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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220920BHJP
【FI】
A63F5/04 651
A63F5/04 620
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2018220981
(22)【出願日】2018-11-27
(65)【公開番号】P2020081416
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】390031772
【氏名又は名称】株式会社オリンピア
(74)【代理人】
【識別番号】110000936
【氏名又は名称】特許業務法人青海特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中内 翼
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 直幸
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 元亮
(72)【発明者】
【氏名】福田 英之
(72)【発明者】
【氏名】北 正吾
(72)【発明者】
【氏名】雪江 武史
(72)【発明者】
【氏名】相場 裕介
(72)【発明者】
【氏名】山本 俊
(72)【発明者】
【氏名】前原 正典
(72)【発明者】
【氏名】位田 雄祐
(72)【発明者】
【氏名】乗田 惇史
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 拓也
(72)【発明者】
【氏名】杉山 舜哉
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼須 智哉
(72)【発明者】
【氏名】生熊 亮太
【審査官】馬渕 貴洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-140071(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スタートスイッチの操作に基づき、当選役の当否を決定する当選種別抽選手段と、
前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールを回転制御し、回転しているリールに対応するストップスイッチの操作に応じ、前記当選種別抽選手段の抽選結果に基づいて、操作された前記ストップスイッチに対応するリールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、
第1の特典、および、前記第1の特典よりも遊技者にとって特典が大きい第2の特典を付与する特典付与手段と、
遊技の進行に応じて演出の実行を決定し、決定した演出を実行する演出実行手段と、
を備え、
前記特典付与手段は、
所定の条件を満たすとカウントされるカウンタ値が特定値に到達すると、所定の特典を遊技者に付与し、
前記演出実行手段は、
前記第1の特典または前記第2の特典が付与される場合、前記第1の特典または前記第2の特典が付与されることを示唆する特定演出を実行し、
前記カウンタ値が前記特定値よりも前に到達する所定値に到達すると、前記第1の特典が付与される場合に前記特定演出の実行頻度を減ら遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者に遊技利益を付与するか否かを抽選により決定する遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機としてのスロットマシンでは、遊技の進行に際し、遊技者の有利度合い(遊技利益)を異にする複数の遊技状態や演出状態が設けられている。例えば、ボーナス役に対応する図柄組み合わせを有効ライン上に表示することで、通常遊技状態より、遊技者がメダルを獲得し易いボーナス遊技状態に移行する仕様を採用しているスロットマシンがある。
【0003】
また、スロットマシンでは、遊技の進行に際し、遊技者の有利度合い(遊技利益)を異にする複数の遊技状態が設けられている。例えば、遊技利益が大きい当選役(以下、選択当選役という)と他の当選役とが重複した当選種別(以下、選択当選種別という)に当選したときに、その選択当選役の入賞条件となるストップスイッチの操作態様(以下、正解操作態様という)が報知されることで(以下、このような所定の当選役の入賞条件となる操作態様を報知する演出を単に補助演出という)、当該選択当選役に対応する図柄組み合わせを、遊技者が有効ライン上に容易に表示させることができる、所謂、AT(アシストタイム)が実行されるAT演出状態を設けているスロットマシンもある。
【0004】
そして、このようなスロットマシンでは、補助演出が行われない通常演出状態では、抽選により決定された当選種別に基づいて、AT演出状態への移行可否をAT抽選により決定し、AT抽選に当選するとAT演出状態に移行させるようになされている。また、通常演出状態における遊技数が予め決められた規定遊技数に到達すると(所謂天井に到達すると)、AT抽選に当選していなくてもAT演出状態に移行させるようになされている。
【0005】
また、特許文献1に記載のスロットマシンでは、通常演出状態において、AT抽選の抽選結果を示唆する演出が行われ、AT抽選に当選している場合には所謂フリーズ演出が実行される。そして、例えば、通常演出状態における遊技数が規定遊技数に近い場合(天井に近い場合)、AT抽選に当選してもフリーズ演出を不実行とするようになされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2014-45984号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記した特許文献1のスロットマシンでは、通常演出状態における遊技数が規定遊技数に近い場合、フリーズ演出を不実行とするため、AT抽選に当選していた場合における演出効果が低下してしまうおそれがあった。
【0008】
本発明は、このような課題に鑑み、演出効果を向上することが可能な遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の遊技機は、スタートスイッチの操作に基づき、当選役の当否を決定する当選種別抽選手段と、前記スタートスイッチの操作に応じて、複数種類の図柄がそれぞれ配列された複数のリールを回転制御し、回転しているリールに対応するストップスイッチの操作に応じ、前記当選種別抽選手段の抽選結果に基づいて、操作された前記ストップスイッチに対応するリールをそれぞれ停止制御するリール制御手段と、第1の特典、および、前記第1の特典よりも遊技者にとって特典が大きい第2の特典を付与する特典付与手段と、遊技の進行に応じて演出の実行を決定し、決定した演出を実行する演出実行手段と、を備え、前記特典付与手段は、所定の条件を満たすとカウントされるカウンタ値が特定値に到達すると、所定の特典を遊技者に付与し、前記演出実行手段は、前記第1の特典または前記第2の特典が付与される場合、前記第1の特典または前記第2の特典が付与されることを示唆する特定演出を実行し、前記カウンタ値が前記特定値よりも前に到達する所定値に到達すると、前記第1の特典が付与される場合に前記特定演出の実行頻度を減ら
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、演出効果を向上することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための外観図である。
図2】スロットマシンの概略的な機械的構成を説明するための前面扉を開いた状態での外観図である。
図3】(a)は、リールの図柄配列を示す図であり、(b)は、有効ラインおよび無効ラインを説明するための説明図である。
図4】スロットマシンの概略的な電気的構成を示したブロック図である。
図5】当選役を説明するための説明図である。
図6】当選種別抽選テーブルを示す図である。
図7】遊技状態の移行を説明するための説明図である。
図8】CBB遊技状態における演出の一例を説明する説明図である。
図9】CBB遊技状態における演出の一例を説明する説明図である。
図10】演出抽選テーブルを説明する説明図である。
図11】主制御基板のメイン処理を示したフローチャートである。
図12】副制御基板のサブ処理を示したフローチャートである。
図13】コマンド受信処理を示したフローチャートである。
図14】演出決定処理を示したフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
【0015】
(スロットマシン100の機械的構成)
図1および図2の外観図に示すように、遊技機としてのスロットマシン100は、前面が開口した筐体102と、筐体102の前面一端に回動可能に上下に並んで配置される前面上扉104および前面下扉106とが設けられている。前面上扉104の下部略中央には、ガラス板や透明樹脂板等で構成された無色透明の図柄表示窓108が設けられており、筐体102内の図柄表示窓108に対応した位置には、3つのリール110(左リール110a、中リール110b、右リール110c)が、それぞれ独立して回動可能に設けられている。左リール110a、中リール110b、右リール110cには、図3(a)の図柄配列に示すように、20に等分された各領域に複数種類の図柄がそれぞれ配列されており、遊技者は、図柄表示窓108を通じて、上段、中段、下段に位置する、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの3つの連続する図柄を視認することができる。
