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特許7143293電気的なロック・キーを伴う再使用可能電池インジケータ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】電気的なロック・キーを伴う再使用可能電池インジケータ
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/202 20210101AFI20220920BHJP
   H01M 6/50 20060101ALI20220920BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20220920BHJP
   H01M 10/42 20060101ALI20220920BHJP
   G01R 19/165 20060101ALI20220920BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20220920BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20220920BHJP
   H01M 50/244 20210101ALI20220920BHJP
【FI】
H01M50/202 501C
H01M6/50
H01M50/569
H01M10/42 P
G01R19/165 N
H02J7/00 X
H01M50/284
H01M50/202 301
H01M50/244 Z
【請求項の数】 28
(21)【出願番号】P 2019522224
(86)(22)【出願日】2017-11-01
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-14
(86)【国際出願番号】 US2017059466
(87)【国際公開番号】W WO2018085344
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2020-10-05
(31)【優先権主張番号】15/340,789
(32)【優先日】2016-11-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】315014051
【氏名又は名称】デュラセル、ユーエス、オペレーションズ、インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(72)【発明者】
【氏名】ジョルン、リーマー
(72)【発明者】
【氏名】ロバート、パブリンスキー
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン、ブーリルコフ
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン、ジェイ.スペクト
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ、タルコ
(72)【発明者】
【氏名】セルジオ、コロナド
【審査官】多田 達也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-077480(JP,A)
【文献】特開2003-264009(JP,A)
【文献】特開2014-203584(JP,A)
【文献】特表2017-523745(JP,A)
【文献】特表2017-529658(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0277879(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/569 等
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池セルの特性を表示するための再使用可能電池表示システムであって、前記再使用可能電池表示システムは、
第1の電池端子、第2の電池端子、及び、電池ラベルを有する電池セルと、
電池インジケータと、を備え、
前記電池インジケータは、
電池セルの感知されたアナログ特性をデジタル情報に変換するように構成される電圧センサと、
前記電圧センサに通信可能に接続される通信回路と、
前記通信回路に作用的に結合されるアンテナと、
第1のコネクタと第2のコネクタとを有する接続機構であって、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタが前記電圧センサに電気的に接続され、前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタが前記第1の電池端子及び前記第2の電池端子に取り外し可能に且つ電気的にそれぞれ接続されるようになっており、それにより、前記電圧センサと前記第1の電池端子及び前記第2の電池端子との間に電気的接続部がもたらされる、接続機構と、
を備え、
前記電池インジケータは、電気的なキーを含み、
前記電気的なキーは、分割整合アンテナネットワークを備え
前記電池ラベルは、電気的なロックを備え、
前記電気的なキーは、前記電池インジケータの機能を有効にさせるために、前記電気的なロックと相互作用するものであり、
前記電気的なロックは、カーボンフィルム抵抗器又はコンデンサのうちの1つを備え、前記カーボンフィルム抵抗器又は前記コンデンサは、前記分割整合アンテナネットワークにおけるアンテナを完成及び同調するものであり、
前記第1のコネクタおよび前記第2のコネクタは、それぞれ、前記電池セルの前記第1の電池端子の周囲および前記電池セルの前記第2の電池端子の周囲に嵌合するようなサイズおよび形状の端部ループを備えた可撓性ワイヤを含む、再使用可能電池表示システム。
【請求項2】
前記第2のコネクタは、プラスの電池陽極に電気的に接続され、前記第1のコネクタは、マイナスの電池陰極に電気的に接続される、請求項1に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項3】
前記第1のコネクタは、前記コネクタから離れるように延びるコネクタタブを含み、前記コネクタタブは、前記第1の電池端子との電気的接続部を形成する請求項2に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項4】
