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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】方法、組成物、及びそれに関連した使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/35 20060101AFI20220920BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20220920BHJP
   A61K 8/362 20060101ALI20220920BHJP
   A61K 8/41 20060101ALI20220920BHJP
   A61K 8/49 20060101ALI20220920BHJP
   A61Q 5/00 20060101ALI20220920BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20220920BHJP
   A61Q 5/04 20060101ALI20220920BHJP
   A61Q 5/06 20060101ALI20220920BHJP
   A61Q 5/10 20060101ALI20220920BHJP
   A61Q 5/12 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
A61K8/35
A61K8/36
A61K8/362
A61K8/41
A61K8/49
A61Q5/00
A61Q5/02
A61Q5/04
A61Q5/06
A61Q5/10
A61Q5/12
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2019511481
(86)(22)【出願日】2017-09-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-17
(86)【国際出願番号】 GB2017052926
(87)【国際公開番号】W WO2018060724
(87)【国際公開日】2018-04-05
【審査請求日】2020-09-16
(31)【優先権主張番号】1616670.4
(32)【優先日】2016-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】508020258
【氏名又は名称】インノスペック リミテッド
【氏名又は名称原語表記】INNOSPEC LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100102255
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 誠次
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【弁理士】
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100188352
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 一弘
(74)【代理人】
【識別番号】100113860
【弁理士】
【氏名又は名称】松橋 泰典
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【弁理士】
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【弁理士】
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【弁理士】
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100198074
【弁理士】
【氏名又は名称】山村 昭裕
(74)【代理人】
【識別番号】100096013
【氏名又は名称】富田 博行
(72)【発明者】
【氏名】ディクソン ニコラス ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ジャイルズ マシュー ロバート
(72)【発明者】
【氏名】グリフィス キンバリー エリザベス
(72)【発明者】
【氏名】ゴフ トニー
(72)【発明者】
【氏名】マクロビー イアン マルコム
【審査官】池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】独国特許出願公開第10048922(DE,A1)
【文献】Aldi, Colour Effect Shampoo,Mintel GNPD [online],2009年09月,Record ID:1182152
【文献】Graham Webb, Illuminating Color Protection Styling Products,Mintel GNPD [online],2004年11月,Record ID:10197511
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00- 8/99
A61Q 1/00-90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
染色されたケラチン材料からの色落ちに対処する方法であって、
(1)前記材料を、2-ヒドロキシデカナール、2-ヒドロキシドデカナール、2-ヒドロキシテトラデカナール、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、6-ヒドロキシヘキサナール、3-ヒドロキシプロパナール、4-ヒドロキシ-ブタ-2-エナール、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、及び4-ヒドロキシブタナール、から選択されるヒドロキシ置換アルデヒドを含む組成物と接触させるステップと、
(2)前記材料を、ポリカルボン酸由来のキレート剤及び/又はアミン及び4~10個の炭素原子を有するカルボン酸の塩を含む組成物と接触させるステップと
を含む、前記方法。
【請求項2】
材料が人毛又は獣毛である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
材料が成長する人毛又は獣毛である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
ステップ(1)がステップ(2)の前に実施される、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
ステップ(2)がステップ(1)の前に実施される、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ステップ(1)と(2)が同時に実施され、材料を、2-ヒドロキシデカナール、2-ヒドロキシドデカナール、2-ヒドロキシテトラデカナール、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、6-ヒドロキシヘキサナール、3-ヒドロキシプロパナール、4-ヒドロキシ-ブタ-2-エナール、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、及び4-ヒドロキシブタナール、から選択されるヒドロキシ置換アルデヒドと、ポリカルボン酸由来のキレート剤及び/又はアミン及び4~10個の炭素原子を有するカルボン酸の塩を含む単一組成物と接触させる、請求項1~3のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
毛を着色する方法であって、
(a)前記毛を着色用組成物と接触させるステップと、
(b)前記毛を、
(1)2-ヒドロキシデカナール、2-ヒドロキシドデカナール、2-ヒドロキシテトラデカナール、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、6-ヒドロキシヘキサナール、3-ヒドロキシプロパナール、4-ヒドロキシ-ブタ-2-エナール、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、及び4-ヒドロキシブタナール、から選択されるヒドロキシ置換アルデヒドを含む組成物、並びに
(2)ポリカルボン酸由来のキレート剤及び/又はアミン及び4~10個の炭素原子を有するカルボン酸の塩を含む組成物
と接触させるステップと
を含む、前記方法。
【請求項8】
ステップ(a)と(b)が、同時に実施され、方法が、毛を、2-ヒドロキシデカナール、2-ヒドロキシドデカナール、2-ヒドロキシテトラデカナール、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、6-ヒドロキシヘキサナール、3-ヒドロキシプロパナール、4-ヒドロキシ-ブタ-2-エナール、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、及び4-ヒドロキシブタナール、から選択されるヒドロキシ置換アルデヒド、ポリカルボン酸由来のキレート剤及び/又はアミン及び4~10個の炭素原子を有するカルボン酸の塩とを含む着色用組成物と接触させることを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
ステップ(b)がステップ(a)の前に実施される、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
ステップ(b)がステップ(a)の後に実施される、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
アルデヒドがヒドロキシ置換アルデヒド及び/又はアルファ置換アルデヒドである、請求項1~10のいずれかに記載の方法。
【請求項12】
アルデヒドが、2-ヒドロキシプロパナール、2-ヒドロキシヘキサナール、又は2-ヒドロキシオクタナールから選択される、請求項1~11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
10未満の炭素原子を有する第1のアルデヒドと、10又は11以上の炭素原子を有する第2のアルデヒドとを含む、請求項1~12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
第2のアルデヒドが、2-ヒドロキシデカナール、2-ヒドロキシドデカナール、及び2-ヒドロキシテトラデカナールから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
第1のアルデヒドが、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、4-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシプロパナール、及び4-ヒドロキシ-ブタ-2-エナールから選択され、第2のアルデヒドが、2-ヒドロキシデカナール、2-ヒドロキシドデカナール、及び2-ヒドロキシテトラデカナールから選択される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
式(IV)のスクシンイミジルエステルをさらに含む:
【化1】

[式中、Rは、少なくとも5個の炭素原子を有する置換されていてもよいヒドロカルビル基であり、Rは、水素又はスルホネート部分である]である、請求項1~15のいずれかに記載の方法。
【請求項17】
Rがフェニル又はCH(CHであり、nが5~10である、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
キレート剤が、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、グルタミン酸N,N-二酢酸(GLDA)、及びこれらの混合物から選択される、請求項1~17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記カルボン酸のアミン塩が、オクタン酸又はヘキサン酸のジエタノールアミン又はトリエタノールアミン塩である、請求項1~18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
1~3回の洗浄後の色落ちが顕著に軽減され、アルデヒドとキレート剤及び/又はアミン塩を含まない等価な手段によって処理された毛に比べて色が目に見えてより鮮烈である、請求項1~19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
アルデヒドとキレート剤及び/又はアミン塩を含まない等価な方法によって処理された毛に比べて3回の洗浄後の色落ちが少なくとも10%軽減される、請求項1~20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
染色された毛からの色落ちに対処するための、2-ヒドロキシデカナール、2-ヒドロキシドデカナール、2-ヒドロキシテトラデカナール、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、6-ヒドロキシヘキサナール、3-ヒドロキシプロパナール、4-ヒドロキシ-ブタ-2-エナール、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、及び4-ヒドロキシブタナール、から選択されるヒドロキシ置換アルデヒド、ポリカルボン酸由来のキレート剤及び/又はアミン及び4~10個の炭素原子を有するカルボン酸の塩の使用。
【請求項23】
1又は2以上の組成物を含み、前記1又は2以上の組成物が、少なくとも1種の染料化合物及び/又は染料前駆体化合物と、2-ヒドロキシデカナール、2-ヒドロキシドデカナール、2-ヒドロキシテトラデカナール、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、6-ヒドロキシヘキサナール、3-ヒドロキシプロパナール、4-ヒドロキシ-ブタ-2-エナール、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、及び4-ヒドロキシブタナール、から選択されるヒドロキシ置換アルデヒド、ポリカルボン酸由来のキレート剤及び/又はアミン及び4~10個の炭素原子を有するカルボン酸の塩とを合わせて含む、包装されたヘアカラー用製品。
【請求項24】
染色されたケラチン材料が編織布材料である、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
編織布材料が羊毛を含む編織布材料である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
染色された編織布材料を洗濯物洗浄工程において洗浄する結果として起こる色落ちに対処する、請求項1、20、又は21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、染色された材料を処理する方法、そのような方法において使用する組成物、及びそれに関連した使用に関する。詳細には、本発明は、染色されたケラチン材料、特に、毛を処理する方法に関する。本方法は、染色された材料、特に、染色された毛からの色落ちを軽減、抑制、又は防止するのに特に有用である。
【背景技術】
【0002】
材料、特に、毛及び他のケラチン材料を染色する手順は、何年も前から存在している。しかし、染色された材料は、染色後、色の強度及び鮮やかさを損なう。この色落ちの1つの原因は、染料を溶解/可溶化し、材料からの拡散を引き起こしうる水又は他の溶媒と接触するとき、材料から染料分子が浸出されることにあると考えられている。すなわち、この色落ちは、材料の洗浄(若しくは毛の場合ではシャンプー洗浄)などの工程の間、又は、材料が、材料から染料を浸出させうる水若しくは他の溶媒と接触する他の工程の間に起こりうる。小さい染料分子の場合では、こうした分子が、より大きい染料分子より動きやすく、したがってより速い速度で材料から浸出されうるため、問題がより顕著である。結果として、材料の洗浄が繰り返されると、時間と共に色落ちにつながる場合がある。これにより、例えば、洗浄の間に、材料の着色に使用される混合物中に存在する1又は2以上の染料化合物が他の化合物より著しく材料から浸出される、色ずれが引き起こされる場合もある。
