(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】泥落とし用マット受台
(51)【国際特許分類】
A47L 23/26 20060101AFI20220920BHJP
A47L 23/24 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
A47L23/26
A47L23/24 A
(21)【出願番号】P 2021023346
(22)【出願日】2021-02-17
【審査請求日】2021-05-12
(31)【優先権主張番号】P 2020107467
(32)【優先日】2020-06-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】592001816
【氏名又は名称】株式会社マルサ
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 一成
(72)【発明者】
【氏名】斎藤 信輔
【審査官】村山 達也
(56)【参考文献】
【文献】実開昭53-007248(JP,U)
【文献】実開昭63-015877(JP,U)
【文献】実開昭59-085159(JP,U)
【文献】特開2000-316788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47L 23/26
A47L 23/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の出入口前の足元に設置する泥落とし用マットを載置する泥落とし用マット受台であって、
前記泥落とし用マットを、少なくとも位置決め状態もしくは固定状態に載置する受台部に接地用脚部が設けられていて、この受台部に載置される前記泥落とし用マットが浮上状態に配置されるように構成され
ていて、
この受台部のマット受面部は、土通過穴が
設けられている構成とされていて、前記泥落とし用マットで捕捉したあるいは落とされた靴の土がこの受台部のマット受面部の
土通過穴からこの受台部の下方に落下するように構成されて
いて、
前記接地用脚部および前記マット受面部を有する前記受台部は、方形状の前記泥落とし用マットが位置決め係合する金属製の方形状の受枠部で構成されているとともに、この受枠部の底部が前記マット受面部として構成されていて、
この受台部のマット受面部の外縁に設けられている前記受枠部により、方形状の金属製枠部を外縁部に有し捕捉したもしくは落とされた靴の土が下方へ落下するブラシ部を有する構成の前記泥落とし用マットが、位置決め状態にして着脱自在に係合載置されるように構成されていて、
平面視方形状の前記受台部の四隅部に前記接地用脚部が設けられていて、前記受台部の四隅部上部に、他の前記受台部の前記接地用脚部を接地して複数積み重ねするための脚受部が前記接地用脚部の内側に設けられていて、積み重ねた際の最上部の前記受台部に載置する前記泥落とし用マットの高さが可変できるように構成されて、
この接地用脚部は、隅部の角部2辺に沿って立板状に立設する平面視く字状の板材で構成されていて、この接地用脚部の下板部が前記受台部の下方に突設されていて接地用脚板とされ、上板部が前記受台部の上方に突設されていて他の前記受台部の前記接地用脚部を前記脚受部に接地して複数積み重ねする際にこの積み重ねる前記接地用脚部が収まるように囲み且つ前記泥落とし用マットを位置決めする係合保持片部となる構成とされていて、
この接地用脚部に係止部が設けられ、隣り合わせ並設させる他の前記受台部の前記接地用脚部に、前記係止部と係合する係合部が設けられていて、前記係止部と前記係合部との係合により複数並設係合連結できるように構成されていることを特徴とする泥落とし用マット受台。
【請求項2】
前記受台部は、方形状の前記泥落とし用マットが位置決め係合する方形状の受枠部で構成されているとともに、この受枠部の底部が前記マット受面部として構成され、このマット受面部に
前記土通過穴が多数設けられている多穴部が設けられていて、この多穴部は、桟部、格子部、網部または多孔板部で構成されていることを特徴とする請求項
