(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】車両用インホイール3アームサスペンション
(51)【国際特許分類】
B60G 11/14 20060101AFI20220920BHJP
【FI】
B60G11/14
(21)【出願番号】P 2020573523
(86)(22)【出願日】2019-06-30
(86)【国際出願番号】 IL2019050725
(87)【国際公開番号】W WO2020008453
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-05-10
(32)【優先日】2018-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-02-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520512878
【氏名又は名称】リー・オートモーティブ・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】REE AUTOMOTIVE LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】サーデス,アヒシャイ
(72)【発明者】
【氏名】デケル,ラン
(72)【発明者】
【氏名】セゲブ,トマー
(72)【発明者】
【氏名】スタリック,エラン
【審査官】西田 侑以
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-049883(JP,A)
【文献】実開昭61-150607(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2006/0012144(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2011/0209938(US,A1)
【文献】特開2007-062605(JP,A)
【文献】特表2013-525177(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 1/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インホイールサスペンションシステムであって、アセンブリを備え、
前記アセンブリは、
その接続点においてホイールのシャフトポイントに枢動可能に接続可能なメインアームと、
第1の端において前記メインアームの第1の端に枢動可能に接続された少なくとも1つの第1の結合ユニットと、
第1の端において前記メインアームの第2の端に枢動可能に接続された少なくとも1つの第2の結合ユニットとを含み、
前記メインアームに接続されていない前記第1の結合ユニットの少なくとも1つの第2の端および前記第2の結合ユニットの少なくとも1つの第2の端は、実質的な「Z」形状を形成するように、それらの間で定められた距離で基準フレームに各々枢動可能に接続可能である、インホイールサスペンションシステム。
【請求項2】
前記アセンブリはさらに、定められた場所において前記メインアームに枢動可能に接続された第1の端と、前記基準フレームに枢動可能に接続された第2の端とを有する少なくとも1つの第3の結合ユニットを含む、請求項1に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項3】
前記第3の結合ユニットの前記第1の端と前記第2の端とのうちの少なくとも1つが、球状の接合部を介して枢動可能に接続される、請求項2に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項4】
前記メインアームの前記第1の端において枢動可能に接続された前記第1の結合ユニットの第1の端と、
前記メインアームの前記第2の端において枢動可能に接続された前記第2の結合ユニットの第1の端とのうちの少なくとも1つが、球状の接合部を介して枢動可能に接続される、請求項1に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項5】
前記第1の結合ユニットの前記少なくとも1つの第2の端および前記第2の結合ユニットの前記少なくとも1つの第2の端が、それぞれの前記ユニットを第1の軸および第2の軸の周りでそれぞれ軸方向に枢動させるように接続される、請求項1に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項6】
前記第1の軸および前記第2の軸は互いに平行ではない、請求項5に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項7】
各結合ユニットは、1つ以上の結合要素と2つ以上の枢動接続部とを含む、請求項1に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項8】
前記1つ以上の結合要素は、アーム、ロッド、レバーおよびシャフトからなる群から選択される、請求項7に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項9】
前記2つ以上の枢動接続部は、ベアリング、ヒンジおよび球状の接合部からなる群から選択される、請求項7に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項10】
前記アセンブリは、実質的な直線に沿って前記第1のおよび前記第2の結合ユニットの前記第2の端に対する前記接続点の運動を規制するように構成される、請求項1に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項11】
前記アセンブリの全幅は、前記ホイールの内側リムの深さより大きい、請求項1に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項12】
前記アセンブリの全幅は、最大で前記ホイールの内側リムの深さである、請求項1に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項13】
衝撃吸収ユニットをさらに備える、請求項1に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項14】
前記衝撃吸収ユニットは、前記メインアームと前記第1のおよび前記第2の結合ユニットとのうちの少なくとも1つの位置の変化に応じて前記衝撃吸収ユニットが長さを変更できるように構成された2つの接続点間で、前記アセンブリに接続可能である、請求項13に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項15】
