(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】情報処理装置、方法、および、プログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/34 20060101AFI20220920BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/0969
(21)【出願番号】P 2018177409
(22)【出願日】2018-09-21
【審査請求日】2021-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100157277
【氏名又は名称】板倉 幸恵
(72)【発明者】
【氏名】何 青
【審査官】西中村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-224872(JP,A)
【文献】特開2016-211900(JP,A)
【文献】特開2010-181156(JP,A)
【文献】特開2012-198043(JP,A)
【文献】特開2010-176243(JP,A)
【文献】特開2007-248183(JP,A)
【文献】特開2007-241813(JP,A)
【文献】特開2006-134158(JP,A)
【文献】特開2002-372430(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
23/00-25/00
G08G 1/00-99/00
G09B 29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
交通情報センタから提供される方向別旅行時間を処理する情報処理装置であって、
センタ側リンクに紐付けられた前記方向別旅行時間を取得する取得手段と、
前記方向別旅行時間を、前記センタ側リンクに対応するナビ側リンクに割り当てる第1の旅行時間と、前記ナビ側リンクの進行方向に隣接するナビ側ノードに割り当てる第2の旅行時間と、に振り分ける変換手段と、
前記第1の旅行時間を前記ナビ側リンクに紐付けて記憶する第1の記憶手段と、
前記第2の旅行時間を前記ナビ側ノードに紐付けて記憶する第2の記憶手段と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記変換手段は、
前記方向別旅行時間の中で最小の方向別旅行時間を前記第1の旅行時間として前記ナビ側リンクに割り当て、
前記方向別旅行時間から前記最小の方向別旅行時間を減算した旅行時間を前記第2の旅行時間として前記ナビ側ノードに割り当てる、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記取得手段は、
センタ側進入リンクに紐付けられた前記方向別旅行時間とセンタ側退出リンクとを取得し、
前記変換手段は、
前記センタ側進入リンクに対応するナビ側進入リンクと、前記センタ側退出リンクに対応するナビ側退出リンクと、を特定し、
前記ナビ側進入リンクと前記ナビ側退出リンクとの間を接続するナビ側ノードを特定し、
前記方向別旅行時間を、前記ナビ側進入リンクに割り当てる前記第1の旅行時間と、前記ナビ側ノードに割り当てる前記第2の旅行時間と、に振り分け、
前記第1の記憶手段は、
前記第1の旅行時間を前記ナビ側進入リンクに紐付けて記憶し、
前記第2の記憶手段は、
前記第2の旅行時間を前記ナビ側進入リンクと前記ナビ側退出リンクとで規定される方向が特定可能な情報と共に前記ナビ側ノードに紐付けて記憶する、ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記方向が特定可能な情報は、
前記ナビ側進入リンクを基準として、前記ナビ側進入リンクと前記ナビ側退出リンクとのなす角度
から特定された前記ナビ側退出リンクの進行方向の情報と、
前記ナビ側進入リンクと前記ナビ側退出リンクとの組の情報と、
のうち少なくとも1つの情報である、ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1の記憶手段には、ナビ側進入リンクの通過に要する旅行時間であるリンクコストが前記ナビ側進入リンクに付与されており、
前記第2の記憶手段には、ナビ側ノードの通過に要する方向別の旅行時間であるノードコストが、前記方向が特定可能な情報と共に前記ナビ側ノードに付与されており、
前記第1の記憶手段は、
前記変換手段が特定した前記ナビ側進入リンクに付与されている前記リンクコストを前記第1の旅行時間に変更し、
前記第2の記憶手段は、
前記変換手段が特定した前記ナビ側ノードに付与されている前記ノードコストの中で、前記変換手段が特定した前記ナビ側進入リンクと前記ナビ側退出リンクとで規定される方向に対応する前記ノードコストを前記第2の旅行時間に変更する、ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記第2の記憶手段に記憶した前記第2の旅行時間を前記ナビ側ノードに紐付けて表示する表示手段を有する、ことを特徴とする請求項1から請求項5の何れか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
