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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】再閉止可能電池パッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/256 20210101AFI20220920BHJP
【FI】
H01M50/256 201
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2018566853
(86)(22)【出願日】2017-07-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-25
(86)【国際出願番号】 US2017042971
(87)【国際公開番号】W WO2018017777
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-07-08
(31)【優先権主張番号】15/214,897
(32)【優先日】2016-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】315014051
【氏名又は名称】デュラセル、ユーエス、オペレーションズ、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】アルセーニ、ラドマイセルスキ
(72)【発明者】
【氏名】スコット、エイ.スチュワート
【審査官】村岡 一磨
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0209497(US,A1)
【文献】米国特許第03303930(US,A)
【文献】国際公開第97/005038(WO,A1)
【文献】特開2002-337933(JP,A)
【文献】特開平10-181769(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の主部、第1の複数の目打ち孔によって前記第1の主部に取り外し可能に取り付けられた第1の取り外し可能部、および、中央開放部を有する第1の本体を含む第1のパネルと、
第2の主部、および、第2の複数の目打ち孔によって前記第2の主部に取り外し可能に取り付けられた第2の取り外し可能部を有する第2の本体を含む第2のパネルと、 周縁フランジおよび中央収容部を有するポーチであって、前記中央収容部は前記周縁フランジから離れるように外方に突出する、ポーチと
を備えており、
前記第1の本体および前記第2の本体は前記第1の本体および前記第2の本体の周縁に沿って結合され、前記ポーチの前記周縁フランジは前記第1の本体と前記第2の本体との間に配置され、前記中央収容部は前記第1の本体の前記中央開放部を通って広がり、
前記第1の取り外し可能部が前記第1の本体から取り外され且つ前記第2の取り外し可能部が前記第2の本体から取り外されて、前記中央開放部の第1の縁および前記ポーチの上部縁が露出するとき、前記ポーチは前記第1の主部と前記第2の主部との間でスライドして取り外し可能であり、この結果、前記ポーチを前記第1の主部および前記第2の主部に対してスライド可能に移動させるとき、前記中央収容部の内側部分が露出するものであり、
前記第2の複数の目打ち孔は、前記ポーチの前記周縁フランジの一部と列をなすタブ部を画定する目打ち孔のずれセットを含み、前記タブ部を含んだ前記第1の取り外し可能部および前記第2の取り外し可能部が前記第1の本体および前記第2の本体から取り外される場合に、前記ポーチの前記周縁フランジのつかむことができる部分が露出するようになっている、電池パッケージ。
【請求項2】
前記第1の複数の目打ち孔は前記中央開放部の第1の角から前記第1の本体の前記周縁に向かって延び、前記中央開放部の第2の角から前記第1の本体の前記周縁に向かって延びる、請求項1に記載の電池パッケージ。
【請求項3】
前記第1の複数の目打ち孔は目打ち孔の第1の側線セットと目打ち孔の第2の側線セットとを含み、目打ち孔の前記第1の側線セットは前記中央開放部の前記第1の角から前記第1の本体の前記周縁に向かって第1の方向に延び、目打ち孔の前記第2の側線セットは前記中央開放部の前記第2の角から前記第1の本体の前記周縁に向かって第2の方向に延びる、請求項2に記載の電池パッケージ。