【0003】
編織布材料及び布地については、手洗い工程又は自動洗濯機において材料を洗浄する際に、色落ちが起こりうる。
【0004】
色落ちを防止又は抑制することのできる有効な一手段は、ホルムアルデヒドでの処理によるものである。しかし、ホルムアルデヒドは、発癌性が疑われる物質であり、したがって、化粧品組成物へのその使用は、厳しく規制されており、非常に望ましくない。毛からの色落ちに対処するための代替手段を提供する試みは、数多く存在している。しかし、今日まで、それらの中に、完全に申し分のないものは存在せず、したがって、さらに改良された戦略を開発することが求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、染色された材料からの色落ちを軽減、抑制、又は防止する手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、染色された材料からの色落ちに対処する方法であって、
(1)材料を、アルデヒド、スクシンイミジルエステル、及びこれらの混合物から選択される求電子種を含む組成物と接触させるステップと、
(2)材料を、キレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩を含む組成物と接触させるステップと
を含む方法が提供される。
【0007】
ステップ(1)と(2)は、いずれの順序で実施してもよい。これらのステップは、順次又は同時に実施される場合がある。一部の実施形態では、ステップ(1)がステップ(2)の前に実施される。一部の実施形態では、ステップ(2)がステップ(1)の前に実施される。
【0008】
好ましい実施形態では、ステップ(1)と(2)は、同時に実施され、本発明の方法は、材料を、アルデヒド、スクシンイミジルエステル、及びこれらの混合物から選択される求電子種と、キレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩とを含む組成物と接触させるステップを含む。
【0009】
疑義を回避するために、「アミンとカルボン酸の塩」に言及するとき、アミンとカルボン酸の反応生成物、すなわち、カルボン酸のアミン塩に言及しているということである。塩は、アンモニウムカチオンとカルボン酸アニオンを含む。
【0010】
本発明は、染色された材料からの色落ちに対処する方法に関する。本方法は、染色されている材料を処理するものである場合もあり、及び/又は染色されようとしている材料を処理するものである場合もあり、及び/又は染色工程の一部として材料を処理するものである場合もある。
【0011】
一部の実施形態では、方法は、染色されている材料からの色落ちに対処する方法である。
【0012】
このような実施形態では、方法は、染色工程の一部でないことが適切である。むしろ、方法は、染色工程後及び染色工程よりかなり後のいずれかの時期に実施される場合のある、別個の無関係な工程である。
【0013】
本方法は、いずれかの手段によって染色されている/染色されようとしているいかなる材料を処理するのに使用してもよい。
【0014】
一部の実施形態では、染色された編織布材料からの色落ちに対処するために、本発明の方法を使用することができる。そのような実施形態において、染色された編織布材料は、羊毛を含むことが適切であり、羊毛をその大部分として含むことが好ましい。
【0015】
好ましい実施形態では、材料は、ケラチン材料である。材料は、ケラチン繊維を含むことがより好ましい。材料は、毛であることが好ましい。毛は、人毛又は獣毛である場合がある。特に好ましい実施形態では、本発明の方法は、人毛を処理する方法である。方法は、頭部において成長している人毛を処理する方法であることが最も好ましい。
【0016】
しかし、本発明の方法は、かつらや獣毛、例えば羊毛などの、もう成長していない(すなわち、取り除かれている)毛からの色落ちに対処するのにも使用できると理解される。
【0017】
特に好ましい実施形態では、本発明は、染色された毛を処理して色落ちに対処する方法に関する。本方法は、いかなる手段によって染色されている毛からの色落ちへの対処にも使用することができる。例えば、本発明は、直接染料を使用して染色されている毛からの色落ちに対処するのに使用される場合がある。毛のための直接染料として分類されている化合物の種類は、当業者に公知であり、ニトロフェニレンジアミン化合物(例えば、2-ニトロ-o-フェニレンジアミン、HCイエロー10、HCレッド14、N,N’-ビス-(2-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-p-フェニレンジアミン、HCバイオレット2及びHCブルー2)、ニトロアミノフェノール化合物(例えば、HCイエロー4、2-アミノ-3-ニトロフェノール、HCオレンジ3、4-ヒドロキシプロピルアミノ-3-ニトロフェノール及び3-ニトロ-p-ヒドロキシエチルアミノフェノール)、及びアントラキノン化合物(例えば、ディスパースレッド11、ディスパースバイオレット4、ディスパースブルー3及びHCブルー14)がある。しかし、本発明の方法は、酸化染料を使用して染色されている毛からの色落ちの防止において、特に有効である。
【0018】
毛の酸化染色は、毛の永久的、半永久的(semi-permanent)、又は半永久的(demi-permanent)な着色に一般に使用される。酸化染色は、その場で酸化されて活性染料分子を生じる、小さい置換芳香族化合物(例えば、(中間体として知られる)フェノール、ナフトール、フェニレンジアミン、及びアミノフェノール)で毛を処理するものである。この種の毛の着色方法は、当業者の非常によく知るところとなる。
【0019】
本発明の方法は、材料、好ましくは毛を、アルデヒド、スクシンイミジルエステル、及びこれらの混合物から選択される求電子種と、キレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩とを含む組成物と接触させるステップを含む。
【0020】
一部の実施形態では、本発明の第1の態様の方法は、毛などの材料を染色する方法ではなく、むしろ、染色された材料を処理する方法である。
【0021】
一部の実施形態では、本方法は、材料の染色前、染色中、又は染色直後のいずれかの時期に、染色工程の一部として実施される場合がある。
【0022】
第1の態様の方法が毛の染色前、染色中、又は染色直後のいずれかの時期に実施される実施形態において、本発明は、改良された毛の着色方法をさらに提供する場合がある。染色直前又は直後とは、好ましくは2時間以内、より好ましくは1時間以内、適切な例では30分以内を意味する。
【0023】
本発明の第2の態様によれば、毛を着色する方法であって、
(a)毛を着色用組成物と接触させるステップと、
(b)毛を、(1)アルデヒド、スクシンイミジルエステル、及びこれらの混合物から選択される求電子種を含む組成物、並びに(2)キレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩を含む組成物と接触させるステップと
を含む方法が提供される。
【0024】
好ましい実施形態では、第2の態様の方法のステップ(b)は、材料を、アルデヒド、スクシンイミジルエステル、及びこれらの混合物から選択される求電子種と、キレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩を含む組成物と接触させるステップを含む。
【0025】
本発明は、着色用組成物を使用して毛を着色する方法に関する。本明細書では、これを、染色用組成物を使用して毛を染色する方法と呼ぶ場合もある。
【0026】
第2の態様の方法は、毛を着色する方法である。これは、人毛を着色する、又は羊毛を含む獣毛を着色することを含むということである。第2の態様の方法は、人毛を着色する方法であることが好ましい。頭部において成長している人毛を着色する方法であることがより好ましい。
【0027】
ステップ(a)と(b)は、いずれかの順序で別々に実施してもよいし、又は同時に実施してもよい。
【0028】
一部の実施形態では、ステップ(b)がステップ(a)の前に実施され、したがって、方法は、アルデヒド及び/又はスクシンイミジルエステルとキレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩とを含む1又は2以上の組成物で毛を予め処理するステップを含む。
【0029】
一部の実施形態では、ステップ(a)と(b)は、同時に実施される場合もあり、方法は、毛を、アルデヒド、スクシンイミジルエステル、及びこれらの混合物から選択される求電子種と、キレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩とを含む着色用組成物と接触させるステップを含む。
【0030】
一部の好ましい実施形態では、ステップ(b)がステップ(a)の後に実施される。ステップ(a)とステップ(b)の間に毛をすすぎ、任意選択で乾燥させることが適切である。
【0031】
ステップ(a)は、毛をいかなる適切な着色用組成物と接触させるものでもよい。そのような組成物は、当業者に公知である。
【0032】
一部の好ましい実施形態では、ステップ(a)は、染料前駆体化合物及び酸化用組成物(顕色剤)を酸化染色法で適用することにより、毛の中においてその場で着色用組成物を形成するステップを含んでもよい。
【0033】
一部の実施形態では、ステップ(a)は、毛を、1又は2以上の直接染料を含む着色用組成物と接触させるステップを含んでもよい。
【0034】
一部の実施形態では、本発明の第1の態様の方法は、染色工程の一部として実施されず、毛と接触させる組成物は、シャンプー組成物、コンディショニング用組成物、ヘアスタイリング用組成物、ウェーブパーマ用組成物、ストレートパーマ用組成物、縮毛矯正用(hair relaxing)組成物、又は後続ヘアカラー用/染毛用組成物の形態になる場合がある。
【0035】
いくつもの機能を果たす組成物、例えば、シャンプー及びコンディショニング用複合型組成物も、本発明の範囲内にある。
【0036】
本発明の第3の態様によれば、アルデヒド、スクシンイミジルエステル、及びこれらの混合物から選択される求電子種と、キレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩とを含む組成物が提供される。
【0037】
ここで、本発明の第1、第2、及び第3の態様の好ましい特色について述べる。いかなる特色も、適切に、他のいずれかの態様に当てはまる場合がある。すなわち、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、毛を、アルデヒド、スクシンイミジルエステル、及びこれらの混合物から選択される求電子種と、キレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩とを含む組成物と接触させるステップを適切に含んでもよい。
【発明を実施するための形態】
【0038】
ここで、本発明についてさらに説明する。アルデヒド、スクシンイミジルエステル、及びこれらの混合物から選択される求電子種と、キレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩とを含む単一組成物を使用する方法に言及する。しかし、2又は3以上の組成物を使用して同じ目的を実現する実施形態も、本発明の範囲内にある。
【0039】
本発明の第3の態様の組成物は、アルデヒド、スクシンイミジルエステル、及びこれらの混合物から選択される求電子種を含む。
【0040】
疑義を回避するために、これは、組成物が、1又は1を超えるアルデヒドを含み、スクシンイミジルエステルを含まない;アルデヒドを含まず、1又は1を超えるスクシンイミジルエステルを含む;又は1又は2以上のアルデヒド及び1又は2以上のスクシンイミジルエステルを含んでもよいことを意味する。
【0041】
本明細書における使用に好ましいアルデヒドには、ヒドロキシル置換アルデヒド及びアルファ置換アルデヒドが含まれる。α位にヒドロキシ置換基を有するアルデヒドは、特に好ましい。
【0042】
本明細書における使用に適するアルデヒドは、少なくとも2個の炭素原子を有する。少なくとも3個の炭素原子を有することが好ましい。
【0043】
本明細書における使用に適するアルデヒドは、36個までの炭素原子、好ましくは30個までの炭素原子、より好ましくは24個までの炭素原子、好ましくは20個までの炭素原子、例えば、18個までの炭素原子又は16個までの炭素原子を有する場合がある。
【0044】
本明細書における使用に好ましい一部のアルデヒドは、3~20個の炭素原子、例えば、3~16個の炭素原子を有する。
【0045】
本明細書における使用に好ましい一部のアルデヒドは、3~12個の炭素原子、例えば、3~11個の炭素原子を有する。
【0046】
本明細書における使用に特に好ましい一部のアルデヒドは、3~9個の炭素原子、より好ましくは3~8個の炭素原子を有する。
【0047】
本明細書における使用に好ましい他の一部のアルデヒドは、8~16個の炭素原子、例えば、10~14個の炭素原子を有する。
【0048】
一部の好ましい実施形態では、アルデヒドは、アルデヒド官能基を1つだけ含む。
【0049】
アルデヒドは、α位に置換基を有する、及び/又はヒドロキシ置換基を有することが好ましい。アルデヒドは、1又は2以上のさらなる置換基を有してもよい。
【0050】
適切なさらなる置換基は、さらなるヒドロキシ置換基、さらなるアルデヒド基、ケト基、カルボキシ基、アシル基、ハロ基、アルコキシ基、アルキル基、ニトロ基、アミノ基、スルホキシ基、メルカプト基、アミド、エステル、ニトリル基、又はイソニトリル基から選択されてもよい。
【0051】
好ましいハロ置換基は、クロロ、フルオロ、及びブロモである。
【0052】
好ましいアルコキシ置換基は、メトキシ、エトキシ、その異性体を含むプロポキシ及びブトキシである。
【0053】
好ましいアルキル置換基は、その異性体を含めて、C-Cアルキル、好ましくはC-Cアルキルである。
【0054】
一部の実施形態では、アルデヒドは、さらなるアルデヒド官能基を含んでもよい。そのようなさらなるアルデヒド基は、α置換されていてもよいのが適切である。
【0055】
好ましい実施形態では、アルデヒドは、炭化水素鎖を含む。炭化水素鎖は、炭素主鎖を有する鎖であるのが適切である。しかし、炭素主鎖が1又は2以上のヘテロ原子によって中断されている化合物も、本発明の範囲内にある。例えば、炭素主鎖は、1又は2以上の酸素、硫黄、又は窒素分子によって中断されていてもよく、したがって、アルデヒドは、エーテル、チオエーテル、アミン、又はジスルフィド部分を含む場合もある。
【0056】
アルデヒドは、天然では、ほとんど脂肪族である、又はほとんど芳香族である場合がある。アルデヒドは、脂肪族であることが好ましい。しかし、アルデヒドは、1又は2以上の二重結合及び/又は1又は2以上の環式基を含んでもよい。アルデヒドは、直鎖状又は分岐状である場合がある。
【0057】
アルデヒドがヒドロキシ置換されている実施形態には、いかなる適切なヒドロキシ置換アルデヒドも含まれうる。
【0058】
アルデヒドは、1又は2以上のヒドロキシ置換基を含む場合もある。
【0059】
アルデヒドは、1、2、又は3つのヒドロキシ置換基、好ましくは1又は2つの置換基を含むのが適切である。
【0060】
一部の好ましい実施形態では、アルデヒドは、糖でない。
【0061】
アルデヒドは、1つのヒドロキシ置換基を含むことが好ましい。
【0062】
アルデヒドは、2、3、又は4位にヒドロキシル置換基を有するのが適切である。
【0063】
