(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】ソーラーパネルの洗浄システム
(51)【国際特許分類】
H02S 40/10 20140101AFI20220920BHJP
B08B 1/04 20060101ALI20220920BHJP
B08B 3/04 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
H02S40/10
B08B1/04
B08B3/04 Z
(21)【出願番号】P 2020526824
(86)(22)【出願日】2018-06-28
(86)【国際出願番号】 JP2018024685
(87)【国際公開番号】W WO2020003461
(87)【国際公開日】2020-01-02
【審査請求日】2021-06-17
(73)【特許権者】
【識別番号】591032356
【氏名又は名称】不二精工株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】594029333
【氏名又は名称】不二商事株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000648
【氏名又は名称】特許業務法人あいち国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100130188
【氏名又は名称】山本 喜一
(72)【発明者】
【氏名】田中 辰己
【審査官】山本 元彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-180593(JP,A)
【文献】特開2011-036833(JP,A)
【文献】登録実用新案第3206753(JP,U)
【文献】米国特許第09130502(US,B1)
【文献】特開2010-161141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/02-31/078
H01L 31/18-31/20
H02S 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一列に並べられた複数のソーラーパネルと、
前記複数のソーラーパネルの並べられた方向に沿って延在し、前記ソーラーパネルを挟んで両側に設けられた一対の軌条と、
前記ソーラーパネルの両側の前記軌条上に移動可能に支持され前記ソーラーパネルの上面を囲むように配置される門型の構造枠と、
前記構造枠を前記軌条に沿って移動させる移動装置と、
前記構造枠に設けられ、前記複数のソーラーパネルが並べられた方向に対して交差する方向に延在する回転中心を備え、前記ソーラーパネルの上面に接触可能に配置された回転ブラシと、
前記構造枠に設けられ前記回転ブラシを回転させる駆動装置と、
前記構造枠の上面に広がって設けられ、降雨の際の雨水を集める捕水部と、
前記捕水部により集められた雨水を前記回転ブラシに注ぐ注水部と、
前記複数のソーラーパネルが並べられた方向に対して直交する仮想平面内で傾動可能に前記ソーラーパネルを支持する架台と、備え、
前記架台は、前記架台の傾動を複数の係止位置で係脱可能に係止させる係止装置を備え、
前記構造枠と前記架台との間に設けられ、前記移動装置による前記構造枠の移動に連動して前記係止装置で係止された係止位置を他の係止位置である次期係止位置に移動させる係止装置操作部を備え、
前記ソーラーパネルの洗浄システムは、制御装置をさらに備え、
前記制御装置は、
前記ソーラーパネルの傾斜角度が前記回転ブラシの傾斜角度と一致していない場合には、前記移動装置による前記構造枠の移動により、前記係止装置操作部を用いて、前記ソーラーパネルの傾斜角度を前記回転ブラシの傾斜角度に一致させ、
前記ソーラーパネルの傾斜角度が前記回転ブラシの傾斜角度と一致する場合には、前記移動装置による前記構造枠の移動により、前記回転ブラシによる前記ソーラーパネルの洗浄を行う、ソーラーパネルの洗浄システム。
【請求項2】
前記係止装置操作部は、
前記架台の片方の端部側に設けられた接触部と、
前記構造枠に設けられ前記構造枠の移動に伴って前記接触部に接触して前記接触部を上昇させることで前記架台を傾動させる傾斜接触面を備えた被接触部と、
を備えた請求項
1に記載のソーラーパネルの洗浄システム。
【請求項3】
前記回転ブラシは、固定節が前記構造枠に固定され前記構造枠の移動方向に沿って平行移動する平行リンク機構により、前記構造枠から揺動自在に垂下されている請求項1
または2に記載のソーラーパネルの洗浄システム。
【請求項4】
前記平行リンク機構には、前記回転ブラシを前記ソーラーパネルから離間させて保持す
る退避装置が設けられている請求項
3に記載のソーラーパネルの洗浄システム。
【請求項5】
前記捕水部は、前記構造枠の天井部で囲まれる投影面積分を捕水する請求項
1記載のソーラーパネルの洗浄システム。
【請求項6】
前記回転ブラシは、互いに平行に並べられ回転自在に支持された第一回転支軸と第二回転支軸とを備え、
前記第一回転支軸の中央部には、前記第一回転支軸の半径方向に突出するとともに軸方向に所定の幅で形成された第一ブラシ部が設けられ、
前記第二回転支軸の一方の端部側には、前記第二回転支軸の半径方向に突出するとともに前記第一ブラシ部と一部が重なるように軸方向に所定の幅で形成された第二ブラシ部が設けられ、
前記第二回転支軸の他方の端部側には、前記第二回転支軸の半径方向に突出するとともに前記第一ブラシ部と一部が重なるように軸方向に所定の幅で形成された第三ブラシ部が設けられた請求項
3に記載のソーラーパネルの洗浄システム。
【請求項7】
前記複数のソーラーパネルが複数の列で並べられている場合において、
前記複数のソーラーパネルの前記列に夫々設けられた前記軌条に直交する一対の交差軌条と、
前記構造枠を搭載するとともに前記交差軌条上を移動して、搭載した前記構造枠をいずれか他の列の前記軌条に整列させる搭載台と、
を備えたトラバーサ装置を、
さらに備える請求項
1または2に記載のソーラーパネルの洗浄システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーパネルを洗浄するのに用いられる洗浄システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、資源としての枯渇性がなく環境を汚さない自然エネルギーを利用した発電の一つとして、太陽光発電が考えられている。
太陽光発電は、太陽電池の単体の素子であるセルに光を当てると、セルに含まれている電子に光エネルギーが吸収される。電子に光エネルギーが吸収されると、光起電力効果によって光エネルギーは直接的に電力に変換され、電力として外部へ出力される。
また、セルを複数配列し、屋外で利用できるように、樹脂や強化ガラスで保護し、パッケージ化したものがソーラーパネル(モジュール)と呼ばれる。
