(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】ゲームアプリケーション起動システムと方法
(51)【国際特許分類】
A63F 13/48 20140101AFI20220920BHJP
A63F 13/533 20140101ALI20220920BHJP
A63F 13/49 20140101ALI20220920BHJP
【FI】
A63F13/48
A63F13/533
A63F13/49
(21)【出願番号】P 2019543042
(86)(22)【出願日】2018-01-25
(86)【国際出願番号】 GB2018050212
(87)【国際公開番号】W WO2018150155
(87)【国際公開日】2018-08-23
【審査請求日】2020-10-29
(32)【優先日】2017-02-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】310021766
【氏名又は名称】株式会社ソニー・インタラクティブエンタテインメント
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン、サイモン
【審査官】宮本 昭彦
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/111985(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0293365(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0256784(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00 - 13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲームアプリケーションを起動する方法であって、
ソフトウェア命令またはハードウェアが、オペレーティングシステムまたはヘルパーアプリケーションにゲームアプリケーション起動オブジェクトを提供するステップと、
ソフトウェア命令またはハードウェアが、前記ゲームアプリケーション起動オブジェクトに関連して前記ゲームアプリケーションに対する複数の動作モードを指定するデータを提供するステップと、
ユーザが前記ゲームアプリケーション起動オブジェクトと所定の相互作用を実行するとき、ソフトウェア命令またはハードウェアが、前記複数の動作モードの少なくともサブセットが前記ユーザに提示されるユーザインターフェースを提供するステップと、
オペレーションシステムまたはヘルパーアプリケーションが、選択された動作モードを示すユーザ選択を受け取るステップと、
オペレーションシステムまたはヘルパーアプリケーションが、前記選択された動作モードに依存するプレイ可能なゲーム状態に前記ゲームアプリケーションを起動するステップとを含
み、
前記ユーザインターフェースは、
i.前記オペレーティングシステム;および
ii.前記ゲームアプリケーション以外のヘルパーアプリケーション
からなるリストから選択された1つによって提供され、
当該方法は、前記ゲームアプリケーションを起動するステップの後に、前記選択された動作モードを所定のフォーマットのデータとして前記ゲームアプリケーションに提供するステップをさらに含む方法。
【請求項2】
前記ゲームアプリケーション起動オブジェクトは、前記オペレーティングシステムの前記ユーザインターフェースによって表示可能なグラフィカルオブジェクトに関連付けられたゲームの実行可能ファイルの場所を指定するショートカットである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ゲームアプリケーションを起動するステップは、
デフォルトで前記ユーザに提示される前記ゲームアプリケーションのメニューステージをバイパスするステップと、
前記選択された動作モードに固有のゲームアセットをロードするステップとを含む、請求項
1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記ゲームアプリケーションを起動するステップは、
ユーザ選択に応答する前記ゲームアプリケーションのメニューステージの少なくとも一部分を前記メニューステージの通常の使用中にロードするステップと、
前記選択された動作モードに応じて、シミュレートされたユーザ選択を前記メニューステージの前記一部分に提供するステップと、
