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特許7142967T字形管路網型の3段軸流気液分離装置及びリアルタイム制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】T字形管路網型の3段軸流気液分離装置及びリアルタイム制御システム
(51)【国際特許分類】
   B01D 19/00 20060101AFI20220920BHJP
   B01D 45/06 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
B01D19/00 102
B01D45/06
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021045995
(22)【出願日】2021-03-19
(65)【公開番号】P2022087784
(43)【公開日】2022-06-13
【審査請求日】2021-03-19
(31)【優先権主張番号】202011382194.8
(32)【優先日】2020-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519008773
【氏名又は名称】中国石油大学(華東)
【氏名又は名称原語表記】China University of Petroleum(East China)
【住所又は居所原語表記】No.66,West Changjiang Road,Huangdao District,Qingdao,Shandong,China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】劉 春花
(72)【発明者】
【氏名】劉 新福
(72)【発明者】
【氏名】陳 基
(72)【発明者】
【氏名】▲はお▼ 忠献
(72)【発明者】
【氏名】耿 莉
(72)【発明者】
【氏名】呉 暁明
(72)【発明者】
【氏名】▲はお▼ 愛剛
(72)【発明者】
【氏名】劉 峰
(72)【発明者】
【氏名】王 建峰
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲とく▼祥
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104801071(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106334635(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106861296(CN,A)
【文献】中国実用新案第211412378(CN,U)
【文献】特開昭52-092973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D19/00
B01D45/00-45/18
B04C1/00-11/00
C10L3/00-3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
T字形管路網型の3段軸流気液分離装置であって、
第1段の軸流脱気器、第2段の旋回流脱気器、及び第3段の射流脱気器を含み、三者がフランジを介して接続されてT字形管路網に組み合わせられ、
前記第1段の軸流脱気器は、T字形軸流管、軸流紡錘形、軸流集気管、軸流集気管の水平段部位において周方向に均等に分布している円錐状軸流羽根、及び気管接続スリーブを含み、前記T字形軸流管は、軸流脱気管、軸流排液管、及び軸流排気管からなる3方向管であり、前記軸流紡錘形は軸流脱気管内に固定され、気管接続スリーブはネジ接続により円錐状軸流羽根と軸流集気管を軸流脱気管の右側の内腔に固定し、
前記第2段の旋回流脱気器は、円錐柱状旋回流管、柱状旋回流羽根、仰角給液管、及び旋回流集気管を含み、前記円錐柱状旋回流管は、先端がフランジで密閉された柱体と円錐体を組み合わせた管を用い、上部柱状旋回流管段、円錐状旋回流管段及び下部柱状旋回流管段を組み合わせたものであり、旋回流集気管は、気流捕集円錐状ケースと気体輸送用長曲がり管を溶接してなり、仰角給液管は上部柱状旋回流管段の外側壁に固定され、前記軸流排液管に接続され、気流捕集円錐状ケースは、円錐状旋回流管段の最上部に位置し、気体輸送用長曲がり管は円錐柱状旋回流管のフランジに固定され、柱状旋回流羽根は円錐柱状旋回流管の下部内腔に固定され、各柱状旋回流羽根の内側には互いの間に細長い柱状旋回流通路が形成され、
前記第3段の射流脱気器は、T字形射流管、T字形緩衝管及びその内部の射流曲がり管、射流接続ディスクを含み、T字形緩衝管は、気流緩衝管と気流輸送管とからなる3方向管を用い、T字形緩衝管はフランジを通じて射流接続ディスクに接続され、T字形射流管と旋回流集気管は一体に接続され、気管接続スリーブの本体部分は軸流排気管に嵌め込まれて、フランジを介してT字形緩衝管に一体に接続され、T字形射流管は、射流集液管と射流排液管とからなる3方向管を用い、射流曲がり管と気流緩衝管との間には二重管緩衝環状室が形成され、射流曲がり管と射流集液管との間には二重管射流環状室が形成される、ことを特徴とするT字形管路網型の3段軸流気液分離装置。
【請求項2】
前記第1段の軸流脱気器は水平に配置され、第2段の旋回流脱気器及び第3段の射流脱気器は縦方向に配置され、第1段の軸流脱気器と同時に垂直に交差して配設される、ことを特徴とする請求項1に記載のT字形管路網型の3段軸流気液分離装置。
【請求項3】