そして、ソーラーパネルは、屋外で使用されるため、粉塵、黄砂、火山灰、鳥糞などの汚れが表面に付着する。このような汚れを放置すると、太陽エネルギーを効率よく吸収できなくなり、発電効率が低下する。そのため、ソーラーパネルの表面を、定期的に洗浄することは重要である。そしてソーラーパネルの洗浄には、大量の水を必要とするが、水道水や井戸水では、含まれる成分によりソーラーパネルの表面を化学反応で腐食したり、成分自体がソーラーパネルの表面にこびり付いて太陽エネルギーの吸収を妨げる皮膜を形成したりするおそれがあった。
そのため、水道水や井戸水を使わずにソーラーパネルを洗浄する洗浄装置として、特許文献1に記載されているものが知られている。
【0003】
特許文献1のソーラーパネル洗浄システムは、ソーラーパネルに沿って設けられるレール、レール上を移動する移動装置、移動装置の移動方向に対して傾けて設けられている支軸、支軸の周りに円柱状に設けられたスポンジ、移動装置による移動に伴うスポンジとソーラーパネルとの接触によりスポンジが支軸中心に回転するものが記載されている。洗浄水として、雨水を使用するため、雨の日に限定してソーラーパネルの洗浄を行うべく、雨滴センサを装備している。
また、特許文献2には、複数のソーラーパネル上を自走して受光面を清掃する清掃ロボットが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-016364号公報
【文献】特開2015-144547号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1のソーラーパネル洗浄システムは、ソーラーパネルの洗浄に使用する水を降り注ぐ雨水に唯依存しているため、多量の雨が降らないと洗浄に必要な水分が不足するおそれがあった。スポンジの回転をソーラーパネルとの接触によりスポンジが回転するため、擦り取るような動作は生じることなく、ソーラーパネルの表面に唯接触するに過ぎない。そのため、ソーラーパネルの表面に付着した汚れを充分に除去することはできない。
特許文献2の清掃ロボットは、ソーラーパネルの上面に載置された状態で清掃作業を行なうので、清掃ロボットの自重がソーラーパネルに付加される。そのため、ソーラーパネルに負荷をかけ、ソーラーパネルの変形やパネル表面に損傷を生じるおそれがあった。
【0006】
本発明の目的は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、ソーラーパネルに負荷をかけることなく、雨水を使用しソーラーパネルの表面に付着した汚れを充分に除去するソーラーパネルの洗浄システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明のソーラーパネルの洗浄システムは、一列に並べられた複数のソーラーパネルと、前記複数のソーラーパネルの並べられた方向に沿って延在し、前記ソーラーパネルを挟んで両側に設けられた一対の軌条と、前記ソーラーパネルの両側の前記軌条上に移動可能に支持され前記ソーラーパネルの上面を囲むように配置される門型の構造枠と、前記構造枠を前記軌条に沿って移動させる移動装置と、前記構造枠に設けられ、前記複数のソーラーパネルが並べられた方向に対して交差する方向に延在する回転中心を備え、前記ソーラーパネルの上面に接触可能に配置された回転ブラシと、前記構造枠に設けられ前記回転ブラシを回転させる駆動装置と、前記構造枠の上面に広がって設けられ、降雨の際の雨水を集める捕水部と、前記捕水部により集められた雨水を前記回転ブラシに注ぐ注水部と、前記複数のソーラーパネルが並べられた方向に対して直交する仮想平面内で傾動可能に前記ソーラーパネルを支持する架台と、備え、前記架台は、前記架台の傾動を複数の係止位置で係脱可能に係止させる係止装置を備え、前記構造枠と前記架台との間に設けられ、前記移動装置による前記構造枠の移動に連動して前記係止装置で係止された係止位置を他の係止位置である次期係止位置に移動させる係止装置操作部を備え、前記ソーラーパネルの洗浄システムは、制御装置をさらに備え、前記制御装置は、前記ソーラーパネルの傾斜角度が前記回転ブラシの傾斜角度と一致していない場合には、前記移動装置による前記構造枠の移動により、前記係止装置操作部を用いて、前記ソーラーパネルの傾斜角度を前記回転ブラシの傾斜角度に一致させ、前記ソーラーパネルの傾斜角度が前記回転ブラシの傾斜角度と一致する場合には、前記移動装置による前記構造枠の移動により、前記回転ブラシによる前記ソーラーパネルの洗浄を行う。
【発明の効果】
【0008】
これによると、捕水部により広い捕水面積で集めた雨水を集中させて回転ブラシに注ぎ、回転ブラシを回転させながらソーラーパネル上を移動させる。そのため、雨水による充分な洗浄水を供給しながら回転する回転ブラシによって、ソーラーパネルの表面に付着した汚れを確実に除去することができる。また、構造枠に設けられた捕水部により雨水を貯めるため、雨水が貯まった際の荷重が、ソーラーパネルに付加されることが無く、ソーラーパネルの変形やパネル表面の損傷を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明のソーラーパネルの洗浄システムに使用されるソーラーパネル洗浄装置を正面から示す概要図である。
【
図2】ソーラーパネル洗浄装置を側面から示す概要図である。
【
図3】ソーラーパネル洗浄装置の上部を上方から示す平面概要図である。
【
図4】回転ブラシを支持する平行リンク機構の作用を示す概要図である。
【
図5】ソーラーパネル洗浄装置の下部を上方から示す平面概要図である。
【
図6】ソーラーパネルを傾動させるパネル支持部材の動きを示す説明図である。
【
図7】ソーラーパネルを傾動させる際の係止装置操作部の動きを示す説明図である。
【
図8】複数のソーラーパネルを配置し、トラバーサ装置を配置したソーラーパネルの洗浄システムの全体構造を示す概要図である。
【
図9】ソーラーパネルの洗浄システムを側面から示す概要図である。
【
図10】ソーラーパネル洗浄装置の動きを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第一実施形態)
本件発明にかかるソーラーパネルの洗浄システムについて、
図1~
図10に基づいて以下に説明する。ソーラーパネルの洗浄システム1は、ソーラーパネルSPと、軌条(レーン)2と、構造枠3と、移動装置4と、回転ブラシ5と、捕水部6と、注水部7と、架台8とを備えている。
構造枠3、移動装置4、回転ブラシ5、捕水部6および注水部7によって、ソーラーパネル洗浄装置PWMが構成される。
【0011】
(ソーラーパネル)
ソーラーパネルSPは、例えば、太陽電池として結晶シリコンを使用し、長方形の板状に形成されたモジュールを使用する。本実施形態では、ソーラーパネルSPは、四枚ずつ並べられてソーラーパネルユニットUSPを構成し、一つの架台8(後述)に1ユニット毎に横臥されて固定されている。複数のソーラーパネルユニットUSPが、直線的に一列に連続して並べられている。なお、直線的に一列に並べられている複数のソーラーパネルユニットUSPが、一列に並べられた複数のソーラーパネルに相当する。複数のソーラーパネルユニットUSPが並べられる方向が、複数のソーラーパネルSPが並べられる方向に相当する。
【0012】
本実施形態では、
図8および
