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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】高効率発電・充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20220920BHJP
   H02J 15/00 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
H02J7/00 302C
H02J7/00 A
H02J15/00 A
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019550697
(86)(22)【出願日】2018-04-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-04-30
(86)【国際出願番号】 US2018025948
(87)【国際公開番号】W WO2018187369
(87)【国際公開日】2018-10-11
【審査請求日】2021-03-31
(31)【優先権主張番号】62/583,335
(32)【優先日】2017-11-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/481,626
(32)【優先日】2017-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】15/943,409
(32)【優先日】2018-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519328590
【氏名又は名称】カオ、カルヴィン クウォング
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】カオ、カルヴィン クウォング
【審査官】清水 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開平9-285020(JP,A)
【文献】特開2001-169532(JP,A)
【文献】特表2015-534423(JP,A)
【文献】特表2015-532081(JP,A)
【文献】特開平10-201219(JP,A)
【文献】特開2010-035398(JP,A)
【文献】特開2014-053985(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0161564(US,A1)
【文献】特開2010-259311(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電のための装置であって、
発電のための当該装置の動作を制御するように構成されたシステムコントローラと、
少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置と、
前記少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置にモータコントローラを介して電気的に結合された直流モータであって、前記モータコントローラは、前記システムコントローラから受信する制御シグナリングに基づいて該モータの少なくとも速度を制御するとともに、前記少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置から供給される電力で該モータを駆動するように構成されている、直流モータと、
所定の質量および半径のフライホイールを含む機械的駆動機構を介して前記モータに機械的に結合されたロータを有する多相交流発電機であって、該発電機および前記フライホイールは、前記モータにより前記機械的駆動機構を介して駆動される、多相交流発電機と、
前記多相交流発電機の少なくとも1つの出力相に電気的に結合された少なくとも1つの変圧器であって、前記発電機の少なくとも2つの出力相に現れる電圧のステップアップまたはステップダウンの一方を行うように構成された変圧器と、
前記少なくとも1つの変圧器の出力に結合された電圧調整器であって、電圧を所定の電圧値に調整するように構成された調整器と、
前記電圧調整器の出力に結合された第1のバッテリコントローラであって、前記少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置および第2のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成された第1のバッテリコントローラと、を備える
ことを特徴とする装置。
【請求項2】
前記第1のエネルギー貯蔵装置または前記第2のエネルギー貯蔵装置のうちの一方に結合されたDC/ACインバータであって、前記第1のエネルギー貯蔵装置または前記第2のエネルギー貯蔵装置の直流からAC電力を発生させるように構成されたDC/ACインバータをさらに備える
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1のエネルギー貯蔵装置は、並列に結合された少なくとも複数のバッテリを含む
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記第1のエネルギー貯蔵装置は、直列に結合された少なくとも複数のバッテリを含む
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第2のエネルギー貯蔵装置は、前記第1のエネルギー貯蔵装置よりも大きい総貯蔵容量を有する複数のバッテリセルを含む