【0016】
前面下扉106の上部には操作部設置台112が形成され、操作部設置台112には、メダル投入部114、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118、ストップスイッチ120、演出スイッチ122等が設けられている。メダル投入部114は、メダル投入口114aを通じて遊技媒体としてのメダルの投入を受け付ける。ベットスイッチ116は、スロットマシン100の内部に電気的に貯留(以下、単にクレジットという)されているメダルのうち、1遊技で必要とされる規定数のメダルを投入(ベット)する。なお、本実施形態においては、遊技状態に応じて、規定数が「1」~「3」のいずれか1または複数に設定される。
【0017】
スタートスイッチ118は、例えば傾倒操作を検出可能なレバーで構成され、遊技者による遊技の開始操作を検出する。ストップスイッチ120(ストップスイッチ120a、ストップスイッチ120b、ストップスイッチ120c)は、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに対応して設けられており、遊技者の停止操作を検出する。演出スイッチ122は、例えば、押圧スイッチと、その周囲に回転自在に配されたジョグダイヤルスイッチとから構成され、遊技者の押圧操作や回転操作を検出する。
【0018】
前面上扉104の上部略中央には、演出に伴う様々な画像を表示する液晶表示部124が設けられている。また、前面上扉104の上部や左右には、例えば高輝度の発光ダイオード(LED)によって構成される演出用ランプ126が設けられる。また、前面上扉104の裏面における液晶表示部124の左右位置や前面下扉106の裏面における内面左右位置には、効果音や楽音等による聴覚的な演出を行うスピーカ128が設けられている。
【0019】
操作部設置台112には、メインクレジット表示部130およびメイン払出表示部132が設けられている。また、図柄表示窓108と操作部設置台112との間には、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136が設けられている。これらメインクレジット表示部130およびサブクレジット表示部134にはクレジットされているメダルの枚数(クレジット枚数)が表示され、メイン払出表示部132およびサブ払出表示部136にはメダルの払出枚数が表示される。
【0020】
筐体102内におけるリール110の下方には、メダル排出口140aからメダルを払い出すためのメダル払出装置(メダルホッパー)142が設けられている。また、前面下扉106の前面下部には、メダル排出口140aから払い出されたメダルを貯留するための受け皿部140が設けられている。また、筐体102内には、電源スイッチ144が設けられている。電源スイッチ144は、スロットマシン100を管理する管理者が操作し、電源の切断状態と電源の投入状態の2つの状態を切り換えるために用いられる。
【0021】
また、筐体102内には、設定キー150aおよび設定変更スイッチ150b(これらを合わせて設定値設定手段)が主制御基板200(図4参照)上に設けられている。スロットマシン100では、設定キー150aに所定の鍵(操作キー)が挿入されてOFFの位置からONの位置へ回転された状態で電源スイッチ144を介して電源が投入されると設定変更モードに移行し、設定値(有利度を段階的に示したもの)の変更(単に設定変更ともいう)が可能な状態となる。そして、設定変更が可能な状態において設定変更スイッチ150bが押下される度に設定値が1ずつ加算され、例えば6段階の設定値のうちのいずれかの設定値に変更され、スタートスイッチ118が操作されると、設定値が確定し、設定キー150aを元の位置(OFFの位置)に戻すことで設定変更モードが終了して遊技が可能となる。なお、設定変更は、電源スイッチ144が操作されて電源の投入状態となってから一定期間のみ可能となっている。
【0022】
スロットマシン100では、遊技が開始可能となり、規定数のメダルがベットされると、有効ラインAが有効化するとともに、スタートスイッチ118に対する操作が有効となる。ここで、ベットは、ベットスイッチ116の操作を通じてクレジットされているメダルを投入する場合と、メダル投入部114を通じてメダルを投入する場合と、詳しくは後述するリプレイ役が有効ラインA上に表示されたことに基づいてメダルを自動投入する場合のいずれも含む。また、有効ラインAは、当選役の入賞を判定するためのラインであり、本実施形態では1本である。有効ラインAは、図3(b)に示すように、図柄表示窓108に臨む9つの図柄(3リール×上中下の3段)のうち、左リール110aの中段、中リール110bの中段、右リール110cの中段に停止する図柄に対応する位置を結んだラインに設定されている。無効ラインは、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせのみでは当選役を把握しにくい場合に、当選役の把握を容易にする他の図柄組み合わせを表示する、当選役の入賞判定には用いられない有効ラインA以外のラインであり、本実施形態では、図3(b)に示す4つの無効ラインB1、B2、C1、C2を想定している。
【0023】
そして、遊技者によりスタートスイッチ118が操作されると、遊技が開始され、左リール110a、中リール110b、右リール110cが回転されるとともに、当選種別抽選等が実行される。その後、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cをそれぞれ停止させる。そして、当選種別抽選の抽選結果および有効ラインAに表示された図柄の組み合わせによって、メダルの払い出しを受け得る当選役に入賞した場合にはメダルの払い出しが実行され、メダルの払い出しを受け得る当選種別に非当選であった場合または当選したが入賞しなかった場合には左リール110a、中リール110b、右リール110cが全て停止したことをもって、遊技が終了する。ただし、1遊技の開始を、上記のメダルの投入、または、リプレイ役の入賞の代わりに、遊技者によるスタートスイッチ118の操作と読み替えてもよい。また、かかる1遊技が繰り返される数を遊技数とする。
【0024】
(スロットマシン100の電気的構成)
図4は、スロットマシン100の概略的な電気的構成を示したブロック図である。図4に示すように、スロットマシン100は、遊技の進行を制御する主制御基板200と、遊技の進行に応じた演出を制御する副制御基板202とを含む制御基板が設けられている。また、主制御基板200と副制御基板202との間の電気的な信号の伝達は、不正防止等の観点から、主制御基板200から副制御基板202への一方向のみに制限される。
【0025】
(主制御基板200)
主制御基板200は、中央処理装置であるメインCPU200a、プログラム等が格納されたメインROM200b、ワークエリアとして機能するメインRAM200c等を含む半導体集積回路を有し、スロットマシン100全体を統括的に制御する。なお、メインRAM200cは、電源が切断された場合においても、設定変更が行われてRAMクリアが実行されない限り、データが消去されることなく保持される。
【0026】
また、主制御基板200は、メインCPU200aが、メインROM200bに格納されたプログラムに基づきメインRAM200cと協働することで機能する、初期化手段300、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段(演出実行手段)306、判定手段308、払出制御手段310、状態制御手段312(遊技状態制御手段、特典付与手段)、コマンド送信手段314等の機能部を有する。
【0027】
主制御基板200では、メダル投入口114aへのメダルの投入を検出する投入メダル検出部114b、ベットスイッチ116、スタートスイッチ118およびストップスイッチ120から各種の検出信号を受信しており、受信した検出信号に基づいて、メインCPU200aが種々の処理を実行する。
【0028】
初期化手段300は、主制御基板200における初期化処理を実行する。ベット手段302は、遊技に使用するためのメダルをベットする。当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118の操作に基づき、詳しくは後述するように、当選役の当否、より詳しくは、当選役が含まれる当選種別の当否を決定する当選種別抽選を行う。
【0029】
リール制御手段306は、スタートスイッチ118の操作に応じて、左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転制御し、回転している左リール110a、中リール110b、右リール110cにそれぞれ対応したストップスイッチ120a、120b、120cの操作に応じて、対応する左リール110a、中リール110b、右リール110cを停止制御する。