【請求項4】
目打ち孔の前記第1の側線セットと目打ち孔の前記第2の側線セットとのうちの少なくとも一方は直線状ではない、請求項3に記載の電池パッケージ。
【請求項5】
目打ち孔の前記第1の側線セットは第1のつなぎ部の分だけ前記中央開放部の前記第1の角から離れ、目打ち孔の前記第2の側線セットは第2のつなぎ部の分だけ前記中央開放部の前記第2の角から離れている、請求項3に記載の電池パッケージ。
【請求項6】
前記第1のつなぎ部は、前記第1の角と、目打ち孔の前記第1の側線セット中の最も近い目打ち孔との間のつなぎ長さを有し、前記つなぎ長さは0.15インチ~0.4インチである、請求項5に記載の電池パッケージ。
【請求項7】
前記第2の複数の目打ち孔は前記第2の本体を横断して延び、前記第2の複数の目打ち孔は前記中央開放部の前記第1の縁に平行に向けられる、請求項1に記載の電池パッケージ。
【請求項8】
前記目打ち孔のずれセットは前記中央開放部の前記第1の縁に平行であるが、前記第2の複数の目打ち孔中の目打ち孔の残りからずれている、請求項7に記載の電池パッケージ。
【請求項9】
前記タブ部は前記第2の複数の目打ち孔中の目打ち孔の前記残りからタブ距離だけずれ、前記タブ距離は0.5インチである、請求項8に記載の電池パッケージ。
【請求項10】
前記第2の本体は前記タブ部からずれている折り目を含み、前記折り目は、前記タブ部の部分ではない前記第2の複数の目打ち孔中の前記目打ち孔と同一直線上にある、請求項8に記載の電池パッケージ。
【請求項11】
前記中央開放部はカーブした底部縁を含む、請求項1に記載の電池パッケージ。
【請求項12】
前記底部縁は、深さ0.25インチである円弧状にカーブしている、請求項11に記載の電池パッケージ。
【請求項13】
前記第1の本体および前記第2の本体はボール紙を含み、前記ポーチは熱可塑性材料を含む、請求項1に記載の電池パッケージ。
【請求項14】
前記第1の本体の前記ボール紙は、前記第1の複数の目打ち孔の少なくともいくつかにほぼ垂直に向けられる繊維を含み、前記第2の本体は、前記第2の複数の目打ち孔の少なくともいくつかにほぼ垂直に向けられる繊維を含む、請求項13に記載の電池パッケージ。
【請求項15】
前記ポーチの前記中央収容部に配置される少なくとも1つの電池をさらに備える請求項1に記載の電池パッケージ。
【請求項16】
前記第1の本体および前記第2の本体のうちの少なくとも一方は係止溝を含み、前記ポーチは前記周縁フランジに配置されている係止タブを含み、前記係止タブは前記係止溝内でスライド可能であり、前記係止溝内に形成された上側ストッパ又は下側ストッパは前記第1の本体および前記第2の本体のうちの少なくとも一方に対して前記ポーチのスライド可能距離を制限する、請求項1に記載の電池パッケージ。
【請求項17】
請求項1ないし15のいずれか一項に記載の前記電池パッケージを開ける方法であって、
2セットの対向側縁を有する前記第1の本体、および前記中央開放部を含む前記第1のパネルと、2セットの対向側縁を有する前記第2の本体を含む前記第2のパネルと、前記第1の本体と前記第2の本体との間にスライド可能に配置される前記ポーチとを有する前記電池パッケージを用意するステップと、
前記第1の本体および前記第2の本体の部分を前記第2の本体に向かって後方に、前記第1の本体および前記第2の本体の無為状態の面に対して約180度、折り曲げるステップと、
前記第1の本体および前記第2の本体に形成されている目打ち孔に沿って前記第1の本体および前記第2の本体を裂くステップと、
前記第1の本体および前記第2の本体に対して前記ポーチを第1の方向にスライドさせて、前記ポーチの内部に格納されている製品を露出させるステップと
を備える方法。
【請求項18】