一部の実施形態では、アルデヒドは、2及び3位又は2及び4位にヒドロキシル置換基を有する場合がある。
【0064】
アルデヒドは、2位及び/又は3位にヒドロキシ置換基を有する場合があるのが適切である。
【0065】
アルデヒドは、2位又は3位にヒドロキシ置換基を有する場合があるのが適切である。
【0066】
特に好ましい実施形態では、アルデヒドは、2位にヒドロキシ置換基を有する。すなわち、アルデヒドは、α-ヒドロキシアルデヒド/2-ヒドロキシアルデヒドであるのが適切である。
【0067】
アルファ置換アルデヒドは、式(I)の化合物であるのが適切である。
【0068】
【化1】

(I)
【0069】
[式中、Xは、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アミノ、ニトロ、メルカプト、ハロ、ケト、スルホキシ、アルキル、メルカプト、アミド、ニトリル、イソニトリル、エステル、及び他の含カルボニル基から選択され、Yは、水素、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アミノ、ニトロ、メルカプト、ハロ、ケト、スルホキシ、アルキル、メルカプト、アミド、ニトリル、イソニトリル、エステル、及び他の含カルボニル基から選択され、Rは、水素、又は1~36個の炭素原子を有する置換されていてもよいヒドロカルビル基である。]
【0070】
好ましい実施形態では、Yは、水素及びハロゲンから選択される。Yがハロゲンであるとき、Xは、ハロゲンであるのが適切であり、例えば、X及びYが両方ともフッ素である場合がある。好ましい実施形態では、Yは、水素である。
【0071】
好ましくは、アルファ置換アルデヒドは、式(II)の化合物である。
【0072】
【化2】

(II)
【0073】
[式中、Xは、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アミノ、ニトロ、メルカプト、ハロ、ケト、スルホキシ、アルキル、メルカプト、アミド、ニトリル、イソニトリル、エステル、及び他の含カルボニル基から選択され、Rは、水素、CHO、又は1~36個の炭素原子を有する置換されていてもよいヒドロカルビル基である。]
【0074】
Rは、水素、CHO、又は1~30個の炭素原子、好ましくは1~20個の炭素原子、より好ましくは1~10個の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキル、アルケニル、若しくはアリール基である場合がある。
【0075】
Rは、水素、又は1~30個の炭素原子、好ましくは1~20個の炭素原子、より好ましくは1~10個の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキル、アルケニル、若しくはアリール基である場合があるのが適切である。
【0076】
一部の実施形態では、Rは、CHOであり、アルデヒドは、マロンジアルデヒド誘導体である。
【0077】
Rは、水素、又は1~30個、好ましくは1~20個、適切な例では1~10個の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキル若しくはアルケニル基であることが好ましい。
【0078】
一部の実施形態では、Rは、1~7個、好ましくは1~6個の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキル若しくはアルケニル基である。
【0079】
一部の実施形態では、Rは、8~14個、好ましくは8~12個の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキル若しくはアルケニル基である。
【0080】
Rは、ケト、ヒドロキシル、ハロ、カルボキシ、アシル、ニトロ、アミノ、メルカプト、アルコキシ、スルホキシ、エステル、ニトリル、イソニトリル、又はアミドから選択される1又は2以上の置換基で置換されている場合がある。炭素主鎖が、1又は2以上のヘテロ原子、例えば、1又は2以上の酸素、窒素、又は硫黄原子によって中断されている場合もある。
【0081】
一部の好ましい実施形態では、Rは、1~8個、好ましくは1~6個の炭素原子を有する非置換アルキル基である。
【0082】
一部の好ましい実施形態では、Rは、4~16個、好ましくは8~12個の炭素原子を有する非置換アルキル基である。
【0083】
Rは、ヒドロキシメチレン、メチル、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、及びドデシルから選択されてもよい。これらの基は、直鎖状又は分岐状である場合がある。これらは、直鎖状であることが好ましい。
【0084】
Rは、水素、ヒドロキシメチレン、メチル、n-ブチル、及びn-ヘキシルから選択されるのが適切である。
【0085】
Rは、メチル、n-ブチル、n-ヘキシル、n-オクチル、n-デシル、及びn-ドデシルから選択されてもよい。
【0086】
Rは、メチル、n-ブチル、及びn-ヘキシルから選択されることが好ましい。
【0087】
Rは、n-ブチル及びn-ヘキシルから選択されることが最も好ましい。
【0088】
Xは、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボキシ、アルキルカルボキシ、アミノ、ニトロ、メルカプト、ハロ、ケト、スルホキシ、アルキル、メルカプト、アミド、ニトリル、イソニトリル、エステル、及び他の含カルボニル基から選択される。
【0089】
一部の好ましい実施形態では、Xは、式OZの基であり、Zは、H、R、RCOR、RCONHR、RNHCOR、ROCOR、又はRCOORであり、R及びRはそれぞれ、1~20個の炭素原子、好ましくは1~8個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子、最も好ましくは1~4個の炭素原子を有する置換されていてもよいヒドロカルビル基であり、Rは、結合、又は1~20個の炭素原子、好ましくは1~8個の炭素原子、好ましくは1~6個の炭素原子、最も好ましくは1~4個の炭素原子を有するアルキレン基である。
【0090】
及びRは、置換されていてもよいアルキル基である。好ましい置換基は、ヒドロキシル基、特に、末端ヒドロキシル基である。
【0091】
及びRは、アルキル基、好ましくはC-Cアルキル基であるのが適切である。
【0092】
一部の特に好ましい実施形態では、Zは、H又はRであり、Rは、C-Cアルキル基、又は式HO(CHの基であり、nは、1~6、好ましくは1~4、好ましくは2又は3である。
【0093】
一部の好ましい実施形態では、Xは、ハロ基である。Xは、F、Br、又はCl、好ましくはBrであるのが適切である。
【0094】
一部の特に好ましい実施形態では、Xは、OH、O(CHA、Cl、Br、又はFから選択され、nは、1~6、好ましくは1~4であり、Aは、H又はOHである。
【0095】
一部の好ましい実施形態では、Xは、HOCHCHであり、Rは、水素である。
【0096】
一部の好ましい実施形態では、Xは、Brであり、Rは、CHOである。
【0097】
最も一部の好ましい実施形態では、Xは、OHであり、アルデヒドは、2-ヒドロキシアルデヒドである。
【0098】
一部の好ましい実施形態では、Xは、OHであり、Rは、C-Cアルキル又はヒドロキシアルキル基である。
【0099】
式(II)の化合物は、2位において置換されているアルデヒドである。この化合物は、1又は2以上のさらなる置換基を有してもよい。
【0100】
適切なさらなる置換基は、ヒドロキシル置換基、さらなるアルデヒド基、ケト基、カルボキシ基、アシル基、ハロ基、アルコキシ基、アルキル基、ニトロ基、アミノ基、スルホキシ基、メルカプト基、アミド、エステル、ニトリル基、又はイソニトリル基から選択されてもよい。
【0101】
好ましいハロ置換基は、クロロ、フルオロ、及びブロモである。
【0102】
好ましいアルコキシ置換基は、メトキシ、エトキシ、その異性体を含むプロポキシ及びブトキシである。
【0103】
好ましいアルキル置換基は、その異性体を含めて、C-Cアルキル、好ましくはC-Cアルキルである。
【0104】
一部の実施形態では、アルデヒドは、さらなるアルデヒド官能基を含んでもよい。そのようなさらなるアルデヒド基は、α置換されている場合がある。
【0105】
好ましい実施形態では、アルデヒドは、炭化水素鎖を含む。炭化水素鎖は、炭素主鎖を有する鎖であるのが適切である。しかし、炭素主鎖が1又は2以上のヘテロ原子によって中断されている化合物も、本発明の範囲内にある。例えば、炭素主鎖は、1又は2以上の酸素、硫黄、又は窒素分子によって中断されていてもよく、したがって、アルデヒドは、エーテル、チオエーテル、アミン、又はジスルフィド部分を含む場合もある。
【0106】
アルデヒドは、天然では、ほとんど脂肪族である、又はほとんど芳香族である場合がある。アルデヒドは、脂肪族であることが好ましい。しかし、アルデヒドは、1又は2以上の二重結合及び/又は1又は2以上の環式基を含んでもよい。アルデヒドは、直鎖状又は分岐状である場合がある。
【0107】
本明細書における使用に適するアルデヒドには、2-ヒドロキシデカナール、2-ヒドロキシドデカナール、2-ヒドロキシテトラデカナール、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、グリセルアルデヒド、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、4-ヒドロキシブタナール、ブロモマロンアルデヒド、2-(2-ヒドロキシエトキシ)アセトアルデヒド、2-クロロオクタナール、2-フルオロオクタナール、2-ブロモオクタナール、6-ヒドロキシヘキサナール、3-ヒドロキシプロパナール、及び4-ヒドロキシ-ブタ-2-エナールが含まれる。
【0108】
本明細書における使用に適するアルファ置換アルデヒドには、ヒドロキシデカナール、2-ヒドロキシドデカナール、2-ヒドロキシテトラデカナール、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、グリセルアルデヒド、2-ヒドロキシブタナール、ブロモマロンアルデヒド、2-(2-ヒドロキシエトキシ)アセトアルデヒド、2-クロロオクタナール、2-フルオロオクタナール、及び2-ブロモオクタナールが含まれる。
【0109】
本明細書における使用に適するアルファ置換アルデヒドには、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、グリセルアルデヒド、2-ヒドロキシブタナール、ブロモマロンアルデヒド、2-(2-ヒドロキシエトキシ)アセトアルデヒド、2-クロロオクタナール、2-フルオロオクタナール、及び2-ブロモオクタナールが含まれる。
【0110】
本明細書における使用に適するヒドロキシ置換アルデヒドには、ヒドロキシデカナール、2-ヒドロキシドデカナール、2-ヒドロキシテトラデカナール、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、グリセルアルデヒド、6-ヒドロキシヘキサナール、3-ヒドロキシプロパナール、4-ヒドロキシ-ブタ-2-エナール、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、及び4-ヒドロキシブタナールが含まれる。
【0111】
本明細書における使用に好ましいヒドロキシ置換アルデヒドには、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、グリセルアルデヒド、6-ヒドロキシヘキサナール、3-ヒドロキシプロパナール、4-ヒドロキシ-ブタ-2-エナール、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、及び4-ヒドロキシブタナールが含まれる。
【0112】
本明細書における使用に好ましいアルファ-ヒドロキシ置換アルデヒドには、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、グリセルアルデヒド、2-ヒドロキシブタナール、ブロモマロンアルデヒド、及び2-(2-ヒドロキシエトキシ)アセトアルデヒドが含まれる。
【0113】
本明細書における使用により好ましいアルデヒドには、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、及びグリセルアルデヒドが含まれる。
【0114】
本明細書における使用に最も好ましいヒドロキシ置換アルデヒドは、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、及び2-ヒドロキシプロパナールである。
【0115】
組成物は、少なくとも0.1wt%、適切な例では少なくとも0.5wt%、好ましくは少なくとも1wt%、例えば少なくとも1.5wt%の量でアルデヒドを含むのが適切である。
【0116】
組成物は、アルデヒドを、50wt%まで、好ましくは30wt%まで、適切な例では20wt%まで、好ましくは10wt%まで、より好ましくは5wt%まで、例えば、4wt%まで、3wt%まで、又は2.75wt%までの量で含んでもよい。
【0117】
一部の実施形態では、組成物は、0.1~10wt%、好ましくは0.5~5wt%、適切な例では0.5~3wt%のアルデヒドを含む。
【0118】
これに代わる一部の実施形態では、組成物は、はるかに高い濃度、例えば20~100wt%、好ましくは50~100wt%、例えば70~100wt%又は90~100wt%のアルデヒドを含む場合もある。
【0119】
第3の態様の組成物は、2又は3以上のアルデヒドの混合物を含んでもよい。そのような実施形態において、上記量は、組成物中に存在するそうしたすべての化合物の総量を指す。
【0120】
一部の実施形態では、第3の態様の組成物は、2又は3以上のアルデヒドの混合物を含む。
【0121】
一部の実施形態では、第3の態様の組成物は、2-ヒドロキシオクタナール及び1又は2以上のさらなるアルデヒドを含む。
【0122】
一部の実施形態では、第3の態様の組成物は、グリセルアルデヒド及び1又は2以上のさらなるアルデヒドを含む。
【0123】
一部の実施形態では、第3の態様の組成物は、2-ヒドロキシオクタナール及びグリセルアルデヒドを含む。この組成物は、任意選択で、1又は2以上のさらなるアルデヒドを含んでもよい。
【0124】
一部の実施形態では、第3の態様の組成物は、10個未満の炭素原子を有する第1のアルデヒドと、10又は11以上の炭素原子を有する第2のアルデヒドとを含む。この組成物は、任意選択で、1又は2以上のさらなるアルデヒドを含んでもよい。例えば、第3の態様の組成物は、3~9個の炭素原子、好ましくは3~8個の炭素原子を有する第1のアルファ置換アルデヒドと、10~18個の炭素原子、好ましくは10~16個の炭素原子、より好ましくは10~14個の炭素原子を有する第2のアルデヒドとを含んでもよい。この組成物は、任意選択で、1又は2以上のさらなるアルデヒドを含んでもよい。
【0125】
一部の実施形態では、第3の態様の組成物は、2-ヒドロキシデカナール、2-ヒドロキシドデカナール、及び2-ヒドロキシテトラデカナールから選択される1又は2以上のアルデヒドと、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、グリセルアルデヒド、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、4-ヒドロキシブタナール、ブロモマロンアルデヒド、2-(2-ヒドロキシエトキシ)アセトアルデヒド、2-クロロオクタナール、2-フルオロオクタナール、2-ブロモオクタナール、6-ヒドロキシヘキサナール、3-ヒドロキシプロパナール、及び4-ヒドロキシ-ブタ-2-エンナールから選択される1又は2以上のさらなるアルデヒドとを含む。
【0126】