前記選択された動作モードに固有のゲームアセットをロードするステップとを含む、請求項
1または2に記載の方法。
【請求項5】
前記ゲームアプリケーションは、2つ以上の動作モードに共通する1つ以上の共通コンポーネントを含み、当該方法は、
ユーザが前記ゲームアプリケーション起動オブジェクトと所定の相互作用を実行する前に、前記ユーザが前記ゲームアプリケーション起動オブジェクトと相互作用するかどうかを検出するステップと、
前記選択された動作モードを示すユーザ選択を受け取る前に、前記ゲームアプリケーションの前記1つ以上の共通コンポーネントのロードを開始するステップとを含む、請求項
1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記動作モードは、
i.シングルプレイヤゲームの開始;
ii.シングルプレイヤゲームの継続;および
iii.オンラインゲームの開始
からなるリストから選択された1つまたは複数を含む、請求項
1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
前記動作モードは、
i.元の形式で前記ゲームアプリケーションをプレイすること;および
i.修正された形式で前記ゲームアプリケーションをプレイすること
からなるリストから選択された1つまたは複数を含む、請求項
1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
当該方法は、
追加のゲームアプリケーションデータをインストールするステップと、
前記ゲームアプリケーション起動オブジェクトとの関連付けのために、前記ゲームアプリケーションの1つ以上の追加の動作モードを指定する追加データを提供するステップとをさらに含む、請求項
1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
コンピュータシステムに請求項
1から8のいずれかに記載の方法を実行させるように適合されたコンピュータプログラム。
【請求項10】
ゲームアプリケーション起動システムであって、
オペレーティングシステムまたはヘルパーアプリケーションによって使用されるゲームアプリケーション起動オブジェクトを格納するように適合されたメモリと、
前記ゲームアプリケーション起動オブジェクトに関連してゲームアプリケーションに対する複数の動作モードを指定するデータを格納するように適合されたメモリと、
ユーザが前記ゲームアプリケーション起動オブジェクトと所定の相互作用を実行するとき、前記複数の動作モードの少なくともサブセットが前記ユーザに提示されるユーザインターフェースを提供するように適合され、選択された動作モードを示すユーザ選択を受け取るように適合されたユーザインターフェースプロセッサと、
前記選択された動作モードに依存するプレイ可能なゲーム状態に前記ゲームアプリケーションを起動するように適合されたゲームアプリケーション起動プロセッサと、を含
み、
前記ユーザインターフェースは、
i.前記オペレーティングシステム;および
ii.前記ゲームアプリケーション以外のヘルパーアプリケーション
からなるリストから選択された1つによって提供され、
前記ゲームアプリケーション起動プロセッサは、
前記選択された動作モードを所定のフォーマットのデータとして前記ゲームアプリケーションに提供する、ゲームアプリケーション起動システム。
【請求項11】
前記ゲームアプリケーションは、2つ以上の動作モードに共通する1つ以上の共通コンポーネントを含み、
前記ユーザインターフェースプロセッサは、前記ユーザが前記ゲームアプリケーション起動オブジェクトと相互作用するどうかを検出するように適合され、
前記ゲームアプリケーション起動プロセッサは、前記ユーザインターフェースプロセッサが前記選択された動作モードを示すユーザ選択を受け取る前に、前記ゲームアプリケーションの前記1つ以上の共通コンポーネントのロードを開始するように適合される、請求項
10のゲームアプリケーション起動システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームアプリケーションを起動するシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近では、ビデオゲームなどのアプリケーションは、より豊かで複雑なコンテンツを提供するためにますます大きくなっている。しかしながら、その結果として、ゲームのロードに時間がかかり、ユーザはゲームをプレイすることを決定してから実際にプレイを開始するまでの間の時間にフラストレーションを感じることがある。