1記載の泥落とし用マット受台。
【請求項3】
平面視方形状の前記受台部の四隅部
の各接地用脚部の
角部対向2辺に沿う一側面に前記係止部が設けられ、
角部対向2辺に沿う反対側面に前記係合部が設けられていて、前記係止部と前記係合部との係合により
複数の前記受台部を前後および左右に複数並設係合連結できるように構成されていることを特徴とする請求項
1記載の泥落とし用マット受台。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば建物の中に入る前に靴の汚れを落とし、建物の中を汚さないようにするために建物の出入口前の足元に設置される泥落とし用マットを載置する泥落とし用マット受台に関するものである。
【背景技術】
【0002】
靴の汚れを捕捉し建物内が汚れるのを抑制する様々なタイプの泥落とし用マット(泥よけマット)が市販されているが、いずれも建物の出入口前の足元の地面にそのまま敷くのが一般である。
【0003】
また、建設作業者、農作業者あるいは野外イベント参加者などは、土面上を歩くことが多く、そのためこれらの靴底には頻繁に多量の泥(土)が付着するが、この土が建物内に侵入しないように、建物の出入口前の足元に泥落とし用マットを敷き、このマットの上で足を動かして擦るだけで、簡単に落とせる方形状のブラシタイプの金属製泥落とし用マットが好評である。
【0004】
しかしながら、たとえば、建設現場の仮設ハウスの玄関口や階段上り口、あるいは仮設トイレなどの建物の出入口の手前足元は、野外土面などで舗装面ではないため、この上に敷いた泥落とし用マット自体はすぐに汚れてしまう。そのため、頻繁にマットを持ち上げて土汚れを落としたり、ホースを使って水をかけ洗い流すなどしてマットを清掃している。
【0005】
一方、このような仮設の建物の出入口は、汚れ侵入防止などのために地面よりかなり高くなっていて、踏み台があればさらに出入りも便利となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このように、これまではマットが汚れたら、逐次持ち上げてマットを叩いて汚れを落としたり、水洗いしなければならず、しかも仮設の建物においてはこの清掃作業は頻繁となり、非常に厄介であった。
【0008】
一方、前記特許文献1に示すように、仮設の建物の出入口に設ける踏み台部の上面の踏板自体を泥落とし機能を有する網状部に形成した高さ調整自在の仮設建物用ステップなども提案されているが、この踏板を泥が良く落とせるブラシタイプに形成することは困難であり、製作上簡易な多穴板状の踏板に形成するしかない。また単に受け皿状の受台にマットを係合載置させる発想では、やはりその清掃は頻繁となり厄介である。
【0009】
本発明は、このような現状に鑑み、最適な泥落とし用マットを建物の出入口前の足元に位置決め状態に設置でき、これを踏み台にもできるが、片足をまず載せて擦り靴底の泥を容易に落とすこともでき、たとえ頻繁に多量に土が靴に付いていても効率よく入り口で落とすことが容易で、しかもこの泥落とし用マットで捕捉した土はそのままあるいはこれに踏み上がり靴を擦るなどの振動で浮上位置のマット下方に自動的に落下することになることで、頻繁なマット清掃も清掃のための持ち上げ作業も要しなく、さらに簡単に効率よく多量の土を捕捉できる市販のブラシタイプの金属製泥落とし用マットを位置決め状態にセットすることができるように設計でき、製作容易で量産性に優れ極めて実用性に優れた泥落とし用マット受台を提供することを目的としている。
【0010】
またさらに、これを積み重ねることで最上部にセットする泥落とし用マットの高さを容易に高く変更することができる実用性に優れた泥落とし用マット受台を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0012】
