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特許7142933遊技機の検査台装置における当該遊技機の搬入出装置、及び遊技機載置パレット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】遊技機の検査台装置における当該遊技機の搬入出装置、及び遊技機載置パレット
(51)【国際特許分類】
   A63F 5/04 20060101AFI20220920BHJP
   B65G 47/52 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
A63F5/04 697
B65G47/52 C
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019173686
(22)【出願日】2019-09-25
(65)【公開番号】P2021049099
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-06-30
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592040767
【氏名又は名称】有限会社伊藤鉄工所
(74)【代理人】
【識別番号】100083655
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 哲寛
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 康紀
【審査官】森田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】実開平4-127765(JP,U)
【文献】特開2001-353341(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0273530(US,A1)
【文献】特開平7-257508(JP,A)
【文献】米国特許第9365361(US,B1)
【文献】特開平9-150927(JP,A)
【文献】特開平8-012059(JP,A)
【文献】特表2000-504383(JP,A)
【文献】特開平9-136718(JP,A)
【文献】特開2008-174361(JP,A)
【文献】特開2000-053214(JP,A)
【文献】特開平6-127676(JP,A)
【文献】実開平5-081111(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 5/04
B65G 13/00-13/12,47/00-47/96
B65B 1/00-5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査台ローラコンベアと、当該検査台ローラコンベアの搬送方向の両端に配置されて、遊技機を載置した昇降ローラコンベアが昇降する同一構成の搬入側遊技機上昇装置及び搬出側遊技機下降装置とを備え、
下降端に配置された搬入側遊技機上昇装置の昇降ローラコンベアに遊技機を載置して、前記検査台ローラコンベアの高さまで上昇させて、当該遊技機を当該検査台ローラコンベアに移載して検査を行った後に、搬出側遊技機下降装置の昇降ローラコンベアに移載して下降させることで、検査済の遊技機を搬出させる構成の遊技機の検査台装置において、
前記搬入側遊技機上昇装置及び搬出側遊技機下降装置の各昇降ローラコンベアの下降端位置において、当該各昇降ローラコンベアを構成する各ローラの間から上方に突出する複数の内部搬入ローラ及び内部搬出ローラで構成される内部搬入ローラコンベア及び内部搬出ローラコンベアと、
前記内部搬入ローラ及び内部搬出ローラと同一高さ位置に配置された複数のローラから成って、前記搬入側遊技機上昇装置及び搬出側遊技機下降装置の上流側及び下流側にそれぞれ接続して配置される外部搬入及び外部搬出の各ローラコンベアと、
下降端位置の各昇降ローラコンベアの各ローラの間から上方に突出した複数の前記内部搬入ローラ及び内部搬出ローラにより前記遊技機を直接に支持して、当該遊技機に対して下方に分離されて、下降端位置の前記各昇降ローラコンベアの上に配置可能とすべく、複数の前記内部搬入ローラ及び内部搬出ローラを挿通可能とするための複数のローラ挿通孔が設けられた遊技機載置パレットと、
