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  • 特許-軌道のレールを削正するための削正機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】軌道のレールを削正するための削正機
(51)【国際特許分類】
   E01B 31/17 20060101AFI20220920BHJP
   B24B 27/00 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
E01B31/17
B24B27/00 E
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019543090
(86)(22)【出願日】2018-02-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-03-05
(86)【国際出願番号】 EP2018000050
(87)【国際公開番号】W WO2018145809
(87)【国際公開日】2018-08-16
【審査請求日】2020-09-15
(31)【優先権主張番号】202017000696.0
(32)【優先日】2017-02-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507069564
【氏名又は名称】ローベル バーンバウマシーネン ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBEL Bahnbaumaschinen GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 31, D-83395 Freilassing, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】オットー ヴィトルロイター
【審査官】亀谷 英樹
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3015766(JP,U)
【文献】特開平08-243894(JP,A)
【文献】特開2003-053655(JP,A)
【文献】特開2004-190334(JP,A)
【文献】特表2001-520590(JP,A)
【文献】特表2013-532241(JP,A)
【文献】特開2005-289158(JP,A)
【文献】特表2004-532159(JP,A)
【文献】特表2007-502097(JP,A)
【文献】特表平10-511326(JP,A)
【文献】特開平07-154981(JP,A)
【文献】特開平07-071001(JP,A)
【文献】特開2008-074141(JP,A)
【文献】特開2001-088697(JP,A)
【文献】特表平02-500259(JP,A)
【文献】特開2014-221984(JP,A)
【文献】特開2001-049604(JP,A)
【文献】特開平06-101203(JP,A)
【文献】特公平45-006597(JP,B1)
【文献】特開2011-131714(JP,A)
【文献】特開2015-030376(JP,A)
【文献】特開平05-230803(JP,A)
【文献】特開平08-260405(JP,A)
【文献】特開2001-032202(JP,A)
【文献】米国特許第05575709(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01B 27/00-37/00
B24B 3/00-3/60
B24B 21/00-39/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道(3)のレール(2)を削正するために手動で前記軌道(3)上を軌道長手方向(13)に移動させることができる削正機(1)であって、該削正機(1)は支持フレーム(5)とガイドローラ(4)とを有しており、前記支持フレーム(5)は、該削正機(1)を移動させるために前記ガイドローラ(4)を介して前記レール(2)上を前記軌道長手方向(13)に進行可能であり、該支持フレーム(5)上には前記レール(2)を加工するための作業モジュール(7)と、該作業モジュール(7)にエネルギを供給するためのエネルギモジュール(6)とが配置されており、該作業モジュール(7)は、旋回可能な削正ユニット(10)を有している、削正機(1)において、
前記作業モジュール(7)は、さらに、前記軌道長手方向(13)に対して垂直に延びる軌道横方向(16)に移動可能に前記支持フレーム(5)上に支持された中間フレーム(8)と、該中間フレーム(8)に高さ調節可能に支承されたモータフレーム(9)とを有しており、
前記削正ユニット(10)は、電動モータ(28)と、該電動モータ(28)により駆動される削正工具(29)とを有しており、前記削正ユニット(10)は、前記軌道長手方向(13)に対して平行に延びる長手方向軸線(23)を中心として旋回可能に前記モータフレーム(9)に支承されており、
前記モータフレーム(9)は、前記中間フレーム(8)に対して前記削正工具(29)の角度を自由に設定するために、高さ方向軸線を中心として旋回可能に配置されている、
ことを特徴とする、削正機(1)。
【請求項2】
前記削正ユニット(10)は、前記長手方向軸線(23)を中心として少なくとも180°回可能である、請求項1記載の削正機(1)。
【請求項3】
前記電動モータ(28)は密閉されて形成されている、請求項1または2記載の削正機(1)。
【請求項4】
当該削正機(1)は、熱交換器およびポンプを有しており、前記電動モータ(28)は、液体冷却手段を備えて形成されている、請求項3記載の削正機(1)。
【請求項5】
当該削正機(1)は圧縮機を有しており、前記電動モータ(28)は圧縮空気冷却手段を備えて形成されている、請求項3記載の削正機(1)。
【請求項6】
