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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】バルブユニット及び温度制御装置
(51)【国際特許分類】
   G05D 7/06 20060101AFI20220920BHJP
【FI】
G05D7/06 Z
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020562058
(86)(22)【出願日】2018-12-27
(86)【国際出願番号】 JP2018048186
(87)【国際公開番号】W WO2020136818
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2021-07-05
(73)【特許権者】
【識別番号】594185097
【氏名又は名称】伸和コントロールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100164688
【弁理士】
【氏名又は名称】金川 良樹
(72)【発明者】
【氏名】小野 茂彦
(72)【発明者】
【氏名】市山 亮二
【審査官】今井 貞雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-105359(JP,A)
【文献】特開2014-098954(JP,A)
【文献】特開2001-065013(JP,A)
【文献】国際公開第2018/221233(WO,A1)
【文献】特開2018-084259(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1流入口に流入する第1の流体を通流させて第1流出口から流出させる第1供給流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第1供給流路における前記第1の流体の通流及び遮断を切り替える第1供給側電磁切替弁と、
前記第1供給流路の前記第1供給側電磁切替弁よりも上流側の部分から分岐し、前記第1供給流路から流入する前記第1の流体を通流させる第1分岐流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第1分岐流路における前記第1の流体の通流及び遮断を切り替える第1分岐側電磁切替弁と、
第2流入口に流入する第2の流体を通流させて第2流出口から流出させる第2供給流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第2供給流路における前記第2の流体の通流及び遮断を切り替える第2供給側電磁切替弁と、
前記第2供給流路の前記第2供給側電磁切替弁よりも上流側の部分から分岐し、前記第2供給流路から流入する前記第2の流体を通流させる第2分岐流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第2分岐流路における前記第2の流体の通流及び遮断を切り替える第2分岐側電磁切替弁と、
前記第1流出口から流出して所定領域を経由した後に戻る前記第1の流体又は前記第2流出口から流出して所定領域を経由した後に戻る前記第2の流体を受け入れる受け入れ流路と、
前記受け入れ流路から二股に分岐する第1循環流路及び第2循環流路と、
前記第1循環流路の開状態及び閉状態を切り替える第1循環側電磁切替弁と、
前記第2循環流路の開状態及び閉状態を切り替える第2循環側電磁切替弁と、を備え
前記第1の流体を前記第1流出口から流出させる際に、前記第1供給側電磁切替弁及び前記第1循環側電磁切替弁が開状態となるとともに、前記第1分岐側電磁切替弁が閉状態となり、且つ、前記第2供給側電磁切替弁及び前記第2循環側電磁切替弁が閉状態となるとともに、前記第2分岐側電磁切替弁が開状態となり、
前記第2の流体を前記第2流出口から流出させる際に、前記第2供給側電磁切替弁及び前記第2循環側電磁切替弁が開状態となるとともに、前記第2分岐側電磁切替弁が閉状態となり、且つ、前記第1供給側電磁切替弁及び前記第1循環側電磁切替弁が閉状態となるとともに、前記第1分岐側電磁切替弁が開状態となる、バルブユニット。
【請求項2】
第1流入口に流入する第1の流体を通流させて第1流出口から流出させる第1供給流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第1供給流路における前記第1の流体の通流及び遮断を切り替える第1供給側電磁切替弁と、
前記第1供給流路の前記第1供給側電磁切替弁よりも上流側の部分から分岐し、前記第1供給流路から流入する前記第1の流体を通流させる第1分岐流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第1分岐流路における前記第1の流体の通流及び遮断を切り替える第1分岐側電磁切替弁と、
第2流入口に流入する第2の流体を通流させて第2流出口から流出させる第2供給流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第2供給流路における前記第2の流体の通流及び遮断を切り替える第2供給側電磁切替弁と、
前記第2供給流路の前記第2供給側電磁切替弁よりも上流側の部分から分岐し、前記第2供給流路から流入する前記第2の流体を通流させる第2分岐流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第2分岐流路における前記第2の流体の通流及び遮断を切り替える第2分岐側電磁切替弁と、
前記第1流出口から流出して所定領域を経由した後に戻る前記第1の流体又は前記第2流出口から流出して所定領域を経由した後に戻る前記第2の流体を受け入れる受け入れ流路と、
前記受け入れ流路から二股に分岐する第1循環流路及び第2循環流路と、
前記第1循環流路の開状態及び閉状態を切り替える第1循環側電磁切替弁と、
前記第2循環流路の開状態及び閉状態を切り替える第2循環側電磁切替弁と、
前記第1流出口及び前記第2流出口と接続する接続口と、外部に開口する端口とを有する供給側共通流路と、
前記第1供給流路において前記第1供給側電磁切替弁よりも下流側に配置され、前記第1流出口から前記第1供給側電磁切替弁に向けた前記第1の流体の通流を抑制する第1逆止弁と、
前記第2供給流路において前記第2供給側電磁切替弁よりも下流側に配置され、前記第2流出口から前記第2供給側電磁切替弁に向けた前記第2の流体の通流を抑制する第2逆止弁と、を備える、バルブユニット。
【請求項3】
第1流入口に流入する第1の流体を通流させて第1流出口から流出させる第1供給流路と、
第2流入口に流入する第2の流体を通流させて第2流出口から流出させる第2供給流路と、
前記第1流出口と接続して前記第1の流体を受け入れる第1流体流入ポートと、前記第2流出口と接続して前記第2の流体を受け入れる第2流体流入ポートと、供給側流出ポートとを有し、前記第1流体流入ポートと前記供給側流出ポートとの流体的接続及び前記第2流体流入ポートと前記供給側流出ポートとの流体的接続を切り替える供給側流路切替三方弁と、
前記第1供給流路から分岐し、前記第1供給流路から流入する前記第1の流体を通流させる第1分岐流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第1分岐流路における前記第1の流体の通流及び遮断を切り替える第1分岐側電磁切替弁と、
前記第2供給流路から分岐し、前記第2供給流路から流入する前記第2の流体を通流させる第2分岐流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第2分岐流路における前記第2の流体の通流及び遮断を切り替える第2分岐側電磁切替弁と、
前記供給側流出ポートから流出して所定領域を経由した後に戻る前記第1の流体又は前記第2の流体を受け入れる循環側流入ポートと、第1流出ポートと、第2流出ポートとを有し、前記循環側流入ポートと前記第1流出ポートとの流体的接続及び前記循環側流入ポートと前記第2流出ポートとの流体的接続を切り替える循環側流路切替三方弁と、
前記第1流出ポートに接続される第1循環流路と、
前記第2流出ポートに接続される第2循環流路と、
を備え、
前記第1の流体を前記供給側流出ポートから流出させる際に、