一部の実施形態では、第3の態様の組成物は、2-ヒドロキシデカナール、2-ヒドロキシドデカナール、及び2-ヒドロキシテトラデカナールから選択される1又は2以上のアルデヒドと、2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、及びグリセルアルデヒドから選択される1又は2以上のさらなるアルデヒドとを含んでもよい。
【0127】
本発明において使用する組成物は、スクシンイミジルエステルを含んでもよい。
【0128】
適切なスクシンイミジルエステルには、仏国特許第2937543号明細書に記載されている化合物が含まれる。
【0129】
好ましいスクシンイミジルエステルには、モノカルボン酸のエステル及びジカルボン酸のエステルが含まれる。
【0130】
適切なジカルボン酸スクシンイミジルエステルとしては、式(III)の化合物が挙げられる。
【0131】
【化3】
【0132】
[式中、R及びRはそれぞれ、独立に、水素又はスルホネート部分であり、R及びRはそれぞれ、独立に、結合、又は置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、若しくはアリーレン基であり、Xは、結合、(CH、O、S、又はS-Sから選択される。]
【0133】
は、水素又はスルホネート部分である。スルホネート部分とは、式SOXの基を指すものとし、Xは、水素、アルカリ金属、又はアンモニウムイオンである。Rは、水素であることが好ましい。
【0134】
は、水素又はスルホネート部分である。スルホネート部分とは、式SOXの基を指すものとし、Xは、水素、アルカリ金属、又はアンモニウムイオンである。Rは、水素であることが好ましい。
【0135】
は、結合、又は置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、若しくはアリーレン基である。Rは、ケト、ヒドロキシル、ハロ、カルボキシ、アシル、ニトロ、アミノ、メルカプト、アルコキシ、スルホキシ、エステル、ニトリル、イソニトリル、又はアミドから選択される1又は2以上の置換基で置換されている場合がある。
【0136】
は、置換されていてもよいアルキレン基であることが好ましい。Rは、非置換アルキレン基であることがより好ましい。
【0137】
は、直鎖状又は分岐状である場合がある。Rは、1~12個、より好ましくは1~18個、適切な例では1~6個、好ましくは1~4個、例えば1又は2個の炭素原子を有することが好ましい。
【0138】
は、結合、又は置換されていてもよいアルキレン、アルケニレン、若しくはアリーレン基である。Rは、ケト、ヒドロキシル、ハロ、カルボキシ、アシル、ニトロ、アミノ、メルカプト、アルコキシ、スルホキシ、エステル、ニトリル、イソニトリル、又はアミドから選択される1又は2以上の置換基で置換されている場合がある。
【0139】
は、置換されていてもよいアルキレン基であることが好ましい。Rは、非置換アルキレン基であることがより好ましい。
【0140】
は、直鎖状又は分岐状である場合がある。Rは、1~12個、より好ましくは1~18個、適切な例では1~6個、好ましくは1~4個、例えば1又は2個の炭素原子を有することが好ましい。
【0141】
Xは、結合、(CH、O、S、又はS-Sから選択される。nは、好ましくは1~10、例えば1~4である。
【0142】
Xは、S及びS-Sから選択されることが好ましい。
【0143】
本明細書における使用に好ましいいくつかのジエステルとして、次の化合物が挙げられる。
【0144】
【化4】
【0145】
本明細書における使用に好ましいスクシンイミジルエステルは、モノカルボン酸のエステルである。
【0146】
本明細書における使用に特に好ましいスクシンイミジルエステルとしては、式(IV)の化合物が挙げられる。
【0147】
【化5】

(IV)
【0148】
[式中、Rは、少なくとも5個の炭素原子を有する置換されていてもよいヒドロカルビル基であり、Rは、水素又は可溶化剤である。]
【0149】
は、水素又は可溶化基である。
【0150】
可溶化基は、式(I)の化合物の水への溶解性を向上させるいかなる部分から選択されてもよい。適切な可溶化基には、ヒドロキシ、アルコキシ、ポリアルコキシ、アルキルカルボキシ、スルホ、及びホスホノ基が含まれる。
【0151】
は、水素及びスルホネート部分から選択されることが好ましい。
【0152】
一部の実施形態では、Rは、スルホネート部分である。スルホネート部分とは、式SOXの基を指すものとし、Xは、水素、アルカリ金属、又はアンモニウムイオンである。
【0153】
は、水素であることが好ましい。
【0154】
Rは、36個までの炭素原子、適切な例では30個までの炭素原子、好ましくは24個までの炭素原子、より好ましくは20個までの炭素原子、好ましくは18個までの炭素原子、より好ましくは14個までの炭素原子、最も好ましくは12個までの炭素原子を有する置換されていてもよいヒドロカルビル基であることが好ましい。
【0155】
Rは、5~36個の炭素原子、適切な例では5~30個までの炭素原子、好ましくは5~20個の炭素原子、より好ましくは5~12個の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキル、アルケニル、アリール、アルカリール、又はアラルキル基である場合がある。
【0156】
一部の実施形態では、Rは、6~24個、好ましくは6~16個、より好ましくは6~10個の炭素原子を有するアリール基である。
【0157】
一部の実施形態では、Rは、置換されていてもよいフェニル基である。Rは、フェニルである場合もある。
【0158】
一部の実施形態では、Rは、5~24個、好ましくは5~16個、適切な例では6~10個の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキル又はアルケニル基である。
【0159】
Rは、ケト、ヒドロキシル、ハロ、アリール、カルボキシ、アシル、ニトロ、アミノ、メルカプト、アルコキシ、スルホキシ、エステル、ニトリル、イソニトリル、又はアミドから選択される1又は2以上の置換基で置換されている場合がある。炭素主鎖が、1又は2以上のヘテロ原子、例えば、1又は2以上の酸素、窒素、又は硫黄原子によって中断されている場合もある。
【0160】
一部の好ましい実施形態では、Rは、5~11個、好ましくは6~10個、より好ましくは7~9個の炭素原子を有する非置換アルキル基である。
【0161】
Rは、n-ヘプチル及びn-ノニルから選択されるのが適切である。
【0162】
Rは、n-ヘプチルであることが好ましい。
【0163】
組成物は、少なくとも0.1wt%、適切な例では少なくとも0.5wt%、好ましくは少なくとも1wt%、例えば少なくとも1.5wt%の量でスクシンイミジルエステルを含むのが適切である。
【0164】
組成物は、スクシンイミジルエステルを、50wt%まで、好ましくは30wt%まで、適切にでは20wt%、例えば10wt%まで、例えば、5wt%まで、3wt%まで、又は2.75wt%までの量で含んでもよい。
【0165】
一部の実施形態では、組成物は、0.1~10wt%、好ましくは0.5~5wt%、例えば1~3wt%のスクシンイミジルエステルを適切に含んでもよい。
【0166】
第3の態様の組成物は、2又は3以上のスクシンイミジルエステルを含んでもよい。そのような実施形態において、上記量は、組成物中に存在するそうしたすべての化合物の総量を指す。
【0167】
本発明において使用する組成物は、キレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩をさらに含む。
【0168】
これによる疑義を回避するために、組成物は、1又は1を超えるキレート剤を含有し、アミンとカルボン酸の塩を含有しない;キレート剤を含有せず、1又は1を超えるアミンとカルボン酸の塩を含有する;又は1又は2以上のキレート剤と1又は2以上のアミンとカルボン酸の塩とを含有する場合があることを意味する。
【0169】
いかなる適切なキレート剤を使用してもよい。この種の化合物は、当業者に公知である。
【0170】
本明細書における使用に好ましいキレート剤は、ポリカルボン酸由来のキレート剤である。
【0171】
本発明において使用する組成物は、キレート剤を含む。一部の好ましい実施形態では、キレート剤は、グルタミン酸N,N-二酢酸(GLDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、イミド二コハク酸(IDS)、L-アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、クエン酸、及びこれらの混合物から選択される。
【0172】
本発明において使用するキレート剤は、ポリカルボン酸の誘導体である。これは、キレート剤が、2又は3以上のカルボン酸部分又はその塩を含むことを意味する。本明細書における使用に適するキレート剤は、3、4、又は5つのカルボン酸部分を含んでもよい。
【0173】
グルタミン酸N,N-二酢酸(GLDA)は、図1に示す構造を有する。
【0174】
【化6】
【0175】
本発明の組成物には、図1に示す構造、及び/又はいくつかの酸性プロトンが置き換えられている、すなわち、1、2、3、若しくは4つの酸基が中和されている、若しくは部分的に中和されている同じ構造を有するGLDAが存在する場合がある。GLDAは、遊離酸又はその塩若しくは錯体として存在する場合がある。
【0176】
GLDAは、鏡像異性体又はその混合物として存在する場合もある。少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%、より好ましくは少なくとも90%、最も好ましくは少なくとも95wt%、例えば約98wt%が[S]-GLDAとして存在することが好ましい。一部の好ましい実施形態では、GLDAは、本質的にS鏡像異性体からなる。
【0177】
GLDAは、38wt%の四ナトリウム塩を含む溶液として市販品が入手可能であり、Dissolvine GL-38の商標で販売されている。
【0178】
ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)は、図2に示す構造を有する。
【0179】
【化7】
【0180】
成分(b)がDTPAを含むとき、DTPAは、図2に示す構造を有する形態、又はいくつかの水素原子が置き換えられている同じ構造を有する形態で提供される場合がある。すなわち、成分(b)は、1、2、3、4、又は5つの酸基が中和されている、又は部分的に中和されている塩を含んでもよい。
【0181】
DTPAの塩が含まれるとき、その塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、又は適切なアミンの塩である場合がある。
【0182】
一価の対イオンが使用されるとき、塩は、単塩、二塩、三塩、四塩、又は五塩である場合がある。二価カチオンについては、単塩又は二塩が存在する場合がある。混合塩が存在する場合もあり、例えば、二ナトリウムマグネシウム塩やナトリウムマグネシウム塩が存在する場合がある。DTPA残基に対する対イオンは、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、及び第四級アンモニウムイオンの1又は2以上から選択されることが好ましい。
【0183】
DTPAは、存在するとき、五ナトリウム塩として含まれていることが好ましい。
【0184】
イミド二コハク酸(IDS)は、図3に示す構造を有する。
【0185】
【化8】
【0186】
本発明の組成物には、図3に示す構造、及び/又はいくつかの酸性プロトンが置き換えられている、すなわち、1、2、3、若しくは4つの酸基が中和されている、若しくは部分的に中和されている同じ構造を有するIDSが存在する場合がある。IDSは、遊離酸又はその塩若しくは錯体として存在する場合がある。
【0187】
IDS又はその塩は、鏡像異性体又はその混合物として存在する場合もある。ラセミ混合物として存在することが好ましい。
【0188】
IDSは、34wt%の四ナトリウム塩を含む溶液として市販品が入手可能であり、Baypure CX100の商標で販売されている。
【0189】
ASDAは、IDSの構造異性体であり、図4に示す構造を有する。
【0190】
【化9】
【0191】
本発明の組成物には、図4に示す構造、及び/又はいくつかの酸性プロトンが置き換えられている、すなわち、1、2、3、若しくは4つの酸基が中和されている、若しくは部分的に中和されている同じ構造を有するASDAが存在する場合がある。ASDAは、遊離酸又はその塩若しくは錯体として存在する場合がある。
【0192】
EDTAは、図5に示す構造を有する。
【0193】
【化10】
【0194】
成分(b)がEDTAを含むとき、EDTAは、図5に示す構造を有する形態、又はいくつかの水素原子が置き換えられている同じ構造を有する形態で提供される場合がある。すなわち、成分(b)は、1、2、3、又は4つの酸基が中和されている、又は部分的に中和されている塩を含んでもよい。
【0195】
EDTAの塩が含まれるとき、その塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニア、又は適切なアミンの塩である場合がある。
【0196】
一価の対イオンが使用されるとき、塩は、単塩、二塩、三塩、又は四塩である場合がある。二価カチオンについては、単塩又は二塩が存在する場合がある。混合塩が存在する場合もあり、例えば、二ナトリウムマグネシウム塩やナトリウムマグネシウム塩が存在する場合がある。EDTA残基に対する対イオンは、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、及び第四級アンモニウムイオンの1又は2以上から選択されることが好ましい。
【0197】
EDTAは、存在するとき、四ナトリウム塩として存在することが好ましい。
【0198】
エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)は、図6に示す構造を有する。
【0199】
【化11】
【0200】
EDDSは、2つの立体中心(stereogenic centre)を含み、3種の立体異性体が考えられる。特に好ましい立体配置は、容易に生分解しうる[S,S]-エチレンジアミン二コハク酸である。
【0201】
本発明の組成物には、図6に示す構造、及び/又はいくつかの水素原子が置き換えられている同じ構造を有する「EDDS」が存在する場合がある。すなわち、EDDSは、1、2、3、又は4つの酸基が中和されている、又は部分的に中和されているコハク酸塩を含む場合もある。EDDSは、遊離酸又はその塩若しくは錯体として存在する場合がある。
【0202】
市販品として入手可能な一材料は、エチレンジアミン二コハク酸三ナトリウムである。市販用製品(Natrlquest E30(RTM))は、(遊離酸として表示される)30重量%のEDDS、又は(対イオンを含む)37wt%の三ナトリウム塩を含む水溶液として供給されている。
【0203】
市販品として入手可能な別の形態のEDDSは、Natrlquest E80の商標で販売されているテトラ酸である。これは、酸としての80wt%の固体[S,S]EDDSと結晶水とを含有する粉末として提供されている。
【0204】
(HEEDTA又はHEDTAとして知られる)ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸は、図7に示す構造を有する。
【0205】
【化12】
【0206】
本発明の組成物には、図7に示す構造、及び/又はいくつかの酸性プロトンが置き換えられている、すなわち、1、2、若しくは3つの酸基が中和されている、若しくは部分的に中和されている同じ構造を有するHEDTAが存在する場合がある。HEDTAは、遊離酸又はその塩若しくは錯体として存在する場合がある。
【0207】
HEDTAは、三ナトリウム塩として、Akzo Nobel社から、Dissolvine H40の商標で市販品が入手可能である。
【0208】