前記軸流紡錘形は、給液円錐部、軸流形成歯柱及び出液円錐部を組み合わせたものであり、軸流形成歯柱の4つの軸流形成歯が円周方向に均等に分布し、各軸流形成歯間には4本の軸流形成歯スロットが形成され、軸流紡錘形が締まり嵌めにより軸流脱気管の左側内腔に軸方向に固定されている、ことを特徴とする請求項1に記載のT字形管路網型の3段軸流気液分離装置。
【請求項4】
前記第1段の軸流脱気器は、横型柱状単管を用い、軸流紡錘形の給液円錐部と出液円錐部はいずれも円錐面を用い、軸流形成歯柱の各軸流形成歯の歯ラインが軸流脱気管の内側壁に沿って展開する螺旋ラインを用い、各軸流形成歯の歯ラインを含む螺旋ラインのピッチは軸方向に増大していき、各軸流形成歯の歯ラインを含む螺旋ラインの左側端点での接線は、軸流脱気管の軸線と平行し、その右側端点での接線が軸流紡錘形の中心線と交錯し、軸流形成歯柱の各軸流形成歯スロットの断面は内部が広く外部が狭い台形であり、各軸流形成歯の歯頂面は同一の柱面に位置し、且つ歯頂面が軸流脱気管の内側壁と締まり嵌めする、ことを特徴とする請求項3に記載のT字形管路網型の3段軸流気液分離装置。
【請求項5】
前記T字形軸流管の軸流脱気管の左側端はフランジを介して1段送液管に一体に接続され、軸流脱気管と軸流排気管の内側壁はいずれも柱面を用い、2つの管段が垂直に交差して配設され、軸流排液管の内外側壁には異なるテーパの円錐面が使用され、
前記軸流集気管は曲がり管を用い、円錐状軸流羽根と軸流集気管は円周溶接方式により一体に接続され、円錐状軸流羽根のうち軸流脱気管の軸方向における羽根の外形は台形となり、気管接続スリーブの本体部分は軸流排気管の内腔に嵌め込まれて、その上端がフランジを介してT字形軸流管とT字形緩衝管に一体に接続される、ことを特徴とする請求項1に記載のT字形管路網型の3段軸流気液分離装置。
【請求項6】
T字形管路網型の3段軸流気液分離装置のリアルタイム制御システムであって、
1段軸流脱気制御システム、2段旋回流脱気制御システム、及び3段射流脱気制御システムは、第1段の4つの軸流による高速脱気作業、第2段の単一旋回流による高速脱気作業、及び第3段の方向変更射流による高度脱気作業工程を遠隔的かつ自動的に制御し、
前記1段軸流脱気制御システムの1段送液マニホールドには電磁流量計と緊急遮断弁が設置され、1段送液マニホールド及び1段排気マニホールドのそれぞれには1セットの圧力空気圧制御弁が設けられ、軸流排液管及び軸流排気管のそれぞれには圧力コンバータが設けられ、1段排液マニホールドには液位空気圧制御弁が設置され、T字形軸流管には液位コンバータが設けられ、
前記2段旋回流脱気制御システムの2段排気マニホールドには圧差空気圧制御弁が設置され、旋回流集気管及び2段排液マニホールドのそれぞれには1セットの圧力コンバータが設けられ、2段送液マニホールドには2セットの圧差コンバータが設けられ、2段排液マニホールドには超音波液体流量計及び液位空気圧制御弁が設置され、下部柱状旋回流管段には液位コンバータが設けられ、
前記3段射流脱気制御システムの3段排気マニホールドには、超音波ガス流量計及び圧力空気圧制御弁が順次設置され、1段気流マニホールド及び2段気流マニホールドのそれぞれには圧力コンバータが設けられ、3段排液マニホールドには超音波液体流量計及び液位空気圧制御弁が順次設置され、T字形射流管には液位コンバータが設けられる、ことを特徴とするT字形管路網型の3段軸流気液分離装置のリアルタイム制御システム。
【請求項7】
前記1段軸流脱気制御システム、2段旋回流脱気制御システム、及び3段射流脱気制御システムは、ガス含有井戸液並びに各段の気流及び各段液流の流量と流動圧力を自動的に制御する、ことを特徴とする請求項6に記載のT字形管路網型の3段軸流気液分離装置のリアルタイム制御システム。
【請求項8】
前記1段軸流脱気制御システムの電磁流量計は、流量コンバータを介して測定されたガス含有井戸液の総流量信号を積算流量表示メータに伝送することで、ガス含有井戸液を正確に計測し、緊急遮断弁は、ノーマルオープン状態であり、超高圧信号生じた場合、自動的に閉じてガス含有井戸液の供給を停止し、各圧力コンバータは、軸流排液管及び軸流排気管内の圧力状況を監視し、圧力指示コントローラ及び圧力変換器により圧力信号と電気信号の間の変換及びデータ処理を順次行い、最後に、1段送液マニホールドの圧力空気圧制御弁によりガス含有井戸液の流量を自動的に制御し、1段排気マニホールドの圧力空気圧制御弁により1段気流の流量を自動的に制御し、液位コンバータは、軸流脱気管内の液位状況を監視し、液位変換器により液位信号と電気信号の間の変換及びデータ処理を行い、最後に、1段排液マニホールドの液位空気圧制御弁により1段液流の流量を自動的に制御する、ことを特徴とする請求項6に記載のT字形管路網型の3段軸流気液分離装置のリアルタイム制御システム。
【請求項9】
前記2段旋回流脱気制御システムの各圧差コンバータ及び圧力コンバータは、それぞれ、仰角給液管と旋回流集気管、及び仰角給液管と下部柱状旋回流管段との間の圧差状況を監視し、圧差指示コントローラ及び圧差式ガス電気変換器により圧差信号とガス信号の間の変換及びデータ処理を順次行い、2段排気マニホールドの圧差空気圧制御弁の空気圧量を自動的に制御し、さらに2段気流の流量を自動的に調整し、超音波液体流量計は、流量コンバータにより測定された2段液流の流量信号を瞬時流量表示メータと積算流量表示メータに伝送することで、2段液流を正確に計測し、液位コンバータは、円錐柱状旋回流管内の液位状況を監視し、液位変換器により液位信号と電気信号の間の変換及びデータ処理を行い、最後に、2段排液マニホールドの液位空気圧制御弁により2段液流の流量を自動的に制御する、ことを特徴とする請求項6に記載のT字形管路網型の3段軸流気液分離装置のリアルタイム制御システム。