前記供給側流路切替三方弁は、前記第1流体流入ポートと前記供給側流出ポートとを流体的に接続し、前記第2流体流入ポートと前記供給側流出ポートとを流体的に遮断し、
前記循環側流路切替三方弁は、前記循環側流入ポートと前記第1流出ポートとを流体的に接続し、前記循環側流入ポートと前記第2流出ポートとを流体的に遮断し、
前記第1分岐側電磁切替弁が閉状態となり、前記第2分岐側電磁切替弁は開状態となり、
前記第2の流体を前記供給側流出ポートから流出させる際に、
前記供給側流路切替三方弁は、前記第1流体流入ポートと前記供給側流出ポートとを流体的に遮断し、前記第2流体流入ポートと前記供給側流出ポートとを流体的に接続し、
前記循環側流路切替三方弁は、前記循環側流入ポートと前記第1流出ポートとを流体的に遮断し、前記循環側流入ポートと前記第2流出ポートとを流体的に接続し、
前記第1分岐側電磁切替弁が開状態となり、前記第2分岐側電磁切替弁は閉状態となる、バルブユニット。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のバルブユニットと、
第1の温度に温度制御した前記第1の流体を前記第1流入口に供給し、前記第1分岐流路の下流口又は前記第1循環流路の下流口から流出した前記第1の流体を受け入れて前記第1の温度に温度制御する第1温度制御ユニットと、
前記第1の温度とは異なる第2の温度に温度制御した前記第2の流体を前記第2流入口に供給し、前記第2分岐流路の下流口又は前記第2循環流路の下流口から流出した前記第2の流体を受け入れて前記第2の温度に温度制御する第2温度制御ユニットと、を備える、温度制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の弁によって流体の流れを切り替えるバルブユニット及びこれを備える温度制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造時に基板に塗布されるレジスト等をプラズマエッチングによって除去するプラズマ処理装置が従来から知られている。プラズマ処理装置は、基板を保持する基板保持部と、高周波電力を印加してプラズマを発生させる高周波電源とを備える。このようなプラズマ処理装置には、通常、基板保持部の温度を温度制御する装置が付設されており、当該装置によって基板保持部上の基板が所望温度に調整される。
【0003】
上述の基板保持部のような部材を温度制御する装置として、例えばJP2013-105359Aには、低温流路から供給される第1の温度に調温された液体と、高温流路から供給される第2の温度に調温された液体と、バイパス流路から供給される液体と、を合流させて調温部に供給する温度制御システムが開示されている。この温度制御システムでは、複数の調温部のそれぞれに低温流路、高温流路及びバイパス流路を接続することで、複数の温度制御対象領域を温度制御することが可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
温度制御対象物は、比較的広い温度範囲内で高温から低温へ又は低温から高温へ温度制御される場合がある。例えばプラズマエッチングでは、このような温度制御の実施が望まれる場合があり、これを迅速に且つ高精度に行うことでスループットを向上させることができる。
【0005】
しかしながら、特許文献1の温度制御システムで使用される可変バルブは、印加する電流の値に応じて開度を調整する電磁比例弁であるため、開閉の切り換えを迅速に実施できるとは言い難い。
【0006】
また、電磁比例弁の弁座の口径は一般に比較的小さいため、大流量の液体の制御に用いられる際には、特に閉状態において漏れが生じ易い。そのため、特許文献1のシステムでは、流体の流量が大流量である場合、例えば高温流路の可変バルブから供給中の流体に他の可変バルブから漏れ出した流体が混ざり得ることで、精密な温度制御を実施できない虞がある。
【0007】
本発明は上記実情を考慮してなされたものであり、異なる温度の流体を迅速に切り換えて供給できるとともに、供給する流体の温度変動を抑制できるバルブユニット及びこれを備える温度制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施の形態によるバルブユニットは、
第1流入口に流入する第1の流体を通流させて第1流出口から流出させる第1供給流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第1供給流路における前記第1の流体の通流及び遮断を切り替える第1供給側電磁切替弁と、
前記第1供給流路の前記第1供給側電磁切替弁よりも上流側の部分から分岐し、前記第1供給流路から流入する前記第1の流体を通流させる第1分岐流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第1分岐流路における前記第1の流体の通流及び遮断を切り替える第1分岐側電磁切替弁と、
第2流入口に流入する第2の流体を通流させて第2流出口から流出させる第2供給流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第2供給流路における前記第2の流体の通流及び遮断を切り替える第2供給側電磁切替弁と、
前記第2供給流路の前記第2供給側電磁切替弁よりも上流側の部分から分岐し、前記第2供給流路から流入する前記第2の流体を通流させる第2分岐流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第2分岐流路における前記第2の流体の通流及び遮断を切り替える第2分岐側電磁切替弁と、
前記第1流出口から流出して所定領域を経由した後に戻る前記第1の流体又は前記第2流出口から流出して所定領域を経由した後に戻る前記第2の流体を受け入れる受け入れ流路と、
前記受け入れ流路から二股に分岐する第1循環流路及び第2循環流路と、
前記第1循環流路の開状態及び閉状態を切り替える第1循環側電磁切替弁と、
前記第2循環流路の開状態及び閉状態を切り替える第2循環側電磁切替弁と、
を備える。
【0009】
他の実施の形態によるバルブユニットは、
第1流入口に流入する第1の流体を通流させて第1流出口から流出させる第1供給流路と、
第2流入口に流入する第2の流体を通流させて第2流出口から流出させる第2供給流路と、
前記第1流出口と接続して前記第1の流体を受け入れる第1流体流入ポートと、前記第2流出口と接続して前記第2の流体を受け入れる第2流体流入ポートと、供給側流出ポートとを有し、前記第1流体流入ポートと前記供給側流出ポートとの流体的接続及び前記第2流体流入ポートと前記供給側流出ポートとの流体的接続を切り替える供給側流路切替三方弁と、
前記第1供給流路から分岐し、前記第1供給流路から流入する前記第1の流体を通流させる第1分岐流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第1分岐流路における前記第1の流体の通流及び遮断を切り替える第1分岐側電磁切替弁と、
前記第2供給流路から分岐し、前記第2供給流路から流入する前記第2の流体を通流させる第2分岐流路と、
開状態及び閉状態の切り替えにより、前記第2分岐流路における前記第2の流体の通流及び遮断を切り替える第2分岐側電磁切替弁と、
前記供給側流出ポートから流出して所定領域を経由した後に戻る前記第1の流体又は前記第2の流体を受け入れる循環側流入ポートと、第1流出ポートと、第2流出ポートとを有し、前記循環側流入ポートと前記第1流出ポートとの流体的接続及び前記循環側流入ポートと前記第2流出ポートとの流体的接続を切り替える循環側流路切替三方弁と、
前記第1流出ポートに接続される第1循環流路と、
前記第2流出ポートに接続される第2循環流路と、
を備える。
【0010】
一実施の形態による温度制御装置は、前記のバルブユニットと、第1の温度に温度制御した前記第1の流体を前記第1流入口に供給し、前記第1分岐流路の下流口又は前記第1循環流路の下流口から流出した前記第1の流体を受け入れて前記第1の温度に温度制御する第1温度制御ユニットと、前記第1の温度とは異なる第2の温度に温度制御した前記第2の流体を前記第2流入口に供給し、前記第2分岐流路の下流口又は前記第2循環流路の下流口から流出した前記第2の流体を受け入れて前記第2の温度に温度制御する第2温度制御ユニットと、を備える。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、異なる温度の流体(第1の流体と第2の流体)を迅速に切り換えて供給できるとともに、供給する流体の温度変動を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1の実施の形態に係るバルブユニットを備える温度制御装置の概略図である。