交通情報センタから提供される方向別旅行時間を情報処理装置が処理する方法であって、
前記情報処理装置は、
センタ側リンクに紐付けられた前記方向別旅行時間を取得する工程と、
前記方向別旅行時間を、前記センタ側リンクに対応するナビ側リンクに割り当てる第1の旅行時間と、前記ナビ側リンクの進行方向に隣接するナビ側ノードに割り当てる第2の旅行時間と、に振り分ける工程と、
前記第1の旅行時間を前記ナビ側リンクに紐付けて第1の記憶手段に記憶する工程と、
前記第2の旅行時間を前記ナビ側ノードに紐付けて第2の記憶手段に記憶する工程と、
を行うことを特徴とする方法。
【請求項8】
交通情報センタから提供される方向別旅行時間を処理するコンピュータに、
センタ側リンクに紐付けられた前記方向別旅行時間を取得するステップと、
前記方向別旅行時間を、前記センタ側リンクに対応するナビ側リンクに割り当てる第1の旅行時間と、前記ナビ側リンクの進行方向に隣接するナビ側ノードに割り当てる第2の旅行時間と、に振り分けるステップと、
前記第1の旅行時間を前記ナビ側リンクに紐付けて第1の記憶手段に記憶するステップと、
前記第2の旅行時間を前記ナビ側ノードに紐付けて第2の記憶手段に記憶するステップと、
を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、交通情報センタから提供される交通情報を処理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、リンクに付与されるリンクコストと交差点に該当するノードに付与されるノードコストを用いて、出発地から目的地までの経路を探索している。リンクコストは、リンクを通過するために要する旅行時間であり、ノードコストは、交差点を通過するために要する旅行時間である(例えば、特許文献1、2参照)。
【0003】
また、VICS(登録商標)(Vehicle Information and Communication System)に代表される交通情報センタは、当該センタ側で使用するセンタ側地図データの道路区間に対して固有の識別情報であるセンタ側リンクIDを割り振り、道路区間に関する交通情報(例えば、リンク旅行時間、規制情報、渋滞情報など)をセンタ側リンクに紐付けてナビゲーション装置に提供している。ナビゲーション装置は、センタ側リンクとナビ側リンクとの変換テーブルを参照し、交通情報を紐付けたセンタ側リンクに対応するナビ側リンクを特定し、その特定したナビ側リンクに紐付けて交通情報を使用している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-250635号公報
【文献】特開2004-354086号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
最新のVICSは、直進、右折、左折等の交差点の方向別旅行時間を該交差点への進入リンクに紐付けて提供可能となっている。しかし、ナビ側リンクは複数の方向別旅行時間に対応する構造をしていないため、今までのナビゲーション装置で行っていたように、センタ側リンクに対応するナビ側リンクを特定しただけでは、交通情報センタから提供される方向別旅行時間をナビゲーション装置で利用することができない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、
交通情報センタから提供される方向別旅行時間を処理する情報処理装置であって、
センタ側リンクに紐付けられた前記方向別旅行時間を取得する取得手段と、
前記方向別旅行時間を、前記センタ側リンクに対応するナビ側リンクに割り当てる第1の旅行時間と、前記ナビ側リンクの進行方向に隣接するナビ側ノードに割り当てる第2の旅行時間と、に振り分ける変換手段と、
前記第1の旅行時間を前記ナビ側リンクに紐付けて記憶する第1の記憶手段と、
前記第2の旅行時間を前記ナビ側ノードに紐付けて記憶する第2の記憶手段と、
を有することを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るナビゲーションシステムの概略構成例を示す図である。
【
図2】(a)は、交通情報センタ側で使用するセンタ側交差点の道路ネットワークと、道路区間に割り振られたセンタ側リンクIDと、の関係を例示する図であり、(b)は、センタ側リンクID_a1の方向別旅行時間例を示す図であり、(c)は、センタ側リンクID_a1に紐づくデータ構成例を示す図である。
【
図3】ナビゲーション装置側で使用するナビ側交差点の道路ネットワークを例示する図である。
【
図4】(a)は、ナビ側リンクのデータ構成例を示す図であり、(b)は、ナビ側ノードのデータ構成例を示す図である。
【
図5】ノードコストテーブルの構成例を示す図である。
【
図7】方向別旅行時間をナビ側リンクとノードに振り分ける処理動作例を示すフローチャートである。
【
図8】(a)は、ナビ側リンクID_b1に割り振ったリンクコスト例を示す図であり、(b)は、ナビ側ノードID_M2に割り振ったノードコスト例を示す図である。