前記電池インジケータは、プリント回路基板を備え、前記電圧センサ及び前記通信回路が前記プリント回路基板上に形成され、前記コネクタは、前記プリント回路基板の第1の側に電気的に接続される環状プラットフォームである、請求項3に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項5】
前記第2のコネクタが前記プリント回路基板の第2の側に電気的に接続される、請求項4に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項6】
前記第2のコネクタは、前記コネクタから離れるように延びるリテーナタブを含み、前記リテーナタブは、前記電池セルの缶との電気的接続部を形成するようになっている、請求項5に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項7】
複数のコネクタタブと複数のリテーナタブとを更に備え、前記複数のコネクタタブは前記複数のリテーナタブの径方向外側に配置される、請求項5に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項8】
ハウジングを更に備え、前記電圧センサ及び前記通信回路が前記ハウジング内に装着され、前記ハウジングは、並んで配置される2つの円筒状の電池セルの間に嵌合するように寸法付けられて形成される、請求項1に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項9】
前記ハウジングが三角柱の形状を成す断面を有する、請求項8に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項10】
前記ハウジングが凹状である1つの側面を有する、請求項8に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項11】
前記ハウジングが凹状である2つの側面を有する、請求項8に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項12】
請求項1に記載の再使用可能電池表示システムを備える電子機器であって、前記再使用可能電池表示システムが前記電子機器の電池レセプタクル内に装着される、電子機器。
【請求項13】
前記電気的なキーは、光学センサを備え、前記電気的なロックは、光学的なID反射パターン、テキスト又は記号のうちの1つを備え、前記光学的なID反射パターン、テキスト又は記号は、インジケータの機能を有効にするために前記光学センサに結合される請求項1に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項14】
前記電気的なキーは、容量結合接続部を備え、前記電気的なロックは、容量コネクタを備え、前記容量コネクタは前記容量結合接続部に接触し、前記再使用可能電池インジケータの電子モジュールは、インジケータの機能を提供するために前記容量コネクタの電気特性を測定する請求項1に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項15】
前記分割整合アンテナネットワークは、前記電池セル上の印刷構成要素を含む、請求項1に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項16】
前記印刷構成要素が、カーボンフィルム抵抗器またはコンデンサのうちの1つを含む、請求項15に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項17】
前記分割整合アンテナネットワークは、機能するために前記印刷構成要素の存在を必要とする無線モジュールアンテナを含む、請求項15に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項18】
前記印刷構成要素は、分割コンデンサを含む、請求項17に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項19】
前記分割コンデンサは、前記アンテナ上の第1の導電プレートおよび前記電池セル上の第2の導電プレートを含む、請求項18に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項20】
前記可撓性ワイヤは、前記可撓性ワイヤを取り付け位置に付勢するばね力をもたらす、請求項1に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項21】
前記可撓性ワイヤの少なくとも1つは、前記可撓性ワイヤの少なくとも1つと前記電池端子との間に保持力を与えるための導電性磁石を含む、請求項1に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項22】
前記光学的なID反射パターンは、発光コーティングを含む、請求項13に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項23】
前記発光コーティングは、蛍光性である、請求項22に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項24】
前記光学センサは、LEDフラッシュを生成することができる光発生器を備える、請求項13に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項25】
前記容量結合接続部は、マイクロピアスを有する箔パッドを含むラベル容量性接続部を含む、請求項14に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項26】
前記再使用可能電池インジケータは、変形可能な導電性ポリマーを有する箔パッドを含む、請求項25に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項27】
前記ラベル容量性接続部は、導電ストリップおよびリングのうちの1つを含む、請求項25に記載の再使用可能電池表示システム。
【請求項28】
前記容量結合接続部は、接着金属および導電性インクによって形成される、請求項14に記載の再使用可能電池表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に電池インジケータに関し、より具体的には、電気的なロック・キーを伴う再使用可能電池特性インジケータに関する。
【背景技術】
【0002】