【0003】
本発明は、この問題を軽減または緩和しようとするものである。
【発明の概要】
【0004】
第1の態様では、ゲームアプリケーションを起動する方法が請求項1に従って提供される。
【0005】
別の態様では、ゲームアプリケーション起動システムが請求項13に従って提供される。
【0006】
本発明のさらなるそれぞれの態様および特徴は、添付の特許請求の範囲に定義されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
次に、本発明の実施形態を、添付図面を参照して例として説明する。
【
図1】本発明の実施形態によるゲームアプリケーション起動システムの概略図である。
【
図2】本発明の実施形態によるゲームアプリケーションを起動する方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
ゲームアプリケーションを起動する方法およびシステムが開示されている。以下の説明では、本発明の実施形態の完全な理解を提供するために、いくつかの特定の詳細が提示されている。しかし、これらの特定の詳細を使用して本発明を実施する必要がないことは、当業者には明らかであろう。逆に、当業者に知られている特定の詳細は、明確にするために必要に応じて省略されている。
【0009】
現代のビデオゲームは非常に複雑になることがあり、ユーザに多くのプレイオプションを提供する。オプションの一般的な例には、シングルプレイヤモードまたはマルチプレイヤモードを選択する機能、および/または元のゲームもしくはいわゆる「DLC」またはダウンロード可能コンテンツを再生する機能が含まれる。DLCは、それ自身はメインゲームに統合され、ゲーム内の別個の領域またはチャプタとして、または著しく異なるキャラクタおよび環境を持つコンパニオンゲームとし振る舞うものであってもよい。DLCは、ゲームの開発者が提供するコンテンツ、または第三者が作成したゲームのコンテンツまたはそれに対する変更(いわゆる「MOD」)の形式をとってもよい。
【0010】
同様に、ユーザは難易度、キャラクタの選択などの多数のゲーム内オプションを探索したり、ゲームの特定の部分を再訪して、独自のゲーム内アクションを変更することにより、ゲームのストーリの異なる分岐を探索することを望んでもよい。
【0011】
これらすべてのオプションの結果として、ほとんどのゲームはスタートメニューをロードし、上記のような選択肢を提供することにより、ユーザがゲームをプレイしたい方法を選択できるようにする。
【0012】
ユーザに高品質の体験を提供するために、このメニュー自体はしばしばゲーム内エンジンを使用して、提供されるオプションを通してナビゲートするための背景またはメカニズムとしてゲームのビネットを提供するため、ビネットアセットのロードが必要になる。これは必須の機能ではないけれども、よくある機能である。いずれにしても、(ゲームエンジンおよびメニュー固有のアセットを用いてまたは用いることなく)メニューをロードする必要があり、有限の時間がかかる。さらに、ユーザは自分の選択を行うためにメニューを通してナビゲートしなければならない。
【0013】
このプロセスを促進するために、難易度や主人公の外観など、多くの設定/構成をデフォルトで設定することができる。また、最も一般的なユーザの選択のいくつかは、メニュー構造で優先順位を付けることができる。たとえば、ゲームを初めてプレイするときは、「新しいゲームを開始」、「チュートリアル」、「オプション」などのメニューオプションを目立たせてもよい。
【0014】
ゲームのそれ以降の使用の際、メニュー構造が変更され、(「開始」ではなく)「続行」が表示されてもよい。さらに、チュートリアルをメニューリスト内で降格させたり、サブリストに追加してもよい(ユーザがゲーム内のキーポイントに到達した後、またはプレイのある期間の経過後、ゲームの能力が引き継がれる可能性がある)。
【0015】
それでも、特にユーザがゲームをどのように使用したいかを知っている場合(たとえば、単に冒険を続けたい、または特定のオンラインマルチプレイヤゲームゲームをプレイしたい場合)、上記のメニューは、ゲームをプレイする際の不必要なステップや好ましくないステップとみなされることが多い。
【0016】
したがって、
図2を参照して、本発明の実施形態においてゲームアプリケーションを起動する方法は、以下のステップを含む。