を備え、
前記搬入側遊技機上昇装置及び搬出側遊技機下降装置は、いずれも昇降ローラコンベアの下降端位置において、当該昇降ローラコンベアに配置された前記遊技機載置パレットの各ローラ挿通孔に相対的に挿通されて、当該遊技機載置パレットの上面よりも上方に配置された前記各内部搬入ローラ及び内部搬出ローラに、遊技機が前記遊技機載置パレットと分離した分離配置状態で直接に支持可能になっており、
前記搬入側遊技機上昇装置では、前記分離配置状態において、昇降ローラコンベアの上昇により、各内部搬入ローラで支持された遊技機は、その下方から遊技機載置パレットを介して当該昇降ローラコンベアにより持ち上げられると共に、前記搬出側遊技機下降装置では、前記分離配置状態において、昇降ローラコンベアの下降により、当該昇降ローラコンベアに遊技機載置パレットを介して支持された遊技機は、遊技機載置パレットから分離されて複数の内部搬出ローラに直接に支持される構成であることを特徴とする遊技機の検査台装置における当該遊技機の搬入出装置。
【請求項2】
前記内部搬入ローラコンベア及び内部搬出ローラコンベアを構成する複数の内部搬入ローラ及び内部搬出ローラは、内蔵モータの外輪により駆動回転される構成であることを特徴とする請求項1に記載の遊技機の検査台装置における当該遊技機の搬入出装置。
【請求項3】
前記検査台ローラコンベアの直下には、搬出側の昇降ローラコンベアの上に残された前記遊技機載置パレットを搬入側の昇降ローラコンベアに返送させる載置パレット返送ローラコンベアが配置されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機の検査台装置における当該遊技機の搬入出装置。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の遊技機の検査台装置における当該遊技機の搬入出装置において当該遊技機を載置させるために使用される遊技機載置パレットであって、
下降端位置の各昇降ローラコンベアの各ローラの間から上方に突出した複数の前記内部搬入ローラ及び内部搬出ローラにより前記遊技機を直接に支持して、当該遊技機に対して下方に分離されて、下降端位置の前記各昇降ローラコンベアの上に配置可能とすべく、複数の前記内部搬入ローラ及び内部搬出ローラを挿通可能とするための複数のローラ挿通孔が設けられていることを特徴とする遊技機載置パレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大きな重量の遊技機、特にスロットマシンを検査台装置に対して容易に搬入出できる遊技機の搬入出装置、及び遊技機載置パレットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
遊技機、特に、スロットマシンの検査台装置として、検査台ローラコンベアと、当該検査台ローラコンベアの搬送方向の両端に配置されて、昇降ローラコンベアが昇降する同一構成の搬入側遊技機上昇装置及び搬出側遊技機下降装置とを備え、下降端に配置された搬入側遊技機上昇装置の昇降ローラコンベアに遊技機を載置して、前記検査台ローラコンベアの高さまで上昇させて、当該スロットマシンを当該検査台ローラコンベアに移載して検査を行った後に、搬出側遊技機下降装置の昇降ローラコンベアに移載して搬出させることで、検査済のスロットマシンを取り出す構成のものが知られている。
【0003】
ここで、搬入側遊技機上昇装置及び搬出側遊技機下降装置は、所定高さのフレームの内部に昇降ローラコンベアが昇降可能に配置されており、当該昇降ローラコンベアに対するスロットマシンの搬入・搬出は、約30Kgの重量を有するスロットマシンを人手のみにより持ち上げたり、昇降ローラコンベアの上に降ろしたりしており、日に多数のスロットマシンの当該搬入・搬出を行うことは、重労働であり、作業改善が求められていた。特に、フレームの内部に配置された昇降ローラコンベアに対するスロットマシンの搬入・搬出は、人が斜めの姿勢で重量物の出し入れを行う必要があるため、特に困難な作業であった。
【0004】
