RRC再設定メッセージを含むMobilityFromEUTRACommandを伝送してもよい。MobilityFromEUTRACommandはまた、targetRATインジケータを含んでもよい。MobilityFromEUTRACommandは、全ての内容を理解していない場合であっても、ソースノードAにRRC再設定メッセージを伝送させてもよいことに留意されたい。
【0084】
UEは、targetRATインジケータE-UTRAを含むMobilityFromEUTRACommandを受信する。ソースおよびターゲットRATは両方ともLTEであるが、それぞれEPCおよび5GCに接続される。E-UTRAに対してセットされたtargetRATインジケータを含むMobilityFromEUTRACommandを使用することは、それがシステム間RAT内ハンドオーバであることを示す。UEは、TR 36.311で指定されるような、完全なRRCConnectionReconfigurationを実施してもよい。
【0085】
UEが5GCに接続されたLTEを使用していた場合、UEは、SecurityConfigHOのRAT間セキュリティパラメータを考慮する。そうでなければ、UEはNR設定に含まれるセキュリティパラメータを考慮する。
【0086】
いくつかの実施形態では、ターゲットノードBがソースネットワークノードに対するRAT内システム間のものである場合、RAT内ハンドオーバのソースノードは、少なくとも1つの処理回路構成と、プロセッサ実行可能命令を格納する少なくとも1つの記憶装置とを含んでもよく、命令は、処理回路構成によって実行されると、ソースノードに、ターゲットノードから、ソースノードに対するRAT内およびシステム間のものであるターゲットノードの特性に基づいた、UEにおいて下位レイヤを再設定するための設定を含む、再設定メッセージを受信させ、UEに対して、再設定メッセージおよびターゲットRATに対するインジケータを含み、ターゲットノードがソースノードに対するRAT内およびシステム間のものであることを示す、コマンドを転送させる。
【0087】
以下は、どのタイプのハンドオーバであるかをUEが判定することができる可能な手段、および対応するUEの挙動を示す、表5である。
【0088】
システム内RAT間ハンドオーバに関する上述の特定の実施形態は、RRC INACTIVE状態でLTEとNRとの間を移動しているUEにも適用可能である。この例では、UEはまた、上位レイヤ(SDAP/PDCP)設定を保持しながら、RATに特異的である下位レイヤ(RLC/MAC/PHY)設定をリセットする。
【0089】
図8は、本明細書に記載する様々な態様による、UEの一実施形態を示している。本明細書で使用するとき、ユーザ機器、即ちUEは、関連デバイスを所有および/または操作する人間のユーザという意味では、必ずしもユーザを有さなくてもよい。代わりに、UEは、人間のユーザに販売するか人間のユーザによって操作されることが意図されるが、特定の人間のユーザと関連付けられないことがある、または最初は関連付けられないことがあるデバイスを表してもよい(例えば、スマートスプリンクラーコントローラ)。あるいは、UEは、エンドユーザに販売するかエンドユーザによって操作されることは意図されないが、ユーザと関連付けられるかまたはユーザの利益のために操作されてもよいデバイスを表してもよい(例えば、スマート電力計)。UE 800は、NB-IoT UE、マシンタイプ通信(MTC)UE、および/または拡張型MTC(eMTC)UEを含む、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって特定される任意のUEであってもよい。図8に示されるようなUE 800は、3GPPのGSM、UMTS、LTE、および/または5G規格など、第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)によって普及される1つまたは複数の通信規格にしたがった通信向けに構成されたWDの一例である。上述したように、WDおよびUEという用語は交換可能に使用されてもよい。したがって、図8はUEであるが、本明細書で考察する構成要素はWDに等しく適用可能であり、その逆もまた真である。
【0090】
図8では、UE 800は、入出力インターフェース805、無線周波数(RF)インターフェース809、ネットワーク接続インターフェース811、メモリ815(ランダムアクセスメモリ(RAM)817、読出し専用メモリ(ROM)819、および記憶媒体821などを含む)、通信サブシステム831、電源833、および/または他の任意の構成要素、あるいはそれらの任意の組み合わせに動作可能に連結された、処理回路構成801を含む。記憶媒体821は、オペレーティングシステム823、アプリケーションプログラム825、およびデータ827を含む。他の実施形態では、記憶媒体821は他の類似のタイプの情報を含んでもよい。特定のUEは、図8に示される構成要素の全て、または構成要素のサブセットのみを利用してもよい。構成要素間の統合レベルはUEごとに異なってもよい。更に、特定のUEは、複数のプロセッサ、メモリ、送受信機、送信機、受信機など、構成要素の複数の例を含んでもよい。
【0091】
図8では、処理回路構成801は、コンピュータ命令およびデータを処理するように構成されてもよい。処理回路構成801は、1つもしくは複数のハードウェア実装状態機械(例えば、離散的な論理、FPGA、ASICなど)、適切なファームウェアを伴うプログラマブル論理、1つもしくは複数の格納されたプログラム、適切なソフトウェアを伴うマイクロプロセッサもしくはデジタル信号プロセッサ(DSP)などの汎用プロセッサ、または上記のものの任意の組み合わせなど、機械可読コンピュータプログラムとしてメモリに格納された機械命令を実行するように動作可能な、任意の連続状態機械を実現するように構成されてもよい。例えば、処理回路構成801は2つの中央処理装置(CPU)を含んでもよい。データは、コンピュータが使用するのに適した形態の情報であってもよい。
【0092】
図示される実施形態では、入出力インターフェース805は、入力デバイス、出力デバイス、または入出力デバイスに対する通信インターフェースを提供するように構成されてもよい。UE 800は、入出力インターフェース805を介して出力デバイスを使用するように構成されてもよい。出力デバイスは、入力デバイスと同じタイプのインターフェースポートを使用してもよい。例えば、UE 800に対する入出力を提供するのに、USBポートが使用されてもよい。出力デバイスは、スピーカー、サウンドカード、ビデオカード、ディスプレイ、モニタ、プリンタ、アクチュエータ、エミッタ、スマートカード、別の出力デバイス、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。UE 800は、入出力インターフェース805を介して入力デバイスを使用して、ユーザがUE 800への情報を捕捉することを可能にするように構成されてもよい。入力デバイスは、タッチセンサ式または存在センサ式ディスプレイ、カメラ(例えば、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、ウェブカメラなど)、マイクロフォン、センサ、マウス、トラックボール、指向性パッド、トラックパッド、スクロールホイール、スマートカードなどを含んでもよい。存在センサ式ディスプレイは、ユーザからの入力を感知する、容量性または抵抗性タッチセンサを含んでもよい。センサは、例えば、加速度計、ジャイロスコープ、傾きセンサ、力センサ、磁力計、光学センサ、近接センサ、別の同様のセンサ、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。例えば、入力デバイスは、加速度計、磁力計、デジタルカメラ、マイクロフォン、および光学センサであってもよい。