前記ポーチを前記第1の方向とは反対の第2の方向にスライドさせて、前記ポーチの前記内部をふさぎ、これにより、前記電池パッケージを再閉止するステップをさらに備える請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して消費者製品用のパッケージに関し、特に、電池用の再閉止可能パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学セル、すなわち電池は、電気エネルギー源として一般的に用いられている。小型電池は特に消費者製品に電力を供給するのに有用である。小型電池のサイズは様々である。一般的な小型電池のサイズは、AAA,AA,C,Dおよび9Vである。しかし、他のタイプの小型電池も、腕時計、カメラなどの他のタイプの製品に利用可能である。一般的な消費者製品には機能するのにきわめて大量のエネルギーが多くの場合に必要であるので、1つの製品を動作させるのに複数の電池が多くの場合に必要である。多くの場合、消費者は1つ以上の消費者製品を用いるので、電池必要量は増大する。この結果、頻繁に再来店する必要がないように、消費者は複数パックの電池(場合によっては1つのパッケージに40以上もの電池を含む)を購入することがある。
【0003】
電池パッケージは、紙または厚紙後部分に接着されるプラスチック表部分を含む場合がある。プラスチック表部分は、消費者がパッケージ内の電池の種類を見ることができるように、通常は透明であるが、プラスチック表部分は透明である必要はない。電池パッケージを開けるのに、はさみやナイフなどの器具が必要な場合がある。このような器具が直ちに利用できない場合、これにより、消費者は問題を抱える。さらに、一旦パッケージが開けられると(プラスチック表部分の接着部を切断したり、紙または厚紙後部分に穴を開けたりすることによって開ける)、不要な電池が開口から脱落する場合があるので、多くの場合、消費者は、後に必要となるまで、不要な電池をなんらかの袋に保管する。これにより、余計に乱雑になり、また、不要な電池が損傷をこうむることにもなり、さらに、1つ以上の電池が電気回路をなす物と接触すれば、意図しない放電、すなわち短絡が生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
紙または厚紙の後部分に目打ち孔を含めることで、パッケージを容易に開封するいくつかの電池パッケージが開発されているが、このようなパッケージは、搬送中、特に、パッケージが雑に取り扱われる場合に、意図せずに開き易い場合がある。さらに、この種のパッケージでは、一旦パッケージが開けられると、すべての電池がパッケージから出てくる可能性もある。したがって、消費者はやはり上述したように不要な電池を保管する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一態様において、再閉止可能電池パッケージは第1のパネルを含み、第1のパネルは第1の本体、第1の主部、第1の着脱可能部および中央開放部を含む。再閉止可能電池パッケージは、第2の主部を有する第2のパネルも含む。再閉止可能電池パッケージはポーチをさらに含み、ポーチは周縁フランジおよび中央収容部を有し、中央収容部は周縁フランジから離れるように外方に突出する。第1の本体および第2の本体は第1の本体および第2の本体の周縁に沿って結合され、ポーチ周縁フランジは第1の本体と第2の本体との間に配置され、中央収容部は第1の本体の中央開放部を通って広がる。第1の着脱可能部が第1の本体から取り外されて中央開放部の第1の縁が露出するとき、ポーチは第1の主部と第2の主部との間でスライド可能に移動させることができ、この結果、ポーチを第1の主部および第2の主部に対してスライド可能に移動させるとき、中央収容部の内側部分が露出する。
【0006】
再閉止可能電池パッケージは以下の好ましい形態の1つ以上を含んでもよい。
【0007】
いくつかの形態では、第2の本体は第2の着脱可能部を含み、第2の着脱可能部が第2の本体から取り外されるとき、ポーチは第1の主部と第2の主部との間でスライド可能に取り外すことができる。
【0008】
いくつかの形態では、第1の着脱可能部は第1の複数の目打ち孔によって第1の本体に着脱可能に取り付けられ、第2の着脱可能部は第2の複数の目打ち孔によって第2の本体に着脱可能に取り付けられ、第1の複数の目打ち孔は第2の複数の目打ち孔と列をなさない。
【0009】
他の好ましい形態では、第1の複数の目打ち孔は中央開放部の第1の角から第1の本体の周縁に向かって延び、中央開放部の第2の角から第1の本体の周縁に向かって延びる。
【0010】
さらに他の好ましい形態では、第1の複数の目打ち孔は目打ち孔の第1の側線セットと目打ち孔の第2の側線セットとを含み、目打ち孔の第1の側線セットは中央開放部の第1の角から第1の本体の周縁に向かって第1の方向に延び、目打ち孔の第2の側線セットは中央開放部の第2の角から第1の本体の周縁に向かって第2の方向に延びる。
【0011】
