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特許7143321体を傾ける際または曲げる際に人体を少なくとも或る程度楽にするための着用可能な支持構造体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-09-16
(45)【発行日】2022-09-28
(54)【発明の名称】体を傾ける際または曲げる際に人体を少なくとも或る程度楽にするための着用可能な支持構造体
(51)【国際特許分類】
   A61H 1/02 20060101AFI20220920BHJP
   A61F 5/01 20060101ALI20220920BHJP
【FI】
A61H1/02 A
A61F5/01 K
A61F5/01 N
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2019556613
(86)(22)【出願日】2018-04-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-06-18
(86)【国際出願番号】 NL2018050238
(87)【国際公開番号】W WO2018194447
(87)【国際公開日】2018-10-25
【審査請求日】2021-03-04
(31)【優先権主張番号】2018730
(32)【優先日】2017-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】517321942
【氏名又は名称】レイボ ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ウィッセ、ボウドウィン マーティン
(72)【発明者】
【氏名】ヘルシャー、ミハエル マルティヌス
【審査官】今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-532528(JP,A)
【文献】特開2016-015997(JP,A)
【文献】特開昭63-264062(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0236025(US,A1)
【文献】国際公開第2016/148566(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 1/02-3/06
A61F 5/00-5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
体を傾ける際または曲げる際に人体を少なくとも或る程度楽にするための着用可能な支持構造体(201)であって、
前記構造体(201)は、
前記人体の胸部に当接する胸部支持体(202)と、
前記傾きまたは曲がりまたは前記人体に対応して前記支持構造体を枢動させる枢支機構(207)と、
前記胸部支持体(202)に接続され、前記人体に実質的に並んで延びるように設けられ、前記枢支機構(207)に接続された細長いステー(203a、203b)であって、前記ステー(203a、203b)は、無負荷時には前記人体の直立姿勢に対応する第1の状態にあるように構成され、前記人体の傾いた姿勢または曲がった姿勢に対応する第2の状態になるときに前記第1の状態に戻ろうとするように構成された、細長いステー(203a、203b)と、
前記枢支機構(207)に接続され、前記人体の腰部領域に当接するように構成された腰部支持体(204)と、
前記枢支機構(207)に接続され、前記人体の大腿部の領域の前側に当接するように構成された大腿部支持体(214)と、
を有するフレームを備え、
前記枢支機構(207)は、前記胸部支持体(202)と前記大腿部支持体(214)との間に配置され、
前記着用可能な支持構造体(201)は、前記細長いステー(203a、203b)の前記枢支機構(207)への着脱可能な接続のための接続装置(1、101)を備え
前記接続装置(1、101)は、第1の接続要素(3、103)および第2の接続要素(5、105)を備え、
前記第1の接続要素(3、103)は、前記枢支機構(207)である前記着用可能な支持構造体(201)の第1の部分に堅固に接続されるように構成され、
前記第2の接続要素(5、105)は、前記ステー(203a、203b)である前記着用可能な支持構造体(201)の第2の部分に堅固に接続されるように構成され、
前記第1の接続要素(3、103)は、前記第2の接続要素(5、105)を部分的に受け入れるための収容空間(11、111)を少なくとも部分的に囲む収容壁(9、109)を備える、ことを特徴とする着用可能な支持構造体(201)。
【請求項2】
前記接続装置(1、101)は、阻止ユニット(7、107)を備え、前記阻止ユニット(7、107)は、前記阻止ユニット(7、107)の第1の状態において、前記第1の接続要素(3、103)の前記第2の接続要素(5、105)からの取り外しを阻止し、前記阻止ユニット(7、107)の第2の状態において、前記第1の接続要素(3、103)は前記第2の接続要素(5、105)から取り外すことが可能であり、