【請求項10】
前記3段射流脱気制御システムの超音波ガス流量計は、それぞれ、流量コンバータ、圧力コンバータ及び温度コンバータによって測定された3段気流の流量、圧力及び温度信号を瞬時流量表示メータと積算流量表示メータに伝送することで、3段気流を正確に計測し、各圧力コンバータは、気流緩衝管及び気流輸送管内の圧力状況を監視し、圧力指示コントローラ及び圧力変換器により圧力信号と電気信号の間の変換及びデータ処理を順次行い、最後に、3段排気マニホールドの圧力空気圧制御弁により3段気流の流量を自動的に制御する、ことを特徴とする請求項6に記載のT字形管路網型の3段軸流気液分離装置のリアルタイム制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油ガス田の開発及び採掘工事の分野における効率的な気液分離方法に関し、特に、コンパクト型、T字形管路網、3段軸流脱気の管式気液分離装置及びそのリアルタイム制御システム、プロセスフローに関する。
【背景技術】
【0002】
石油ガス井から採掘された天然ガスを遠距離輸送するためには動力を提供する必要があり、天然ガス中の液相成分及び不純物は、タービン類動力装置に燃料を供給するときに機械の故障を引き起こし、程度が異なるが、下流設備へ汚染やダメージに与え、また、液相成分の存在により天然ガスの露点を低下させ、温度が下がると天然ガスが輸送中に液体を析出させ、このため、天然ガスを集中輸送する前に気液分離作業が必要とされる。
【0003】
気液分離メカニズムに従って、現在、重力分離器、濾過分離器及び組み合わせ式旋回流コアレッサなど、さまざまなタイプの分離器が開発されている。そのうち、重力分離器は、構造がシンプルであり、加工製造コストが低く、さまざまな気液分離の作業状況を満たすという利点を有するが、明らかな欠点があり、つまり、十分な空間が必要とされ、重力により分離するため滞在時間が長く、分離効率が低く、天然ガスから分離し得る臨界液滴の粒径が100μm以下であり、このため、分離気液二相流中の小粒径液滴を分離できず、地面での天然ガスの分離作業にしか適用できない。濾過分離器は、分離臨界液滴粒径が大きく、分離効率が低く、分離のために滞在時間が長いなど、重力分離器の問題を解決できるものの、濾過分離器の主要部材であるフィルタエレメントでは、分離工程中に詰まりなどの問題が発生しやすく、その結果、分離前後の気液二相流体の圧力降下を急速に増大させ、分離器のフィルタエレメントの定期的な交換が必要とされ、そして、分離器のフィルタエレメントが繰り返し使用される場合、洗浄や汚物排出の工程が複雑である。組み合わせ式旋回流コアレッサは、多管遠心式分離器とメッシュコアレッサとを有機的に組み合わせることで、気液二相の流量が大きい場合、二次携帯が深刻であるという問題を解決するが、この組み合わせ式分離器では、フラッディングが発生しやすく、汚染物の処理効果が劣り、詰まりが発生しやすく、かつ、排液方向が分離効率に直接影響し、気液二相の流動圧力降が大きい。なお、現在、中国国内では、コンパクト型の効率的な気液分離技術についての研究はまだ試験段階である。
【0004】
このため、従来の実施可能な技術に基づいて、コンパクト化、効率化及び知能化を基本的な原則として、油ガス田の開発及び採掘工事の分野においてガス含有井戸液を高度脱気するために好適な3段軸流気液分離装置が開発され、それにより、設備の占有面積を減らし、分離効率を高め、ガス中の含液量を低下させ、遠隔スマート制御を実現する目的を達成させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の油ガス田の開発及び採掘工事における重力式、濾過式、及び組み合わせ式の気液分離方法に存在する欠陥及び欠点を解決し、中国国内では、コンパクト型の効率的な脱気技術はまだ初期及び試験の段階にあるという研究の現状を改善するために、本発明の目的は、油ガス田の開発及び採掘工事の分野においてガス含有井戸液を高度脱気するために好適なT字形管路網型の3段軸流気液分離装置及びリアルタイム制御システムを提供することである。該3段軸流気液分離装置は、3段軸流気液分離プロセス及びそのリアルタイム制御システムによって、各段の脱気作業を遠隔的かつ自動的に制御し、ガス含有井戸液及び各段の気流や液流の流量と流動圧力を自動的に制御し、気液が効率的に分離し、ガス中の含液量が低く、液中のガス含有量が低く、遠隔スマート制御が可能であるなどの特徴を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、その技術的課題を解決するために使用される技術的解決手段は、T字形管路網型の3段軸流気液分離装置及びリアルタイム制御システムを開発しており、このT字形管路網型の3段軸流気液分離装置は、主に、第1段の軸流脱気器、第2段の旋回流脱気器、第3段の射流脱気器、1段軸流脱気制御システム、2段旋回流脱気制御システム、及び3段射流脱気制御システムからなる。第1段の軸流脱気器は水平に配置され、第2段の旋回流脱気器及び第3段の射流脱気器は、縦方向に配置され、第1段の軸流脱気器に同時に垂直に交差して配設され、第1段の軸流脱気器、第2段の旋回流脱気器、及び第3段の射流脱気器は、互いにフランジを介して接続されてT字形管路網に組み合わせられ、ガス含有井戸液の3段軸流気液分離を実現し、1段軸流脱気制御システム、2段旋回流脱気制御システム、及び3段射流脱気制御システムは、第1段の4つの軸流による高速脱気作業、第2段の単一旋回流による高速脱気作業、及び第3段の方向変更射流による高度脱気作業工程を遠隔的かつ自動的に制御する。