さらに他の好ましい形態では、目打ち孔の第1の側線セットと目打ち孔の第2の側線セットとのうちの少なくとも一方は直線状ではない。
【0012】
さらに他の好ましい形態では、目打ち孔の第1の側線セットは中央部の第1の角から離れ、これにより第1のつなぎ部が形成され、目打ち孔の第2の側線セットは第2の部分の第2の角から離れ、これにより第2のつなぎ部が形成される。
【0013】
さらに他の好ましい形態では、第1のつなぎ部は、第1の角と、目打ち孔の第1の側線セット中の最も近い目打ち孔との間のつなぎ長さを持ち、つなぎ長さは0.15インチ~0.4インチである。
【0014】
さらに他の好ましい形態では、第2の複数の目打ち孔は第2の本体を横断して延び、第2の複数の目打ち孔は中央開放部の第1の縁に平行に向けられる。
【0015】
さらに他の好ましい形態では、第2の複数の目打ち孔は、ずれタブ部も含み、このタブ部は中央開放部の第1の縁に平行であるが、第2の複数の目打ち孔中の目打ち孔の残りからずれている。
【0016】
さらに他の好ましい形態では、タブ部は第2の複数の目打ち孔中の目打ち孔の残りからタブ距離だけずれ、タブ距離は約0.5インチである。
【0017】
さらに他の好ましい形態では、第2の本体はタブ部からずれている折り目を含み、折り目は、タブ部の部分ではない第2の複数の目打ち孔中の目打ち孔と同一直線上にある。
【0018】
さらに他の好ましい形態では、中央開放部はカーブした底部縁を含む。
【0019】
さらに他の好ましい形態では、底部縁は、深さ約0.25インチである円弧状にカーブしている。
【0020】
さらに他の好ましい形態では、第1の本体および第2の本体はボール紙から形成され、ポーチは熱成形プラスチックから形成される。
【0021】
さらに他の好ましい形態では、第1の本体のボール紙は、第1の複数の目打ち孔中の目打ち孔の少なくともいくつかにほぼ垂直に向けられる繊維を含み、第2の本体のボール紙は、第2の複数の目打ち孔中の目打ち孔の少なくともいくつかにほぼ垂直に向けられる繊維を含む。
【0022】
さらに他の好ましい形態では、少なくとも1つの電池がポーチの中央収容部に配置される。
【0023】
さらに他の好ましい形態では、第1の本体は中央開口の一方の側に形成されている係止溝を含み、ポーチは周縁フランジに形成されている係止タブを含み、係止タブは係止溝内でスライド可能であり、係止溝は第1の本体に対してポーチのスライド可能距離を制限する。
【0024】
さらに他の好ましい形態では、第2の本体は係止切り欠きを含み、ポーチは周縁フランジに形成されている係止タブを含み、係止タブは係止切り欠き内でスライド可能であり、係止切り欠きは第2の本体に対してポーチのスライド可能距離を制限する。
【0025】
別の態様では、再閉止可能電池パッケージを開ける方法は、2セットの対向側縁を有する第1の本体、および中央開放部を含む第1のパネルと、2セットの対向側縁を有する第2の本体を含む第2のパネルと、第1の本体と第2の本体との間にスライド可能に配置されるポーチとを有する再閉止可能電池パッケージを用意するステップと、第1の本体および第2の本体の部分を第2の本体に向かって後方に、第1の本体および第2の本体の無為状態の面に対して約180度、折り曲げるステップと、第1の本体および第2の本体に形成されている目打ち孔に沿って第1の本体および第2の本体を裂くステップと、第1の本体および第2の本体に対してポーチを第1の方向にスライドさせて、ポーチの内部に格納されている製品を露出させるステップとを含む。
【0026】
さらに他の好ましい形態では、ポーチを第1の位置とは反対の第2の方向にスライドさせて、ポーチの内部をふさぎ、これにより、ポーチの内部に格納されているいずれの製品も出入り可能であることがないようにしてもよい。
【0027】
本明細書は、本発明を形成すると見なされる主題を特に指摘し明確に請求する請求項で結ばれるが、本発明は添付の図面とあわせて設けた以下の説明からよりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】再閉止可能電池パッケージの第1の実施形態の正面平面図である。
図2図1の再閉止可能電池パッケージの背面平面図である。
図3】上部を取り外した状態の図1の再閉止可能電池パッケージの正面平面図である。
図4】上部を取り外した状態の図1の再閉止可能電池パッケージの背面平面図である。