前記第1の接続要素(3、103)および前記第2の接続要素(5、105)は、接続されたときに長手方向(A)に延び、前記接続装置(1、101)は、前記第1の接続要素(3、103)を、前記第2の接続要素(5、105)に接続されたときに、前記長手方向(A)に延びる共通の回転軸を中心にして前記第2の接続要素(5、105)に対しておおむね所定の角度だけ回転させることを可能にする回転器官(13、113)を備え、
前記回転器官(13、113)は、前記第1の接続要素(3、103)および前記第2の接続要素(5、105)の一方に設けられた凹部(13、113)を備え、前記凹部(13、113)は、回転方向に前記所定の角度分の長さを有し、前記阻止ユニット(7、107)は、前記阻止ユニット(7、107)の前記第1の状態において、前記阻止のために前記凹部(13、113)に少なくとも部分的に収容され、前記阻止ユニット(7、107)は、おおむね前記所定の角度の前記共通の回転軸を中心とする前記回転を可能にするために前記凹部(13、113)において移動可能であるように構成されている、請求項に記載の着用可能な支持構造体(201)。
【請求項3】
前記所定の角度は、60~120度の範囲内である、請求項に記載の着用可能な支持構造体(201)。
【請求項4】
前記接続装置(1、101)は、前記着用可能な支持構造体(201)の前記第1の部分を前記着用可能な支持構造体(201)の前記第2の部分からの所定の距離に接続するための離間器官(17、117)を備え、
前記離間器官(17、117)は、前記着用可能な支持構造体(201)の前記第1の部分を前記着用可能な支持構造体(201)の前記第2の部分からの前記所定の距離に接続するための前記凹部(13、113)を備える、請求項2または3に記載の着用可能な支持構造体(201)。
【請求項5】
前記離間器官(17、117)は、前記着用可能な支持構造体(201)の前記第1の部分を前記着用可能な支持構造体(201)の前記第2の部分からの別の所定の距離に接続するように構成されている、請求項に記載の着用可能な支持構造体(201)。
【請求項6】
前記離間器官(17、117)は、別の凹部(19、21、119、121)を備え、前記別の凹部(19、21、119、121)は、前記第1の接続要素(3、103)および前記第2の接続要素(5、105)の一方に設けられ、前記別の凹部(19、21、119、121)は、回転方向に前記所定の角度分の長さを有し、前記阻止ユニット(7、107)は、前記阻止ユニット(7、107)の前記第1の状態において、前記着用可能な支持構造体(201)の前記第1の部分を前記着用可能な支持構造体(201)の前記第2の部分からの前記別の所定の距離に接続するために前記別の凹部(19、21、119、121)に少なくとも部分的に収容される、請求項に記載の着用可能な支持構造体(201)。
【請求項7】
前記阻止ユニット(7、107)は、おおむね前記所定の角度の前記共通の回転軸を中心とする前記回転を可能にするために前記別の凹部(19、21、119、121)において移動可能であるように構成されている、請求項に記載の着用可能な支持構造体(201)。
【請求項8】
前記接続装置(1、101)は、操作時に第1の位置に移動可能である操作要素(23、123)を備え、前記操作要素(23、123)は、前記第1の位置に移動したときに前記阻止ユニット(7、107)を少なくとも部分的に収容する収容凹部(35,135)を備え、前記阻止ユニット(7、107)は前記操作要素(23、123)の操作時に前記第2の状態となる、請求項2~7のいずれか一項に記載の着用可能な支持構造体(201)。
【請求項9】
前記収容壁(9、109)は、収容壁開口部(31、131)を備え、前記阻止ユニット(7、107)は、前記収容壁開口部(31、131)に可動に配置された阻止要素(33、133)を備え、前記阻止要素(33、133)の第1の位置において、前記阻止ユニット(7、107)は前記第1の状態にあり、前記阻止要素(33、133)の第2の位置において、前記阻止ユニット(7、107)は前記第2の状態である、請求項のいずれか一項に記載の着用可能な支持構造体(201)。
【請求項10】
前記フレームは、前記胸部支持体(202)に接続された別の細長いステー(203b)を備え、前記細長いステー(203a)および前記別の細長いステー(203b)は、前記人体の両側面に実質的に並んで延びるように設けられ、かつ、前記枢支機構(207)に接続され、
前記細長いステー(203a)および前記別の細長いステー(203b)は、無負荷時には前記人体の直立姿勢に対応する前記第1の状態にあるように構成され、前記人体の傾いた姿勢または曲がった姿勢に対応する前記第2の状態へと曲がるときに前記第1の状態に戻ろうとするように構成された弾性ステーであり、前記細長いステー(203a)および前記別の細長いステー(203b)は、前記第1の状態において延ばされた状態にあり、前記第2の状態において曲がった状態にある、請求項1~のいずれか一項に記載の着用可能な支持構造体(201)。
【請求項11】
前記胸部支持体(202)は、2つの空間的に離れて位置する枢支手段(209a、209b)を備え、前記細長いステー(203a)および前記別の細長いステー(203b)のそれぞれは、前記枢支手段(209a、209b)のうちの異なる1つを介して前記胸部支持体(202)に前記接続装置(1、101)によって着脱可能に接続され、前記枢支手段(209a、209b)の各々は、前記人体の前記胸部に実質的に平行な平面内で、前記胸部支持体(202)を前記胸部支持体(202)に接続されたステー(203a、203b)に対して枢動させるように構成されている、請求項10に記載の着用可能な支持構造体(201)。
