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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】椅子
(51)【国際特許分類】
   A47C 7/40 20060101AFI20220920BHJP
   A47C 7/54 20060101ALI20220920BHJP
   A47C 3/02 20060101ALN20220920BHJP
【FI】
A47C7/40
A47C7/54 Z
A47C3/02
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018197755
(22)【出願日】2018-10-19
(65)【公開番号】P2020062345
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-09-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【氏名又は名称】鈴木 三義
(72)【発明者】
【氏名】益永 浩
(72)【発明者】
【氏名】石丸 俊介
【審査官】松江 雅人
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3088612(JP,U)
【文献】特開2015-093092(JP,A)
【文献】特開2006-102130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/40
A47C 7/54
A47C 3/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
着座者が背を凭せ掛ける背凭れ面を構成する面材と、
所定の機能を有する機能部と、
前記機能部を支持する支持構造体と、を有する椅子において、
前記機能部と前記支持構造体とは連結具で連結され、
前記連結具は、前記機能部および前記支持構造体に平面視において前記背凭れ面に沿った方向に対して斜めとなる方向で、かつ、前記面材と離間する側から近づく側に向きに挿入されて、前記機能部と前記支持構造体とを連結していることを特徴とする椅子。
【請求項2】
前記面材を有し前記支持構造体に支持される背凭れを有し、
前記背凭れは、前記機能部とは別体に設けられ、前記連結具とは異なる支持手段によって前記支持構造体に支持されていることを特徴とする請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
前記背凭れは、前記支持構造体の前側に設けられ、
前記面材は、前記背凭れにおける前側の部分に設けられて前面が背凭れ面を構成していて、
前記連結具は、前記背凭れよりも後方において前記機能部と前記支持構造体とを連結していることを特徴とする請求項2に記載の椅子。
【請求項4】
前記機能部は、前記機能を有する機能部本体と、
前記支持構造体に取り付けられ、前記機能部本体が取り付けられる機能部本体支持部と、を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の椅子。
【請求項5】
前記機能部は、着座者が肘を掛ける肘掛けであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の椅子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
背凭れや肘掛けなどの機能部が、背凭れや肘掛けを支持する脚部や背凭れ支持部などの支持構造体に取り付けられた椅子が知られている。
例えば、特許文献1に開示された椅子では、支持構造体となる背凭れ支持部(背凭れ支持フレーム)と、機能部となる背凭れの背凭れ(背枠)とが、互いに係合した状態で、背凭れ支持部および背凭れそれぞれに幅方向の内側から外側に向かって挿入されたネジで連結されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2006-102130号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示された椅子では、背凭れ支持部および背凭れに対してネジを挿入する方向が背凭れの背凭れ面に沿った方向となるため、ネジを挿入する際に、ネジや工具などが背凭れ面と干渉し作業性が低下する虞がある。
【0005】
そこで、本発明は、機能部を支持構造体に容易に取り付けることができる椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る椅子は、着座者が背を凭せ掛ける背凭れ面を構成する面材と、所定の機能を有する機能部と、前記機能部を支持する支持構造体と、を有する椅子において、前記機能部と前記支持構造体とは連結具で連結され、前記連結具は、前記背凭れ面に沿った方向に対して斜めとなる方向で、かつ、前記面材と離間する側から近づく側に向かう方向から前記機能部と前記支持構造体とを連結していることを特徴とする。
【0007】
本発明では、機能部を支持構造体に連結する際には、連結具や工具を面材と離間する側から面材に近づけることにより、面材に近接した状態で面材に沿った方向に連結具や工具を移動させる場合と比べて、組み立ての際に連結具や工具が面材と干渉しにくい構造とすることができる。このため、機能部を支持構造体に容易に取り付けることができる。
【0008】
また、本発明に係る椅子では、前記面材を有し前記支持構造体に支持される背凭れを有し、前記背凭れは、前記機能部とは別体に設けられ、前記連結具とは異なる支持手段によって前記支持構造体に支持されていてもよい。
このような構成とすることにより、背凭れ面の向きにかかわらず、機能部の向きを調整することができるため、機能部を最適な向きに設けることができる。
【0009】
また、本発明に係る椅子では、前記背凭れは、前記支持構造体の前側に設けられ、前記面材は、前記背凭れにおける前側の部分に設けられて前面が背凭れ面を構成していて、前記連結具は、前記背凭れよりも後方において前記機能部と前記支持構造体とを連結していてもよい。
このような構成とすることにより、組み立ての際に連結具や工具が面材と干渉しにくい構造とすることができる。
【0010】