図5】上部を取り外した再閉止可能電池パッケージの第2の実施形態の正面平面図である。
図6図5の線6-6に沿って切断した図5の再閉止可能電池パッケージの断面図である。
図7図5の再閉止可能電池パッケージのポーチの正面平面図である。
図8】ポーチを第1のパネルに対してスライドして出した状態の図5の再閉止可能電池パッケージの正面平面図である。
図9】再閉止可能電池パッケージの第3の実施形態の背面平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
電気化学セル、すなわち電池は1次でも2次でもよい。1次電池は、一度きり、たとえば電池切れまで放電した後、廃棄されることを意味する。1次電池は、たとえばダヴィッドリンデンの電池ハンドブック(マグロウヒル第4版(2011))で説明されている。 2次電池は再充電されることを意図している。2次電池は放電して再充電することが多数回、たとえば、50回を超える回数、100回を超える回数または1000回を超える回数できる。2次電池は、たとえばダヴィッドリンデンの電池ハンドブック(マグロウヒル第4版(2011))で説明されている。電池は水性電解質も非水性電解質も含んでもよい。したがって、電池は様々な電気化学的対と電解質の組み合わせとを含んでもよい。消費者向け電池は1次電池または2次電池のいずれでもよい。しかし、エネルギーが電池に蓄積されているため、また、電池端子が露出しているため、出荷および店舗陳列の際に消費者向け電池を保護しなければならない。さらに、消費者向け電池の包装は、包装内の電池の盗難を防止しつつ、購入の後に消費者が開封するのが比較的容易でなければならない。
【0030】
以下、図1図4に注目して、再閉止可能電池パッケージ10は第1のパネル12と第2のパネル14とを含む。第1のパネル12は、2セットの対向側縁18a,18bを有する第1の本体16と、中央開放部20とを含む。また、第1の本体12は、第1の主部23から着脱可能な第1の着脱可能部22を含む。第2のパネル14は、2セットの対向側縁24a,24bと、第2の主部25から着脱可能な第2の着脱可能部26とを有する第2の本体21を含む。ポーチ30は周縁フランジ32と中央収容部34とを含み、中央収容部34は周縁フランジ32から離れるように外方に突出する。いくつかの実施形態では、第1のパネル12および/または第2のパネル14は、再閉止可能電池パッケージ10をたとえば小売陳列ユニットのフックに掛けるための開口(図示せず)を含んでもよい。
【0031】
第1の本体16と第2の本体21とは第1の本体16の周縁40および第2の本体21の周縁42に沿って互いに結合され、ポーチ周縁フランジ32は第1の本体16と第2の本体21との間で捕らえられ、中央収容部34は第1の本体16の中央開放部20を通って広がっている。第1の本体16から第1の着脱可能部22が取り外されて中央開放部20の第1の縁44が露出し、かつ第2の着脱可能部26が第2の本体21から取り外されるとき(図3および図4)、第1の本体16と第2の本体21との間に画定される溝に沿ってポーチ30をスライド可能に移動させることができ、これにより、ポーチ30の上部縁の少なくとも一部が完全に露出することで、ポーチ30は消費者がつかむのが容易になる。第1の着脱可能部22および第2の着脱可能部26が第1の主部23および第2の主部25からそれぞれ取り外される場合であって、ポーチ30を第1の本体16および第2の本体21に対してスライド可能に移動させるとき、中央収容部34の内側部分46が露出することで、消費者は、電池パッケージポーチ30内に保持された/電池パッケージポーチ30によって保持された、いずれの電池(または他の内容物)にでも手をのばすことができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、ポーチ30を第1の主部23および第2の主部25に対してスライド可能にするのに、着脱可能部を1つしか設けずに取り外すだけで済む。たとえば、いくつかの実施形態では、第1の着脱可能部22しか設けず、ポーチ30を第1の主部23および第2の主部25に対してスライド可能に移動させることができるようにするのに第1の主部23から取り外すだけで済む。このような実施形態では、第1の着脱可能部22の高さおよび第2の本体21の高さ、特に、第2の本体21の上部周縁42とポーチ周縁フランジ32の上部32aとの間の距離(第2の本体21の面が周縁フランジとほぼ接触するのでポーチに手をのばすことがほぼ妨げられる閉位置にポーチがあるとき)を小さくしてもよく、これにより、中央収容部34とその中に配置される内容物とを露出させるのに、ポーチ30を短距離だけスライドさせるだけで済む。