【請求項12】
前記2つの細長いステー(203a、203b)は、前記細長いステー(203a、203b)の各々のステーの接続端がそれの細長い軸を中心にして回転できるように前記枢支機構(207)に回転可能に接続される、請求項10または11に記載の着用可能な支持構造体(201)。
【請求項13】
前記接続装置(1、101)は、
前記大腿部支持体(214)の前記枢支機構(207)への着脱可能な接続、
前記細長いステー(203a、203b)の前記胸部支持体(202)への着脱可能な接続、
のうちの少なくとも1つのためにさらに構成され、
前記第1の接続要素(3、103)は、前記枢支機構(207)および前記胸部支持体(202)の少なくとも一方である前記着用可能な支持構造体(201)の第1の部分に堅固に接続されるように構成され、
前記第2の接続要素(5、105)は、前記大腿部支持体(214)および前記ステー(203a、203b)の少なくとも一方である前記着用可能な支持構造体(201)の第2の部分に堅固に接続されるように構成されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の着用可能な支持構造体(201)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、体を傾ける際または曲げる際に人体を少なくとも或る程度楽にするための着用可能な支持構造体であって、
・前記人体の胸部に当接する胸部支持体と、
・前記傾きまたは曲がりまたは人体に対応して前記支持構造体を枢動させる枢支機構と、
・前記胸部支持体に接続され、前記人体に実質的に並んで延びるように設けられ、前記枢支機構に接続され、無負荷時には前記人体の直立姿勢に対応する第1の状態にあるように構成され、前記人体の傾いた姿勢または曲がった姿勢に対応する第2の状態になるときに前記第1の状態に戻ろうとするように構成された細長いステーと、
・前記枢支機構に接続され、前記人体の腰部領域に当接するように構成された腰部支持体と、
・前記枢支機構に接続され、前記人体の大腿部の領域の前側に当接するように構成された大腿部支持体と
を有するフレームを備えている構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
オランダ特許出願第2014451号明細書が、そのような着用可能な支持構造体を開示している。このような着用可能な支持構造体の欠点の1つは、着用可能な支持体をさまざまなユーザに適合させることが比較的難しいことである。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、さまざまなユーザに比較的容易に適合させることができる着用可能な支持構造体を提供することである。
【0004】
この目的は、請求項1に記載の着用可能な支持構造体によって達成される。本発明による着用可能な支持構造体は、
・前記大腿部支持体の前記枢支機構への着脱可能な接続、
・前記細長いステーの前記胸部支持体への着脱可能な接続、および
・前記細長いステーの前記枢支機構への着脱可能な接続
のうちの少なくとも1つのための接続装置を備える。
【0005】
本開示による着用可能な支持構造体の別の利点は、より安価に輸送できることである。既知の着用可能な支持構造体は、比較的体積が大きく、したがって輸送に比較的費用がかかる。請求項1による部品のうちの少なくとも1つを取り外すことにより、着用可能な支持構造体の梱包の体積が小さくなる。体積が小さくなることで、より多数の着用可能な支持構造体を同様の容積に詰め込むことが可能になり、したがって着用可能な支持構造体の輸送コストを下げることができる。さらに、この着用可能な支持構造体によって、支持構造体を比較的容易に修理することができる。フレームに着脱可能に接続された部品のうちの1つを交換する必要がある場合、ユーザは、そのような部品を比較的短い時間で、特別な工具を必要とせずに、比較的容易に交換することができる。
【0006】
前記接続装置が、第1の接続要素および第2の接続要素を備え、
前記第1の接続要素が、前記枢支機構および前記胸部支持体の少なくとも一方である当該着用可能な支持構造体の第1の部分に堅固に接続されるように構成され、
前記第2の接続要素が、前記大腿部支持体および前記ステーの少なくとも一方である当該着用可能な支持構造体の第2の部分に堅固に接続されるように構成され、
前記第1の接続要素が、前記第2の接続要素を部分的に受け入れるための収容空間を少なくとも部分的に囲む収容壁を備えると、有益である。前記第2の接続要素を少なくとも部分的に前記第1の接続要素の収容空間に受け入れることにより、前記第2の接続要素は、接続時に前記第1の接続要素に部分的に一体化される。
【0007】