建物の出入口前の足元に設置する泥落とし用マット1を載置する泥落とし用マット受台であって、前記泥落とし用マット1を、少なくとも位置決め状態もしくは固定状態に載置する受台部2に接地用脚部3が設けられていて、この受台部2に載置される前記泥落とし用マット1が浮上状態に配置されるように構成されていて、この受台部2のマット受面部4は、土通過穴が設けられている構成とされていて、前記泥落とし用マット1で捕捉したあるいは落とされた靴の土がこの受台部2のマット受面部4の土通過穴からこの受台部2の下方に落下するように構成されていて、前記接地用脚部3および前記マット受面部4を有する前記受台部2は、方形状の前記泥落とし用マット1が位置決め係合する金属製の方形状の受枠部6で構成されているとともに、この受枠部6の底部が前記マット受面部4として構成されていて、この受台部2のマット受面部4の外縁に設けられている前記受枠部6により、方形状の金属製枠部7を外縁部に有し捕捉したもしくは落とされた靴の土が下方へ落下するブラシ部8を有する構成の前記泥落とし用マット1が、位置決め状態にして着脱自在に係合載置されるように構成されていて、平面視方形状の前記受台部2の四隅部に前記接地用脚部3が設けられていて、前記受台部2の四隅部上部に、他の前記受台部2の前記接地用脚部3を接地して複数積み重ねするための脚受部14が前記接地用脚部3の内側に設けられていて、積み重ねた際の最上部の前記受台部2に載置する前記泥落とし用マット1の高さが可変できるように構成されて、この接地用脚部3は、隅部の角部2辺に沿って立板状に立設する平面視く字状の板材で構成されていて、この接地用脚部3の下板部が前記受台部2の下方に突設されていて接地用脚板とされ、上板部が前記受台部2の上方に突設されていて他の前記受台部2の前記接地用脚部3を前記脚受部14に接地して複数積み重ねする際にこの積み重ねる前記接地用脚部3が収まるように囲み且つ前記泥落とし用マット1を位置決めする係合保持片部9となる構成とされていて、この接地用脚部3に係止部15が設けられ、隣り合わせ並設させる他の前記受台部2の前記接地用脚部3に、前記係止部15と係合する係合部16が設けられていて、前記係止部15と前記係合部16との係合により複数並設係合連結できるように構成されていることを特徴とする泥落とし用マット受台に係るものである。
【0013】
前記受台部2は、方形状の前記泥落とし用マット1が位置決め係合する方形状の受枠部6で構成されているとともに、この受枠部6の底部が前記マット受面部4として構成され、このマット受面部4に前記土通過穴が多数設けられている多穴部5が設けられていて、この多穴部5は、桟部、格子部、網部または多孔板部で構成されていることを特徴とする請求項1記載の泥落とし用マット受台に係るものである。
【0018】
また平面視方形状の前記受台部2の四隅部の各接地用脚部3の角部対向2辺に沿う一側面に前記係止部15が設けられ、角部対向2辺に沿う反対側面に前記係合部16が設けられていて、前記係止部15と前記係合部16との係合により複数の前記受台部2を前後および左右に複数並設係合連結できるように構成されていることを特徴とする請求項1記載の泥落とし用マット受台に係るものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明は上述のように構成したから、最適な泥落とし用マットを建物の出入口前の足元に位置決め状態もしくは固定状態に設置でき、これを踏み台にもできるが、片足をまず載せて擦り靴底の泥を容易に落とすこともでき、たとえ頻繁に多量に土が靴に付いていても効率よく入り口で落とすことが容易で、しかもこの泥落とし用マットで捕捉した土はそのままあるいはこれに踏み上がり靴を擦るなどの振動で浮上位置のマット下方に自動的に落下することになることで、頻繁なマット清掃も清掃のための持ち上げ作業も要しなく、さらに簡単に効率よく多量の土を捕捉できる市販のブラシタイプの泥落とし用マットを位置決め状態もしくは固定状態にセットすることができるように設計でき、製作容易で量産性に優れ極めて実用性に優れた泥落とし用マット受台となる。
【0020】