図2図1に示す温度制御装置の動作を説明する図である。
図3図1に示す温度制御装置の動作を説明する図である。
図4】第1の実施の形態に係るバルブユニットに設けられる弁として用いられ得るパイロットキック式電磁弁の断面図である。
図5】本発明の第2の実施の形態に係るバルブユニットを備える温度制御装置の概略図である。
図6図5に示す温度制御装置の動作を説明する図である。
図7図5に示す温度制御装置の動作を説明する図である。
図8】本発明の第3の実施の形態に係るバルブユニットの概略図である。
図9】本発明の第4の実施の形態に係るバルブユニットの概略図である。
図10】本発明の第5の実施の形態に係るバルブユニットの概略図である。
図11】本発明の第6の実施の形態に係るバルブユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、添付の図面を参照して、本発明の各実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
<<第1の実施の形態>>
図1は、第1の実施の形態に係るバルブユニット30を備える温度制御装置1の概略図である。この温度制御装置1は、例えば、半導体製造時に基板に塗布されるレジストをプラズマエッチングによって除去するプラズマ処理装置の基板保持部を温度制御して当該基板保持部に保持された基板を所望の温度に温度制御する目的で用いられる。ただし、本発明の用途は特に限られるものではない。
【0015】
<温度制御装置の概略構成>
まず、本実施の形態に係る温度制御装置1の概略構成について説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施の形態に係る温度制御装置1は、第1の温度に温度制御した第1の流体を通流させる第1流体流路11を有する第1温度制御ユニット10と、第2の温度に温度制御した第2の流体を通流させる第2流体流路21を有する第2温度制御ユニット20と、第1流体流路11に流体的に接続されるとともに第2流体流路21に流体的に接続されるバルブユニット30と、バルブユニット30から流出する流体を通流させて、当該流体によって所定の部材、例えば上述のプラズマ処理装置における基板保持部を温度制御した後、バルブユニット30に戻す温度調整部100と、コントローラ200と、を備えている。
【0017】
本実施の形態において、第1温度制御ユニット10が温度制御する第1の流体及び第2温度制御ユニット20が温度制御する第2の流体は液体であり、同一の熱媒体である。また、本実施の形態において、第1の流体は、-80℃~-60℃に温度制御され、第2の流体は、例えば10℃~25℃に温度制御される。このような温度範囲である場合には、第1の流体及び第2の流体として用いる熱媒体は、凝固点が-80℃よりも低温で且つ沸点が25℃より高温であることを必要とする。この場合の熱媒体としては、例えば3M社製のNOVEC649や、三井・ケマーズ フロロプロダクツ社製のオプテオンSF10等が用いられてもよい。しかしながら、第1の流体及び第2の流体として用いる物質は特に限られるものではない。
【0018】
なお、本実施の形態では、第1の流体及び第2の流体の温度が上述した温度範囲に温度制御されるが、第1の流体及び第2の流体の温度は互い異なる温度であればよく、その設定温度は特に限られるものではない。また、本実施の形態では第1の流体及び第2の流体が液体であるが、第1の流体及び第2の流体は気体であってもよい。
【0019】
バルブユニット30は、第1流体流路11の上流口11U及び下流口11Dに流体的に接続されており、下流口11Dから第1の流体を供給されるようになっている。そして、バルブユニット30は、下流口11Dから第1の流体を供給された際、当該第1の流体を外部に流出させた後に又は外部に流出させずに上流口11Uに戻すように構成されている。
【0020】
また、バルブユニット30は、第2流体流路21の上流口21U及び下流口21Dに流体的に接続されており、下流口21Dから第2の流体を供給されるようになっている。そして、バルブユニット30は、下流口21Dから第2の流体を供給された際、当該第2の流体を外部に流出させた後に又は外部に流出させずに上流口21Uに戻すように構成されている。
【0021】
温度調整部100は、供給側中継流路101及びリターン側中継流路102を介してバルブユニット30に流体的に接続されている。本実施の形態では、バルブユニット30が第1の流体又は第2の流体を供給側中継流路101に選択的に供給することが可能となっており、このような供給が行われる際に、供給側中継流路101から温度調整部100に第1の流体又は第2の流体が供給される。
【0022】
温度調整部100は、受け入れた第1の流体又は第2の流体を内部に通流させ、次いでリターン側中継流路102を介してバルブユニット30に戻す。温度調整部100は、内部に通流させる流体による吸熱又は放熱により温度制御対象の温度制御を行う。そして、温度調整部100を通過した第1の流体又は第2の流体がリターン側中継流路102を介してバルブユニット30に戻った際、バルブユニット30は、第1の流体を第1温度制御ユニット10に戻す状態と、第2の流体を第2温度制御ユニット20に戻す状態とを切り替えるようになっている。
【0023】
コントローラ200は、バルブユニット30の動作を制御するものであり、例えばCPU,ROM,RAM、スイッチング素子等の各種の電子部品を有する。コントローラ200では、CPUがROMに格納されたプログラムを実行し、温度制御装置1は、プログラムに従って制御される。
【0024】
以下、温度制御装置1の各部について詳述する。
【0025】
<第1温度制御ユニット・第2温度制御ユニット>
第1温度制御ユニット10は、上述の第1流体流路11と、第1流体流路11内で第1の流体を通流させるための駆動力を発生させる第1ポンプ12と、図示しない温度制御部とを有している。第1温度制御ユニット10は、バルブユニット30に供給した第1の流体がバルブユニット30を経由した戻った際に、その温度調整部によって第1の流体の温度が第1の温度となる温度制御し、再度バルブユニット30に供給するようになっている。
【0026】
第1温度制御ユニット10の温度制御部は、例えば圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を有するヒートポンプの蒸発器を含むものでもよい。この場合、ヒートポンプの蒸発器に第1流体流路11を接続して、第1の流体を冷却してもよい。また、第1温度制御ユニット10の温度制御部は、電熱ヒータ等を含んでいてもよい。
【0027】
第2温度制御ユニット20は、上述の第2流体流路21と、第2流体流路21内で第2の流体を通流させるための駆動力を発生させる第2ポンプ22と、図示しない温度制御部とを有している。第2温度制御ユニット20は、バルブユニット30に供給した第2の流体がバルブユニット30を経由した戻った際に、その温度調整部によって第2の流体の温度が第1の温度となる温度制御し、再度バルブユニット30に供給するようになっている。
【0028】
第2温度制御ユニット20の温度制御部も、例えば圧縮機、凝縮器、膨張弁及び蒸発器を有するヒートポンプの蒸発器を含むものでもよい。この場合、ヒートポンプの蒸発器に第2流体流路21を接続して、第2の流体を冷却してもよい。また、第2温度制御ユニット20の温度制御部も、電熱ヒータ等を含んでいてもよい。
【0029】
第1温度制御ユニット10及び第2温度制御ユニット20としては、本出願人による日本国特開2017-91082号公報に開示された装置や、日本国特開2018-194240号公報に開示された装置等が用いられてもよい。
【0030】
また、本実施の形態では、第1温度制御ユニット10が、第1の流体を、20L/min以上の流量でバルブユニット30に供給し、第2温度制御ユニット20が、第2の流体を、20L/min以上の流量でバルブユニット30に供給する。ただし、このような流量は特に限られるものではない。
【0031】
<バルブユニット>