電気化学セル又は電池は、一般に、電気エネルギー源として使用される。電池は、一般に陰極と呼ばれる負電極と、一般に陽極と呼ばれる正電極とを含む。陰極は、酸化され得る電気化学的に活性な陰極材料を含む。陽極は、還元され得る電気化学的に活性な陽極材料を含む。電気化学的に活性な陰極材料は、電気化学的に活性な陽極材料を還元することができる。陰極と陽極との間にはセパレータが配置される。電池構成要素は、一般に金属から形成される缶又はハウジングの内部に配置される。
【0003】
電池が電子機器の電気エネルギー源として使用される場合には、電気的な接触が陰極と陽極との間でなされ、それにより、電子が機器を通じて流れることができるようにする回路が完成し、その結果、電子機器に対する電力を生み出すそれぞれの酸化反応及び還元反応がもたらされる。電解質が陰極、陽極、及び、セパレータと接触している。電解質は、放電中に電池の全体にわたって電荷平衡を維持するために陰極と陽極との間のセパレータを通じて流れるイオンを含む。
【0004】
玩具、リモコン装置、オーディオ機器、懐中電灯、デジタルカメラ及び周辺写真撮影機器、電子ゲーム、歯ブラシ、ラジオ、時計、並びに、他の携帯型電子機器などの電子機器のための携帯型電源の必要性が高まっている。消費者は、これらの電子機器に容易に利用できる電力を有する必要がある。電池はそれらが使用されるにつれて必然的に時間に伴って消耗されるようになるため、消費者は、予備の電池にアクセスできる(及び/又は完全に充電された充電式電池にアクセスできる)必要がある。消費者が必要な数の交換電池に迅速にアクセスできるように消費者が現在使用中の電池の電力状態を知ることは有用である。電池には、ANSI規格ごとに、所定の外形寸法及び制約された内容積を有する、単3形、単4形、単6形、単2形、単1形の電池サイズなどの一般的なサイズがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
現在、幾つかの電池は、電池がほぼ消耗して交換を要する時期を消費者が判断するのを助けるためにオンセル電池充電インジケータを含む。しかしながら、これらの現在のオンセル電池充電インジケータは、使い捨てである(すなわち、単一の電池セルに取り付けられる)とともに、扱いにくい(一般に、インジケータを作動させるために2つの接触ボタンを同時に押さなければならないからである)。更に、これらのオンセル電池インジケータは、インジケータを使用するために電子機器(又はパッケージ)から電池を取り外す必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
幾つかの態様によれば、再使用可能電池インジケータは、電池の感知されたアナログ特性をデジタル情報に変換するように構成される電圧センサと、電圧センサに通信可能に接続される通信回路と、通信回路に作用的に結合されるアンテナと、コネクタとリテーナとを有する接続機構とを含む。コネクタとリテーナとが電圧センサに電気的に接続され、また、コネクタが第1の電池端子に取り外し可能に接続されるようになっており、それにより、コネクタが第1の電池端子に接続されるときに電圧センサと第1の電池端子との間に電気的接続部がもたらされる。リテーナが電圧センサを電池の缶に取り外し可能に固定するようになっており、それにより、電圧センサと電池の缶との間の電気的接続部がもたらされる。接続機構が第1の電池端子及び缶に結合されるときに電圧センサと第1の電池端子との間及び電圧センサと缶との間に電気回路が完成される。接続機構は電気的なロック・キーアセンブリの一部を含む。
【0007】
他の態様によれば、遠隔電池表示システムが電池と再使用可能電池インジケータとを含む。再使用可能電池インジケータは、電池の感知されたアナログ特性をデジタル情報に変換するように構成される電圧センサと、電圧センサに通信可能に接続される通信回路と、通信回路に作用的に結合されるアンテナと、コネクタとリテーナとを有する接続機構とを含む。コネクタとリテーナとが電圧センサに電気的に接続される。コネクタが第1の電池端子に取り外し可能に接続されるようになっており、それにより、第1のコネクタが第1の電池端子に接続されるときに電圧センサと第1の電池端子との間に電気的接続部がもたらされる。リテーナが電圧センサを電池の缶に取り外し可能に固定するようになっており、それにより、電圧センサと電池の缶との間の電気的接続部がもたらされる。コネクタは、電圧センサが電池の特性を感知するように第1の電池端子に電気的に取り付けられる。接続機構は、電気的なロック・キー機構の一部を含む。
【0008】
本開示の教示によれば、再使用可能電池インジケータ又は遠隔電池表示システムの前述の態様のうちの任意の1つ以上は、以下の随意的な形態のうちの任意の1つ以上を更に含んでもよい。
【0009】
幾つかの随意的な形態では、コネクタが電池の負電極に接続され、リテーナが電池の正電極に接続される。
【0010】
他の随意的な形態において、コネクタは、成形バネ、インピーダンスを測定するために別個の電力端子及び感知端子を含むケルビン接続部、分割ワイヤ、板バネ、及び、これらの組合せのうちの1つである。
【0011】
更に他の随意的な形態では、電圧ブースタが電圧センサに電気的に接続される又は組み込まれる。
【0012】
更に他の随意的な形態では、コネクタが少なくとも1つの金属と少なくとも1つの絶縁体とを備える。
【0013】
更に他の随意的な形態において、通信回路は、無線周波数識別回路、ブルートゥース回路、ブルートゥース低エネルギー回路、Wi-Fi回路、Zigbee回路、LORA回路、及び、Z波回路のうちの少なくとも1つを備える。
【0014】
更に他の随意的な形態において、電圧センサは、1.8ボルト未満の開回路電圧を読み取ることができる。
【0015】
更に他の随意的な形態において、電圧センサ及び通信回路は、コネクタとリテーナとの間に挿入されるようになっているプリント回路基板上に形成される。
【0016】
更に他の随意的な形態において、電圧センサ及び通信回路がハウジング内に装着され、ハウジングは、並んで配置される2つの円筒状の電池の間に嵌合するように寸法付けられて形成される。
【0017】
更に他の随意的な形態では、ハウジングが三角柱の形状を成す断面を有する。
【0018】
更に他の随意的な形態では、ハウジングが凹状である1つの側面又は凹状である2つの側面を有する。
【0019】
更に他の随意的な形態では、ハウジングが約102mm~約165mmの容積を有する。
【0020】