これに関して、前記接続装置が阻止ユニットを備え、この阻止ユニットが、この阻止ユニットの第1の状態において、前記第1の接続要素の前記第2の接続要素からの取り外しを阻止し、この阻止ユニットの第2の状態において、前記第1の接続要素は前記第2の接続要素から取り外すことが可能であると、好都合である。阻止ユニットは、前記第1および第2の接続要素の間の前記接続の分離を阻止するために、前記部分的に一体化された位置にあるときに前記第2の接続要素を動けなくすることができる。したがって、阻止ユニットの状態を変更することにより、ステーまたは大腿部支持体などの部品を交換することによってオランダ特許出願第2014451号明細書から公知の着用可能な支持構造体の適合を可能にするために、前記第1の接続要素および前記第2の接続要素を比較的容易に分離させ、あるいは分離を阻止することが可能である。
【0008】
本開示による着用可能な支持構造体の一実施形態において、前記第1の接続要素および前記第2の接続要素は、接続されたときに長手方向に延び、前記接続装置は、前記第1の接続要素を、前記第2の接続要素に接続されたときに、前記長手方向に延びる共通の回転軸を中心にして前記第2の接続要素に対しておおむね所定の角度だけ回転させることを可能にする回転器官(rotation organ)を備える。換言すると、前記第1の接続要素を、前記第2の接続要素に接続されたときに、おおむね前記所定の角度だけ前記共通の回転軸を中心にして同軸な様相で回転させることができる。これは、既知の着用可能な支持構造体を着用する際の運動の自由の改善を実現するうえで好都合である。
【0009】
これに関して、前記所定の角度が60~120度の範囲内であり、好ましくは80~100度の範囲内であると、有益である。この特定の範囲の角度は、前記支持構造体による前記人体の支持を維持しながら、運動の自由の改善を実現するうえで有益である。
【0010】
本開示による着用可能な支持構造体の実際的な実施形態において、前記回転器官は、前記第1の接続要素および前記第2の接続要素の一方に設けられた凹部を備え、前記阻止ユニットは、前記阻止ユニットの前記第1の状態において、前記阻止のために前記凹部に少なくとも部分的に収容され、前記阻止ユニットは、おおむね前記所定の角度の前記共通の回転軸を中心とする前記回転を可能にするために前記凹部において移動可能であるように構成される。これは、共通の回転軸を中心とする回転を可能にしながら、前記第2の接続要素からの前記第1の接続要素の分離の阻止を実現する実用的なやり方である。
【0011】
前記接続装置が、前記着用可能な支持構造体の前記第1の部分を前記着用可能な支持構造体の前記第2の部分からの所定の距離に接続するための離間器官(distance organ)を備えると、有益である。これは、部品の取り外しおよび接続後に前記距離が予め定まり、したがって着用可能な支持構造体の形状が予測可能であるため、着用可能な支持構造体を調整する必要性が回避される着用可能な支持構造体の各部分の着脱可能な接続を可能にするために有益である。
【0012】
前記離間器官が、前記着用可能な支持構造体の前記第1の部分を前記着用可能な支持構造体の前記第2の部分からの前記所定の距離に接続するための前記凹部を備えると好ましい。これは、前記回転および前記所定の距離での前記接続を可能にしながら、部品の量が比較的少ない接続要素を実現するうえで好ましい。
【0013】
接続装置の好ましい実施形態において、前記離間器官は、前記着用可能な支持構造体の前記第1の部分を前記着用可能な支持構造体の前記第2の部分からの別の所定の距離に接続するように構成される。これは、着用可能な支持構造体のユーザの体の長さへの着用可能な支持構造体の比較的容易な適合を可能にするために有益である。
【0014】
これに関して、前記離間器官が別の凹部を備え、前記別の凹部が、前記第1の接続要素および前記第2の接続要素の一方に設けられ、前記阻止ユニットが、この阻止ユニットの前記第1の状態において、前記着用可能な支持構造体の前記第1の部分を前記着用可能な支持構造体の前記第2の部分からの前記別の所定の距離に接続するために前記別の凹部に少なくとも部分的に収容されると有益である。これは、前記所定の距離での前記回転および前記別の所定の距離での前記接続を可能にしながら、部品の量が比較的少ない接続要素を実現するうえで有益である。
【0015】
接続装置の一実施形態において、前記阻止ユニットは、おおむね前記所定の角度の前記共通の回転軸を中心とする前記回転を可能にするために前記別の凹部において移動可能であるように構成される。これは、前記所定の距離での前記回転および前記所定の距離を可能にしながら、部品の量が比較的少ない接続要素を実現するうえで有益である。
【0016】
前記接続装置は、第1の位置に移動可能である操作要素を備え、前記阻止ユニットがこの操作要素の操作時に前記第2の状態となると好ましい。これは、阻止ユニットを実用的なやり方で操作するうえで有益である。
【0017】
本開示による接続装置の実用的な実施形態において、前記収容壁は、収容壁開口部を備え、前記阻止ユニットは、前記収容壁開口部に可動に配置された阻止要素を備え、この阻止要素が第1の位置にあるとき、前記阻止ユニットは前記第1の状態にあり、この阻止要素が第2の位置にあるとき、前記阻止ユニットは前記第2の状態である。この実施形態は、信頼できる取り外しの阻止および取り外しを可能にしつつ、部品の量が比較的少ない接続要素を実現できるようにするため好ましい。
【0018】