また、本発明に係る椅子では、前記機能部は、前記機能を有する機能部本体と、前記機能部本体を支持するとともに前記支持構造体に連結される機能部本体支持部と、を有していてもよい。
このような構成とすることにより、機能部本体が機能部本体支持部に連結される方向が、機能部本体支持部が支持構造体に連結される方向に影響されないため、機能部本体の向きを最適な状態に容易に設定することができる。
【0011】
また、本発明に係る椅子では、前記機能部は、着座者が肘を掛ける肘掛けであってもよい。
このような構成とすることにより、背凭れに近い位置に肘掛けを設ける場合でも、肘掛けを支持構造体に連結するための連結具や工具が面材と干渉しにくい構造とすることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、機能部を支持構造体に容易に取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態による椅子の一例を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態による椅子の正面図である。
図3】本発明の実施形態による椅子の背面図である。
図4】背凭れ支持部と外周枠部の連結構造を示す斜視図である。
図5】背凭れ支持部の斜視図である。
図6図4のA-A線断面図である。
図7図4のB-B線断面図である。
図8図4のC-C線断面図である。
図9図4のD-D線断面図である。
図10】外周枠部の斜め前方から見た斜視図である。
図11】外周枠部の斜め後方から見た斜視図である。
図12】肘掛けの斜視図である。
図13】肘掛けの分解斜視図である。
図14】肘掛け本体支持部の斜視図である。
図15図14のE-E線断面図である。
図16図14のF-F線断面図である。
図17図14のG-G線断面図である。
図18】肘掛け本体の斜視図である。
図19図18のH-H線断面図である。
図20図12のI-I線断面図である。
図21】レール部材の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態による椅子について、図1図21に基づいて説明する。
図1図3に示すように、本実施形態による椅子1は、支持構造体2と、座部3と、背凭れ4と、を有している。
以下の説明において、椅子1に着座した着座者が前を向く方向を前側、その反対側を後側とし、前側と後側とを結ぶ水平方向を前後方向とする。また、前後方向に直交する水平方向を幅方向とする。椅子1は、幅方向に対称な形状となっている。幅方向について、椅子1全体における幅方向の中央に対する幅方向の両端側を「幅方向の外側」と表記し、幅方向の端部に対する幅方向の中央側を「幅方向の内側」と表記することがある(図2および図3参照)。
【0015】
支持構造体2は、脚体21と、脚柱22と、支基23と、背凭れ支持部24(支持構造体)と、を有している。
脚体21は、平面視で放射状に配置された複数の脚杆211を有している。各脚杆211の先端部には、それぞれ床面に接地するキャスタ212が設けられている。
脚柱22は、脚体21の中央に立設している。脚柱22は、ガススプリングを内蔵した伸縮式で、脚体21に固定された外筒221と、外筒221に挿通され外筒221よりも上側に延びる内筒222と、を有ししている。内筒222は、外筒221に対して昇降可能に構成されているとともに、外筒221と相対回転可能に構成されている。
【0016】
支基23は、脚柱22の上端部に固定されている。支基23の上部には、座部3が配置され、支基23の後部には、背凭れ支持部24が配置されている。
支基23は、背凭れ支持部24を傾動可能(回動可能)に支持するとともに、着座面を形成する座部3を背凭れ支持部24と連動して傾動可能に支持している。
【0017】
(背凭れ支持部)
図4図5に示すように、背凭れ支持部24は、支基23(図1図3参照)に連結され支基23よりも後方に延びる下側フレーム241と、下側フレーム241の後端部から上方に延びる後側フレーム242と、を有している。下側フレーム241と後側フレーム242とは、一体に形成されている。背凭れ支持部24は、幅方向から見た側面視でL字形状をなしている。
【0018】
下側フレーム241は、それぞれ前後方向に延びて幅方向に間隔をあけて配置された一対の後方延出部243と、一対の後方延出部243の前後方向の中間部同士を連結する下側連結部244とを有している。一対の後方延出部243のうちの幅方向の一方側の後方延出部243は、前端部が支基23の幅方向の一方側に連結され、幅方向の他方側の後方延出部243は、前端部が支基23の幅方向の他方側に連結されている。
【0019】
後側フレーム242は、一対の後方延出部243の後端部から上側に向かって漸次前側に向かう方向に延びる一対の上方延出部245と、一対の上方延出部245の上端部同士を連結する上側連結部246と、を有している。
上側連結部246は、幅方向の全体にわたって幅方向の中央が後側に凹むように湾曲している。
【0020】
一対の上方延出部245は、幅方向に間隔をあけて設けられている。一対の上方延出部245のうちの一方の上方延出部245は、椅子1の幅方向の中央よりも幅方向の一方側に位置し、他方の上方延出部245は、椅子1の幅方向の中央よりも幅方向の他方側に位置している。このため、一対の上方延出部245は、互いに対向する側が幅方向の内側となり、互いに離間する側が幅方向の外側となる。
一対の上方延出部245は、下側から上側に向かって漸次前側に向かう方向に延びる棒状に形成され背凭れ4が固定される連結部5と、連結部5の後縁部57から幅方向の外側に突出する突出板部26と、をそれぞれ有している。
【0021】
図5に示すように、連結部5には、溝状や、凹状、孔状の肉抜き部が適宜形成されている。連結部5の外周面は、概ね前側を向く面を連結部前面51と、概ね後方を向く面を連結部後面52と、概ね幅方向の内側を向く面を連結部内側面53と、概ね幅方向の外側を向く面を連結部外側面54と、から構成されている。「・・側を向く面」や、「・・方向を向く面」とは、その法線が「・・側」や「・・方向に」に延びている面を示している。
【0022】
連結部後面52は、下側から上側に向かって漸次前側に向かうとともに、幅方向の外側から内側に向かって漸次後側に向かう面に形成されている。連結部後面52は、上側連結部246の後面と角部や段差なく連続している。
