(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】サンドイッチの包装体とその包装方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/36 20060101AFI20220920BHJP
B65B 25/16 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
B65D85/36 100
B65B25/16 Z
(21)【出願番号】P 2020061046
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2021-10-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000136387
【氏名又は名称】株式会社フジキカイ
(74)【代理人】
【識別番号】100076048
【氏名又は名称】山本 喜幾
(74)【代理人】
【識別番号】100141645
【氏名又は名称】山田 健司
(72)【発明者】
【氏名】堀田 清文
(72)【発明者】
【氏名】青木 康哲
(72)【発明者】
【氏名】山中 大夢
(72)【発明者】
【氏名】堀田 倫人
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】実開平07-024788(JP,U)
【文献】特開2002-179173(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D85/36
B65B25/16
B65D67/00-79/02
B65D85/50
B65D65/00-65/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋に収容されたサンドイッチの袋口に臨む端面の各辺から延出する延出部を、前記端面に沿うよう折り重ねた包装体であって、
前記端面の第1辺から延出し、前記端面に沿うよう折り曲げた第1の延出部と、
前記端面における前記第1辺と交差する幅方向両側の側辺から延出する夫々の側延出部により形成され、前記第1の延出部の折り曲げにより側延出部が折り重なると共に、前記端面に沿うよう折り曲げられて相互に重なる左右の折り重ね延出部と、
該左右の折り重ね延出部の夫々に形成され、前記端面の前記側辺から離間する位置を、該端面における第1辺の延在方向の端側から前記端面における第1辺と対向する第2辺側に向かうにつれて側辺から離間するよう斜めに延びるように連続して形成された傾斜シール部と、
前記左右の折り重ね延出部の折り曲げにより形成されて前記第2辺から延出し、前記第1の延出部および前記左右の折り重ね延出部と、前記第2辺から延出する第2の延出部とが重なった重なり部を有する重なり延出部と、
前記重なり部におけるサンドイッチの縁部より外側位置に形成されて、前記両傾斜シール部と交差するように幅方向に連続する横シール部とを備え、
前記重なり延出部が前記端面に沿うよう折り曲げられて貼着され、前記サンドイッチの収容部を、前記両傾斜シール部および横シール部で密封した
ことを特徴とするサンドイッチの包装体。
【請求項2】
前記傾斜シール部は、前記折り重ね延出部において、延出部の折り返し縁から前記第2辺を越えた位置まで連続して形成されていることを特徴とする請求項1記載のサンドイッチの包装体。
【請求項3】
前記端面に沿うよう折り重ねた前記左右の両折り重ね延出部において、前記傾斜シール部は互いが交差することなく前記横シール部と交差していることを特徴とする請求項1または2記載のサンドイッチ包装体。
【請求項4】
前記横シール部は、前記端面における第2辺に沿って形成され、
前記重なり延出部は、前記横シール部における第2辺側の縁部を折り曲げ基端として前記端面に沿うよう折り曲げられて、前記第1の延出部または折り重ね延出部に貼着されていることを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載のサンドイッチの包装体。
【請求項5】
袋に収容されたサンドイッチの袋口に臨む端面の各辺から延出する延出部を、前記端面に沿うよう折り重ねた包装体の包装方法であって、
前記端面の第1辺から延出する第1の延出部を、前記端面に沿うよう折り曲げ、
前記端面における前記第1辺と交差する幅方向両側の側辺から延出する夫々の側延出部により形成されて、前記第1の延出部の折り曲げにより側延出部が折り重なる左右の折り重ね延出部の夫々に、前記側辺から離間する位置を、該端面における第1辺の延在方向の端側から前記端面における第1辺と対向する第2辺側に向かうにつれて側辺から離間するよう斜めに延びるように連続して傾斜シール部を形成し、
前記左右の折り重ね延出部を、前記端面に沿うよう折り曲げて相互に重ねることで前記第2辺から延出する重なり延出部を形成し、