【0017】
第1ステップs210において、オペレーティングシステム(および/または複数のゲームをキュレーションし、編成し、さもなければサービスするための使用されるヘルパーアプリケーションであって、したがってゲーム自体の一部ではないもの)にゲームアプリケーション起動オブジェクトを提供する。通常、このオブジェクトは実際には、オペレーティングシステムまたはヘルパーアプリのグラフィカルユーザインターフェースによって表示可能なグラフィカルオブジェクトに関連付けられたゲームの実行可能ファイルの場所を指定するショートカットである。このオブジェクトは、GUI内で、アイコン、選択可能なタイルなどの外観を取ってもよい。このオブジェクトには、たとえば、実行可能ファイルを昇格された特権モードで実行するかどうか、ウィンドウではなくフルスクリーンで実行するように指定するなど、OSにとって役立つ従来のメタデータ(たとえば引数データ)も含まれる。
【0018】
次に、第2ステップs220は、ゲームアプリケーション起動オブジェクトに関連してゲームアプリケーションに対する複数の動作モードを指定するデータを提供することを含む。このデータは、ゲームが最初にインストールされたとき、またはゲームが更新されたとき、またはDLCまたは他のMODが追加されたときに等しく提供される。
【0019】
オプションとして、複数の動作モードを指定するデータは、複数のゲームアプリケーションで使用されるそのようなモードを記述するための共通または標準化されたフォーマットを使用してもよい。このオプションは、OSまたはヘルパーアプリがゲームの起動を管理し、共通のゲームモードの共通の仕様を解析できるという利点がある場合に役立つ。したがって、そのデータは、たとえば、モードの所定のリストに対して包含/除外の選択のバイナリシーケンスの形式を取り、オプションとしてデフォルト記述子の代わりにこれらのモードに対して使用する記述テキスト項目のリストの形式を取る。
【0020】
代替的または追加的に、複数のモードを指定するデータは、そのようなモードを記述するための独自のフォーマットを使用してもよく、これは任意の適切な方法で伝達されてもよい。
【0021】
両方のオプションが使用されている場合、各オプションに従って複数のモードを指定するデータは互いに補完してもよいため、共通の動作モードでは共通のフォーマットが使用されるが、特定のゲームに固有の(あるいは単にOSまたはヘルパーアプリでサポートされていない)動作モードでは、ゲームの実行可能ファイルで解析できる独自のフォーマットを使用する。明らかに標準化されたフォーマットは、OSまたはヘルパーアプリが既知の方法で特定のゲームにそのような独自のデータを渡すことを可能にするラッパーをオプションとして含んでもよく、および/または共通のフォーマットの範囲内でユーザ定義可能なモードフィールドまたは拡張を提供することにより、独自のゲームモードを容易にしてもよい。
【0022】
さらに、上記のように、いずれの場合でも、複数の動作モードを指定するデータは、ユーザに提示できるサポートされた各動作モードに対する記述事項(テキストおよび/またはグラフィック要素)を含んでもよい。さもなければ、デフォルトの説明を使用してもよい。
【0023】
したがって、第3ステップs230は、ユーザがゲームアプリケーション起動オブジェクトと所定の相互作用を実行するとき、複数の動作モードの少なくともサブセットがユーザに提示されるユーザインターフェースを提供することを含む。
【0024】
したがって、PlayStation 4(登録商標)およびDual Shock 4 controller(登録商標)を非限定的な例として使用すると、たとえばボーダーを用いるか、タイルを展開することによって、強調表示された現在のゲームとともに、ユーザは画面上にタイルとして表示される複数のゲームをスクロールしてもよい。
【0025】
ユーザが第1コントロール(たとえば、コントローラーの「X」ボタン)を押すなら、オプションであるが、ゲームが従来どおりに起動し、その後ゲーム内メニューをユーザに提示してもよい。
【0026】
しかしながら、第4ステップs240において、システムは、ユーザがゲームをユーザ選択モードに直接起動したいことを示すユーザ選択(例えば、三角形ボタンの押下など)を受け取る。OSまたはヘルパーアプリは、説明事項を使用して、利用可能な操作モードの一部またはすべてをユーザに表示し(後述)、(たとえば、表示された動作モードの一つを強調表示し選択することによって)選択された動作モードを示す選択を受け取る。ゲームアイコンを右クリックして、コンテキストメニューに提示される動作モードを表示することにより、マウス駆動インターフェイスの同様の機能を提供してもよい。