更に他の随意的な形態において、電圧センサは、円筒状の電池セルの一端に適合するようにディスク形状を成して配置される。
【0021】
更に他の随意的な形態において、電圧センサは、薄型ディスクBLE、UHF、又は、RFモジュールである。
【0022】
他の随意的な形態では、コンピューティングデバイスが通信回路に通信可能に接続され、コンピューティングデバイスがアンテナを介して通信回路から情報を受信する。
【0023】
更に他の随意的な形態では、コンピューティングデバイスがプロセッサとメモリとを含み、メモリがソフトウェアルーチンを記憶し、該ソフトウェアルーチンにより、プロセッサは、再使用可能電池インジケータからの無線通信信号を検出し、再使用可能電池インジケータを介して電池回路を遠隔制御して電池特性データを決定するとともに、電池特性データをユーザインタフェースに送信する。
【0024】
更に他の随意的な形態において、電池特性データは、電気容量、電圧、インピーダンス、温度、電流、劣化、充電/放電サイクル数、及び、クーロン数のうちの少なくとも1つを含む。
【0025】
更に他の随意的な形態において、ソフトウェアルーチンは、プロセッサにより実行されるときに、プロセッサに、電池タイプ、電池の物理的位置、及び、電池が給電している電気機器のうちの少なくとも1つを決定させる。
【0026】
本明細書は、本発明を形成すると見なされる主題を特に指摘して明確に請求する特許請求の範囲で終わるが、本発明は、添付図面と併せて解釈される以下の説明からより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本開示の教示にしたがって構成される再使用可能電池インジケータの斜視図であり、再使用可能電池インジケータは電池セルに接続される。
図2図1の再使用可能電池インジケータの底面斜視図である。
図3図1の再使用可能電池インジケータ及び電池セルの側断面図である。
図4図1の再使用可能電池インジケータの電子回路概略図である。
図5図1の再使用可能電池インジケータのプリント回路基板の平面図である。
図6】本開示の教示にしたがって構成される再使用可能電池インジケータの第2の実施形態の端面図である。
図7】本開示の教示にしたがって構成される再使用可能電池インジケータの第3の実施形態の端面図である。
図8】2つの電池セルと、電池セルのうちの1つに接続される再使用可能電池インジケータの第4の実施形態とを含む電子機器の電池コンパートメントの下面斜視図である。
図9図1の再使用可能電池インジケータを含む電池表示システムの概略図である。
図10A】再使用可能電池インジケータ及び電池セルの第5の実施形態の上面斜視図である。
図10B】再使用可能電池インジケータ及び電池セルの第5の実施形態の下面斜視図である。
図11A】再使用可能電池インジケータ及び電池セルの第6の実施形態の上面斜視図である。
図11B】再使用可能電池インジケータ及び電池セルの第6の実施形態の下面斜視図である。
図12A】再使用可能電池インジケータ及び電池セルの第7の実施形態の上面斜視図である。
図12B】再使用可能電池インジケータ及び電池セルの第7の実施形態の下面斜視図である。
図13a】再使用可能電池インジケータ及び電池セルの第8の実施形態の上面斜視図である。
図13B】再使用可能電池インジケータ及び電池セルの第8の実施形態の下面斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
電気化学セル又は電池は、一次電池又は二次電池であってもよい。一次電池は、例えば完全に消耗するまで一回だけ放電されてその後に廃棄されるようになっている。一次電池(又は使い捨て電池)は、例えば、David LindenのHandbook of Batteries(第4版、2011)に記載されている。二次電池(又は充電式電池)は、何度も繰り返して再充電されて使用されるようになっている。二次電池は、何度も、例えば50回を超えて、100回を超えて、又は、それ以上にわたって放電及び再充電され得る。二次電池は、例えば、David LindenのHandbook of Batteries(第4版、2011)に記載されている。したがって、電池は、様々な電気化学的結合及び電解質の組合せを含んでもよい。本明細書中で与えられる説明及び例は一般に一次アルカリ電気化学セル又は電池を対象としているが、本発明が水性、非水性、イオン液体、及び、固体システムの一次電池及び二次電池の両方に適用されることが理解されるべきである。したがって、前述のシステムの一次電池及び二次電池はこの出願の範囲内であり、また、本発明は任意の特定の実施形態に限定されない。
【0029】
図1を参照すると、陽極12、陰極14、及び、ハウジング18を含む一次アルカリ電気化学セル又は電池セル10が示される。電池セル10はエンドキャップ24も含む。エンドキャップ24は、電池セル10のマイナス端子としての機能を果たす。エンドキャップ24とは反対側の電池セル10の端部にプラスピップ26が位置される。プラスピップ26は、電池セル10のプラス端子としての機能を果たす。電池セル10の全体にわたって電解液が分散される。電池セル10は、例えば、単3、単4、単6、単2、又は、単1アルカリ電池であってもよい。更に、他の実施形態において、電池セル10は、9V電池、カメラ電池、時計電池、又は、任意の他のタイプの一次電池或いは二次電池であってもよい。
【0030】
ハウジング18は、任意の適したタイプのハウジング基材、例えば冷間圧延鋼又はニッケルメッキ冷間圧延鋼から形成され得る。図1に示される実施形態では、ハウジング18が円筒形状を有してもよい。他の実施形態では、ハウジング18が任意の他の適した非円筒形状を有してもよい。ハウジング18は、例えば、長方形、正方形、又は、角柱形状などの少なくとも2つの平行板を備える形状を有することができる。ハウジング18は、例えば、冷間圧延鋼又はニッケルメッキ鋼などの基材のシートから深絞り加工されてもよい。ハウジング18は、例えば、円筒形状へと絞り加工されてもよい。ハウジング18は側壁を有してもよい。ハウジング18の側壁の内面は、ハウジング18の側壁の内面と陽極12などの電極との間に低い電気接触抵抗をもたらす材料で処理されてもよい。ハウジング18の側壁の内面は、例えばハウジング18の側壁の内面と陽極12との間の接触抵抗を減少させるために、例えばニッケル、コバルトでメッキされてもよく、及び/又は、炭素充填塗料で塗装されてもよい。
【0031】