また本発明においては、最適な泥落とし用マットを建物の出入口前の足元に設置でき、これを踏み台にもできるが、片足をまず載せて擦り靴底の泥を容易に落とすこともでき、たとえ頻繁に多量に土が靴に付いていても効率よく入り口で落とすことが容易で、しかもこの泥落とし用マットで捕捉した土はそのままあるいはこれに踏み上がり靴を擦るなどの振動で浮上位置のマット下方に自動的に落下することになることで、頻繁なマット清掃も清掃のための持ち上げ作業も要しなく、さらに簡単に効率よく多量の土を捕捉できる市販のブラシタイプの泥落とし用マットをセットすることができるように設計でき、またさらに積み重ねることで最上部にセットする泥落とし用マットの高さを容易に高く変更することができるなど製作容易で量産性に優れ極めて実用性に優れた泥落とし用マット受台となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】実施例1のブラシタイプの金属製泥落とし用マットをセットした使用状態の斜視図である。
【
図3】実施例1の仮設ハウスの出入口前に設置した使用状態の説明斜視図である。
【
図4】実施例1の仮設トイレの出入口前に設置した使用状態の説明斜視図である。
【
図5】実施例1の受台部の突き合わせ側の接地用脚部に替えて中間接地用脚部で二体連結して実施例1より横長の受台部に構成した(ブラシタイプの金属製泥落とし用マットを横並び配置できる構成とした)の別例(実施例2)の説明斜視図である。
【
図9】実施例3の仮設ハウスの出入口前に設置した使用状態の説明斜視図である。
【
図10】実施例3の前後左右に複数並設係合連結した状態の説明平面図である。
【
図11】実施例3の隣り合う係止部と係合部との係合により複数並設係合連結させることを示す説明斜視図である。
【
図12】実施例3の前後に並設係合連結し後部の受台部上にさらに他の受台部を積み重ねて階段状に係合連結した状態の説明斜視図である。
【
図13】実施例3の前後に並設係合連結し後部の受台部上にさらに他の受台部を積み重ねて階段状に係合連結した状態の説明側面図である。
【
図14】
図12に示す前後に並設係合連結し後部の受台部上にさらに他の受台部を積み重ねて階段状に係合連結した状態で前後の受台部上に泥落とし用マットを位置決め状態に係合載置して、この泥落とし用マットが前後に階段状に設置された実施例3の使用状態を示す説明斜視図である。
【
図15】ズレ止め係止片を付設した別例(実施例4)の要部の説明斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の最適な実施形態を図面に基づいて本発明の作用を示し簡単に説明する。
【0023】
建物の出入口前の足元に設置する泥落とし用マット受台の受台部2に、野外用として最適な泥落とし用マット1、たとえば建設現場では耐久性に優れラフに取り扱っても良くまた頻繁に靴底に付着する土を簡単に効率良く捕捉でき価格も比較的安いブラシタイプの金属製泥落とし用マット1を載置する。
【0024】
この受台部2には接地用脚部3が設けられているため、この受台部2に載置された前記泥落とし用マット1は浮上状態に配置されるため踏み台としても機能し、またこのマット1に踏み上がることであるいはさらに靴を擦ることで靴底の土を落とすことができ、また片足だけを載せて擦り落とすことも容易となり、踏み台としても靴泥落としとしても使いやすいものとなる。
【0025】
しかもこの受台部2のマット受面部4は、たとえば多数の桟で形成された桟部や格子部、網部や多孔板部などの土通過穴が多数設けられている多穴部5で構成しているから、前記泥落とし用マット1で捕捉した靴の土がこの浮上位置の受台部2のマット受面部4の多穴部5の多数の穴からこの受台部2の下方に落下することとなる。
【0026】
たとえば、建設現場の仮設ハウスや仮設トイレの出入口前が野外地面であれば、土受部を付設せずにたとえばそのままこの地面に落下させることができ、ほとんど全くマット清掃作業を不要にすることができることとなる。
【0027】
