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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】指圧器具
(51)【国際特許分類】
   A61H 39/04 20060101AFI20220920BHJP
   A61H 15/00 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
A61H39/04 B
A61H39/04 X
A61H39/04 S
A61H15/00 310B
A61H15/00 390A
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2019016646
(22)【出願日】2019-02-01
(65)【公開番号】P2020124258
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-01-20
(73)【特許権者】
【識別番号】592161844
【氏名又は名称】深澤 要
(74)【代理人】
【識別番号】100069073
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 和保
(74)【代理人】
【識別番号】110000545
【氏名又は名称】弁理士法人小竹アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】深澤 要
【審査官】山田 裕介
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2013/0030332(US,A1)
【文献】中国実用新案第205145097(CN,U)
【文献】米国特許出願公開第2015/0141885(US,A1)
【文献】実開平6-81534(JP,U)
【文献】登録実用新案第3015986(JP,U)
【文献】中国実用新案第207804600(CN,U)
【文献】特開2012-85716(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 39/04
A61H 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向一端に形成された第1の径を有する第1指圧部および長手方向他端に形成された第1の径よりも大きい第2の径を揺する第2指圧部を有し、前記第1の径の一端から第2の径に他端に漸次拡径する本体部と、
前記第1指圧部の基端部に設けられ、前記本体部側面から所定の間隔で径方向に突出し、異なる径を有する複数の指圧部からなる側面指圧部と、
前記第2指圧部の基端部に回転自在に設けられるマッサージローラとによって少なくとも構成されることを特徴とする指圧器具。
【請求項2】
前記本体部、側面指圧部およびマッサージローラは、導電性材料によって形成されることを特徴とする請求項1記載の指圧器具。
【請求項3】
前記本体部には、低周波治療器、高周波治療器またはイオン導入治療器の1つの端子が接続されることを特徴とする請求項2記載の指圧器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マッサージや指圧に使用することのできる指圧器具に関し、特に患者自身によっても使用することが可能な指圧器具に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1(実開平6-21632号公報)は、長尺体と、この長尺体の一端部には第1指圧マッサージ部と、前記長尺体の他端部に形成された第2指圧マッサージ部と、前記長尺体の中間部に形成された第3指圧マッサージ部とを有する指圧マッサージ棒を開示する。また、第2指圧マッサージ部が第1指圧マッサージ部よりも大径に形成されていることも開示されている。
【0003】
特許文献2(特開2000-285号公報)は、長さ方向の凹凸条をリング状に連続して形成したマッサージ棒本体と、該マッサージ棒本体の両端からつきだした棒状体と、該棒状体の端部にそれぞれ連設した転動体と、前記両端の棒状体に回動自在に外嵌したパイプとを具備してなり、前記転動体の径を前記マッサージ棒本体の外径よりも大とした気功マッサージ棒を開示する。
【0004】
特許文献3(特開2002-191666号公報)は、一端に球面を形成した同一径の注状体からなる本体部と、該本体部の他端に連設すると共に連設部から末端方向に漸次小径化したテーパ状部と、さらに前記テーパ状部の端部に突設した握り部とから構成したマッサージ棒本体の外周面に多数の突起を突設し弾性部材にて一体形成したことマッサージ本体を開示する。
【0005】
特許文献4(実用新案登録第3199305号)は、軸杆、ハンドルおよびマッサージローラを備えたマッサージ棒であって、前記軸杆は、柔軟性材料からなると共に、前記ハンドルが両端に嵌着され、前記軸杆上の2つの前記ハンドル間には、前記マッサージローラが嵌合され、前記マッサージローラは、直径が異なる複数のマッサージプレートをそれぞれ有し、前記マッサージプレートの中央部には、前記軸杆に対応した軸孔が形成され、前記マッサージプレートのそれぞれが前記軸孔を介して前記軸杆に嵌合され、前記マッサージプレートの外縁には、凹凸状のマッサージ部が形成されるマッサージ棒を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】実開平6-21632号公報
【文献】特開2000-285号公報
【文献】特開2002-191666号公報