【0030】
また、主制御基板200には、リール駆動制御部150が接続されている。このリール駆動制御部150は、スタートスイッチ118の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始信号に基づいて、ステッピングモータ152を駆動する。また、リール駆動制御部150は、ストップスイッチ120の操作信号に応じ、リール制御手段306から送信される、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれの停止信号および回転位置検出回路154の検出信号に基づいて、ステッピングモータ152の駆動を停止する。
【0031】
判定手段308は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたか否か判定する。ここで、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることを単に入賞という場合がある。払出制御手段310は、当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されたこと(入賞されたこと)に基づいて、当該当選役に対応する数だけメダルを払い出す。また、主制御基板200には、メダル払出装置142が接続されており、払出制御手段310は、メダルの払出枚数を計数しながらメダルを排出する。
【0032】
状態制御手段312は、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。状態制御手段312は、当選種別抽選の結果や判定手段308の判定結果を参照し、複数種類の遊技状態のいずれかに遊技状態を移行させる。
【0033】
コマンド送信手段314は、ベット手段302、当選種別抽選手段304、リール制御手段306、判定手段308、払出制御手段310、状態制御手段312等の動作に伴う、遊技に関するコマンドを順次決定し、決定したコマンドを副制御基板202に順次送信する。
【0034】
また、主制御基板200には、乱数発生器(乱数生成手段)200dが設けられる。乱数発生器200dは、計数値を順次インクリメントし、所定の数値範囲内でループさせ、所定の時点における計数値を抽出することで乱数を得る。主制御基板200の乱数発生器200dによって生成される乱数(以下、当選種別抽選乱数という)は、遊技者に付与する遊技利益、例えば、当選種別抽選手段304が当選種別を決定するために用いられる。
【0035】
(副制御基板202)
また、副制御基板202は、主制御基板200と同様に、中央処理装置であるサブCPU202a、プログラム等が格納されたサブROM202b、ワークエリアとして機能するサブRAM202c等を含む各種半導体集積回路を有し、主制御基板200からのコマンドに基づき、特に演出を制御する。また、サブRAM202cにもメインRAM200c同様、不図示のバックアップ電源が接続されており、電源が切断された場合においても、データが消去されることなく保持される。なお、副制御基板202にも、主制御基板200同様、乱数発生器(乱数生成手段)202dが設けられており、乱数発生器202dによって生成される乱数(以下、演出抽選乱数という)は、主に演出の態様を決定するために用いられる。
【0036】
また、副制御基板202は、サブCPU202aが、サブROM202bに格納されたプログラムに基づき、サブRAM202cと協働することで機能する、初期化決定手段330、コマンド受信手段332、演出制御手段334等の機能部を有する。
【0037】
初期化決定手段330は、副制御基板202における初期化処理を実行する。コマンド受信手段332は、主制御基板200等、他の制御基板からのコマンドを受信し、コマンドに対する処理を行う。演出制御手段334は、演出スイッチ122から検出信号を受信するとともに、受信されたコマンドに基づいて液晶表示部124、スピーカ128、演出用ランプ126の各デバイスで行われる遊技の演出を決定する。具体的に、演出制御手段334は、液晶表示部124に表示される画像データや、演出用ランプ126、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136等の電飾機器を通じた演出のための電飾データを決定するとともに、スピーカ128から出力すべき音声を構成する音声データを決定する。そして、演出制御手段334は、決定した遊技の演出を実行する。
【0038】
なお、以下では、液晶表示部124、演出用ランプ126、スピーカ128、サブクレジット表示部134、サブ払出表示部136といった、副制御基板202を含む、主制御基板200以外の基板で管理される報知手段を他報知手段という場合がある。これに対し、メインクレジット表示部130、メイン払出表示部132といった、主制御基板200で管理される報知手段を主報知手段(指示モニタ)という場合がある。
【0039】
(主制御基板200で用いられるテーブル)
図5は、当選役を説明するための説明図であり、図6は、当選種別抽選テーブルを説明するための説明図である。
【0040】
スロットマシン100においては、詳しくは後述するように、複数種類の遊技状態が設けられており、遊技の進行に応じて遊技状態が移行される。そして、主制御基板200では、状態制御手段312により管理、制御される遊技状態に対応する複数の当選種別抽選テーブル等がメインROM200bに格納されている。当選種別抽選手段304は、メインRAM200cに記憶された現在の設定値(遊技利益を得る容易性を段階的に示したもの)と現在の遊技状態に応じて、対応する当選種別抽選テーブルをメインROM200bから抽出し、抽出した当選種別抽選テーブルに基づき、スタートスイッチ118の操作信号に応じて取得された当選種別抽選乱数が当選種別抽選テーブル内のいずれの当選種別に対応するか判定する。
【0041】
ここで、当選種別抽選テーブルで抽出される当選種別を構成する当選役には、リプレイ役、小役、ボーナス役が含まれる。リプレイ役は、リプレイ役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、遊技者によるメダルの新たなるベットを行わずして再度遊技を実行できる役である。小役は、その小役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、図柄組み合わせに応じて所定枚数のメダルの払い出しを受けることができる役である。また、ボーナス役は、そのボーナス役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されることにより、状態制御手段312により管理される遊技状態をボーナス遊技状態に移行させることができる役である。
【0042】
本実施形態における当選役は、図5に示すように、リプレイ役として、当選役「リプレイ」が設けられている。また、小役として、当選役「小役1」~「小役6」(以下、かかる6個の小役を単に当選役「小役」と略す場合がある)が設けられている。また、ボーナス役として、当選役「CBB」、「RBB」、「RB1」、「RB2」、「CB1」、「CB2」、「CB3」が設けられている。図5では、左リール110a、中リール110b、右リール110cそれぞれに、各当選役を構成する1または複数の図柄が対応付けられている。なお、図5中、「ANY」は、いずれの図柄でもよいことを示している。
【0043】
ここで、本実施形態においては、遊技者によってストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、当該図柄が有効ラインA上に停止するように停止制御がなされる。また、ストップスイッチ120が操作されたときに、入賞可能な当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が、有効ラインA上にはないが、リール110の回転方向と反対の方向の図柄4コマ分に相当する範囲(引込範囲)内に存在している場合には、リール制御手段306によって、離れている図柄数が滑りコマ数となり、当該当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。また、入賞可能な当選役に対応する図柄がリール110中に複数あり、いずれもリール110の引込範囲内に存在している場合には、予め定められた優先順位に従っていずれの図柄を有効ラインA上に引き込むか決定され、当該優先された図柄を有効ラインA上に引き込むように滑りコマ数分回転を維持した後に停止するように停止制御がなされる。なお、ストップスイッチ120が押圧操作されたときに、入賞可能な当選役以外の当選役に対応する図柄組み合わせを構成する図柄が有効ラインA上にある場合には、リール制御手段306によって、その図柄を有効ラインA上に停止させないようにする、所謂蹴飛ばし処理も並行して実行される。また、後述するように、当選種別に含まれる当選役に操作態様(操作順や操作タイミング)が入賞条件として設定されている場合、リール制御手段306は、遊技者の操作態様に応じて当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示可能に停止制御する。
【0044】
