(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】ペットサークル
(51)【国際特許分類】
A01K 1/02 20060101AFI20220920BHJP
【FI】
A01K1/02 E
(21)【出願番号】P 2018067318
(22)【出願日】2018-03-30
【審査請求日】2021-03-24
(73)【特許権者】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100122426
【氏名又は名称】加藤 清志
(74)【代理人】
【識別番号】100155273
【氏名又は名称】澤田 修孝
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 耕平
(72)【発明者】
【氏名】田島 若奈
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3013227(JP,U)
【文献】特開2017-035040(JP,A)
【文献】特開2013-212090(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0060445(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に開放された矩形筒状に形成され、ペットを収容するためのサークル本体と、
前記サークル本体の上端部に設けられ、前記サークル本体の骨格を構成する上フレームと、
前記サークル本体の上側の開口部を閉塞し、前記サークル本体
の内部を外部から
視認できないように遮蔽する天板と、
前記サークル本体における左右の側部及び後部の何れかを構成し、前記サークル本体
の内部を
視認できないように遮蔽する外周板と、
を備
え、
前記上フレームは、
複数の上桟と、
隣接する前記上桟の端部同士を連結する上側第1連結機構と、
隣接する前記上桟の端部と前記外周板の端部とを連結する上側第2連結機構と、
前記上側第1連結機構及び前記上側第2連結機構に設けられ、前記天板の下側に配置された天板固定部と、
を含んで構成されており、
前記天板が、前記天板固定部に係脱可能に係合された複数の固定ピンによって、上側第1連結機構及び上側第2連結機構に固定されているペットサークル。
【請求項2】
前記天板固定部は、上下方向を軸方向とした天板固定筒部を有しており、
前記固定ピンは、
前記天板の上側に隣接して配置され、下側へ開放され且つ指掛け可能な指掛け部が下面に形成された頭部と、
前記頭部から下側へ延出され、前記天板固定筒部に挿入されると共に、前記天板固定筒部と係脱可能に係合された固定係合部を先端部に有する固定軸と、
を含んで構成されている請求項1に記載のペットサークル。
【請求項3】
前記サークル本体の下端部には、前記サークル本体の骨格を構成する下フレームが設けられており、
前記上側第1連結機構及び前記下フレームが、上下方向に延在された支持柱によって連結されている請求項1又は請求項2に記載のペットサークル。
【請求項4】
前記上側第1連結機構は、
隣接する前記上桟の一方に設けられた第1部材と、
隣接する前記上桟の他方に設けられた第2部材と、
前記第1部材に係脱可能に係合されて前記第1部材と前記第2部材とを連結する連結軸を有する連結ピンと、
を含んで構成され、
前記第1部材には、上下方向を軸方向とし、前記支持柱の上端部を挿入した状態で固定する支持柱固定部が形成されており、
前記支持柱と前記連結軸とが同軸上に配置されている請求項3に記載のペットサークル。
【請求項5】
前記第2部材には、上側へ開放された凹部が形成されており、
前記連結ピンには、前記連結軸の上端部から径方向外側へ延出され且つ前記凹部の開口部を閉塞する取手部が設けられており、
前記取手部には、前記凹部の内部と外部とを連通する取手孔部が形成されている請求項4に記載のペットサークル。
【請求項6】
前記連結軸は、前記取手部の長手方向に2分割されると共に、一対の連結軸部によって構成されており、
一対の連結軸部の下端部には、前記連結軸の径方向外側へ張出され且つ前記第1部材に係合された連結係合部がそれぞれ形成され、
前記連結軸の軸心に対して前記取手部の先端側に配置された前記連結軸部の張出量が、前記連結軸の軸心に対して前記取手部の基端側に配置された前記連結軸部の張出量よりも小さく設定されている請求項5に記載のペットサークル。
【請求項7】
前記凹部の内周面には、前記取手部の下側への変位を規制する規制部が形成されている請求項5又は請求項6に記載のペットサークル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペットサークルに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、ペット(動物)の飼育に用いられるペットサークルが記載されている。このペットサークルでは、矩形枠状(筒状)のサークル本体を有しており、サークル本体内にペットを収容するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記ペットサークルでは、以下に示す点において改善の余地がある。
すなわち、サークル本体は、格子状の4つの柵によって構成されており、サークル本体の内部が、外部から視認可能に構成されている。また、サークル本体は、上側へ開口されているため、サークル本体の内部が、サークル本体の上側からも外部から視認可能に構成されている。以上により、上記ペットサークルでは、ペットの居住スペースであるサークル本体の内部が、外部から視認可能になっている。
【0005】
一方、サークル本体内に収容されるペット(動物)は、動物の習性から、外部から視認不能な居住環境を好む傾向にある。このため、上記ペットサークルでは、ペットに対する住環境を向上するという点において改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記事実を考慮して、ペットに対する住環境を向上することができるペットサークルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
形態1:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、上下に開放された矩形筒状に形成され、ペットを収容するためのサークル本体と、前記サークル本体の上端部に設けられ、前記サークル本体の骨格を構成する上フレームと、前記サークル本体の上側の開口部を閉塞し、前記サークル本体の内部を外部から視認できないように遮蔽する天板と、前記サークル本体における左右の側部及び後部の何れかを構成し、前記サークル本体の内部を視認できないように遮蔽する外周板と、を備え、前記上フレームは、複数の上桟と、隣接する前記上桟の端部同士を連結する上側第1連結機構と、隣接する前記上桟の端部と前記外周板の端部とを連結する上側第2連結機構と、前記上側第1連結機構及び前記上側第2連結機構に設けられ、前記天板の下側に配置された天板固定部と、を含んで構成されており、前記天板が、前記天板固定部に係脱可能に係合された複数の固定ピンによって、上側第1連結機構及び上側第2連結機構に固定されているペットサークルである。
【0009】
形態2:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記天板固定部は、上下方向を軸方向とした天板固定筒部を有しており、前記固定ピンは、前記天板の上側に隣接して配置され、下側へ開放され且つ指掛け可能な指掛け部が下面に形成された頭部と、前記頭部から下側へ延出され、前記天板固定筒部に挿入されると共に、前記天板固定筒部と係脱可能に係合された固定係合部を先端部に有する固定軸と、を含んで構成されているペットサークルである。
【0010】
形態3:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記サークル本体の下端部には、前記サークル本体の骨格を構成する下フレームが設けられており、前記上側第1連結機構及び前記下フレームが、上下方向に延在された支持柱によって連結されているペットサークルである。