連結部前面51は、下側から上側に向かって漸次前側に向かうとともに、幅方向の外側から内側に向かって漸次後側に向かう面に形成されている。連結部前面51は、連結部後面52とほぼ平行となっている。
【0023】
連結部内側面53は、後端部近傍が幅方向の内側よりもやや後側を向く面に形成され、それよりも前側の部分が幅方向の内側を向く面に形成されている。
連結部外側面54は、後側から前側に向かって漸次幅方向の内側に向かう面に形成されている。連結部外側面54は、連結部後面52および連結部前面51と略直交する面となっている。
連結部5は、後側から前側に向かって漸次幅方向の寸法が小さくなっている。
【0024】
連結部5には、背凭れ4の背凭れ本体41を固定する第1ボルト61(図6および図7参照)が挿入される第1孔部55が上下方向に間隔をあけて2つ形成され、背凭れ4の肘掛け本体支持部72を固定する第2ボルト62(連結具、図8および図9参照)が挿入される第2孔部56が上下方向に間隔をあけて2つ形成されている。
2つの第2孔部56は、2つの第1孔部55の間に形成されている。
【0025】
図6および図7に示すように、連結部5には、上下方向に間隔をあけた2か所それぞれに、前側開口する前側凹部551と、前側凹部551の後側に位置し後側に開口する後側凹部552と、が形成されている。前側凹部551と後側凹部552とは、中間板部553を介して略前後方向に並んで配置されている。中間板部553は、板面が前後方向を向く板状に形成され、正面視における中央部分に前後方向に貫通する孔部が形成されている。この孔部が第1孔部55となっている。
図5に戻り、連結部5は、上側に位置する前側凹部551の上部に切込み部554が形成されていて、切込み部554を介して前側凹部551の内部が連結部5の上方に連通するように構成されている。切込み部554は、前側凹部551における幅方向の外側部分の上部に位置している。
【0026】
図8および図9に示すように、連結部5には、2つの第1孔部55(図5参照)の間に、上下方向に間隔をあけた2か所それぞれに、幅方向の内側に開口する内側凹部561が形成されている。本実施形態では、内側凹部561は後方にも開口している。内側凹部561の底面562は、前側から後側に向かって漸次幅方向の外側に向かう面に形成されている。内側凹部561の底面562は、連結部外側面54と平行に配置されている。
【0027】
連結部5には、内側凹部561の底面562から連結部外側面54まで貫通する孔部が形成されている。この孔部が第2孔部56となっている。第2孔部56は、幅方向の内側から外側に向かって漸次前側に向かう斜め方向に連結部5を貫通している。第2孔部56の貫通方向は、連結部前面51、連結部後面52に沿った方向で、幅方向の内側から外側に向かって漸次前側に向かう第1斜め方向となっている。
第1斜め方向は、幅方向の内側から外側に向かって漸次前側に向かう方向、およびその反対側となる幅方向の外側から内側に向かって漸次後側に向かう方向を示している。第1斜め方向は、略水平方向となっている。
第1方向における幅方向の内側から外側に向かって漸次前側に向かう側を外側とし、反対側となる幅方向の外側から内側に向かって漸次後側に向かう側を内側とする。
【0028】
図5図8図9に示すように、突出板部26は、連結部5の後縁部57から第1斜め方向に突出する板状に形成され、その面が上側連結部246の湾曲に沿った面となっている。突出板部26の後面261は、連結部後面52と段差や屈曲部462を介さず滑らかに連続している。突出板部26の前面262は、第2孔部56よりも後側に位置している。これにより、突出板部26は、第2孔部56と干渉しないように構成されている。突出板部26は、上側から下側に向かって連結部5から幅方向の外側に突出する寸法が短くなっていて、板面が上側から下側に向かって幅方向の寸法が漸次短くなる略三角形状となっている。
【0029】
(背凭れ)
図1図4に示すように、背凭れ4は、背凭れ支持部24の後側フレーム242の前側に配置されている。
背凭れ4は、着座者が背を凭せ掛ける背凭れ本体41と、背凭れ本体41の幅方向の外側に設けられ、着座者が肘を掛ける肘掛け7(機能部)と、を有している。
背凭れ本体41は、内側に開口部421が形成された四角枠状の外周枠部42と、開口部421を覆い外周枠部42に係止される面材43(図1図3参照)と、を有している。図4では、面材43を省略している。
面材43は、メッシュや布などの膜状の部材で構成され、外周枠部42の前側から見た正面視形状よりも大きく形成されて、外縁部が外周枠部42に係止されている。
【0030】
図4図10図11に示すように、外周枠部42は、上枠部44、下枠部45と、一対の縦枠部46と、を有している。
一対の縦枠部46は、幅方向に間隔をあけて設けられている。一対の縦枠部46のうちの一方の縦枠部46は、椅子1の幅方向の中央よりも幅方向の一方側に位置し、他方の縦枠部46は、椅子1の幅方向の中央よりも幅方向の他方側に位置している。このため、一対の縦枠部46は、互いに対向する側が幅方向の内側となり、互いに離間する側が幅方向の外側となる。
【0031】
上枠部44は、幅方向に延びる部材で、正面視で幅方向の中央が上側に張り出すとともに、上側から見た平面視で幅方向の中央が後側に張り出すように幅方向全体にわたって湾曲している。上枠部44には、面材43(図1図3参照)の上縁部を係止する上枠面材係止溝部441が形成されている。上枠面材係止溝部441は、上側に開口する溝部で、上枠部44の幅方向全体にわたって形成されている。
下枠部45は、幅方向に延びる部材で、正面視で幅方向の中央が下側に張り出すとともに、平面視で幅方向の中央が後側に張り出すように幅方向全体にわたって湾曲している。下枠部45には、面材43の下縁部を係止する下枠面材係止溝部451が形成されている。下枠面材係止溝部451は、下側に開口する溝部で、下枠部45の幅方向全体にわたって形成されている。
【0032】
一対の縦枠部46は、上下方向の中間部に屈曲部462が形成されている。