なお、諸装置に対する重量の大きな対象物の出し入れを行う装置として、特許文献1に開示のものがあるが、この装置を遊技機の検査台装置にそのまま適用することは難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2016-214517号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、検査台装置に対してスロットマシンを人手を介することなく容易に搬入出できるようにすることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、検査台ローラコンベアと、当該検査台ローラコンベアの搬送方向の両端に配置されて、遊技機を載置した昇降ローラコンベアが昇降する同一構成の搬入側遊技機上昇装置及び搬出側遊技機下降装置とを備え、
下降端に配置された搬入側遊技機上昇装置の昇降ローラコンベアに遊技機を載置して、前記検査台ローラコンベアの高さまで上昇させて、当該遊技機を当該検査台ローラコンベアに移載して検査を行った後に、搬出側遊技機下降装置の昇降ローラコンベアに移載して下降させることで、検査済の遊技機を搬出させる構成の遊技機の検査台装置において、
前記搬入側遊技機上昇装置及び搬出側遊技機下降装置の各昇降ローラコンベアの下降端位置において、当該各昇降ローラコンベアを構成する各ローラの間から上方に突出する複数の内部搬入ローラ及び内部搬出ローラで構成される内部搬入ローラコンベア及び内部搬出ローラコンベアと、
前記内部搬入ローラ及び内部搬出ローラと同一高さ位置に配置された複数のローラから成って、前記搬入側遊技機上昇装置及び搬出側遊技機下降装置の上流側及び下流側にそれぞれ接続して配置される外部搬入及び外部搬出の各ローラコンベアと、
下降端位置の各昇降ローラコンベアの各ローラの間から上方に突出した複数の前記内部搬入ローラ及び内部搬出ローラにより前記遊技機を直接に支持して、当該遊技機に対して下方に分離されて、下降端位置の前記各昇降ローラコンベアの上に配置可能とすべく、複数の前記内部搬入ローラ及び内部搬出ローラを挿通可能とするための複数のローラ挿通孔が設けられた遊技機載置パレットと、
を備えていることを特徴としている。
【0008】
請求項1の発明によれば、前記搬入側遊技機上昇装置及び搬出側遊技機下降装置は、いずれも昇降ローラコンベアの下降端位置において、当該昇降ローラコンベアに配置された前記遊技機載置パレットの各ローラ挿通孔に相対的に挿通されて、当該遊技機載置パレットの上面よりも上方に配置された前記各内部搬入ローラ及び内部搬出ローラに、遊技機が前記遊技機載置パレットと分離した分離配置状態で直接続に支持可能になっている。
【0009】
請求項1の発明によれば、遊技機の搬入時には、搬入側遊技機上昇装置の昇降ローラコンベアは、下降端位置に配置されて、遊技機載置パレットの各ローラ挿通孔に相対的に挿通された各内部搬入ローラが、当該遊技機載置パレットの上面よりも僅かに上方に配置されている。この状態で、外部搬入ローラコンベアに支持された遊技機は、ローラ搬送により内部搬入ローラコンベアに移送されることで、複数の内部搬入ローラで支持された遊技機と、その直下の昇降ローラコンベアに載置された遊技機載置パレットとは、互いに分離されて分離配置状態となっている。そして、前記分離配置状態において、昇降ローラコンベアの上昇により、各内部搬入ローラで支持された遊技機は、遊技機載置パレットに設けられた複数のローラ挿通孔の存在により、各内部搬入ローラと遊技機載置パレットとが干渉することなく、その下方から遊技機載置パレットを介して当該昇降ローラコンベアにより持ち上げられて、上昇端まで上昇させられて、当該上昇端位置で、遊技機は、遊技機載置パレットに載置されたままで、検査台ローラコンベアに移送されて、当該検査台ローラコンベアで、遊技機の所定箇所の検査が実施される。
【0010】
一方、検査済の遊技機は、検査台ローラコンベアの下流側の端部において、搬出側遊技機下降装置の昇降ローラコンベアに移送された後に、下降端まで下降することで、当該昇降ローラコンベアに遊技機載置パレットを介して支持された遊技機は、遊技機載置パレットから分離されて複数の内部搬出ローラに直接に支持される。その後に、複数の内部搬出ローラに直接に支持されている検査済の遊技機は、内部搬出ローラコンベアから外部搬出ローラコンベアに移送されることで、外部に搬出される。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記内部搬入ローラコンベア及び内部搬出ローラコンベアを構成する複数の内部搬入ローラ及び内部搬出ローラは、内蔵モータの外輪により駆動回転される構成であることを特徴としている。
