(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】杭底グラウチングチャンバー及び使用方法、並びに場所打ち杭体及びその施工方法
(51)【国際特許分類】
E02D 5/34 20060101AFI20220920BHJP
E02D 5/44 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
E02D5/34 Z
E02D5/44 C
(21)【出願番号】P 2021527267
(86)(22)【出願日】2019-06-28
(86)【国際出願番号】 CN2019093599
(87)【国際公開番号】W WO2020133992
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-01-27
(31)【優先権主張番号】201811586047.5
(32)【優先日】2018-12-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521040086
【氏名又は名称】北京科瑞恒基建筑科技発展有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】521040097
【氏名又は名称】高 永光
(73)【特許権者】
【識別番号】521040101
【氏名又は名称】高 云飛
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】高 永光
(72)【発明者】
【氏名】高 云飛
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-128872(JP,A)
【文献】特開2009-036010(JP,A)
【文献】特開2001-214438(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0010275(KR,A)
【文献】特開昭61-290115(JP,A)
【文献】特開2002-227194(JP,A)
【文献】特開平02-140322(JP,A)
【文献】特開平08-226122(JP,A)
【文献】特開昭64-017920(JP,A)
【文献】特開昭59-118919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 5/34
E02D 5/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
杭体を支持するように内部にスラリーが充填される膨張状態、及び内部が中空になる収縮状態を有するグラウチングカプセル(2)と、
前記グラウチングカプセル(2)のキャビティと連通し、前記グラウチングカプセル(2)内にグラウチングするグラウチング管(3)と、を備える杭底グラウチングチャンバーであって、
固定板(4)をさらに備え、前記グラウチングカプセル(2)は、前記固定板(4)に設けられ、前記固定板(4)に、収容孔(1)の底部と連通し、前記収容孔(1)内の泥水及び/又はスライムが前記固定板(4)を通過する通過孔(5)が設けられ
、
環状構造である前記固定板(4)の内輪エッジは、前記グラウチングカプセル(2)の内輪まで延伸する環状ストッパー(10)を有することを特徴とする杭底グラウチングチャンバー。
【請求項2】
前記通過孔(5)は1つであり、前記固定板(4)の中央位置に設けられ、前記固定板(4)は環状板状構造として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の杭底グラウチングチャンバー。
【請求項3】
前記グラウチングカプセル(2)は前記固定板(4)の形状にマッチングする中空環状構造であることを特徴とする請求項2に記載の杭底グラウチングチャンバー。
【請求項4】
前記グラウチング管(3)と前記グラウチングカプセル(2)との連通位置に設けられ、前記グラウチングカプセル(2)内の目詰まり物が前記グラウチング管(3)に入ることを阻止する第1逆止め弁をさらに備えることを特徴とする請求項1~
3のいずれか一項に記載の杭底グラウチングチャンバー。
【請求項5】
前記グラウチング管(3)に、スラリーが前記グラウチングカプセル(2)内に入る第1グラウチング孔(11)が設けられ、前記第1逆止め弁は、前記グラウチング管(3)の第1グラウチング孔(11)と対向して設けられ、前記第1グラウチング孔(11)を密封する第1弾性部品(12)を備え、前記第1弾性部品(12)は、前記グラウチング管(3)に密着して、前記目詰まり物が前記第1グラウチング孔(11)を通過してグラウチング管(3)に入ることを阻止する密封状態と、前記グラウチング管(3)内の圧力の作用を受けて、前記グラウチング管(3)から離れる方向へ移動して、スラリーが前記第1グラウチング孔(11)を通過して前記グラウチングカプセル(2)に入るようにする開放状態と、を有することを特徴とする
請求項4に記載の杭底グラウチングチャンバー。
【請求項6】
前記通過孔(5)と連通し、前記通過孔(5)内にグラウチングするスラリー補給構造をさらに備えることを特徴とする請求項1~
5のいずれか一項に記載の杭底グラウチングチャンバー。
【請求項7】
前記スラリー補給構造は少なくとも1本のスラリー補給管(17)であり、前記スラリー補給管(17)は前記通過孔(5)と連通し、前記通過孔(5)内にグラウチングすることを特徴とする
請求項6に記載の杭底グラウチングチャンバー。
【請求項8】
前記スラリー補給管(17)は前記通過孔(5)のキャビティ内まで延伸する第2グラウチング部(18)を有し、前記第2グラウチング孔(20)は複数であり、前記第2グラウチング部(18)に設けられ、前記第2グラウチング部(18)は前記通過孔(5)の孔壁の輪郭に沿って延伸する弧状管路であることを特徴とする
請求項7に記載の杭底グラウチングチャンバー。
【請求項9】
前記通過孔(5)は1つであり、前記固定板(4)の中央位置に設けられ、前記固定板(4)は環状板状構造として構成されており、前記固定板(4)の内輪エッジは、前記グラウチングカプセル(2)の内輪まで延伸する環状ストッパー(10)を有し、前記スラリー補給管(17)の第2グラウチング孔(20)は、前記環状ストッパー(10)の、前記固定板(4)から離れる一側に位置することを特徴とする
請求項8に記載の杭底グラウチングチャンバー。
【請求項10】
前記グラウチングカプセル(2)に、前記グラウチングカプセル(2)の内部に媒体を充填
し、グラウチングカプセル(2)が耐えられる圧力を検出するためのカプセル検出口(6)が設けられることを特徴とする
請求項1~9に記載の杭底グラウチングチャンバー。
【請求項11】
前記カプセル検出口(6)は前記固定板(4)に設けられることを特徴とする
請求項10に記載の杭底グラウチングチャンバー。
【請求項12】
場所打ち杭体であって、
請求項1~
11のいずれか一項に記載の杭底グラウチングチャンバーと、
前記杭底グラウチングチャンバーの固定板(4)に連結され、前記グラウチング管(3)に固定的に連結された鉄筋かご(14)と、を備えることを特徴とする場所打ち杭体。
【請求項13】
請求項12に記載の場所打ち杭体の施工方法であって、
収容孔(1)を形成し、前記収容孔(1)内のスライムをクリーニングするステップS1と、