図9に示すように、四列に並べたソーラーパネルユニットUSPが、A区およびB区に分けて配置されている。
なお、本明細書において、複数のソーラーパネルユニットUSPが並べられた方向をX方向、X方向に直交する水平方向をY方向という。また、「内側」とは、所定の範囲において中心に寄った方をいう。「外側」とは、所定の範囲において中心から遠い方をいう。
図1において、右側をR、左側をL、
図1における手前側を前方f、
図1における向こう側を後方rで表すものとする。
【0013】
(軌条)
軌条2は、
図8に示すように、複数(本実施形態では、四つで一列、A区およびB区の二グループ)のソーラーパネルユニットUSPが並べられたX方向に沿って延在し、ソーラーパネルユニットUSPを挟んで両側方の地面上に一対設けられている。軌条2は、例えば、鉄製部材により形成され、上面が長手方向に沿って連続して開口する凹溝2aが形成された溝レールである。軌条2は、例えば、複数のソーラーパネルユニットUSPが並べられた方向(X方向)に沿って地面に並べられた、例えばH形鋼製部材からなる複数の枕木2bに、下端部が固定されている。凹溝2aの形状および寸法は、後述する構造枠3のタイヤ41fR,41fL,41rR,41rLが凹溝2aに沿って転動するように設けられている。
【0014】
各軌条2の端部に対応する位置には、位置センサ50が夫々設けられ、ソーラーパネル洗浄装置PWMの軌条2上の位置を検知して、後述する移動装置4を停止させ、逆方向に移動させる等のための、信号を制御装置40に送信する。各軌条2の端部に対応する位置として、例えば、A区およびB区における第一列~第四列の始端部(
図8において上端部)および終端部(
図8において下端部)に配置する。
【0015】
(構造枠)
構造枠3は、例えば、夫々山形鋼製部材により形成され、構造枠本体部3aと副支持部材部3bとを有している。構造枠本体部3aは、支柱3a1と横架部材3a2と下部横部材3a3と上部横部材3a4とを備えている。構造枠3は、ソーラーパネルユニットUSPの両側の軌条2上に移動可能に支持され、ソーラーパネルユニットUSPの上面を囲むように配置されて全体として門型に形成されている。
【0016】
支柱3a1は、ソーラーパネルユニットUSPの両側方で垂直方向に延在してX方向に二対並べて立設されている。横架部材3a2は、
図1に示すように、対向する支柱3a1の上端間(Y方向)に夫々横架されている。下部横部材3a3は、
図2に示すように、二本の支柱3a1の下部にX方向に沿って設けられている。上部横部材3a4は、
図2に示すように、二本の支柱3a1の上部間にX方向に沿って設けられている。支柱3a1と横架部材3a2との結合部、および支柱3a1と上部横部材3a4との結合部には、三角板状のコーナー金具CBがボルトBおよびナットNで夫々固定され、結合部の変形を防止している。
【0017】
副支持部材部3bは、
図1において、右側および左側の傾斜縦部材3b1R,3b1Lと右側および左側の傾斜横部材3b2R,3b2Lと上部横架副部材3b3と下部横架副部材3b4を備えている(
図1および
図2参照)。右側の傾斜縦部材3b1Rは、
図1に示すように、支柱3a1よりも所定距離だけY方向に沿って外側となる位置より立設され、上方部分が垂直方向から僅かに外側に向って傾斜するよう一対設けられている。右側の傾斜横部材3b2Rは、右側の傾斜縦部材3b1Rの上端部より仮想垂直平面内で直角方向に反対側の支柱3a1に向って延在するよう一対設けられている。
図1において、左側の傾斜縦部材3b1Lおよび傾斜横部材3b2Lは、傾斜縦部材3b1Rおよび傾斜横部材3b2Rと対称に設けられ、同様な構造であるため説明を省略する。
【0018】
上部横架副部材3b3は、
図2に示すように、X方向に対向する傾斜縦部材3b1Lの上部間(傾斜横部材3b2Lの下部間)に横架され上部横部材3a4に平行に設けられている。下部横架副部材3b4は、X方向に対向する傾斜縦部材3b1Lの下部間に横架され、横架部材3a2に平行に設けられている。また、傾斜縦部材3b1Rおよび傾斜横部材3b2Rにおいて、上部横架副部材3b3および下部横架副部材3b4は、同様に設けられている。
【0019】
(移動装置)
移動装置4は、
図1に示すように、タイヤ41fR,41fL,41rR,41rL、電動駆動モータ42、トルク伝達装置43および制御装置40を備えている。
下部横部材3a3と下部横架副部材3b4と(
図2を参照)には、二対の軸受部41aが夫々設けられている。各軸受部41aには、Y方向に延在する回転軸41bR,41bLを備えたタイヤ41fR,41fL,41rR,41rLが回転自在に支持されている。タイヤ41fR,41fL,41rR,41rLは、例えば、中実タイプのゴム製タイヤである。タイヤ41fR,41fL,41rR,41rLは、軌条2の凹溝2aに入り込み、軌条2の延在する方向に沿って転動する。平行に配置された回転軸41bR,41bLの一方の(
図1において右側、
図3において右側前方)回転軸41bRには、第一従動スプロケット43b1が一体に固定されている。
【0020】
図1および
図5において、右側の下部横部材3a3と下部横架副部材3b4とには、電動駆動モータ42が両部材を跨ぐように固定されている。電動駆動モータ42は、例えば、バッテリ44で駆動する直流モータであり、電動駆動モータ42の出力軸42aには、第一駆動スプロケット43a1および第二駆動スプロケット43a2が一体に固定されている(
図5参照)。
【0021】
第一駆動スプロケット43a1および第二駆動スプロケット43a2は、スプロケット回りの外歯の数が同数に形成されている。左側の下部横部材3a3と下部横架副部材3b4との間には、充電可能なバッテリ44が固定され、電動駆動モータ42に通電可能になっている。第一駆動スプロケット43a1と第一従動スプロケット43b1との間には、第一ローラチェーン45が装着され、電動駆動モータ42の回転トルクが、前方右側のタイヤ41fRに伝達される様になっている(
図1および
図3参照)。電動駆動モータ42の駆動は、制御装置40によって制御される。なお、制御装置40は、前方左側の支柱3a1の上部に設けられている。
【0022】
前方に対に立設された支柱3a1の中間部には、
図1および
図2に示すように、夫々軸受46が対向して設けられている。軸受46には、トルクを伝達する伝達回転軸47がY方向に延在して回転自在に支持されている。伝達回転軸47の両端部には、第一伝導スプロケット43c1および第二伝導スプロケット43c2が夫々一体に固定されている。第二駆動スプロケット43a2(
図3参照)と右側の第一伝導スプロケット43c1との間には、第二ローラチェーン48が装着されている。
【0023】
前方左側のタイヤ41fLの回転軸41bLには、第二従動スプロケット43b2が一体に固定されている。第二伝導スプロケット43c2と第二従動スプロケット43b2との間には、第三ローラチェーン49が装着されている。第一・第二伝導スプロケット43c1,43c2の歯数は、同数に形成されている。第一従動スプロケット43b1の歯数および第二従動スプロケット43b2の歯数は、同数に形成されている。これらの歯数の設定によって、前方右側のタイヤ41fRと、前方左側のタイヤ41fLとが、同期して回転するようになっている。