【0007】
第1段の軸流脱気器は、横型柱状単管を用い、第1段の4つの軸流による高速脱気作業を実施し、ガス含有井戸液の大部分の液相を除去して1段気流及び1段液流にし、軸流紡錘形、T字形軸流管、円錐状軸流羽根、軸流集気管、及び気管接続スリーブを含む。
【0008】
軸流紡錘形は、給液円錐部、軸流形成歯柱、及び出液円錐部を組み合わせたものであり、軸流紡錘形の給液円錐部と出液円錐部はいずれも円錐面を用い、軸流形成歯柱の4つの軸流形成歯が円周方向に均等に分布しており、各軸流形成歯の歯ラインが軸流脱気管の内側壁に沿って展開する螺旋ラインを用い、各軸流形成歯の歯ラインを含む螺旋ラインのピッチが軸方向に増大していき、各軸流形成歯の歯ラインを含む螺旋ラインの左側端点での接線は軸流脱気管の軸線と平行し、その右側端点での接線が軸流紡錘形の中心線と交錯する。軸流形成歯柱の各軸流形成歯間に4本の軸流形成歯スロットが形成され、各軸流形成歯スロットの断面が、内部が広く外部が狭い台形であり、各軸流形成歯の歯頂面が同一の柱面に位置し、且つ歯頂面が軸流脱気管の内側壁と締まり嵌めし、それにより、各軸流形成歯は、締まり嵌めにより軸流紡錘形を軸流脱気管の左側内腔の軸方向に固定する。
【0009】
T字形軸流管は、軸流脱気管、軸流排液管、及び軸流排気管からなる3方向管を用い、軸流脱気管の左側端がフランジを介して1段送液マニホールドに一体に接続され、軸流脱気管と軸流排気管の内側壁はいずれも柱面を用い、2つの管段が垂直に交差して配設され、軸流排液管の内外側壁には異なるテーパの円錐面が使用され、軸流排液管の内側壁を含む円錐面の小径端の円面の直径が仰角給液管の内径に等しい。
【0010】
軸流集気管は曲がり管を用い、円錐状軸流羽根は軸流集気管の水平段部位において周方向に均等に分布しており、円錐状軸流羽根と軸流集気管は円周溶接方式により一体に接続され、軸流集気管の縦方向段の部位の外側壁は、シール性管ねじが旋削され、ネジ接続により気管接続スリーブに接続される。
【0011】
円錐状軸流羽根は、楔形板式羽根の構造を用い、各円錐状軸流羽根では、軸流脱気管の周方向の両側の羽根面が位置する平面間の夾角が鋭角であり、各円錐状軸流羽根では、軸流脱気管の軸方向における羽根の外形が台形である。
【0012】
気管接続スリーブの本体部分が、軸流排気管の内腔にはめ込まれて、その上端がフランジを介してT字形軸流管及びT字形緩衝管に一体に接続され、気管接続スリーブの内側壁の下部が、ネジ接続により円錐状軸流羽根と軸流集気管を軸流脱気管の右側内腔に固定する。
【0013】
第1段の4つの軸流による高速脱気作業工程としては、ガス含有井戸液が軸流紡錘形の給液円錐部を介して軸流形成歯柱に導入され、各軸流形成歯がガス含有井戸液を4つの軸流に分割し、軸流形成歯スロット内の4つの軸流が絶えずに増速して方向を変更し、軸方向に沿って左斜めにT字形軸流管に流入し、4つの軸流が高速で回転しながら進み、その間に、ガス含有井戸液の大部分の液相が徐々に軸流脱気管の管壁に徐々に投げ出され、回転しながら流動している1段液流となり、1段液流が、軸流集気管の水平段部位の外側壁を経て円錐状軸流羽根に導入され、軸方向の均等な流れに調整されて軸流排液管から排出され、それと同時に、ガス含有井戸液中の気相が絶えずに軸流脱気管の中央部位に移動して回転円錐芯のような1段気流を形成し、1段気流が、軸方向に沿って右向きに軸流集気管に入り、軸流排気管及び気管接続スリーブを介して排出される。
【0014】
第2段の旋回流脱気器は、縦型円錐柱状単管を用い、第2段の単一旋回流による高速脱気作業を実施し、1段液流に残った液相を除去して2段気流及び2段液流にし、この第2段の旋回流脱気器は、仰角給液管、円錐柱状旋回流管、柱状旋回流羽根、及び旋回流集気管を含む。
【0015】
仰角給液管は、長くストレートな丸管を持ち、傾斜して配置され、仰角給液管の一端がフランジを介してT字形軸流管に一体に接続され、他端が、円周溶接により円錐柱状旋回流管の管壁に固定される。
【0016】
円錐柱状旋回流管は、先端がフランジで密閉された柱体と円錐体を組み合わせた管を用い、その底端がフランジを介して2段排液マニホールドに一体に接続され、円錐柱状旋回流管は、上部柱状旋回流管段、円錐状旋回流管段、及び下部柱状旋回流管段を組み合わせたものであり、上部柱状旋回流管段の管壁には、仰角給液管に連通している円形流路が開けられ、仰角給液管の内側壁が、上部柱状旋回流管段の内側壁との結合部位と相接し、それにより、1段液流が仰角給液管を経て上部柱状旋回流管段に順調に入り、円錐状旋回流管段の内側壁には逆円錐面が使用され、一方、上部柱状旋回流管段及び下部柱状旋回流管段の内側壁には円柱面が使用され、そして、三者の管段の軸方向の高さが順次小さくなる。
【0017】
柱状旋回流羽根は、矩形平板式羽根の構造を用い、各柱状旋回流羽根は、下部柱状旋回流管段の周方向に均等に配設され、その径方向の外側面と下部柱状旋回流管段の内側壁とが円周溶接され、それにより、柱状旋回流羽根は、円周溶接により円錐柱状旋回流管の下部内腔に固定され、各柱状旋回流羽根は、径方向の内側に互いに間隙を維持し、細長い柱状旋回流通路を構成する。
【0018】
旋回流集気管は、気流捕集円錐状ケースと気体輸送用長曲がり管とを溶接してなり、気流捕集円錐状ケースは、円錐状旋回流管段の最上部に位置し、その内外側ケースの表面が同じテーパの円錐面とされ、また、気流捕集円錐状ケースの内側ケースの表面を含む円錐面の小径端の円面の直径が、気体輸送用長曲がり管の内径に等しく、気体輸送用長曲がり管は、水平段がフランジを介して気流輸送管に一体に接続され、その縦方向段の中央部が、円錐柱状旋回流管の先端のフランジを貫通しており、円周溶接により固定される。