したがって、最適すなわちその場所に適切な市販の泥落とし用マット1を建物の出入口前の足元に位置決め状態に設置でき、これを踏み台にもできるが、片足をまず載せて擦り靴底の泥を容易に落とすこともでき、たとえ頻繁に多量に土が靴底に付いていてもこの踏み台を介して出入りするだけでも効率よく入り口で土を落とすことが容易で、しかもこの泥落とし用マット1で捕捉した土はそのままあるいはこれに踏み上がり靴を擦るなどの振動で浮上位置のマットの下方に自動的に落下することになることで、頻繁なマット清掃も清掃のためのマット持ち上げ作業も要しない実用性に優れた泥落とし用マット受台となる。
【実施例1】
【0028】
本発明の具体的な実施例1について図面に基づいて説明する。
【0029】
本実施例は、建設現場の仮設ハウスや仮設トイレの出入口前や、仮設ハウスの2階に上がる階段登り口などの地面より少し高い建物出入口の手前足元の野外地面上に設置する構成としていて、耐久性に優れ汚れても良くしかもある程度重量があり踏み台として安定性良く設置できるように金属製の泥落とし用マット受台に構成している。
【0030】
また本実施例では、建設現場で使用される市販のブラシタイプの金属製泥落とし用マット1が位置決め状態に係合載置する受台部2に構成し、この受台部2にこれを浮上状態に支持し踏み台として使用可能となる接地用脚部3を四隅に設けた構成としている。
【0031】
具体的には、建設現場では耐久性に優れラフに取り扱っても良くまた頻繁に靴底に付着した土を簡単に効率良く捕捉できその土は下方へと落ちるマットで価格も比較的安いブラシタイプの金属製泥落とし用マット1が重宝されていているが、本実施例では、このようなマット1が着脱自在に係合載置できる構成としている。
【0032】
さらに説明すると、金属パイプで形成された方形状の金属製枠部7内に金属製線で形成した立体的網部とこの網部内に間隔をおいて多数帯状に設けられた樹脂製の起毛部とからなるブラシ部8で構成され、これに靴底を擦ることで、網部や起毛部で土が捕捉されあるいは落とされこの土は起毛部間の網部からそのまま下方の地面に落下するように構成されている市販のブラシタイプの金属製泥落とし用マット1が、丁度合致するようにして係合載置できるように受台部2を構成している。すなわち、このような構成のマット1の金属製枠部7が丁度係合する寸法・大きさに前記受台部2を構成している。
【0033】
また、本実施例のこの受台部2には、この受台部2のマット受面部4が浮上状態に位置しこれに係合載置される前記泥落とし用マット1が浮上状態に配置されることになる接地用脚部3を四隅に垂設した構成としている。この受台部2のマット受面部4は、土通過穴が多数設けられている多穴部5で構成し、マット1に捕捉したあるいは落とされた靴底の泥(土)が下方の地面にこの多穴部5の多数の穴から自動的に落下するように構成している。
【0034】
具体的には、この多穴部5として本実施例では格子部を採用している。すなわち、本実施例の受台部2を構成する受枠部6は、前記泥落とし用マット1の大きさに設定した金属製外枠部10に補強用の金属製桟11を架設し、この上面に金属製線材で形成した金属製格子部12が設けられた構成とし、この金属製外枠部10、金属製桟部11、およびこれらで支持された板状の金属製格子部12とで構成し、この受枠部6の底面の主に金属製格子部12で構成された多穴部5が多数の泥落とし穴を有するマット受面部4となる構成としている。
【0035】
また、この金属製外枠部10の四隅に金属製の接地用脚部3を設けているが、本実施例のこの接地用脚部3は、L板状で下端に接地片を折り曲げ形成した構成であって、この上部に角部両辺部から突設する位置決め用の係合保持片部9を連設、すなわち前記受枠部6の前記金属製外枠部10の各角部の両辺部に突設されるようにして受枠部6に設けた構成としている。
【0036】
すなわち、本実施例では、受台部2の受枠部6は、マット受面部4の周辺部に位置決め用の係合保持片部9を突設した構成としているが、本実施例ではこの係合保持片部9が四隅の各接地用脚部3の上部の突設部を用いて設けられた構成として、このマット受面部4の周囲の各角部の角部両辺部の対向二か所ずつ合計八か所に設けた構成としている。
【0037】
したがって、受台部2の受枠部6は、この角部の接地用脚部3の上部の係合保持片部9間に収まるように前記マット受面部4上に、前記泥落とし用マット1を着脱自在にして位置決め状態に係合載置させる構成としている。