【0011】
形態4:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記上側第1連結機構は、隣接する前記上桟の一方に設けられた第1部材と、隣接する前記上桟の他方に設けられた第2部材と、前記第1部材に係脱可能に係合されて前記第1部材と前記第2部材とを連結する連結軸を有する連結ピンと、を含んで構成され、前記第1部材には、上下方向を軸方向とし、前記支持柱の上端部を挿入した状態で固定する支持柱固定部が形成されており、前記支持柱と前記連結軸とが同軸上に配置されているペットサークルである。
【0012】
形態5:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記第2部材には、上側へ開放された凹部が形成されており、前記連結ピンには、前記連結軸の上端部から径方向外側へ延出され且つ前記凹部の開口部を閉塞する取手部が設けられており、前記取手部には、前記凹部の内部と外部とを連通する取手孔部が形成されているペットサークルである。
【0013】
形態6:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記連結軸は、前記取手部の長手方向に2分割されると共に、一対の連結軸部によって構成されており、一対の連結軸部の下端部には、前記連結軸の径方向外側へ張出され且つ前記第1部材に係合された連結係合部がそれぞれ形成され、前記連結軸の軸心に対して前記取手部の先端側に配置された前記連結軸部の張出量が、前記連結軸の軸心に対して前記取手部の基端側に配置された前記連結軸部の張出量よりも小さく設定されているペットサークルである。
【0014】
形態7:本発明の1又はそれ以上の実施形態は、前記凹部の内周面には、前記取手部の下側への変位を規制する規制部が形成されているペットサークルである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の1又はそれ以上の実施形態によれば、ペットに対する住環境を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本実施の形態に係るペットサークルを示す分解斜視図である。
【
図2】
図1に示されるペットサークルの組立状態を示す斜視図である。
【
図3】
図1に示されるサークル本体のフロント柵を示す斜視図である。
【
図4】
図1に示されるサークル本体のサイド柵を示す斜視図である。
【
図5】
図1に示される右側の上前連結機構を示す右斜め前方から見た分解斜視図である。
【
図6】
図1に示される右側の上前連結機構を示す左斜め後方から見た分解斜視図である。
【
図7】
図5に示される上前連結機構によってフロント柵とサイド柵とを連結した状態を示す一部破断した斜視図である。
【
図8】
図5に示される上前連結機構に天板を固定した状態を示す一部破断した斜視図である。
【
図9】
図1に示される右側の上後連結機構を示す右斜め前方から見た分解斜視図である。
【
図10】
図1に示される右側の上後連結機構を示す左斜め前方から見た分解斜視図である。
【
図11】
図9に示される上後連結機構に天板を固定した状態を示す一部破断した斜視図である。
【
図12】
図9に示される上後連結機構によってサイド柵と背板とを連結した状態を示す一部破断した斜視図である。
【
図13】
図1に示される右側の下前連結機構を示す右斜め前方から見た分解斜視図である。
【
図14】
図1に示される右側の下後連結機構によってサイド柵と背板とを連結した状態を示す一部破断した斜視図である。
【
図15】(A)は、
図1に示される連結ピンを示す側面図であり、(B)は、(A)に示される連結ピンの斜視図である。
【
図16】(A)は、
図1に示される固定ピンを示す上側から見た斜視図であり、(B)は、(A)に示される固定ピンの下側から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて、本実施の形態に係るペットサークル1について説明する。なお、図面において適宜示される矢印UP,矢印FR,矢印RHは、それぞれペットサークル1の上側、前側、右側(幅方向一方側)を示している。そして、以下の説明において、上下、前後、左右の方向を用いて説明するときには、特に断りのない限り、ペットサークル1の上下方向、前後方向、左右方向を示すものとする。
【0018】
(ペットサークル1の全体構成について)
図1及び
図2に示されるように、ペットサークル1は、全体として略直方体箱状に形成されており、ペットサークル1の内部空間が、ペット(動物)の居住スペースとして構成されている。
ペットサークル1は、ペットサークル1の下端部を構成するトレー10と、トレー10に載置された略矩形筒状のサークル本体20と、サークル本体20の上側の開口部を閉塞する天板100と、を含んで構成されている。以下、ペットサークル1の各構成について説明する。
【0019】
(トレー10について)
図1に示されるように、トレー10は、上下方向を板厚方向とし且つ左右方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。トレー10の外周縁部には、上側へ隆起された外側リブ10Aが形成されており、外側リブ10Aはトレー10の周方向全周に亘って形成されている。また、トレー10の外周側の部分には、上側へ隆起された内側リブ10Bが形成されており、内側リブ10Bは、平面視で略矩形状に形成されている。これにより、トレー10の外周部には、外側リブ10Aと内側リブ10Bとの間において、上側へ開放された矩形枠状のトレー溝10Cが形成されている。
【0020】
(サークル本体20について)
図1及び
図2に示されるように、サークル本体20は、上下方向に開放された略矩形筒状に形成されている。具体的には、サークル本体20は、サークル本体20の前端部を構成するフロント柵30と、サークル本体20の左右の側端部を構成する一対のサイド柵40と、サークル本体20の後端部を構成する「外周板」としての背板50と、を含んで構成されている。
【0021】
また、フロント柵30の左右の上端部とサイド柵40の前側の上端部とが、左右一対の「上側第1連結機構」としての上前連結機構60によって分解可能に連結され、サイド柵40の後側の上端部と背板50の左右の上端部とが、左右一対の「上側第2連結機構」としての上後連結機構70によって分解可能に連結されている。
【0022】
さらに、フロント柵30の左右の下端部とサイド柵40の前側の下端部とが、左右一対の下前連結機構80(広義には、「下側第1連結機構」として把握される要素である)によって分解可能に連結され、サイド柵40の後側の下端部と背板50の左右の下端部とが、左右一対の下後連結機構90(広義には、「下側第2連結機構」として把握される要素である)によって分解可能に連結されている。
【0023】
また、サークル本体20は、左右一対の支持柱110を有しており、上前連結機構60と下前連結機構80とが、支持柱110によって連結されている。
そして、サークル本体20の下端部が、トレー10のトレー溝10C内に嵌まり込んだ状態で、サークル本体20がトレー10に載置されている。以下、サークル本体20の各構成について説明する。
【0024】
<フロント柵30について>
図3に示されるように、フロント柵30は、フロント柵30の上端部を構成する上桟31と、フロント柵30の下端部を構成する下桟32と、上桟31及び下桟32の間に配置されたフロント格子33と、フロント格子33にスライド可能に組付けられた扉34と、を含んで構成されている。
【0025】
上桟31及び下桟32は、フロント柵30の上下方向中央に対して上下対称に構成されている。このため、以下、上桟31について説明し、下桟32の説明については省略する。
上桟31は、左右方向を軸方向とした中実の略矩形柱状に形成されている。
図7に示されるように、上桟31には、長手方向両端部及び長手方向中央部の内部において、後述するフロント格子33を固定するためのインサート部材ISが設けられている(