前記杭底グラウチングチャンバーが下端に取り付けられた鉄筋かご(14)を前記収容孔(1)の底部に沈めるステップS2と、
前記通過孔(5)を介して前記固定板(4)の下側の前記スライムを排出するステップS3と、
前記収容孔(1)内にコンクリートを注入して、場所打ち杭を形成するステップS4と、
前記グラウチングカプセル(2)内にグラウチングして、杭底拡径頭部を形成するステップS5と、を含むことを特徴とする場所打ち杭体の施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基礎の技術分野に関し、具体的には、杭底グラウチングチャンバー及び使用方法、並びに場所打ち杭体及びその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、基礎分野では、場所打ち杭のポストグラウチングにオープングラウチングが一般的に使用されている。しかしながら、オープングラウチングはスラリー注入範囲の制御性が低く、杭端拡径頭部の形成及び周辺地層への圧密効果及び杭端の支持力の向上の幅が小さいという問題を抱えている。
【0003】
オープングラウチングの問題を解決するために、従来技術では、グラウチング管、鋼製底板、グラウチングポート、及びグラウチングカプセルを含み、前記グラウチングポートは鋼製底板の上部及び下部から延出しており、グラウチングポートは上部がグラウチング管に連結され、下部が鋼製底板の下部に位置するグラウチングカプセルに接続され、且つ、前記グラウチング管は上部がグラウチングポンプに接続されるグラウチングカプセル持ちの場所打ち杭グラウチング装置が開示されている。しかしながら、掘削場所打ち杭の施工、特に泥水擁壁を使用する施工過程において、上記グラウチングカプセル持ちの場所打ち杭に明らかな欠陥がある。鉄筋かごの底に鋼板グラウチングカプセルをポストグラウチング容器として取り付ける際に、鉄筋かごとともに孔底に下ろす過程において、保護鋼板持ちの鉄筋かごは掘削中にピストンのように、掘削における泥水を上へ排出しにくくさせ、泥水中に孔壁を破壊する渦流を形成し、鋼板のエッジと掘削壁との間を旋回する泥水流が掘削壁を洗い流すとともに摂動させ、掘削壁の崩壊の問題の発生を引き起こす。且つ、上記鋼製底板も掘削壁を擦るため、掘削壁の崩壊がさらに深刻化し、孔壁の崩壊によって、クリーニング後の掘削孔の孔底のスライムが基準値を超えてしまうとともに、鋼製底板の上側にも掘削壁の崩壊由来の泥砂がたまり、スライムが基準値を超えることを引き起こし、掘削場所打ち杭の品質に深刻な影響を与え、さらに杭の破断の問題を引き起こしてしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は、従来技術におけるグラウチングカプセルを備える場所打ち杭は掘削場所打ち杭施工過程において、孔壁の崩壊やスライムが基準値を超えることを引き起こし、施工品質に深刻な影響を与えるという問題を解決するために、杭底グラウチングチャンバー及び使用方法、並びに場所打ち杭体及びその施工方法を提供することを目的とする。そのため、本発明は
杭体を支持するように内部にスラリーが充填される膨張状態、及び内部が中空になる収縮状態を有するグラウチングカプセルと、
前記グラウチングカプセルのキャビティと連通し、前記グラウチングカプセル内にグラウチングするグラウチング管と、を備える杭底グラウチングチャンバーであって、
固定板をさらに備え、前記グラウチングカプセルは前記固定板に設けられ、前記固定板に、収容孔の孔底と連通し、前記収容孔内の泥水及び/又はスライムが前記固定板を通過する通過孔が設けられる
杭底グラウチングチャンバーを提供する。
【0005】
前記通過孔は1つであり、前記固定板の中央位置に設けられ、前記固定板は環状板状構造として構成されている。
【0006】
前記グラウチングカプセルは前記固定板の形状にマッチングする中空環状構造である。
【0007】
環状構造である前記固定板の内輪エッジは、前記グラウチングカプセルの内輪まで延伸する環状ストッパーを有する。
【0008】
前記環状ストッパーの高さは前記収容孔のスライムの設計厚さと収縮状態における前記グラウチングカプセルの厚さとの和以下である。
【0009】
前記環状ストッパーは前記固定板の表面に垂直である。
【0010】
杭底グラウチングチャンバーは、前記グラウチング管と前記グラウチングカプセルとの連通位置に設けられ、前記グラウチングカプセル内の目詰まり物が前記グラウチング管に入ることを阻止する第1逆止め弁をさらに備える。
【0011】
前記グラウチング管に、スラリーが前記グラウチングカプセル内に入る第1グラウチング孔が設けられ、前記第1逆止め弁は、前記グラウチング管の第1グラウチング孔と対向して設けられ、前記第1グラウチング孔を密封する第1弾性部品を備え、前記第1弾性部品は、前記グラウチング管に密着して前記目詰まり物が前記第1グラウチング孔を通過してグラウチング管に入ることを阻止する密封状態と、前記グラウチング管内の圧力の作用を受けて前記第1グラウチング部から離れる方向へ移動してスラリーが前記第1グラウチング孔を通過して前記グラウチングカプセルに入るようにする開放状態と、を有する。
【0012】
前記グラウチング管は、前記グラウチングカプセルキャビティ内まで延伸する第1グラウチング部を有し、前記第1グラウチング部は前記固定板の外郭に沿って延伸する環状管路であり、前記第1弾性部品は前記第1グラウチング部に套設される環状スリーブである。
【0013】
前記杭底グラウチングチャンバーは、前記通過孔と連通し、前記通過孔内にグラウチングするスラリー補給構造をさらに備える。
【0014】
前記スラリー補給構造は少なくとも1本のスラリー補給管であり、前記スラリー補給管は前記通過孔と連通し、前記通過孔内にグラウチングする。
【0015】
前記スラリー補給管は、前記通過孔のキャビティ内まで延伸する第2グラウチング部を有し、前記第2グラウチング孔は複数であり、前記第2グラウチング部に設けられ、前記第2グラウチング部は前記通過孔の孔壁の輪郭に沿って延伸する弧状管路である。
【0016】
前記第2グラウチング部は前記通過孔の孔壁の輪郭に沿って延伸する環状管路である。
【0017】
前記固定板は前記通過孔と連通するスラリー収容室を有し、前記スラリー補給管は前記スラリー収容室のスラリー入口と連通する。
【0018】
前記スラリー補給管に、前記スラリー補給管と前記通過孔との連通又は遮断を制御する第2逆止め弁が設けられる。
【0019】
前記第2逆止め弁は、前記スラリー補給管の第2グラウチング孔と対向して設けられ、前記第2グラウチング孔を密封する第2弾性部品を備え、前記第2弾性部品は、前記スラリー補給管に密着して目詰まり物が前記第2グラウチング孔を通過してスラリー補給管に入ることを阻止する密封状態と、前記スラリー補給管内の圧力作用を受けて前記スラリー補給管から離れる方向へ移動してスラリーが前記第2グラウチング孔を通過して前記通過孔に入るようにする開放状態と、を有する。
【0020】
前記第2弾性部品は前記第2グラウチング部に套設される環状スリーブである。
【0021】
前記通過孔は1つであり、前記固定板の中央位置に設けられ、前記固定板は環状板状構造として構成されており、前記固定板の内輪エッジは、前記グラウチングカプセルの内輪まで延伸する環状ストッパーを有し、前記スラリー補給管の第2グラウチング孔は前記環状ストッパーの、前記固定板から離れる一側に位置する。
【0022】