【0093】
図8では、RFインターフェース809は、通信インターフェースを、送信機、受信機、およびアンテナなどのRF構成要素に提供するように構成されてもよい。ネットワーク接続インターフェース811は、通信インターフェースをネットワーク843aに提供するように構成されてもよい。ネットワーク843aは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、コンピュータネットワーク、無線ネットワーク、電気通信ネットワーク、他の類似のネットワーク、またはそれらの任意の組み合わせなど、有線および/または無線ネットワークを包含してもよい。例えば、ネットワーク843aはWiFiネットワークを含んでもよい。ネットワーク接続インターフェース811は、イーサネット、TCP/IP、SONET、ATMなど、1つまたは複数の通信プロトコルにしたがって、通信ネットワークを通じて1つもしくは複数の他のデバイスと通信するのに使用される、受信機および送信機インターフェースを含むように構成されてもよい。ネットワーク接続インターフェース811は、通信ネットワークリンク(例えば、光学、電気など)に適切な受信機および送信機の機能性を実現してもよい。送信機および受信機機能は、回路構成要素、ソフトウェア、もしくはファームウェアを共有してもよく、あるいは別個に実現されてもよい。
【0094】
RAM 817は、バス802を介して処理回路構成801にインターフェース接続して、オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム、およびデバイスドライバなどのソフトウェアプログラムを実行する間、データまたはコンピュータ命令を格納またはキャッシングするように構成されてもよい。ROM 819は、コンピュータ命令またはデータを処理回路構成801に提供するように構成されてもよい。例えば、ROM 819は、基本的入出力(I/O)、起動、または不揮発性メモリに格納されたキーボードからのキーストロークの受信など、基本的なシステム機能に対する不変の低レベルシステムコードまたはデータを格納するように構成されてもよい。記憶媒体821は、RAM、ROM、プログラマブル読出し専用メモリ(PROM)、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EPROM)、電気的消去可能プログラマブル読出し専用メモリ(EEPROM)、磁気ディスク、光学ディスク、フロッピーディスク、ハードディスク、取外し可能カートリッジ、またはフラッシュドライブなどのメモリを含むように構成されてもよい。一例では、記憶媒体821は、オペレーティングシステム823、ウェブブラウザアプリケーションなどのアプリケーションプログラム825、ウィジェットもしくはガジェットエンジンまたは別のアプリケーション、およびデータファイル827を含むように構成されてもよい。記憶媒体821は、UE 800が使用するため、多種多様の様々なオペレーティングシステムまたはオペレーティングシステムの組み合わせのいずれかを格納してもよい。
【0095】
記憶媒体821は、独立ディスクの冗長アレイ(RAID)、フロッピーディスクドライブ、フラッシュメモリ、USBフラッシュドライブ、外部ハードディスクドライブ、サムドライブ、ペンドライブ、キードライブ、高密度デジタル多用途ディスク(HD-DVD)光学ディスクドライブ、内部ハードディスクドライブ、ブルーレイ光学ディスクドライブ、ホログラフィックデジタルデータストーレージ(HDDS)光学ディスクドライブ、外部ミニデュアルインラインメモリモジュール(DIMM),同期式動的ランダムアクセスメモリ(SDRAM)、外部マイクロDIMM SDRAM、スマートカードメモリ(加入者識別モジュールもしくはリムーバブルユーザ識別(SIM/RUIM)モジュール)、他のメモリ、またはそれらの任意の組み合わせなど、多数の物理的ドライブユニットを含むように構成されてもよい。記憶媒体821によって、UE 800が、一時的もしくは非一時的メモリ媒体に格納された、コンピュータ実行可能命令、アプリケーションプログラムなどにアクセスするか、データをオフロードするか、またはデータをアップロードすることが可能になってもよい。通信システムを利用するものなどの製品は、デバイス可読媒体を含んでもよい、記憶媒体821の形で有形的に具体化されてもよい。
【0096】
図8では、処理回路構成801は、通信サブシステム831を使用してネットワーク843bと通信するように構成されてもよい。ネットワーク843aおよびネットワーク843bは、同じネットワークまたは異なるネットワークであってもよい。通信サブシステム831は、ネットワーク843bと通信するのに使用される1つまたは複数の送受信機を含むように構成されてもよい。例えば、通信サブシステム831は、IEEE 802.5、CDMA、WCDMA、GSM、LTE、UTRAN、WiMaxなどの1つまたは複数の通信プロトコルにしたがって、別のWD、UE、または無線アクセスネットワーク(RAN)の基地局など、無線通信することができる別のデバイスの1つまたは複数のリモート送受信機と通信するのに使用される、1つまたは複数の送受信機を含むように構成されてもよい。各送受信機は、RANリンクに適した送信機または受信機の機能性(例えば、周波数割当てなど)をそれぞれ実現する、送信機833および/または受信機835を含んでもよい。更に、各送受信機の送信機833および受信機835は、回路構成要素、ソフトウェア、もしくはファームウェアを共有してもよく、あるいは別個に実現されてもよい。
【0097】
図示される実施形態では、通信サブシステム831の通信機能は、データ通信、音声通信、マルチメディア通信、ブルートゥースなどの近距離通信、近接場通信、位置を決定するのに全地球測位システム(GPS)を使用するものなどの位置依存型通信、別の類似の通信機能、またはそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。例えば、通信サブシステム831は、セルラー通信、WiFi通信、ブルートゥース通信、およびGPS通信を含んでもよい。ネットワーク843bは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、コンピュータネットワーク、無線ネットワーク、電気通信ネットワーク、別の類似のネットワーク、またはそれらの任意の組み合わせなど、有線および/または無線ネットワークを包含してもよい。例えば、ネットワーク843bは、セルラーネットワーク、WiFiネットワーク、および/または近接場ネットワークであってもよい。電源813は、交流(AC)または直流(DC)電力をUE 800の構成要素に提供するように構成されてもよい。
【0098】
本明細書に記載する特徴、利益、および/または機能は、UE 800の構成要素の1つで実現されてもよく、またはUE 800の複数の構成要素にわたって分割されてもよい。更に、本明細書に記載する特徴、利益、および/または機能は、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェアの任意の組み合わせで実現されてもよい。一例では、通信サブシステム831は、本明細書に記載する構成要素のいずれかを含むように構成されてもよい。更に、処理回路構成801は、バス802を通じてかかる構成要素のいずれかと通信するように構成されてもよい。別の例では、かかる構成要素のいずれかは、処理回路構成801によって実行されると、本明細書に記載される対応する機能を実施する、メモリに格納されたプログラム命令によって表されてもよい。別の例では、かかる構成要素のいずれかの機能性は、処理回路構成801と通信サブシステム831との間で分割されてもよい。別の例では、かかる構成要素のいずれかの非コンピュータ集約的機能は、ソフトウェアまたはファームウェアの形で実現されてもよく、コンピュータ集約的機能はハードウェアの形で実現されてもよい。