該重なり延出部において、前記第1の延出部および前記左右の折り重ね延出部と、前記第2辺から延出する第2の延出部とが重なった重なり部におけるサンドイッチの縁部より外側位置に、前記両傾斜シール部と交差するように幅方向に連続して横シール部を形成して、前記サンドイッチの収容部を、前記両傾斜シール部および横シール部で密封し、
前記重なり延出部を前記端面に沿うよう折り曲げて貼着する
ことを特徴とする包装体の包装方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋に三角形状のサンドイッチを収容して袋口を封止したサンドイッチの包装体とその包装方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンビニエンスストアや食料品店等で袋詰め包装して販売されている三角形状のサンドイッチは、プラスチックフィルムからなる袋の袋口からサンドイッチを収容し、該袋口のフィルムを折り畳んで、粘着テープやラベルなどを貼り付けて封止している。そして、このようなサンドイッチの袋詰め品を得る自動包装装置が提案され、実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
袋詰めされて販売されているサンドイッチの消費期限は、食パンの乾燥や内容物の鮮度保持などの観点から製造時刻からおおむね40時間程度とされて、該時間を過ぎた商品の販売は行われることなく処分されるなど、厳しく管理されている。このような商品管理により、日々多くの商品ロスが発生するばかりでなく、環境への問題も指摘される。このように、サンドイッチの消費期限は、製造者からコンビニエンスストアなどの店頭に並ぶ流通時間を含めると短く、限られた時間内での販売が求められている。前記した従来技術に係る自動包装装置により袋口を封止して得られた包装体では、前記した消費期限に留まり、サンドイッチの鮮度低下を抑制し、消費期限を延長することができる包装体の提案が製造者から希求されている。
【0005】
本発明は、袋詰めしたサンドイッチの消費期限を延長可能なサンドイッチの包装体とその包装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の請求項1に係る発明のサンドイッチの包装体は、
袋(11)に収容されたサンドイッチ(12)の袋口(11a)に臨む端面(13)の各辺(13a,13b,13c,13d)から延出する延出部(14,15,16,17)を、前記端面(13)に沿うよう折り重ねた包装体であって、
前記端面(13)の第1辺(13a)から延出し、前記端面(13)に沿うよう折り曲げた第1の延出部(14)と、
前記端面(13)における前記第1辺(13a)と交差する幅方向両側の側辺(13c,13d)から延出する夫々の側延出部(16,17)により形成され、前記第1の延出部(14)の折り曲げにより側延出部(16,17)が折り重なると共に、前記端面(13)に沿うよう折り曲げられて相互に重なる左右の折り重ね延出部(18,19)と、
該左右の折り重ね延出部(18,19)の夫々に形成され、前記端面(13)の前記側辺(13c,13d)から離間する位置を、該端面(13)における第1辺(13a)の延在方向の端側から前記端面(13)における第1辺(13a)と対向する第2辺(13b)側に向かうにつれて側辺(13c,13d)から離間するよう斜めに延びるように連続して形成された傾斜シール部(20)と、
前記左右の折り重ね延出部(18,19)の折り曲げにより形成されて前記第2辺(13b)から延出し、前記第1の延出部(14)および前記左右の折り重ね延出部(18,19)と、前記第2辺(13b)から延出する第2の延出部(15)とが重なった重なり部(21a)を有する重なり延出部(21)と、
前記重なり部(21a)におけるサンドイッチ(12)の縁部より外側位置に形成されて、前記両傾斜シール部(20,20)と交差するように幅方向に連続する横シール部(22)とを備え、
前記重なり延出部(21)が前記端面(13)に沿うよう折り曲げられて貼着され、前記サンドイッチ(12)の収容部を、前記両傾斜シール部(20,20)および横シール部(22)で密封したことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、左右の折り重ね延出部に形成した傾斜シール部と交差するように延出部が重なる重なり部に横シール部を形成しているので、サンドイッチの収容部を密封することができ、サンドイッチのパンの乾燥を抑制すると共にサンドされる具材(食品)の鮮度保持期限を従来の包装形態より長くすることができるので、サンドイッチの製造から販売終了までに至る消費期限を延長することができる。
【0007】