【0019】
第2段の単一旋回流による高速脱気作業工程としては、1段液流が、仰角給液管を経て下向きに傾斜して上部柱状旋回流管段に入り、管壁に沿って高速で回転しながら単一旋回流を形成し、単一旋回流が円錐状旋回流管段に入ると、管壁のテーパが大きくなり、流路の断面が素早く縮小して角運動量が増大し、回転速度が絶えずに上昇し、次に、単一旋回流が下部柱状旋回流管段に入り、短い時間滞在し、その間に、1段液流の残りの液相が円錐柱状旋回流管の管壁に徐々に投げ出され、下向きに回転しながら流動している2段液流となり、2段液流が柱状旋回流羽根により縦方向の均等な流れに調整されて排出され、それと同時に、1段液流の残りの気相が、絶えずに柱状旋回流羽根の細長い柱状旋回流通路に移動して円錐柱状旋回流管の中央部位に沿って逆方向に上昇して合流して2段気流となり、2段気流が、旋回流集気管の気流捕集円錐状ケースにより捕捉され、気体輸送用長曲がり管を介して排出される。
【0020】
第3段の射流脱気器は、縦型柱状二重管を用い、第3段の方向変更射流による高度脱気作業を実施し、1段気流及び2段気流に含まれる小粒径液滴を除去して3段気流及び3段液流にし、第3段の射流脱気器は、T字形緩衝管、射流曲がり管、T字形射流管、及び射流接続ディスクを含む。
【0021】
T字形緩衝管は、気流緩衝管と気流輸送管からなる3方向管を用い、T字形緩衝管がフランジを介して射流接続ディスクにされ接続、T字形射流管が旋回流集気管に一体に接続され、気流緩衝管と射流集液管の管径が等しく、気流緩衝管の管壁の中央部には、円周溶接により気流輸送管に接続された円形孔が開けられ、気流輸送管が、水平に配置され、気流緩衝管に垂直に交差して配設され、気流輸送管の内径が、気体輸送用長曲がり管の内径に等しい。
【0022】
T字形射流管は、射流集液管と射流排液管からなる3方向管を用い、射流集液管の先端がフランジを介して3段排気マニホールドに一体に接続され、射流集液管の管壁の下部には、円周溶接により射流排液管に接続された円形孔が開けられ、射流排液管が、水平に配置され、射流集液管に垂直に交差して配設され、射流排液管の端部が、フランジを介して3段排液マニホールドに一体に接続される。
【0023】
射流接続ディスクは、フランジ構造を用い、中央部位にはシール性管ねじが旋削され、射流曲がり管は、曲げヘッド付き長管を用い、外管壁がネジ接続により射流接続ディスクと同軸心に配設され、軸方向に固定され、それにより、射流曲がり管と気流緩衝管との間に二重管緩衝環状室が形成され、射流曲がり管と射流集液管之との間に二重管射流環状室が形成され、射流曲がり管の先端の水平段は射流集液管の内腔の上部に位置し、1段気流と2段気流の方向を変更する。
【0024】
第3段の方向変更射流による高度脱気作業工程としては、小粒径液滴を含む1段気流が、それぞれ軸流集気管及び気管接続スリーブを流れるとともに、2段気流が順次旋回流集気管及び気流輸送管を経てT字形緩衝管に入り、二重管緩衝環状室内の1段気流及び2段気流が、緩衝された後、射流曲がり管を介して二重管射流環状室に入射され、方向変更及び減速を受け、その後、1段気流及び2段気流に含まれる小粒径液滴が、高度に除去されて3段気流及び3段液流を形成し、3段気流が、射流集液管の先端から排出されながら、3段液流が射流排液管から排出される。
【0025】
1段軸流脱気制御システム、2段旋回流脱気制御システム、及び3段射流脱気制御システムは、ガス含有井戸液及び各段の気流や各段液流の流量と流動圧力自動的に制御する。T字形軸流管、円錐柱状旋回流管、及びT字形射流管の管壁は、それぞれ圧力放出弁に設置され、圧力放出弁は、過圧の作業状況が発生した場合、各内腔内の圧力を自動的に放出する。
【0026】
1段軸流脱気制御システムでは、1段送液マニホールドには電磁流量計及び緊急遮断弁が設置され、電磁流量計は、流量コンバータを介して測定されたガス含有井戸液の総流量信号を積算流量表示メータに伝送することで、ガス含有井戸液を正確に計測する。緊急遮断弁は、ノーマルオープン状態であり、超高圧信号や各段脱気システムの故障が生じた場合、自動的に閉じてガス含有井戸液の供給を停止する。
【0027】
1段軸流脱気制御システムでは、1段送液マニホールド及び1段排気マニホールドのそれぞれには1セットの圧力空気圧制御弁が設けられ、軸流排液管及び軸流排気管のそれぞれには圧力コンバータが設けられ、各圧力コンバータは、軸流排液管及び軸流排気管内の圧力状況を監視し、圧力指示コントローラ及び圧力変換器により圧力信号と電気信号の間の変換及びデータ処理を順次行い、最後に、1段送液マニホールドの圧力空気圧制御弁によりガス含有井戸液の流量を自動的に制御し、1段排気マニホールドの圧力空気圧制御弁により1段気流の流量を自動的に制御する。1段排液マニホールドには液位空気圧制御弁が設置され、T字形軸流管には液位コンバータが設けられ、液位コンバータは、軸流脱気管内の液位状況を監視し、液位変換器により液位信号と電気信号の間の変換及びデータ処理を行い、最後に、1段排液マニホールドの液位空気圧制御弁により1段液流の流量を自動的に制御する。
【0028】