【0099】
図9は、特定の実施形態による、仮想化環境の一例を示している。図9は、いくつかの実施形態によって実現される機能が仮想化されてもよい、仮想化環境900を示す概略ブロック図である。この文脈では、仮想化とは、ハードウェアプラットフォーム、記憶デバイス、およびネットワーキングリソースを仮想化することを含んでもよい、装置またはデバイスを仮想化したものを作成することを意味する。本明細書で使用するとき、仮想化は、ノード(例えば、仮想化基地局もしくは仮想化無線アクセスノード)、あるいはデバイス(例えば、UE、無線デバイス、もしくは他の任意のタイプの通信デバイス)またはその構成要素に適用することができ、機能性の少なくとも一部分が(例えば、1つまたは複数のネットワークにおいて1つまたは複数の物理的処理ノードで実行する、1つもしくは複数のアプリケーション、コンポーネント、機能、仮想機械、またはコンテナを介して)1つまたは複数の仮想構成要素として実現される実現例に関する。
【0100】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載する機能の一部または全ては、1つまたは複数のハードウェアノード930がホストする1つまたは複数の仮想環境900において実現される、1つまたは複数の仮想機械によって実行される仮想構成要素として実現されてもよい。更に、仮想ノードが無線アクセスノードではなく、無線接続性(例えば、コアネットワークノード)を要しない実施形態では、ネットワークノードは全体的に仮想化されてもよい。
【0101】
機能は、本明細書に開示する実施形態のうちいくつかの特徴、機能、および/または利益の一部を実現するように動作する、1つまたは複数のアプリケーション920(あるいは、ソフトウェアインスタンス、仮想アプライアンス、ネットワーク機能、仮想ノード、仮想ネットワーク機能などと呼ばれることがある)によって実現されてもよい。アプリケーション920は、処理回路構成960およびメモリ990を備えるハードウェア930を提供する仮想化環境900で稼動する。メモリ990は、処理回路構成960によって実行可能な命令995を含み、それによってアプリケーション920は、本明細書に開示する特徴、利益、および/または機能の1つもしくは複数を提供するように動作する。
【0102】
仮想化環境900は、商用オフザシェルフ(COTS)プロセッサ、専用特定用途向け集積回路(ASIC)、あるいはデジタルもしくはアナログハードウェア構成要素または専用プロセッサを含む他の任意のタイプの処理回路構成であってもよい、1つもしくは複数のプロセッサまたは処理回路構成960のセットを備える、汎用または専用ネットワークハードウェアデバイス930を備える。各ハードウェアデバイスは、処理回路構成960によって実行される命令995またはソフトウェアを一時的に格納する非永続的メモリであってもよい、メモリ990-1を備えてもよい。各ハードウェアデバイスは、物理的ネットワークインターフェース980を含む、ネットワークインターフェースカードとしても知られる、1つまたは複数のネットワークインターフェースコントローラ(NIC)970を備えてもよい。各ハードウェアデバイスはまた、処理回路構成960によって実行可能なソフトウェア995および/または命令が格納された、非一時的な永続的機械可読記憶媒体990-2を含んでもよい。ソフトウェア995は、1つまたは複数の仮想化レイヤ950(ハイパーバイザーとも呼ばれる)をインスタンス化するソフトウェア、仮想機械940を実行するソフトウェア、ならびに本明細書に記載するいくつかの実施形態に関連して記載される機能、特徴、および/または利益を実行することを可能にするソフトウェアを含む、任意のタイプのソフトウェアを含んでもよい。
【0103】
仮想機械940は、仮想処理、仮想メモリ、仮想ネットワーキングまたはインターフェース、および仮想記憶装置を含み、対応する仮想化レイヤ950またはハイパーバイザーによって稼動してもよい。仮想アプライアンス920のインスタンスの異なる実施形態は、仮想機械940の1つまたは複数で実現されてもよく、実現は異なる形で行われてもよい。
【0104】
動作中、処理回路構成960は、場合によっては仮想機械モニタ(VMM)と呼ばれることがある、ハイパーバイザーまたは仮想化レイヤ950をインスタンス化するソフトウェア995を実行する。仮想化レイヤ950は、仮想機械940に対するネットワーキングハードウェアのように見える、仮想オペレーティングプラットフォームを提供してもよい。
【0105】
図9に示されるように、ハードウェア930は、一般または特定構成要素を備えた独立型ネットワークノードであってもよい。ハードウェア930は、アンテナ9225を備えてもよく、仮想化によって一部の機能を実現してもよい。あるいは、ハードウェア930は、多くのハードウェアノードが共に働き、中でも特にアプリケーション920のライフサイクル管理を監督する、管理およびオーケストレーション(MANO)9100を介して管理される、ハードウェアの(例えば、データセンタもしくはカスタマー構内設備(CPE)における)より大きいクラスタの一部であってもよい。
【0106】
ハードウェアの仮想化は、文脈によっては、ネットワーク機能仮想化(NFV)と呼ばれる。NFVは、多くのネットワーク機器タイプを、業界標準の大容量サーバハードウェア、物理的スイッチ、ならびにデータセンタおよびカスタマー構内設備に位置することができる物理的記憶装置上へと統合するのに使用されてもよい。
【0107】
NFVの文脈では、仮想機械940は、物理的な非仮想化機械で実行しているかのようにプログラムを走らせる、物理的機械のソフトウェア実現例であってもよい。各仮想機械940、およびその仮想機械を実行するハードウェア930の部分は、その仮想機械専用のハードウェアであり、ならびに/あるいはその仮想機械と他の仮想機械940とで共有されるハードウェアは、別個の仮想ネットワーク要素(VNE)を形成する。
【0108】
やはりNFVの文脈では、仮想ネットワーク機能(VNF)は、ハードウェアネットワーキングインフラストラクチャ930の最上位にある1つまたは複数の仮想機械940で稼動する特定のネットワーク機能の取り扱いに関与し、図9のアプリケーション920に相当する。
【0109】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の送信機9220および1つまたは複数の受信機9210をそれぞれ含む、1つまたは複数の無線ユニット9200は、1つまたは複数のアンテナ9225に結合されてもよい。無線ユニット9200は、1つまたは複数の適切なネットワークインターフェースを介してハードウェアノード930と直接通信してもよく、仮想ノードに無線アクセスノードまたは基地局などの無線能力を提供する、仮想構成要素との組み合わせで使用されてもよい。
【0110】
いくつかの実施形態では、一部のシグナリングは、ハードウェアノード930と無線ユニット9200との間の通信に代わりに使用されてもよい、制御システム9230を使用することによって実施することができる。