【0024】
副支持部材部3bは、ソーラーパネルユニットUSPの両側方に対向して構造枠本体部3aに対に設けられている。副支持部材部3bは、筋交いとして、構造枠3の剛性を高めている。
支柱3a1の下端部と傾斜縦部材3b1R,3b1Lの下端部とは、基礎横部材3cにより連結されている。
支持フレーム3dは、基部支持フレーム3d1と先端部支持フレーム3d2と横支持フレーム3d3と(
図5参照)、傾斜支持フレーム3d4とを備えている(
図1参照)。
【0025】
基部支持フレーム3d1と先端部支持フレーム3d2とは、夫々山形鋼製部材から形成され、例えば、溶接によって側面部で継ぎ合わされている。基部支持フレーム3d1は、下部横部材3a3と下部横架副部材3b4とを連結し、Y方向に沿って内側に所定長さ突出し、下面が断面L字形の平面部となるように配置されている。先端部支持フレーム3d2は、基部支持フレーム3d1の先端側内側に設けられ、上面が断面L字形を天地逆にした平面部となるように配置されている。
【0026】
傾斜支持フレーム3d4は、例えば、山形鋼製部材から形成されている。傾斜支持フレーム3d4は、上端部が、例えばボルト・ナットにより支柱3a1の下部に固定され、下端部が垂直より45度の傾斜角度でY方向内側に突出させて固定されている(
図1参照)。傾斜支持フレーム3d4は、四本の支柱3a1に夫々設けられ、X方向に対向する傾斜支持フレーム3d4の下端部間には、横支持フレーム3d3が、例えば、ボルト・ナットにより横架されている。
【0027】
横支持フレーム3d3は、先端部支持フレーム3d2の基端部側の上面に、例えば、ボルト・ナットにより固定されている。
先端部支持フレーム3d2には、図略の係合金具が設けられている。係合金具は、被接触部3fR,3fL(後述)に設けられた被係合金具に係合して、被接触部3fR,3fLをY方向にスライド可能にかつ固定可能に支持するよう構成されている。
【0028】
副支持部材部3bの左側の傾斜横部材3b2Lには、
図2に示すように、傾斜横部材3b2Lの傾斜した上部側に横架された上部梁部材3b21と、傾斜横部材3b2Lの傾斜した下部側に横架された下部梁部材3b22とが設けられている。上部梁部材3b21と下部梁部材3b22とには、後述する回転ブラシ5を揺動可能に垂下する平行リンク機構9が夫々設けられている。
【0029】
(平行リンク機構)
上部梁部材3b21に設けられる平行リンク機構9と、下部梁部材3b22に設けられる平行リンク機構9とは、同様な構造であるため、上部梁部材3b21の平行リンク機構9で代表して説明する。
上部梁部材3b21には、例えば、山形鋼部材から形成された一対の前方および後方の垂下リンク部材9af,9arの上端部が連結軸9a1により所定間隔L2をおいて回動可能に連結されている。垂下リンク部材9af,9arの下端部には、長方形状の支持板9bUが、連結軸9dによって回動自在に連結されている。垂下リンク部材9af,9arは、傾斜横部材3b2Lに対し直角に交わる仮想平面(傾斜縦部材3b1R,3b1Lに平行な平面)内で回動するように構成されている。連結軸9dの中心間の距離L1と、支持板9bUに対向する上部梁部材3b21の所定間隔L2(連結軸9a1の中心間の距離L2)とは、同じ長さで形成されている。また、対となった垂下リンク部材9af,9arも、同じ長さ寸法で形成されている。これらによって、平行リンク機構9が構成されている。上部梁部材3b21の所定間隔L2の部分が、平行リンク機構9の固定節に相当する。
【0030】
垂下リンク部材9af,9arの長さは、後述する回転ブラシ5を吊下げた際に、架台8上のソーラーパネルSPの表面に第一・第二・第三ブラシ部53,54,55が接触する長さで、かつ第一・第二・第三ブラシ部53,54,55がソーラーパネルSPの下方に入り込まない長さに設定されている。
【0031】
(退避装置)
垂下リンク部材9a(9af,9ar)には、後述する回転ブラシ5を、洗浄対象となるソーラーパネルSPから上方へ離間させて保持する退避装置9cが設けられている。退避装置9cは、垂下リンク部材9af,9arを
図4において右側(後方側)に揺動させる場合に使用される後方退避位置と、垂下リンク部材9af,9arを
図4において左側(前方側)に揺動させる場合に使用される前方退避位置とを備えている。
【0032】
なお、垂下リンク部材9af,9arの夫々は、連結軸9a1を中心として回動するが、支持板9bUは揺動運動する。後方退避位置において、後方(
図4において右側)の垂下リンク部材9arの上部に回動可能に設けられた係止板部材9c1rと、前方(
図4において左側)の垂下リンク部材9afの下部に設けられた被係止突起9c2fとが係合することで位置決めされる。係止板部材9c1rには、前方の垂下リンク部材9af側が開放し前方側の被係止突起9c2fが進入する係止溝9c11が形成され、係止溝9c11の奥部には半球状の係止留め9c12が形成されている。
【0033】
左方退避位置において、前方(
図4において左側)の垂下リンク部材9afの上部に揺動可能に設けられた係止板部材9c1fと、後方(
図4において右側)の垂下リンク部材9arの下部に設けられた被係止突起9c2rとが係合することで位置決めされる。係止板部材9c1fには、後方の垂下リンク部材9ar側が開放し後方側の被係止突起9c2rが進入する係止溝9c11が形成され、係止溝9c11の奥部には半球状の係止留め9c12が形成されている。
【0034】
(回転ブラシ)
回転ブラシ5は、
図3に示すように、第一回転支軸51と第二回転支軸52とブラシフレーム57と第一ブラシ部53と第二ブラシ部54と第三ブラシ部55とを備えている。第一回転支軸51と第二回転支軸52とは、X方向に対して直交する方向に延在する回転中心を有している。第一回転支軸51と第二回転支軸52は、互いに平行に配置されている。
【0035】
上部梁部材3b21側の支持板9bUと下部梁部材3b22側の支持板9bDは、X方向に対向するブラシフレーム57により水平方向の両端部が連結されている。ブラシフレーム57は、例えば、山形鋼製部材から形成され、傾斜横部材3b2Lと平行に延在している。
【0036】
第一回転支軸51は、上部梁部材3b21側の支持板9bUに設けられた軸受部58と、後方側のブラシフレーム57の二箇所の中間部(支持板9bUを基準にしてブラシフレーム57の長さの約四分の一の位置と、約四分の三の位置)に設けられた第一中間軸受部581とに回転自在に支持されている。第一回転支軸51の二つの第一中間軸受部581間には、第一回転支軸51の半径方向に突出するとともに軸方向に所定の幅で円柱状に形成された第一ブラシ部53が設けられている。第一ブラシ部53は、例えば、ポリプロピレン製の直毛が半径方向に多数本突出した、いわゆるロールブラシである。
【0037】
第二回転支軸52は、上部梁部材3b21側の支持板9bUに設けられた前方側の軸受部58と、下部梁部材3b22側の支持板9bDに設けられた前方側の軸受部58と、前方側のブラシフレーム57の二箇所の中間部(支持板9bUを基準にしてブラシフレーム57の長さの約三分の一の位置と、約三分の二の位置)に設けられた第二中間軸受部582と、に回転自在に支持されている。