【0012】
請求項2の発明によれば、内部搬入ローラコンベア及び内部搬出ローラコンベアを構成する各ローラは、機械的機構を介することなく、自身で駆動回転して、検査前後の遊技機の搬入及び搬出を自動的に行えるので、人手を全く介することなく遊技機の搬入出が可能となると共に、隣接する内部搬入及び内部搬出の各ローラに動力を伝達するための機械的機構が存在しないために、遊技機載置パレットの各ローラ挿通孔に、搬入及び搬出の各ローラを当該遊技機載置パレットと干渉することなく挿通可能となる。
【0013】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、前記検査台ローラコンベアの直下には、搬出側の昇降ローラコンベアの上に残された前記遊技機載置パレットを搬入側の昇降ローラコンベアに返送させる載置パレット返送ローラコンベアが配置されていることを特徴としている。
【0014】
請求項3の発明によれば、搬出側及び搬入側の各昇降ローラコンベアの高さを、載置パレット返送ローラコンベアの高さと同一とすることで、搬出側の昇降ローラコンベアの側において遊技機に対して分離された遊技機載置パレットは、搬入側昇降ローラコンベアの側に自動的に移送される。この結果、遊技機載置パレットは、検査台装置において循環することで、当該遊技機載置パレットは繰り返して使用されると共に、その運搬が不要となる。
【0015】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の遊技機の検査台装置における当該遊技機の搬入出装置において当該遊技機を載置させるために使用される遊技機載置パレットであって、
下降端位置の各昇降ローラコンベアの各ローラの間から上方に突出した複数の前記内部搬入ローラ及び内部搬出ローラにより前記遊技機を直接に支持して、当該遊技機に対して下方に分離されて、下降端位置の前記各昇降ローラコンベアの上に配置可能とすべく、複数の前記内部搬入ローラ及び内部搬出ローラを挿通可能とするための複数のローラ挿通孔が設けられていることを特徴としている。
【0016】
請求項4の発明は、請求項1の発明を構成している「遊技機載置パレット」のみを独立してクレームしたものであって、その作用効果は、請求項1の発明における「遊技機載置パレット」の作用効果と同一である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、搬入側遊技機上昇装置及び搬出側遊技機下降装置は、いずれも昇降ローラコンベアの下降端位置において、当該昇降ローラコンベアに配置された遊技機載置パレットの各ローラ挿通孔に相対的に挿通されて、当該遊技機載置パレットの上面よりも上方に配置された前記各内部搬入ローラ及び内部搬出ローラに、遊技機が前記遊技機載置パレットと分離した分離配置状態で直接に支持可能になっている。このため、搬入側においては、外部搬入ローラコンベアから内部搬入ローラコンベアに遊技機を移送させた後に、昇降ローラコンベアの上昇により、内部搬入ローラコンベアの各内部搬入ローラで直接に支持されている遊技機は、下方から持ち上げられることで、当該昇降ローラコンベアに遊技機載置パレットを介して支持されると共に、搬出側においては、搬出側遊技機下降装置の昇降ローラコンベアの下降により、当該昇降ローラコンベアに遊技機載置パレットを介して支持されている検査済みの遊技機は、遊技機載置パレットと分離されて、当該遊技機のみが複数の内部搬出ローラに直接に支持されて、内部搬出ローラコンベアから外部搬出ローラコンベアに移送されて、外部に搬出される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】スロットマシンMの検査台装置Aの正面図である。
図2】同じく平面図である。
図3】スロットマシンMの載置パレットPの斜視図である。