クエン酸は、遊離酸として、又はアルカリ金属若しくはアンモニウム塩として含まれる場合がある。
【0209】
一部の好ましい実施形態では、キレート剤は、DTPA、GLDA、IDS、及びこれらの混合物から選択される。
【0210】
一部の特に好ましい一部の実施形態では、キレート剤は、DTPA、GLDA、及びこれらの混合物から選択される。
【0211】
一部の実施形態では、組成物は、ポリカルボン酸由来のキレート剤を、少なくとも0.1wt%、適切な例では少なくとも1wt%、好ましくは少なくとも3wt%、例えば、少なくとも5wt%、少なくとも6wt%、少なくとも7wt%、又は少なくとも8wt%の量で含む。
【0212】
組成物は、ポリカルボン酸由来のキレート剤を、50wt%まで、好ましくは40wt%まで、適切な例では30wt%まで、例えば、20wt%まで、15wt%まで、又は12wt%までの量で含んでもよい。
【0213】
一部の実施形態では、組成物は、カルボン酸由来のキレート剤を、0.1~15wt%、適切な例では0.25~10wt%、好ましくは0.5~5wt%、例えば1~3wt%の量で含んでもよい。
【0214】
組成物は、ポリカルボン酸由来のキレート剤の混合物を含んでもよい。そのような実施形態において、上記量は、組成物中に存在するそうしたすべてのキレート剤の総量を指す。
【0215】
一部の実施形態では、組成物は、GLDAを含む。一部の実施形態では、組成物は、DTPAを含む。一部の実施形態では、組成物は、GLDAとDTPAの混合物を含む。このような実施形態において、GLDA対DTPAの比は、好ましくは1:10~10:1、好ましくは1:5~5:1、例えば1:2~2:1である。
【0216】
本発明の組成物は、カルボン酸のアミン塩を含んでもよい。
【0217】
適切なカルボン酸には、モノカルボン酸、ジカルボン酸、及びポリカルボン酸が含まれる。
【0218】
モノカルボン酸が好ましい。
【0219】
好ましい実施形態では、カルボン酸は、炭化水素鎖を含む。炭化水素鎖は、炭素主鎖を有する鎖であるのが適切である。しかし、炭素主鎖が1又は2以上のヘテロ原子によって中断されている化合物も、本発明の範囲内にある。例えば、炭素主鎖は、1又は2以上の酸素、硫黄、又は窒素分子によって中断されていてもよく、したがって、カルボン酸は、エーテル、チオエーテル、アミン、又はジスルフィド部分を含む場合もある。
【0220】
カルボン酸は、天然では、ほとんど脂肪族である、又はほとんど芳香族である場合がある。カルボン酸は、脂肪族であることが好ましい。しかし、カルボン酸は、1又は2以上の二重結合及び/又は1又は2以上の環式基を含んでもよい。カルボン酸は、直鎖状又は分岐状である場合がある。
【0221】
一部の特に好ましい実施形態では、塩は、式RCOOH[式中、Rは、置換されていてもよいヒドロカルビル基、適切な例では、置換されていてもよいアルキル、アルケニル、又はアリール基である]のカルボン酸の塩である。
【0222】
一部の実施形態では、Rは、40個までの炭素原子、好ましくは30個までの炭素原子、より好ましくは24個までの炭素原子、適切な例では18個までの炭素原子、例えば12個までの炭素原子を有する場合がある。
【0223】
好ましい実施形態では、組成物は、アミンと4~10個の炭素原子を有するカルボン酸の塩を含む。
【0224】
好ましい一部のカルボン酸は、5~9個の炭素原子、例えば、6~8個の炭素原子を有する。
【0225】
Rは、3~9個の炭素原子、好ましくは4~8個の炭素原子、より好ましくは5~7個の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキル、アルケニル、若しくはアリール基である場合がある。
【0226】
Rは、3~9個、好ましくは4~8個、適切な例では5~7個の炭素原子を有する置換されていてもよいアルキル若しくはアルケニル基であることが好ましい。
【0227】
Rは、ケト、ヒドロキシル、ハロ、カルボキシ、アシル、ニトロ、アミノ、メルカプト、アルコキシ、スルホキシ、エステル、ニトリル、イソニトリル、又はアミドから選択される1又は2以上の置換基で置換されている場合がある。炭素主鎖が、1又は2以上のヘテロ原子、例えば、1又は2以上の酸素、窒素、又は硫黄原子によって中断されている場合もある。
【0228】
Rは、直鎖アルキル基であることが好ましい。
【0229】
一部の好ましい実施形態では、Rは、3~9個、好ましくは4~8個、より好ましくは5~7個の炭素原子を有する非置換アルキル基である。
【0230】
Rは、異性体及びその混合物を含めて、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、セチル、ノニルから選択されるのが適切である。
【0231】
Rは、n-ペンチル及びn-ヘプチルから選択されることが好ましい。
【0232】
Rは、n-ヘプチルであることが最も好ましい。
【0233】
本発明は、カルボン酸とアミンの塩に関する。
【0234】
いかなる適切なアミンが塩の形成に使用されてもよい。適切なアミンには、第一級、第二級、及び第三級アミン、並びにアンモニアが含まれる。
【0235】
一部の好ましい実施形態では、アミンは、式RN[式中、R、R、及びRはそれぞれ、水素、アルキル基、又はヒドロキシアルキル基である]のアルキルアミノ及び/又はヒドロキシアルキルアミノ化合物である。R、R、及びRはそれぞれ、同じでも異なってもよい。R、R、及びRはそれぞれ、水素、及び1~6個の炭素原子、例えば1~4個の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシアルキル基から独立に選択されるのが適切である。R、R、及びRはそれぞれ、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、ヒドロキシヘキシル、及びこれらの異性体から独立に選択されてもよい。アミンは、アルキルアミン、ヒドロキシアルキルアミン、ジアルキルアミン、ヒドロキシアルキルアルキルアミン、ジヒドロキシアルキルアミン、トリアルキルアミン、ジアルキルヒドロキシアルキルアミン、ジヒドロキシアルキルアミン、又はトリヒドロキシアルキルアミンである場合がある。この種の異なる化合物が数多く存在しており、それらは、当業者に公知である。一部の実施形態では、アミンは、環状アミンである。
【0236】
一部の実施形態では、アミンは、第一級アミンである。適切な第一級アミンには、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、2-アミノブタノール、エタノールアミン、シクロヘキシルアミン、アミノプロパンジオール、イソプロパノールアミン、混合イソプロパノールアミン類、トロメタミン、及びベンジルアミンが含まれる。
【0237】
アミンは、第二級アミン又は第三級アミンであることが好ましい。
【0238】
本明細書における使用に適する第二級アミン化合物には、ジメチルアミン、N,N-メチルエチルアミン、N,N-メチルプロピルアミン、N,N-メチルブチルアミン、ジエチルアミン、N,N-エチルプロピルアミン、N,N-エチルブチルアミン、ジプロピルアミン、N,N-プロピルブチルアミン、ジブチルアミン、N,N-ブチルメチルアミン、N,N-ブチルエチルアミン、N,N-ブチルプロピルアミン、N,N-メチルメタノールアミン、N,N-メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N,N-メチルプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、N,N-メチルブタノールアミン、ジブタノールアミン、N,N-エチルメタノールアミン、N,N-エチルエタノールアミン、N,N-エチルプロパノールアミン、N,N-エチルブタノールアミン、N,N-プロピルメタノールアミン、N,N-プロピルエタノールアミン、N,N-プロピルプロパノールアミン、N,N-プロピルブタノールアミン、N,N-ブチルメタノールアミン、N,N-ブチルエタノールアミン、N,N-ブチルプロパノールアミン、N,N-ブチルブタノールアミン、2-(2-アミノエトキシ)エタノール、アミノエチルプロパンジオール、アミノメチルプロパンジオール、アミノエチルプロパノール、ジイソプロピルアミン、ジイソプロパノールアミン、モルホリン、並びにこれらの混合物及び異性体が含まれる。
【0239】
本明細書における使用に好ましい一部の第三級アミン化合物には、トリメチルアミン、N,N-ジメチルエチルアミン、N,N-ジメチルプロピルアミン、N,N-ジメチルブチルアミン、トリエチルアミン、N,N-ジエチルメチルアミン、N,N-ジエチルプロピルアミン、N,N-ジエチルブチルアミン、トリプロピルアミン、N,N-ジプロピルメチルアミン、N,N-ジプロピルエチルアミン、N,N-ジプロピルブチルアミン、トリブチルアミン、N,N-ジブチルメチルアミン、N,N-ジブチルエチルアミン、N,N-ジブチルプロピルアミン、N,N-ジメチルメタノールアミン、メチルジメタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、N,N-ジメチルプロパノールアミン、メチルジプロパノールアミン、N,N-ジメチルブタノールアミン、メチルジブタノールアミン、N,N-ジエチルメタノールアミン、エチルジメタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、エチルジエタノールアミン、N,N-ジエチルプロパノールアミン、エチルジプロパノールアミン、N,N-ジエチルブタノールアミン、エチルジブタノールアミン、N,N-ジプロピルメタノールアミン、プロピルジメタノールアミン、N,N-ジプロピルエタノールアミン、プロピルジエタノールアミン、N,N-ジプロピルプロパノールアミン、プロピルジプロパノールアミン、N,N-ジプロピルブタノールアミン、プロピルジブタノールアミン、N,N-ジブチルメタノールアミン、ブチルジメタノールアミン、N,N-ジブチルエタノールアミン、ブチルジエタノールアミン、N,N-ジブチルプロパノールアミン、ブチルジプロパノールアミン、N,N-ジブチルブタノールアミン、ブチルジブタノールアミン、トリメタノールアミン、トリエタノールアミン、トリプロパノールアミン、トリブタノールアミン、ジエチルヘキシルアミン、ジメチルトリルアミン、ビス-ヒドロキシエチルトロメタミン、ジエチルエタノールアミン、ジメチルアミノメチルプロパノール、ジメチルイソプロパノールアミン、ジメチルMEA、ヒドロキシエチルメチルトリルアミン、トリイソプロパノールアミン、ビス-トリス(2-[ビス(2-ヒドロキシエチル)アミノ]-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-1,3-ジオール])、並びにこれらの混合物及び異性体が含まれる。
【0240】
一部の実施形態では、アミンは、2、3、又は4以上の窒素原子を有する、ジアミン、トリアミン、又はポリアミンである場合もある。しかし、好ましいアミンは、モノアミン又はジアミン、特にモノアミンである。アミンがジアミンであるとき、塩は、アミン1つあたり1モルの酸だけが存在する単塩、又はアミン1つあたり2モルの酸が存在する二塩である場合がある。
【0241】
適切なポリアミンには、ポリアルキレンポリアミンがある。
【0242】
好ましいジアミンは、置換されていてもよいアルキレンジアミン、例えば、エチレンジアミンである。したがって、アミンは、式RNCHCHNR[式中、R、R、R、及びRはそれぞれ、水素、又はアルキル基、又はヒドロキシアルキル基である]のエチレンジアミンである場合がある。R、R、R、及びRはそれぞれ、同じでも異なってもよい。R、R、R、及びRはそれぞれ、水素、及び1~6個の炭素原子、例えば1~4個の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシアルキル基から独立に選択されるのが適切である。R、R、R、及びRはそれぞれ、水素、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、ヒドロキシブチル、ヒドロキシペンチル、及びヒドロキシヘキシルから独立に選択されてもよい。
【0243】
本明細書における使用に特に好ましい一部の塩には、次の構造を有する化合物が含まれる。
【0244】
【化13】
【0245】
[式中、Rは、3~9個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニル基、好ましくは、ペンチル又はヘプチルである。]
【0246】
特に好ましい実施形態では、本発明の組成物は、オクタン酸と、トリエタノールアミン及びジエタノールアミンから選択されるアミン、好ましくはトリエタノールアミンの塩を含む。
【0247】
組成物は、少なくとも0.1wt%、適切な例では少なくとも0.5wt%、好ましくは少なくとも1wt%、例えば少なくとも1.5wt%の量で、4~10個の炭素原子を有するカルボン酸のアミン塩を含むのが適切である。
【0248】
組成物は、4~10個の炭素原子を有するカルボン酸のアミン塩を、50wt%まで、好ましくは30wt%まで、適切な例では20wt%まで、好ましくは10wt%まで、より好ましくは5wt%まで、例えば、4wt%まで、3wt%まで、又は2.75wt%までの量で含んでもよい。
【0249】
一部の実施形態では、組成物は、4~10個の炭素原子を有するカルボン酸のアミン塩を、0.1~10wt%、好ましくは0.5~5wt%、適切な例では0.5~3wt%含む。
【0250】
これに代わる一部の実施形態では、組成物は、4~10個の炭素原子を有するカルボン酸のアミン塩を、はるかに高い濃度で、例えば20~100wt%、好ましくは50~100wt%、例えば70~100wt%又は90~100wt%含む場合もある。
【0251】
第3の態様の組成物は、4~10個の炭素原子を有するカルボン酸のアミン塩2又は3以上からなる混合物を含んでもよい。そのような実施形態において、上記量は、組成物中に存在するそうしたすべての化合物の総量を指す。
【0252】
一部の好ましい実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を、アルデヒド、好ましくは、アルファ置換アルデヒド及び/又はヒドロキシ置換アルデヒドと接触させるステップを含む。
【0253】
一部の好ましい実施形態では、第3の態様の組成物は、アルデヒド、好ましくは、アルファ置換アルデヒド及び/又はヒドロキシ置換アルデヒドを含む。
【0254】
一部の好ましい実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を、スクシンイミジルエステル、好ましくは式(IV)の化合物と接触させるステップを含む。
【0255】
一部の好ましい実施形態では、第3の態様の組成物は、スクシンイミジルエステル、好ましくは式(IV)の化合物を含む。
【0256】
一部の好ましい実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を、キレート剤、好ましくは、ポリカルボン酸由来のキレート剤と接触させるステップを含む。
【0257】
一部の好ましい実施形態では、第3の態様の組成物は、キレート剤、好ましくは、ポリカルボン酸由来のキレート剤を含む。
【0258】
一部の好ましい実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を、4~10個の炭素原子を有することが好ましいカルボン酸のアミン塩と接触させるステップを含む。
【0259】
一部の好ましい実施形態では、第3の態様の組成物は、4~10個の炭素原子を有することが好ましいカルボン酸のアミン塩を含む。
【0260】
一部の実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を、アルデヒド、好ましくは、アルファ置換アルデヒド及び/又はヒドロキシ置換アルデヒド、さらに、キレート剤、好ましくは、ポリカルボン酸由来のキレート剤と接触させるステップを含む。
【0261】