2段旋回流脱気制御システムでは、2段排気マニホールドには圧差空気圧制御弁が設置され、旋回流集気管及び2段排液マニホールドのそれぞれには1セットの圧力コンバータが設置され、2段送液マニホールドには2セットの圧差コンバータが設けられ、各圧差コンバータ及び圧力コンバータは、それぞれ仰角給液管と旋回流集気管、及び仰角給液管と下部柱状旋回流管段との間の圧差状況を監視し、圧差指示コントローラ及び圧差式ガス電気変換器により圧差信号とガス信号の間の変換及びデータ処理を順次行い、2段排気マニホールドの圧差空気圧制御弁の空気圧量を移動的に自動的に制御し、さらに2段気流の流量を自動的に調整する。2段排液マニホールドには、超音波液体流量計及び液位空気圧制御弁が順次に設置され、超音波液体流量計は、流量コンバータを介して測定された2段液流の流量信号を瞬時流量表示メータと積算流量表示メータに伝送することで、2段液流を正確に計測する。下部柱状旋回流管段には液位コンバータが設けられ、液位コンバータは、円錐柱状旋回流管内の液位状況を監視し、液位変換器により液位信号と電気信号の間の変換及びデータ処理を行い、最後に、2段排液マニホールドの液位空気圧制御弁により2段液流の流量を自動的に制御する。
【0029】
3段射流脱気制御システムでは、3段排気マニホールドには、超音波ガス流量計及び圧力空気圧制御弁が順次設置され、超音波ガス流量計は、それぞれ流量コンバータ、圧力コンバータ及び温度コンバータを介して測定された3段気流の流量、圧力及び温度信号を瞬時流量表示メータと積算流量表示メータに伝送することで、3段気流を正確に計測する。1段気流マニホールド及び2段気流マニホールドのそれぞれには圧力コンバータが設けられ、各圧力コンバータは気流緩衝管及び気流輸送管内の圧力状況を監視し、圧力指示コントローラ及び圧力変換器により圧力信号と電気信号の間の変換及びデータ処理を順次行い、最後に、3段排気マニホールドの圧力空気圧制御弁により3段気流の流量を自動的に制御する。
【0030】
3段射流脱気制御システムでは、3段排液マニホールドには超音波液体流量計及び液位空気圧制御弁が順次設置され、超音波液体流量計は、流量コンバータを介して測定された3段液流の流量信号を瞬時流量表示メータと積算流量表示メータに伝送することで、3段液流を正確に計測する。T字形射流管には液位コンバータが設けられ、液位コンバータは、射流集液管内の液位状況を監視し、液位変換器により液位信号と電気信号の間の変換及びデータ処理を行い、最後に、3段排液マニホールドの液位空気圧制御弁により3段液流の流量を自動的に制御し、射流集液管内の液柱圧力と3段気流動圧力との和と、射流排液管内の3段液流の圧力との間の動的平衡を自動的に制御する。
【発明の効果】
【0031】
本発明による技術的効果は以下のとおりであり、すなわち、該3段軸流気液分離装置は、気液が効率よく分離され、ガス中の含液量が低く、液中のガス含有量が低く、遠隔スマート制御が可能であるなどの特徴を有し、第1段の軸流脱気器は、横型柱状単管を用い、第1段の4つの軸流による高速脱気作業を実施し、ガス含有井戸液の大部分の液相を除去して1段気流と1段液流にし、第2段の旋回流脱気器は、縦型円錐柱状単管を用い、第2段の単一旋回流による高速脱気作業を実施し、1段液流に残った液相を除去して2段気流と2段液流にし、第3段の射流脱気器は、縦型柱状二重管を用い、第3段の方向変更射流による高度脱気作業を実施し、1段気流及び2段気流に含まれる小粒径液滴を除去して3段気流及び3段液流にし、1段軸流脱気制御システム、2段旋回流脱気制御システム、及び3段射流脱気制御システムは、各段の脱気作業を遠隔的かつ自動的に制御し、ガス含有井戸液及び各段の気流や各段液流の流量と流動圧力を自動的に制御する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
以下、図面を参照しながら本発明をさらに説明するが、本発明は以下の実施例に制限されない。
【0033】
図1】本発明に係るT字形管路網型の3段軸流気液分離装置及びリアルタイム制御システムの代表的なプロセスフロー図である。
図2】T字形管路網型の3段軸流気液分離装置の代表的な構造概略図である。
図3】T字形管路網型の3段軸流気液分離装置及びリアルタイム制御システムの第1段の軸流脱気器の構造概略図である。
図4】第1段の軸流脱気器の軸流紡錘形の構造概略図である。
図5】第1段の軸流脱気器の円錐状軸流羽根及び軸流集気管の構造概略図である。
図6】T字形管路網型の3段軸流気液分離装置及びリアルタイム制御システムの第2段の旋回流脱気器の構造概略図である。
図7図6の下面図である。
図8】T字形管路網型の3段軸流気液分離装置及びリアルタイム制御システムの第3段の射流脱気器の構造概略図である。
図9】T字形管路網型の3段軸流気液分離装置及びリアルタイム制御システムの1段軸流脱気制御システムのパイプライン及びメータの制御図である。
図10】T字形管路網型の3段軸流気液分離装置及びリアルタイム制御システムの2段旋回流脱気制御システムのパイプライン及びメータの制御図である。
図11】T字形管路網型の3段軸流気液分離装置及びリアルタイム制御システムの3段射流脱気制御システムのパイプライン及びメータの制御図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1及び図2に示すように、T字形管路網型の3段軸流気液分離装置及びリアルタイム制御システムは、第1段の軸流脱気器1、1段軸流脱気制御システム2、第2段の旋回流脱気器3、2段旋回流脱気制御システム4、第3段の射流脱気器5、及び3段射流脱気制御システム6を含み、第1段の軸流脱気器1、第2段の旋回流脱気器3及び第3段の射流脱気器5はフランジを介して接続されてT字形管路網に組み合わせられ、それにより、ガス含有井戸液の3段軸流気液分離が実現される。
【0035】