本開示による着用可能な支持構造体の実際的な実施形態において、前記着用可能な支持構造体は、
・前記人体の腕を支持するように構成された腕支持体であって、前記腕支持体は前記接続装置によって前記フレームに着脱可能に接続された、腕支持体、
・好ましくはひざ関節を含む前記人体の脚を支持するための脚支持体であって、前記脚支持体は前記接続装置によって前記フレームに着脱可能に接続された、脚支持体、
・前記人体の頭部を支持するように構成された頭部支持体であって、前記頭部支持体は前記接続装置によって前記フレームに着脱可能に接続された、頭部支持体、および
・ツールを支持するように構成されたツール支持体であって、前記ツール支持体は前記接続装置によって前記フレームに着脱可能に接続された、ツール支持体
のうちの少なくとも1つをさらに備える。
【0019】
本開示による着用可能な支持構造体の好ましい実施形態において、前記フレームは、前記胸部支持体に接続された別の細長いステーを備え、
前記細長いステーおよび前記別の細長いステーは、前記人体の両側面に実質的に並んで延びるように設けられ、前記枢支機構に接続され、
前記細長いステーおよび前記別の細長いステーは、無負荷時には前記人体の直立姿勢に対応する前記第1の状態にあるように構成され、前記人体の傾いた姿勢または曲がった姿勢に対応する前記第2の状態へと曲がるときに前記第1の状態に戻ろうとするように構成された弾性ステーであり、前記細長いステーおよび前記別の細長いステーは、前記第1の状態において延ばされた状態にあり、前記第2の状態において曲がった状態にある。これは、体を前に傾けるときや、かがむときだけでなく、しゃがんだり、手を伸ばしたり、這ったり、あるいは膝をついて作業する際にも支持を提供しつつ、ユーザのためにより大きな動きの自由度をサポートすることができる着用可能な支持構造体を提供するうえで有益である。
【0020】
これに関して、前記胸部支持体が、2つの空間的に離れて位置する枢支手段を備え、前記細長いステーおよび前記別の細長いステーのそれぞれが、前記枢支手段のうちの異なる1つを介して前記胸部支持体に前記接続装置によって着脱可能に接続され、前記枢支手段の各々が、前記人体の前記胸部に実質的に平行な平面内で、前記胸部支持体を胸部支持体に接続されたステーに対して枢動させるように構成されると好ましい。胸部支持体を胸部支持体に接続されたステーに対して枢動可能にすることにより、構造体を着用しているユーザが大きな動きの自由度を持つことが容易になる。より具体的には、ユーザの上半身、すなわち人間の胴体を、例えば側方/横方向に自由に動かすことができる。したがって、横方向の動きが胸部支持体との組み合わせにおける枢支手段によって支持されるため、着用可能な支持構造体を着用しているユーザが、横方向の動きにおいてより大きな自由度を有する。本開示による着用可能な支持構造体のこの好ましい実施形態の利点は、人体のねじりおよび曲げの運動、あるいは曲げおよびその後のねじりの運動を、より良好に促進することである。この好ましい実施形態の別の利点は、ユーザが体を左に曲げる場合に、胸部支持体が右の肩または脇の下から離れるように向くことである。これは、胸部支持体に邪魔されることなく左方に届くように右腕を使用することができるため、好都合である。当然ながら、ユーザが体を右に曲げるときも、逆ではあるが同じことが当てはまる。胸部支持体、2つの細長いステー、および枢支機構の組み合わせは、実際には平行四辺形の一部に似ており、ステーおよび胸部支持体は、平行四辺形によって定められる平面内で枢支機構に対して移動することができる。
【0021】
本開示による着用可能な支持構造体の一実施形態において、前記2つの細長いステーは、これらの細長いステーの各々のステーの接続端がそれの細長い軸を中心にして回転できるように前記枢支機構に回転可能に接続される。典型的には、ユーザは、体を単に前に曲げたり、あるいは単に横に傾けたりするだけでなく、それらの動きは、方向の組み合わせで構成される。それは、多くの場合、例えば体幹の回転などの回転と、曲げの様相との組み合わせである。各々の細長いステーの接続端を枢支機構に回転可能に接続することにより、ユーザの胴体の回転運動、すなわち体幹の回転が、より効率的に支持される。換言すると、接続端が、人体の上部から下部へと延びる垂直軸を中心にして回転する。例えば、体操選手が360度の回転を行うとき、彼らは垂直軸を中心にして回転している。
【0022】
着用可能な支持構造体の上述の態様は、以下にも当てはまる。
条項1:体を傾ける際または曲げる際に人体を少なくとも或る程度楽にするための着用可能な支持構造体であって、
・前記人体の胸部に当接する胸部支持体と、
・前記胸部支持体に接続され、前記人体に実質的に並んで延びるように設けられ、無負荷時には前記人体の直立姿勢に対応する第1の状態にあるように構成され、前記人体の傾いた姿勢または曲がった姿勢に対応する第2の状態になるときに前記第1の状態に戻ろうとするように構成された細長いステーと、
・前記人体の腰部領域に当接するように構成された腰部支持体と、
・前記人体の大腿部の領域の前側に当接するように構成された大腿部支持体と
を有するフレームを備えている構造体であり、
・前記細長いステーの前記胸部支持体への着脱可能な接続、および
・前記細長いステーの前記大腿部支持体への着脱可能な接続