次にバルブユニット30ついて説明する。本実施の形態におけるバルブユニット30は、第1供給流路31と、第1供給側電磁切替弁41と、第1分岐流路51と、第1分岐側電磁切替弁61と、第2供給流路32と、第2供給側電磁切替弁42と、第2分岐流路52と、第2分岐側電磁切替弁62と、受け入れ流路70と、第1循環流路71と、第2循環流路72と、第1循環側電磁切替弁81と、第2循環側電磁切替弁82と、を備えている。なお、本明細書において用いる「切替弁」と言う用語は、切替二方弁のことを意味する。
【0032】
第1供給流路31は、第1流入口31Aと第1流出口31Bとを有し、第1流入口31Aに流入する第1の流体を通流させて第1流出口31Bから流出させるように構成されている。本実施の形態では、第1流入口31Aに第1温度制御ユニット10の第1流体流路11の下流口11Dが直接的に接続されている。第1流入口31Aは、第1流体流路11が接続される前の状態では外部に開口するようになっている。
【0033】
第1供給側電磁切替弁41は、第1供給流路31に設けられ、開状態及び閉状態の切り替えにより、第1供給流路31における第1の流体の通流及び遮断を切り替えるように構成されている。第1供給側電磁切替弁41はソレノイドを有し、ソレノイドに対する電流の印加による励磁及び非励磁を切り替えることで、開状態及び閉状態の切り替えを行うようになっている。
【0034】
また、第1供給流路31には、第1供給側電磁切替弁41よりも下流側に配置される第1逆止弁91が設けられる。第1逆止弁91は、第1流出口31Bから第1供給側電磁切替弁41に向けた第1の流体の通流を抑制するようになっている。
【0035】
第1分岐流路51は、第1供給流路31の第1供給側電磁切替弁41よりも上流側の部分から分岐し、第1供給流路31から流入する第1の流体を通流させように構成されている。
【0036】
第1分岐側電磁切替弁61は、第1分岐流路51に設けられ、開状態及び閉状態の切り替えにより、第1分岐流路51における第1の流体の通流及び遮断を切り替えるように構成されている。第1分岐側電磁切替弁61はソレノイドを有し、ソレノイドに対する電流の印加による励磁及び非励磁を切り替えることで、開状態及び閉状態の切り替えを行うようになっている。
【0037】
第2供給流路32は、第2流入口32Aと第2流出口32Bとを有し、第2流入口32Aに流入する第2の流体を通流させて第2流出口32Bから流出させるように構成されている。本実施の形態では、第2流入口32Aに第2温度制御ユニット20の第2流体流路21の下流口21Dが直接的に接続されている。したがって、第2流入口32Aは、第2流体流路21が接続される前の状態では外部に開口するようになっている。
【0038】
第2供給側電磁切替弁42は、第2供給流路32に設けられ、開状態及び閉状態の切り替えにより、第2供給流路32における第2の流体の通流及び遮断を切り替えるように構成されている。第2供給側電磁切替弁42はソレノイドを有し、ソレノイドに対する電流の印加による励磁及び非励磁を切り替えることで、開状態及び閉状態の切り替えを行うようになっている。
【0039】
また、第2供給流路32には、第2供給側電磁切替弁42よりも下流側に配置される第2逆止弁92が設けられる。第2逆止弁92は、第2流出口32Bから第2供給側電磁切替弁42に向けた第2の流体の通流を抑制するようになっている。
【0040】
ここで、本実施の形態におけるバルブユニット30は、第1供給流路31の第1流出口31B及び第2供給流路32の第2流出口32Bと接続する接続口96Aと、供給側中継流路101に直接的に接続される端口96Bとを有する供給側共通流路96をさらに備えている。
【0041】
供給側共通流路96の端口96Bは、第2流体流路21が接続される前の状態では外部に開口するようになっている。本実施の形態では、供給側共通流路96が設けられることで、第1温度制御ユニット10からの第1の流体又は第2温度制御ユニット20からの第2の流体が、共通の出口となる供給側共通流路96の端口96Bから供給側中継流路101に供給されることになる。
【0042】
第2分岐流路52は、第2供給流路32の第2供給側電磁切替弁42よりも上流側の部分から分岐し、第2供給流路32から流入する第2の流体を通流させように構成されている。
【0043】
第2分岐側電磁切替弁62は、第2分岐流路52に設けられ、開状態及び閉状態の切り替えにより、第2分岐流路52における第2の流体の通流及び遮断を切り替えるように構成されている。第2分岐側電磁切替弁62はソレノイドを有し、ソレノイドに対する電流の印加による励磁及び非励磁を切り替えることで、開状態及び閉状態の切り替えを行うようになっている。
【0044】
受け入れ流路70は、第1流出口31Bから流出して所定領域としての温度調整部100を経由した後に戻る第1の流体又は第2流出口32Bから流出して温度調整部100を経由した後に戻る第2の流体を、リターン側中継流路102を介して受け入れるように構成されている。受け入れ流路70の上流口はリターン側中継流路102に直接的に接続されており、リターン側中継流路102が接続される前の状態では外部に開口するようになっている。
【0045】
受け入れ流路70の下流口からは第1循環流路71と第2循環流路72が二股に分岐し、第1循環流路71と第2循環流路72は、受け入れ流路70の下流口から流出する流体を通流させることが可能となっている。
【0046】
第1循環側電磁切替弁81は第1循環流路71に設けられ、第1循環流路71の開状態及び閉状態を切り替えるように構成されている。第1循環側電磁切替弁81はソレノイドを有し、ソレノイドに対する電流の印加による励磁及び非励磁を切り替えることで、開状態及び閉状態の切り替えを行うようになっている。
【0047】
第2循環側電磁切替弁82は第2循環流路72に設けられ、第2循環流路72の開状態及び閉状態を切り替えるように構成されている。第2循環側電磁切替弁82はソレノイドを有し、ソレノイドに対する電流の印加による励磁及び非励磁を切り替えることで、開状態及び閉状態の切り替えを行うようになっている。
【0048】
ここで、本実施の形態におけるバルブユニット30は、第1分岐流路51の下流口及び第1循環流路71の下流口と接続する接続口97Aと、第1流体流路11の上流口11Uに直接的に接続される端口97Bとを有する第1排出側共通流路97をさらに備えている。また、バルブユニット30は、第2分岐流路52の下流口及び第2循環流路72の下流口と接続する接続口98Aと、第2流体流路21の上流口21Uに直接的に接続される端口98Bとを有する第2排出側共通流路98をさらに備えている。
【0049】
第1排出側共通流路97の端口97Bは、第1流体流路11が接続される前の状態では外部に開口するようになっており、第2排出側共通流路98の端口98Bは、第2流体流路21が接続される前の状態では外部に開口するようになっている。
【0050】
また、上述のようなバルブユニット30において、第1供給側電磁切替弁41,第2供給側電磁切替弁42、第1分岐側電磁切替弁61、第2分岐側電磁切替弁62、第1循環側電磁切替弁81及び第2循環側電磁切替弁82はそれぞれ、同じサイズで且つ同じ構造のパイロット式電磁切替弁、より詳しくはパイロットキック式電磁切替弁で構成されている。
【0051】
図4は、バルブユニット30における上記各弁として用いられ得るパイロットキック式電磁切替弁の断面図である。図4に示すパイロットキック式電磁切替弁は、流入ポート401、流出ポート402、及びこれらの間に形成される弁座403を有する弁ボディ404と、弁座403に離接可能に配置される弁体405と、弁体405を弁座403から離接させるソレノイド駆動部410と、を備えている。
【0052】
ソレノイド駆動部410は、軸状の可動鉄心411と、可動鉄心411と同軸上に並ぶ軸状の固定鉄心412と、可動鉄心411及び固定鉄心412の周囲に配置されるコイル413と、可動鉄心411と固定鉄心412との間に設けられ、可動鉄心411に対して弁座403側に向けた弾性力を付与する第1スプリング414と、可動鉄心411と弁体405とを連結し、弁座403に接した状態の弁体405に対して可動鉄心411側に向けた弾性力を付与する第2スプリング415と、を備える。弁体405には開口405Aが形成されており、コイル413が非励磁状態のとき、可動鉄心411は、第1スプリング414の弾性力によって開口405Aをその先端で閉じている。コイル413に電流が供給されて励磁状態となったときは、可動鉄心411が固定鉄心412側に移動し、開口405Aが開かれる。