前記電動モータ(28)は、滑り接触を介して前記支持フレーム(5)上に配置されたエネルギモジュール(6)に接続されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の削正機(1)。
【請求項7】
前記電動モータ(28)は、フレキシブルケーブルとプラグ接続とを介して前記エネルギモジュール(6)に接続されている、請求項1から5までのいずれか1項記載の削正機(1)。
【請求項8】
前記中間フレーム(8)は、手動で取外し可能なローラ部材(14)を介して前記支持フレーム(5)に支持されており、前記ローラ部材(14)によって、前記中間フレーム(8)は前記支持フレーム(5)上に移動可能に支持される、請求項1から7までのいずれか1項記載の削正機(1)。
【請求項9】
前記エネルギモジュール(6)として、内燃機関および発電機を有する内燃機関発電機ユニットが配置されている、請求項1からまでのいずれか1項記載の削正機(1)。
【請求項10】
前記エネルギモジュール(6)は、電気的なエネルギ蓄え器を有している、請求項1からまでのいずれか1項記載の削正機(1)。
【請求項11】
前記支持フレーム(5)は、分割式に形成されており、一方のレール(2)に対応配置された前記ガイドローラ(4)と、他方のレール(2)に対応配置された前記ガイドローラ(4)との間の間隔を調整することができるようになっている、請求項1から10までのいずれか1項記載の削正機(1)。
【請求項12】
前記エネルギモジュール(6)は、手動で取外し可能なック(11)を介して前記支持フレーム(5)に結合されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の削正機(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道のレールを削正するために手動で軌道上を移動させることができる削正機であって、ガイドローラを介してレール上を進行可能な支持フレームを備えており、支持フレーム上にはエネルギモジュールと作業モジュールとが配置されており、作業モジュールは、旋回可能な削正ユニットを有している、削正機に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばレール継目における溶接ビード、肉盛り溶接、安全レールおよびレール頭部におけるバリ形成により生じるような、レールの凹凸を取り除くために、様々なレール削正機が用いられる。このような削正機は、独国実用新案第202010007264号明細書、独国実用新案第20210014号明細書および独国実用新案第20210021号明細書から既に複数が公知である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、冒頭で述べた形式の削正機に対し、従来技術に対する改良を提供するという課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、本発明に基づき請求項1記載の削正機によって解決される。
【0005】
本発明の有利な改良は、各従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明は、削正ユニットが電動モータと、電動モータにより駆動される削正ユニットとを有しており、削正ユニットは、長手方向軸線を中心として旋回可能にモータフレームに支承されており、モータフレームは、支持フレームに対して変位可能に配置されていることを想定している。可動に支承された各部材の、このコンパクトな構成形式およびフレキシブルな変位性により、レール断面のほぼ全ての箇所を、高精度および高効率で加工することができる。
【0007】
本発明の有利な構成では、削正ユニットが、モータフレームに対して少なくとも180°回可能であることが想定されている。これにより、1つの削正ユニットを用いて、レール断面の両側を、複数の作業位置で有利に加工することができる。
【0008】
別の有利な構成では、電動モータは密閉されて形成されている。これにより、電動モータは作業中に発生する削正粉塵から防護される。
【0009】
本発明による装置の別の改良は、削正機が、熱交換器およびポンプを有しており、電動モータは、液体冷却手段を備えて形成されていることを想定している。液体冷却手段により、技術的に簡単に、かつ少ない騒音で、多量の熱を均一に排出することができ、かつ電動モータの不変の出力を保証することができる。
【0010】
代替的な実施形態では、削正機が圧縮機を有しており、かつ電動モータが圧縮空気冷却手段を備えて形成されていると有意である。これにより、電動モータをコンパクトな構成形式で形成することができると共に、冷却システムは、ほぼメインテナンスフリーである。この場合は、削正機の重量をさらに大幅に減少させるために、電動モータを現場で外部の工事現場用圧縮機に接続するという可能性も生じる。
【0011】
本発明の簡単な構成は、電動モータが、滑り接触を介してエネルギモジュールに接続されていることを想定している。滑り接触は、電動モータに対するフレキシブルなエネルギ伝達を保証する。
【0012】
本発明の別の有利な構成は、電動モータが、フレキシブルケーブルとプラグ接続とを介してエネルギモジュールに接続されていることにより、与えられる。フレキシブルな接続は、作業投入中の電動モータの広範な運動の自由を保証する。プラグ接続を介して、エネルギモジュールを搬送のために電動モータから問題なく外すことができる。
【0013】
本発明の別の改良は、モータフレームが、中間フレームに高さ調節可能に支承されており、中間フレームは、支持フレームに対して横方向に変位可能であることを想定している。これにより、レールを精密に加工するために、削正ユニットのより大きな運動の自由と、その結果得られる、よりフレキシブルな作業投入とが保証されている。
【0014】
本発明の改良された構成では、中間フレームに対して削正工具の角度を自由に設定するために、モータフレームが、高さ方向軸線を中心として旋回可能に配置されていることが想定されている。これにより、削正工具が所定の角度でレール表面に装着され、レールは精密に加工される。