一対の縦枠部46は、幅方向から見た側面視で、屈曲部462よりも下側の部分が下側から上側に向かって漸次前側に向かう方向に延び、屈曲部462よりも上側の部分が下側から上側に向かって漸次後側に向かう方向に延びている。また、一対の縦枠部46は、正面視で屈曲部462よりも下側が下側から上側に向かって漸次幅方向の外側に向かう方向に延び、屈曲部462よりも上側が下側から上側に向かって漸次幅方向の内側に向かう方向に延びている。屈曲部462は、一対の縦枠部46それぞれの上下方向の中央よりも下側に位置している。
【0033】
一対の縦枠部46は、それぞれ面材43を係止する面材係止部463と、面材係止部463と連続して形成され、背凭れ支持部24に固定される背凭れ連結部464と、面材係止部463から後側に突出するリブ465と、を有している。
【0034】
面材係止部463は、縦枠部46の上下方向全体にわたって設けられていて、上端部が上枠部44と接続され、下端部が下枠部45と接続されている。一対の縦枠部46のうちの一方の縦枠部46の面材係止部463は、上端部が上枠部44の幅方向の一方側の端部と接続され、下端部が下枠部45の幅方向の一方側の端部と接続されている。一対の縦枠部46のうちの他方の縦枠部46の面材係止部463は、上端部が上枠部44の幅方向の他方側の端部と接続され、下端部が下枠部45の幅方向の他方側の端部と接続されている。
【0035】
面材係止部463には、面材43の側縁部を係止する縦枠面材係止溝部461が形成されている。縦枠面材係止溝部461は、幅方向の内側に開口する溝部で、上下方向全体にわたって形成されている。
一対の縦枠面材係止溝部461は、それぞれ上枠面材係止溝部441および下枠面材係止溝部451と連続している。これにより、外周枠部42には、外周部全体にわたって面材43を係止するための溝部が形成されている。
【0036】
図10および図11に示すように、背凭れ連結部464は、縦枠部46における屈曲部462よりも下側の部分全体に設けられている。背凭れ連結部464は、面材係止部463の幅方向の内側に設けられている。背凭れ連結部464の下端部は、下枠部45と接続されている。
背凭れ連結部464は、面材係止部463の屈曲部462よりも下側の部分の後縁部から幅方向の内側に向かって漸次後側に延びる連結板部47と、連結板部47から後側に突出する連結突出部48と、を有している。
【0037】
連結板部47は、上下方向に延びる長尺に形成され、下端部が下枠部45と接続されている。連結板部47は、前方を向く連結板部前面471が前後方向の前側よりもやや幅方向の内側を向く面となり、後方を向く連結板部後面472が前後方向の後側よりもやや幅方向の外側を向く面となっている。連結板部47は、平面視において下枠部45に沿った形状に形成されている。
【0038】
連結突出部48は、1つの連結板部47に対して上下方向に間隔をあけて2つ設けられている。図11に示すように、連結突出部48は、連結板部47から後側に突出する筒状部481と、筒状部481の先端部(後端部)を覆うように接続された先端板部482と、を有している。先端板部482は、板面が前後方向を向く平板状に形成され、板面の中央に前後方向に貫通する第3孔部483が形成されている。
図6および図7に示すように、連結突出部48は、背凭れ支持部24の連結部5の前側凹部551に前側から嵌合する形状に形成されている。連結突出部48は、背凭れ支持部24の連結部5の前側凹部551に嵌合すると、第3孔部483が前側凹部551の第1孔部55と前後方向に重なるように設定されている。
【0039】
図11に示すように、リブ465は、縦枠部46の上下方向の中間部分で、屈曲部462およびその上下の領域を含む部分に設けられている。リブ465は、板面が幅方向を向く板状に形成されている。リブ465の下端部は、上側に配置された連結突出部48の筒状部481の側面と接続されている。リブ465の下部側には、後方および下方に開口する切り欠き部466が形成されている。
【0040】
図1および図2に示すように、面材43は、外周枠部42の内側を覆うように縦枠部46の前側に張られ、上枠部44、下枠部45および一対の縦枠部46の前面を巻きこんで、外縁部が面材係止溝部441,451,461に挿入されて外周枠部42に係止されている。面材43が形成し、着座者が背を凭せ掛ける面を背凭れ面431とする。背凭れ面431は、幅方向の中央が幅方向の外側端部よりも後側に凹むように湾曲している。
外周枠部42に張られた面材43は、前方から作用した荷重によって弾性変形可能に構成されている。また、外周枠部42も面材43に作用した荷重によって弾性変形可能に構成されている。
【0041】
外周枠部42は、面材43が張られた状態で背凭れ支持部24に固定されている。外周枠部42は、背凭れ支持部24の後側フレーム242の前側に固定されている。
図4に示すように、一対の縦枠部46の背凭れ連結部464は、後側フレーム242における上方延出部245の連結部5の前側に配置されている。背凭れ連結部464の連結板部47は、連結板部後面472が連結部5の連結部前面51と当接している。背凭れ連結部464の連結突出部48は、連結部5の前側凹部551に挿入されている。
【0042】
前後方向に重なった背凭れ連結部464の連結突出部48の先端板部482に形成された第3孔部483と、背凭れ支持部24の連結部5の前側凹部551の第1孔部55と、に挿通された第1ボルト61がナットに締結されることによって、外周枠部42が背凭れ支持部24に連結されている。
一対の縦枠部46のリブ465は、上側の連結突出部48と連続している下端部分が連結部5の前側凹部551の上側に形成された切込み部554に挿入され、この下端部分よりも上側の部分が連結部5の上方に配置されている。
【0043】
背凭れ本体41を背凭れ支持部24に固定するには、まず、面材43を外周枠部42に取り付けた状態とする。
外周枠部42の一対の縦枠部46の背凭れ連結部464を、後側フレーム242における上方延出部245の連結部5の前側に配置する。そして、背凭れ連結部464の連結板部47の連結板部後面472を連結部5の連結部前面51に当接させる。また、背凭れ連結部464の連結突出部48を、連結部5の前側凹部551に挿入する。