前記衝撃吸収ユニットは、前記メインアームと前記第1のおよび前記第2の結合ユニットとのうちの少なくとも1つの枢動接続部のうちの1つに接続される、請求項13に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項16】
前記衝撃吸収ユニットは、スプリング、モノチューブショックアブソーバ、ツインチューブショックアブソーバ、コイルオーバーショックアブソーバ、回転ダンパー、空気ショックアブソーバ、磁気ショックアブソーバ、環境発電ショックアブソーバおよびハイドロニューマチックショックアブソーバからなる群から選択される、請求項13に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項17】
前記基準フレームは
、車両のシャーシと
、前記車両の前記シャーシに接続可能な要素とのうちの1つである、請求項1に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項18】
前記メインアームの前記接続点に対する前記第1の結合ユニットの前記少なくとも1つの第2の端または前記第2の結合ユニットの前記少なくとも1つの第2の端の最大許容運動は、前記ホイールの内側リムの半径より小さい、請求項1に記載のインホイールサスペンションシステム。
【請求項19】
内側リムと、
前記内側リム内に取付けられた、請求項1に記載の前記インホイールサスペンションシステムとを備える、ホイール。
【請求項20】
インホイールサスペンションシステムを機械システムに取付ける方法であって、
少なくとも1つのインホイールサスペンションシステムを設けることを備え、前記少なくとも1つのインホイールサスペンションシステムはアセンブリを含み、前記アセンブリは、
その接続点においてホイールのシャフトポイントに枢動可能に接続可能なメインアームと、
第1の端において前記メインアームの第1の端に枢動可能に接続された少なくとも1つの第1の結合ユニットと、
第1の端において前記メインアームの第2の端に枢動可能に接続された少なくとも1つの第2の結合ユニットと、
前記アセンブリに接続された衝撃吸収ユニットとを含み、前記方法はさらに、
前記インホイールサスペンションシステムを前記ホイールの内側リム内に配設することと、
前記メインアームの接続点を前記ホイールのシャフトポイントに枢動可能に接続することと、
実質的な「Z」形状を形成するように、前記少なくとも1つの第1の結合ユニットの少なくとも1つの第2の端と、前記第2の結合ユニットの少なくとも1つの第2の端とを、それらの間で定められた距離で基準フレームに枢動可能に接続することとを備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の技術分野
本発明は、一般に車両用サスペンションシステムに関し、より特定的に、車両用インホイールサスペンションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
サスペンションシステムは、車両システムを道路の衝撃および衝突から隔離しつつ道路上で良好なグリップ力を維持するために、ホイールの上方に車両シャーシを懸架するように構成されたシステムである。これらは、妥協が必要な矛盾する要求のことがある。通常使用されるサスペンションシステムは、後方または前方であろうと、スプリング、ショックアブソーバおよび車両シャーシとホイールとの間のリンク機構を備え、これらはすべてホイールの外側にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
インホイールサスペンションシステムは、いくつかの利点および克服されなければならない課題を有する。そのようなサスペンションシステムは、車両の重量の低減、および、各ホイールのフレキシブルな個別の減衰が可能である。車両のシャーシに対する複雑な接続、または電動機に接続した高価な電気サスペンションシステムの使用を必要とする、インホイールサスペンションシステムのいくつかの例がある。そのようなシステムは、あらゆる車両に対して実現可能ではない。
【0004】
ワッツリンク(Watt’s linkage、平行リンクとしても知られる)は、中央アームの中心運動点が実質的に直線状に運動するように構成されている「Z」形状構成の、3つのアームから形成される公知の機械的リンク機構である。そのような機構は、車両サスペンションシステムで使用可能であり、車両の車軸を、横向きの動きを防止しつつ垂直に運動させる。ワッツリンクは、車両サスペンションシステムで使用されると、ホイールに対して外側に取付けられる。
【0005】
ワッツリンク全体がホイールの内側リム内に位置するようにワッツリンクをインホイールサスペンションシステム内に取付ける試みは、今までなされてこなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
本発明のいくつかの態様は、インホイールサスペンションシステムに向けられ、インホイールサスペンションシステムはアセンブリを備え、アセンブリは、その接続点(たとえば中間点)においてホイールのシャフトポイント(たとえば、ホイールのハブシャフト、ホイールのベアリング、ホイールの車軸など)に枢動可能に接続可能なメインアームと、第1の端においてメインアームの第1の端に枢動可能に接続された少なくとも1つの第1の結合ユニットと、第1の端においてメインアームの第2の端に枢動可能に接続された少なくとも1つの第2の結合ユニットとを含んでもよく、メインアームに接続されていない第1の結合ユニットの少なくとも1つの第2の端および第2の結合ユニットの少なくとも1つの第2の端は、実質的な「Z」形状を形成するように、それらの間で定められた距離で基準フレームに各々枢動可能に接続可能でもよい。
【0007】
いくつかの実施形態では、アセンブリはさらに、定められた場所においてメインアームに枢動可能に接続された第1の端と、基準フレームに枢動可能に接続された第2の端とを有する少なくとも1つの第3の結合ユニットを含む。
【0008】
いくつかの実施形態では、第3の結合ユニットの第1の端と第2の端とのうちの少なくとも1つが、球状の接合部を介して枢動可能に接続されてもよい。
【0009】
いくつかの実施形態では、メインアームの第1の端において枢動可能に接続された第1の結合ユニットの第1の端と、メインアームの第2の端において枢動可能に接続された第2の結合ユニットの第1の端とが、球状の接合部を介して枢動可能に接続される。
【0010】
いくつかの実施形態では、第1の結合ユニットの少なくとも1つの第2の端および第2の結合ユニットの少なくとも1つの第2の端が、それぞれのユニットを第1の軸および第2の軸の周りでそれぞれ軸方向に枢動させるように接続される。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の軸および第2の軸は互いに平行でなくてもよい。