【0038】
上部梁部材3b21側における前方側の軸受部58と第二中間軸受部582との間には、第二ブラシ部54が設けられている。第二ブラシ部54は、第二回転支軸52の半径方向に突出するとともに第一ブラシ部53と一部が重なるように軸方向に所定の幅で円柱状に形成されている。第二ブラシ部54は、第一ブラシ部53と同様のロールブラシである。
下部梁部材3b22側における前方側の軸受部58と第二中間軸受部582との間には、第三ブラシ部55が設けられている。第三ブラシ部55は、第二回転支軸52の半径方向に突出するとともに第一ブラシ部53と一部が重なるように軸方向に所定の幅で円柱状に形成されている。第三ブラシ部55は、第一ブラシ部53と同様のロールブラシである。
【0039】
第一ブラシ部55、第二ブラシ部54および第三ブラシ部55は、平行リンク機構9によって下方に配置された場合に、傾斜したソーラーパネルSPの表面に沿って回転ブラシ5の自重によって接触するように構成されている。
【0040】
第一回転支軸51の上部梁部材3b21側の軸受部58には、電動モータ56(駆動装置)が固定されている。第一回転支軸51は、電動モータ56の出力軸(図略)に回転トルクが伝達可能に減速装置(図略)を介して連結されている。第一回転支軸51は、両端部において平歯車である第一外歯車51aが夫々周設されている。第二回転支軸52は、両端部において平歯車である第二外歯車52aが夫々周設され、第一外歯車51aと噛合するよう構成されている。電動モータ56の駆動により、第一回転支軸51が第一ブラシ部53を回転させると、第一外歯車51aと第二外歯車52aとの噛合によって、第二回転支軸52が逆方向に回転し、第一ブラシ部53に対して第二ブラシ部54および第三ブラシ部55を逆方向に回転させる。電動モータ56の駆動は、制御装置40によって制御される。
【0041】
(捕水部・注水部)
捕水部6は、
図2に示すように、構造枠3の四本の支柱3a1の間の上部に形成される天井部3a5に設けられる。捕水部6は、例えば、可撓性のある塩化ビニル製波状板部材で形成され、天井部3a5に横臥されるとともにX方向の中央部に凹部6aが形成されるように湾曲されている。Y方向に沿って切断した場合の断面が波状となっている。凹部6aには、
図1に示すように、Y方向に並ぶ複数(本実施形態では、四つ)の貫通穴が設けられ、注水部7が形成されている。注水部7の貫通穴は、回転ブラシ5の第一ブラシ部53、第二ブラシ部54および第三ブラシ部55に沿って対向するように夫々配置されている。
【0042】
(架台)
架台8は、
図1に示すように、設置面GDに固定支持される固定支持部材83と、固定支持部材83に支持される水平支持枠82と、水平支持枠82に設けられる支持軸84と、支持軸84に回動可能に支持されるパネル支持部材85と、パネル支持部材85を所定の傾斜角度位置でパネル支持部材85の回動を停止させるストッパ部材86R,86Lと、を備えている。
【0043】
固定支持部材83は、X方向に所定の距離離れて載置された二つの台座830f,830rと、夫々の台座830f,830rの他方端側(右側)に夫々立設される一対の第一支柱831f,831rと、夫々の台座830f,830rの一方端側(左側)に夫々立設され第一支柱831f,831rと同じ高さで設けられた一対の第二支柱832f,832rと、を有している。台座830f,830rは、前述の軌条2のH形鋼製部材の枕木2bにブラケット830bにより固定されている。
【0044】
水平支持枠82は、前記一対の第一支柱831f,831r間に横架される第一横部材821と、前記一対の第二支柱832f,832r間に横架される第二横部材822と、第一横部材821および第二横部材822の両端部間に夫々横架される一対の水平部材823f,823rとを有している。第一横部材821および第二横部材822は、例えば、中空の円形断面を有する鋼鉄製棒部材から形成されている。
【0045】
一対の水平部材823f,823rの中間部上面には、例えば、中実の円形断面を有する鋼鉄製棒部材からなる支持軸84が、支持軸84の外周を支承するいずれも図略のブラケットおよびビスによって固定されている。支持軸84は、第一・第二横部材821,822と平行な方向に沿って延在するように支持されている。
【0046】
パネル支持部材85は、支持軸84に中央部において支持される一対の回動棒部材851f,851r(対向する二辺に相当)と、第一・第二横部材821,822に対して平行な方向に延在し、回動棒部材851f,851rの両端部に横架される一対のパネル固定部材852R,852Lと、によって方形状に形成されている。回動棒部材851f,851rの中央部下面には、支持軸84の外周面に当接する軸受部材(図略)が設けられている。軸受部材は、いずれも図略の帯状保持部およびビスによって支持軸84の外周を回動可能に支承する。パネル固定部材852R,852Lには、四枚のソーラーパネルSPが、例えば、ボルト等で固定されている。
【0047】
(ストッパ部材(係止装置))
回動棒部材851f,851rの夫々の両端部側には、係止装置としてのストッパ部材86R,86Lが設けられている。ストッパ部材86R,86Lは、夫々対向して配置される1対の長板状部861R,861Lと、長板状部861R,861Lの先端部をX方向に連結する連結部材862と、を有している。連結部材862は、例えば、山形鋼製部材が使用される。ストッパ部材86R,86Lの長板状部861R,861Lの基端部は、
図1および
図6に示すように、回動棒部材851f,851rにピン860によって回動自在に連結されている。
【0048】
左側の長板状部861Lの下面には、
図1および
図6に示すように、係合凹部863Lと、浅い係合凹部864Lとが形成されている。右側の長板状部861Rの下面にも、
図1に示すように、係合凹部863Rと、浅い係合凹部864Rとが形成されている。各係合凹部863L,863Rは、第一・第二横部材821,822の外周の半周分を係合するように半円状に切欠かれている。各浅い係合凹部864R,864Lは、第一・第二横部材821,822の外周部の半周分に満たない分、例えば、四分の一周分を係合するように四分の一円周状に切欠かれている。
【0049】
右側にある係合凹部863Rが第一横部材821に係合した際に、左側にある浅い係合凹部864Lが第二横部材822に係合するよう構成されている。左側にある係合凹部863Lが第二横部材822に係合した際に、右側にある浅い係合凹部864Rが第一横部材821に係合するよう構成されている。
【0050】
長板状部861R,861Lの下面は、パネル支持部材85が傾動すると、