電池セル10には、再使用可能電池インジケータ40などの通信機構の一実施形態が取り付けられる。再使用可能電池インジケータ40は、ハウジング18の一端に取り付き、図1に示される実施形態では、ハウジング18のマイナス極又はエンドキャップ24の端部に取り付く。再使用可能電池インジケータ40は、プリント回路基板(PCB)42(一実施形態において、PCBは、硬質エポキシ、接着された銅トレースを伴うFR4フェロニック、又は、可撓性ポリエステル、接着された銅トレースを伴うポリアミドであってもよい多層絶縁体/導電構造体である)に組み込まれてもよい集積回路を含み、PCB42は、該PCB42に電気的に接続される第1のコネクタ44と、PCB42に電気的に接続されるリテーナ46との間に挟まれる。第1のコネクタ44及びリテーナ46は、以下で更に説明される電気的なロック・キー機構39の一部を形成する。
【0032】
PCB42は、図1に示されるように、略環状の形状を有してもよく、また、PCB42は、概して第1のコネクタ44及びリテーナ46から離れて、ハウジング18の外面に沿って延びるフレキシブルPCB43内へと延在してもよい。フレキシブルPCB43の一端には、チップアンテナ45、IC、一体型アンテナを有するIC、又は、受動部品などの付加的な電気構成要素が位置されてもよい。フレキシブルPCB43の一端にアンテナ45などの幾つかの電気部品を配置することは、特定の電気構成要素にとってより有利な位置を与え得る。例えば、フレキシブルPCB43の一端にアンテナ45を位置させることは、アンテナを第1のコネクタ44及びリテーナ46の近くに位置させるよりも優れた伝送特性を与え得る。アンテナ45は、銅トレース層の一部としてのフレキシブルPCB43又は硬質PCB42の一体部分として形成されてもよい。
【0033】
第1のコネクタ44は、マイナスの電気的接続部を形成するためにエンドキャップ24に取り外し可能に且つ電気的に接続されてもよく、また、リテーナ46は、プラスの電気的接続部を形成するために、一般に正の電荷を有するハウジング18に取り外し可能に且つ電気的に接続されてもよい。第1のコネクタ44及びリテーナ46は、第1のコネクタ44及びリテーナ46が電池セル10及びPCB42と電気的接続部を形成できるようにするとともに通常のデバイス端子アクセスを妨げない実質的に任意の物理的形態をとり得る。第1のコネクタ44及びリテーナ46は、電気情報などのアナログ情報を電池セルからPCB42に伝える実質的に任意の材料から形成されてもよい。例えば、幾つかの実施形態において、第1のコネクタ44及びリテーナ46は、以下の材料、すなわち、金属、金属合金、冷間圧延鋼、硬質延伸鉄及び非鉄合金、高炭素鋼及び低炭素鋼合金、事後又は事前メッキされた鉄及び非鉄合金、或いは、これらの任意の組合せのうちの1つ以上から形成されてもよい。幾つかの実施形態において、第1のコネクタ44及びリテーナ46のうちの少なくとも一方は、金属及び絶縁体を備えてもよい。幾つかの実施形態において、絶縁体は、コネクタ/リテーナ又は付加的な絶縁体リング(紙、フェノール、又は、ポリマーなど)に塗布される非導電性コーティング(ポリマー層、エポキシ、又は、不動態化剤など)であってもよい。
【0034】
一般に、集積回路は、第1のコネクタ44及びリテーナ46からアンペア又はボルトなどの電気情報を受け、その電気情報は、電力又は充電レベルなどの電池特性情報を計算するために集積回路によって使用され、また、集積回路は、その後、消費者が使用するために、コンピュータ、スマートフォン、又は、携帯情報端末などの受信機に電池特性情報を伝える。このようにして、再使用可能電池インジケータ40は、消費者が電池セルを電子機器から(又はパッケージから)取り外すことなく電池特性情報を取得できるようにする。第1のコネクタ44及びリテーナ46は、電池セルと電子機器との間の電気的接触を妨げることなく電気情報を集積回路に供給する。更に、再使用可能電池インジケータ40は、何度も繰り返して再使用され得るように1つの電池セルから他の電池セルへ移動可能であり、それにより、消費者に対する全体のコストを低減する。
【0035】
図2を参照すると、再使用可能電池インジケータ40がより詳しく示される。第1のコネクタ44は、環状に形成されるとともに、リテーナ46とは反対のPCB42の側に位置され、リテーナ46も環状に形成される。第1のコネクタ44は、エンドキャップ24の隆起した中央部分を取り囲むように寸法付けられて形成される中央開口47を含む。同様に、リテーナ46は、エンドキャップ24の隆起した中央部分を取り囲むように寸法付けられて形成される中央開口49を含む。したがって、第1のコネクタ44、PCB42、及び、リテーナ46は、電池セル10の一端(マイナス端)に嵌合するように寸法付けられるリング形状の(又は環状に形成された)サンドイッチ構造体を形成する。
【0036】
第1のコネクタ44は複数のコネクタタブ51を含む。コネクタタブ51は、第1のコネクタ44から離れてリテーナ46へ向かって延びる。コネクタタブ51は、リテーナ46から径方向内側に(中央開口47の中心へ向かって)離間される。より具体的には、コネクタタブ51は、PCB42によってリテーナ46から離間される。コネクタタブ51は、以下で更に説明されるように、電池セル10のエンドキャップ24と接触するように配置される。更に、コネクタタブ51は、エンドキャップ24との取り外し可能な接続を容易にする圧着端部53を含む。
【0037】
リテーナ46は複数のリテーナタブ55を含む。リテーナタブ55は第1のコネクタ44から離間して延びる。リテーナタブ55は、(中央開口59の中心から離れるように)径方向外側に離間される。より具体的には、リテーナタブ55は、PCB42によって第1のコネクタ44から離間される。リテーナタブ55は、以下で更に説明されるように、電池セル10の缶又はハウジング18と接触するように配置される。更に、リテーナタブ51は、ハウジング18との取り外し可能な接続を容易にする圧着端部57を含む。
【0038】
ここで、図3を参照すると、PCB42はリテーナ46よりも径方向に厚い。結果として、リテーナタブ55は、コネクタタブ51の径方向外側に位置される。リテーナタブ55は、ハウジング18の圧着壁61とエンドキャップ24との間に形成される缶空隙59内へと延びる。電池インジケータ40がエンドキャップ24に押し付けられると、リテーナタブ55の圧着端部57は、該圧着端部57がハウジング18の圧着壁61の端部を通り過ぎるまで径方向内側に押圧され、通り過ぎた時点で、圧着端部57は、径方向外側に広がって、ハウジング18の端部の所定位置でリテーナ46に取り外し可能に係止し、プラスの電気的接続部をもたらす(ハウジングが正電荷を帯びているため)。