前記グラウチングカプセルに、前記グラウチングカプセルの漏れの有無及び/又は耐えられる圧力を検証するように、前記グラウチングカプセルの内部に媒体を充填するカプセル検出口が設けられ、グラウチングカプセルが耐えられる圧力を検出することで、スラリー作用によるグラウチングカプセルの膨張収縮能力及びその容積を効果的に確認することができる。
【0023】
前記カプセル検出口は前記固定板に設けられる。
【0024】
場所打ち杭体であって、
上記杭底グラウチングチャンバーと、
前記杭底グラウチングチャンバーの固定板に連結され、前記グラウチング管に固定的に連結された鉄筋かごと、を備える。
【0025】
前記場所打ち杭体は、前記鉄筋かごに固定される杭側グラウチング管をさらに備え、前記杭側グラウチング管の第1グラウチング孔は前記グラウチングカプセルに近い位置に設けられ、杭側地層へグラウチングする。
【0026】
場所打ち杭体の施工方法であって、
収容孔を形成し、前記収容孔内のスライムをクリーニングするステップS1と、
前記杭底グラウチングチャンバーが下端に取り付けられた鉄筋かごを前記収容孔の底部に沈めるステップS2と、
前記通過孔を介して前記固定板の下側の前記スライムを排出するステップS3と、
前記収容孔内にコンクリートを注入して、場所打ち杭を形成するステップS4と、
前記グラウチングカプセル内にグラウチングして、杭底拡径頭部を形成するステップS5と、を含む。
【0027】
場所打ち杭体の施工方法であって、ステップS3では、前記通過孔を介して前記固定板の下側の前記スライムを排出することは、前記通過孔に合わせるように負圧吸引管を制御し、前記収容孔の孔底のスライムを排出するステップを含む。
【0028】
場所打ち杭体の施工方法であって、前記通過孔を貫通するスラリー補給管を介して杭底にグラウチングするステップS6をさらに含む。
【0029】
場所打ち杭体の施工方法であって、場所打ち杭体の側部地層へグラウチングするステップS7をさらに含む。
【0030】
杭底グラウチングチャンバーの使用方法であって、
グラウチング管を洗浄するステップと、
前記グラウチングカプセル内にグラウチングするステップと、を含む。
【0031】
前記グラウチング管を洗浄するステップは、具体的には、第1グラウチング部を介して接続される少なくとも2本の前記グラウチング管を開放するステップS1と、開放状態である少なくとも2本の前記グラウチング管のうちの少なくとも1本の前記グラウチング管内に洗浄液を注入し、前記洗浄液は開放状態であり且つ前記洗浄液が注入されていない他方の前記グラウチング管から排出され、前記グラウチング管内の圧力は第1逆止め弁を開放する圧力未満であるステップS2と、を含む。
【0032】
前記グラウチングカプセル内にグラウチングする前記ステップは、具体的には、開放状態である前記グラウチング管内にスラリーを注入し、前記第1グラウチング部内の圧力が前記第1弾性部品の付勢力よりも大きく、前記スラリーは前記第1弾性部品と前記第1グラウチング部との間の隙間から溢れ、前記グラウチングカプセル内に入るステップを含む。
【発明の効果】
【0033】
本発明の技術案は、以下の利点を有する。
【0034】
1.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーは、杭体を支持するように内部にスラリーが充填される膨張状態、及び内部が中空になる収縮状態を有するグラウチングカプセルと、前記グラウチングカプセルのキャビティと連通し、前記グラウチングカプセル内にグラウチングするグラウチング管と、固定板と、を備え、前記グラウチングカプセルは前記固定板に設けられ、前記固定板に、前記収容孔の孔底と連通し、前記収容孔内の泥水及び/又はスライムが前記固定板を通過する通過孔が設けられる。固定板に設けられる通過孔を介して、杭底グラウチングチャンバーが収容孔の孔底へ沈む過程で、収容孔内の泥水や空気等が通過孔を経由して杭底グラウチングチャンバーの上方に入り、杭底グラウチングチャンバーと収容孔との間に孔壁を破壊する渦流を形成することがなく、さらに杭底グラウチングチャンバーの降下中に泥水等が収容孔内に排出できないため孔壁を破壊する渦流を形成してしまう問題を効果的に回避し、固定板エッジと収容孔との間を旋回する泥水流が収容孔の孔壁を洗い流して摂動させることを回避し、収容孔の孔壁崩壊、孔底のスライムが基準値を超えることや杭の破断の問題を効果的に防止し、場所打ち杭体の施工品質及び進捗状況を効果的に向上する。
【0035】
2.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記通過孔は1つであり、前記固定板の中央位置に設けられ、前記固定板は環状板状構造として構成されている。1つの前記通過孔が固定板の中央位置に設けられることで、杭底グラウチングチャンバーは沈む過程で、各位置が相対的なバランスを取ることができ、それによって杭底グラウチングチャンバーが沈む中の位置ずれの問題を回避し、グラウチングチャンバーをスムーズに孔底に到達させる。且つ、通過孔の上記設置方式によって、通過孔のためにより多くの空間を確保でき、それによって通過孔の孔径を効果的に増大し、さらに泥水等が孔壁を破壊する渦流を形成することなく上記通過孔を効果的に通過することを確保する。
【0036】
3.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記グラウチングカプセルは前記固定板の形状にマッチングする中空環状構造である。グラウチングカプセルを固定板の形状にマッチングする中空環状構造として設計することで、泥水等が杭底グラウチングチャンバーと収容孔の孔壁との間に孔壁を破壊する渦流を形成することなく、グラウチングカプセル及び固定板を効率よく順に通過して杭底グラウチングチャンバーの上層にスムーズに入ることを確保する。且つ、グラウチングカプセルが固定板の形状にマッチングすることで、グラウチングカプセルの体積を効果的に増大させ、グラウチングカプセルが場所打ち杭体を最大限に固定及び支持し、場所打ち杭体の堅牢性及び耐荷性を向上することができる。
【0037】
4.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、環状構造である前記固定板の内輪エッジは、前記グラウチングカプセルの内輪まで延伸する環状ストッパーを有する。場所打ち杭体の施工中、場所打ち杭体を形成するために杭底グラウチングチャンバーが取り付けられた鉄筋かごにコンクリートを注入する必要があり、上記環状ストッパーは通過孔のエッジにコンクリートとグラウチングカプセルを隔てる1つのストッパーを効果的に形成でき、鉄筋かご内にコンクリートを注入する時、コンクリートが上記通過孔を通過してグラウチングカプセルを包むという問題を防止し、グラウチングカプセルがコンクリートにより包まれて場所打ち杭のポストグラウチング効果を損なうという問題の発生を回避する。
【0038】
5.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記環状ストッパーの高さは前記収容孔のスライムの設計厚さと前記グラウチングカプセルの厚さとの和以下である。環状ストッパーの高さを、収容孔のスライムの設計厚さと前記グラウチングカプセルの厚さとの和以下にすることで、杭底グラウチングチャンバーが指定位置までに沈み、環状ストッパーが収容孔の孔底に当接する時、スライムの設計厚さが基準値を超えるという問題を回避する。且つ、上記高さがスライムの設計厚さ以下である環状ストッパーによって、上記通過孔を介して収容孔に対してスライムクリーニングを行った後、環状ストッパーが収容孔の孔底に当接し、収容孔のスライム厚さが合格範囲にあるか否かを効果的に検出でき、施工者の操作及び施工が容易になり、施工品質を確保する。