のうちの少なくとも1つのための接続装置を備える、ことを特徴とする着用可能な支持構造体。
【0023】
条項2。前記接続装置は、第1の接続要素および第2の接続要素を備え、
前記第1の接続要素は、少なくとも前記胸部支持体および前記ステーである当該着用可能な支持構造体の第1の部分に堅固に接続されるように構成され、
前記第2の接続要素は、少なくとも前記大腿部支持体および前記ステーである当該着用可能な支持構造体の第2の部分に堅固に接続されるように構成され、
前記第1の接続要素は、前記第2の接続要素を部分的に受け入れるための収容空間を少なくとも部分的に囲む収容壁を備える、条項1に記載の着用可能な支持構造体。
【0024】
条項3。前記接続装置は、阻止ユニットを備え、該阻止ユニットは、該阻止ユニットの第1の状態において、前記第1の接続要素の前記第2の接続要素からの取り外しを阻止し、該阻止ユニットの第2の状態において、前記第1の接続要素を前記第2の接続要素から取り外すことが可能である、条項2に記載の着用可能な支持構造体。
【0025】
条項4。前記第1の接続要素および前記第2の接続要素は、接続されたときに長手方向に延び、前記接続装置は、前記第1の接続要素を、前記第2の接続要素に接続されたときに、前記長手方向に延びる共通の回転軸を中心にして前記第2の接続要素に対しておおむね所定の角度だけ回転させることを可能にする回転器官を備える、条項2または3に記載の着用可能な支持構造体。
【0026】
条項5。前記所定の角度は、60~120度の範囲内であり、好ましくは80~100度の範囲内である、条項4に記載の着用可能な支持構造体。
【0027】
条項6。前記回転器官は、前記第1の接続要素および前記第2の接続要素の一方に設けられた凹部を備え、前記阻止ユニットは、前記阻止ユニットの前記第1の状態において、前記阻止のために前記凹部に少なくとも部分的に収容され、前記阻止ユニットは、おおむね前記所定の角度の前記共通の回転軸を中心とする前記回転を可能にするために前記凹部において移動可能であるように構成されている、条項4または5に記載の着用可能な支持構造体。
【0028】
条項7。前記接続装置は、当該着用可能な支持構造体の前記第1の部分を当該着用可能な支持構造体の前記第2の部分からの所定の距離に接続するための離間器官を備える、条項1~6のいずれか一項に記載の着用可能な支持構造体。
【0029】
条項8。前記離間器官は、当該着用可能な支持構造体の前記第1の部分を当該着用可能な支持構造体の前記第2の部分からの前記所定の距離に接続するための前記凹部を備える、条項6および7に記載の着用可能な支持構造体。
【0030】
条項9。前記離間器官は、当該着用可能な支持構造体の前記第1の部分を当該着用可能な支持構造体の前記第2の部分からの別の所定の距離に接続するように構成されている、条項7または8に記載の着用可能な支持構造体。
【0031】
条項10。前記離間器官は、別の凹部を備え、該別の凹部は、前記第1の接続要素および前記第2の接続要素の一方に設けられ、前記阻止ユニットは、この阻止ユニットの前記第1の状態において、前記着用可能な支持構造体の前記第1の部分を前記着用可能な支持構造体の前記第2の部分からの前記別の所定の距離に接続するために前記別の凹部に少なくとも部分的に収容される、条項9に記載の着用可能な支持構造体。
【0032】
条項11。前記阻止ユニットは、おおむね前記所定の角度の前記共通の回転軸を中心とする前記回転を可能にするために前記別の凹部において移動可能であるように構成されている、条項4および10に記載の着用可能な支持構造体。
【0033】
条項12。前記接続装置は、操作要素を備え、該操作要素は、該操作要素の操作時に前記阻止ユニットが前記第2の状態となる第1の位置に移動可能である、条項1~11のいずれか一項に記載の着用可能な支持構造体。
【0034】
条項13。前記収容壁は、収容壁開口部を備え、前記阻止ユニットは、前記収容壁開口部に可動に配置された阻止要素を備え、該阻止要素が第1の位置にあるとき、前記阻止ユニットは前記第1の状態にあり、前記阻止要素が第2の位置にあるとき、前記阻止ユニットは前記第2の状態である、条項1~12のいずれか一項に記載の着用可能な支持構造体。
【0035】
条項14。
・前記人体の腕を支持するように構成された腕支持体であって、前記腕支持体は前記接続装置によって前記フレームに着脱可能に接続された、腕支持体、
・好ましくはひざ関節を含む前記人体の脚を支持するための脚支持体であって、前記脚支持体は前記接続装置によって前記フレームに着脱可能に接続された、脚支持体、
・前記人体の頭部を支持するように構成された頭部支持体であって、前記頭部支持体は前記接続装置によって前記フレームに着脱可能に接続された、頭部支持体、
・ツールを支持するように構成されたツール支持体であって、前記ツール支持体は前記接続装置によって前記フレームに着脱可能に接続された、ツール支持体、および
・前記傾きまたは曲がりまたは前記人体に対応して当該支持構造体を枢動させる枢支機構であって、前記枢支機構は前記接続装置によって前記細長いステーおよび前記大腿部支持体のうちの少なくとも1つに着脱可能に接続された、枢支機構、
のうちの少なくとも1つをさらに備える、条項1~13のいずれか一項に記載の着用可能な支持構造体。
【0036】