【0027】
ユーザの選択は、利用可能なゲームをスクロールして現在のゲームを強調表示する行為を単に構成するだけであってもよいことを理解すべきであり、グラフィカルな強調表示効果(タイルの展開など)はまた、オプションとして正常に開始するというデフォルトの選択を用いて、表示された動作モードをユーザに提供する。同様に、マウス駆動のインターフェイスでは、動作モードはマウスオーバー機能として、またはアイコンを1回クリックした後(通常のゲームの起動には2回クリックが必要)に提供されてもよい。
【0028】
特に、OSまたはヘルパーアプリによってゲームが起動される前に、ユーザはゲームモードを選択する。
【0029】
それに応じて、第5ステップs250は、選択された動作モードに依存するプレイ可能なゲーム状態にゲームアプリケーションを起動することを含む。これは、OSまたはヘルパーアプリがユーザの選択に対応する動作モードを指定するデータを取得し、これをたとえばアプリケーション呼び出しの引数などの適切な手段を使用してゲーム実行可能ファイルに渡すか、ゲーム実行可能ファイルが予期する所定の場所に構成ファイルを配置または変更することによって実行される(この場所は、たとえばゲームのインストール中に明示的に指定することも、実行可能ファイル自体と同じディレクトリに置くこともできる)。
【0030】
したがって、いずれにしても、ゲーム実行可能ファイルには、まず従来のメニューに進むのではなく、目的の動作モードを選択し、(オプションとして、たとえばユーザが自分自身を準備できるように、一時停止して)プレイ可能なゲーム状態に進むために必要な情報が提供される。
【0031】
この方法でのゲームアプリケーションのプレイ可能なゲーム状態への起動は、任意の適切な方法で実装されてもよい。したがって、本発明の一実施形態では、ゲームアプリケーションは、そうでなければデフォルトでユーザに提示されるメニューステージを完全にバイパスし、選択された動作モードに固有のゲームアセットおよび設定をロードすることに進む。
【0032】
あるいは、ゲームの記述方法に応じて、本発明の一実施形態では、ゲームアプリケーションを起動するステップは、メニューステージの通常の使用中にユーザ選択に応答するゲームアプリケーションのメニューステージの少なくともその部分をロードする(したがって、たとえば、ゲームエンジンを使用してゲームビネットをロードすることを抑制する)ステップと、選択された動作モードに固有のゲームアセットをロードする前に、選択された動作モードに応じて、シミュレートされたユーザ選択をメニューステージのその部分に提供するステップとを含む。ここでもゲームの記述方法に応じて、シミュレートされたユーザ選択は、メニュー構造を仮想的にナビゲートするためのキーストロークシーケンスの形式をとるか、またはそのような選択プロセスの有効な結果(たとえば、オプション#21が32の可能性の中から選択されたことを示すなど)を単にメニューステージの関連部分に渡してもよい。次いで、既存のメニューシステムは、従来の方法で関連モードにおけるゲームの残りを起動してもよい。
【0033】
このアプローチは、本発明を既存のゲームに後付けする場合、または、起動前にゲームモードを選択する機能と、ユーザがこの方法でそうすることを好むときに従来通りにメニューを介してゲームモードを選択する機能との両方を支援するために、ゲーム内にメニューの実装をシミュレートすることがより簡単である場合に、役立つ。
【0034】
いずれにせよ、結果として、さらなるユーザの相互作用を要することなく、ゲームは、関連したプレイ可能なゲーム状態に直接起動する。
【0035】
起動中の時間をさらに節約するために、ゲームアプリケーションは典型的に、2つ以上の動作モードに共通する1つ以上の共通コンポーネントを含むことが理解されよう。例としては、ゲームエンジン自体と、おそらくプレイヤ自身のキャラクタに関連するアセットがある。したがって、オプションとして、本発明の実施形態では、オペレーティングシステムまたはヘルパーアプリは、(例えば、ここで前述した方法で)ユーザがゲームアプリケーション起動オブジェクトと相互作用していることを検出し、そうである場合、ユーザが特定のモードでゲームを起動することを選択する前に、ゲームアプリケーションの1つ以上の共通コンポーネントのロードを開始する。