【
図9】経路案内処理動作例を示すフローチャートである。
【
図10】方向別旅行時間を表示した例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
<ナビゲーションシステムの概要>
まず、
図1を参照しながら、本実施形態に係るナビゲーションシステムの概要について説明する。
図1は、本実施形態に係るナビゲーションシステムの構成例を示す図である。
【0011】
本実施形態に係るナビゲーションシステムは、地図情報、交通情報などを利用して車両の走行を案内誘導するためのシステムである。このナビゲーションシステムは、
図1に示すように、交通情報センタ100と、ナビゲーション装置200と、がネットワークNWを介して接続して構成する。ネットワークNWは、有線、無線を問わずあらゆる通信形態が適用可能である。
【0012】
交通情報センタ100は、リンク旅行時間、規制情報、渋滞情報などの情報を含む交通情報をナビゲーション装置200に提供する情報処理装置であり、例えば、VICS(Vehicle Information and Communication System)センタが挙げられる。
【0013】
交通情報センタ100は、
図2(a)に示すように、交差点などの単位で区切った道路区間に対して固有の識別情報であるセンタ側リンクIDを割り振る。そして、道路区間に関する交通情報をセンタ側リンクに紐付け、電波ビーコン、光ビーコン、FM多重放送などを介して、ナビゲーション装置200に配信する。
【0014】
図2(a)は、交通情報センタ側で使用するセンタ側交差点の道路ネットワークと、センタ側リンクIDと、の関係を例示する図である。符号a1~a4、a11~a14は、センタ側リンクを示し、符号N1~N5は、センタ側ノードを示す。
図2(a)では、1つの道路区間に対して上り、下りの方向別にセンタ側リンクIDが割り振られている。これにより、センタ側リンクIDを基に、方向を持った1つの道路区間を特定することができる。
【0015】
交通情報センタ100は、
図1に示すように、交通情報記憶部101、交通情報配信部102を有して構成する。
【0016】
交通情報センタ100は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CPU(Central Processing Unit)などで構成する。交通情報センタ100は、ROMに記憶されているプログラムがCPUにて実行されることにより、交通情報記憶部101、交通情報配信部102の機能部を実現する。
【0017】
交通情報記憶部101は、道路区間に関する交通情報をセンタ側リンクIDに紐付けて記憶する。交通情報には、例えば、リンク旅行時間、規制情報、渋滞情報などが含まれる。
【0018】
リンク旅行時間は、道路区間の通過に要する旅行時間である。交差点と接続する道路区間のリンク旅行時間は、
図2(b)に示すように、直進、右折、左折等の交差点の方向別旅行時間となっている。
【0019】
図2(b)において、右折方向の旅行時間は、60秒であり、直進方向の旅行時間は、40秒であり、左折方向の旅行時間は、50秒である。この方向別旅行時間は、
図2(c)に示すように、センタ側退出リンクIDと共に、センタ側進入リンクID_a1に紐付けられて交通情報記憶部101に記憶される。具体的には、右折方向の旅行時間である60秒と右折方向を特定するセンタ側退出リンクID_a2が、組になってセンタ側進入リンクID_a1に紐付けられている。同様に、直進方向の旅行時間である40秒と直進方向を特定するセンタ側退出リンクID_a3、及び左折方向の旅行時間である50秒と左折方向を特定するセンタ側退出リンクID_a4が、それぞれ組になってセンタ側進入リンクID_a1に紐付けられている。方向別旅行時間は、
図2(c)に示すように退出リンク別の旅行時間であることがわかる。
【0020】
規制情報は、通行止、速度規制、車線規制などの情報である。渋滞情報は、渋滞の度合いと渋滞の長さとを示す情報である。渋滞の度合いは、例えば、渋滞、混雑、順調などの情報で示す。渋滞の長さは、例えば、渋滞の先頭位置と渋滞の距離との情報で示す。
【0021】
交通情報配信部102は、交通情報記憶部101に記憶されている交通情報をナビゲーション装置200に配信する。
【0022】
ナビゲーション装置200は、当該装置で使用するナビ側地図データを利用して車両の走行を案内誘導する情報処理装置である。ナビゲーション装置200は、車両に搭載して使用する車載型の構成、携帯電話、携帯型パーソナルコンピュータ、スマートフォンなどの利用者が携帯して使用する携帯型の構成などが挙げられる。ナビゲーション装置200は、
図1に示すように、位置情報取得部201、交通情報取得部202、記憶部203、変換部204、制御部205、経路探索部206、経路案内部207、表示部208、入力部209を有している。
【0023】
ナビゲーション装置200は、例えば、ROM、RAM、CPUなどで構成する。ナビゲーション装置200は、ROMに記憶されているプログラムがCPUにて実行されることにより、位置情報取得部201、交通情報取得部202、記憶部203、変換部204、制御部205、経路探索部206、経路案内部207、表示部208、入力部209の機能部を実現する。