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記多相交流発電機は、3相を出力する3相同期発電機を含み、前記3つの出力相の少なくとも2つは、前記少なくとも1つの変圧器の1次コイルに結合されている
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
記変圧器の2次コイルの出力に結合された電流源であって、前記システムコントローラで決定される負荷需要に基づいて該電流源の出力に設定電流を供給するように構成可能である電流源と、
前記電流源の出力に結合された第2の変圧器であって、該第2の変圧器の出力は、前記電圧調整器に結合されている、第2の変圧器と、をさらに備える
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記電流源は、1次電流入力よりも大きい2次電流出力を有するステップダウン変圧器として構成された第3の変圧器を含む
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記電圧調整器の出力に結合された第2のバッテリコントローラであって、前記第1のバッテリコントローラに代わって前記第2のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成された第2のバッテリコントローラをさらに備える
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第1のエネルギー貯蔵装置または前記第2のエネルギー貯蔵装置のうちの少なくとも一方に結合されたインバータであって、該貯蔵装置のDC電流をAC電流に変換するように構成されたインバータをさらに備える
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
発電のための方法であって、
少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置を、モータコントローラを介して直流モータに結合することであって、システムコントローラから受信する制御シグナリングに基づいて前記モータの少なくとも速度を制御するとともに、前記少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置から供給される電力で前記モータを駆動するように構成された前記モータコントローラを介して、結合することと、
多相交流発電機のロータを、所定の質量および半径のフライホイールを含む機械的駆動機構を介して前記モータに機械的に結合することであって、前記機械的駆動機構を介して前記発電機および前記フライホイールを駆動する前記モータに機械的に結合することと、
前記発電機の出力を少なくとも1つの変圧器に電気的に結合することであって、前記発電機の少なくとも2つの出力相に現れる電圧のステップアップまたはステップダウンの一方を行うように構成された前記変圧器に電気的に結合することと、
電圧を所定の電圧値に調整するように構成された電圧調整器を、前記少なくとも1つの変圧器の出力に結合することと、
第1のバッテリチャージャを前記電圧調整器の出力に結合することであって、前記第1のバッテリチャージャにも結合される前記少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置および第2のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成されたッテリコントローラを結合することと、を含む
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広くは、発電システムに関し、より具体的には、内部エネルギー源を用いて電気エネルギーを生成する高効率のエネルギー貯蔵装置充電システムのためのシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
化石燃料は、地球の1次エネルギー源である。地球の人口が増え続けるとともに、経済的発展途上の国々が工業化するにつれて、化石燃料の消費率は、化石燃料の生産率を上回る可能性がある。このように予想される化石燃料需要の増加によって、消費が現在の率で継続した場合には、今後数十年以内に化石燃料の世界的供給が尽きる可能性がある。従って、太陽光発電、風力発電、水力発電、地熱発電のような再生可能エネルギー源からのエネルギーを利用するか、または高効率の発電システムを開発および利用することが望ましい。
(優先権の主張)
【0003】
本出願は、2017年4月4日に米国特許商標庁に出願された特許文献1、および2017年11月8日に米国特許商標庁に出願された特許文献2の優先権および利益を主張するものであり、これらの出願は両方とも、その全体が以下で完全に記載されているかのように、あらゆる該当する目的のために、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】仮特許出願第62/481,626号
【文献】仮特許出願第62/583,335号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の1つ以上の態様についての基本的な理解を与えるため、その簡単な概要を以下で提示する。本概要は、本開示で企図されるすべての特徴についての包括的概観ではなく、また、本開示のすべての態様の主要な要素もしくは重要な要素を特定するものでも、本開示の一部の態様もしくはすべての態様の範囲を定めるものでもない。その唯一の目的は、後ほど提示する、より詳細な説明への序章として、本開示の1つ以上の態様のいくつかの概念を簡単な形で提示することである。
