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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】フレキシブルコンテナバッグ
(51)【国際特許分類】
   B65D 88/22 20060101AFI20220920BHJP
   B28B 7/04 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
B65D88/22 A
B28B7/04
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018090838
(22)【出願日】2018-05-09
(65)【公開番号】P2019196203
(43)【公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】390036515
【氏名又は名称】株式会社鴻池組
(73)【特許権者】
【識別番号】518162669
【氏名又は名称】ホットケミカル株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(74)【代理人】
【識別番号】100102211
【弁理士】
【氏名又は名称】森 治
(72)【発明者】
【氏名】永塚 典幸
(72)【発明者】
【氏名】中島 卓夫
(72)【発明者】
【氏名】楠 佳男
(72)【発明者】
【氏名】大山 将
(72)【発明者】
【氏名】新井 冠作
(72)【発明者】
【氏名】大塚 公敬
(72)【発明者】
【氏名】原田 伸一
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-74644(JP,U)
【文献】特開2018-58634(JP,A)
【文献】特開2011-93597(JP,A)
【文献】特開平3-147807(JP,A)
【文献】特開平8-337288(JP,A)
【文献】特開2004-26202(JP,A)
【文献】国際公開第2006/126784(WO,A1)
【文献】特許第7093921(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 88/00 - 90/66
B28B 7/00 - 7/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部を開放した六面体形状をした型枠内に設置し、内部に硬化性材料を充填して硬化させることで六面体形状のブロックを製作するために用いられる、隣接する側面部が直角を成す有底角型に形成し、上面が開口した収納容器本体と、該収納容器本体に被せることで開口を塞ぐ被せ形状の蓋体とからなるフレキシブルコンテナバッグの収納容器本体の型枠への固定構造であって、前記収納容器本体の四隅に設けられた4本の本体固定用ベルトのそれぞれを、型枠の互いに隣接する側壁面材の片側の上面に固着された嵩上板上に固着され、互いに隣接する側壁面材の互いの突き合せ部分の上方位置において、当該突き合せ部分に形成されたテーパ面と平面視で直交する方向に延びる棒状部材からなる引っ掛け棒に引っ掛けて固定するようにしたことを特徴とするフレキシブルコンテナバッグの収納容器本体の型枠への固定構造。
【請求項2】
溝形鋼材からなる容器固定具を、型枠の側壁面材と収納容器本体の上縁部とを挟み込むように、側壁面材と収納容器本体の上縁部とに跨るように装着するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のフレキシブルコンテナバッグの収納容器本体の型枠への固定構造。
【請求項3】
前記収納容器本体及び蓋体が、織布からなり、内部に合成樹脂製の内袋を設けるようにし、内袋の上部を外袋の外側に折り返しておくようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のフレキシブルコンテナバッグの収納容器本体の型枠への固定構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉粒体や廃棄物等の荷物を保管・運搬する際に用いられるフレキシブルコンテナバッグに関し、特に、硬化性材料の収納、運搬及び養生、並びに該硬化性材料を硬化させてブロックを製作するために用いられるフレキシブルコンテナバッグに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、粉粒体や廃棄物等の荷物を保管・運搬する際に、例えば、円筒型のフレキシブルコンテナバッグが使用されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-159305号公報
【0004】