請求項2に係る発明では、前記傾斜シール部(20)は、前記折り重ね延出部(18,19)において、側延出部(16,17)の折り返し縁(18a,19a)から前記第2辺(13b)を越えた位置まで連続して形成されていることを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、両傾斜シール部によって得られる左右の密封(閉鎖)区域と、外側の密封(閉鎖)区域とによる3区画に独立した密封(閉鎖)区域により密封状態を形成して、密封性の高い包装状態を得ることができる。
【0008】
請求項3に係る発明では、前記端面(13)に沿うよう折り重ねた前記左右の両折り重ね延出部(18,19)において、前記傾斜シール部(20,20)は互いが交差することなく前記横シール部(22)と交差したことを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、横シール部が波を打ったり、密封不良を招いたりすることなく良いシール条件にて横シール部を形成して、密封性の高い包装体を得ることができる。
【0009】
請求項4に係る発明では、前記横シール部(22)は、前記端面(13)における第2辺(13b)に沿って形成され、
前記重なり延出部(21)は、前記横シール部(22)における第2辺(13b)側の縁部を折り曲げ基端として前記端面(13)に沿うよう折り曲げられて、前記第1の延出部(14)または折り重ね延出部(18,19)に貼着されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、横シール部によって、第2辺から外方に延出する重なり延出部を、サンドイッチの端面に対して折り曲げる際の折り曲げを補助して、第2辺から外方に延出する延出部がサンドイッチの表面に対してだぶつくことなく折り重ねた状態にして良好な包装状態に仕上げることができる。
【0010】
本願の請求項5に係る発明の食品の包装体の包装方法は、
袋(11)に収容されたサンドイッチ(12)の袋口(11a)に臨む端面(13)の各辺(13a,13b,13c,13d)から延出する延出部(14,15,16,17)を、前記端面(13)に沿うよう折り重ねた包装体の包装方法であって、
前記端面(13)の第1辺(13a)から延出する第1の延出部(14)を、前記端面(13)に沿うよう折り曲げ、
前記端面(13)における前記第1辺(13a)と交差する幅方向両側の側辺(13c,13d)から延出する夫々の側延出部(16,17)により形成されて、前記第1の延出部(14)の折り曲げにより側延出部(16,17)が折り重なる左右の折り重ね延出部(18,19)の夫々に、前記側辺(13c,13d)から離間する位置を、該端面(13)における第1辺(13a)の延在方向の端側から前記端面(13)における第1辺(13a)と対向する第2辺(13b)側に向かうにつれて側辺(13c,13d)から離間するよう斜めに延びるように連続して傾斜シール部(20)を形成し、
前記左右の折り重ね延出部(18,19)を、前記端面(13)に沿うよう折り曲げて相互に重ねることで前記第2辺(13b)から延出する重なり延出部(21)を形成し、
該重なり延出部(21)において、前記第1の延出部(14)および前記左右の折り重ね延出部(18,19)と、前記第2辺(13b)から延出する第2の延出部(15)とが重なった重なり部(21a)におけるサンドイッチ(12)の縁部より外側位置に、前記両傾斜シール部(20,20)と交差するように幅方向に連続して横シール部(22)を形成して、前記サンドイッチ(12)の収容部を、前記両傾斜シール部(20,20)および横シール部(22)で密封し、
前記重なり延出部(21)を前記端面(13)に沿うよう折り曲げて貼着することを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、サンドイッチの消費期限を延長可能な、密封性に優れたサンドイッチの包装体を製造することができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、サンドイッチの収容部がだぶついた包装状態となることなく、密封状態にするシールを施してシール部を形成したことで具材(食品)をサンドする食パンの乾燥が抑制され、サンドイッチの製造から販売終了までに至る消費期限を延長することができると共に、袋口のフィルムの折曲げ辺付近が膨らんでサンドイッチ端面から折曲げフィルムが浮き上がって重なるようなことがない、袋口の折り畳みフィルムがサンドイッチ端面に密着した包装体と、該包装体の包装方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施例に係る三角サンドイッチの包装工程を示す概略斜視図である。
【
図2】第1のフィルム延出部を折り曲げて左右の折り重ね延出部をシールした状態を示す説明図である。
【