図4】(a),(b)は、それぞれスロットマシンMを載置した状態の載置パレットPの斜視図及び側面図である。
図5】(a)は、載置パレットPの平面図であり、(b)は、(a)のX-X線断面図である。
図6】昇降ローラコンベアC11が下降端に達して、各ローラR11の隙間に、内部搬入ローラコンベアC12の内部搬入ローラR12が相対的に入り込んで突出している状態を示す搬入側遊技機上昇装置Bの斜視図である。
図7】内部搬入ローラR12の部分を主体に示す図6の部分拡大斜視図である。
図8】昇降ローラコンベアC11が上昇端に達した状態の搬入側遊技機上昇装置Bの斜視図である。
図9】昇降ローラコンベアC11に対して載置パレットPを支持させた状態の平面図である。
図10-A】(a)は、載置パレット返送ローラコンベアC32と同一高さに配置された搬入側遊技機上昇装置Bの昇降ローラコンベアC11に載置パレットPが載置された状態の正面図であり、(b)は、載置パレットPが載置された昇降ローラコンベアC11が最下端位置に達した状態の正面図である。
図10-B】(c)は、下降端位置の昇降ローラコンベアC11の上昇により、内部搬入ローラコンベアC12で支持されたスロットマシンMが下方から持ち上げられて、当該昇降ローラコンベアC11の上に載置パレットPを介して支持された状態の正面図であり、(d)は、スロットマシンMが上昇端まで持ち上げられた状態の正面図である。
図11図10-A(b)の主要部の部分拡大図である。
図12図10-B(d)の主要部の部分拡大図である。
図13】(a)~(c)は、昇降ローラコンベアC11に載置パレットPを載置して、当該載置パレットPを介して当該昇降ローラコンベアC11に支持されたスロットマシンMが、検査台ローラコンベアC31に移送可能な上昇端位置まで上昇される順序を示す側面図である。
図14】(a),(b)は、それぞれ検査済のスロットマシンM’の搬出及び載置パレットPの返送を示す搬出側遊技機下降装置Dの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。
【0020】
最初に、図1図5を参照して、スロットマシンMの検査台装置Aの全体の構成、及び本発明の特徴を構成しているスロットマシンMの載置パレットPについて説明する。検査台装置Aは、図1図2及び図6図8に示されるように、中央フレーム1に検査台ローラコンベアC31及び載置パレット返送ローラコンベアC32とが所定間隔をおいて相上下して水平に配置されている。各ローラコンベアC31,C32は、水平方向に所定間隔をおいた多数本のローラR31,R32の両端が、前記中央フレーム1を構成する水平フレーム部材2に支持され、各ローラR31,R32は、前記水平フレーム部材2の内部において、当該各ローラR31,R32の一端部が、鎖歯車及び歯付ベルト(いずれも図示せず)で連結されることで、駆動源(図示せず)からの動力が全ローラR31,R32に伝達されることで、駆動回転される。
【0021】
前記中央フレーム1における前記各ローラコンベアC31,C32の上流側及び下流側の各端部には、同一構成の搬入側遊技機上昇装置B及び搬出側遊技機下降装置Dがそれぞれ接続して配置されている。搬入側遊技機上昇装置Bは、図1図2及び図6図8に示されるように、直方体状のフレーム枠3における奥側の端部に、スロットマシンMの搬送方向Qに沿って所定間隔をおいて一対のガイドロッド4が垂直に支持され、当該一対のガイドロッド4に複数のスライダー5を介して方形枠状の支持台6が片持ち支持状態で昇降可能に支持され、当該支持台6に搬入側の昇降ローラコンベアC11が設置されている。当該昇降ローラコンベアC11の昇降は、前記フレーム枠3のベース部3aと、当該フレーム枠3の天井板部3bに装着された駆動モータ7の駆動軸(図示せず)にそれぞれ支承された各鎖歯車8a,8bに無端鎖11が掛装され、当該無端鎖11の走行により行われる。上下方向に所定間隔をおいて各ガイドロッド4に摺動可能に支持された2個のスライダー5は、下端部が前記支持台6に一体化された連結板12を介して連結されている。下流側の連結板12には、後述の内部搬入ローラコンベアC12にローラ搬送により搬入されるスロットマシンMの下流側の側面の一部を当接させて搬入端を定めるためのストッパー13が延長板17を介して前後方向T(図7参照)に出入り可能に設けられている。