上記の特許文献1に記載されている従来のフレキシブルコンテナバッグは、円筒状のバッグ本体と、バッグ本体の上端側に縫着される円筒状の投入部とを備え、投入部を通してバッグ本体内に荷物を充填し、充填し終えたら、投入部の上部を巾着袋のように縛って閉じることにより、荷物を収納したバッグ本体を密閉するように構成されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来のフレキシブルコンテナバッグでは、バッグ本体が円筒状であるため、荷物を収容した状態での形状が一定せず、並べて設置したときのデッドスペースが多くなり、収容効率が悪いという問題があった。
また、バッグ本体を密閉する際には、投入部の上部を巾着袋のように縛って閉じるようにしているため、密閉性が悪く、また、上面の形状が局部的に突出した形状となり、別のフレキシブルコンテナバッグを載せた重ねた際に、重ねたフレキシブルコンテナバッグが傾いてしまって不安定となり、積み重ねて保管することが困難であった。
【0006】
本発明は、上記従来のフレキシブルコンテナバッグの有する問題点に鑑み、収容効率を高めることができるとともに、密閉性が高く、かつ積み重ねて保管することが容易なフレキシブルコンテナバッグを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のフレキシブルコンテナバッグは、隣接する側面部が直角を成す有底角型に形成し、上面が開口した収納容器本体と、該収納容器本体に被せることで開口を塞ぐ被せ形状の蓋体とからなることを特徴とする。
【0008】
この場合において、前記蓋体を収納容器本体に固定するための固定手段を設けることができる。
【0009】
また、前記収納容器本体及び蓋体が、織布からなり、内部に合成樹脂製の内袋を設けることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明のフレキシブルコンテナバッグによれば、収納容器本体が角に丸みのない有底角型とされるので、廃棄物等の荷物を収納した状態での形状が一定し、並べて設置したときのデッドスペースが少なくなり、収容効率を高めることができる。
また、収納容器本体に被せることで開口を塞ぐ被せ形状の蓋体が設けられるので、密閉性を高めることができるとともに、蓋体の上面に別のフレキシブルコンテナバッグを載せても安定し、積み重ねて保管することが容易となる。
【0011】
また、前記蓋体を収納容器本体に固定するための固定手段を設けることにより、密閉性をより高めることができる。
【0012】
また、前記収納容器本体及び蓋体が、織布からなり、内部に合成樹脂製の内袋を設けることにより、軽量で折りたたみが容易であり、必要な強度を容易に確保できるとともに、防水機能を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の一実施形態に係るフレキシブルコンテナバッグの分解斜視図である。
図2】同フレキシブルコンテナバッグが設置される型枠を示し、(a)は平面図、(b)は正面図である。
図3】同フレキシブルコンテナバッグの収納容器本体を型枠に設置する手順説明図である。
図4】同フレキシブルコンテナバッグの収納容器本体を容器固定具及び容器固定補助具で型枠に固定する手順説明図である。
図5】型枠に中蓋を装着する手順説明図である。
図6】固定設置した2つの側壁に対し他の2つの側壁を開放した状態図である。
図7】同フレキシブルコンテナバッグの収納容器本体を蓋体で封緘・密封した状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明のフレキシブルコンテナバッグの実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【0015】
図1に、本発明のフレキシブルコンテナバッグの一実施例を示す。
【0016】
<フレキシブルコンテナバッグの概略説明>
図1に示されるように、本実施形態のフレキシブルコンテナバッグ1は、可撓性シート材を用いて上面が開口した袋状に形成してなる収納容器本体2と、収納容器本体2に被せることで開口を塞ぐ被せ形状の蓋体3と、収納容器本体2と蓋体3との間に配されて内蓋として機能する封緘シート材4とを備えている。
【0017】
<収納容器本体の説明>
収納容器本体2は、正方形状(長方形状の場合もある。)の底面部5と、底面部5の四辺に一体的に連設される4つの側面部6とを有し、隣接する側面部6が直角を成すように一体的に連設されて横断面正方形状(横断面長方形状の場合もある。)の角型に形成されている。
この収納容器本体2は、例えば、ポリプロピレン織布等の化学繊維織布からなる外袋2aと、例えば、ポリエチレンシート等の樹脂シートからなる内袋2bとが重ね合わされてなる二重構造とされており、軽量で折りたたみが容易であり、必要な強度を容易に確保できるとともに、防水機能を持たせることができる。