【文献】実用新案登録第399305号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示される指圧マッサージ棒では、長手方向両端に径の異なる2つの指圧部分(第1および第2指圧マッサージ部)を有し、先端部を患部に当てて先端部を強く押しつけて指圧を行うものであり、さらに指圧マッサージ棒を回転させることによって、6つ形成されたリング状の第3指圧マッサージ部によって連続的に管部を指圧マッサージすることができるが、患部に押し当てる先端部の大きさの選択肢は2つだけであり、また第3指圧マッサージ部を患部に押し当てても他の第3指圧マッサージ部が別の箇所に当たってしまうという不具合が生じる。また、特許文献2に開示される気功マッサージ棒においても、特許文献1と同様の不具合が生じる。
【0008】
特許文献3に開示されるマッサージ棒は、弾性部材、特に天然ゴムまたは合成ゴムによって一体形成されていることから、指圧部分の押圧力が弱まるという不具合を有する。
【0009】
さらに、特許文献4に開示されるマッサージ棒は、軸杆が柔軟性材料から形成されることから、身体に密着可能に湾曲することができますが、湾曲した場合、マッサージローラの内側部分においてマッサージローラ同士が擦れ合うことから回転が円滑に行われないという不具合が生じる。
【0010】
以上のことから、本発明は、患者の患部の状況に合わせた複数の指圧突起が用意されると共に、回転可能なマッサージローラも具備する指圧器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る指圧器具は、長手方向一端に形成された第1の径を有する第1指圧部および長手方向他端に形成された第1の径よりも大きい第2の径を揺する第2指圧部を有し、前記第1の径の一端から第2の径に他端に漸次拡径する本体部と、前記第1指圧部の基端部に設けられ、前記本体部側面から所定の間隔で径方向に突出し、異なる径を有する複数の指圧部からなる側面指圧部と、前記第2指圧部の基端部に回転自在に設けられるマッサージローラとによって少なくとも構成される。尚、前記側面指圧部は、前記本体部の周囲に120°間隔に3つもしくは90°間隔に4つ設けることが望ましい。また、前記マッサージローラを挟んだ両側に第1および第2把持部が形成される。尚、第2把持部は前記第2指圧部の周囲に形成されるものである。
【0012】
これによって、径の異なる第1および第2指圧部並びに複数の側面指圧部から患者の患部に最適な大きさの指圧部を選択できるものであり、前記第1もしくは第2把持部を保持して患部を押圧することができる。また、前記第2把持部を握ることによって、前記側面指圧部の1つを患部に対して叩打することができる。さらに、前記第1および第2の把持部を握ることによってマッサージローラを、患部を中心とした領域で回転させて押圧することができるものである。尚、本発明に係る指圧器具は、本人または施術者によって被験者(本人自身または患者)に使用することができる。
【0013】
さらに、前記本体部、前記側面指圧部およびマッサージローラは、導電性材料によって形成されることが望ましい。前記本体部は、導電性材料、特に導電性金属材料、特にアルミニウムもしくはアルミ合金で形成されることが望ましい。また、前記本体部の表面に導電性材料からなるメッキ、例えば亜鉛メッキ、金メッキもしくは銀メッキを施しても良いものである。さらに、側面指圧部は、導電性金属材料もしくは導電性プラスチックによって形成されることが望ましい。この場合、側面指圧部は本体部と同一材料によって一体に形成するようにしても良いし、導電性プラスチックによって形成しても良いものであある。これによって、指圧器具全体を導電性構造とすることができるものである。
【0014】
これによって、患者本人または施術者が第1および第2把持部を握ることによって、患部に接触するいずれかの指圧部を介して患者本人または施術者の微弱生体電流を患部に流すことができる。
【0015】
前記本体部には、低周波治療器、高周波治療器またはイオン導入治療器(以下、低周波治療器等という)の1つの端子が接続されることが望ましい。
【0016】
これによって、低周波治療器等の一方の端子を本体部に装着することができるため、他方の端子が装着された患者の患部に対していずれかの指圧部を接触させて低周波を流すことができ、低周波治療器等の端子として使用できるものである。
【0017】
前記低周波治療器等の一方の端子は、前記第1把持部に接続されるか、前記第2把持部に接続されることが望ましい。さらに第2指圧部の所定の位置に低周波治療器等の一方の端子の接続部を形成するようにしても良いものである。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明によれば、コンパクトな構造であるが、大きさの異なる複数の指圧部(第1および第2指圧部並びに複数の側面指圧部)を患部の状況に合わせて選択することができるという効果を有する。また、マッサージローラとしても使用可能であるという効果を有する。さらに、指圧器具を導電性とすることができるため、低周波治療器等の端子としても使用することができるという効果を有するものである。本発明の指圧器具によるこれらの効果によって人々の健康促進に役立つため、社会的にも健康保険の大幅削減につながるものである。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明に係る指圧器具の斜視図である。
図2】本発明に係る指圧器具の第1の使用状態を示した説明図である。
図3】本発明に係る指圧器具の第2の使用状態を示した説明図である。