そして、例えば、当選役「リプレイ」、「CBB」、「RB2」、「小役1」~「小役4」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ず有効ラインA上に表示可能なように配列されている。このような当選役をPB=1と表す場合がある。一方、例えば、当選役「RBB」、「RB1」、「CB1」~「CB3」、「小役5」、「小役6」に対応する図柄組み合わせを構成する図柄は、各リール110において、上記の停止制御によって、必ずしも有効ラインA上に表示可能なように配列されていないので、所謂とりこぼしが発生する場合がある。このような当選役をPB≠1と表す場合がある。
【0045】
図6に示すように、当選種別抽選テーブルでは、複数の当選領域(当選エリア)が区画されており、各遊技状態および規定数によって抽選の対象となる当選種別が異なったり、ハズレ(不当選)の有無が異なったりする。図6では、各遊技状態および規定数毎に割り当てられた当選領域(当選種別)を「「○」や「●」で表しているが、実際には、複数の遊技状態それぞれに対応する当選種別抽選テーブルがメインROM200bに記憶されている。
【0046】
なお、図6では、規定数が「3」の通常遊技状態を通常3枚とし、規定数が「2」の通常遊技状態を通常2枚としている。また、規定数が「3」のCBB成立遊技状態、RBB成立遊技状態、RB1成立遊技状態を成立3枚とし、規定数が「2」のCBB成立遊技状態、RBB成立遊技状態、RB1成立遊技状態を成立2枚としている。また、規定数が「3」のCBB一般遊技状態をCBB一般3枚とし、規定数が「2」のCBB一般遊技状態をCBB一般2枚とし、規定数が「3」のRBB一般遊技状態をRBB一般3枚とし、規定数が「2」のRBB一般遊技状態をRBB一般2枚としている。また、CB遊技状態をCBとし、RB1遊技状態をRB1とし、RB2遊技状態をRB2としている。また、図6では、「○」はその当選種別の当選確率が設定値間で差がないことを示し、「●」はその当選種別の当選確率が設定値間で差があることを示している。
【0047】
当選種別抽選テーブルでは、区画化された各当選領域にはそれぞれ当選範囲を示す数値である所定の置数(当選範囲値)と当選種別が対応付けられており、遊技状態毎に割り当てられた全ての当選領域の置数を合計すると当選種別抽選乱数の総数(65536)となる。当選種別抽選手段304は、その時点の遊技状態に基づいて、当該当選種別抽選テーブルにおける複数の当選領域のうち番号の高い方から、順次、図示しない置数を取得し、その置数を当選種別抽選乱数から減算して、その減算値が0未満となると、その時点の当選領域に対応付けられた当選種別を当選種別抽選の抽選結果としている。
【0048】
図6の当選種別抽選テーブルによれば、例えば当選領域0には、当選種別「ハズレ」が対応付けられており、かかる当選種別が決定されると、図5に示したいずれの当選役に対応する図柄組み合わせも有効ラインA上に表示されることはなく、メダルの払い出し等が行われることはない。ただし、後述するように、内部当選フラグが次遊技に持ち越されている場合、当選種別「ハズレ」の当選により、当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に表示させることが可能となる。
【0049】
また、当選領域1~15には、1のリプレイ役、小役またはボーナス役が単独で、または、複数のリプレイ役、小役およびボーナス役が重複して対応付けられている。そして、複数の当選役が重複して含まれる当選種別に当選した場合には、いずれの当選役に対応する図柄組み合わせを有効ラインA上に優先的に表示させるかについての入賞条件、例えば、ストップスイッチ120a、120b、120cが操作される順番が図6に示すように設定されている。
【0050】
なお、左リール110a、中リール110b、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順1」とし、左リール110a、右リール110c、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順2」とし、中リール110b、左リール110a、右リール110cの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順3」とし、中リール110b、右リール110c、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順4」とし、右リール110c、左リール110a、中リール110bの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順5」とし、右リール110c、中リール110b、左リール110aの順にリールを停止させるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を「打順6」とする。
【0051】
なお、上述したいずれかの当選種別が決定されると、それぞれの当選種別に対応する内部当選フラグが成立(オン)するとともに、この内部当選フラグの成立状況に応じて、各リール110の停止制御がなされることとなる。このとき、小役が含まれる当選種別に当選したものの、これら当選役に対応する図柄組み合わせを、その遊技内で有効ラインA上に表示させることができなかった場合には、当該遊技の終了後に内部当選フラグがオフされる。つまり、小役の当選の権利は小役が含まれる当選種別に当選した遊技内のみに限られ、当該権利を次遊技に持ち越すことはできない。これに対して、当選役「CBB」、「RBB」、「RB1」、「RB2」が含まれる当選種別に当選した場合には、その当選役の内部当選フラグが成立(オン)するとともに、その当選役に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されるまで、内部当選フラグが遊技を跨いで持ち越される。なお、リプレイ役である当選役「リプレイ」が含まれる当選種別に対応する内部当選フラグが成立した場合には、その当選種別に含まれる当選役「リプレイ」のうちのいずれかの当選役「リプレイ」に対応する図柄組み合わせが必ず有効ラインA上に表示され、メダルを要することなく次遊技を行うために必要となる処理が行われた後に、当該内部当選フラグがオフされる。
【0052】
ここで、本実施形態では、原則的には、リプレイ役>ボーナス役、かつ、小役>ボーナス役の順序で停止制御の優先順位が定められ、CB遊技状態では、例外的に小役>リプレイ役>ボーナス役の順序で停止制御の優先順位が定められており、2以上の当選役の内部当選フラグがオンしている場合、優先順位の高い当選役に対応する図柄組み合わせを優先的に有効ラインA上に表示するよう停止制御がなされる。
【0053】
(遊技状態の移行)
図7は、遊技状態の移行を説明するための図である。なお、図7において、各遊技状態の後の括弧書きは、その遊技状態における規定数を示し、括弧書きがない遊技状態は、規定数として「3」および「2」が選択可能な遊技状態であることを示す。図7に示すように、本実施形態では、通常遊技状態、CBB成立遊技状態、RBB成立遊技状態、RB1成立遊技状態、CBB一般遊技状態、RBB一般遊技状態、RB1遊技状態、RB2遊技状態およびCB遊技状態といった複数の遊技状態が設けられている。
【0054】
通常遊技状態は、複数種類の遊技状態の中で初期状態に相当する遊技状態であり、規定数が「2」および「3」に設定されている。なお、図7においては、説明の便宜上、規定数が「2」の場合と、規定数が「3」の場合とで異なる遊技状態として示しているが、実際には同じ遊技状態である。
【0055】
通常遊技状態において規定数が「3」の場合、当選役「CBB」の当選確率が約1/109、当選役「RBB」の当選確率が約1/6.77、当選役「RB1」の当選確率が約1/109、当選役「RB2」の当選確率が約1/8192、当選役「リプレイ」の当選確率が1/7.3に設定されている。また、通常遊技状態において規定数が「2」の場合、当選役「CBB」の当選確率が約1/1.3、当選役「RBB」の当選確率が約1/109、当選役「RB1」の当選確率が約1/109、当選役「RB2」の当選確率が約1/8192、当選役「リプレイ」の当選確率が約1/7.3に設定されている。したがって、規定数が「3」の場合には、当選役「RBB」の当選確率が当選役「CBB」の当選確率よりも高く設定され、規定数が「2」の場合には、当選役「CBB」の当選確率が、規定数が「3」の場合よりも高く設定され、当選役「RBB」の当選確率が、規定数が「3」の場合よりも低く設定されている。
【0056】
ここで、詳しくは後述するように、当選役「RBB」の入賞に伴って移行するRBB遊技状態において遊技者はメダルを増加させることができる一方、当選役「CBB」の入賞に伴って移行するCBB遊技状態において遊技者はメダルを増加させることができにくくなっているため、RBB遊技状態への移行確率が高い(当選役「RBB」の当選確率が高い)規定数が「3」の場合の方が、規定数が「2」の場合よりも、遊技者にとって有利な遊技状態と言える。
【0057】
通常遊技状態において当選役「CBB」に当選すると、状態制御手段312は、遊技状態をCBB成立遊技状態に移行させる。そして、CBB成立遊技状態において当選役「CBB」が入賞すると、状態制御手段312は、遊技状態をCBB遊技状態(特定遊技状態)に移行させる。