一部の実施形態では、第3の態様の組成物は、アルデヒド、好ましくは、アルファ置換アルデヒド及び/又はヒドロキシ置換アルデヒドと、キレート剤、好ましくは、ポリカルボン酸由来のキレート剤とを含む。
【0262】
一部の実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を、スクシンイミジルエステル、好ましくは式(IV)の化合物、及びキレート剤、好ましくは、ポリカルボン酸由来のキレート剤と接触させるステップを含む。
【0263】
一部の実施形態では、第3の態様の組成物は、スクシンイミジルエステル、好ましくは式(IV)の化合物と、キレート剤、好ましくは、ポリカルボン酸由来のキレート剤とを含む。
【0264】
一部の実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を、アルデヒド、好ましくは、アルファ置換アルデヒド及び/又はヒドロキシ置換アルデヒド、さらに、4~10個の炭素原子を有することが好ましいカルボン酸のアミン塩と接触させるステップを含む。
【0265】
一部の実施形態では、第3の態様の組成物は、アルデヒド、好ましくは、アルファ置換アルデヒド及び/又はヒドロキシ置換アルデヒドと、4~10個の炭素原子を有することが好ましいカルボン酸のアミン塩とを含む。
【0266】
一部の実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を、スクシンイミジルエステル、好ましくは式(IV)の化合物、さらに、4~10個の炭素原子を有することが好ましいカルボン酸のアミン塩と接触させるステップを含む。
【0267】
一部の実施形態では、第3の態様の組成物は、スクシンイミジルエステル、好ましくは式(IV)の化合物と、4~10個の炭素原子を有することが好ましいカルボン酸のアミン塩とを含む。
【0268】
一部の好ましい実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を、
- スクシンイミジルエステル、好ましくは式(IV)の化合物、
- キレート剤、好ましくは、ポリカルボン酸由来のキレート剤、及び
- 4~10個の炭素原子を有することが好ましいカルボン酸のアミン塩
と接触させるステップを含む。
【0269】
一部の実施形態では、第3の態様の組成物は、
- スクシンイミジルエステル、好ましくは式(IV)の化合物と、
- キレート剤、好ましくは、ポリカルボン酸由来のキレート剤と、
- 4~10個の炭素原子を有することが好ましいカルボン酸のアミン塩と
を含む。
【0270】
一部の好ましい実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を、
- アルデヒド、好ましくは、アルファ置換アルデヒド及び/又はヒドロキシ置換アルデヒド、
- キレート剤、好ましくは、ポリカルボン酸由来のキレート剤、及び
- 4~10個の炭素原子を有することが好ましいカルボン酸のアミン塩
と接触させるステップを含む。
【0271】
一部の実施形態では、第3の態様の組成物は、
- アルデヒド、好ましくは、アルファ置換アルデヒド及び/又はヒドロキシ置換アルデヒドと、
- キレート剤、好ましくは、ポリカルボン酸由来のキレート剤と、
- 4~10個の炭素原子を有することが好ましいカルボン酸のアミン塩と
を含む。
【0272】
一部の好ましい実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を、
- 2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、グリセルアルデヒド、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、4-ヒドロキシブタナール、ブロモマロンアルデヒド、及び2-(2-ヒドロキシエトキシ)アセトアルデヒドから選択されるアルデヒド、及び
- グルタミン酸N,N-二酢酸(GLDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、イミド二コハク酸(IDS)、L-アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、クエン酸、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤
と接触させるステップを含む。
【0273】
一部の好ましい実施形態では、第3の態様の組成物は、
- 2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、グリセルアルデヒド、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、4-ヒドロキシブタナール、ブロモマロンアルデヒド、及び2-(2-ヒドロキシエトキシ)アセトアルデヒドから選択されるアルデヒドと、
- グルタミン酸N,N-二酢酸(GLDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、イミド二コハク酸(IDS)、L-アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、クエン酸、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤と
を含む。
【0274】
一部の好ましい実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、
- 2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、グリセルアルデヒド、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、4-ヒドロキシブタナール、ブロモマロンアルデヒド、及び2-(2-ヒドロキシエトキシ)アセトアルデヒドから選択されるアルデヒド、及び
- カルボン酸が4~10個の炭素原子を有し、アミンが式RNの化合物[式中、R、R、及びRはそれぞれ、水素、及び1~6個の炭素原子、例えば1~4個の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシアルキル基から独立に選択される]であるカルボン酸のアミン塩
と接触させるステップを含む。
【0275】
一部の好ましい実施形態では、第3の態様の組成物は、
- 2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、グリセルアルデヒド、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、4-ヒドロキシブタナール、ブロモマロンアルデヒド、及び2-(2-ヒドロキシエトキシ)アセトアルデヒドから選択されるアルデヒドと
- カルボン酸が4~10個の炭素原子を有し、アミンが式RNの化合物[式中、R、R、及びRはそれぞれ、水素、及び1~6個の炭素原子、例えば1~4個の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシアルキル基から独立に選択される]であるカルボン酸のアミン塩と
を含む。
【0276】
一部の好ましい実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、
- 2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、グリセルアルデヒド、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、4-ヒドロキシブタナール、ブロモマロンアルデヒド、及び2-(2-ヒドロキシエトキシ)アセトアルデヒドから選択されるアルデヒド、
- グルタミン酸N,N-二酢酸(GLDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、イミド二コハク酸(IDS)、L-アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、クエン酸、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤、及び
- カルボン酸が4~10個の炭素原子を有し、アミンが式RNの化合物[式中、R、R、及びRはそれぞれ、水素、及び1~6個の炭素原子、例えば1~4個の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシアルキル基から独立に選択される]であるカルボン酸のアミン塩
と接触させるステップを含む。
【0277】
一部の好ましい実施形態では、第3の態様の組成物は、
- 2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、2-ヒドロキシプロパナール、グリセルアルデヒド、2-ヒドロキシブタナール、3-ヒドロキシブタナール、4-ヒドロキシブタナール、ブロモマロンアルデヒド、及び2-(2-ヒドロキシエトキシ)アセトアルデヒドから選択されるアルデヒドと、
- グルタミン酸N,N-二酢酸(GLDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、イミド二コハク酸(IDS)、L-アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミン二コハク酸(EDDS)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、クエン酸、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤と、
- カルボン酸が4~10個の炭素原子を有し、アミンが式RNの化合物[式中、R、R、及びRはそれぞれ、水素、及び1~6個の炭素原子、例えば1~4個の炭素原子を有するアルキル又はヒドロキシアルキル基から独立に選択される]であるカルボン酸のアミン塩と
を含む。
【0278】
一部の好ましい実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を、
- 2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、及び2-ヒドロキシプロパナールから選択されるアルデヒド、
- グルタミン酸N,N-二酢酸(GLDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤、及び
- オクタン酸又はヘキサン酸のジエタノールアミン又はトリエタノールアミン塩
と接触させるステップを含む。
【0279】
一部の好ましい実施形態では、第3の態様の組成物は、
- 2-ヒドロキシヘキサナール、2-ヒドロキシオクタナール、及び2-ヒドロキシプロパナールから選択されるアルデヒドと、
- グルタミン酸N,N-二酢酸(GLDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、及びこれらの混合物から選択されるキレート剤と、
- オクタン酸又はヘキサン酸のジエタノールアミン又はトリエタノールアミン塩と
を含む。
【0280】
一部の好ましい実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を2-ヒドロキシオクタナール及びGLDAと接触させるステップを含む。
【0281】
一部の好ましい実施形態では、第3の態様の組成物は、2-ヒドロキシオクタナールとGLDAとを含む。
【0282】
一部の特に好ましい実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を、2-ヒドロキシオクタナール、及びオクタン酸のトリエタノールアミン塩と接触させるステップを含む。
【0283】
一部の好ましい実施形態では、第3の態様の組成物は、2-ヒドロキシオクタナールと、GLDAと、オクタン酸のトリエタノールアミン塩とを含む。
【0284】
一部の特に好ましい実施形態では、第1の態様の方法及び第2の態様の方法は、材料を、2-ヒドロキシオクタナール、GLDA、及びオクタン酸のトリエタノールアミン塩と接触させるステップを含む。
【0285】
一部の好ましい実施形態では、第3の態様の組成物は、2-ヒドロキシオクタナールと、GLDAと、オクタン酸のトリエタノールアミン塩とを含む。
【0286】
一実施形態では、第3の態様の組成物は、0.1~5wt%のアルデヒドと、0.1~5wt%のキレート剤と、0.1~5wt%のアミンとカルボン酸の塩とを含む。上記量は、組成物中に存在する各成分の合計を指す。
【0287】
好ましい一実施形態では、第3の態様の組成物は、0.1~5wt%の2-ヒドロキシオクタナールと、0.1~5wt%のGLDAと、0.1~5wt%のオクタン酸のトリエタノールアミン塩とを含む。
【0288】
一部の実施形態では、組成物は、2又は3以上の反応性部分とリンカーとを含む架橋剤をさらに含んでもよい。この種の化合物は、例えば、米国特許出願公開第2015/034117号明細書及び米国特許出願公開第2015/0034119号明細書に記載されている。
【0289】
一部の実施形態では、反応性部分は、活性化カルボン酸又はスルホン酸誘導体であり、リンカーは、反応性部分と塩又は共有結合を形成しうるポリアミノ化合物である。
【0290】
一部の実施形態では、反応性部分は、マレイン酸誘導体であり、リンカーは、アルキレン又はオキシアルキレン鎖によって連結された2又は3以上のアミノ基を有する。架橋剤は、マレイミド又はマレイン酸のアミン塩である場合がある。
【0291】
一部の実施形態では、反応性部分は、マレイン酸イオンであり、リンカーは、アルキレン又はオキシアルキレン鎖によって連結された第四級アンモニウムイオンを含む。
【0292】
好ましい一部の架橋剤は、次の構造を有する。
【0293】
【化14】
【0294】
2又は3以上の反応性部分及びリンカーを含む架橋剤は、0.1~30wt%、好ましくは0.1~10wt%、適切な例では0.5~5wt%の量で存在する場合がある。
【0295】
本発明の組成物は、いかなる適切な形態で提供されてもよい。本発明の組成物は、ゲル、ペースト、クリーム、又はワックスの形態になる場合がある。本発明の組成物は、液体組成物の形態になる場合もある。そのような組成物は、溶液、分散液、又は乳濁液の形態になる場合がある。本発明の組成物は、固体組成物として、例えば、粉末又はバーとして提供される場合もある。一部の実施形態では、使用前に希釈される濃縮組成物が提供される場合もある。一部の実施形態では、第3の態様の組成物が、材料と接触させる前に1又は2以上のさらなる組成物と混合される前駆体組成物の一部となる場合がある。
【0296】
第3の態様の組成物の形態及び性質は、意図されたその用途に応じて決まる。
【0297】
一部の実施形態では、組成物は、洗濯用洗剤組成物である。そのような実施形態では、組成物は、ビルダー、界面活性剤、キレート剤、漂白剤、蛍光増白剤、酵素、香料、及び洗濯用洗剤組成物中に一般に見出される他の成分から選択される1又は2以上のさらなる原材料を適切に含む。組成物は、手洗い洗濯用洗剤組成物又は自動洗濯機洗濯用洗剤組成物である場合がある。
【0298】
特に好ましい実施形態では、組成物は、ヘアケア組成物である。
【0299】
組成物は、1又は2以上の希釈剤又は担体を含むのが適切である。好ましい希釈剤及び担体は、化粧品用に認可されている化合物であり、その適切な例は、当業者に公知である。適切な担体の例としては、有機溶媒(例えば、炭化水素溶媒(例えば、イソドデカン)、アルコール(例えば、エタノール、プロパノール、ブタノール)、炭酸プロピレン、ベンジルアルコール、脂肪族又は芳香族エステル(例えば、植物油、ミリスチン酸イソプロピル、安息香酸C12-15アルキル)、ペルフルオロカーボン溶媒、及びシリコーン油が挙げられる。
【0300】