【0039】
同様に、コネクタタブ51は缶空隙59内へと延びるが、コネクタタブ51はエンドキャップ24に当て付いて位置される。電池インジケータ40がエンドキャップに押し付けられると、コネクタタブ51が径方向外側に押圧され、それにより、コネクタタブ51とエンドキャップとの間の物理的な接触が維持され、マイナスの電気的接続部がもたらされる(エンドキャップが負電荷を帯びているため)。結果として、PCB42は、コネクタタブ51及びリテーナタブ55を通じて電気情報(例えば、ボルト及びアンペア)を受ける。
【0040】
電気的なロック・キー機構39は、第1のコネクタ44、リテーナ46、圧着壁61、エンドキャップ24、及び、缶空隙59を備える。本質的に、圧着壁61とエンドキャップ24との間の空間によって形成される缶空隙59は、電気的なロックアセンブリ70を形成する。缶空隙59は、電池セル10のプラス端子への接続が一方側(図3の径方向外側)で利用でき且つ電池セル10のマイナス端子への接続が他方側(図3の径方向内側)で利用できるように配置される。他の実施形態では、プラス及びマイナスの接続が逆にされてもよい。
【0041】
電気的なキー80はコネクタタブ51とリテーナタブ55とを備え、また、PCB42は、コネクタタブ51とリテーナタブ55との間に電気的に直列に接続されてもよい。電池インジケータ40が電池セル10の一端に接続されるときに電気的なキー80が電気的なロック70と正しく接触するように形成される場合にのみ電気的な接続を確立することができる。コネクタタブ51及びリテーナタブ55の径方向の間隔がないと、電池インジケータ40は正しい電気的な接続を確立せず、及び、電池インジケータ40は電力を受けず、及び/又は、電池インジケータ40は、集積回路によって使用される電池特性情報を受けない。例えば、コネクタタブ51及びリテーナタブ55は、互いに接触しなくてもよく、すなわち、コネクタタブ51とリテーナタブ55との間に実質的に低い電気インピーダンスが存在する状態を形成してもよい。更に、コネクタタブ51及びリテーナタブ55の互いに対する任意の意図された回転又は動きは、そのような接触又は低い電気インピーダンスを引き起こさなくてもよい。
【0042】
他の実施形態では、リテーナタブ55による接触が電気的なロック回路を完成し且つ電気的なロック回路が完成された場合にのみ集積回路により電池特性解析を継続できる態様で、圧着壁61に電気的なロック回路を形成できる。そのような電気的なロック回路は、前述の電気的なロック・キー機構39を補完する。
【0043】
ここで図4及び図5を参照すると、PCB42上に集積回路48が形成され、この集積回路48は、第1のコネクタ44及びリテーナ46に通信可能に接続される埋め込み電圧センサ50を集積回路48内に含む。埋め込み電圧センサ50は、アンペア及びボルトなどの電池セルのアナログ特性を感知して、その感知されたアナログ特性をデジタル情報に変換する。また、PCB42は通信回路52も含む。アンテナ54が通信回路52に作用的に結合される。通信回路52は、無線周波数識別回路、ブルートゥース(登録商標)回路、ブルートゥース(登録商標)低エネルギー回路、Wi-Fi回路、Zigbee(登録商標)回路、LORA回路、及び、Z波回路のうちの1つ以上を備えてもよい。一実施形態において、無線ブルートゥース低エネルギー電圧センサなどの集積回路は、アナログデジタル変換器、マイクロコントローラ、ブルートゥースラジオ、メモリデバイス、及び、DC/DC電圧変換器を組み込んでもよい。
【0044】
電圧ブースタ56が集積回路48及び埋め込み電圧センサ50に電気的に接続される。埋め込み電圧センサ50及び電圧ブースタ56は、例えば1.8ボルト未満であってもよい電池の開回路電圧を読み取ることができる。幾つかの実施形態において、通信回路52は、薄型ディスクBLEモジュール、UHFモジュール、又は、RFモジュールのうちの1つ以上を備えてもよい。
【0045】
図4及び図5に示される実施形態において、集積回路48、電圧センサ50、及び、通信回路52は全て、第1のコネクタ44及びリテーナ46に接続されるPCB42上に形成される。しかしながら、他の実施形態において、集積回路48、電圧センサ50、及び、通信回路52は、互いに通信可能に且つ作用的に接続される別個の構成要素として形成されてもよい。
【0046】
図6に示される実施形態において、同様の要素には、図1図5で番号付けされる要素よりも正確に100大きい番号が付される。例えば、図1図4では電池セルに10の番号が付され、図6では電池セルに110の番号が付される。別段に述べられなければ、任意の例示された実施形態からの任意の要素は、任意の他の例示された実施形態に組み込まれてもよい。
【0047】
ここで図6を参照すると、第2の実施形態の再使用可能電池インジケータ140が電池セル110に取り付けられる。再使用可能電池インジケータ140は、2つの電池セル110の間に示され、位置されている。図6の実施形態において、再使用可能電池インジケータ140は、1つ以上の電池及び電池レセプタクルによって画定される三角柱空隙領域の全体に至るまで該領域内に嵌合できる単一の凹面のみを有するハウジング198を含む。
【0048】
図7は、再使用可能電池インジケータが嵌まり込むことができる別のハウジング形状領域を示す。この実施形態において、ハウジング298は、2つの円筒状の電池セル210により形成される空隙内に嵌合するように配置され、これらの電池セル210は、並んで配置されるとともに、電池セル210のそれぞれの長手方向軸が互いに平行になるように向けられる。図7に示される実施形態において、ハウジング298は、以下の方程式によって定義される断面形状を有する。
=(D -Π/4xD )/2、ここで
はハウジング298の断面積であり、
は、1つの電池セル210の直径である。
【0049】
先の方程式によって定義される断面形状を有するハウジングは、電池セル間の使用可能空間を最大にする。例えば、先に定義された断面形状を有するハウジングは、(ハウジングの長さが電池セルの長さに等しいと仮定して)所定の電池サイズに関して以下のハウジング容積をもたらす。単4電池の場合には、ハウジングが526mmの容積を有し、単3電池の場合には、ハウジングが1140mmの容積を有する。他の実施形態において、ハウジングは、形状A内に嵌合する或いは単一の電池キャビティの場合にはA/2に等しい形状内に嵌合する断面形状を有してもよい。例えば、ハウジングは、前述の空隙のうちの1つに嵌まる長方形、台形、楕円形、半円形、及び、可変角柱のうちの1つである断面形状を有してもよい。