【0039】
6.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記環状ストッパーは前記固定板の表面に垂直であり、環状ストッパーが固定板に垂直であることで、環状ストッパーはグラウチングカプセルを効果的に保護するとともに、収容孔内の泥水等が迅速に通過孔を通過して杭底グラウチングチャンバーの上方に入ることを確保してもよく、孔壁を破壊する渦流を形成することなく、場所打ち杭体の施工品質及び進捗状況を損なうことがない。
【0040】
7.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記グラウチング管と前記グラウチングカプセルとの連通位置に設けられ、前記グラウチングカプセル内の泥砂、スライム等の混合物が前記グラウチング管に入ることを阻止する第1逆止め弁をさらに備える。前記第1逆止め弁によって、グラウチングカプセルが割れる等の場合に、グラウチング管の外部の圧力がグラウチング管の内部の圧力よりも大きくなると、グラウチングカプセル内に入る泥砂、スライム等の混合物がグラウチング管に入り、又は機械的故障によってグラウチングが中断し、さらにグラウチング管の詰まり問題を引き起こし、その結果、杭底グラウチングチャンバーが使用不能になる問題を効果的に防止できる。且つ、上記第1逆止め弁によって、泥砂、スライム等の混合物がグラウチング管に入ることを効果的に回避でき、さらにグラウチングカプセルがグラウチング前に破損し且つスライムの混合物が入る場合に、グラウチング管によってグラウチングカプセルの方向へグラウチングし続けることができ、又は機械的故障によってグラウチングの中断が発生する場合に、グラウチング管をタイムリーに洗い流して管路のスムーズさを確保し、グラウチングを複数回繰り返すことができ、杭端拡径頭部の形成及び周辺地層への圧密効果を確保し、杭端支持力を向上する。
【0041】
8.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記グラウチング管に、スラリーが前記グラウチングカプセル内に入る第1グラウチング孔が設けられ、前記第1逆止め弁は、前記グラウチング管の第1グラウチング孔と対向して設けられ、前記第1グラウチング孔を密封する第1弾性部品を備え、前記第1弾性部品は、前記グラウチング管に密着して泥砂、スライム等の混合物が前記第1グラウチング孔を通過してグラウチング管に入ることを阻止する密封状態、及び前記グラウチング管内の圧力の作用を受けて、前記第1グラウチング部から離れる方向へ移動して、スラリーが前記第1グラウチング孔を通過して前記グラウチングカプセルに入るようにする開放状態と、を有する。上記第1弾性部品がグラウチング管とグラウチングカプセルとの連通位置に設けられ、前記第1グラウチング部内の圧力が前記第1弾性部品自体の収縮圧力と外部圧力との和よりも小さいと、第1弾性部品がその収縮圧力で生じる付勢力の作用のもとでグラウチング管に密着して第1グラウチング孔を閉鎖し、それによって泥砂、スライム等の混合物が第1グラウチング孔を通過してグラウチング管に入りグラウチング管を塞ぎ、杭底グラウチングチャンバーにグラウチングできないという問題を効果的に回避する。前記第1グラウチング部内の圧力が前記第1弾性部品自体の収縮圧力と外部圧力との和よりも大きいと、前記スラリーが前記第1弾性部品と前記第1グラウチング部との間の隙間を介して溢れてグラウチングカプセル内に入り、又は破損したグラウチングカプセルを通過して地層に入る。上記のような変形可能な第1弾性部品によって、グラウチング管の一方向グラウチングを簡単かつ効果的に確保でき、杭底グラウチングチャンバー内の混合物がグラウチング管に入らないことを確保し、且つグラウチングカプセルが割れる際に、グラウチングによる杭底地層の補強を実現し、杭端支持力を向上することができる。
【0042】
9.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記グラウチング管は、前記グラウチングカプセルキャビティ内まで延伸する第1グラウチング部を有し、前記第1グラウチング部は前記固定板の外郭に沿って延伸する環状管路であり、前記第1弾性部品は前記第1グラウチング部に套設される環状スリーブである。上記環状の第1グラウチング部は環状構造であるグラウチングカプセルに効果的に適応でき、第1グラウチング部をグラウチングカプセルの異なる位置まで延伸させることで、杭底グラウチングチャンバーによるグラウチングをさらに均一させ、且つ、第1弾性部品が管状構造の第1グラウチング部に套設されることで、前記環状スリーブ構造である第1弾性部品によって、管状構造である第1グラウチング部を効果的に包むことができ、第1グラウチング部の管内の圧力が管外の圧力よりも小さいと、第1弾性部品が第1グラウチング孔を効果的に密封することを確保し、様々な角度から孔底の泥砂、スライム等の混合物がグラウチング管に入ることを防止する。
【0043】
10.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記杭底グラウチングチャンバーは、前記通過孔と連通し、前記通過孔内にグラウチングするスラリー補給構造をさらに備える。上記スラリー補給構造が通過孔を経由して杭底にグラウチングすることで、杭底のセメントペースト含有量を効果的に向上させ、杭底コンクリートの品質を向上することができる。通過孔内にグラウチングすることで、以下の利点を有する。コンクリートが細長いガイド管から落下し、落差が大きすぎて杭底部位のコンクリートが分離して形成されたトゲや乾燥破片を効果的に除去する。通過孔を効果的に充填して杭底の強度を高める。圧力がグラウトに浸透し、杭底の周辺地層中の水をグラウチングによって置換し、杭底の強度を高める。スラリーが通過孔から杭底の周辺地層に注入され、スラリー脈を形成し、杭底の強度を高める。
【0044】
11.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記スラリー補給構造は少なくとも1本のスラリー補給管であり、前記スラリー補給管は前記通過孔と連通し、前記通過孔内にグラウチングする。上記スラリー補給管を介して、簡単且つ便利に遠距離から通過孔内にグラウチングすることができる。
【0045】
12.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記スラリー補給管は通過孔のキャビティ内まで延伸する第2グラウチング部を有し、前記第2グラウチング孔は複数であり、前記第2グラウチング部に設けられ、前記第2グラウチング部は前記通過孔の孔壁の輪郭に沿って延伸する弧状管路である。複数の前記第2グラウチング孔を有する弧状管路又は環状管路によって、第2グラウチング部のグラウチング効率を効果的に向上することができる。同時に、底部地層の各方向からもスラリーが流入することを確保し、グラウチング効果を確保する。
【0046】