図1及び図2に示すように、T字形管路網型の3段軸流気液分離装置及びリアルタイム制御システムは、第1段の軸流脱気器1により、第1段の4つの軸流による高速脱気作業を実施し、ガス含有井戸液の大部分の液相を除去して1段気流及び1段液流にし、第2段の旋回流脱気器3により、第2段の単一旋回流による高速脱気作業を実施し、1段液流に残った液相を除去して2段気流及び2段液流にし、第3段の射流脱気器5により、第3段の方向変更射流による高度脱気作業を実施し、1段気流及び2段気流に含まれる小粒径液滴を除去して3段気流及び3段液流にする。1段軸流脱気制御システム2、2段旋回流脱気制御システム4、及び3段射流脱気制御システム6は、各段脱気作業を遠隔的かつ自動的に制御し、ガス含有井戸液及び各段の気流や各段の液流の流量と流動圧力を自動的に制御することを実現する。
【0036】
図3図5に示すように、第1段の軸流脱気器1は、T字形軸流管8及びその内部の軸流紡錘形7、円錐状軸流羽根9、軸流集気管10及び気管接続スリーブ11を含み、軸流紡錘形7は、給液円錐部15、軸流形成歯柱16及び出液円錐部17を組み合わせたものであり、軸流形成歯柱16の各軸流形成歯18の間に4本の軸流形成歯スロット19が形成され、軸流形成歯18は、締まり嵌めにより軸流紡錘形7を軸流脱気管14内に固定し、気管接続スリーブ11の本体部位は、軸流排気管13に嵌め込まれてフランジを介してT字形軸流管8及びT字形緩衝管に一体に接続され、軸流排液管12はフランジを介して仰角給液管に接続される。
【0037】
図3図5に示すように、第1段の4つの軸流による高速脱気作業工程としては、ガス含有井戸液が軸流脱気管14に入り、給液円錐部15を介して軸流形成歯柱16に導入され、各軸流形成歯18がガス含有井戸液を4つの軸流に分割し、軸流形成歯スロット19内の4つの軸流が絶えず増速して方向を変更し、軸方向に沿って左斜めにT字形軸流管8に流入し、4つの軸流が高速で回転しながら進み、その間に、ガス含有井戸液の大部分の液相が軸流脱気管14の管壁に徐々に投げ出され、回転しながら流動している1段液流を形成し、1段液流が、軸流集気管10の水平段部位の外側壁を経て円錐状軸流羽根9に導入され、軸方向の均等な流れに調整されてから軸流排液管12から排出され、それと同時に、ガス含有井戸液中の気相が絶えずに軸流脱気管14の中央部位に移動して回転円錐芯のような1段気流を形成し、1段気流が軸方向に沿って右向きに軸流集気管10に入り、軸流排気管13及び気管接続スリーブ11を介して排出される。
【0038】
図6及び図7に示すように、第2段の旋回流脱気器3は、円錐柱状旋回流管22、その内部の柱状旋回流羽根23、及び1つの仰角給液管21と1つの旋回流集気管20を含み、仰角給液管21は溶接により上部柱状旋回流管段27の管壁に固定され、下部柱状旋回流管段24は、フランジを介して2段排液マニホールドに一体に接続され、気流捕集円錐状ケース26は、円錐状旋回流管段25の最上部に位置し、気体輸送用長曲がり管28は溶接により円錐柱状旋回流管22のフランジに固定され、柱状旋回流羽根23は、円周溶接により下部柱状旋回流管段24の内腔に固定され、各柱状旋回流羽根23では、径方向に沿う内側に細長い柱状旋回流通路29が形成されている。
【0039】
図6及び図7に示すように、第2段の単一旋回流による高速脱気作業工程としては、1段液流が、軸流排液管12を介して仰角給液管21を経て下向きに傾斜して上部柱状旋回流管段27に入り、管壁に沿って高速で回転しながら単一旋回流を形成し、単一旋回流が円錐状旋回流管段25に入ると、管壁のテーパが大きくなり、流路の断面が素早く縮小して角運動量が増大し、回転速度が絶えずに上昇し、次に、単一旋回流が下部柱状旋回流管段24に入り、短い時間滞在し、その間に、1段液流の残りの液相が円錐柱状旋回流管22の管壁に徐々に投げ出され、下向きに回転しながら流動している2段液流となり、2段液流が柱状旋回流羽根23により縦方向の均等な流れに調整されて排出され、それと同時に、1段液流の残りの気相が、絶えずに細長い柱状旋回流通路29に移動して円錐柱状旋回流管22の中央部位に沿って逆方向に上昇して合流して段気流となり、2段気流が気流捕集円錐状ケース26により捕捉され、気体輸送用長曲がり管28を介して排出される。
【0040】
図8に示すように、第3段の射流脱気器5は、T字形射流管30、T字形緩衝管33及びその内部の射流曲がり管31、並びに射流接続ディスク32を含み、T字形緩衝管33の気流緩衝管34はフランジを介して射流接続ディスク32及びT字形射流管30に接続され、気流輸送管35はフランジを介して気体輸送用長曲がり管28に一体に接続され、射流曲がり管31と気流緩衝管34との間に二重管緩衝環状室36が形成され、射流曲がり管31と射流集液管38との間に二重管射流環状室39が形成され、射流集液管38は、フランジを介して3段排気マニホールドに接続され、射流排液管37は、フランジを介して3段排液マニホールドに一体に接続される。
【0041】
図8に示すように、第3段の方向変更射流による高度脱気作業工程としては、小粒径液滴を含む1段気流が、それぞれ軸流集気管10及び気管接続スリーブ11を流れるとともに、2段気流が順次気流捕集円錐状ケース26、気体輸送用長曲がり管28及び気流輸送管35を経てT字形緩衝管33に入り、二重管緩衝環状室36内の1段気流及び2段気流が緩衝された後、射流曲がり管31を介して二重管射流環状室39に入射され、方向変更及び減速を受け、その後、1段気流及び2段気流に含まれる小粒径液滴が、高度に除去され、3段気流と3段液流を形成し、3段気流が射流集液管38の先端から排出されながら、3段液流が射流排液管37から排出される。
【0042】
