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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】ポジスクラッチ印刷物
(51)【国際特許分類】
   B42D 25/27 20140101AFI20220920BHJP
   B42D 25/405 20140101ALI20220920BHJP
   B41M 3/00 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
B42D25/27
B42D25/405
B41M3/00 Z
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020203810
(22)【出願日】2020-12-09
(62)【分割の表示】P 2018166660の分割
【原出願日】2018-09-06
(65)【公開番号】P2021054086
(43)【公開日】2021-04-08
【審査請求日】2020-12-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000219912
【氏名又は名称】東京インキ株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】514077545
【氏名又は名称】星野 昇
(73)【特許権者】
【識別番号】516168883
【氏名又は名称】株式会社フェイスプランニングデザイン
(72)【発明者】
【氏名】星野 昇
(72)【発明者】
【氏名】相川 孝
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達也
【審査官】藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-049136(JP,A)
【文献】特開2017-217916(JP,A)
【文献】特開2015-186881(JP,A)
【文献】登録実用新案第3144174(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42D 1/00-25/485
B41M 1/00- 3/18
B41M 7/00- 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の上の秘匿画像を金属片による擦過で着色させ視認可能とするポジスクラッチ印刷物であって、
前記基材の上に、
穴あきベタの二酸化チタン含有下地層と、
前記秘匿画像以外を現すマットニス印刷部分および前記秘匿画像をはめ込んだ石英粉含有印刷部分を含むスクラッチ表層と、
を順次有する、ポジスクラッチ印刷物。
【請求項2】
前記石英粉含有印刷部分が網点である、請求項1記載のポジスクラッチ印刷物。
【請求項3】
前記二酸化チタン含有下地層と、前記スクラッチ表層との間に隠蔽模様層をさらに有する、請求項1または2記載のポジスクラッチ印刷物。
【請求項4】
前記隠蔽模様層が黄色または透明な網点である、請求項3記載のポジスクラッチ印刷物。
【請求項5】
前記秘匿画像がマトリックス型二次元コードである、請求項1から4のいずれか一つに記載のポジスクラッチ印刷物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基材の上の秘匿画像を、金属片による擦過で秘匿画像または秘匿画像以外の部分を着色させ視認可能とするスクラッチ印刷物およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
白い紙の上に硬い二酸化チタンなどの無機酸化物粒子を含む白色インキで文字や画像などを印刷しても、そのままでは視認できないが、印刷部分をコインなどの金属片で擦過すると、白色インキ中の無機酸化物粒子によりコインが削れて金属粉を生じ(ヤスリ効果)、この金属粉が印刷部分に付着して黒く着色し、文字や画像を視認できるようになる(以下、この現象を「コイン擦過性」という。)。
【0003】
しかしながら、印刷用紙にはその白色度を高めるために蛍光増白剤が含まれており、ブラックライトのような紫外光を照射すると青白く蛍光発光する。 一方、二酸化チタンなどのコイン擦過性のある無機酸化物粒子を含む白色インキは、このような紫外光を透過せず、また蛍光発光もしない。 そのため、コインが削れて発色するタイプのスクラッチ印刷物では、紫外光を照射すると、印刷用紙の青白く発光する中に白色インキにより印刷された画像が影のように黒く浮き上がってしまう。 つまり、コインなどで擦過することなしに秘匿画像を視認できてしまう、といった問題を生じる。