13.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記固定板は前記通過孔と連通するスラリー収容室を有し、前記スラリー補給管は前記スラリー収容室のスラリー入口と連通する。スラリーがスラリー補給管及び固定板のスラリー収容室を通過して通過孔に入り、上記方式によって、効果的にスラリーを通過孔内に均一かつ安定的に注入することができる。
【0047】
14.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記スラリー補給管に、前記スラリー補給管と前記通過孔との連通又は遮断を制御する第2逆止め弁が設けられる。それによって、通過孔内の泥砂、スライム等の混合物がスラリー補給管に入ることを阻止する。
【0048】
15.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記第2逆止め弁は、前記スラリー補給管の第2グラウチング孔と対向して設けられ、前記第2グラウチング孔を密封する第2弾性部品を備え、前記第2弾性部品は、前記スラリー補給管に密着して目詰まり物が前記第2グラウチング孔を通過してスラリー補給管に入ることを阻止する密封状態と、前記スラリー補給管内の圧力の作用を受けて前記スラリー補給管から離れる方向へ移動してスラリーが前記第2グラウチング孔を通過して前記通過孔に入るようにする開放状態と、を有する。上記のような変形可能な第2弾性部品によって、スラリー補給管の一方向グラウチングを簡単かつ効果的に確保でき、通過孔内の混合物がスラリー補給管に入らないことを確保する。
【0049】
16.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記通過孔は1つであり、前記固定板の中央位置に設けられ、前記固定板は環状板状構造として構成されており、前記固定板の内輪エッジは、前記グラウチングカプセルの内輪まで延伸する環状ストッパーを有し、前記スラリー補給管の第2グラウチング孔は前記環状ストッパーの、前記固定板から離れる一側に位置する。第2グラウチング孔が環状ストッパーの、前記固定板から離れる一側に設けられることで、スラリーがグラウチングカプセルの内輪の中央部の孔を効果的に埋めることを確保し、杭底グラウチングチャンバーの底部地層のセメントペースト含有量を効果的に増加させる。
【0050】
17.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記グラウチングカプセルに、前記グラウチングカプセルの漏れの有無及び/又は耐えられる圧力を検証するように、前記グラウチングカプセルの内部に媒体を充填するカプセル検出口が設けられる。上記カプセル検出口を介してグラウチングカプセルに空気、水又は他の媒体を充填することで、グラウチングカプセルが耐えられる圧力を効果的に検証し、スラリー作用によるグラウチングカプセルの膨張収縮能力及びその容積を確認することができる。
【0051】
18.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、前記カプセル検出口が前記固定板に設けられ、それによって施工者が操作しやすく、ユーザーの操作の難しさを低下させることができる。
【0052】
19.本発明に係る杭底グラウチングチャンバーでは、第1弾性部品及び第2弾性部品はそれぞれ第1グラウチング部及び第2グラウチング部との固定部を有する。第1弾性部品が第1グラウチング部に固定的に連結されることで、第1グラウチング孔を介してグラウチングカプセルのキャビティにグラウチングする時、第1弾性部品がグラウチングの圧力作用のもとで所定の位置からずれて、第1弾性部品が第1グラウチング孔を密封する能力を失うことを効果的に防止でき、同じ理由で、上記固定部は第2弾性部品を第2グラウチング部に効果的に固定することができる。
【0053】
20.本発明に係る場所打ち杭体では、杭底グラウチングチャンバーと、前記杭底グラウチングチャンバーの固定板に連結され、前記グラウチング管に固定的に連結された鉄筋かごと、を備え、場所打ち杭体は上記技術案のいずれかに記載の杭底グラウチングチャンバーを備えるため、上記技術案のいずれかに記載の利点を有する。
【0054】
21.本発明に係る場所打ち杭体の施工方法は、収容孔を形成し、前記収容孔内のスライムをクリーニングするステップS1と、前記杭底グラウチングチャンバーが下端に取り付けられた鉄筋かごを前記収容孔の底部に沈めるステップS2と、前記通過孔を介して前記固定板の底部の前記スライムを排出するステップS3と、前記収容孔内にコンクリートを注入して、場所打ち杭を形成するステップS4と、前記グラウチングカプセル内にグラウチングして、杭底拡径頭部を形成するステップS5と、を含む。上記通過孔によって、施工者が前記固定板の下側のスライムを効果的かつ簡単に排出でき、それによって収容孔のスライム厚さを合格範囲にすることを効果的に確保し、施工者の操作及び施工が容易になり、施工品質を確保する。
【0055】
22.本発明に係る場所打ち杭体の施工方法では、場所打ち杭体は前記鉄筋かごに固定される杭側グラウチング管をさらに備え、前記杭側グラウチング管の第1グラウチング孔が前記グラウチングカプセルに近い位置に設けられ、杭側地層へグラウチングする。場所打ち杭体の側壁の周辺地層に加圧グラウチングを行うことで、杭体の周辺地層の緻密度、強度をさらに向上するとともに、場所打ち杭と周辺の地層とをより密に結合し、最終的には杭の限界支持力を大幅に向上する。
【0056】
23.本発明に係る場所打ち杭体は、真空プレスによって制御される負圧吸引管を前記通過孔に合わせるように接続することで、前記収容孔の孔底のスライムを排出し、上記負圧吸引管によって、スライムを連続的かつ効果的に排出し、スライム排出効率を向上する。
【0057】
24.本発明に係る場所打ち杭体の施工方法は、前記通過孔を貫通するスラリー補給管によって杭底にグラウチングするステップS6をさらに含む。上記スラリー補給構造が通過孔を経由して杭底にグラウチングすることで、杭底のセメントペースト含有量を効果的に向上させ、杭底コンクリートの品質を向上することができる。通過孔内にグラウチングすることで、以下の利点を有する。コンクリートが細長いガイド管から落下し、落差が大きすぎて杭底部位のコンクリートが分離して形成されたトゲや乾燥破片を効果的に除去する。通過孔を効果的に充填し、杭底の強度を高める。圧力がグラウトに浸透し、杭底の周辺地層中の水をグラウチングによって置換し、杭底の強度を高める。スラリーが通過孔から杭底の周辺地層に注入され、スラリー脈を形成し、杭底地層の強度を高める。
【図面の簡単な説明】
【0058】
本発明の具体的な実施形態又は従来技術の技術案をより明確に説明するために、以下、具体的な実施形態又は従来技術の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかなように、以下説明される図面は本発明のいくつかの実施形態であり、当業者は、創造的な努力をせずに、これらの図面に基づいて他の図面を想到し得る。
【0059】
【
図1】
図1は本発明に係る杭底グラウチングチャンバーの内部構造の模式図である。
【
図2】
図2は本発明に係る杭底グラウチングチャンバーの内部構造の上面模式図である。
【
図3】
図3は本発明に係る第1逆止め弁及び第2逆止め弁を有する杭底グラウチングチャンバーの内部構造の模式図である。
【
図4】
図4は本発明に係る場所打ち杭体の施工の模式図である。
【
図5】