【実施例2】
【0038】
また、前記受台部2は、複数の前記泥落とし用マット1を横並び並設状態に載置できる大きさに設定してもよく、この場合たとえば前記実施例1の受台部2を複数体横並び連結させた構成としてもよい。この際着脱自在に連結してもよく、たとえば実施例1の受台部2を横並び連結させるために隣り合う前記接地用脚部3に連結板を架設するようにしてボルト止め連結し、二枚あるいはさらに複数枚の泥落とし用マット1を横並び並設できるように構成してもよい。
【0039】
またこのように二枚の泥落とし用マット1を横並び並設できるように受台部2を横長に構成してもよいが、
図5に実施例2として示した別例は、実施例1の受台部2を横並び連結して構成したもので、横並び連結させる実施例1の受台部2の各突き合わせ側の接地用脚部3に替えて連結板も兼ねる中間接地用脚部13を設ける構成とし、この中間接地用脚部13をボルト止めして取り付けることで連結した構成として
もよい。
【0040】
したがって、
図5に示す実施例2は、実施例1の受台部2を中間接地用脚部13で連結して実施例1より横長の受台部2に構成し、四隅の接地用脚部3に一体に突設して設けた前記係合保持片部9に位置決めされるようにして二枚の泥落とし用マット1を実施例1より横長のマット受面部4上に係合載置する構成としている。
【実施例3】
【0041】
次に
、積み重ねることでセットする泥落とし用マット1の高さを容易に高く変更することができる実施例3について説明する。またこの実施例3は、前後左右に並設係合連結して複数枚の泥落とし用マット1をセットでき敷設範囲を必要に応じて拡大することができ、さらに後方は前述のように(
図13に示すように)積み重ねて階段状に泥落とし用マット1をセット配置することもできる実施例である。
【0042】
具体的には、本実施例では、実施例1,2と同様に、建物の出入口前の足元に設置する泥落とし用マット1を載置する泥落とし用マット受台であって、前記泥落とし用マット1を載置する受台部2に接地用脚部3を設け、この受台部2に載置される前記泥落とし用マット1が浮上状態に配置されるように構成している。
【0043】
この受台部2のマット受面部4は、土通過穴が多数設けられている多穴部5で構成し、前記泥落とし用マット1で捕捉したあるいは落とされた靴の土がこの受台部2のマット受面部4の多穴部5の多数の穴からこの受台部2の下方に落下するように構成している。
【0044】
具体的には、実施例1,2と同様に、建設現場で使用される市販のブラシタイプの金属製泥落とし用マット1が位置決め状態に係合載置する受台部2に構成し、この受台部2にこれを浮上状態に支持し踏み台として使用可能となる接地用脚部3を四隅に設けた構成としている。
【0045】
すなわち、前述したように建設現場ではブラシタイプの金属製泥落とし用マット1が重宝されていているが、本実施例でも、このような市販のブラシタイプの金属製泥落とし用マット1が、丁度合致するようにして係合載置できるように受台部2を構成している。すなわち、このような構成のマット1の金属パイプ製枠部7が丁度係合する寸法・大きさに前記受台部2を構成している。
【0046】
また、本実施例のこの受台部2には、前述のとおり、この受台部2のマット受面部4が浮上状態に位置しこれに係合載置される前記泥落とし用マット1が浮上状態に配置されることになる接地用脚部3を四隅に垂設した構成としている。この受台部2のマット受面部4は、土通過穴が多数設けられている多穴部5で構成し、マット1に捕捉したあるいは落とされた靴底の泥(土)が多数の穴から下方の地面に自動的に落下するように構成している。
【0047】
具体的には、この多穴部として本実施例でも格子部を採用している。すなわち、本実施例の受台部2を構成する受枠部6は、前記泥落とし用マット1の大きさに設定した金属製外枠部10に補強用の金属製桟11を架設し、この上面に金属製線材で形成した金属製格子部12を設けた構成とし、この金属製外枠部10、金属製桟部11、およびこれらで支持された板状の金属製格子部12とで構成し、この受枠部6の底面の主に金属製格子部12で構成された多穴部5がマット受面部4となる構成としている。
