(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】油水分離器の分離筒用カバー装置
(51)【国際特許分類】
B01D 17/12 20060101AFI20220920BHJP
B01D 17/038 20060101ALI20220920BHJP
B04B 7/02 20060101ALI20220920BHJP
F16B 21/04 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
B01D17/12 Z
B01D17/038
B04B7/02 Z
F16B21/04 H
(21)【出願番号】P 2020041719
(22)【出願日】2020-03-11
【審査請求日】2020-03-11
(73)【特許権者】
【識別番号】520085361
【氏名又は名称】チャン タイ チン ミー クー フェン ユー シェン コン スー
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シアオ レン ユー
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】実公昭35-010183(JP,Y1)
【文献】特開2005-074109(JP,A)
【文献】実公昭30-010571(JP,Y1)
【文献】特表2017-537790(JP,A)
【文献】米国特許第04932933(US,A)
【文献】中国実用新案第204234222(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D17/00-17/12
B04B1/00-15/12
F16B21/00-21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油水分離器の分離筒の上側に取り付けられるシート部材と、前記シート部材に着脱可能に設けられている蓋部材と、を備えている油水分離器の分離筒用カバー装置であって、
前記シート部材は、
円盤状に形成されていると共に、該円盤状の外周面が前記油水分離器の使用状態では略上下方向となされる所定の軸線を取り囲んでおり、且つ、前記軸線に沿って延伸している軸穴と、それぞれ前記軸穴と前記外周面との間に前記軸穴を周る周方向に沿って間隔をあけて形成されている複数の貫通穴と、を備えている本体と、
環状に形成されていると共に、前記本体の上端周縁と繋がるように配置されており、且つ、該環状の外周縁から前記軸線の径方向外向きに突出している少なくとも1つの第1の係合ブロックを有している第1の係合部と、
前記本体の前記外周面の下端部から前記軸線の径方向外向きに突出してい
て前記シート部材が前記油水分離器の分離筒に対して径方向へ偏ることがないように構成されている位置決め部と、
前記第1の係合部と前記位置決め部との間に介在している係合溝と、を備えており、
前記蓋部材は、
上下両端縁を有するように、前記軸線を取り囲んでいる周壁と、
前記周壁の上端縁と隣接するように形成されて、前記周壁と共に前記第1の係合部を収容している収容空間を画成している上、前記軸穴に対応している箇所において前記軸線に沿って貫通している貫通孔が形成されている上壁と、
環状に形成されていると共に、前記周壁の下端縁と繋がるように配置されており、且つ、該環状の内周縁の周方向に沿って前記第1の係合部の前記第1の係合ブロックが通過することができる少なくとも1つの嵌め込み溝が形成されている第2の係合部と、を備えている、
ことを特徴とする分離筒用カバー装置。
【請求項2】
少なくとも1つのロック手段を更に備えている油水分離器の分離筒用カバー装置であって、
前記シート部材の前記第1の係合部には、前記第1の係合部の上面から下方に延伸するように凹設されている少なくとも1つの第1のロック孔が更に備わっており、
前記蓋部材の前記上壁には、前記少なくとも1つの第1のロック孔に対応していると共に、前記蓋部材の外側および前記収容空間と連通するように、上下方向に延伸している第2のロック孔が更に備わっており、
前記ロック手段は、前記第2のロック孔を経由して対応する前記第1のロック孔に螺合締結することによって、前記蓋部材を前記シート部材に対して回転および移動しないように位置決めする、
ことを特徴とする請求項1に記載の分離筒用カバー装置。
【請求項3】
前記第1の係合ブロックと、前記嵌め込み溝と、前記第1のロック孔と、前記第2のロック孔と、前記ロック手段とは、いずれも3つずつあり且つそれぞれ3つが互いに前記軸線を周る周方向に沿って等間隔に配置されている、