【0006】
一態様では、発電およびエネルギー源充電のための装置について開示する。本装置は、発電のための装置の動作を制御するように構成されたシステムコントローラと、少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置と、少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置にモータコントローラを介して電気的に結合された直流モータと、を備え、モータコントローラは、システムコントローラから受信する制御シグナリングに基づいてモータの少なくとも速度を制御するとともに、少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置から供給される電力でモータを駆動するように構成されている。さらに、本装置は、所定の質量および半径のフライホイールを含む機械的駆動機構を介してモータに機械的に結合されたロータを有する多相交流発電機を備え、モータは、機械的駆動機構を介して発電機およびフライホイールを駆動する。さらに、本装置は、多相交流発電機の少なくとも1つの出力相に電気的に結合された少なくとも1つの変圧器であって、発電機の少なくとも2つの出力相に現れる電圧のステップアップまたはステップダウンの一方を行うように構成された変圧器と、少なくとも1つの変圧器の出力に結合された電圧調整器であって、電圧を所定の電圧値に調整するように構成された調整器と、を備える。さらに、装置は、電圧調整器の出力に結合された第1のバッテリコントローラを備え、第1のバッテリコントローラは、少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置および第2のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成されている。
【0007】
他の態様では、エネルギーを生成および貯蔵する方法について開示し、本方法は、少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置を、モータコントローラを介して直流モータに結合することを含み、モータコントローラは、システムコントローラから受信する制御シグナリングに基づいてモータの少なくとも速度を制御するとともに、少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置から供給される電力でモータを駆動するように構成される。本方法は、さらに、多相交流発電機のロータを、所定の質量および半径のフライホイールを含む機械的駆動機構を介してモータに機械的に結合することを含み、モータは、機械的駆動機構を介して発電機およびフライホイールを駆動する。さらに、本方法は、発電機の出力を少なくとも1つの変圧器に電気的に結合することを含み、変圧器は、発電機の少なくとも2つの出力相に現れる電圧のステップアップまたはステップダウンの一方を行うように構成される。さらに、本方法は、電圧調整器を少なくとも1つの変圧器の出力に結合することを含み、電圧調整器は、電圧を所定の電圧値に調整するように構成される。最後に、本方法は、第1のバッテリチャージャを電圧調整器の出力に結合することを含み、バッテリコントローラは、バッテリチャージャにも結合される少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置および第2のエネルギー貯蔵装置を充電するように構成される。
【0008】
本発明のこれらおよび他の態様について、以下の詳細な説明を精査することで、より完全に理解されるであろう。本発明の他の態様、特徴、および実施形態は、添付の図面と併せて、本発明の具体的かつ例示的な実施形態についての以下の説明を精査することで、当業者には明らかになるであろう。本発明の特徴について、以下のいくつかの実施形態および図面に関連付けて説明され得るが、本発明のすべての実施形態は、本明細書で説明される効果的な特徴の1つ以上を含むことができる。つまり、1つ以上の実施形態について、いくつかの効果的な特徴を有するものとして説明され得るが、そのような特徴の1つ以上を、本明細書で説明される本発明の種々の実施形態に従って用いてもよい。同様に、例示的な実施形態について、装置、システム、または方法の実施形態として以下で説明され得るが、そのような例示的な実施形態は、種々の装置、システム、および方法で実現できることは理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の態様による発電システムの概略説明図
図2】本開示の他のいくつかの態様による、図1の発電システムの一部の実現形態の概略説明図
図3】本開示の態様による発電システムの他の変形例の概略説明図
図4】本開示の態様による発電システムの他の変形例の概略説明図
【発明を実施するための形態】
【0010】
添付の図面に関連付けて以下で記載される詳細な説明は、様々な構成の説明を目的とするものであり、本明細書に記載の概念を実施し得る唯一の構成を表すものではない。詳細な説明では、様々な概念についての完全な理解を与えることを目的として、具体的詳細について記載している。しかしながら、これらの概念は、それら特定の詳細を伴うことなく実施してよいことは、当業者には明らかであろう。場合によっては、そのような概念を不明瞭にすることがないよう、周知の構造および構成要素については、ブロック図の形式で示している。
【0011】