図7では、上桟31の右端部のインサート部材ISのみ図示している)。インサート部材ISは、上下方向を軸方向とした略円筒状に形成され、上桟31に埋設されており、インサート部材ISの下端部が外部に露出されている。さらに、インサート部材ISの上端部における内周面には、径方向内側へ突出された嵌合突起IS1が形成されており、嵌合突起IS1は、インサート部材ISの周方向全周に亘って形成されている。
【0026】
図3に示されるように、フロント格子33は、上桟31及び下桟32のインサート部材ISに対応した3本の支持バー33Aと、フロント格子33の外周部を構成する枠フレーム33Bと、を含んで構成されている。
支持バー33Aは、上下方向に延在された丸棒状に形成されている。
図7に示されるように、支持バー33Aの長手方向両端部における外周部には、径方向外側へ開放された嵌合溝33A1が形成されており、嵌合溝33A1は、支持バー33Aの周方向全周に亘って形成されている(
図7では、支持バー33Aの上端部の嵌合溝33A1のみ図示している)。そして、支持バー33Aの長手方向両端部が、上桟31及び下桟32のインサート部材ISの内部に挿入されて、インサート部材ISの嵌合突起IS1が嵌合溝33A1内に嵌まり込んでいる。つまり、支持バー33Aの長手方向両端部が上桟31及び下桟32のインサート部材ISに、所謂スナップフィット嵌合されている。これにより、上桟31及び下桟32がフロント格子33によって連結されている。
【0027】
図3に示されるように、枠フレーム33Bは、正面視で、略矩形枠状に形成されて、3本の支持バー33Aに固定されている。枠フレーム33Bの上端部及び下端部には、上下一対のスライドバー33Cが設けられており、スライドバー33Cは、枠フレーム33Bの左右の側部に架け渡されると共に、支持バー33Aに固定されている。
さらに、左右方向中央の支持バー33Aと右側の支持バー33Aとの間には、左右方向に延在された複数(本実施の形態では、4本)の横バー33Dが架け渡されている。また、左右方向中央の支持バー33Aと右側の支持バー33Aとの間には、上下方向に延在された複数(本実施の形態では、9本)の縦バー33Eが設けられており、縦バー33Eは、横バー33Dに固定されると共に、左右方向に所定の間隔毎に並んでいる。そして、左右方向中央の支持バー33Aと左側の支持バー33Aとの間の開口部が、ペットの出入口33Fとして構成されている。
【0028】
扉34は、フロント格子33の出入口33Fに対応した、矩形格子状に形成されている。具体的には、扉34は、上下方向に延在された複数(本実施の形態では、12本)の縦バー34Aを有しており、縦バー34Aが、左右方向に所定の間隔を空けて配置されている。また、扉34は、左右方向に延在された複数(本実施の形態では、4本)の横バー34Bを有しており、横バー34Bが、上下方向に所定の間隔を空けて配置されると共に、縦バー34Aに固定されている。
また、扉34の左右の端部を構成する縦バー34Aは、他の縦バー34Aよりも上下に延出しており、扉34の左右の端部を構成する縦バー34Aは、フロント格子33のスライドバー33Cにスライド可能に連結されている。
【0029】
さらに、扉34の左端部には、略上下方向中央部において、ロック機構36が設けられている。そして、扉34がフロント格子33の出入口33Fを閉じた状態において、ロック機構36がフロント格子33に係合することで、扉34の出入口33Fに対する閉状態が維持されるようになっている。
【0030】
<サイド柵40について>
図1に示されるように、左右一対のサイド柵40は、ペットサークル1の幅方向中央に対して左右対称に構成されている。このため、以下、右側のサイド柵40について説明し、左側のサイド柵40についての説明は省略する。
【0031】
図4に示されるように、サイド柵40は、サイド柵40の上端部を構成する上桟41と、サイド柵40の下端部を構成する下桟42と、上桟41及び下桟42の間に配置されたサイド格子43と、を含んで構成されている。
【0032】
上桟41及び下桟42は、サイド柵40の上下方向中央に対して上下対称に構成されている。このため、以下、上桟41について説明し、下桟42の説明については省略する。
上桟41は、前後方向を軸方向とした中実の略矩形柱状に形成されている。この上桟41は、フロント柵30の上桟31と同様に構成されているが、フロント柵30の上桟31と比べて長手方向の長さが短く設定されている。すなわち、
図8に示されるように、上桟41には、長手方向両端部及び長手方向中央部において、インサート部材ISが埋設されており、インサート部材ISの下端部が外部に露出されている(
図8では、上桟41の前端部のインサート部材ISのみ図示している)。
【0033】
図4に示されるように、サイド格子43は、フロント格子33と同様に、上桟41及び下桟42のインサート部材ISに対応した3本の支持バー43Aと、サイド格子43の外周部を構成する枠フレーム43Bと、を含んで構成されている。
支持バー43Aは、フロント格子33の支持バー33Aと同様に構成されている。すなわち、支持バー43Aは、上下方向に延在された丸棒状に形成されており、支持バー43Aの長手方向両端部には、嵌合溝43A1が形成されている(
図8参照)。そして、支持バー43Aの長手方向両端部が、上桟41及び下桟42のインサート部材ISの内部に挿入されて、インサート部材ISにスナップフィット嵌合されている。これにより、上桟41及び下桟42がサイド格子43によって連結されている。
【0034】
枠フレーム43Bは、側面視で、略矩形枠状に形成されて、3本の支持バー43Aに固定されている。また、枠フレーム43Bの上下端には、上下方向に延在された複数(本実施の形態では、12本)の縦バー43Cが架け渡されており、縦バー43Cは、前後方向に所定の間隔毎に並んでいる。さらに、枠フレーム43Bの上下方向中間部には、中間バー43Dが設けられている。中間バー43Dは、側面視で前側へ開放された略U字形状に形成されている。そして、中間バー43Dの前端部が、前側の支持バー33Aに固定されると共に、中間バー43Dの上下の端部が、縦バー43Cに固定されている。
【0035】
そして、サークル本体20の組立状態では、フロント柵30(上桟31)の上面と、サイド柵40(上桟41)の上面と、が面一に配置され、フロント柵30(下桟32)の下面と、サイド柵40(下桟42)の下面と、が面一に配置されるようになっている(
図2参照)。
【0036】
<背板50について>
図1に示されるように、背板50は、前後方向を板厚方向とした略矩形板状に形成されている。また、本実施の形態では、背板50が、所定の厚みを有する木製パネルによって構成されている。そして、サークル本体20の組立状態では、背板50の上面が、フロント柵30(上桟31)の上面及びサイド柵40(上桟41)の上面よりも、後述する天板100の板厚分だけ下がった位置に配置されている。
【0037】
また、背板50の上面には、左右一対の嵌合突起50Aが設けられており、嵌合突起50Aは、背板50の上面から上側へ突出された略円柱状に形成されている。
【0038】
<上前連結機構60について>
左右一対の上前連結機構60は、ペットサークル1の幅方向中央に対して左右対称に構成されている。このため、以下、右側の上前連結機構60について説明し、左側の上前連結機構60についての説明は省略する。
【0039】
図5~
図8に示されるように、上前連結機構60は、「第1部材」としての第1上サイド連結部材61と、「第2部材」としてのフロント連結部材64と、連結ピン65と、を含んで構成されている。
【0040】
[第1上サイド連結部材61について]
第1上サイド連結部材61は、サイド柵40の上桟41の前端部に設けられている。このため、サークル本体20の分解状態では、第1上サイド連結部材61が、サイド柵40にユニット化されている(
図4参照)。
【0041】
第1上サイド連結部材61は、平面視で前後方向に延在された本体部62と、後述する天板100を固定するための天板固定部63と、を含んで構成されている。
【0042】
本体部62は、後側へ開放された略有底矩形筒状に形成されている。また、本体部62の前部には、本体部62の上面から一段下がった段差部62Aが形成されている。