図4】本発明に係る指圧器具の第3の使用状態を示した説明図である。
図5】本発明に係る指圧器具の第3の使用状態の別の実施例の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例について、図面により説明する。
【実施例
【0021】
本発明に係る指圧器具1は、長手方向一方の端部から他方の端部に向けて漸次拡径する本体部2を具備する。この本体部2の長手方向一方の端部には、先端3aが球面に形成された第1の径を有する第1指圧部3が形成され、さらに長手方向他方の端部には、先端4aが球面に形成された第2の径を有する第2指圧部4が形成される。尚、第2の径は、第1の径よりも大きい。また、前記第2指圧部4の側面部分には一方の把持部8としてローレットが形成される。
【0022】
さらに前記指圧器具1は、前記第1指圧部3の基端部に設けられた側面指圧部5を具備する。この側面指圧部5は、前記本体部2の側面からその径方向に複数突出する複数(この実施例では3つ)の指圧部51,52,53を具備する。この実施例では、この指圧部51,52,53は本端部2の側面に設けられた環状基部50に120°毎に均等に形成される。これら側面指圧部5のそれぞれの指圧部51,52,53は、異なる径を有する。特にそれぞれの指圧部51,52,53はその先端に異なる径の球面押し当て部51a,52a,53aを有する。また、前記指圧部51,52,53は前記第1指圧部3および第2指圧部4と異なることが望ましい。
【0023】
さらに、前記第2指圧部4の基端部には、マッサージローラ6が回転自在に取り付けされ、さらに前記マッサージローラ6と前記側面指圧部5の間の中間部7には、他方の把持部9としてローレットが形成され、さらに中間指圧部10として凹凸が形成される。
【0024】
以上の構成の指圧器具1の第1の実施形態としては、例えば図2に示すように、第1指圧部3を患部に当て、第2指圧部4の把持部8を握って第1指圧部3を患部に押しつけることができるので、患部の指圧ができるものである。同様に、少し大きめの方が良い場合には、指圧器具1を逆にして第2指圧部4を患部に当てることによって押圧力に変化を持たせることが可能となるものである。また、第2の実施形態としては、第2指圧部4の把持部8を握ることによって、側面指圧部5の指圧部51,52,53を患部に叩打することもできる。さらに、第3の実施形態としては、図3で示すように、把持部8,9を握ることによって、マッサージローラ6を患部に押しつけて回転させて押圧するものである。
【0025】
また、本発明によれば、前記本体部2、側面指圧部5およびマッサージローラ6は、導電性材料によって形成される。前記本体部2は、導電性材料、特に導電性金属材料、特にアルミニウムもしくはアルミ合金またはチタンで形成される。また、前記本体部2の表面に導電性材料からなるメッキ、例えば亜鉛メッキ、銅メッキ、金メッキもしくは銀メッキを施しても良いものである。さらに、側面指圧部5は、導電性金属材料もしくは導電性プラスチックによって形成されても良い。この場合、側面指圧部5は本体部2と同一材料によって一体に形成するようにしても良いし、導電性プラスチックによって形成しても良いものであある。これによって、指圧器具1全体を導電性構造とすることができるものである。
【0026】
以上のように、指圧器具1全体を導電性構造としたことによって、例えば図4で示すように、前記本体部2、特に中間部7の把持部9に、低周波治療器20の一方の端子21を装着することによって、前記指圧器具1を低周波治療器20の1つの端子として使用するができるものである。これによって、低周波治療器20の他方の端子22を患者の患部近傍に装着すると共に、指圧器具1の第1指圧部3を移動させることによって、所望の位置の患部に低周波を供給することができるものである。この実施例では、低周波治療器20の一方の端子21の粘着性パッドの粘着力によって一方の端子21を前記把持部9に接着するようにしたものであるが、さらにクリップ等によって固定しても良いものである。
【0027】
図5で示す実施例は、第2指圧部4の端部4aに前記低周波治療器20の一方の端子21の接続用の接続部21bを形成し、ここに低周波治療器20の一方の端子を装着するようにした指圧器具1を示すものである。これによって、前記指圧器具1を確実に低周波治療器20の一方の端子21として利用することが可能となるものである。
【0028】
以上のように、本発明に係る指圧器具1は、大きさの異なる複数の指圧部3,4,51,52,53を有することから、指圧部3,4,51,52,53の中から患部に最適な指圧部を選択できるものである。または指圧部3,4,51,52,53によって患部を押圧する指圧効果、指圧部3,4,51,52,53による患部の叩打効果、マッサージローラ6によるローラマッサージ効果を得ることができ、さらに指圧器具1自体を導電性とすることによって、微弱生体電流による患部の刺激、低周波治療器20の一方の端子21としても使用することができるという効果を有するものである。
【産業上の利用可能性】
【0029】
本発明に係る指圧器具は、コンパクトなハンディタイプの省エネ型で、効果的な患部局所への加圧を可能にすることから、自己や他者の治療や健康管理に大変役立つものであるから、医学、リハビリ、介護の分野の他、美容、エステティックの分野にまで幅広く利用することができるものである。
【符号の説明】
【0030】
1 指圧器具
2 本体部
3 第1指圧部
4 第2指圧部
5 側面指圧部
6 マッサージローラ
7 中間部
8,9 把持部
10 中間指圧部
20 低周波治療器
21,22 端子
図1
図2
図3
図4
図5