なお、外袋2aと内袋2bとの固定方法は、例えば、両面粘着テープを用いた粘着により固定する方法や、面ファスナーを用いて係脱自在に固定する方法、糸により縫い合わせて固定(縫着)する方法などが挙げられる。
【0018】
後述するように、収納容器本体2は、後述する型枠20の収容部35の内部に入れ込むことで型枠20の内部に設置されるが、このとき後述する底床材25及び4つの側壁31~34にぴったりと接触した状態で収容部35内に納まるように、底面部5や4つの側面部6の形状寸法が設定されている。
また、内袋2bは、その上部を折り返して外袋2aの上部の外側に重ね合わせることができるように、外袋2aよりも上方に所定高さ分だけ突出した高さ寸法に設定されている。
【0019】
収納容器本体2には、例えば、フォークリフトやクレーン等の荷役機械に装備された図示されない専用吊り具が掛け止められる所要の吊り上げ用ベルト7が底面部5から各側面部6に亘って縫着されている。
収納容器本体2における4つの角部のそれぞれには、本体固定用ベルト8が縫着されている。
本体固定用ベルト8は、収納容器本体2を後述する型枠20に固定するためのものであって、収納容器本体2の上下方向中間位置に配設されている。
【0020】
<蓋体の説明>
蓋体3は、例えば、ポリプロピレン織布等の化学繊維織布からなり、収納容器本体2の上端部をすっぽり覆うような形状に形成されている。
すなわち、蓋体3は、収納容器本体2の開口を塞ぐことができる大きさの平面視正方形状(平面視長方形状の場合もある。)で、かつ上面が水平面状の天板部10と、収納容器本体2における4つの側面部6の上部に外側から重ね合わせることができるように天板部10の四辺に一体的に連設される4つの側面部11とを有し、隣接する側面部11が直角を成すように一体的に連設されて横断面正方形状(横断面長方形状の場合もある。)の角型に形成されている。
この蓋体3を収納容器本体2の開口を塞ぐように被せると、収納容器本体2の開口が蓋体3の天板部10によって覆われ、収納容器本体2における4つの側面部6の上部に、蓋体3の4つの側面部11が外側から重ね合わされるので、密閉性を高めることができ、雨等の浸入を確実に防ぐことができる。
また、上面が水平面状の天板部10の採用により、蓋体3の上面が水平面状に形成されるので、蓋体3の上面に別のフレキシブルコンテナバッグ1を載せても安定することになる。
【0021】
<蓋体の固定手段の説明>
蓋体3を収納容器本体2に固定するための固定手段15は、蓋体3における4つの角部のそれぞれに縫着される蓋体固定用テープ16と、収納容器本体2における4つの角部のそれぞれに縫着される蓋体固定用フック17とにより構成されている。
蓋体固定用テープ16は、蓋体3の下部に配設され、蓋体固定用フック17は、収納容器本体2の上下方向中間位置から下部寄りの位置に配設されている。
この固定手段15においては、収納容器本体2の上部に蓋体3を被せた状態で、蓋体固定用テープ16を蓋体固定用フック17に掛け止めるように係合させて緊縛することにより、蓋体3を収納容器本体2に固定することができ、密閉性をより高めることができる。
【0022】
本実施形態のフレキシブルコンテナバッグ1は、硬化性材料の収納、運搬及び養生、並びに該硬化性材料を硬化させて六面体形状のブロックを製作するために用いられる。
なお、本実施形態で示したフレキシブルコンテナバッグ1の適用例に限定されるものではなく、粉粒体や廃棄物等の荷物を保管・運搬する用途にフレキシブルコンテナバッグ1を適用することも勿論可能である。
【0023】
六面体形状のブロックを製作する際には、別途用意した図2(a)及び(b)に示されるような型枠20が用いられ、この型枠20の内部に収納容器本体2を設置し、設置した収納容器本体2の内部に硬化性材料を充填して硬化させることで六面体形状のブロックを製作する。
ここで、硬化性材料としては、例えば、放射性物質を含む焼却灰等とセメントミルクとを混練した混練物を使用するが、勿論これに限定されるものではなく、セメントミルクに砂、砂利、小石、砕石等の骨材を適当な割合で混練した普通コンクリートや、発泡スチロールやプラスチック等の樹脂を使用する場合もある。
【0024】
次に、図2(a)及び(b)を用いて、収納容器本体2が設置される型枠20の構造について説明する。
【0025】
<型枠の概略説明>
図2(a)及び(b)に示される型枠20は、図示されないフォークリフトで持ち上げて運搬できるように荷役用の爪(フォーク)が差し込まれる差込口を有する底床材25と、底床材25上に設置される第1側壁31、第2側壁32、第3側壁33及び第4側壁34とを備え、全体の外観が上部を開放した六面体形状に形成されている。
【0026】