【0058】
CBB遊技状態は、CBB一般遊技状態およびCB遊技状態が設けられている。CBB一般遊技状態は、CBB遊技状態の初期状態に相当するものであり、状態制御手段312は、遊技状態をCBB遊技状態に移行させる際、CBB一般遊技状態に移行させる。
【0059】
CBB一般遊技状態では、当選役「RB1」、「RB2」、「CB1」、「CB2」、「CB3」が当選するように設定されているとともに、当選役「リプレイ」が当選しないように設定されている。したがって、CBB一般遊技状態は、通常遊技状態と比べて当選役「リプレイ」が当選しない分だけ、メダルの単位遊技あたりの消費量が増大することになり、通常遊技状態よりも遊技者にとって不利な遊技状態となっている。なお、CBB一般遊技状態では、当選役「RB1」の当選確率が約1/109、当選役「RB2」の当選確率が約1/8192に設定されている。
【0060】
CBB一般遊技状態において当選役「CB1」、「CB2」、「CB3」に当選し、当選役「CB1」、「CB2」、「CB3」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると(入賞すると)、状態制御手段312は、遊技状態をCB遊技状態に移行させる。
【0061】
CB遊技状態では、当選役「RB1」、「RB2」、「CB1」、「CB2」、「CB3」が当選するように設定されているとともに、当選役「小役」、「リプレイ」が当選しないように設定されている。また、CB遊技状態では、当選役「RB1」の当選確率が約1/109、当選役「RB2」の当選確率が約1/8192に設定されている。
【0062】
CB遊技状態は、当選種別抽選の抽選結果に拘わらず、全ての小役の内部当選フラグがオンに設定されるので、通常遊技状態およびCBB一般遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となっている。しかしながら、CB遊技状態では、規定数が「1」に設定されており、小役が入賞することによる払出枚数が1枚であるため、遊技者はメダルを増加させることができないようになっている。
【0063】
CB遊技状態においてCB終了条件が成立した場合、状態制御手段312は、遊技状態をCBB一般遊技状態に移行させる。ここで、CB終了条件は、CB遊技状態を終了させる条件であり、例えば、1回の遊技が行われたことに設定されている。
【0064】
また、CBB遊技状態では、CBB一般遊技状態およびCB遊技状態において払い出されたメダルの合計数(払出枚数)が、予め定められた所定枚数(例えば、253枚)を超えた場合、状態制御手段312は、CBB遊技状態中の遊技状態に拘わらずCBB遊技状態を終了させて、遊技状態を通常遊技状態に移行させる。
【0065】
また、CBB遊技状態中のCBB一般遊技状態またはCB遊技状態において当選役「RB1」が抽選されており、当選役「RB1」が当選すると、予め定められた所定枚数を超えるメダルが払い出されていなくても、状態制御手段312は、遊技状態をRB1成立遊技状態に移行させる。
【0066】
そして、RB1成立遊技状態において当選役「RB1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、状態制御手段312は、遊技状態をRB1遊技状態に移行させる。
【0067】
RB1遊技状態は、規定数が「2」に設定されており、当選役「リプレイ」の当選確率が約1/1.25に設定され、当選役「小役」(当選種別「JAC」)の当選確率が約1/5.00に設定され、「ハズレ」が発生することはない。そして、規定数が「2」の場合において当選種別「JAC」が当選した際に入賞する当選役「小役1」は払出枚数が15枚に設定されているため、遊技者はメダルを増加させることができる。したがって、RB1遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
【0068】
RB1遊技状態においてRB1終了条件の少なくとも一方が成立した場合、状態制御手段312は、遊技状態を通常遊技状態に移行させる。ここで、RB1終了条件は、RB1遊技状態を終了させる条件であり、例えば、当選役「小役」が所定回数(例えば、2回)入賞したこと、および、所定回数(例えば、2回)の遊技が行われたことに設定されている。
【0069】
なお、規定数が「2」であるRB1遊技状態から、規定数が「3」と「2」とで選択可能な通常遊技状態に遊技状態が移行する場合に、RB1遊技状態の最後の遊技で当選役「リプレイ」が入賞した際には、当選役「リプレイ」の入賞に伴うメダルの再投入によって規定数が「2」に相当する枚数分のメダルが投入される。そのため、このような場合、移行した通常遊技状態の最初の遊技では、規定数が「2」で遊技が行われる。
【0070】
一方、RB1遊技状態の最後の遊技で当選役「小役」が入賞した場合には、メダルの再投入が行われないため、移行した通常遊技状態の最初の遊技で、規定数が「2」よりも遊技者に有利な規定数が「3」で遊技を行わせることができる。
【0071】
また、CBB遊技状態中のCBB一般遊技状態またはCB遊技状態において当選役「RB2」が抽選されており、当選役「RB2」に当選し、当選役「RB2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると(入賞すると)、予め定められた所定枚数を超えるメダルが払い出されていなくても、状態制御手段312は、遊技状態をRB2遊技状態に移行させる。なお、当選役「RB2」は、当選種別「RB2」の当選時に単独で当選し、かつ、ストップスイッチ120a、120b、120cの操作態様に拘わらず入賞するため、当選種別「RB2」に当選した遊技で入賞し、RB2成立遊技状態を経由することなく、直接、RB2遊技状態に移行することになる。
【0072】
RB2遊技状態は、規定数が「2」に設定されており、「ハズレ」が発生することがなく当選役「小役」が必ず当選するように設定されている。そして、当選種別「JAC」が当選した際に入賞する当選役「小役1」は払出枚数が15枚に設定されているため、遊技者はメダルを増加させることができる。したがって、RB2遊技状態は、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
【0073】
RB2遊技状態においてRB2終了条件の少なくとも一方が成立した場合、状態制御手段312は、遊技状態をRBB一般遊技状態に移行させる。ここで、RB2終了条件は、RB2遊技状態を終了させる条件であり、例えば、当選役「小役」が所定回数(例えば、2回)入賞したこと、および、所定回数(例えば、4回)の遊技が行われたことに設定されている。
【0074】
RB2遊技状態では、当選役「リプレイ役」が当選することがないため、RB2終了条件が成立した遊技(RB2遊技状態における最後の遊技)で、メダルの再投入が行われない。そのため、RB2遊技状態から移行した通常遊技状態の最初の遊技では、規定数が「2」よりも遊技者に有利な規定数が「3」で遊技を行わせることができる。
【0075】
また、通常遊技状態において当選役「RB1」に当選した場合も、CBB遊技状態において当選役「RB1」に当選した場合と同様に、状態制御手段312は、遊技状態をRB1成立遊技状態に移行させる。そして、RB1成立遊技状態において当選役「RB1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、状態制御手段312は、遊技状態をRB1遊技状態に移行させる。
【0076】
また、通常遊技状態において当選役「RB2」に当選した場合も、CBB遊技状態において当選役「RB2」に当選した場合と同様に、状態制御手段312は、当選役「RB2」が入賞すると、遊技状態をRB2遊技状態に移行させる。
【0077】
また、通常遊技状態において当選役「RBB」に当選すると、状態制御手段312は、遊技状態をRBB成立遊技状態に移行させる。そして、RB1成立遊技状態において当選役「RBB」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、状態制御手段312は、遊技状態をRBB遊技状態に移行させる。
【0078】
RBB遊技状態では、RBB一般遊技状態、RB1成立遊技状態、RB1遊技状態およびRB2遊技状態が設けられている。
【0079】
RBB一般遊技状態は、RBB遊技状態における初期状態に相当するものであり、状態制御手段312は、遊技状態をRBB遊技状態に移行させる際、RBB一般遊技状態に移行させる。RBB一般遊技状態は、通常遊技状態と同じ当選確率で当選役「小役」が当選し、当選役「リプレイ」が通常遊技状態よりも高い当選確率で当選するように設定されており、通常遊技状態よりもメダルの消費を抑制することができるため、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
【0080】
RBB一般遊技状態において当選役「RB1」に当選すると、状態制御手段312は、遊技状態をRB1成立遊技状態に移行させる。そして、RB1成立遊技状態において当選役「RB1」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、状態制御手段312は、遊技状態をRB1遊技状態に移行させる。また、RB1遊技状態においてRB1終了条件の少なくとも一方が成立した場合、状態制御手段312は、遊技状態をRBB一般遊技状態に移行させる。