本体部62の後部は、カバー部62Bとして構成されている。そして、サイド柵40の上桟41の前端部が、カバー部62Bの内部に後側から挿入されて、カバー部62Bがネジなどの固定部材によって上桟41に締結固定されている。
【0043】
また、本体部62の前部は、サイド重合部62Cとして構成されており、サイド重合部62Cは、カバー部62Bの前端下部から前側へ突出されている。サイド重合部62Cには、後述する支持柱110を固定するための支持柱固定部62Dが設けられており、支持柱固定部62Dは、上下方向を軸方向とした略円筒状に形成されて、サイド重合部62Cから下側へ延出されている。
【0044】
サイド重合部62Cの内側には、サイド連結筒部62Eが設けられている。サイド連結筒部62Eは、上下方向を軸方向とした略円筒状に形成されて、支持柱固定部62Dの上側において支持柱固定部62Dと同軸上に配置されている。また、サイド連結筒部62Eの内部は、支持柱固定部62Dの内部と連通している。
【0045】
サイド連結筒部62Eは、縦断面視で、段付きの円筒状に形成されている。具体的には、サイド連結筒部62Eは、サイド連結筒部62Eの上部を構成する小径部62E1と、サイド連結筒部62Eの下端部を構成する大径部62E2と、小径部62E1と大径部62E2とを連結する傾斜壁部62E3と、を含んで構成されている。大径部62E2の内径は、小径部62E1の内径よりも大きく、支持柱固定部62Dの内径よりも小さく設定されている。そして、傾斜壁部62E3が、縦断面視で下側へ向かうに従いサイド連結筒部62Eの径方向外側へ傾斜して、小径部62E1の下端部と大径部62E2の上端部とを連結している。
【0046】
天板固定部63は、本体部62のカバー部62Bから左側へ延出されると共に、本体部62の上面よりも一段下がった位置に配置されている。天板固定部63は、天板固定部63の外周部を構成する外周壁部63Aと、外周壁部63Aの内部に設けられた天板固定筒部63Cと、を含んで構成されている。
【0047】
外周壁部63Aは、平面視で右側へ開放された略U字形板状に形成されており、外周壁部63Aの右端部が、本体部62のカバー部62Bに接続されている。外周壁部63Aの内部には、上下方向を板厚方向とした区画壁63B(
図8参照)が設けられており、区画壁63Bによって、外周壁部63Aの内部が上下に区画されている。
【0048】
天板固定筒部63Cは、上下方向を軸方向とした円筒状に形成されて、外周壁部63Aの先端部の内側に配置されている。この天板固定筒部63Cは、区画壁63Bから上側へ延出されており、天板固定筒部63Cの下端部は下側へ開口している。また、天板固定筒部63Cの上面及び外周壁部63Aの上面は、背板50の上面と面一に配置されている。
【0049】
[フロント連結部材64について]
フロント連結部材64は、フロント柵30の上桟31の右端部に設けられている。このため、サークル本体20の分解状態では、フロント連結部材64が、フロント柵30にユニット化されている(
図3参照)。
【0050】
フロント連結部材64は、平面視で左右方向に延在されると共に、左側へ開放された略有底矩形筒状に形成されている。また、フロント連結部材64の右下部には、フロント連結部材64の下面より一段上がった段差部64Aが形成されている。
【0051】
フロント連結部材64の左部は、カバー部64Bとして構成されている。そして、フロント柵30における上桟31の右端部が、カバー部64Bの内部に左側から挿入されて、カバー部64Bがネジなどの固定部材によって上桟31に締結固定されている。
【0052】
また、フロント連結部材64の右部は、フロント重合部64Cとして構成されており、フロント重合部64Cは、カバー部64Bの右端上部から右側へ突出している。フロント重合部64Cには、上側へ開放された凹部64Eが、形成されており、凹部64Eは、平面視で左右方向を長手方向とする略矩形状に形成されている。凹部64Eの底壁には、円筒状のフロント連結筒部64Fが形成されている。フロント連結筒部64Fは、凹部64Eの底壁から下側へ延出されており、フロント連結筒部64Fの上端部が開口している。これにより、フロント連結筒部64Fの内部と凹部64Eの内部とが連通されている。
【0053】
そして、サークル本体20の組立状態では、フロント連結部材64のフロント重合部64Cが、第1上サイド連結部材61のサイド重合部62Cの上側に重なって配置されている。また、この状態では、フロント連結部材64のフロント連結筒部64Fが、第1上サイド連結部材61のサイド連結筒部62Eと同軸上に配置されている。さらに、フロント連結筒部64Fの内径は、第1上サイド連結部材61におけるサイド連結筒部62Eの小径部62E1の内径と略同じに設定されている。
【0054】
また、凹部64Eの左側の内周部には、「規制部」としての規制段部64Gが形成されている。この規制段部64Gは、凹部64Eにおける左側の内周面から右側へ張り出されると共に、フロント連結部材64の上面よりも一段下がった位置に配置されている。そして、規制段部64Gの上面が、上下方向に対して直交する面に沿って配置されている。
【0055】
[連結ピン65について]
図5~
図7、及び
図15に示されるように、連結ピン65は、樹脂製とされている。この連結ピン65は、連結ピン65の上端部を構成する取手部66と、取手部66から下側へ延出された連結軸67と、を含んで構成されている。
【0056】
取手部66は、上下方向を板厚方向とし且つ左右方向を長手方向とする略矩形板状に形成されている。そして、サークル本体20の組立状態では、取手部66が、フロント連結部材64の凹部64Eの開口部を閉塞するように、凹部64Eの内部に配置されている(
図7参照)。取手部66の左端部には、下側へ突出された突出リブ66Aが形成されており、突出リブ66Aが、凹部64Eの規制段部64Gの上側に隣接して配置されている。また、取手部66の左端側の部分には、円形状の取手孔部66Bが貫通形成されている。これにより、取手孔部66Bによって凹部64Eの内部と外部とが連通されている。なお、取手孔部66Bの直径は、使用者が指掛け可能な所定の寸法に設定されている。
【0057】
連結軸67は、取手部66の右側の端部から下側へ延出されている。すなわち、前述した取手部66は、連結軸67の上端部から左側へ延出されており、取手部66の先端側の部分に取手孔部66Bが形成されている。そして、連結軸67は、略円柱状の軸を左右方向(すなわち、取手部66の長手方向)に2分割した形状に形成されている。具体的には、連結軸67の中央部には、軸方向から見て、連結軸67の軸心を通過し且つ連結軸67の径方向に貫通したスリット67Aが形成されている。これにより、連結軸67が、一対の連結軸部67Bによって構成されている。また、一対の連結軸部67Bの上端部(基端部)は、取手部66から下側へ延出された連結リブ67Cによって連結されている。これにより、連結軸部67Bの下部が、径方向に弾性変形可能に構成されている。
【0058】
一対の連結軸部67Bの先端部(下端部)には、「連結係合部」としての連結フック部67Dが形成されており、連結フック部67Dは、縦断面視で、連結軸67の径方向外側へ張り出された略V字形状に形成されている。また、連結軸67の直径寸法は、第1上サイド連結部材61におけるサイド連結筒部62Eの小径部62E1及びフロント連結部材64のフロント連結筒部64Fの内径よりも僅かに小さく設定されている。なお、一対の連結軸部67Bに形成された連結フック部67Dは、縦断面視で、左右対称に形成されているが、一対の連結軸部67Bに形成された連結フック部67Dを縦断面視で左右非対称に形成してもよい。具体的には、一方の連結軸部67B(具体的には、連結軸67の軸心に対して取手部66の基端側(詳しくは、
図15の右側)の連結軸部67B)に形成された連結フック部67Dの連結軸67からの張出量に対して、他方の連結軸部67B(具体的には、連結軸67の軸心に対して取手部66の先端側(詳しくは、
図15の左側)の連結軸部67B)に形成された連結フック部67Dの連結軸67からの張出量を小さくしてもよい。この場合には、他方の連結軸部67Bに形成された連結フック部67Dが、サイド連結筒部62Eに留まる(当接する)ように形成されていればよい。