【0111】
図10は、いくつかの実施形態による、中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続される電気通信ネットワークの一例を示している。図10を参照すると、一実施形態によれば、通信システムは、無線アクセスネットワークなどのアクセスネットワーク1011とコアネットワーク1014とを含む、3GPPタイプのセルラーネットワークなどの電気通信ネットワーク1010を含む。アクセスネットワーク1011は、対応するカバレッジエリア1013a、1013b、1013cをそれぞれ規定する、NB、eNB、gNB、または他のタイプの無線アクセスポイントなど、複数の基地局1012a、1012b、1012cを備える。特定の実施形態では、複数の基地局1012a、1012b、1012cは、図19に関して記載するようなネットワークノードの機能性を実施してもよい。各基地局1012a、1012b、1012cは、有線または無線接続1015を通じてコアネットワーク1014に接続可能である。カバレッジエリア1013cに位置する第1のUE 1091は、対応する基地局1012cに無線接続するように、またはそれによってページングされるように構成される。カバレッジエリア1013aの第2のUE 1092は、対応する基地局1012aに無線接続可能である。この例では複数のUE 1091、1092が示されているが、開示される実施形態は、単一のUEがカバレッジエリアにあるか、または単一のUEが対応する基地局1012に接続している状況に等しく適用可能である。
【0112】
電気通信ネットワーク1010自体は、スタンドアロンサーバ、クラウド実装サーバ、分散サーバのハードウェアおよび/またはソフトウェアの形で、あるいはサーバファームの処理リソースとして具体化されてもよい、ホストコンピュータ1030に接続される。ホストコンピュータ1030は、サービスプロバイダの所有もしくは制御下にあってもよく、またはサービスプロバイダによって、もしくはサービスプロバイダに代わって操作されてもよい。電気通信ネットワーク1010とホストコンピュータ1030との間の接続1021および1022は、コアネットワーク1014からホストコンピュータ1030まで直接延在してもよく、または任意の中間ネットワーク1020を介して通ってもよい。中間ネットワーク1020は、公衆、私設、もしくはホストされたネットワークの1つ、または1つを超えるものの組み合わせであってもよく、中間ネットワーク1020がある場合、バックボーンネットワークまたはインターネットであってもよく、中間ネットワーク1020は、2つ以上のサブネットワーク(図示なし)を含んでもよい。
【0113】
図10の通信システム全体は、接続されたUE 1091、1092とホストコンピュータ1030との間の接続性を可能にする。接続性は、オーバーザトップ(OTT)接続1050として説明されてもよい。ホストコンピュータ1030および接続されたUE 1091、1092は、アクセスネットワーク1011、コアネットワーク1014、任意の中間ネットワーク1020、および場合によっては仲介物としての更なるインフラストラクチャ(図示なし)を使用して、OTT接続1050を介してデータおよび/またはシグナリングを通信するように構成される。OTT接続1050は、OTT接続1150が通っている関与する通信デバイスが、アップリンクおよびダウンリンク通信の経路指定を意識していないという意味で透過である。例えば、基地局1012は、ホストコンピュータ1030からのデータが接続されたUE 1091に転送される(例えば、ハンドオーバーされる)、入ってくる通信の過去の経路指定に関して通知されなくてもよいか、または通知される必要がない。同様に、基地局1012は、UE 1091からホストコンピュータ1030に向かう、出て行くアップリンク通信の今後の経路指定を意識する必要はない。
【0114】
図11は、いくつかの実施形態による、部分無線接続を通じて基地局を介してユーザ機器と通信しているホストコンピュータの一例を示している。次に、一実施形態による、上述のパラグラフで考察したUE、基地局およびホストコンピュータの例示の実現例について、図11を参照して記載する。通信システム1100では、ホストコンピュータ1110は、通信システム1100の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線または無線接続を設定し維持するように構成された、通信インターフェース1116を含むハードウェア1115を備える。ホストコンピュータ1110は、記憶および/または処理能力を有してもよい、処理回路構成1118を更に備える。特に、処理回路構成1118は、1つもしくは複数のプラグラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または命令を実行するように適合されたこれらの組み合わせ(図示なし)を含んでもよい。ホストコンピュータ1110は、ホストコンピュータ1110に格納されるかそれによってアクセス可能であり、処理回路構成1118によって実行可能である、ソフトウェア1111を更に備える。ソフトウェア1111はホストアプリケーション1112を含む。ホストアプリケーション1112は、UE 1130およびホストコンピュータ1110で終端するOTT接続1150を介して接続するUE 1130などのリモートユーザに、サービスを提供するように動作可能であってもよい。サービスをリモートユーザに提供する際、ホストアプリケーション1112は、OTT接続1150を使用して送信されるユーザデータを提供してもよい。
【0115】
通信システム1100は、電気通信システムに提供され、ホストコンピュータ1110およびUE 1130と通信できるようにするハードウェア1125を備える、基地局1120を更に含む。特定の実施形態では、基地局1120は、図19に示されるネットワークノードであってもよい。特定の実施形態では、UE 1130は、図18に示されるユーザ機器であってもよい。ハードウェア1125は、通信システム1100の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線または無線接続を設定し維持する通信インターフェース1126、ならびに基地局1120がサーブするカバレッジエリア(図11には図示なし)に位置するUE 1130との少なくとも無線接続1170を設定し維持する無線インターフェース1127を含んでもよい。通信インターフェース1126は、ホストコンピュータ1110への接続1160を容易にするように構成されてもよい。接続1160は、直接であってもよく、または電気通信システムのコアネットワーク(図11には図示なし)、および/または電気通信システム外の1つもしくは複数の中間ネットワークを通過してもよい。図示される実施形態では、基地局1120のハードウェア1125は、1つもしくは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または命令を実行するように適合されたこれらのものの組み合わせ(図示なし)を含んでもよい、処理回路構成1128を更に含む。別の実施形態では、基地局1120のハードウェア1125は、図17に更に示される方法を実施する別の処理回路構成を更に含む。基地局1120は、内部に格納されるかまたは外部接続を介してアクセス可能な、ソフトウェア1121を更に有する。
【0116】