ことを特徴とする請求項2に記載の分離筒用カバー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分離筒用カバー装置に関し、具体的には、油水分離器のうちの1つの部品となされる分離筒用カバー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、産業の発展に伴い、例えば、食品工場や半導体工場や石油化学工場や機械工場や鉄鋼工場から生じる産業廃水、或いは、学校や病院や家庭から生じる生活廃水によって人体に有害な物質(カドミウムや水銀など)が河川や海洋で増加して人間の健康に対しても地球環境に対してもダメージを与える水質汚染が問題になっている。
【0003】
そこで、地球環境および人体を守るために、産業廃水に対しても生活廃水に対しても廃水処理装置で処理することができれば、水質汚染の程度を大幅に減らすことができるため、特に油水分離器の重要性が注目されつつある。
【0004】
特許文献1には、油水混合液の油成分と水成分とを分離することができる遠心分離式の油水分離器9が記載されている。
【0005】
図5を参照して特許文献1に記載された従来の遠心分離式の油水分離器9の構成について説明する。ここで、
図5は特許文献1に記載された従来の遠心分離式の油水分離器9の構成が示される側面断面図である。
【0006】
図5に示されるように、従来の遠心分離式の油水分離器9は、回転ユニット91と、導水盤92と、筒体ユニット93と、油水分離ユニット94と、を備えている。
【0007】
回転ユニット91は、
図5に示されるように、通常の使用状態では上下方向となされる軸線Xに沿って延伸していると共に、駆動することにより該軸線Xを中心軸として回転することができる駆動軸912と、軸線Xに沿って延伸していて駆動軸912の上端に繋がるように配置されていると共に、上端に油水混合液を投入するための投入口913が開口されている投入管911と、を備えている。
【0008】
導水盤92は、
図5に示されるように、回転ユニット91の投入管911を外嵌するように配置されており、且つ、上壁921と、上壁921の下方に上壁921と間隔をあけて導水通路923を画成するように配置されている下壁922と、から構成されている盤本体925、および、投入管911に近い箇所に形成されている上、導水通路923と連通していると共に分離された水が通過するための第1の溢流孔924を有している主軸シート926、を備えている。
【0009】
筒体ユニット93は、
図5に示されるように、回転ユニット91の駆動軸912と共に回転することができるように配置されていると共に、内側に油水分離空間930を画定している上、駆動軸912に近い箇所にあって分離された油が通過するための第2の溢流孔934が形成されている内筒931と、底部にあって第2の溢流孔934と連通していて分離された油を排出するための排油通路935が形成されている中間筒932と、中間筒932と共に、導水通路923と連通していて分離された水を排出するための排水通路936を画成している外筒933と、を内側から外側へ順に備えている。
【0010】
油水分離ユニット94は、
図5に示されるように、回転ユニット91を取り囲むように配置されている第1の円錐部941と、それぞれ第1の円錐部941の下方および油水分離空間930内に配置されている複数の第2の円錐部942と、を備えている。
【0011】
以下、従来の遠心分離式の油水分離器9を用いた油水分離作業について説明する。
【0012】
まず、廃水である油水混合液を投入管911の投入口913を経由して継続的に注入し、該油水混合液を内筒931の油水分離空間930へ流す。
【0013】
次に、回転ユニット91の駆動軸912を回転駆動して油水分離空間930を内筒931と共に回転させる。すると、その回転からなる遠心力により、油水分離空間930内にある油水混合液における比重の比較的に小さい油が回転ユニット91の方に集まる一方、比重の比較的に大きい水が内筒931の筒壁の方に集まる。
【0014】
そして、後に投入された油水混合液が、油水分離空間930における分離された油および水を押し進めることによって、内筒931の筒壁の方に集まった水が油水分離ユニット94の第1の円錐部941の上端そして第1の溢流孔924へ流れる一方、回転ユニット91の方に集まった油が第2の溢流孔934へ流れる。
【0015】
最後に、該水が導水盤92にある導水通路923を通過して排水通路936により排出される一方、該油が中間筒932の底部にある排油通路935により排出される。これによって、油水混合液の油成分と水成分とが分離される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
しかしながら、上記のような従来の遠心分離式の油水分離器は、油水混合液の油成分と水成分とを分離することができるが、導水盤の盤本体および主軸シートが螺合によって連結されているので、作動時に導水盤が回転ユニットと共に回転されるにつれて、盤本体および主軸シートがよりきつく締められるようになる。
【0018】