【0059】
そして、連結軸67が、フロント連結部材64のフロント連結筒部64F内及び第1上サイド連結部材61のサイド連結筒部62E内に上側から挿入されて、第1上サイド連結部材61及びフロント連結部材64が連結されている(
図7参照)。これにより、フロント柵30の上桟31と、サイド柵40の上桟41と、が連結されている。また、この状態では、連結フック部67Dが、第1上サイド連結部材61におけるサイド連結筒部62Eの大径部62E2内に配置されると共に、サイド連結筒部62Eの傾斜壁部62E3に係合している。これにより、連結軸67(連結ピン65)の上側への移動が制限された状態で、連結ピン65が、第1上サイド連結部材61に組付けられている。
【0060】
また、連結ピン65は、取手部66の右端部から下側へ延出された複数(本実施の形態では、3本)の規制リブ66Cを有している。この規制リブ66Cは、左右方向を板厚方向した矩形板状に形成されて、左右方向に所定の間隔を空けて並んで配置されている。また、規制リブ66Cの下端は、フロント連結部材64の凹部64Eの底面の上側に隣接配置されて、規制リブ66Cによって、連結ピン65の下側への移動が制限されている。
【0061】
さらに、一方の連結軸部67Bの上端部には、連結軸67の径方向外側(具体的には、右側であり、取手孔部66Bとは反対側)へ突出された突出リブ68が形成されており、突出リブ68が、連結軸67の右側に配置された規制リブ66Cに接続されている。すなわち、突出リブ68によって、一方の連結軸部67Bと、連結軸67の右側に配置された規制リブ66Cと、が連結されている。この突出リブ68は、平面視で、取手孔部66Bの軸心と連結軸67の軸心とを結ぶ線L上に配置されている。
【0062】
なお、詳細については後述するが、使用者が取手部66の取手孔部66Bに指を掛けて、取手部66を上側へ引き出すことで、連結ピン65とサイド連結筒部62Eとの係合状態が解除されて、連結ピン65を第1上サイド連結部材61から取外すことができるようになっている。つまり、連結ピン65は、第1上サイド連結部材61に係脱可能に係合する構成になっている。
【0063】
<上後連結機構70について>
図1に示されるように、左右一対の上後連結機構70は、ペットサークル1の幅方向中央に対して左右対称に構成されている。このため、以下、右側の上後連結機構70について説明し、左側の上後連結機構70についての説明は省略する。
図9~
図12に示されるように、上後連結機構70は、第2上サイド連結部材71と、リヤ連結部材74と、固定ピン77と、を含んで構成されている。
【0064】
[第2上サイド連結部材71について]
第2上サイド連結部材71は、サイド柵40の上桟41の後端部に設けられている。このため、サークル本体20の分解状態では、第2上サイド連結部材71が、サイド柵40にユニット化されている(
図4参照)。
【0065】
第2上サイド連結部材71は、平面視で前後方向に延在された本体部72と、後述する天板100を固定するための天板固定部73と、を含んで構成されている。
【0066】
本体部72は、前側へ開放された略有底矩形筒状に形成されている。また、本体部72の後部には、本体部72の下面から一段上がった段差部72Aが形成されている。
本体部72の前部は、カバー部72Bとして構成されている。そして、サイド柵40の上桟41の後端部が、カバー部72Bの内部に前側から挿入されて、カバー部72Bがネジなどの固定部材によって上桟41に締結固定されている。
【0067】
また、本体部72の後部は、サイド重合部72Cとして構成されており、サイド重合部72Cは、カバー部72Bの後端上部から後側へ突出している。サイド重合部72Cの上部には、ザグリ部72Dが形成されており、ザグリ部72Dは、上側へ開放された凹状に形成されると共に、平面視で円形状に形成されている。このザグリ部72Dの底壁には、サイド連結筒部72Eが設けられている。サイド連結筒部72Eは、上下方向を軸方向とした略円筒状に形成されて、ザグリ部72Dの底壁から下側へ延出されている。また、サイド連結筒部72Eの上端部は開口しており、サイド連結筒部72Eの内部とザグリ部72Dの内部とが連通されている。
【0068】
天板固定部73は、本体部72のカバー部72Bから左側へ延出されると共に、本体部72の上面よりも一段下がった位置に配置されている。天板固定部73は、前述した第1上サイド連結部材61の天板固定部63と同一の構造を成している。すなわち、天板固定部73は、天板固定部73の外周部を構成する外周壁部73Aと、外周壁部73Aの内部に設けられた天板固定筒部73Cと、を含んで構成されている。
【0069】
外周壁部73Aは、平面視で右側へ開放された略U字形板状に形成されて、外周壁部73Aの右端部が、本体部72のカバー部72Bに接続されている。また、外周壁部73Aの内部には、上下方向を板厚方向とした区画壁73Bが設けられており、区画壁73Bによって、外周壁部73Aの内部が上下に区画されている。
【0070】
天板固定筒部73Cは、上下方向を軸方向とした略円筒状に形成されて、外周壁部73Aの先端部の内側に配置されている。この天板固定筒部73Cは、区画壁73Bから上側へ延出されており、天板固定筒部73Cの下端部が開口している。また、天板固定筒部73Cの上面及び外周壁部73Aの上面は、背板50の上面と面一に配置されている。
【0071】
[リヤ連結部材74について]
リヤ連結部材74は、背板50の幅方向外側端部における上端部に設けられている。このため、サークル本体20の分解状態では、リヤ連結部材74が、背板50にユニット化されている(
図1参照)。
【0072】
リヤ連結部材74は、本体部75と、本体部75の後部から左側(ペットサークル1の幅方向内側)へ延出された前後一対の固定片76と、を含んで構成されている。
【0073】
固定片76は、前後方向を板厚方向とし且つ左右方向を長手方向とした略矩形板状に形成されている。そして、前後一対の固定片76の間に背板50の幅方向外側端部が配置されて、固定片76がネジなど固定部材によって背板50に締結固定されている。
【0074】
本体部75は、下側へ開放された略有底矩形筒状に形成されている。本体部75の上壁には、ザグリ部75Aが形成されている。ザグリ部75Aは、上側へ開放された凹状に形成されると共に、平面視で円形状に形成されている。ザグリ部75Aの底壁には、上下方向を軸方向とした円筒状のリヤ連結筒部75Bが形成されており、リヤ連結筒部75Bは、ザグリ部75Aの底壁から下側へ延出されている。また、リヤ連結筒部75Bの上端部は開口しており、リヤ連結筒部75Bの内部とザグリ部75Aの内部とが連通されている。
【0075】
そして、サークル本体20の組立状態では、第2上サイド連結部材71のサイド重合部72Cが、リヤ連結部材74の本体部75の上側に重なって配置されている。また、この状態では、第2上サイド連結部材71のサイド連結筒部72Eが、リヤ連結部材74のリヤ連結筒部75Bと同軸上に配置されている。さらに、リヤ連結部材74のリヤ連結筒部75Bの内径が、サイド連結筒部72Eの内径と略同じに設定されている。
【0076】
[固定ピン77について]
図16にも示されるように、固定ピン77は、固定ピン77の上端部を構成する頭部78と、頭部78から下側へ延出された固定軸79と、を含んで構成されている。
【0077】
頭部78は、上下方向を板厚方向とした略円盤状に形成されており、頭部78の上面が上側へ凸となる凸曲面状に形成されている。
頭部78の下端部には、一対の指掛け部78Aが形成されており、一対の指掛け部78Aは、下側へ開放された凹状に形成されると共に、頭部78の周方向に180度ずれて配置されている。また、詳細については後述するが、固定ピン77は、後述する天板100を固定するためのピンとしても用いられている。そして、固定ピン77によって天板100を固定するときには、使用者が指掛け部78Aに指掛けできるように、指掛け部78Aの幅寸法及び深さ寸法が、所定の寸法に設定されている。
【0078】