【0053】
このようなパイロットキック式電磁切替弁では、閉状態から開状態に移行する際に、コイル413に電流が供給されて励磁状態となる。この際、まず、開口405Aから流体が下流側に流れる。その後、下流側に流体が流れるに従い、弁体405が弁座403から離れて、流体が弁座403から下流側に流れる。パイロットキック式電磁切替弁は、段階的な開動作によって弁座403の口径(流路面積)を大きく確保できるため、例えば20L/min以上などの大流量の流体の切り替えに適している。
【0054】
なお、大流量時に流速を低下させることなく下流側に流すことが可能であれば、第1供給側電磁切替弁41、第2供給側電磁切替弁42、第1分岐側電磁切替弁61、第2分岐側電磁切替弁62、第1循環側電磁切替弁81及び第2循環側電磁切替弁82は直動式の電磁切替弁で構成されてもよい。流量が大きくない場合には、コスト面を考慮すると、直動式の電磁切替弁が用いられることが好ましい。また、パイロットキック式ではないパイロット式電磁弁が採用されてもよい。
【0055】
また、本実施の形態では、第1供給側電磁切替弁41、第2供給側電磁切替弁42、第1分岐側電磁切替弁61、第2分岐側電磁切替弁62、第1循環側電磁切替弁81及び第2循環側電磁切替弁82がパイロットキック式電磁切替弁である。しかしながら、例えば第1供給側電磁切替弁41及び第2供給側電磁切替弁42がパイロットキック式電磁切替弁であり、その他は、直動式の電磁切替弁であってもよい。
【0056】
また、本実施の形態では、第1の流体が-80℃~-60℃に温度制御されるため、各電磁弁の材質は低温に充分に耐え得るものを使用することが望ましい。具体的には、弁ボディや、弁体は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)で形成することが好ましい。弁ボディはブラスで形成してもよい。また、可動鉄心、固定鉄心、スプリング等はステンレス鋼から形成してもよい。
【0057】
<コントローラ>
次にコントローラ200について説明する。上述したように、コントローラ200では、CPUがROMに格納されたプログラムを実行し、温度制御装置1は、プログラムに従って制御される。コントローラ200は、例えば、バルブユニット30に設けられる上述の各弁(41,42,61,62,81,82)の開閉を制御することで、温度調整部100に第1の流体が供給される状態と、温度調整部100に第2の流体が供給される状態とを切り替えることが可能となっている。
【0058】
より具体的に説明すると、本実施の形態におけるコントローラ200は、例えばユーザーの任意の操作に応じて発生する指令や、所定時間毎に発生する指令等に応じて各弁(41,42,61,62,81,82)に対する電流の供給及び遮断を切り替えることにより、各電磁切替弁を開閉することができる。各電磁切替弁に対する電流の供給及び遮断は、例えばCPUから出力した制御信号に応じて電流の通過及び遮断を切り替えるスイッチング素子を用いて行ってもよい。スイッチング素子としては、MOSFET等が用いられてもよい。
【0059】
<動作>
次に図2及び図3を用いて、本実施の形態に係る温度制御装置1の動作について説明する。以下の説明においては、バルブユニット30における各弁がコントローラ200の制御に応じて動作している。図2及び図3において、太線で示された部分は流体が流れる箇所を示している。
【0060】
まず、温度調整部100に第1の流体も第2の流体も供給しない際には、第1供給側電磁切替弁41及び第2供給側電磁切替弁42が閉状態となるとともに、第1分岐側電磁切替弁61及び第2分岐側電磁切替弁62が開状態となる。また、本実施の形態では、第1循環側電磁切替弁81及び第2循環側電磁切替弁82が閉状態となる。
【0061】
この際、第1温度制御ユニット10から流出する第1の流体は、第1流体流路11と、第1供給流路31の一部と、第1分岐流路51と、第1排出側共通流路97とで構成される閉回路で循環する。また、第2温度制御ユニット20から流出する第2の流体は、第2流体流路21と、第2供給流路32の一部と、第2分岐流路52と、第2排出側共通流路98とで構成される閉回路で循環する。
【0062】
温度調整部100に第1の流体を供給する際には、第1供給側電磁切替弁41及び第1循環側電磁切替弁81が開状態となるとともに、第1分岐側電磁切替弁61が閉状態となる。また第2供給側電磁切替弁42及び第2循環側電磁切替弁82が閉状態となるとともに、第2分岐側電磁切替弁62が開状態となる。
【0063】
この際、図2に示すように、第1温度制御ユニット10から流出する第1の流体は、第1流体流路11から第1供給流路31を介して温度調整部100に流れる。そして、温度調整部100から流出した第1の流体は、リターン側中継流路102を介して受け入れ流路70に流れる。その後、第1の流体は、第1循環流路71及び第1排出側共通流路97を介して第1温度制御ユニット10に戻る。また、第2温度制御ユニット20から流出する第2の流体は、第2流体流路21と、第2供給流路32の一部と、第2分岐流路52と、第2排出側共通流路98とで構成される閉回路で循環する。
【0064】
温度調整部100に第2の流体を供給する際には、第2供給側電磁切替弁42及び第2循環側電磁切替弁82が開状態となるとともに、第2分岐側電磁切替弁62が閉状態となる。また、第1供給側電磁切替弁41及び第1循環側電磁切替弁81が閉状態となるとともに、第1分岐側電磁切替弁61が開状態となる。
【0065】
この際、図3に示すように、第2温度制御ユニット20から流出する第2の流体は、第2流体流路21から第2供給流路32を介して温度調整部100に流れる。そして、温度調整部100から流出した第2の流体は、リターン側中継流路102を介して受け入れ流路70に流れる。その後、第2の流体は、第2循環流路72及び第2排出側共通流路98を介して第2温度制御ユニット20に戻る。また、第1温度制御ユニット10から流出する第1の流体は、第1流体流路11と、第1供給流路31の一部と、第1分岐流路51と、第1排出側共通流路97とで構成される閉回路で循環する。
【0066】
ここで、上述のように温度調整部100に第1の流体を供給する状態から温度調整部100に第2の流体を供給する状態、又はその逆を切り替える際、本実施の形態では、流体の流れを切り替えのための弁が電磁切替弁(41,42,61,62,81,82)であるため、電流の供給及び遮断により、第1の流体の供給と第2の流体の供給とが迅速に切り替われる。また、流体の流れを切り替えのための弁が電磁切替弁であるため、比例式電磁弁よりも弁座の口径を大きくすることができ、大流量の液体を適正に開閉できる。また、比例式電磁弁を用いた場合よりも、液体の漏れも抑制することができる。
【0067】
したがって、本実施の形態によれば、異なる温度の流体(第1の流体及び第2の流体)を迅速に切り換えて供給できるとともに、供給する流体の温度変動を抑制できる。
【0068】
また、本実施の形態では、第1の流体を第1流出口31Bから流出させる際に、第1供給側電磁切替弁41及び第1循環側電磁切替弁81が開状態となるとともに、第1分岐側電磁切替弁61が閉状態となる。また第2供給側電磁切替弁42及び第2循環側電磁切替弁82が閉状態となるとともに、第2分岐側電磁切替弁62が開状態となる。一方で、第2の流体を第2流出口32Bから流出させる際には、第2供給側電磁切替弁42及び第2循環側電磁切替弁82が開状態となるとともに、第2分岐側電磁切替弁62が閉状態となる。また、第1供給側電磁切替弁41及び第1循環側電磁切替弁81が閉状態となるとともに、第1分岐側電磁切替弁61が開状態となる。
【0069】
上述のように第1の流体を第1流出口31Bから流出させる際の各電磁切替弁の状態と、第2の流体を第2流出口32Bから流出させる際の各電磁切替弁の状態とは、本実施の形態において、各弁に対する制御信号を反転させることで切り替えることが可能となる。そのため、異なる温度の流体を極めて迅速に且つ容易に切り換えて供給できるようになる。
【0070】
また、第1供給流路31には、第1供給側電磁切替弁41よりも下流側に配置される第1逆止弁91が設けられ、第2供給流路32には、第2供給側電磁切替弁42よりも下流側に配置される第2逆止弁92が設けられている。これにより、第1の流体を第1流出口31Bから流出させる際に、第1の流体が第2温度制御ユニット20側に流れることが抑制され、第2の流体を第2流出口32Bから流出させる際に、第2の流体が第1温度制御ユニット10側に流れることが抑制される。これにより、第1の流体又は第2の流体の不所望な漏れ及び温度変動が抑制されることで、効率的な流体供給が可能となる。