4つの側壁31~34は、平面視で正方形枠状(長方形枠状の場合もある)に組み立てられ、これら4つの側壁31~34と底床材25とによって収容部35が区画形成されている。
4つの側壁31~34のうちの2つの隣接する第1側壁31及び第2側壁32は、底床材25に対し固定的に設置され、他の2つの側壁33、34、つまり第3側壁33及び第4側壁34は、底床材25に対し可動的に設置されている。
【0027】
各側壁31~34は、壁面を構成する側壁面材40と、該側壁面材40の外面に必要段(本例では上下2段)をもって水平状態で取り付けられる横端太材41とにより構成されている。
互いに隣接する側壁面材40同士は、図示されないボルト及びナット、並びに適宜に用いられるUクリップによって締結・固定されている。
【0028】
第3側壁33の横端太材41は、第2側壁32の横端太材41に対し枢支ピン45を支点として回動自在となっており、これによって固定的に設置される第2側壁32に対し第3側壁33が揺動可能に取り付けられる。
また、第4側壁34の横端太材41は、第1側壁31の横端太材41に対し枢支ピン46を支点として回動自在となっており、これによって固定的に設置される第1側壁31に対し第4側壁34が揺動可能に取り付けられる。
【0029】
第3側壁33の横端太材41と第4側壁34の横端太材41とは、両者に係脱自在に架け渡されるスイングボルトを主体に構成される締結具50によって締結されており、第3側壁33と第4側壁34との接合部分の分離及び再接合を締結具50の操作で容易に行うことができるようになっている。
【0030】
<容器固定具の説明>
図2(a)に示されるように、4つの側壁31~34における各々の側壁面材40の近傍には、図示されないチェーンやワイヤロープ等で繋がれた容器固定具51が添設されている。
容器固定具51は、側壁面材40と収納容器本体2の上縁部とに跨るように両者に被せることが可能な溝形鋼材からなるものである。
ここで、本実施例においては、容器固定具51を4つの側壁31~34における各々の側壁面材40の中央位置に設置するようにしたが、容器固定具51と収納容器本体2に縫着されている吊り上げ用ベルト7とが干渉しないように、例えば、容器固定具51を側壁面材40の中央位置を避けてその両側の2箇所に設置するようにすることもできる。
【0031】
<容器固定補助具の説明>
図2(a)に示されるように、互いに隣接する側壁面材40の交わりの角部の上面側には、容器固定補助具55が取り付けられている。
容器固定補助具55は、互いに隣接する側壁面材40の片側の上面に固着される嵩上板56と、嵩上板56上に固着される引っ掛け棒57とにより構成されている。
引っ掛け棒57は、互いに隣接する側壁面材40の互いの突き合せ部分の上方位置において、当該突き合せ部分に形成されたテーパ面と平面視で直交する方向に延びる棒状部材からなるものである。
【0032】
<ブロックの製作手順の説明>
次に、フレキシブルコンテナバッグ1と型枠20とを用いてブロックを製作する手順について、主に図2図5を用いて以下に説明する。
【0033】
まず、ブロックを製作するに際しては、図2(a)及び(b)に示されるように、第3側壁33の横端太材41と第4側壁34の横端太材41とを締結具50によって締結して、型枠20を使用可能な状態に組み立てる。
また、図3に示されるように、別途用意した鋼製中蓋60を型枠20に添設しておく。
【0034】
次いで、上記のようにして組み立てられた型枠20の収容部35の内部に収納容器本体2を入れ込む。
このとき、予め収納容器本体2における内袋2bの上部を外袋2aの外側に折り返しておき、型枠20の底床材25及び4つの側壁31~34に対して、収納容器本体2の底面部5及び4つの側面部6をぴったりと接触させるようにして収納容器本体2を型枠20の収容部35内に納める。
【0035】
次いで、図4に示されるように、収納容器本体2の四隅に設けられた4本の本体固定用ベルト8のそれぞれを、対応する容器固定補助具55の引っ掛け棒57に引っ掛けて緊縛・固定する。
これにより、収納容器本体2の角部が収容部35の角部にぴったりと合った状態に保たれる。
また、各側壁面材40に添設された容器固定具51を、対応する側壁面材40と内袋2bの上部が折り返された状態の収納容器本体2の上縁部とを挟み込むように、側壁面材40と収納容器本体2の上縁部とに跨るように装着する。
これにより、収納容器本体2の各側面部6が側壁面材40にぴったりと接触した状態に保たれる。
【0036】
上記のようにして、収納容器本体2を型枠20の内部に設置したら、設置した収納容器本体2の内部に硬化性材料を充填する。
充填し終えたら、図5に示されるように、収容部35の開口を塞ぐように鋼製中蓋60を型枠20に装着する。この場合、鋼製中蓋60は、必要に応じて使用すればよく、この工程を省略することもできる。