いくつかの実施形態では、各結合ユニットは、1つ以上の結合要素と2つ以上の枢動接続部とを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、1つ以上の結合要素は、アーム、ロッド、レバーおよびシャフトからなる群から選択されてもよい。
【0013】
いくつかの実施形態では、2つ以上の枢動接続部は、ベアリング、ヒンジおよび球状の接合部からなる群から選択される。
【0014】
いくつかの実施形態では、アセンブリは、実質的な直線に沿って第1のおよび第2の結合ユニットの第2の端に対する接続点の運動を規制するように構成されてもよい。
【0015】
いくつかの実施形態では、アセンブリの全幅は、ホイールの内側リムの深さより大きい。
【0016】
いくつかの実施形態では、アセンブリの全幅は、最大でホイールの内側リムの深さでもよい。
【0017】
いくつかの実施形態では、サスペンションシステムはさらに衝撃吸収ユニットを備える。いくつかの実施形態では、衝撃吸収ユニットは、メインアームと第1のおよび第2の結合ユニットとのうちの少なくとも1つの位置の変化に応じて衝撃吸収ユニットが長さを変更できるように構成された2つの接続点間で、アセンブリに接続可能である。いくつかの実施形態では、回転衝撃吸収ユニットが、メインアームと第1のおよび第2の結合ユニットとのうちの少なくとも1つの枢動接続部のうちの1つに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、衝撃吸収ユニットは、メインアームの第1の端と第2の結合ユニットの少なくとも1つの第2の端とのうちの1つの間に接続されてもよい。
【0018】
いくつかの実施形態では、衝撃吸収ユニットは、スプリング、モノチューブショックアブソーバ、ツインチューブショックアブソーバ、コイルオーバー(Coilover)ショックアブソーバ、回転ダンパー、空気ショックアブソーバ、磁気ショックアブソーバ、環境発電ショックアブソーバおよびハイドロニューマチックショックアブソーバからなる群から選択されてもよい。
【0019】
いくつかの実施形態では、基準フレームは、車両のシャーシ、車両のシャーシに接続可能な要素、コンベアに接続された要素、飛行機の着陸装置に接続された要素などのうちの1つでもよい。
【0020】
いくつかの実施形態では、メインアームの接続点に対する第1の結合ユニットの少なくとも1つの第2の端または第2の結合ユニットの少なくとも1つの第2の端の最大許容運動は、ホイールの内側リムの半径より小さくてもよい。
【0021】
いくつかの実施形態では、内側リムと、内側リム内に取付けられる上述のインホイールサスペンションシステムとを備えるホイールを提示してもよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、上述のインホイールサスペンションシステムを車両に取付ける方法が開示され、方法は、少なくとも1つのインホイールサスペンションアセンブリと衝撃吸収ニットとを設けることを備える。いくつかの実施形態では、衝撃吸収ユニットは、メインアームと第1のおよび第2の結合ユニットとのうちの少なくとも1つの位置の変化に応じて衝撃吸収ユニットが長さを変更できるように構成された2つの接続点間で、アセンブリに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、衝撃吸収ユニットは、メインアームと第1のおよび第2の結合ユニットとの枢動接続のうちの1つに接続されてもよい。いくつかの実施形態では、方法はさらに、インホイールサスペンションシステムをホイールの内側リム内に配設することと、メインアームの接続点(たとえば中間点)をホイールのシャフトポイント(たとえば、ハブシャフト、ベアリング、ホイールのシャフトなどの軸上の点)に枢動可能に接続することと、実質的な「Z」形状を形成するように、少なくとも1つの第1の結合ユニットの少なくとも1つの第2の端と、第2の結合ユニットの少なくとも1つの第2の端とを、それらの間で定められた距離で基準フレームに枢動可能に接続することとを備えてもよい。
【0023】
いくつかの実施形態では、基準フレームは、車両のシャーシと、車両のシャーシに接続可能な要素とのうちの1つでもよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、衝撃吸収ユニットは、スプリング、モノチューブショックアブソーバ、ツインチューブショックアブソーバ、コイルオーバーショックアブソーバ、回転ダンパー、空気ショックアブソーバ、磁気ショックアブソーバ、環境発電ショックアブソーバおよびハイドロニューマチックショックアブソーバからなる群から選択されてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、第1のおよび第2の結合ユニットの第2の端に対する接続点は、1つの実質的な直線に沿って移動するように制限されてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態では、メインアームの接続点に対する少なくとも第1の結合ユニットの少なくとも第2の端、または少なくとも1つの第2の結合ユニットの少なくとも1つの第2の端の最大許容運動は、ホイールの内側リムの半径より小さくてもよい。
【0027】
発明とみなされる主題は、明細書の終わりの部分で特に指摘され、明確に請求される。しかしながら、発明は、その目的、特徴、および利点と共に、構成および動作の方法について、添付の図面と共に読まれると、以下の詳細な説明を参照することによってもっともよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1A】本発明のいくつかの実施形態に係る、道路を走行するホイールに取付けられたインホイールサスペンションシステムの模式図である。
【
図1B】本発明のいくつかの実施形態に係る、道路のさまざまなポイズンにおいてホイールに取付けられたインホイールサスペンションシステムの模式図である。
【
図2A】本発明のいくつかの実施形態に係る、インホイールサスペンションアセンブリを示す図である。
【
図2B】本発明のいくつかの実施形態に係る、インホイールサスペンションアセンブリを示す図である。
【
図2C】本発明のいくつかの実施形態に係る、インホイールサスペンションアセンブリを示す図である。
【
図2D】本発明のいくつかの実施形態に係る、インホイールサスペンションアセンブリを示す図である。
【
図3A】本発明のいくつかの実施形態に係るインホイールサスペンションシステムを含むホイールを示す図である。
【