図3】左右の折り重ね延出部をサンドイッチの端面に折り重ねて密封した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明に係るサンドイッチの包装体とその包装方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。
【実施例】
【0014】
図1は、実施例に係る三角サンドイッチの包装体の包装工程を示す概略斜視図であって、該包装体10は、透明フィルム等のシート状の包装材からなる袋11に、三角サンドイッチ12が収容されて、袋口11aに臨む三角サンドイッチ12の端面13の各辺13a,13b,13c,13dから外方へ延出するフィルム延出部14,15,16,17を、端面13に沿わせて折り重ね、その折り重ね部が粘着テープなどの貼着材23で止着されて封止されたサンドイッチの袋詰包装体である。袋11は、略三角形状に形成された二軸延伸ポリプロピレンフィルムからなる熱溶着性で厚みが30~40μの透明フィルムのシート材が重ね合わされ、袋口11aを除く周囲が溶断シール11bされて、袋口11aの反対側に開封ノッチなどが形成された舌片11cが設けられる。
【0015】
図1(a),(b)に示す如く、前記包装体10は、前記袋11に一方の鋭角部を先にして袋口11aから三角サンドイッチ12が収容されて、該三角サンドイッチ12における袋口11aに臨む四角形状の端面13の各辺13a,13b,13c,13dから延出する4つのフィルム延出部14,15,16,17の内、端面13における幅方向に延在する一方の第1辺13a(包装体10を販売する際に底面側となる辺)から延出する第1のフィルム延出部(第1の延出部)14が、端面13に沿うよう折り曲げられている。そして、端面13における幅方向両側の側辺13c,13dから延出する第3および第4のフィルム延出部(側延出部)16,17により形成されて、第1のフィルム延出部14の折り曲げによってフィルム延出部16,17が折り返されて重なるように形成された左右の折り重ね延出部18,19の夫々に、端面13の側辺13c,13dから離間する位置を、端面13における第1辺13aの延在方向の各端側から端面13における第1辺13aと対向する他方の第2辺13b側に向けて、斜めに連続して延びる直線状の傾斜シール部20が形成されている。傾斜シール部20は、折り重ね延出部18,19が三角サンドイッチ12の側面に沿って延出する状態で、端面13の対応する側辺13c,13dに対して外側へ(僅かに)傾斜して形成される。これにより、傾斜シール部20は、第1辺13aの端部近傍から第2辺13b側に向かうにつれて側辺13c,13dから離間するように斜めに延び、前記左右の折り重ね延出部18,19のフィルム延出部16,17が折り重なる領域において、最も長いシール長さによりシール形成される。この傾斜シール部20の傾斜角度は、前記端面13に沿うよう左右の折り重ね延出部18,19を折り曲げた状態で、側辺13c,13dから大きく離間しない僅かな値に設定され、コンビニやスーパーなどで販売される平均的なサンドイッチを包装するのに用いられる袋サイズである場合では、略10度前後の傾斜に設定されることが好ましい。
図2、
図3に示す如く、傾斜シール部20は、少なくとも三角サンドイッチ12における第1辺13aの角部24に至ることなく、角部近傍となる、折り重ね延出部18,19における第1辺13a側の折り返し縁18a,19aから前記第2辺13bを越える位置までに亘り、重なり領域の終端まで連続して形成される。
【0016】
図1(c)および
図3に示す如く、前記包装体10は、前記左右の折り重ね延出部18,19が、前記三角サンドイッチ12の前記端面13に沿うよう交互に折り曲げられて、既に折り曲げられている前記第1のフィルム延出部14に重なると共に、両折り重ね延出部18,19も所定領域で相互に重なる。なお、両折り重ね延出部18,19を折り重ねた状態で、各折り重ね延出部18,19に形成された両傾斜シール部20,20は互いに交差しない関係で位置する。また、端面13に沿うよう折り曲げられた第1のフィルム延出部14の開放端部は、所定長さで前記第2辺13bより外方に延出する。そして、左右の折り重ね延出部18,19を折り曲げにより形成されて第2辺13bから略三角状で延出する重なり延出部21は、第2辺13bから延出する第2のフィルム延出部(第2の延出部)15と、第1のフィルム延出部14における第2辺13bから延出する部分とが重なり合った重なり部21aを有し、該重なり部21aにおける三角サンドイッチ12の縁部より外側位置で、重なり延出部21を横断する横シール部22が幅方向に連続して形成され、該横シール部22は、前記両傾斜シール部20,20と交差する。重なり延出部21は、第2辺13bに沿って形成された横シール部22の内側(第2辺側)の縁部を折り曲げ基端として端面13に沿うよう折り曲げられ、既に折り曲げられている左右の折り重ね延出部18,19の表面に折り重ねられて、第1のフィルム延出部14に対して粘着テープやラベルなどの貼着材23で貼着されて封止される。