一部の実施形態では、組成物は、水性組成物である。水が、組成物中に存在する主要な溶媒であるのが適切である。一部の実施形態では、組成物中に存在する全組成物の少なくとも50wt%、好ましくは少なくとも60wt%、より好ましくは少なくとも70wt%、適切な例では少なくとも80wt%、例えば少なくとも90wt%又は少なくとも95wt%を水がまかなう。一部の実施形態では、水と混和性の1又は2以上のさらなる溶媒が存在する場合もある。水と混和性の適切な溶媒の例としては、一価及び多価アルコール、例えば、エタノール、グリセロール、及びイソプロパノールが挙げられる。
【0301】
一部の実施形態では、本発明の組成物は、水性でなく、主要な希釈剤又は担体が親油性材料である。このような実施形態では、組成物は、1又は2以上の高級脂肪アルコール、鉱油、及び/又は植物油を主要な溶媒として含んでもよい。
【0302】
一部の実施形態では、組成物は、実質的に水性であるが、アルデヒドは、これが可溶性になる親油性相内に分散されている。
【0303】
一部の実施形態では、組成物は、本質的に、アルデヒド、スクシンイミジルエステル、及びこれらの混合物から選択される求電子種と、キレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩と、1又は2以上の希釈剤又は担体とからなる場合がある。好ましい実施形態では、組成物は、1又は2以上のさらなる成分を含む。適切な成分は、身の回りケア用組成物に通常使用されるものであり、当業者に知られている。
【0304】
上で詳述したとおり、本発明の組成物は、意図されたその用途に応じて、異なる成分を含んでもよい。一部の実施形態では、組成物は、毛を乾燥させた後直ちに使用される場合がある。別法として、組成物は、ヘアトリートメント組成物として1又は2回以上使用される場合もある。一部の実施形態では、組成物は、色落ち防止用組成物として提供される場合がある。別法として、組成物は、シャンプー、コンディショナー、又はヘアスタイリング用製品、例えば、セラム、ワックス、ムース、ゲル、若しくはスプレーの形態、又は全般的なヘアケア利益を得るのに使用されうる他のいずれかのヘアトリートメント形態になる場合がある。いくつもの機能を果たす組成物、例えば、シャンプー及びコンディショニング用複合型組成物も、本発明の範囲内にある。
【0305】
組成物は、界面活性剤(アニオン、両性、非イオン、及びカチオン界面活性剤を含む)、コンディショニング剤(第四級アンモニウム化合物、カチオン性ポリマー、シリコーン、合成又は天然の油又は樹脂などを含む)、脂肪アルコール、電解質又は他のレオロジー改質剤、乳白剤/真珠光沢剤(pearlising agent)、頭皮ケア剤(scalp benefit agent)、香料、染料、UV防止剤(UV filter)、浸透性改善剤(例えば、炭酸プロピレン、ベンジルアルコールなど)、保存剤、酸化防止剤、乳化剤、pH調製剤及び緩衝剤、並びにスタイリング用ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドンなど)から選択される1又は2以上の追加成分を含むのが適切である。
【0306】
一部の実施形態では、組成物は、pH調製剤を含む。
【0307】
本明細書における使用に適するpH調製剤には、乳酸、水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、及びこれらの塩及び緩衝液が含まれうる。
【0308】
組成物のpHは、意図されたその用途次第となる。しかし、好ましい実施形態では、組成物は、3~9の間、好ましくは3.5~8の間、より好ましくは4~7の間、好ましくは4~6の間のpHを有する。
【0309】
一部の好ましい実施形態では、組成物は、ヘアケア組成物である。適切なヘアケア組成物には、シャンプー組成物、コンディショニング用組成物、ヘアスタイリング用組成物、ウェーブパーマ用、縮毛矯正用、若しくはストレートパーマ用組成物、又はヘアカラー用組成物が含まれる。
【0310】
ヘアケア組成物中に使用するのに適するさらなる原材料及びその量は、当業者に公知である。成分の相対比率及びこのような組成物の製剤については、当業者の技量の範囲内となる。
【0311】
組成物は、適切な例では少なくとも50wt%、好ましくは少なくとも60wt%、より好ましくは少なくとも70wt%の水を含む実質的に水性の組成物であるのが適切である。
【0312】
組成物は、1又は2以上の界面活性剤を含むのが適切である。例えば、組成物は、0.1~60wt%、好ましくは1~30wt%、適切な例では5~25wt%の界面活性剤を含んでもよい。
【0313】
組成物は、1又は2以上のアニオン界面活性剤を含むのが適切である。例えば、組成物は、1~60wt%、好ましくは1~30wt%、適切な例では5~25wt%のアニオン界面活性剤を含んでもよい。
【0314】
一部の実施形態では、組成物は、第四級アンモニウム塩を、適切な例では0.1~20wt%、好ましくは0.1~10wt%の量で含んでもよい。
【0315】
一部の実施形態では、本発明の第3の態様の組成物は、シャンプー組成物である。
【0316】
本発明の適切なシャンプー組成物は、通常、0.5~60wt%、好ましくは1~50wt%、より好ましくは5~30wt%、例えば8~20wt%又は8~12wt%の1又は2以上のアニオン界面活性剤と、任意選択で、0.1~30wt%、好ましくは1~15wt%、例えば2~12wt%の両性界面活性剤と、任意選択で、0.1~40wt%、好ましくは0.5~30wt%、例えば1~15wt%又は2~12wt%の非イオン界面活性剤とを含んでもよい。
【0317】
本発明のシャンプー組成物は、アニオン界面活性剤(例えば、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルメチルイセチオン酸ナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、モノアルキルリン酸ナトリウム、ジアルキルリン酸ナトリウム、ココイルメチルタウリン酸ナトリウム)、両性界面活性剤(例えば、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココアンホ二酢酸二ナトリウム)、起泡剤(foam booster)(例えば、コカミドDEA、コカミドMEA、コカミドMIPAラウレス-3)、脂肪アルキルアルコール(例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール)、非イオン界面活性剤(例えば、アルキルポリグルコシドやアルキルエーテルエトキシレート)、カチオン性ポリマー(例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-10)、シリコーン(例えば、ジメチコンやジメチコノールなどのポリジメチルシロキサン)、レオロジー改質剤(例えば、カルボマー、ジステアリン酸PEG-150、キサンタンガム)、合成又は天然の油又は樹脂(例えば、鉱油又は植物油)、フケ防止剤(例えば、ピロクトンオラミン、亜鉛ピリチオン、サリチル酸)、スタイリング剤(例えば、ポリイソブチレンやポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー)、保湿剤(moisturising agent)(例えば、パンテノールやグリセロール)、非高分子コンディション調整剤(例えば、ベヘントリモニウムクロリドやステアラルコニウムクロリドなどの第四級アンモニウム化合物)、乳白剤/真珠光沢剤(例えば、スチレン/アクリレーツコポリマーやエチレングリコールジステアレート)、頭皮ケア剤、香料、着色剤、染毛剤、日焼け止め、UV防止剤、保存剤、浸透性改善剤(例えば、炭酸プロピレン、ベンジルアルコールなど)、並びに本明細書で規定するとおりの希釈剤及び担体から選択される1又は2以上の原材料を含んでもよい。
【0318】
本発明の好ましい一部のシャンプー組成物は、0.5~60wt%の1又は2以上のアニオン界面活性剤(例えば、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、α-オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、モノアルキルリン酸ナトリウム、ジアルキルリン酸ナトリウム)と、0~30wt%の両性界面活性剤(例えば、コカミドプロピルベタイン、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン)とを含む。
【0319】
一部の実施形態では、本発明の第3の態様の組成物は、コンディショニング用組成物である。
【0320】
本発明の適切なコンディショニング用組成物は、通常、0.1~20wt%、好ましくは0.5~8wt%、より好ましくは1~4wt%の1又は2以上のカチオン界面活性剤と、0.1~20wt%、好ましくは0.5~8wt%、より好ましくは1~4wt%の1又は2以上の脂肪アルキルアルコールと、任意選択で、0.1~20wt%、好ましくは0.5~8wt%、より好ましくは1~4wt%の1又は2以上の非イオン界面活性剤と、任意選択で、0.1~20wt%、好ましくは0.5~8wt%、より好ましくは1~4wt%の1又は2以上のカチオン性ポリマーとを含んでもよい。
【0321】
本発明のコンディショニング用組成物には、洗い流すタイプ及び付けたままにするタイプのコンディショナー(「ヘアマスク」を含む)及び毛のつや又は外観を向上させる製品、着色直後又はその後のいずれかの時期に毛に適用されるように設計された、付けたままにするタイプ又は洗い流すタイプの縮れ防止トリートメントセラム及び他のトリートメント剤、並びに養毛剤が含まれる。このような組成物は、モノ及びジ脂肪アルキル第三級アミン及び第四級アンモニウム化合物(例えば、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリドなどのモノ及びジ脂肪アルキル第四級アンモニウム化合物)を含むカチオン界面活性剤、脂肪アルキルアルコール(例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール)、非イオン界面活性剤(例えば、アルキルポリグルコシドやアルキルエーテルエトキシレート、例えば、セテアレス-20)、カチオン性ポリマー(例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-10)、シリコーン(例えば、ジメチコンやジメチコノールなどのポリジメチルシロキサン)、レオロジー改質剤(例えば、ヒドロキシエチルセルロースやポリクオタニウム-37)、保湿剤(例えば、パンテノールやグリセロール)、非高分子コンディショニング剤(例えば、ベヘントリモニウムクロリドやステアラルコニウムクロリドなどの第四級アンモニウム化合物)、頭皮ケア剤、香料、着色剤、染毛剤、日焼け止め、UV防止剤、保存剤、浸透性改善剤(例えば、炭酸プロピレン、ベンジルアルコールなど)、並びに本明細書で規定するとおりの希釈剤及び担体から選択される1又は2以上のさらなる原材料を含んでもよい。
【0322】
本発明の好ましい一部のコンディショニング用組成物は、0.1~20wt%のカチオン界面活性剤(例えば、モノ及びジ脂肪アルキル第四級アンモニウム化合物、モノ及びジ脂肪アルキル第三級アミン)と、0.1%~20wt%の脂肪アルキルアルコールと、0.1%~20wt%の非イオン界面活性剤(例えば、セテアレス-20)とを含む。
【0323】
一部の実施形態では、本発明の第3の態様の組成物は、ヘアスタイリング用組成物である。
【0324】
本発明の適切なヘアスタイリング用組成物は、通常、0.1~40wt%、好ましくは0.1~30wt%、より好ましくは0.5~10wt%の1又は2以上の整髪用ポリマーを含んでもよい。
【0325】
本発明のヘアスタイリング用組成物(ゲル、噴射剤使用及び不使用のムース、噴射剤使用及び不使用のヘアスプレー、ヘアポマード、ヘアワックス、ヘアクリーム、ヘアブリリアンティン、及びブロードライヤー、カール用トング、ストレート用アイロン、(例えば美容院で使用されるような)熱気フードなどの加熱されたヘアスタイリング用器具と併せて使用されるように設計された組成物を含む)は、ヘアスタイリング用ポリマー(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、ポリエチレンワックス)、レオロジー改質剤(例えば、カルボマー、アクリレーツコポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム、ポリクオタニウム-37)、アミノメチルプロパノール、脂肪アルキルアルコール(例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール)、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ワセリン、鉱油、オゾケライト、蜜蝋、カルナウバ蝋、シリコーン(例えば、ジメチコンやジメチコノールなどのポリジメチルシロキサン)、ポリエチレングリコール、アニオン界面活性剤(例えば、ラウレス硫酸ナトリウムやラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム)、両性界面活性剤(例えば、コカミドプロピルベタインやココアンホ二酢酸二ナトリウム)、非イオン界面活性剤(例えば、アルキルポリグルコシドやアルキルエーテルエトキシレート)、カチオン性ポリマー(例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-10)、シリコーン(例えば、ジメチコンやジメチコノールなどのポリジメチルシロキサン)、保湿剤(例えば、パンテノールやグリセロール)、非高分子コンディショニング剤(例えば、ベヘントリモニウムクロリドやステアラルコニウムクロリドなどの第四級アンモニウム化合物)、頭皮ケア剤、香料、着色剤、染毛剤、日焼け止め、UV防止剤、保存剤、浸透性改善剤(例えば、炭酸プロピレン、ベンジルアルコールなど)、並びに本明細書で規定するとおりの希釈剤及び担体から選択される1又は2以上の原材料を含んでもよい。
【0326】
本発明の好ましい一部のヘアスタイリング用組成物は、0.1~40wt%の1又は2以上の整髪用ポリマー/樹脂(例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、オクチルアクリルアミド/アクリレート/ブチルアミノエチルメタクリレートコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマー、ポリエチレンワックス)を含む。
【0327】
当業者なら、適正な原材料を含有する単一製品から、毛のコンディショニング、つやなど、及びヘアスタイリングの1又は2以上の属性を毛に付与することが可能であり、したがって、毛に関する利益効果のそうした組合せを備える組成物も、本発明の取扱い範囲になることを理解されよう。
【0328】
一部の実施形態では、第3の態様の組成物は、ウェーブパーマ用組成物である。
【0329】
本発明の適切なウェーブパーマ用組成物は、通常、0.1~20wt%、好ましくは0.5~15wt%、より好ましくは3~12wt%の1又は2以上の還元剤を含んでもよい。
【0330】
本発明の好ましい一部のウェーブパーマ用組成物は、0.5~15wt%の1又は2以上の(例えば、チオグリコール酸、チオグリコール酸アンモニウム、チオ乳酸、システアミン、システイン、グリセロールモノチオグリコレート、亜硫酸/亜硫酸水素ナトリウムのような)還元剤と、還元する成分のpHをpH8~13の間に調整するのに十分な量のアルカリ化剤(例えば、アンモニア、モノエタノールアミン)とを含む。ウェーブパーマ用組成物は通常、還元剤組成物が適用され、処理を可能にされ、次いで洗い流された後に適用される、0.5~10wt%の1又は2以上の酸化剤(例えば、過酸化水素、臭素酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム)を含む第2の組成物と共に、包装品として提供される。
【0331】
一部の実施形態では、本発明の第3の態様の組成物は、縮毛矯正用組成物である。