このようにすることで、背凭れ連結部464の連結突出部48の先端板部482に形成された第3孔部483と、背凭れ支持部24の連結部5の前側凹部551の第1孔部55と、が前後方向に重なり、これらの第1孔部55および第3孔部483に第1ボルト61を挿通し、ナット63と締結する。これにより背凭れ本体41が背凭れ支持部24に連結される。なお、ナット63は、連結突出部48の内部に固定されていてもよい。
このようにすると、互いに連結された背凭れ支持部24および背凭れ本体41との間には、背凭れ支持部24の突出板部26、連結部5における連結部外側面54、および背凭れ本体41の縦枠部46の面材係止部463に囲まれて略上下方向に延びて、第1斜め方向の外側に開口する凹部27が形成される。この凹部27には、肘掛け7の肘掛け本体支持部72が挿入される。
【0044】
(肘掛け)
図12および図13に示すように、肘掛け7は、着座者が肘を掛ける肘掛け本体71(機能部本体)と、背凭れ支持部24に固定され肘掛け本体71を昇降可能に支持する肘掛け本体支持部72(機能部本体支持部)と、肘掛け本体支持部72を覆うカバー部材73と、を有している。
【0045】
図13および図14に示すように、肘掛け本体支持部72は、長尺のブロック状の部材で略上下方向に延びる前側部材74と、長尺のブロック状の部材で略上下方向に延びる向きで前側部材74の後側に連結される後側部材75と、を有している。前側部材74および後側部材75は、それぞれアルミニウム合金などの金属で成形され、ボルトなどの連結具(不図示)で連結されている。
前側部材74と後側部材75とが連結された肘掛け本体支持部72は、上下方向から見た形状が第1斜め方向に延びている。
【0046】
前側部材74は、第1斜め方向の内側に位置する前側連結部741と、前側連結部741の前側部分から第1斜め方向の外側に向かって突出する前側突出片742と、を有している。
前側連結部741の前方を向く面(前面741aとする)および前側突出片742の前方を向く面(前面742aとする)は、それぞれ前後方向の前側よりもやや幅方向の内側を向く面に形成されている。前側連結部741の前面741aと、前側突出片742の前面742aとは、面一に配置されている。
【0047】
前側連結部741の後方を向く面(後面741bとする)には、第1斜め方向の中間部に第1段部741cが形成され、第1段部741cよりも第1斜め方向の外側となる外側部分741dが、第1段部741cよりも第1斜め方向の内側となる内側部分741eよりも前側に位置している。前側連結部741の後面741bにおける外側部分741dおよび内側部分741eは、共に前後方向の後側よりもやや幅方向の外側を向く面に形成されている。
前側突出片742の後方を向く面(後面742bとする)は、前後方向の後側よりもやや幅方向の外側を向く面に形成されている。前側突出片742の後面742bは、前側連結部741の後面における外側部分741dよりも前側に位置している。前側突出片742の後面742bと前側連結部741の後面741bとの間には第2段部742cが形成されている。
【0048】
図13に示すように、前側連結部741の第1斜め方向の内側の側面(第1側面741fとする)は、第1斜め方向の内側を向く面に形成されている。
図15図17に示すように、前側連結部741には、第1斜め方向の内側の部分に第1斜め方向の内側に開口する凹部状の第4孔部743が形成されている。第4孔部743の周面には、ネジ山が形成されている。第4孔部743は、上下方向に間隔をあけて2か所設けられている。
【0049】
図14に示すように、後側部材75は、平板状に形成されている。
後側部材75の前側を向く面(前面75aとする)は、前後方向の前側よりもやや幅方向の内側を向く面に形成されている。後側部材75の後側を向く面(後面75bとする)は、前後方向の後側よりもやや幅方向の外側を向く面に形成されている。
後側部材75は、前側部材74の第1段部741cに第1斜め方向の内側の端部75cが位置し、前側部材74の前側連結部741よりも第1斜め方向の外側に突出するように配置される。
【0050】
後側部材75は、前側連結部741の後側に配置されて前側連結部741と連結される後側連結部751と、後側連結部751の第1斜め方向の外側に配置され、前側連結部741よりも第1斜め方向の外側に突出する後側突出片752と、を有している。
前側突出片742と後側突出片752とは、前後方向に間隔をあけて平行に配置されている。肘掛け本体支持部72には、前側連結部741よりも第1斜め方向の外側に前側突出片742と後側突出片752とに挟まれた昇降溝部744が形成されている。
【0051】
連結されている前側部材74の前側連結部741と、後側部材75の後側連結部751とを合わせて第1基部721とする。第1基部721の前面721aは、前側連結部741の前面741aを示し、第1基部721の後面721bは、前側連結部741の後面741bのうちの内側部分741eおよび後側連結部751の後面751bを示し、第1基部721の上面721cは、前側連結部741および後側連結部751の上面を示し、第1基部721の下面721dは、前側連結部741および後側連結部751の下面を示す。また、第1基部721の第1斜め方向の内側の第1側面721eは、前側連結部741の第1側面741fを示す。
【0052】
図15に示すように、前側突出片742の後面742bには、上下方向に延びる前側突出片溝部745が上下方向に間隔をあけて2か所形成されている。前側突出片溝部745の断面は、半円弧状に形成されている。前側突出片溝部745は、前側突出片742の上端部および下端部まで達しておらず、それぞれの前側突出片742の上方および下方と連通しないように構成されている。2つの前側突出片溝部745それぞれの上端部に位置する下向きの端面を前側突出片溝部上側端面745aとし、前側突出片溝部745の下端部に位置する上向きの端面を前側突出片溝部下側端面745bとする。
前側突出片742の第1斜め方向の外側の端面および後面には、第1滑り材761が張り付けられている。第1滑り材761は、前側突出片溝部745と干渉しない位置に張り付けられている。
【0053】