【0022】
フレーム枠3のベース部3aには、昇降ローラコンベアC11の下降により、当該昇降ローラコンベアC11の各ローラR11の間に相対的に入り込んで、当該昇降ローラコンベアC11の下降端では、各ローラR11の上面に突出する複数の内部搬入ローラR12から成る内部搬入ローラコンベアC12が固定配置されている。各内部搬入ローラR12は、前記各ローラR11よりも短くして、その両端部は、前記ベース部3aに起立固定された支持ブラケット14a,14bで支持されている。各内部搬入ローラR12は、後述のように、載置パレットPに設けられた各ローラ挿通孔21に下方から相対的に挿通されて、最下端位置の昇降ローラコンベアC11に載置された当該載置パレットPの上面に対して僅かに上方に配置されるので、当該各内部搬入ローラR12を駆動形式にする場合に、載置パレットPと干渉するために、駆動鎖等の機械的動力伝達機構を使用できないので、内蔵されたモータの外輪により駆動される構成のローラが使用される。
【0023】
前記内部搬入ローラコンベアC12の上流側には、検査予定のスロットマシンMを一時的に支持して、当該内部搬入ローラコンベアC12までローラ搬送させるための外部搬入ローラコンベアC13が配置されている。当然のことながら、図11に示されるように、内部搬入ローラコンベアC12の各内部搬入ローラR12の検査台装置Aの設置面Fからの高さH1 は、外部搬入ローラコンベアC13のローラR13の高さH1 と同一となっている。また、外部搬入ローラコンベアC13の各ローラR13を支持する前後の水平フレーム部材2のうち、奥側の水平フレーム部材2には、搬入されるスロットマシンMの前後方向Tの位置決めを行うための位置決め板18が取付けられ、当該位置決め板18及び後述のストッパー13とによって、内部搬入ローラコンベアC12に搬入されるスロットマシンMの搬送方向Q及び前後方向Tの双方の位置決めが行われることで、下降端位置の昇降ローラコンベアC11の上昇により持ち上げられる載置パレットPの奥側位置決め体22及び一対の搬送方向位置決め体23の間に、スロットマシンMを載置可能にしてある。なお、図11において、H0 ,H3 は、それぞれ下降端位置の昇降ローラコンベアC11の高さ、及び検査台ローラコンベアC31の高さを示す。
【0024】
また、図6に示されるように、昇降ローラコンベアC11の下降端位置において、その各ローラR11の上に方形板状の載置パレットPをセットする際に、その前後方向Tの位置決めを行うための前後方向位置決め板15a,15bが、対向配置された各水平フレーム部材2の内端から内側に僅かに突出するようにして設けられていると共に、搬送方向Qに沿って上流側端の位置決めを行うための搬送方向位置決め板16が、前記各水平フレーム部材2の間に掛け渡されている。
【0025】
一方、搬出側遊技機下降装置Dは、搬入側遊技機上昇装置Bに対して、前記各位置決め板15a,15b,16が存在しない構成を除いて同一であるので、同一部分には同一符号(添え字を有する場合には、当該添え字のみを変更した同一符号)を付して、図示のみ行う。
【0026】
次に、図3図5を参照して、スロットマシンMを載置してローラ搬送するのに使用される載置パレットPについて説明する。当該載置パレットPは、スロットマシンMを前記外部搬入ローラコンベアC13から前記内部搬入ローラコンベアC12に搬入させる際には、当該内部搬入ローラコンベアC12の各内部搬入ローラR12に対して下方に退避させておき、当該スロットマシンMの搬入後に、昇降ローラコンベアC11の上昇により、当該載置パレットPを上昇させて、前記内部搬入ローラコンベアC12に直接に支持されているスロットマシンMを下方から持ち上げることで、当該スロットマシンMを載置パレットPを介して昇降ローラコンベアC11に支持可能な構成となっている。
【0027】