図5は本発明に係る収容孔の構造模式図である。
【
図6】
図6は本発明に係る1本のスラリー補給管の杭底グラウチングチャンバーの内部構造の模式図である。
【
図7】
図7は本発明に係るスラリー収容室を有する杭底グラウチングチャンバーの内部構造の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
以下、図面を参照しながら本発明の技術案を明確かつ完全に説明し、明らかなように、説明される実施例は本発明の一部の実施例であり、すべての実施例ではない。本発明の実施例に基づいて当業者が創造的な努力をせずに想到し得る他の実施例はすべて本発明の保護範囲に属する。
【0061】
なお、本発明についての説明では、用語「中心」、「上」、「下」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「内」、「外」等で指す方位又は位置関係は図面に示される方位又は位置関係によるものであり、本発明を簡潔に説明するためのものであり、係る装置又は素子が必ずしも特定の方位を有したり、特定の方位で構成及び操作されたりすることを指示又は暗示しないため、本発明を限定するものではないと理解すべきである。また、用語「第1」、「第2」、「第3」は説明を目的とするものであり、相対重要性を指示又は暗示すると理解すべきではない。
【0062】
なお、本発明についての説明では、特に明記しない限り、用語「取り付け」、「連結」、「接続」は広義に理解すべきであり、例えば、固定接続、又は取り外し可能な接続、又は一体接続であってもよく、機械的接続、又は電気的接続であってもよく、直接連結、又は中間媒体を介した間接連結であってもよく、2つの素子の内部が連通することであってもよい。当業者であれば、具体的な状況に応じて本発明における上記用語の具体的な意味を理解できる。
【0063】
また、以下説明される本発明の異なる実施形態に係る技術的特徴は互いに矛盾しない限り、互いに組み合わせることができる。
【0064】
実施例1
本実施例に係る場所打ち杭体は、
図4及び
図5に示すように、杭底グラウチングチャンバー、鉄筋かご14、及びグラウチング管3を備え、
杭底グラウチングチャンバーは、
図1~3に示すように、固定板4、環状ストッパー10、グラウチングカプセル2を備え、
前記固定板4に、前記収容孔1の孔底と連通し、前記収容孔1内の泥水及びスライムが前記固定板4を通過する通過孔5が設けられ、上記通過孔5は1つであり、前記固定板4の中央位置に設けられ、前記固定板4は環状板状構造として構成されている。固定板4の中央位置に設けられる通過孔5を介して、杭底グラウチングチャンバーが収容孔1の孔底へ沈む過程で、収容孔1内の泥水や空気等が通過孔5を経由して杭底グラウチングチャンバーの上方に入り、杭底グラウチングチャンバーと収容孔1との間に孔壁を破壊する渦流を形成することがなく、さらに杭底グラウチングチャンバーの降下中に泥水等が収容孔1内に排出できないため孔壁を破壊する渦流を形成してしまう問題を効果的に回避し、固定板4のエッジと収容孔1との間を旋回する泥水流が収容孔1の孔壁を洗い流して摂動させることを回避し、収容孔1の孔壁崩壊、孔底のスライムが基準値を超えることや杭の破断の問題を効果的に防止し、場所打ち杭体の施工品質を効果的に向上する。且つ、固定板4の中央位置に設けられる上記通過孔5によって、杭底グラウチングチャンバーは沈む過程で、各位置が相対的バランスを取ることができ、それによって杭底グラウチングチャンバーが沈む中の位置ずれの問題を回避し、グラウチングチャンバーをスムーズに孔底に到達させる。また、通過孔5を固定板4の中央位置に設けることによって、複数の小さな孔が設けられる場合に比べて、通過孔5のためにより多くの空間を確保でき、それによって通過孔5の孔径を効果的に増大し、さらに泥水等が孔壁を破壊する渦流を形成することなく、上記通過孔5を効果的に通過することを確保する。
【0065】
環状ストッパー10は、前記固定板4の内輪エッジに沿って設置される環状止め板であり、前記環状止め板は前記グラウチングカプセル2の内輪まで延伸し、且つ前記固定板4の表面に垂直である。場所打ち杭体の施工過程において、場所打ち杭体を形成するために杭底グラウチングチャンバーが取り付けられた鉄筋かごにコンクリートを注入する必要があり、上記環状ストッパー10は通過孔5のエッジにコンクリートとグラウチングカプセル2を隔てる1つのストッパーを効果的に形成でき、鉄筋かご内にコンクリートを注入する時、コンクリートが上記通過孔5を通過してグラウチングカプセル2を包むという問題を防止し、グラウチングカプセル2がコンクリートにより包まれて場所打ち杭のポストグラウチング効果を損なうという問題の発生を回避する。且つ、上記環状ストッパー10の高さは前記収容孔1のスライムの設計厚さとグラウチングカプセル2の厚さとの和以下であり、それによって、杭底グラウチングチャンバーが指定位置に沈み、環状ストッパー10が収容孔1の孔底に当接する時、スライムの設計厚さが基準値を超えるという問題を回避する。且つ、上記高さがスライムの設計厚さ以下である環状ストッパー10によって、上記通過孔5を介して収容孔1に対してスライムクリーニングを行った後、環状ストッパー10が収容孔1の孔底に当接し、収容孔1のスライム厚さが合格範囲にあるか否かを効果的に検出でき、施工者の操作及び施工が容易になり、施工品質を確保する。一方、前記グラウチングカプセル2が前記固定板4に設けられ、前記グラウチングカプセル2と前記固定板4がスラリーを収容する収容室を囲む。上記固定板4はさらに鉄筋かごに効果的に連結され、杭底グラウチングチャンバーの取り付け使用を実現することができる。
【0066】
ゴム製のグラウチングカプセル2は、前記固定板4に設けられ、前記固定板4の形状にマッチングする中空環状構造であり、杭体を支持するように内部にスラリーが充填される膨張状態、及び内部が中空になる収縮状態を有し、グラウチングカプセル2が固定板4の形状にマッチングする中空環状構造として設計されることで、泥水等が杭底グラウチングチャンバーと収容孔1の孔壁との間に孔壁を破壊する渦流を形成することがなく、グラウチングカプセル2及び固定板4を効率よく順に通過して杭底グラウチングチャンバーの上層に入ることを確保し、且つ、グラウチングカプセル2が固定板4の形状にマッチングすることで、グラウチングカプセル2の体積を効果的に増大させ、グラウチングカプセル2が場所打ち杭体を最大限に固定及び支持し、場所打ち杭体の堅牢性を向上することができる。且つ、上記環状の第1グラウチング部13が環状構造であるグラウチングカプセル2に効果的に適応でき、第1グラウチング部13をグラウチングカプセル2の異なる位置までに延伸させることで、杭底グラウチングチャンバーによるグラウチングをさらに均一にさせる。
【0067】
鉄筋かご14は、前記杭底グラウチングチャンバーの固定板4に連結され、前記鉄筋かご14に杭側グラウチング管15がさらに設けられ、前記杭側グラウチング管15の第1グラウチング孔が前記グラウチングカプセル2に近い位置に設けられる。場所打ち杭の底部に対して加圧グラウチングを行うことで、杭体と杭底拡径頭部等を密に結合させ、杭底拡径頭部及び杭底の杭周辺地層の緻密度、強度をさらに向上させ、最終的には杭の限界支持力を大幅に向上する。同時に、前記杭の側壁の周辺地層にグラウチングする。場所打ち杭の側壁の周辺地層に加圧グラウチングを行うことで、杭体の周辺地層の緻密度、強度をさらに向上するとともに、場所打ち杭と周辺の地層とをより密に結合させ、最終的には杭の限界支持力を大幅に向上する。