【0071】
(第2の実施の形態)
次に本発明の第2の実施の形態に係るバルブユニット130を備える温度制御装置について図5乃至図7を用いて説明する。図5は、第2の実施の形態に係るバルブユニット130を備える温度制御装置の概略図である。本実施の形態における構成部分のうち第1の実施の形態と同様のものは、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0072】
図5に示すように、本実施の形態に係るバルブユニット130は、第1供給流路31と、第2供給流路32と、供給側流路切替三方弁131と、第1分岐流路51と、第1分岐側電磁切替弁61と、第2分岐流路52と、第2分岐側電磁切替弁62と、循環側流路切替三方弁132と、第1循環流路71と、第2循環流路72と、を備える。
【0073】
第1供給流路31は、第1流入口31Aと第1流出口31Bとを有し、第1流入口31Aに流入する第1の流体を通流させて第1流出口31Bから流出させるように構成されている。
【0074】
第2供給流路32は、第2流入口32Aと第2流出口32Bとを有し、第2流入口32Aに流入する第2の流体を通流させて第2流出口32Bから流出させるように構成されている。
【0075】
供給側流路切替三方弁131は、第1流出口31Bと接続して第1の流体を受け入れる第1流体流入ポート131Aと、第2流出口32Bと接続して第2の流体を受け入れる第2流体流入ポート131Bと、供給側流出ポート131Cとを有し、第1流体流入ポート131Aと供給側流出ポート131Cとの流体的接続及び第2流体流入ポート131Bと供給側流出ポート131Cとの流体的接続を切り替えるように構成されている。
【0076】
第1分岐流路51は、第1供給流路31から分岐し、第1供給流路31から流入する第1の流体を通流させる。第1分岐側電磁切替弁61は第1分岐流路51に設けられ、開状態及び閉状態の切り替えにより、第1分岐流路51における第1の流体の通流及び遮断を切り替えるように構成されている。
【0077】
第2分岐流路52は、第2供給流路32から分岐し、第2供給流路32から流入する第2の流体を通流させる。第2分岐側電磁切替弁62は第2分岐流路52に設けられ、開状態及び閉状態の切り替えにより、第2分岐流路52における第2の流体の通流及び遮断を切り替えるように構成されている。
【0078】
循環側流路切替三方弁132は、供給側流出ポート131Cから流出して温度調整部100を経由した後に戻る第1の流体又は第2の流体を受け入れる循環側流入ポート132Aと、第1流出ポート132Bと、第2流出ポート132Cとを有し、循環側流入ポート132Aと第1流出ポート132Bとの流体的接続及び循環側流入ポート132Aと第2流出ポート132Cとの流体的接続を切り替えるように構成されている。
【0079】
循環側流入ポート132Aは受け入れ流路70に接続される。第1循環流路71は、第1流出ポート132Bに接続され、第2循環流路72は、第2流出ポート132Cに接続される。ここで、本実施の形態におけるバルブユニット130も、第1分岐流路51の下流口及び第1循環流路71の下流口と接続する接続口97Aと、第1流体流路11に直接的に接続される端口97Bとを有する第1排出側共通流路97をさらに備えている。また、バルブユニット130は、第2分岐流路52の下流口及び第2循環流路72の下流口と接続する接続口98Aと、第2流体流路21に直接的に接続される端口98Bとを有する第2排出側共通流路98をさらに備えている。
【0080】
本実施の形態に係る温度制御装置1の動作について図6及び図7を参照しつつ説明する。以下の説明においては、第1の実施の形態と同様に、バルブユニット30における各弁がコントローラの制御に応じて動作している。図6及び図7において、太線で示された部分は流体が流れる箇所を示している。
【0081】
本実施の形態に係るバルブユニット130では、第1の流体を供給側流出ポート131Cから流出させる際に、供給側流路切替三方弁131が、第1流体流入ポート131Aと供給側流出ポート131Cとを流体的に接続し、第2流体流入ポート131Bと供給側流出ポート131Cとを流体的に遮断する。また、循環側流路切替三方弁132は、循環側流入ポート132Aと第1流出ポート132Bとを流体的に接続し、循環側流入ポート132Aと第2流出ポート132Cとを流体的に遮断する。また、第1分岐側電磁切替弁61が閉状態となり、第2分岐側電磁切替弁62は開状態となる。
【0082】
この際、図6に示すように、第1温度制御ユニット10から流出する第1の流体は、第1流体流路11から第1供給流路31及び供給側流出ポート131Cを介して温度調整部100に流れる。そして、温度調整部100から流出した第1の流体は、リターン側中継流路102を介して受け入れ流路70に流れる。その後、第1の流体は、第1流出ポート132B、第1循環流路71及び第1排出側共通流路97を介して第1温度制御ユニット10に戻る。また、第2温度制御ユニット20から流出する第2の流体は、第2流体流路21と、第2供給流路32の一部と、第2分岐流路52と、第2排出側共通流路98とで構成される閉回路で循環する。
【0083】
また、第2の流体を供給側流出ポート131Cから流出させる際には、供給側流路切替三方弁131が、第1流体流入ポート131Aと供給側流出ポート131Cとを流体的に遮断し、第2流体流入ポート131Bと供給側流出ポート131Cとを流体的に接続する。また、循環側流路切替三方弁132は、循環側流入ポート132Aと第1流出ポート132Bとを流体的に遮断し、循環側流入ポート132Aと第2流出ポート132Cとを流体的に接続する。また、第1分岐側電磁切替弁61が開状態となり、第2分岐側電磁切替弁62は閉状態となる、
【0084】
この際、図7に示すように、第2温度制御ユニット20から流出する第2の流体は、第2流体流路21から第2供給流路32及び供給側流出ポート131Cを介して温度調整部100に流れる。そして、温度調整部100から流出した第2の流体は、リターン側中継流路102を介して受け入れ流路70に流れる。その後、第2の流体は、第2流出ポート132C、第2循環流路72及び第2排出側共通流路98を介して第2温度制御ユニット20に戻る。また、第1温度制御ユニット10から流出する第1の流体は、第1流体流路11と、第1供給流路31の一部と、第1分岐流路51と、第1排出側共通流路97とで構成される閉回路で循環する。
【0085】
以上の実施の形態では、第1の実施の形態よりも使用する弁の個数を減らすことが可能となるため、組み立て作業やコスト面で有利となる。
【0086】
(第3の実施の形態)
次に本発明の第3の実施の形態に係るバルブユニット230について図8を参照しつつ説明する。本実施の形態における構成部分のうち第1及び第2の実施の形態と同様のものは、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0087】
図8に示すように、本実施の形態に係るバルブユニット230は、第1供給流路31と、第1供給側電磁切替弁41と、第1分岐流路51と、第2供給流路32と、第2供給側電磁切替弁42と、第2分岐流路52と、受け入れ流路70と、第1循環流路71と、第2循環流路72と、第1循環側流路切替三方弁141と、第2循環側流路切替三方弁142と、を備える。
【0088】
第1供給流路31は、第1流入口31Aに流入する第1の流体を通流させて第1流出口31Bから流出させるように構成されている。
【0089】
第1供給側電磁切替弁41は第1供給流路31に設けられ、開状態及び閉状態の切り替えにより、第1供給流路31における第1の流体の通流及び遮断を切り替えるように構成されている。
【0090】
第1分岐流路51は、第1供給流路31の第1供給側電磁切替弁41よりも上流側の部分から分岐し、第1供給流路31から流入する第1の流体を通流させるように構成されている。
【0091】
第2供給流路32は、第2流入口32Aに流入する第2の流体を通流させて第2流出口32Bから流出させるように構成されている。
【0092】