【0004】
そこで、特許文献1には、「紙媒体上に印刷された秘匿画像を金属で摩擦することで着色されて認識可能とするスクラッチ印刷物であって、前記紙媒体の表面上に酸化チタンを含む白色インクでベタ刷り印刷して与えられた下地層と、前記下地層上に油分をより高めた酸化チタンを含む白色インクでベタ刷り印刷して与えられた被覆下地層と、前記被覆下地層上の前記秘匿画像を残したネガパターンに白色剤を少なくとも含むマットニスで印刷して与えられたマットニス層と、を順次有することを特徴とするスクラッチ印刷物」が開示され、「薄い紙媒体であってもコインのような金属で摩擦し着色される以外の不正の方法に対して秘匿画像の秘匿性に優れ、また経年劣化への耐性に優れたスクラッチ印刷物及びその製造方法を提供」できるとしている。
【0005】
このようなスクラッチ印刷物に紫外光を照射すると、印刷用紙の青白く発光する中にベタ刷り印刷された下地層全体が黒く浮き上がり、マットニスによる印刷パターンで与えられた秘匿画像を視認することはできないが、コインで擦過すると、マットニスでコートされていない白色インキ部分だけにコインの金属粉が付着し着色して、秘匿画像を視認できるようになる。
【0006】
しかしながら、特許文献1では、酸化チタンを含む白色インキによるベタ刷り印刷とその上のコート(秘匿画像部分)との境界線で画像を象ることとなるため、この境界線における色差及び光沢差をなくす、または、減じなければならない。
【0007】
そこで、特許文献2には、「コインで擦過することで秘匿画像を着色させて視認可能とさせるスクラッチ印刷物であって、コイン擦過用無機酸化物粒子を含む白色インキに有色インキを混入させてシート体の上に与えた下地層と、この上に前記下地層と同色のネガ用有色インキで前記秘匿画像を象るように与えたネガ印刷層と、を含むことを特徴とするスクラッチ印刷物」が開示され、「コインで擦過することによる秘匿画像の着色を抑制させることなく、擦過前における秘匿画像の境界線において認識され得る色差をネガ印刷層の印刷状態に大きく依存させることなく一定の範囲内に抑え得」るとしている。
【0008】
特許文献2は、確かに「擦過前における秘匿画像の境界線において認識され得る色差をネガ印刷層の印刷状態に大きく依存させることなく一定の範囲内に抑え得」ることができるが、それでもその差異を全く認識できないわけではなかった。
すなわち、無機酸化物粒子を含む下地層と、その上のネガ印刷層とは同じ色とするので、擦過前における秘匿画像の境界線において色差を認識することは困難ではあるが、コインを擦過させて明瞭な画像を現すためには、下地層にはコイン擦過用の無機酸化物を多量に混入させ、一方、ネガ印刷層はコイン擦過性のないものとする必要がある。 その結果、完全に同色とすることが困難なだけでなく、画像の境界での屈折率差が大きくなり反射率(光沢)の差を認識しうることがあった。 特に、白色顔料としても汎用されている二酸化チタンは屈折率が大きいのでその傾向が強く出る。
【0009】
そこで、特許文献2では、シート体と下地層との間に光沢層を設けたり(請求項3)、迷彩画像層を設けたり(請求項4)することによって秘匿画像の境界線を認識されないように工夫しているが、これらの層は下地層の更に下にあるので下地層より上の層への影響は限定的とならざるを得なかった。
【0010】
さらに、特許文献3には、コイン擦過前に秘匿画像をより視認できにくくするため、「シート体の上にコイン擦過性無機酸化物粒子を含む白または淡黄色インキを網点で印刷した下地層と、この上に接して黄色系インキを網点で印刷した迷彩画像層と、さらにその上に黄色系インキまたは透明ニスを前記秘匿画像を象るように網点で印刷した秘匿画像層と、を設けた」スクラッチ印刷物が提案され、前記コイン擦過性無機酸化物粒子としては、二酸化チタン、酸化アルミニウムおよびシリカが例示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【文献】特開2013-49136号公報
【文献】特開2013-75508号公報
【文献】特開2015-186881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
確かに特許文献3のスクラッチ印刷物は、秘匿画像とそれ以外の部分との色差は解消されているのでコイン擦過前には秘匿画像が視認されないレベルになっているといえるが、その印刷物を正面からだけでなく斜め方向から眺めたり、光を当てて眺めたりすると、秘匿画像とそれ以外の部分の光反射が微妙に変化してその境界が認識されることがあった。 また、コイン擦過によって黄色系インキまたは透明インキで網点印刷された秘匿画像部分が根こそぎ削り取られるため、コイン擦過後に秘匿画像を視認できないことがあった。