通信システム1100は、既に言及したUE 1130を更に含む。そのハードウェア1135は、UE 1130が現在位置しているカバレッジエリアにサーブする基地局との無線接続1170を設定し維持するように設定された、無線インターフェース1137を含んでもよい。UE 1130のハードウェア1135は、1つもしくは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、または命令を実行するように適合されたこれらのものの組み合わせ(図示なし)を含んでもよい、処理回路構成1138を更に含む。UE 1130は、UE 1130に格納されるかまたはUE 1130によってアクセス可能であり、処理回路構成1138によって実行可能である、ソフトウェア1131を更に含む。ソフトウェア1131はクライアントアプリケーション1132を含む。クライアントアプリケーション1132は、ホストコンピュータ1110を利用してUE 1130を介して人間または人間以外のユーザにサービスを提供するように動作可能であってもよい。ホストコンピュータ1110では、実行中のホストアプリケーション1112は、UE 1130およびホストコンピュータ1110で終端するOTT接続1150を介して、実行中のクライアントアプリケーション1132と通信してもよい。サービスをユーザに提供する際、クライアントアプリケーション1132は、要求データをホストアプリケーション1112から受信し、要求データに応答してユーザデータを提供してもよい。OTT接続1150は、要求データおよびユーザデータの両方を転送してもよい。クライアントアプリケーション1132は、ユーザと相互作用して、提供するユーザデータを生成してもよい。
【0117】
図11に示されるホストコンピュータ1110、基地局1120、およびUE 1130はそれぞれ、図10のホストコンピュータ1030、基地局1012a、1012b、1012cの1つ、およびUE 1091、1092の1つと同様または同一であってもよいことが注目される。つまり、これらのエンティティの内部仕事は図11に示されるようなものであってもよく、また独立して、周囲のネットワークトポロジーは図10のものであってもよい。
【0118】
図11では、OTT接続1150は、仲介デバイスおよびそれらのデバイスを介したメッセージの正確な経路指定に明示的に言及することなく、基地局1120を介したホストコンピュータ1110とUE 1130との間の通信を示すため、抽象的に描かれている。ネットワークインフラストラクチャは、UE 1130から、またはホストコンピュータ1110を動作させるサービスプロバイダから、または両方から隠れるように構成されてもよい、経路指定を決定してもよい。OTT接続1150がアクティブである間、ネットワークインフラストラクチャは更に、(例えば、ネットワークのロードバランシングの考慮または再構成に基づいて)経路指定を動的に変更する決定を行ってもよい。
【0119】
UE 1130と基地局1120との間の無線接続1170は、本開示を通して記載される実施形態の教示にしたがっている。様々な実施形態の1つまたは複数は、無線接続1170が最後のセグメントを形成するOTT接続1150を使用してUE 1130に提供される、OTTサービスの性能を改善する。より正確には、これらの実施形態の教示は、送信バッファにおける冗長データの処理を改善し、それによって、無線リソース使用の効率改善(例えば、冗長データを送信しない)、ならびに新しいデータの受信における遅延の低減(例えば、バッファの冗長データを除去することによって、新しいデータをより早く送信することができる)などの利益を提供してもよい。
【0120】
測定手順は、データ転送率、レイテンシ、および1つまたは複数の実施形態を改善する際の他の因子を監視する目的のために提供されてもよい。更に、測定結果の変動に応答して、ホストコンピュータ1110とUE 1130との間でOTT接続1150を再構成する任意のネットワーク機能性があってもよい。測定手順、および/またはOTT接続1150を再構成するネットワーク機能性は、ホストコンピュータ1110のソフトウェア1111およびハードウェア1115の形、またはUE 1130のソフトウェア1131およびハードウェア1135の形で、または両方で実現されてもよい。実施形態では、センサ(図示なし)は、OTT接続1150が通過する通信デバイスにおいて、またはそれと関連して展開されてもよく、センサは、上記に例示した監視量の値を供給することによって、または監視量を計算もしくは推定するのにソフトウェア1111、1131が用いる他の物理的量の値を供給することによって、測定手順に関与してもよい。OTT接続1150の再構成は、メッセージ形式、再送信設定、好ましい経路指定などを含んでもよく、再構成は、基地局1120に必ずしも影響を及ぼさなくてもよく、基地局1120にとって未知または認識不能であってもよい。かかる手順および機能性は、当該分野において知られており実践されていることがある。特定の実施形態では、測定には、ホストコンピュータ1110がスループット、伝播時間、レイテンシなどを測定するのを容易にする、所有UEシグナリングが関与してもよい。測定は、伝播時間、エラーなどを監視している状態のOTT接続1150を使用して、ソフトウェア1111および1131によってメッセージが、特に空または「ダミー」メッセージが送信されるという点で実現されてもよい。
【0121】
図12は、特定の実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実現される方法の一例を示している。より具体的には、図12は、一実施形態による、通信システムにおいて実現される方法を示すフローチャートである。通信システムは、図10および11を参照して記載したものであってもよい、ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示を簡潔にするため、図12に対する参照のみを本セクションに含める。ステップ1210で、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。ステップ1210のサブステップ1211(任意であってもよい)で、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。ステップ1220で、ホストコンピュータは、ユーザデータをUEに伝達する送信を開始する。ステップ1230(任意であってもよい)で、基地局は、本開示全体を通して記載する実施形態の教示にしたがって、ホストコンピュータが開始した送信によって伝達されたユーザデータをUEに送信する。ステップ1240(やはり任意であってもよい)で、UEは、ホストコンピュータが実行したホストアプリケーションと関連付けられたクライアントアプリケーションを実行する。
【0122】
図13は、いくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実現される方法の一例を示している。より具体的には、図13は、一実施形態による、通信システムにおいて実現される方法を示すフローチャートである。通信システムは、図10および11を参照して記載したものであってもよい、ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示を簡潔にするため、図13に対する参照のみを本セクションに含める。方法のステップ1310で、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。任意のサブステップ(図示なし)で、ホストコンピュータは、ホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。ステップ1320で、ホストコンピュータは、ユーザデータをUEに伝達する送信を開始する。本開示を通して記載される実施形態の教示にしたがって、送信は基地局を介してもよい。ステップ1330(任意であってもよい)で、UEは送信で伝達されるユーザデータを受信する。