図16に示すように、後側突出片752の前面752aには、上下方向に延びる後側突出片溝部755が上下方向に間隔をあけて2か所形成されている。後側突出片溝部755の断面は、半円弧状に形成されている。後側突出片溝部755は、前側突出片溝部745と対向する位置に配置されている。後側突出片溝部755は、後側突出片752の上端部および下端部まで達しておらず、それぞれの後側突出片752の上方および下方と連通しないように構成されている。2つの後側突出片溝部755それぞれの上端部に位置する下向きの端面を後側突出片溝部上側端面755aとし、後側突出片溝部755の下端部に位置する上向きの端面を後側突出片溝部下側端面755bとする。
後側突出片752の第1斜め方向の外側の端面および前面には、第2滑り材762が張り付けられている。第2滑り材762は、後側突出片溝部755と干渉しない位置に張り付けられている。
【0054】
図18に示すように、肘掛け本体71は、上側に設けられて前後方向に延びる上部杆711と、後側に設けられて上部杆711の後端部から下側に向かって漸次後側に向かう斜め方向に延びる後部杆712と、を有している。
上部杆711の前側部分の上部には、肘乗せ部713が設けられている。
後部杆712は、幅方向の内側に肘掛け本体支持部72(図13参照)が取り付けられるように構成されている。後部杆712は、肘掛け本体支持部72よりも上下方向に長く形成されている。
肘掛け本体71は、外殻となる肘掛け本体カバー部714を有していて、上部杆711を覆う部分と後部杆712を覆う部分とは一体に形成されている。
【0055】
図18および図19に示すように、肘掛け本体カバー部714には、後部杆712を覆う部分の幅方向の内側に上下方向に延びる2つ肘掛け本体カバー溝部714a,714bが前後方向に間隔をあけて形成されている。2つ肘掛け本体カバー溝部714a,714bは、それぞれ肘掛け本体支持部72の上下方向の寸法よりも長く形成されている。2つの肘掛け本体カバー溝部714a,714bのうち、前側の溝を前側肘掛け本体カバー溝部714aとし、後側の溝を後側肘掛け本体カバー溝部714bとする。
【0056】
図20に示すように、後部杆712の肘掛け本体カバー部714の内部には、肘掛け本体支持部72の前側突出片742が前側肘掛け本体カバー溝部714aを貫通した状態で挿入され、肘掛け本体支持部72の後側突出片752が後側肘掛け本体カバー溝部714bを貫通した状態で挿入されるように構成されている。
なお、本実施形態では、肘掛け本体カバー部714における2つの肘掛け本体カバー溝部714a,714bが形成されている部分は、その他の部分に対して着脱可能な部材に形成されている。
【0057】
図19および図20に示すように、後部杆712の肘掛け本体カバー部714の内部には、肘掛け本体支持部72と上下方向に相対移動可能に係合するレール部材77が設けられている。レール部材77は、上下方向の寸法が後部杆712の上下方向の寸法よりもやや小さくなるように形成され、肘掛け本体支持部72の上下方向の寸法よりも長く形成されている。
図19図21に示すように、レール部材77は、上下方向に延びる棒状の第2基部771と、第2基部771の上下方向全体から第1斜め方向の内側に突出する凸条部772と、を有している。凸条部772は、第2基部771の前後方向の中間部から第1斜め方向の内側に突出している。
凸条部772の前側を向く面(前面772aとする)は、前後方向の前側よりもやや幅方向の内側を向く面に形成されている。凸条部772の後側を向く面(後面772bとする)は、前後方向の後側よりもやや幅方向の外側を向く面に形成されている。凸条部772の前面772aと後面772bとは平行になっている。
【0058】
凸条部772の前面772aには、上下方向全体にわたって延びる凸条部前側溝部772cが形成されている。凸条部前側溝部772cの断面は、円弧状に形成されている。
凸条部772の後面772bには、上下方向全体にわたって延びる凸条部後側溝部772dが形成されている。凸条部後側溝部772dの断面は、円弧状に形成されている。
【0059】
レール部材77は、肘掛け本体カバー部714の内部で2つの肘掛け本体カバー溝部714a,714bと重なる位置に配置されている。図20に示すように、レール部材77の凸条部772は、後部杆712の肘掛け本体カバー部714の内部に肘掛け本体カバー溝部714a,714bを貫通して挿入された肘掛け本体支持部72の前側突出片742と後側突出片752との間の昇降溝部744に挿入されている。レール部材77の第2基部771は、前側突出片742および後側突出片752の先端面と滑り材761,762を介して当接している。
【0060】
凸条部772の前面772aは、前側突出片742の後面742bと間隔をあけて対向している。凸条部772の前面772aの凸条部前側溝部772cは、前側突出片742の後面742bの2つの前側突出片溝部745それぞれと対向している。
凸条部前側溝部772cと2つの前側突出片溝部745それぞれとの間には上下方向に延びる円柱状の前側抜け止め防止部材763が設けられている。前側抜け止め防止部材763の表面は滑り面に形成されている。
【0061】
前側抜け止め防止部材763は、前側突出片溝部745の長さ方向の寸法よりもやや短い長さ寸法に形成され、前側半分が2つの前側突出片溝部745それぞれに挿入されている。前側突出片溝部745に挿入された前側抜け止め防止部材763は、前側突出片溝部745の前側突出片溝部上側端面745aおよび前側突出片溝部下側端面745bによって前側突出片742に対する上下方向の変位が規制されている。
前側抜け止め防止部材763の後側半分は、凸条部772の凸条部前側溝部772cに挿入されている。凸条部前側溝部772cに挿入された前側抜け止め防止部材763は、凸条部772に対して凸条部前側溝部772cに沿って上下方向に相対変位可能に構成されている。
【0062】
凸条部772の後面772bは、後側突出片752の前面752aと間隔をあけて対向している。凸条部772の後面772bの凸条部後側溝部772dは、後側突出片752の前面752aの2つの後側突出片溝部755それぞれと対向している。
凸条部後側溝部772dと2つの後側突出片溝部755それぞれとの間には上下方向に延びる円柱状の後側抜け止め防止部材764が設けられている。後側抜け止め防止部材764の表面は滑り面に形成されている。
凸条部前側溝部772cと2つの後側突出片溝部755それぞれとの間には上下方向に延びる円柱状の後側抜け止め防止部材764が設けられている。後側抜け止め防止部材764の表面は滑り面に形成されている。