【0036】
明らかに、ユーザがゲームを起動することを決定しない場合、ロードされたデータはメモリから破棄することができる(たとえば、RAMから破棄され、ハードドライブなどからはアンインストールされない)。
【0037】
同様に、ゲームアプリケーションは、1つ以上の動作モードに固有の1つ以上の特定のコンポーネントを含む可能性がある。例には、シングルプレイヤモードまたはマルチプレイヤモードでのみ提供されるマップとテクスチャが含まれる。したがって、オプションとして、本発明の実施形態では、オペレーティングシステムまたはヘルパーアプリは、ユーザインターフェースを使用して特定のゲームモードを強調表示するような方法で、ユーザがいつゲームアプリケーション起動オブジェクトと相互作用しているかを検出し、そうであれば、ユーザがゲームの起動を選択する前に、強調表示された特定のゲームモードに対応するゲームアプリケーションの1つ以上の特定のコンポーネントのロードを開始する。
【0038】
これにより、ゲームの関連するコンポーネントをロードする際に、ユーザが関連するゲームモードを強調表示してから実際にそれを選択するまでの時間に等しい付加的な先行スタートをゲーム起動に与えることができる。
【0039】
同様に、ゲームアプリケーションは、ユーザによるゲームプレイの最新状態の間に使用されるコンポーネント(たとえば、ユーザが最後にプレイしたゲーム内の特定のレベルまたは領域に固有の共通アセットおよび/またはアセット)を含む。このようなコンポーネントを示すデータは、典型的には、ユーザの最新のゲーム保存データファイルに含まれる。したがって、本発明の一実施形態では、オプションとして、オペレーティングシステムまたはヘルパーアプリは、ユーザがいつゲームアプリケーション起動オブジェクトと相互作用しているかを検出し、そうであれば、ユーザによるゲームプレイの最新状態を示すそのようなデータファイルにアクセスして、ゲームの起動に必要な関連アセットを決定する。オペレーティングシステムまたはヘルパーアプリは、指示された最新のプレイ状態に対応するプレイ可能な状態にゲームを起動するために必要な1つ以上のコンポーネントのロードを開始することができる。
【0040】
その結果、ユーザがゲームアプリケーション起動オブジェクトと相互作用するとき、ゲームの起動を選択する前であっても、ゲームは最新のプレイ状態に固有のコンポーネントのロードを開始することができる(つまり、最後に保存したゲームの状態でゲームのロードを開始できる)。
【0041】
ここでも明らかなように、ユーザがゲームアプリケーション起動オブジェクトに関連付けられたUIを使用してゲームのプレイを「続行」することを選択しない場合には、実際に選択したゲームプレイモードに対して必要とされるどんなアセットでも優先して、ロードされた特定のアセットをメモリから破棄してもよい。
【0042】
上記の原則は一般化できるため、OSまたはヘルパーアプリは、ユーザが最も一般的に選択する動作モードが何であるかを学習し、ユーザがゲームアプリケーション起動オブジェクトとの相互作用を開始するとき、その動作モードに関連するコンポーネントのロードを開始する。ここでも、ユーザが異なる操作モードでゲームを起動したり、従来のメニューシステムを使用したい場合は、それらのコンポーネントをメモリから破棄することができる。あるいは、またはさらに、OSまたはヘルパーアプリが、ユーザによって最も一般的に引用される動作モードが何であるかを学習する場合、ゲームアプリケーション起動オブジェクトとの所定の相互作用の実行に応答してユーザに提示されるオプションは、ユーザの選択を簡素化するために、最も一般的に選択される1つまたは複数の操作モードを促進するように調整または構成されてもよい。
【0043】
動作モードの例は、シングルプレイヤゲームの開始、シングルプレイヤゲームの継続、およびオンラインゲームの開始からなるリストから選択された1つまたは複数を含む。
【0044】
同様に、動作モードの例は、元の形式でゲームアプリケーションをプレイすること、および修正された形式でゲームアプリケーションをプレイすることからなるリストから選択された1つまたは複数を含む。
【0045】
再び、動作モードの例は、最初からゲームアプリケーションをプレイすること、および保存されたゲーム状態からゲームアプリケーションをプレイすることからなるリストから選択された1つまたは複数を含む。
【0046】