【0123】
図14は、いくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実現される方法の別の更なる一例を示している。より具体的には、図14は、一実施形態による、通信システムにおいて実現される方法を示すフローチャートである。通信システムは、図10および11を参照して記載したものであってもよい、ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示を簡潔にするため、図14に対する参照のみを本セクションに含める。ステップ1410(任意であってもよい)で、UEはホストコンピュータによって提供される入力データを受信する。それに加えて、またはその代わりに、ステップ1420で、UEはユーザデータを提供する。ステップ1420のサブステップ1421(任意であってもよい)で、UEは、クライアントアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。ステップ1410のサブステップ1411(任意であってもよい)で、UEは、ホストコンピュータが提供した受信入力データに反応してユーザデータを提供する、クライアントアプリケーションを実行する。ユーザデータを提供する際、実行されたクライアントアプリケーションは、ユーザから受信するユーザ入力を更に考慮してもよい。ユーザデータが提供された特定の方式にかかわらず、UEは、サブステップ1430(任意であってもよい)で、ホストコンピュータへのユーザデータの送信を開始する。方法のステップ1440で、ホストコンピュータは、本開示を通して記載される実施形態の教示にしたがって、UEから送信されたユーザデータを受信する。
【0124】
図15は、いくつかの実施形態による、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実現される方法の別の一例を示している。より具体的には、図15は、一実施形態による、通信システムにおいて実現される方法を示すフローチャートである。通信システムは、図10および11を参照して記載したものであってもよい、ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示を簡潔にするため、図15に対する参照のみを本セクションに含める。ステップ1510(任意であってもよい)で、本開示を通して記載される実施形態の教示にしたがって、基地局はユーザデータをUEから受信する。ステップ1520(任意であってもよい)で、基地局は、ホストコンピュータに対する受信したユーザデータの送信を開始する。ステップ1530(任意であってもよい)で、ホストコンピュータは、基地局が開始した送信で伝達されるユーザデータを受信する。
【0125】
本明細書に開示する任意の適切なステップ、方法、特徴、機能、または利益は、1つまたは複数の仮想装置の1つまたは複数の機能的ユニットまたはモジュールによって実施されてもよい。各仮想装置は多数のこれらの機能的ユニットを備えてもよい。これらの機能的ユニットは、1つもしくは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでもよい処理回路構成、ならびにデジタル信号プロセッサ(DSP)、専用デジタル論理などを含んでもよい、他のデジタルハードウェアによって実現されてもよい。処理回路構成は、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、キャッシュメモリ、フラッシュメモリドライブ、光学記憶デバイスなど、1つまたは複数のタイプのメモリを含んでもよい、メモリに格納されたプログラムコードを実行するように構成されてもよい。メモリに格納されたプログラムコードとしては、1つもしくは複数の電気通信および/またはデータ通信プロトコルを実行するプログラム命令、ならびに本明細書に記載される技術の1つもしくは複数を実施する命令が挙げられる。いくつかの実現例では、処理回路構成は、本開示の1つまたは複数の実施形態による対応する機能をそれぞれの機能的ユニットに実施させるのに使用されてもよい。
【0126】
図16は、特定の実施形態による、ネットワークノードにおける方法のフロー図である。方法1600は、ステップ1610で始まり、UEが、再設定メッセージおよびRATインジケータを含むコマンドをソースノードから受信する。いくつかの実施形態では、再設定メッセージは、ハンドオーバのタイプに基づいて、ターゲットノードによって作成されてもよい。いくつかの実施形態では、再設定メッセージはターゲットノードの特性に基づいてもよい。一実施形態では、ハンドオーバはRAT間およびシステム内のものであってもよい。いくつかの実施形態では、RATインジケータはターゲットノードのRATを識別してもよい。一実施形態では、ソースノードは5GCに接続されたLTEであってもよく、ターゲットノードはNRであってもよい。別の実施形態では、ソースノードはNRであってもよく、ターゲットノードは5GCに接続されたLTEであってもよい。いくつかの実施形態では、ターゲットノードがNRのとき、再設定メッセージはNRパラメータを含むRRCReconfigurationを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ターゲットノードが5GCに接続されたLTEのとき、再設定メッセージはLTEパラメータを含むRRCConnectionReconfigurationを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ターゲットノードが5GCに接続されたLTEのとき、コマンドはMobilityFromEUTRACommandである。いくつかの実施形態では、ターゲットノードがNRのとき、コマンドはMobilityFromNRCommandである。ステップ1620で、UEは、再設定メッセージに基づいて下位レイヤの設定を再設定する。いくつかの実施形態では、下位レイヤはRLC、MAC、および/またはPHYを含んでもよい。
【0127】
ステップ1630で、UEは、再設定メッセージに基づいて上位レイヤの設定を保持する。例えば、UEは上位レイヤの設定を維持してもよい。いくつかの実施形態では、上位レイヤの設定は、SDAPおよび/またはPDCPに関するプロトコル状態および設定を含んでもよい。いくつかの実施形態では、上位レイヤに関する設定を保持することは、設定の一部分を維持し、設定の残りの部分を修正することを含んでもよい。
【0128】
ステップ1640で、UEは、セキュリティ設定を設定するのに使用されるシステム内セキュリティコンテナに基づいて、セキュリティ設定を設定する。いくつかの実施形態では、システム内セキュリティに含まれるセキュリティパラメータは、NRと5GCに接続されたLTEとの両方で使用されてもよい。
【0129】
図17は、特定の実施形態による、ネットワークノードにおける方法のフロー図である。方法1700は、ステップ1710で始まり、ターゲットネットワークノードが識別情報をソースノードから受信する。いくつかの実施形態では、識別情報は、ターゲットノードがソースノードに対するRAT間およびシステム内のものであることを示してもよい。
【0130】