第2供給側電磁切替弁42は第2供給流路32に設けられ、開状態及び閉状態の切り替えにより、第2供給流路32における第2の流体の通流及び遮断を切り替えるように構成されている。
【0093】
第2分岐流路52は、第2供給流路32の第2供給側電磁切替弁42よりも上流側の部分から分岐し、第2供給流路32から流入する第2の流体を通流させるように構成されている。
【0094】
受け入れ流路70は、第1流出口31Bから流出して温度調整部100を経由した後に戻る第1の流体又は第2流出口32Bから流出して温度調整部100を経由した後に戻る第2の流体を受け入れるように構成されている。第1循環流路71及び第2循環流路72は、受け入れ流路70の下流口ら二股に分岐している。
【0095】
そして、第1循環側流路切替三方弁141は、第1分岐流路51の下流口と接続する第1分岐側ポート141Aと、第1循環流路71の下流口と接続する第1循環側ポート141Bと、第1排出ポート141Cとを有し、第1分岐側ポート141Aと第1排出ポート141Cとの流体的接続及び第1循環側ポート141Bと第1排出ポート141Cとの流体的接続を切り替える。
【0096】
第2循環側流路切替三方弁142は、第2分岐流路52の下流口と接続する第2分岐側ポート142Aと、第2循環流路72の下流口と接続する第2循環側ポート142Bと、第2排出ポート142Cとを有し、第2分岐側ポート142Aと第2排出ポート142Cとの流体的接続及び第2循環側ポート142Bと第2排出ポート142Cとの流体的接続を切り替える。
【0097】
本実施の形態に係るバルブユニット230では、第1の流体を第1流出口31Bから流出させる際に、第1供給側電磁切替弁41が開状態となるとともに、第2供給側電磁切替弁42が閉状態となる。また、第1循環側流路切替三方弁141は、第1分岐側ポート141Aと第1排出ポート141Cとを流体的に遮断し、第1循環側ポート141Bと第1排出ポート141Cとを流体的に接続する。第2循環側流路切替三方弁142は、第2分岐側ポート142Aと第2排出ポート142Cとを流体的に接続し、第2循環側ポート142Bと第2排出ポート142Cとを流体的に遮断する。
【0098】
また、第2の流体を第2流出口32Bから流出させる際に、第1供給側電磁切替弁41が閉状態となるとともに、第2供給側電磁切替弁42が開状態となる。また、第1循環側流路切替三方弁141は、第1分岐側ポート141Aと第1排出ポート141Cとを流体的に接続し、第1循環側ポート141Bと第1排出ポート141Cとを流体的に遮断する。また、第2循環側流路切替三方弁142は、第2分岐側ポート142Aと第2排出ポート142Cとを流体的に遮断し、第2循環側ポート142Bと第2排出ポート142Cとを流体的に接続する。
【0099】
(第4の実施の形態)
次に本発明の第4の実施の形態に係るバルブユニット330について図9を参照しつつ説明する。本実施の形態における構成部分のうち第1乃至第3の実施の形態と同様のものは、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0100】
図9に示すように、本実施の形態に係るバルブユニット330は、第1供給流路31と、第2供給流路32と、供給側流路切替三方弁131と、第1分岐流路51と、第2分岐流路52と、受け入れ流路70と、第1循環流路71と、第2循環流路72と、第1循環側流路切替三方弁141と、第2循環側流路切替三方弁142と、を備える。
【0101】
第1供給流路31は、第1流入口31Aに流入する第1の流体を通流させて第1流出口31Bから流出させるように構成されている。
【0102】
第2供給流路32は、第2流入口32Aに流入する第2の流体を通流させて第2流出口32Bから流出させるように構成されている。
【0103】
供給側流路切替三方弁131は、第1流出口31Bと接続して第1の流体を受け入れる第1流体流入ポート131Aと、第2流出口32Bと接続して第2の流体を受け入れる第2流体流入ポート131Bと、供給側流出ポート131Cとを有し、第1流体流入ポート131Aと供給側流出ポート131Cとの流体的接続及び第2流体流入ポート131Bと供給側流出ポート131Cとの流体的接続を切り替えるように構成されている。
【0104】
第1分岐流路51は、第1供給流路31から分岐し、第1供給流路31から流入する第1の流体を通流させる。第2分岐流路52は、第2供給流路32から分岐し、第2供給流路32から流入する第2の流体を通流させる。
【0105】
受け入れ流路70は、供給側流出ポート131Cから流出して温度調整部100を経由した後に戻る第1の流体又は第2の流体を受け入れるように構成されている。第1循環流路71及び第2循環流路72は、受け入れ流路70の下流口から二股に分岐する。
【0106】
そして、第1循環側流路切替三方弁141は、第1分岐流路51の下流口と接続する第1分岐側ポート141Aと、第1循環流路71の下流口と接続する第1循環側ポート141Bと、第1排出ポート141Cとを有し、第1分岐側ポート141Aと第1排出ポート141Cとの流体的接続及び第1循環側ポート141Bと第1排出ポート141Cとの流体的接続を切り替える。
【0107】
第2循環側流路切替三方弁142は、第2分岐流路52の下流口と接続する第2分岐側ポート142Aと、第2循環流路72の下流口と接続する第2循環側ポート142Bと、第2排出ポート142Cとを有し、第2分岐側ポート142Aと第2排出ポート142Cとの流体的接続及び第2循環側ポート142Bと第2排出ポート142Cとの流体的接続を切り替える。
【0108】
本実施の形態に係るバルブユニット330では、第1の流体を供給側流出ポート131Cから流出させる際に、供給側流路切替三方弁131が、第1流体流入ポート131Aと供給側流出ポート131Cとを流体的に接続し、第2流体流入ポート131Bと供給側流出ポート131Cとを流体的に遮断する。また、第1循環側流路切替三方弁141は、第1分岐側ポート141Aと第1排出ポート141Cとを流体的に遮断し、第1循環側ポート141Bと第1排出ポート141Cとを流体的に接続する。また、第2循環側流路切替三方弁142は、第2分岐側ポート142Aと第2排出ポート142Cとを流体的に接続し、第2循環側ポート142Bと第2排出ポート142Cとを流体的に遮断する。
【0109】
第2の流体を供給側流出ポート131Cから流出させる際に、供給側流路切替三方弁131は、第1流体流入ポート131Aと供給側流出ポート131Cとを流体的に遮断し、第2流体流入ポート131Bと供給側流出ポート131Cとを流体的に接続する。第1循環側流路切替三方弁141は、第1分岐側ポート141Aと第1排出ポート141Cとを流体的に接続し、第1循環側ポート141Bと第1排出ポート141Cとを流体的に遮断する。また、第2循環側流路切替三方弁142は、第2分岐側ポート142Aと第2排出ポート142Cとを流体的に遮断し、第2循環側ポート142Bと第2排出ポート142Cとを流体的に接続する。
【0110】
(第5の実施の形態)
次に本発明の第5の実施の形態に係るバルブユニット430について図10を参照しつつ説明する。本実施の形態における構成部分のうち第1乃至第4の実施の形態と同様のものは、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0111】
図10に示すように、本実施の形態に係るバルブユニット430は、第1供給流路31と、第1供給側流路切替三方弁151と、第1分岐流路51と、第2供給流路32と、第2供給側流路切替三方弁152と、第2分岐流路52と、循環側流路切替三方弁132と、第1循環流路71と、第2循環流路72と、を備える。
【0112】
第1供給流路31は、第1流入口31Aに流入する第1の流体を通流させて第1流出口31Bから流出させるように構成されている。
【0113】
第1供給側流路切替三方弁151は、第1流出口31Bと接続して第1の流体を受け入れる第1流入ポート151Aと、第1流入ポート151Aが受け入れた第1の流体を流出させる第1供給ポート151Bと、第1流入ポート151Aが受け入れた第1の流体を流出させる第1分岐ポート151Cとを有し、第1流入ポート151Aと第1供給ポート151Bとの流体的接続及び第1流入ポート151Aと第1分岐ポート151Cとの流体的接続を切り替える。
【0114】
第1分岐流路51は、第1分岐ポート151Cに接続し、第1分岐ポート151Cから流入する第1の流体を通流させるように構成されている。