【0081】
また、RBB一般遊技状態において、当選役「RB2」に当選し、当選役「RB2」に対応する図柄組み合わせが有効ラインA上に表示されると、状態制御手段312は、遊技状態をRB2遊技状態に移行させる。RB2遊技状態においてRB2終了条件の少なくとも一方が成立した場合、状態制御手段312は、遊技状態をRBB一般遊技状態に移行させる。
【0082】
また、RBB遊技状態では、RBB遊技状態において払い出されたメダルの合計数が、予め定められた所定枚数(例えば、60枚)を超えた場合、状態制御手段312は、RBB遊技状態中の遊技状態に関わらずにRBB遊技状態を終了させて、遊技状態を通常遊技状態に移行させる。
【0083】
このように、当選役「RBB」の入賞に伴って移行するRBB遊技状態において遊技者はメダルを増加させることができる一方、当選役「CBB」の入賞に伴って移行するCBB遊技状態において遊技者はメダルを増加させることができないため、RBB遊技状態は、CBB遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となっている。
【0084】
次に、本実施形態における遊技性を説明する。本実施形態においては、CBB遊技状態が、遊技者にとって最も不利な遊技状態であり、遊技者にとって有利な状態を目指す擬似的な一般状態(所謂擬似一般)として機能する。
【0085】
そして、CBB遊技状態において当選役「RB1」に当選し、RB1成立遊技状態を経由して移行されるRB1遊技状態では、最終の遊技(2回目の遊技)において当選役「小役」に当選すると、その後の通常遊技状態において規定数が「3」で遊技が行える一方、当選役「リプレイ」に当選すると、その後の通常遊技状態において規定数が「2」で遊技が行われる。通常遊技状態では、規定数が「3」の方が、規定数が「2」よりも当選役「RBB」に当選しやすく、規定数が「2」の場合、1/1.3の確率で遊技状態がCBB遊技状態に戻ってしまう(当選役「CBB」の当選確率が1/1.3)。そのため、RB1遊技状態は、規定数が「3」の通常遊技状態への移行をかけた所謂チャンスゾーンとして機能する。
【0086】
一方、CBB遊技状態において当選役「RB2」に当選、入賞して移行されるRB2遊技状態では、当選役「リプレイ」が当選しないため、その後の通常遊技状態において規定数が「3」で遊技が行える。そのため、当選役「RB2」は、規定数が「3」の通常遊技状態への移行が確定する所謂確定役として機能する。
【0087】
また、CBB遊技状態では、規定枚数(253枚)を超えるメダルの払出がなされると、遊技状態が通常遊技状態に移行され、移行された最初の遊技において、規定数が「3」で遊技を行うことができる。つまり、規定枚数(253枚)を超えるメダルの払出は、規定数が「3」の通常遊技状態への移行が確定する所謂天井として機能する。
【0088】
そして、規定数が「3」の通常遊技状態では、当選役「RBB」の当選確率が1/6.77と高確率であるため、RBB遊技状態をループさせることが可能となる。そして、RBB遊技状態をループさせることでメダルを増加させることができるといった遊技性になっている。
【0089】
(CBB遊技状態における演出)
図8および図9は、CBB遊技状態における演出の一例を説明する説明図である。上記したように、CBB遊技状態においては、当選役「RB1」に当選することが所謂チャンスゾーンへの移行として機能し、当選役「RB2」に当選することが所謂確定役の当選として機能する。
【0090】
そこで、本実施形態では、CBB遊技状態において当選役「RB1」および「RB2」に当選した場合に、これらの当選役の当選、つまり、チャンスゾーンへの移行または確定役の当選を示唆または報知する示唆演出(特定演出)を実行する。
【0091】
示唆演出は、第1示唆演出および第2示唆演出の2種類が設けられている。演出制御手段334は、第1示唆演出を実行すると、図8(a)に示すように、味方キャラクタと、敵キャラクタとが対戦する画像を液晶表示部124に表示する。このとき、敵キャラクタとして、味方キャラクタの勝利が確定するプレミアムな敵キャラクタを表示する。
【0092】
その後、演出制御手段334は、図8(b)に示すように、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する画像を液晶表示部124に表示し、当選役「RB1」または「RB2」に当選したことを報知する。したがって、第1示唆演出は、実行された時点で、当選役「RB1」または「RB2」に当選したことを報知する報知演出(所謂、確定演出)であるとも言え、当選役「RB1」または「RB2」が当選した場合にのみ実行される。
【0093】
一方、演出制御手段334は、第2示唆演出を実行すると、図9(a)に示すように、味方キャラクタと、敵キャラクタとが対戦する画像を液晶表示部124に表示する。このとき、敵キャラクタとして、味方キャラクタが必ずしも勝利しない敵キャラクタを表示する。
【0094】
その後、演出制御手段334は、当選役「RB1」または「RB2」に当選していれば、図9(b)に示すように、味方キャラクタが敵キャラクタに勝利する画像を液晶表示部124に表示し、当選役「RB1」または「RB2」に当選したことを報知する。一方、演出制御手段334は、当選役「RB1」または「RB2」に当選していなければ、図9(c)に示すように、味方キャラクタが敵キャラクタに敗北する画像を液晶表示部124に表示し、当選役「RB1」および「RB2」に当選していないことを報知する。つまり、第2示唆演出は、当選役「RB1」および「RB2」以外の当選役が当選したときにも実行される。
【0095】
ところで、上記したように、CBB遊技状態では、規定枚数(253枚)を超えるメダルの払出がなされた場合(天井に到達した場合:カウンタ値が特定値に到達した場合)、規定数が「3」で遊技が行える通常遊技状態に移行する(第2の特典を付与する)。したがって、CBB遊技状態におけるメダルの払出枚数が、所定枚数に近い場合(天井に近い場合)、遊技者は、当選役「RB1」に当選して所謂チャンスゾーンに移行する(第1の特典を付与する)よりも、メダルの払出枚数が所定枚数に到達して(天井に到達して)、チャンスゾーンよりも遊技者に有利な規定数が「3」で遊技が行える通常遊技状態に移行する方を望む。
【0096】
そして、天井に近くないときに第1示唆演出または第2示唆演出が行われると、遊技者に対して期待感を付与することとなるが、このような天井に近いときに第1示唆演出または第2示唆演出が行われると、遊技者に不快感を与えてしまうおそれがある。
【0097】
そこで、本実施形態では、CBB遊技状態におけるメダルの払出枚数が例えば120枚を超えると(カウンタ値が所定値に到達すると)、当選役「RB1」に当選しても第1示唆演出および第2示唆演出を不実行とし、当選役「RB2」に当選した場合にのみ第1示唆演出および第2示唆演出を実行可能としている。また、CBB遊技状態におけるメダルの払出枚数が例えば120枚を超えると、当選役「RB1」および「RB2」以外の当選役の当選時にも第2示唆演出を不実行とする。
【0098】
図10は、演出抽選テーブルを説明する図である。なお、図10では、当選役「RB1」および「RB2」以外を他の当選役として示している。演出制御手段334は、CBB遊技状態における遊技において、メダルの払出枚数に応じて図10(a)または図10(b)に示す演出抽選テーブルを選択する。そして、演出制御手段334は、選択した演出抽選テーブルを参照して、当選種別抽選により決定された当選種別(当選役)に基づいて、第1示唆演出、第2示唆演出の実行可否を決定する。
【0099】
具体的には、CBB遊技状態におけるメダルの払出枚数が120枚以下の場合、演出制御手段334は、図10(a)に示す演出抽選テーブル(通常時用)を選択する。一方、CBB遊技状態におけるメダルの払出枚数が120枚を超える場合、演出制御手段334は、図10(b)に示す演出抽選テーブル(天井間際用)を選択する。
【0100】
このように、メダルの払出枚数が所定枚数に到達する間際において、メダルの払出枚数が所定枚数に到達したことにより得られる特典(規定数が「3」で遊技が行える通常遊技状態への移行)よりも、得られる特典が低い場合(所謂チャンスゾーンへの移行)、演出制御手段334は、第1示唆演出および第2示唆演出を不実行とすることで、遊技者への不快感を低減することができる。
【0101】
一方で、メダルの払出枚数が所定枚数に到達する間際では、メダルの払出枚数が所定枚数に到達したことにより得られる特典(規定数が「3」で遊技が行える通常遊技状態への移行)と、同一の特典が得られる場合、演出制御手段334は、第1示唆演出および第2示唆演出を実行可能とすることで、演出が実行された際には、必ず、規定数が「3」で遊技が行える通常遊技状態への移行を報知することになり、演出効果を向上することができる。
【0102】
以下、主制御基板200、副制御基板202における具体的処理をフローチャートに基づいて説明する。
【0103】
(主制御基板200のメイン処理)
図11は、主制御基板200のメイン処理を示したフローチャートである。ここでは、本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0104】