図3B】本発明のいくつかの実施形態に係るインホイールサスペンションシステムを含むホイールを示す図である。
【
図4A】本発明のいくつかの実施形態に係るインホイールサスペンションアセンブリを示す図である。
【
図4B】本発明のいくつかの実施形態に係る、ホイールの内側リム内に取付けられ、かつ、基準フレームに接続されたインホイールサスペンションシステムを示す図である。
【
図5A】本発明のいくつかの実施形態に係る、ホイールおよび基準フレームのある位置におけるインホイールサスペンションシステムのアームの位置を示す図である。
【
図5B】本発明のいくつかの実施形態に係る、ホイールおよび基準フレームのある位置におけるインホイールサスペンションシステムのアームの位置を示す図である。
【
図5C】本発明のいくつかの実施形態に係る、ホイールおよび基準フレームのある位置におけるインホイールサスペンションシステムのアームの位置を示す図である。
【
図6】本発明のいくつかの実施形態に係る、コンベア内のインホイールサスペンションシステムのアセンブリを示す図である。
【
図7A】本発明のいくつかの実施形態に係る、飛行機の着陸装置におけるインホイールサスペンションシステムのアセンブリを示す図である。
【
図7B】
図7Aの飛行機の着陸装置との比較のために、通常使用される飛行機の着陸装置を示す図である。
【
図8】本発明のいくつかの実施形態に係る、車両または機械式機構にインホイールサスペンションシステムを取付ける方法のフローチャートある。
【発明を実施するための形態】
【0029】
当然のことながら、図面を簡潔かつ明瞭にするために、図面に示される要素は必ずしも一定の尺度で描かれていない。たとえば、要素の一部の寸法は、明瞭にするために他の要素に対して誇張されている場合がある。さらに、適切と考えられる場合、参照番号は対応するまたは類似の要素を示すために図面間で繰り返されない場合がある。
【0030】
発明の詳細な説明
以下の説明では、発明の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細について説明する。しかしながら、当業者であれば、これらの具体的な詳細がなくても本発明を実施可能であることを理解するであろう。他の例では、公知の方法、手順、および構成要素が、本発明を不明瞭にしないように詳細に説明される。
【0031】
発明の態様は、すべてがホイールの内側リム内で取付けられたワッツリンク構成の3つのアームを備え得る、インホイールサスペンションシステムに関連し得る。そのようなサスペンションシステムは、コンパクトかつ軽量でもよく、さらに、1つのホイールの下の道路の隆起または窪みが他のホイールの他のサスペンションシステムのうちのいずれか1つに全く影響を与えることがないように、各ホイールを個別に減衰させてもよい。本発明のいくつかの実施形態に係るインホイールサスペンションシステムはさらに、道路の隆起または窪みからの衝撃を減衰し吸収するための衝撃吸収ユニットを備え得る。
【0032】
発明の一般的な概念を分かりやすく図示するために、本発明のいくつかの実施形態に係る、ホイール、たとえば、道路を走行するホイール内に取付けられているインホイールサスペンションシステムの模式図である
図1を参照する。インホイールサスペンションシステム100が、ホイール10内で少なくとも部分的に収容されるように取付けられてもよく、破線で示すように車両(たとえばシャーシ)の基準フレーム8に接続されてもよい。インホイールサスペンションシステム100は、サスペンションアセンブリ105および衝撃吸収ユニット140を備え得る。サスペンションアセンブリ105は、ホイール10内に取付けられ基準フレーム(たとえば車両シャーシ)に接続されると、(図示するように)実質的な「Z」形状を有し得る。実質的な「Z」形状は、直線の「Z」形状および「Z」形状の鏡像に関連してもよい。「Z」形状は、1つの平面において定義されてもよく(すなわち、その2つの平行またはほぼ平行な部分の運動は同じ平面内である)、または、3次元構成を有してもよい(すなわち、その2つの平行またはほぼ平行な部分は、共通の平面外で動作してもよい)。そのため、2つのアームの他の端が実質的に反対方向を向くように、その端の各々においてさらに他のアーム(またはユニット)に接続したメインアームを含むいかなる形状も、発明の範囲内である。
【0033】
アセンブリ105の「Z」形状は、接続点115(たとえば、中間点)において、アセンブリ105をホイール10のシャフトポイント18に接続し、実質的に直線状に運動させて、ホイール10が道路50にあるときに図面のZ軸方向の垂直の運動を可能にしてもよい。いくつかの実施形態では、ホイール10のシャフトポイント18は、ハブシャフト、ベアリング、ホイール10のシャフトなどのうちの少なくとも1つの軸でもよい。Z方向は、ホイール10が道路50に接触する点55および接続点115を通過する線によって定義される。方向XおよびYは方向Zに対して直交であり、方向Xはホイール10の回転方向である。いくつかの実施形態では、接続点115は中間点に位置してもよく、そのため、
図1Bに示すような道路50の隆起または窪みなどの状態に関わりなく道路50から実質的に同じ距離で位置してもよく、アセンブリ105の「Z」形状は、接続点115を、Z軸方向または任意の他の方向に沿って、実質的に直線状にシステム100の他のすべての要素に対して運動可能にする。それゆえ、いくつかの実施形態では、車両のシャーシがアセンブリ105に接続されている場合、シャーシ(および車両の他のシステム)は、
図5A~
図5Bに詳細に図示および説明されるように、道路50に対して運動可能でもよい。
【0034】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係るインホイールサスペンションアセンブリの図である
図2A~
図2Dを参照する。サスペンションアセンブリ105は、メインアーム110の接続点115、115’、または115’’においてホイール10のシャフトポイント18に枢動可能に接続可能なメインアーム110(技術において支柱としても知られる)を含んでもよく、これは、ホイール10のハブシャフト18、ホイール車軸18、またはベアリング18の軸上に位置してもよい(
図3A~
図3Bに詳細に示す)。本明細書で使用されるように、「枢動可能に接続された(pivotally connected)」という用語は、任意の枢動接続部、直線状のピボット(たとえばベアリング)または球状の接合部、のことを言う場合がある。サスペンションアセンブリ105はさらに、第1の端122でメインアーム110の第1の端に枢動可能に接続された少なくとも1つの第1の結合ユニット120と、第1の端132でメインアーム110の第2の端に枢動可能に接続された少なくとも1つの第2の結合ユニット130とを含み得る。