【0068】
グラウチング管3は、2本であり、前記鉄筋かご14に固定的にバインディングして連結され、前記グラウチングカプセル2のキャビティと連通し、前記グラウチング管3は前記グラウチングカプセル2のキャビティ内まで延伸する第1グラウチング部13を有し、前記グラウチングカプセル2内にグラウチングする。前記第1グラウチング部13は前記固定板4の外郭に沿って延伸する環状管路であり、環状の第1グラウチング部13に、スラリーが前記グラウチングカプセル2内に入る第1グラウチング孔11が設けられ、環状の第1グラウチング部13に、泥砂、スライム等の混合物がグラウチングカプセル2及びグラウチング管3に入ることを阻止する第1逆止め弁がさらに設けられ、上記第1逆止め弁は、前記グラウチング管3の第1グラウチング孔11と対向して設けられ、前記第1グラウチング孔11を密封する第1弾性部品12を備え、前記第1弾性部品12は前記第1グラウチング部13に套設される環状スリーブ状ゴム部品であり、上記環状スリーブ構造の第1弾性部品12によって、管状構造である第1グラウチング部13を効果的に包むことができ、第1弾性部品12が第1グラウチング孔11を効果的に密封することを確保し、様々な角度から孔底の泥砂、スライム等の混合物がグラウチング管3に入ることを防止する。第1弾性部品12は、前記グラウチング管3に密着して泥砂、スライム等の混合物が前記第1グラウチング孔11を通過してグラウチング管3に入ることを阻止する密封状態と、前記グラウチング管3内の圧力作用を受けて、前記第1グラウチング部13から離れる方向へ移動して、スラリーが前記第1グラウチング孔11を通過して前記グラウチングカプセル2に入るようにする開放状態と、を有する。前記第1グラウチング部13内の圧力が前記第1弾性部品12自体の収縮圧力と外部圧力との和よりも小さいと、第1弾性部品12がその収縮圧力で生じる付勢力の作用のもとでグラウチング管3に密着して第1グラウチング孔11を閉鎖し、それによって泥砂、スライム等の混合物が第1グラウチング孔11を通過してグラウチング管3に入りグラウチング管3を塞ぎ、杭底グラウチングチャンバーにグラウチングできない問題を効果的に回避する。前記第1グラウチング部13内の圧力が前記第1弾性部品12自体の収縮圧力と外部圧力との和よりも大きいと、前記スラリーが前記第1弾性部品12と前記第1グラウチング部13との間の隙間を介して溢れてグラウチングカプセル2内に入り、又は破損したグラウチングカプセル2を通過して地層に入る。上記変形可能な第1弾性部品12によって、グラウチング管3の一方向グラウチングを簡単かつ効果的に確保でき、杭底グラウチングチャンバー内の混合物がグラウチング管3に入らないことを確保する。
【0069】
スラリー補給構造は、
図2に示すように、前記通過孔5及び環状のグラウチングカプセル2の内輪空間にグラウチングし、前記スラリー補給構造は2本のスラリー補給管17であり、前記スラリー補給管17は前記通過孔5のキャビティ内まで延伸する第2グラウチング部18を有し、前記第2グラウチング孔20は複数であり、前記第2グラウチング部18に設けられ、前記第2グラウチング部18は前記通過孔5の孔壁の輪郭に沿って延伸する環状管路であり、複数の第2グラウチング孔20を有する上記環状管路は第2グラウチング部18のグラウチング効率を効果的に増加させることができる。同時に、底部地層の各方向からもスラリーが流入することを確保し、グラウチング効果を確保する。前記スラリー補給管17に、前記スラリー補給管17と前記通過孔5との連通又は遮断を制御する第2逆止め弁が設けられる。前記第2逆止め弁は、前記スラリー補給管17の第2グラウチング孔20と対向して設けられ、前記第2グラウチング孔20を密封する第2弾性部品22を備え、前記第2弾性部品22は環状の第2グラウチング部18に套設される環状スリーブであり、前記第2弾性部品22は、前記スラリー補給管17に密着して目詰まり物が前記第2グラウチング孔20を通過してスラリー補給管17に入ることを阻止する密封状態と、前記スラリー補給管17内の圧力の作用を受けて前記スラリー補給管17から離れる方向へ移動してスラリーが前記第2グラウチング孔20を通過して前記通過孔5に入るようにする開放状態と、を有する。上記スラリー補給構造によって、通過孔5を介して杭底にグラウチングすることで、杭底のセメントペースト含有量を効果的に向上させ、杭底コンクリートの品質を向上することができる。通過孔5内にグラウチングすることで、以下の利点を有する。1.コンクリートが細長いガイド管から落下し、落差が大きすぎて杭底部位のコンクリートが分離して形成されたトゲや乾燥破片を効果的に除去する。2.通過孔5を効果的に充填し、杭底の強度を高める。3.圧力がグラウトに浸透し、杭底の周辺地層中の水をグラウチングによって置換し、杭底の強度を高める。4.スラリーが通過孔5から杭底の周辺地層に注入され、スラリー脈を形成し、杭底の強度を高める。本実施例では、前記通過孔5は1つであり、前記固定板4の中央位置に設けられ、前記固定板4は環状板状構造として構成されており、前記固定板4の内輪エッジは、前記グラウチングカプセル2の内輪まで延伸する環状ストッパー10を有し、前記スラリー補給管17の第2グラウチング孔20は前記環状ストッパー10の、前記固定板4から離れる一側に位置する。第2グラウチング孔20が環状ストッパー10の、前記固定板4から離れる一側に設けられることで、スラリーがグラウチングカプセル2の内輪の中央部の孔を効果的に埋めることを確保し、杭底グラウチングチャンバーの底部地層のセメントペースト含有量を効果的に増加させる。
【0070】
本実施例では、前記固定板4に、前記グラウチングカプセル2の漏れの有無及び/又は耐えられる圧力を検証するように、前記グラウチングカプセル2の内部に媒体を充填するカプセル検出口6が設けられる。上記カプセル検出口6を介してグラウチングカプセル2に空気、水又は他の媒体を充填することで、グラウチングカプセル2が耐えられる圧力を効果的に検出し、スラリー作用によるグラウチングカプセル2の膨張収縮能力及びその容積を確認することができる。
【0071】
本実施例では、第1弾性部品12及び第2弾性部品22はそれぞれ第1グラウチング部13及び第2グラウチング部18との固定部を有する。第1弾性部品12と第1グラウチング部13が固定部品23によって固定的に連結されることで、第1グラウチング孔11を介してグラウチングカプセル2のキャビティにグラウチングする時、第1弾性部品12がグラウチングの圧力作用のもとで所定の位置からずれて、第1弾性部品12が第1グラウチング孔11を密封する能力を失うことを効果的に防止でき、同様に、上記固定部は第2弾性部品22を第2グラウチング部18に効果的に固定する。上記固定部品23はリベットである。
【0072】
勿論、本発明出願は、第1弾性部品12と第1グラウチング部13、及び第2弾性部品22と第2グラウチング部18の接続方式を具体的に制限せず、他の実施例では、第1弾性部品12と第1グラウチング部13、及び第2弾性部品22と第2グラウチング部18は接着、係止具又は締め具によって固定されてもよく、それによってグラウチング孔3を介してグラウチングカプセル2のキャビティにグラウチングする時、第1弾性部品12がグラウチングの圧力作用のもとで所定の位置からずれて、第1弾性部品12がグラウチング孔を密封する能力を失うことをさらに効果的に防止する。