図6に示すように、ストッパ部材86R,86Lの自重によって、第一・第二横部材821,822の上部外周面に接触し、接触した状態で相対移動する。そして、第一・第二横部材821,822に係合凹部863Rまたは係合凹部863Lが割り出されたときに、ストッパ部材86R,86Lは、一端部のピン860を中心に自重で回動して第一横部材821または第二横部材822に係合する。係合凹部863Rが第一横部材821に係合する位置は、パネル支持部材85が水平となる0度に設定されている。係合凹部863Lが第二横部材822に係合する位置は、パネル支持部材85が水平より右側が下方に10度傾斜した位置に設定されている。
【0051】
(係止装置操作部)
右側のストッパ部材86Rの先端部を連結する連結部材862と左側のストッパ部材86Lの先端部を連結する連結部材862には、支持金具865に支持された車軸867に回転自在に支持された車輪866R,866Lが夫々設けられている。車輪866R,866Lは、連結部材862のX方向の中央部に、下方に突出するように夫々設けられている。車輪866R,866Lは、連結部材862を介してストッパ部材86R,86Lに対して、相対移動不能に支持されている。車輪866R,866Lは、Y方向に水平に延在する面(後述する被接触部3fR,3fLの円弧面3f1)に接触し、ストッパ部材86R,86Lを回動するよう構成されている。支持金具865、車軸867および車輪866R,866Lによって接触部が構成される。
【0052】
構造枠3の左右両側にある支持フレーム3dの先端部支持フレーム3d2には、Y方向に沿って所定幅で延在し、曲率の中心軸がY方向に延在する円弧面3f1が上部に形成された蒲鉾形状の被接触部3fR,3fLが夫々設けられている。円弧面3f1が、傾斜接触面に相当する。被接触部3fR,3fLの底部には被係合金具(図略)が設けられ、Y方向に延在した一対の先端部支持フレーム3d2(
図5参照)に設けられた係合金具(図略)に、Y方向にスライド可能に係合されている。
【0053】
被接触部3fR,3fLは、対応する接触部の車輪866R,866Lに傾斜接触面(円弧面3f1)が当接する角度変更実行位置EPと、車輪866R,866Lが傾斜接触面(円弧面3f1)に接触しない退避位置RPとの間で移動可能に構成されている。本実施形態においては、手作業によって、角度変更実行位置EPと退避位置RPとの間を移動させる。
接触部(支持金具865,車輪866R,866L、車軸867)および被接触部3fR,3fLにより主に係止装置操作部が構成される。
【0054】
(トラバーサ装置)
ソーラーパネルの洗浄システム1は、複数のソーラーパネルユニットUSPが、X方向に沿って四列ずつ並べられ、2グループに分けて配置されている。ソーラーパネルユニットUSPが並べられた各列の両側に、該列に平行に軌条2が配置されている。ソーラーパネルユニットUSPの隣接する列と列との間には、軌条2が一列だけ設けられている。ソーラーパネルユニットUSPの或る列をソーラーパネル洗浄装置が洗浄作業をする際に使用する軌条2のうち、或る列とその列に隣接する列との間の軌条は、その列に隣接する列を洗浄装置が洗浄作業を行なう際に兼用するようになっている。
【0055】
トラバーサ装置10は、軌条2と直角に延在する交差軌条101と、交差軌条101上を移動する搭載台102と、を有している。
交差軌条101は、四列ずつの2グループの間であって、ソーラーパネルユニットUSPの列に沿って夫々設けられた軌条2に直角なようにY方向に延在させて一対設けられている。各交差軌条101は、例えば、鉄製部材により形成され、上面が長手方向に沿って連続して開口する凹溝101aが形成された溝レールである。交差軌条101は、例えば、Y方向に沿って地面に並べられたコンクリート製の複数の枕木101bに、下端部が固定されている。凹溝101aの形状および寸法は、後述する搭載台102の車輪が凹溝101aに沿って転動可能なように設けられている。
【0056】
搭載台102は、搭載フレーム102a、搭載レール102b、車輪102c、電動モータ(図略)、バッテリ(図略)等を主に備えている。搭載フレーム102aは、例えば、I形鋼製部材によって矩形枠状に形成され水平に横臥されている。搭載フレーム102aには、搭載レール102bが固定されている。搭載レール102bは、軌条2と同様な溝レールに形成され、ソーラーパネル洗浄装置PWMが搭載可能な所定長さでX方向に延在するように一対固定されている。搭載レール102bは、一対の軌条2と整列可能に配置されている。搭載台102には、X方向に延在する回転軸(図略)を備えた車輪102cがY方向に並んで二対設けられ、交差軌条101に沿って転動するよう構成されている。車輪102cは、例えば、ゴム製の中実タイヤで形成されている。
図8において左側の一対の車輪102cの回転軸は、連結されて一体となって回転するように形成されている。回転軸には、従動スプロケット(図略)が一体に固定されている。
【0057】
搭載台102には、X方向に沿って延在する出力軸(図略)を備えた電動モータ(図略)が搭載され、出力軸には駆動力を伝達する駆動スプロケット(図略)が一体に固定されている。回転軸の従動スプロケットと出力軸の駆動スプロケットの間には、ローラチェーン(図略)が装着され、電動モータの回転トルクが左側の一対の車輪102cに伝達されるようになっている。電動モータの駆動は、制御装置40によって制御される。
【0058】
搭載台102は、ソーラーパネル洗浄装置PWMを搭載する。
搭載台102は、交差軌条101上を移動して搭載レール102bをソーラーパネル洗浄装置PWMが可動している列の軌条2に整列させる。そして、ソーラーパネル洗浄装置PWMを搭載台102に搭載する。次に、車輪102cを回転させて洗浄作業を予定する他の列の軌条2に整列させ、ソーラーパネル洗浄装置PWM(構造枠3)を新たに整列させた軌条2に移動させる。交差軌条101側の各軌条2に対応する位置には、搭載台102の位置を検知する位置センサ60が設けられ、交差軌条101上の搭載台102の位置を検知して制御装置40に送信するようになっている。例えば、搭載台101が移動して搭載レール102bが軌条2に整列した場合に、電動モータによる駆動をOFFにする。
【0059】
(作動)
ソーラーパネルの洗浄システム1の作動には、ソーラーパネルSPを洗浄するための作動と、架台8の傾斜角度を変更するための作動と、ソーラーパネル洗浄装置PWMを他の列に変更するレーンチェンジのための作動とがある。
【0060】
(洗浄のための作動)
ソーラーパネルSPの洗浄は、雨水を捕水部6で貯めて洗浄に使用するため雨の日に実施する。洗浄作業の際、作業者は、ソーラーパネルSPの傾斜角度が、回転ブラシ5の傾斜角度(本実施形態では10度)と一致しているか確認する。なお、ソーラーパネルSPの傾斜角度が回転ブラシ5の傾斜角度と一致していない場合には、後述する傾斜角度変更を先に実施する。
【0061】
ソーラーパネルSPの傾斜角度が、回転ブラシ5の傾斜角度と一致している場合には、作業者は、被接触部3fR,3fLを退避位置RPに位置決めする。
制御装置は、電動モータ56に通電して回転ブラシ5を回転させる。制御装置は、移動装置4の電動駆動モータ42に通電してタイヤ41fR,41fLを回転させてソーラーパネル洗浄装置PWMを軌条2に沿って移動させる。
【0062】