【0035】
いくつかの実施形態では、接続点は、メインアーム110の中間点115に位置してもよい。接続点115は、第1の端122および第1の端134における接続部から等しい距離で位置してもよい。いくつかの実施形態では、他の場所は接続点、たとえば、第1の端122および第1の端134から異なる距離で位置する非対称の接続点115’および115’’について考慮されてもよい。たとえば、非対称の配置によって、サスペンションシステム100および衝撃吸収ユニット(たとえば、
図3A~
図4Bに示す衝撃吸収ユニット140)は、窪みに遭遇する場合よりも大きな力を受けつつ隆起に遭遇することが可能である(たとえば、ホイールがシャーシに対して上方向に走行するとき)。いくつかの実施形態では、非対称の配置は、第1の結合ユニット120および第2の結合ユニット130について異なる長さを含み得る。
【0036】
当業者であれば当然理解するように、
図2~
図5において第1の端122および第1の端134における接続部から等しい距離で示される接続点115は、例として示されているにすぎない。いくつかの実施形態では、非対称な位置115’および115’’を、接続点115に対する任意の代替と考えてもよい。
【0037】
いくつかの実施形態では、メインアーム110に接続されていない第1の結合ユニット120の少なくとも1つの第2の端124および第2の結合ユニット130の少なくとも1つの第2の端134は、実質的な「Z」形状を形成するように、それらの間に定められた距離で基準フレーム8(
図3Bに示す)に各々枢動可能に接続されてもよい。実質的な「Z」形状によって、メインアーム110と少なくとも1つの第1の結合ユニット120と少なくとも1つの第2の結合ユニット130とはワッツリンク構成を形成し、この構成として機能し得る。
【0038】
本明細書で用いられるように、ワッツリンク構成の原則が維持される限り、実質的な「Z」形状は必ずしも1つの平面上になくてもよく、わずかに3次元の運動を有してもよい。したがって、いくつかの実施形態では、アセンブリ105は、実質的な直線に沿って、第1のおよび第2の結合ユニット120および130の第2の端124および134に対して接続点115の運動を規制するように構成されてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、アセンブリ105はさらに、
図2Cおよび
図2Dに示す少なくとも1つの第3の結合ユニット160を備え得る。第3の結合ユニット160は、定められた場所でメインアーム110に枢動可能に接続された第1の端162、および基準フレーム(
図3Bに示す)に枢動可能に接続された第2の端部164を有し得る。いくつかの実施形態では、第3の結合ユニット160の第1の端162と第2の端164とのうちの少なくとも1つは、図示するように、球状の接合部を介して枢動可能に接続されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、各結合ユニット120、130または160は、1つ以上の結合要素と2つ以上の枢動接続部とを含み得る。本発明の実施形態に係る結合要素は、メインアーム110および基準フレーム8(
図4Bに示す)に枢動可能に接続可能な任意の構造要素を含み得る。たとえば、結合要素は、
図2A~
図2Dに示すような1つ以上のアーム、1つ以上のロッド、レバー、シャフトおよび/または輪郭を含み得る。たとえば、
図2Aに示す第1の結合ユニット120は、2つの結合要素121および122(たとえばアームまたはロッド)を含んでもよく、これらの結合要素の各々は、2つの第1の端122においてメインアーム110に枢動可能に接続されてもよく、さらに他の2つの第2の端124においてさらに基準フレーム8に接続されてもよい。
【0041】
図2Bに示す他の例では、第1の結合ユニット120は、2つの第1の端122においてメインアーム110に接続され、さらに他の2つの端124において基準フレーム8(
図4Bに示す)に接続された1つの「H」状結合要素125を含み得る。いくつかの実施形態では、「H」状結合要素125は、2つの車軸を介してメインアームおよび/またはファーム8に枢動可能に接続可能である。いくつかの実施形態では、結合要素125は、「H」形状を含んでいなくてもよく、その端の各々において1つの車軸を介して端122の第1の車軸と端124の第2の車軸とで接続されることによって、ただ単に定められてもよい。いくつかの実施形態では、「H」状結合要素125は、隆起をつけた輪郭(図示するような)から構成されてもよく、または、しっかりとまたは枢動可能に接続された任意の他の要素を含んでもよい。
【0042】
図2Cに示すさらに他の例では、第1の結合ユニット120は、1つの第1の端122においてメインアーム110に接続された1つの「V」状結合要素126を含んでもよく、さらに他の2つの第2の端124において基準フレーム8に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、「V」状結合要素126は1つの端(たとえば端122)において球状の接合部を介して、かつ、他の端(たとえば端124)において1つの車軸を介して、枢動可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、結合要素126は「V」形状を含んでいなくてもよく、さらにその2つの端で2つの異なる枢動接続部によってのみ定められてもよい。
【0043】
図2Dに示す第4の例では、第1の結合ユニット120は2つの結合要素128および129を含んでもよく、これらの結合要素の各々は、第1の端122においてメインアーム110に、および2つの第2の端124において基準フレーム(たとえば
図4Bに示すフレーム8)に、(たとえば球状の接合部を介して)枢動可能に接続されたロッドである。
図2Dの結合ユニット130は、2つの結合要素138および139を含んでもよく、これらの結合要素の各々は、第1の端132においてメインアーム110に、および2つの第2の端134において基準フレーム(たとえば
図4Bに示すファーム8)に枢動可能に接続されたロッドであり、結合ユニット160は、第1の端162でメインアーム110に、および、第2の端164で基準フレームに、(たとえば球状の接合部を介して)枢動可能に接続された1つの結合要素161を含み得る。
【0044】
さらに他の例では、第2の結合ユニット130は、
図2A~
図2Cに示す、1つの第1の端132でメインアーム110に接続するように構成された「V」形状の結合要素131を含んでもよく、さらに他の第2の端134で基準フレーム8(
図4Bに示す)に接続されてもよい。