ステップ1720で、ターゲットノードは、ターゲットノードがソースノードに対するRAT間およびシステム内のものであることに基づいて、再設定メッセージを作成する。いくつかの実施形態では、再設定メッセージはターゲットノードの特性に基づいてもよい。いくつかの実施形態では、再設定メッセージは、ユーザ機器において下位レイヤを再設定するための設定を含んでもよい。いくつかの実施形態では、再設定メッセージは、上位レイヤに関するプロトコル状態および設定を保持することを更に示してもよい。例えば、再設定メッセージは、上位レイヤに関するプロトコル状態および設定を維持することを示してもよい。いくつかの実施形態では、再設定メッセージは、ハンドオーバのタイプに基づいて、ターゲットノードによって作成されてもよい。一実施形態では、ソースノードは5GCに接続されたLTEであってもよく、ターゲットノードはNRであってもよい。別の実施形態では、ソースノードはNRであってもよく、ターゲットノードは5GCに接続されたLTEであってもよい。いくつかの実施形態では、ターゲットノードがNRのとき、再設定メッセージはNRパラメータを含むRRCReconfigurationを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ターゲットノードが5GCに接続されたLTEのとき、再設定メッセージはLTEパラメータを含むRRCConnectionReconfigurationを含んでもよい。いくつかの実施形態では、再設定メッセージは、セキュリティ設定を設定するのに使用されるシステム内セキュリティコンテナを含んでもよい。いくつかの実施形態では、下位レイヤを再設定する設定は、RLC、MAC、およびPHYのうち少なくとも1つに関する設定を含んでもよい。いくつかの実施形態では、上位レイヤはSDAPおよび/またはPDCPを含んでもよい。いくつかの実施形態では、再設定メッセージは、上位レイヤに関する設定を更に含んでもよく、上位レイヤに関する設定は、設定の一部分を維持し、設定の残りの部分を修正するためのものである。
【0131】
ステップ1730で、ターゲットノードは、再設定メッセージをソースノードに伝送して、再設定メッセージをUEに転送する。
【0132】
図18は、特定の実施形態による例示のユーザ機器の概略ブロック図である。ユーザ機器1800は、無線ネットワークで、例えば図7に示される無線ネットワーク706で使用されてもよい。特定の実施形態では、ユーザ機器1800は、図7に示される無線デバイス710に実装されてもよい。ユーザ機器1800は、図16を参照して記載した例示の方法、および場合によっては本明細書に開示する他の任意のプロセスまたは方法を実施するように動作可能である。また、図16の方法は必ずしもユーザ機器1800のみによって実施されなくてもよいことが理解されるべきである。方法の少なくともいくつかの動作は、1つまたは複数の他のエンティティによって実施することができる。
【0133】
ユーザ機器1800は、1つもしくは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでもよい処理回路構成、ならびにデジタル信号プロセッサ(DSP)、専用デジタル論理など含んでもよい、他のデジタルハードウェアを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ機器1800の処理回路構成は、図7に示される処理回路構成720であってもよい。いくつかの実施形態では、ユーザ機器1800の処理回路構成は、図8に示されるプロセッサ801であってもよい。処理回路構成は、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリ、フラッシュメモリデバイス、光学記憶デバイスなど、1つまたは複数のタイプのメモリを含んでもよい、図8に示されるメモリ815に格納されたプログラムコードを実行するように設定されてもよい。メモリに格納されたプログラムコードとしては、1つもしくは複数の電気通信および/またはデータ通信プロトコルを実行するプログラム命令、ならびにいくつかの実施形態において本明細書に記載される技術の1つもしくは複数を実施する命令が挙げられる。いくつかの実現例では、処理回路構成は、ユーザ機器1800の受信ユニット1810、再設定ユニット1820、保持ユニット1830、設定ユニット1840、および他の任意の適切なユニットに、送信機、受信機、およびプロセッサなど、本開示の1つまたは複数の実施形態による、対応する機能を実施させるのに使用されてもよい。
【0134】
図18に示されるように、ユーザ機器1800は、受信ユニット1810と、再設定ユニット1820と、保持ユニット1830と、設定ユニット1840とを含む。受信ユニット1810は、再設定メッセージおよびRATインジケータを含むコマンドをソースノードから受信するように設定されてもよい。いくつかの実施形態では、再設定メッセージは、ハンドオーバのタイプに基づいて、ターゲットノードによって作成されてもよい。いくつかの実施形態では、再設定メッセージはターゲットノードの特性に基づいてもよい。一実施形態では、ハンドオーバはRAT間およびシステム内のものであってもよい。いくつかの実施形態では、RATインジケータはターゲットノードのRATを識別してもよい。一実施形態では、ソースノードは5GCに接続されたLTEであってもよく、ターゲットノードはNRであってもよい。別の実施形態では、ソースノードはNRであってもよく、ターゲットノードは5GCに接続されたLTEであってもよい。いくつかの実施形態では、ターゲットノードがNRのとき、再設定メッセージはNRパラメータを含むRRCReconfigurationを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ターゲットノードが5GCに接続されたLTEのとき、再設定メッセージはLTEパラメータを含むRRCConnectionReconfigurationを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ターゲットノードが5GCに接続されたLTEのとき、コマンドはMobilityFromEUTRACommandである。いくつかの実施形態では、ターゲットノードがNRのとき、コマンドはMobilityFromNRCommandである。
【0135】
再設定ユニット1820は、再設定メッセージに基づいて、下位レイヤの設定を再設定するように設定されてもよい。いくつかの実施形態では、下位レイヤはRLC、MAC、および/またはPHYを含んでもよい。
【0136】
保持ユニット1830は、再設定メッセージに基づいて、上位レイヤの設定を保持するように設定されてもよい。例えば、保持ユニット1830は上位レイヤの設定を維持してもよい。いくつかの実施形態では、上位レイヤの設定は、SDAPおよび/またはPDCPに関するプロトコル状態および設定を含んでもよい。いくつかの実施形態では、保持ユニット1830は、設定の一部分を維持し、設定の残りの部分を修正することによって、上位レイヤの設定を保持してもよい。
【0137】
設定ユニット1840は、セキュリティ設定を設定するのに使用されるシステム内セキュリティコンテナに基づいて、セキュリティ設定を設定するように設定されてもよい。いくつかの実施形態では、システム内セキュリティに含まれるセキュリティパラメータは、NRと5GCに接続されたLTEとの両方で使用されてもよい。
【0138】