【0017】
実施例の包装体10は、前記左右の折り重ね延出部18,19に形成した両傾斜シール部20,20と交差するように重なり延出部21に横シール部22を形成しているので、三角サンドイッチ12の収容部を、両傾斜シール部20,20および横シール部22によって密封することができるから、三角サンドイッチ12の食パンの乾燥が抑制され、袋詰めされた従来のサンドイッチの包装体に対して製造から販売終了までに至る消費期限を延長することができる。試験結果において、当包装体と従来の包装体とでパンの乾燥程度を比較した結果において、従来の略20パーセント改善される好結果を得ることができた。また、左右の折り重ね延出部18,19に形成した各傾斜シール部20,20は、折り重ね延出部18,19における第1辺側の折り返し縁18a,19aから、前記端面13の第2辺13bを越えた位置までの、第3のフィルム延出部16または第4のフィルム延出部17においてフィルムが折り重なった領域の全長に亘って形成され、横シール部22と交差しているので、両傾斜シール部20,20間の区域と、各傾斜シール部20より折り重ね延出部18,19の側辺側の区域とは空間的に分断されて、夫々が密封(閉鎖)区域として独立しており、これら3区画に独立した密封(閉鎖)区域により密封状態を形成して、密封性の高い包装状態を得ることができる。また、端面13に沿って折り重ねた左右の折り重ね延出部18,19に形成された両傾斜シール部20,20は相互に交差していないので、横シール部22が波を打ったり、密封不良を招いたりすることなく良いシール条件にて横シール部22を形成して、密封性の高い包装体を得ることができる。更に、横シール部22は、端面13における第2辺13bの外側に近接して該第2辺13bに沿って形成されているので、横シール部22によって重なり延出部21の折り曲げが補助できると共に、該重なり延出部21が三角サンドイッチ12の表面に対してだぶつくことなく折り重ねた状態にして良好な包装状態(綺麗)に仕上がる。
【0018】
次に、前記包装体10の包装方法について説明する。
図1(a)に示す如く、前記袋11における開放された袋口11aから、三角サンドイッチ12を、一方の鋭角部を先にして収容する。
図2(b)に示す如く、三角サンドイッチ12における袋口11aに臨む前記端面13の第1辺13aから延出する第1のフィルム延出部14を、第1辺13aを基準として端面13に向けて折り曲げる。そして、第1のフィルム延出部14の折り曲げによって、端面13における左右の側辺13c,13dから延出する第3および第4のフィルム延出部16,17が夫々折り返されて重なって形成された左右の折り重ね延出部18,19の夫々に、第1辺13aの延在方向の各端側から端面13の第2辺13b側に向けて、端面13の側辺13c,13dから離間する位置を斜めに直線状に延びるように、重なっているフィルムをシールバーなどの溶着手段で両側から挟んで溶着して連続する傾斜シール部20を形成する。この傾斜シール部20は、端面13の左右の側辺13c,13dに対して外側へ僅か(例えば、略10度)に傾斜すると共に、少なくとも三角サンドイッチ12における第1辺13a側の角部24に至ることなく、角部近傍となる、折り重ね延出部18,19における第1辺13a側の折り返し縁18a,19aから、前記端面13の第2辺13bを越えた位置までに亘って形成する。
【0019】
次に、
図1(c)および
図3に示す如く、前記左右の折り重ね延出部18,19の一方の折り重ね延出部18を、前記端面13の対応する側辺13cを基準として端面13に沿うよう折り曲げ、既に折り曲げられている第1のフィルム延出部14に重ねる。その後、他方の折り重ね延出部19を、対応する側辺13dを基準として端面13に沿うよう折り曲げて、一方の折り重ね延出部19に所定領域で相互に重ね合わせる。両折り重ね延出部18,19を折り重ねることで、該折り重ね延出部18,19と、端面13の第2辺13bから延出する第2のフィルム延出部15と、前記第1のフィルム延出部14の第2辺13bから延出する部分とが重なる重なり部21aを有し、該第2辺13bから延出する略三角形状の重なり延出部21が形成される。この重なり延出部21において、第1および第2のフィルム延出部14,15および折り重ね延出部18,19の重なり部21aにおける三角サンドイッチ12の縁部より外側位置で、前記両傾斜シール部20,20と交差するように重なり延出部21を横断するように、シールバーなどの溶着手段によって重なっているフィルムを挟んで溶着して連続する横シール部22を形成する。そして、重なり延出部21を、横シール部22における内側(第2辺13b側)の縁部を折り曲げ基端として端面13に沿うよう折り曲げ、既に折り曲げられている左右の折り重ね延出部18,19や第1のフィルム延出部14に重なり延出部21をテープやラベルなどの貼着材23で貼着することで、包装体10が得られる(