【0024】
位置情報取得部201は、ナビゲーション装置200の位置情報を取得する。位置情報取得部201は、例えば、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波や基地局からの情報を受信し、ナビゲーション装置200の現在位置を検知し、その検知した現在位置のデータ(緯度、経度、高さのデータ)を取得する。高さのデータは、気圧センサ等を用いて取得しても良い。
【0025】
交通情報取得部202は、交通情報センタ100から配信される交通情報を取得する。
【0026】
記憶部203は、ナビゲーション装置200で使用するナビ側地図データを記憶する。ナビ側地図データは、背景、家形、注記等を表示する表示用地図データ、経路探索や経路案内などに使用する道路ネットワークデータなどで構成される。道路ネットワークデータは、道路のつながりをデータ化したもので、ノードとリンクで構成される。ノードは、交差点その他道路網の結節点などを規定し、リンクは、ノードとノードとの間の道路区間を規定する。
【0027】
ここで、
図3、
図4を参照しながら、ナビ側交差点の道路ネットワークデータ例について説明する。
図3は、ナビ側交差点の道路ネットワーク例を示し、
図4(a)は、ナビ側リンクのデータ構成例を示し、
図4(b)は、ナビ側ノードのデータ構成例を示す。
【0028】
図3において、符号M1~M5は、交差点、結節点などを規定するナビ側ノードを示し、符号b1~b4、b11~b14は、ナビ側ノード間を接続するナビ側リンクを示す。
【0029】
図3に示すナビ側リンクは、例えば、
図4(a)に示すように、ナビ側リンクID、ナビ側始点ノードID、ナビ側終点ノードID、リンクコストなどのデータで構成される。ナビ側リンクIDは、ナビ側リンクを特定する情報である。ナビ側始点ノードIDは、ナビ側リンクの始点となるナビ側ノードを特定する情報である。ナビ側終点ノードIDは、ナビ側リンクの終点となるナビ側ノードを特定する情報である。リンクコストは、ナビ側リンクを通過するのに要する旅行時間である。
図4(a)に示すデータ構成は一例であり、例えば、ナビ側リンクに対応する道路の区間についての各種情報を表す道路属性、ナビ側リンクの距離、ナビ側リンクの方向(例えば、上り、下りなど)、ナビ側リンクの属する路線の路線番号等のデータを有していても良い。ここで、道路属性としては、ナビ側リンクが属する道路の有料道路や国道や県道などの種別を表す道路種別や、ナビ側リンクに対応する道路区間の道路幅や車線数等が記述される。
【0030】
図3に示すナビ側ノードは、例えば、
図4(b)に示すように、ナビ側ノードID、ナビ側進入リンクID、ナビ側退出リンクID、角度、ノードコストなどのデータで構成される。ナビ側ノードIDは、ナビ側ノードを特定する情報である。ナビ側進入リンクIDは、ナビ側ノードに進入するナビ側リンクを特定する情報である。ナビ側退出リンクIDは、ナビ側ノードから退出するナビ側リンクを特定する情報である。角度は、ナビ側進入リンクとナビ側退出リンクとのなす角度を特定する情報である。ノードコストは、ナビ側ノードを通過するのに要する旅行時間である。ノードコストは、例えば、
図5に示すノードコストテーブルを使用して求めることができる。
図5に示すノードコストテーブルは、6方向に区分されており、各方向に対応するコスト(旅行時間)が角度別に付与されている。ナビゲーション装置200は、
図5に示すノードコストテーブルを参照し、交差点に該当するノードに対する進入リンクと退出リンクとのなす角度に対応する方向を特定し、その特定した方向に対応するコスト(旅行時間)をノードコストとする。例えば、
図3に示すナビ側ノードID_M2に対するナビ側進入リンクID_b1とナビ側退出リンクID_b2とのなす角度は、90°であるため、
図5に示すノードコストテーブルを参照すると、右折に該当し、その右折に対応するコスト(旅行時間)である10秒をノードコストとする。これにより、交差点に該当するナビ側ノードに対してノードコストを予め付与することができる。
図4(b)に示すデータ構成は一例であり、例えば、当該ナビ側ノードが交差点や高速道路の出入口に対応するノードであるか等を表すノード属性、ナビ側ノードに接続するナビ側リンクのリストである接続ナビ側リンクIDリスト、ノード座標位置、交差点名称、信号有無などのデータを有していても良い。
【0031】
変換部204は、交通情報取得部202が取得した交通情報を、ナビ側地図データで利用可能な情報に変換して記憶部203に記憶する。例えば、変換部204は、
図6に示す変換テーブルを参照し、交通情報と共に取得したセンタ側リンクIDに対応するナビ側リンクIDを特定し、その特定したナビ側リンクIDに紐付けて交通情報を記憶部203に記憶する。
図6に示す変換テーブルは、センタ側地図データの道路区間に割り振られたセンタ側リンクIDを、ナビ側地図データの道路区間に割り振られたナビ側リンクIDに変換するためのものである。
図6に示す変換テーブルを用いることで、