固定軸79は、連結ピン65の連結軸67と同様の構造を成している。すなわち、固定軸79は、略円柱状の軸を径方向に2分割した形状に形成されている。具体的には、固定軸79の中央部には、軸方向から見て、固定軸79の軸心を通過し且つ径方向に貫通したスリット79Aが形成されている。これにより、固定軸79が、一対の固定軸部79Bによって構成されている。また、一対の固定軸部79Bの上端部(基端部)は、頭部78から下側へ延出された連結リブ79Cによって連結されている。これにより、固定軸部79Bの下部が、径方向に弾性変形可能に構成されている。
【0079】
一対の固定軸部79Bの先端部(下端部)には、「固定係合部」としての固定フック部79Dが形成されており、固定フック部79Dは、縦断面視で、固定軸79の径方向外側へ張り出された略三角形状に形成されている。また、固定軸79の直径寸法は、第2上サイド連結部材71のサイド連結筒部72Eの内径及びリヤ連結部材74のリヤ連結筒部75Bの内径よりも僅かに小さく設定されている。
【0080】
そして、
図12に示されるように、固定軸79が、第2上サイド連結部材71のサイド連結筒部72E内及びリヤ連結部材74のリヤ連結筒部75B内に上側から挿入されて、リヤ連結部材74及び第2上サイド連結部材71が連結されている。これにより、サイド柵40の上桟41と、背板50と、が連結されている。また、この状態では、固定フック部79Dが、リヤ連結部材74のリヤ連結筒部75Bの下端部に係合している。これにより、固定ピン77の上側への移動が制限された状態で、固定ピン77が、第2上サイド連結部材71に組付けられている。また、この状態では、使用者が固定フック部79Dに下側から接触できるように、固定フック部79Dが、リヤ連結部材74の本体部75の下部内に配置されている。
【0081】
以上により、サークル本体20の組立状態では、サークル本体20における上端部の骨格を構成する上フレーム21(
図2参照)が、フロント柵30の上桟31と、左右一対のサイド柵40の上桟41と、上桟31及び上桟41を連結する上前連結機構60と、上桟41及び背板50を連結する上後連結機構70と、によって構成されている。
【0082】
<下前連結機構80について>
図1に示されるように、左右一対の下前連結機構80は、サークル本体20の幅方向中央に対して左右対称に構成されている。このため、右側の下前連結機構80について説明し、左側の下前連結機構80についての説明は省略する。
図13に示されるように、下前連結機構80は、第1下サイド連結部材81と、上前連結機構60において用いられたフロント連結部材64及び連結ピン65と、を含んで構成されている。
【0083】
[第1下サイド連結部材81について]
第1下サイド連結部材81は、上前連結機構60における第1上サイド連結部材61から天板固定部63を省略したものを、上下反転させた構造を成している。
【0084】
すなわち、第1下サイド連結部材81は、後側へ開放された略有底矩形筒状を成す本体部82を有しており、本体部82の後部が、カバー部82Bとして構成されている。そして、サイド柵40の下桟42の前端部が、カバー部82Bの内部に後側から挿入されて、カバー部82Bがネジなどの固定部材によって下桟42に締結固定されている。これにより、第1下サイド連結部材81が、サイド柵40にユニット化されている(
図4参照)。
【0085】
また、本体部82の前部が、サイド重合部82Cとして構成されており、サイド重合部82Cが、カバー部82Bの前端上部から前側へ突出している。さらに、円筒状の支持柱固定部82Dがサイド重合部82Cから上側へ延出されている。また、図示は省略するが、サイド重合部82Cの内部には、第1上サイド連結部材61のサイド連結筒部62Eと同様に構成された、サイド連結筒部が設けられている。サイド連結筒部は、上下方向を軸方向とした略円筒状に形成されて、支持柱固定部82Dの下側において支持柱固定部82Dと同軸上に配置されている。
【0086】
そして、下前連結機構80では、フロント連結部材64を上前連結機構60に対して上下反転した状態に配置して、フロント連結部材64のカバー部64Bが、フロント柵30における下桟32の右端部に固定されている。このため、下前連結機構80のフロント連結部材64も、フロント柵30にユニット化されている(
図4参照)。
また、サークル本体20の組立状態では、第1下サイド連結部材81のサイド重合部82Cが、フロント連結部材64のフロント重合部64Cの上側に重なって配置されている。そして、連結ピン65の連結軸67が、フロント連結部材64のフロント連結筒部64F内及び第1下サイド連結部材81のサイド連結筒部内に下側から挿入されて、フロント柵30の下桟32とサイド柵40の下桟42とが下前連結機構80によって連結されている。
【0087】
<下後連結機構90について>
図1に示されるように、左右一対の下後連結機構90は、サークル本体20の幅方向中央に対して左右対称に構成されている。このため、右側の下後連結機構90について説明し、左側の下後連結機構90についての説明は省略する。
図14に示されるように、下後連結機構90は、第2下サイド連結部材91と、上後連結機構70において用いられたリヤ連結部材74及び固定ピン77と、を含んで構成されている。
【0088】
[第2下サイド連結部材91]
第2下サイド連結部材91は、上後連結機構70における第2上サイド連結部材71から天板固定部73を省略したものを、上下反転させた構造を成している。
すなわち、第2下サイド連結部材91は、前側へ開放された略有底矩形筒状の本体部92を有している。そして、本体部92の前部を、カバー部92Bとしており、サイド柵40の下桟42の後端部がカバー部92Bの内部に挿入されて、カバー部92Bが下桟42の後端部に固定されている。これにより、第2下サイド連結部材91が、サイド柵40にユニット化されている(
図4参照)。
【0089】
また、本体部92の後部を、サイド重合部92Cとしており、サイド重合部92Cは、カバー部92Bの後端下部から後側へ突出されている。サイド重合部92Cの下部には、ザグリ部92Dが形成されており、ザグリ部92Dは、下側へ開放された凹状に形成されると共に、下側から見て円形状に形成されている。このザグリ部92Dの頂壁には、サイド連結筒部92Eが設けられている。サイド連結筒部92Eは、上下方向を軸方向とした略円筒状に形成されて、ザグリ部92Dの頂壁から上側へ延出されている。また、サイド連結筒部92Eの下端部は、開口しており、サイド連結筒部92Eの内部とザグリ部92Dの内部とが連通されている。
【0090】
そして、下後連結機構90では、背板50における幅方向外側端部の下端部が、リヤ連結部材74の前後一対の固定片76の間に配置されて、固定片76がネジなど固定部材によって背板50に締結固定されている。これにより、下後連結機構90のリヤ連結部材74も、背板50にユニット化されている(
図1参照)。
【0091】
また、サークル本体20の組立状態では、リヤ連結部材74の本体部75が、第2下サイド連結部材91のサイド重合部92Cの上側に重なって配置されている。そして、固定ピン77の固定軸79が、リヤ連結部材74のリヤ連結筒部75B及び第2下サイド連結部材91のサイド連結筒部92E内に上側から挿入されて、サイド柵40の下桟42と背板50とが、下後連結機構90によって連結されている。
また、この状態では、固定ピン77の固定フック部79Dが第2下サイド連結部材91のサイド連結筒部92Eの下端部に係合して、固定ピン77の上側への移動が制限されている。
【0092】
以上により、サークル本体20の組立状態では、サークル本体20における下端部の骨格を構成する下フレーム22(
図2参照)が、フロント柵30の下桟32と、左右一対のサイド柵40の下桟42と、下桟32及び下桟42を連結する下前連結機構80と、下桟42及び背板50を連結する下後連結機構90と、によって構成されている。
【0093】
(天板100について)
図1及び
図2に示されるように、天板100は、上下方向を板厚方向とした略矩形板状に形成されている。また、本実施の形態では、天板100は、所定の厚みを有する木製パネルによって構成されている。さらに、天板100は、サークル本体20の上側の開口部を閉塞するように、上前連結機構60の天板固定部63の上面、上後連結機構70の天板固定部73の上面、及び背板50の上面に載置されている。