上記事項を実現するための載置パレットPは、スロットマシンMの平面視に対応した方形板状に形成され、中央部に、スロットマシンMの搬送方向Qに沿って前記内部搬入ローラコンベアC12を構成する各内部搬入ローラR12の配置ピッチK(図12参照)と同一ピッチKで、複数(実施例では3個)のパレット挿通孔21が明けられている。当該パレット挿通孔21は、載置パレットPとの干渉を回避して、内部搬入ローラR12を相対的に挿通させるための孔であるので、その幅及び長さは、当該内部搬入ローラR12の外径及び長さよりも大きくなっている。載置パレットPが下降端位置の昇降ローラコンベアC11に載置された状態で、当該載置パレットPの上面には、スロットマシンMが載置されるため、当該載置パレットPの上面には、スロットマシンMの前後方向T及び搬送方向Qの双方の位置決めを行うためのブロック状の奥側位置決め体22及び一対の搬送方向位置決め体23がそれぞれ設けられている。
【0028】
次に、図10-A~図13を参照して、工場内の天井リフト装置(図示せず)により、外部搬入ローラコンベアC13の上に吊り降ろされて支持されたスロットマシンMを、搬入側遊技機上昇装置Bにより、検査台ローラコンベアC31に移送可能な高さ位置まで移送させる作用について説明する。まず、図10-A(a)及び図13(a)に示されるように、昇降ローラコンベアC11の各ローラR11が、載置パレット返送ローラコンベアC32の高さH2 と同一となるように、当該昇降ローラコンベアC11を下降端位置よりも僅かに高い位置に配置させる。この配置位置において、検査済のスロットマシンMを載置していた載置パレットPは、載置パレット返送ローラコンベアC32から昇降ローラコンベアC11に移送されて、当該昇降ローラコンベアC11の上に載置パレットPが載置される。この状態では、図9で示されるように、昇降ローラコンベアC11の各前後方向位置決め板15a,15b及び搬送方向位置決め板16の間に載置パレットPが配置されて、当該載置パレットPの前後方向T及び搬送方向Qの双方の位置決めが行なわれて、当該載置パレットPの各ローラ挿通孔21の直下に、内部搬入ローラコンベアC12を構成する計4本の内部搬入ローラR12のうち、搬送方向Qに沿って上流側の連続した3本の各ローラ挿通孔21が配置されている。
【0029】
次に、図10-A(b)、図13(b)及び図12に示されるように、載置パレットPが載置された昇降ローラコンベアC11を下降端まで下降させると、当該載置パレットPの各ローラ挿通孔21に対して内部搬入ローラコンベアC12の計3本の内部搬入ローラR12が、相対的に上方に向けて挿通されて、各内部搬入ローラR12は、その上端が当該載置パレットPの上面よりも上方に配置されて、当該上面に対して突出した状態となる。この状態で、外部搬入ローラコンベアC13の各ローラR13及び内部搬入ローラコンベアC12の各内部搬入ローラR12をそれぞれ駆動して、当該外部搬入ローラコンベアC13の上に吊り降ろされたスロットマシンMは、搬送方向Qに沿って下流側の側面がストッパー13に当接する位置まで、当該内部搬入ローラコンベアC12にローラ搬送されて停止する。
【0030】
上記の状態で、昇降ローラコンベアC11を上昇させると、当該昇降ローラコンベアC11に載置された載置パレットPの各ローラ挿通孔21に対して内部搬入ローラコンベアC12の各内部搬入ローラR12が相対的に下方に挿通されることで、当該各内部搬入ローラR12と当該載置パレットPとが干渉することなく、図10-B(c)の初期状態を経て、図10-B(d)、図12及び図13(c)に示されるように、上昇中の昇降ローラコンベアC11により、各内部搬入ローラR12に直接に支持されていたスロットマシンMは、載置パレットPを介して昇降ローラコンベアC11の各ローラR11に移載されて支持されて、当該スロットマシンMは、当該昇降ローラコンベアC11の高さが検査台ローラコンベアC31と同一高さとなる上昇端位置まで持ち上げられる。なお、載置パレットPに対してスロットマシンMは、奥側位置決め体22及び搬送方向位置決め体23の間に配置されることで、検査時において、載置パレットPに対してスロットマシンMが奥方向及び搬送方向の双方に対して移動しないようにしてある。
【0031】
図10-B(d)に示されるように、スロットマシンMが上昇端位置まで持ち上げられた状態で、当該スロットマシンMを支持している昇降ローラコンベアC11の各ローラR11を駆動回転させると、当該スロットマシンMは、載置パレットPに載置されたままの状態で、隣接する検査台ローラコンベアC31に移送され、当該検査台ローラコンベアC31において、スロットマシンMの各所の検査が実施される。なお、スロットマシンMを検査台ローラコンベアC31に移送する前に、当該スロットマシンMの背面側に当接しているストッパー13は、奥側に後退させられることで、上記移送が可能となっている。