ゲームは、追加の機能を提供するために、ライフタイム中にパッチが適用される場合があることを理解されたい。たとえば、マルチプレイヤモードを提供するために、シングルプレイヤゲームにパッチを適用してもよい。同様に、その後インストールされたDLCまたはMODは、新しいプレイモードを提供してもよい。したがって、本発明の一実施形態では、ゲームアプリケーションを観察する方法は、(パッチ、DLCまたはMODのような)追加のゲームアプリケーションデータをインストールするステップと、ゲームアプリケーション起動オブジェクトとの関連付けのために、ゲームアプリケーションの1つ以上の追加の動作モードを指定する追加データを提供するステップとを含む。
【0047】
追加データを提供する後者のステップは、既存のゲームアプリケーション起動オブジェクトをその付随データとともに置き換える形式か、複数の動作モードを指定するデータを単に置き換える形式をとるか、あるいは既存のデータを単に変更することか、既存のデータに追加することを含む。
【0048】
このように、新しいゲームモード機能は、上記の手法を使用して、利用可能になったときにアクセスできる。
【0049】
上記の手法は、いくつかのアプリケーションのいずれを使用してドキュメントを開いたり、保存されたドキュメントに設定を埋め込むなどの既知の機能とは異なるため、これらの設定とアプリケーションに対する関連付けられたユーザインターフェースはそのドキュメントによって構成される(たとえば、Microsoft Word(登録商標)で開かれたときにドキュメントに対して「変更の追跡」がアクティブかどうかなど)ことが理解されよう。
【0050】
当然のことながら、上記の技術は、ソフトウェア命令によって、または専用ハードウェアの包含または置換によって適用可能な場合は適切に適合された従来のハードウェア上で実行することができる。
【0051】
したがって、従来の同等の装置の既存の部分への必要な適応は、フロッピー(登録商標)ディスク、光ディスク、ハードディスク、PROM、RAM、フラッシュメモリ、またはこれらもしくは他の記憶媒体の任意の組み合わせなどの非一時的機械可読媒体に格納された、プロセッサ実装可能命令を含むコンピュータプログラム製品の形で実装されてもよく、あるいは、ASIC(特定用途向け集積回路)またはFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)または従来の同等の装置を適合させるのに使用するのに適した他の構成可能な回路としてハードウェアで実現されてもよい。別に、そのようなコンピュータプログラムは、イーサネット、無線ネットワーク、インターネット、またはこれらもしくは他のネットワークの任意の組み合わせなどのネットワーク上のデータ信号を介して送信されてもよい。
【0052】
適切に適合された従来のハードウェアの例は、Sony(登録商標)PlayStation 4(登録商標)である。
【0053】
図1を参照して、これはSony(登録商標)PlayStation 4(登録商標)娯楽装置のシステム全体のアーキテクチャを概略的に示す。システムユニット10には、システムユニットに接続可能な様々な周辺装置が設けられている。
【0054】
システムユニット10は、中央処理装置(CPU)20Aおよびグラフィック処理装置(GPU)20Bを含む単一チップである加速処理装置(APU)20を含む。APU20は、ランダムアクセスメモリ(RAM)ユニット22にアクセスする。
【0055】
APU20は、任意選択でI/Oブリッジ24を介して、バス40と通信し、I/Oブリッジ24は、APU20の別個の構成要素またはその一部であってもよい。
【0056】
バス40に接続されているのは、ハードディスクドライブ37、および互換性のある光ディスク36A上のデータにアクセスするように動作可能なブルーレイ(登録商標)ドライブ36などのデータ記憶構成要素である。さらに、RAMユニット22はバス40と通信することができる。
【0057】
任意選択でバス40には補助プロセッサ38も接続されている。補助プロセッサ38は、オペレーティングシステムを実行またはサポートするために提供されてもよい。
【0058】
システムユニット10は、オーディオ/ビジュアル入力ポート31、イーサネット(登録商標)ポート32、ブルートゥース(登録商標)無線リンク33、Wi-Fi(登録商標)無線リンク34、あるいは1つまたは複数のユニバーサルシリアルバス(USB)ポート35を介して周辺装置と適宜通信する。オーディオおよびビデオは、HDMI(登録商標)ポートなどのAV出力39を介して出力されてもよい。