条項15。前記フレームは、前記胸部支持体に接続された別の細長いステーを備え、
・前記細長いステーおよび前記別の細長いステーは、前記人体の両側面に実質的に並んで延びるように設けられ、
・前記細長いステーおよび前記別の細長いステーは、無負荷時には前記人体の直立姿勢に対応する前記第1の状態にあるように構成され、前記人体の傾いた姿勢または曲がった姿勢に対応する前記第2の状態へと曲がるときに前記第1の状態に戻ろうとするように構成された弾性ステーであり、前記細長いステーおよび前記別の細長いステーは、前記第1の状態において延ばされた状態にあり、前記第2の状態において曲がった状態にある、条項1~14のいずれか一項に記載の着用可能な支持構造体。
【0037】
条項16。前記胸部支持体は、2つの空間的に離れて位置する枢支手段を備え、前記細長いステーおよび前記別の細長いステーのそれぞれは、前記枢支手段のうちの異なる1つを介して前記胸部支持体に前記接続装置によって着脱可能に接続され、前記枢支手段の各々は、前記人体の前記胸部に実質的に平行な平面内で、前記胸部支持体を胸部支持体に接続されたステーに対して枢動させるように構成されている、条項15に記載の着用可能な支持構造体。
【図面の簡単な説明】
【0038】
次に、以下の概略図を参照して、本発明による接続装置および本発明による接続装置を備える着用可能な支持構造体の好ましい実施形態の説明によって、本発明を説明する。
図1】本発明による接続装置の好ましい実施形態を示す。
図2図1からの好ましい実施形態の部品を示す。
図3図1からの好ましい実施形態の部品を示す。
図4図1からの好ましい実施形態の断面を示す。
図5】本発明による接続装置の別の好ましい実施形態を示す。
図6図5からの好ましい実施形態の断面を示す。
図7】本発明による接続装置を備えた着用可能な支持構造体を示す。
【発明を実施するための形態】
【0039】
支持構造体201は、前記人体の胸部に当接する胸部支持体202を有するフレームを備える。傾きまたは曲げまたは人体に対応して支持構造体201を枢動させるために、枢支機構207が設けられている。フレームは、胸部支持体202に接続された2つの細長いステー203a、203bをさらに備え、これらのステー203a、203bは、人体の両側に実質的に沿って延び、枢支機構207につながるように設けられている。使用時に、支持構造体201の第1のステー203aが、人体の右側に沿って延びる一方で、第2のステー203bは、人体の左側に沿って延びる。しかしながら、本発明は、このステーの配置に限定されない。代案として、支持構造体は、ただ1つのステーを備えても、あるいは3つ以上のステーを備えてもよい。さらに、上記のステーまたは別のステーを、図7に示される位置とは異なるさまざまな位置に配置することが可能である。ステーが1つである支持構造体を、使用時にステーが人体の背中に沿って延びるように構成することができる。
【0040】
ステー203a、203bは、無負荷時には前記人体の直立姿勢に対応する伸びた状態にあるように構成され、人体の傾いた姿勢または曲がった姿勢に対応する湾曲状態へと曲げられたとき、前記伸びた状態に戻ろうとするように構成された弾性ステーである。ステー203a、203bは、実質的にストリップ状であってよく、三次元湾曲形状を有することができ、ストリップは、例えば、ステーの全長にわたって一定であってよく、あるいはステーの長さにおいて変化してもよい平坦、湾曲、三角形または多角形、円形または長円形の断面を有する。
【0041】
フレームは、前記枢支機構207に接続され、前記人体の腰部領域に当接するように構成された腰部支持体204と、下部ステー215a、215bを介して前記枢支機構207に接続され、大腿部の領域の前側に当接するように構成された大腿部支持体214とをさらに備える。
【0042】
胸部支持体202は、2つの空間的に離れて位置する枢支手段209a、209bを備え、前記ステー203a、203bはそれぞれ、前記枢支手段209a、209bのうちの異なる1つを介して前記胸部支持体202に接続され、前記枢支手段209a、209bの各々は、前記人体の前記胸部に実質的に平行な平面内で、前記胸部支持体202をこの胸部支持体202に接続されたステー203a、203bに対して枢動させるように構成される。
【0043】
肩バンド205a、205bが設けられ、これらの肩バンド205a、205bは、前記人体の肩に配置され、前記胸部支持体202を人体の胸部に保持するために胸部支持体202に接続される。
【0044】
ステー203a、203bは、ステー203a、203bの一端において接続装置101の第2の実施形態を介して胸部支持体202に接続され、接続装置1の第1の実施形態を介して枢支手段207に接続される。大腿部支持体214は、下側ステー215a、215bを介し、接続装置1の第1の実施形態を介して枢支機構207に接続される。接続装置1、101のこれらの実施形態が、以下でさらに詳細に説明される。
【0045】
図1図4に示される接続装置1は、ステー203a、203bおよび枢支機構207などの着用可能な支持構造体201の2つの部分を取り外し可能に接続することを可能にする。
【0046】