【0063】
後側抜け止め防止部材764は、後側突出片溝部755の長さ方向の寸法よりもやや短い長さ寸法に形成され、前側半分が2つの後側突出片溝部755それぞれに挿入されている。後側突出片溝部755に挿入された後側抜け止め防止部材764は、後側突出片溝部755の後側突出片溝部上側端面755aおよび後側突出片溝部下側端面755bによって後側突出片752に対する上下方向の変位が規制されている。
後側抜け止め防止部材764の後側半分は、凸条部772の凸条部後側溝部772dに挿入されている。凸条部後側溝部772dに挿入された後側抜け止め防止部材764は、凸条部772と凸条部後側溝部772dに沿って上下方向に相対変位可能に構成されている。
【0064】
このような肘掛け本体71は、レール部材77の凸条部772が肘掛け本体支持部72の昇降溝部744に挿入された状態で、肘掛け本体支持部72に対して、上下方向に昇降可能に構成されている。レール部材77の凸条部772と肘掛け本体支持部72の前側突出片742と間に前側抜け止め防止部材が設けられ、レール部材77の凸条部772と肘掛け本体支持部72の後側突出片752との間に後側抜け止め防止部材が設けられていることにより、肘掛け本体支持部72がレール部材77から離れて肘掛け本体71から抜け出ることが防止されている。
なお、図示していないが、肘掛け本体71を所望の高さに拘束する公知の構造の高さ調整部が設けられている。
【0065】
図12および図13に示すように、カバー部材73は、肘掛け本体支持部72の第1基部721を覆っている。カバー部材73は、筒状に形成されていて、第1斜め方向に開口する向きに配置されている。カバー部材73は、第1基部721の前面721aを覆う前板部731と、第1基部721の後面721bを覆う後板部732と、第1基部721の上面721cを覆う上板部733、第1基部721の下面721dを覆う下板部734と、を有している。
【0066】
前板部731は、上端部が第1基部721の上面721cよりも上側に位置し、下端部が第1基部721の下面721dよりも下側に位置している。前板部731の第1斜め方向の内側の端部は、第1基部721の第1側面721eと重なる位置に配置されている。前板部731の第1斜め方向の外側の縁部は、第1基部721の第1斜め方向外側の縁部と重なる位置に配置されている。
前板部731の前面731aには、第1斜め方向の中間部に上下方向に延びる前板段部731bが形成されている。前板部731は、前板段部731bよりも第1斜め方向の外側の外側部分731cが前板段部731bよりも第1斜め方向の内側の内側部分731dよりも前側に位置している。
【0067】
後板部732は、上端部が第1基部721の上面721cよりも上側に位置し、下端部が第1基部721の下面721dよりも下側に位置している。前板部731の第1斜め方向の内側の端部は、第1基部721の第1側面721eと重なる位置に配置されている。前板部731の第1斜め方向の外側の縁部は、第1基部721の第1斜め方向外側の縁部と重なる位置に配置されている。
【0068】
上板部733は、前縁部が前板部731の上縁部と接続され、後縁部が後板部732の上縁部と接続されている。上板部733の第1斜め方向の外側の縁部は、第1基部721の第1斜め方向の外側の縁部近傍と重なる位置に配置されている。上板部733は、前板部731および後板部732よりも幅方向の内側に突出している。上板部733における前板部731および後板部732よりも幅方向の内側に突出している部分を突出板部733bとする。突出板部733bは、第1基部721よりも幅方向の内側に突出している。
上板部733の下側には、上板部733の下面から下側に突出する上リブ735が複数形成されている。上リブ735は、下端部が第1基部721の上面721cと当接するように構成されている。
【0069】
下板部734は、前縁部が前板部731の下縁部と接続され、後縁部が後板部732の下縁部と接続されている。下板部734の幅方向の外側の縁部は、第1基部721の幅方向の外側の縁部近傍と重なる位置に配置されている。下板部734の幅方向の内側の縁部は、第1基部721の第1側面721eの下側に重なる位置に配置されている。
下板部734の上側には、下板部734の上面から上側に突出する複数の下側リブ736と、下側リブ736の上側に設けられる内板部737と、が設けられている。内板部737は、板面が略上下方向を向き、前縁部が前板部731に接続され、後縁部が後板部732に接続されている。内板部737の上面は、第1基部721の下面721dと当接するように構成されている。
【0070】
肘掛け7は、肘掛け本体支持部72と肘掛け本体71とが連結され、肘掛け本体支持部72の第1基部721にカバー部材73が取り付けられた状態で、肘掛け本体支持部72が背凭れ支持部24に固定されている。以下では、肘掛け本体支持部72と肘掛け本体71とが連結され、肘掛け本体支持部72の第1基部721にカバー部材73が取り付けられた状態であるものとする。
また、肘掛け7は、背凭れ本体41が背凭れ支持部24に固定された後に、互いに連結された背凭れ支持部24および背凭れ本体41との間の凹部27に肘掛け本体支持部72およびカバー部材73が差し込まれるようにして背凭れ支持部24に固定される。上述しているが、凹部27は、背凭れ支持部24の突出板部26、連結部5における連結部外側面54、および背凭れ本体41の縦枠部46の面材係止部463に囲まれて第1斜め方向の外側に開口している。
【0071】
図8および図9に示すように、肘掛け7を背凭れ支持部24に固定するには、まず、肘掛け本体支持部72における第1斜め方向の内側の部分を凹部27に挿入する。
このとき、肘掛け本体支持部72の上下2つの第4孔部743が連結部5の上下2つの第2孔部56とそれぞれ第1斜め方向に重なるよう、肘掛け7を凹部27に挿入する。
そして、第1基部721の第1側面721eを背凭れ支持部24の連結部5における連結部外側面54と当接させるとともに、カバー部材73の前板部731、後板部732および下板部734(図13参照)それぞれの第1斜め方向の内側の縁部を連結部外側面54と当接させる。カバー部材73の上板部733の突出板部733bを連結部5の上側に配置し、突出板部733bの下面と連結部5の上面とを当接させる。カバー部材73の前板部731の前面731aにおける内側部分731dを背凭れ本体41の縦枠部46の面材係止部463の後面と当接させる。