したがって、遠心分離式の油水分離器の様々な部材を分解して洗浄する作業において、導水盤の盤本体を主軸シートから取り外す際に、スパナ工具を使用する必要があるので、手間がかかる欠点がある。それだけではなく、導水盤の盤本体と主軸シートとの接合箇所において遠心分離式の油水分離器の作動により発生する雑物が残る場合、取り外しにもっと手間がかかる恐れがある。そのため、遠心分離式の油水分離器の導水盤に関する設計を改善する余地がある。
【0019】
よって、本発明は上記問題点に鑑みて、上記欠点を解決できる油水分離器の分離筒用カバー装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記目的を達成すべく、本発明は以下の分離筒用カバー装置を提供する。
【0021】
即ち、油水分離器の分離筒の上側に取り付けられるシート部材と、前記シート部材に着脱可能に設けられている蓋部材と、を備えている油水分離器の分離筒用カバー装置であって、
前記シート部材は、
円盤状に形成されていると共に、該円盤状の外周面が前記油水分離器の使用状態では略上下方向となされる所定の軸線を取り囲んでおり、且つ、前記軸線に沿って延伸している軸穴と、それぞれ前記軸穴と前記外周面との間に前記軸穴を周る周方向に沿って間隔をあけて形成されている複数の貫通穴と、を備えている本体と、
環状に形成されていると共に、前記本体の上端周縁と繋がるように配置されており、且つ、該環状の外周縁から前記軸線の径方向外向きに突出している少なくとも1つの第1の係合ブロックを有している第1の係合部と、
前記本体の前記外周面の下端部から前記軸線の径方向外向きに突出していて前記シート部材が前記油水分離器の分離筒に対して径方向へ偏ることがないように構成されている位置決め部と、
前記第1の係合部と前記位置決め部との間に介在している係合溝と、を備えており、
前記蓋部材は、
上下両端縁を有するように、前記軸線を取り囲んでいる周壁と、
前記周壁の上端縁と隣接するように形成されて、前記周壁と共に前記第1の係合部を収容している収容空間を画成している上、前記軸穴に対応している箇所において前記軸線に沿って貫通している貫通孔が形成されている上壁と、
環状に形成されていると共に、前記周壁の下端縁と繋がるように配置されており、且つ、該環状の内周縁の周方向に沿って前記第1の係合部の前記第1の係合ブロックが通過することができる少なくとも1つの嵌め込み溝が形成されている第2の係合部と、を備えている分離筒用カバー装置を提供する。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る油水分離器の分離筒用カバー装置によれば、蓋部材における第2の係合部の嵌め込み溝を、シート部材における第1の係合部の第1の係合ブロックが進入することができるように位置を合わせてから、蓋部材を第1の係合ブロックが嵌め込み溝に進入するようにシート部材の方に移動して、そして、蓋部材をシート部材に対して回転して第1の係合ブロックが収容空間において第2の係合部により位置決めされることによって、蓋部材がシート部材に対して軸線に沿って移動できずに固定され得る。
【0023】
よって、蓋部材をシート部材に簡単に着脱することができ、油水分離器の組立・分解をより効率よく実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の一実施形態に係る分離筒用カバー装置の油水分離器における装着状態が示される側面断面図である。
【
図2】該実施形態の分離筒用カバー装置の構成が示される分解斜視図である。
【
図3】該実施形態の分離筒用カバー装置の油水分離器における装着状態が示される部分側面断面図である。
【
図4】
図3におけるIV-IV線に沿った断面が示される断面図である。
【
図5】特許文献1に記載された従来の遠心分離式の油水分離器の構成が示される側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る分離筒用カバー装置100について図面を参照して説明する。
【0026】
図1~
図4を参照して本発明に係る分離筒用カバー装置100の実施形態の構成を説明する。ここで、
図1は本発明の一実施形態に係る分離筒用カバー装置100の油水分離器4における装着状態が示される側面断面図であり、
図2は該実施形態の分離筒用カバー装置100の構成が示される分解斜視図であり、
図3は該実施形態の分離筒用カバー装置100の油水分離器4における装着状態が示される部分側面断面図であり、また、
図4は
図3におけるIV-IV線に沿った断面が示される断面図である。
【0027】
本発明に係る分離筒用カバー装置100は、
図1及び
図2に示されるように、油水分離器4のうちの1つの部品となるものであり、且つ、シート部材20と、シート部材20に着脱可能に設けられている蓋部材10と、3つのロック手段30と、を備えている。
【0028】
油水分離器4は、