接続装置1は、第1のコネクタ3および第2のコネクタ5を有する。長手方向Aに延びる管状の形態を有する第1のコネクタ3は、枢支機構207に堅固に接続される。第2のコネクタ5は、ステー203aの端部に堅固に接続される。図2に示される第2のコネクタは、実質的に堅固な中空管である。管の壁は、凹部13、19、21が中空管の壁を貫通することなく壁に存在できるように比較的厚い。凹部13、19、および21は、長手方向Aに垂直な方向にコネクタの壁に沿って延びているコネクタ5の外壁の樋状(gutter-like)の溝である。樋状の溝は、使用時に第2のコネクタ5に対する第1のコネクタ3の約90度の回転を可能にするために、コネクタ5の外周の約4分の1に沿って延びている。第2のコネクタ5には、ボール状の要素33によって形成された阻止要素を備える阻止ユニットが設けられる。円柱形の要素など、別の形態の阻止要素も考えられる。第1のコネクタ3と第2のコネクタ5とが接続された状態において、ボール33は、樋状の溝13、19、21のうちの1つに収容される。特定の溝13、19、21にボールを配置することによって、ステー203aと枢支機構207との間の距離を決定することができる。例えば、比較的胴体が長いユーザの場合、ボール33は、図2に示される下方の溝21に受け入れられる。この状況において、第2のコネクタ5は、少しの部分だけが受け側コネクタ3に受け入れられる。身長が比較的低いユーザは、ボール33が凹部19に収容され、さらに小さい人の場合には凹部15に収容されるように、第2のコネクタ5を第1のコネクタ3に対して位置させる。
【0047】
ボール33は、少なくとも一部分が前記溝13、19、21に受け入れられ、かつ前記長手方向Aに垂直に延びる溝13の長さに沿って移動可能であるように、寸法付けられている。さらに、ボール33は、前記第2のコネクタ5を部分的に受け入れるための収容空間11を少なくとも部分的に取り囲む収容壁9の収容壁開口部31においても移動可能である。そのようなボール33は、管状コネクタ3の半径方向に移動可能であり、したがって半径方向および長手方向Aに垂直な第2のコネクタの接線方向のボール33の変位に関して少なくとも実質的にロックされる。収容壁開口部31は、収容壁開口部において出る収容壁開口部9の端部において、ボール33の直径よりも小さい直径を有する。収容壁開口部31のこの小さな直径は、ボール33が収容壁開口部31から完全に収容空間11に出ることを防止する。図4に示されるように、リング状の把持部によって形成された操作要素23をステー203から遠ざかる方向に押し、リング23を第1の位置に位置させることによって、ボール33を第2の位置に変位させることができる。リング23を、この第1の位置へと、ばね25によって形成された付勢要素の力に抗して積極的に押す必要がある。リング23が第1の位置にあるとき、ボール33は、少なくとも部分的に溝13内に位置するか、あるいは溝13がボール33にもはや整列しないように第2のコネクタ5を動かすことによって収容壁11の開口部31を通って部分的に押され得る。リング23を放すと、リングは、ステーに向かう方向に、すなわち図4の紙面の上部に対応する方向に後退する。把持部23は、把持部がステー203aから遠ざかるように押されたときにボール33を少なくとも部分的に収容する収容凹部35を備える。把持部23のこの操作された位置において、ボールは、収容凹部35の壁に衝突するまで収容凹部に移動可能である。把持部23が操作されていない場合、ボール33は、阻止壁37によって収容壁開口部31に押し込まれる。阻止壁37は、収容凹部の前記壁よりも前記収容壁開口部31に近い距離に位置し、把持部23がばね25によって押し戻されるときにボール33を積極的に収容壁開口部31の中にさらに押し込む。この位置において、ボール33は、ボール33が溝13、19、21に少なくとも部分的に収容されたときに阻止壁37に対してロックされることによって、ステー203aの枢支機構207からの分離を阻止する。把持部23は、前記ばね25を保持するための収容空間27を実質的に閉じるためのドーナツ状の栓29によって形成された保持要素を備える。
【0048】
図5および図6に示される接続装置101は、図1図4からの装置1から、主として第1のコネクタ103が第2のコネクタ105に対して回転するようには構成されていない点、および操作要素123の配置が異なるという点で相違する。接続装置1の各部分に類似し、あるいは少なくとも機能的に類似する接続装置101の各部分の参照番号は、100だけ増やした参照番号によって示されている。
【0049】
装置101の操作要素は、収容空間127に部分的に収容された押しボタン123として設けられる。ボタン123をばね125の力に抗して押すことで、第2のコネクタ5からの第1のコネクタ3の取り外しを可能にすることができる。ボタン123には、前記収容空間127内に延びるステム151およびフット153が設けられている。図6に示されるように、第2のコネクタ105の外壁の穴にねじ込まれるねじ129によって形成された保持要素を、ねじ129の下部が収容空間127内に延びるようにねじ込むことができる。ボタン123は、フット153が前記収容空間127内に延びるねじ129の一部分と衝突する点で、前記ばね125によって第2のコネクタ105から押し出されることが防止される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7