【0115】
第2供給流路32は、第2流入口32Aに流入する第2の流体を通流させて第2流出口32Bから流出させるように構成されている。
【0116】
第2供給側流路切替三方弁152は、第2流出口32Bと接続して第2の流体を受け入れる第2流入ポート152Aと、第2流入ポート152Aが受け入れた第2の流体を流出させる第2供給ポート152Bと、第2流入ポート152Aが受け入れた第2の流体を流出させる第2分岐ポート152Cとを有し、第2流入ポート152Aと第2供給ポート152Bとの流体的接続及び第2流入ポート152Aと第2分岐ポート152Cとの流体的接続を切り替える。
【0117】
第2分岐流路52は、第2分岐ポート152Cに接続し、第2分岐ポート152Cから流入する第2の流体を通流させるように構成されている。
【0118】
循環側流路切替三方弁132は、第1供給ポート151Bから流出して温度調整部100を経由した後に戻る第1の流体又は第2供給ポート152Bから流出して温度調整部100を経由した後に戻る第2の流体を受け入れる循環側流入ポート132Aと、第1流出ポート132Bと、第2流出ポート132Cとを有し、循環側流入ポート132Aと第1流出ポート132Bとの流体的接続及び循環側流入ポート132Aと第2流出ポート132Cとの流体的接続を切り替える。
【0119】
第1循環流路71は第1流出ポート132Bに接続され、第2循環流路72は第2流出ポート132Cに接続されている。
【0120】
本実施の形態に係るバルブユニット430では、第1の流体を第1供給ポート151Bから流出させる際に、第1供給側流路切替三方弁151が、第1流入ポート151Aと第1供給ポート151Bとを流体的に接続し、第1流入ポート151Aと第1分岐ポート151Cとを流体的に遮断する。また、第2供給側流路切替三方弁152は、第2流入ポート152Aと第2供給ポート152Bとを流体的に遮断し、第2流入ポート152Aと第2分岐ポート152Cとを流体的に接続する。また、循環側流路切替三方弁132は、循環側流入ポート132Aと第1流出ポート132Bとを流体的に接続し、循環側流入ポート132Aと第2流出ポート132Cとを流体的に遮断する。
【0121】
また、第2の流体を第2供給ポート152Bから流出させる際に、第1供給側流路切替三方弁151は、第1流入ポート151Aと第1供給ポート151Bとを流体的に遮断し、第1流入ポート151Aと第1分岐ポート151Cとを流体的に接続する。また、第2供給側流路切替三方弁152は、第2流入ポート152Aと第2供給ポート152Bとを流体的に接続し、第2流入ポート152Aと第2分岐ポート152Cとを流体的に遮断する。また、循環側流路切替三方弁132は、循環側流入ポート132Aと第1流出ポート132Bとを流体的に遮断し、循環側流入ポート132Aと第2流出ポートと132Cを流体的に接続する。
【0122】
(第6の実施の形態)
次に本発明の第6の実施の形態に係るバルブユニット530について図11を参照しつつ説明する。本実施の形態における構成部分のうち第1乃至第5の実施の形態と同様のものは、同一の符号を付して説明を省略する場合がある。
【0123】
図11に示すように、本実施の形態に係るバルブユニット530は、第1供給流路31と、第1供給側流路切替三方弁と151と、第1分岐流路51と、第2供給流路32と、第2供給側流路切替三方弁152と、第2分岐流路52と、受け入れ流路70と、第1循環流路71と、第2循環流路72と、第1循環側電磁切替弁81と、第2循環側電磁切替弁82と、を備える。
【0124】
第1供給流路31は、第1流入口31Aに流入する第1の流体を通流させて第1流出口31Bから流出させるように構成されている。
【0125】
第1供給側流路切替三方弁151は、第1流出口31Bと接続して第1の流体を受け入れる第1流入ポート151Aと、第1流入ポート151Aが受け入れた第1の流体を流出させる第1供給ポート151Bと、第1流入ポート151Aが受け入れた第1の流体を流出させる第1分岐ポート151Cとを有し、第1流入ポート151Aと第1供給ポート151Bとの流体的接続及び第1流入ポート151Aと第1分岐ポート151Cとの流体的接続を切り替える。
【0126】
第1分岐流路51は、第1分岐ポート151Cに接続し、第1分岐ポート151Cから流入する第1の流体を通流させるように構成されている。
【0127】
第2供給流路32は、第2流入口32Aに流入する第2の流体を通流させて第2流出口32Bから流出させるように構成されている。
【0128】
第2供給側流路切替三方弁152は、第2流出口32Bと接続して第2の流体を受け入れる第2流入ポート152Aと、第2流入ポート152Aが受け入れた第2の流体を流出させる第2供給ポート152Bと、第2流入ポート152Aが受け入れた第2の流体を流出させる第2分岐ポート152Cとを有し、第2流入ポート152Aと第2供給ポート152Bとの流体的接続及び第2流入ポート152Aと第2分岐ポート152Cとの流体的接続を切り替える。
【0129】
第2分岐流路52は、第2分岐ポート152Cに接続し、第2分岐ポート152Cから流入する第2の流体を通流させるように構成されている。
【0130】
受け入れ流路70は、第1供給ポート151Bから流出して温度調整部100を経由した後に戻る第1の流体又は第2供給ポート152Bから流出して温度調整部100を経由した後に戻る第2の流体を受け入れる。第1循環流路71及び第2循環流路72は、受け入れ流路70の下流口から二股に分岐する。第1循環側電磁切替弁81は第1循環流路71の開状態及び閉状態を切り替え、第2循環側電磁切替弁82は第2循環流路72の開状態及び閉状態を切り替える。
【0131】
本実施の形態に係るバルブユニット530では、第1の流体を第1供給ポート151Bから流出させる際に、第1供給側流路切替三方弁151が、第1流入ポート151Aと第1供給ポート151Bとを流体的に接続し、第1流入ポート151Aと第1分岐ポート151Cとを流体的に遮断する。また、第2供給側流路切替三方弁152は、第2流入ポート152Aと第2供給ポート152Bとを流体的に遮断し、第2流入ポート152Aと第2分岐ポート152Cとを流体的に接続する。また、第1循環側電磁切替弁81は開状態となり、第2循環側電磁切替弁82は閉状態となる。
【0132】
また、第2の流体を第2供給ポート152Bから流出させる際に、第1供給側流路切替三方弁151は、第1流入ポート151Aと第1供給ポート151Bとを流体的に遮断し、第1流入ポート151Aと第1分岐ポート151Cとを流体的に接続する。また、第2供給側流路切替三方弁152は、第2流入ポート152Aと第2供給ポート152Bとを流体的に接続し、第2流入ポート152Aと第2分岐ポート152Cとを流体的に遮断する。また、第1循環側電磁切替弁81は閉状態となり、第2循環側電磁切替弁82は開状態となる。
【0133】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0134】
1…温度制御装置、10…第1温度制御ユニット、11…第1流体流路、11U…上流口、11D…下流口、12…第1ポンプ、20…第2温度制御ユニット、21…第2流体流路、21U…上流口、21D…下流口、22…第2ポンプ、30,130, 230,330,430,530…バルブユニット、31…第1供給流路、31A…第1流入口、31B…第1流出口、32…第2供給流路、32A…第2流入口、32B…第2流出口、41…第1供給側電磁切替弁、42…第2供給側電磁切替弁、51…第1分岐流路、52…第2分岐流路、61…第1分岐側電磁切替弁、62…第2分岐側電磁切替弁、70…受け入れ流路、71…第1循環流路、72…第2循環流路、81…第1循環側電磁切替弁、82…第2循環側電磁切替弁、91…第1逆止弁、92…第2逆止弁、96…供給側共通流路、96A…接続口、96B…端口、97…第1排出側共通流路、97A…接続口、97B…端口、98…第2排出側共通流路、98A…接続口、98B…端口、100…温度調整部、101…供給側中継流路、131…供給側流路切替三方弁、131A…第1流体流入ポート、131B…第2流体流入ポート、131C…供給側流出ポート、132…循環側流路切替三方弁、132A…循環側流入ポート、132B…第1流出ポート、132C…第2流出ポート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11