【0032】
検査済のスロットマシンM’は、搬出側遊技機下降装置Dにより下降されて、外部に搬出されると共に、検査済のスロットマシンM’を載置していた載置パレットPは、載置パレット返送ローラコンベアC32により、搬送方向Qと逆の返送方向Sの方向に搬送されることで、搬入側遊技機上昇装置Bの側に返送されて、その昇降ローラコンベアC11に載置されることで、繰り返して使用される。即ち、搬出側遊技機下降装置Dの昇降ローラコンベアC21は、検査台ローラコンベアC31と同一の高さ位置に待機していて、検査済のスロットマシンM’は、検査台ローラコンベアC31から前記昇降ローラコンベアC21に移送された後に、当該昇降ローラコンベアC21は、下降端まで下降される。図14(a)に示されるように、当該昇降ローラコンベアC21が下降端に達する直前において、載置パレットPの各ローラ挿通孔21に対して内部搬出ローラコンベアC22の各内部搬出ローラR22が相対的に挿通されて上方に突出されることで、検査済のスロットマシンM’は、載置パレットPに対して分離されて前記各内部搬出ローラR22で直接に支持された後に、当該各内部搬出ローラR22の駆動により、外部搬出ローラコンベアC23に移送されることで、外部に搬出される。
【0033】
また、内部搬出ローラコンベアC22の各内部搬出ローラR22に支持されていた検査済のスロットマシンM’が外部に搬出された後に、図14(b)に示されるように、昇降ローラコンベアC21の各ローラR21が載置パレット返送ローラコンベアC32の各ローラR32の高さH2 と同一となるまで、当該昇降ローラコンベアC21を上昇させた後に、その各ローラR21を駆動回転させて、各ローラR21に載置されている載置パレットPを、載置パレット返送ローラコンベアC32の各ローラR32に移送させて、搬入側遊技機上昇装置Bの昇降ローラコンベアC11まで返送させて載置させることで、当該載置パレットPは、検査台装置Aの各ローラコンベアC11,C31,C21, C32を循環して、繰り返して使用される。なお、載置パレットPが昇降ローラコンベアC11に移送される際には、当該載置パレットPは、一対の前後方向位置決め板15a,15bの間を通って搬送方向位置決め板16に当接するまで移送されることで、当該昇降ローラコンベアC11に対して位置決めされた状態で返送される。
【0034】
載置パレッPに設けられるローラ挿通孔21の数は、上記実施例では「3」であるが、搬入側遊技機上昇装置Bの昇降ローラコンベアC11の各ローラR11のピッチの関係で相対的に定められるものであって、その数は、限定されない。
【0035】
上記実施例では、内部搬入ローラコンベアC12を構成する各内部搬入ローラR12は、駆動回転される構成であるため、人力を全く要することなく、大きな重量のスロットマシンMの搬入が可能である利点があるが、当該各内部搬入ローラR12は、必ずしも駆動回転させる必要はなく、従動回転であってもよい。
【符号の説明】
【0036】
A:検査台装置
B:搬入側遊技機上昇装置
11:昇降ローラコンベア(搬入側)
12:内部搬入ローラコンベア
13:外部搬入ローラコンベア
21:昇降ローラコンベア(搬出側)
22:内部搬出ローラコンベア
23:外部搬出ローラコンベア
31:検査台ローラコンベア
32:載置パレット返送ローラコンベア
D:搬出側遊技機下降装置
0 :搬入側及び搬出側の各昇降ローラコンベアの下降端の高さ
1 :内部搬入及び内部搬出の各ローラコンベアの高さ
2 :載置パレット返送ローラコンベアの高さ
3 :検査台ローラコンベアの高さ
M:スロットマシン(遊技機)
P:載置パレット
Q:スロットマシンの搬送方向
R11,R13,R21,R23,R31,R32 :ローラコンベアのローラ
12:内部搬入ローラ
22:内部搬出ローラ
S:載置パレットの返送方向
T:前後方向
21:ローラ挿通孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10-A】
図10-B】
図11
図12
図13
図14