本開示で使用される場合の「例示的」という表現は、「例、事例、または実例としての役目を果たす」ことを意味する。本明細書において「例示的」として記載される実現形態または態様はいずれも、本開示の他の態様に比して好適もしくは効果的であると必ずしも解釈されるべきではない。同様に、「態様」という用語は、説明される特徴、効果、または動作モードを、本開示のすべての態様に含むことを要件としない。「結合される」という用語は、本明細書では、2つのオブジェクト間の直接的または間接的な結合を指して用いられる。例えば、オブジェクトAがオブジェクトBに物理的に接触し、オブジェクトBがオブジェクトCに接触している場合、オブジェクトAとCは、互いに物理的に直接接触していないとしても、それでも互いに結合されているとみなされてよい。例えば、第1のオブジェクトが第2のオブジェクトに物理的に直接接触は全くしていなくても、第1のオブジェクトは第2のオブジェクトに結合されている場合がある。「回路(circuit)」および「回路機構(circuitry)」という用語は、広義で用いられており、電子回路のタイプに関して制限なく、接続および構成されることで、本開示に記載の機能の実行を可能とする電気デバイスおよび導体のハードウェア実装と、プロセッサで実行されることで、本開示に記載の機能の実行を可能とする情報および命令のソフトウェア実装と、その両方を含むものである。
【0012】
本発明は、電気エネルギーを生成および貯蔵するために、外部エネルギー源にほとんど依存する必要なく、または外部エネルギー源からの入力をほとんど必要とすることなく、システム内に最初に存在するエネルギーを回収および保存することが可能な、高効率発電のためのシステムを提供する。
【0013】
図1は、例示的な一実現形態による発電のための装置100を示している。主に、装置100は、電気発生用の電気機械システムを駆動するために、貯蔵エネルギー源を用いることにより、発電を行い、次に、その電気発生用システムからのエネルギーを、貯蔵エネルギー源に補充するために帰還させるとともに、他のエネルギー貯蔵装置に貯蔵されるべきエネルギーならびに周辺装置への電力など、様々な電気負荷に電力を供給する。
【0014】
装置100は、モータコントローラ104の特定の制御など、装置100の動作を制御するように構成された電子システムコントローラ102と、さらに、後述するように、いくつかの例では電圧調整器106と、を備える。装置100は、特定の電圧要件および電流要件に応じて、直列もしくは並列のいずれかで、またはその両方で、接続された1つ以上のバッテリで構成され得る少なくとも1つの第1のエネルギー貯蔵装置108を備える。一態様では、エネルギー貯蔵装置108は、モータコントローラ104の制御を介して直流モータ110に電気エネルギーを供給するために、並列接続された2つの再充電可能な12ボルト鉛酸バッテリで構成され得るが、これは単なる例示的なものにすぎず、モータ110にエネルギーを供給するために、任意の数のバッテリおよびバッテリタイプの組み合わせを用いてよい。
【0015】
モータコントローラ104は、自動電圧制御/自動速度制御(AVC/ASC)型のコントローラで実現されてよく、その場合、モータ110の目標速度を設定するため、または他の態様では速度を動的に変更するために、システムコントローラ102からの手動入力もしくは制御信号入力130のいずれかを用いる。図1に示すように、本例では、エネルギー源108からの正電圧ラインおよび負電圧ライン112は、モータコントローラ104に入力され、これにより、モータ110に出力される電圧および/または電流を変化させる。
【0016】
モータ110は、外部エネルギー源を介して磁場を生成する必要を回避するために、永久磁石DCモータで実現されてよく、さらに、回転速度が、適切であり得るように選択されてよい。いくつかの態様では、モータ110は、1/2VDC~1.5VDC、または3VDC~6VDC、または12VDC~24VDC、または48VDC~96VDCなどの、コントローラ104からの電圧入力で動作してよく、その電圧範囲は、発電機114のロータを駆動するために必要なトルクまたは速度を発生させるために、必要に応じて調整される。
【0017】
モータ110は、モータ110のロータを発電機114のロータに機械的に結合する機械的連結116を表すラインで単に示す機械的リンケージまたは機械的機構を介して、発電機114のロータを駆動するように構成されている。当業者であれば理解できるように、機械的連結116は、プーリ・ベルト駆動機構、機械的直接リンケージ、ギアリンケージなどのような、いくつかの周知の機械的リンケージのいずれかで実現されてよい。さらに、機械的リンケージによって連結されているのは、発電機114を駆動する際の機械的エネルギーを蓄える手段としての、何からの所定の質量および半径を有するフライホイール118である。フライホイール118は、好ましくは、発電機のロータにリンクされており、発電機ロータと同じ回転軸の周りに回転する。
【0018】
いくつかの態様では、発電機114は、3相AC発電機のような交流(AC)多相発電機で実現されてよい。さらなる実現形態では、発電機は、出力端子においてY結線された発電機、すなわち3相出力および1つの中性出力を有する発電機(または代替的に、3相出力を有するΔ結線発電機)であってよい。一例では、発電機114は、モータ110によって発電機が運転される速度に応じた電圧を出力するように構成されてよい。いくつかの実現形態では、発電機114の出力電圧は、相間で480VACである。ただし、速度を高めれば、発電機は、増加した電圧を供給するように構成され得る。例えば、いくつかの運転態様では、ライン電圧は、約1360VACのライン間電圧または相間電圧で、約800VAC以上に増加し得る。さらに、一例では、発電機114の界磁巻線は、DC界磁励磁を要件とすることに留意される。発電機ロータの界磁巻線は、スリップリングおよびブラシを介してロータ巻線に供給される(115に示す)DC供給を受ける。DC供給115の供給源は、一実施形態では貯蔵装置108であり得るが、界磁励磁は、システムコントローラ102および/またはモータコントローラ104によって供給されてもよい。