【0015】
有利な改良では、中間フレームは、手動で取外し可能なローラ部材を介して支持フレームに支持されている。これにより、中間フレームが支持フレームに対して、ほぼ摩擦無しで移動されると共に、より容易な搬送のために、中間フレームは、削正ユニットと共に支持フレームから簡単に取り外すことができるようになっている。
【0016】
本発明の別の有利な構成では、エネルギモジュールとして、内燃機関/発電機ユニットが配置されている。これにより、電源に依存しない一貫した作業投入が保証される。
【0017】
有利な改良では、エネルギモジュールは、電気的なエネルギ蓄え器を有している。このため、電気エネルギは、削正機のより長い作業投入のために、中間蓄えされる。蓄え器の寸法設定が十分である場合には、供給された内燃機関/発電機ユニットを合間に(例えばトンネル内で)遮断することができ、または全く考慮しなくてよい。
【0018】
本発明の簡単な構成は、支持フレームが分割式に形成されており、一方のレールに対応配置されたガイドローラと、他方のレールに対応配置されたガイドローラとの間の間隔を調整することができるようになっていることを想定している。これにより、削正機を軌道の任意の軌間に適合させることが可能である。
【0019】
本発明の改良された構成では、エネルギモジュールが、手動で取外し可能な固定部材を介して支持フレームに結合されていることが想定されている。これにより、エネルギモジュールを支持フレームから分離して搬送することが、著しく容易になる。
【0020】
基本的に、本発明は従来不可欠の複数の個別機械自体を組み合わせたものである(レール頭部削正機、レール腹部削正機、分岐器削正機およびバリ取り機)。
【0021】
以下に、添付の図面を参照して本発明を例示的に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】削正機の概略側面図である。
図2】角度自由設定部を詳細に示す概略平面図である。
図3】削正ユニットを備えたモータフレームの詳細を示す概略図である。
図4】削正ユニットの作業位置を示す概略図である。
図5】削正ユニットの作業位置を示す概略図である。
図6】削正ユニットの作業位置を示す概略図である。
図7】削正ユニットの作業位置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に示す削正機1は、手動で案内される、軌道3のレール2の加工機械である。この加工機械は、ガイドローラ4を介してレール2上を進行可能な支持フレーム5を有しており、支持フレーム5上には端部側にそれぞれ、エネルギモジュール6と作業モジュール7とが配置されている。作業モジュール7は、中間フレーム8、モータフレーム9および削正ユニット10を有している。エネルギモジュール6は、クイックロック11を介して機械的に取外し可能に、支持フレーム5上に配置されている。軌間調整用に、支持フレーム5は分割式に形成されている。取っ手12を介して、削正機1は軌道長手方向13に手動で移動させることができる。
【0024】
支持フレーム5上にローラ部材14を介して支持された中間フレーム8、ひいてはモータフレーム9および削正ユニット10は、レバー15を介して軌道横方向16に移動可能に配置されている。レバー15は、ロッド17を介して中間フレーム8に接続されている。ロック装置18を介して、中間フレーム8を支持フレーム5に手動で位置固定することができる。
【0025】
中間フレーム8に支持されたモータフレーム9は、第1のハンドホイール19を介して、削正ユニット10と共に鉛直方向20に変位される。第2のハンドホイール21は、ベルト駆動装置22を介して、モータフレーム9の長手方向軸線23上に支承された削正ユニット10の回転運動をもたらす。
【0026】
1つの変化態様(図示せず)では、回転運動は、ベルト駆動装置22の代わりにウォーム伝動装置により伝達されることもある。
【0027】
図2には、削正ユニット10を角度自由設定装置24と共に示す詳細図が示されている。これに関して、モータフレーム9は削正ユニット10と共に自由設定角度αだけ旋回可能に、中間フレーム8における鉛直方向軸線25上に支承されている。2つの取っ手26を介して、所要旋回範囲ひいては削正ユニット10がレール2に対して調整され、緊締レバー27を介してロックされる。
【0028】
図3には、モータフレーム9の詳細図が削正ユニット10と共に示されている。削正ユニット10は、電動モータ28と削正工具29とを有している。削正工具29は皿形研削盤として図示されており、用途に応じて別の削正工具(鉢形研削盤)と交換される。
【0029】
この場合、削正工具29は電動モータ28の回転軸に直接に接続されており、これにより、削正ユニット10の特にコンパクトな構成形式が与えられている。このようにして、削正ユニット10を、長手方向軸線23を中心として少なくとも180°旋回させ、ひいてはフレキシブルに使用する可能性を保証することが可能である。エネルギモジュール6に対する電気的な接続は、滑り接触またはフレキシブルケーブルを介して与えられている。
【0030】
図4図7には、削正ユニット10の異なる作業位置の抜粋が示されている。図4では、削正ユニット10は、軌道中心30に面した側に位置している。削正ユニット10は出発位置に位置しており、水平方向に向けられており、レール頭部31の内側を加工する。図5では、レール頭部31の外側を加工する。このために、削正ユニット10を、第1のハンドホイール19を介して上昇させ、レバー15により移動させ、再び降下させる。図6には、内側のレール腹部32を加工するために第2のハンドホイール21を介して90°動された削正ユニット10が示されている。図7では、外側のレール腹部32が加工される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7