【0013】
従って、本発明は基材の上の秘匿画像を、金属片による擦過でその秘匿画像部分または秘匿画像以外の部分を着色させ視認可能とするスクラッチ印刷物であって、秘匿画像がコイン擦過前には色差においても、光沢差においても視認されず、コイン擦過後においては秘匿画像が鮮明に現れるスクラッチ印刷物を提供することを目的とする。
【0014】
なお、本発明において、前もって基材の上にコイン擦過性を持たせた台紙を準備し、その台紙の上にコイン擦過性のない秘匿画像を設け、これをコインで擦過することによって前記秘匿画像以外の部分が発色する形式のスクラッチ印刷物をオンデマンドスクラッチ印刷物、秘匿画像を設ける前の台紙をスクラッチ台紙という。
また、このような台紙を用意することなく、基材の上に秘匿画像を設け、コインで擦過することによってその秘匿画像部分が発色する形式のスクラッチ印刷物をポジスクラッチ印刷物という。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者は、鋭意検討した結果、基材の上に、二酸化チタン粒子を含有する層とケイ素またはケイ素を主体とした酸化物の粉砕品(以下「石英粉」という。)を含有する層と、を設けることにより前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0016】
すなわち、本発明は、
(1) 基材の上の秘匿画像を金属片による擦過で着色させ視認可能とするポジスクラッチ印刷物であって、
前記基材の上に、
穴あきベタの二酸化チタン含有下地層と、
前記秘匿画像以外を現すマットニス印刷部分および前記秘匿画像をはめ込んだ石英粉含有印刷部分を含むスクラッチ表層と、
を順次有する、ポジスクラッチ印刷物、
(2) 前記石英粉含有印刷部分が網点である、(1)記載のポジスクラッチ印刷物、
(3) 前記二酸化チタン含有下地層と、前記スクラッチ表層との間に隠蔽模様層をさらに有する、(1)または(2)記載のポジスクラッチ印刷物、
(4) 前記隠蔽模様層が黄色または透明な網点である、(3)記載のポジスクラッチ印刷物、
(5) 前記秘匿画像がマトリックス型二次元コードである、(1)から(4)のいずれか一つに記載のポジスクラッチ印刷物、
である。
【発明の効果】
【0017】
本発明のオンデマンドスクラッチ印刷物の石英粉含有スクラッチ層およびポジスクラッチ印刷物の石英粉含有印刷部分は、それに含まれる石英粉が硬く(石英のモース硬度は7)、尖っているため十分なコイン擦過性を有し、透明でその屈折率が通常の有機物と同等なため、コイン擦過前には殆ど視認されない。 また、本発明のオンデマンドスクラッチ印刷物およびポジスクラッチ印刷物では、石英粉含有スクラッチ層ばかりでなくその下にある二酸化チタン含有下地層がコイン擦過性に寄与するため、それぞれ単独の場合と比べ濃く発色し、視認が容易となる。
さらに、 本発明のスクラッチ台紙およびポジスクラッチ印刷物は、基材を選ばず、上質紙、マットコート紙、コート紙、アート紙等の薄紙だけでなく、合成紙や紙器に用いるボール紙、透明フィルム等多種多様な基材に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態にかかる風車模様の図である。
図2】本発明の実施形態にかかるスクラッチ台紙の断面図である。
図3】本発明の実施形態にかかるポジスクラッチ印刷物の断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。 なお、本実施形態は、本発明を実施するための一形態に過ぎず、本発明は本実施形態によって限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更実施の形態が可能である。
【0020】
本発明のスクラッチ台紙は、金属片で擦過することにより秘匿画像以外の部分が着色される結果、基材の上の前記秘匿画像が視認可能となるスクラッチ印刷物を、オンデマンド印刷または手書きで与えるための前記秘匿画像をもたないスクラッチ台紙であって、
前記基材の上に、
二酸化チタン含有下地層(A)と、
石英粉含有スクラッチ層(C)と
を順次有する。
【0021】
本発明において、基材とは上質紙、マットコート紙、アート紙、コート紙、ボール紙、合成紙等の紙、樹脂板、フィルム等をいうが、基材の上に印刷される二酸化チタン含有下地層(A)が二酸化チタン含有量、盛量とも多く、基材の表面を覆い隠して下地を殺すため、基材の表面状態(色、材質等)がそれより上の層に影響を与えることがない。