【0033】
図示されているように、第1の着脱可能部22は第1の複数の目打ち孔50によって第1の本体16に着脱可能に取り付けられ、第2の着脱可能部26は第2の複数の目打ち孔52によって第2の本体21に着脱可能に取り付けられる。図示されている実施形態では、第1の複数の目打ち孔50は第2の複数の目打ち孔52と列をなさない。特に、図示されている実施形態では、第1の複数の目打ち孔50は中央開放部20の第1の角54から第1の本体16の周縁40に向かって延び、中央開放部20の第2の角56から第1の本体16の周縁40に向かって延びる。
【0034】
したがって、図示されているように、第1の複数の目打ち孔50は目打ち孔の第1の側線セット50aと目打ち孔の第2の側線セット50bとを含む。この場合の側線(lateral)は、中央開放部20の辺に対してずれており、必ずしも水平であったりまっすぐであったりする必要はないことを意味する。むしろ、目打ち孔の側線セット50a,50bはまっすぐである必要はなく、直線状でなくてもよい(たとえば、カーブさせるまたは曲げる(bent))。目打ち孔の第1の側線セット50aは中央開放部20の第1の角54から第1の本体16の周縁40に向かって第1の方向に延び、目打ち孔の第2の側線セット50bは中央開放部20の第2の角56から第1の本体16の周縁40に向かって第2の方向に延びる。第1および第2の方向を同一直線上にあるようにすることができるが、図示されている実施形態では、第1および第2の方向は同一直線上にはなく、代わりに中央開放部20の第1の縁44に対して所定角度で配置されている。目打ち孔50a,50bが所定角度に向けられていることで、出荷の際にパッケージはより堅牢になるという効果があり、また、着脱可能部22が取り外された後に、長くなった所定角度の上側縁が設けられ、第1の主部23および第2の主部25に対してポーチ30がスライドするのに応じて中央開放部20内に移動する際にポーチ30をガイドするようにこの上縁が機能するので、ポーチ30を閉位置に戻すのが容易になるという効果がある。
【0035】
いくつかの実施形態では、目打ち孔の第1の側線セット50aと目打ち孔の第2の側線セット50bとの一方または両方は直線状でないようにすることができる。特に、いくつかの実施形態では、目打ち孔の第1の側線セット50aと目打ち孔の第2の側線セット50bとの一方または両方を図1に図示されているように、方向転換(turn)させたり、カーブさせたり、曲げ(bend)たりして形成してもよい。図1では、目打ち孔のいくつかは中央開放部20の第1の縁44にほぼ平行であり(たとえば、周縁40に最も近い目打ち孔)、他の目打ち孔は中央開放部20の第1の縁44に対して所定角度をなす(たとえば、第1の角54に最も近い目打ち孔)。他の実施形態では、平行の目打ち孔と所定角度の目打ち孔とを逆にしてもよい。たとえば、他の実施形態では、平行の目打ち孔を第1の角54の最も近くに配置して、所定角度の目打ち孔を周縁40の近くに配置してもよい。
【0036】
第1の角54と、目打ち孔の第1の側線セット50a中の、第1の角54に最も近い目打ち孔との間にある第1のパネル12の穿孔されていない部分である第1のつなぎ部60aの分だけ、目打ち孔の第1の側線セット50aの最初の目打ち孔は中央部20の第1の角54から離れている。同様に、第2の角56と、目打ち孔の第2の側線セット50b中の、第2の角56に最も近い目打ち孔との間にある第1のパネル12の穿孔されていない部分である第2のつなぎ部60bの分だけ、目打ち孔の第2の側線セット50bの最初の目打ち孔は中央開放部20の第2の角56から離れている。いくつかの実施形態では、第1のつなぎ部60aは、第1の角54と、目打ち孔の第1の側線セット50a中の最初の目打ち孔との間のつなぎ長さを持ち、つなぎ長さは0.15インチ~0.4インチである。同様に、いくつかの実施形態では、第2のつなぎ部60bは、第2の角54と、目打ち孔の第2の側線セット50b中の最初の目打ち孔との間のつなぎ長さを持ち、つなぎ長さは0.15インチ~0.4インチである。つなぎ長さがこの範囲にあることで、破れることなく第1および第2の着脱可能部22,26を最大約90度曲げることができる。この特徴により、小売店での搬送中や仕入れ中などの移動中にパッケージが意図せずに開くことが防止される。