【0073】
勿論、本発明出願は第1弾性部品12と第1グラウチング部13、及び第2弾性部品22と第2グラウチング部18の固定接続方式を具体的に制限せず、他の実施例では、第1弾性部品12は第1グラウチング部13に一体成形され、第1弾性部品12と第1グラウチング部13との間にスラリーが通過する伸縮隙間を有する。第2弾性部品22と第2グラウチング部18は一体成形によって接続されてもよい。
【0074】
杭底環状グラウチングチャンバーの使用方法であって、
グラウチング管3を洗浄するステップと、前記グラウチングカプセル2内にグラウチングするステップと、を含み、
グラウチング管3を洗浄する前記ステップは具体的には、第1グラウチング部13を介して接続される2本の前記グラウチング管3を開放するステップS1と、開放状態である1本の前記グラウチング管3内に洗浄液を注入し、前記洗浄液は開放状態であり且つ前記洗浄液が注入されていない他方の前記グラウチング管3から排出され、前記グラウチング管3内の圧力が第1逆止め弁を開放する圧力未満であるステップS2と、を含み、上記のように設置することで、第1逆止め弁を開放しないことを確保し、洗浄液がグラウチングカプセル2に入ることなく、グラウチング管3を効果的にクリーニングすることができる。
【0075】
前記グラウチングカプセル2内にグラウチングするステップは、具体的には、開放状態である前記グラウチング管3内にスラリーを注入し、前記第1グラウチング部13内の圧力が前記第1弾性部品12自体の収縮圧力と外部圧力との和よりも大きく、前記スラリーが前記第1弾性部品12と前記第1グラウチング部13との間の隙間から溢れて、前記グラウチングカプセル2内に入るステップを含み、複数のグラウチング管3が液体ループを形成できない場合、グラウチング管3内の液体圧力値を効果的に増大させることができ、それによってグラウチング管3内の圧力で第1逆止め弁を開放するように十分となり、グラウチングカプセル2内にスラリーを注入し、杭底グラウチングチャンバーの正常使用を確保する。本願では、機械的故障等によるグラウチングの中断の問題が発生する場合、上記のようにグラウチング管3を洗浄し、グラウチング管3のスムーズさを確保し、さらに複数回の間欠式グラウチングを実現し、それによって異なる施工状況に対応する。
【0076】
場所打ち杭体の施工方法であって、
収容孔1を形成し、前記収容孔1内のスライムをクリーニングするステップS1と、
前記杭底グラウチングチャンバーが下端に取り付けられた鉄筋かご14を前記収容孔1の底部に沈めるステップS2と、
負圧吸引管を前記通過孔5に合わせるように制御し、前記収容孔1の孔底のスライムを排出するステップS3と、
前記収容孔1内にコンクリートを注入して、場所打ち杭を形成するステップS4と、
前記グラウチングカプセル2内にグラウチングして、杭底拡径頭部を形成するステップS5と、
前記通過孔5を貫通するスラリー補給管17を介して杭底にグラウチングするステップS6と、
杭側グラウチング管15を介して前記杭側周辺地層にグラウチングするステップS7と、を含む。
【0077】
勿論、本発明出願は第1逆止め弁の構造を具体的に制限せず、他の実施例では、第1逆止め弁は電気制御弁であってもよく、電気制御弁によって第1グラウチング孔11の開閉を遠隔に制御できる。
【0078】
勿論、本発明出願は前記第1弾性部品12と前記第1グラウチング部13の固定接続方式を具体的に制限せず、他の実施例では、第1弾性部品12は第1グラウチング部13に一体成形され、第1弾性部品12と第1グラウチング部13との間にスラリーが通過する伸縮隙間を有する。
【0079】
勿論、本発明出願は第1弾性部品12の構造を具体的に制限せず、他の実施例では、第1弾性部品12は管状構造である第1グラウチング部13の表面に固定される不規則な片状構造であってもよく、第1弾性部品12の形状が第1グラウチング孔11の配置形状にマッチングする。
【0080】
勿論、本発明出願はグラウチング管3の数量形態を具体的に制限せず、他の実施例では、グラウチング管3は3本以上設けられ、それによって複数のグラウチング管3を開放してスラリーを第1グラウチング部13に同時に導き、さらに第1グラウチング部13の内部圧力値が第1弾性部品12及び第1弾性部品12に近い位置における混合物を効果的に開放することを確保し、第1グラウチング部13の十分な圧力を確保し、且つグラウチング管3のグラウチング効率を確保し、又はそのうちのいくつかのグラウチング管3を開放し、他方のグラウチング管3を閉鎖し、開放したグラウチング管3内にスラリーを注入し、第1グラウチング部13の十分な圧力、及びグラウチング管3のグラウチング効率を確保する。
【0081】
勿論、本発明出願は第2グラウチング部18の構造を具体的に制限せず、他の実施例では、前記第2グラウチング部18は前記通過孔5の孔壁の輪郭に沿って延伸する弧状管路である。
【0082】
勿論、本発明出願はスラリー補給構造を具体的に制限せず、他の実施例では、
図6に示すように、スラリー補給管17は1本又は複数であり、スラリー補給管17は前記通過孔5を貫通してグラウチングカプセル2の内輪空間及び杭底にグラウチングする。
【0083】
実施例2
本実施例と実施例1との相違点について、
図7に示すように、スラリー補給構造は前記通過孔5及び環状のグラウチングカプセル2の内輪空間にグラウチングし、前記スラリー補給構造は2本のスラリー補給管17である。前記固定板4は前記通過孔5と連通するスラリー収容室19を有し、前記スラリー補給管17が前記スラリー収容室19のスラリー入口21と連通する。前記スラリー補給管17に前記スラリー補給管17と前記通過孔5との連通又は遮断を制御する第2逆止め弁が設けられる。上記スラリー補給構造によって、通過孔5を介して杭底にグラウチングすることで、杭底のセメントペースト含有量を効果的に向上させ、杭底コンクリートの品質を向上することができる。通過孔5内にグラウチングすることで、以下の利点を有する。1.コンクリートが細長いガイド管から落下し、落差が大きすぎて杭底部位のコンクリートが分離して形成されたトゲや乾燥破片を効果的に除去する。2.通過孔5を効果的に充填し、杭底の強度を高める。3.圧力がグラウトに浸透し、杭底の周辺地層中の水をグラウチングによって置換し、杭底の強度を高める。4.スラリーが通過孔5から杭底周辺地層に注入され、スラリー脈を形成し、杭底の強度を高める。
【0084】
明らかなように、上記実施例は明確に説明するために列挙された例であり、実施形態を限定するものではない。当業者であれば、上記説明をもとに他の様々な変更や変形を行うことができる。ここではすべての実施形態を一々列挙する必要がないとともに、一々列挙することができない。上記説明から派生される明らかな変更や変形は本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0085】
1-収容孔;2-グラウチングカプセル;3-グラウチング管;4-固定板;5-通過孔;6-カプセル検出口;10-環状ストッパー;11-第1グラウチング孔;12-第1弾性部品;13-グラウチング部;14-鉄筋かご;15-杭側グラウチング管;16-グラウチング管ポート;17-スラリー補給管;18-第2グラウチング部;19-スラリー収容室;20-第2グラウチング孔;21-スラリー入口;22-第2弾性部品;23-固定部品。