【0094】
天板100には、4隅の角部において、挿通孔100Aがそれぞれ貫通形成されている。
図8及び
図11に示されるように、挿通孔100Aは、天板固定部63の天板固定筒部63C及び天板固定部73の天板固定筒部73Cと同軸上に配置されており、挿通孔100Aの内径が、天板固定筒部63C(天板固定筒部73C)の内径と略同じに設定されている。
【0095】
そして、固定ピン77が、挿通孔100Aの内部及び天板固定筒部63C(天板固定筒部73C)の内部に上側から挿入されて、天板100が、固定ピン77によって天板固定部63及び天板固定部73に固定されている。また、この状態では、固定ピン77の固定フック部79Dが、天板固定筒部63C(天板固定筒部73C)の下端部に係合されて、固定ピン77の上側への移動が制限されている。これにより、天板100が、天板固定部63及び天板固定部73によって上フレーム21に連結されている。
【0096】
さらに、この状態では、固定ピン77の固定フック部79Dが、天板固定筒部63C(天板固定筒部73C)の下側の空間(区画壁63B(区画壁73B)の下側の空間)内に配置されている。つまり、使用者が固定フック部79Dに接触できるように、固定フック部79Dが、天板固定筒部63C(天板固定筒部73C)の下側の空間内に配置されている。このため、使用者が、一対の固定フック部79Dを挟んで、固定ピン77の固定軸部79Bを弾性変形させることで、固定ピン77の天板固定筒部63C(天板固定筒部73C)への係合状態を解除することができるようになっている。つまり、固定ピン77が、天板固定筒部63C(天板固定筒部73C)に係脱可能に係合されている。
【0097】
また、図示は省略するが、天板100の後端部には、背板50の嵌合突起50Aに対応する位置において、下側へ開放された左右一対の嵌合凹部が形成されている。そして、背板50の嵌合突起50Aが嵌合凹部内に嵌入されている。
【0098】
(支持柱110について)
図1、
図2、
図4、
図7、及び
図13に示されるように、支持柱110は、上下方向を軸方向とした中実の略円柱状に形成されている。そして、支持柱110の上端部が、第1上サイド連結部材61の支持柱固定部62D内に下側から挿入されて、ネジなどの固定部材によって支持柱固定部62Dに締結固定されている。一方、支持柱110の下端部は、第1下サイド連結部材81の支持柱固定部82D内に上側から挿入されて、ネジなどの固定部材によって支持柱固定部82Dに締結固定されている。これにより、支持柱110が、サイド柵40にユニット化されている(
図4参照)。そして、サークル本体20の組立状態では、支持柱110が、連結ピン65の連結軸67と同軸上に配置された状態で、上フレーム21及び下フレーム22を連結している(
図7参照)。
【0099】
(作用効果)
次に、ペットサークル1の組立手順を説明しつつ、実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0100】
ペットサークル1を組立てるときには、初めにサークル本体20を組立て、次いで、天板100をサークル本体20に組付ける。
サークル本体20を組立てでは、背板50とサイド柵40を起立状態にして、背板50の幅方向外側の端部と、サイド柵40の後端部と、を合わる。具体的には、背板50における下側のリヤ連結部材74の本体部75を、サイド柵40における第2下サイド連結部材91のサイド重合部92Cの上側に重ねて配置する。また、サイド柵40における第2上サイド連結部材71のサイド重合部72Cを、背板50における上側のリヤ連結部材74の本体部75の上側に重ねて配置する。
【0101】
そして、固定ピン77の固定軸79を、下側のリヤ連結部材74のリヤ連結筒部75B内及び第2下サイド連結部材91のサイド連結筒部92E内に挿入する。このとき、固定軸79の固定フック部79Dが、リヤ連結筒部75B(サイド連結筒部92E)の内周面によって押圧されて、固定軸部79Bが固定軸79の径方向内側へ弾性変形する。そして、固定ピン77の挿入が完了すると、固定ピン77の固定フック部79Dがサイド連結筒部92Eの下端部に係合する。
【0102】
また、固定ピン77の固定軸79を、第2上サイド連結部材71のサイド連結筒部72E内及び上側のリヤ連結部材74のリヤ連結筒部75B内に挿入する。このとき、上述と同様に、固定軸部79Bが固定軸79の径方向内側へ弾性変形する。そして、固定ピン77の挿入が完了すると、固定ピン77の固定フック部79Dがリヤ連結筒部75Bの下端部に係合する。
以上により、サイド柵40と背板50とが、上後連結機構70及び下後連結機構90によって連結される。
【0103】
次に、フロント柵30を起立状態にして、背板50が連結された状態のサイド柵40の前端部と、フロント柵30の幅方向外側端部と、を合わせる。具体的には、サイド柵40における第1下サイド連結部材81のサイド重合部82Cを、フロント柵30における下側のフロント連結部材64のフロント重合部64Cの上側に重ねて配置する。また、フロント柵30における上側のフロント連結部材64のフロント重合部64Cを、サイド柵40における第1上サイド連結部材61のサイド重合部62Cの上側に重ねて配置する。
【0104】
そして、連結ピン65の連結軸67を、上側のフロント連結部材64のフロント連結筒部64F内及び第1上サイド連結部材61のサイド連結筒部62E内に上側から挿入する。このとき、連結軸67の連結フック部67Dが、フロント連結筒部64F(サイド連結筒部62E)の内周面によって押圧されて、連結軸部67Bが連結軸67の径方向内側へ弾性変形する。そして、連結ピン65の挿入が完了すると、連結ピン65の連結フック部67Dがサイド連結筒部62Eの傾斜壁部62E3に係合する。
また、この状態では、連結ピン65の取手部66が、フロント連結部材64の凹部64Eの開口を閉塞するように配置される。
【0105】
また、同様に、連結ピン65の連結軸67を、下側のフロント連結部材64のフロント連結筒部64F内及び第1下サイド連結部材81のサイド連結筒部82E内に下側から挿入する。これにより、上述と同様に、連結ピン65の連結フック部67Dがサイド連結筒部82Eに係合すると共に、連結ピン65の取手部66が、フロント連結部材64の凹部64Eの開口を閉塞するように配置される。
以上により、フロント柵30とサイド柵40とが、上前連結機構60及び下前連結機構80によって連結されて、サークル本体20が組立てられる。
そして、サークル本体20をトレー10の上側に載置すると共に、サークル本体20の下端部をトレー10のトレー溝10C内に嵌め込む。
【0106】
この状態で、天板100を、サークル本体20の上側の開口部を閉塞するように、上前連結機構60の天板固定部63の上面、上後連結機構70の天板固定部73の上面、及び背板50の上面に載置する。また、このときには、天板100の嵌合凹部内に、背板50の嵌合突起50Aを嵌入させる。
【0107】
そして、この状態で、固定ピン77を用いて、天板100を天板固定部63(天板固定部73)に固定する。具体的には、固定ピン77の固定軸79を、天板100の挿通孔100A内及び天板固定筒部63C(天板固定筒部73C)内に上側から挿入する。このとき、固定軸79の固定フック部79Dが、挿通孔100A及び天板固定筒部63C(天板固定筒部73C)の内周面によって押圧されて、固定軸部79Bが固定軸79の径方向内側へ弾性変形する。そして、固定ピン77の挿入が完了すると、固定ピン77の固定フック部79Dが天板固定筒部63C(天板固定筒部73C)の下端部に係合する。
以上により、天板100が、サークル本体20に組付けられて、ペットサークル1が組立てられる。
【0108】
ここで、ペットサークル1では、天板100が、サークル本体20の上側の開口部に設けられており、当該開口部が、天板100よって遮蔽(閉塞)されている。また、サークル本体20の後部には、背板50が設けられており、サークル本体20の後部が背板50によって遮蔽されている。このため、ペットサークル1の内部であるペットの居住スペースが、上側且つ後側から視認不能に構成されている。これにより、ペットサークル1の内部を、動物の習性に合わせた居住スペースとして実現することができる。したがって、ペットサークル1内に収容されるペットに対する住環境を向上することができる。