図2Dに示す他の例では、第2の結合ユニット130は2つの結合要素138および139を含んでもよく、これらの結合要素の各々は、第1の端132においてメインアーム110に、および第2の端134において基準フレームに、(たとえば球状の接合部を介して)枢動可能に接続されたロッドである。
図2Cに示す実施形態では、第3の結合ユニット160は、第1の端162においてメインアーム110に、および第2の端164において基準フレームに、(たとえば球状の接合部を介して)枢動可能に接続された1つの結合要素161を含み得る。結合ユニットおよび結合要素のさらに他の例を、
図3~
図4に示す。
【0045】
いくつかの実施形態では、結合ユニット120、130および/または160に含まれるべき枢動接続部は、少なくとも1つの軸の周りで枢動させる任意の接続部を含み得る。たとえば、枢動接続部は、ベアリング、ブッシング、ヒンジ、球状の接合部(たとえば、ボールジョイント、ハイムジョイントなど)などを含み得る。たとえば、第1の結合ユニット120の第1の端122の少なくとも1つが、
図2Cおよび
図2Dに示すように、球状の接合部を介してメインアーム110の第1の端において枢動可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の結合ユニット130の第1の端132は、
図2A~
図2Dに示すように、球状の接合部を介してメインアーム110の第2の端において枢動可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、第1の結合ユニット120の第1の端122および/または第2の結合ユニット130の第1の端132は、
図3~
図5に示すように、ベアリングを介して接続されてもよい。
【0046】
いくつかの実施形態では、第1の結合ユニット120の少なくとも1つの第2の端124および第2の結合ユニット130の少なくとも1つの第2の端134は、
図2A~
図2Cおよび
図3~
図5に示すように、それぞれのユニットを第1の軸12および第2の軸13の周りでそれぞれ軸方向に枢動させるように接続されてもよい。そのような接続には、1つ以上のベアリングを使用することが必要な場合がある。いくつかの実施形態では、第1の軸12および第2の軸13は、ホイール10のわずかなキャンバーを可能にするように、互いに平行でなくてもよい。
【0047】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、車両のホイール内で取付けられたインホイールサスペンションシステムを示す図である
図3A~
図3Bを参照する。インホイールサスペンション100は、電動車両のホイール10内にまたは非電動車両のホイール10内に取付けられてもよい。インホイールサスペンション100は、アセンブリ205および衝撃吸収ユニット140を備え得る。ホイール10は、タイヤ20、内側リム16およびシャフトポイント18を含み得る。
【0048】
図4Aでさらに詳細に示すアセンブリ105は、メインアーム110の接続点115においてホイール10のシャフトポイント18(たとえば、ハブシャフト、ホイール10のベアリング、ホイール10の車軸などのうちの1つの軸上に位置する)に枢動可能に接続されたメインアーム110(技術において直立アームとしても知られる)、第1の端222においてメインアーム110の第1の端に枢動可能に接続された第1の結合ユニット220、および第1の端232においてメインアーム110の第2の端に枢動可能に接続された第2の結合ユニット230を含み得る。いくつかの実施形態では、メインアーム110に接続されていない第1の結合ユニット220の第2の端224および第2の結合ユニット230の第2の端234は、基準フレーム、たとえば
図4Bに示す基準フレーム8(たとえばシャーシ)に枢動可能に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、第2の端224および第2の端234は、ワッツリンク構成に典型的な「Z」形状を形成するように、それらの間の定められた距離で枢動可能に接続されてもよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、メインアーム110の接続点115は、
図5A~
図5Cに関して図示および説明するような、1つの実質的な直線に沿って、第1の結合ユニット120の第2の端224および第2の結合ユニット130の第2の端234に対する移動を規制されてもよい。いくつかの実施形態では、接続点115において、メインアーム110は、ホイール10のハブシャフトを支えるように構成されたベアリングを保持するための、任意の指定された穴を含み得る。いくつかの実施形態では、端222および232において、メインアーム110は、メインアーム110を第1のおよび第2の結合ユニット220および230に枢動可能に接続させるように、ピボットを支えるように構成されたベアリングを保持するための指定された穴を含み得る。いくつかの実施形態では、指定された穴は各々、メインアーム110と結合ユニット220および230との間の接続部を、
図2A~
図2Dに関して開示および説明されたような、2つ以上の軸の周りで枢動させることが可能な、球状の接合部の第1の部分を保持するように構成されてもよい。
【0050】
メインアーム110は、ハブシャフトおよび/またはホイールのベアリングおよび結合ユニット220、230のうちの1つからメインアーム110にかかる力および応力を支えるのに十分な輪郭および寸法を有し得る。メインアーム110はさらに、衝撃吸収ユニット140によって負荷をかけられてもよい。メインアーム110は、任意の好適な材料、たとえばさまざまな種類の鋼鉄、および/または複合材料から構成されてもよい。たとえば、17´´のリム半径を有する、1600Kgの重さの乗用車用のメインアーム110は、800Kgの加重を保持するように構成されてもよい。そのようなアーム110は、20mmの薄いプロファイルを有してもよい。
【0051】
第1の結合ユニット220は、第1の端222において、ピボットに第1の結合ユニット220をメインアーム110に枢動可能に接続させるようにベアリングを保持するための第1の穴を含み得る。いくつかの実施形態では、穴は、結合ユニット220およびメインアーム110が2つ以上の車軸の周りで枢動されるように、球状の接合部の第2の部分を保持してもよい。第1の結合ユニット220はさらに、端224において、ピボットが第1の結合ユニット220を基準フレーム8(
図4Bに示す)および衝撃吸収ユニット140に枢動可能に接続させるようにベアリングを保持するための、第2の穴を含み得る。
【0052】
第1の結合ユニット220は、メインアーム110および衝撃吸収ユニット140および車両のシャーシ(
図4Bに示す)によってかけられる加重および力に耐えるのに十分な輪郭および寸法を有する1つの結合要素を含み得る。