【0022】
前記二酸化チタン含有下地層(A)は、前記基材の上に二酸化チタン含有白インキを用いて穴あきベタ印刷することによって設けられる。 この二酸化チタンは、コイン擦過性に優れたルチルが好ましく、その含有量は40~65質量%である(含有量はインキ全量に対する。以下同じ。)。 40質量%未満ではコイン擦過したとき発色性が不十分で65質量%を超えるとインキとしての物性を維持できなくなるため好ましくない。 なお、ここで用いる二酸化チタンは各種のインキ用として通常用いられるものであれば問題なく使用できる。
【0023】
次いで、石英粉含有インキを穴あきベタ印刷することにより石英粉含有スクラッチ層(C)が設けられる。
【0024】
前記石英粉含有インキに含有される石英粉は、石英、ケイ砂、ケイ石等のケイ素またはケイ素を主体とした酸化物を粉砕して得られる。 石英粉は、無色透明で屈折率が炭素、水素、窒素、酸素等から成る一般的な有機物と同等なため視認されにくく、硬度が高く粒型も尖っているためコイン擦過性に優れる。 当該石英粉の平均粒子径は1μm以上5μm以下が好ましく、より好ましくは1μm以上3μm以下である。 粉砕品でない球形の石英では擦過性が不十分なため、また、粉砕品でも平均粒子径1μm未満ではコイン擦過性が不十分なため、多量に使用する必要がある。 その結果、インキの重量を増加させるだけでなく、粘性も過大となるため高速印刷に不適となる。 平均粒子径が5μmを超えると、インキ製造時に撹拌機を傷めたり、印刷時には刷版、ローラー、ドクター等を傷める可能性が高くなる。 特に、刷版は版の表面の画像が傷つきやすい。 なお、平均粒子径3μm以下であればインキ製造時に撹拌機を傷めたり、印刷時に印刷機の版、ローラー、ドクター等を殆ど傷めることがない。 なお、石英粉の平均粒子径はレーザー法で測定した値である。
【0025】
前記石英粉含有インキ中の石英粉の含有量は、好ましくは10質量%以上65%質量%以下である。 含有量が10質量%未満ではコインで擦過したとき着色が不十分となり、65質量%を超えると、インキの製造が困難となるばかりでなく印刷機の版、ローラー、ドクター等を傷めやすくなるため好ましくない。
【0026】
前記石英粉含有インキは、さらに、インキの比重調節、基材との色相差調整、コイン擦過性の補強などを目的として二酸化チタン粒子を含有してもよい。 二酸化チタンにはアナタース型、ルチル型等の結晶形が知られているが、コイン擦過性に優れるためルチル型が好ましく用いられる。 また、その含有量は10質量%以下が好ましい。 10質量%を超えると紫外光で視認されやすくなるばかりでなく、高速印刷ではローラー端からの飛び散りが起こるため好ましくない。 この補助的に用いられる二酸化チタン粒子の粒子径は、特に選ばず、通常の印刷用インキに用いるものと同等のものであれば使用可能である。
【0027】
前記石英粉含有インキは、用いる印刷法や印刷条件に応じて、他の添加物を含有することができる。 例えば、オフセットインキであれば溶剤、キレート剤、ワニス等を含有することができる。 また、必要に応じて体質顔料、顔料分散剤、乳化剤、乾燥防止剤、乾燥促進剤、整面剤、滑剤などの添加剤を含有してもよい。
【0028】
前記石英粉含有インキは、インキの種類に応じて、含有させる顔料の一部または全部を石英粉に替えることによって従来公知の方法によって製造することができる。 例えば、オフセット枚葉インキであれば、ロジン変性フェノール樹脂、溶剤、キレート剤などを加熱混合して製造されるオフセット枚葉インキ用ワニスと石英粉、二酸化チタン粒子等とを混合練肉して得られる。
【0029】
ここで、「穴あきベタ」とは、ベタの中に印刷されない部分を点として設けたものをいい、その点の数は3×3mmに6~15個が好ましく、その穴の大きさは(A)層と(C)層の穴を一致させる必要があるため目視できる程度である。 本発明のオンデマンドスクラッチ印刷物では、この穴を通じて、スクラッチ台紙の上にオンデマンド印刷または手書きされる秘匿画像をなすインキが基材にまで到達し固着するため、コインで擦過したとき、スクラッチ印刷物表面の秘匿画像が画像として認識されないほどには根こそぎ削り落とされることがない。 なお、(A)層と(C)層をベタで刷るのはコイン擦過での発色性を十分なものとするためである。
【0030】
前記(A)層および前記(C)層には、さらに網点印刷部分を設けることができる。 穴あきベタと網点とを組み合わせることによって、前記スクラッチ台紙の光の透過や反射を微妙に変化させて、その後に設ける秘匿画像をさらに視認させにくくすることができる。