この移動によりソーラーパネルSPの端部にX方向より回転ブラシ5が当接する。ソーラーパネルSPの傾斜角度および回転ブラシ5の傾斜角度は、10度で一致しているため、互いに平行した状態で当接する。そして、当接した回転ブラシ5によって、垂下リンク部材9aは、ソーラーパネル洗浄装置PWMの進行方向の逆方向に揺動し、回転ブラシ5を上方に移動する。移動した回転ブラシ5は、ソーラーパネルSPの上に乗り上げ、回転ブラシ5は、ソーラーパネルSPの表面に自重によって第一・第二・第三ブラシ部53,54,55を押付けながら回転する。第一・第二・第三ブラシ部53,54,55には、捕水部6により集められた雨水が各注水部7より注水され、洗浄水として汚れを浮き上がらせて洗い流すのに使用される。
次に、制御装置は、ソーラーパネル洗浄装置PWMを、軌条2に沿って隣接するソーラーパネルユニットUSPに移動させて、同様に洗浄する。
【0063】
(傾斜角度変更のための作動)
まず、平行リンク機構9の退避装置9cを使用して、
図4に示すように、例えば、垂下リンク部材9aを右側に揺動させて、後方の垂下リンク部材9arの係止板部材9c1rを前方の垂下リンク部材9afの被係止突起9c2fに係合させる。これによって、回転ブラシ5を上方に移動させて、ソーラーパネルSPに回転ブラシ5が当接しないように退避させる。
例えば、10度傾斜したソーラーパネルSPを水平に傾動させる場合、
図1において、左側の被接触部3fLを角度変更実行位置EPに位置決めする。右側の被接触部3fRは退避位置RPに位置決めする。
【0064】
次に、制御装置は、移動装置4の電動駆動モータ42に通電してタイヤ41fR,41fLを回転させてソーラーパネル洗浄装置PWMを軌条2に沿って移動させる。この移動の際に、
図6および
図7に示すように、接触部の車輪866Lは、被接触部3fLの円弧面3f1の裾野の部分に接触する。
【0065】
次に、さらにソーラーパネル洗浄装置PWMが移動することで、(1)のように車輪866Lが円弧面3f1を登るように転動し、左側のストッパ部材86Lの係合凹部863Lを第二横部材822より外す。この際、図示はしないが、架台8の右側において、右側のストッパ部材86Rの浅い係合凹部864Rが第一横部材821から外れる。
【0066】
次に、さらにソーラーパネル洗浄装置PWMが移動することで、車輪866Lが回動棒部材851fを回動させて、回動棒部材851fを水平位置に移動させる。そして、左側のストッパ部材86Lの浅い係合凹部864Lが第二横部材822に係合する。
この際に、図示はしないが、架台8の右側において、右側のストッパ部材86Rの係合凹部863Rが第一横部材821に係合する。これによって、回動棒部材851fを水平位置に位置決めし、ソーラーパネルユニットUSPは、水平位置に保持される。同様にして、軌条2に沿って隣接するソーラーパネルユニットUSPは、傾動されて水平に保持される。
【0067】
(レーンチェンジのための作動)
次に、
図10に示すように、四列ずつA区、B区に分かれて配置された複数のソーラーパネルユニットUSPを、レーンチェンジして洗浄する場合について説明する。
まず、全てのソーラーパネルユニットUSPは、洗浄可能な10度の角度に保持されている。そして、ソーラーパネル洗浄装置PWMは、A区の第3列の一端部(
図10において上端部)に配置されている。
【0068】
次に、制御装置は、電動モータ102eを駆動して車輪102cを回転させて搭載台102を、ソーラーパネル洗浄装置PWMが配置されている第3列(レーン)に整列させるように移動する。その際、軌条2と搭載レール102bとが一直線上に並ぶように整列させる。
【0069】
次に、制御装置は、電動駆動モータ42を駆動し、タイヤ41fR,41fLを回転させてソーラーパネル洗浄装置PWMを、配置された搭載台102に向って移動させる。そして、搭載台102にソーラーパネル洗浄装置PWMを搭載し、タイヤ41fR,41fL,41rR,41rLの回転をロックする。
【0070】
次に、制御装置は、電動モータ102eを駆動して車輪102cを回転させてソーラーパネル洗浄装置PWMを搭載した搭載台102を、洗浄が必要な例えば第2列に整列させる(どの列を選択するかは、例えば予めプログラムで設定されている。)。
次に、制御装置は、電動駆動モータ42を駆動し、タイヤ41fR,41fLを回転させてソーラーパネル洗浄装置PWMを、A区の第2列に配置する。そして、A区の第2列のソーラーパネルユニットUSPの洗浄を行う。
以下、同様にしてソーラーパネル洗浄装置PWMを配置する列の変更を行いながら、ソーラーパネルユニットUSPの洗浄を行う。
【0071】
このように、ソーラーパネルユニットUSPが四列ずつA区、B区に分かれて配置されたA区とB区との間にトラバーサ装置10を配置するため、一つのトラバーサ装置10で効率的で設備コストが安いソーラーパネルの洗浄システム1を提供することができる。また、
図10のB区の第3列および第4列の他端部(
図10において下端部)の敷地内に壁Wが存在する場合にも、ソーラーパネル洗浄装置PWMは、壁側で逆戻りさせることができるので、ソーラーパネルユニットUSPを敷地内に数多く設置することができ、起電効率を上げることができる。
【0072】
なお、本実施形態では、レーンチェンジしながら洗浄する場合を説明したが、例えば、台風の後などで、傾斜角度変更と洗浄とを実施してもよい。この場合、一つの列を往復する。往路において洗浄が可能な傾斜角度変更に変更し、復路においてソーラーパネルユニットUSPの洗浄を行う。
【0073】
上述の記載で明らかなように、実施形態におけるソーラーパネルの洗浄システム1は、一列に並べられた複数のソーラーパネルユニットUSP(ソーラーパネル)と、複数のソーラーパネルユニットUSPを挟んで両側に設けられ、水平方向に延在する一対の軌条2と、ソーラーパネルユニットUSPの両側の軌条2上に移動可能に支持されソーラーパネルユニットUSPの上面を囲むように配置される門型の構造枠3と、を備えている。
【0074】
さらに、構造枠3を軌条2に沿って移動させる移動装置4と、構造枠3に設けられ、複数のソーラーパネルユニットUSPが並べられた方向に対して交差する方向に延在する回転中心を備え、ソーラーパネルユニットUSPの上面に接触可能に配置された回転ブラシ5と、構造枠3に設けられ回転ブラシ5を回転させる電動モータ56と、構造枠3の上面に広がって設けられ、降雨の際の雨水を集める捕水部6と、捕水部6により集められた雨水を回転ブラシ5に注ぐ注水部7と、を備えている。
【0075】
これによると、捕水部6により広い捕水面積で集めた雨水を回転ブラシ5に注ぎ、回転ブラシ5を回転させながらソーラーパネルユニットUSP上を移動させる。そのため、雨水による充分な洗浄水を供給しながら回転する回転ブラシ5によって、ソーラーパネルユニットUSPの表面に付着した汚れを確実に除去することができる。また、構造枠3に設けられた捕水部6により雨水を貯めるため、雨水が貯まった際の荷重が、ソーラーパネルユニットUSPに付加されることが無く、ソーラーパネルSPの変形やパネル表面の損傷を防止することができる。
【0076】