【0037】
第2の複数の目打ち孔52は第2の本体21をほぼ完全に横断して延び、第2の複数の目打ち孔52は、中央開放部20の第1の縁44にほぼ平行に向く2セットの側線目打ち孔52a,52cを含む。第2の複数の目打ち孔52は、中央開放部20の第1の縁44に平行であるが、第2の複数の目打ち孔52中の側線目打ち孔52a,52cからずれている、ずれタブ部52bを画定する目打ち孔のずれセットも含む。いくつかの実施形態では、タブ部52bは2本の側線目打ち孔52a,52cからタブ距離だけずれている。タブ距離は0.25インチ~0.75インチ、たとえば約0.5インチであってもよい。タブ距離が0.25インチ~0.75インチであることで、手をのばすのに十分な余裕が生じて、周縁フランジ32の露出部分の、タブ部52bが以前にあった箇所を消費者がつかむことができる(たとえば図4を参照)。
【0038】
第2の本体21は、タブ部52bからずれている折り目62も含んでもよく、折り目62は第2の複数の目打ち孔52中の側線目打ち孔52a,52cと同一直線上にある。第1および/または第2の本体16,21が最大約90度曲げられる場合に折り目62によって目打ち孔に対する応力が低減されることで、移動および/または取り扱い中に再閉止可能電池パッケージ10が意図せず開くことが防止されるという効果がある。
【0039】
中央開放部20は、カーブした底部縁64を含んでもよく、底部縁64により、特に、ポーチ30を中央開口に挿入して閉位置を実現する際にポーチ30が方向付けられてガイドされるように、カーブした底部縁64にクリアランスが設けられる。したがって、中央開放部20のカーブした底部縁64により、ポーチ30が中央開放部20内までスライドするとき、ポーチ30の中央収容部34の底部縁66が引っかかって動かなくなることが防止されるという効果がある。いくつかの実施形態では、底部縁64は、0.1インチ~0.5インチの深さ、たとえば約0.25インチの深さを有する円弧状にカーブしている。円弧が0.1インチ~0.5インチの深さを有することで、包装サイズを低減するように比較的小型のままにしつつ、引っかかって動かなくなることが十分に軽減される。
【0040】
いくつかの実施形態では、第1の本体16および第2の本体21はボール紙から形成してもよく、ポーチ30は熱成形プラスチックから形成してもよい。たとえば、再閉止可能電池パッケージ10は、Meadwestvaco社によって製造されるNatralock(登録商標)から形成してもよい。いくつかの実施形態では、第1の本体16のボール紙は、第1の複数の目打ち孔50中の目打ち孔の少なくともいくつかにほぼ垂直に向けられる繊維を含み、第2の本体21のボール紙は、第2の複数の目打ち孔52中の目打ち孔の少なくともいくつかにほぼ垂直に向けられる繊維を含む。
【0041】
ポーチ30の中央収容部34のサイズおよび形状は、格納して見せる目的で複数の電池68を収容するように設定してもよい。
【0042】
以下、図5図8に注目して、別の実施形態では、第2の本体21は、第1の本体16の中央開口20に対向して配置される係止溝70を含んでもよく、ポーチ30は、周縁フランジ32の下部に形成される係止タブ72を含んでもよい。係止タブ72は係止溝70内でスライド可能である。係止溝70により、ポーチを第1の主部23および第2の主部25から簡単に分離させることができないように下側ストッパ74および上側ストッパ76を含むことによって、第1の本体16に対するポーチ30のスライド可能距離が制限されることで、上述の構成要素の一方を置き忘れる可能性が低くなるという効果がある。上側ストッパ74を係止溝70内で棚状部として形成してもよい一方で、下側ストッパ74は係止溝70内で肩状部として形成してもよい。係止タブ72は、周縁フランジ32から離れるように中央収容部34と同じ方向に外方に突出する。
【0043】