【0048】
また、この金属製外枠部10の四隅に金属製の接地用脚部3を設けているが、本実施例でもこの接地用脚部3は、その上部が位置決め用の前記係合保持片部9として各部両辺部から突設している構成で、すなわちこの接地用脚部3の上部が前記金属製外枠部10の各角部の両辺部に突設されるようにして前記受台部2を構成している。
【0049】
すなわち、本実施例でも、受台部2の受枠部6は、実施例1と同様に、マット受面部4の周辺部に位置決め用の係合保持片部9を突設した構成としているが、本実施例ではこの係合保持片部9が四隅の各接地用脚部3の上部の突設部を用いて設けられた構成として、このマット受面部4の周囲の各角部の角部両辺部の対向二か所ずつ合計八か所に設けた構成としている。
【0050】
したがって、受台部2の受枠部6は、この角部の接地用脚部3の上部の係合保持片部9間に収まるように前記マット受面部4上に、前記泥落とし用マット1を着脱自在にして位置決め状態に係合載置させる構成としている。
【0051】
本実施例では、このように構成した受台部2の四隅部上部に、積み重ねる他の受台部2の接地用脚部3が接地して複数台積み重ねするための脚受部14を設けて、複数段積み重ね自在に構成し、この積み重ねた際の最上部の受台部2に前記泥落とし用マット1を載置することでこのマット1の高さを容易に可変できるように構成している。具体的には、本実施例では、受台部2の前記金属製外枠部10の角部をこの脚受部14とした構成としている。
【0052】
したがって、上の受台部2の四隅の接地用脚部3を下の受台部2の四隅の脚受部14上に載置して受台部2(本発明品)を上下二段に積み重ね、その最上部(上段)の受台部2に泥落とし用マット1をセットすることで、このマット1の高さを簡単に1段高くできる構成としている。すなわち積み重ねるだけで簡単に高さ調整できる構成としている。
【0053】
また本実施例では、受台部2を前後左右に並設係合連結して複数枚の泥落とし用マット1をセットでき敷設範囲を拡大することもできる構成とし、さらに後方の受台部2に前述のようにして他の受台部2を積み重ねることにより、
図12、
図13に示すようにマット1を階段状にセット配置することもできるように構成している。
【0054】
具体的には、前記受台部2の隅部に設けられている前記接地用脚部3に係止部15を設け、隣り合わせて並設させる他の前記受台部2の前記接地用脚部3に、前記係止部15と係合する係合部16を設けた構成とし、前記係止部15と前記係合部16との係合により複数並設係合連結できるように構成している。
【0055】
本実施例では、平面視方形状の前記受台部2の四隅部に設ける接地用脚部3は、平面視L状の金具とし、この接地用脚部3の角部に対して一側外面にたとえばコ字状に突起した前記係止部15を突設し、反対側面にこの係止部15が上下方向から挿入係合するコ字状に突出して係合孔が形成される前記係合部16を突設し、この一側に係止部15反対側に係合部16を設けた接地用脚部3を四隅に設けて、このそれぞれの係合により複数前後および左右に並設係合連結自在な構成としている。
【0056】
このように構成することで、製作が容易で、受台部2の受枠部6に接地用脚部3を付設することで容易に製作でき、四隅の接地用脚部3も同一の金具で形成でき、量産性に優れる。
【0057】
また、積み重ねしたときに重合連通する止着孔17にボルトを通して止着固定してもよく、また受台部2の受枠部6の底面(載置面)のマット受面部4に所定の泥落とし用マット1がクリアランス分ズレ動くことをも抑制するためのスリップ止め部や、別例(実施例4)として
図15に示すようなズレ止め係止片18などを付設してもよい。
【0058】
尚、本発明は、実施例1、2、3に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0059】
1 泥落とし用マット
2 受台部
3 接地用脚部
4 マット受面部
5 多穴部
6 受枠部
7 金属製枠部
8 ブラシ部
14 脚受部
15 係止部
16 係合部