図1(d)参照)。
【0020】
前記傾斜シール部20,20は、折り重ね延出部18,19において、三角サンドイッチ12の角部近傍から斜めに直線状に連続して延びるように形成されるので、左右の折り重ね延出部18,19を三角サンドイッチ12の端面13に向けて折り曲げる際に、傾斜シール部20,20が折り重ね延出部18,19をフラットにまとめた状態に保形して折り曲げることができるので、第1のフィルム延出部14と重なる重なり部分の重なり状態がズレて幾重にもシワ状に重なって密着状態とならずに浮き上がったりすることなく、折り曲げを良好に行うことができる。また、折り重ねた折り重ね延出部18,19が膨らんだり浮き上がってシワ状とならないので、横シール部22を形成する際にシワが寄った状態でシールされてしまうのを防ぐことができる。また、傾斜シール部20,20は、第1辺側から第2辺側に向かうにつれて端面13の側辺13c,13dから離間するように斜めに形成されているので、左右の折り重ね延出部18,19を三角サンドイッチ12の端面13に沿うよう折り重ねる際に、折り重ね延出部18,19における第1辺側と第2辺側との内側の回り長さに差が生じて、第1辺側の左右の角部のフィルムが内側に引っ張られてシワが生じることがない。更に、傾斜シール部20,20は、三角サンドイッチ12における端面13の側辺13c,13dから離間しているので、前記重なり延出部21の基部を溶着して横シール部22を形成する際に、三角サンドイッチ12の第2辺側の左右の袋角部にシールされて硬化したフィルム部位が位置していないので、左右の折り重ね延出部18,19を折り曲げる際にその硬化フィルム部が、折り重ね延出部18,19の折り曲げを阻害したり、三角サンドイッチ12のパンの表面を傷つけたり、折曲げ基端部が表面側に膨れ上がってしまうなどにより、折り重ね延出部18,19がだぶついて折り重なることがないので、シール不良が生じて密封性が損なわれるのを防ぐことができる。すなわち、実施例の包装方法によれば、三角サンドイッチ12の袋詰め包装において、前記袋11における袋口11aのフィルム延出部14,15,16,17の折り曲げを良好になし得ると共に、折り曲げ過程でシワになったフィルムが見栄えに影響して商品価値を損ねたり、包装シワの影響でシール不良が生じたりしない包装品となるように、三角サンドイッチ12を密封するように包装することができる。なお、前記端面13に向けて折り曲げた第1のフィルム延出部14を、端面13から少し浮かせて(離間して)支持するようにしてもよい。このように、端面13から浮かした第1のフィルム延出部14を外側から支持しておくことで、左右の折り重ね延出部18,19を端面13に沿うよう折り重ねるときの内側になるフィルムの弛み量を少なくでき、折り重ねを良好に行うことができる。
【0021】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。また、以下の変更例に限らず、実施例に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1) 傾斜シール部20は、横シール部22と交差する条件および傾斜シール部20,20が互いに交差しない条件を満たせば、折り重ね延出部18,19における第1辺側の折り返し縁18a,19aから第2辺側に向けて所定長さで連続してフィルム延出部(フィルム)15,16が直線状に溶着されるものであれば、フィルム延出部16,17の重なり領域の全長に亘って延在していなくてもよい。
(2) 横シール部22は、重なり延出部21を三角サンドイッチ12の端面13に沿うよう折り曲げる際の折り曲げ基点となるよう、幅狭のシールを、端面13の第2辺13bに近接した外側位置に形成されることが最も好ましいが、第2辺13bから外側に所定間隔離間した位置で、両傾斜シール部20,20と交差するように形成されていればよい。
(3) 各シール部20,22は、熱シールに限らず、超音波シールなどのシール方式により溶着されるものであればよい。また、傾斜シール部20を熱溶着シールとして、横シール部22のみを超音波シールとしてもよい。
【符号の説明】
【0022】
11 袋,11a 袋口,12 三角サンドイッチ,13 端面,13a 第1辺
13b 第2辺,13c 側辺,13d 側辺
14 第1のフィルム延出部(第1の延出部)
15 第2のフィルム延出部(第2の延出部),16 第3のフィルム延出部(側延出部)
17 第4のフィルム延出部(側延出部),18,19 折り重ね延出部
20 傾斜シール部,21 重なり延出部,21a 重なり部,22 横シール部