図1に示されるように、遠心分離式の油水分離器であり、且つ、分離筒体41と、分離筒体41内部の上側に配置されている第1の円錐部42と、分離筒体41内部に第1の円錐部42の下方に配置されている第2の円錐部43と、それぞれ分離筒体41内部に第2の円錐部43の下方に配置されている複数の導流部44と、を備えている。第1の円錐部42は、
図3に示すように、蓋部材10の内部空間まで通されている複数本の導
管を備えている。
【0029】
該実施形態の分離筒用カバー装置100は、
図1に示されるように、分離筒体41の上側に取り付けられており、且つ、内部に乱流発生構造45が設けられている
。
【0030】
ここで、油水分離器4に関する詳細な内容は、すでに例えば台湾特許第I586417号明細書に開示されたように従来技術であるので、更なる詳細な記載がなくても、同業者であれば、上記の明細書に基づいて利用できると考える。
【0031】
シート部材20は、
図1及び図2に示されるように、
分離筒体41に装着されていると共に、乱流発生構造45及び後述する蓋部材10を位置決めするためのものであり、且つ、円盤状に形成されていると共に、該円盤状の外周面214が油水分離器4の使用状態では略上下方向となされる所定の軸線Lを取り囲んでいる本体21と、本体21の底部から軸線Lに沿って延伸している延伸管22と、環状に形成されていると共に、本体21の上端周縁と繋がるように配置されている第1の係合部23と、本体21の外周面214の下端部から軸線Lの径方向外向きに突出している位置決め部24と、第1の係合部23と位置決め部24との間に介在している係合溝25と、を備えている。
【0032】
本体21は、
図2に示されるように、軸線Lに沿って延伸している軸穴213と、それぞれ軸穴213と外周面214との間に軸穴213を周る周方向に沿って間隔をあけて形成されている複数の貫通穴215と、を備えている。
【0033】
本実施形態では、複数の貫通穴215は、
図2及び
図4に示されるように、軸穴213と外周面214との間に二種に区分されている。
【0034】
一種の貫通穴215は、3つあり、且つそれぞれ軸穴213を周る周方向に沿って間隔をあけて軸穴213と連通するように上から見た断面が扇形状に形成されている。一方、他の一種の貫通穴215は、同じく3つあり、且つそれぞれ隣り合う扇形状の貫通穴215の間に軸穴213と連通しないように上から見た断面が円形状に形成されている。ここで、各種の貫通穴215の数量は、本実施形態における3つに限定されず、他の実施形態において変更することができる。
【0035】
第1の係合部23は、
図2に示されるように、それぞれ該環状の外周縁から軸線Lの径方向外向きに突出している3つの第1の係合ブロック231と、それぞれ第1の係合部23の上面211から下方に延伸するように凹設されている3つの第1のロック孔216と、を有している。
【0036】
蓋部材10は、
図2及び
図3に示されるように、
乱流発生構造45をカバーしているものであり、且つ、上下両端縁を有するように軸線Lを取り囲んでいる周壁12と、周壁12の上端縁と隣接するように形成されて、周壁12と共に第1の係合部23を収容している収容空間14を画成している上壁11と、周壁12の下端縁と繋がるように配置されている第2の係合部13と、を備えている。
【0037】
上壁11は、
図2及び
図3に示されるように、軸穴213に対応している箇所において軸線Lに沿って貫通している貫通孔111が形成されていることに加え、それぞれ第1の係合部23にある3つの第1のロック孔216に対応していると共に、蓋部材10の外側および収容空間14と連通するように、上下方向に延伸している3つの第2のロック孔112が更に備わっている。
【0038】
第2の係合部13は、
図2に示されるように、環状に形成されていると共に、それぞれ該環状の内周縁の周方向に沿って第1の係合部23のいずれかの第1の係合ブロック231が通過することができる3つの嵌め込み溝131と、隣り合う嵌め込み溝131の間に該環状の内周縁の周方向に沿って上壁11と間隔をあけるように軸線Lの径方向内向きに突出している3つの第2の係合ブロック132と、が形成されている。
【0039】
各ロック手段30は、
図2~
図4に示されるように、いずれか1つの第2のロック孔112を経由して対応する第1のロック孔216に螺合締結することによって、蓋部材10をシート部材20に対して回転および移動しないように位置決めするものである。
【0040】
なお、本実施形態では、第1の係合ブロック231と、嵌め込み溝131と、第2の係合ブロック132と、第1のロック孔216と、第2のロック孔112と、ロック手段30とは、
図2及び
図4に示されるように、いずれも3つずつあり且つそれぞれ3つが互いに軸線Lを周る周方向に沿って等間隔に配置されている。
【0041】