(ステップS100)
電源スイッチ144を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化手段300は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化手段300は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをメインRAM200cに保持している。したがって、不意の電断が生じたとしても、この初期化処理において、保持されたバックアップデータを用い電断前の状態に復帰させることができる。例えば、各リール110の回転中に不意の電断が起きたとしても、復帰動作後に再度各リール110が回転している状態から開始される。したがって、初期化処理では、基本的に、メインRAM200cのRAMクリアは行われない。
【0105】
(ステップS200)
続いて、遊技者によるベットスイッチ116の操作、または、メダル投入部114へのメダルの投入を通じ、ベット手段302がメダルをベットする。また、コマンド送信手段314は、その操作がなされたことを示す投入コマンドを生成し、生成された投入コマンドを副制御基板202に送信する。
【0106】
(ステップS300)
次に、当選種別抽選手段304は、スタートスイッチ118に対する遊技開始操作を有効化し、スタートスイッチ118の操作待ち状態に移行する。ここで、当選種別抽選手段304は、遊技者によるスタートスイッチ118の操作に応じて、主制御基板200の乱数発生器200dによって更新された当選種別抽選乱数から、スタートスイッチ118が操作された時点における当選種別抽選乱数を取得する。そして、当選種別抽選手段304は、複数の当選種別抽選テーブルから、現在設定されている遊技状態に対応する1の当選種別抽選テーブルを決定するとともに、取得した当選種別抽選乱数が、決定した当選種別抽選テーブルにおけるいずれの当選領域に対応するか判定し、判定された当選領域の当選種別またはハズレを抽選結果として決定する。また、コマンド送信手段314は、スタートスイッチ118の操作に応じて抽選結果が決定された後、当選種別抽選の抽選結果(当選種別またはハズレ)、遊技状態に関する情報等を含む当選種別コマンドを生成し、生成された当選種別コマンドを副制御基板202に送信する。
【0107】
(ステップS400)
スタートスイッチ118が操作されると、リール制御手段306は、ステッピングモータ152を駆動して左リール110a、中リール110b、右リール110cを回転させる。このリール回転処理においては、前回の1遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転開始時点から所定の時間(例えば4.1秒)が経過すると(ウェイト)、当該遊技における左リール110a、中リール110b、右リール110cの回転を開始し、左リール110a、中リール110b、右リール110cの全てが定速回転となったところで、ステップS500に処理を移す。
【0108】
(ステップS500)
続いて、リール制御手段306は、ストップスイッチ120a、120b、120cを有効化し、遊技者によるストップスイッチ120a、120b、120cの操作を受け付けると、その操作に対応するリール(左リール110a、中リール110b、右リール110cのいずれか)を停止制御する。また、コマンド送信手段314は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれかの操作がなされると、操作がなされたストップスイッチ120a、120b、120cの情報を示す停止コマンド(第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンド)を操作の度に生成し、生成された停止コマンドを順次、副制御基板202に送信する。
【0109】
(ステップS600)
次に、判定手段308は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせが予め定められたどの組み合わせに相当するかを判定し、その図柄組み合わせに応じて遊技状態の変更やリプレイに際して要求される種々の処理を実行する。また、コマンド送信手段314は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせや、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示された場合におけるメダルの払出枚数等を含む入賞コマンドを生成し、生成された入賞コマンドを副制御基板202に送信する。また、状態制御手段312は、当選種別抽選により当選した当選種別(当選役)や、当選役の入賞、メダルの払出枚数等に応じて、遊技状態を移行させる。
【0110】
(ステップS700)
続いて、払出制御手段310は、ステップS600における判定結果に基づき、例えば、有効ラインA上に小役に対応する図柄組み合わせが表示されると、当該小役に対応するメダルの払出処理を実行し、有効ラインA上にリプレイ役に対応する図柄組み合わせが表示されると、自動的に次遊技のベットを行うための処理を実行する。また、状態制御手段312は、ボーナス遊技状態においてメダルの所定枚数の払い出しが実行されると、遊技状態を非RT遊技状態に移行させ、その遊技状態に対応する当選種別抽選テーブルを設定する。このように、払出制御手段310は、有効ラインA上に表示された図柄組み合わせに対応して種々の処理を遂行し、当該遊技を終了する。また、コマンド送信手段314は、メダルの払出処理がなされた場合、払出処理がなされたことを示す払出コマンドを生成し、生成された払出コマンドを副制御基板202に送信する。また、払出制御手段310は、CBB遊技状態において払い出されたメダルの払出枚数をカウンタ値としてカウントする。
【0111】
ステップS200からステップS700までの一連の処理を通じて1遊技が実行される。以後は、ステップS200からステップS700までを繰り返すこととなる。
【0112】
(副制御基板202のサブ処理)
図12は、副制御基板202のサブ処理を示したフローチャートである。
【0113】
(ステップS1100)
電源スイッチ144を介してスロットマシン100の電源が投入され、通電状態になると、初期化決定手段330は、遊技開始に備え初期化処理を実行する。初期化決定手段330は、電源が投入されている間、随時バックアップデータを生成し、そのバックアップデータをサブRAM202cに保持している。
【0114】
(ステップS1200)
コマンド受信手段332は、主制御基板200からのコマンドが受信されているか否か判定する。その結果、コマンドが受信されていれば、ステップS1300に処理を移し、コマンドが受信されていなければ、ステップS1400に処理を移す。
【0115】
(ステップS1300)
上記ステップS1200においてコマンドが受信されていると判定されれば、コマンド受信手段332は、当該受信されたコマンドに基づいて種々の処理を実行する。かかるコマンド受信処理S1300は後程詳述する。
【0116】
(ステップS1400)
演出制御手段334は、演出スイッチ122の検出信号を解析し、その解析結果に基づいて種々の処理を行う。
【0117】
(ステップS1500)
演出制御手段334は、実行が決定された各種演出の実行情報(タイムテーブル)を参照して、当該タイムテーブルに記憶された該当時間に対応する処理を実行するタイムスケジュール管理処理を行い、ステップS1200からの処理を繰り返す。この処理では、液晶表示部124の表示画像を挿入したり切り替えたりし、また、各種のコマンドを各デバイスに送信する。これにより各種演出が実行されることとなる。
【0118】
(コマンド受信処理S1300)
図13は、上記ステップS1300のコマンド受信処理を示したフローチャートである。ここでは、特に、AT状態の遷移について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0119】
(ステップS1301)
まず、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが投入コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが投入コマンドであれば、ステップS1302に処理を移し、受信したコマンドが投入コマンドでなければ、ステップS1303に処理を移す。
【0120】
(ステップS1302)
上記ステップS1301において受信したコマンドが投入コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、次の遊技のための遊技開始準備が行われたとして、それまで実行されていた演出を所定条件下で切り換えたり、終了させる。
【0121】
(ステップS1303)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが当選種別コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが当選種別コマンドであれば、1遊技が開始されたとし、ステップS1304に処理を移し、受信したコマンドが当選種別コマンドでなければ、ステップS1306に処理を移す。