【0019】
図1の例では、発電機114の2つの発電機位相(119に示すような、Φ1およびΦ2)が、変圧器120に電気的に結合されているが、Y結線発電機の1相および中性点が変圧器120に結合される場合である他の実現形態も想定され得る。変圧器120は、ステップアップ変圧器またはステップダウン変圧器であってよい。図1の本例では、発電機114は、480Vの3相発電機であり得る。さらなる実施形態では、発電機114の電圧が、1360VACのような、より高い場合など、これにより様々な用途または電圧要件に応じた様々な電圧段階まで電圧をステップダウンさせるために複数の変圧器が必要となる場合に、オプションの変圧器122で示すように、複数の変圧器を用いてよい。変圧器120(および/または変圧器122)の出力は、電圧調整器106に入力され、電圧調整器106は、電圧入力を設定値に調整するとともに、ブロック124で示すような種々のアウトレットならびに計測ディスプレイなどにAC電力を出力するために、使用されてよい。
【0020】
電圧調整器106からの電圧は、(コントローラ102への監視信号/接続と電源接続の両方であり得る結合132で示すように)システムコントローラ102に供給されてよく、システムコントローラ102は、調整器106からの出力システム電力のステータスを解析し、これによりシステム条件を調整するようにモータコントローラ104を制御することで、モータ110の特定の速度目標(群)を維持するために、各種プロセッサ、ロジック、および電子回路を含み得る。一態様では、電圧調整器は、Variac変圧器(例えば、型番SC-20M,最大2000VA,入力定格117VAC 60Hz,出力0~130VAC 60Hz)を用いて構成されてよい。
【0021】
さらに、調整器106の電力出力は、バッテリコントローラまたはチャージャ126に結合されている。バッテリチャージャ/コントローラ126は、AC入力を、第1のエネルギー貯蔵源108への充電用のDCに変換するように構成されている。チャージャ/コントローラ126の他の機能として、バッテリ調整およびフロート式充電が含まれることがある。一例では、バッテリチャージャは、Caterpillar CBC 40W,40Aバッテリチャージャを用いて実現されてよいが、ただし、本発明は、これに限定されない。さらに、システム100に追加され得る他の負荷は、第2のエネルギー貯蔵装置128であり、これは、大量のエネルギーを貯蔵するためのバッテリセルまたは容量素子のアレイであり得る。一例では、第2のエネルギー貯蔵装置128は、55AHの容量を有するとともにアブソーベント・グラスマット(AGM)技術を用いた密閉型鉛酸構造を有するPower Sonicバッテリ型番PS-12550のような、6個の12V DCバッテリを含み得る。しかしながら、第2のエネルギー貯蔵装置128は、任意の数のバッテリと、例として、鉛酸(「フラデッド」、ディープサイクル、VRLA)、ニッケルカドミウム、ニッケル水素、リチウムイオン、リチウムイオンポリマ、リン酸リチウムイオン、亜鉛空気、溶融塩バッテリ、レドックス、およびアルコール-エアブリージングなど、任意の数のバッテリタイプで構成されてよい。さらに、図示のように第1のエネルギー貯蔵装置108と並列接続された場合の第2のエネルギー貯蔵装置128は、モータ110を駆動するための帰還エネルギーの供給を支援するために使用され得ることに留意される。システム100では、第1のエネルギー貯蔵装置108と第2のエネルギー貯蔵装置128の固定接続を示しているが、第2のエネルギー貯蔵装置128は、スイッチ(図示せず)を用いて、第1のエネルギー貯蔵装置108に並列に結合するように選択的に切り替えられることが可能である。
【0022】
代替実施形態では、システムコントローラ102とモータコントローラ104は、134に示すように単一の制御ユニットで実現されてよい。そのような場合、制御ユニット134は、電圧調整器106からの出力電圧を監視し、監視される電圧に基づいてモータ110の電圧(ひいては速度)を決定または設定する機能を実行する。さらなる具体的な態様では、この単一制御ユニット134は、モータ110の制御に適用される、周知のSX460半波位相制御サイリスタ型自動電圧調整器(AVR)を用いて実現されてよい。
【0023】
さらに留意されるのは、第1のエネルギー貯蔵装置および第2のエネルギー貯蔵装置について、様々なバッテリ数およびバッテリタイプの例を用いて説明しているが、本開示は、これに限定されないということである。つまり、エネルギー貯蔵装置は、キャパシタもしくは他の電荷蓄積装置のような周知の他のエネルギー貯蔵装置、または電気エネルギーを貯蔵可能な他のいずれかの周知の装置を用いて実現されてよい。
【0024】
図2は、図1に示すシステム100の一部の他の実施形態を示している。具体的には、図2は、ライン202、204で示す発電機114の2相がステップダウン変圧器206に入力される、システム100の部分を示している。一例では、相202、204間の電圧は、変圧器206の1次入力側では480Vであり得る一方、変圧器206の2次側では240Vである。変圧器206は、各2次コイル出力と中性点との間の電圧差が120Vになるように、中性点用のセンタタップを含み得る。