【0053】
第2の結合ユニット230は、端232において、ピボットに第2の結合ユニット230をメインアーム110に枢動可能に接続させるようにベアリングを保持するための、第1の穴を含み得る。いくつかの実施形態では、穴は、結合ユニット230およびメインアーム110が2つ以上の車軸の周りで枢動されるように、球状の接合部の第2の部分を保持してもよい。第1の結合ユニット220はさらに、端234において、ピボットに第2の結合ユニット230を基準フレーム8(
図4Bに示す)に枢動可能に接続させるようにベアリングを保持するための、第2の穴を含み得る。
【0054】
第2の結合ユニット230は、メインアーム110および車両のシャーシ(
図4Bに示す)によってかけられる加重および力に耐えるのに十分な輪郭および寸法を有し得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、衝撃吸収ユニット140は、外力によってアセンブリ105に加えられた衝撃を吸収、減衰、低減などするように構成されたアセンブリ105に取付けることが可能な、任意のユニットでもよい。衝撃吸収ユニット140は、リム16内でのサスペンションシステム100の取付けを可能にするようなコンパクトなユニットでもよい。いくつかの実施形態では、衝撃吸収ユニットは、メインアームと第1のおよび第2の結合ユニットとのうちの少なくとも1つの位置の変化に応じて衝撃吸収ユニットが長さを変更するように構成された2つの接続点間のアセンブリに接続されてもよい。たとえば、そのような細い衝撃吸収ユニット140は、一方の端において第1の結合ユニット120および第2の結合ユニット130のうちの1つに、かつ、他方の端において基準ファーム(たとえば、
図4Bに示すファーム8)に、枢動可能に接続されてもよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、衝撃吸収ユニット140は、ホイール運動の機能として回転するように構成された回転衝撃吸収ユニットでもよい。いくつかの実施形態では、回転衝撃吸収ユニット140は、たとえば端122/222、124/224、132/232および/または134/234において、メインアームと第1のおよび第2の結合ユニットとの枢動接続部のうちの1つに接続されてもよい。たとえば、衝撃吸収ユニット140は、回転スプリングまたは回転ダンパーでもよい。
【0057】
衝撃吸収ユニット140は、衝撃の運動エネルギーを熱、電流および/または磁束に変換することによって、衝撃インパルスを吸収および減衰するように構成可能な機械式、油圧式、磁気式、電気式、空気式装置またはこれらの組合わせを含んでもよい。衝撃吸収ユニット140は、スプリング(
図1Aに示す)、モノチューブショックアブソーバ、ツインチューブショックアブソーバ、コイルオーバーショックアブソーバ(
図1Bに示す)、回転ダンパー、空気ショックアブソーバ、磁気ショックアブソーバ、環境発電ショックアブソーバおよびハイドロニューマチックショックアブソーバなどのうちの少なくとも1つを含み得る。
【0058】
いくつかの実施形態では、アセンブリ205はさらに、衝撃吸収ユニット140のストロークを増大させるために端点224と232との間の距離を拡張するための、
図4Aに示すアーム延在部250を含み得る。いくつかの実施形態では、アセンブリ105はさらに、端132が端224と衝突するのを防止するように、および/または端222が端234と衝突するのを防止するように、
図2Aにも示すような1つ以上の制限部260を含み得る。
【0059】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、ホイール10のリム16内に取付けられ、かつ、基準フレーム8に接続された、たとえば車両のシャーシに接続されたインホイールサスペンション100の図である
図4Bを参照する。いくつかの実施形態では、メインアーム110の接続点115に対する第1の結合ユニット120もしくは220の第2の端124もしくは224または第2の結合ユニット130もしくは230の第2の端134もしくは234の最大許容運動は、ホイール10の内側リム16の内径より小さくてもよい。そのような構成によって、内側リム16は、インホイールサスペンション100のアセンブリ105または205を完全に収容可能になる。いくつかの実施形態では、アセンブリ105または205の幅は、ホイールの内側リムの深さよりも小さくてもよい。いくつかの実施形態では、アセンブリ105または205の全幅は、
図1Bに示すようなホイール10の内側リム16の深さより大きくてもよい。いくつかの実施形態では、アセンブリ105または205の幅のほとんどは、
図1Aおよび
図3A~
図3Bに示すように、ホイール10のリム16の内部空間内に収容されてもよい。
【0060】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、ホイールおよびシャーシの3つの異なる位置におけるインホイールサスペンションのアームの位置を示す図である
図5A~
図5Cを参照する。2本の破線は、車両が道路50にある場合の車両のシャーシの位置を示す。本明細書で上述したように、そのようなアセンブリは、ホイール10のシャフトポイント18に接続された接続点115を、実質的に直線状に移動するように、かつ、ワッツリンクを形成するようにしてもよい。それゆえ、ホイール10が道路50にぶつかると、道路の状態に関わりなく、(破線で示す)シャーシが実質的に同じ場所で維持され、結合ユニット120/220および130/230ならびに衝撃吸収ユニット140のみが移動するように構成される。たとえば、ホイールが
図5Aに示すように道路50の隆起52にぶつかると、結合ユニット120/220の端点124/224は、衝撃吸収ユニット140に力を加えて、ユニット140に隆起52からの衝撃を圧縮および吸収させ、さらに、シャーシを道路50に対して実質的に同じ場所にとどまらせつつ、接続点115(たとえば中間点)を上方向に移動させる。
図3Bに示す他の例では、アセンブリ105/205は、ホイールが平坦な道路50を走行している場合に端124/224と端134/234との間で事前に負荷を加える設定によって求められたa点に位置するように、道路50上で完全に均衡がとられる。しかしながら、
図5Cに示すように、ホイールがロード50の窪み54にぶつかる場合、端124/224および134/234は上方向に押され、衝撃吸収ユニット140は(たとえば、衝撃を吸収しつつ)延在して、シャーシを道路50に対して実質的に同じ場所に留まらせつつ接続点115を下方向に移動させる。
【0061】
図5A~
図5Cから分かるように、本発明の実施形態にかかるインホイールサスペンションシステムは、車両を、各ホイールが個別に取り組む障害に関わりなく道路上で実質的に均衡がとられた状態に維持して、車両の乗員にさらに快適な乗り心地を与えることができる。