【0122】
(ステップS1304)
上記ステップS1303において受信したコマンドが当選種別コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当選種別コマンドに基づいて遊技の演出を決定する。
【0123】
(ステップS1305)
次に、演出制御手段334は、決定した演出を実行開始する。
【0124】
(ステップS1306)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが停止コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが停止コマンドであれば、ステップS1307に処理を移し、受信したコマンドが停止コマンドでなければ、ステップS1308に処理を移す。
【0125】
(ステップS1307)
上記ステップS1306において受信したコマンドが停止コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、その停止コマンドが、第1停止コマンド、第2停止コマンド、第3停止コマンドのいずれであるか、また、その停止操作は、ストップスイッチ120a、120b、120cのいずれになされた停止操作かを判定し、その判定結果と演出の内容に基づいて、種々の処理を行うとともに、演出態様を変動させる。
【0126】
(ステップS1308)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが入賞コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが入賞コマンドであれば、ステップS1309に処理を移し、受信したコマンドが入賞コマンドでなければ、ステップS1310に処理を移す。
【0127】
(ステップS1309)
上記ステップS1308において受信したコマンドが入賞コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当該入賞コマンドに基づく演出をタイムテーブルに設定する。
【0128】
(ステップS1310)
続いて、コマンド受信手段332は、受信したコマンドが払出コマンドであるか否か判定する。その結果、受信したコマンドが払出コマンドであれば、ステップS1311に処理を移し、受信したコマンドが払出コマンドでなければ、当該コマンド受信処理S1300を終了する。
【0129】
(ステップS1311)
上記ステップS1310において受信したコマンドが払出コマンドであると判定されれば、演出制御手段334は、当該払出コマンドに基づく演出をタイムテーブルに設定し、当該コマンド受信処理S1300を終了する。そうすると、メダルの払出に応じて、サブクレジット表示部134およびサブ払出表示部136の数値が更新される。また、演出制御手段334は、CBB遊技状態において払い出されたメダルの払出枚数をカウンタ値としてカウントする。
【0130】
(演出決定処理S1304)
図14は、上記ステップS1304の演出決定処理を示したフローチャートである。ここでは本実施形態の特徴に関係する処理について詳細に説明し、本実施形態の特徴と無関係の構成については説明を省略する。
【0131】
(ステップS1304-1)
まず、演出制御手段334は、遊技状態がCBB遊技状態であるか否か判定する。その結果、CBB遊技状態であればステップS1304-2に処理を移し、CBB遊技状態でなければ当該演出決定処理を終了する。
【0132】
(ステップS1304-2)
演出制御手段334は、CBB遊技状態におけるメダルの払出枚数が120枚以下であるか否か(カウンタ値が120以下であるか否か)を判定する。その結果、メダルの払出枚数が120枚以下であればステップS1304-3に処理を移し、メダルの払出枚数が120枚以下でなければステップS1304-4に処理を移す。
【0133】
(ステップS1304-3)
演出制御手段334は、図10(a)に示す演出抽選テーブル(通常時用)を選択する。
【0134】
(ステップS1304-4)
演出制御手段334は、図10(b)に示す演出抽選テーブル(天井間際用)を選択する。
【0135】
(ステップS1304-5)
演出制御手段334は、上記ステップS1304-3または上記ステップS1304-4で選択した演出抽選テーブルを参照し、当選種別抽選により決定された当選種別(当選役)に基づいて、第1示唆演出および第2示唆演出の実行可否を決定し、当該演出決定処理を終了する。
【0136】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことはいうまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0137】
また、上述した実施形態では、状態制御手段312が、主制御基板200において遊技状態を管理する例を挙げて説明したが、かかる場合に限らず、状態制御手段312は、副制御基板202において遊技状態を管理してもよい。また、上述した実施形態では、主制御基板200と副制御基板202とが、遊技を進行するための機能部を分担するように配したが、主制御基板200の機能部を副制御基板202に配しても、副制御基板202の機能部を主制御基板200に配してもよく、また、全ての機能部を1の制御基板に纏めて配することもできる。
【0138】
また、上述した実施形態では、図7に示す遊技状態が移行される場合について説明した。しかしながら、遊技利益が大きい当選役(以下、選択当選役という)と他の当選役とが重複した当選種別(以下、選択当選種別という)に当選したときに、その選択当選役の入賞を補助する補助演出を行う所謂AT(アシストタイム)が実行されるAT演出状態を設けている遊技機であってもよい。また、AT演出状態とともに、リプレイ役の当選確率が高く設定されたRT遊技状態が同時に進行される所謂ART遊技状態が設けられた遊技機であってもよい。いずれの場合であっても、AT演出状態およびART遊技状態への移行が第2の特典として設けられ、第2の特典よりも特典が低い状態への移行(例えば、チャンスゾーンへの移行)が第1の特典として設けられていればよい。また、特定の遊技状態において天井に到達すると、第1の特典、第2の特典より遊技者に付与される利益が大きい特典、第2の特典と同等の利益の特典が付与されてもよく、また、第2の特典が付与されやすいようにしてもよい。
【0139】
また、上述した実施形態では、天井(カウンタ値が特定値に到達)は、メダルの払出枚数に対して設定されていたが、例えば、遊技数をカウンタ値としてカウントし、所定の遊技数(特定値)が経過することを天井としてもよく、また、補助演出の実行回数をカウンタ値としてカウントし、補助演出の実行回数が所定回数(特定値)実行されることを天井としてもよい。
【0140】
また、上述した実施形態では、CBB遊技状態におけるメダルの払出枚数が規定枚数(特定値)よりも少ない120枚を所定値としたが、特定値として所定の遊技数が経過するまでに設定された場合、その遊技数よりも少ない遊技数を所定値と設定するようにしてもよい。
【0141】
また、上述した実施形態では、CBB遊技状態において当選役「RB2」に当選した場合と、天井に到達した場合とで、同一の特典を遊技者に付与するようにしたが、天井に到達した場合には、CBB遊技状態において当選役「RB2」に当選した場合よりも、多くの特典が遊技者に付与されるようにしてもよいし、少ない特典が遊技者に付与されるようにしてもよい。
【0142】
また、上述した実施形態では、メダルの払出枚数が120枚を超えた場合に当選役「RB1」に当選すると、示唆演出を不実行としたが、示唆演出の実行頻度を減らすようにしてもよい。
【0143】
また、上述した実施形態では、CBB遊技状態におけるメダルの払出枚数が120枚以下の場合には演出抽選テーブル(通常時用)を参照し、CBB遊技状態におけるメダルの払出枚数が120枚を超える場合には演出抽選テーブル(天井間際用)を参照し、第1示唆演出および第2示唆演出を実行するようにした。しかしながら、天井に近づくに連れて第1示唆演出の決定確率を、段階的に減らすようにしてもよい。
【0144】
また、上述した実施形態では、確定演出として1つの示唆演出(第1示唆演出)を実行するようにしたが、1つの示唆演出の実行中に他の示唆演出を実行するようにしてもよい。つまり、確定演出は、複数の示唆演出を組み合わせるようにしてもよい。
【0145】
また、上述した主制御基板200および副制御基板202が行う各処理は、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいはサブルーチンによる処理を含んでもよい。
【符号の説明】
【0146】
100 スロットマシン(遊技機)
110a、110b、110c リール
116 ベットスイッチ
118 スタートスイッチ
120 ストップスイッチ
302 ベット手段
304 当選種別抽選手段
306 リール制御手段(演出実行手段)
310 払出制御手段
312 状態制御手段(遊技状態制御手段、特典付与手段)
334 演出制御手段
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14