【0025】
システム200は、さらに、第2の変圧器210への電流入力を調整するために、変圧器206の出力に結合された電流源または電流ブースタ208を備える。電流ブースタ208は、第2の変圧器への入力の電流量を増加させるように、変圧器206からの電流を増加またはブーストするために用いられる(これは、この電流ブーストについての、さらには、これが第2の変圧器210の動作にどのように影響を及ぼすかについての、理論的な根拠をより多く含むために有用であり得る)。例示的な実現形態では、電流源208は、2次側において増加した電流を供給する別のステップダウン変圧器のような、別の変圧器を用いて構成されてよい。
【0026】
図3は、本開示の態様による発電システムの他の変形例300の概略図である。この図面において、同様の番号が付された要素はいずれも、図1のシステムに対応しており、簡潔にするため、それらの説明および機能について、ここでは繰り返さない。本例では、第2のエネルギー貯蔵装置128は、第2のエネルギー貯蔵装置128に特有の充電要件が得られるロジックをさらに含み得る別個の高出力・高電流バッテリコントローラ/チャージャ302を有し得る。一例では、チャージャ302は、10,000ワットの充電電力を440Aの電流で充電するように構成されてよい。さらに、コントローラ/チャージャ302は、一例として、Missouri Wind and Solar社の製造による型番CBSU12DIGWのコントローラのような、内蔵インバータ(図示せず)も含み得る12Vデジタルチャージャを用いて実現されてよい。
【0027】
図4は、本開示の態様による図1の発電システムの他の変形例400の概略図である。この図面においても、やはり同様の番号が付された要素はいずれも、図1のシステムに対応しており、簡潔にするため、それらの説明および機能について、ここでは繰り返さない。本例では、第2のエネルギー貯蔵装置128(および/または第1のエネルギー貯蔵装置108)は、DC/ACインバータ402に結合されてよい。このように、インバータは、システムに結合され得る周辺AC負荷のために、第2のエネルギー貯蔵装置128または第1のエネルギー貯蔵装置108のどちらかの貯蔵エネルギーを利用するために、設けられることがある。
【0028】
以上を踏まえて、留意されるのは、発電機114に組み合わせたフライホイール118および電流ブーストなどの特徴と共に、供給電源108の帰還型充電を用いることにより、第2のバッテリパックまたはバッテアレイ(例えば、第2のエネルギー貯蔵源128)の充電用のエネルギーを供給するための、より高効率のシステムが得られることで、本システムが第2のエネルギー源に充電可能であり得る時間が増加することが判明したことである。
【0029】
さらに、留意されるのは、本明細書に開示のシステムの動作において、組み立てたシステムの試験により、再充電用の帰還エネルギーを受け取る第1のエネルギー貯蔵装置(例えば、108)として2つの12VDC鉛酸バッテリによる実装を用いて、5時間を超えるシステムの動作が示されたことであり、一方、この帰還エネルギーがなければ、システムは、第1のエネルギー貯蔵装置に貯蔵されたエネルギーを用いて、1時間未満しか動作しなかった。さらに、チャージャ126を介して帰還されるエネルギーによって両方の装置108、128が再充電されるように、並列接続された第1の貯蔵装置と第2の貯蔵装置の両方を備えるシステム(例えば、図1に示すシステムを参照)を試験した結果によっても、第2のエネルギー貯蔵装置128に充電しつつ22時間を超える動作が可能である高効率のシステムが得られたが、一方、電気エネルギーの帰還がなければ、システムは約1.75時間しか動作できなかった。
【0030】
上記説明は、当業者であれば、本明細書に記載の種々の態様を実施できるようにするために、提示されている。これらの態様に対する種々の変更は、当業者には容易に明らかとなるはずであり、本明細書で規定する包括的原理は、他の態様に適用されてよい。よって、請求項は、本明細書で示す態様に限定されるものではなく、請求項の文言に沿ったすべての範囲を許容するものであり、その場合、要素を単数形で表現することは、そのように具体的に記載されていない限り「唯一無二」を意味するものではなく、むしろ「1つまたは複数」を意味するものである。「いくつか」という用語は、特に具体的に記載されていない限り、1つまたは複数を意味する。アイテムのリスト「のうちの少なくとも1つ」という表現は、単独のメンバを含めて、それらのアイテムの任意の組み合わせを意味する。一例として、「a、b、またはcのうちの少なくとも1つ」は、a;b;c;aとb;aとc;bとc;およびaとbとcを網羅するものである。本開示の全体にわたって記載された種々の態様の要素の構造的および機能的均等物であって、当業者に知られているもの、あるいは今後知られることになるものは、すべて、参照により本明細書に明示的に組み込まれて、請求項に包含されるものである。さらには、本明細書で開示される事項は、その開示が請求項に明確に記載されているかどうかにかかわらず、いずれも公に供するつもりのものではない。請求項の要素は、その要素が「~ための手段」という表現を用いて明示的に記載されていない限り、あるいは方法の請求項の場合は、その要素が「~ためのステップ」という表現を用いて記載されていない限り、いずれも米国特許法第112条(f)の規定に基づいて解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4