【0031】
穴あきベタと網点とを組み合わせる方法としては、図1に示す風車模様が例示できる。 この風車模様の版を2版として、その一つで(A)層を印刷し、もう一方の版は少しずらして(C)層を印刷する。 こうすることによって、(A)および(C)層による隠蔽模様的な効果をもたらすことができる。 即ち、(A)(C)層でベタ同士が重なった部分、ベタと網点が重なった部分、網点同士が重なった部分ができるばかりでなく、重なる面積も変化するため、光の透過性、反射性を微妙に変化させることができる。 さらに、ベタのみを重ねた場合と比較して、(A)(C)2層の穴あきベタと網点との組み合わせから生じる種々の微細な模様よってコインで擦った時の引っかかりが増大し、より濃く発色する。
なお、このときの網点%は、60%未満では擦過したときの発色が小さく、85%を超えると模様の効果が失われるため60~85%が好ましい。
【0032】
実際の印刷においては、例えば、直角二等辺三角形のベタと網点とで3×3mmの正方形をつくり、これを組み合わせて風車模様(図1参照)の版を作る。 この風車模様と同じ版であるが2mm横にずらした模様の版を作る。 この2枚の版をデータ上で重ねてから、その2枚の版を通した穴を3×3mmの正方形あたり6~15個設けて(これで「穴あきベタ」となる。)、1枚は(A)層用、もう1枚は(C)層用の版とする。 こうすることによって(A)層と(C)層とによる複雑な模様が形成されるため、後から設けられる秘匿画像へ隠蔽効果を与えることができる。
【0033】
このようにして得られた版を用いて印刷すると、上述したように、得られたスクラッチ台紙では、(A)層に設けた穴と、(C)層に設けた穴とは上下で一致しているため、このスクラッチ台紙に秘匿画像をデジタル印刷または手書きで設けると、用いたトナーやインキがこれらの穴を通じて基材にまで達し固着する。 従って、トナーによるデジタル印刷、インクジェット印刷、手書き等の盛量の大きな秘匿画像であっても、視認が困難となるほどにはコインで根こそぎ削り取られることがない。
【0034】
本発明のスクラッチ台紙では、隠蔽効果を付与するため、前記(A)層と前記(C)層の間に、第一隠蔽模様層(B)を設けることができる。 この(B)層は、黄インキで網点印刷され、その網点%は25~100%である。 ここで、網点%とは、通常のオフセット印刷の場合、1インチ平方の正方形を縦横175線(スクリーン線数175)で分割して形成された1個の区画にインキが印刷された割合を%で表したものである。
【0035】
前記(A)層、前記(B)層および前記(C)層の印刷後、さらに、隠蔽効果を増強するため、黄インキで網点印刷することにより、第二隠蔽模様層(D)を設けることができる。 その網点%は、(B)層と同様に25~100%である。
【0036】
前記(B)層と(D)層の隠蔽模様を作製する方法として、(A)および(C)層の作製で上述した、同じ版を作製してその版をずらす方法が有効で、隠蔽模様を効率的に作製できるばかりでなく、より複雑で視認されにくい隠蔽模様とすることができる。
【0037】
このようにして得られた版を用いて、基材の上に(A)、(B)、(C)、(D)の各層を印刷すると、得られたスクラッチ台紙では、(A)層に設けた穴と、(C)層に設けた穴とは上下で一致し、(B)層と(D)層は網点で隠蔽模様が形成されているため数多くの小さな穴が空いているうえ、皮膜厚は薄い。 その結果、このスクラッチ台紙に秘匿画像をデジタル印刷または手書きで設けると、用いたトナーやインキがこれらの穴を通じて基材にまで達し固着する。 従って、トナーによるデジタル印刷、インクジェット印刷、手書き等の盛量の大きな秘匿画像であっても、視認が困難となるほどにはコインで根こそぎ削り取られることがない。 ここでは、4層の場合を例として説明したが、もちろん2層、3層の場合も同様である。
なお、実際の作業では、(A)、(B)、(C)3層または(A)、(B)、(C)、(D)4層の場合、(A)と(C)層に空けた穴を一致させるには(B)層または(B)、(D)層にも同様の穴を設けると上下の穴を一致させやすい。
【0038】
本発明のスクラッチ台紙は、(A)、(C)層の2層の場合は、基材の上に、(A)層の印刷後に(C)層を印刷することによって作製できるが、(A)、(B)、(C)の3層の場合は、(A)(B)をワンパスで印刷し、乾燥後に(C)を印刷する。 また、(A)、(B)、(C)、(D)の4層の場合は、3層の場合に加えて、(C)の印刷後にワンパスで(D)を印刷する。
【0039】