以下、図9に注目して、再閉止可能電池パッケージ10の他の実施形態が示されている。 本実施形態では、係止溝およびタブの代替例により、第2の本体21に対するポーチ30のスライド移動が制限される。特に、第2の本体21は、第2の本体21に切り欠きとして形成されている係止溝70を含む。係止タブ72はポーチ30の周縁フランジ32上の外向き突起として形成され、すなわち、係止タブ72は周縁フランジから離れるように突出する。係止タブ72は、図5図8の実施形態と同様に係止溝70内でスライドする。さらに、図5図8の実施形態と同様に、係止溝70は下側ストッパ74および上側ストッパ76を含む。
【0044】
まとめて、図1図9の再閉止可能電池パッケージ10を開ける方法を以下により詳細に説明する。再閉止可能電池パッケージ10を用意した後、図1図9の実施形態のいずれかに示されているように、まず、消費者は、第1の本体16の第1の着脱可能部22と第2の本体21の第2の着脱可能部26とを第2の本体21に向かって後方に、第1の本体16および第2の本体21の無為状態の面に対して約180度、折り曲げる。必要な場合、第1の着脱可能部22および第2の着脱可能部26を数回、前後に折り曲げて第1の複数の目打ち孔50と第2の複数の目打ち孔52とを弱らせてもよい。その後、消費者は、第1の本体16および第2の本体21に形成されている第1の複数の目打ち孔50および第2の複数の目打ち孔52に沿って第1の本体16および第2の本体21をそれぞれ裂いてもよい。第1の複数の目打ち孔50および第2の複数の目打ち孔52を裂いた後、消費者は第1の本体16から第1の着脱可能部22を取り外し、第2の本体21から第2の着脱可能部26を取り外して、ポーチ30の周縁フランジ32の上部縁を露出させてもよい。その後、消費者はタブ52bを取り外すことによって設けられる窓の近傍で周縁フランジ32の露出部分をつかみ、ポーチ30を第1の本体16および第2の本体21に対して第1の方向にスライドさせてポーチ30の中央収容部34に格納されている製品を露出させてもよい。ポーチ30を再閉止するために、中央収容部34が第2の本体21によって閉じられるまで、消費者はポーチ30を第1の位置とは反対の第2の方向に単にスライドさせて、ポーチ30の中央収容部34に格納されているいずれの製品も意図せずに出入り可能であることがほぼないようにする再閉止可能電池パッケージが実現される。
【0045】
他のこれとは別の任意選択の実施形態では、第1の着脱可能部22を省略してもよく、ポーチ上部周縁フランジ32aを第2の本体21に接着してもよいし、別様に付けてもよい。このような実施形態では、上部周縁フランジ32と第2の本体21との間の接着剤または接着シールを破壊すると、ポーチ30は第1の本体16および第2の本体21に対してスライドすることができる。
【0046】
本明細書で開示されている寸法および値は、記載されている数値に厳密に限定されるとは解さない。むしろ、特に明記しない限り、このような各寸法は、記載されている値と、当該値の周囲の機能的に同等な範囲との両方を意味することを意図する。たとえば、「40mm」と開示されている寸法は「約40mm」を意味することを意図する。
【0047】
相互参照されている特許もしくは出願または関連する特許もしくは出願を含む、本明細書に引用されているすべての文書は、明示的に除外されているか、その他制限がなされていることがない限り、その全体が参照によって本明細書に援用される。いずれの文書の引用も、当該文書が本明細書で開示もしくは請求されているいずれかの発明に対する先行技術であること、または当該文書が単独でもしくは1つ以上の別の任意の参考文献との任意の組み合わせでいずれかの当該発明を教示、示唆または開示することの自認ではない。さらに、本文書中の用語のいずれかの意味または定義が、参照によって援用されている文書中の同じ用語のいずれかの意味または定義と相反する場合に限って、本文書中の当該用語に割り当てられている意味または定義が適用される。
【0048】
本発明の特定の実施形態を示して説明してきたが、本発明の精神および範囲から逸脱しない限りにおいて、様々な他の変更および修正を行なうことができることは、当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるすべてのこのような変更および修正を添付の請求項においてカバーするものとする。
図1
図2
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図5
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図7
図8
図9