図2(a)に示すセンタ側リンクIDを
図3に示すナビ側リンクIDに変換することができる。
図6に示す変換テーブルは一例であり、1つのセンタ側リンクIDを1つのナビ側リンクIDに変換するだけでなく、1つのセンタ側リンクIDを複数のナビ側リンクIDに変換する場合などもある。
【0032】
また、変換部204は、交通情報取得部202が取得した交通情報の中に方向別旅行時間が含まれている場合は、その方向別旅行時間を、ナビ側リンクに割り当てる旅行時間と、ナビ側ノードに割り当てる旅行時間と、に振り分ける。そして、変換部204は、記憶部203を参照し、ナビ側リンクに予め付与されているリンクコストを、交通情報をもとにそのナビ側リンクに割り当てられた旅行時間に変更する。また、ナビ側ノードに予め付与されているノードコストを、交通情報をもとにそのナビ側ノードに割り当てた旅行時間に変更する。これにより、変換部204は、ナビ側地図データのナビ側リンク、ノードに対して方向別旅行時間を反映することができる。
【0033】
制御部205は、ナビゲーション装置200全体を制御するものである。
【0034】
経路探索部206は、出発地から目的地までの経路探索処理を、記憶部203に記憶されている道路ネットワークデータ、交通情報、リンクコストやノードコストを用いて行う。経路は、ダイクストラ法やA*(A-star)等の公知の探索アルゴリズムを用いて決定されてもよい。ノードコストが個別に付与されていないノードについては、
図5に示すノードコストテーブルを参照し、進入リンクと退出リンクとのなす角度に対応するコスト(旅行時間)を用いる。また、経路探索部206は、探索した経路を地図画像に重畳した画像を生成し、表示部208に表示する。
【0035】
経路案内部207は、経路探索部206が探索した経路の案内誘導処理を行う。
【0036】
表示部208は、経路探索結果や経路案内時の情報等を表示する。
【0037】
入力部209は、種々の情報を制御部205に供給する。例えば、入力部209は、出発地及び目的地等を指し示す情報を入力し、制御部205に供給する。
【0038】
<方向別旅行時間の振り分け処理動作例>
次に、
図7を参照しながら、方向別旅行時間の振り分け処理動作例について説明する。
図7は、方向別旅行時間をナビ側リンクとノードに振り分ける処理動作例を示すフローチャートである。
【0039】
変換部204は、センタ側進入リンクIDに紐付けられた方向別旅行時間を取得する(ステップA1)。変換部204は、例えば、
図2(c)に示すセンタ側進入リンクID_a1の方向別旅行時間を取得する。
図2(c)に示す方向別旅行時間は、方向を特定するためのセンタ側退出リンクIDと共に、センタ側進入リンクID_a1に紐付けられている。
【0040】
次に、変換部204は、
図6に示す変換テーブルを参照し、センタ側進入リンクID_a1に対応するナビ側進入リンクIDを特定する(ステップA2)。
図6に示す変換テーブルを参照すると、センタ側進入リンクID_a1に対応するナビ側進入リンクIDは、b1と特定できる。
【0041】
次に、変換部204は、方向別旅行時間の中から最小の方向別旅行時間を算出する(ステップA3)。
図2(c)に示す方向別旅行時間を参照すると、最小の方向別旅行時間は、40秒と算出できる。
【0042】
次に、変換部204は、
図4(a)に示すリンクデータを参照し、ステップA2で特定したナビ側進入リンクIDに対応するリンクコストをステップA3で算出した最小の方向別旅行時間に変更する(ステップA4)。
【0043】
ステップA2で特定したナビ側進入リンクIDは、b1であるため、
図4(a)に示すリンクデータを参照すると、ナビ側リンクID_b1のリンクコストは、30秒と特定できる。このため、変換部204は、
図8(a)に示すように、ナビ側リンクID_b1のリンクコストである30秒を、ステップA3で算出した40秒に変更する。これにより、センタ側リンクIDに紐付けられた方向別旅行時間の中で最小の方向別旅行時間をナビ側リンクIDのリンクコストに割り当てることができる。また、更新フラグを更新済に変更し、ナビ側リンクID_b1のリンクコストが方向別旅行時間により更新されたことを管理する。
【0044】
次に、変換部204は、方向別旅行時間のうち、1方向の方向別旅行時間をノードコスト変換処理の対象とする(ステップA5)。例えば、
図2(c)に示す方向別旅行時間の中で、60秒の方向別旅行時間をノードコスト変換処理の対象とする。
【0045】
次に、変換部204は、
図6に示す変換テーブルを参照し、変換処理対象の方向別旅行時間のセンタ側退出リンクIDに対応するナビ側退出リンクIDを特定する(ステップA6)。変換処理対象の方向別旅行時間である60秒のセンタ側退出リンクIDは、a2であるため、
図6に示す変換テーブルを参照すると、センタ側退出リンクID_a2に対応するナビ側退出リンクIDは、b2と特定できる。
【0046】
次に、変換部204は、ステップA2で特定したナビ側進入リンクIDと、ステップA6で特定したナビ側退出リンクIDと、の間を接続するナビ側ノードIDを特定する(ステップA7)。例えば、