こうすることによって、コインで擦過したとき、石英粉の擦過性に二酸化チタンによる擦過性が付加されて擦過性が増強され発色が強くなるばかりでなく、(B)層の黄色隠蔽模様、または、(B)および(D)層の二重の黄色隠蔽模様により発色が妨害されない(コインで擦過したとき、隠蔽模様で黄色くなっている部分も黒く発色する。)。
【0040】
この現象は、本発明者が本発明の検討中に見出したものであるが、(A)層の乾燥前に(B)層を印刷すると、その乾燥中に(A)層中の二酸化チタン粒子が網点印刷された(B)層の上方に浸出し、同様に(C)層の乾燥前に(D)層を印刷すると、その乾燥中に(C)層の石英粉が(D)層の上方に浸出する現象が起こっているものと考えると理解できる。 このような浸出現象は、(A)層の乾燥前に(B)層そして(C)層の乾燥前に(D)層、がワンパスで印刷され、コイン擦過性を発現させる層である(A)、(C)層に含まれる二酸化チタンまたは石英粉の含有量が大きく、かつ、インキの盛量が大きいことが必要である。 これにより印刷皮膜表面が滑らかではなく粗くなるため、コイン擦過性が増大し、(C)層の印刷においてもクリスタリゼーションによる(B)層との密着低下が起こらない。
【0041】
(A)、(B)、(C)の3層または(A)、(B)、(C)、(D)の4層をワンパスで印刷することも可能で、モットリング(ベタ印刷部分のインキが不均一となりムラを生ずることで、インキの盛量が大きい場合に起こりやすい。)が懸念されるが、インキの盛量を適正化することによって解決できる。
【0042】
なお、ここでいう「乾燥」は、その印刷物を積み重ねても裏移りしない程度のものではなく、完全に乾燥した状態をいうが、十分なコイン擦過性をもたせるためそのインクの盛量を大きくする必要がある。 従って、その乾燥時間も長くなり、通常では約24時間以上のところ、48時間以上必要とされることもある。
また、「ワンパスで印刷する」とは、多色刷りの印刷機を用いて、多色印刷する場合に、一色を印刷した後、未セットの状態で同時に同じ印刷機の後胴で次の色を印刷することをいう。
【0043】
隠蔽模様層を設ける場合、本発明のスクラッチ台紙は、基材の上に、白色で不透明の(A)層、黄色隠蔽模様の(B)層、無色透明な(C)層、または、さらに黄色隠蔽模様の(D)層が、順次印刷されている。 従って、隠蔽模様層である(B)および/または(D)層は、透明な(C)層がその下にある(B)層の隠蔽効果を邪魔しないため、その隠蔽効果を十分に発揮させることができる。
【0044】
本発明のオンデマンドスクラッチ印刷物は、上述したスクラッチ台紙にオンデマンド印刷または手書きにより秘匿画像を形成して得られる。 なお、このオンデマンド印刷では当然に可変情報、すなわち印刷物1枚毎に異なった秘匿画像を印刷することができる。
得られたオンデマンドスクラッチ印刷物をコインで擦過するとオンデマンド印刷された秘匿画像部分以外が発色し、秘匿画像部分が発色しないため、結果として秘匿画像を視認できるようになる。 前記オンデマンド印刷としては、無色または黄色トナーによるデジタル印刷か、無色透明インキによるインクジェット印刷が挙げられ、前記手書きの場合は無色透明インキによるものが挙げられる。 インクジェットまたは手書きで秘匿画像を形成する場合、用いるインキは、無色透明でも黄色でもどちらでも良いが下の層を完全に被覆する状態を呈するものであれば使用可能で、透明樹脂、透明ワックス等を含有するインキが例示できるが、沈降などにより不均一とならず、インクジェットではノズルを詰まらせることがないよう、インキ中に溶解する樹脂またはワックスが好ましい。
【0045】
本発明のオンデマンドスクラッチ印刷物は、オンデマンド印刷または手書きした秘匿画像がスクラッチ台紙のそれぞれの層の穴を通じて基材の上に固着するためコインで擦過したとき剥がれ落ちることがない。 また、(A)層と(C)層とから形成された複雑な模様は、光を微妙かつ複雑に反射させ、擦過前の秘匿画像の視認をいっそう困難にする。
さらに、(A)、(B)、(C)の3層のスクラッチ台紙では、(A)層の二酸化チタンが(B)層の上に浸出し、(A)、(B)、(C)、(D)の4層のスクラッチ台紙では、さらに(C)層の石英粉が(D)層の上に浸出する結果、(B)層または(B)(D)層の隠蔽模様に邪魔されずに、(A)(C)層の双方がコイン擦過性に寄与することになるため発色性にも優れる。
【0046】
本発明のポジスクラッチ印刷物は、
基材の上の秘匿画像を金属片による擦過で着色させ視認可能とするポジスクラッチ印刷物であって、
前記基材の上に、
二酸化チタン含有下地層と、
前記秘匿画像以外を現すマットニス印刷部分および前記秘匿画像をはめ込んだ石英粉含有印刷部分を含むスクラッチ表層と、