【0072】
連結部5および肘掛け本体支持部72は、面材43の後側に位置し、連結部5の第2孔部56、および肘掛け本体支持部72の第4孔部743は、幅方向の外側よりも前側を向く斜め方向に開口している。この第2孔部56および第4孔部743の開口方向は、背凭れ本体41に沿った方向となっている。そして、この第2孔部56および第4孔部743の開口方向は、幅方向の内側から外側に向かって背凭れ面431に近接する方向となっている。
第2ボルト62は、第2孔部56および第4孔部743に幅方向の内側から外側に向かって挿入される。このため、第2ボルト62は、背凭れ面431と離間している側から背凭れ面431に近接する側に向かうようにして第2孔部56および第4孔部743に挿通されるように構成されている。
第2孔部56および第4孔部743に幅方向の内側から第2ボルト62を挿通してナットと締結することで、肘掛け本体支持部72が背凭れ支持部24に固定される。
このとき、連結部前面51と、カバー部材73の前板部731の前面731aにおける内側部分731dと、は略面一に配置されている。
【0073】
肘掛け本体支持部72およびカバー部材73は、背凭れ支持部24の突出板部26と、縦枠部46の面材係止部463と、に前後から挟まれた状態となり、肘掛け本体支持部72およびカバー部材73と連結部5との連結部分が被覆されている。縦枠部46の面材係止部463の幅方向の外側の端部は、カバー部材73の前板部731の前板段部731bに沿って配置され、前板段部731bに幅方向の内側から当接した状態となっている。このため、カバー部材73と縦枠部46とは幅方向にずれることが防止されている。
【0074】
図2に示すように、肘掛け本体支持部72およびカバー部材73は、背凭れ本体41よりも幅方向の外側に突出し、肘掛け本体支持部に支持された肘掛け本体71は、背凭れ本体41と離間し、外周枠部42よりも幅方向の外側に位置している。肘掛け本体71の上部杆711は、前後方向に延びている。肘掛け本体71の上部杆711の肘乗せ部713は、背凭れ本体41よりも前側に配置されているため、背凭れ本体41と離間している。
なお、肘掛け7を背凭れ支持部24に固定した後に、背凭れ本体41を背凭れ支持部24に固定するようにしてもよい。
【0075】
次に、上述した本実施形態による椅子の作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施形態による背凭れ4および椅子1では、肘掛け7を背凭れ支持部24に連結する際には、連結具や工具を面材43と離間する側から面材43に近づけることにより、面材43に近接した状態で面材43に沿った方向に連結具や工具を移動させる場合と比べて、組み立ての際に連結具や工具が面材43と干渉しにくい構造とすることができる。このため、肘掛け7を背凭れ支持部24に容易に取り付けることができる。
【0076】
また、面材43を有し背凭れ支持部24に支持される背凭れ4を有し、背凭れ4は、肘掛け7とは別体に設けられ、連結部5とは異なる支持手段によって背凭れ支持部24に支持されていることにより、背凭れ面431の向きにかかわらず、肘掛け7の向きを調整することができるため、肘掛け7を最適な向きに設けることができる。
【0077】
また、背凭れ4は、背凭れ支持部24の前側に設けられ、面材43は、背凭れ4における前側の部分に設けられて前面が背凭れ面431を構成していて、連結具は、背凭れ4よりも後方において肘掛け7と背凭れ支持部24とを連結していることにより、組み立ての際に連結具や工具が面材43と干渉しにくい構造とすることができる。
【0078】
また、肘掛け7は、機能を有する肘掛け本体71と、前能部本体を支持するとともに背凭れ支持部24に連結される肘掛け本体支持部72と、を有していることにより、肘掛け本体71が肘掛け本体支持部72に連結される方向が、肘掛け本体支持部72が背凭れ支持部24に連結される方向に影響されないため、肘掛け本体71の向きを最適な状態に容易に設定することができる。
【0079】
また、肘掛け7は、着座者が肘を掛ける肘掛け7であることにより、背凭れ4に近い位置に肘掛け7を設ける場合でも、肘掛け7を背凭れ支持部24に連結するための連結具や工具が面材43と干渉しにくい構造とすることができる。
【0080】
以上、本発明による椅子の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、機能部が肘掛け7であるが、背凭れ本体41などの肘掛け以外の機能を有するものであってもよい。
また、上記の実施形態では、背凭れ支持部24は、肘掛け本体支持部72が幅方向の外側から接触した状態で連結される連結部5が設けられているが、このような連結部5が設けられていなくてもよい。
【0081】
また、上記の実施形態では、肘掛け7は、背凭れ支持部24に連結されているが、背凭れ本体41に連結されていてもよい。例えば、肘掛け7が背凭れ本体47の外周枠部42に連結されていてもよい。
また、上記の実施形態では、肘掛け7は、着座者が肘を掛ける肘掛け本体71と、肘掛け本体71と別体に設けられ肘掛け本体71を支持する肘掛け本体支持部72と、を有し、肘掛け本体支持部72が背凭れ支持部24に連結されているが、着座者が肘を掛ける部分と背凭れ支持部24に連結される部分が一体に設けられていてもよい。また、このような場合にも肘掛け7が背凭れ本体47に連結されていてもよい。
【0082】
また、上記の実施形態では、肘掛け本体71は、肘掛け本体支持部72に昇降可能に支持されているが、肘掛け本体支持部72に対して昇降しない構成であってもよい。
【符号の説明】
【0083】
1 椅子
2 支持構造体
4 背凭れ
5 連結部
7 肘掛け(機能部)
24 背凭れ支持部(支持構造体)
26 突出板部
41 背凭れ本体
42 外周枠部
43 面材
62 第2ボルト(連結具)
71 肘掛け本体(機能部本体)
72 肘掛け本体支持部(機能部本体支持部)
431 背凭れ面
463 面材係止部
図1
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