【0059】
周辺装置は、PlayStation Eye(登録商標)などの単眼または立体ビデオカメラ41、PlayStation Move(登録商標)などのワンドスタイルのビデオゲームコントローラ42およびDualShock4(登録商標)などの従来のハンドヘルドビデオゲームコントローラ43、PlayStation Portable(登録商標)およびPlayStation Vita(登録商標)などの携帯娯楽装置44、キーボード45および/またはマウス46、例えばリモコンの形態のメディアコントローラ47、ならびにヘッドセット48を含んでもよい。プリンタ、または3Dプリンタ(図示せず)などの他の周辺装置も同様に考慮することができる。
【0060】
GPU20Bは、任意選択でCPU20Aと連携して、AV出力39を介して出力するためのビデオ画像およびオーディオを生成する。任意選択で、オーディオは、オーディオプロセッサ(図示せず)と共に、または代わりにそれによって生成されてもよい。
【0061】
ビデオおよび任意選択的にオーディオはテレビ51に提示されてもよい。テレビによってサポートされている場合、ビデオは立体的であってもよい。オーディオは、ステレオ、5.1サラウンドサウンドまたは7.1サラウンドサウンドなどのいくつかのフォーマットのうちの1つでホームシネマシステム52に提示されてもよい。ビデオおよびオーディオも同様に、ユーザ60が装着しているヘッドマウントディスプレイユニット53に提示されてもよい。
【0062】
動作中、娯楽装置はデフォルトでFreeBSD 9.0の変種などのオペレーティングシステムになる。オペレーティングシステムは、CPU20A、補助プロセッサ38、またはこれら2つの混合物上で動作することができる。オペレーティングシステムは、PlayStation Dynamic Menuなどのグラフィカルユーザインターフェースをユーザに提供する。このメニューにより、ユーザはオペレーティングシステムの機能にアクセスし、ゲームや任意選択的に他のコンテンツを選択することができる。
【0063】
したがって、適切なソフトウェア指示の下で、PlayStation 4(または他のコンソール、パーソナルコンピューター、タブレット、携帯電話など)は、ゲームアプリケーション起動システムとして機能し、オペレーティングシステムによって使用されるゲームアプリケーション起動オブジェクトを格納するように適合されたメモリ(HDD37やRAM22など);ゲームアプリケーション起動オブジェクトに関連して、再度ゲームアプリケーションの複数の動作モードを指定するデータを格納するように適合されたメモリ(HDD37およびRAM22など);ユーザがゲームアプリケーション起動オブジェクトとの所定の相互作用を実行するときに、複数の動作モードの少なくともサブセットをユーザに提示するユーザインターフェースを提供するように適合され、選択された動作モードを示すユーザ選択を(たとえば、コントローラー42または43を介して)受け取るように適合されたユーザインターフェースプロセッサ(CPU20Aおよび/またはGPU20Bなど);および選択された動作モードに依存するプレイ可能なゲーム状態にゲームアプリケーションを起動するように適合されたゲームアプリケーション起動プロセッサ(CPU20Aおよび/またはGPU20Bなど)を含む。
【0064】
そのようなゲームアプリケーション起動システムは、本明細書で前述した他の方法および技術を実装するために同様に動作可能であり、したがって、ゲームアプリケーションが2つ以上の動作モードに共通する1つ以上の共通コンポーネントを含む場合、ユーザインターフェースプロセッサは、ユーザがゲームアプリケーション起動オブジェクトと相互作用するかどうかを検出するように適合され、そうであれば、ゲームアプリケーション起動プロセッサは、ユーザがゲームの起動を選択する前に、ゲームアプリケーションの1つまたは複数の共通コンポーネントの読み込みを開始するように適合されてもよい。
【0065】
同様に、ゲームアプリケーションがユーザによるゲームの最新のプレイ状態中に使用される1つまたは複数のコンポーネントを含む場合、ゲームアプリケーション起動プロセッサは、ユーザによるゲームプレイの最新のプレイ状態を示すデータファイルにアクセスするように適合されてもよく、ゲームアプリケーション起動プロセッサは、示された最新のプレイ状態に対応するプレイ可能な状態にゲームを起動するために必要な1つまたは複数のコンポーネントのロードを開始するように適合されてもよい。