勿論、ここで第1の係合ブロック231と、嵌め込み溝131と、第2の係合ブロック132と、第1のロック孔216と、第2のロック孔112と、ロック手段30とのそれぞれの数量は、本実施形態における3つに限定されず、少なくとも1つ設置すれば同様な効果が得られるが、それらの数量が多ければ多いほどより良い保持効果を得ることができる。
【0042】
位置決め部24は、分離筒体41の筒壁と接触していてシート部材20が分離筒体41に対して径方向へ偏ることがないように構成されているものである。
【0044】
以下、本実施形態の分離筒用カバー装置100に関する取り付け作業手順について説明する。
【0045】
第1に、
図1及び
図3に示されるように、シート部材20を分離筒体41の上端側に軸線Lを中心軸とするように設置し、そして乱流発生構造45をシート部材20の上に配置する。
【0046】
第2に、蓋部材10を、第2の係合部13の3つの嵌め込み溝131をそれぞれシート部材20における第1の係合部23の3つの第1の係合ブロック231が進入することができるように位置を合わせる。
【0047】
第3に、蓋部材10をシート部材20の方に第1の係合ブロック231が第2の係合ブロック132と上壁11との間隔に入ることができるまで移動する。
【0048】
第4に、蓋部材10をシート部材20に対して回転することによって、第1の係合ブロック231が第2の係合ブロック132と上壁11との間隔に進入し、蓋部材10のそれぞれの第2のロック孔112が、
図4に示されるように、シート部材20のそれぞれの第1のロック孔216に対応するようになる。
【0049】
第5に、ロック手段30を、第2のロック孔112を経由して対応する第1のロック孔216に螺合締結して、蓋部材10をシート部材20に対して回転および移動しないように位置決めする。それによって、分離筒用カバー装置100の取り付けが完了する。
【0050】
また、油水分離器4に対して洗浄作業や部品交換を行なう場合、ロック手段30を蓋部材10およびシート部材20から取り外してから、蓋部材10をシート部材20に対して第1の係合ブロック231が第2の係合ブロック132に対応する位置から嵌め込み溝131に対応する位置に来るまで回転させることで、蓋部材10をシート部材20から取り外すことができるようになる。
【0051】
よって、本発明に係る油水分離器4の分離筒用カバー装置100の構成によれば、蓋部材10をシート部材20に簡単に着脱することができる。
【0052】
それだけではなく、油水分離器4の作動中にも、分離筒体41の回転につれて、蓋部材10とシート部材20との接合がきつくなることもなく、蓋部材10とシート部材20との接合箇所に雑物がかぶることも防止することができる。このため、油水分離器4の分離筒用カバー装置100の着脱作業をより効率よく実行することができる。
【0053】
上記においては、本発明の全体的な理解を促すべく、多くの具体的な詳細が示された。しかしながら、当業者であれば、一またはそれ以上の他の実施形態が具体的な詳細を示さなくとも実施され得ることが明らかである。
【0054】
以上、本発明の好ましい実施形態及び変化例を説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、最も広い解釈の精神および範囲内に含まれる様々な構成として、全ての修飾および均等な構成を包含するものとする。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、上記のように記載された分離筒用カバー装置によれば、油水分離器の組立・分解の便利さを飛躍的に向上させることができる。そのため、産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0056】
9 遠心分離式の油水分離器
91 回転ユニット
911 投入管
912 駆動軸
913 投入口
92 導水盤
921 上壁
922 下壁
923 導水通路
924 第1の溢流孔
925 盤本体
926 主軸シート
93 筒体ユニット
930 油水分離空間
931 内筒
932 中間筒
933 外筒
934 第2の溢流孔
935 排油通路
936 排水通路
94 油水分離ユニット
941 第1の円錐部
942 第2の円錐部
X 軸線
100 分離筒用カバー装置
10 蓋部材
11 上壁
111 貫通孔
112 第2のロック孔
12 周壁
13 第2の係合部
131 嵌め込み溝
132 第2の係合ブロック
14 収容空間
20 シート部材
21 本体
211 上面
213 軸穴
214 外周面
215 貫通穴
216 第1のロック孔
22 延伸管
23 第1の係合部
231 第1の係合ブロック
24 位置決め部
25 係合溝
30 ロック手段
4 油水分離器
41 分離筒体
42 第1の円錐部
43 第2の円錐部
44 導流部
45 乱流発生構造
L 軸線