【0050】
ここで図8を参照すると、更なる他の別の実施形態の再使用可能電池インジケータ340が示される。図8の実施形態において、再使用可能電池インジケータは、ハウジング398、集積回路、電圧センサ、及び、ハウジング398内に装着されている通信回路を含む。図8の実施形態において、ハウジング398は、長手方向に並んで配置される2つの円筒状の電池セル310間に嵌合するように寸法付けられて形成される。図8に示される実施形態では、ハウジング398が三角柱の形状を成す断面を有する。より具体的には、ハウジング398は、凹状の第1の側面397と凹状の第2の側面399とを有する。図8の実施形態において、再使用可能電池インジケータ340は、電池セル310間及び電子機器400の電池レセプタクル395内に装着される。
【0051】
ここで、図9を参照すると、コンピューティングデバイス800が再使用可能電池インジケータ740内の通信回路に通信可能に接続される。コンピューティングデバイスは、再使用可能電池インジケータ740内のアンテナによって送信される無線信号を介して通信回路から情報を受信する。例えば、無線信号は、WiFi信号、ブルートゥース(登録商標)信号、RFID信号、又は、任意の他の無線信号のうちの1つ以上であってもよい。他の実施形態において、コンピューティングデバイス800及び再使用可能電池インジケータ740は、有線接続によって通信可能に接続されてもよい。
【0052】
コンピューティングデバイス800は、プロセッサ802及びメモリ804を含む。メモリ804は、プロセッサ802によって実行されるときに、プロセッサ802に再使用可能電池インジケータ740からの無線通信信号を検出させるプロセッサ実行可能命令を記憶してもよい。幾つかの実施形態において、メモリ804は、製品としてプロセッサ実行可能命令が組み込まれた非一時的コンピュータ可読媒体を備えてもよい。また、プロセッサ実行可能命令により、プロセッサ802は、再使用可能電池インジケータ740を介して電池回路を遠隔制御するために無線信号を再使用可能電池インジケータ740に送り返してもよい。このようにして、プロセッサ802により、再使用可能電池インジケータ740は、電池特性データを決定するとともに、電池特性データをコンピューティングデバイス800上のディスプレイ806などのユーザインタフェースに送信してもよい。
【0053】
幾つかの実施形態において、電池特性データは、電気容量、電圧、インピーダンス、温度、電流、劣化、充電/放電サイクル数、及び、クーロン数のうちの少なくとも1つを含んでもよい。
【0054】
他の実施形態において、プロセッサ実行可能命令は、プロセッサ802によって実行されると、プロセッサ802に、再使用可能電池インジケータ740と通信することによって、電池タイプ、電池の物理的位置、及び、電池が給電している電気機器のうちの少なくとも1つを決定させる。
【0055】
ここで図10A及び図10Bを参照すると、更に他の実施形態の再使用可能電池インジケータ540が示される。再使用可能電池インジケータ540は電池セル510に取り付けられる。再使用可能電池インジケータ540は、PCB542、第1のコネクタ544、及び、第2のコネクタ546を含む。図10A及び図10Bの電池セル510は単3形電池として示されているが、この図は、再使用可能電池インジケータ540を図示の電池セル510に限定しようとするものではない。むしろ、再使用可能電池インジケータ540は、実質的に任意の電池セル、特に本明細書中の他の箇所に列挙される電池セルサイズに適合するように寸法付けられて形成されてもよい。
【0056】
図10A及び図10Bに示される実施形態では、第1のコネクタ544及び第2のコネクタ546が可撓性ワイヤを備える。可撓性ワイヤは、プラス電池端子及びマイナス電池端子を捕捉して電圧及びアンペアなどの電気的特性をPCB542上に形成される集積回路に伝えるバネワイヤとして(硬質延伸鉄及び非鉄バネ合金から)形成されてもよい。一実施形態において、バネワイヤは、導電性を高めて接触抵抗を低減するとともに耐食性をもたらすために事前ニッケルメッキ又は事後ニッケルメッキを伴うASTM A228ピアノ線から形成されてもよい。
【0057】
図10A及び図10Bに示される実施形態において、可撓性ワイヤは、PCB542上のプラス端子に接続される第1の端部と、同様にPCB542上のプラス端子に接続される第2の端部とを含む。他の実施形態はシングルエンドワイヤを含んでもよい。可撓性ワイヤは、電池セル510の長手方向軸と略平行に向けられる。可撓性ワイヤは、電池セル510の長手方向軸に対して略垂直な平面内にある端部ループ576,588を形成する。端部ループ576は、電池セル510のプラス端子の周囲に嵌合するように寸法付けられて形成され、また、端部ループ588は、マイナス端子の周囲に嵌合するように寸法付けられて形成される。結果として、可撓性ワイヤは、プラス電池端子からPCB542上のプラス端子へと至る及びマイナス電池端子からPCB542上のマイナス端子へと至るプラス電気経路を形成する。更に、可撓性ワイヤは、図10Bに示されるように可撓性ワイヤを使用者が一時的に変形させて再使用可能電池インジケータ540を必要に応じて電池セル510から取り外すことができるようにしつつ、可撓性ワイヤを図10Aに示される取り付け位置へと付勢するバネ力をもたらすように形成されてもよい。
【0058】
幾つかの実施形態では、第1の可撓性ワイヤと電池端子との間に更なる保持力を与えるために、可撓性ワイヤのうちの1つ以上が導電性磁石を含んでもよく、或いは、可撓性ワイヤのうちの1つ以上が導電磁性材料から形成されてもよい。
【0059】
他の実施形態において、可撓性ワイヤのうちの1つ以上は、インピーダンスを測定するために、別個の電源端子及び検知端子を含むケルビン接続部として形成されてもよい。更に、別の実施形態において、可撓性ワイヤは、単一の連続ワイヤとして形成される必要はなく、複数のワイヤ片、例えば端部ループにおいて僅かな距離だけ離間される2つのワイヤ片として形成されてもよい。
【0060】