図9に示すように、1段軸流脱気制御システム2のパイプライン及びメータについての制御方法はとしては、1段送液マニホールド43の流量コンバータ(FIT)が、電磁流量計40により監視されたガス含有井戸液の総流量信号を中央制御室の積算流量表示メータ(FQI)に伝送し、緊急遮断弁41が自動的に閉じられることによりガス含有井戸液の供給を停止し、T字形軸流管8の管壁には、圧力放出弁45が設置され、軸流脱気管14の圧力が自動的に放出される。圧力コンバータ(PIT)が軸流排液管12及び軸流排気管13内の圧力を監視することにより、圧力指示コントローラ(PIC)及び圧力変換器(PY)により圧力信号と電気信号との間の変換及びデータ処理を順次行い、1段送液マニホールド43の圧力空気圧制御弁42はガス含有井戸液の流量を自動的に制御し、1段排気マニホールド44の圧力空気圧制御弁42により1段気流の流量を自動的に制御する。液位コンバータ(LIT)が軸流脱気管14の液位を監視することにより、液位変換器(LY)により液位信号と電気信号の間の変換及びデータ処理を行い、1段排液マニホールド46の液位空気圧制御弁47により1段液流の流量を自動的に制御する。
【0043】
図10に示すように、2段旋回流脱気制御システム4のパイプライン及びメータについての制御方法としては、2段排液マニホールド51の流量コンバータ(FIT)が、超音波液体流量計52により監視された2段液流の流量信号を中央制御室の瞬時流量表示メータ(FI)と積算流量表示メータ(FQI)に伝送し、上部柱状旋回流管段27の管壁には、圧力放出弁45が設置され、円錐柱状旋回流管22内の圧力が自動的に放出される。各圧差コンバータ(PDIT)及び圧力コンバータ(PIT)が仰角給液管21と旋回流集気管20、及び仰角給液管21と下部柱状旋回流管段24の間の圧差を監視することにより、圧差指示コントローラ(PDIC)及び圧差式ガス電気変換器(PDY)により圧差信号とガス信号の間の変換及びデータ処理を順次行い、2段排気マニホールド48の圧差空気圧制御弁49の空気圧量が自動的に制御され、さらに2段気流の流量を自動的に調整する。液位コンバータ(LIT)が円錐柱状旋回流管22内の液位を監視することにより、液位変換器(LY)により液位信号と電気信号の間の変換及びデータ処理を行い、2段排液マニホールド51の液位空気圧制御弁47により2段液流の流量を自動的に制御する。
【0044】
図11に示すように、3段射流脱気制御システム6のパイプライン及びメータについての制御方法としては、3段排液マニホールド55の流量コンバータ(FIT)が、超音波液体流量計52により監視された3段液流の流量信号を中央制御室の瞬時流量表示メータ(FI)と積算流量表示メータ(FQI)に伝送し、3段排気マニホールド54の流量コンバータ(FIT)、圧力コンバータ(PIT)及び温度コンバータ(TIT)が、超音波ガス流量計53により監視された3段気流の流量信号、圧力信号及び温度信号を中央制御室の瞬時流量表示メータ(FI)と積算流量表示メータ(FQI)に伝送し、T字形射流管30の管壁には、圧力放出弁45が設置され、射流集液管38内の圧力が自動的に放出される。圧力コンバータ(PIT)が気流緩衝管34及び気流輸送管35内の圧力を監視することにより、圧力指示コントローラ(PIC)及び圧力変換器(PY)により圧力信号と電気信号の間の変換及びデータ処理を順次行い、3段排気マニホールド54の圧力空気圧制御弁42により3段気流の流量を自動的に制御する。液位コンバータ(LIT)が射流集液管38の液位を監視することにより、液位変換器(LY)により液位信号と電気信号の間の変換及びデータ処理を行い、3段排液マニホールド55の液位空気圧制御弁47により3段液流の流量を自動的に制御し、射流集液管38内の液柱圧力と3段气流動圧力の力の和と射流排液管37内の3段液流の圧力との動的平衡を実現する。
【0045】
上述各実施例は、本発明を説明するために過ぎず、各部材の構造、接続方式、システム制御方法などはすべて変化可能であり、本発明の技術的解決手段に基づいて行った等価変換及び改良はすべて本発明の特許範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0046】
1-第1段の軸流脱気器、2-1段軸流脱気制御システム、3-第2段の旋回流脱気器、4-2段旋回流脱気制御システム、5-第3段の射流脱気器、6-3段射流脱気制御システム、7-軸流紡錘形、8-T字形軸流管、9-円錐状軸流羽根、10-軸流集気管、11-気管接続スリーブ、12-軸流排液管、13-軸流排気管、14-軸流脱気管、15-給液円錐部、16-軸流形成歯柱、17-出液円錐部、18-軸流形成歯、19-軸流形成歯スロット、20-旋回流集気管、21-仰角給液管、22-円錐柱状旋回流管、23-柱状旋回流羽根、24-下部柱状旋回流管段、25-円錐状旋回流管段、26-気流捕集円錐状ケース、27-上部柱状旋回流管段、28-気体輸送用長曲がり管、29-細長い柱状旋回流通路、30-T字形射流管、31-射流曲がり管、32-射流接続ディスク、33-T字形緩衝管、34-気流緩衝管、35-気流輸送管、36-二重管緩衝環状室、37-射流排液管、38-射流集液管、39-二重管射流環状室、40-電磁流量計、41-緊急遮断弁、42-圧力空気圧制御弁、43-1段送液マニホールド、44-1段排気マニホールド、45-圧力放出弁、46-1段排液マニホールド、47-液位空気圧制御弁、48-2段排気マニホールド、49-圧差空気圧制御弁、50-2段送液マニホールド、51-2段排液マニホールド、52-超音波液体流量計、53-超音波ガス流量計、54-3段排気マニホールド、55-3段排液マニホールド、56-2段気流マニホールド、57-1段気流マニホールド。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11