を順次有する。
【0047】
本発明のポジスクラッチ印刷物に用いる基材は、上述のスクラッチ台紙と同様に、上質紙、マットコート紙、アート紙、コート紙、ボール紙、ダンボール、合成紙等の紙、樹脂板、フィルム等である。 このポジスクラッチ印刷物では、基材の上に印刷される二酸化チタン含有下地層は通常の印刷物より盛量が多く、基材の表面を覆い隠ししかもインキが不透明なため、基材の表面状態(色、材質等)がそれより上の層に影響を与えることがない。 すなわち、下地を殺すので、基材について特にその材料を選ぶものではない。
【0048】
前記二酸化チタン含有下地層は、前記基材の上に二酸化チタン含有白インキを用いて穴あきベタまたは粗い網点(例えば、スクリーン線数100、90%の網点%)で印刷することによって設けられるが、この二酸化チタン含有白インキは、前記スクラッチ台紙の二酸化チタン含有下地層(A)で用いたものと同様のインキを用いることができる。
【0049】
隠蔽模様層を設ける場合は、次いで、ワンパスで黄インキまたは透明インキを用いて前記隠蔽模様層を網点印刷するが、その網点%は、25~100%である。 前記二酸化チタン含有下地層と前記隠蔽模様層とをワンパスで印刷することによって先に説明した浸出現象が発現し、二酸化チタン含有下地層に含まれる二酸化チタン粒子が隠蔽模様層の上方に浸出するため、コイン擦過性に寄与することができる。 また、前記二酸化チタン含有下地層は穴あきベタまたは網点で、前記隠蔽模様層は網点で印刷されているため、次に印刷されるマットニスおよび石英粉含有インキは穴あきベタの穴および網点の隙間を通じて下層や基材へ浸透定着する。
なお、隠蔽模様層を設けない場合は、当然、この工程を省いて次工程に進む。
【0050】
次に乾燥後、マットニスを秘匿画像以外の部分に印刷することによりマットニス印刷部分を設け、さらに石英粉含有インキを秘匿画像部分(コイン擦過により発色する部分)に、比較的小さな網点%、例えばスクリーン線数175線、20~30%の網点%で印刷する。 ここで用いる石英粉含有インキは、前記スクラッチ台紙で用いたインキと同様のインキであるが、前記秘匿画像部分(石英粉印刷部分)は小さな網点%で印刷され、かつ無色透明なため前記マットニス印刷部分との色差と光沢差が抑えられ、かつ前記隠蔽模様層も効果的に作用する。 従って、コイン擦過前には視認されず、コイン擦過により前記秘匿画像部分の前記二酸化チタン含有下地層と石英粉含有印刷部分が共に発色し、秘匿画像を明瞭に視認できる。
なお、マットニスと秘匿画像との印刷順は、ここではマットニス、秘匿画像の順として説明したが、もちろん秘匿画像、マットニスと逆にすることもできる。
【0051】
本発明のスクラッチ台紙およびポジスクラッチ印刷物の印刷方法としては、基材が上質紙、マットコート紙、ボール紙等の紙やフィルムであれば、オフセット枚葉印刷、紫外線硬化型オフセット印刷等のオフセット印刷が好ましく用いられるが、用いる基材や印刷機械に応じてインキの成分を調整したりすることによってフレキソ印刷、スクリーン印刷等他の種々の印刷方法で製造できる。
例えば、本発明では網点、穴あきベタといった印刷が例示されているが、結果として印刷されていない部分があって、その部分を通じてインキが下層へ浸透し、また上述した浸出現象が起きていると考えられるので、これらの網点や穴あきベタと同等の印刷ができれば印刷方法は選ばない。
【0052】
また、本発明のオンデマンドスクラッチ印刷物またはポジスクラッチ印刷物において、秘匿画像の隠蔽レベルについては、目的によってコントロールすることが可能である。 例えば、当たりくじのような場合は、コイン擦過前に視認できてはならないが、マトリックス型二次元コードを使用した相互確認等において、荷物の受取書の秘匿コードを読み取って受取確認するような場合、コインで擦過して黒く発色させて、そのコードの読み取りを可能にすればよいだけで、隠蔽模様がかえって読み取りを困難にすることも考えられるので、隠蔽模様を不要とすることもできる。
【0053】
なお、本発明において石英粉含有スクラッチ層およびポジスクラッチ印刷物の石英粉含有印刷部分に用いる石英粉含有インキは石英粉を高濃度で含有するが、輪転印刷機のような高速回転でも安定した印刷ができ、なにより透明であることからイラストやキャラクターのデザイン等であれば隠蔽模様なしでもほとんど視認されない。 従って、例えばスクラッチ入りチラシ、幼児および小学校低学年向けゲーム、イベント情報のスクラッチパンフ等に使用できる。
【実施例
【0054】