図19は、特定の実施形態による、例示のネットワークノードを示す概略ブロック図である。ネットワークノード1900は、無線ネットワーク(例えば、図7に示される無線ネットワーク)で使用されてもよい。ネットワークノード1900は、無線デバイス(例えば、図7に示されるネットワークノード760)で実現されてもよい。ネットワークノード1600は、図17を参照して記載される例示の方法、および場合によっては本明細書に開示される他の任意のプロセスまたは方法を実施するように動作可能である。また、図17の方法は必ずしもネットワークノード1900のみによって実施されなくてもよいことが理解されるべきである。方法の少なくともいくつかの動作は、1つまたは複数の他のエンティティによって実施することができる。
【0139】
ネットワークノード1900は、1つもしくは複数のマイクロプロセッサまたはマイクロコントローラを含んでもよい、処理回路構成、ならびにデジタル信号プロセッサ(DSP)、専用デジタル論理などを含んでもよい、他のデジタルハードウェアを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ネットワークノード1900の処理回路構成は、図7に示される処理回路構成770であってもよい。処理回路構成は、読出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ、キャッシュメモリ、フラッシュメモリデバイス、光学記憶デバイスなど、1つまたは複数のタイプのメモリを含んでもよい、メモリに格納されたプログラムコードを実行するように構成されてもよい。メモリに格納されたプログラムコードとしては、1つまたは複数の電気通信および/またはデータ通信プロトコルを実行するプログラム命令、ならびにいくつかの実施形態において本明細書に記載される技術の1つまたは複数を実施する命令が挙げられる。いくつかの実現例では、処理回路構成は、受信ユニット1910、作成ユニット1920、伝送ユニット1930、およびネットワークノード1900の他の任意の適切なユニットに、送信機、受信機、またはプロセッサなど、本開示の1つまたは複数の実施形態による対応する機能を実施させるのに使用されてもよい。
【0140】
図19に示されるように、ネットワークノード1900は、受信ユニット1910と、作成ユニット1920と、伝送ユニット1930とを含む。いくつかの実施形態では、ネットワークノード1900はターゲットノードであってもよい。受信ユニット1910は、識別情報をソースノードから受信するように設定されてもよい。いくつかの実施形態では、識別情報は、ネットワークノード1900がソースノードに対するRAT間およびシステム内のものであることを示してもよい。
【0141】
作成ユニット1920は、ネットワークノード1900がソースノードに対するRAT間およびシステム内のものであることに基づいて、再設定メッセージを作成するように設定されてもよい。いくつかの実施形態では、作成ユニット1920は、ターゲットノードの特性に基づいて再設定メッセージを作成してもよい。いくつかの実施形態では、再設定メッセージは、ユーザ機器において下位レイヤを再設定するための設定を含んでもよい。いくつかの実施形態では、再設定メッセージは、上位レイヤに関するプロトコル状態および設定を保持することを更に示してもよい。例えば、作成ユニット1920は、上位レイヤに関するプロトコル状態および設定を維持するようにUEに更に示す、再設定メッセージを作成してもよい。いくつかの実施形態では、再設定メッセージは、ハンドオーバのタイプに基づいて、ネットワークノード1900によって作成されてもよい。一実施形態では、ソースノードは5GCに接続されたLTEであってもよく、ターゲットノードはNRであってもよい。別の実施形態では、ソースノードはNRであってもよく、ターゲットノードは5GCに接続されたLTEであってもよい。いくつかの実施形態では、ターゲットノードがNRのとき、再設定メッセージはNRパラメータを含むRRCReconfigurationを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ターゲットノードが5GCに接続されたLTEのとき、再設定メッセージはLTEパラメータを含むRRCConnectionReconfigurationを含んでもよい。いくつかの実施形態では、再設定メッセージは、セキュリティ設定を設定するのに使用されるシステム内セキュリティコンテナを含んでもよい。いくつかの実施形態では、下位レイヤを再設定する設定は、RLC、MAC、およびPHYのうち少なくとも1つに関する設定を含んでもよい。いくつかの実施形態では、上位レイヤはSDAPおよび/またはPDCPを含んでもよい。いくつかの実施形態では、再設定メッセージは、上位レイヤに関する設定を更に含んでもよく、上位レイヤに関する設定は、設定の一部分を維持し、設定の残りの部分を修正するものである。
【0142】
伝送ユニット1930は、再設定メッセージをソースノードに伝送して、再設定メッセージをUEに転送するように設定されてもよい。
【0143】
ユニットという用語は、エレクトロニクス、電気デバイス、および/または電子デバイスの分野における従来の意味を有してもよく、例えば、本明細書に記載されるような、それぞれのタスク、手順、計算、出力、および/または表示機能などを実施する、電気および/または電子回路構成、デバイス、モジュール、プロセッサ、メモリ、論理固体および/または離散的デバイス、コンピュータプログラムまたは命令を含んでもよい。
【0144】
様々な実施形態によれば、本明細書における特徴の利点は、RAT間ハンドオーバを実施するときの不要な再設定の問題を解決する。特定の実施形態は、どのタイプのハンドオーバがUEでトリガされるかを判定し、次に、ハンドオーバのタイプに基づいて作成される、適切な再設定を含む再設定メッセージを作成してもよい。特定の実施形態がシステム内RAT間ハンドオーバを実施するとき、特定の実施形態は、ターゲットノードを実行して対応するRRC再設定メッセージを作成し、更にUEをトリガして、RATの特定の下位レイヤのみをリセットし、UEが従来のRAT間ハンドオーバとは異なるように挙動する、上位レイヤの設定および状態は保持する。特定の実施形態は、不要な再設定を回避し、ネットワークにおける潜在的な動作を減少させる。したがって、特定の実施形態はネットワークの効率を改善する。
【0145】
本明細書における特徴の別の利点は、LTE内、NR内、およびNR/LTE間ハンドオーバを含むシステム内ハンドオーバを実施するときに、セキュリティを改善するようにセキュリティレイヤを設定するのと同じ情報を使用して、アライメントが設定されることである。つまり、セキュリティNR RCCを設定するのに、また5GCに対するLTE接続に、同じセキュリティパラメータが使用されてもよいので、特定の実施形態は、セキュリティモードコマンドに対する改良を含んでもよい。
【0146】
図面中のプロセスは、本発明の特定の実施形態によって実施される動作の特定の順序を示すことがあるが、かかる順序は例示である(例えば、代替実施形態は、異なる順序で動作を実施したり、特定の動作を組み合わせたり、特定の動作が重なったりなどしてもよい)ことが理解されるべきである。
【0147】
本発明についていくつかの実施形態に関して記載してきたが、当業者であれば、本発明は記載される実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内で、修正および変更を伴って実施できることを認識するであろう。したがって、本明細書は、限定ではなく例示と見なされるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
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図10
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