図4(b)に示すノードデータを参照すると、ナビ側進入リンクID_b1と、ナビ側退出リンクID_b2と、の間を接続するナビ側ノードIDは、M2と特定できる。
【0047】
次に、変換部204は、変換処理対象の方向別旅行時間からステップA3で算出した最小の方向別旅行時間を減算した旅行時間を算出する(ステップA8)。変換処理対象の方向別旅行時間は、60秒であり、最小の方向別旅行時間は、40秒であるため、減算後の旅行時間は、20(60-40)秒と算出できる。
【0048】
次に、変換部204は、ステップA7で特定したナビ側ノードID_M2のノードコストのうち、ステップA2で特定したナビ側進入リンクIDとステップA6で特定したナビ側退出リンクIDとの組に紐付けられたノードコストを特定する(ステップA9)。例えば、
図4(b)に示すノードデータを参照すると、ナビ側進入リンクID_b1とナビ側退出リンクID_b2との組に紐付けられたノードコストは、10秒と特定できる。
【0049】
次に、変換部204は、ステップA9で特定したナビ側ノードID_M2のノードコストをステップA8で算出した旅行時間に変更する(ステップA10)。ステップA9で特定したナビ側ノードID_M2のノードコストは、
図4(b)に示す、ナビ側進入リンクID_b1とナビ側退出リンクID_b2との組に紐付けられた10秒である。このため、変換部204は、
図8(b)に示すように、ナビ側ノードID_M2のノードコストである10秒をステップA8で算出した20秒に変更する。これにより、センタ側リンクIDに紐付けられた方向別旅行時間から最小の方向別旅行時間を減算して得られた旅行時間をナビ側ノードIDのノードコストに割り当てることができる。また、更新フラグを更新済に変更し、ナビ側ノードID_M2のノードコストが方向別旅行時間により更新されたことを管理する。
【0050】
変換部204は、全ての方向別旅行時間のノードコスト変換処理が終了したか否かを判断し(ステップA11)、全ての方向別旅行時間のノードコスト変換処理が終了するまで(ステップA11/No)、ステップA5~A10の処理を繰り返す。
図2(c)に示す方向別旅行時間は、3方向あるため、3方向の方向別旅行時間のノードコスト変換処理が終了するまで、ステップA5~A10の処理を繰り返す。この処理を繰り返すことで、
図8(b)に示すように、ナビ側ノードID_M2のノードコストを3方向分得ることができる。
【0051】
変換部204は、全ての方向別旅行時間のノードコスト変換処理が終了した場合に(ステップA11/Yes)、処理を終了する(End)。
【0052】
本実施形態のナビゲーション装置200は、
図7に示す処理動作を行うことで、
図2(c)に示すセンタ側進入リンクID_a1の方向別旅行時間を基に、
図8に示すように、ナビ側進入リンクID_b1のリンクコストに40秒を割り当てることができる。また、ナビ側ノードID_M2のノードコストに、20秒(ナビ側進入リンクID_b1とナビ側退出リンクID_b2と角度90°との組)、0秒(ナビ側進入リンクID_b1とナビ側退出リンクID_b3と角度0°との組)、10秒(ナビ側進入リンクID_b1とナビ側退出リンクID_b4と角度270°との組)を割り当てることができる。
【0053】
<経路案内処理動作例>
次に、
図9を参照しながら、ナビゲーション装置200で行う経路案内処理動作例について説明する。
図9は、経路案内処理動作例を示すフローチャートである。
【0054】
交通情報取得部202は、例えば、出発地、目的地、経路探索条件(距離優先、時間優先)などの経路探索に必要な各種情報が入力され、経路探索要求を受け付けた場合に(ステップS1/Yes)、経路探索に必要なエリアの方向別旅行時間を交通情報センタ100に問い合わせて取得する(ステップS2)。
【0055】
例えば、交通情報取得部202は、出発地と目的地とを包含するエリアを特定し、そのエリア内の方向別旅行時間を交通情報センタ100に問い合わせて取得する。方向別旅行時間を取得した場合、変換部204は、その方向別旅行時間の振り分け処理を行う(ステップS3)。このステップS3の処理は、上述した
図7に示す処理を行う。これにより、経路探索に必要なエリアの方向別旅行時間をナビ側リンクとノードに振り分けて記憶部203に記憶することができる。
【0056】
次に、経路探索部206は、出発地から目的地までの経路探索処理を実行する(ステップS4)。経路探索処理は、記憶部203に記憶されている道路ネットワークデータ、交通情報、リンクコストやノードコストを用いて経路探索条件に適合する複数、例えば5つの候補経路を探索する。ノードコストが個別に付与されていないノードについては、
図5に示すノードコストテーブルを参照し、進入リンクと退出リンクとのなす角度に対応するコスト(旅行時間)を用いる。
【0057】
経路探索部206は、上記ステップS4の処理結果を表示部208に表示する(ステップS5)。例えば、上記検索した5つの候補経路に関する情報、および、各候補経路における到着予想時間を表示部208に表示する。到着予想時間は、出発地から目的地までのリンクコスト、ノードコストの合算値を基に算出する。この後、利用者がいずれかの候補経路を選択する入力操作により、案内対象の移動経路が設定され、記憶部203に記憶される。経路探索部206は、案内対象の移動経路の設定により、記憶部203から所定の縮尺率の地図データを読み出すとともに、設定された移動経路および現在位置のアイコンを地図情報に重畳させて表示部208に表示させる。