また、複数のソーラーパネルユニットUSPが並べられたX方向に対して直交する仮想平面内で傾動可能にソーラーパネルユニットUSPを支持する架台8をさらに備え、架台8は、架台8の傾動を複数の係止位置で係脱可能に係止させるストッパ部材86R,86Lおよび第一・第二横部材821,822(係止装置)を備え、構造枠3と架台8との間に設けられ、移動装置4による構造枠3の移動に連動してストッパ部材86R,86Lおよび第一・第二横部材821,822(係止装置)で係止された係止位置を他の係止位置である次期係止位置に移動させる被接触部3fR,3fLおよび車輪866R,866L(係止装置操作部)を備えた。
これによると、架台8に支持され複数並べられたソーラーパネルユニットUSPの傾斜角度を構造枠3を移動するだけで容易に変更することができる。
【0077】
また、係止装置操作部は、架台8の片方の端部側に設けられた車輪866R,866Lと、構造枠3に設けられ構造枠3の移動に伴って車輪866R,866Lに接触して車輪866R,866Lを上昇させることで架台8を傾動させる円弧面3f1(傾斜接触面)を備えた被接触部3fR,3fLと、を備えた。
これによると、構造枠3の移動に伴って移動する被接触部3fR,3fLにより、架台8の片方の端部側に設けられた車輪866R,866Lのいずれかを上昇させるという簡素な構造により、架台8に支持されたソーラーパネルユニットUSPの傾斜角度を変更することができる。
【0078】
また、回転ブラシ5は、固定節が構造枠3に固定され構造枠3の移動方向(X方向)に沿って平行移動する平行リンク機構9により、構造枠3から揺動自在に垂下されている。
これによると、平行リンク機構9の一部と回転ブラシ5との重量だけでソーラーパネルユニットUSPに回転ブラシ5を接触させることができ、ソーラーパネルユニットUSPに対して回転ブラシ5を一定な角度で接触させることができる。そのため、ソーラーパネルユニットUSPに偏った荷重を負荷することなく、安定した洗浄作業を行なうことができる。
【0079】
また、平行リンク機構9には、回転ブラシ5をソーラーパネルユニットUSPから離間させて保持する退避装置9cが設けられている。
これによると、回転ブラシ5をソーラーパネルユニットUSPから離間させて保持することで、洗浄を行わずに構造枠3(ソーラーパネル洗浄装置PWM)を移動させたいときに、迅速に移動させることができる。
【0080】
また、捕水部6は、構造枠3の天井部3a5で囲まれる投影面積分を捕水する。
これによると、構造枠3の天井部3a5で囲まれる投影面積分という広い面積に降る雨水を捕水することで、潤沢な洗浄水を供給することができる。また、捕水された雨水の重量は、構造枠3で受けるので、ソーラーパネルユニットUSPに負荷をかけることが無く、ソーラーパネルSPの変形や損傷を防止することができる。
【0081】
また、回転ブラシ5は、互いに平行に並べられ回転自在に支持された第一回転支軸51と第二回転支軸52とを備え、第一回転支軸51の中央部には、第一回転支軸51の半径方向に突出するとともに軸方向に所定の幅で形成された第一ブラシ部53が設けられ、第二回転支軸52の一方の端部側には、第二回転支軸52の半径方向に突出するとともに第一ブラシ部53と一部が重なるように軸方向に所定の幅で形成された第二ブラシ部54が設けられ、第二回転支軸52の他方の端部側には、第二回転支軸52の半径方向に突出するとともに第一ブラシ部53と一部が重なるように軸方向に所定の幅で形成された第三ブラシ部55が設けられた。
【0082】
これによると、第一回転支軸51回りの第一ブラシ部53と、第二回転支軸52回りの第二ブラシ部54および第三ブラシ部55との二箇所において、ソーラーパネルユニットUSPに線接触するので、回転ブラシ5により加わる力が逃げることなく安定した洗浄作業を行なうことができる。また、第一ブラシ部53に対して、第二ブラシ部54および第三ブラシ部55は、一部が重なっているので、洗浄漏れを防止することができる。
【0083】
また、複数のソーラーパネルユニットUSPが複数の列で並べられている場合において、複数のソーラーパネルユニットUSPの列に夫々設けられた軌条2に直交する一対の交差軌条101と、構造枠3を搭載するとともに交差軌条101上を移動し、搭載した構造枠3をいずれか他の列の軌条2に整列させる搭載台102と、を備えたトラバーサ装置10を、さらに備える。
これによると、複数のソーラーパネルユニットUSPが複数の列で並べられている場合において、トラバーサ装置10によって構造枠3(ソーラーパネル洗浄装置PWM)をソーラーパネルユニットUSPの他の列に迅速かつ確実に移動させることができる。
【0084】
なお、上記実施形態において、架台を0度と10度との間を傾動するものとしたが、これに限定されない。例えば、0度、10度、20度、30度と傾動する架台を、傾斜角度変更するものでもよい。0度、10度、20度、30度と傾動する架台として、例えば、国際公開2016/185555号公報に記載のソーラーパネル用架台を利用することができる。このソーラーパネル用架台を利用する場合、20度および30度に傾動させる高さの被接触部を、角度変更実行位置に位置決め可能とすることで、0度、10度、20度、30度と傾動させることができる。
【0085】
また、回転ブラシ5を、互いに平行に並べられ回転自在に支持された第一回転支軸51と第二回転支軸52との二本で構成されるものとしたが、これに限定されない。例えば、第一回転支軸および第二回転支軸と平行にさらに第三回転支軸を設け、三本の回転支軸で構成されるブラシ部を夫々形成してもよい。
また、第一・第二・第三ブラシ部53,54,55を、ポリプロピレン製の直毛が半径方向に多数本突出したものとしたが、これに限定されず、例えば、スポンジ材、布材等で形成されたものでもよい。
【0086】
また、軌条2を凹溝2aとしたが、これに限定されず、例えば、I形鋼製部材からなるレールでもよい。この場合、タイヤでなく鋼製の車輪を使用することができる。
【0087】
斯様に、上記した実施の形態で述べた具体的構成は、本発明の一例を示したものにすぎず、本発明はそのような具体的構成に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の態様を採り得るものである。
【産業上の利用可能性】
【0088】
多数並べられたソーラーパネルを効率よくかつ確実に洗浄することが必要な分野に利用することができる。
【符号の説明】
【0089】
1…ソーラーパネルの洗浄システム、2…軌条、3…構造枠、3a5…天井部、3fL,3fR…被接触部(係止装置操作部)、3f1…円弧面(傾斜接触面)、4…移動装置、5…回転ブラシ、51…第一回転支軸、52…第二回転支軸、53…第一ブラシ部、54…第二ブラシ部、55…第三ブラシ部、56…電動モータ(駆動装置)、6…捕水部、7…注水部、8…架台、821…第一横部材(係止装置)、822…第二横部材(係止装置)、86R,86L…ストッパ部材(係止装置)、866L,866R…車輪(接触部・係止装置操作部)、9…平行リンク機構、9c…退避装置、10…トラバーサ装置、101…交差軌条、102…搭載台、102b…搭載レール、EP…角度変更実行位置、RP…退避位置、PWM…ソーラーパネル洗浄装置。