図10A及び図10Bの実施形態では、電子的なロック・キー機構539が、無線モジュールアンテナ501の一部として分割整合アンテナネットワークを含む。電池ラベル上に印刷された電子部品として形成される第1の電子ロックが、無線モジュールアンテナ501を調整又は離調するカーボンフィルム抵抗器又はコンデンサ503を含む。言い換えると、無線モジュールアンテナ501は、アンテナ回路の完成及び同調のためにコンデンサ503(したがって電池510)の存在を必要とする。無線モジュールアンテナ501の下面の導電プレート505と(セル缶に面する)電池ラベルフィルムの裏面の導電プレート507とを用いて分割コンデンサが形成されてもよく、この場合、PVC電池ラベルが2つのコンデンサプレート間の絶縁体として作用する。分割コンデンサが電子モジュールイネーブル回路の一部である受動部品として使用されてもよい。
【0061】
ここで図11A及び図11Bを参照すると、更に他の実施形態の再使用可能電池インジケータ640が示される。図11A及び図11Bの実施形態では、電子的なロック・キーアセンブリ639が、電子モジュール上のホール効果センサ・回路605と、電池610ラベル上に印刷された磁気ストリップ607、アレイ、又は、記号とによって形成される。電池への電子モジュールの設置は、結合磁気センサシステムをもたらす。電子モジュールの(電池に対する)回転又は並進は、ホール効果センサで発生される磁場パルスをもたらす。電子モジュールにおける信号調整回路は、電子モジュールラジオへのイネーブルパルスを生成し、それにより、機能を有効にする。
【0062】
ここで図12A及び図12Bを参照すると、更に他の実施形態の再使用可能電池インジケータ740が示される。再使用可能電池インジケータ740は、電子的なロック・キーアセンブリ739を含む。電子的なロック・キーアセンブリ739は、電池710のラベル上の光学的なID反射パターン707、テキスト又は記号などのロックと、電子モジュール上の光送信機/センサ705とを含む。光学的なID反射パターン707上への電子モジュールの設置は結合システムをもたらす。電子モジュールの(電池に対する)存在、回転又は並進は、ラベルパターンの反射変化を感知することに対して変化した光信号をもたらす。ラベル上の発光(例えば、蛍光)コーティングの使用は、電子モジュール機能を有効にするために応答センサをもたらし得る。他の実施形態において、電子モジュールにおける光発生器/センサは、初期電源投入中にLEDフラッシュにより蛍光コーティングをアクティブにすることができるとともに、電子モジュール動作を起動させる残留光子活性を感知することができる。或いは、特定のパターンに関連する渦電流を感知するために磁界発生器と併せて印刷された炭素/鉄マトリックスパターンを使用すると、電子モジュールの機能を有効にすることができる。電池表面上の湾曲した反射要素と併せて設定された反射角度で反射型光アイソレータを随意的に使用しても、電子モジュールの機能を有効にすることができる。幾つかの実施形態では、フレネルレンズ(フリップ/フロップ)又はルーバーマスクが、反射光(可視光、UV光、IR光)を受信機ベクトルに適合される特定のベクトルに対して分離させることができる。
【0063】
ここで図13A及び図13Bを参照すると、更に他の実施形態の再使用可能電池インジケータ840が示される。再使用可能電池インジケータ840は、電子的なロック・キーアセンブリ839を含む。電子的なロック・キーアセンブリ839は、ラベルマイクロピアスを有する箔パッドであってもよいラベル容量コネクタ807を有する容量結合接続部を含み、また、電子モジュールは、変形可能な導電性ポリマーを伴うコンパニオン箔パッド805を有する。箔パッド805がラベル容量コネクタ807と接触すると、電子機能が有効にされる。図13A及び図13Bの実施形態において、ラベル容量コネクタ807は、電子モジュールが電池810上に設置されるときに電気的結合をもたらす製品ラベル上の導電ストリップ又はリングの形態を成す。導電ラベルストリップは、電池ラベルに貼り付けられる箔である又は導電性インク(例えば、カーボン/グラファイト又は金属充填インク)で電池ラベル上に直接に印刷される接着金属によって形成されてもよい。導電ラベルストリップは、導電性インクの金属合金特性又は金属充填によってもたらされる抵抗特性、容量特性、又は、誘導特性を与える。電子モジュール測定回路又は応答回路は、許可されたストリップのみが回路を完成させる通信又は機能を与えるために導電ストリップの電気的特性に合わせて調整されてもよい。
【0064】
他の更なるもう一つの実施形態では、電波を特定の方向に分離してその特定の方向から受信するように調整される指向性受信アンテナをもたらすために反射開口が使用されてもよい。更に他の実施形態において、ユーザは、電池ラベルを走査して電子モジュール機能を有効にするソフトウェアアプリケーションを用いて電子モジュールの起動を許可することが求められてもよい。
【0065】
本明細書に開示される寸法及び値は、列挙された正確な数値に厳密に限定されると理解されるべきではない。代わりに、別段に特定されなければ、そのような各寸法は、列挙された値とその値を囲む機能的に等価な範囲との両方を意味するように意図される。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味するように意図される。
【0066】
任意の相互参照又は関連する特許又は出願、及び、この出願が優先権又はその利益を主張する任意の特許出願又は特許を含む本明細書中で引用される全ての文書は、明示的に排除され又は別段に制限されなければ、その全体が参照により本明細書中に組み入れられる。いかなる文書の引用も、それが本明細書中に開示又は請求された任意の発明に対する先行技術であること或いはそれが単独で又は任意の他の1つ以上の引用文献との組合せで任意のそのような発明を教示、示唆、又は、開示することの承認ではない。更に、この文書中の用語の任意の意味又は定義が参照により組み入れられる文書中の同じ用語の任意の意味又は定義と矛盾する限りでは、この文書中のその用語に割り当てられた意味又は定義が支配するものとする。
【0067】
本発明の特定の実施形態を図示して説明してきたが、当業者であれば分かるように、本発明の思想及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を行なうことができる。したがって、この発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で網羅することを意図している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B