【0058】
経路案内部207は、移動経路の案内要求を受け付けた場合に(ステップS6/Yes)、現在位置に基づいて、移動経路の案内誘導処理を開始する(ステップS7)。
【0059】
これにより、ナビゲーション装置200は、交通情報センタ100から提供される方向別旅行時間を用いて経路探索処理や移動経路の案内誘導処理を行うことができる。
【0060】
なお、ナビゲーション装置200は、案内誘導処理を開始した後に、交通情報センタ100から新たな方向別旅行時間を取得した場合は、その方向別旅行時間の振り分け処理を行い、候補経路の再探索を行っても良い。
【0061】
<方向別旅行時間の表示処理動作例>
次に、
図10を参照しながら、方向別旅行時間の表示処理動作例について説明する。
図10は、方向別旅行時間を地図上に表示した例を示す。
【0062】
交通情報センタ100から取得した方向別旅行時間は、ナビ側進入リンクIDと、ナビ側ノードIDと、に振り分けて記憶部203に記憶される。経路案内部207は、記憶部203を参照し、現在位置から進行方向のナビ側ノードに紐付けられたナビ側進入リンクに対するノードコストがある場合は、そのノードコストを取得し、例えば
図10に示すようにナビ側退出リンク別に表示部208に表示する。
図10は、
図8(b)に示すナビ側ノードID_M2に紐付けられたナビ側進入リンクID_b1に対する3つのノードコスト(20秒、0秒、10秒)をナビ側退出リンクID別に表示した例である。これにより、利用者は、ナビ側ノードの方向別旅行時間を把握して運転することができる。
【0063】
方向別旅行時間を地図上に表示する場合は、旅行時間の大きさに応じて異なる表示態様で表示するようにしても良い。例えば、旅行時間が0~10秒の場合は、順調であることを示す青、11~30秒の場合は、混雑していることを示す黄、31秒以上の場合は、渋滞であることを示す赤などで表示しても良い。また、旅行時間が基準値以上の場合に、強調して表示したり、点滅させて表示したりしても良い。これにより、旅行時間の大きさに応じて利用者に注意を促すことができる。
【0064】
また、方向別旅行時間を表示するのでなく、音声により利用者に報知しても良い。例えば、『直進には0秒、左折には10秒、右折には20秒、かかります』と報知してもよい。
【0065】
<本実施形態に係るナビゲーション装置200の作用・効果>
本実施形態に係るナビゲーション装置200は、センタ側進入リンクに紐付けられた方向別旅行時間を取得した場合に、
図6に示す変換テーブルを参照し、方向別旅行時間を、センタ側進入リンクに対応するナビ側進入リンクに割り当てる旅行時間と、ナビ側進入リンクの進行方向に隣接するナビ側ノードに割り当てる旅行時間と、に振り分ける。そして、ナビゲーション装置200は、ナビ側進入リンクに振り分けた旅行時間をナビ側進入リンクに紐付けて記憶部203に記憶する。また、ナビ側ノードに振り分けた旅行時間をナビ側ノードに紐付けて記憶部203に記憶する。これにより、本実施形態に係るナビゲーション装置200は、交通情報センタ100から配信される方向別旅行時間を、ナビ側ノードに反映することができる。その結果、交通情報センタ100から提供される方向別旅行時間をナビゲーション装置200で利用することができる。また、従来は、
図5に示す6方向固定のノードコストテーブルを使用してナビ側ノードにコスト(旅行時間)を付与していたため、6方向のコストの中でしかナビ側ノードにコストを付与することができなかった。しかし、本実施形態においてナビ側ノードに反映した方向別旅行時間は、その進入リンクと退出リンクとで規定される一意なコスト(旅行時間)である。このため、従来よりもきめ細かなコストをナビ側ノードに付与することができる。
【0066】
<変形例>
上述した実施形態は、本発明の好適な実施形態であり、上述した実施形態のみに本発明の範囲を限定するものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を施した形態での実施が可能である。
【0067】
(変形例1)
上述した実施形態では、
図4(b)に示すように、方向別のノードコストを予めナビ側ノードデータに付与し、経路探索の際に、そのナビ側ノードデータを使用し、経路に含まれるノードにおいて進入リンクと退出リンクとに対応するコスト(旅行時間)を用いるようにしている。しかし、方向別のノードコストをナビ側ノードデータに予め付与せず、経路探索の際に、
図5に示すノードコストテーブルを使用し、経路に含まれるノードにおいて進入リンクと退出リンクとのなす角度に対応するコスト(旅行時間)を都度用いるようにしても良い。この場合、方向別旅行時間を反映したノードにおいては、
図5に示すノードコストテーブルを使用せず、そのまま上記反映された方向別旅行時間を使用すればよい。
【0068】
(変形例2)