そして、フォークリフト等を用いて型枠20を養生ヤードへと運び、所定の養生期間を設けて硬化させ、六面体形状のブロックを製作する。この場合、養生ヤードには、必要に応じて、養生ラックを設置し、養生ラックの所定位置に型枠20を格納して養生を行うようにすることもできる。
【0037】
<ブロックの取り出し作業手順の説明>
以上のようにして製作したブロックを型枠20から取り出す作業の手順は以下の通りである。
なお、当該作業は、型枠20に装着された鋼製中蓋60及び容器固定具51を取り外した後に行われる。
【0038】
まず、締結具50を操作して、第3側壁33の横端太材41と第4側壁34の横端太材41との締結状態を解除し、両横端太材41を分離可能な状態とする。
また、第3側壁33の側壁面材40と第4側壁34の側壁面材40とを締結しているボルト及びナット、並びにUクリップを外して、両側壁面材40を分離可能な状態とする。
また、必要に応じて、第2側壁32の側壁面材40と第3側壁33の側壁面材40とを締結しているボルト及びナット、並びにUクリップを外す、あるいは緩めるとともに、第1側壁31の側壁面材40と第4側壁34の側壁面材40とを締結しているボルト及びナット、並びにUクリップを外す、あるいは緩めておく。
【0039】
次いで、図6に示されるように、第2側壁32の横端太材41に対し枢支ピン45を支点として第3側壁33の横端太材41を型枠20の外側に回動させるように操作して第3側壁33を開くとともに、第1側壁31の横端太材41に対し枢支ピン46を支点として第4側壁34の横端太材41を型枠20の外側に回動させるように操作して第4側壁34を開いて、第3側壁33と第4側壁34とを分離し、2つの側壁33、34を開放する。
これにより、ブロックを収容している収納容器本体2と型枠20との密着状態が解消される。
【0040】
次いで、例えば、フォークリフトやクレーン等の荷役機械に装着された専用吊り具に、収納容器本体2の吊り上げ用ベルト7(図1参照)を引っ掛け、フォークリフトの操作により、ブロックを収納している収納容器本体2を引き上げて型枠20から抜き取り、抜き取った収納容器本体2を一旦地上に降ろす。
【0041】
次いで、外袋2aの外側に折り返していた内袋2bの上部を、収納しているブロックの上面を覆うように被せ、適宜に粘着テープを用いて仮止めし、その上に封緘シート材4(図1参照)を貼り付けて内袋2bを密封する。
【0042】
そして、図7に示されるように、収納容器本体2の上部に帽子状(被せ形状)の蓋体3を被せ、蓋体3に取り付けられた蓋体固定用テープ16を、収納容器本体2に取り付けられた蓋体固定用フック17に掛け止めるように係合させて緊縛することにより、収納容器本体2に被せた蓋体3を固定して、外袋2aを封緘・密封する。
【0043】
こうして、ブロックを収納した収納容器本体2を蓋体3によって封緘・密封した状態のフレキシブルコンテナバッグ1は、任意の搬出先に搬出したり、直ちに搬出できない場合は任意の保管場所で保管する。
【0044】
保管場所での保管に際しては、保管場所内に順次に搬入されるブロック入りフレキシブルコンテナバッグ1を、必要に応じて、互いの側面部6が接触するように縦横に規則正しく並べて設置するとともに、既に設置されたフレキシブルコンテナバッグ1の蓋体3の上面に別のフレキシブルコンテナバッグ1を載せて積み重ねることができる。
【0045】
<作用効果の説明>
ブロック入りフレキシブルコンテナバッグ1は、正六面体形状で一定しており、保管場所等において並べて設置したときのデッドスペースが少なくなり、収容効率を高めることができる。
また、既に設置されたブロック入りフレキシブルコンテナバッグ1の蓋体3の上面に別のブロック入りフレキシブルコンテナバッグ1を載せても安定するため、ブロック入りフレキシブルコンテナバッグ1を積み重ねて保管することが容易となる。
【0046】
以上、本発明のフレキシブルコンテナバッグについて、一実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明のフレキシブルコンテナバッグは、収容効率を高めることができるとともに、密閉性が高く、かつ積み重ねて保管することが容易であるという特性を有していることから、粉粒体や廃棄物等の荷物を保管・運搬の用途に好適に用いることができるほか、硬化性材料の収納、運搬及び養生、並びに該硬化性材料を硬化させて六面体形状のブロックを製作する用途にも用いることができ、産業上の利用可能性が大である。
【符号の説明】
【0048】
1 フレキシブルコンテナバッグ
2 収納容器本体
2a 外袋
2b 内袋
3 蓋体
4 封緘シート材
5 底面部
6 側面部
15 固定手段
20 型枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7