【0062】
当業者であれば理解するように、
図2~
図5に関して図示および説明された結合ユニット、枢動接続部および結合要素は例として挙げられたにすぎず、発明は全体としてこれらの特定の構成に限定されない。
【0063】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、コンベアにおいて取付けられたインホイールサスペンションシステムを示す図である
図6を参照する。コンベア600は、ベルト605、および各々が本発明のいくつかの実施形態に係るインホイールサスペンションシステム100を含む1つ以上のホイール610を備え得る。いくつかの実施形態では、取付けられたインホイールサスペンションシステム100は、コンベア600に送られたさまざまな品物によって生じる衝撃の減衰を可能にして、モータ(図示せず)および他のドライブトレインおよびコンベア600の構造部分を保護可能である。いくつかの実施形態では、送られた品物は、コンベア600に実質的に定格負荷(たとえば、コンベアが耐えるように設計された平均負荷)を加えてもよい。そのような場合、サスペンションシステム100は、加重を吸収し、かつ、実質的にその公称(たとえば、中央)位置に留まることが可能である。いくつかの実施形態では、コンベア600に定格負荷より高いまたは低い負荷がかかっている場合、サスペンションシステム100のメインアームおよび結合ユニットは、衝撃の吸収および運動の補償の両方を可能にするように移動し得る。定格負荷よりも高い加重の場合、サスペンションシステム100は圧縮されてもよく、定格負荷よりも低い負荷の場合、サスペンションシステム100は拡張されてもよい。
【0064】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、飛行機の着陸装置の図である
図7Aを参照する。着陸装置700は、各々が本発明のいくつかの実施形態に係るインホイールサスペンションシステム100を含む、2つ以上のホイール710を含み得る。比較として、
図7Bに示す通常使用される着陸装置は、各々が外部ショックアブソーバ760によって減衰される2つ以上のホイール750を含む。そのため、通常使用される着陸装置は、ショックアブソーバ760用に空間を確保しなければならないため、ホイール750のための大きさが制限される。さらに、ホイール750はすべて1つの剛性のシャーシに対して取付けられるため、それによって、ホイールはすべて、どのような障害に応じても一緒に作動させられる。
【0065】
これと比較して、サスペンションシステム100をホイール710内に配設することによって、ホイール710の直径が拡張されて、ホイール710のさらに良好な牽引が可能になる。いくつかの実施形態では、サスペンションシステム100をホイール710内に配設することによって、着陸装置700が費やす全容積を削減可能になる。さらに、着陸装置700は、ホイール710の各々に障害に対して個別に取り組ませることができるため、飛行機にさらに良好な衝撃吸収がもたらされる。
【0066】
いくつかの実施形態では、インホイールサスペンションシステム100は、他の機械システムまたは機械体系において取付けることが可能であり、基準フレーム8を、そのような機械システムまたは機械体系に含ませる、またはこれに接続させることが可能である。いくつかの実施形態では、電動産業システムが、予測可能な動的応答を必要とする回転シャフトの狭い専有面積を含む場合、本発明のいくつかの実施形態に係るインホイールサスペンション100は、必要な解決策を提供可能である。たとえば、サスペンション100は、さまざまな繊維機械、機械プレスおよび産業用プリンタなどに対して実現可能である。当業者であれば当然理解するように、車両、コンベアおよび飛行機の着陸装置は例として挙げられているにすぎない。
【0067】
ここで、本発明のいくつかの実施形態に係る、インホイールサスペンションを車両または他の機械システム内に取付ける方法のフローチャートである
図8を参照する。ボックス410において、少なくとも1つのインホイールサスペンションシステム、たとえば
図1~
図5に示すインホイールサスペンションシステム100のうちの1つを設けてもよい。いくつかの実施形態では、インホイールサスペンションシステム100の第1のペアを、車両のフロントホイールに対して取付けられるように設けてもよく、および/または、インホイールサスペンションシステム100の第2のペアを、車両のリアホイールに対して取付けられるように設けてもよい。
【0068】
ボックス420において、インホイールサスペンションをホイールの内側リム内に配設してもよい。たとえば、インホイールサスペンションシステム100を、
図1A、
図1B、
図3A、
図3B、
図4Aおよび
図5A~
図5Cに示すように、内側リム16内に配設してもよい。ボックス430において、メインアームの接続点を、ホイールのシャフトポイントに枢動可能に接続してもよい。たとえば、中間点115は、穴とホイール10のシャフトポイント18に枢動可能に接続されるべきベアリングとを含み得る。
【0069】
ボックス440において、第1の結合ユニットの第2の端および第2の結合ユニットの第2の端を、実質的な「Z」形状を形成するように、基準フレーム(たとえば基準フレーム8)に対してこれらの間で定められた距離で枢動可能に接続してもよい。たとえば、第1の結合ユニット120の第2の端124および第2の結合ユニット130の第2の端134を、基準フレーム8の事前に定められた距離で接続してもよく、これはたとえば、車両のシャーシまたは車両のシャーシに接続可能な要素でもよい。いくつかの実施形態では、基準フレーム8を、
図6~
図7に示すコンベア600および着陸装置700などの任意の機械システムに含めてもよい。そのような接続は、接続点115の運動を、1つの実質的な直線(たとえば、車両が道路にある場合、道路に対して直角)に沿って、第1のおよび第2の結合ユニットの第2の端(たとえば端124および134)に対して規制できるように、メインアーム110、第1の結合ユニット120および第2の結合ユニット130を含むワッツリンクを形成可能である。いくつかの実施形態では、内側リム内に取付けられる場合、メインアームの接続点に対する第1の結合ユニットの第2の端または第2の結合ユニットの第2の端の最大許容運動は、ホイールの内側リムの半径より小さくてもよい。
【0070】
発明の特定の特徴について本明細書で図示および説明したが、当業者であれば、多くの変形例、代替例、変更例および均等物を想定するであろう。そのため、添付の請求項の範囲は本発明の精神内に該当するすべてのそのような変形例および変更例を包含するものとする。