以下、本発明を実施例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 なお、例中、「部」は「質量部」を、「%」は「質量%」を表す。
【0055】
製造例1 「石英粉含有インキの製造」
超光沢メジウム(OP-672、東京インキ(株)製)31部、上刷ニス(OP-782、東京インキ(株)製)30部、石英粉(平均粒子径2.5μm、クリスタライト VX-SR、(株)龍森製)25部および二酸化チタン(JR-1000、テイカ(株)製)3部を混合し、次いで三本ロールで練肉した後、AFソルベント(AF-6、JXエナジー(株)製)11部を混合して石英粉含有インキを得た。
【0056】
実施例1 「スクラッチ台紙」 (図1および図2参照)
5色オフセット枚葉印刷機を用いて、マットコート紙(ミューマット、北越製紙(株)製)に二酸化チタン含有白インキ(スクラッチインキ白A-1、東京インキ(株)製、二酸化チタン含有量42%)を穴あきベタとスクリーン線数175線、網点%80%の網点とからなる風車模様の版(A版、図1)で印刷し、次いでワンパスで黄インキ(ニューセルボ、東京インキ(株)製)を隠蔽模様の版(B版)で印刷した。
十分に乾燥させた後、5色オフセット枚葉印刷機を用いて、製造例1の石英粉含有インキを、A版を2mmだけ横方向にずらして作製した版(C版)で印刷し、次いでワンパスで黄インキ(ニューセルボ、東京インキ(株)製)を、B版を2mmだけ横方向にずらして作製した版(D版)で印刷した(図2)。
なお、AおよびC版の穴あきベタ部分の穴は3×3mmの正方形あたり6個で、上下で一致するように空けた。
【0057】
実施例2 「オンデマンドスクラッチ印刷物」
実施例1で得られたスクラッチ台紙に、デジタル印刷機を用いて黄色トナーで秘匿画像を印刷してオンデマンドのスクラッチ印刷物を得た。
得られた印刷物は、目視ではもちろんのこと、ブラックライトで照射しても秘匿画像を視認できなかったが、コインで擦過したところ、秘匿画像以外の部分が黒く発色することにより、秘匿画像がそれを象るように現れた。
【0058】
実施例3 「ポジスクラッチ印刷物」(図3
5色オフセット枚葉印刷機を用いて、マットコート紙(ミューマット、北越製紙(株)製)に二酸化チタン含有白インキ(スクラッチインキ白A-1、東京インキ(株)製、二酸化チタン含有量42%)をスクリーン線数100線の網点%90%で印刷し、次いでワンパスで黄インキ(ニューセルボ、東京インキ(株)製)でスクリーン線数175線の網点%60%の隠蔽模様を印刷した。
乾燥後、5色オフセット枚葉印刷機を用いて、マットニス(東京インキ(株)製 GP No.100 メジューム 2部およびマットニス OT-1 1部を混合練肉したもの)を秘匿画像以外の部分にベタ印刷し、ワンパスで製造例1の石英粉含有インキを用いてスクリーン線数175線の網点%30%で秘匿画像をはめ込み印刷した(図3)。
得られた印刷物は目視ではもちろんのこと、ブラックライトで照射しても秘匿画像を視認できなかったが、コインで擦過したところ、秘匿画像が黒く発色して現れた。
【0059】
実施例4 「スクラッチ台紙」
5色オフセット枚葉印刷機を用いて、マットコート紙(ミューマット、北越製紙(株)製)に二酸化チタン含有白インキ(スクラッチインキ白A-1、東京インキ(株)製、二酸化チタン含有量42%)を穴あきベタとスクリーン線数175線、網点%80%の網点とからなる風車模様の版(A版、図1)で印刷し、次いでワンパスで黄インキ(ニューセルボ、東京インキ(株)製)を隠蔽模様の版(B版)で印刷し、次いでワンパスで製造例1の石英粉含有インキを、A版を2mmだけ横方向にずらして作製した版(C版)で印刷した。
なお、AおよびC版の穴あきベタ部分の穴は3×3mmの正方形あたり6個で、上下で一致するように空けた。
【0060】
実施例5 「オンデマンドスクラッチ印刷物」
実施例4で得られたスクラッチ台紙に、デジタル印刷機を用いて黄色トナーで秘匿画像を印刷してオンデマンドのスクラッチ印刷物を得た。
得られた印刷物は、目視ではもちろんのこと、ブラックライトで照射しても秘匿画像を視認できなかったが、コインで擦過したところ、秘匿画像以外の部分が黒く発色することにより、秘匿画像がそれを象るように現れた。
【符号の説明】
【0061】
1 風車模様
2 ベタ印刷部分
3 網点印刷部分
4 スクラッチ台紙
5 基材
6 二酸化チタン含有下地層(A)
7 第一隠蔽模様層(B)
8 石英粉含有スクラッチ層(C)
9 第二隠蔽模様層(D)
10 ポジスクラッチ印刷物
11 二酸化チタン含有下地層
12 隠蔽模様層
13 マットニス印刷部分(マットニス層)
14 秘匿画像部分(秘匿画像層)
図1
図2
図3