上述した実施形態では、ナビ側ノードに振り分けた旅行時間(ノードコスト)は、
図8(b)に示すように、ナビ側進入リンクIDとナビ側退出リンクIDと角度との組に紐付けて記憶部203に記憶している。しかし、ナビ側進入リンクとナビ側退出リンクとで規定される方向が特定可能であれば、例えば、ナビ側進入リンクIDとナビ側退出リンクIDとの組や、ナビ側進入リンクIDと角度との組に紐付けて、旅行時間(ノードコスト)を記憶部203に記憶するようにしても良い。
【0069】
(変形例3)
上述した実施形態の
図9に示す経路案内処理動作例において、交通情報取得部202は、経路探索要求を受け付けた場合に(ステップS1/Yes)、経路探索に必要なエリアの方向別旅行時間を交通情報センタ100から全て取得済みか否かを判定し、未取得エリアがある場合に、その未取得エリアの方向別旅行時間を交通情報センタ100に問い合わせて取得するようにしても良い(ステップS2)。例えば、交通情報取得部202は、出発地と目的地とを包含するエリアを特定し、そのエリア内の各メッシュに含まれるナビ側リンク、ナビ側ノードのコストを更新済か否かを
図8に示す更新フラグを基に判定する。そして、未更新のメッシュが存在する場合は、その未更新のメッシュを未取得エリアとし、その未取得エリアの方向別旅行時間を交通情報センタ100に問い合わせて取得する。これにより、交通情報取得部202は、経路探索に必要な未取得エリアの方向別旅行時間だけを交通情報センタ100に問い合わせて取得することができる。
【0070】
(変形例4)
上述した実施形態では、ナビゲーション装置200において、
図7に示す振り分け処理を行い、センタ側リンクに紐付けられた方向別旅行時間を、ナビ側リンクに割り当てる旅行時間と、ナビ側ノードに割り当てる旅行時間と、に振り分けて記憶部203に記憶している。しかし、ネットワークNWに存在するサーバ等の情報処理装置において
図7に示す振り分け処理を行うようにしても良い。この場合もナビゲーション装置200は、振り分け後の旅行時間を情報処理装置から取得することで、その旅行時間をナビゲーション装置200で利用することができる。
【0071】
(変形例5)
上述した実施形態では、ナビゲーション装置200において、経路探索処理を実行することにしている。しかし、ネットワークNWに存在するサーバ等の情報処理装置において、経路探索処理を実行し、ナビゲーション装置200は、経路探索結果を情報処理装置から取得するようにしても良い。
【0072】
(変形例6)
上述した本実施形態のナビゲーション装置200を構成する各部の制御動作は、ハードウェア、または、ソフトウェア、あるいは、両者の複合構成を用いて実行することも可能である。
【0073】
ソフトウェアを用いて処理を実行する場合には、処理シーケンスを記録したプログラムを、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。あるいは、各種処理が実行可能な汎用コンピュータ内のメモリにインストールして実行させることが可能である。
【0074】
例えば、プログラムは、記録媒体としてのハードディスクやROMに予め記録しておくことが可能である。あるいは、プログラムは、リムーバブル記録媒体に一時的、あるいは、永続的に記録しておくことが可能である。このようなリムーバブル記録媒体は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することが可能である。リムーバブル記録媒体は、磁気ディスク、半導体メモリなどの各種記録媒体があげられる。
【0075】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体からコンピュータにインストールすることになる。また、ダウンロードサイトからコンピュータに無線で転送することになる。また、ネットワークを介してコンピュータに有線で転送することになる。
【0076】
プログラムの形態としては、クラウド等によるネット上のサーバからの利用もありえる。一部のプログラムのみをコンピュータに転送して利用する形態もありえる。
【0077】
(変形例7)
上述した実施形態のナビゲーション装置200を構成する各部は、上述した実施形態で説明した処理動作に従って時系列的に処理を実行するだけに限定するものでない。例えば、処理を実行する装置の処理能力、あるいは、必要に応じて並列的にあるいは個別に処理を実行するように構築することも可能である。また、上述した実施形態のナビゲーション装置200の各機能を複数の情報処理装置の協働によって実現してもよく、上述した記憶部203に記憶した情報のうちの少なくとも一部は、他の装置の内部/外部記憶装置に記憶されていてもよく、例えばクラウド上に構築されていてもよい。
【符号の説明】
【0078】
100 交通情報センタ
101 交通情報記憶部
102 交通情報配信部
200 ナビゲーション装置
201 位置情報取得部
202 交通情報取得部(取得手段)
203 記憶部(第1の記憶手段、第2の記憶手段)
204 変換部(変換手段)
205 制御部
206 経路探索部
207 経路案内部
208 表示部(表示手段)
209 入力部
NW ネットワーク