【0332】
本発明の縮毛矯正用組成物は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、及び炭酸グアニジンから選択される1又は2以上の原材料を含んでもよい。これらの成分は、0.5~5wt%の量で存在するのが適切である。
【0333】
他の種類のストレートパーマ用組成物は、ホルムアルデヒド、グリコキシル酸(glycoxylic acid)、グルタルアルデヒド、及びグリオキシロイルカルボシステインから選択される1又は2以上の原材料を含んでもよい。これらの成分は、0.1~10wt%の量で存在するのが適切である。
【0334】
上で言及したウェーブパーマ用、縮毛矯正用、及びストレートパーマ用組成物は、アニオン界面活性剤(例えば、ラウレス硫酸ナトリウムやラウロイルメチルイセチオン酸ナトリウム)、両性界面活性剤(例えば、コカミドプロピルベタインやココアンホ二酢酸二ナトリウム)、第四級アンモニウム化合物(例えば、セトリモニウムクロリド、ステアルトリモニウムクロリド、ベヘントリモニウムクロリド)、脂肪アルキルアルコール(例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール)、非イオン界面活性剤(例えば、アルキルポリグルコシドやアルキルエーテルエトキシレート)、カチオン性ポリマー(例えば、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ポリクオタニウム-10)、シリコーン(例えば、ジメチコンやジメチコノールなどのポリジメチルシロキサン)、乳白剤(例えば、スチレンアクリレーツコポリマー)、レオロジー改質剤(例えば、ヒドロキシエチルセルロースやキサンタンガム)、保湿剤(例えば、パンテノールやグリセロール)、非高分子コンディショニング剤(例えば、ベヘントリモニウムクロリドやステアラルコニウムクロリドなどの第四級アンモニウム化合物)、香料、日焼け止め、UV防止剤、着色剤、並びに本明細書で規定するとおりの希釈剤及び担体から選択される1又は2以上の追加原材料をさらに含んでもよい。
【0335】
一部の実施形態では、本発明の第3の態様の組成物は、ヘアカラー用組成物である。
【0336】
ヘアカラー用組成物は、染料化合物を含む場合もあり、及び/又は酸化用組成物が混合された後に毛においてその場で活性染料となる染料前駆体化合物を含む場合もある。
【0337】
本発明の酸化ヘアカラー用組成物は、1又は2以上の中間体、例えば、p-フェニレンジアミン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-p-フェニレンジアミン、p-トルエンジアミン、p-アミノフェノールフェニルメチルピラゾロン、m-フェニレンジアミン、レゾルシノール、1-ナフトール、1-ヒドロキシエチル4,5-ジアミノピラゾール、及びm-アミノフェノールを含んでもよい。これらの中間体は、所望の濃淡に応じて、0.01%~15%の総中間体濃度において、いかなる組合せ及び比率で存在してもよい。このような組成物は通常、1又は2以上のアルカリ化剤、例えば、アンモニア、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、モノエタノールアミンをさらに含む。酸化染色用の顕色剤組成物は、酸化剤、例えば、過酸化水素、臭素酸ナトリウム、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムを含む。これらは通常、0.1~30wt%の量で存在する。
【0338】
本発明の直接染料色組成物は、例えば、ニトロフェニレンジアミン(例えば、4-ニトロ-o-フェニレンジアミンなど)、ニトロフェノール(例えば、2-アミノ-4-ニトロフェノールなど)、アミノアントラキノン(例えば、ディスパースレッド11など)の部類からの1又は2以上の直接染料を含んでもよい。これらは通常、所望の濃淡に応じて、0.1wt%~20wt%の量で存在する。
【0339】
一部の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、ヘアカラー用組成物でない。この組成物は、染料化合物及び/又は染料前駆体化合物を0.1wt%未満、好ましくは0.01wt%未満しか含まないことが好ましい。好ましくは、組成物は、染料化合物及び/又は染料前駆体化合物を含まない。顔料や真珠箔剤などの、組成物に色をもたらす化合物が存在してもよいが、組成物は、毛の染色に使用されうるいかなる化合物も含まないのが適切である。
【0340】
第1の態様の方法では、材料を、アルデヒド、スクシンイミジルエステル、及びこれらの混合物から選択される求電子種、さらに、キレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩と接触させる。
【0341】
材料、好ましくは毛は、組成物と接触させるとき、湿っていても乾いていてもよい。
【0342】
組成物は、材料に適用され、材料の表面全域に広げられるのが適切である。材料が毛である好ましい実施形態では、組成物は、シャンプーの要領で毛に擦り込むこともでき、及び/又は櫛で毛に行き渡らせることもできる。
【0343】
本発明の組成物は、材料に着いたままにすることもでき、又は材料から除去することもできる。温水を使用して洗い流すことができるのが適切である。
【0344】
一部の実施形態では、組成物は、材料と接触させ、全域にわたって広げ、次いで直ちに除去することができる。
【0345】
組成物は、好ましくは水を使用して洗い流すことにより、材料から除去することができるのが適切である。
【0346】
一部の実施形態では、組成物は、洗剤組成物で洗浄することにより、材料から洗浄することができる。
【0347】
一部の実施形態では、組成物は、例えばブラッシングによって、材料から機械的に除去することができる。
【0348】
一部の実施形態では、組成物は、材料に着いたままにし、材料が正規のサイクルで洗浄されるまで除去しなくてもよい。
【0349】
材料が毛である一部の実施形態では、組成物は、シャンプーの要領で、毛に適用し、全域にわたって広げ、毛に擦り込み、次いで水で洗い流すことができる。
【0350】
材料が毛である一部の実施形態では、組成物は、コンディショナーの要領で、毛に適用し、(任意選択で櫛ですきながら)毛の全域にわたって広げ、短期間毛に着いたままにし、次いで水で毛から洗い流すことができる。
【0351】
材料が毛である一部の実施形態では、組成物は、スタイリング用製品の要領で、毛と接触させ、毛に着いたままにすることができる。組成物は、毛の全域にスプレーする、毛の全域に擦りつける、毛の全域に櫛で広げる、又は当業者に知られている要領で、別な形で毛に広げることができる。
【0352】
組成物を毛に着いたままにする実施形態では、組成物は、通常の活動の間に組成物の一部がブラシで払い除けられ、又はぬぐい取られることがあるとしても、毛が次に洗浄されるまで、毛に残存するのが適切である。
【0353】
本発明の方法では、組成物は、周囲温度で、材料、好ましくは毛と接触させるのが適切である。一部の実施形態では、組成物は、周囲温度より高い温度で材料と接触させてもよい。
【0354】
一部の実施形態では、組成物を毛と接触させる場合があり、次いで、組成物を伴う毛に、加熱及び/又は細工及び/又は乾燥が施される。すなわち、組成物が適用された後、毛をヘアドライヤーを使用して乾かし、又はまっすぐにすることができる。
【0355】
本発明の第1及び第2の態様の方法は、毛を加熱するステップを含んでもよい。そのような加熱ステップは、一般に使用されている加熱技術、例えば、ブロー乾燥、又はトング、ストレートナー、若しくはフードなどの使用を伴う場合がある。
【0356】
本発明は、染色された材料、好ましくは染色された毛からの色落ちに対処する方法を提供する。色落ちに対処するとは、染色された材料からの色落ちの軽減、及び/又は染色された材料、例えば染色された毛からの色落ちの防止若しくは抑制を含むということである。
【0357】
色落ちを測定することのできる手段はいくつか存在する。例えば、染色後直ちに、次いで、一定期間後若しくは数回の洗浄後に、色強度を測定することができる。本発明に従って処理した材料からの色落ちは、本発明によるアルデヒド及び/又はスクシンイミジルエステルとキレート剤及び/又はアミン塩の使用を除いては同一の方法で染色され、引き続いて処理されている対照サンプルと比較することができる。
【0358】
熟練した専門家は、色調及び強度を目で見て判断することができ、すなわち、色落ちは、肉眼によって評価することができる。しかし、多くの場合では、適切な装置が使用される。そのような装置及びその操作は、当業者に知られており、例えば、クロマメーター又は比色計がある。
【0359】
色差を明確にする標準の方法は、dE(又はΔE若しくはデルタE)測定値を得ることである。この方法では、CIELAB測定値に基づいて色差を算出するための式が使用される。
【0360】
色落ちを明らかにする適切な1つの方法は、特定の波長で光の反射率を測定することである。時間経過、洗浄、又は他の処理後の反射率の差を、対照と比較することができる。例えば、457nmでの光の反射率を測定することができよう(R457)。
【0361】
適切な1つの方法を実施例2に記載している。
【0362】
本発明の方法によって、色落ちが少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、より好ましくは少なくとも30%、例えば少なくとも40%軽減されることが好ましい。
【0363】
一部の実施形態では、本発明の方法によって、色落ちが50%を超えて、好ましくは60%を超えて、より好ましくは70%を超えて、例えば80%を超えて、又は90%を超えて軽減される場合がある。
【0364】
少なくとも10%の軽減とは、本発明の方法に従って材料が処理された場合、アルデヒド及び/又はスクシンイミジルエステルとキレート剤及び/又はアミン塩が含まれていない同等な方法で材料が処理された場合より、色落ちが少なくとも10%少ないということである。例えば、シャンプー組成物の場合では、アルデヒド及び/又はスクシンイミジルエステルとキレート剤及び/又はアミン塩を含むシャンプーで毛を洗浄すると、アルデヒド及び/又はスクシンイミジルエステルとキレート剤及び/又はアミン塩を含有しないことを除き他の点では同一であるシャンプーでの洗浄に比べて、色落ちが10%軽減される。
【0365】
実施例2の方法に従って測定したとき、本発明の方法によって、色落ちが対照に比べて少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%、適切な例では少なくとも30%軽減されるのが適切である。この点に関して、対照では色落ちが100%となることに留意すべきである。すなわち、90%の色落ちが観察される場合、これは、10%の色落ちの軽減に相当する。
【0366】
本発明は、材料を、アルデヒド及び/又はスクシンイミジルエステルとキレート剤及び/又はアミン塩とを含む組成物と1回又は1回より多く接触させることを含みうる。
【0367】
本発明は、定期的に、例えば、毛(又は別の材料)を洗浄する毎に使用される場合がある。別法として、本発明は、より低頻度で周期的に、例えば、毎週又は毎月使用される場合もある。
【0368】
驚いたことに、本発明の方法によって、染色された毛からの色落ちが有意に軽減されうることが見出された。
【0369】
本発明によって、数回の洗浄後の色落ちの軽減を実現することができる。例えば、本発明が着色用組成物に関するものである実施形態では、アルデヒド及び/又はスクシンイミジルエステルとキレート剤及び/又はアミン塩を、乾燥工程におけるある段階で含めると、洗浄堅牢度の向上及び/又は経時的な色あせの軽減を実現することができる。
【0370】
第2の態様の方法に従う毛の染色によって、洗浄堅牢度の向上が実現されることが好ましい。第2の態様の方法に従って染色された毛は、3回洗浄した後の色落ちが、アルデヒド及び/又はスクシンイミジルエステルとキレート剤及び/又はアミン塩を除いている同等の方法によって染色された毛に比べて少なくとも10%、好ましくは少なくとも30%、より好ましくは少なくとも50%少なくなっているのが適切である。
【0371】
本発明の第4の態様によれば、染色された毛からの色落ちに対処するための、アルデヒド、スクシンイミジルエステル、及びこれらの混合物から選択される求電子種、並びにキレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩の使用が提供される。
【0372】
本発明の第5の態様によれば、1又は2以上の組成物を含み、1又は2以上の組成物が、少なくとも1種の染料化合物及び/又は染料前駆体化合物と、アルデヒド、スクシンイミジルエステル、及びこれらの混合物から選択される求電子種と、キレート剤及び/又はアミンとカルボン酸の塩とを合わせて含む、包装されたヘアカラー用製品が提供される。
【0373】
第5の態様の製品の好ましい特色は、第1、第2、第3、及び第4の態様に関して述べたとおりであり、製品は、第2の態様の着色方法における使用に適する。
【0374】
一部の実施形態では、第8の態様の製品は、1又は2以上の染料前駆体化合物を含む第1の組成物と、1又は2以上の酸化剤を含む第2の酸化用組成物とを含む、毛の酸化染色のための製品である場合がある。アルデヒド及び/又はスクシンイミジルエステルとキレート剤及び/又はアミン塩は、1又は2以上の染料前駆体化合物を含む組成物中、及び/又は酸化剤を含む組成物中に含まれる場合がある。しかし、好ましい実施形態では、別個の第3の組成物として提供される。この第3の組成物は、第1及び/又は第2の組成物での処理前、処理中、又は処理後に毛に適用することができる。別法として、毛と接触させる前に、第3の組成物に、第1又は第2の組成物を混合してもよい。
【0375】
ここで、以下の非限定的な実施例に即して、本発明をさらに明確にする。
【実施例1】
【0376】
本発明において使用されるヒドロキシ置換アルデヒド化合物を、以下の方法を使用して調製した。
【0377】
こうした化合物は、対応する1,2-ジオール化合物から、アルファアルコールを選択的に酸化させることにより形成される。三口フラスコに、高温油中の銅触媒を量り入れた。次いで、フラスコに、サイドアーム、受けフラスコ、及び水冷式冷却器を据え付けた。窒素流中及び/又は減圧下で、反応液を撹拌しながら適正な温度に加熱した。
【0378】
必要となるアルコールを、一定の速度で継続的に加えた。反応混合物から、蒸留によって生成物を収集した。減圧又は窒素を調整して、アルデヒドが速やかに蒸留されて、それ以上の酸化の機会が確実に減るようにした。厳密な条件は、製造するアルデヒドに応じて変わる。75%より高い収率が標準的である。
【実施例2】
【0379】
羊毛スワッチを、次のとおりに形成された酸化赤色染料で染色した。
【0380】
【化15】
【0381】
染色されたスワッチを、指定された量の表1に列挙する試験化合物と、酢酸ナトリウム緩衝液でpH5.5に緩衝処理した0.1wt%のSLESとを含む水溶液に40℃で30分間浸した。次いで、スワッチを2分間水洗いし、次いで乾燥させた。標準の反射率測定法を使用して、得られた布の色強度の読みを測定し、(0.1wt%のSLESを含有する)脱イオン水対照と比較した。この場合では、457nmの波長を有する光の反射率の差を測定した。
【0382】
表1にある結果は、ΔR457の絶対値であり、ΔR457は、最初に染色した羊毛スワッチと表で詳述するとおりに処理されているスワッチの、457nmでの反射率の差である。
【0383】
【表1】
【実施例3】
【0384】
0.1wt%のSLESでなく10wt%の市販シャンプー製剤を含む水性組成物に成分を加えたことを除き、実施例2の試験を繰り返した。
【0385】
表2にある結果は、ΔR457の絶対値であり、ΔR457は、最初に染色した羊毛スワッチと表で詳述するとおりに処理されているスワッチの、457nmでの反射率の差である。
【0386】
【表2】