【0109】
また、ペットサークル1の天板100は、所定の厚みを有する木製パネルによって構成されている。このため、天板100の上面にペットを載せた状態で、ペットの世話を行うことができる。これにより、使用者に対する利便性を向上することができる。
また、天板100及び背板50を木製パネルによって構成することで、ペットサークル1の意匠を家具調にすることができる。これにより、ペットサークル1の意匠性を向上することができる。
【0110】
また、ペットサークル1では、上述のように、天板100が、サークル本体20の上側の開口部に設けられており、サークル本体20の後部が、背板50によって構成されている。このため、ペットサークル1において、天板100を省略し、且つサークル本体20の背板50をフロント柵30等と同様な柵状にした場合と比べて、ペットサークル1の全体の剛性を高くすることができる。
【0111】
また、ペットサークル1では、サークル本体20の上端部の骨格を構成する上フレーム21の上前連結機構60(上後連結機構70)に天板固定部63(天板固定部73)が設けられており、天板100が、固定ピン77によって、天板固定部63(天板固定部73)に固定されている。つまり、天板100が、骨格部材である上桟31,41に、上前連結機構60及び上後連結機構70によって連結されている。このため、ペットに対する居住環境を向上するための天板100を活用して、上フレーム21を補強することができると共に、ひいては、ペットサークル1の全体の剛性を効果的に高くすることができる。
【0112】
また、天板100を固定するための固定ピン77が、天板固定部63(天板固定部73)の天板固定筒部63C(天板固定筒部73C)に係脱可能に係合されている。これにより、工具などを用いることなく、天板100を組立て及び分解することができる。
【0113】
また、固定ピン77における頭部78の下端部には、下側へ開放された指掛け部78Aが形成されている。これにより、天板100の上面と指掛け部78Aとの間に、使用者の指を掛けるための空間が形成される。このため、固定ピン77の固定フック部79Dと天板固定筒部63C(天板固定筒部73C)との係合状態を解除して、固定ピン77を天板固定筒部63C(天板固定筒部73C)から取外すときには、頭部78の指掛け部78Aに指を掛けた状態で、固定ピン77を天板固定筒部63C(天板固定筒部73C)から取外すことができる。したがって、天板100をサークル本体20から分解するときの分解性能を向上することができる。
【0114】
また、ペットサークル1では、サイド柵40に支持柱110が設けられており、支持柱110の上端部が、第1上サイド連結部材61の支持柱固定部62Dに締結固定され、支持柱110の下端部が、第1下サイド連結部材81の支持柱固定部82Dに締結固定されている。これにより、支持柱110が、上フレーム21及び下フレーム22を連結している。このため、サイド柵40の骨格を構成する上フレーム21及び下フレーム22によって、天板100を支持することができる。したがって、ペットサークル1の上端部に、天板100を配置した構成にしても、天板100を良好に支持することができる。
【0115】
また、上前連結機構60(下前連結機構80)では、連結ピン65の連結軸67が、支持柱110と同軸上に配置されている。このため、連結ピン65の連結軸67及び支持柱110を同軸上に配置しない構成と比べて、上前連結機構60(下前連結機構80)の省スペース化を実現することができる。
【0116】
また、連結ピン65の上端部には、連結軸67の径方向外側へ延出した取手部66が設けられており、取手部66の先端部には、取手孔部66Bが形成されている。さらに、取手部66は、フロント連結部材64の凹部64Eの開口部を閉塞するように配置されている。このため、使用者が取手孔部66B内に指を掛けて、取手孔部66Bを上側へ引き出すことで、連結軸67と第1上サイド連結部材61のサイド連結筒部62E(第1下サイド連結部材81のサイド連結筒部82E)との係合状態を解除して、連結ピン65を取外すことができる。これにより、ペットサークル1の分解性能を向上することができる。
【0117】
すなわち、連結ピン65の連結軸67と支持柱110とを同軸上に配置した状態では、支持柱110を固定するための支持柱固定部62D(支持柱固定部82D)によって、使用者が連結ピン65の連結フック部67Dに接触できない構成になる。このため、仮に、連結ピン65において取手部66を省略した場合には、使用者が連結ピン65を引き出すことが困難となる。すなわち、サークル本体20の分解が困難となる。
【0118】
これに対して、連結ピン65の上端部に、連結軸67の径方向外側へ延出した取手部66を設けることで、取手部66を用いて連結ピン65を連結軸67の軸方向に引き出すことができる。しかも、取手孔部66Bに取手孔部66Bを形成することで、取手部66を容易に引き出すことができる。
【0119】
具体的には、使用者が、取手部66の取手孔部66B(先端部)に指を掛けて、取手部66を上側へ持ち上げる。このときには、連結軸67が、第1上サイド連結部材61におけるサイド連結筒部62E内に挿入されているため、取手部66の先端側が上側へ変位するように、取手部66が湾曲変形する。これにより、一方の連結軸部67Bから径方向外側へ突出した突出リブ68によって、一方の連結軸部67Bが連結軸67の径方向内側へ押圧されるようになり、一方の連結軸部67Bが連結軸67の径方向内側へ弾性変形する。その結果、一方の連結軸部67Bの連結フック部67Dと第1上サイド連結部材61におけるサイド連結筒部62E(傾斜壁部62E3)との係合状態が解除される。
【0120】
また、取手部66の先端側が上側へ変位するように、取手部66が湾曲変形するときには、他方の連結軸部67Bが、サイド連結筒部62Eの内周面によって押圧されて径方向内側へ弾性変形する。その結果、他方の連結軸部67Bの連結フック部67Dと第1上サイド連結部材61におけるサイド連結筒部62E(傾斜壁部62E3)との係合状態が解除される。以上により、連結ピン65とサイド連結筒部62Eとの係合状態が解除される。そして、係合状態が解除された連結ピン65に対して、取手部66をさらに上側へ持ち上げることで、連結ピン65が第1上サイド連結部材61から取外しされる。したがって、支持柱110をペットサークル1に用いた構成にしても、ペットサークル1の分解性能を向上することができる。
【0121】
なお、本実施の形態では、サークル本体20の後部を構成する背板50が、遮蔽板として構成されているが、サークル本体20の左右のサイド柵40の一方を遮蔽板として構成してもよい。この場合には、遮蔽板が背板50に連結されると共に、フロント柵30の端部を遮蔽板の前端部に連結すればよい。
【0122】
また、本実施の形態では、上前連結機構60の第1上サイド連結部材61に天板固定部63が設けられているが、天板固定部63を上前連結機構60のフロント連結部材64に設けてもよい。また、上後連結機構70の第2上サイド連結部材71に天板固定部73が設けられているが、天板固定部73を上後連結機構70のリヤ連結部材74に設けてもよい。
【0123】
また、本実施の形態では、サイド柵40に支持柱110が設けられているが、サイド柵40において、支持柱110を省略してもよい。
【符号の説明】
【0124】
1 ペットサークル
20 サークル本体
21 上フレーム
50 背板(外周板)
31 上桟
41 上桟
60 上前連結機構(上側第1連結機構)
61 第1上サイド連結部材(第1部材)
62D 支持柱固定部
63 天板固定部
63C 天板固定筒部
64 フロント連結部材(第2部材)
64E 凹部
64G 規制段部(規制部)
65 連結ピン
66 取手部
67 連結軸
67B 連結軸部
67D 連結フック部(連結係合部)
70 上後連結機構(上側第2連結機構)
73 天板固定部
73C 天板固定筒部
77 固定ピン
78 頭部
78A 指掛け部
79 固定軸
79D 固定フック部(固定係合部)
100 天板
110 支持柱